JP5876761B2 - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れ、分散液、トナー用外添剤及びキャリアコート用添加剤に使用される樹脂粒子の製造方法に関する。
現在、樹脂粒子は、塗料添加剤、粘着剤、化粧品添加剤、トナー用外添剤、キャリアコート用添加剤、光拡散剤、液晶スペーサ、バインダー、レオロジー調整剤、増量剤、塗膜性能改良剤等として幅広く使用されている。
このような樹脂粒子の多くは、あらゆる湿度環境で安定的に使用できるように、樹脂粒子の低吸湿化が求められる。そのため特許文献1には、(メタ)アクリルエステル系単量体のエステル部の置換基の炭素数が4〜8の(メタ)アクリルエステル系単量体(以下、疎水性(メタ)アクリルエステル系単量体とも称する)を用いることで、帯電性の湿度依存性が小さな樹脂粒子の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、界面活性剤の代わりにスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩を用い、樹脂粒子の残存界面活性剤を皆無にすることで、帯電性の湿度依存性が小さな樹脂粒子の製造方法(ソープフリー重合)が記載されている。
特開2011−148860号公報 特開平10−207114号公報
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂粒子については、吸湿性については一定の効果が認められるものの、疎水性(メタ)アクリルエステル系単量体から得られる樹脂粒子分散液は、機械的応力に対する安定性(機械的安定性)が低いことがあった。このため、配管中でのシェアーあるいはポンプによるシェアー等により、樹脂粒子エマルジョンが不安定となり、凝固物を析出して詰まり等の問題を引き起こすことがあった。また、樹脂粒子エマルジョンの粒子径が変化し、得られる製品の品質が損なわれる等の問題もあった。
また、特許文献2に記載のソープフリー重合において、疎水性(メタ)アクリルエステル系単量体を用いた場合には、多量の親水性ビニル系重合性単量体を加えなければ、重合することが出来ず、その結果、得られた樹脂粒子は吸湿性が高くなるという問題があった。
従って、特許文献1及び2に記載の樹脂粒子の製造方法については一定の技術的効果が認められるものの、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子の簡便な製造方法という観点からは、これらは必ずしも満足のいくものではなかった。本発明は、前記のような問題に鑑みてなされたものであり、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子の製造方法、並びに前記製造方法により得られる樹脂粒子、分散液、トナー用外添剤及びキャリアコート用添加剤を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、疎水性ビニル系単量体を水性媒体中、親水性ビニル系単量体、ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤及び重合開始剤の存在下に乳化重合させることで、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子を容易に製造することができることを見出し、本発明を行うに至った。
かくして本発明によれば、スチレン系単量体及び炭素数4〜8の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群から選択される疎水性ビニル系単量体を、水性媒体中で、親水性ビニル系単量体、ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤及び重合開始剤の存在下に乳化重合させて樹脂粒子を得る工程と前記樹脂粒子を前記水性媒体から単離する工程とを含み、
前記親水性ビニル系単量体、及び、前記反応性界面活性剤が、それぞれ、前記疎水性ビニル系単量体100質量部に対して、0.2〜2.7質量部、及び、0.3〜2.8質量部の割合で使用されることを特徴とする樹脂粒子の製造方法が提供される。
また本発明によれば、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子が提供される。
また本発明によれば、機械的安定性に優れた分散液が提供される。
また本発明によれば、吸湿性の低いトナー用外添剤が提供される。
また本発明によれば、吸湿性の低いキャリアコート用添加剤が提供される。
本発明によれば、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、親水性ビニル系単量体と反応性界面活性剤との合計が、疎水性ビニル系単量体100質量部に対して0.6〜3.0質量部の割合で使用される場合、吸湿性がより低く、分散液中での機械的安定性により優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、反応性界面活性剤がスルホン酸基又はその塩を有する場合、吸湿性がより低く、分散液中での機械的安定性により優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、反応性界面活性剤が、式(1):
(式中、R1は炭素数1〜50のアルキル基であり、Xはスルホン酸基又はその塩であり、nは2〜50の整数である)で表される化合物
及び式(2):
(式中、R2は炭素数1〜50のアルキル基であり、R3は水素又はメチル基であり、Yはスルホン酸基又はその塩であり、mは2〜50の整数である)で表される化合物
からなる群から選択される場合、吸湿性がさらに低く、分散液中での機械的安定性にさらに優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、親水性ビニル系単量体が、アミノ基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造、ヒドロキシ基、アミド基、エステル基、エーテル基、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基及びそれらの塩からなる群から選択される官能基を有する場合、吸湿性がより低く、分散液中での機械的安定性により優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、親水性ビニル系単量体が、スルホン酸基又はその塩を有する場合、吸湿性がより低く、分散液中での機械的安定性により優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、疎水性ビニル系単量体が、スチレン、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸ベンジルからなる群から選択される場合、吸湿性がより低く、分散液中での機械的安定性により優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子を提供することができる。
