JP5869675B2 - ポリマーの耐摩耗性を改善するための官能化された炭化ケイ素および官能化された無機ウィスカー - Google Patents

ポリマーの耐摩耗性を改善するための官能化された炭化ケイ素および官能化された無機ウィスカー Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年9月6日に出願された米国特許出願第13/225,661号に対して米国特許法第120条の下で恩典を主張し、その開示は全体として参照により本明細書に組み入れられる。
背景
ポリマー材料、特にコーティングは、一般に、高レベルの耐摩耗性を必要とする。官能化されたシリカおよび他のタイプの無機材料が、ポリマー材料をより硬くし、耐摩耗性をいくらか改善するために添加されている。いくつかの場合では、非粘着性コーティングシステムのプライマーにおいて、その後のトップコートの接着を改善するために、ウィスカーが使用されている。粗い表面および連結したチャネルを含有する内部構造を有するスポンジ様材料を形成するために、高温バインダー樹脂と繊維状ニッケル粉末とを含むベースコートを有する2コートシステムについて記載している、Leechによる米国特許第5,560,978号(特許文献1)を参照されたい。粗い表面により、フルオロポリマートップコートがその中に固着することが可能になり、従ってベースコートへのトップコートの接着が改善される。
ウィスカー材料はまた、耐損耗性を改善するために、非粘着性仕上げ塗りのトップコートにおいて使用されている。例えば、日本国特許第3471562 B2号(特許文献2)は、非粘着性表面の耐損耗性および耐ひっかき性を改善するために、1コートシステムおよび2コートシステムのフルオロポリマートップコートにおいて、六チタン酸カリウムウィスカーを使用することを開示する。このコーティングは、耐摩耗性を改善するために、SiO2およびAl2O3を含有するガラスビーズである球状セラミック顔料をさらに含む。
Cardosoらの米国特許出願公開第2009/0202782 A1号(特許文献3)は、プライマー層、ミッドコート層、およびトップコート層を含む、耐ひっかき性の非粘着性仕上げ塗りについて記載している。プライマー層は基材に接着し、かつ第1のポリマーバインダーおよび大きなセラミック粒子を含む。ミッドコート層は、第1のフルオロポリマー組成物および無機ウィスカーを含み、トップコート層は、第2のフルオロポリマー組成物を含む。
これらの努力により耐摩耗性のいくらかの改善が達成されてきているが、ポリマー材料の耐摩耗性において、特にポリマーコーティング材料においてさらなる改善が依然として必要である。上記の参照文献はすべて、フィラーとポリマーマトリクスとの間の親和性が欠如しているために、限定された改善しか提供することができない。
米国特許第5,560,978号 日本国特許第3471562 B2号 米国特許出願公開第2009/0202782 A1号
概要
いくつかの局面において、炭化ケイ素(微粒子またはウィスカー)を、カップリング剤との共有結合に対して受容性にするために表面処理する。いくつかの態様において、表面処理は熱酸化を介して行う。他の態様において、表面処理は化学酸化を介して行う。酸化処理により反応性水酸基が表面上に形成され、これにより、処理された表面は、水を放出する縮合反応を経てカップリング剤に結合することが可能になる。カップリング剤はまた、表面処理された炭化ケイ素とカップリング剤との結合体が官能化された炭化ケイ素を形成するように、1つまたは複数の遊離の有機官能基も含有する。
この官能化された炭化ケイ素は、添加されるポリマーマトリクスに適合するように、かつそれに対して高い親和性を有するように、具体的に選択することができる。いくつかの態様において、例えば、官能化された炭化ケイ素を、架橋を生じるようにポリマー材料と反応させることにより、または、官能化された炭化ケイ素をポリマー前駆体と共に共重合させることにより、有機官能基をポリマーマトリクスに共有結合させる。他の態様において、官能化された炭化ケイ素は、ポリマーマトリクスに対して高い物理的親和性を有してもよく、この場合、有機官能基はポリマーマトリクスと適合性または混和性であり、ポリマーマトリクスへの物理的接着を生じる。
