以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の移動体通信装置の一例であるナビゲーション装置を示すものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の装置にも等しく適応し得るものである。例えば、ナビゲーション機能を有しない装置や携帯電話等の移動通信端末であってもよい。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置が自動車に取付けられた場合を例示するが、バイクや歩行者等がナビゲーション装置を備えて(保持して)いてもよい。図1は本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20は制御部1と、表示部2と、操作部3と、現在位置検出部4と、速度検出部5と、地図情報記憶部6と、バッテリ7と、通信部8とを備えている。
制御部1はナビゲーション装置20全体を総括的に制御する制御手段である。制御部1はCPUとROMとRAM(いずれも不図示)とを含んでいる。ROMには制御部1が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータが記憶されている。CPUはROMに記憶されている各種プログラムを実行する。RAMは各種処理の過程で得られるデータや各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。これらCPU、RAM、ROM等は、バスを介して接続されている。なお、CPU、ROM及びRAMはこれらの一部または全部を1チップに集積化しても構わない。また、制御部1は通信部8を介して行われる他の通信装置に対する自車の移動体情報の送信を制御する(詳細は後述)。
表示部2は、制御部1の指示に基づき、地図画面(目的地への経路、ナビゲーション装置20が搭載された車両(以下、「ナビゲーション装置20が搭載された車両」を「自車」ということもある。)の現在位置を示すマークなどを含む地図画像を表示する画面)やメニュー画面を表示するための表示手段である。
操作部3はユーザが目的地を入力したり、メニューを操作したりするための入力操作手段である。なお、操作部3としては、ナビゲーション装置本体に各種のキーやボタンを設けてもよいし、表示部2にタッチパネル機能を付加してもよい。また、操作部3としてナビゲーション装置20本体を遠隔操作するためのリモートコントローラを操作部3として用いても構わない。
現在位置検出部4は自車の現在位置を検出するものであり、GPS受信機、自立航法手段、位置計算用CPU等を含んで構成される。自立航法手段は操角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなり、自車の走行距離と進行方向とをそれぞれ検出し、これらの値に基づいて現在位置を求める。また、GPS受信機は複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して3次元測位処理又は2次元測位処理を行って自車の絶対位置及び進行方向を計算する。ここで進行方向は現時点の自車位置と直前の自車位置とに基づいて計算される。なお、進行方向の検出方法は特に限定されず、例えばタイヤの回転方向から検出することとしてもよいし、方位センサを用いて検出してもよい。また、現在位置検出部4とは別に進行方向検出部を設けて自車の進行方向を検出するものとしてもよい。
速度検出部5は自車の移動速度を検出する。移動速度は車速センサや加速度センサの出力から算出してもよいし、GPS履歴間の走行距離とGPS受信時刻の差から算出してもよい。なお、自車の移動速度は現在位置検出部4が検出することとしてもよい。現在位置検出部4が自車の現在位置に加えて移動速度を検出することができる場合には速度検出部5を別途設けない構成とすることができる。その場合、現在位置検出部4に速度検出部5が含まれる構成となる。
なお、操角センサ、加速度センサ、速度センサや方位センサなどは、ナビゲーション装置20が備えていてもよいし、車両(自車)が上記各種センサを備えており、ナビゲーション装置20は、上記各種センサの出力を取得するインターフェースを備える構成としてもよい。
地図情報記憶部6は目的地への経路探索や誘導を行う際に参照される地図情報が記憶されている。地図情報には、ネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ)が含まれる。地図情報記憶部6としてはNANDフラッシュやSDメモリカードなどを好適に用いることができる。地図情報記憶部6はナビゲーション装置20に内蔵しても構わないし、ナビゲーション装置20に着脱可能な構成としても構わない。なお、地図情報には、地図画像が含まれていてもよいし、地図情報に含まれるネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ)に基づき地図画像を表示部2に描画してもよい。また、地図情報は予め地図情報記憶部6に記憶される以外にも、後述する通信部8が路側機などから地図情報を受信し、受信された地図情報が地図情報記憶部6に記憶されてもよい。
本発明においては、ネットワークデータに、道路のノードデータ・リンクデータが含まれる。自車が現在走行している道路を特定する際には、制御部1が現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置(進行方向や移動速度も加えてもよい)と地図情報とに基づき、マップマッチング処理を行うことで特定することができる。
