JP2012203785A - 移動体通信装置及び走行支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】交差点に到着する時点における信号機の信号表示が進行許可信号表示であると一旦判定されても、その後の交通状態や運転状態によって、交差点に到着する時点における信号機が進行不許可信号表示となったときに適切な対応を行う移動体通信装置及び走行支援方法を提供する。
【解決手段】移動体に備えられ、方路に対応付けられた信号機を示す情報を含む交差点情報と、少なくとも現在の信号表示を示す情報及び次の信号表示までの時間を示す情報を含む信号機情報と、を受信する通信部と、移動体の現在位置を示す情報及び進行方向を示す情報を取得して、移動体の交通を規制する信号機を特定し、移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であるか否かを判定し、通過可能交差点でないと判定されるまで判定を繰り返し、通過可能交差点でないと判定されたときに所定の制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体通信装置及び走行支援方法に関するものであり、特に、交差点を通過時に当該交差点に設置された信号機の信号表示が進行不許可信号表示であるときに所定の制御を行う移動体通信装置及び走行支援方法に関する。
情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報でネットワークすることにより、交通事故や渋滞などといった道路交通問題の解決を目的とした高度道路通信システム(Intelligent Transport Systems、以下「ITS」という。)が研究、開発されている。ITSの中でも特に安全運転支援システムを扱う分野における自動車向け無線通信の形態は路車間通信と車車(歩車)間通信とに大別できる。路車間通信は路側機と車両が情報を通信するのに対し、車車(歩車)間通信は車両と車両(或いは歩行者)が直接情報の通信を行う。
路車間通信により路側機から車両に発信される情報には交差点情報、信号機情報が含まれるものと考えられる。交差点情報としては交差点を識別するための識別情報、信号機情報としては信号機を識別するための識別情報、信号機の現在の信号表示情報(信号機の表示色を示す情報)、次の信号表示に変更されるまでの時間を示す情報等の情報が含まれる。そしてこのようにして得られる交差点情報や信号機情報を活用して運転者支援を行う装置が多く提案されている。
例えば特許文献1に開示されている車両走行支援装置は、GPS信号による自車の現在位置データと車速センサによる車速データと信号機データとから第1の信号機に到着する時刻を算出して、当該時刻における第1の信号機の信号状態(色)を予測する。そして第1の信号機の信号状態が「青」であると予測されたときはその次に現れる第2の信号機を青で通過できるかどうかを予測する。一方、第1の信号機の信号状態が「赤」であると予測されたときは制限速度を超えない範囲において車速を加減速することによって、青で通過できるときには速度の範囲を案内又は自動的に当該速度に変更し、青で通過できないときには停止を促す案内をすることとしている。
特開2000−348299号公報
すなわち、特許文献1に開示されている車両走行支援装置は、第1の信号機に到着する時刻における第1の信号機の信号状態が「青」であると予測した場合には、第2の信号機について同様の判定を行うので、第1の信号機について同様の判定を行うことがない。
しかしながら、交通状態や運転状態によって第1の信号機に到着する時刻が変わり、その時刻における第1の信号機の信号状態が「赤」となることが考えられる。
本発明は、上述した問題点に鑑み、交差点に到着する時点における当該交差点に設置された信号機の信号表示が進行許可信号表示であると一旦判定されても、その後の交通状態や運転状態によって、当該交差点に到着する時点における当該交差点に設置された信号機の信号表示が進行不許可信号表示となったときに適切な対応を行う移動体通信装置及び走行支援方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の移動体通信装置は、移動体に備えられ、方路に対応付けられた信号機を示す情報を含む交差点情報と、少なくとも現在の信号表示を示す情報及び次の信号表示までの時間を示す情報を含む信号機情報と、を受信する通信部と、前記移動体の現在位置を示す情報及び進行方向を示す情報を取得して、前記移動体の交通を規制する信号機を特定し、当該移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であるか否かを判定し、当該交差点が通過可能交差点であると判定したとき前記判定を繰り返し、当該交差点が通過可能交差点でないと判定したときに所定の制御を行う制御部と、を備えることを特徴としている。