別の局面において、無機ウィスカーを、共有結合させるカップリング剤に対して受容性にするために表面処理する。表面処理は、熱酸化または化学酸化を介して行ってもよい。この表面酸化により、水酸基が表面上に生じる。カップリング剤は、水を放出する縮合反応で表面上の水酸基と反応する反応基を有する。さらに、カップリング剤は、少なくとも1つの有機官能基を保有する。例えば、官能化された無機材料を、架橋を生じるようにポリマー材料と反応させることにより、または、官能化された無機材料をポリマー前駆体と共重合させることにより、有機官能基をポリマーマトリクスに結合させてもよい。あるいは、官能化された無機ウィスカーは、ポリマーマトリクスに対して高い物理的親和性を有してもよく、この場合、有機官能基はポリマーマトリクスと適合性または混和性であり、ポリマーマトリクスへの物理的接着を生じる。
[本発明1001]
少なくとも1つの有機官能基部分を有するカップリング剤に共有結合した炭化ケイ素微粒子または炭化ケイ素ウィスカーを含む、官能化された炭化ケイ素。
[本発明1002]
炭化ケイ素がウィスカーの形態である、本発明1001の官能化された炭化ケイ素。
[本発明1003]
ウィスカーが、約0.2〜約10μmの直径、および約10:1〜約25:1のアスペクト比を有する、本発明1002の官能化された炭化ケイ素。
[本発明1004]
炭化ケイ素が微粒子の形態である、本発明1001の官能化された炭化ケイ素。
[本発明1005]
有機官能基部分が、アルカン、アルケン、アルコール、エポキシ、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、ビニル、モノアミン、ジアミン、トリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1001の官能化された炭化ケイ素。
[本発明1006]
本発明1001の官能化された炭化ケイ素を含むポリマー化合物。
[本発明1007]
官能化された炭化ケイ素が、少なくとも部分的にポリマーを架橋するか、またはポリマー中にもしくはポリマーと化学的に結合する、本発明1006のポリマー化合物。
[本発明1008]
ポリマーが、フルオロポリマー、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ノボラック樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1006のポリマー。
[本発明1009]
少なくとも1つの有機官能基部分を有するカップリング剤に共有結合した無機ウィスカーを含む、官能化された無機ウィスカー。
[本発明1010]
無機ウィスカーが、無機酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ベリリウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1009の官能化されたウィスカー。
[本発明1011]
有機官能基部分が、アルカン、アルケン、アルコール、エポキシ、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、ビニル、モノアミン、ジアミン、トリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1009の官能化されたウィスカー。
[本発明1012]
本発明1009の官能化されたウィスカーを含むポリマー。
[本発明1013]
官能化されたウィスカーが、少なくとも部分的にポリマーを架橋する、本発明1012のポリマー。
[本発明1014]
ポリマーが、フルオロポリマー、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ノボラック樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1012のポリマー。
[本発明1015]
炭化ケイ素微粒子または炭化ケイ素ウィスカーを提供する工程;
1つまたは複数の反応基を含有する処理された表面を形成するように、前記炭化ケイ素を表面処理する工程;
前記炭化ケイ素の処理された表面上の反応基を共有結合させるのに十分な条件の下で、前記処理された表面を、反応基および有機官能基を有するカップリング剤と接触させる工程
を含む、官能化された炭化ケイ素を調製する方法。
[本発明1016]
炭化ケイ素がウィスカーの形態である、本発明1015の方法。
[本発明1017]
ウィスカーが、約0.2〜約10μmの直径、および約10:1〜約25:1のアスペクト比を有する、本発明1015の方法。
[本発明1018]
炭化ケイ素が微粒子の形態である、本発明1015の方法。
[本発明1019]
炭化ケイ素を熱酸化により表面処理する、本発明1015の方法。
[本発明1020]
炭化ケイ素を化学酸化により表面処理する、本発明1015の方法。
[本発明1021]
カップリング剤が有機シランを含む、本発明1015の方法。
[本発明1022]
