以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の移動体通信装置の一例であるナビゲーション装置を示すものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の移動体通信装置にも等しく適応し得るものである。例えば、ナビゲーション機能を有しない装置や携帯電話等の移動通信端末であってもよい。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置が自動車に取付けられた場合を例示するが、歩行者やバイク等がナビゲーション装置を備えて(保持して)いてもよい。図1は本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20は制御部1と、表示部2と、操作部3と、現在位置検出部4と、速度検出部5と、地図情報記憶部6と、バッテリ7と、通信部8と、報知部9とを備えている。
制御部1はナビゲーション装置20全体を総括的に制御する制御手段である。制御部1はCPUとROMとRAM(いずれも不図示)とを含んでいる。ROMには制御部1が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータが記憶されている。CPUはROMに記憶されている各種プログラムを実行する。RAMは各種処理の過程で得られるデータや各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。これらCPU、RAM、ROM等は、バスを介して接続されている。なお、CPU、ROM及びRAMはこれらの一部または全部を1チップに集積化しても構わない。制御部1のRAMには後述する交通優良度を判定するのに必要な各種情報(信号表示無視回数、現在の信号表示になってからの時間、係数テーブル、評価テンプレート、通過交差点数、判定交差点数を示す情報等)が保存されるが、別途ナビゲーション装置20が交通優良度を判定するのに必要な各種情報を格納する記憶部を備えることとしてもよい。
表示部2は地図画面(目的地への経路、自車(ナビゲーション装置20が搭載された車両)の現在位置を示すマークなどを含む地図画像を表示する画面)やメニュー画面を表示するための表示手段である。
操作部3はユーザが目的地を入力したり、メニューを操作したりするための入力操作手段である。なお、操作部3としては、ナビゲーション装置20本体に各種のキーやボタンを設けてもよいし、表示部2にタッチパネル機能を付加してもよい。また、操作部3としてナビゲーション装置20本体を遠隔操作するためのリモートコントローラを操作部3として用いても構わない。
現在位置検出部4はナビゲーション装置20が搭載された自車の現在位置を検出するものであり、GPS受信機、自立航法手段、位置計算用CPU等を含んで構成される。自立航法手段は操角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなり、自車の走行距離と進行方向とをそれぞれ検出し、これらの値に基づいて現在位置を求める。また、GPS受信機は複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して3次元測位処理又は2次元測位処理を行って自車の絶対位置及び進行方向を計算する。ここで進行方向は現時点の自車位置と直前の自車位置とに基づいて計算される。なお、進行方向の検出方法は特に限定されず、例えばタイヤの回転方向から検出することとしてもよいし、方位センサを用いて検出してもよい。また、現在位置検出部4とは別に進行方向検出部を設けて自車の進行方向を検出するものとしてもよい。
速度検出部5はナビゲーション装置20が搭載された自車の移動速度を検出する。移動速度は車速センサや加速度センサの出力から算出してもよいし、GPS履歴間の走行距離とGPS受信時刻の差から算出してもよい。なお、ナビゲーション装置20が搭載された自車の移動速度は現在位置検出部4が検出することとしてもよい。現在位置検出部4が自車の現在位置に加えて移動速度を検出することができる場合には速度検出部5を別途設けない構成とすることができる。その場合、現在位置検出部4に速度検出部5が含まれる構成となる。
なお、操角センサ、加速度センサ、速度センサや方位センサなどは、ナビゲーション装置20が備えていてもよいし、車両(自車)が上記各種センサを備えており、ナビゲーション装置20は、上記各種センサの出力を取得するインターフェースを備える構成としてもよい。
地図情報記憶部6は目的地への経路探索や誘導を行う際に参照される地図情報などが記憶されている。地図情報には、ネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ)が含まれる。地図情報記憶部6としてはNANDフラッシュやSDメモリカードなどを好適に用いることができる。地図情報記憶部6はナビゲーション装置20に内蔵しても構わないし、ナビゲーション装置20に着脱可能な構成としても構わない。なお、地図情報には、地図画像が含まれていてもよいし、地図情報に含まれるネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ)に基づき地図画像を表示部2に描画してもよい。また、地図情報は予め地図情報記憶部6に記憶される以外にも、後述する通信部8が路側機などから地図情報を受信し、受信された地図情報が地図情報記憶部6に記憶されてもよい。
ここで、地図情報はネットワークデータを含み、ネットワークデータは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータから構成される。ノードデータは、ノード番号、ノードの位置座標(緯度・経度)、道路種別、交差点情報や交差点名称などを示す情報等のノード属性、さらに接続リンク本数、接続リンク番号のデータを含んで構成される。
