JP2003503835A - 低スイッチング磁界で動作するmramセル - Google Patents

低スイッチング磁界で動作するmramセル

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JP2003503835A
JP2003503835A JP2001506554A JP2001506554A JP2003503835A JP 2003503835 A JP2003503835 A JP 2003503835A JP 2001506554 A JP2001506554 A JP 2001506554A JP 2001506554 A JP2001506554 A JP 2001506554A JP 2003503835 A JP2003503835 A JP 2003503835A
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ユージーン・チェン
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Abstract

(57)【要約】 重なり合うような関係を有して平行に積み重ねられ、多層磁気メモリ・セルの一部を形成するように非磁気材料の層(12)によって分離された磁気材料の2つの層(23,24)を含む低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セルである。磁気材料の2つの層の幅が長さよりも短く、かつ、磁気材料の2つの層内にある磁壁の幅よりも狭く、長さに沿って形状異方性容易軸が設定される。少なくとも磁気材料の2つの層の一方が、磁気材料の2つの層の幅に対してほぼ平行である磁気異方性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気メモリ・セルに関し、さらに詳しくは、状態を検出するための
巨大磁気抵抗(GMR)比を利用する磁気メモリ・セルに関する。
【0002】
【発明の背景】
過去において、多種多様の磁気材料および構造が、不揮発性メモリ・エレメン
ト、ディスク・ドライブの読み/書き用ヘッド、およびその他の磁気型装置のた
めの磁気抵抗材料を形成するために使用された。ある従来の磁気抵抗材料に使用
される磁気抵抗要素は、導体層によって分離された2つの磁気層を有する。2つ
の磁気層の磁化ベクトルは、典型的には、磁界が無ければ互いに反平行である。
1つの層の磁化ベクトルが一方向を指すと、他の層の磁化ベクトルは常に逆方向
を指す。かかる磁気材料の磁気特性は、典型的には、セルの幅に沿って磁化ベク
トルの方向を維持するために、1ミクロンよりも広い幅を要する。広い幅が必要
であることにより、かかる材料を使用するメモリの密度が制限される。
【0003】 他のタイプのメモリ・セルは、多層巨大磁気抵抗材料(GMR)を用い、密度
を高めるために約1ミクロンの大きさで使用する。ここでも導体層は、磁気材料
の多層間に配置される。この構造において、磁化ベクトルは、磁気材料の幅では
なく長さに対して平行である。ある実施例において、1つの磁気層の磁化ベクト
ルは常に一方向に保たれ、その間に第2の磁気層の磁化ベクトルは、論理「0」
および「1」の状態の両方を表すために、第1のベクトルに対して平行および反
平行の間で切り替わる。この構造は、一般にスピン・バルブ構造(spin valve st
ructure)と呼ばれる。他の実施例では、両方の磁気材料層の磁化ベクトルが常に
同一方向に保たれ、反対のベクトル方向で論理「0」および「1」の状態を表す
【0004】 さらに、他のタイプのメモリ・セルが多層巨大磁気抵抗材料(GMR)を用い
、密度を高めるために約1ミクロンの大きさで使用する。このタイプのセルでは
、非導電層が磁気材料の多層間に配置される。ここでも磁化ベクトルは、磁気材
料の幅ではなく長さに対して平行であるが、縦に導電されるというよりも、セン
ス電流が磁気材料の1つの層から他の層へと非導電層を通り抜ける。この構造は
、一般にトンネルGMRセル(tunneling GMR cell)と呼ばれる。
【0005】 磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)は、基本的にはGMRセルとセ
