JP2009151000A - 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高湿環境下のかぶりの発生と低温低湿環境下のブロッチの発生とを同時に抑制可能な、信頼性の高い現像ローラ並びに電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供する。
【解決手段】軸体と、該軸体の周囲に設けられた樹脂層とを有する現像ローラにおいて、該樹脂層の最表面層が、下記式(1)で表されるシリコーン化合物を含有する。
Figure 2009151000

式(1)中、R1乃至R9はそれぞれ独立してアルキル基、R10は少なくともオキシアルキレン基の繰り返し構造を含む有機基、R11及びR12はそれぞれ独立してアルキル基、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数である。
【選択図】なし

Description

本発明は複写機またはレーザープリンタの如き電子写真画像形成装置に用いられる現像ローラ、並びに該現像ローラを使用している電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリの受信装置等の電子写真装置における現像法の一つに、非磁性トナー成分のトナーを用い、感光ドラムの潜像に該トナーを付着させて潜像を可視化する接触現像法がある。接触現像法は、磁性材料が不要であることから簡素化や小型化が容易であり、またトナーのカラー化が容易であるなどの利点を有するため、多用されている。接触現像法を採用した電子写真画像形成装置においては、回転する感光ドラムを帯電部材により一様に帯電させ、レーザー光を照射して静電潜像を形成し、静電潜像に現像装置によりトナーを供給しトナー像とし現像を行う。その後、トナー像を感光ドラム上から転写材(記録材)上へ転写し、加熱等により転写材上のトナー像を定着することにより、画像が形成された転写材を得る。一方、トナー像を転写した後の感光ドラムはその表面が除電され、残留するトナーのクリーニングが行われ、新たな画像形成の待機状態とされる。
上記現像装置には、トナーを収納する収納容器と、収納容器の開口を閉塞し、一部を収納容器外に露出して配置される現像ローラと、現像ローラの表面にトナーを塗布するトナー供給ローラ等が設けられる。さらに、トナー供給ローラにより塗布された現像ローラ表面のトナーを、より均一な薄層に整える現像ブレードが設けられ、現像ローラの回転に伴い、薄膜のトナーが現像ローラの露出部に搬送されるようになっている。薄膜のトナーは、現像ローラの露出部において対向して配置され回転する感光ドラムの静電潜像に付着して、静電潜像を可視化して感光ドラム上にトナー像を形成する。
この電子写真現像法で用いられる現像ローラは、トナーに所要の帯電量を容易にかつ常時確実に付与することが求められる。これを達成するために、ローラの表面層に分子側鎖にアミノ基が結合したシリコーンオイルを含む現像ローラの使用が提案されている(特許文献1)。
さらに、最表面層の樹脂層が、ウレタン樹脂とポリシロキサン成分を含有する樹脂材料を用いた導電部材の使用が提案されている。これは高画質化、高速化、高耐久化の要求に対して初期かぶりの発生の抑制、耐久かぶりの発生の抑制、感光体の密着性が安定的に得られることを目的としている(特許文献2)。
特開平03−279982号公報 特開2003−167398号公報
しかしながら、高信頼の現像ローラの必要性が高まるにつれて、高温高湿(温度30℃/湿度85%RH)環境下と、低温低湿(温度15℃/湿度10%RH)環境下のような両極端の環境下における画像特性の両立が非常に困難になる場合がある。具体的には、高温高湿環境下においてはトナーへの摩擦帯電能の著しい低下により、かぶりが発生してしまう場合がある。これを解決するために、現像ローラ表面の摩擦帯電能を向上させると、かぶりの改善効果は得られる。しかしながら、そのような現像ローラを低温低湿環境下において使用すると、摩擦帯電能が高いためにトナーの過帯電により、斑点状や波状のムラとなる、所謂ブロッチ現象も発生し得る。このように、現像ローラの簡易な摩擦帯電能の調整だけでは、両環境下での弊害を同時に解決することは困難であった。
本発明は、上記のような高温高湿環境下におけるかぶりの発生と低温低湿環境下におけるブロッチの発生とを同時に抑制可能な、信頼性の高い現像ローラ並びに電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、軸体と、該軸体の周囲に設けられた樹脂層とを有する現像ローラにおいて、該樹脂層の最表面層が、下記式(1)で表されるシリコーン化合物を含有することを特徴とする現像ローラに関する。
Figure 2009151000
式(1)中、R1乃至R9はそれぞれ独立してアルキル基、R10は少なくともオキシアルキレン基の繰り返し構造を含む有機基、R11及びR12はそれぞれ独立してアルキル基、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数である。
さらに、本発明は、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、前記現像ローラを具備することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジに関する。