また、リンクデータは、リンクの始点及び終点となるノード番号、道路種別(一般道路、高速道路)、距離及び/又は所要時間等を含むリンクコスト、国道○号線のような道路名称、進行方向のデータを含んで構成される。リンクデータは上記に加えて、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。
本発明においては、ネットワークデータに、道路のノードデータ・リンクデータが含まれる。自車が現在走行している道路を特定する際には、制御部1が現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置(進行方向や移動速度も加えてもよい)と地図情報とに基づき、マップマッチング処理を行うことで特定することができる。
なお、マップマッチング処理については、制御部1が行なってもよいが、現在位置検出部4が行なってもよい。すなわち、GPS受信機及び/又は自律航法手段を用いて検出した現在位置と地図情報とに基づき、マップマッチング処理を行い、マップマッチング処理を行なった現在位置を現在位置として制御部1へ出力してもよい。或いは、制御部1のマップマッチング処理までを含めて現在位置検出部4としてもよい。
バッテリ7はナビゲーション装置20の携帯使用時における電源供給手段であり、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池を好適に用いることが可能である。もちろん、バッテリ7として、アルカリマンガン乾電池やマンガン乾電池などの一次電池を用いても構わないし、燃料電池を用いても構わない。
通信部8はナビゲーション装置20と通信可能な他の通信装置(以下、「他の通信装置」という。)に情報を送信する送信部(図示せず)と他の通信装置から送信される情報を受信する受信部(図示せず)とを有する。通信方法は無線通信や赤外線通信などの非接触通信とすることが好ましい。他の通信装置としては他の車両(他の移動体)に搭載されたナビゲーション装置等の車載装置、路側機、歩行者が所持する携帯電話等の移動通信端末などを挙げることができる。
通信部8が路側機から受信する情報には交差点情報、信号機情報が含まれる。なお、通信部8は、路側機以外にも他の車両(移動体)に搭載されたナビゲーション装置等の車載装置や、携帯電話等の移動通信端末などから交差点情報や信号機情報を受信してもよい。また、通信部8は、単一の交差点情報や信号機情報を受信するのではなく、複数の交差点毎の交差点情報及び信号機情報を受信してもよい。この場合、複数の交差点毎の交差点情報及び信号機情報は、1つの路側機から送信されてもよい。
ここで、通信部8が受信する交差点情報及び信号機情報について説明を行なう。なお、以下の説明では、信号機が設置された交差点毎に路側機が設置され、路側機から、当該路側機が設置された交差点の情報(交差点情報)及び当該路側機が設置された交差点に設置されている信号機の情報(信号機情報)を含む情報が送信されるものとする。
交差点情報には、例えば、交差点の中心位置座標(緯度・経度)、交差点への進入方向に対応付けられた信号機の識別番号(信号機番号)、路側機(交差点)を識別するための情報や停止線の位置座標(交差点への進入方向に対応付けられた停止線の位置(緯度・経度))、交差点の始点や終点となるべき地点(交差点のノード)のノードデータなどが含まれる。後述する通り、交差点情報に基づいて、自車の交通を規制する信号機の信号機情報を判別する。なお、以下の説明では、道路において車線毎に交差点のノードが割り当てられていないとき(両側二車線の国道○号線の△△交差点において二つの交差点のノードしか割り当てられていないとき)には、車両の進行方向(車両の現在位置がどちらの車線に属するか)によって交差点の始点ノードになり或いは交差点の終点ノードになる交差点のノードが異なることから、道路に割り当てられた交差点のノードを総称して「交差点の始点/終点ノード」と記載する。一方、道路において車線毎に交差点のノードが割り当てられているとき(両側二車線の国道○号線の△△交差点において四つの交差点のノードが割り当てられているとき)には、車両の進行方向(車両の現在位置がどちらの車線に属するか)に基づいてどの交差点のノードが交差点の始点ノードになり、どの交差点のノードが交差点の終点ノードになるかを特定することができるため、それぞれ「交差点の始点ノード」、「交差点の終点ノード」と記載する。
信号機情報には、信号機を識別するための識別情報(信号機番号)、信号機の現在の信号表示情報(信号機の表示色を示す情報)、現在の信号表示になってからの時間(前の信号表示色が現在の信号表示色に変わってから現時点まで時間)、次の信号表示情報及び該信号表示に変更されるまでの時間等の情報が含まれ、これらの情報は夫々対応付けられている。そのため、自車の現在位置・進行方向及び交差点情報に基づいて、自車の交通を規制する信号機の信号機番号を特定し、特定した信号機番号に対応付けられた現在の信号表示情報を参照することで、自車の交通を規制する信号機の現在の信号表示がわかる。
ここで、信号機情報には、信号機毎に信号機の現在の信号表示情報などの情報が含まれる。すなわち、信号機情報は、路側機が設置された交差点に設置されている信号機の情報であるから、路側機が設置された交差点が四叉路であれば、4つの信号機が設置されている。そのため、信号機情報には、4つの信号機毎に、信号機を識別するための識別情報(信号機番号)、信号機の現在の信号表示情報(信号機の表示色を示す情報)、現在の信号表示になってからの時間(前の信号表示色が現在の信号表示色に変わってから現時点まで時間)、次の信号表示情報及び該信号表示に変更されるまでの時間等の情報が含まれている。なお、信号機情報には、信号表示のサイクルの情報が含まれていても良い。信号表示のサイクルの情報とは、例えば、進行許可信号表示(青色)が○○秒、停止信号表示(黄色)が○○秒、進行不可信号表示(赤色)が○○秒という信号表示のサイクル、或いは、○時○分から○時△分まで進行許可信号表示(青色)、○時△分から○時□分まで停止信号表示(黄色)、○時□分から○時×分まで進行不可信号表示(赤色)のような信号表示のサイクルである。
