JP2007503670A - 多状態磁気ランダムアクセスメモリセル - Google Patents

多状態磁気ランダムアクセスメモリセル Download PDF

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Abstract

ワードライン(14)とディジットライン(16)の間に、2つのビット(18)と(20)が挟まれており、様々な時間に電流波形(104)と(106)をワードラインとディジットラインに加え、磁界束HWとHDによって、装置(12)の有効磁気モーメントベクトル(86)と(94)を略180度回転させることができるように作られている磁気抵抗メモリ装置(12)を提供する段階を含む、スケーラブル磁気抵抗メモリセルを切り替える方法が開示されている。各ビットは、非強磁性的に結合されているN個の強磁性層(32)、(34、42)、(44、60)及び(62、72、74)を含んでいる。Nの個数は、ビットの磁気切り替え量を変えるために調整することができる。一方又は両方のビットは、ワード及び/又はディジットラインの電流を調整することによってプログラムすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、概括的には、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)装置に関する。より具体的には、本発明は、多状態MRAMセルに書き込むための方法に関する。
不揮発性メモリ装置は、電子機器システムでは非常に重要な構成要素である。FLASHは、今日使用されている主要な不揮発性メモリ装置である。代表的な不揮発性メモリ装置は、情報を記憶するのに、浮動酸化物層内に捕捉された電荷を使用する。FLASHメモリの欠点は、高電圧が必要で、プログラム及び消去時間が遅いことである。更に、FLASHメモリは、書き込み耐久性に劣り、10−10サイクルでメモリが故障してしまう。加えて、データ保存を妥当な水準に維持するため、ゲート酸化物の寸法は、電子が臨むトンネルバリヤーによって制限される。従って、FLASHメモリは、製作することのできる寸法諸元が限られてくる。
これらの欠点を克服するため、磁気メモリ装置が評価されている。そのような装置の1つがMRAMセルである。しかしながら、市場で実用化されるには、MRAMは、現在のメモリ技術に匹敵するメモリ密度を有し、未来世代でもスケーラブルで、低電圧で作動し、消費電力が低く、競合性のある読み取り/書き込み速度を有していなければならない。
MRAM装置では、不揮発性メモリ状態の安定性、読み取り/書き込みサイクルの反復性、及び、メモリの要素対要素切替磁界の均一性が、その設計特性の中で最も重要な3つの態様である。MRAMのメモリ状態は、電力ではなく、磁気モーメントベクトルの方向によって維持される。データを記憶するのは、磁界を加え、MRAM装置内の磁気材料を、2つの可能なメモリ状態のどちらかに磁化することによって行われる。データを呼び出すのは、2つの状態の間の、MRAM装置内の抵抗差を感知することによって行われる。書き込むための磁界は、磁性構造の外側のストリップ線か、又は、磁性構造自体に電流を通すことによって作り出される。
既知のMRAMの横方向の寸法諸元が小さくなると、3つの問題が発生する。第一に、切替磁界が所与の形状と膜厚に対して増大し、切り替えるのに大きな磁界を必要とする。第二に、合計切替量が低減するので、反転のためのエネルギーバリヤーが低減する。エネルギーバリヤーは、磁気モーメントベクトルを、一方の状態から他方の状態へ切り替えるのに必要なエネルギーの量である。エネルギーバリヤーは、MRAM装置のデータ保持及びエラー率を判定し、バリヤーが小さすぎると、熱の変動によって思わぬ反転(超常磁性)が生じ得る。エネルギーバリヤーが小さいことによる主要な問題は、アレイ内の1つのMRAM装置を選択的に切り替えることが非常に難しくなることである。選択性があれば、他のMRAM装置を不注意に切り替えることなく、切り替えることができる。最後に、切替磁界は形状によって作られるので、MRAM装置のサイズが小さくなるほど、切替磁界は、形状の変化により敏感になる。寸法諸元が小さくなるほどリソグラフィのスケーリングが難しくなるので、MRAM装置は密な切替分布を維持するのが困難になる。
MRAMセルに書き込みする画期的な方法は、ワードラインとディジットラインの間に挟まれた磁気抵抗メモリ装置を設けて、電流波形を様々な時間にワードラインとディジットラインに加え、磁界束に装置の有効磁気モーメントベクトルを約180°回転させることができるようにする段階を含む、スケーラブルな磁気抵抗メモリセルを切り替える方法を含んでいる米国特許第6,545,906号に開示されている。この方法は、状態切替の2つの異なるモード、即ち、同じ極性の2つの磁界パルスが加えられる度にビットの状態が変わるかトグルされるトグル書き込みモードと、ビットの状態が、加えられる磁界パルス両方の極性に依存する状態に直接切り替えられる直接書き込みモードと、を提供している。
大きいビットサイズのメモリ密度を改良するために、磁気的に結合された磁気層を有する多状態多層磁気メモリセルが開発されている。例えば、第1及び第2磁気抵抗層を有し、非磁気伝導層が一対の磁気抵抗層の間に並列に配置された非強磁性結合多層構造を開示している米国特許第5,953,248号、第5,930,164号を参照されたい。非強磁性結合多層構造内の一対の磁気抵抗層は、異なる厚さ又は異なる磁気材料を有することによって、異なる磁界で切り替わるよう作られている。また、この非強磁性結合多層構造内の一対の磁気抵抗層は、それぞれ、一対の層の非強磁性結合とアスペクト比のために、磁界が加えられなければ非平行である磁気ベクトルを有している。セルは、更に、第2磁気抵抗層のベクトルに対して固定された関係にある磁気ベクトルを有する磁気抵抗構造を含んでいる。電気的絶縁材料は、磁気トンネル接合部を形成するように、非強磁性結合多層構造と磁気抵抗構造の間に平行に配置されている。