また上記構成の移動体通信装置において、前記制御部は、前記移動体の現在位置が前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点に対応付けられた制御基準地点を通過しているときは、当該交差点について前記判定又は前記所定の制御を行わないことが望ましい。
また上記構成の移動体通信装置において、前記所定の制御は、報知部を制御して前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点でないこと及び/又は前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点となる速度の範囲を報知することであることが望ましい。
また上記構成の移動体通信装置において、前記所定の制御は、前記移動体の移動速度を、前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点となる速度に変更することであることが望ましい。
上記目的を達成するために本発明の走行支援方法は、方路に対応付けられた信号機を示す情報を含む交差点情報と、少なくとも現在の信号表示を示す情報及び次の信号表示までの時間を示す情報を含む信号機情報と、を取得するステップと、前記移動体の現在位置を示す情報及び進行方向を示す情報を取得するステップと、前記移動体の交通を規制する信号機を特定するステップと、当該移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であるか否かを判定するステップと、当該交差点が通過可能交差点であると判定したとき前記判定を繰り返すステップと、当該交差点が通過可能交差点でないと判定したときに所定の制御を行うステップと、を有することを特徴としている。
本発明によると、移動体が交差点に到着する時点における当該交差点に設置された信号機の信号表示が進行不許可信号表示になったときに、確実に所定の制御が行われる。
は、本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。 は、本発明のナビゲーション装置の制御部が実行する処理の流れを示す第1のフローチャートである。 は、方路(交差点への進入方向)に対応付けられた信号機情報の模式図を示す図である。 は、本発明のナビゲーション装置の制御部が実行する処理の流れを示す第2のフローチャートである。 は、交差点基準地点及び制御基準地点の位置関係示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の移動体通信装置の一例であるナビゲーション装置を示すものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の装置にも等しく適応し得るものである。例えば、ナビゲーション機能を有しない装置や携帯電話等の移動通信端末(特に該移動通信端末を所持する歩行者が乗車したとき)であってもよい。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置が自動車に取付けられた場合を例示するが、バイク等がナビゲーション装置を備えていてもよい。
図1は本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20は制御部1と、表示部2と、操作部3と、現在位置検出部4と、速度検出部5と、地図情報記憶部6と、バッテリ7と、通信部8と、報知部9とを備えている。
制御部1はナビゲーション装置20全体を総括的に制御する制御手段である。制御部1はCPUとROMとRAM(いずれも不図示)とを含んでいる。ROMには制御部1が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータが記憶されている。CPUはROMに記憶されている各種プログラムを実行する。RAMは各種処理の過程で得られるデータや各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。これらCPU、RAM、ROM等は、バスを介して接続されている。なお、CPU、ROM及びRAMはこれらの一部または全部を1チップに集積化しても構わない。
表示部2は地図画面(目的地への経路、ナビゲーション装置20が搭載された車両(以下、「ナビゲーション装置20が搭載された車両」を「自車」ということもある。)の現在位置を示すマークなどを含む地図画像を表示する画面)やメニュー画面を表示するための表示手段である。
操作部3はユーザが目的地を入力したり、メニューを操作したりするための入力操作手段である。なお、操作部3としては、ナビゲーション装置本体に各種のキーやボタンを設けてもよいし、表示部2にタッチパネル機能を付加してもよい。また、操作部3としてナビゲーション装置20本体を遠隔操作するためのリモートコントローラを操作部3として用いても構わない。