なお、マップマッチング処理については、制御部1が行なってもよいが、現在位置検出部4が行なってもよい。すなわち、GPS受信機及び/又は自律航法手段を用いて検出した現在位置と地図情報とに基づき、マップマッチング処理を行い、マップマッチング処理を行なった現在位置を現在位置として制御部1へ出力してもよい。或いは、制御部1のマップマッチング処理までを含めて現在位置検出部4としてもよい。
バッテリ7はナビゲーション装置20の携帯使用時における電源供給手段であり、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池を好適に用いることが可能である。もちろん、バッテリ7として、アルカリマンガン乾電池やマンガン乾電池などの一次電池を用いても構わないし、燃料電池を用いても構わない。
通信部8はナビゲーション装置20と通信可能な他の通信装置(以下、「他の通信装置」という。)に情報を送信する送信部(図示せず)と他の通信装置から送信される情報を受信する受信部(図示せず)とを有する。通信方法は無線通信や赤外線通信などの非接触通信とすることが好ましい。他の通信装置としては他の車両に搭載されたナビゲーション装置等の車載通信装置(他の車両に歩行者が乗車している場合において、該歩行者が保持する携帯電話等の移動通信端末でもよい)、路側機、歩行者等(歩行者や自転車の運転手など)が所持する携帯電話等の移動通信端末などを挙げることができる。
通信部8が他の車両に搭載されたナビゲーション装置等の車載通信装置から受信する情報には他の車両の移動体情報(車載通信装置の情報(現在位置や移動速度など)を車載通信装置が搭載された「他の車両の移動体情報」と言い換えることができる)が含まれる。他の車両の移動体情報には、ナビゲーション装置等の車載通信装置が搭載された他の車両(以下、「ナビゲーション装置等の車載通信装置が搭載された他の車両」を「他の車両」ということもある。)の現在位置、進行方向、移動速度を示す情報などが含まれており、また、他の車両の移動種別(すなわち、車両)を示す情報が含まれていてもよい。
また、通信部8が、歩行者等が所持している携帯電話等の移動通信端末から受信する情報には、歩行者等の移動体情報が含まれる。歩行者等の移動体情報には、携帯電話等の移動通信端末を所持する歩行者等(以下、「携帯電話等の移動通信端末を所持する歩行者等」を「歩行者等」ということもある。)の現在位置、進行方向、移動速度を示す情報などが含まれており、また、歩行者等の移動種別(すなわち、歩行者等)を示す情報が含まれていてもよい。
なお、他の車両や歩行者等の現在位置は、マップマッチング処理後の現在位置であってもよいし、マップマッチング処理前の現在位置(GPS受信機等により測位された現在位置)であってもよい。マップマッチング処理前の現在位置であれば、制御部1(現在位置検出部4)がマップマッチング処理を行なってもよい。
なお、上記において通信部8は、他の車両から他の車両の移動体情報を受信しているが、例えば路側機や携帯電話等の移動通信端末などから受信してもよい。また、歩行者等の移動体情報についても同様である。
なお、他の通信装置(車載通信装置や路側機など)から送信される他の移動体(他の車両、歩行者等)の移動体情報や、通信部8を介して送信される自車の移動体情報は、ブロードキャストで周囲に送信されるものとして説明を行なう。
ここで、本発明について、簡単に概要を説明する。
上記説明した通り、ナビゲーション装置20は、通信部8を介して他の移動体(他の車両、歩行者等)の移動体情報を受信(取得)し、また、通信部8を介して自車の移動体情報(現在位置など)を送信する。
これにより、ナビゲーション装置20は、他の移動体(他の車両、歩行者等)の現在位置や移動速度を特定でき、特定した他の移動体の現在位置や移動速度と自車の移動体情報(現在位置や移動速度など)に基づき、安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を行なうことが可能となる。
同様に、通信部8を介して送信された自車の移動体情報を受信した他の通信装置(例えば他の車両に搭載されたナビゲーション装置等の車載通信装置)においても、安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を行なうことが可能となる。
しかしながら、上記説明した通り、全てのITS通信端末(ナビゲーション装置20、車載通信装置、移動通信端末など)が同様の送信周期で同様の情報(現在位置や移動速度など)を含む移動体情報を送信すると回線が混雑してしまう可能性がある。
ところで、例えば、AとBの2人が夫々移動通信端末を保持して並んで歩行しているような場合において、安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を行なうためには、AかBの何れか1人の移動通信端末から移動体情報が送信されればよい。
すなわち、安全運転支援(特に交通事故判定)を行なうためには、第3者がある地点(A又はBが保持する移動通信端末から送信された移動体情報に含まれる現在位置)に人がいることを認識できればよく、並んで歩行しているような場合においては、A及びBが保持する夫々の移動通信端末から移動体情報を送信する必要性は1人で歩行している場合よりも低くなる。
そこで、本発明では、自車の現在位置(例えば上記Aの現在位置)と、通信部8を介して受信した他の移動体の現在位置(例えばBの現在位置)とが所定範囲内である場合、通信部を介して行われる自車の移動体情報(Aの移動体情報)の送信について特別制御状態(送信停止など、詳細は後述)で行うと決定する。
