JP2906277B2 - 高強度Al▲下3▼Ti基合金の製造方法 - Google Patents
高強度Al▲下3▼Ti基合金の製造方法Info
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- JP2906277B2 JP2906277B2 JP2172175A JP17217590A JP2906277B2 JP 2906277 B2 JP2906277 B2 JP 2906277B2 JP 2172175 A JP2172175 A JP 2172175A JP 17217590 A JP17217590 A JP 17217590A JP 2906277 B2 JP2906277 B2 JP 2906277B2
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Description
【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は強度と靭性を向上したAl3Ti基合金の製造方
法に関する。
法に関する。
b. 従来の技術 Al3Ti金属間化合物は比重が3.3と軽く、900℃付近で
も耐酸化性に優れることから、耐熱材料として有望視さ
れている。
も耐酸化性に優れることから、耐熱材料として有望視さ
れている。
これに関する公知技術として、Al粉、Al−Mn合金粉、
Mn粉のうちいずれか2種以上を選択してTi粉末に混合
し、またはAl−Mn合金粉末にTiを混合し、この混合物を
密閉容器に収納して脱気し、混合物の固相線以下の温度
で加熱焼成する方法がある(特開昭63−140049号「Ti−
Al系金属間化合物部材の成形法」)。
Mn粉のうちいずれか2種以上を選択してTi粉末に混合
し、またはAl−Mn合金粉末にTiを混合し、この混合物を
密閉容器に収納して脱気し、混合物の固相線以下の温度
で加熱焼成する方法がある(特開昭63−140049号「Ti−
Al系金属間化合物部材の成形法」)。
また、Al、Tiの粉末ブレンドを非酸化環境中で機械的
に合金化し、これをアルミニウムの固相線温度未満の温
度に加熱して、Al−Ti金属間化合物を調整する方法があ
る(特開昭62−146201号「以後の機械的合金応用のため
の金属間化合物および金属間化合物型前駆合金の製造
法」)。
に合金化し、これをアルミニウムの固相線温度未満の温
度に加熱して、Al−Ti金属間化合物を調整する方法があ
る(特開昭62−146201号「以後の機械的合金応用のため
の金属間化合物および金属間化合物型前駆合金の製造
法」)。
c. 発明が解決しようとする課題 しかしながらAl3Ti金属間化合物は、極めて脆い物性
を有し、また、この化合物が単相で存在しうるTi−62.8
wt%Al付近の組成のものを鋳造しようとすると、凝固区
間が長いために著しい引けが発生し、かつ凝固収縮が大
きいために割れが発生し易く、材料歩留りが悪い。
を有し、また、この化合物が単相で存在しうるTi−62.8
wt%Al付近の組成のものを鋳造しようとすると、凝固区
間が長いために著しい引けが発生し、かつ凝固収縮が大
きいために割れが発生し易く、材料歩留りが悪い。
そのため、前記のように粉末冶金法による製造法が試
みられているが、これらの方法は15〜40wt%Alの低Ti側
でのみ有効な手法であり、Al3Ti基合金の形成域では殆
ど効果を示さない。
みられているが、これらの方法は15〜40wt%Alの低Ti側
でのみ有効な手法であり、Al3Ti基合金の形成域では殆
ど効果を示さない。
このようにAl3Ti金属間化合物は、凝固区間が長く、
しかも組成範囲が狭いことによる鋳造技術の確立が難し
いため有効な製造方法が見当らない。
しかも組成範囲が狭いことによる鋳造技術の確立が難し
いため有効な製造方法が見当らない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、前記問題