さらに、本発明は、静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、一次帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像装置と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置とを有する電子写真画像形成装置において、該現像装置が、前記の現像ローラを有することを特徴とする電子写真画像形成装置に関する。
本発明の現像ローラを用いると、高温高湿環境下におけるかぶりの発生と低温低湿環境下におけるブロッチの発生とを同時に抑制することが可能になる。
はじめに本発明者等は、高温高湿環境下のかぶり改善のために、現像ローラのトナーへの摩擦帯電能を向上させることを試みた。3級アミノ基は電子供与性であることにより、ネガトナーへの摩擦帯電能が大きい。また、シリコーン化合物は表面自由エネルギーが小さいので、現像ローラの表面層に添加するとローラ最表面に集まりやすいという性質を有する。そこで、現像ローラ表面近傍の3級アミノ基の濃度を最大限に高くするために、3級アミノ基を側鎖に有するシリコーン化合物に着目し、高温高湿環境下におけるかぶりを検討した。しかし、かぶりが改善される反面、低温低湿環境下におけるブロッチが発生し、双方を満足することが難しいことが多かった。そこで本発明者等は、トナーの摩擦帯電能に大きく関与している3級アミノ基の近傍の分子構造に着目し、様々検討した。すると、3級アミノ基の近傍にオキシアルキレン構造の有機基が存在する場合、非常に特異的に低温低湿環境下におけるブロッチの発生が抑えられ、高温高湿環境におけるかぶりの防止効果と両立可能であることを突き止めた。この理由は明らかではないが、オキシアルキレン分子構造の摩擦帯電特性や柔軟性によって、その近傍に存在する3級アミノ基のトナーに対する摩擦帯電能を大きく変えていることによると推察される。
以下、本発明につき、さらに詳しく説明する。
本発明に係る現像ローラの断面構造の一例を図1に示す。図1に係る現像ローラ100は、良導電性の軸体1(シャフト)の外周に最表面層としての樹脂層2を有している。樹脂層2は、非発泡の中実(ソリッド)な層であることが好ましい。
樹脂層2は、下記式(1)で表される、3級アミノ基を有する側鎖を持つシリコーン化合物を含有する。
Figure 2009151000
上記式(1)で表されるシリコーン化合物は、シリコーン主鎖と、側鎖に3級アミノ基を有している。このシリコーン化合物を用いることで、シリコーンの特異的な表面配向と同時に、3級アミノ基を現像ローラ最表面に付近に存在させることができ、これにより高温高湿環境下においても極めて良好なトナー摩擦帯電付与能を発現することができる。
1乃至R9、R11及びR12は、それぞれ独立してアルキル基を示す。アルキル基であれば特に制限はないが、具体的には、炭素数1〜4の直鎖アルキル基が例示される。
3級アミノ基とシリコーン主鎖の間にあるR10は、少なくともオキシアルキレン基の繰り返し構造を含む有機基である。本発明者らは、このR10の部分の分子構造に着目し、R10がアルキル基、アルキレン基、フェニレン基のみの構造を含む場合など様々検討したが、いずれも低温低湿環境下におけるブロッチの改善は難かった。しかし、R10の部分にオキシアルキレン基の繰り返し構造を導入した場合のみ、特徴的にこのブロッチが解消した。このとき高温高湿環境下におけるかぶりの発生もみられず、かぶりとブロッチを同時に解決できるに至った。R10は、オキシアルキレン基の繰り返し構造を含んでいれば良く、繰り返し数は特に2以上なら制限はないが、2以上、20以下が好ましい。また、オキシアルキレン基としては、オキシエチレン(−O−(CH22−)構造、オキシプロピレン(−O−(CH23−)構造、オキシブチレン(−O−(CH24−)構造などを挙げることができる。そして、上記式(1)において、R1〜R9がメチル基であり、R11及びR12がメチル基またはエチル基であり、R10がオキシエチレン基を含む2価の有機基である構造は、本発明に係る効果を特に有効に奏する点で好ましいものである。
また、m及びnは、それぞれ独立して1以上の整数である。mとnの比は特に制限はないが、n/(m+n)が0.8〜0.2であることが好ましい。
さらに、本発明の効果をより発揮するシリコーン化合物は、下記式(2)で表されるシリコーン化合物である。
Figure 2009151000
式(2)中、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数である。mとnの比は特に制限はないが、n/(m+n)が0.8〜0.2であることが好ましい。
さらに、本発明に係るシリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)は、3000≦Mw≦20000の範囲であることが好ましい。シリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)が3000≦Mw≦20000の範囲であることにより、現像ローラ表面にシリコーン化合物がより存在しやすくなり、本発明の効果をより発揮しやすくなる。
また、式(1)で表されるシリコーン化合物を、樹脂層の最表面層を形成する樹脂(基材)100質量部に対して0.1〜20質量部添加することが好ましい。これによりトナーと現像ローラ表面で、適正な電荷のやりとりが可能になり、本発明の効果を促進するために好ましい。より好ましいシリコーン化合物の添加量は、0.5質量部〜10質量部である。
式(1)で示されるシリコーン化合物の代表的な製法としては、以下の2つを挙げることができる。
