JP2012159309A - 磁気センサおよび磁気センサ装置 - Google Patents

磁気センサおよび磁気センサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気の遮蔽材を用いず、温度特性に優れた磁気センサおよび磁気センサ装置を提供すること。
【解決手段】 磁化方向が所定方向に固定された固定磁化層と該固定磁化層に絶縁層を介して積層され外部磁界により磁化方向が変わる自由磁化層とを有する第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bと、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が設置された第1の板部6Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが設置された第2の板部6Bとを備え、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aが、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層を平行にして設置され、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層を直交させて設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、温度特性に優れ、高精度に磁気を検出可能な磁気センサおよびこれを備えた磁気センサ装置に関する。
近年、トンネル磁気抵抗(TMR)素子を用いた磁気センサや電流センサが開発されている。このTMR素子は、薄い絶縁層を挟んで対向した一対の強磁性層を備えた素子構造を有し、一方の強磁性層の磁化の向きが固定されて固定磁化層(いわゆるピン層)とされていると共に、他方の強磁性層の磁化の向きが外部磁界に応じて変化する自由磁化層(いわゆるフリー層)とされている。そして、このTMR素子では、外部磁界が加わった際に、一対の強磁性層の互いの磁化方向に応じて、一対の強磁性層間のトンネル電流が変化して素子の抵抗値が変化することで、外部磁気を高精度に検出することが可能である。
このTMR素子は、素子抵抗に温度依存性があるため、素子抵抗が変化したときに素子温度が変化したのか、外部の磁界強度が変化したのかが判断し難いため、環境温度に影響されずに高精度な測定が可能な磁気センサが要望されている。
例えば、特許文献1には、磁気遮蔽されていないTMR素子と磁気遮蔽されているTMR素子とを直列接続し、両TMR素子のいずれかの素子の両端電圧を出力するように構成して、温度特性を改善した磁気センサが提案されている。
特開2001−345498号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、特許文献1に記載の磁気センサでは、一方のTMR素子において磁気を遮蔽する遮蔽材について特に具体的な記述がないが、例えば軟磁性材などでは磁気を完全に遮蔽することが難しいと共に軟磁性材の周囲の磁界に影響を与えてしまうという不都合があった。このため、環境温度の変化による影響を少なからず受けてしまう問題があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、磁気の遮蔽材を用いず、温度特性に優れた磁気センサおよび磁気センサ装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明の磁気センサは、磁化方向が所定方向に固定された固定磁化層と該固定磁化層に絶縁層を介して積層され外部磁界により磁化方向が変わる自由磁化層とを有する第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子と、前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が設置された第1の設置部および前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が設置された第2の設置部とを備え、前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して前記固定磁化層を平行にして設置され、前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して前記固定磁化層を直交させて設置されることを特徴とする。
この磁気センサでは、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層を平行にして設置され、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層を直交させて設置されるので、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が磁界検出用素子となると共に第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が温度補償用素子となり、両素子の電気特性の変化を比較することで、温度変化時でも高精度に磁気測定が可能になる。
すなわち、外部磁界と共に環境温度も変化した場合、磁気検出用素子では、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層および自由磁化層が平行であるので、外部磁界の変化に応じて抵抗値が変化すると共に温度変化に応じても抵抗値が変化するのに対し、温度補償用素子では、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層および自由磁化層が直交しているので、外部磁界が変化しても抵抗値が変化しないが温度変化に応じては抵抗値が変化する。したがって、磁界検出用素子と温度補償用素子との抵抗値を比較することで、環境温度による影響を除いた外部磁界の変化のみを検出することが可能になる。
また、第2の発明の磁気センサは、第1の発明において、互いに直交する方向に向けて配した前記第1の設置部となる第1の板部と前記第2の設置部となる第2の板部とを有した非磁性体材料で形成された設置部材を備えていることを特徴とする。
すなわち、この磁気センサでは、互いに直交する方向に向けて配した第1の設置部となる第1の板部と第2の設置部となる第2の板部とを有した非磁性体材料で形成された設置部材を備えているので、例えば第1の板部に設置された第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子を、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層を平行にして設置すると、第2の板部に設置された第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層を直交させた配置で容易に設置可能となる。また、例えば1枚の板材を90°に折り曲げ加工して第1の板部および第2の板部を有する設置部材とすることで、第1及び第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子を容易に上記配置で設置することができる。