また本発明によれば、樹脂粒子が、1%以下の水分吸着率を示すような、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子を提供することができる。
また本発明によれば、樹脂粒子が0.05〜0.5μmの平均粒子径を有する場合、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性により優れた樹脂粒子を提供することができる。
本発明によれば、機械的安定性に優れた分散液を提供することができる。
また本発明によれば、10%以下の増粘率を示すような、機械的安定性に優れた分散液を提供することができる。
本発明によれば、吸湿性の低いトナー用外添剤を提供することができる。
本発明によれば、吸湿性の低いキャリアコート用添加剤を提供することができる。
本発明の特徴は、スチレン系単量体及び炭素数4〜8の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群から選択される疎水性ビニル系単量体を、水性媒体中で、親水性ビニル系単量体、ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤及び重合開始剤の存在下に乳化重合させる工程を含み、
前記親水性ビニル系単量体、及び、前記反応性界面活性剤が、それぞれ、前記疎水性ビニル系単量体100質量部に対して、0.2〜2.7質量部、及び、0.3〜2.8質量部の割合で使用される樹脂粒子の製造方法である。以下、本発明をより具体的に説明する。
<疎水性ビニル系単量体>
本発明において、前記疎水性ビニル系単量体はスチレン系単量体及び炭素数4〜8の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群から選択される。このような疎水性ビニル系単量体を使用することにより、樹脂粒子の吸湿性を低下させることができる。
スチレン系単量体とは、スチレン単量体又は様々な置換基により置換されたスチレン単量体を意味する。具体的には、スチレン系単量体として、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2、4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3、4−ジクロロスチレン等のスチレン及びその誘導体を挙げることができるが、特にスチレンが好ましい。
他方、(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、その側鎖に炭素数4〜8の炭化水素基を有する。(メタ)アクリル酸エステル系単量体が炭素数4より小さい炭化水素基を有する場合、樹脂粒子の吸湿性を十分に低下させることができない。他方、(メタ)アクリル酸エステル系単量体が炭素数8より大きい炭化水素基を有する場合、乳化重合時の安定性が悪化し、粒子径が大きくなったり、凝集物が大量に発生してしまい、樹脂粒子が安定して得られなくなる。
また、炭化水素基は、所望の物性に影響を与えない限り、直鎖状、分枝鎖状、環状及び芳香族のいずれの形態であってもよい。具体的には、n−ブチル、i−ブチル及びt−ブチルのようなアルキル、シクロヘキシル、ベンジル等が挙げられる。なお、(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味する。
また、疎水性ビニル系単量体は、特に本発明の樹脂粒子をトナー用外添剤及びキャリアコート用添加剤等の用途に用いる際に、本発明の樹脂粒子の流動性及びTg等を適した範囲に調整しやすいことから、スチレン、メタクリル酸イソブチル(i−ブチル)、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸ベンジルからなる群から選択されることが好ましい。また、疎水性ビニル系単量体は単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
<ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤>
ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤とは、重合系内の単量体と共重合し得る二重結合とオキシアルキレンの重合体であるポリオキシアルキレン鎖とを分子内に有する界面活性剤を意味する。このような反応性界面活性剤を使用することにより、界面活性剤が樹脂粒子表面から脱離することなく、樹脂粒子の機械的安定性を高めることができる。また、その使用量を低減しても重合安定性を損なうことなく重合を行うことができる。さらに、ポリオキシアルキレン鎖を構成する単量体成分としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドのようなオキシアルキレンが挙げられる。また、ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
前記反応性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「アクアロンKH1025」等)、ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル硫酸エステル塩(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「アクアロンHS1025」、「アクアロンBC−10」等)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩(市販品では、例えば、旭電化(株)製「アデカリアソープSE」等)、アルキルアリルスルホコハク酸ソーダ(市販品では、例えば、三洋化成工業(株)製「エレミノールJS−2」等)、メタクリル酸ポリオキシアルキレン硫酸エステル塩(市販品では、例えば、三洋化成工業(株)製「エレミノールRS−30」等)、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩(市販品では、例えば、日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」等)、エチレングリコールメタクリレート硫酸エステル塩(市販品では、例えば、日本乳化剤(株)製「アントックスMS−2N」、「アントックスMS−NH4」等)、その他の構造をもつもの(市販品では、例えば、花王(株)製「ラテムル」、第一工業製薬(株)製「ニューフロンティア」、日本乳化剤(株)製「RA−1823」、「RA−2320」等)等の、プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、アクリレート基、メタクリレート基等の反応性基を有するアニオン性反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「アクアロンRN」等)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル(市販品では、例えば、旭電化(株)製「アデカリアソープNE」等)、ポリオキシアルキレングリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーAET」、「プレンマーAPT」等)、ラウロキシポリエチレンクリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーALE」等)、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーPSE」等)、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーPSE」等)、ステアロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーASEP」等)、アリロキシポリアルキレシグリコールモノメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーPNEP」、「プレンマーPNPE」等)、ノニルフェノキシポリオキシアルキレングリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマー43ANEP−500」、「プレンマー70ANEP−550」等)、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールジメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマー80PDC」等)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマー30ADC」等)等の、プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、アクリレート基、メタクリレート基等の反応性基を有するノニオン性反応乳化剤等が挙げられる。
前記反応性界面活性剤は、スルホン酸基又はその塩を有することが好ましい。この場合、少量の添加量で分散液中の樹脂粒子に分散安定性を付与できるため、結果として、吸湿性の低い樹脂粒子を得ることができる。
前記反応性界面活性剤に含まれるスルホン酸塩中に含まれるカチオンとしては公知のカチオンを挙げることができる。具体例としては、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムのようなイオンが好ましく、アンモニウム及びナトリウムのイオンがより好ましい。
また、本発明において、前記反応性界面活性剤は、式(1):
(式中、R1は炭素数1〜50のアルキル基であり、Xはスルホン酸基又はその塩であり、nは2〜50の整数である)で表される化合物及び式(2):
(式中、R2は炭素数1〜50のアルキル基であり、R3は水素又はメチル基であり、Yはスルホン酸基又はその塩であり、mは2〜50の整数である)で表される化合物
からなる群から選択されることがより好ましい。このような構造を有する反応性界面活性剤を使用することにより、前記のような技術的効果をより効果的に得ることできる。
なお、R1は、より好ましくは炭素数3〜30のアルキル基であり、nは、より好ましくは3〜30の整数である。
また、R2は、より好ましくは炭素数3〜30のアルキル基であり、mは、より好ましくは3〜30の整数である。
なお、所望の技術的効果を得ることができる限り、式(2)中のベンゼン環は前記のような置換基をいずれの位置に有していてもよい。
前記反応性界面活性剤は、より具体的には、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩及びポリオキシエチレン−ノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩からなる群から選択されることがさらに好ましい。
前記反応性界面活性剤は、疎水性ビニル系単量体100質量部に対して、0.3〜2.8質量部、好ましくは0.3〜2.5質量部、より好ましくは0.3〜2.0質量部の割合で使用される。反応性界面活性剤が0.3質量部より少ない割合で使用される場合、樹脂粒子に十分な分散安定性を付与することができず、乳化重合時の安定性が悪化し、粒子径が大きくなったり、凝集物が大量に発生してしまい、樹脂粒子が安定して得られなくなる。他方、反応性界面活性剤が2.8質量部より多い割合で使用される場合、樹脂粒子に十分な低吸湿性を付与することができない。
<親水性ビニル系単量体>
親水性ビニル系単量体とは、親水性を有する官能基を含む単量体を意味する。具体的には、親水性ビニル系単量体は、好ましくはアミノ基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造、ヒドロキシ基、アミド基、エステル基、エーテル基、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基及びそれらの塩からなる群から選択される官能基を有し、より好ましくはスルホン酸基又はその塩を有する。この場合、少量の添加量で分散液中の樹脂粒子に機械的安定性を向上させることができるため、結果として、吸湿性の低い樹脂粒子を得ることができる。
より具体的には、親水性ビニル系単量体は、p−スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタリルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択されることがさらに好ましい。
また、本発明において、前記親水性ビニル系単量体は、疎水性ビニル系単量体100質量部に対して、0.2〜2.7質量部、好ましくは0.3〜2.5質量部、より好ましくは0.3〜2.0質量部の割合で使用される。親水性ビニル系単量体が0.2質量部より少ない割合で使用される場合、樹脂粒子がその表面に十分な分散安定性を付与することができず、分散液中で機械的安定性の低い樹脂粒子となる。他方、親水性ビニル系単量体が2.7質量部より多い割合で使用される場合、樹脂粒子に十分な低吸湿性を付与することができない。
