JPH05132727A - SiCウイスカーとAl合金粉末の均質混合法 - Google Patents

SiCウイスカーとAl合金粉末の均質混合法

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JPH05132727A
JPH05132727A JP3321071A JP32107191A JPH05132727A JP H05132727 A JPH05132727 A JP H05132727A JP 3321071 A JP3321071 A JP 3321071A JP 32107191 A JP32107191 A JP 32107191A JP H05132727 A JPH05132727 A JP H05132727A
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JP
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alloy powder
sic
sic whisker
sic whiskers
whiskers
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JP3321071A
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English (en)
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Minoru Fukazawa
稔 深沢
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末冶金法でSiCウイスカー強化Al合金
複合材を製造するための工業的な原料調製手段として好
適なSiCウイスカーとAl合金粉末の均質混合法を提
供する。 【構成】 SiCウイスカーを珪素官能基型カップリン
グ剤とともに高速撹拌してSiCウイスカーの表面にカ
ップリング剤を 0.2〜4.5cm3/100g の範囲で結合させ
る。該SiCウイスカーに対しAl合金粉末を1:1〜
9の重量比率で配合したのち、配合物を分散濃度が 350
〜1100g/l になるようにエタノールに撹拌分散させる。
ついで、分散液を急速濾過して得られたケーキを乾燥処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SiCウイスカー強化
Al合金複合材を焼結形成するための原料調製として有
効なSiCウイスカーとAl合金粉末の均質混合法に関
する。
【0002】
【従来の技術】SiCウイスカーは熱的、化学的に頗る
安定であるうえ、卓越した比強度および比弾性率を備え
ているため、金属材料とくに軽量なAl合金材の複合強
化材として有用されており、現在、SiCウイスカーの
プリフォームにAl合金溶湯を高圧下に含浸させる溶湯
鍛造法やSiCウイスカーとAl合金粉末の混合物をホ
ットプレスにより焼結する粉末冶金法などによって工業
的に製造されている。
【0003】このうち、粉末冶金法でSiCウイスカー
強化Al合金複合材を製造する場合には、原料系となる
SiCウイスカーとAl合金粉末の混合状態が複合性能
に大きな影響を与えるため、両成分をいかに均質に相互
分散させるかが製造技術上の重要な課題とされている。
ところが、SiCウイスカーの生成状態は微細な針状結
晶が無方向に絡み合って藻草状の凝集組織を呈している
ため、そのままの形態で単純な機械的撹拌手段を用いて
混合しようとしてもAl合金粉末と均質に分散混合する
ことができない。
【0004】このため、予めウイスカーの絡みを解きほ
ぐしたのちマトリックス金属粉末と混合する方法が提案
されている。例えば、ウイスカーを有機溶媒中で超音波
振動を加えて絡みを解きほぐしてから金属粉末を加えて
混合し、これを吸引濾過したのち真空乾燥する方法(特
開昭60−251922号公報) 、SiCウイスカー生成物を有
機溶媒中で希薄な分散濃度状態(60g/l以下) で撹拌して
絡みを解きほぐしたのち分散濃度を高めて撹拌を継続し
ながら金属粉末を加え、ついで急速濾過して形成したケ
ーキを乾燥する方法(特開昭63−33532 号公報) 等があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た超音波振動や特定条件下による撹拌法は煩雑な工程操
作を伴うわりには凝集分散の効果が顕著に現れないとい
う未解決な課題が残されている。
【0006】本発明者は、この課題を解決するためSi
Cウイスカー生成物の凝集原因について検討した結果、
ウイスカー相互の凝集現象は単なる物理的な絡み合いば
かりでなく、個々のSiCウイスカー表面に介在するシ
ラノール基(Si−OH)による強い極性引力の作用に
起因しており、該シラノール基の引力作用を弱化させる
ことにより解きほぐしが効果的に改善されることを解明
した。
【0007】本発明は、前記の知見を基にしてSiCウ
イスカーとAl合金粉末の最も好適な均質混合の諸条件