報知部9は各種情報を報知する。報知方法は内容を理解することができる方法であれば特に制限されないが、例えばスピーカ(不図示)を介して所定の音声を出力することにより行われる。また、表示部2に所定の文字や画像等を表示することによって行ってもよく、或いは音声と表示を同時に行うこととしてもよい。説明の簡略化のために報知部9と表示部2を別の構成として設けているが、報知方法が表示部2への所定の文字や画像等の表示を含む場合には報知部9が表示部2を含む構成として設けてもよい。
[第1実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第1実施形態について図2を用いて説明する。図2は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第1のフローチャートである。
ステップS01において制御部1は通信部8を介して交差点情報及び信号機情報を取得する。次にステップS02において制御部1は現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置と、現在位置検出部4(ナビゲーション装置20が進行方向検出部を備えるときは進行方向検出部でもよい)により検出される自車の進行方向とを取得する。
なお、本実施形態において制御部1は、ステップS01において交差点情報及び信号機情報を取得し、ステップS02において自車の現在位置と進行方向を取得しているが、制御部1がこれらの情報を取得する順番はフローチャートに示した順序でなくてもよく、例えば同時に取得するものであってもよいし、先に自車の現在位置と進行方向を取得するものであってもよい。
また、制御部1が自車の現在位置と進行方向、及び、交差点情報と信号機情報を取得するタイミングは当該タイミングとは限られない。定期的或いは不定期(例えば、他の通信装置の送信タイミングに基づいて)に取得されてもよく、定期的或いは不定期に複数回情報を取得する場合には、取得された情報のうち最も新しい情報を使用することとしてもよい。
ステップS03において制御部1は自車が通過判定基準点を通過した否かを判定する。自車が通過判定基準点を通過したと判定した場合には(ステップS03のY)ステップS04に進み、自車が通過判定基準点を通過していないと判定した場合には(ステップS03のN)ステップS01に戻る。
通過判定基準点とは、通過することによって交差点内(複数本の道路が交差する交差点において二本以上の道路が重複する領域)に進入することとなる地点や、通過することによって交差点内に侵入したとみなされる(みなすべき)地点であり、通過判定基準点として具体的には交差点のノードや自車の交通を規制する停止線が挙げられる。
自車が通過判定基準点を通過したか否かの判定は、通過判定基準点を自車が跨いだか否かによって判定されることが好ましい。
例えば、ステップS02にて取得した自車の現在位置座標が通過判定基準点の位置座標とほぼ同一である場合や、直前の自車の現在位置座標では、自車の進行方向前方であった通過判定基準点が、最新の(ステップS02にて取得した)自車の現在位置座標では、自車の進行方向後方となった場合などに、自車が通過判定基準点を跨いだと判定する(通過判定基準点を通過したと判定する)。
まず、自車の現在位置と進行方向と交差点のノードとに基づいて通過判定基準点を通過した否かを判定する場合について説明する。交差点のノードの位置座標を示す情報は地図情報及び/又は交差点情報に含まれている(交差点の始点や終点となるべき地点が交差点のノードとして記憶されている)。道路(国道○号線など)に複数の車線(追越車線、右折車線、対向車線など)が存在しているときに車線ごとに交差点のノードが割り当てられており、且つ、自車がどの車線に走行しているかが判断できる場合には、走行している車線において直前の自車の現在位置座標では、自車の進行方向前方であった交差点の始点ノードが、最新の自車の現在位置座標では、自車の進行方向後方であるか否か(自車の現在位置座標が交差点の始点ノードの位置座標よりも自車の進行方向前方であるか否か)に基づいて自車が通過判定基準点(交差点のノード(交差点の始点ノード))を通過したか否かを判定することができる。
一方、車線ごとに交差点のノードが割り当てられていない場合或いは自車がどの車線を走行しているか判断できない場合には、道路に割り当てられた交差点の始点/終点ノードに基づいて判定する。その際、自車が交差点の始点/終点ノードを跨いだか否か(自車の現在位置座標が始点/終点ノードの位置座標よりも自車の進行方向前方であるか否か)に基づいて判定すると一度の信号表示無視で二度(交差点に進入するときと、交差点から出て行くとき)信号表示無視を行ったと判断される可能性がある。
そこで、交差点の始点/終点ノードに基づいて通過判定基準点を通過したか否かを判定する場合には、同一交差点に存在する交差点の始点/終点ノードについて連続して信号表示無視を行ったか否かを判定しないこと(交差点に進入する際に通過した交差点の始点/終点ノードについてのみ信号表示無視を行ったか否かを判定すること)が望ましい。例えば、交差点の始点/終点ノードに含まれる交差点名称が同一である交差点の始点/終点ノードを連続して(所定時間以内に)跨いだ場合は、後に跨いだ交差点の始点/終点ノードについては、信号表示無視を行ったか否かを判定しない(すなわち、後に跨いだ通過判定基準点(交差点の始点/終点ノード)を跨いでいない、通過判定基準点を通過していない(ステップS03のN)として判定する)。
次に、自車の現在位置と進行方向と停止線の位置とに基づいて通過判定基準点を通過した否かを判定する場合について説明する。停止線の位置座標を示す情報は地図情報又は/及び交差点情報に含まれている。そして、停止線は、少なくとも進行方向(或いは道路(リンクデータ・ノードデータ))に対応付けられているため、自車の現在位置(自車が走行している道路)と進行方向(交差点への進入方向)に基づいて自車の現在位置から進行方向に対して最も近い停止線が、自車の交通を規制する停止線として特定される。そして、直前の自車の現在位置座標では、自車の進行方向前方であった停止線が、最新の自車の現在位置座標では、自車の進行方向後方であるか否か(自車の現在位置座標が特定された停止線の位置座標よりも自車の進行方向前方であるか否か)に基づいて自車が通過判定基準点(停止線)を通過したか否かを判定することができる。