また、本発明において、前記反応性界面活性剤及び親水性ビニル系単量体の合計は、疎水性ビニル系単量体100質量部に対して、好ましくは0.6〜3.0質量部、より好ましくは0.6〜2.7質量部、さらに好ましくは0.6〜2.5質量部の割合で使用される。反応性界面活性剤及び親水性ビニル系単量体の合計が0.6質量部より少ない割合で使用される場合、樹脂粒子がその表面に十分な分散安定性を付与することができず、機械的安定性の低い樹脂粒子となることがある。他方、反応性界面活性剤及び親水性ビニル系単量体の合計が3.0質量部より多い割合で使用される場合、樹脂粒子に十分な低吸湿性を付与することができないことがある。
所望の物性に影響を与えない限り、前記単量体を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、これらの樹脂成分として共重合体が得られる場合、共重合体はランダム共重合体であってよく、ブロック共重合体であってもよい。
樹脂粒子中に含まれる共重合体成分としては、所望の物性に影響を与えない限り、公知の単量体を少量使用することができる。具体的には、環状オレフィン系単量体、ジエン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル及び無水マレイン酸のようなビニル系単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート(アルキレンは炭素数2〜4の範囲が好ましい)、メタクリル酸アリル等の二官能性ビニル系単量体が挙げられる。
<重合開始剤>
本発明で用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物類;2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素、2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸二水和物、2、2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩化水素、2、2−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2、2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩化水素、2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2、2−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩化水素、2、2−アゾビス{2−メチル−N−[1、1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2、2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2、2−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、4、4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2、4ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類が挙げられる。
また、重合開始剤としては、前記の過硫酸塩類及び有機過酸化物類の重合開始剤に、ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、過酸化水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸及びその塩、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤を組み合わせて用いるレドックス系開始剤等も挙げられる。
前記の重合開始剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量としては特に限定されないが、ビニル系単量体(前記親水性ビニル系単量体及び疎水性ビニル系単量体の合計量)100質量部に対して、好ましい範囲は0.1〜5質量部、より好ましい範囲は0.3〜3質量部である。
<その他の成分>
所望の樹脂粒子を得ることができる限り、樹脂粒子は他の添加剤等を適宜含んでいてもよい。具体的には、気泡調整剤、被覆剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、消泡剤、熱安定剤、滑剤及び帯電防止剤を挙げることができる。
なお、原料単量体、その他の成分等の質量及び質量比と、樹脂粒子に含まれる樹脂成分、その他の成分等の質量及び質量比とは略同一である。
また、複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体中に含まれる原材料の定性及び定量はNMR、IR、GPC等を使用して、公知の方法に従って行うことができる。
<樹脂粒子の製造方法(乳化重合)>
本発明の樹脂粒子は、スチレン系単量体及び炭素数4〜8の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群から選択される疎水性ビニル系単量体を、水性媒体中で、親水性ビニル系単量体、ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤及び重合開始剤の存在下に乳化重合させることにより得ることができる。また、前記乳化重合は公知の方法に従って行うことができる。このような重合方法を用いることにより、吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子を簡便かつ安定に得ることができる。
<連鎖移動剤>
乳化重合においては連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されず、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー、2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロロメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の使用量としては特に限定されないが、ビニル系単量体(前記親水性ビニル系単量体及び疎水性ビニル系単量体の合計量)100質量部に対して、好ましい範囲は0.1〜5質量部、より好ましい範囲は0.3〜3質量部である。
<水性媒体>
ビニル系単量体(前記親水性ビニル系単量体及び疎水性ビニル系単量体の合計量)と水性媒体との割合は、1:20〜1:2の範囲であることが好ましい。ビニル系単量体の割合が前記の範囲を下回ると、重合体粒子の生産性が低下することがある。一方、ビニル系単量体の割合が前記の範囲を上回ると、重合中の粒子の安定性が低下して、重合後に樹脂粒子の凝集物が生じることがある。より好ましくは、1:15〜1:3である。
<重合条件>