点を解消してなるAl3Ti基合金の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
点を解消してなるAl3Ti基合金の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
d. 課題を解決するための手段 前記目的に添い、本発明はAl3Ti金属間化合物粉末、T
i−(50〜63)wt%Al合金粉末、Ti:Al=50〜37:50〜63w
t%の比率で混合した粉末のいずれかの1種からなる粒
径1〜50μmの粉体Aと、純銅粉末、リン青銅(Cu−
(3〜20)wt%Sn−(0〜1.5)wt%P)合金粉末、ア
ルミ青銅(Cu−(0〜15)wt%Al)合金粉末、其他の銅
合金系粉末のいずれかの1種からなる粒径1〜50μmの
粉体Bとを、粉体A:粉体B=85〜50:15〜50wt%の割合
で混合し、この混合粉を圧縮成形後、非酸化雰囲気で焼
結するか、または脱気して加圧成形することによって前
記課題を解消した。
i−(50〜63)wt%Al合金粉末、Ti:Al=50〜37:50〜63w
t%の比率で混合した粉末のいずれかの1種からなる粒
径1〜50μmの粉体Aと、純銅粉末、リン青銅(Cu−
(3〜20)wt%Sn−(0〜1.5)wt%P)合金粉末、ア
ルミ青銅(Cu−(0〜15)wt%Al)合金粉末、其他の銅
合金系粉末のいずれかの1種からなる粒径1〜50μmの
粉体Bとを、粉体A:粉体B=85〜50:15〜50wt%の割合
で混合し、この混合粉を圧縮成形後、非酸化雰囲気で焼
結するか、または脱気して加圧成形することによって前
記課題を解消した。
さらに本発明は前記粉体A及びBの混合粉の合計量に
対し、粒径1μm以下のホウ素を0.01〜0.1wt%の割合
で添加混合し、この混合粉を圧縮成形後、非酸化雰囲気
で焼結することを特徴とする高強度Al3Ti基合金の製造
方法とすることによって前記課題を解消した。
対し、粒径1μm以下のホウ素を0.01〜0.1wt%の割合
で添加混合し、この混合粉を圧縮成形後、非酸化雰囲気
で焼結することを特徴とする高強度Al3Ti基合金の製造
方法とすることによって前記課題を解消した。
さらに本発明は前記粉体A及びBの混合粉の合計量に
対し、粒径1μm以下のホウ素を0.5〜2wt%の割合で添
加混合し、この混合粉を圧縮成形して焼結したあと、さ
らに非酸化雰囲気で温度600〜1,050℃で0.5〜4時間保
持することを特徴とする高強度Al3Ti基合金の製造方法
とすることによって前記課題を解消した。
対し、粒径1μm以下のホウ素を0.5〜2wt%の割合で添
加混合し、この混合粉を圧縮成形して焼結したあと、さ
らに非酸化雰囲気で温度600〜1,050℃で0.5〜4時間保
持することを特徴とする高強度Al3Ti基合金の製造方法
とすることによって前記課題を解消した。
以下、本発明の実施例について第1図及び第2図を参
照しながら詳細に説明する。
照しながら詳細に説明する。
なお、本発明の方法で用いる粉体を、説明の都合上、
粉体A,B,C,Dとして表示する。各粉体の組成は次のとお
りである。
粉体A,B,C,Dとして表示する。各粉体の組成は次のとお
りである。
粉体Aは、下記のいずれか1種類の粉末とする。
Al3Ti金属間化合物(以下Al3Tiと略記する)粉末、 Ti−(50〜63)wt%Al合金粉末、 Ti:Al=50〜37:50〜63wt%の比率で混合した粉末、 粉体Bは、下記のいずれか1種類の粉末とする。
純銅粉末、 リン青銅(Cu−(3〜20)wt%Sn−(0〜1.5)wt
P)合金粉末、 アルミ青銅(Cu−(0〜15)wt%Al)合金粉末、 其他の銅合金系粉末、 粉体Cはホウ素(B)粉末である。
P)合金粉末、 アルミ青銅(Cu−(0〜15)wt%Al)合金粉末、 其他の銅合金系粉末、 粉体Cはホウ素(B)粉末である。
粉体Dはセラミックス(SiC,Al2O3,Si3N4等々)の微
粒子またはウイスカーである。
粒子またはウイスカーである。
また各粉体の粒径の最適範囲は次のとおりとする。