カップリング剤が有機金属化合物を含む、本発明1015の方法。
[本発明1023]
カップリング剤の反応基が、メトキシ、エトキシ、およびアセトキシからなる群より選択される、本発明1021の方法。
[本発明1024]
カップリング剤の有機官能基が、アルカン、アルケン、アルコール、エポキシ、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、ビニル、モノアミン、ジアミン、トリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1021の方法。
[本発明1025]
官能化された炭化ケイ素をポリマーと接触させる工程をさらに含む、本発明1015の方法。
[本発明1026]
ポリマーが、フルオロポリマー、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ノボラック樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1025の方法。
[本発明1027]
官能化された炭化ケイ素が、少なくとも部分的にポリマーを架橋する、本発明1025の方法。
本明細書において開示される官能化された無機粒子または無機ウィスカーを含有するポリマー材料は、ポリマー材料では異例の、かつこれまで達成されていない耐摩耗性を呈し得る。前記材料はまた、下記のように、増加した電気伝導率、ヤング率、曲げ弾性率(flex modulus)、および比熱などの他の改善された特性も呈し得る。
カーボンブラック、SiC粒子、および官能化されたSiCの添加物を有するフルオロポリマーコーティングの寿命の比較を示すグラフである。 添加物を含有しないフェノール樹脂、およびSiCウィスカーおよび官能化されたSiCウィスカーの添加物を含有するフェノール樹脂について耐摩耗性を示すグラフである。 添加物を含有しない不飽和ポリエステル樹脂、およびSiCウィスカーおよび官能化されたSiCウィスカーの添加物を含有する不飽和ポリエステル樹脂について耐摩耗性を示すグラフである。 添加物を含有しないポリウレタン樹脂、およびSiCウィスカーおよび官能化されたSiCウィスカーの添加物を含有するポリウレタン樹脂について耐摩耗性を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明者らは、官能化された炭化ケイ素微粒子または炭化ケイ素ウィスカー、および他のタイプの官能化された無機ウィスカーが、耐摩耗性、ならびに電気伝導率、曲げ弾性率、比熱、およびヤング率などの他の特性を劇的に改善させるように、ポリマーシステム中に組み込まれ得ることを見出した。
文脈から他に明らかでない限り、本明細書において開示されるパーセンテージは、組成物の総重量に基づく重量パーセントとして表現される。
炭化ケイ素
炭化ケイ素は、約250種の結晶形態で存在する。SiCの多形は、2つの次元においては同一であって3つ目の次元において異なる化学化合物のバリエーションである、ポリタイプと呼ばれる類似した結晶構造体の大きなファミリーを特徴とする。α炭化ケイ素(α-SiC)は、最も一般的に見られる多形であり、1700℃よりも高い温度で形成され、かつ六方晶結晶構造を有する。(ダイアモンドに類似した)立方晶結晶構造を有するβ変態形(β-SiC)は、1700℃未満の温度で形成される。β形態は、α形態と比較してより広いその表面積のために、不均一系触媒のための支持体として使用されている。
SiCの高い昇華温度(およそ2700℃)のために、SiCは軸受および炉部分に有用である。炭化ケイ素は、いかなる公知の温度でも融解しない。また、化学的に高度に不活性である。現在、電子機器における半導体材料としてのその用途に大きな関心があり、その高い熱伝導率、高い破壊電界強度、および高い最大電流密度のために、高性能装置にとってケイ素よりも有望である。SiCはまた、非常に低い熱膨張係数(4.0×10-6/K)を有し、熱膨張における不連続を引き起こすであろう相転移を生じない。炭化ケイ素は、窒素またはリンによりn型にドープされ、アルミニウム、ホウ素、ガリウム、またはベリリウムによりp型にドープされ得る半導体である。金属伝導性は、ホウ素、アルミニウム、または窒素などの元素での高濃度ドーピングにより達成されている。
炭化ケイ素粒子は、結晶構造および使用目的などの要因に応じて、粒子サイズを広い範囲にわたって変更することができる。実質的に均一な粒子サイズ(または相対的に狭い粒子サイズ分布)を有する材料を使用することが、しばしば望ましい。本発明を限定しないが、例としては、最大粒子サイズは約0.05μm(ナノサイズ)から約100μmまたはそれより大きい範囲にわたってもよい。実際には、最大粒子サイズは、しばしば、約1μm〜約75μm、約5μm〜約50μm、または約10μm〜約40μmの範囲にわたる。