ンス線とワード線とを含む不揮発性メモリである。MRAMは、GMRのメモリ
状態を格納するために用いる。GMR材料の1つまたは全ての層内の磁化ベクト
ルは、磁界がある閾値上のGMRセルに与えられるときに、一方向から逆方向へ
と非常に素早く切り替わる。GMRセル内の磁化ベクトルの方向に従って、状態
が格納され、磁界が与えられなくてもGMRセルがこれらの状態に維持される。
GMRセル内に格納された状態は、一方または両方の磁化ベクトルが切り替わる
時に、センス線内のセルをセンス電流が通過すること、および、抵抗間の相違(
GMR比)を検出することによって読み出すことができる。問題点は、ほどんど
のGMRセルにおいて、セルの状態の切換えに必要とされる磁界が比較的高いこ
とであり、これは比較的高い切り替え電流が必要とされること、および、かなり
の電力が消費されることを意味する。電流または磁界におけるこの増大によって
、特にGMRセルの大きなアレイ内では、かなりの動作電力が増大することにな
る。
【0006】 したがって、スイッチング磁界の要件を満たし、かつ、実質的にGMR比また
は他の特性を変えることのない磁気ランダム・アクセス・メモリおよびメモリ・
セルの提供が強く望まれる。
【0007】 本発明の1つの目的は、低減されたスイッチング磁界を有する、新しい改善さ
れた磁気メモリ・セルを提供することである。
【0008】 本発明の他の目的は、読み出しおよび書き込み動作をより小さな電力消費で行
うことができる、新しい改善された磁気メモリを提供することである。
【0009】
【発明の要旨】
上記および他の問題点は、少なくとも部分的には解決されており、上記および
他の目的は、重なり合うような関係を有して平行に積み重ねられ、、多層磁気メ
モリ・セルの一部を形成するように非磁気材料の層によって分離された磁気材料
の2つの層で含む多層磁気メモリ・セルにあると認識される。磁気材料の2つの
層は、幅が長さよりも短く、かつ、磁気材料の2つの層内にある磁壁の幅よりも
狭くなるように形成され、それらの長さに沿って形状異方性容易軸が設定される
。さらに、2つの層の少なくとも一方が、磁気材料の2つの層の幅に対してほぼ
平行である磁気異方性を有する。
【0010】 低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セルにおいて、セルは、一般に式KD sin2θで表される形状異方性、および、一般に式 -Kmsin2θで表される磁気異方
性で形成される。ここで、Kmは磁気異方性エネルギー密度、KDは減磁エネルギー
密度、θは形状異方性容易軸と磁化ベクトルとの間の角度である。磁気異方性容
易軸を形状異方性容易軸に対してほぼ直角に方向づけることによって、それらが
実質的に引き算されて、スイッチング磁界を低減する。
【0011】
【好適な実施例の説明】
図1は、本発明に従って、低減されたスイッチング磁界を有する磁気材料の1
つの層5を単純化して拡大した斜視図である。層5は、一般に説明の便宜上長方
形に形造られ、幅Wに沿ってではなく長さLに沿って、磁化ベクトル6によって
表される磁化の容易軸が形成される。すなわち、形状異方性容易軸は長さLに沿
っているが、この特性は、幅Wを、長さLよりも小さく、また、層5内の磁壁幅
または遷移幅よりも小さく形成することによって達成される。したがって、磁化
ベクトル6は、幅Wと平行になり得ない。典型的には、幅が1.0から1.2ミ
クロンより小さい場合は、かかる状態になる。幅Wは一般に1ミクロンよりも小
さく、製造技術によってできるだけ小さく造られ、長さLは一般に幅Wよりも大
きく、一般的には5倍またはそれ以上である。
【0012】 磁化ベクトル6で示される層5の形状異方性は、一般に式KDsin2θによって表
され、ベクトルMで示される磁気異方性は、一般に式 -Kmsin2θによって表され
る。これらの式において、Kmは磁気異方性エネルギー密度であり、KDは減磁エネ
ルギー密度であり、θは形状異方性容易軸と磁化ベクトルとの間の角度である。
Km とKDは一定であり、層5内で使用される材料のタイプにより決定されること
が知られている。さらに、図示の位置から180°回転した位置まで磁気ベクト
ル6をスイッチするために必要な磁界は、一般にKDsin2θ−Kmsin2θで表される
エネルギー障壁に比例する。磁気異方性の容易軸を形状異方性の容易軸に対して