米国特許第6,545,906号 米国特許第5,953,248号 米国特許第5,930,164号
様々な一般的で代表的な態様では、本発明の或る実施形態は、2つのビットが2つの導電体の間に配置されているメモリセルをプログラムする方法を提供しており、本方法は、各ビットの論理状態を別々にトグルする段階を含んでいる。別の実施形態は、第1ビットが所望の状態になるように第1及び第2ビットをトグルし、次に、第2ビットを所望の状態にトグルする段階を含んでいる。
図1の2ビットのMRAM装置10の単純化した断面図は、単一の磁気抵抗2ビットメモリ装置12を示しているが、MRAMアレイ10は多数のマルチビットMRAM装置12で構成されており、書き込み方法についての説明を単純化するために、そのような2ビット装置の1つだけを図示していると理解頂きたい。
2ビットのMRAM装置12は、ワードライン14とディジットライン16の間に挟まれている。ワードライン14とディジットライン16は、電流が通過できるように導電性材料を含んでいる。この図では、ワードライン14はMRAM装置12の頂部に配置されており、ディジットライン16は、MRAM装置12の下部に配置されており、ワードライン14に対して90度の角度に向けられている(図2参照)。
MRAM装置12は、厚さ21を有する導電性スペーサー19によって分離された第1及び第2ビット18、20を含んでいる。ビット18は、第1磁気領域22、トンネルバリヤー24、及び第2磁気領域26を備えており、トンネルバリヤー24は、第1磁気領域22と第2磁気領域26の間に挟まれている。好適な実施形態では、第1磁気領域22は、3層構造で、2つの強磁性層30と32の間に非強磁性結合スペーサー層28が挟まれている。非強磁性結合スペーサー層28は、厚さ34を有し、強磁性層30と32は、それぞれ厚さ36と38を有している。更に磁気領域26は、多重層構造で、2つの強磁性層42と44の間に非強磁性結合スペーサー層40が挟まれている。厚さ49を有するピン接合層43は、強磁性層44とディジットライン16の間に配置されている。非強磁性結合スペーサー層40は、厚さ56を有し、強磁性層42と44は、それぞれ厚さ48と58を有している。
ビット20は、第3磁気領域52、トンネルバリヤー54、及び第4磁気領域56を備えており、トンネルバリヤー54は、第3磁気領域52と第4磁気領域56の間に挟まれている。好適な実施形態では、磁気領域52は、3層構造で、2つの強磁性層60と62の間に非強磁性結合スペーサー層58が挟まれている。非強磁性結合スペーサー層58は厚さ64を有し、強磁性層60と62は、それぞれ厚さ66と68を有している。更に磁気領域56は、多層構造で、2つの強磁性層72と74の間に非強磁性結合スペーサー層70が挟まれている。非強磁性結合スペーサー層70は、厚さ76を有し、強磁性層72と74は、それぞれ厚さ78と80を有している。厚さ79を有するピン接合層73は、強磁性層74とワードライン14の間に配置されている。
通常、非強磁性結合スペーサー層28、40、58、70は、元素Ru、Os、Re、Cr、Rh、Cuの内の少なくとも1つ、又はそれらの組み合わせを含んでいる。更に、強磁性層30、32、42、44、60、62、72、74は、通常、元素Ni、Fe、Coの内の少なくとも1つ、又はそれらの組み合わせを含んでいる。また磁気領域22、26、52、56は、図示している以上の層を有する合成非強磁性層材料構造体を含んでいてもよく、この実施形態で示している数の層を使用しているのは、単に分かり易くするためであると理解頂きたい。
各強磁性層30と32は、それぞれ、非強磁性結合スペーサー層28の結合によって通常は非平行に保持されている磁気モーメントベクトル82と84を有している。また、磁気領域22は合成磁気モーメントベクトル86を有し、磁気領域26は合成磁気モーメントベクトル88を有している。合成磁気モーメントベクトル86と88は、異方性容易軸に沿って、ワードライン14及びディジットライン16から、或る角度、望ましくは45度の方向に向いている(図2参照)。更に、磁気領域22は自由強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル86は、印加された磁界が存在する中で自由に回転することができる。磁気領域26は、ピン接合強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル88は、適度の印加された磁界が存在する中で自由に回転せず、基準層として用いられる。
ビット20は、ビット18と同様の様式で作動すると理解頂きたい。ビット20では、強磁性層60と62は、それぞれ、非強磁性結合スペーサー層58の結合によって通常は非平行に保持されている磁気モーメントベクトル90と92を有している。また、磁気領域52は合成磁気モーメントベクトル94を有し、磁気領域56は合成磁気モーメントベクトル96を有している。合成磁気モーメントベクトル94と96は、異方性容易軸に沿って、ワードライン14及びディジットライン16から、或る角度、望ましくは45度の方向に向いている(図2参照)。更に、磁気領域52は自由強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル94は、印加された磁界が存在する中で自由に回転することができる。磁気領域56は、ピン接合強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル96は、適度の印加された磁界が存在する中で自由に回転せず、基準層として用いられる。