無機ウィスカー
ナノチューブと呼ばれることもある無機ウィスカーは、ギガパスカル(GPa)で測定される弾性率を特徴とし得る。高い弾性率を有する無機ウィスカーの例には、無機酸化物、炭化物、ホウ化物および窒化物、金属、例えばステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、およびベリリウムが含まれる。いくつかの典型的な弾性率の値の例には、以下が含まれる:窒化ケイ素(310 GPa);ステンレス鋼(180-200 GPa);アルミナ(428 GPa);炭化ホウ素(483 GPa);炭化ケイ素(480 GPa)。無機ウィスカーは、単一のセラミックもしくは金属の粒子、または異なるセラミックもしくは金属のウィスカーの混合物であってもよい。
無機ウィスカーは、典型的には、約0.2〜約10μm、しばしば約0.3〜約3μm、往々にして約0.4〜約2μm、および通常約0.5〜約1.5μmの直径を有する。ウィスカーのアスペクト比、すなわち直径に対する長さの比(L/D)は、一般に約3:1より大きく、典型的には約10:1〜約100:1、しばしば約10:1〜50:1または約12:1〜約20:1の範囲にわたる。そのような市販されている単結晶炭化ケイ素ウィスカー製品の1つは、商品名Silar(登録商標)ブランド炭化ケイ素ウィスカーのもとで、サウスカロライナ州グリアーのAdvanced Composite Materials, LLCから入手可能である。この製品は、0.6μmの平均直径および9μmの平均長を有する単結晶炭化ケイ素ウィスカーを含む。炭化ケイ素ウィスカーは、Cutlerの米国特許第3,754,076号において開示される方法に従って作製されてもよく、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
表面処理
無機材料、例えば炭化ケイ素および無機ウィスカーに関して上述したものは、化学的に不活性の傾向にある。無機微粒子または無機ウィスカーは、典型的には、該材料をカップリング剤に対して化学的に受容性にするために、最初に表面処理しなければならない。例えば、炭化ケイ素の場合は、表面処理は、およそ1〜15重量%のシリカを形成するための酸化を含み得る。種々の形態の水和シリカが、表面上に出現し得る。さらに、SiCの酸化は、カップリング剤に対して化学的に反応性であるSiOHを形成する。以下で十分に記載されるように、表面処理は、例えば、熱酸化または化学酸化によって実施されてもよい。
A.熱酸化
いくつかの態様において、無機微粒子または無機ウィスカーの表面処理は、熱酸化を介して達成される。例えば、炭化ケイ素は、約600℃までの温度で熱的に安定である。600℃を超える温度へ加熱された場合、炭化ケイ素は酸化して、副産物として形成されるCO2と共に、シリカとSiOHが形成される。ある技法においては、炭化ケイ素微粒子または炭化ケイ素ウィスカーを、空気の存在下または酸素を含有する他の環境の下で、軽く撹拌しながら600℃を超える温度へ加熱する。オゾン雰囲気でもまた、実行可能である。他のタイプの無機ウィスカーもまた、酸化が起きる特定の温度は異なる材料によって変動し得ることを認識しつつ、類似の技法を用いて表面処理してもよい。この技法は一般に、鉱物産業において使用される、か焼プロセスに類似し得る。
B.化学酸化
あるいは、炭化ケイ素微粒子もしくは炭化ケイ素ウィスカー、または他のタイプの無機ウィスカーは、化学酸化を介して表面処理してもよい。例えば、無機微粒子または無機ウィスカーを、反応性の高い酸化剤であるフッ素ガスと接触させることにより、フルオロ酸化(fluoro-oxidation)を室温で行ってもよい。そのような化学酸化を実施するための適当な装置、例えば、プラスチックの表面酸化のためにFluoro-Seal, Ltd.により使用される装置などが、市販されている。例えば、その開示が全体として参照により本明細書に組み入れられる、Baumanらの米国特許第6,441,128号を参照されたい。一般に、化学酸化は、熱酸化と比較するとより単純ではあるがより高価なプロセスを提供する。
別のタイプの化学酸化は、ガスプラズマ酸化である。このプロセスにおいては、気体プラズマが(熱的または電気的手段により)生成される。気体プラズマは、大量の酸化物含有フリーラジカルを含有する。気体プラズマを、無機ウィスカーの表面と接触させて置く。次いで気体プラズマは、無機ウィスカーの表面を酸化し、該表面を-OH基に対して反応性にする。他の酸化方式と同様に、気体プラズマはCO2を放出する。次いで、表面上に形成された-OH基は、水を放出する縮合反応でカップリング剤と反応し得る。