ほぼ直角にすることにより、磁気異方性を形状異方性から減じて、セルのスイッ
チング磁界が低減する。磁気異方性に対してほぼ直角に方向づけられた形状異方
性を有する層5を形成することにより、図示の位置から180°回転した位置ま
で磁気ベクトル6をスイッチするために必要なスイッチング磁界は、少なくとも
5から50エルステッド低減する。
【0013】 層5の磁気異方性の方向は様々な方法で検出可能であるが、最も簡単な方法は
、形成中に層5に磁界を与える方法である。一般に層5は、現在半導体技術で一
般に行われている多くの蒸発技術のいくつかによって、堆積により支持層または
基盤上に形成される。すなわち、磁気材料のブランケット層(図示せず)が、選
択された方向に向けて与えられた磁界に直角に堆積されるが、それは本実施例で
は幅Wに平行である。標準的なパターニングおよびエッチング技術によって、磁
気層5が、磁気異方性に対してほぼ直角に方向づけられた形状異方性を有するブ
ランケット層から形成される。エネルギー密度式は正弦波を含むので、θの数度
の小さな変化によって、さらにセル・スイッチング磁界が低減されるであろう。
【0014】 図2は、強磁性結合された多層を有する磁気メモリ・セル10の拡大して単純
化した側面図を示す。セル10は、第1磁気層11および第2磁気層13を含み
、これらが第1非磁気スペーサ層12によって分離される。本実施例において、
層11,13のそれぞれは、層5に関して前述したように、磁気異方性に対して
ほぼ直角に方向づけられた形状異方性で形成される。さらに、層11は厚さ23
を有し、層13は厚さ23と等しいか、またはそれより厚い厚さ24を有する。
【0015】 図3に関し、セル10の拡大した分解図が示される。図2と同じ参照番号を有
する図3の部分は、対応する図2の要素と同じものである。層11,13は一般
に長方形であり、長さ26に沿ってではなく長さ27に沿った磁化の容易軸で形
成され、すなわち、形状異方性容易軸は長さ27に沿っている。また、層11,
13のそれぞれが幅26にほぼ平行な磁化異方性を有する。層11,13の形状
異方性は、実質上長さ27に沿っている、すなわち、実質上長さ27に平行であ
る磁化ベクトル21によって表され、この特性は、幅26を、層11,13内の
磁壁幅または遷移幅よりも小さく形成することによって達成される。本実施例で
は層11,13のそれぞれにおいて、形状異方性が磁気異方性に対してほぼ直角
に方向づけられるが、層11または層13の一方が、形状異方性に対してほぼ直
角に方向づけられる磁気異方性で形成されていれば、スイッチング磁界の改善が
実現されるであろうことが理解されるべきである。
【0016】 図2に示すように、層11,13内のベクトル21,22は、セル10内の磁
化の2つの異なった状態を表す。これらは同一のベクトルであるが、異なった状
態を示すためにのみ異なる番号を付与されていると理解すべきである。一方の状
態が論理「0」であるときは、他方の状態は論理「1」である。あらゆる論理の
定義がいずれかの状態に付与され得ることは当業者に理解されるであろうが、本
説明では、図2において層11,13の両方のベクトル21が左を指すときは、
セル10は論理「0」の状態であり、層11,13の両方のベクトル22が逆方
向であるときは、セル10は論理「1」の状態である。したがって、層11,1
3双方の第1状態の磁化ベクトルが第1方向を指し、層11,13双方の第2状
態の磁化ベクトルは逆方向を指す。さらに、(本実施例では)層11と13とが
強磁性結合されるので、無磁界(または非常に小さい磁界)がセル10に与えら
れるときは、層11,13の磁化ベクトルは常に同一方向(平行)を指す。一定
の磁界がセル10に与えられるとき、磁化ベクトルは逆方向(反平行)のみを指
すが、このことは追ってより詳細に説明する。
【0017】 ここでは強磁性体モードが説明目的のためにのみ使用されるが、本発明の構造
は強磁性体モード以外のモードでも動作可能であることを当業者は理解すべきで
ある。2つの例は、反強磁性体モードとスピン・バルブ・モードである。反強磁
性体モードでは、2つの磁気層11,13の静止状態は、ベクトル21,22の
時計方向か反時計方向の反平行方向である。これらの2つの状態は、論理「0」
および論理「1」として用いることができる。スピン・バルブ・モードでは、層