現在位置検出部4は自車の現在位置を検出するものであり、GPS受信機、自立航法手段、位置計算用CPU等を含んで構成される。自立航法手段は操角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなり、自車の走行距離と進行方向とをそれぞれ検出し、これらの値に基づいて現在位置を求める。また、GPS受信機は複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して3次元測位処理又は2次元測位処理を行って自車の絶対位置及び進行方向を計算する。ここで進行方向は現時点の自車位置と直前の自車位置とに基づいて計算される。なお、進行方向の検出方法は特に限定されず、例えばタイヤの回転方向から検出することとしてもよいし、方位センサを用いて検出してもよい。また、現在位置検出部4とは別に進行方向検出部を設けて自車の進行方向を検出するものとしてもよい。
速度検出部5は自車の移動速度を検出する。移動速度は車速センサや加速度センサの出力から算出してもよいし、GPS履歴間の走行距離とGPS受信時刻の差から算出してもよい。なお、自車の移動速度は現在位置検出部4が検出することとしてもよい。現在位置検出部4が自車の現在位置に加えて移動速度を検出することができる場合には速度検出部5を別途設けない構成とすることができる。その場合、現在位置検出部4に速度検出部5が含まれる構成となる。
なお、操角センサ、加速度センサ、速度センサや方位センサなどは、ナビゲーション装置20が備えていてもよいし、車両(自車)が上記各種センサを備えており、ナビゲーション装置20は、上記各種センサの出力を取得するインターフェースを備える構成としてもよい。
地図情報記憶部6は目的地への経路探索や誘導を行う際に参照される地図情報などが記憶されている。地図情報には、ネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ)が含まれる。地図情報記憶部6としてはNANDフラッシュやSDメモリカードなどを好適に用いることができる。地図情報記憶部6はナビゲーション装置20に内蔵しても構わないし、ナビゲーション装置20に着脱可能な構成としても構わない。なお、地図情報には、地図画像が含まれていてもよいし、地図情報に含まれるネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ)に基づき地図画像を表示部2に描画してもよい。また、地図情報は予め地図情報記憶部6に記憶される以外にも、後述する通信部8が路側機などから地図情報を受信し、受信された地図情報が地図情報記憶部6に記憶されてもよい。
ここで、地図情報はネットワークデータを含み、ネットワークデータは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータから構成される。ノードデータは、ノード番号、ノードの位置座標(緯度・経度)、道路種別、交差点情報や交差点名称などを示す情報等のノード属性、さらに接続リンク本数、接続リンク番号のデータを含んで構成される。
また、リンクデータは、リンクの始点及び終点となるノード番号、道路種別(一般道路、高速道路)、距離及び/又は所要時間等を含むリンクコスト、国道○号線のような道路名称、進行方向のデータを含んで構成される。リンクデータは上記に加えて、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。
本発明においては、ネットワークデータに、道路のノードデータ・リンクデータが含まれる。自車が現在走行している道路を特定する際には、制御部1が現在位置検出部4によって検出される自車の現在位置(進行方向や移動速度も加えてもよい)と地図情報とに基づき、マップマッチング処理を行うことで特定することができる。
なお、マップマッチング処理については、制御部1が行なってもよいが、現在位置検出部4が行なってもよい。すなわち、GPS受信機及び/又は自律航法手段を用いて検出した現在位置と地図情報とに基づき、マップマッチング処理を行い、マップマッチング処理を行なった現在位置を現在位置として制御部1へ出力してもよい。或いは、制御部1のマップマッチング処理までを含めて現在位置検出部4としてもよい。
バッテリ7はナビゲーション装置20の携帯使用時における電源供給手段であり、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池を好適に用いることが可能である。もちろん、バッテリ7として、アルカリマンガン乾電池やマンガン乾電池などの一次電池を用いても構わないし、燃料電池を用いても構わない。
通信部8はナビゲーション装置20と通信可能な他の通信装置(以下、「他の通信装置」という。)に情報を送信する送信部(図示せず)と他の通信装置から送信される情報を受信する受信部(図示せず)とを有する。通信方法は無線通信や赤外線通信などの非接触通信とすることが好ましい。
他の通信装置としては他の車両に搭載されたナビゲーション装置等の車載通信装置(他の車両に歩行者が乗車している場合において、該歩行者が保持する携帯電話等の移動通信端末でもよい)、路側機、歩行者等(歩行者や自転車の運転手など)が所持する携帯電話等の移動通信端末などを挙げることができる。