カップリング剤
カップリング剤は、表面処理された無機微粒子または無機ウィスカーに共有結合可能であるべきである。炭化ケイ素の場合は、例えば、カップリング剤は、処理された表面上に存在するSiOH、SiO2、または他の-OH部分と反応できる反応基を有するべきである。カップリング剤の化学構造は、使用される無機微粒子または無機ウィスカーの特性、ならびに最終的に使用されるポリマー材料のタイプおよび特性などの考慮すべき事項に応じて変更してもよい。カップリング剤の非限定的な例には、有機シラン、例えばSilar Laboratories、Dow Chemical、およびNanjing Union Silicon Chemical Co., Ltdなどの供給者から市販されているものが含まれる。他のタイプのカップリング剤には、チタンベースの化合物、ならびにアルミニウム、ジルコニウム、スズ、およびニッケルの化合物が含まれる。
有機シランカップリング剤は、同一の分子中に2つのタイプの官能基(例えば、有機および無機)を含有するケイ素ベースの化合物である。典型的なシランカップリング剤の一般構造は以下である:
(RO)3SiCH2CH2CH2-X
式中、ROは、反応基、例えばメトキシ、エトキシ、またはアセトキシであることができ、Xは、有機官能基、例えばアミノ、メタクリルオキシ、エポキシなどである。反応(RO)基は、無機材料の処理された表面上の活性部分に共有結合できる。上記の構造は、無機表面に対して反応性である3つの(RO)基を有するカップリング剤を示す。カップリング剤は、無機表面に対してモノ反応性、ジ反応性、またはトリ反応性であってもよい。化学作用および機構に応じて、RO基をまず加水分解し、次いで表面と反応させ得ることに注目されたい。あるいは、エステル交換反応が直接、加水分解なしで起こり得る。
ポリマーマトリクス中への化学的結合のために、カップリング剤の有機官能(X)基は、フリーラジカル反応、縮合反応、または段階重合反応を経て、ポリマー材料に共有結合できる。存在し得る有機官能基の非限定的な例には、アルカン、アルケン、アルコール、エポキシ、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、ビニル、ハロゲン化ビニル、アジド、モノアミン、ジアミン、トリアミン、カルボキシル、およびそれらの組み合わせが含まれる。有機官能基は、例として、1〜12個の炭素原子を含有してもよい。非反応性の熱可塑性樹脂においてはより一般的である、ポリマーマトリクスへの改善された物理的接着のために、有機官能(X)基は、アルカン、アルケン、アルキン、アルコール、カルボニル(アルデヒドまたはケトンのいずれか)、アミン、アミド、エステル、芳香族、ベンジル、フェノールなどであってもよい。存在する特定の有機官能基に応じて、カップリング剤は、使用される特定のポリマーシステムのために調整され得る様々な異なる特性、例えば親水性、親油性などを呈してもよい。
使用されるカップリング剤の量は、使用される無機材料のタイプおよび表面積などの要因に応じて、広い範囲にわたって変更してもよい。一般に、カップリング剤の量は、無機微粒子または無機ウィスカーおよびカップリング剤の総重量に基づいて、通常約0.5〜約15重量%、しばしば約1〜約5重量%の範囲である。
カップリング剤は、2つの成分を一緒に組み合わせることにより、表面処理された無機微粒子または無機ウィスカーに共有結合させてもよい。カップリング剤を適用する1つの方法は、カップリング剤を混合器中で回転させながら粉末上へスプレー塗布することである。しばしば、60℃〜80℃の温度が、カップリング剤を酸化させた表面と反応させるために必要とされる。このタイプの反応は、典型的にはアルコールを放出する、直接エステル交換反応である。別の選択肢は、無機ウィスカーを含有する水性スラリー中にカップリング剤を混合することである。従来の手段(加熱乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、パンドライなど)により、スラリーを脱水し、乾燥させる。すべての水がシステムから除去されると、カップリング剤を表面に結合させる縮合反応が起こる。
ポリマー材料
本明細書において記載される官能化された無機微粒子および無機ウィスカーは、様々な異なる適用のために種々のポリマーと共に使用されてもよい。ポリマーは、熱可塑性または熱硬化性であってもよい。ガラス状熱硬化性樹脂は、それらのガラス転移温度を超えて加熱した場合に「活性化」させることができ、例えば、硬質なガラス状ポリマーから軟らかいゴム状エラストマーに変化する。ホットメルト接着剤、および熱で硬化するポリマーもまた、官能化された無機ウィスカーまたは無機微粒子に対するマトリクス材料として用いてもよい。