ステップS04において制御部1は、通過判定基準点を通過した時点(上記ステップS03において通過判定基準点を通過したと判定した時点)において当該通過判定基準点に対応した交差点に設置されている信号機の中で自車の交通を規制する信号機の信号表示が停止信号表示(黄信号)又は進行不可信号表示(赤信号)であるか否かを判定する。
なお、自車の交通を規制する信号機とは、自車の進行方向前方の信号機であり、自車の現在位置、進行方向、交差点情報及び信号機情報に基づいて特定することができる。具体的には、交差点の中心位置座標が、自車の現在位置(座標)から進行方向に対して最も近い交差点に設定された信号機の中で、自車の進行方向に対応付けられた信号機が自車の交通を規制する信号機として特定される。すなわち、ステップS03にて通過判定基準点を通過しているため、該通過判定基準点(停止線)のある交差点の中心位置座標は、他の交差点の中心位置座標よりも自車に近いと考えられる。そのため、自車の現在位置(座標)に最も近い交差点の中心位置座標を含む交差点情報及び交差点への進入方向(自車の進行方向)に基づいて、交差点への進入方向(自車の進行方向)に対応した信号機番号を特定する。この信号機番号により示される信号機が自車の交通を規制する信号機として特定される。
または、ステップS03にて通過した通過判定基準点の位置情報を通信部8を介して受信していた場合であれば、該通過判定基準点の位置情報を含む交差点情報及び交差点への進入方向(自車の進行方向)に基づいて、交差点への進入方向(自車の進行方向)に対応した信号機(自車の交通を規制する信号機)番号を特定してもよい。
また、ステップS04にて判定する信号表示は、通過判定基準点を通過した時点の信号表示であるが、これは、最新の(最後に受信した)信号機情報に含まれる現在の信号表示情報に基づいて判定してもよいが、これに限ることはなく、例えば、最新の信号機情報を取得したときからタイマー(図示せず)による時間計測を行い、最新の信号機情報を取得したときから通過判定基準点を通過した時点までの時間を算出する。そして、該算出した時間、信号機情報に含まれる信号表示のサイクル情報(少なくとも現在の信号表示情報、次の信号表示情報及び該信号表示に変更されるまでの時間が含まれていればよい)に基づいて、通過判定基準点を通過した時点の信号表示を判定してもよい。
例えば、最新の信号機情報を取得したときから通過判定基準点を通過した時点までの時間が2秒であり、該最新の信号機情報に含まれる次の信号表示に変更されるまでの時間が1秒であれば、該最新の信号機情報に含まれる現在の信号表示ではなく、該最新の信号機情報に含まれる次の信号表示情報に基づく信号表示が停止信号表示(黄信号)又は進行不可信号表示(赤信号)であるか否かを判定することが好ましい。
信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であれば(ステップS04のY)ステップS05に進み、信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示でなければ(ステップS04のN)ステップS01に戻る。なお、信号表示が停止信号表示(黄色)であれば、停止信号表示(黄色)無視であり、信号表示が進行不可信号表示(赤信号)であれば、進行不可信号表示(赤信号)無視である。
ステップS05において制御部1は通過判定基準点を通過した時点(上記ステップS03において通過判定基準点を通過したと判定された時点)における現在の信号表示になってからの時間を取得する。現在の信号表示になってからの時間は、信号機情報に含まれていることとしてもよいし、制御部1が計測或いは算出することとしてもよい。
信号機情報に現在の信号表示になってからの時間を示す情報が含まれている場合、当該現在の信号表示になってからの時間をステップS05において取得する現在の信号表示になってからの時間としてもよい。
制御部1が計測或いは算出する場合では、例えば制御部1は信号表示が変わる毎にタイマー(図示せず)をリセットして時間を計測させることで現在の信号表示になってからの時間を計測させる。ここで、タイマーをリセットするタイミングは信号表示が変わったときであるが、「信号表示が変わったとき」は、例えば、前回、取得した信号機情報に含まれる現在の信号表示と、今回、取得した信号機情報(最新の信号機情報)に含まれる現在の信号表示とが異なるときであってもよいし、信号機情報を取得してからタイマーで時間を計測し、該時間が該信号機情報に含まれる次の信号表示までの時間と同じとなったとき(信号機情報を取得してから該信号機情報に含まれる次の信号表示までの時間を経過したとき)であってもよい。
その他、制御部1が計測或いは算出する場合では、現在の信号表示の総表示時間(信号表示の1サイクルにおける現在の信号表示の総点灯時間)から、通過判定基準点を通過した時点における次の信号表示に変更されるまでの時間を減算することによって現在の信号表示になってからの時間を算出する。現在の信号表示の総表示時間は信号機情報に含まれることとしてもよいし、信号表示が変わった瞬間における次の信号表示に変更されるまでの時間(実質的に信号表示の総表示時間)を取得(記憶)して当該時間を現在の信号表示の総表示時間としてもよい。
なお、ステップS03の通過判定基準点通過判定とステップS04の信号表示判定はほぼ同時に行われており、ステップ05において制御部1は信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であると判定した時点における現在の信号表示になってからの時間を取得することとしてもよい。
なお、ステップS05では、現在の信号表示になってからの時間を取得すると表現するが、この現在の信号表示になってからの時間は、信号機情報に含まれる現在の信号表示になってからの時間、次の信号表示に変更されるまでの時間、信号表示のサイクルの情報(例えば、現在時刻と信号表示サイクル情報の比較)に基づくものである。