通信部8が路側機から受信する情報には交差点情報や信号機情報が含まれる。なお、通信部8は、路側機以外にも他の車両(移動体)に搭載されたナビゲーション装置等の車載装置や、携帯電話等の移動通信端末などから交差点情報や信号機情報を受信してもよい。また、通信部8は、単一の交差点情報や信号機情報を受信するのではなく、複数の交差点毎の交差点情報及び信号機情報を受信してもよい。この場合、複数の交差点毎の交差点情報及び信号機情報は、1つの路側機から送信されてもよい。
ここで、通信部8が受信する交差点情報及び信号機情報について説明を行なう。なお、以下の説明では、交差点毎に路側機が設置され、路側機から、当該路側機が設置された交差点の情報(交差点情報)及び当該路側機が設置された交差点に設置されている信号機の情報(信号機情報)を含む情報が送信されるものとする。
交差点情報には、交差点の中心位置座標(緯度・経度)を示す情報、路側機(交差点)を識別する情報、方路(交差点への進入方向)に対応付けられた信号機番号(識別情報)、停止線の位置座標(交差点への進入方向に対応付けられた停止線の位置座標(緯度・経度))を示す情報、交差点の始点/終点ノードの位置座標を示す情報等の情報が含まれる。
信号機情報には、信号機を識別するための識別情報(信号機番号)、信号機の現在の信号表示情報(信号機の表示色を示す情報)、次の信号表示に変更されるまでの時間を示す情報等の情報が含まれ、これらの情報は夫々対応付けられている。そのため、自車の現在位置・進行方向及び交差点情報に基づいて、自車の交通を規制する信号機の信号機番号を特定し、特定した信号機番号に対応付けられた現在の信号表示情報を参照することで、自車の交通を規制する信号機の現在の信号表示がわかる。
ここで、信号機情報には、信号機毎に信号機の現在の信号表示情報などの情報が含まれる。すなわち、信号機情報は、路側機が設置された交差点に設置されている信号機の情報であるから、路側機が設置された交差点が四叉路であれば、4つの信号機が設置されている。そのため、信号機情報には、4つの信号機毎に、信号機を識別するための識別情報(信号機番号)、信号機の現在の信号表示情報(信号機の表示色を示す情報)、次の信号表示に変更されるまでの時間を示す情報等の情報が含まれている。なお、信号機情報には、信号表示のサイクルの情報が含まれていても良い。信号表示のサイクルの情報とは、例えば、進行許可信号表示(青色)が○○秒、進行停止信号表示(黄色)が○○秒、進行不許可信号表示(赤色)が○○秒という信号表示のサイクル、或いは、○時○分から○時△分まで進行許可信号表示(青色)、○時△分から○時□分まで進行停止信号表示(黄色)、○時□分から○時×分まで進行不許可信号表示(赤色)のような信号表示のサイクルである。すなわち、信号機情報には、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であるか否かを判定することができる情報が含まれている(詳細は後述)。
報知部9は各種情報を報知する。報知方法は内容を理解することができる方法であれば特に制限されないが、例えばスピーカ(不図示)を介して所定の音声を出力することにより行われる。また、表示部2に所定の文字や画像等を表示することによって行ってもよく、或いは音声と表示を同時に行うこととしてもよい。説明の簡略化のために報知部9と表示部2を別の構成として設けているが、報知方法が表示部2への所定の文字や画像等の表示を含む場合には報知部9が表示部2を含む構成として設けてもよい。
[第1実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第1実施形態について図2を用いて説明する。図2は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第1のフローチャートである。
ステップS01において制御部1は交差点情報及び信号機情報を取得する。また、ステップS02において制御部1は自車の移動体情報を取得する。自車の移動体情報には、自車の現在位置(緯度、経度)を示す情報、自車の進行方向を示す情報、自車の移動速度を示す情報などが含まれる。
なお、本実施形態において制御部1は、ステップS01において交差点情報及び信号機情報を取得し、ステップS02において自車の移動体情報を取得しているが、制御部1がこれらの情報を取得する順番はフローチャートに示した順序でなくてもよく、例えば同時に取得するものであってもよいし、先に自車の移動体情報を取得するものであってもよい。また、新たな交差点情報及び信号機情報を取得した際や新たな自車の移動体情報を取得した際に、ステップS03以降の処理へ進むものとしてもよい。