すなわち、自車の現在位置(例えばAの現在位置)から所定範囲内である他の移動体の現在位置(例えばBの現在位置)を受信したということは、他の移動体(B)の周囲に存在する他の通信装置(自車の現在位置(Aの現在位置)の周囲に存在する他の通信装置とほぼ同一)に、他の移動体(B)の現在位置に他の移動体(B)が存在することが送信されている(ブロードキャストのため)。
そのため、自車の移動体情報(Aの移動体情報)の送信について特別制御状態(送信停止など、詳細は後述)で行うと決定しても、B(A)の周囲に存在する他の通信装置は、ある地点(Bが保持する移動通信端末から送信された移動体情報に含まれる現在位置)に、B(歩行者)が存在することを認識(受信)しているため、安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を妨げることなく、ITS通信における回線の混雑を未然に防ぐことができる。
[第1実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第1実施形態について図2を用いて説明する。図2は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第1のフローチャートである。
ステップS01において制御部1は、現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置と、現在位置検出部4(ナビゲーション装置20が進行方向検出部を備えるときは進行方向検出部でもよい)により検出される自車の進行方向、速度検出部5により検出される自車の移動速度などの自車に関する情報を取得する。
また、ステップ02において制御部1は、通信部8が受信した1又は複数の他の移動体(他の車両、歩行者等)の移動体情報を取得する。本実施形態において、それぞれの他の移動体の移動体情報には少なくとも該他の移動体の現在位置を示す情報が含まれている(例えば、他の車両Aの移動体情報には少なくとも他の車両Aの現在位置を示す情報が含まれており、その他に、他の車両Aの進行方向を示す情報や、他の車両Aの移動速度を示す情報が含まれていてもよいが、他の車両Aの移動体情報には他の車両Aに関する情報のみが含まれている(例えば、他の車両Bに関する情報は含まれていない)。)。
なお、本実施形態において制御部1は、ステップS01において自車に関する情報を取得し、ステップS02において1又は複数の他の移動体の移動体情報を取得しているが、制御部1がこれらの情報を取得する順番はフローチャートに示した順序でなくてもよく、例えば同時に取得するものであってもよいし、先に1又は複数の他の移動体の移動体情報を取得するものであってもよい。
また、本実施形態及び以下の実施形態において制御部1が自車に関する情報及び1又は複数の他の移動体の移動体情報を取得するタイミングは当該タイミングとは限られない。定期的或いは不定期に取得されてもよく、定期的或いは不定期に複数回情報を取得する場合には、取得された情報のうち最も新しい情報を使用することとしてもよい。
次にステップS03において制御部1は他の移動体の現在位置が自車の現在位置から所定範囲内であるか否かを判定する。他の移動体の現在位置が自車の現在位置から所定範囲内であれば(ステップS03のY)ステップS04に進み、他の移動体の現在位置が自車の現在位置から所定範囲内でなければ(ステップS03のN)ステップS06に進む。
なお、当該判定はステップS02において複数の他の移動体の移動体情報を取得している場合には、他の移動体の移動体情報毎に行う。取得した全ての他の移動体の移動体情報毎に判定を行なった後、複数の他の移動体の現在位置の少なくとも一つにおいて、自車の現在位置から所定範囲内であればステップS04に進むものとする。
また、自車の現在位置から所定範囲とは、適宜設定される任意の範囲であってもよいが、例えば、自車の現在位置を中心として所定半径(5m)の円(移動種別に応じて半径を変更してもよい。)であってもよいし、自車の現在位置を中心として、自車が走行している道路の道路幅と所定距離(5m)からなる四角形であってもよい。
次にステップS04において制御部1は自車の移動種別と他の移動体の移動種別とが同一であるか否かを判定する。本ステップにおいて他の移動体とは、ステップS03において、自車の現在位置から所定範囲内であると判定された他の移動体であり、自車の現在位置から所定範囲内であると判定された他の移動体が複数存在する場合には、他の移動体毎に判定を行う。
自車の移動種別と他の移動体の移動種別とが同一であれば(ステップS04のY)ステップS05に進み、自車の移動種別と他の移動体の移動種別とが同一でなければ(ステップS04のN)ステップS06に進む。
なお、自車の移動種別と他の移動体の移動体種別を特定する方法は特に限定されないが以下に移動種別を特定する方法について例示する。自車の移動種別を特定する第1の方法はユーザが操作部3を用いて入力し、或いは表示部2に表示された複数の移動種別の中からユーザが操作部3を用いて移動種別を選択することによって特定する方法である。特定された移動種別を示す情報はメモリ(例えばRAM)に記憶される。この場合、ユーザによって特定された移動種別を示す情報がメモリに記憶されているため、制御部1はステップS01において自車の移動種別を示す情報を自車に関する情報として取得すると言い換えることができる。
自車の移動種別を特定する第2の方法は、制御部1が自車の移動速度に基づいて特定する方法である。具体的には、例えば移動速度が時速30km以上であるときは移動種別を「車両」とし、移動速度が時速30km未満であるときは移動種別を「歩行者等」とする。なお、移動速度に基づいて特定する場合は、移動速度の平均が時速30km以上であるか否かで判定することが好ましい。
