JPH1137140A - 媒体搬送ゴムローラ - Google Patents

媒体搬送ゴムローラ

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JPH1137140A
JPH1137140A JP19865397A JP19865397A JPH1137140A JP H1137140 A JPH1137140 A JP H1137140A JP 19865397 A JP19865397 A JP 19865397A JP 19865397 A JP19865397 A JP 19865397A JP H1137140 A JPH1137140 A JP H1137140A
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JP
Japan
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rubber
rubber roller
silicon carbide
filler
roller
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JP19865397A
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Inventor
Hiroshi Sasao
浩 笹生
Kazumasa Saito
和正 齋藤
Takao Shinohara
孝夫 篠原
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 普通紙、紙幣、印刷紙などの媒体を搬送する
装置で使用する媒体搬送ゴムローラとして有用な、初期
摩擦係数が大きくてしかも摩擦係数の経時的な低下の少
ないゴムローラを提供する。 【解決手段】 この媒体搬送ゴムローラは、加硫したシ
リコーンゴムと炭化ケイ素充填剤の混合物からなる。表
面をアミノシラン系カップリング剤で被覆処理した炭化
ケイ素充填剤を使用することで、炭化ケイ素充填剤の脱
落に起因する摩擦係数の経時的な低下を更に少なくし、
耐磨耗性を更に向上させることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒体搬送ゴムロー
ラに関し、より詳しく言えば、複写機、プリンター、現
金預入支払い機、イメージスキャナ装置などで搬送媒体
(普通紙、紙幣、印刷紙など)を搬送するのに使用され
るゴムローラに関する。
【0002】
【従来の技術】普通紙、紙幣、印刷紙などの媒体を取り
扱う複写機、プリンター、現金預入支払い機、イメージ
スキャナ装置などは、これらの媒体(搬送媒体)を装置
内部に取り込むことから種々の作業が始まる。搬送媒体
を装置へ取り込むために、装置には、給紙機構(静止し
ている媒体の装置内部への移動を開始させるための機
構)及び分離機構(複数枚の媒体が供給された場合に分
離して1枚だけを処理するようにするための機構)が設
けられている。これらの機構を構成する主要部品として
は、ゴムローラが使用される場合が非常に多い。この理
由は、ゴムローラを採用すると、これらの機構に要求さ
れる特性、すなわち、搬送媒体を1枚毎に装置内部の搬
送系に送り出すという特性を、比較的容易に達成しやす
いからである。
【0003】特に給紙機構及び分離機構にゴムローラを
採用する場合、ゴムローラには以下の特性が要求され
る。 イ)摩擦係数が大きいこと。 ロ)搬送媒体を多数枚数搬送しても、摩擦係数の低下が
ないこと(摩擦係数の安定性)。 ハ)オゾン、酸素、湿気などの環境雰囲気の影響で、ゴ
ムローラがひび割れたり粘稠とならないこと。 ニ)多数枚数搬送後も、ゴムローラの外径変化が小さい
こと。 ホ)−10℃の低温でも、ゴムローラの摩擦係数が低下
しないこと。 ヘ)安価であること。
【0004】これらの特性を全て満足するゴムローラは
現実には存在せず、特に、オイルやインクが表面に付着
している媒体を搬送する場合には、上記イ)やロ)の特
性が不満足の場合が多く、一定期間の使用の後に新品の
ゴムローラとの交換を余儀なくされているのが現状であ
る。
【0005】こうした状況にあって、様々なタイプのゴ
ムローラが媒体搬送用に提案されている。それらの中
に、シリコーンゴムとウレタンゴムのブレンドからなる
ゴムローラ(特開平7−243436号公報)や、この
