JPH10245642A - アルミニウム基超微細粒子酸化物複合材の製造法 - Google Patents

アルミニウム基超微細粒子酸化物複合材の製造法

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JPH10245642A
JPH10245642A JP5050297A JP5050297A JPH10245642A JP H10245642 A JPH10245642 A JP H10245642A JP 5050297 A JP5050297 A JP 5050297A JP 5050297 A JP5050297 A JP 5050297A JP H10245642 A JPH10245642 A JP H10245642A
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JP
Japan
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aluminum
powder
oxide composite
inorganic compound
producing
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JP5050297A
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English (en)
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Toshisuke Shibata
利介 柴田
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YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性に優れたアルミニウム又はア
ルミニウム合金と超微細酸化物との複合材を提供する。 【解決手段】 a)アルミニウム又はアルミニウム合金
粉末に無機化合物粉末を均一混合する工程、b)均一混
合された粉末集合体を型内に充填し、これに高電圧、高
電流を短時間通電して粉末同士を焼結する工程、よりな
る。アルミニウム又はアルミニウム合金粉末の平均粒径
は1〜500μm、無機化合物粉末の平均粒径は5〜5
0nmであり、b)工程における条件は、電圧3kV以
上、電流密度50kA/cm2以上、通電時間10〜5
00μsecである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性に優れ
たアルミニウム又はアルミニウム合金粉末と超微細酸化
物、炭化物などの無機化合物との複合材料からなる成形
品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の複合材料からなる成形品
の製造方法としては、特開平6−93361号公報(段
落0010〜0012参照)に開示のものが知られてい
る。
【0003】その方法の一つは、合金溶湯中に酸化物粒
子(アルミナ)を添加、分散させ、これを鋳造する方法
であり、他の一つは、合金粉末と酸化物粒子とを混合
し、メカニカルアロイングやその他の方法で複合粉末を
作製し、これを固化成形する方法である。
【0004】前者の場合、溶湯中に酸化物粒子を均一に
分散させることおよび鋳造されたものが均一に分散化さ
れたものにはなり難く、不均一な部分が生じやすく、機
械的特性のさらなる向上が期待できない。後者の場合、
メカニカルアロイング等により作製された複合粉末の表
面に酸化皮膜が形成され、この酸化皮膜により粉末同士
の接合が十分に行えないという問題があり、前者と同様
に機械的特性のさらなる向上が期待できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決し、さらに機械的特性に優れた複合材料からなる成
形品を提供することを目的とし、さらに一般的に延性に
乏しい複合材料に延性を付与できるような複合材料から
なる成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記a)、
b)の各工程からなることを特徴とするアルミニウム基
超微細粒子酸化物複合材の製造法である。
【0007】a)アルミニウム又はアルミニウム合金粉
末に超微細無機化合物粉末を均一に混合する工程、 b)均一混合された粉末集合体を型内に充填し、これに
高電圧、高電流を短時間通電して粉末同士を焼結する工
程、 又、b)工程における焼結後、さらに塑性加工を施して
も良い。
【0008】a)工程で使用する粉末材料はマトリック
ス粉末とマトリックス強化粉末とに大別されるが、マト
リックス粉末としては、アルミニウム又はアルミニウム
合金があり、具体的には純アルミニウム、既存のアルミ
ニウム合金、非平衡相からなるアルミニウム合金などが
ある。ここで非平衡相からなる合金とは、アモルファス
相、過飽和固溶体相、準結晶相あるいはこれらの混相か
らなる組織を有するものである。これらの粉末の製造に
当たっては特に限定はなく、粉砕により得られたもの、
アトマイズ法あるいはメカニカルアロイング法など直接
得たもののいずれであっても差しつかえない。これらの
粉末は、後述するマトリックス強化粉末との関係で、す
なわち、より均一微細分散させ、機械的特性を向上させ
るため、平均粒径1〜500μmのものが好ましい。
【0009】マトリックス強化粉末は無機化合物粉末で
あり、酸化物、炭化物、窒化物その他の化合物粒子であ
るが、具体的にはアルミナ(Al23)、チタニア(T
iO2)、ジルコニア(ZrO2)などの酸化物粉末が特
に好ましい。これらのアルミナを含む酸化物を組織中に
分散させることにより、高温の熱的安定性に優れるとと
もに高温強度が著しく高く、熱処理に対しても強い材料
が提供できる。これらの粉末は、前述したマトリックス
粉末との関係および複合材料からなる成形品に延性を付
与することを考慮すると、従来使われてきたものより粒
子径の非常に小さな平均粒径が5〜50nmである超微
粒子が好ましい。5nm未満の場合、マトリックス強化
粉末の存在による転位の固着が防止できない(ピンニン
グ効果が期待できない)。そのため強度の向上が見られ
ない結果となる。50nmを超えた場合、ある程度の高
強度化はできるものの、従来の複合材と比べて特徴がな