重合温度及び重合時間は、用いるモノマー組成、重合開始剤の種類や使用量等により適宜設定すればよいが、通常30〜100℃及び2〜10時間であることが好ましい。重合時には、重合の均一性を確保し、重合体粒子の合着を防ぐために、超音波照射及び/又はマグネチックスターラー等の機械的攪拌装置を用いて攪拌することが好ましい。攪拌回転数は、用いる装置の種類や攪拌能力等により適宜設定すればよいが、例えば、容量5L(リットル)の反応器を用いる場合、100〜500rpmであることが好ましい。
また、重合後、公知の方法を用いて樹脂粒子を水性媒体から単離(脱水)及び乾燥すればよい。乾燥方法としては、スプレードライヤー等による噴霧乾燥法、ドラムドライヤー等による、加熱された回転ドラムに付着させて乾燥する方法、凍結乾燥法等が挙げられる。さらに、粉砕機、解砕機等を用いて、乾燥させた樹脂粒子の凝集物を解砕することが好ましい。
<樹脂粒子>
本発明の製造方法は原料として前記のような単量体組成を使用するため、樹脂粒子は吸湿性が低く、分散液中での機械的安定性に優れた樹脂粒子である。具体的には、樹脂粒子は好ましくは1%以下、より好ましくは0.8%以下の水分吸着率を示すことができる。このことは本発明の樹脂粒子は吸湿性が低いことを示している。
樹脂粒子は、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.05〜0.3μmの平均粒子径を有する。樹脂粒子が0.05μmより小さい平均粒子径を有する場合、得られる樹脂粒子が凝集しやすくなり、トナーに充分な流動性が付与できないことがある。樹脂粒子が0.5μmより大きい平均粒子径を有する場合、トナーから脱離が起こりやすくなるために、トナーに充分な流動性が付与できなくなる。なお、平均粒子径の測定方法は、実施例の欄に記載する。
また、本発明の樹脂粒子を使用することにより、機械的安定性に優れた分散液を提供することができる。具体的には、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下の増粘率を示すような、機械的安定性に優れた分散液を提供することができる。このことは本発明の分散液中に含まれる樹脂粒子は機械的安定性に優れることを示している。なお、増粘率の測定方法は、実施例の欄に記載する。
本発明の製造方法を用いることにより、吸湿性が低く、機械的安定性に優れた樹脂粒子を提供することができる。従って、吸湿性が低い樹脂粒子が必要とされるような用途において本発明の樹脂粒子を使用することができる。具体的には、結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に外添させるトナー用外添剤や、静電荷像を現像する乾式二成分現像方式で使用するキャリアコート用添加剤として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<低吸湿性(水分吸着率)>
ここでいう水分吸着率は、樹脂粒子を恒温恒湿環境下に所定時間保管し、保管前後の質量変化量から算出した値を意味する。即ち、樹脂粒子をあらかじめ55℃で24時間乾燥させ、この乾燥樹脂粒子1gを温度20℃、かつ相対湿度80%の雰囲気下に1時間保管した後、樹脂粒子の質量(g)を秤量する。この値をWとし、次式から算出して求めた値を樹脂粒子の水分吸着率とする。
水分吸着率(%)=(W−1)×100
得られた水分吸着率から次の基準で低吸湿性を評価する。
○:水分吸着率1%未満(優れた低吸湿性を有する)
×:水分吸着率1%以上(低吸湿性に乏しい)
<機械的安定性(増粘率)>
本発明において「増粘率」は、樹脂粒子分散液に所定の機械的応力を加えた際の、樹脂粒子分散液の粘度から算出した粘度変化率を意味する。即ち、重合後の樹脂粒子分散液20gをポリプロピレン容器に採取し、超音波洗浄器強力型(アズワン株式会社製:VS−150)を用いて、30分間超音波照射を行う。超音波照射前と超音波処理後の樹脂粒子分散液の25℃でのそれぞれの粘度をSV型粘度計(エー・アンド・ディ株式会社製:SV−10)を用いて測定し、次式により増粘率(%)を算出する。また、増粘率が負の値となる場合は、増粘率を0%とする。
増粘率(%)=(超音波照射後の樹脂粒子分散液の粘度/超音波照射前の樹脂粒子分散液の粘度)×100
得られた増粘率から次の基準で機械的安定性を評価する。
○:増粘率10%未満(優れた機械的安定性を有する)
×:増粘率10%以上(機械的安定性に乏しい)
<平均粒子径>
本発明において「平均粒子径」は、動的光散乱法あるいは光子相関法と呼ばれる方法を利用して測定した平均粒子径を意味する。即ち、25℃において、0.1体積%に調製した樹脂粒子の水系分散液にレーザー光を照射し、樹脂粒子から散乱される散乱光強度をマイクロ秒単位の時間変化で測定する。検出された樹脂粒子に起因する散乱強度分布を正規分布に当てはめ、キュムラント解析法により平均粒子径を算出する。この平均粒子径は、市販のデータ解析ソフトが搭載された測定装置で簡便に測定可能であり、自動的に解析できる。本実施例では、マルバーン社(スペクトリス株式会社)製の粒子径測定装置「ゼータサイザーナノZS」を用いて測定する。
(実施例1)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた容量5Lのオートクレーブ中で、反応性界面活性剤としてポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液(第一工業製薬株式会社製:商品名「アクアロンKH1025」)32質量部、親水性ビニル系重合性単量体としてp−スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー有機化学株式会社製:商品名「スピノマーNaSS」)2.4質量部を脱酸素したイオン交換水3200質量部に溶解させ、さらにメタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)800質量部を供給し、高速乳化・分散機(特殊機化工業株式会社(現:プライミクス株式会社)製、型式:T.K.HOMOMIXER MARKII)を用いて攪拌して分散液を調製した。
得られた分散液中に、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)4質量部を添加し、撹拌下で分散液を70℃まで加熱し、その温度で3時間保持して、乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散液の増粘率は1%であった。