ブレンドを更に発泡させたゴムローラ(特願平9−57
797号明細書)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来のゴムロ
ーラは、一定の媒体搬送装置には適用可能であるが、全
ての装置に適用できるものにはなっていない。すなわ
ち、ゴムローラに高摩擦係数を要求する装置では、上記
の単なるシリコーンとウレタンのブレンドゴムローラで
高摩擦係数を実現すると、耐磨耗性が低下してゴムロー
ラの外径変化が生じ、その結果、ゴムローラとしての寿
命が短くなる。また、発泡ブレンドゴムで高摩擦係数を
有するゴムローラを実現した場合には、発泡条件の管理
が困難であり、わずかの条件の変動で、製造されるゴム
ローラの摩擦係数が大きく異なり、個々のゴムローラの
摩擦係数の均一性を確保するのが困難になりがちであ
る。
【0007】本発明は、上述のイ)〜ヘ)を満足するゴ
ムローラを提供しようとするものであり、特に、上記ウ
レタン−シリコーンブレンドゴムローラ又はそれらを発
泡したゴムローラと共に、あるいはこれらのゴムローラ
に代わって、媒体搬送装置用の媒体搬送ゴムローラとし
て、とりわけ給紙用あるいは分離用ゴムローラとして有
利に使用できる、初期摩擦係数が大きくてしかも摩擦係
数の経時的な低下の少ないものを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の媒体搬送ゴムロ
ーラは、加硫したシリコーンゴムと炭化ケイ素充填剤の
混合物からなることを特徴とする。
【0009】また、本発明の媒体搬送ゴムローラにおい
ては、表面をアミノシラン系カップリング剤で被覆処理
した炭化ケイ素充填剤を使用することで、炭化ケイ素充
填剤の脱落に起因する摩擦係数の経時的な低下を更に少
なくし、耐磨耗性を更に向上させることが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の媒体搬送ゴムローラは、
シリコーンゴムを基本材料とし、これに炭化けい素充填
剤を充填したものである。
【0011】本発明のゴムローラを製作するのに使用す
るシリコーンゴム原料は、液状ゴム又はミラブルタイプ
を問わない。また硬化(加硫)反応形態で分類した場合
には、付加型ゴム又は縮合型ゴムを問わない。とは言
え、液状ゴム原料を加硫硬化したゴムのほうが、ミラブ
ルタイプのゴム原料を加硫硬化したゴムよりも一般に摩
擦係数が大きくなるため、できれば液状シリコーンゴム
原料を採用するのが好ましい。
【0012】また、シリコーンゴムは、例えば、一般に
−Si(R1 2 )O−の繰り返し単位を有するプレポ
リマーのゴム原料を加硫硬化して得ることができ、この
繰り返し単位の式のR1 、R2 は炭素数1〜5程度のア
ルキル基(例、メチル基、エチル基)、炭素数2〜5程
度のアルケニル基(例、ビニル基)、フェニル基等のい
ずれの置換基であってもよい。また、これらのシリコー
ンゴムにおいて、置換基は一分子中に異なるものが混在
していてもよく、あるいは一分子中に単一の置換基が存
在していてもよい。更に、異なる繰り返し単位を持つ複
数種のシリコーンゴムの混合物を使用することも可能で
ある。
【0013】本発明においては、使用するシリコーンゴ
ム原料を、充填する炭化けい素との関係で、最終製品と
なる炭化けい素充填加硫シリコーンゴムのゴム硬度がJ
ISK 6301に記載のA型ゴム硬度計で測定して6
5°〜30°となるように選択するのが重要である。製
品ゴムローラにおいてゴム硬度が65°を超えると、摩
擦係数が小さくなり、特に大きな摩擦係数の要求される
繰り出しローラ(給紙ローラ)や分離ローラとして適切
な働きをすることができなくなる。また、製品ゴムロー
ラでのゴム硬度が30°に満たない場合には、ローラと
しての磨耗が激しくなる。これらを勘案し、また充填剤
の添加により一般にゴムの硬度が上昇することを考慮に
入れて、炭化けい素を充填しないシリコーンゴムだけの
ゴム硬度が上記ゴム硬度計の測定で50°〜30°の範
囲となるシリコーンゴム原料を採用するのが好ましい。
【0014】本発明では、炭化けい素充填剤として、平
均粒径が0.5μmから100μmまでのものを使用す
ることができる。平均粒径が100μmを超える炭化ケ
イ素充填剤は、耐磨耗性の低下を招きやすく、これを補
償しようとして大量に添加するとゴムローラの成形性を