〔再平衡化反応〕官能基(3級アミノ基)を含む環状または直鎖状のシロキサンオリゴマーと、ケイ素原子数が約3〜5のジメチルサイクリックス(環状体)または直鎖状のジメチルシロキサンオリゴマーを、ランダム共重合する方法。より具体的には、酸またはアルカリ系触媒の存在下、所定温度で所定時間保持して再平衡化反応を行うことによって、ランダム共重合体を合成する。
〔付加反応〕珪素−水素結合を有するシリコーンとアルケニル基を有する有機化合物を、白金系等の触媒の存在下、所定温度で所定時間付加反応させた後、過剰の原料、揮発成分、溶媒等を除去する方法。
また、上記方法以外に、縮合重合(脱水、脱アルコール、脱塩素等)反応等により合成することもできる。
式(1)で示されるシリコーン化合物の分子構造は、適切な手段により表面層からシリコーン化合物を単離し、熱分解GC/MSやNMR、IR、元素分析の如き手法を用いることにより同定することができる。また、添加量の確認は表面層から抽出する際に量比関係で判断する。
本発明において、重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布の測定方法を用いる。GPCによるクロマトグラムの重量平均分子量(Mw)は次の条件で測定される。温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてトルエンを毎分1mlの流速で流す。試料濃度として0.3質量%に調整した非反応性シリコーン化合物のトルエン試料溶液を約100μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の、少なくとも10点の標準ポリスチレン試料を用いることが適当である。分子量としては、例えば、6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。例えば、昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807(以上商品名)の組み合わせを用いることができる。また、Waters社製のμ−styragel500、103、104、105(以上商品名)の組み合わせを用いることができる。
軸体1としては、良好な導電性を有するものであれば、いずれのものも使用し得る。通常はアルミニウムや鉄、SUSの如き材料で形成された外径4〜10mmの金属製円筒体が用いられる。
軸体1の外周に形成する樹脂層2の基材としては以下のものが挙げられる。ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、イミド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、天然ゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、及びこれらの混合物。
中でもウレタン樹脂は耐摩耗性を有しているので、樹脂層2の基材として好ましく用いられる。ウレタン樹脂は、ポリオールとイソシアネート、必要に応じて鎖延長剤から得ることができる。ウレタン樹脂の原料たるポリオールとしては、以下のもの挙げられる。ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、及びこれらの混合物。ウレタン樹脂の原料たるイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、及びこれらの混合物。ウレタン樹脂の原料たる鎖延長剤としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオールの如き2官能低分子ジオール、トリメチロールプロパンの如き3官能低分子トリオール、及びこれらの混合物。
特に、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールを用いるポリエーテルポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。ポリエーテルポリウレタン樹脂を用いることで、ウレタン樹脂とシリコーン化合物に共通して存在するオキシアルキレン構造の親和力により、シリコーン化合物が他の部材に移行しにくくなると同時に、特徴的に低温低湿環境下におけるブロッチの発生が少なくなる。
樹脂層2は、上記基材に、電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合し、適切な抵抗領域(体積抵抗率)として好ましくは103〜1011Ωcm、より好ましくは104〜1010Ωcmに調整する。
現像ローラの電気抵抗測定は、図5に示す電気抵抗測定機を用いて測定した。現像ローラ501の芯金両端部(図5中、矢印A)に500gfずつ加重を施し、金属ドラム53に押し当て、ローラ回転数1rpsにて回転させながら、電源50より50Vの電圧を印加した。このとき電圧計52に示される、抵抗51(10kΩ)にかかる電圧を30秒間読み取り、その平均値よりローラ電気抵抗値を求めた。
樹脂層2に導電性を付与するために用いられる電子導電性物質としては、以下のものが挙げられる。ケッチェンブラックEC,アセチレンブラックの如き導電性カーボン;SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MTの如きゴム用カーボン;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン;銅、銀、ゲルマニウムの如き金属及び金属酸化物。この中でも、少量で導電性を制御しやすいことからカーボンブラック〔導電性カーボン、ゴム用カーボン、カラー(インク)用カーボン〕が好ましい。
