JP4126742B2 - SiC粒子の製造方法 - Google Patents
SiC粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4126742B2 JP4126742B2 JP00658598A JP658598A JP4126742B2 JP 4126742 B2 JP4126742 B2 JP 4126742B2 JP 00658598 A JP00658598 A JP 00658598A JP 658598 A JP658598 A JP 658598A JP 4126742 B2 JP4126742 B2 JP 4126742B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- sic
- particles
- sic particles
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属基複合材料の強化材としてのSiC粒子の製造方法に関し、特に、AlまたはAl合金粉末と、Cおよび/またはSiの粉末を混合・成形後に直接的に固体反応させることによって生成される微細なSiC粒子を得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属基複合材料として、マトリックス中にSiC等の硬質な微細粒子を分散させた粒子分散型複合材料は、分散粒としてのセラミックス本来の特性と、さらに粒子を均一分散させることによる材料の破壊強度の向上、特に高温破壊特性の改善が可能となる。この内アルミニウムおよびその合金をベースとするものでは、粉末冶金法による製造が主体であったが、この方法では、切削工程が無くかなり複雑な製品を作ることは出来るが、強度的には低いものであり、かつ製造効率の点において問題があった。その他、レオキャスティング法によって半溶融スラリー状にて強化材を添加し攪拌する方法、またはメカニカルアロイング法等があるが、これらにおいても均質性および製造工程の複雑さからコスト上昇は避けられない。
【0003】
特に、マトリックスがAlまたはAl合金で強化材としてSiCである場合においては、元来Alの反応性が良いために、AlはSiより優先してCと反応する傾向にあり、所望のSiCが得られず、むしろその複合材としての特性を低下させることにもなりかねない。このため、安定してその強度向上効果を得ることはかなりの困難性が存在していた。
この分野の公知技術として、例えば特開平6−108180号公報には、Si:8〜16%のAl合金の溶湯にセラミックス粒等を添加してCと反応させてSiCを形成する方法が開示されている。しかし、この方法でも添加可能なSi量がAl量によって制約を受け、生成するSiC粒子が粗大であるという問題があった。
そこでAl系金属基複合材料において、強度向上に安定して機能させるためのSiC粒子を均一に分散させた粒子分散型複合材料をコスト的に有利に製造を可能とする技術開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、Al系金属基複合材料にSiCを均一に分散させる方法を検討し、出発原料粉としてAlまたはAl合金粉末、Si粉末、C粉末を混合して成形後、この成形体を加熱処理することによって、SiCを生成・分散させ、この成形体を溶融AlまたはAl合金に添加することによりAl系金属基複合材料を製造することを可能とする、強化材としてのSiC粒子の製造方法を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の目的は、前記SiCを均一に分散させる方法として、出発原料粉としてAl−SiまたはAl−Si合金粉末、C粉末を混合して成形後、前記工程によってSiCを生成・分散させ、この成形体を溶融Al金属または合金に添加することによりAl系金属基複合材料を製造することを可能とする、強化材としてのSiC粒子の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、前記SiCを均一に分散させ高強度化したAlまたはAl合金基複合材料を、内燃機関等の構成部材に適用する際にコスト的に有利となるAl系金属基複合材料を製造することを可能とする、強化材としてのSiC粒子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、アルミニウム系複合材料の強化材としてのSiC粒子の製造方法であって、AlまたはAl合金粉末と、Si粉末とC粉末を混合する工程と、前記混合物を圧縮することにより成形する工程と、前記成形体を不活性雰囲気中で加熱する工程からなることを特徴とするSiC粒子の製造方法によって達成される。
また、上記の目的は、アルミニウム系複合材料の強化材としてのSiC粒子の製造方法であって、Al−SiまたはAl−Si合金粉末と、C粉末を混合する工程と、前記混合物を圧縮することにより成形する工程と、前記成形体を不活性雰囲気中で加熱する工程からなることを特徴とするSiC粒子の製造方法によっても達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、アルミニウム系複合材料の強化材としてのSiC粒子を生成することができ、必要な量をAl溶湯に添加することにより、SiC複合Al合金を得ることができる。
第一発明では、(Al粉末またはAl合金粉末)+Si粉末+C粉末で、第二発明では、(Al−Si粉末またはAl−Si合金粉末)+C粉末で混合した粉末を成形し成形体となし、前記成形体を不活性雰囲気にて加熱してこの中にSiC粒子を生成させる。この初期の混合・成形工程では、混合のためにはダブルコーンブレンダまたはV字形混合機等が使用され、常圧下での成形法としては、プレス法、遠心力法、押出し法または静水圧法等を適用する。その他いかなる混合・成形装置も適用でき、要するに原料粉体が攪拌混合された状態で成形されるものであればよく、このことによって本発明の効果はいささかも影響されるものではない。