粉体A、粉体B :1〜50μm 50μmを越えると焼成後(後述)の
結晶粒が大きくなりすぎ、また1μm未満では後述する
粉体Dの固定化ができない。
結晶粒が大きくなりすぎ、また1μm未満では後述する
粉体Dの固定化ができない。
粉体C :1μm以下 粒界の強化剤に用いるため微細なほ
どよい。
どよい。
粉体D :1μm以下 粒子分散強化効果を得るには微細な
ほどよい。
ほどよい。
製造方法1 まず、前記粉体A及びBを、次の配合比(wt%)とな
るように秤量し、よく混合して混合粉を調製する(第1
図参照)。
るように秤量し、よく混合して混合粉を調製する(第1
図参照)。
粉体A:粉体B=85〜50:15〜50wt% ここで粉体Bが15wt%未満の場合には、粉体Aの焼結
性は改善されず、また50wt%を越えると比重が大きくな
り過ぎるとともに、高温強度が低下する。
性は改善されず、また50wt%を越えると比重が大きくな
り過ぎるとともに、高温強度が低下する。
なお、粉末の成形効率を向上させるため、潤滑剤とし
てステアリン酸亜鉛を前記混合粉に対して0.5wt%前後
添加して混合粉体Eを調製する。
てステアリン酸亜鉛を前記混合粉に対して0.5wt%前後
添加して混合粉体Eを調製する。
次にこの混合粉体Eを金型に充填し、少なくとも成形
圧力4t/cm2以上で加圧成形する。なお、成形圧力が4t/c
m2以下では後の工程で得られる焼結体は緻密化しない。
圧力4t/cm2以上で加圧成形する。なお、成形圧力が4t/c
m2以下では後の工程で得られる焼結体は緻密化しない。
次に、この成形体を真空中で第2図に示す要領で焼結
する。すなわち、室温(R.T)から5〜20℃/粉の昇温
速度で昇温させ、温度350〜450℃で0.5〜1時間保持し
たあと、再び同じ昇温速度で昇温させ、温度900〜1,000
℃で2〜4時間にわたって成形体を焼結する。
する。すなわち、室温(R.T)から5〜20℃/粉の昇温
速度で昇温させ、温度350〜450℃で0.5〜1時間保持し
たあと、再び同じ昇温速度で昇温させ、温度900〜1,000
℃で2〜4時間にわたって成形体を焼結する。
このようにして得られた焼結体に対し、直接仕上加工
を施すか、あるいはホットプレスまたはHIP処理を経て
焼結体内の空隙を消滅させたあと、仕上加工し製品を得
ればよい(第1図、X工程−1参照)。
を施すか、あるいはホットプレスまたはHIP処理を経て
焼結体内の空隙を消滅させたあと、仕上加工し製品を得
ればよい(第1図、X工程−1参照)。
なお、前記真空焼結に代ってアルゴンガス雰囲気によ
って加圧焼結(加圧力9.5kgf/cm2以下)をおこなっても
よい。この場合も第2図に示す焼成パターンで焼結する
が、350〜450℃で0.5〜1時間の保持領域までは成形体
内に含まれている潤滑剤のステアリン酸亜鉛を消失させ
る工程のため真空中で加熱し、以後はアルゴンガス雰囲
気で処理する。其後は、前記製造方法と同様に処理すれ
ばよい(第1図、X工程−2参照)。
って加圧焼結(加圧力9.5kgf/cm2以下)をおこなっても
よい。この場合も第2図に示す焼成パターンで焼結する
が、350〜450℃で0.5〜1時間の保持領域までは成形体
内に含まれている潤滑剤のステアリン酸亜鉛を消失させ
る工程のため真空中で加熱し、以後はアルゴンガス雰囲
気で処理する。其後は、前記製造方法と同様に処理すれ
ばよい(第1図、X工程−2参照)。
また、前記混合粉体Eを前記条件で圧縮成形したあ
と、この成形体の表面を液状ガラス物質(たとえば水ガ
ラス)で被覆したあと、200〜300℃の温度で仮焼してガ
ラスカプセルとする。ここで成形体とガラスの反応を抑
える目的で液状ガラスでこの成形体を被覆しておくこと
が必要である。このようにガラスカプセルに成形体を挿
入しかたちのものを脱気処理する。処理後、脱気通路を
遮断してカプセル内を真空状態とする。そしてこのカプ
セルにホットプレスまたはHIP処理を施して、前記方法
と同様に仕上げ加工をすればよい(第1図X工程−3参
照)。
と、この成形体の表面を液状ガラス物質(たとえば水ガ
ラス)で被覆したあと、200〜300℃の温度で仮焼してガ
ラスカプセルとする。ここで成形体とガラスの反応を抑
える目的で液状ガラスでこの成形体を被覆しておくこと
が必要である。このようにガラスカプセルに成形体を挿
入しかたちのものを脱気処理する。処理後、脱気通路を
遮断してカプセル内を真空状態とする。そしてこのカプ
セルにホットプレスまたはHIP処理を施して、前記方法
と同様に仕上げ加工をすればよい(第1図X工程−3参
照)。
次に前記混合粉体Eに対し、圧縮成形せず(この場合
は潤滑剤を添加せず)、この混合粉体Eを円筒または角
柱状の金属カプセルに挿入したあと、金属カプセルに設
けた脱気通路から真空ポンプ等によって脱気する。脱気
終了後、その通路を閉鎖しカプセル内を真空状態に維持
し、これにホットプレスまたはHIP処理を施す。
は潤滑剤を添加せず)、この混合粉体Eを円筒または角
柱状の金属カプセルに挿入したあと、金属カプセルに設
けた脱気通路から真空ポンプ等によって脱気する。脱気
終了後、その通路を閉鎖しカプセル内を真空状態に維持
し、これにホットプレスまたはHIP処理を施す。
このようにして得られた素材は丸棒または角柱状とな
っており、これに直接仕上加工を施すか、あるいは熱間
押出し後、仕上加工を施して製品とする(第1図、Y工
程参照)。
っており、これに直接仕上加工を施すか、あるいは熱間
押出し後、仕上加工を施して製品とする(第1図、Y工
程参照)。
以上、要するに製造方法1の特徴は銅合金系の粉末の
添加によって単体では全く焼結しないAl3Tiの焼結性を
改善し、目的とする材料を得ることにある。
添加によって単体では全く焼結しないAl3Tiの焼結性を
改善し、目的とする材料を得ることにある。
なお、ちなみにAl3Tiに30wt%のリン青銅を添加し、9
50℃で4時間、真空焼結して得られたAl3Ti基合金は、
アークまたはプラズマ溶解にて製造したAl3Tiインゴッ
ト材に比較して圧縮強度で2.1倍、破断歪で約2.7倍近く
向上した。
50℃で4時間、真空焼結して得られたAl3Ti基合金は、
アークまたはプラズマ溶解にて製造したAl3Tiインゴッ
ト材に比較して圧縮強度で2.1倍、破断歪で約2.7倍近く
向上した。
製造方法2 前記粉体A及びBを前記製造方法1と同じ配合比とな
るように秤量するとともに、これに粉体Cを添加する。
粉体Cの添加量は粉体Aと、粉体Bと、粉体Cの合計量
に対し、0.01〜0.1wt%とする。これを混合粉Fとし、
前記製造方法1の各工程と同じ要領で製造すればよい。
るように秤量するとともに、これに粉体Cを添加する。
粉体Cの添加量は粉体Aと、粉体Bと、粉体Cの合計量
に対し、0.01〜0.1wt%とする。これを混合粉Fとし、
前記製造方法1の各工程と同じ要領で製造すればよい。
この製造方法は粉体Cの添加によって得られるAl3Ti
基合金の物性を向上せしめたものである。ことえば粉体
C、すなわちホウ素を0.05wt%添加したことにより、前
記製造方法1によって製造したAl3Tiインゴット材に比
較して圧縮強度で約2.8倍、破断歪みで約4.2倍向上し
た。
基合金の物性を向上せしめたものである。ことえば粉体
C、すなわちホウ素を0.05wt%添加したことにより、前
記製造方法1によって製造したAl3Tiインゴット材に比
較して圧縮強度で約2.8倍、破断歪みで約4.2倍向上し
た。
製造方法3 前記製造方法2で添加する粉体C(すなわちホウ素)
の量をやや多く0.5〜2wt%添加したあと、これらをよく
混合して混合粉体Gとし、前記製造法と同じ要領により
Al3Ti基合金を製造する。すなわち粉体Aと粉体Bと粉
体Cの配合割合を99.5〜98:0.5〜2wt%としたものを前
記と同じ要領でまず処理する。
の量をやや多く0.5〜2wt%添加したあと、これらをよく
混合して混合粉体Gとし、前記製造法と同じ要領により
Al3Ti基合金を製造する。すなわち粉体Aと粉体Bと粉
体Cの配合割合を99.5〜98:0.5〜2wt%としたものを前
記と同じ要領でまず処理する。
なおホウ素添加量が多いこの素材は前記製造方法1で
得た素材より強度が低くなるため、さらに、このAl3Ti
基合金を粉体Bの液相線以下の温度、すなわち600〜1,0
50℃に、真空またはアルゴンガス雰囲気中で0.5〜4時
間保持し、含まれているホウ素を均一に分散させる。な
お600℃以下ではホウ素の拡散が鈍く、長時間を要す
る。これを1,050℃程度で処理すると0.5時間程度でよ
く、処理時間を短かくすることによって結晶粒の粗大化
による強度低下も防止することができる。
得た素材より強度が低くなるため、さらに、このAl3Ti
基合金を粉体Bの液相線以下の温度、すなわち600〜1,0
50℃に、真空またはアルゴンガス雰囲気中で0.5〜4時
間保持し、含まれているホウ素を均一に分散させる。な
お600℃以下ではホウ素の拡散が鈍く、長時間を要す
る。これを1,050℃程度で処理すると0.5時間程度でよ
く、処理時間を短かくすることによって結晶粒の粗大化
による強度低下も防止することができる。
なお、ホウ素1.0wt%添加して真空焼結(950℃で4時
間)したものをさらに真空中で1,050℃で0.5時間処理し
た素材は、通常の溶解法で製造したAl3Tiインゴット材
に比較して圧縮強度が約3.0倍破断歪みが約2.8倍に向上
した。
間)したものをさらに真空中で1,050℃で0.5時間処理し
た素材は、通常の溶解法で製造したAl3Tiインゴット材
に比較して圧縮強度が約3.0倍破断歪みが約2.8倍に向上
した。
製造方法4 この方法は前記粉体Aに対し、その粒子表面に前記D
粉体を固定化したものを用いる。この固定化の方法は主
として静電気引力によってAl3Ti粒子表面にセラミック
ス粒子の微粉を付着させただけのものの粉体を、高速回
転する衝撃子を備えたローター内に収容して、分散しな
がら衝撃力を主体とする機械的、熱的エネルギーを各粒
子に効率よく、かつローターに付設した循環回路を介し
て繰り返して短時間に与えて母粒子であるAl3Ti粒子の
表面に子粒子であるセラミック粒子を強く固定化する方
法である。
粉体を固定化したものを用いる。この固定化の方法は主
として静電気引力によってAl3Ti粒子表面にセラミック
ス粒子の微粉を付着させただけのものの粉体を、高速回
転する衝撃子を備えたローター内に収容して、分散しな
がら衝撃力を主体とする機械的、熱的エネルギーを各粒
子に効率よく、かつローターに付設した循環回路を介し
て繰り返して短時間に与えて母粒子であるAl3Ti粒子の
表面に子粒子であるセラミック粒子を強く固定化する方
法である。
ここで粉体A:粉体D=95〜80:5〜20wt%として粉体D
を固定化した粉体A′を製造する。
を固定化した粉体A′を製造する。
なおD粉体が5wt%未満の場合は粒子分散による強化
効果が少なく、20wt%を越えると脆くなる。
効果が少なく、20wt%を越えると脆くなる。
次に、これら粉体を次の組成比となるように秤量した
あと、混合する。
あと、混合する。
粉体A′:粉体B:粉体C=85〜50:15〜50:0.01〜0.1w
t%、 このようにして得られた混合粉を前記の製造方法によ
り焼結し、同様な方法で仕上加工を経て製品を得る。
t%、 このようにして得られた混合粉を前記の製造方法によ
り焼結し、同様な方法で仕上加工を経て製品を得る。
ちなみに、Al3TiにSiCを10wt%固定化した表面改質粉
にリン青銅を29.9wt%、ホウ素を0.05wt%添加してよく
混合したものを5,000kgf/cm2の成形圧力で成形し、950
℃、4時間にわたって真空中で焼結して得られた素材
は、前記の溶解法によって得た素材に比較して圧縮強度
が4.8倍、破断歪が約3倍程向上し、硬度もHv350から65
0程度まで向上させることができた。
にリン青銅を29.9wt%、ホウ素を0.05wt%添加してよく
混合したものを5,000kgf/cm2の成形圧力で成形し、950
℃、4時間にわたって真空中で焼結して得られた素材
は、前記の溶解法によって得た素材に比較して圧縮強度
が4.8倍、破断歪が約3倍程向上し、硬度もHv350から65
0程度まで向上させることができた。
e. 発明の効果 本発明の製造方法によれば銅系粉末の添加によってAl
3Ti基合金の焼結性が著しく改善できた。これによって
ニア・ネットシェーブ成形が可能な粉末冶金法を用いる
ことができ、軽量、耐熱、耐酸性に優れた材料を低コス
トで製造することが可能となった。
3Ti基合金の焼結性が著しく改善できた。これによって
ニア・ネットシェーブ成形が可能な粉末冶金法を用いる
ことができ、軽量、耐熱、耐酸性に優れた材料を低コス
トで製造することが可能となった。
また、本発明の方法で製造したAl3Ti基合金は熱伝導
率がよく、かつ熱膨脹率がAlに近いため、従来のアルミ
合金部品への圧入や接合が容易におこなえるようになっ
た。
率がよく、かつ熱膨脹率がAlに近いため、従来のアルミ
合金部品への圧入や接合が容易におこなえるようになっ
た。
さらにホウ素を加えることによって、またホウ素量を
特定範囲加え、これに熱処理を施すことによって、圧縮
強度、破断歪みがさらに向上した材料がえられる。
特定範囲加え、これに熱処理を施すことによって、圧縮
強度、破断歪みがさらに向上した材料がえられる。
またセラミックス微粒子の添加によって高温でも耐摩
耗性に優れた素材がえられる。
耗性に優れた素材がえられる。
本発明によって得られた合金材料の応用使用例とし
て、たとえばエンジンのシリンダーヘッドに設ける吸排
気バルブのバルブシートとして用いたり、また高温強度
が要求されるシリンダヘッドに鋳ぐるみ、または圧接、
拡散接合等で固定して用いる場合、さらにロッカーアー
ムのスリッパー部などへの利用が期待される。
て、たとえばエンジンのシリンダーヘッドに設ける吸排
気バルブのバルブシートとして用いたり、また高温強度
が要求されるシリンダヘッドに鋳ぐるみ、または圧接、
拡散接合等で固定して用いる場合、さらにロッカーアー
ムのスリッパー部などへの利用が期待される。
第1図は本発明に係る高強度Al3Ti基合金の製造方法の
要領を示す工程説明図、第2図は同製造方法における焼
成パターンを示す。
要領を示す工程説明図、第2図は同製造方法における焼
成パターンを示す。
Claims (7)
- 【請求項1】Al3Ti金属間化合物粉末、Ti−(50〜63)w
t%Al合金粉末、Ti:Al=50〜37:50〜63wt%の比率で混
合した粉末のいずれかの1種からなる粒径1〜50μmの
粉体Aと、純銅粉末、リン青銅(Cu−(3〜20)wt%Sn
−(0〜1.5)wt%P)合金粉末、アルミ青銅(Cu−
(0〜15)wt%Al)合金粉末、其他の銅合金系粉末のい
ずれかの1種からなる粒径1〜50μmの粉体Bとを、粉
体A:粉体B=85〜50:15〜50wt%の割合で混合し、この
混合粉を圧縮成形後、非酸化雰囲気で焼結するか、また
は脱気して加圧成形することを特徴とする高強度Al3Ti
基合金の製造方法。 - 【請求項2】前記焼結処理を温度350〜450℃で0.5〜1
時間、さらに温度900〜1,000℃で2〜4時間施すことを
特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の高強度Al3Ti
基合金の製造方法。 - 【請求項3】前記混合粉を脱気して金属カプセルに封入
し、加圧成形することを特徴とする特許請求の範囲第1
項に記載の高強度Al3Ti基合金の製造方法。 - 【請求項4】Al3Ti金属間化合物粉末、Ti−(50〜63)w
t%Al合金粉末、Ti:Al=50〜37:50〜63wt%の比率で混
合した粉末のいずれかの1種からなる粒径1〜50μmの
粉体Aと、純銅粉末、リン青銅(Cu−(3〜20)wt%Sn
−(0〜1.5)wt%P)合金粉末、アルミ青銅(Cu−
(0〜15)wt%Al)合金粉末、其他の銅合金系粉末のい
ずれかの1種からなる粒径1〜50μmの粉体Bとを、粉
体A:粉体B=85〜50:15〜50wt%の割合で混合し、さら
に前記粉体A及びBの混合粉の合計量に対し、粒径1μ
m以下のホウ素を0.01〜0.1wt%の割合で添加混合し、
この混合粉を圧縮成形後、非酸化雰囲気で焼結すること
を特徴とする高強度Al3Ti基合金の製造方法。 - 【請求項5】前記焼結処理を温度350〜450℃で0.5〜1
時間、さらに温度900〜1,000℃で2〜4時間施すことを
特徴とする特許請求の範囲第4項に記載の高強度Al3Ti
基合金の製造方法。 - 【請求項6】Al3Ti金属間化合物粉末、Ti−(50〜63)w
t%Al合金粉末、Ti:Al=50〜37:50〜63wt%の比率で混
合した粉末のいずれかの1種からなる粒径1〜50μmの
粉体Aと、純銅粉末、リン青銅(Cu−(3〜20)wt%Sn
−(0〜1.5)wt%P)合金粉末、アルミ青銅(Cu−
(0〜15)wt%Al)合金粉末、其他の銅合金系粉末のい
ずれかの1種からなる粒径1〜50μmの粉体Bとを、粉
体A:粉体B=85〜50:15〜50wt%の割合で混合し、さら
に前記粉体A及びBの混合粉の合計量に対し、粒径が1
μm以下のホウ素を0.5〜2wt%の割合で添加混合し、こ
の混合粉を圧縮成形して焼結したあと、さらに非酸化雰
囲気で600〜1,050℃で0.5〜4時間保持することを特徴
とする高強度Al3Ti基合金の製造方法。 - 【請求項7】前記粉体Aの粒子表面に、粒径1μm以下
のセラミックス粉を5〜20wt%の割合で固定した粉体A
を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項、第4
項または第6項のいずれかに記載の高強度Al3Ti基合金
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2172175A JP2906277B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 高強度Al▲下3▼Ti基合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2172175A JP2906277B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 高強度Al▲下3▼Ti基合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0463235A JPH0463235A (ja) | 1992-02-28 |
JP2906277B2 true JP2906277B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=15936968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2172175A Expired - Lifetime JP2906277B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 高強度Al▲下3▼Ti基合金の製造方法 |
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JP (1) | JP2906277B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5248941B2 (ja) * | 2008-07-18 | 2013-07-31 | 日本特殊陶業株式会社 | セラミック部品及びその製造方法 |
-
1990
- 1990-06-29 JP JP2172175A patent/JP2906277B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0463235A (ja) | 1992-02-28 |
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