非強磁性結合層28と40は、それぞれ、2つの強磁性層30、32と42、44の間に示されているが、各三層構造22及び52と各多層構造26及び56では、強磁性層30、32と42、44は、静磁界又は他の機構のような他の手段によって非強磁的に結合されていてもよいと理解頂きたい。例えば、セルのアスペクト比が5以下に下げられれば、強磁性層は、静磁束クロージャと非平行に結合される。
非強磁性連結は、MRAM構造内の層の静磁界によっても作られるので、スペーサー層は、必ずしも、2つの磁気層の間の強磁性結合を除去する以上に、追加の非強磁性結合を提供する必要はない。
MRAM装置12の各ビット18及び20の2つの強磁性層30、32と60、62内の磁気モーメントベクトルは、
Figure 2007503670
によって与えられる合成磁気モーメントベクトルと、副層モーメント分数平衡比
Figure 2007503670
とを提供するため、異なる厚さ又は材料を有する。これらの式のベクトルは、単純化するため、ビット18に対してのみ示されている。この式は、ビット20にも当てはまる。多層構造22と多重層構造52の合成磁気モーメントベクトルは、磁界を加えると自由に回転する。ゼロ磁界では、合成磁気モーメントベクトル86と94は、磁気の異方性によって定められる、それぞれピン接合基準層42又は72の合成磁気モーメントベクトルに対して平行又は非平行な方向に安定する。「合成磁気モーメントベクトル」という用語は、この説明のため、及び合計して釣り合うモーメントの場合にだけ用いられ、合成磁気モーメントベクトルは、磁界が無ければゼロであると理解頂きたい。以下に述べるように、トンネルバリヤーに隣接している副層磁気モーメントベクトル84と92だけが、それぞれビット18と20の状態を決定する。
MRAM装置12の各ビット18と20を流れる電流は、トンネル磁気抵抗次第であり、それぞれトンネルバリヤー24と54に直接隣接している自由層32、42とピン接合層62、72の磁気モーメントベクトル84、88と92、96の相対的な向きによって制御される。磁気モーメントベクトルが平行であれば、ビット抵抗は低く、電圧バイアスがより多くの電流を装置12に誘導する。この状態は「1」と定義されている。磁気モーメントベクトルが非平行であれば、ビット抵抗は高く、印加電圧のバイアスが少ない電流を装置に誘導する。この状態は「0」と定義されている。これらの定義は任意であり、逆にしてもよいが、この例では、単に分かり易くするために使用していると理解頂きたい。従って、磁気抵抗性メモリでは、データの記憶は、磁界を加え、ビットの磁気モーメントベクトルを、ピン接合基準層内の磁気モーメントベクトルに対して平行方向又は非平行方向の何れかに向けさせることによって実現される。
好適な実施形態では、MRAM装置12は、図2に示すように、非円形の設計で、1から5の範囲の長さ/幅比を有する三層構造22及び52と、多層構造26及び56を有している。好適な実施形態では、MRAM装置12は、装置を横方向に小さな寸法とするのにフォトリソグラフィ処理を使用し易いので、楕円形になっている。しかしながら、MRAM装置12は、方形、円形、長方形又はダイヤモンド形のような他の形状でもよいが、簡単にするためと、性能を改良するために、楕円形になっていると理解されたい。
更に、MRAMアレイ10を製作する間に、それぞれの連続する層は、順次、蒸着又は何らかの方法で形成され、各MRAM装置12は、半導体業界では既知の何れかの技法で、選択的な蒸着、フォトリソグラフィ処理、エッチングなどによって画定される。少なくとも強磁性層30、32、60、62の蒸着の間に、磁界が、好適で容易な磁軸(誘導異方性)を設定するように提供される。提供された磁界は、磁気モーメントベクトル82、84、90、92の好適な異方性軸を作る。好適な軸は、以下に論じるように、ワードライン14とディジットライン16の間で45°の角度になるように選択される。
図2と図3は、本発明の好適な実施形態によるMRAMアレイ10の単純化した平面図である。MRAM装置12の説明を簡単にするため、全ての方向を、図示のようにx−y座標系98と、時計回り方向100及び反時計回り方向102で言及する。図2に示すように、磁気モーメントベクトル82、84、並びに合成磁気モーメントベクトル86を有する領域22を備えた、ビット18の作動について説明する。ビット20のベクトル90、92、94は、図3に示すが、図2のベクトル82、84、86より大きく、従って長く示している。この大きいのは、層60と62が層30と32に比べて厚いためである。異なる材料を使用することによって、大きくすることもできる。
以下にビット18のベクトル82、84、86について説明するが、ビット20も同様に機能すると理解頂きたい。書き込み方法がどの様に作用するかを示すため、磁気モーメントベクトル82、84の好適な異方性軸は、負のX及び負のY方向に対して45°の方向に向き、正のX及び正のY方向に対して45°の方向に向いているものとする。一例として、図2では、磁気モーメントベクトル84が、負のX及び負のY方向に対して45°の方向に向いている。磁気モーメントベクトル82は、一般的に、磁気モーメントベクトル84に対し非平行に向いているので、正のX及び正のY方向に対して45°の方向に向いている。この初期の方向を、書き込み方法の例を示すのに用いるが、これについて以下に論じる。
好適な実施形態では、ワード電流104は、正のX方向に流れていれば正と定義し、ディジット電流106は、正のY方向に流れていれば正であると定義している。ワードライン14とディジットライン16の目的は、MRAM装置12内に磁界を作ることである。正のワード電流104は円周状ワード磁界H108を誘起し、正のディジット電流106は円周状ディジット磁界H110を誘起する。ワードライン14は、MRAM装置12の上方の要素の面にあるので、H108は、MRAM装置12に、正のワード電流104に対しては正のY方向に加えられる。同様に、ディジットライン16は、MRAM装置12の下方の要素面にあるので、H110は、MRAM装置12に、正のディジット電流106に対しては正のX方向に加えられる。正及び負の電流の流れに対する定義は任意であり、ここでは説明を目的に定義していると理解頂きたい。電流の流れを逆にすると、MRAM装置12内に誘起される磁界の方向が変わる。電流の誘起する磁界の挙動は、当業者には周知である。