また、樹脂層2に導電性を付与するために用いられるイオン導電性物質としては以下のものが挙がられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。
これら導電性付与剤は、樹脂層を前記のような適切な体積抵抗率にするのに必要な量が用いられるが、通常基材100質量部に対して、1〜50質量部の範囲で用いられる。
また、樹脂層2の厚みは、0.3mm〜10.0mmの範囲とすることが好ましい。より好ましくは1.0mm〜5.0mmの範囲である。
図1に示した現像ローラは、軸体1を予め配した成型金型のキャビティ内に、前記した樹脂(基材)と、導電性付与剤と、式(1)で表されるシリコーン化合物とを混練した組成物を注入して作製することができる。また、予め、上記組成物を用いて別途形成したスラブやブロックから、押し出し加工や切削加工によりチューブを形成し、これを所定の形状、寸法に切り出した後、軸体1を圧入して、現像ローラを作製することもできる。所望の場合には、さらに、切削や研磨処理などによって所定の外径に調整してもよい。
また、別の方法として、上記組成物に溶媒と、必要に応じ現像ローラの表面の粗さを調整するための粗し粒子、硬化剤もしくは硬化触媒を添加し、ボールミルなどの混練機などを用いて塗料にする。その後、該塗料をスプレーやロールコート、ディピングなどの方法により、軸体1に塗布し、必要に応じて加熱処理を行うことにより、樹脂層2を作製することもできる。
添加する粗し粒子としては以下のものが挙げられる。EPDM、NBR、SBR、CR、シリコーンゴムの如きゴム粒子;ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド系の熱可塑性エラストマー(TPE)の如きエラストマーの粒子;PMMA、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂の如き樹脂粒子。これらの粒子は単独または組み合わせて用いることができる。このとき現像ローラの表面粗さRzは一般的に1〜15μmに調整される。現像ローラの表面粗さは、JIS B0601:2001によるRzとする。
表面粗さRzの測定には、接触式表面粗さ計((株)小阪研究所製:サーフコーダ−SE−3300)を用いた。測定条件は、カットオフ値が0.8mm、測定長さが2.5mm、送りスピードが0.1mm/秒、倍率が5000倍の設定で行った。測定点数は現像領域の現像ローラ表面を任意で10点測定し、その平均値を求めた。
図2は、本発明に係る現像ローラの他の実施態様を示す概略断面図である。図2に係る現像ローラ200は、軸体1と、軸体1の周囲を被覆する樹脂層201と、樹脂層201の周囲を被覆している、最表面層をなす樹脂層202とからなっている。
樹脂層202は、現像ローラ100の樹脂層2に対応する。よって、樹脂層202の詳細については、前記の樹脂層2についての記載を援用する。本発明において、樹脂層201、202は各々一層でも複層でも構わないが、少なくとも最表面層になる樹脂層には必ず式(1)で表されるシリコーン化合物を含むことが必要である。なお、最表面層以外の層には、式(1)で表されるシリコーン化合物を含んでいても、含んでいなくても良い。
下層を形成する樹脂層201は、ドラムとのニップ幅を安定的に確保し、画像の均一性や長時間安定な画像を出力し続けるために、樹脂の中でも弾性に富むものが好ましく、以下に挙げるものが好適である。天然ゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、及びこれらの混合物。これらの中ではシリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムが特に好ましい。
また、樹脂層201は、導電性付与剤を配合し、適切な抵抗領域(体積抵抗率)に調整することが好ましい。樹脂層201の体積抵抗率は、103〜1010Ωcmであることが好ましく、104〜108Ωcmであることが特に好ましい。導電性付与剤としては、前記樹脂層2に添加することのできる導電性付与剤と同様のものが挙げられる。またその添加量についても、前記樹脂層2の場合と同様である。
さらに、樹脂層201の硬度は、ASKER−C硬度で25〜70度、好ましくは35〜50度とすることが好ましい。Asker−C硬度の測定は、ゴム材硬度の測定法に従い、具体的には、基準規格アスカーC型SRIS(日本ゴム協会規格)0101に従って別途作製した試験片を用いて、アスカーゴム硬度計(高分子計器(株)製)により測定した。
樹脂層201の厚みは、通常0.3mm〜10mm、特には1.0mm〜5.0mmの範囲とすることが好ましい。樹脂層202の厚みは、下層の樹脂層201の弾性を損なわないようにするために、0.5μm〜100μmとすることが好ましい。
本発明の樹脂層(2、201、202)の厚さは、樹脂層が形成された現像ローラを切り取り、ノギスでその断面を9点測定し、その相加平均値とした。厚みが薄い場合(1.0mm以下)は、断面をビデオマイクロスコープ(倍率5〜3000倍)で9点測定し、その相加平均値とした。
図2に示した現像ローラは、樹脂層201を軸体1の外周に形成した後、該樹脂層201の外周面上に、樹脂層202を積層に配置することで作製することができる。樹脂層201は、下記1)または2)の方法により形成することができる。
1)軸体1を予め配した成型金型のキャビティ内に、樹脂層201を形成するための前記組成物を注入して、加熱硬化する工程を含む方法。