ステップS03において制御部1は自車の交通を規制する信号機を特定する。自車の交通を規制する信号機とは、自車の進行方向前方の信号機であり、自車の現在位置、進行方向、及び交差点情報に基づいて特定することができる。具体的には、交差点基準地点の位置座標(例えば交差点の中心位置座標)が、自車の現在位置(座標)から進行方向に対して最も近い交差点に設置された信号機の中で、自車の進行方向に対応付けられた信号機が自車の交通を規制する信号機として特定される。
交差点基準地点とは交差点の位置の基準となる地点であり、この交差点基準地点と自車の現在位置に基づいて自車の現在位置から交差点までの距離を算出し、また、自車の現在位置が交差点基準地点に到達したときには自車が交差点に到達したことになる(到着したものとみなされる)。例えば図5に示すように交差点情報に含まれる交差点の中心位置座標、交差点の始点ノードの位置座標、停止線の位置座標のいずれかが交差点基準地点として設定される。よって、交差点の中心位置座標が交差点基準地点として設定されている場合に制御部1は自車の現在位置座標から自車の進行方向に対して最も交差点の中心位置座標までの距離が短い交差点に設置されている信号機であって、自車の進行方向に対応付けられた信号機番号の信号機を自車の交通を規制する信号機として特定する。
例えば図3において、自車Aの現在位置から進行方向に対して最も近い交差点に設置された信号機の中で自車の進行方向(90度)に対応付けられた信号機番号1の信号機が自車の交通を規制する信号機として特定される。
ステップS04において制御部1はステップS03において特定された自車の交通を規制する信号機が設置された交差点(以下、「自車の交通を規制する信号機が設置された交差点」を「前方の交差点」ということもある。)が通過可能交差点であるか否かを判定する。通過可能交差点とは、自車が交差点に到着した際にその交差点で停止することなく通過することが可能な交差点のことである。つまり、自車がその交差点に到着するときに交差点に設置された信号機(自車の進行方向に対応付けられた信号機)の信号表示が進行不許可信号表示でなければ、その交差点は通過可能交差点であると判定される。なお、進行不許可信号表示とは赤信号のみとしてもよいし、黄信号(進行停止信号表示)を含むものとしてもよい。
前方の交差点が通過可能交差点であるか否かは交差点情報に含まれる交差点基準地点を示す情報、信号機情報、自車の現在位置、自車の移動速度によって判定される。本ステップにおける交差点基準地点とステップS03における交差点基準地点は同一であることとしてもよいし、異なることとしてもよい。すなわち、ステップS03において自車の交通を規制する信号機を、自車の現在位置と自車の進行方向と交差点の中心位置座標に基づいて特定し、本ステップにおいて前方の交差点が通過可能交差点であるか否かを、自車の現在位置と自車の進行方向と交差点の停止線の位置座標と信号機情報に基づいて判定することとしてもよい。なお、その場合には例えば交差点の中心位置座標を第1の交差点基準地点とし、停止線の位置座標を第2の交差点基準地点と設定することで各ステップにおいて異なる地点を交差点基準地点として処理を行うこととができる。
具体的には、ステップS04では、自車の現在位置から交差点基準地点までの距離と自車の移動速度から前方の交差点に到着するまでに要する時間或いは到着する時刻を算出する。
交差点の中心位置座標が交差点基準地点として設定されている場合には、制御部1は自車の現在位置から前方の交差点の中心位置までの距離と自車の移動速度から前方の交差点に到着するまでに要する時間或いは到着する時刻を算出する。交差点基準地点として交差点の始点ノードの位置座標又は停止線の位置座標が設定されている場合にも同様に、自車の現在位置から停止線の位置座標までの距離、又は、自車の現在位置から前方の交差点の始点ノードの位置座標までの距離と自車の移動速度から前方の交差点に到着するまでに要する時間或いは到着する時刻を算出する。
次に、制御部1は通信部8が路側機から受信した交差点情報及び信号機情報に基づき前方の交差点に設置された信号機(自車の交通を規制する信号機)の現在の信号表示情報と現在の信号表示が終了して別の信号表示になるまでの時間情報(信号機の信号表示サイクルを示す情報でもよい)を取得し、自車が前方の交差点に到着するときの当該信号機の信号表示の種類(信号機の表示色)を算出する。
その結果、自車が前方の交差点に到着するときの信号機(自車の交通を規制する信号機)の信号表示が進行不許可信号表示でないときは、前方の交差点は通過可能交差点であると判定する。自車の移動速度は速度検出部5によって検出される現在の自車の移動速度のみに限定されるものではなく、所定区間における自車の平均移動速度としてもよい。また、制限速度が設けられている道路・区間においては当該制限速度を移動速度としてもよい。また、予め時速30kmなどと定めていてもよい。
自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であれば(ステップS04のY)ステップS01に戻り、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点でなければ(ステップS04のN)ステップS05に進む。