そのため、信号機情報に現在の信号表示になってからの時間が含まれ、該現在の信号表示になってからの時間をステップS05において取得する現在の信号表示になってからの時間とする場合、制御部1が信号機情報を取得すると、信号機情報に含まれる現在の信号表示になってからの時間も取得することになる。この場合、ステップS01と同様に、取得するタイミングは当該タイミングとは限られず、定期的或いは不定期(例えば、他の通信装置の送信タイミングに基づいて)に取得されてもよく、定期的或いは不定期に複数回情報を取得する場合には、取得された情報のうち最も新しい情報を使用することとしてもよい。
なお、この現在の信号表示になってからの時間も、信号機情報に含まれる情報が示す現在の信号表示になってからの時間などをそのまま用いるだけでなく、最新の信号機情報を取得(受信)したときからステップS05の処理に至るまでの時間を計測し、計測した時間と、該最新の信号機情報に含まれる現在の信号表示になってからの時間などに基づき算出してもよい。例えば、最新の信号機情報を取得したときからステップS05の処理に至るまでの時間が2秒であり、該最新の信号機情報に含まれる現在の信号表示になってからの時間が7秒であれば、現在の信号表示になってからの時間は9秒と算出する。
ステップS06において制御部1は例えば図6に示すように、信号無視回数と、現在の信号表示と現在の信号表示になってからの時間とを対応付けて加算して記憶する。例えば、現在の信号表示が停止信号表示である場合に、現在の信号表示になってからの時間が2秒であれば、2≦t(経過時間)<3に該当するため、No3の信号表示無視回数に1を加算して記憶する。このように信号無視回数と、現在の信号表示と現在の信号表示になってからの時間とを対応付けて記憶することにより、例えば、No2であれば、現在の信号表示になってからの時間(経過時間t)が1≦t<2のときに停止信号表示を3回無視していることが分かる。
なお、本実施形態においては信号機の現在の信号表示が進行不可信号表示である場合であっても、図6において示すように現在の信号表示(進行不可信号表示)になってからの時間(経過時間)に対応付けて信号表示無視回数を記憶しているが、これには限定されず、信号機の現在の信号表示が進行不可信号表示である場合には現在の信号表示(進行不可信号表示)になってからの時間に対応付けることなく自動的に1を加算し、信号表示無視回数を加算するものであってもよい。すなわち、図6のように、現在の信号表示(進行不可信号表示)になってからの時間に対応付けるのではなく、進行不可信号表示を無視した回数として4回が記憶される(図6における進行不可信号表示を無視した回数の合計)。この場合、後述する図8の係数K1(進行不可信号表示の場合の経過時間は不要)を用いて合計値Aを算出すると、合計値Aは7.1(3×0.1+2×0.6+2×0.8+4×1)となる。
ステップS07において制御部1は、交通優良度を判定する。本実施形態において交通優良度は、信号表示無視回数に、現在の信号表示になってからの時間(経過時間)に応じて定められている係数K1を乗じた各値の合計値Aを算出し、当該合計値Aについて評価テンプレートを参照して交通優良度を判定する。
例えば本実施形態において係数K1が図8に示すように定められているとき、図6に示す場合における合計値Aは7.1(3×0.1+2×0.6+2×0.8+4×1)であり、当該合計値A(7.1)について図10に示すような評価テンプレートを参照して交通優良度を判定する。つまり、本実施形態において交通優良度は★(星)四つとなる。
上記図8は信号機の現在の信号表示が進行不可信号表示である場合には常に進行が禁止されるものであることから現在の信号表示になってからの時間(経過時間)に関わらず係数K1を1とし、一方、信号機の現在の信号表示が停止信号表示である場合には現在の信号表示(停止信号表示)になってからの時間(経過時間)が増えるに従い進行不可信号表示と同様に扱うようにしている(係数K1を1に近づけている)。
これに対し係数K1を例えば図11のように定めてもよい。図11においては、信号機の現在の信号表示が進行不可信号表示であるときに現在の信号表示になってからの時間(経過時間)が増えるに従って係数K1が大きくなっている。これは停車時における安全性を考慮したものである。すなわち、交差点において自車が走行している車道の信号表示が進行許可信号表示(青信号)から進行不可信号表示(赤信号)になる際には停止信号表示(黄信号)が表示されるものの、停止信号表示は表示時間(点灯時間)が短く、自車の速度次第である程度強くブレーキをかけなければ停止線で停まることができないことがある。そのような場合にはブレーキをかけずに進行することにより進行不可信号表示で交差点を通過することがある。また、自車が走行している車道と交差している別の車道の信号表示は、自車が走行している車道の信号表示が進行不可信号表示に変わった瞬間に進行許可信号表示に変わるものではない(所定期間遅れて進行許可信号表示に変わる)ので危険度がやや低い。
なお、本実施形態において係数K1は0≦K1≦1として説明しているが、係数K1の範囲は当該範囲に限られるものではなく任意に定めることができる。
ステップS08において制御部1は、報知部9を制御して交通優良度に基づいて所定の態様で報知を行う。報知の態様は特に制限されないが図13に示すような表示部2への表示や音声案内が例示される。図13においては表示部2に交通優良度を示す★(星)マークと共にメッセージ(「そのまま安全運転を維持して下さい。」)が表示されているが、交通優良度を示す情報は★(星)マークに限られず、またメッセージの内容を変え、或いはメッセージを表示しないこととしてもよい。なお、交通優良度を報知するタイミングは特に限定されず、エンジンを始動するごと、一定の期間ごと(例えば1ヶ月ごと)、後述する通過交差点数が所定数(例えば100の倍数)に達するごとなど所望のタイミングを設定することができる。