悪くするだけでなく、ゴムローラの硬度が上昇して摩擦
係数の低下の原因となる。また、平均粒径が0.5μm
未満の炭化ケイ素粒子は、一般に入手が困難である。
【0015】炭化ケイ素充填剤については、前述のよう
に炭化けい素充填加硫シリコーンゴムのゴム硬度が65
°〜30°になるように、その粒径ばかりでなく、充填
量を決定することも必要である。製品ゴムローラの耐磨
耗性を十分にし、且つ摩擦係数の経時的な低下をできる
限り小さくするためには、炭化けい素の粒径は40μm
以下であって、且つ充填量は、加硫硬化したシリコーン
ゴム100重量部当たり10〜50重量部が好ましい。
このような条件を満たす炭化けい素充填加硫シリコーン
ゴムローラは、オイルやインクが多量に付着している搬
送媒体を多数枚数(例えば200万枚以上)繰り出した
後でも、ゴムローラの外径の変動は小さく、また摩擦係
数もほとんど低下しない。それに対し、炭化けい素の充
填量が10重量部未満であると、未充填のゴムローラと
比較して耐磨耗性は目立って向上しない。また50重量
部より多く充填すると、ゴムローラのゴム硬度が65°
以上となり、初期摩擦係数が低下してしまって、とりわ
け高摩擦係数を必要とする給紙用や分離用ゴムローラと
して使用できなくなる。
【0016】シリコーンゴムと炭化ケイ素充填剤から基
本的に構成された本発明の媒体搬送ゴムローラは、一般
に初期摩擦係数が大きく、その摩擦係数の経時的な低下
が少なく、且つ多数枚数搬送後においても外形変化が小
さいことで示されるように、耐磨耗性に優れていること
が判明した。とは言え、特に過酷な条件で使用される場
合には、充填した炭化ケイ素が搬送される媒体との摩擦
により脱落することでゴムローラの摩擦係数が低下する
ことがあり、耐磨耗性を更に向上させることが必要とな
ることがある。このような場合には、表面をアミノシラ
ン系カップリング剤で被覆処理した炭化ケイ素充填剤を
使用することが特に有利である。
【0017】本発明の炭化ケイ素充填剤の表面被覆処理
には、任意のアミノシラン系のシランカップリング剤を
使用することができる。このようなアミノシラン系カッ
プリング剤の代表例は、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(例えば信越化学
工業社製KBM 603)、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(例えば
信越化学工業社製KBM 602)、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(例えば信越化学工業社製KBE
903)、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン(例えば信越化学工業社製KBM 57
3)等である。
【0018】炭化ケイ素充填剤を表面被覆処理する方法
は、乾式法でも湿式法でもよい。乾式法では、例えば、
よく攪拌されている充填剤に対して最適濃度のシランカ
ップリング剤水溶液をスプレーで吹きつけ、V型混合機
又はヘンシェルミキサー等を用いてよく混合攪拌して充
填剤表面に均一に付着させ、乾燥させるようにする。湿
式法では、例えば、充填剤を水又は有機溶剤に分散させ
てスラリー化し、これを攪拌しながらシランカップリン
グ剤を加える。湿式法は、処理効率がよく、装置が簡単
であるため、小規模の製造に適しているが、脱水、乾燥
工程が必要となる。このほかに、炉から取り出した直後
の高温充填剤にシランカップリング剤の水溶液を直接ス
プレーする方法(スプレー法)を利用することもでき
る。この方法による場合には、カップリング剤の硬化の
必要がなく、製造工程に組み込めると言う利点がある。
【0019】また、炭化けい素充填剤に対するシランカ
ップリング剤の処理量は、炭化ケイ素充填剤の重量を基
準として0.1〜10重量%でよい。処理量がこれより
多いとシランカップリング剤が無駄になるだけであり、
またこれより少ないと十分に炭化けい素表面が処理でき
ない恐れがある。
【0020】本発明のゴムローラは、適当なシリコーン
ゴム原料(例えば液状のシリコーンゴムプレポリマ
ー)、そのシリコーンゴム原料を加硫硬化させるための
シリコーンゴム硬化剤、及び炭化ケイ素充填剤(この充
填剤はアミノシラン系のシランカップリング剤で随意に
処理したものでもよい)の混合物を作り、次にこの混合