につき多角的な研究を重ねて開発に至ったもので、その
目的は粉末冶金法によりSiCウイスカー強化Al合金
複合材を得る場合の焼結原料調製手段として好適なSi
CウイスカーとAl合金粉末の均質混合法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるSiCウイスカーとAl合金粉末の均
質混合法は、SiCウイスカーを珪素官能基型カップリ
ング剤とともに高速撹拌してSiCウイスカーの表面に
珪素官能基型カップリング剤を 0.2〜4.5cm3/100g の範
囲で結合させ、該SiCウイスカーに対しAl合金粉末
を1:1〜9の重量比率で配合したのち、配合物を分散
濃度が 350〜1100g/l になるように有機溶媒に撹拌分散
させ、ついで分散液を急速濾過して得られたケーキを乾
燥処理することを構成上の特徴とする。
【0009】本発明の第1の処理工程は、藻草状のSi
Cウイスカー生成物を珪素官能基型カップリング剤とと
もに高速撹拌し、絡みを解きほぐしながらSiCウイス
カーの表面にカップリング剤成分を被着結合させる段階
で、例えば回転翼を備える高速回転型の撹拌混合器を用
いておこなわれる。撹拌操作は、SiCウイスカーの凝
集を完全に解きほぐし、同時に珪素官能基型カップリン
グ剤を気化させるため、少なくとも回転周速が10m/s と
なる高速条件でおこなうことが好ましい。
【0010】珪素官能基型カップリング剤としては、高
速撹拌時に気化してSiCウイスカー表面のシラノール
基と脱水素結合を生じる比較的分子量の小さいものから
選択されるが、本発明の目的にはメチルハイドロジエン
ポリシロキサンが好適に用いられる。珪素官能基型カッ
プリング剤の添加量は、SiCウイスカーの表面に結合
する量として 0.2〜4.5cm3/100g の範囲に設定する。こ
の量が0.2cm3/100g 未満であるとシラノール基の脱水素
結合が不十分となって凝集化を有効に阻止する機能が減
退し、4.5cm2/100g を越えると効果が飽和し、経済的で
なくなる。
【0011】ついで、カップリング処理されたSiCウ
イスカーとAl合金粉末を配合し湿式撹拌する分散工程
に移る。この工程は、例えばエタノール、メタノール、
アセトン、エーテルのような常用の有機溶媒中に前記の
SiCウイスカーとAl合金粉末を投入し、機械的に撹
拌する操作でおこなわれる。この際、用いる撹拌装置は
上述のカップリング処理工程で使用した高速回転型の撹
拌混合器をそのまま適用してもよく、別に用意した撹拌
型混合器を用いてもよい。
【0012】Al合金粉末には、望ましくは平均粒子径
が1〜50μm の微細粉を用い、該Al合金粉末をSiC
ウイスカー1に対して1〜9になる重量比率で配合す
る。配合するAl合金粉末の重量比率が1:1を下廻る
と分散不良が生じるようになり、他方1:9を越えると
SiCウイスカーの複合率が不足して目的の強化性能が
得られなくなる。この配合物は分散濃度が 350〜1100g/
l になるように有機溶媒に投入して撹拌分散させる。分
散濃度が350g/l未満になるとAl合金粉末とSiCウイ
スカーの比重および形状差に基づく分離が生じるように
なり、1100g/l を越えるような高濃度になると撹拌分散
が円滑に進行しなくなる。
【0013】ついで、分散液を吸引または加圧下に急速
濾過し、引き続き得られた濾過ケーキを乾燥処理したの
ち必要に応じ粉砕操作を施してSiCウイスカーとAl
合金粉末が均質の混合した粉体を得る。
【0014】
【作用】本発明によれば、SiCウイスカーと珪素官能
基型カップリング剤とを高速撹拌する工程で、SiCウ
イスカー生成物の物理的な凝集組織を解体して個々の針
状結晶に解きほぐされ、同時にSiCウイスカーの表面
に介在するシラノール基にカップリング剤の珪素官能基
が結合して吸引親和力を化学的に減退させる。したがっ
て、この段階でSiCウイスカーの絡みは完全に解繊さ
れ、二次的に凝集現象を起こすこともなくなる。
【0015】ついで、特定された配合比率および分散濃
度の条件下において、カップリング処理後のSiCウイ
スカーをAl合金粉末とともに有機溶媒中で湿式撹拌す
る分散化工程を通じて常に両成分が均質に分散した混合
状態を形成することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1〜4、比較例1〜3 平均直径 0.4μm 、平均長さ20μm のβ結晶系SiCウ
イスカー〔東海カーボン(株)製、“トーカウイスカー
TWS-100 ”〕100gに珪素官能基型カップリング剤として
メチルハイドロジエンポリシロキサンを配合量を変えて
添加し、回転翼ミキサーに入れて最大周速18m/s で10分
間高速撹拌処理をおこなった。ついで、ミキサー中に平
均粒径40μm のAl合金粉末(6160組成) 495gとエタノ
ール800ml を入れ30分間に亘り撹拌分散させた。分散液
を吸引下に急速濾過してエタノール成分を除去し、得ら
れたケーキを80℃の温度域で乾燥処理したのち砕いてS
iCウイスカーとAl合金粉末の混合物を調製した。