先に述べたように、ビット20は、ビット18と同様に機能するが、しかしながら、説明しているこの第1実施形態では、トンネルバリヤー24と54は、異なる厚さに堆積されており、各ビット18と20に、50%のMRで2K及び4Kオームのような異なる抵抗範囲を提供する。例えば、MR=ΔR/Rlow=(Rhigh−Rlow)/Rlowである。2つのビットでは、4つの別々の抵抗状態が、下表に示しているように決められる。
Figure 2007503670
磁気領域22と52は、この様に、磁気層の厚さ、材料の異方性又は非強磁性交換強度の何れかを通して、高い切替磁界を提供するように設計されている。ビット18は、より低いトグル磁界を有しており、加えられた磁界がその閾値を超えると切り替えられる。ビット20は、より高い切替閾値を有している。ビット18の閾値より上で、ビット20の閾値より下の磁界範囲では、ビット18は、ビット20を妨げることなくトグルされる。ビット20の閾値より上の界磁では、ビット18とビット20の両方がトグルされる。従って、ビット20をプログラムした後で、ビット18を、その所望の低い磁界の値に設定しなければならない。
図4は、第1実施形態による三層構造22と52の切替挙動を概略的に示している。X軸は、ワードラインの磁界振幅をエルステッドHで示し、Y軸は、ディジットラインの磁界振幅をエルステッドHで示している。磁界は、図5に示すパルスシーケンス112で加えられ、パルスシーケンス112は、時間の関数としてワード電流104とディジット電流106を含んでいる。
スケーラブルビット18、20それぞれに書き込む方法は、ほぼ平衡状態にあるSAF三層構造の「スピン−フロップ」現象に依存している。ここで、「ほぼ平衡状態にある」とは、副層モーメント分数平衡比の大きさが、0|Mbr|0.1であると定義されている。スピン−フロップ現象は、強磁性層の磁気モーメントベクトルが印加された磁界の方向に名目的に直交しているが、なお圧倒的に互いに非平行であるように、それらを回転させることによって、印加された磁界内の合計磁気エネルギーを低下させる。回転又はフロップは、印加された磁界の方向の強磁性磁気モーメントベクトルそれぞれの僅かなずれと組み合わさって、合計磁気エネルギーが減少する原因となっている。
一般に、フロップ現象と時限パルスシーケンスを使えば、ビット18と20は、直接書き込みモード又はトグル書き込みモードという2つの異なるモードを使うように書き込むことができる。これらのモードは、説明するように、同じ時限パルスシーケンスを使えば実現できるが、磁気副層モーメントと、印加された磁界の極性及び強度の選択によって異なる。
各書き込み方法は、それぞれの利点を有している。例えば、直接書き込みモードを使用する場合、書き込まれているビットの状態が記憶されている状態と異なっている場合にだけ状態が切り替えられるので、ビットの初期状態を求める必要はない。直接書き込み法は、書き込みシーケンスが始まる前のビットの状態を知る必要がないが、どちらの状態が必要とされているかに依って、ワードラインとディジットラインの両方の極性を変えなければならない。
トグル書き込み法を使う場合、同じ極性のパルスシーケンスがワードラインとディジットラインの両方から生成される度に状態が切り替えられることになるので、書き込む前にビットの初期状態を求める必要がある。従って、トグル書き込みモードは、記憶されているメモリの状態を読み取り、その状態を、書き込む新しい状態と比較することによって作動する。比較の後、記憶されている状態と新しい状態が異なる場合にのみ、ビットは書き込まれる。
ビット18と20は、磁気異方性軸が、ワードラインとディジットライン14と16に対して理想的には角度45°であるように作られている。従って、磁気モーメントベクトルM82、90とM84、92は、時間tでは、ワードラインとディジットラインの方向に対して角度45°の好適な方向に向いている。直接書き込み又はトグル書き込みの何れかを使ってビット18と20の状態を切り替える書き込み法の例として、以下の電流パルスシーケンスを使用する。時間tで、ワード電流104は増大し、M82、90とM84、92は、ワード電流104の方向次第で時計回り又は反時計回りに回転し始め、スピンフロップ効果により磁界方向に対し名目的に直交するように整列する。時間tでは、ディジット電流106がオンになる。ディジット電流106は、M82、90とM84、92が、ディジットライン磁界Hによって生じる回転と同じ方向に更に回転する方向に流れる。この時点では、ワードライン電流104とディジットライン電流106の両方がオンになっており、M82、90とM84、92は、電流ラインに対して45°の正味磁界方向に名目的に直交している。
時間tでは、ワードライン電流104がオフになり、M82、90とM84、92は、ディジットライン磁界Hによってのみ回転される。この時点では、M82、90とM84、92は、概ねそれらの困難軸不安定点を超えて回転されている。時間tでは、ディジットライン電流106はオフになり、M82、90とM84、92は好適な異方性軸に沿って整列する。この時点では、M82、90とM84、92は180°回転され、ビットは切り替えられている。このように、ワード電流とディジット電流104、106をオンオフに順次切り替えることによって、ビットのM82、90とM84、92を180°回転させ、装置の状態を切り替えることができる。
