JP3089828B2 - 強磁性磁気抵抗素子 - Google Patents
強磁性磁気抵抗素子Info
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Description
効果を利用して磁界を検出する強磁性磁気抵抗素子に関
する。
と電流方向とのなす角度により抵抗率が変化する強磁性
磁気抵抗効果を有するNi−Fe系合金またはNi−C
o系合金の薄膜を絶縁基板上に形成し、フォトリソグラ
フィにより磁界感磁部と引き出し電極部を形成し、必要
に応じて基板表面に保護膜を形成することにより構成し
ている。そして、一軸異方性を補完あるいは付与するた
め、磁界感磁部の表面にその磁気容易軸方向に平行にハ
ードバイアス層を形成している。
性磁気抵抗素子においては、例えば一方向に着磁したま
ま動作点をシフトさせる場合に、従来は外部磁界により
バイアス磁界を印加するのが一般的であり、このような
外部磁界を印加しない場合には、部分的に所望の方向に
着磁するか、電流によるバイアス磁界を印加する方法が
採られている。しかしながら、これらはいずれも素子構
造が複雑であり、その製造工程も煩雑であった。
け、例えば一方向に着磁したまま動作点をシフトさせる
ことのできる強磁性磁気抵抗素子を提供することにあ
る。
抗素子は、絶縁基板上に強磁性磁気抵抗膜パターンを形
成し、前記強磁性磁気抵抗膜パターンの一軸異方性の磁
化容易軸方向に対して傾斜したハードバイアス膜パター
ンを、前記絶縁基板上で且つ前記強磁性磁気抵抗膜パタ
ーンの近傍に形成したことを特徴とする。
上に強磁性磁気抵抗膜パターンが形成され、この強磁性
磁気抵抗膜パターンの一軸異方性の磁化容易軸方向に対
して傾斜したハードバイアス膜パターンが、絶縁基板上
で且つ強磁性磁気抵抗膜パターンの近傍に形成されてい
る。したがって、ハードバイアス膜パターンを強磁性磁
気抵抗膜パターンの磁化容易軸方向に着磁することによ
って、従来のようなバイアス磁界を印加する磁石や、バ
イアス磁界発生コイル等を設けることなく、強磁性磁気
抵抗膜パターンの磁化容易軸に対し垂直成分を持ったバ
イアス磁界が強磁性磁気抵抗膜パターンに与えられ、動
作磁界点のシフトした強磁性磁気抵抗素子が得られる。
抗素子の構造を平面図として図1に示す。図1において
1aは絶縁性ガラス板、2aは感磁部、3aは引出電
極、4aはハードバイアス膜パターンである。以下この
強磁性磁気抵抗素子の製造方法の例を示す。
−25%Co合金を磁場中蒸着法により膜厚50nm成
膜し、次いで磁化容易軸を長軸方向として、線幅20μ
m、長さ1mmの短冊状パターンからなる感磁部2aを
フォトリソグラフィにより形成する。その後、基板表面
の全面に、下地電極としてTiを50nm蒸着し、その
上層にCo−15%Niを300nm蒸着し、これをパ
ターンニングして、感磁部2aの線幅方向両側に、4μ
m離れて60°方向に傾斜した線幅10μm、ピッチ1
5μmのハードバイアス膜パターン4aを形成するとと
もに、感磁部2aの両端に引出電極3aを形成する。続
いて、感磁部2aの磁化容易軸方向に磁場を印加した状
態で熱処理することによって、ハードバイアス膜パター
ン4aおよび引出電極3aを着磁する。その際、ハード
バイアス膜パターン4aは印加磁場方向に対して傾斜し
ているため、各ハードバイアス膜パターン4aはその長
手方向にバイアス磁界を印加する。
ドバイアス膜パターン4aは感磁部2aに対して、その
磁化容易軸方向に対し垂直成分を有するバイアス磁界を
印加することになる。今、例えば信号磁界の向きが図に
おいて手前から前方方向であって、感磁部2aおよびハ
ードバイアス膜パターン4aの着磁方向が図において左
方向(したがって、各ハードバイアス膜パターン4aの
実際のバイアス磁界を印加する方向は斜め左下方向)で
あれば、信号磁界に対する強磁性磁気抵抗素子の抵抗値
変化は図2に示すように動作磁界点を正方向にシフトさ
せることができる。図2の例では、ハードバイアス膜パ
ターンによる磁界と信号磁界Hとの合成磁界の方向が感
磁部2aの磁化容易軸方向に向くとき、素子の抵抗値は
最大となり、信号磁界Hが0付近では、信号磁界Hが正
方向に大きくなるほど抵抗値が増大し、信号磁界Hが小
さくなるほど抵抗値が減少する特性を示す。逆に、図1
において感磁部2aおよびハードバイアス膜パターン4
aの着磁方向が左方向で信号磁界の方向が図における下
方向であるとき、信号磁界に対する抵抗値変化は図3に
示すように設定することができる。すなわち信号磁界H
が0付近では、信号磁界Hが正方向に増大するほど抵抗
値が減少し、信号磁界Hが減少するほど抵抗値が増大す
る特性を示す。
手方向に着磁しても、各ハードバイアス膜パターンは同
様にバイアス磁界を印加するが、その場合には感磁部2
aの特性が変化してヒステリシスの発生が予想される。
また、ハードバイアス膜パターンの着磁は成膜後であれ
ば、前述のように磁場中で熱処理すればよいが、磁場中
蒸着法により成膜と同時に着磁してもよい。
膜素子の構造を平面図として図4に示す。図4において