コーティングシステムにおいてしばしば使用されるポリマーの例には、フルオロポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、すなわちPTFE)、フェノール樹脂、飽和または不飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート、すなわちPET)、ポリウレタン、ポリカルボナート、およびポリオレフィンが含まれる。使用され得るポリマーの他の非限定的な例には、アクリル樹脂、ビニル化合物(例えば、ハロゲン化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、およびハロゲン化ビニリデン)、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ノボラック樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリフェニレンスルフィドが含まれる。適合するポリマーの混和物もまた、使用されてもよい。
いくつかの態様において、官能化された微粒子またはウィスカーを、物理的接着を促進するためにポリマーと物理的に混合する。他の態様において、官能化されたウィスカーまたは粒子を、1つまたは複数のポリマー前駆体、オリゴマー、または架橋剤と組み合わせて、これらの材料を共に共重合させてポリマー材料を形成する。いくつかの場合には、ポリマー前駆体は、熱による架橋により硬化させもよい。フリーラジカルプロセスおよび段階重合プロセスもまた、実行可能である。前駆体は、無機、有機、または両者の混成物であってもよい。使用され得る他のタイプの材料は、ポリマーセラム(polymer ceram)の混合物、およびセラミック粉末を形成するゾル-ゲルを含む。
いくつかの局面において、官能化された微粒子またはウィスカーの有機官能基は、例えば架橋を生じるように、ポリマーマトリクスに共有結合する。架橋の程度は、得られるポリマー材料の望ましい特性に応じて、相対的に低いレベルの架橋から相対的に高いレベルの架橋まで変更し得る。一般に、架橋は、多くの異なるタイプのポリマーシステムの耐摩耗性を改善することが見出された。
ポリマーが官能化された微粒子またはウィスカーで架橋されない場合は、官能化された無機微粒子または無機ウィスカーが耐摩耗性および/または他の特性を改善するための添加物としてポリマー材料中に容易に組み込まれ得るように、極性などの特性に関して特定のポリマー材料と適合性である有機官能基が選択されてもよい。濡れ性、物理的接着を向上させるように表面エネルギーを改変することによっても、機械的特性が改善されるであろう。
ポリマー中に組み込まれる官能化された微粒子またはウィスカーの量は、使用されるそれぞれの材料および得られるポリマー材料の望ましい特性に応じて、広い範囲にわたって変更してもよい。一般に、ポリマー材料(または、ポリマー材料を形成するために使用される前駆体)中に組み込まれる官能化された微粒子またはウィスカーの量は、組成物の総重量に基づいて、約1〜約30重量%、しばしば約3〜約20重量%、およびさらに通常は約8〜約15重量%の範囲にわたる。
耐摩耗性は、ASTM D4060-10などの当業者に周知である標準的な技法を用いて測定してもよい。図1〜4に関連して、本明細書において記載される官能化された微粒子およびウィスカーは、様々なタイプのポリマーにおける耐摩耗性を劇的に改善することが見出された。図1は、官能化されたSiC粒子により改変されたフルオロポリマーコーティングが、カーボンブラックにより改変されたフルオロポリマーコーティングよりも200%長い寿命を呈し、SiC粒子により改変されたフルオロポリマーコーティングよりも45%長い寿命を呈したことを示す。
図2は、フェノール樹脂についての耐摩耗性における改善を示す。左側のバーは、8000回の試験サイクル後の改変されていない樹脂の重量損失を示す。SiCウィスカーで改変されたフェノール樹脂においては改善が見られなかった(中央のバー)。しかしながら、官能化されたSiCウィスカーで改変されたフェノール樹脂(右側のバー)は、改変されていない樹脂を上回る45%の改善を呈した。