直接モードとトグルモードの両方を含む第1実施形態の5つの作動領域を図4に示している。領域114では切り替えがなく、例えば、ワードライン14又はディジットライン16の何れにも、ビット18と20に「書き込む」ことができる強力な磁界を作り出せるだけの電流がない。領域116及び118内のMRAMの動作では、直接書き込み法は、それぞれ、ビット18及びビット20(18をトグルする)に書き込むには有効である。直接書き込み法を使っている場合、書き込まれている状態が記憶されている状態と異なっていれば、状態を切り替えるだけなので、MRAM装置の初期状態を求める必要はない。書き込まれる状態の選択は、ワードライン14とディジットライン16の両方の電流の方向によって判断される。例えば、「1」と書き込むことが求められている場合は、全ラインの電流の方向が正である。「1」が既に要素内に記憶されており、「1」が書き込まれている場合は、MRAM装置の最終状態は引き続き「1」である。更に、「0」が記憶されており、正の電流で「1」が書き込まれている場合、MRAM装置の最終状態は「1」となる。ワードラインとディジットラインの両方に負の電流を使用することによって「0」を書き込む場合は、同様の結果が得られる。従って、初期状態に関係なく、電流パルスの適切な極性を使って、何れの状態も所望の「1」か「0」にプログラムすることができる。
領域120と122のMRAMの動作では、トグル書き込み方法が有効である。領域120では、ビット18がトグルされ、領域122では、ビット18と20の両方がトグルされる。トグル書き込み法を使用する場合、ワードライン14とディジットライン16両方に同じ極性の電流パルスが選択されている限り電流の方向に関係なく、MRAM装置が書き込まれる度に状態は切り替えられるので、書き込む前にMRAM装置の初期状態を求める必要がある。例えば、「1」が最初に記憶されている場合、装置の状態は、1つの正電流パルスシーケンスがワードラインとディジットラインを流れた後で、「0」に切り替えられる。正電流パルスシーケンスを記憶された「0」状態に繰り返すと、装置の状態は「1」に戻る。従って、メモリ要素を所望の状態に書き込みできるようにするには、先ずMRAM装置10の初期状態を読み取り、書き込む状態と比較しなければならない。読み取りと比較には、情報を記憶するためのバッファと、メモリの状態を比較するためのコンパレーターとを含む追加の論理回路が必要になる。MRAM装置10は、記憶されている状態と書き込まれる状態が異なる場合にだけ書き込まれる。この方法の利点の一つは、異なるビットだけが切り替えられるので、消費電力が少なくなることである。トグル書き込み法を使用する更なる利点は、単極電圧を必要とするだけなので、結果的に、MRAM装置を駆動するのに小型のNチャネルトランジスタを使用できることである。
どちらの書き込み法も、磁気モーメントベクトル82、84、90、92が、先に論じた2つの好適な方向の内の1つに向くように、電流をワードライン14とディジットライン16に供給する段階を含んでいる。
図6は、第2実施形態による2ビットMRAM装置124の単純化した断面図である。装置124は、第2実施形態の導電性スペーサー126が、第1実施形態の導電性スペーサー19より厚いことを除けば、図1の装置10と同様である。ディジットライン16はビット18よりはビット20からの方が実質的に遠く(ディジットライン16は、ビット20に影響を与えることなくビット18に影響を与えることができる)、ワードライン14はビット18よりはビット20からの方が実質的に遠い(ワードライン16は、ビット18に影響を与えることなくビット20に影響を与えることができる)ので、この厚い厚さ125、例えば500オングストローム、を使えば、ビット18及び20に別々に書き込むことができる。ビット18は、トグル書き込みモード128と直接書き込みモード130で別々に書き込まれ、ビット20は、トグル書き込みモード132と直接書き込みモード134で別々に書き込まれる。
従って、ワードライン14とディジットライン16の比較的低い電流は、ビット18又は20のどちらかを書き込まず、ワードライン14とディジットライン16の比較的高い電流は、ビット18と20の両方を書き込む118、122。ワードライン14の比較的低い電流とディジットライン16の比較的高い電流は、ビット20を書き込み132、134、ワードライン14の比較的高い電流とディジットライン16の比較的低い電流は、ビット18を書き込む128、130。
直接書き込みモードとトグル書き込みモードの両方が、第1実施形態と同様に第2実施形態でも使用できる。ビット18と20は、磁気異方性軸がワードライン14とディジットライン16に対して理想的には角度45°であるように作られている。従って、磁気モーメントベクトルM82、90とM84、92は、時間t(図5)では、ワードラインとディジットラインの方向に対して角度45°の好適な方向に向いている。直接又はトグル書き込みの何れかを使って、ビット18と20の状態を切り替える書き込み法の一例として、以下の電流パルスシーケンスを使用する。時間tで、ワード電流104が増大し、M82、90とM84、92は、ワード電流104の方向次第で時計回り又は反時計回りに回転し始め、スピンフロップ効果により、磁界方向に対し名目的に直交するように整列する。時間tでは、ディジット電流106がオンになる。ディジット電流106は、M82、90とM84、92が、ディジットライン磁界Hによって生じる回転と同じ方向に更に回転する方向に流れる。この時点では、ワードライン電流104とディジットライン電流106の両方がオンになっておりり、M82、90とM84、92は、電流ラインに対して45°の正味磁界方向に名目的に直交している。
時間tでは、ワードライン電流104がオフになり、M82、90とM84、92はディジットライン磁界Hによってのみ回転される。この時点では、M82、90とM84、92は、概ねそれらの困難軸不安定点を超えて回転されている。時間tでは、ディジットライン電流106はオフになり、M82、90とM84、92は好適な異方性軸に沿って整列する。この時点では、M82、90とM84、92は180°回転され、ビットが切り替えられている。このように、ワード電流とディジット電流104、106をオンオフに順次切り替えることによって、ビットのM82、90とM84、92を180°回転させ、装置の状態を切り替えることができる。