すなわち、一旦通過可能交差点であると判定されても、その後の道路状態(渋滞や路上駐車車両など)や運転状態(加減速、急ブレーキなど)等によって通過可能交差点でなくなることが考えられるため、前方の交差点を現に通過するまで(前方の交差点ではなくなるまで)は当該交差点が通過可能交差点であるか否かを判定し続け、その後の道路状態や運転状態等により当該交差点が通過可能交差点でなくなったときにはステップS05に進む。
なお、通過可能交差点であるか否かの判定は常に、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点であるので、交差点を通過したことによって自車の交通を規制する信号機が変更された場合には、変更後の自車の交通を規制する信号機が設置された交差点について通過可能交差点であるか否かの判定が行われる。
ステップS05において制御部1は所定の制御を行う。本実施形態において所定の制御とは、報知部9を制御して所定の報知を行うこと、或いは、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点となるように自車の移動速度を自動的に調整することである。
例えば、音声により「前方の交差点を青で通過できません。」などと報知し、及び/又は、表示部2に地図情報に基づく地図画像を表示する際に、通過可能交差点であることを示すマークを描画(重畳)したり、予め設定された道路色とは異なる色で道路(通過可能交差点)を描画(重畳)したりする。
また、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点となる速度の範囲を算出し、当該速度の範囲を音声で報知し、及び/又は、表示部2に表示することとしてもよい。その際、速度の範囲に自車が走行している道路における制限速度を越える速度が含まれないようにしてもよい(例えば制限速度が時速60kmの道路において、算出された速度の範囲が時速40km〜時速70kmのときには、速度の範囲を時速40km〜時速60kmに変更して報知を行う)。また、自動的に自車の移動速度を上記速度の範囲となるように制御(加減速)してもよい。
本実施形態によれば、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であると判定されても、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点でないと判定されるまで当該交差点について通過可能交差点であるか否かの判定を繰り返すので、その後の道路状態や運転状態によって当該交差点が通過可能交差点でなくなったときに所定の制御を行い、適切な走行支援(運転支援)を行うことができる。
[第2実施形態]
本発明のナビゲーション装置20の第2実施形態について図4を用いて説明する。図4は本発明のナビゲーション装置20の制御部1が実行する処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、本実施形態のステップS11〜ステップS13、ステップS15〜ステップS16は、それぞれ第1実施形態のステップS01〜ステップS03、ステップS04〜ステップS05と同一であるため説明を省略する。
ステップS14において制御部1は自車が制御基準地点を通過したか否かを判定する。制御基準地点とは、制御部1が、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点か否かの判定を行うか行わないか、又は所定の制御を行うか行わないかの基準となる地点である。制御基準地点は、予め定められた地点であってもよいし、制御部1により算出される地点であってもよいが、どの交差点に対する制御基準地点であるかを特定することができるように交差点に対応付けられている。制御基準地点が予め定められた地点である場合には交差点情報や地図情報に制御基準地点を示す情報が含まれることとしてもよい。一方、制御部1により制御基準地点が算出される場合には、どの交差点の交差点基準地点を基準に算出した制御基準地点であるかをメモリ等に記憶しておくことによって当該制御基準地点が交差点に対応付けられている。
以下、図5を参照して説明する。制御基準地点が予め定められている場合には、交差点基準地点(交差点の中心位置、停止線の位置、交差点の始点ノード)から自車の進行方向後方(進行方向とは逆方向)に所定距離隔てた地点が制御基準地点として設定されている。所定距離は任意の距離としてもいいし、自車が走行している道路の制限速度の上限値で走行中に急ブレーキをかけたとしたときに自車(車両)が停止するまでの距離(停止距離)としてもよい。
なお、停止距離は空走距離(運転者が危険を感じてからブレーキを踏み、ブレーキが実際に効き始めるまでの時間)と制動距離(ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離)の和によって算出されるものであり、制御部1が自動的に自車の移動速度を変更する場合には制動距離を停止距離として扱うことしてもよいが、自車の移動速度を変更する(ブレーキをかける)のが運転者である場合には、予め設定され、或いは運転者の年齢等に基づいて空走距離を設定し、制動距離に加算して停止距離とすることが望ましい。