【0008】
また、前記不活性雰囲気には、Ar,He,N2 等を使用してもよいが、AlおよびCとの反応がおこさないためには、好ましくはArまたはHe雰囲気とする。
また、本発明の合成法はSiのCによる直接的炭化反応を利用する。この反応は発熱反応であるため温度管理には十分にこの発熱量を考慮して雰囲気制御をする必要がある。この反応においてAlは、前記炭化反応の反応助剤として、また反応の安定化の作用をするもので、このため、さらに好ましくはSi単独よりはSiを含有した合金粉末を使用する。なお、各原料粉の添加量は、後述の実施例にあるとおりC/Siは化学量論的当量比として、Alについては前記効果が期待できる量として、生成SiCの少なくとも1重量部以上となるようにする。
【0009】
その後、前記成形体の所要量をAlまたはAl合金の溶湯中に溶解してSiCを分散させるものである。この前記成形体を添加するAl合金としては、一般的なSiを含有するAl合金、例えばAl−Si,Al−Mg−Si系合金への適用が好ましく、その他構造用Al合金(Al−Cu,Al−Cu−Mg,Al−Mg,Al−Zn−Mg−Cu,Al−Zn−Mg等)でもSiの許容量までの添加によって高強度化が可能である。特に、内燃機関のピストン、軸受け等の部材への適用によって、前記SiCの分散強化による高温強度のさらなる改善が可能となる。
以下、本発明について実施例に基づいてさらに詳述する。
【0010】
【実施例】
実施例1
本実施例では、図2(a)〜(d)の製造工程によってSiCを製造したものである。先ず、混合工程では、図2(a)の原料粉末槽1〜3から4.5gのSi粉末と、2gの炭素粉末および10gのアルミニウム粉末を図2(b)のダブルコーンブレンダの混合機4に供給し、これらを均一に混合した。次に、図2(c)の加圧成形工程では、上下金型6内に前記混合粉末を入れ、上下パンチ6によって加圧するプレス法によって、直径30mm、高さ10mmの寸法を有する円盤状の成形体7に成形した。
次に、この成形体7を加熱装置8に入れ、アルゴン雰囲気9内で外熱式のヒーター10によって1200℃まで加熱し、この時発熱反応を十分に生じさせる時間保持した後、装置内で室温まで冷却した。
この冷却後の成形体について、成形体組織調査のため調査用サンプルを切り出し、顕微鏡によって内部組織観察を実施した。その結果、成形体の内部には多数の微細な粒子が析出しており、これらの析出粒子をX線回折法により同定したところ炭化珪素であることが確認できた。
【0011】
実施例2
本実施例では、実施例1と同様にして良好に合成することが出来た成形体としての炭化珪素粒子分散アルミニウムペレットを、850℃のアルミニウム溶湯およびアルミニウム−5wt%Cu溶湯中に入れたところ、このペレットは容易に溶解して、金型に凝固後室温に持ちきたり組織観察およびX線回折法を行った。その結果炭化珪素粒子が均一に分散した複合材料が得られたことを確認し、本実施例によって直接溶湯添加による製造が可能であることがわかった。
【0012】
実施例3
本実施例では、製造工程は図2(a)〜(d)と同様として、原料粉末を変更して本発明SiCを製造したものである。すなわち、混合工程で図2(a)の原料粉末槽1、2から、20gのAl−12wt%Si−3wt%Cu粉末と、1gの炭素粉末を図2(b)のダブルコーンブレンダの混合機4に供給し、これらを均一に混合した。その後、図2(c)の加圧成形工程では、上下金型6内に混合粉末を入れ、上下パンチ6によって加圧するプレス法によって、直径30mm、高さ10mmの寸法を有する円盤状の成形体7に成形した。
次に、この成形体7を加熱装置8に入れ、アルゴン雰囲気9内でヒーター10によって、1000〜1800℃まで100℃間隔で加熱温度を変えて加熱し、この時に発熱反応を生じさせた後、装置内で室温まで冷却した。
【0013】
この冷却後の成形体について、成形体から調査用のサンプルを切り出し内部組織観察を実施した。その結果、成形体の内部には多数の微細な粒子が析出しており、これらの析出粒子をX線回折法により同定したところ炭化珪素であることが確認できた。
これらの粒子の平均粒度と加熱温度との関係を図1に示す。いずれの成形体においても析出した炭化珪素粒子は微細であったが、特に1000〜1200℃の温度では2μm以下の粒径であり、好ましい範囲にあった。
次いで、良好に合成することのできた炭化珪素粒子分散アルミニウムペレットを、750℃のアルミニウム溶湯およびアルミニウム−3wt%Cu溶湯中に入れたところ、このペレットは溶湯に溶解して、炭化珪素粒子が均一に分散した金属基複合材料を製造することができた。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、金属基複合材料のSiC粒子をAl溶湯に所要の量添加することによって、効率よくSiC複合Al合金が得られる。また、固体反応による合成であるので、常温成形および不活性雰囲気加熱による製造工程の簡略化が図られ、かつ粒子径の安定化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3に係る加熱温度と平均粒子径の関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例1および3のSiC粒子の製造工程を示す概要図である。
【符号の説明】
1、2、3…原料粉末槽
4…混合機
5…金型
6…パンチ
7…成形体
8…加熱装置
9…不活性雰囲気
10…ヒーター
Claims (2)
- アルミニウム系複合材料の強化材としてのSiC粒子の製造方法であって、AlまたはAl合金粉末と、Si粉末とC粉末を混合する工程と、該混合物を圧縮することにより成形する工程と、該成形体を不活性雰囲気中で加熱する工程からなることを特徴とするSiC粒子の製造方法。