11,13の一方が通常固定され、他の層を固定された層に対して平行または反
平行に切り換えることができる。ベクトル21,22の平行および反平行状態は
、論理「0」および論理「1」の状態として用いることができる。
【0018】 ある例において、セル10は層13が層11よりも薄く設計されているので、
層11の磁化ベクトルの切り替えに必要な磁界よりもより小さい磁界で、層13
の磁化ベクトルが切り換わるであろう。この設計を達成する他の方法は、磁化ベ
クトルを切り換えるためにより高い磁界を必要とする磁気材料の外に、層11を
形成することである。
【0019】 強磁性体層11と強磁性体層13との間の電気的に絶縁している非磁気層12
を設けることにより、トンネル接合を生成し、これによって電流が、層11から
層13へ(またはその逆に)層12を通って垂直に流れる。本来、セル10は、
比較的高インピーダンス(ここでは抵抗Rとして引用)として現れ、一般には数
千オーム、例えば5〜6キロオームである。層11,13内の磁化ベクトルが反
平行であるときは、セル10の抵抗Rは非常に高いままである。層11,13内
の磁化ベクトルが平行であるときは、セル10の抵抗Rは鋭く下降する。ベクト
ルが反平行であるときの高抵抗と、ベクトルが平行であるときの低抵抗との比は
、GMR比として知られている。GMR比は、一般にセルの状態を検出するため
に用いられ、GMR比が高いほど、格納た状態の検出がより容易である。トンネ
ル接合は、ここでは説明目的のためにのみ述べられているのであり、本発明には
多様なタイプのセルのいずれでも用いることができることを理解すべきである。
【0020】 特に図4に関し、グラフは、セル10の抵抗に対する、層11,13内の磁化
ベクトルの方向が異なる場合について示した図である。また、多様なベクトルの
方向を生成するために必要な、与えられた磁界の方向と強さを示す。グラフの横
軸は磁界の方向および強さを示し、縦軸はセル10の抵抗を表す。さらに、第1
カーブ32は、第1方向内のさまざまな強さの磁界を与えるために生成され得る
セル抵抗を示し、カーブ33は、第2方向内のさまざまな強さの磁界を与えるた
めに生成され得るセル抵抗を示す。ベクトル34,35はカーブ32で示され、
それぞれが、横軸に沿って正方向で値H1と値H2との間の磁界を与えるための層
11,13内の磁化ベクトルを表す。同様に、ベクトル36,37はカーブ33
で示され、それぞれが、横軸に沿って負方向で値H3と値H4との間の磁界を与え
るための層11,13内の磁化ベクトルを表す。
【0021】 典型的なサブミクロン・セル(例えばセル10)において、形状異方性は、セ
ル内の各磁気層について50エルステッドまたはその程度の磁界で、セルを切り
換えることができる。磁気異方性磁界は、磁気層毎に6〜40エルステッドの範
囲内で変化するが、それは磁気材料の組成によって決まる。したがって、磁気異
方性容易軸を形状異方性容易軸に対してほぼ直角に方向づけることによって、そ
れらが実質的に引き算されて、スイッチング磁界の実質的な低減をもたらす。こ
こで、上述のように、すなわち形状異方性容易軸に対してほぼ直角に方向づけら
れた磁気異方性容易軸を有する層11,13を形成することは、図4にされたカ
ーブの横軸に沿った値は、少なくとも5〜50エルステッドまで直交軸(すなわ
ち縦軸)に向かってシフトされ、一方、横軸で表される抵抗値は、ほぼ一定のま
まである。形状異方性および磁気異方性を説明する式は正弦波を含むので、θの
数度の小さな変化によって、さらにセル・スイッチング磁界が実質的に低減され
るであろう。
【0022】 セル10が、内部のベクトル21が両方とも左を指し、横軸に沿って右へ動い
ている状態にあると仮定すると、磁界は値H1まで増大する。値H1に達する前に
、磁気ベクトル21は、論理「1」を示す同方向に向けられ、セル10の抵抗は
低い。ここでは値H1で示される十分な磁界をセル10に加えることにより、ベ
クトル35が逆方向(図示のように)切り換わり、セル10の抵抗は急激に増加
する。この増加量は、GMR比に等しい。磁界が値H2を超えて増大したとたん
に、ベクトル34が逆方向に切り換わり、セル10の抵抗は再び低値まで減少す
るが、このときの磁化ベクトルはベクトル22で示される。同様に、磁界が逆方
向に加えられると、カーブ33が加わり、層13の磁化ベクトル37が値H3