また、第3の発明の磁気センサは、第1または第2の発明において、前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子および前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、トンネル磁気抵抗素子であることを特徴とする。
すなわち、この磁気センサでは、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、トンネル磁気抵抗素子であるので、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子などの他のスピンバルブ型磁気抵抗素子よりも大きな磁界感度が得られ、さらに高精度な磁気検出が可能になる。
第4の発明の磁気センサ装置は、第1から第3のいずれか一つの発明の磁気センサと、前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子の抵抗値と前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子の抵抗値との差分に基づいて外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出する検出回路とを備えていることを特徴とする。
すなわち、この磁気センサ装置では、上記磁気センサと、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子の抵抗値と第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子の抵抗値との差分に基づいて外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出する検出回路を備えているので、検出回路により環境温度の影響を除いた高い精度で外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る磁気センサおよび磁気センサ装置によれば、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して固定磁化層を平行にして設置され、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して前記固定磁化層を直交させて設置されるので、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が磁界検出用素子となると共に第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が温度補償用素子となり、両素子の電気特性の変化を比較することで、温度変化時でも高精度に磁気測定が可能になる。したがって、本発明の磁気センサおよび磁気センサ装置は、例えば温度が変化し易い環境下で用いる磁気センサや、電線用のコアレス電流センサなどに好適である。
本発明に係る磁気センサおよび磁気センサ装置の第1実施形態において、磁気センサ装置を示す構成図である。 第1実施形態において、トンネル磁気抵抗素子を示す概略的な斜視図である。 第1実施形態において、第1及び第2の板部上のスピンバルブ型磁気抵抗素子を示す側面図である。 第1実施形態において、検出回路を示す等価回路図である。 第1実施形態において、固定磁化層と自由磁化層との磁化の方向を説明するための説明図である。 第1実施形態において、固定磁化層と自由磁化層との磁化の方向に応じた磁束密度と素子抵抗との関係を示すグラフである。 第1実施形態において、固定磁化層と自由磁化層との磁化の方向に応じた温度と素子抵抗との関係を示すグラフである。 第1実施形態の他の例において、第1及び第2の板部上のスピンバルブ型磁気抵抗素子を示す断面図および磁気センサを示す斜視図である。 本発明に係る磁気センサおよび磁気センサ装置の第2実施形態において、電線に設置した磁気センサを示す断面図である。 第2実施形態において、電線に設置した磁気センサを示す斜視図である。
以下、本発明に係る磁気センサおよび磁気センサ装置の第1実施形態を、図1から図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の磁気センサ1は、図1および図2に示すように、磁化方向が所定方向に固定された固定磁化層2と該固定磁化層2に絶縁層3を介して積層され外部磁界により磁化方向が変わる自由磁化層4とを有する第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bと、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aが設置された第1の設置部および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが設置された第2の設置部とを備えている。
また、磁気センサ1は、互いに直交する方向に向けて配した第1の設置部となる第1の板部6Aと第2の設置部となる第2の板部6Bとを有した非磁性体材料で形成された設置部材6を備えている。すなわち、第1の板部6Aと第2の板部6Bとは、端部で接続され互いに直交している。
さらに、本実施形態の磁気センサ装置10は、上記磁気センサ1と、該磁気センサ1の第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bに電気的に接続され第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aの抵抗値と第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bの抵抗値との差分に基づいて外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出する検出回路7とを備えている。
第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aは、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を平行にして設置され、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を直交させて設置されている。すなわち、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bは、それぞれの固定磁化層2が互いに直交する方向に向いた状態で設置部材6に設置され、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bは、外部磁界の影響を受けない向きに配されている。なお、各図において、矢印Aは、自由磁化層4の磁化の向きを示し、矢印Bは、固定磁化層2の磁化の向きを示している。