自車の移動種別を特定する第3の方法は、制御部1がナビゲーション装置20の電源の種類に基づいて特定する方法である。具体的には、ナビゲーション装置20が車両に搭載されたバッテリから電源供給(12V)を受けていれば移動種別を「車両」とし、ナビゲーション装置20が備えるバッテリ7から電源供給を受けていれば移動種別を「歩行者等」とする。
自車の移動種別を特定する第4の方法は、制御部1が、車両(自車)が備えるセンサなどの出力に基づいて特定する方法である。具体的には、例えばナビゲーション装置20が車両(自車)のヘッドライトの点灯状態を示す情報を取得するインターフェースを備えている場合において、ヘッドライトの点灯或いは消灯を示す情報を自車に関する情報として取得していれば移動種別を「車両」とし、取得していなければ移動種別を「歩行者等」とする。
また、自車の移動種別は、現在位置から特定することも可能である。例えば、地図情報と現在位置とに基づき、現在位置が車道上であれば移動種別を「車両」とし、現在位置が歩道上であれば移動種別を「歩行者等」としてもよい。
他の移動体の移動種別を特定する方法は、自車の移動種別を特定する方法と同様に、受信した他の移動体の移動体情報に移動種別を示す情報が含まれていれば該移動種別を示す情報に基いて特定し、移動種別を示す情報が含まれていなければ、受信した他の移動体情報に含まれる他の移動体の移動速度や、他の移動体に搭載されている他の通信装置が電源供給を受けている電源の種類、他の移動体のヘッドライトの点灯状態を示す情報の有無等に基づいて特定することができる。
ステップS05において制御部1は、自車の移動体情報の送信について特別制御状態(詳細は後述)で行い、ステップS06において制御部1は、自車の移動体情報の送信について通常制御状態(詳細は後述)で行う(すなわち、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行うか特別制御状態で行うかを決定する)。
ここで通常制御状態による自車の移動体情報の送信とは、ITS通信において一般的に、車両に搭載された車載装置から他の通信装置に対して送信される車両の移動体情報と同様の情報が通信部8を介して送信されることである。移動体情報には車両(自車)に関する様々な情報が含まれており、通常制御状態において車両(自車)に関するどのような情報を移動体情報として送信するかは予め設定されている。自車に関する情報としては、自車の移動種別を示す情報、自車のID(ナビゲーション装置20の端末ID)を示す情報、自車の現在位置を示す情報、自車の進行方向を示す情報、自車の移動速度を示す情報、ヘッドライトの点灯状態を示す情報、ワイパーの稼動状態を示す情報などが挙げられる。
一方、特別制御状態による自車の移動体情報の送信とは、通常制御状態とは異なる制御であり、例えば、自車の移動体情報として送信される自車に関する情報を変更する制御、自車の移動体情報の送信周期を変更する制御、自車の移動体情報の送信を停止する制御、これらを組み合わる制御などが考えられる。
本実施形態において、自車の移動体情報として送信される自車に関する情報を変更する場合には、例えば、通常制御状態時には上述した自車に関する情報(移動種別、端末ID、現在位置、進行方向、移動速度、ヘッドライト点灯状態、ワイパーの稼動状態)が自車の移動体情報として送信されるが、特別制御状態時には、自車の移動種別を示す情報及び自車の現在位置を示す情報のみが自車の移動体情報として送信されることとする。つまり、特別制御状態時においては通常制御状態時に比べて、自車の移動体情報として送信される自車に関する情報が少ない。
また、自車の移動体情報の送信周期を変更する場合には、例えば通常制御状態時には100ms毎に自車の移動体情報を送信することとし、特別制御状態時には200ms毎に自車の移動体情報を送信することとする。また、自車の移動体情報の送信を停止する場合には、通常制御状態時には自車の移動体情報の送信を行い、特別制御状態時には自車の移動体情報の送信を行わないこととする。さらに、これらを組み合わせて特別制御状態とすることも可能である。
すなわち、「自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行なう」とは、「自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行なう」場合に比べて、通信回線に負担をかけない(送信される情報を減らす及び/又は送信される回数を減らす(送信しない)など)状態とすることである。
また、本実施形態においては、自車と同一の移動種別の他の移動体が、所定範囲内に存在するときに特別制御状態とすることとしたが、制御部1は、当該所定範囲内に存在する他の移動体の数(自車と同一の移動種別である他の移動体の数としてもよいし、移動体種別を問わない他の移動体の数であってもよい)に基づいて、特別制御状態の内容を変更することとしてもよい。すなわち、自車の周辺に存在する他の移動体の数が少なければ回線の混雑が起こる可能性が低く、一方、自車の周辺に存在する他の移動体の数が多ければ回線の混雑が起こる可能性が高いため、自車の周辺に存在する他の移動体の数に基づいて特別制御状態の内容を変更する。
例えば通常制御状態時における自車の移動体情報の送信周期が100msである場合に、自車周辺に他の移動体が1つ(1人、1台)存在する場合には送信周期を200msとし、自車周辺に他の移動体が2つ存在する場合には送信周期を300msとし、自車周辺に他の移動体が3つ存在する場合には送信を停止することとする。