物を金型にいれて、シリコーンゴムを加熱硬化させるこ
とで、容易に製造することができる。断るまでもなく、
本発明のゴムローラの製造方法はこれだけに限定される
ものではない。
【0021】
【実施例】次に、実施例を参照して本発明を更に説明す
るが、これらの実施例は本発明の例示のみを目的とする
ものである。
【0022】〔実施例1〕下記の成分を使用して、外形
30mm、厚さ10mmの媒体搬送ゴムローラを製作し
た。
【0023】 シリコーンゴム原料 100重量部 シリコーンゴム硬化剤 10重量部 炭化けい素充填剤 20重量部
【0024】上記のシリコーンゴム原料は東芝シリコー
ン社より入手したシリコーンゴムプレポリマーのTSE
3450−Aであり、シリコーンゴム硬化剤はやはり東
芝シリコーン社より入手のTSE3450−Bであり、
そして炭化けい素充填剤は信濃電気精錬社製のSFP−
1.7(平均粒径1.7μm)であった。
【0025】これらの成分を混合、脱泡し、金型に注型
した。その後、100℃で1時間加熱硬化して、ゴム硬
度60度(JIS K 6301に記載のA型ゴム硬度
測定器による)の加硫ゴムローラを製造した。
【0026】このゴムローラについて、図1に示した装
置を使用して、摩擦係数の測定を行った。この測定装置
は、移動テーブル1の上に適当な紙2を配置し、その上
面に回転しないように固定したゴムローラ3を接触さ
せ、このゴムローラ3にウェイト4で適当な荷重Wを負
荷して移動テーブル1を図の右方向に移動させたときの
ローラの摩擦係数を測定するものであった。この場合の
摩擦係数μは、棒5を介して水平方向の荷重を検知する
ロードセル6により摩擦力Fを測定することにより、μ
=F/Wとして計算により求めた。この図中の7はバラ
ンスウェイトを示している。この例において測定された
摩擦係数は1.2であった。
【0027】次に、図2に示すダイナミック試験機(図
2(a)はこの試験機の正面図、図2(b)は側面図を
示している)によりゴムローラの磨耗試験を行った。こ
の試験では、測定対象のゴムローラ11へローラ12を
介して圧力設定バランサ13により100gfの押し荷
重F’を加え、ゴムローラ11の回転速度を370rp
m、搬送媒体14の移動速度を毎分10往復、片方向の
移動距離を10cmとし、10分毎にゴムローラ11と
搬送媒体14との接触位置を変えて、合計300分間接
触摩擦を行った。搬送媒体14としては、ゼログラフィ
ー方式により全面を黒色に印刷した複写用普通紙を使用
した。接触摩擦試験後のゴムローラの摩擦係数は、先に
説明したのと同様に図1に示した装置で測定して1.1
であり、ほとんど低下していなかった。
【0028】また、この磨耗試験での重量減少率から求
めた耐磨耗性は、炭化ケイ素充填剤入りのゴムローラの
ほうが未充填のゴムローラと比べて1.3倍向上してい
た。
【0029】更に、実際の現金自動預入支払い機(富士
通社製FACT−A)のピックアップローラ用として使
用するため、この例のゴムローラと同じ組成のゴムロー
ラを試作した。このピックアップローラを使用しての試
験では、当初から紙幣を1枚毎に繰り出すことができ、
200万枚搬送後もなお1枚毎に繰り出すことが可能で
あった。
【0030】〔実施例2〕この例では、実施例1で使用
した炭化ケイ素充填剤の表面を1重量部のアミノシラン
系カップリング剤(信越化学工業社製KBE 903)
で被覆処理したことを除いて、実施例1と同様にゴムロ
ーラを製作した。炭化ケイ素充填剤の表面処理は、水を
用いた湿式法を利用して行った。得られたゴムローラの
JIS K6301記載のA型ゴム硬度測定器により測
定したゴム硬度は60度であった。
【0031】このゴムローラについて、実施例1で説明
した磨耗試験を行った(但し、搬送媒体は全面を黒色印
刷した複写用紙に代えて、未印刷の複写用紙を用いた)
ところ、図3に示したように、実施例1の表面未処理の
充填剤を使ったゴムローラのほうが300分後の重量減
少率が約1.3倍大きいことが示され、この例の表面処
理した充填剤を使ったほうがその分だけ(すなわち約
1.3倍)耐磨耗性が向上していることが分かった。
【0032】〔実施例3〕この例では、下記の成分を使
用し、実施例1と同じやり方でもって、外形30mm、
厚さ10mmの媒体搬送ゴムローラを製作した。
【0033】 シリコーンゴム原料 100重量部 シリコーンゴム硬化剤 10重量部 炭化けい素充填剤 20重量部
