JP2579995B2 - 磁気センサー - Google Patents

磁気センサー

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は薄膜技術を用いて形成した薄膜磁気抵抗素
子を有する磁気センサーに関する。
(従来の技術) 従来から磁界を測定する手段として磁気センサーが使
用されている。
このような磁気センサーとしては、第4図および第5
図に示すようなものがある。
第4図は磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド、第5図はFr
equency Generater用磁気センサーを示す。
これらの図において、1、1はそれぞれ基板を示して
いる。基板1上には、薄膜技術によりそれぞれ磁気抵抗
効果素子2、2…が形成されており、各素子2、2…に
は、導体パターンによる引き出し線3、3…がその両端
に接続されて設けられている。
そして第3図に示す磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドで
は、y軸に平行な磁界を測定することができ、また、第
5図に示す磁気センサーでは、X軸およびY軸に平行な
磁界を測定することができる。
しかしながら、上述した磁気ヘッドおよび磁気センサ
ーでは、ある空間の3次元の磁界情報を測定する場合
に、複数の磁気ヘッドあるいは磁気センサーを用いる必
要があり、微小空間の磁界を高精度に測定することが難
しいという課題があった。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように従来の磁気センサーでは、3次元の磁
界を測定する場合に複数のセンサーを用意する必要があ
り、また3次元の磁界を高精度に測定することが難しい
という課題があった。
この発明は上述した従来の課題を解決するためのもの
で、3次元の磁界を高精度に測定することのできる磁気
センサーを提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、基板上に複数の薄膜磁気抵抗効果素子が
形成された磁気センサーにおいて、前記薄膜磁気抵抗効
果素子を少なくとも3か所に設けるとともに、このうち
2か所の前記薄膜磁気抵抗効果素子の膜面を同一平面的
にほぼ直交して形成し、他の1か所の前記薄膜磁気抵抗
効果素子の膜面を前記同一平面に所定の角度をもって傾
けて形成したものである。
(作 用) この発明では、薄膜磁気抵抗効果素子を少なくとも3
か所に設けるとともに、このうち2か所の前記薄膜磁気
抵抗効果素子の膜面を同一平面的にほぼ直交して形成
し、他の1か所の前記前記薄膜磁気抵抗効果素子の膜面
を前記同一平面に所定の角度をもって傾けて形成したの
で、3次元の磁界を高精度に測定することが可能であ
る。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1図はこの発明の一実施例の磁気センサーを示す斜
視図である。
同図において、11はたとえばガラスなどの非磁性体に
より形成された基板を示している。基板11上には、SiO2
などの酸化膜により形成した傾斜台12が形成されてい
る。また、基板11上および傾斜台12の傾斜部分には、Ni
Feなどにより幅数10μm、長さ数100μm、厚さ数1000
Å程度の磁気抵抗効果素子13a、13b、13cが形成されて
いる。また、基板11上には、磁気抵抗効果素子13a、13
b、13cの両端に接続されたたとえばCuなどの導体により
パターン状に形成された引き出し線14a、14b、14c、14d
が設けられている。磁気抵抗効果素子13a、13cは、その
長手方向がX軸方向に平行に設けられており、磁気抵抗
効果素子13bは、その長手方向がY軸方向に平行に設け
られている。また、上述した磁気抵抗効果素子13a、13b
は、XY平面と平行に形成されており、磁気抵抗効果素子
13cはXY平面からZ軸方向に傾斜台12の傾斜面に沿って
ほぼ45゜傾いて形成されている。なお、各磁気抵抗効果
素子13a、13b、13cは、その長手方向に対してほぼ45゜
傾いた磁化容易軸をもつものとする。
そしてこのように構成された磁気センサーは、次のよ
うにして磁界を測定することができる。
第2図に示すように、外部磁界H=(Hx、Hy、Hz)が
磁気抵抗効果素子13a、13b、13cに加わったとき、各磁
気抵抗効果素子13a、13b、13cの磁化Mi(i=a、b、
c)が容易軸からφi(i=a、b、c)だけ傾き、セ