くなる。
【0010】マトリックス粉末中に存在するマトリック
ス強化粉末は、その均一分散状態を維持し、結晶粒の粗
大化および材料に延性を付与するため、体積率で10〜
40%存在することが好ましい。
【0011】上述の粉末同士の均一混合は、具体的には
メカニカルグラインディング法(MG法)によって行わ
れる。ここでの均一混合が最終的に作製される成形品の
組織を決めるため、この処理が非常に重要である。
【0012】放電焼結法すなわち均一混合された粉末集
合体に高電圧、高電流を短時間通電して粉末同士を焼結
させる方法は、粉末特にマトリックス粉末表面に形成さ
れた酸化皮膜を除去(破壊し、マトリックス中に固溶す
る)するためには重要な工程であり、酸化皮膜を除去し
て、粉末同士を接合することにより延性を付与できると
ともに、マトリックス強化粉末を均一に分散して存在さ
せることにより強度向上を達成できる。
【0013】放電焼結後の具体的な方法は、特開平2−
125802号公報に開示されるものである。すなわ
ち、型内に充填した粉末(原料)に3kV以上の高電圧
で、かつ、50kA/cm2以上の高電流を10〜50
0マイクロセカンド(μsec)の短時間の間に通電す
るものである。
【0014】その装置は、粉末集合体を充填すべき空間
を有するセラミック製成形型内の一対向面に一対の通電
電極を設け、粉末集合体充填後、上方からセラミック製
パンチで粉末集合体を加圧した状態でこの粉末集合体に
放電電流を通すものである。最終的な成形品の密度は9
9%以上であることが好ましいが、この場合、放電焼結
法により、固化材の密度を70〜95%、より好ましく
は90〜95%にし、その後、押出、鍛造などの塑性加
工を施すことにより、密度99%以上にすることが成形
品の密度を向上させる、あるいは加工を容易に行う上で
有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】平均粒径36μmのアルミニウム
(純アルミ)粉末と、平均粒径50nmのアルミナ(A
23)粉末とに0.75wt%のステアリン酸を加
え、メカニカルグライディング(MG)処理を行った。
MG処理は室温でボールと粉末との比を10:1とし、
回転速度200rpmにて行った。なお、処理に際し、
粉末の酸化を防止するためArガス(不活性ガス)雰囲
気にて行った。
【0016】アルミナの混合量およびMG処理時間(最
適混合時間)は表1に示す通りである。又、MG処理後
の粉末について、粉末硬度を測定した結果を表1に合わ
せて示す。
【0017】
【表1】
【0018】次に表1中のアルミナ体積率20%の粉末
集合体(Al−20vol%Al23)に放電焼結処理
を施した。放電焼結処理は粉末集合体に3.6kJ/g
(電圧9kV、電流150kA)の投入エネルギで30
0μsec行った。
【0019】図1に示すように放電焼結法により最終密
度87〜94%の焼結材(固化材)を得た。
【0020】さらに得られた焼結材に723K、1.2
GPaの荷重、0.6KSの条件でホットプレスを行っ
た。ホットプレスにより最終密度95%以上の成形品と
した。このようにして得られた固化材および成形品につ
いて、圧縮強度、降伏強度、圧縮歪みを調べた。この結
果を図1に示す。
【0021】最終密度94%の固化材は圧縮強度730
〜760MPa、降伏強度520〜570MPa、圧縮
歪み10.5〜10.9%であった。又、最終密度99
%の成形品は圧縮強度940MPa、降伏強度730M
Pa、圧縮歪み25%であった。
【0022】以上の結果より、本発明の焼結材(固化
材)および成形品は強度および延性に優れていることが
分かる。又、高温強度を調べたところ、300℃で78
0MPa、400℃で670MPa、500℃で470
MPaと非常に高い値を示した。このことより高温強度
が高く、高温下においても安定であることが分かる。さ
らに500〜600℃で歪速度10~2〜101で約10
00%の伸びを示し、この結果より高速超塑性を示すこ
とが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、高強度、高延
性を兼ね備えている複合材を提供できる。また、高温の
熱的安定性に優れるとともに高温強度が著しく高い複合
材を提供できる。さらに、高速超塑性を示すので、工業
化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例品の試験結果を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記a)、b)の各工程からなることを
    特徴とするアルミニウム基超微細粒子酸化物複合材の製
    造法。 a)アルミニウム又はアルミニウム合金粉末に超微細無
    機化合物粉末を均一混合する工程、 b)均一混合された粉末集合体を型内に充填し、これに
    高電圧、高電流を短時間通電して粉末同士を焼結する工
    程。
  2. 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金粉末
    の平均粒径が1〜500μmであり、無機化合物粉末の
    平均粒径が5〜50nmである請求項1記載のアルミニ
    ウム基超微細粒子酸化物複合材の製造法。
  3. 【請求項3】 混合される無機化合物粉末の量が体積率
    で10〜40%である請求項1記載のアルミニウム基超
    微細粒子酸化物複合材の製造法。
  4. 【請求項4】 無機化合物粉末が、アルミナ、チタニ
    ア、ジルコニアから選ばれる酸化物粒子である請求項1
    記載のアルミニウム基超微細粒子酸化物複合物の製造
    法。
  5. 【請求項5】 b)工程における条件が、電圧3kV以
    上、電流密度50kA/cm2以上、通電時間10〜5
    00μsecである請求項1記載のアルミニウム基超微
    細粒子酸化物複合材の製造法。
  6. 【請求項6】 焼結後さらに塑性加工を施こす請求項1
    記載のアルミニウム基超微細粒子酸化物複合材の製造
    法。
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Cited By (3)

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