直接モードとトグルモードの両方を含む第2実施形態の7つの作動領域を図7に示している。領域114では切り替えがなく、例えば、ワードライン14又はディジットライン16の何れにも、ビット18と20を「書き込む」ことができる強力な磁界を作り出せるだけの電流がない。領域118、130、134内のMRAMの動作では、直接書き込み法は、ビット18(領域130)及びビット20(領域134)に書き込むには有効である。直接書き込み法を使っている場合、書き込まれている状態が記憶されている状態と異なっていれば、状態を切り替えるだけなので、MRAM装置の初期状態を求める必要はない。書き込まれる状態の選択は、ワードライン14とディジットライン16の両方の電流の方向によって判断される。例えば、「1」と書き込むことが求められている場合は、全ラインの電流の方向が正である。「1」が既に要素内に記憶されており、「1」が書き込まれている場合は、MRAM装置の最終状態は引き続き「1」である。更に、「0」が記憶されており、正の電流で「1」が書き込まれている場合は、MRAM装置の最終状態は「1」となる。ワードラインとディジットラインの両方に負の電流を使用することによって「0」を書き込む場合は、同様の結果が得られる。従って、初期状態に関係なく、電流パルスの適切な極性を使って、何れの状態も所望の「1」か「0」にプログラムすることができる。
領域122(ビット18及び22)、128(ビット18)及び132(ビット20)のMRAMの動作では、トグル書き込み法が有効である。トグル書き込み法を使用する場合、ワードライン14とディジットライン16両方に同じ極性の電流パルスが選択されている限り電流の方向に関係なく、MRAM装置が書き込みされる度に状態は切り替えられるので、書き込む前にMRAM装置の初期状態を求める必要がある。例えば、「1」が最初に記憶されている場合、装置の状態は、1つの正電流パルスシーケンスがワードラインとディジットラインを流れた後で、「0」に切り替えられる。正電流パルスシーケンスを記憶された「0」状態に繰り返すと、装置の状態は「1」に戻る。従って、メモリ要素を所望の状態に書き込みできるようにするには、まずMRAM装置10の初期状態を読み取り、書き込む状態と比較しなければならない。読み取りと比較には、情報を記憶するためのバッファと、メモリの状態を比較するためのコンパレーターとを含む追加の論理回路が必要になる。MRAM装置10は、記憶されている状態と書き込まれる状態が異なる場合にだけ書き込まれる。この方法の利点の一つは、異なるビットだけが切り替えられるので、消費電力が少なくなることである。トグル書き込み法を使用する更なる利点は、単極電圧を必要とするだけなので、結果的に、MRAM装置を駆動するのに小型のNチャネルトランジスタを使用できることである。
どちらの書き込み法も、磁気モーメントベクトル82、84、90、92が、先に論じた2つの好適な方向の内の1つに向くように、電流をワードライン14とディジットライン16に供給する段階を含んでいる。
本発明の第3実施形態は、ワードライン14とディジットライン16に同じ強さの電流を使って、ビット18と20を別々にプログラミングできるようにしている。この第3実施形態は、ビット18と20が、図8に示すようにそれぞれの長軸が直交するよう別々にパターン化されていることを除き、図1に示したのと同様の構造を用いている。ビット18は、+45度に向いており、ビット20は、‐45度に向いている。従って、ビット18と20は、機構を煩わすことなく、完全に独立してプログラム可能である。
ビット18では、強磁性層30と32は、それぞれ、非強磁性結合スペーサー層28の結合によって通常は非平行に保持されている磁気モーメントベクトル82と84を有している。また、磁気領域22は合成磁気モーメントベクトル86を有し、磁気領域26は合成磁気モーメントベクトル88を有している。合成磁気モーメントベクトル86と88は、異方性容易軸に沿って、ワードライン14及びディジットライン16から、或る角度、望ましくは45°の方向に向いている(図2参照)。更に、磁気領域22は自由強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル86は、印加された磁界が存在する中で自由に回転することができる。磁気領域26は、ピン接合強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル88は、適度の印加された磁界が存在する中で自由に回転せず、基準層として用いられる。
ビット20では、強磁性層60と62は、それぞれ、非強磁性結合スペーサー層58の結合によって通常は非平行に保持されている磁気モーメントベクトル90と92を有している。また、磁気領域52は合成磁気モーメントベクトル94を有し、磁気領域56は合成磁気モーメントベクトル96を有している。合成磁気モーメントベクトル94と96は、異方性容易軸に沿って、ワードライン14及びディジットライン16から、或る角度、望ましくは−45度の方向に向いている(図8参照)。更に、磁気領域52は自由強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル94は、印加された磁界が存在する中で自由に回転することができる。磁気領域56は、ピン接合強磁性領域であり、合成磁気モーメントベクトル96は、適度の印加された磁界が存在する中で自由に回転せず、基準層として用いられる。