上記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bとしては、トンネル磁気抵抗素子を採用することが好ましい。このトンネル磁気抵抗素子は、図2に示すように、例えば固定側電極層8、固定磁化層2、絶縁層3、自由磁化層4および自由側電極層9の順に積層された構造を有している。例えば、固定側電極層8は、Ta層(厚さ30nm)/CoFe層(厚さ3nm)/IrMn層(厚さ15nm)の積層で構成され、固定磁化層2は、CoFe層(厚さ2nm)/Ru層(厚さ0.8nm)/CoFeB層(厚さ3nm)の積層で構成されている。また、絶縁層3は、MgO層(厚さ1.2nm)であり、自由磁化層4は、CoFeB層(厚さ3nm)である。さらに、自由側電極層9は、Ta層(厚さ10nm)/Ru層(厚さ15nm)の積層で構成されている。
上記設置部材6は、例えば銅リードフレームを直角に折り曲げたものが採用される。
また、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bは、図3に示すように、設置部材6の第1の板部6A上および第2の板部6B上に、ポッティングされた耐熱性樹脂11でそれぞれ封止されている。なお、第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bと設置部材6上の配線(図示略)とは、ワイヤーボンディングによる金属細線12等によって電気的に接続されている。
上記検出回路7は、図4に示すように、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bにそれぞれ抵抗Rが直列に接続されていると共にこれら抵抗Rを介して電源電圧Vccが印加可能に接続されている。また、各抵抗Rと第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bとの間には、差動増幅回路であるオペアンプAMPが接続されている。該オペアンプAMPからは、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aと第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bとの抵抗値の差分が差分出力として出力可能であると共に、温度補償用素子となる第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bの抵抗値が補償出力として出力可能となっている。
本実施形態の磁気センサ1およびこれを備えた磁気センサ装置10で外部磁界を検出するには、まず図1に示すように、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aを磁界検出用素子として、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を平行にして設置すると共に、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bを温度補償用素子として、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を直交させて設置する。
第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aおよび第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bは、図5の(a)に示すように、固定磁化層2の磁化の方向Bに対して自由磁化層4の磁化の方向Aが同方向に向いて平行な場合(以下、平行状態と称する)と、図5の(b)に示すように、固定磁化層2の磁化の方向Bに対して自由磁化層4の磁化の方向Aが直交している場合(以下、直交状態と称する)と、図5の(c)に示すように、固定磁化層2の磁化の方向Bに対して自由磁化層4の磁化の方向Aが逆方向に向いて平行な場合(以下、反平行状態と称する)とでは、図6に示すように、磁束密度に対して抵抗値が異なると共に、図7に示すように、温度に対する素子抵抗の変化がそれぞれ異なる特性を示す。
すなわち、外部磁界と共に環境温度も変化した場合、磁気検出用素子である第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aでは、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2および自由磁化層4が平行であるので、外部磁界の変化に応じて抵抗値が変化すると共に温度変化に応じても抵抗値が変化するのに対し、温度補償用素子である第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bでは、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2および自由磁化層4が直交しているので、外部磁界が変化しても抵抗値が変化しないが温度変化に応じては抵抗値が変化する。
したがって、検出回路7により磁界検出用素子と温度補償用素子との抵抗値の差分を出力することで、環境温度による影響を除いた外部磁界の変化のみを検出することが可能になる。例えば、検出回路7の差分出力の正負に基づいて外部磁界の有無および向きを判定することができると共に、検出回路7の補償出力に基づいて温度を検出することも可能である。また、検出回路7の補償出力に基づいて温度を検出すると共に、検出回路7の差分出力と検出した温度とに基づいて、磁界強度を算出することも可能である。
このように本実施形態の磁気センサ1では、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aが、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を平行にして設置され、第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を直交させて設置されているので、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aが磁界検出用素子となると共に第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが温度補償用素子となり、両素子の電気特性の変化を比較することで、温度変化時でも高精度に磁気測定が可能になる。
特に、第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bが、トンネル磁気抵抗(TMR)素子であるので、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子などの他のスピンバルブ型磁気抵抗素子よりも大きな磁界感度が得られ、さらに高精度な磁気検出が可能になる。