【0017】調製した各混合物をホットププレスにより
温度 550℃、圧力1t/cm2 の条件で焼結してSiCウイ
スカー強化Al合金複合材を作製した。得られた各複合
材を切断加工して中心部を露出させ、この面を鏡面研磨
して金属顕微鏡で観察した。その観察結果をカップリン
グ剤の配合量ちょ対比させて表1に示した。なお、表1
の評価判定は次の基準でおこなった。 ○:分散するSiCウイスカーが極めて均質。 △:分散するSiCウイスカーの一部に凝集が認められ
る。 ×:分散するSiCウイスカーの凝集状態が非常に多
い。
【0018】
【表1】
【0019】実施例5〜7、比較例4〜8 実施例1と同一の条件でSiCウイスカー100gにカップ
リング処理を施したのち平均粒径30μm のAl合金粉末
(2024 組成)を配合し、実施例1と同様に湿式撹拌分
散、急速濾過、乾燥および解砕処理をおこなってSiC
ウイスカーとAl合金粉末の混合物を調製した。この
際、珪素官能基型カップリング剤およびAl合金粉末の
配合量、分散濃度などを変動させた。
【0020】各混合物を直径50mmの金型に充填してホッ
トプレスにセットし、1×10-6torrの真空中で 500℃の
温度に12時間加熱したのち、1.5t/cm2の圧力を加えて焼
結処理した。得られた各SiCウイスカー強化Al合金
複合材につき実施例1と同様にして複合面の顕微鏡観察
をおこない、同時にSiCウイスカー含有量の変動およ
び材料の引張強度を測定した。それらの結果を変動条件
と対比させて表2に示した。なお、SiCウイスカー含
有量の変動は複合材ビレットを5分割して各試片におけ
る含有量のバラツキ(標準偏差)により、また引張強度
は複合材ビレットの一部を外径48mmに加工して温度 450
℃、圧力3〜6t/cm2 の条件で外径16mm(押出比9)に
押出し加工したのち、T6 処理を施したものについて測
定した。
【0021】
【表2】
【0022】表2の結果から、本発明の処理要件を満た
す各実施例の複合材はいずれもSiCウイスカーの分散
状態が良好で分布に変動がなく、優れた強度性能を示す
ものであった。これに対し、本発明の要件のいずれかが
外れる比較例ではSiCウイスカーの分散性や材質強度
が低下していることが認められた。
【0023】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば予めSi
Cウイスカーに単純な撹拌操作と同時に化学的なカップ
リング処理を施し、更に特定された条件でAl合金粉末
と湿式撹拌して分散処理することによりSiCウイスカ
ーの凝集が完全に解きほぐされた状態で相互分散する極
めて均質組織のSiCウイスカーとAl合金粉末の混合
物を得ることができる。したがって、SiCウイスカー
を強化材として粉末冶金法によりAl合金複合材を製造
するための工業的な原料調製手段として極めて有用であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiCウイスカーを珪素官能基型カップ
    リング剤とともに高速撹拌してSiCウイスカーの表面
    に珪素官能基型カップリング剤を 0.2〜4.5cm3/100g の
    範囲で結合させ、該SiCウイスカーに対しAl合金粉
    末を1:1〜9の重量比率で配合したのち、配合物を分
    散濃度が 350〜1100g/l になるように有機溶媒に撹拌分
    散させ、ついで分散液を急速濾過して得られたケーキを
    乾燥処理することを特徴とするSiCウイスカーとAl
    合金粉末の均質混合法。
JP3321071A 1991-11-08 1991-11-08 SiCウイスカーとAl合金粉末の均質混合法 Pending JPH05132727A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014527961A (ja) * 2011-09-06 2014-10-23 アドバンスト コンポジット マテリアルズ エルエルシー ポリマーの耐摩耗性を改善するための官能化された炭化ケイ素および官能化された無機ウィスカー
JP2016145403A (ja) * 2015-02-09 2016-08-12 国立研究開発法人産業技術総合研究所 混合粒子、混合粒子を含むスラリー、複合体、および接合体

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JP2014527961A (ja) * 2011-09-06 2014-10-23 アドバンスト コンポジット マテリアルズ エルエルシー ポリマーの耐摩耗性を改善するための官能化された炭化ケイ素および官能化された無機ウィスカー
JP2016145403A (ja) * 2015-02-09 2016-08-12 国立研究開発法人産業技術総合研究所 混合粒子、混合粒子を含むスラリー、複合体、および接合体

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