1bはグレーズドアルミナ基板、2bは感磁部、3bは
引出電極、4bはハードバイアス膜パターンである。以
下この強磁性磁気抵抗素子の製造方法の例を示す。
ーズ面上にNi−18%Fe合金を磁場中蒸着法により
膜厚30nm成膜し、次いでフォトリソグラフィによ
り、磁化容易軸方向が短軸方向となるように、線幅50
μm、長さ500μmの短冊状パターンの感磁部2bを
形成する。その後、膜厚200nmのCo−18%Ni
合金からなるハードバイアス膜を形成し、このハードバ
イアス膜をフォトリソグラフィによりパターン化するこ
とによって、感磁部2bの両脇に底辺45μm、高さ1
00μm傾斜角45°の平行四辺形のハードバイアス膜
パターンを、幅5μmの間隙を設けて、50μmピッチ
で500μmの幅に配列し、さらに、感磁部2bの両端
部に引出電極3bを形成する。続いて、感磁部2bの磁
化容易軸方向に磁場を印加した状態で熱処理することに
よって、ハードバイアス膜パターン4bおよび引出電極
3bを着磁する。その際、ハードバイアス膜パターン4
bは印加磁場方向に対して傾斜しているため、各ハード
バイアス膜パターン4bはその長手方向にバイアス磁界
を印加する。
ドバイアス膜パターンが無い状態では、感磁部2bの磁
化容易軸方向に垂直な方向(感磁部2bの長軸方向)に
信号磁界が印加される場合、信号磁界強度が0の時、素
子の抵抗値は最小となり、信号磁界強度が正または負方
向に増大するに伴い抵抗値が増大するが、感磁部2bに
対し斜め方向にバイアス磁界を印加するハードバイアス
膜パターン4bの存在によって、動作磁界点がシフトす
る。たとえば図4において感磁部2bおよびハードバイ
アス膜パターン4bの着磁方向が図における前方から手
前方向で、信号磁界の方向が図における左方向である
時、信号磁界に対する抵抗値変化を図5に示すように設
定することができる。この場合、信号磁界Hが0付近で
は、信号磁界Hが正方向に増大するほど抵抗値が減少
し、信号磁界Hが減少するほど抵抗値が増大する特性を
示す。
素子の構造を平面図として図6に示す。図6において1
cは絶縁性ガラス基板、2cは感磁部、3cは引出電
極、4cはハードバイアス膜パターン、5cは保護膜で
ある。以下この強磁性磁気抵抗素子の製造方法の一例を
示す。
i−18%Fe合金を磁場中蒸着法により膜厚30nm
成膜し、フォトリソグラフィにより、磁化容易軸を短軸
方向として、線幅50μm、長さ500μmの短冊状の
感磁部2cを形成する。続いて、感磁部2cの上部にS
i−Nからなる保護膜5cを被覆するとともに、感磁部
2cの両端部にコンタクトホールを設ける。その後、C
o−18%Ni合金200nm、Au100nmからな
るハードバイアス膜を成膜する。続いて、このハードバ
イアス膜をフォトリソグラフィによりパターン化するこ
とによって、感磁部2cの両脇部に感磁部2cから5μ
m離れた位置に、底辺を揃えた底辺100μm、高さ5
0μm、斜辺50√5μmの直角三角形を100μmピ
ッチで配置し、さらに感磁部2cの両端部に引出電極3
cを形成する。この引出電極3cはコンタクトホールを
介して感磁部2cの両端と電気的に導通する。その後、
感磁部2cの磁化容易軸方向に磁場を印加した状態で熱
処理することによって、ハードバイアス膜パターン4c
および引出電極3cを着磁する。
おけるハードバイアス膜パターンのバイアス磁界を印加
する方向を示す図である。各ハードバイアス膜パターン
は感磁部の磁化容易軸方向、たとえば図7に示す白抜き
矢印方向に磁場がかけられて着磁されるが、ハードバイ
アス膜パターンの形状異方性により、図7の各ハードバ
イアス膜パターンは図中の矢印に示すように、感磁部の
磁化容易軸に対して斜め方向にバイアス磁界を印加する
ことになる。
磁気抵抗膜パターンの近傍に、強磁性磁気抵抗膜パター
ンの一軸異方性の磁化容易軸方向に対し傾斜したハード
バイアス膜パターンを設けたため、強磁性磁気抵抗膜パ
ターンに対して、その磁化容易軸方向に垂直な成分を有
するバイアス磁界が印加される。このため、外部からバ
イアス磁界を印加することなく、動作磁界点をシフトさ
せ、例えば信号磁界が0付近で、信号磁界変化に対して
抵抗値がリニアに変化する特性を得ることも可能とな
る。
素子の構造を示す平面図である。
磁界に対する抵抗値変化の特性を示す図である。
磁界に対する抵抗値変化の特性を示す図である。
を示す平面図である。
磁界に対する抵抗値変化の特性を示す図である。
を示す平面図である。
ス磁界を印加する方向を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 絶縁基板上に強磁性磁気抵抗膜パター
ンを形成し、前記強磁性磁気抵抗膜パターンの一軸異方
性の磁化容易軸方向に対して傾斜したハードバイアス膜
パターンを、前記絶縁基板上で且つ前記強磁性磁気抵抗
膜パターンの近傍に形成し、前記ハードバイアス膜パタ
ーンを前記強磁性磁気抵抗膜パターンの磁化容易軸方向
に着磁することを特徴とする強磁性磁気抵抗素子。
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