また、互いに直交する方向に向けて配した第1の設置部となる第1の板部6Aと第2の設置部となる第2の板部6Bとを有した非磁性体材料で形成された設置部材6を備えているので、第1の板部6Aに設置された第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aを、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を平行にして設置すると、第2の板部6Bに設置された第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bが、検出しようとする外部磁界の向きMに対して固定磁化層2を直交させた配置で容易に設置可能となる。また、例えば1枚の板材を90°に折り曲げ加工して第1の板部6Aおよび第2の板部6Bを有する設置部材6とすることで、第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bを容易に上記配置で設置することができる。
そして、本実施形態の磁気センサ装置10では、上記磁気センサ1と、第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aの抵抗値と第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bの抵抗値との差分に基づいて外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出する検出回路7を備えているので、検出回路7により環境温度の影響を除いた高い精度で外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出することができる。
なお、上記実施形態の他の例として、例えば図8の(a)(b)に示すように、ハーメチックシール13内に第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bを実装しても構わない。すなわち、上記実施形態では、耐熱性樹脂11により第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bを封止しているが、耐熱性樹脂11が溶融または劣化してしまう高温まで環境温度が変化する場合には、ハーメチックシール13内に実装された第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bを、セラミックス基板や非磁性金属板で形成された設置部材6に焼き付け等で接着して磁気センサとしても良い。
次に、本発明に係る磁気センサおよび磁気センサ装置の第2実施形態について、図9および図10を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、1枚の銅リードフレームを90°に折り曲げた設置部材6に第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5A,5Bを設置しているのに対し、第2実施形態の磁気センサ21では、図9および図10に示すように、矩形状の第1の板部26Aおよび第2の板部26Bが互いに端部で固定され直列的に接続されて設置部材26を構成していると共に、第1の板部26Aの対向方向と第2の板部26Bの対向方向とがねじれの関係に配されている点である。
また、第2実施形態の磁気センサ21は、電線Eの電流センサとして適用され、電線Eに沿って第1の板部26Aおよび第2の板部26Bを配して電線Eに設置されている。
すなわち、第1の板部26Aに設置された第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Aは、電線Eに流れた電流により発生する外部磁界の向きMに対して平行に固定磁化層2が配されているので、磁界検出用素子となると共に、第2の板部26Bに設置された第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子5Bは、電線Eに流れた電流により発生する外部磁界の向きMに対して垂直に固定磁化層2が配されているので、温度補償用素子となる。
したがって、第2実施形態の磁気センサ21では、電線Eに流れる電流によって生じた磁界を検出することにより、電流の有無や大きさを高精度に測定することが可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述したように第1および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子としてTMR(トンネル磁気抵抗)素子を採用することが好ましいが、GMR素子などの他のスピンバルブ型磁気抵抗素子を採用しても構わない。
1,21…磁気センサ、2…固定磁化層、3…絶縁層、4…自由磁化層、5A…第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子、5B…第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子、6,26…設置部材、6A,26A…第1の板部(第1の設置部)、6B,26B…第2の板部(第2の設置部)、7…検出回路、10…磁気センサ装置

Claims (4)

  1. 磁化方向が所定方向に固定された固定磁化層と該固定磁化層に絶縁層を介して積層され外部磁界により磁化方向が変わる自由磁化層とを有する第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子および第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子と、
    前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が設置された第1の設置部および前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が設置された第2の設置部とを備え、
    前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して前記固定磁化層を平行にして設置され、前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、検出しようとする外部磁界の向きに対して前記固定磁化層を直交させて設置されることを特徴とする磁気センサ。
  2. 請求項1に記載の磁気センサにおいて、
    互いに直交する方向に向けて配した前記第1の設置部となる第1の板部と前記第2の設置部となる第2の板部とを有した非磁性体材料で形成された設置部材を備えていることを特徴とする磁気センサ。
  3. 請求項1または2に記載の磁気センサにおいて、
    前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子および前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子が、トンネル磁気抵抗素子であることを特徴とする磁気センサ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサと、
    前記第1のスピンバルブ型磁気抵抗素子の抵抗値と前記第2のスピンバルブ型磁気抵抗素子の抵抗値との差分に基づいて外部磁界の有無、向きおよび磁界強度の少なくとも一つを検出する検出回路とを備えていることを特徴とする磁気センサ装置。
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