切り換わり、そして層11の磁化ベクトル36がH4で切り換わるが、このとき
の磁気ベクトルはベクトル21で示される。本実施例において、一旦、層11,
13のベクトルがベクトル21,22で示される方向に設定されると、加えられ
た磁界が消去された後も,それらを切り換えるために十分強い磁界が加えられる
までは、その方向を保持し続ける。
【0023】 それゆえ、本例における、層11の磁化ベクトルがカーブ32(ベクトル34
)によって示される方向に設定されるとする仮定に基づいて、H2よりも大きな
強さの磁界を加えることによって、セルを論理「0」(図3で右を指す平行な磁
化ベクトル)に設定することができる。また、H4よりも大きな強さの磁界を加
えることによって、セルを論理「1」(図3で左を指す平行な磁化ベクトル)に
設定することができる。したがって、H2およびH4の磁界の強さを低減すること
により、セル10内に値を書き込むために要するエネルギーが実質的に低減され
る。
【0024】 以下の手続が、磁気メモリ・セル10内に格納された状態を読み出すために用
いられる。層11,13のベクトルが、カーブ33(ベクトル22)によって示
された方向に設定されていると仮定した場合、正磁界をセル10(H1またはH2 のいずれか)に加えても効果が現れないときは、セル内に論理「0」が格納さ
れていることを示す。反対に、値H4と値H3との間の負磁界をセル10に加えた
ときは、層13内の磁化ベクトルが反平行方向に切り換わり(ベクトル36,3
7)、上述したように、セルの抵抗の実質的な変化(一般にGMRに等しい)を
検出することができる。同様な方法で、層11,13のベクトルが、カーブ32
(ベクトル21)によって示された方向に設定されている場合、負磁界をセル1
0(H3またはH4のいずれか)に加えても効果が現れないときは、セル内に論理
「1」が格納されていることを示す。反対に、値H1と値H2との間の正磁界をセ
ル10に加えたときは、層13内の磁化ベクトルが反平行方向に切り換わり(ベ
クトル34,35)、セルの抵抗の実質的な変化を容易に検出することができる
【0025】 したがって、H2およびH4の磁界の強さを低減することにより、セル10内に
値を書き込むために要するエネルギーが実質的に低減される。さらに、H1とH2 およびH3とH4の磁界の強さを低減することにより、セル10内に格納された値
を読み出すために要するエネルギーが実質的に低減される。切り替えおよび/ま
たは読み出しのために要する磁界が実質的に低減されるので、セルはより小さな
電力しか消費しないであろう。節約される電力は、例えば大きなMRAMデバイ
スにおける、特に大きなアレイほど大きい。
【0026】 本発明について具体的な実施例を示して説明したが、さらなる変形や改善が当
業者によってなされるであろう。それゆえに、本発明はここに示された特定の形
に限定されるものではなく、本発明の目的および範囲から逸脱しないような全て
の変形が、特許請求の範囲に含まれていることを我々が意図しているということ
が理解されることを望む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った、低減されたスイッチング磁界を有する磁気材料の1
つの層を単純化して拡大した斜視図である。
【図2】 図1に示すものに類似する磁気材料の2つの層を含む多層磁気メモリ
・セルを単純化した側面図である。
【図3】 図2に示す多層磁気メモリ・セルを単純化した分解図である。
【図4】 図2のセルの特性を示したグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重なり合うような関係を有して平行に積み重ねられ、、多層磁気
    メモリ・セルの一部を形成するように非磁気材料の層によって分離された磁気材
    料の2つの層であって、前記磁気材料の2つの層が長さおよび幅を有し、 前記磁気材料の2つの層の前記幅が前記長さよりも短く、かつ、前記磁気材料
    の2つの層内にある磁壁の幅よりも狭く、前記長さに沿って形状異方性容易軸が
    設定され、 前記磁気材料の2つの層の少なくとも一方が、前記磁気材料の2つの層の前記
    幅に対してほぼ平行である磁気異方性を有する、 ことを特徴とする低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セル。