2)予め樹脂層201を形成するための組成物を用いてスラブやブロックを形成する工程と、該スラブまたはブロックから切削加工または押し出し加工によりチューブを形成し、これを所定の形状、寸法に切り出した後、軸体1を圧入する工程とを有する方法。
なお、上記1)及び2)の方法のいずれの場合も、軸体1の周囲に樹脂層201を形成した後に、必要に応じてさらに、切削や研磨処理により、所定の外径に調整してもよい。
樹脂層202は、前記した樹脂層2と同様の材料構成で、かつ同様の形成方法のいずれかを用いて樹脂層201の上に積層形成することができる。
[電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置]
本発明は、以下の構成を有する電子写真画像形成装置である:
・静電潜像を担持するための像担持体;
・該像担持体を一次帯電するための帯電装置;
・一次帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置;
・該静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像装置;
・該トナー像を転写材に転写するための転写装置。
そして、該現像装置が、上記のような本発明の現像ローラを有することを特徴とする。
また、本発明は、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジである。そして、上記のような本発明の現像ローラを具備することを特徴とする。本発明の電子写真プロセスカートリッジは、現像ローラ以外に、電子写真画像形成装置の他の任意の構成と組み合わせることができる。
図3は、本発明の電子写真画像形成装置の概略を示す断面図である。図4は、図3の画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの拡大断面図である。このプロセスカートリッジは、像担持体としての感光ドラム21と、帯電部材22を具備する帯電装置と、現像ローラ24を具備する現像装置と、クリーニング部材30を具備するクリーニング装置とを内蔵している。そして、図3の電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。
像担持体としての感光ドラム21は、不図示のバイアス電源に接続された帯電部材22によって一様に帯電される。この時の帯電電位は−400Vから−800V程度である。次に、感光ドラム21は、静電潜像を書き込むための露光手段23により、その表面に静電潜像が形成される。露光手段23には、LED光、レーザー光のいずれも使用することができる。露光された部分の感光ドラム21の表面電位は−100Vから−200V程度である。
次に、画像形成装置本体に対し着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジに内蔵された現像ローラ24によって負極性に帯電したトナーが静電潜像に付与(現像)され、静電潜像が可視像に変換される。このとき、現像ローラ24には不図示のバイアス電源によって−300Vから−500V程度の電圧が印加される。なお、現像ローラ24は、感光ドラム21と0.5mm以上3mm以下のニップ幅をもって接触している。本電子写真プロセスカートリッジにおいては、トナー規制部材である現像ブレード26と現像ローラ24との当接部に対して現像ローラ24の回転の上流側に、トナー供給ローラ25が回転可能な状態で現像ローラ24に当接される。
次に、感光ドラム21上で現像されたトナー像は、中間転写ベルト27に1次転写される。中間ベルト27の裏面には1次転写部材28が当接しており、1次転写部材28に+100Vから+1500V程度の電圧を印加することで、負極性のトナー像を感光ドラム21から中間転写ベルト27に1次転写する。1次転写部材28はローラ形状であってもブレード形状であっても良い。
電子写真画像形成装置が、フルカラー画像形成装置である場合、上記の帯電、露光、現像、1次転写工程を、イエロー色、シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各色に対して行う必要がある。そのために、図3に示す電子写真画像形成装置では、前記各色のトナーを内蔵したプロセスカートリッジが各1個、合計4個、画像形成装置本体に対し着脱可能な状態で装着されている。そして、上記の帯電、露光、現像、1次転写工程は、所定の時間差をもって順次実行され、中間転写ベルト27上に、フルカラー画像を表現するための4色のトナー像が重ね合わせた状態が作り出される。
中間転写ベルト27上のトナー像は、中間転写ベルト27の回転に伴って、2次転写部材29と対向する位置に搬送される。このとき、中間転写ベルト27と2次転写部材29との間には、所定のタイミングで記録用紙32が搬送されてきており、2次転写部材に2次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト27上のトナー像を記録用紙32に転写する。このとき、2次転写部材29に印加されるバイアス電圧は、+1000Vから+4000V程度である。2次転写部材29によってトナー像が転写された記録用紙32は、定着装置31に搬送され、記録用紙32上のトナー像を溶融させて記録用紙32上に定着させた後、記録用紙32を画像形成装置の外に排出することで、プリント動作が終了する。
なお、感光ドラム21から中間転写ベルト27に転写されることなく、感光ドラム21上に残存したトナー像は、感光ドラム表面をクリーニングするためのクリーニング部材30により掻き取られ、感光ドラム21の表面がクリーニングされる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明を何ら限定するものではない。