本実施形態によれば、現在の信号表示になってからの時間に基づきの交通優良度を判定するので同一の信号表示であっても現在の信号表示になってからの時間に応じて係数が定められていることにより、現実の交通の困難性、危険性を考慮に入れた交通優良度を判定することができる。また、その判定結果を運転者等に報知することによって該運転者等に安全運転を促すことができる。
[第2実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第2実施形態について図3を用いて説明する。図3は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS11〜ステップS15は、第1実施形態のステップS01〜ステップS05と、また、本実施形態のステップS18は、第1実施形態のステップS08と同一であるため説明を省略する。
ステップS16において制御部1は、例えば図7に示すように、信号無視回数と、時間の割合rとを対応付けて加算して記憶する。本実施形態において時間の割合rとは、(現在の信号表示になってからの時間(第1実施形態の経過時間t)/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される割合である。すなわち、信号機毎に信号表示時間が異なることが多々あるため、本実施形態によれば各信号表示時間を考慮して交通優良度を判定することができる。
ステップS17において制御部1は、交通優良度を判定する。本実施形態において交通優良度は、信号表示無視回数に、時間の割合に応じて定められている係数K2を乗じた各値の合計値Aを算出し、当該合計値Aについて評価テンプレートを参照して交通優良度を判定する。
例えば本実施形態において係数K2が図9に示すように定められているとき、図7に示す場合における合計値Aは10.3(3×0.7+4×0.5+2×0.1+6×1)であり、当該合計値A(10.3)について図10に示すような評価テンプレートを参照して交通優良度を判定する。つまり、本実施形態において交通優良度は★(星)三つとなる。
なお、信号機情報に現在の信号表示になってからの時間を示す情報が含まれない場合には第1実施形態と同様に現在の信号表示になってからの時間を計測・算出することとしてもよいが、次の信号表示に変更されるまでの時間(次の信号表示までの残時間)と現在の信号表示の総表示時間に基づいて時間の割合rを算出することとしてもよい。その場合図9において、(次の信号表示に変更されるまでの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される時間の割合rが小さくなる(減る)に従って係数K2が増えることとすればよい。
ここで、(次の信号表示に変更されるまでの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される時間の割合rと、(現在の信号表示になってからの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される割合rとを合計すると100%となる。
すなわち、次の信号表示に変更されるまでの時間が3秒(現在の信号表示になってからの時間が7秒)であり、現在の信号表示の総表示時間が10秒であれば、(次の信号表示に変更されるまでの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される時間の割合rは30%となり、(現在の信号表示になってからの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される割合rは70%となる。
そのため、(次の信号表示に変更されるまでの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される時間の割合rにかかる係数K2(例えば30%のときの係数K2が0.7)と、(現在の信号表示になってからの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される割合rにかかる係数K2(例えば70%のときの係数K2が0.7)が同一であれば、合計値は同一となる。
すなわち、(次の信号表示に変更されるまでの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される時間の割合rを用いる場合も、実質的に(現在の信号表示になってからの時間/現在の信号表示の総表示時間*100)で算出される割合rを用いている場合と同一である。
なお、進行不可信号表示である場合には割合rに関わらず係数K2を1としたが、第1実施形態と同様に、信号機の現在の信号表示が進行不可信号表示であるときに、割合rが増えるに従って係数K2を大きくしてもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
[第3実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第3実施形態について図4を用いて説明する。図4は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第3のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS21〜ステップS23は、第1実施形態のステップS01〜ステップS03と、また、本実施形態のステップS25〜ステップS27は、第1実施形態のステップS04〜ステップS06と同一であるため説明を省略する。
ステップS24において制御部1は通過交差点数を加算して記憶する。通過交差点数とは自車が通過した交差点の数であるが、本実施形態においては、当該交差点に設けられた(対応付けられた)通過判定基準点を通過する度(ステップS23のYとなる度)に当該交差点を通過したものとして通過交差点数が加算される。
ステップS28において制御部1は交通優良度を判定する。本実施形態において交通優良度は、合計値A(第1実施形態のステップS07参照)と通過交差点数から算出される割合Bに基づいて判定される。すなわち、合計値A/通過交差点数×100で求められる割合Bについて図12に示すような評価テンプレートを参照して交通優良度を判定する。