  2. 【請求項2】 前記磁気材料の2つの層が、電気的に導電性を有する非磁気材料
    の層によって分離されることを特徴とする請求項1記載の低スイッチング磁界多
    値多層磁気メモリ・セル。
  3. 【請求項3】 前記磁気材料の2つの層が、電気的に絶縁である非磁気材料の層
    によって分離されることを特徴とする請求項1記載の低スイッチング磁界多値多
    層磁気メモリ・セル。
  4. 【請求項4】 前記セルが、面内型およびトンネル型の磁気ランダム・アクセス
    ・メモリの1つであることを特徴とする請求項1記載の低スイッチング磁界多値
    多層磁気メモリ・セル。
  5. 【請求項5】 磁気材料の第1層および第2層とそれらの間に挟まれた非磁気材
    料の層とを含む低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セルであって、前記第
    1層および第2層の少なくとも一方が、一般に式KDsin2θによって表される形状
    異方性、および、一般に式 -Kmsin2θによって表される磁気異方性を有し、ここ
    で、Kmは磁気異方性エネルギー密度であり、KDは減磁エネルギー密度であり、θ
    は前記形状異方性容易軸と前記磁化ベクトルとの間の角度である、 ことを特徴とする低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セル。
  6. 【請求項6】 重なり合うような関係を有して平行に積み重ねられ、、長さおよ
    び幅を有する多層磁気メモリ・セルを形成するように非磁気材料の層によって分
    離された磁気材料の複数の層であって、 前記多層磁気メモリ・セルの前記幅が、前記長さよりも短く、かつ、前記磁気
    材料の層内にある磁壁の幅よりも狭く、前記多層磁気メモリ・セルの前記長さに
    沿って形状異方性容易軸が設定され、 前記磁気材料の複数の層の少なくとも1層が、前記前記多層磁気メモリ・セル
    の前記幅に対してほぼ平行である磁気異方性の容易軸を有する、 ことを特徴とする低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セル。
  7. 【請求項7】 前記磁気材料の複数の層の少なくとも2つの層が、電気的に導電
    性を有する非磁気材料の層によって分離されることを特徴とする請求項6記載の
    低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セル。
  8. 【請求項8】 前記磁気材料の複数の層の少なくとも2つの層が、電気的に絶縁
    である非磁気材料の層によって分離されることを特徴とする請求項6記載の低ス
    イッチング磁界多値多層磁気メモリ・セル。
  9. 【請求項9】 前記セルが、一般に式KDsin2θによって表される形状異方性、お
    よび、一般に式 -Kmsin2θによって表される磁気異方性を有し、ここで、Kmは磁
    気異方性エネルギー密度であり、KDは減磁エネルギー密度であり、θは前記形状
    異方性容易軸と前記磁化ベクトルとの間の角度であることを特徴とする請求項6
    記載の低スイッチング磁界多値多層磁気メモリ・セル。
  10. 【請求項10】 前記セルが、面内型およびトンネル型の磁気ランダム・アクセ
    ス・メモリであることを特徴とする請求項6記載の低スイッチング磁界多値多層
    磁気メモリ・セル。
JP2001506554A 1999-06-25 1999-06-25 低スイッチング磁界で動作するmramセル Pending JP2003503835A (ja)

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WO1997033181A1 (de) * 1996-03-06 1997-09-12 Siemens Aktiengesellschaft Magnetfeldempfindlicher sensor mit einem dünnschichtaufbau und verwendung des sensors
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