(3級アミノ基を有する側鎖を持つシリコーン化合物の作製)
実施例に用いたシリコーン化合物1〜3の基本構造を表1に示す。
Figure 2009151000
(シリコーン化合物1の作製)
(dimethylamino)acetic acid(Aldrich社製)10g(0.097mol)と二塩化オキサリル(Aldrich社製)18.4g(0.145mol)とをベンゼン中、40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。次に、この酸塩化物12.1g(0.1mol)と2−[2−(allyloxy)ethoxy]ethanol(Aldrich社製)17.5g(0.12mol)をジエチルエーテル中でピリジンの存在下、室温で24時間反応させエステル化合物を得た。
次に、触媒としてのヘキサクロロ白金(VI)酸(6水和物)(キシダ化学社製)のIPA溶液(ヘキサクロロ白金(VI)酸(6水和物)の濃度は2wt%)0.1gに、該エステル化合物39.3g(0.17mol)と、トルエン200gとを混合した。次に、該混合物に、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:KF9901、信越化学工業製)26.5g(0.0068mol)を、滴下ロートを用いて約5分間で滴下が終了するよう、徐々に滴下した。滴下終了後、混合物を温度80℃に加温して、8時間攪拌した。
その後、反応液を室温まで空冷した後、活性炭(0.5g)を加え、室温で更に2時間攪拌した。次に、活性炭を濾別した後、溶媒及び未反応物を除去し、目的物であるシリコーン化合物1を得た。シリコーン化合物1の重量平均分子量は、4800であった。
(シリコーン化合物2の作製)
(diethylamino)acetic acid(Aldrich社製)12.7g(0.097mol)と二塩化オキサリル(Aldrich社製)18.4g(0.145mol)とをベンゼン中、40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。次に、この酸塩化物14.9g(0.1mol)と2−[2−(allyloxy)ethoxy]ethanol(Aldrich社製)17.5g(0.12mol)をジエチルエーテル中でピリジンの存在下、室温で24時間反応させエステル化合物を得た。次に、触媒としてのヘキサクロロ白金(VI)酸(6水和物)(キシダ化学社製)のIPA溶液(ヘキサクロロ白金(VI)酸(6水和物)の濃度は2wt%)0.1gに、該エステル化合物44.0g(0.17mol)と、トルエン200gとを混合した。次に、該混合物に、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:KF9901、信越化学工業製)26.5g(0.0068mol)を、滴下ロートを用いて約5分間で滴下が終了するよう、徐々に滴下した。滴下終了後、混合物を温度80℃に加温して、8時間攪拌した。
その後、反応液を室温まで空冷した後、活性炭(0.5g)を加え、室温で更に2時間攪拌した。次に、活性炭を濾別した後、溶媒及び未反応物を除去し、目的物であるシリコーン化合物2を得た。シリコーン化合物2の重量平均分子量は、5600であった。
(シリコーン化合物3の作製)
(dimethylamino)acetic acid(Aldrich社製)10g(0.097mol)と二塩化オキサリル(Aldrich社製)18.4g(0.145mol)とをベンゼン中、40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。次に、この酸塩化物12.1g(0.1mol)とpoly(propylene glycol)acrylate(Aldrich社製)57g(0.12mol)をジエチルエーテル中でピリジンの存在下、室温で24時間反応させエステル化合物を得た。次に、触媒としてのヘキサクロロ白金(VI)酸(6水和物)(キシダ化学社製)のIPA溶液(ヘキサクロロ白金(VI)酸(6水和物)の濃度は2wt%)0.1gに、該エステル化合物95.5g(0.17mol)と、トルエン200gとを混合した。次に、該混合物に、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:KF9901、信越化学工業製)26.5g(0.0068mol)を、滴下ロートを用いて約5分間で滴下が終了するよう、徐々に滴下した。滴下終了後、混合物を温度80℃に加温して、8時間攪拌した。
その後、反応液を室温まで空冷した後、活性炭(0.5g)を加え、室温で更に2時間攪拌した。次に、活性炭を濾別した後、溶媒及び未反応物を除去し、目的物であるシリコーン化合物3を得た。シリコーン化合物3の重量平均分子量は、13200であった。
(現像ローラの作製)
(実施例1)
本実施例では、図2に示す構成の現像ローラ200を作製した。
SUS304からなる外径8mmの芯金(軸体1)を、内径16mmの円筒状金型内に同心となるように設置した。そして、下層の樹脂層201を形成する材料として液状導電性シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、ASKER−C硬度40度、体積抵抗率1×107Ω・cm品)を注型した。注型後、温度130℃のオーブンに入れ20分間加熱成型し、脱型後、温度200℃のオーブンで4時間2次加硫を行い、厚み4mmの樹脂層201を形成した。