ンス電流に対してθi(θi=45゜+φi)の角度をと
って安定したとする。
各磁気抵抗効果素子のエネルギEi(i=a、b、c)
は、 Ea=Ka Sin2 φa−HxMa cosθa−HyMa sinθa Eb=Kb Sin2 φb−HxMb cosθb−HyMb sinθb Ec=Kc Sin2 φc−HxMc cosθc−HyMc sinθc −HzMc sinθc sin φ ………(1) ただし、Ki(i=a、b、c)は各磁気抵抗効果素子
の一軸異方性定数である。
となる。
また磁化はエネルギ極小の位置で安定するので、 から、 2Ka sin(φa−45)cos (φa −45) +HxMa sinθa−HyMa cosθa=0 2Kb sin(φb−45)cos (φb−45) +HxMb sinθb−HyMb cosθb=0 2Kc sin(φc−45)cos (φc−45) +HxMc sinθc−HyMc cosθc cos φ −HzMc cosθcsin φ=0 ………(2) 一方、θiとRi(i=a、b、c)は、 Ri=R0−Δ R1 sin2θi ………(3) の関係がある。なお、この関係を第3図に示す。
そして各磁気抵抗効果素子の抵抗Riを測定することに
より、θiが分り、(2)に代入すれば、Hx、Hy、Hzに
関する連立方程式ができ、φ、Ki、Miは既知の量なの
で、この方程式は、Hx、Hy、Hzに関して解くことができ
る。
このようにして(数 100μm)×10μm程度の空間
分解能で3次元の磁界の大きさを測定することができ
る。
次に上述した実施例の磁気センサーの製造方法につい
て説明する。
まず、ガラス基板11上にSiO2などの絶縁膜を約20μm
の厚さで形成し、RIE(リアクティブイオンエッチン
グ)などによりSiO2膜をエッチングしテーパー状に加工
して傾斜台12を形成する。次にNiFeなどの磁気抵抗効果
膜を蒸着などにより厚さ約500Åを形成し、IBE(イオン
ビームエッチング)などにより略短冊状に加工し磁気抵
抗効果素子13a、13b、13cを形成する。
このとき、たとえば磁気抵抗効果膜に誘導異方性を付
与しなければ、各磁気抵抗効果素子は自らの形状異方性
により、その長手方向を磁化容易軸にとることにより、
永久磁石などにより長手方向に対して45゜傾ける。
次に、引き出し線14a、14b、14c、14dをCuなどのリフ
トオフ法により形成し、さらにはリード端子部を形成し
た後、モールドすることにより磁気センサーが構成され
る。
したがって、この実施例の磁気センサーでは、基板11
上に、磁気抵抗効果素子13a、13bを同一平面上にほぼ直
交して形成し、他の1か所の磁気抵抗効果素子13cを同
一平面に所定の角度をもって傾けた傾斜台12の傾斜面に
形成したので、3次元の磁界を高精度に測定することが
可能である。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明の磁気センサーは、基板
上に、薄膜磁気抵抗効果素子を少なくとも3か所に設け
るとともに、このうち2か所の前記磁気抵抗効果素子の
膜面を同一平面的にほぼ直交して形成し、他の1か所の
前記薄膜磁気抵抗効果素子の膜面を前記同一平面に所定
の角度をもって傾けて形成したので、3次元の磁界を高
精度に測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の磁気センサーを示す斜視
図、第2図は第1図の磁化を説明するための図、第3図
は第1図の磁気抵抗効果素子における磁化の向きと抵抗
値との関係を示すグラフ、第4図および第5図は従来の
磁気ヘッドおよび従来の磁気センサーを示す斜視図であ
る。 11……基板、12……傾斜台、13a、13b、13c……磁気抵
抗効果素子、14a、14b、14c、14d……引き出し線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に複数の薄膜磁気抵抗効果素子が形
    成された磁気センサーにおいて、前記薄膜磁気抵抗効果
    素子を少なくとも3か所に設けるとともに、このうち2
    か所の前記薄膜磁気抵抗効果素子の膜面を同一平面的に
    ほぼ直交して形成し、他の1か所の前記薄膜磁気抵抗効
    果素子の膜面を前記同一平面に所定の角度をもって傾け
    て形成したことを特徴とする磁気センサー。
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