本実施形態によれば、自車の現在位置から所定範囲内に自車と同一の移動種別である他の移動体が存在するときに自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行うので、安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を妨げることなく、ITS通信における回線の混雑を未然に防ぐことができる。
なお、本実施形態では、自車の移動種別と他の移動体の移動種別とが同一であるか否かを判定したが、移動種別が同一であるか否かを判定せずとも、何れかの他の移動体の現在位置が自車の現在位置から所定範囲内であると判定した時点で、自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行なうと決定してもよい。
[第2実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第2実施形態について図3を用いて説明する。図3は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS11〜ステップS14、ステップS16〜ステップS17は、それぞれ第1実施形態のステップS01〜ステップS04、ステップS05〜ステップS06と同一であるため説明を省略する。
ステップS15において制御部1は、自車の進行方向と他の移動体の進行方向が同一であるか否かを判定する。本ステップにおいて他の移動体とは、ステップS14において、自車の移動種別と同一であると判定された他の移動体(すなわち、他の車両)であり、自車の移動種別と同一であると判定された他の移動体(他の車両)が複数存在する場合には、他の移動体(他の車両)毎に判定を行う。
自車の進行方向は、現在位置検出部4によって検出される自車の進行方向とし、他の移動体の進行方向は、通信部8が受信する他の移動体(他の車両)の進行方向に基づいて特定することとしてもいいし、自車及び他の移動体の進行方向を現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置(緯度、経度)を示す情報、通信部8が受信する他の移動体(他の車両)の現在位置(緯度、経度)を示す情報、地図情報に基づいて特定するこことしてもよい。すなわち、自車及び他の移動体(他の車両)の現在位置から、自車及び他の移動体(他の車両)が走行している車線を特定することにより、その車線における進行方向を特定することができる(車線と当該車線における進行方向が対応付けられている)。
自車の進行方向と他の移動体(他の車両)の進行方向が同一であれば(ステップS15のY)ステップS16に進み、自車の進行方向と他の移動体(他の車両)の進行方向が同一でなければ(ステップS15のN)ステップS17に進む。すなわち、自車の進行方向と他の移動体(他の車両)の進行方向が同一でなければ、両者は対向車関係(すなわち対向する車線を走行する車両)である可能性があるから、安全運転支援のために自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行う。
なお、自車の移動種別と同一であると判定された他の移動体(他の車両)が複数存在する場合には、その全ての他の移動体(他の車両)が自車の進行方向と同一でない場合にのみステップS17に進む。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、自車の進行方向と他の移動体の進行方向が同一でないときには、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行うので、対向車同士の衝突事故を回避する等の安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を妨げることがない。
なお、ステップ15において他の移動体とは、ステップS14において、自車の移動種別と同一であると判定された他の移動体(すなわち、他の車両)であると、説明を行なったが、ステップ13において、他の移動体の現在位置が自車の現在位置から所定範囲内であると判定された他の移動体(すなわち、他の車両)であってもよい。
すなわち、自車の移動種別と他の移動体の移動種別とが同一であるか否かを判定したが、移動種別が同一であるか否かを判定しなくてもよい。
[第3実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第3実施形態について図4を用いて説明する。図4は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第3のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS21〜ステップS25、ステップS27〜ステップS28は、それぞれ第2実施形態のステップS11〜ステップS15、ステップS16〜ステップS17と同一であるため説明を省略する。
ステップS26において制御部1は、他の移動体(他の車両)の現在位置が自車の現在位置よりも自車の進行方向前方(ステップS25において自車の進行方向と他の移動体(他の車両)の進行方向が同一であると判定されているため、他の移動体(他の車両)の進行方向前方であってもよい)であるか否かを判定する。