図3は、不飽和ポリエステル樹脂についての耐摩耗性を示す。左手側のバーは、改変されていない樹脂について8000回の試験サイクル後の重量損失を示す。中央のバーは、SiCウィスカーを含んだ樹脂についての結果を示す(改変されていない樹脂を上回る28%の改善)。右側のバーは、官能化されたSiCウィスカーで改変された樹脂が、改変されていない樹脂を上回る51%の改善を呈したことを示す。
図4は、ポリウレタン樹脂についての耐摩耗性の結果を示す。官能化されたSiCウィスカーで改変された樹脂(右側のバー)は、改変されていない樹脂(左側のバー)を上回る18%の改善を呈し、一方、SiCウィスカーで改変された樹脂は、改変されていない樹脂を上回る有意な改善を呈さなかった。
官能化された無機微粒子および無機ウィスカーはまた、耐摩耗性に加えて、増加した電気伝導率、増加した曲げ弾性率、増加したヤング率、増加した熱伝導率、および増加した比熱を含む、様々な他の特性も、ポリマー材料に付与し得る。
以下の実施例は、例示の目的で提供されるものであり、本発明を限定するものとしてみなされるべきではない。
実施例1:アミン官能化されたSiCを含有するポリエステル樹脂の改善された耐摩耗性
SiCの表面を活性化するために、炭化ケイ素ウィスカーをフッ素ガスで処理し、その後酸素で処理した。酸素パージが表面上のフッ素部分と反応し、表面上に水酸(-OH)基が存在する酸化された表面が作製された。
次いで、このヒドロキシル化された表面を有機シランと反応させた。有機シランは、縮合反応で表面上の-OHと反応する活性Si-OH基を有する。水が放出され、その結果、有機シラン分子を表面に結合させるシロキサンカップリングが生じる。
有機シラン中の有機官能基は、アミン構成要素を含む。このアミン構成要素は、ウレタン、および恐らく他のポリマーと反応性である。その結果、炭化ケイ素ウィスカーとポリマーマトリクスとの間に化学結合が生じる。
アミン官能化されたSiCウィスカーを含有するポリエステル樹脂を、木製基材上にコーティングした。得られたコーティングを硬化させた。次いで、それを以下の条件の下でテーバー摩耗試験に供した。
摩耗輪:CS-17
適用重量:1000g
本実施例は、SiCウィスカーが添加されていないベースポリエステル樹脂、5%の未処理SiCウィスカーを含有するベースポリエステル樹脂、ならびに、1、3、および5%の有機シランで処理された5%のSiCウィスカーを含有するベースポリエステル樹脂を試験した。結果を、下の表1に示す。
(表1)アミン官能化されたSiCを含有する不飽和ポリエステル樹脂の耐摩耗性
Figure 0005869675
実施例2:エポキシ官能化されたSiCを含有するポリエステル樹脂の改善された耐摩耗性
SiCの表面を活性化するために、炭化ケイ素ウィスカーをフッ素ガスで処理し、その後酸素で処理した。酸素パージが表面上のフッ素部分と反応し、表面上に水酸(-OH)基が存在する酸化された表面が作製された。
次いで、このヒドロキシル化された表面を有機シランと反応させた。有機シランは、縮合反応で表面上の-OHと反応する活性Si-OH基を有する。水が放出され、その結果、有機シラン分子を表面に結合させるシロキサンカップリングが生じる。
本実施例において、有機シラン中の有機官能基は、エポキシ構成要素を含む。このエポキシ構成要素は、エポキシベースのポリマー、および恐らく他のポリマーと反応性である。その結果、炭化ケイ素ウィスカーとポリマーマトリクスとの間に化学結合が生じる。
本実施例において、エポキシ官能化されたSiCウィスカーを含有するポリエステル樹脂を、木製基材上にコーティングした。得られたコーティングを硬化させた。次いで、それを以下の条件の下でテーバー摩耗試験に供した。
摩耗輪:CS-17
適用重量:1000g
本実施例は、SiCウィスカーが添加されていないベースポリエステル樹脂、5%の未処理SiCウィスカーを含有するベースポリエステル樹脂、ならびに、1、3、および5%の有機シランで処理された5%のSiCウィスカーを含有するベースポリエステル樹脂を試験した。結果を、下の表2に示す。
(表2)エポキシ官能化されたSiCを含有する不飽和ポリエステル樹脂の耐摩耗性
Figure 0005869675
実施例3:ポリウレタンの改善された耐摩耗性
SiCの表面を活性化するために、炭化ケイ素ウィスカーをフッ素ガスで処理し、その後酸素で処理した。酸素パージが表面上のフッ素部分と反応し、表面上に水酸(-OH)基が存在する酸化された表面が作製された。
次いで、このヒドロキシル化された表面を有機シランと反応させた。有機シランは、縮合反応で表面上の-OHと反応する活性Si-OH基を有する。水が放出され、その結果、有機シラン分子を表面に結合させるシロキサンカップリングが生じる。
本実施例において、有機シラン中の有機官能基は、アミン構成要素を含む。このアミン構成要素は、ウレタン、および恐らく他のポリマーと反応性である。その結果、炭化ケイ素ウィスカーとポリマーマトリクスとの間に化学結合が生じる。