その後、室温まで冷却し、スプレードライで乾燥させ、得られた重合塊をジェットミルで解砕して樹脂粒子640gを得た。得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.13μm、水分吸着率は0.62%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例2)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液16質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム4質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.11μm、水分吸着率は0.51%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例3)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部の代わりに、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液48質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.09μm、水分吸着率は0.68%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例4)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液9.6質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム8質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.10μm、水分吸着率は0.62%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例5)
メタクリル酸シクロへキシル800質量部の代わりに、メタクリル酸イソブチル(IBMA)240質量部及びメタクリル酸t−ブチル(TBMA)560質量部を用いたこと以外は実施例2と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は2%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.11μm、水分吸着率は0.55%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例6)
メタクリル酸シクロへキシル800質量部の代わりに、メタクリル酸ベンジル(BZMA)800質量部を用いたこと以外は実施例2と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.11μm、水分吸着率は0.49%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例7)
メタクリル酸シクロへキシル800質量部の代わりに、スチレン800質量部を用いたこと以外は実施例2と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.11μm、水分吸着率は0.42%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例8)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部の代わりに、ポリオキシエチレン−ノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液(第一工業製薬株式会社製:商品名「アクアロンHS1025」)16質量部を用いたこと以外は実施例2と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.11μm、水分吸着率は0.50%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(実施例9)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、メタリルスルホン酸ナトリウム(旭化成ファインケム株式会社製:商品名「SMAS」)2.4質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は1%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.12μm、水分吸着率は0.55%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として好適に用いられるものであった。
(比較例1)
p−スチレンスルホン酸ナトリウムを用いなかったこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は341%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.09μm、水分吸着率は0.51%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として不適であった。
(比較例2)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液64質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は23%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.09μm、水分吸着率は0.86%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として不適であった。
(比較例3)
p−スチレンスルホン酸ナトリウムの量を0.8質量部としたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は51%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.10μm、水分吸着率は0.55%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として不適であった。
(比較例4)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム4質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行ったが、重合中に分散が悪化し、目的の樹脂粒子を得ることができなかった。
(比較例5)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム16質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行ったが、重合中に分散が悪化し、目的の樹脂粒子を得ることができなかった。
(比較例6)