- アルミニウム系複合材料の強化材としてのSiC粒子の製造方法であって、Al−SiまたはAl−Si合金粉末と、C粉末を混合する工程と、該混合物を圧縮することにより成形する工程と、該成形体を不活性雰囲気中で加熱する工程からなることを特徴とするSiC粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00658598A JP4126742B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | SiC粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00658598A JP4126742B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | SiC粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11199950A JPH11199950A (ja) | 1999-07-27 |
JP4126742B2 true JP4126742B2 (ja) | 2008-07-30 |
Family
ID=11642416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00658598A Expired - Fee Related JP4126742B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | SiC粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4126742B2 (ja) |
-
1998
- 1998-01-16 JP JP00658598A patent/JP4126742B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11199950A (ja) | 1999-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4722751A (en) | Dispersion-strengthened heat- and wear-resistant aluminum alloy and process for producing same | |
WO2006006379A1 (ja) | マグネシウム基複合粉末、マグネシウム基合金素材およびそれらの製造方法 | |
RU2567779C1 (ru) | Способ получения модифицированных алюминиевых сплавов | |
CN117210727A (zh) | 一种含有原位自生亚微米TiC(N)颗粒的铝合金粉末及其应用 | |
JPH11293374A (ja) | 耐熱耐摩耗性アルミニウム合金およびその製造方法 | |
JP4126742B2 (ja) | SiC粒子の製造方法 | |
JPH0578762A (ja) | 強度に優れたTiAl基複合材料およびその製造方法 | |
CN112375935B (zh) | 一种制备耐高温高强度铸造铝铜合金的方法 | |
JP3777878B2 (ja) | 金属基複合材料の製造方法 | |
JP2000345254A (ja) | アルミニウム基複合材料およびその製造方法 | |
JPH0578708A (ja) | アルミニウム基粒子複合合金の製造方法 | |
JP3417217B2 (ja) | 炭化チタン粒子分散型金属基複合材料の製造方法 | |
JP3417666B2 (ja) | Al基金属間化合物強化複合部をもつ部材と、その製造方法 | |
JPH0428835A (ja) | 粒子分散複合材料の製造方法 | |
JPH07207302A (ja) | AlN分散型アルミニウム合金複合材料の製造方法 | |
JP2906277B2 (ja) | 高強度Al▲下3▼Ti基合金の製造方法 | |
JPH10195560A (ja) | 高耐熱性アルミニウム合金の製造方法および粒子圧着体の製造方法 | |
CN117921004A (zh) | 一种金属材料触变注射成型用原料及其制备方法和应用 | |
JPH07331356A (ja) | Al3Fe分散強化アルミニウム合金と粉末およびそれらの製造方法 | |
JP3234380B2 (ja) | 耐熱アルミニウム粉末合金 | |
JP3087913B2 (ja) | 粒子分散型複合材料とその製造方法 | |
JP2005068469A (ja) | マグネシウム基複合材料の製造方法およびマグネシウム基複合材料 | |
JPH01246340A (ja) | 粒子分散型合金とその製造方法 | |
ZLITINAH et al. | Some new directions in aluminum-based PM materials for automotive applications | |
JPH0776701A (ja) | 金属間化合物分散強化アルミニウム合金(粉末)およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041012 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060410 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080422 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080505 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |