JP3234380B2 - 耐熱アルミニウム粉末合金 - Google Patents

耐熱アルミニウム粉末合金

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱アルミニウム(A
l)合金粉末を接合一体化した粉末合金に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動二輪車等の内燃機関に使用
される部品、例えばピストンや連節棒あるいはブレーキ
ロータ等は、高温下での激しい運動に耐える強度を有す
るものでなければならない。一方、近年、自動車等の軽
量化や省エネルギーの見地から部品の軽量化が望まれて
いる。このため、前記高温強度が要求される部品につい
てもアルミニウム合金が使用されるようになってきてい
る。かかる高温強度に優れる耐熱アルミニウム合金とし
て、Siを13wt%以上過飽和に含有した耐熱Al−S
i粉末合金がある。該粉末合金は微細な初晶Siが基地
中に分散しており、耐熱性等の高温特性に優れる。前記
Al−Si粉末合金は、その急冷凝固粉末を単独で、あ
るいはSiC粉末等の分散強化材と共に熱間塑性加工に
より接合一体化される。
【0003】また、他の耐熱Al合金として、Feを過
飽和に含有したAl−Fe合金の急冷凝固粉末を熱間塑
性加工により粉末同士を接合一体化した粉末合金があ
る。例えば、特開昭62−47448号公報には、Fe
を10wt%以上過飽和に含有した耐熱Al合金粉末の
熱間押出成形材が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Al合
金粉末の表面には酸化膜が形成されているため、かかる
耐熱Al合金粉末を一体化するには粉末表面の酸化皮膜
を分断、破砕して基地同士を一体化する必要がある。こ
のため、従来、高価な高出力の熱間押出機や熱間鍛造機
が必要とされていた。一方、熱間加圧成形による場合、
比較的簡単な装置で実施可能であるが、粉末表面の酸化
膜のため、粉末同士の接合強度引いては粉末合金の強度
が不足するという問題がある。
【0005】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、粉末同士が容易に接合一体化される耐熱アルミニウ
ム粉末合金を提供すること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱アルミニウ
ム粉末合金は、Ni粉末20〜50wt%と、残部耐熱
Al合金粉末でなる混合粉末が、前記耐熱Al合金の固
相温度域で一体的に熱間成形され、400〜700℃の
Al拡散熱処理が施されてNi粉末粒子のAl拡散域に
Ni−Al系金属間化合物が分散析出してなるものであ
る。
【0007】
【作用】耐熱Al合金粉末とNi粉末との混合粉末を熱
間成形すると、AlがNi粉末中に拡散し、Al合金粉
末とNi粉末の境界にAl−Ni相が形成され、このA
l−Ni相を介して粉末同士が接合される。このため、
接合性が良好になり、その結果、粉末合金の強度も向上
する。もっとも、熱間成形のみでは、粉末同士はその界
面に形成されたAl−Ni相(NiAl3 )を介して接
合しているだけである。尚、熱間成形温度は、Alの拡
散、Niとの反応が容易なように400℃以上にするの
がよく、また形状の安定性から液相開始温度以下にする
のがよい。
【0008】本発明では、熱間成形後、更に400〜7
00℃(好ましくは500〜650℃)での加熱が施さ
れるので、Ni粉末へのAlの拡散が促進されて、Ni
粉末の粒子にAl拡散域が幅広く形成され、特に前記A
l拡散域が非常に広い場合は該拡散域は耐熱Al合金粉
末中の転位阻止物(例えば、Al−Si合金粉末では初
晶Si、Al−Fe合金粉末ではFeAl3 )とNi−
Al系金属間化合物(例えば、NiAl3 、Ni2 Al
3 、FeNiAl9 )が分散した組織になり、高温強度
が一層向上する。この際、400℃未満では拡散が緩慢
で、拡散に時間がかかるため生産性に劣る。一方、70
0℃を越えると拡散が過度となり、また液相が過度に生
成するようになり、形崩れが生じ易くなる。尚、加熱時
間は、要求される強度に応じて、加熱温度を勘案して適
宜設定すればよい。
【0009】
【実施例】本発明の原料となる耐熱Al合金粉末やSi
−Al合金粉末は、原料合金をその融点より50〜20
0℃程度高温に溶解し、水あるいはガスアトマイズ法や
回転水流法等の適宜の粉末製造手段によって、103
106 ℃/秒程度の冷却速度で急冷することによって得
られる。かかる急冷により、例えばAl−Fe合金の場
合、θ−FeAl3 が微細に分散したAl合金粉末が得
られる。回転水流法とは、特開平4−17605号公報
に開示されているように、冷却用筒体の内周面に旋回し
ながら流下する冷却水層を形成し、該冷却水層に溶融金
属流あるいは該金属流を不活性ガスで噴霧した溶滴を供
給し、これを旋回する冷却液層によって分断し、急冷凝
固させて金属粉末を得る方法である。該製造法による
と、平均粒径が200μm というような比較的大きな粒
子でも、105 ℃/sec 以上の冷却速度が容易に得られ
る。
【0010】耐熱Al合金粉末としては、Si含有量が
13〜30wt%程度のAl−Si合金粉末や既述の特開
昭62−47448号公報に開示されたAl−Fe合金
粉末など、適宜の高温高強度Al合金粉末を使用するこ
とができる。好ましくは、熱間加工により一体化した後
の引張強さが、300℃において20kgf/mm2
上のものがよい。このような耐熱Al合金として、前記
合金の他、Fe,Mn,Ni,Crからなる遷移金属の