【0034】この例で使用したシリコーンゴム原料は東
芝シリコーン社より入手したシリコーンゴムプレポリマ
ーのTSE3562−Aであり、シリコーンゴム硬化剤
はやはり東芝シリコーン社より入手したTSE3562
−Bであり、そして炭化けい素充填剤は実施例1で使用
したのと同じ信濃電気精錬社製のSFP−1.7(平均
粒径1.7μm)であった。なお、製作したゴムローラ
のJIS K 6301記載のA型ゴム硬度測定器によ
り測定したゴム硬度は50度であった。
【0035】製作したゴムローラについて実施例1で説
明したとおりに測定した摩擦係数は1.2であった。
【0036】また、実施例1と同様にダイナミック試験
機による磨耗試験を行った後のゴムローラの摩擦係数は
1.2であり、初期の値から全く低下していなかった。
更に、この例のゴムローラの耐磨耗性は、炭化けい素未
充填の同様のゴムローラ比べて1.3倍向上していた。
【0037】次に、実際のイメージスキャナ装置(富士
通社製M3099G)の給紙分離ローラ用として使用す
るため、この例のゴムローラと同じ組成のゴムローラを
試作した。この分離ローラを使用しての試験では、トレ
ース紙のような腰の弱い用紙や、全面を黒色に印刷した
複写紙なども、300万枚にわたるまで、1枚毎に分離
して搬送することができた。
【0038】〔実施例4〕この例では、下記の成分を使
用し、実施例1と同じやり方でもって、外形30mm、
厚さ10mmの媒体搬送ゴムローラを製作した。
【0039】 シリコーンゴム原料 100重量部 シリコーンゴム硬化剤 10重量部 炭化けい素充填剤 30重量部
【0040】この例で使用したシリコーンゴム原料は東
芝シリコーン社より入手したシリコーンゴムプレポリマ
ーのTSE3450−A(実施例1と同じ)であり、シ
リコーンゴム硬化剤はやはり東芝シリコーン社より入手
したTSE3550−B(実施例1と同じ)であり、そ
して炭化けい素充填剤は信濃電気精錬社製のCP#40
0(平均粒径30.0μm)であった。なお、製作した
ゴムローラのJISK 6301記載のA型ゴム硬度測
定器により測定したゴム硬度は63度であった。
【0041】製作したゴムローラについて実施例1で説
明したとおりに測定した摩擦係数は1.2であった。実
施例1と同様にダイナミック試験機による磨耗試験を行
った後では、摩擦係数は1.1であった。また、磨耗試
験での重量減少率で比較したこの例のゴムローラの耐磨
耗性は、実施例1のゴムローラより1.1倍向上してい
た。
【0042】〔実施例5〕この例では、実施例4で使用
した炭化ケイ素充填剤の表面を1.5重量部のアミノシ
ラン系カップリング剤(信越化学工業社製KBE 90
3)で被覆処理したことを除いて、実施例4と同様にし
てゴムローラを製作した。炭化ケイ素充填剤の表面処理
は、水を用いた湿式法を利用して行った。得られたゴム
ローラのJIS K 6301記載のA型ゴム硬度測定
器により測定したゴム硬度は63度であった。
【0043】このゴムローラについて、実施例1で説明
した磨耗試験を行った(但し、搬送媒体は全面を黒色印
刷した複写用紙に代えて、未印刷の複写用紙を用いた)
ところ、図4に示したように、実施例4の表面未処理の
充填剤を使ったゴムローラのほうが300分後の重量減
少率が約1.4倍大きいことが示され、この例の表面処
理した充填剤を使ったほうがその分だけ(すなわち約
1.4倍)耐磨耗性が向上していることが分かった。
【0044】〔実施例6〕この例では、下記の成分を使
用して、実施例1と同じやり方により、外形30mm、
厚さ10mmの媒体搬送ゴムローラを製作した。
【0045】 シリコーンゴム原料 100重量部 シリコーンゴム硬化剤 10重量部 炭化けい素充填剤 50重量部
【0046】この例で使用したシリコーンゴム原料は東
芝シリコーン社より入手したシリコーンゴムプレポリマ
ーのTSE3562−A(実施例3と同じ)であり、シ
リコーンゴム硬化剤はやはり東芝シリコーン社より入手
したTSE3562−B(実施例3と同じ)であり、そ
して炭化けい素充填剤は信濃電気精錬社製のCP#10
00(平均粒径11.5μm)であった。なお、製作し
たゴムローラのJISK 6301記載のA型ゴム硬度
測定器により測定したゴム硬度は55度であった。
【0047】製作したゴムローラについて実施例1で説