次に、ポリテトラメチレングリコール(商品名:PTG1000SN、保土谷化学株式会社製)100質量部に、イソシアネート(商品名:ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業株式会社製)18.7質量部をメチルエチルケトン溶媒中で段階的に混合した。そして、窒素雰囲気下温度80℃にて3時間反応させて、重量平均分子量Mw=12000、水酸基価17.2のポリエーテルポリオールプレポリマー(1)を得た。
・ポリエーテルポリオールプレポリマー(1) 100質量部
・イソシアネート 85質量部
(商品名:C2521、日本ポリウレタン工業社製)
・シリコーン化合物1 1質量部
上記成分を混合したものにメチルエチルケトンを加え固形分28質量%になるように調整したものを樹脂層202形成用の原料液とした。この原料液の固形分100質量部に対してカーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学社製)20質量部、アクリル樹脂粒子(商品名:MX−1000、綜研化学社製)30質量部添加し、この塗料液をボールミルで攪拌分散した。得られた塗料を、先に成型した樹脂層201の上にディッピングにより膜厚15μmとなるように塗布し、温度80℃のオーブンで15分間乾燥後、温度140℃のオーブンで4時間硬化することにより、最表面層としての樹脂層202を形成し、現像ローラを得た。得られた現像ローラの体積抵抗率は、1.6×109Ω・cmであり、表面粗さRzは7.6μmであった。
(実施例2)
最表面層としての樹脂層202を成形するための塗料に添加したシリコーン化合物1の添加量を0.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。得られた現像ローラの体積抵抗率は、1.3×109Ω・cmであり、表面粗さRzは8.2μmであった。
(実施例3)
最表面層としての樹脂層202を成形するための塗料に添加したシリコーン化合物1を、シリコーン化合物2に変更し、その添加量を3質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。得られた現像ローラの体積抵抗率は、1.8×109Ω・cmであり、表面粗さRzは8.1μmであった。
(実施例4)
最表面層としての樹脂層202を成形するための塗料に添加したシリコーン化合物1を、シリコーン化合物3に変更し、その添加量を20質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。得られた現像ローラの体積抵抗率は、1.6×109Ω・cmであり、表面粗さRzは7.9μmであった。
(比較例1)
最表面層としての樹脂層202を形成するための塗料にシリコーン化合物1を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。得られた現像ローラの体積抵抗率は、2.6×109Ω・cmであり、表面粗さRzは8.0μmであった。
(比較例2)
最表面層としての樹脂層202を成形するための塗料に添加したシリコーン化合物1を、KF864(商品名、信越化学社製)に変更し、その添加量を3質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。樹脂層202の体積抵抗率は、1.1×109Ω・cmであり、表面粗さRzは8.4μmであった。
<画像評価>
<高温高湿環境(温度30℃/湿度85%RH)下かぶり評価>
上記現像ローラを、下記カラーレーザープリンタ用の電子写真プロセスカートリッジに装着し、カラーレーザープリンタ(商品名:Color LaserJet 4700、ヒューレットパッカード社製)を用いて評価した。トナーは、Color LaserJet 4700(商品名)のシアンプリントカートリッジに搭載されているシアントナーをそのまま使用した。評価手順は、高温高湿環境下にて2%印字画像を15000枚画だしした。その後、高温高湿環境下に24時間放置した後、高温高湿環境下にて1枚ベタ白画像をグロス紙に出力した。その時、プリント後の白地部反射濃度を10点測定した平均値をDs(%)、プリント前の用紙の反射濃度を10点測定した平均値をDr(%)としたときのDs−Drをかぶり量とした。反射濃度は、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.LTD社製、REFLECTOMETER MODEL TC−6DS/A:商品名)を用いて測定した。かぶり量は、0.5%未満であると極めて良好な画像と判断できる。かぶり量が0.5%以上1.5%未満であると、実質的にかぶりのない良好な画像である。かぶり量が1.5%以上であると、かぶりの目立つ不鮮明な画像である。
<常温常湿環境(温度23℃/湿度55%RH)下かぶり評価>
上記現像ローラを、下記カラーレーザープリンタ用の電子写真プロセスカートリッジに装着し、カラーレーザープリンタ(商品名:Color LaserJet 4700、ヒューレットパッカード社製)を用いて評価した。トナーは、Color LaserJet 4700(商品名)のシアンプリントカートリッジに搭載されているシアントナーをそのまま使用した。評価手順は、常温常湿環境下にて2%印字画像を15000枚画だしした。その後、常温常湿環境下に24時間放置した後、常温常湿環境下にて1枚ベタ白画像をグロス紙に出力した。その時、プリント後の白地部反射濃度を10点測定した平均値をDs(%)、プリント前の用紙の反射濃度を10点測定した平均値をDr(%)としたときのDs−Drをかぶり量とした。反射濃度は、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.LTD社製:REFLECTOMETER MODEL TC−6DS/A)を用いて測定した。かぶり量は、高温高湿環境下と同じ基準で判断した。