他の移動体(他の車両)が前方車両であるか否かは(他の移動体(他の車両)の現在位置が自車の現在位置よりも自車の進行方向前方であるか否かは)、現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置(緯度、経度)、通信部8が受信する他の移動体(他の車両)の現在位置(緯度、経度)、地図情報に基づいて特定することができる。すなわち、自車及び他の移動体(他の車両)の現在位置から、自車及び他の移動体(他の車両)が走行している車線及びその車線における進行方向を特定し、自車の現在位置と他の移動体(他の車両)の現在位置とを比較することにより、他の移動体(他の車両)が前方車両か否かを判定することができる。また、自車の現在位置と他の移動体(他の車両)の現在位置及び自車又は他の移動体(他の車両)の車両の進行方向に基づいて他の移動体(他の車両)が前方車両であるか否かを判定することも可能である、すなわち、進行方向から進んでいる方向がわかるため、進行方向を考慮して、自車の現在位置と他の移動体(他の車両)の現在位置とを比較することにより、他の移動体(他の車両)が前方車両か否かを判定することができる。
他の移動体(他の車両)の現在位置が自車の現在位置よりも自車の進行方向前方であれば(ステップS26のY)ステップS27に進み、他の移動体(他の車両)の現在位置が自車の現在位置よりも自車の進行方向前方でなければ(ステップS26のN)ステップS28に進む。すなわち、進行方向が同一である他の移動体(他の車両)の現在位置が自車の現在位置よりも自車の進行方向前方でなければ、自車は当該車線において先頭を走行しており、進行方向が異なる別の他の移動体(例えば対向車線を走る車両や道路を横断する歩行者)と自車との間で交通事故等が発生する可能性があるので、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行う。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、他の移動体の現在位置が自車の現在位置よりも自車の進行方向(他の移動体(他の車両))前方でないときに、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行うので、出会いがしらの衝突事故を回避する等の安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を妨げることがない。
なお、ステップ24は、必ずしも行なわなくてもよい。すなわち、自車の移動種別と他の移動体の移動種別とが同一であるか否かを判定したが、移動種別が同一であるか否かを判定しなくてもよい。
[第4実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第4実施形態について図5を用いて説明する。図5は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第4のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS31〜ステップS36、ステップS38〜ステップS39は、それぞれ第3実施形態のステップS21〜ステップS26、ステップS27〜ステップS28と同一であるため説明を省略する。
ステップS37において制御部1は、自車の現在位置よりも自車の進行方向(他の移動体(他の車両)の進行方向)後方であると判定された第3の移動体(第3の車両)が存在するか否かを判定する。自車の現在位置よりも自車の進行方向(他の移動体(他の車両)の進行方向)後方であると判定された第3の移動体(第3の車両)が存在するときは(ステップS37のY)ステップS39に進み、自車の現在位置よりも自車の進行方向(他の移動体(他の車両)の進行方向)後方であると判定された第3の移動体(第3の車両)が存在しないとき(ステップS37のN)はステップS38に進む。
すなわち、上述の通り、受信部8が複数の他の移動体の移動体情報を受信した場合には、他の移動体の移動体情報毎に各判定がなされる。従って、ステップS36において、一の他の移動体の移動体情報に基づいて判定した結果、当該一の他の移動体が前方車両である(自車が後方車両である)と判定された場合(ステップS36のY)であっても、別の他の移動体(第3の移動体)の移動体情報に基づいて判定した結果、当該別の他の移動体(第3の移動体)が後方車両である(自車が前方車両である)と判定されている場合には、自車は2つの車両に挟まれている状態であり、後方車両である別の他の移動体(第3の移動体)が自車に衝突することにより、玉突き事故が発生する可能性があるため、このような場合には自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行う。
但し、自車が2つの車両に挟まれている状態であっても、別の他の移動体(第3の移動体)が停止している場合や、自車と別の他の移動体(第3の移動体)が同等(例えば、移動速度の誤差が時速1キロまでを「同等」という。)の移動速度で走行(移動)している場合には、別の他の移動体(第3の移動体)が自車に衝突する可能性が低いため、自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行うこととしてもよい。言い換えれば、別の他の移動体(第3の移動体)の移動速度が、自車の移動速度よりも速い場合に限り、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行うこととしてもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、自車の現在位置が他の移動体の現在位置と第3の移動体の現在位置の間であるときに、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行うので、玉突き事故を回避する等の安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を妨げることがない。
なお、ステップ34は、必ずしも行なわなくてもよい。すなわち、自車の移動種別と他の移動体(第3の移動体も含む)の移動種別とが同一であるか否かを判定したが、移動種別が同一であるか否かを判定しなくてもよい。