制御基準地点を制御部1が算出する場合には、自車の移動速度(速度検出部5で検出される移動速度)に基づいて自車の停止距離を算出し、交差点基準地点から自車の進行方向後方に当該停止距離隔てた地点が制御基準地点として設定される。
或いは、自車が交差点基準地点に到達するまでの時間を算出し、当該時間が所定時間以内になれば当該地点を制御基準地点として設定する。所定時間は任意の時間としてもいいし、自車が走行している道路の制限速度の上限値で走行中に急ブレーキをかけたとしたときに自車(車両)が停止するまでの時間(停止時間)としてもよい。
自車が制御基準地点を通過したか否かの判定は、制御基準地点を自車が跨いだか否かによって判定されることが好ましい。例えば、ステップS12にて取得した自車の現在位置座標が制御基準地点の位置座標とほぼ同一である場合や、直前の自車の現在位置座標では、自車の進行方向前方であった制御基準地点が、最新の(ステップS12にて取得した)自車の現在位置座標では、自車の進行方向後方となった場合などに、自車が制御基準地点を跨いだと判定する(制御基準地点を通過したと判定する)。
なお、例えば、交差点基準地点(停止線の位置)から自車の進行方向後方(進行方向とは逆方向)から30m隔てた地点が制御基準地点である場合、現在位置から交差点基準地点(停止線の位置)までの距離が30m以下である場合も、自車が制御基準地点を通過したと判定することができる。
自車が制御基準地点を通過したときは(ステップS14のY)ステップS11に戻り、自車が制御基準地点を通過していなければ(ステップS14のN)ステップS11に進む。
なお、制御基準地点は、交差点と対応付けられて記憶されており、自車が制御基準地点を通過した場合には、当該制御基準地点に対応付けられた交差点について判定又は所定の制御を行わない。従って、制御基準地点を通過し、さらに当該制御基準地点に対応付けられた交差点を通過した場合には、前方の交差点が変わるので新たな前方の交差点に対応付けられた制御基準地点を通過するまでは判定又は所定の制御が行われる。
本実施形態によれば、制御基準地点を通過した後には、所定の制御を行わないので交差点進入直前の急ブレーキ等の危険な運転を回避することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
例えば、交差点基準地点(例えば交差点の中心位置座標、交差点の始点ノードの位置座標、停止線の位置座標)は、交差点情報に含まれるものであってもよいし、地図情報記憶部6に記憶された地図情報に含まれるものであってもよい。
また、上記実施形態においては、現在位置を検出する現在位置検出部4や表示部2などの構成をナビゲーション装置20が備える構成として説明を行なったが、これに限ることはなく、例えば、自車に搭載された現在位置検出部4を備える通信装置と無線又は有線通信を行うことで現在位置を取得してもよいし、同様に、表示部2を備える通信装置に無線又は有線通信を介して表示指示を行うことで表示部2に画像が表示されてもよい。
また、現在位置をマップマッチング処理することで、現在、走行している道路を特定することが可能であるため、次に自車が到達する交差点(地図情報に含まれていれば、交差点の中心位置座標、交差点の識別情報や交差点の始点/終点ノード)を特定することが可能である。
そして、交差点情報に含まれる交差点の中心位置座標、交差点の識別情報や交差点の始点/終点ノードなどと、特定した交差点の中心位置座標、交差点の識別情報や交差点の始点/終点ノードなどが一致すると、当該交差点情報と次に自車が到達する交差点への進入方向(進行方向)とに基づき、自車の交通を規制する信号機(信号機番号)を特定することができる。
さらに、ナビゲーション装置20の地図情報などに基づき出発地から目的地までの経路を、例えば、ダイクストラ法などの手法を用いて探索している場合、当該経路に基づいて、次に自車が到達する交差点及び当該交差点への進入方向(進行方向)を特定することが可能である。
そのため、次に自車が到達する交差点の交差点情報及び当該交差点への進入方向(進行方向)に基づいて自車の交通を規制する信号機(信号機番号)を特定することができる。
なお、上記の実施形態では、自車の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であれば(ステップS04のY、ステップS15のY)、ステップS01またはステップS11へ戻るがこの場合、必ずしもステップ03(ステップS13)を行なう必要はない。
すなわち、ステップS04(ステップS15)において、自車の現在位置から交差点基準地点までの距離、前方の交差点に到着するまでに要する時間などが算出されており、該距離又は該時間が充分に長い場合(所定時間よりも長い場合)は、前方の交差点(自車の交通を規制する信号機)が変わらないことが考えられる。