本実施例において、アミン官能化されたSiCウィスカーを含有する水ベースのポリウレタン樹脂を、木製基材上にコーティングした。得られたコーティングを硬化させた。次いで、それを以下の条件の下でテーバー摩耗試験に供した。
摩耗輪:CS-17
適用重量:1000g
本実施例は、SiCウィスカーが添加されていないベースポリエステル樹脂、5%の未処理SiCウィスカーを含有するベースポリエステル樹脂、ならびに、1、3、および5%の有機シランで処理された5%のSiCウィスカーを含有するベースポリエステル樹脂を試験した。結果を、下の表3に示す。
(表3)エポキシ官能化されたSiCを含有する不飽和ポリエステル樹脂の耐摩耗性
Figure 0005869675
本発明を実施する現在好ましい様式を含む具体例に関して、本発明を記載してきたが、添付の特許請求の範囲に示されるような本発明の精神および範囲内にある、上記のシステムおよび技術の多数の変形態様および置換が存在することを、当業者は認識するであろう。

Claims (14)

  1. 官能化された炭化ケイ素をポリマー前駆体、オリゴマー、または架橋剤と共に共重合させることにより形成されたポリマー材料であって、前記官能化された炭化ケイ素が、少なくとも1つの有機官能基部分を有するカップリング剤に共有結合した炭化ケイ素ウィスカーを含み、ならびに前記少なくとも1つの有機官能基部分が、アルカン、アルケン、アルコール、エポキシ、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、ビニル、モノアミン、ジアミン、トリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、前記ポリマー材料。
  2. ウィスカーが、0.2〜10μmの直径、および10:1〜25:1のアスペクト比を有する、請求項1記載のポリマー材料。
  3. ポリマーが、フルオロポリマー、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ノボラック樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載のポリマー材料。
  4. 炭化ケイ素微粒子または炭化ケイ素ウィスカーを提供する工程;
    1つまたは複数の反応基を含有する処理された表面を形成するように、前記炭化ケイ素を表面処理する工程;
    前記炭化ケイ素の処理された表面上の反応基を共有結合させるのに十分な条件の下で、前記処理された表面を、反応基および有機官能基を有するカップリング剤と接触させる工程であって、前記有機官能基が、アルカン、アルケン、アルコール、エポキシ、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、ビニル、モノアミン、ジアミン、トリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、前記工程;ならびに
    ポリマー前駆体、オリゴマー、または架橋剤を、官能化された炭化ケイ素微粒子または炭化ケイ素ウィスカーと共に共重合させて、ポリマー材料を形成させる工程
    を含む、ポリマー材料を調製する方法。
  5. 炭化ケイ素がウィスカーの形態である、請求項4記載の方法。
  6. ウィスカーが、0.2〜10μmの直径、および10:1〜25:1のアスペクト比を有する、請求項4記載の方法。
  7. 炭化ケイ素が微粒子の形態である、請求項4記載の方法。
  8. 炭化ケイ素を熱酸化により表面処理する、請求項4記載の方法。
  9. 炭化ケイ素を化学酸化により表面処理する、請求項4記載の方法。
  10. カップリング剤が有機シランを含む、請求項4記載の方法。
  11. カップリング剤が有機金属化合物を含む、請求項4記載の方法。
  12. カップリング剤の反応基が、メトキシ、エトキシ、およびアセトキシからなる群より選択される、請求項10記載の方法。
  13. 官能化された炭化ケイ素をポリマーと接触させる工程をさらに含む、請求項4記載の方法。
  14. ポリマー材料が、フルオロポリマー、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ノボラック樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13記載の方法。
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