[第5実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第5実施形態について図6を用いて説明する。図6は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第5のフローチャートである。
本実施形態は、路側器や通信装置(例えば路側器から送信された他の移動体の移動体情報を受信した通信装置)から送信される他の移動体の移動体情報が、観測エリアを示す情報と、該観測エリア上(観測エリア内)に存在する他の移動体の移動種別及び移動種別毎の数を示す情報からなる場合における実施形態である(以下の説明では路側器が他の移動体の移動体情報を送信する場合について説明を行なう)。
路側器は、例えば交差点付近に設置され、交差点付近に設置されたセンサの出力に基づく他の移動体の移動体情報(観測エリアを示す情報など)を送信する。
ここで、交差点付近に設置されたセンサとは、少なくとも観測エリアにおける他の移動体の有無が判別できるものであり、従来から知られている種々のセンサを用いることが可能である。例えば、カメラであってもよいし、道路に埋め込まれた重量センサ、通信装置(ナビゲーション装置20など)から送信される移動体情報を受信する受信機や、感知式信号機などに用いられる感知器であってもよい。なお、観測エリアにおける他の移動体の移動種別及び移動種別毎の数がわかるセンサ(例えばカメラであり、撮影画像の画像認識により移動種別や数を判定)であることが好ましい。以下の説明では、観測エリアにおける他の移動体の移動種別及び移動種別毎の数がわかる場合を例示して説明を行なう。
そして、路側器から送信される他の移動体の移動体情報をナビゲーション装置20(通信部8)が受信した場合に、受信した他の移動体の移動体情報(受信した他の移動体には自車も含まれる可能性がある)に含まれる何れかの観測エリア内に自車が存在する(自車の現在位置が観測エリア内である)場合、該観測エリアに1以上の他の移動体が存在すれば、自車の移動体情報を送信する必要性は低くなる。
すなわち、交差点付近に設置されたセンサなどにより自車の存在が検出(観測エリア、移動種別など)され、路側器により自車の存在(ある観測エリアに車両がいること)が周囲に送信されていると推測できる(或いは、自車の存在がセンサにより検出されていなくとも、自車の現在位置が含まれる観測エリアに移動体が存在することは周囲に送信されている)ため、通信部8を介して行われる自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行うと決定する。
まず、ステップS41において制御部1は、第1実施形態のステップS01と同様に、現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置と、現在位置検出部4(ナビゲーション装置20が進行方向検出部を備えるときは進行方向検出部でもよい)により検出される自車の進行方向、速度検出部5により検出される自車の移動速度などの自車に関する情報を取得する。
また、ステップS42において制御部1は、通信部8が受信した1又は複数の他の移動体(他の車両、歩行者等)の移動体情報を取得する。本実施形態において1又は複数の他の移動体の移動体情報とは、通信部8が路側機(例えば、路側機から当該情報を受信した他の車両に備えられた車載通信装置等であってもよい)から受信する情報であって、観測エリアを示す情報と、該観測エリア上に存在する他の移動体の移動種別及び移動種別毎の数を示す情報からなる。これにより、とある観測エリア上に移動種別「車両」が何台存在し、移動種別「歩行者等」が何人存在するが特定される。すなわち、「観測エリア」とは、「該観測エリア上に存在する他の移動体の現在位置」であり、「観測エリアを示す情報」とは、「該観測エリア上に存在する他の移動体の現在位置を示す情報」である。
なお、路側機から受信する1又は複数の他の移動体の移動体情報には、厳密には、自車の移動体情報が含まれていると考えられるが、路側機から受信する情報に車両のIDを示す情報が含まれていない場合には、制御部1は自車の移動体情報が含まれているか否かを判断することができない。よって、本実施形態においては路側機から受信した情報について全て他の移動体の移動体情報であるものとして以降の判定を行うこととする。路側機から受信する情報に車両IDを示す情報が含まれているときには、観測エリア上に自車のIDと同一のIDを有する他の移動体が存在していれば以降のステップに進むことなく自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行う(ステップS46に進む)こととすればよい。これは、センサなどにより自車の存在が検出(観測エリア、移動種別など)され、路側器により自車の存在(ある観測エリアに車両がいること)が周囲に送信されているためである。
以下、観測エリア上に存在する他の移動体の移動種別及び移動種別毎の数を示す情報を路側機から受信した場合について説明する。なお、本実施形態において観測エリアとは、路側機が他の移動体の移動種別や移動種別毎の数を観測する際の単位となる個々の領域であり、路側機は観測エリア毎に、各観測エリア上に存在する他の移動体の移動種別を特定し、且つ、移動種別毎の数を計測する。観測エリアは2つのノード(道路の始点/終点ノード、歩道の終点/始点ノード、横断歩道の始点/終点ノード等)とエリア幅(道路幅、歩道幅、横断歩道幅等)によって特定され、例えば図7が示すように交差点付近において、車両や歩行者等の移動体が密集すると考えられる車両待機エリア(エリア(A)〜エリア(D))、歩行者等待機エリア(エリア(E)〜エリア(H))、横断歩道エリア(エリア(I)〜エリア(L))が観測エリアとして設定されている。