そのため、該距離又は該時間が充分に長い場合(所定時間よりも長い場合)は、前回ステップS03(ステップS13)において特定した「自車の交通を規制する信号機の信号機番号」と同一の信号機番号の信号機を「自車の交通を規制する信号機」として特定してもよい。
なお、ステップS05(ステップS16)において、所定の制御を行なった後も、ステップS01〜S03(ステップS11〜S13)は継続して行なわれ、自車の交通を規制する信号機(前方の交差点)が、前回の自車の交通を規制する信号機(前回の前方の交差点)と異なれば、ステップS04(ステップS14)へ進むことが好ましい。
なお、前方の交差点の次に自車が到達する交差点(当該交差点への進入方向)が特定でき、当該交差点の交差点情報及び信号機情報が受信できる場合は、当該交差点(前方の交差点の次に自車が到達する交差点)についても通過可能交差点か否かの判定を行なってもよい(但し、前方の交差点が通過可能交差点である場合に判定することが好ましい)。
なお、自車の交通を規制する信号機が設置されている交差点と自車の現在位置との間に、信号機が設置されていない交差点があるとき(自車の現在位置から自車の進行方向に対して、自車の現在位置と自車の交通を規制する信号機が設置されている交差点の距離よりも、自車の現在位置からの距離が近い他の交差点があるとき)は自車の交通を規制する信号機が設置されている交差点について通過判定交差点であるか否かの判定を行わないこととしてもよい。
本発明は、交差点を通過時に当該交差点に設置された信号機の信号表示が進行不許可信号表示であるときに所定の制御を行う移動体通信装置及び走行支援方法に利用することができる。
1・・・制御部
2・・・表示部
3・・・操作部
4・・・現在位置検出部
5・・・速度検出部
6・・・地図情報記憶部
7・・・バッテリ
8・・・通信部
9・・・報知部
20・・・ナビゲーション装置

Claims (5)

  1. 移動体に備えられ、
    方路に対応付けられた信号機を示す情報を含む交差点情報と、少なくとも現在の信号表示を示す情報及び次の信号表示までの時間を示す情報を含む信号機情報と、を受信する通信部と、
    前記移動体の現在位置を示す情報及び進行方向を示す情報を取得して、前記移動体の交通を規制する信号機を特定し、当該移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であるか否かを判定し、当該交差点が通過可能交差点であると判定したとき前記判定を繰り返し、当該交差点が通過可能交差点でないと判定したときに所定の制御を行う制御部と、
    を備えることを特徴とする移動体通信装置。
  2. 前記制御部は、前記移動体の現在位置が前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点に対応付けられた制御基準地点を通過しているときは、当該交差点について前記判定又は前記所定の制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信装置。
  3. 前記所定の制御は、報知部を制御して前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点でないこと及び/又は前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点となる速度の範囲を報知することであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体通信装置。
  4. 前記所定の制御は、前記移動体の移動速度を、前記移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点となる速度に変更することであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体通信装置。
  5. 移動体に備えられた移動体通信装置の走行支援方法であって、
    方路に対応付けられた信号機を示す情報を含む交差点情報と、少なくとも現在の信号表示を示す情報及び次の信号表示までの時間を示す情報を含む信号機情報と、を取得するステップと、
    前記移動体の現在位置を示す情報及び進行方向を示す情報を取得するステップと、
    前記移動体の交通を規制する信号機を特定するステップと、
    当該移動体の交通を規制する信号機が設置された交差点が通過可能交差点であるか否かを判定するステップと、
    当該交差点が通過可能交差点であると判定したとき前記判定を繰り返すステップと、
    当該交差点が通過可能交差点でないと判定したときに所定の制御を行うステップと、
    を有することを特徴とする走行支援方法。
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