この異なる向きによって、ビット18と20の書き込みは、図9に示すように、異なる象限で行えるようになる。ビット18は、H108とH110の両方が正か、両方が負である場合に、プログラムされる128、130(それぞれトグル又は直接モード)。ビット20は、H108が正でH110が負であるか、H108が負でH110が正である場合に、プログラムされる132、134(それぞれトグル又は直接モード)。これにより、どちらのビットも、ワードライン14又はディジットライン16の極性を選択することによって独立してプログラムすることができるようになる。
ビット18と20は、磁気異方性軸が、ワードラインとディジットライン14と16に対して理想的には角度45°であり、互いに垂直であるように作られている。従って、磁気モーメントベクトルM82、90とM84、92は、時間tでは、ワードラインとディジットラインの方向に対して、それぞれ角度45°と角度−45°の好適な方向に向いている。直接又はトグル書き込みの何れかを使ってビット18と20の状態を切り替える書き込み法の一例として、以下の電流パルスシーケンスを使用する。時間tで、ワード電流104が増大し、M82、90とM84、92は、ワード電流104の方向次第で時計回り又は反時計回りに回転し始め、スピンフロップ効果により、界磁方向に対して名目的に直交するように整列する。時間tでは、ディジット電流106がオンになる。ディジット電流106は、M82、90とM84、92が、ディジットライン磁界Hによって生じる回転と同じ方向に更に回転する方向に流れる。この時点では、ワードライン電流104とディジットライン電流106の両方がオンになっており、M82、90とM84、92は、電流ラインに対して45°の正味磁界方向に名目的に直交している。
時間tでは、ワードライン電流104がオフになり、M82、90とM84、92はディジットライン磁界Hによってのみ回転される。この時点では、M82、90とM84、92は、概ねそれらの困難軸不安定点を超えて回転されている。時間tでは、ディジットライン電流106はオフになり、M82、90とM84、92は好適な異方性軸に沿って整列する。この時点では、M82、90とM84、92は180°回転され、ビットが切り替えられている。このように、ワード電流とディジット電流104、106をオンオフに順次切り替えることによって、ビットのM82、90とM84、92を180°回転させ、装置の状態を切り替えることができる。
直接モードとトグルモードの両方を含む第3実施形態の5つの作動領域を図9に示している。領域114では切り替えがなく、例えば、ワードライン14又はディジットライン16の何れにも、ビット18と20を「書き込む」ことができる強力な磁界を作り出せるだけの電流がない。領域130及び134内のMRAMの動作では、直接書き込み法は、それぞれ、ビット18、及びビット18と20に書き込むには有効である。直接書き込み法を使っている場合、書き込まれている状態が記憶されている状態と異なっていれば、状態を切り替えるだけなので、MRAM装置の初期状態を求める必要はない。書き込まれる状態の選択は、ワードライン14とディジットライン16の両方の電流の方向によって判断される。例えば、「1」と書き込むことが求められている場合は、全ラインの電流の方向が正である。「1」が既に要素内に記憶されており、「1」が書き込まれている場合は、MRAM装置の最終状態は引き続き「1」である。更に、「0」が記憶されており、正の電流で「1」が書き込まれている場合は、MRAM装置の最終状態は「1」となる。ワードラインとディジットラインの両方に負の電流を使用することによって「0」を書き込む場合は、同様の結果が得られる。従って、初期状態に関係なく、電流パルスの適切な極性を使って、何れの状態も所望の「1」か「0」にプログラムすることができる。
領域128と132のMRAMの動作では、ビット18と20それぞれに、トグル書き込み法が有効である。トグル書き込み法を使用する場合、ワードライン14とディジットライン16に同じ極性の電流パルスが選択されている限り電流の方向に関係なく、MRAM装置が書き込みされる度に状態は切り替えられるので、書き込む前にMRAM装置の初期状態を求める必要がある。例えば、「1」が最初に記憶されている場合、装置の状態は、1つの正電流パルスシーケンスがワードラインとディジットラインを流れた後、「0」に切り替えられる。正電流パルスシーケンスを記憶された「0」状態に繰り返すと、装置の状態は「1」に戻る。従って、メモリ要素を所望の状態に書き込みできるようにするには、先ずMRAM装置10の初期状態を読み取り、書き込む状態と比較しなければならない。読み取りと比較には、情報を記憶するためのバッファと、メモリの状態を比較するためのコンパレーターとを含む追加の論理回路が必要になる。MRAM装置10は、記憶されている状態と書き込まれる状態が異なる場合にだけ書き込まれる。この方法の利点の一つは、異なるビットだけが切り替えられるので、消費電力が少なくなることである。トグル書き込み方法を使用する更なる利点は、単極電圧を必要とするだけなので、結果的に、MRAM装置を駆動するのに小型のNチャネルトランジスタを使用できることである。
どちらの書き込み方法も、磁気モーメントベクトル82、84、90、92が、先に論じた2つの好適な方向の内の1つに向くように、電流をワードライン14とディジットライン16に供給する段階を含んでいる。
分かり易くする目的でここに選択した実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には容易に想起されるであろう。そのような修正及び変更は、本発明の精神から逸脱しない範囲で、特許請求の範囲の妥当な解釈によってのみ評価される本発明の範囲に含まれるものとする。
以上の明細書では、本発明を、特定の代表的な実施形態と関連付けて説明してきたが、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えることができる。明細書と図面は、分かり易くするためのものであって制限を加えるものではなく、そのような修正は全て本発明の範囲に含まれるものとする。