本実施形態においても図6及び図8を参照して合計値Aを算出すると第1実施形態と同様に合計値Aは7.1となる。このときに制御部1に記憶されている通過交差点数が100であるとすると、割合Bは7.1%(7.1/100×100)となり、交通優良度は★(星)二つとなる。
ステップS29において制御部1は、報知部9を制御して交通優良度に基づいて所定の態様で報知を行う。本実施形態では交通優良度が★(星)二つであるため、★(星)二つを表示すると共に例えば「安全運転を心がけましょう」などのメッセージを表示することとしてもよい。なお、報知の態様と交通優良度を報知するタイミングは第1実施形態と同様に特に限定されない。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、割合に基づいて交通優良度を判定するので、交通経験(運転者であればドライバー歴)の多寡を反映した交通優良度を判定することができる。
[第4実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第4実施形態について図5を用いて説明する。図5は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第4のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS31〜ステップS32は、第3実施形態のステップS21〜ステップS22と、また、本実施形態のステップS37〜ステップS38は、第3実施形態のステップS26〜ステップS27と同一であるため説明を省略する。
ステップS33において制御部1は自車が通過判定基準点(停止線)を通過するときに、該停止線を通過する際に自車の交通を規制する信号機の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であるか否かを事前に(停止線に到着する前に)判定する。通過時点における信号機の信号表示(灯火色)は、例えば自車の現在位置(停止線に至っていない現在位置)から停止線までの距離と、自車の移動速度とから、自車が停止線を通過するまでの時間を算出し、信号機情報に含まれる信号機の信号表示のサイクルを参照して停止線を通過する時点における信号機の信号表示を特定することができる(例えば特開2008−230434号公報を参照)。
通過判定基準点(停止線)通過時の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示である場合には(ステップS33のY)ステップS34に進み、交差点通過時の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示でない場合には(ステップS33のN)ステップS31に戻る。
ステップS34において制御部1は自車が通過判定基準点(停止線)を通過した否かを判定する。本ステップにおける通過したか否かを判定する停止線とは、ステップS33において停止線通過時の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であると判定された停止線である。自車が停止線を通過したと判定した場合には(ステップS34のY)ステップS35に進み、自車が停止線を通過していないと判定した場合には(ステップS34のN)ステップS31に戻る。
ステップS35において制御部1は判定交差点数を加算して記憶する。判定交差点数とは自車が通過した判定交差点(ステップS33において停止線通過時の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であると判定された交差点)の数であるが、本実施形態においては、当該判定交差点に設けられた(対応付けられた)停止線(ステップS33において停止線通過時の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であると判定された停止線)を通過する度に当該判定交差点を通過したものとして判定交差点数が加算される。
ステップS36において制御部1は実際に自車が停止線を通過したときに、自車の交通を規制する信号機の信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示であったか否かを判定する。すなわち、例えばステップS33で停止線通過時における信号表示が進行不可信号表示であると事前に判定されていた場合であっても、進行不可信号表示を無視することなく停止し、信号表示が進行許可信号表示に変わってから当該停止線を通過したときには判定交差点数が加算されるのみであり、ステップS37に進まない。
ステップS39において制御部1は交通優良度を判定する。本実施形態において交通優良度は、合計値A(第1実施形態のステップS07参照)と判定交差点数から算出される割合Bに基づいて判定される。すなわち、第3実施形態の割合Bの算出方法において通過交差点数を判定交差点数とすること(合計値A/判定交差点数×100)によって割合Bを算出する。
ステップS40において制御部1は、報知部9を制御して交通優良度に基づいて所定の態様で報知を行う。報知の態様と交通優良度を報知するタイミングは第1実施形態と同様に特に限定されない。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、判定交差点数によって割合を算出するので、通過判定基準点を通過した時に進行許可信号であり、且つ当該通過判定基準点を通過した場合は割合Bを算出するにあたって反映されない(交差点通過時に進行許可信号表示であれば停止する必要がない)。これにより、停止すべき信号表示で停止したか否かという条件に基づいてのみ交通優良度を判定することができる。
<変形例>