明したとおりに測定した摩擦係数は1.3であった。実
施例1と同様にダイナミック試験機による磨耗試験を行
った後では、摩擦係数は1.1であった。また、磨耗試
験での重量減少率で比較したこの例のゴムローラの耐磨
耗性は、実施例3のゴムローラより1.2倍向上してい
た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
十分な摩擦係数を備え、且つその摩擦係数の経時変化に
よる低下がないかあるいは少ない媒体搬送ゴムローラの
利用が可能となる。このような優れた特性を有する本発
明のゴムローラは、複写機、プリンター、現金預入支払
い機、イメージスキャナ装置などで普通紙、紙幣、印刷
紙などの種々の搬送媒体をを搬送するゴムローラとして
大変有効であり、特に給紙用あるいは分離用ゴムローラ
のように厳しい条件下で使用されるものとしての使用が
大いに期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で摩擦係数の測定に使用した装置を説明
する図である。
【図2】実施例で磨耗試験に使用したダイナミック試験
機を説明する図である。
【図3】実施例1と2におけるゴムローラの重量減少率
を示すグラフである。
【図4】実施例4と5におけるゴムローラの重量減少率
を示すグラフである。
【符号の説明】
1…移動テーブル 2…紙 3…ゴムローラ 6…ロードセル 11…測定対象ゴムローラ 13…圧力設定バランサ 14…搬送媒体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫したシリコーンゴムと炭化ケイ素充
    填剤の混合物からなることを特徴とする媒体搬送ゴムロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 前記炭化ケイ素充填剤の平均粒径が0.
    5〜100μmであり、その充填量が加硫したシリコー
    ンゴム100重量部に対して10〜50重量部である、
    請求項1記載のゴムローラ。
  3. 【請求項3】 前記炭化ケイ素充填剤の平均粒径が40
    μm以下である、請求項2記載のゴムローラ。
  4. 【請求項4】 前記シリコーンゴムが液状ゴムから加硫
    させたものである、請求項1から3までのいずれか一つ
    に記載のゴムローラ。
  5. 【請求項5】 前記炭化ケイ素充填剤として、表面をア
    ミノシラン系カップリング剤で表面被覆処理したものを
    使用することを特徴とする、請求項1から4までのいず
    れか一つに記載のゴムローラ。
  6. 【請求項6】 前記炭化ケイ素充填剤がその重量を基準
    として0.1〜10重量%のアミノシラン系カップリン
    グ剤で処理されている、請求項5記載のゴムローラ。
  7. 【請求項7】 現金自動預入払出し機の紙幣繰り出し用
    ピックアップローラとして使用される、請求項1から6
    までのいずれか一つに記載のゴムローラ。
  8. 【請求項8】 イメージスキャナ装置の給紙分離用ロー
    ラとして使用される、請求項1から6までのいずれか一
    つに記載のゴムローラ。
JP19865397A 1997-07-24 1997-07-24 媒体搬送ゴムローラ Withdrawn JPH1137140A (ja)

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JP (1) JPH1137140A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014527961A (ja) * 2011-09-06 2014-10-23 アドバンスト コンポジット マテリアルズ エルエルシー ポリマーの耐摩耗性を改善するための官能化された炭化ケイ素および官能化された無機ウィスカー
WO2021029281A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 コニカミノルタ株式会社 搬送用ローラー及びその製造方法
CN113443487A (zh) * 2021-08-30 2021-09-28 常州欣盛半导体技术股份有限公司 Fpc烘烤箱用转向调节装置

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