本明細書に使用している「備える」「備えている」、或いはその変形の用語は、全て非排他的に含むことを意味しており、要素の一覧を備えた工程、方法、製品、構成又は装置は、引用したそれらの要素のみを含むのではなく、そのような工程、方法、製品、構成又は装置に明記されていない要素又は本来的な要素も含んでいる。
第1実施形態による磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置の単純化した断面図である。 第1実施形態による磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置の単純化した平面図であり、第1ビットの磁気ベクトルを示している。 第1実施形態による磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置の単純化した平面図であり、第2ビットの磁気ベクトルを示している。 第1実施形態による磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置内に、直接及びトグル書き込みモードを生成する磁界振幅の組み合わせを示す概略図である。 ワード及びディジット電流が共にオンになったときの、両者のタイミング線図を示すグラフである。 第2実施形態による磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置の単純化した断面図である。 第2実施形態の磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置内に、直接及びトグル書き込みモードを生成する磁界振幅の組み合わせのシミュレーションを示すグラフである。 第3実施形態による磁気ベクトルを示す磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置の単純化した平面図である。 第3実施形態による磁気抵抗ランダムアクセスメモリ装置内に、直接及びトグル書き込みモードを生成する磁界振幅の組み合わせのシミュレーションを示すグラフである。

Claims (10)

  1. 2つのビットが2つの電流導体の間に配置されているメモリセルをプログラムするための方法において、
    前記2つのビットの論理状態をトグルする段階と、
    前記2つのビットの一方の論理状態をトグルする段階と、から成る方法。
  2. 前記2つのビットを読み取り、記憶されている情報を入手する段階と、
    前記2つのビットをトグルする前に、前記記憶されている情報を、書き込まれるプログラム情報と比較する段階と、を更に含んでいる、請求項1に記載のメモリセルをプログラムする方法。
  3. 各ビットの論理状態を別々にトグルする段階から成る、2つのビットが2つの電流導体の間に配置されているメモリセルをプログラムするための方法。
  4. 前記2つのビットを読み取り、記憶されている情報を入手する段階と、
    前記2つのビットそれぞれをトグルする前に、前記記憶されている情報を、書き込まれるプログラム情報と比較する段階と、を更に含んでいる、請求項3に記載のメモリセルをプログラムする方法。
  5. 2つのビットが第1電流導体と第2電流導体の間に配置されているメモリセルをプログラムするための方法において、
    電流を前記導体のそれぞれに印加し、それによって前記2つのビットの論理状態を設定する段階と、
    より少ない電流を前記導体のそれぞれに印加し、それによって前記ビットの一方だけの論理状態を設定する段階と、の内の一方又は両方を決定する段階から成る方法。
  6. 前記2つのビットを読み取り、記憶されている情報を入手する段階と、
    前記2つのビットの論理状態を設定する前に、前記記憶されている情報を、書き込まれる情報と比較する段階と、を更に含んでいる、請求項5に記載のメモリセルをプログラムする方法。
  7. 第1及び第2ビットが第1及び第2電流導体の間に配置されているメモリセルをプログラムするための方法において、
    第1及び第2電流を、それぞれ前記第1及び第2電流導体に印加することによって、前記第1及び第2ビットをプログラムする段階と、
    前記第2電流を前記第2導体に印加し、前記第1電流より弱い第3電流を前記第1導体に印加することによって、前記第1ビットをプログラムする段階と、
    前記第1電流を前記第1導体に印加し、前記第2電流より弱い第4電流を前記第2導体に印加することによって、前記第2ビットをプログラムする段階と、の内の一つを決定する段階から成る方法。
  8. 前記2つのビットを読み取り、記憶されている情報を入手する段階と、
    プログラムする前に、前記記憶されている情報を、書き込まれる情報と比較する段階と、を更に含んでいる、請求項7に記載のメモリセルをプログラムする方法。
  9. 第1及び第2ビットが第1電流導体と第2電流導体の間に配置されているメモリセルをプログラムするための方法において、
    前記第1及び第2電流導体の両方に正電流を印加するか、前記第1及び第2電流導体の両方に負電流を印可するか、の内の一方を行うことによって、前記第1ビットをプログラムする段階と、
    前記第1及び第2電流導体の一方に正電流を印加し、前記第1及び第2電流導体の他方に負電流を印加することによって、前記第2ビットをプログラムする段階と、から成る方法。
  10. 前記2つのビットを読み取り、記憶されている情報を入手する段階と、
    前記第1及び第2ビットのそれぞれをプログラムする前に、前記記憶されている情報を、書き込まれるプログラム情報と比較する段階と、を更に含んでいる、請求項9に記載のメモリセルをプログラムする方法。
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