<低温低湿環境(温度15℃/湿度10%RH)下ブロッチ評価>
上記現像ローラを、下記カラーレーザープリンタ用の電子写真プロセスカートリッジに装着し、カラーレーザープリンタ(商品名:Color LaserJet 4700、ヒューレットパッカード社製)を用いて評価した。トナーは、Color LaserJet 4700(商品名)のシアンプリントカートリッジに搭載されているシアントナーをそのまま使用した。評価手順は、低温低湿環境下に48時間放置した後、ベタ黒画像、ハーフトーン(60h)画像を現像し、それぞれの画像においてトナーの過剰帯電により発生し易いブロッチ(斑点画像)を目視により観察し、評価結果を下記の指標で評価した。
A:ベタ黒画像、ハーフトーン画像共にブロッチが全くみられない。
B:ハーフトーン画像に軽微なブロッチがみられるが、実用レベル。
C:ベタ黒画像、ハーフトーン画像共にブロッチがみられる。
<常温常湿環境(温度23℃/湿度55%RH)下ブロッチ評価>
上記現像ローラを、下記カラーレーザープリンタ用の電子写真プロセスカートリッジに装着し、カラーレーザープリンタ(商品名:Color LaserJet 4700、ヒューレットパッカード社製)を用いて評価した。トナーは、Color LaserJet 4700(商品名)のシアンプリントカートリッジに搭載されているシアントナーをそのまま使用した。評価手順は、常温常湿環境下に48時間放置した後、ベタ黒画像、ハーフトーン(60h)画像を現像し、低温低湿環境下と同じ基準でブロッチ(斑点画像)を目視により評価した。
評価結果を表2にまとめて示した。
Figure 2009151000
表2に示す実施例1〜4の結果から明らかなように、樹脂層の最表面層が、式(1)で表されるシリコーン化合物を含有する現像ローラを用いた場合は、高温高湿環境下のかぶりの発生と低温低湿環境下のブロッチの発生を同時に抑制できる。すなわち、高品位の画像が得ることができる。
本発明の現像ローラの一例を示す断面図である。 本発明の現像ローラの一例を示す断面図である。 本発明の電子写真画像形成装置の概略を示す断面図である。 本発明の電子写真画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの拡大断面図である。 本発明に係る現像ローラの電気抵抗測定方法の説明図である。
符号の説明
1:良導電性シャフト(軸体)
2:樹脂層
21:感光ドラム
22:帯電部材
23:露光手段
24:現像ローラ
25:トナー供給ローラ
26:現像ブレード
27:中間転写ベルト
28:一次転写部材
29:二次転写部材
30:クリーニング部材
31:定着装置
32:記録用紙
100:現像ローラ
200:現像ローラ
201:樹脂層
202:樹脂層
50:電源
51:抵抗
52:電圧計
53:金属ドラム
501:現像ローラ

Claims (6)

  1. 軸体と、該軸体の周囲に設けられた樹脂層とを有する現像ローラにおいて、該樹脂層の最表面層が、下記式(1)で表されるシリコーン化合物を含有することを特徴とする現像ローラ。
    Figure 2009151000
    式(1)中、R1乃至R9はそれぞれ独立してアルキル基、R10は少なくともオキシアルキレン基の繰り返し構造を含む有機基、R11及びR12はそれぞれ独立してアルキル基、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数である。
  2. 前記R11及びR12が、それぞれ独立してメチル基またはエチル基である請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記R10が、少なくともオキシエチレン基の繰り返し構造を含む請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. 前記シリコーン化合物が、下記式(2)で表される請求項1に記載の現像ローラ。
    Figure 2009151000
    式(2)中、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数である。
  5. 電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラを具備することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  6. 静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、一次帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像装置と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置とを有する電子写真画像形成装置において、該現像装置が、請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラを有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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