現在の信号表示になってからの時間に応じて定められた係数K1及び係数K2は、各実施形態において例示したが、さらに状況(走行中の道路の種別や制限速度など)に応じて複数の係数テーブルを定めることとしてもよい。例えば国道は県道に比べて制限速度が高く(速く)設定されていることから、国道を走行中の車両は県道を走行中の車両に比べて車両を停止させるために長い時間が必要となる。そこで、県道用の係数テーブルと、国道用の係数テーブルを設定し、交通優良度を判定することとしてもよい。いずれの係数テーブルを参照するかは自車の現在位置をマップマッチングすることにより特定することができる。
また、速度検出部5によって検出される自車の移動速度が所定速度以下であれば信号表示無視とは判定しないこととしてもよい。すなわち自車の移動速度が所定速度以下であればその後自車が停止するものと考えられるからである。但し、本変形例によれば所定速度以下の移動速度で交差点を走行し続けた場合に信号表示無視であると判定されないことになってしまうため、信号表示が停止信号表示又は進行不可信号表示である交差点において所定速度以下の移動速度による走行が所定時間継続している場合、或いは、交差点において所定速度以下の移動速度による走行の累計時間が所定時間を越えている場合に信号表示無視であると判定することとしてもよい。
なお、上記実施形態においては、現在位置を検出する現在位置検出部4や表示部2などの構成をナビゲーション装置20が備える構成として説明を行なったが、これに限ることはなく、例えば、自車に搭載された現在位置検出部4を備える通信装置と無線又は有線通信を行うことで現在位置を取得してもよいし、同様に、表示部2を備える通信装置と無線又は有線通信を介して表示指示を行うことで表示部2に画像が表示されてもよい。
また、第3実施形態及び第4実施形態において、第1実施形態の場合(信号無視回数と現在の信号表示になってからの時間を対応付けて記憶する場合)について説明したが、第2実施形態の場合(信号無視回数と、時間の割合rとを対応付けて記憶する場合)に適用することも可能である。
例えば、第3実施形態において第2実施形態を適用する場合において係数K2が図9に示すように定められているとき、図7に示す場合における合計値Aは10.3である。この場合、合計値A/通過交差点数×100で求められる割合Bは、通過交差点数が100であるとすると、割合Bは10.3%(10.3/100×100)となり、交通優良度は★(星)一つとなる。
同様に、第4実施形態において第2実施形態を適用する場合には、(合計値A/判定交差点数×100)によって割合Bを算出する。
なお、上記実施形態では、停止信号表示(黄信号)と進行不可信号表示(赤信号)とを分けて記載したが、進行許可信号表示(青信号)以外を進行禁止信号表示とし、進行禁止信号表示を無視した場合(例えば停止信号表示又は進行不可信号表示を無視した場合)、進行禁止信号表示を無視した時点における進行禁止信号表示になってからの時間と進行禁止信号表示を無視した回数とを対応付けて記憶することとしてもよく、進行禁止信号表示を無視した時点における進行禁止信号表示になってからの時間に対応付けられた進行禁止信号表示を無視した回数(進行禁止信号表示無視回数)に基づいて交通優良度を判定して報知してもよい。
すなわち、例えば、進行禁止信号表示に停止信号表示(黄信号)と進行不可信号表示(赤信号)が含まれる場合において、停止信号表示を無視した場合(通過判定基準点を通過した時点において自車の交通を規制する信号機の信号表示が停止信号表示(黄信号)である場合)、進行禁止信号表示を無視した時点における進行禁止信号表示になってからの時間とは、停止信号表示を無視した時点における停止信号表示になってからの時間と同一である。(但し、信号機のサイクルが進行許可信号表示(青信号)→停止信号表示(黄信号)→進行不可信号表示(赤信号)→進行許可信号表示(青信号)・・である場合。以下、同様)
一方、進行不可信号表示を無視した場合(通過判定基準点を通過した時点において自車の交通を規制する信号機の信号表示が進行不可信号表示である場合)、進行禁止信号表示を無視した時点における進行禁止信号表示になってからの時間とは、進行不可信号表示を無視した時点における進行不可信号表示になってからの時間に、進行不可信号表示の前の信号表示である(進行禁止表示に含まれる)停止信号表示の総表示時間を加算した時間である。(その他にも、信号機情報において、停止信号表示と進行不可信号表示とが区別なく進行禁止信号表示として扱われていれば、信号機情報に含まれる進行禁止信号表示になってからの時間を示す情報から特定してもよいし、進行禁止信号表示の総表示時間から進行禁止信号表示が次の信号表示になるまでの時間を減算することで、進行禁止信号表示になってからの時間を特定してもよい。)
つまり、進行禁止信号表示を無視した時点における進行禁止信号表示になってからの時間とは、進行許可信号表示(青信号)以外の信号表示(進行禁止信号表示)となってから進行禁止信号表示を無視した時点までの時間である。
なお、進行禁止信号表示を進行許可信号表示以外の信号表示としたが、これに限ることはなく、例えば、進行禁止信号表示は進行許可信号表示及び停止信号表示以外の信号表示としてもよい。
そして、第1実施形態のように係数K1(進行禁止信号表示になってからの時間が大きくなるに従い係数が大きくなる)を用いて合計値Aを算出し、合計値A及び評価テンプレートを参照して交通優良度を判定することができる。
なお、進行禁止信号表示は第2〜4実施形態(変形例含む)に適用することも可能である。例えば、第2実施形態に適用する場合であれば、進行禁止信号表示の総表示時間(例えば停止信号表示の総表示時間と進行不可信号表示と総表示時間の合計値)と進行禁止信号表示を無視した時点における進行禁止信号表示になってからの時間とから割合rを算出し、割合rと進行禁止信号表示無視回数を対応付けて記憶し、係数K2(割合rが大きくなるに従い係数が大きくなる)を用いて合計値Aを算出し、合計値A及び評価テンプレートを参照して交通優良度を判定することができる。
なお、進行不可信号表示(赤信号)であっても信号機の青矢印と同方向へ進む場合(例えば、右方向への青矢印で右折する場合)は、進行不可信号表示(赤信号)を無視したと判定しないことが好ましい。