一種又は二種以上を総計で15〜25wt%本質的に含有
し、必要により前記本質的合金成分に加えてMo,V,
Ti,Zr,Coの一種又は二種以上を総計で3wt%以
下含有し、残部が実質的にAlからなるものを例示する
ことができる。尚、Feを含有するAl合金粉末では、
熱間加工後、液相が生成しない温度域(例えば、Feを
38wt%以下含有したAl−Fe合金粉末の場合、50
0〜630℃)で適宜の熱処理を施すことにより、Al
−Ni−Fe金属間化合物を生成させることができ、耐
熱耐摩耗アルミニウム粉末合金が得られる。前記Al−
Si合金粉末の場合、十分な加熱時間を与えて、Ni粉
末と完全に拡散反応させると、微細な初晶SiとAl−
Ni金属間化合物との混合組織となり、Al−Si合金
の共晶温度(570℃)での液相が消失し、優れた耐熱
耐摩耗材となる。
【0011】耐熱Al合金粉末とNi粉末との配合量
は、後者の粉末が混合粉末に対して、20〜50wt%
程度がよい。20wt%未満ではNi粉末の高温での接
合促進作用換言すれば高温での圧縮強度(MPa)が不
足し、一方50wt%を越えると軽量化が損なわれるよ
うになる。粉末の粒度は特に規定されないが、通常、耐
熱Al合金粉末は590μm以下、Ni粉末は10μm
以下のものが使用される。尚、耐摩耗性向上のため、分
散強化用粉末として、SiC、Al2 3 等の軽量硬質
セラミック粉末を前記混合粉末に適宜添加してもよい。
これらの粉末の粒度は材料の均一性を確保するため10
μm 以下がよく、またその配合量は添加後の混合粉末に
対して10〜30wt%程度でよい。
【0012】混合粉末の接合一体化手段としては、熱間
押出、熱間鍛造、熱間等方圧加圧、熱間一軸圧縮等の適
宜の熱間加工手段を適用することができる。本発明で
は、Ni粉末の作用によりAl−Ni相が生成し、この
相を介して粉末同士が接合するため、一軸圧縮成形加工
でも容易に成形することができる。尚、熱間加工に供す
るに際し、原料粉末の取扱性を考慮して、予め冷間圧縮
により、予備成形しておいてもよい。次に、具体的実施
例を掲げる。 (1) 平均粒径200μmのAl−Si合金(27%S
i、残部Al)粉末、同粒径のAl−Fe合金(18%
Fe、残部Al)粉末、平均粒径5μmのNi粉末を準
備し、表1の配合により均一に混合して、混合粉末を調
製した。 (2) 混合粉末を同表に示した成形温度で、700MP
aで一軸圧縮(ホットプレス)し、外径φ64mmの成
形体を得た。この成形体の相対密度は99.9%であっ
た。更に、同表に示したAl拡散熱処理を施した。尚、
表中、試料No.1〜4は実施例である。一方No. 5、及
びNo. 6はAl拡散熱処理を施していない本発明の実施
例に対する比較例である。
【0013】なお、実施例No. 1〜No. 3及び比較例N
o. 5は、Al合金がAl−Fe系であるのに対し実施
例No. 4及び比較例No. 6は、Al合金粉がAl−Si
系である。
【0014】
【表1】
【0015】(3) これらの成形体から試験片を採取
し、室温から高温である400〜500℃における圧縮
強度を測定した。その結果を同表に示す。同表より、拡
散熱処理を施された実施例No. 1〜No. 4は該熱処理の
施されていない比較例No. 5,No. 6に対して接合促進
作用が良くなる。換言すれば圧縮強度が良くなっている
ことがわかる。ところが比較例No. 5は同じ成分系(A
l−Fe系)のNo. 3と対比すると400℃における圧
縮強度は略同一であるが更に高温である500℃におけ
る圧縮強度を対比すると実施例No. 3は比較例No. 5の
約1.67倍と大幅な強度の向上を示している。また、
実施例No. 4と比較例No. 6(両者共、Al−Si系)
とを対比する400℃における圧縮強度は約3.34倍
とこれも大幅な強度の向上を示していることが分かる。
【0016】なお、実施例No. 4と比較例No. 6の50
0℃におけるデータが示されていないのは、Al成分が
一部の軟化乃至溶融するため実験をしていないからであ
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の耐熱アルミ
ニウム粉末合金は、Ni粉末20〜50wt%と、残部
耐熱Al合金粉末でなる混合粉末が、前記耐熱Al合金
の固相温度域で一体的に熱間成形され、400〜700
℃のAl拡散熱処理が施されてNi粉末粒子のAl拡散
域にNi−Al系金属間化合物が分散析出してなるもの
であるので、Al合金粉末とNi粉末の境界にAl−N
i相が形成され、このAl−Ni相を介して粉末同士が
容易に接合されるのみならず、Ni粉末へのAlの拡散
が促進され、拡散域では耐熱Al合金粉末中の転位阻止
物とNi−Al系金属間化合物が分散析出した組織にな
り、高温強度が一層向上する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−279701(JP,A) 特開 昭52−92808(JP,A) 特開 昭58−19407(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni粉末20〜50wt%と、残部耐熱
    Al合金粉末でなる混合粉末が、前記耐熱Al合金の固
    相温度域で一体的に熱間成形され、400〜700℃の
    Al拡散熱処理が施されてNi粉末粒子のAl拡散域に
    Ni−Al系金属間化合物が分散析出してなる耐熱アル
    ミニウム粉末合金。
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