ステップS43において制御部1は観測エリアを示す情報及び自車の現在位置に基づいて自車の現在位置が属する観測エリア(観測エリア内に自車の現在位置がある観測エリア)を特定する。すなわち図7が示すように交差点に複数の観測エリアが存在する場合において、自車は観測エリア(A)にいることが特定される。
ステップS44において制御部1は、自車が属する観測エリア(観測エリア(A))上に1以上の他の移動体が存在するか否かを判定する。自車が属する観測エリア上に1以上の他の移動体が存在するとき(移動種別毎の数のうち何れかが1以上であるとき)は(ステップS44のY)ステップS45に進み、自車が属する観測エリア上に1以上の他の移動体が存在しないときは(ステップS44のN)ステップS47に進んで自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行う。
ステップS45において制御部1は、自車が属する観測エリア上に存在する他の移動体の移動種別が自車の移動種別と同一であるか(すなわち、車両であるか)否かを判定する。
自車が属する観測エリア上に存在した他の移動体の移動種別が自車の移動種別と同一であれば(ステップS45のY)ステップS46に進んで自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行い、自車が属する観測エリア上に存在した他の移動体の移動種別が自車の移動種別と同一でないときは(ステップS45のN)路側機が自車に関する情報を送信していないことになるためステップS47に進んで自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行う。特別制御状態、通常制御状態はいずれも第1実施形態における特別制御状態、通常制御状態と同様とすればよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、交差点などナビゲーション装置等の車載通信装置や携帯電話等の移動通信端末等が密集し、回線が混雑すると考えられる場所で、自車の移動体情報の送信について特別制御状態で行うので、安全運転支援(渋滞判定や交通事故判定)を妨げることなく、ITS通信における回線の混雑を未然に防ぐことができる。
なお、本実施形態では、路側器が送信する他の移動体の移動体情報には、観測エリアを示す情報(現在位置を示す情報)が含まれると説明を行なったが、全ての観測エリアを示す情報(図7におけるエリア(A)〜エリア(L)を示す情報)を送信せずとも、観測エリア上に他の移動体が存在する観測エリアを示す情報(図7において自車しか存在しない場合、エリア(A)を示す情報)のみを送信してもよい。
この場合、自車の現在位置が観測エリアに属すれば(受信した観測エリア内であれば)、該観測エリアには1以上の移動体が存在するため、ステップS44の判定は不要となる。
なお、自車の現在位置が観測エリアに属さない場合(受信した観測エリア外であれば)、ステップS47に進んで自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行うことが好ましい。
また、ステップ45は、必ずしも行なわなくてもよい。すなわち、自車の移動種別が、受信した移動種別毎の数(自車の現在位置が属する観測エリアに対応付けられた移動種別毎の数)が1以上である移動種別の何れかと同一であるか否かを判定したが、移動種別が同一であるか否かを判定しなくてもよい。
<変形例>
上記実施形態において判定する順番はフローチャートに示した順序でなくてもよく、例えば第1実施形態においてはステップS03において自車の移動種別と他の移動体の移動種別が同一であるか否かを判定し、ステップS04において自車と同一の移動種別である他の移動体の現在位置が自車の現在位置から所定範囲内であるか否かを判定するものであってもよい。
また、上記実施形態において、歩行者等に自転車等の二輪車が含まれることとしているが、二輪車を別の移動種別としてもよい。さらに、二輪車においても自動二輪車(バイク)と自転車とを別の移動種別として取り扱うこととしてもよい。
なお、上記実施形態においては、現在位置を検出する現在位置検出部4や表示部2などの構成をナビゲーション装置20が備える構成として説明を行なったが、これに限ることはなく、例えば、ナビゲーション装置20が搭載された車両に搭載された現在位置検出部4を備える通信装置と無線又は有線通信を行うことで現在位置を取得してもよいし、同様に、表示部2を備える通信装置と無線又は有線通信を介して表示指示を行うことで表示部2に画像が表示されてもよい。
また、上記実施例では、通信部8が他の移動体(他の車両)に備えられた他の通信装置(車載通信装置)などと無線通信(移動体情報の送受信)を行なう場合を記載したが、例えば、第3の通信装置が他の通信装置から他の車両の移動体情報を受信し、第3の通信装置から無線又は有線通信を介して通信部8が他の車両の移動体情報を受信してもよい。送信についても同様に通信部8から無線又は有線通信を介して第3の通信装置へ自車の移動体情報を送信し、第3の通信装置から他の通信装置へ自車の移動体情報が送信されてもよい。
また、上記の実施形態において、制御部1は、自車の移動体情報の送信について通常制御状態で行なうか特別制御状態で行なうかを決定したが、これに限ることはなく、例えば、受信した他の移動体の移動体情報など(自車の移動体情報以外の移動体情報)を周囲に送信する場合も同様に、受信した他の移動体(送信元)の現在位置と自車の現在位置に基づいて通常制御状態で行なうか特別制御状態で行なうかを決定することが好ましい。