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25%水溶液32質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2.4質量部の代わりに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム40質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.10μm、水分吸着率は2.2%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として不適であった。
(比較例7)
メタクリル酸シクロへキシル800質量部の代わりに、メタクリル酸メチル(MMA)800質量部を用いたこと以外は比較例1と同様に乳化重合を行った。得られた樹脂粒子分散体の増粘率は0%であり、得られた樹脂粒子は、平均粒子径0.09μm、水分吸着率は1.5%であり、静電荷電現象に使用される電子写真トナー用外添剤及びキャリアコート添加剤として不適であった。
(比較例8)
メタクリル酸シクロへキシル800質量部の代わりに、メタクリル酸n−ステアリル(STMA)800質量部を用いたこと以外は実施例1と同様に乳化重合を行ったが、重合中に分散が悪化し、目的の樹脂粒子を得ることができなかった。
実施例1〜9及び比較例1〜8の結果を、使用した原料及びそれらの使用量と共に表1に示す。
表中、
(1)CHMAはメタクリル酸シクロヘキシルを、
(2)IBMAはメタクリル酸イソブチルを、
(3)TBMAはメタクリル酸t−ブチルを、
(4)BZMAはメタクリル酸ベンジルを、
(5)Stはスチレンを、
(6)MMAはメタクリル酸メチルを、
(7)STMAはメタクリル酸n−ステアリルを、
(8)NaSSはp−スチレンスルホン酸ナトリウムを、
(9)SMASはメタリルスルホン酸ナトリウムを、
(10)KH1025はアクアロンKH1025を、そして
(11)HS1025はアクアロンHS1025を意味する。
また、原材料の単位は質量部、()内は疎水性ビニル系単量体100質量部当たりの使用量を意味する。
前記の評価結果より、実施例で得られたものは比較例のものと比べて、水分吸着率、機械的安定性等の評価結果が優れていた。このことは、吸湿性が低く、機械的安定性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができることを意味する。従って、本発明の樹脂粒子をトナー用外添剤やキャリアコート用添加剤として好適に使用することができる。

Claims (14)

  1. スチレン系単量体及び炭素数4〜8の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群から選択される疎水性ビニル系単量体を、水性媒体中で、親水性ビニル系単量体、ポリオキシアルキレン鎖を有する反応性界面活性剤及び重合開始剤の存在下に乳化重合させて樹脂粒子を得る工程と前記樹脂粒子を前記水性媒体から単離する工程とを含み、
    前記親水性ビニル系単量体、及び、前記反応性界面活性剤が、それぞれ、前記疎水性ビニル系単量体100質量部に対して、0.2〜2.7質量部、及び、0.3〜2.8質量部の割合で使用されることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記親水性ビニル系単量体と前記反応性界面活性剤との合計が、前記疎水性ビニル系単量体100質量部に対して0.6〜3.0質量部の割合で使用される請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記反応性界面活性剤が、スルホン酸基又はその塩を有する請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記反応性界面活性剤が、式(1):
    (式中、R1は炭素数1〜50のアルキル基であり、Xはスルホン酸基又はその塩であり、nは2〜50の整数である)で表される化合物
    及び式(2):
    (式中、R2は炭素数1〜50のアルキル基であり、R3は水素又はメチル基であり、Yはスルホン酸基又はその塩であり、mは2〜50の整数である)で表される化合物
    からなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記親水性ビニル系単量体が、アミノ基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造、ヒドロキシ基、アミド基、エステル基、エーテル基、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基及びそれらの塩からなる群から選択される官能基を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 前記親水性ビニル系単量体が、スルホン酸基又はその塩を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法。
  7. 前記疎水性ビニル系単量体が、スチレン、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸ベンジルからなる群から選択される請求項1〜6のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法。
  8. 前記樹脂粒子を得る工程において使用される単量体が、前記疎水性ビニル系単量体と親水性ビニル系単量体のみからなる請求項7に記載の樹脂粒子の製造方法。
  9. 前記樹脂粒子が、1%以下の水分吸着率を示す請求項1〜8のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法
  10. 前記樹脂粒子が、0.05〜0.5μmの平均粒子径を有する請求項1〜9のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法
  11. 前記樹脂粒子が、樹脂粒子を含む分散液として使用される請求項1〜10のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法
  12. 前記分散液が、10%以下の増粘率を示す請求項11に記載の樹脂粒子の製造方法
  13. 前記樹脂粒子が、樹脂粒子を含むトナー用外添剤として使用される請求項1〜10のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法
  14. 前記樹脂粒子が、樹脂粒子を含むキャリアコート用添加剤として使用される請求項1〜10のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法
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