JP5868016B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
また、本発明に係る別の光学装置は、光軸方向に伸びる案内溝を外周部に有する第1の円筒部材と、光軸に直交する周方向に伸びる周辺溝と、外周部で光軸に直交する周方向に傾いて伸びるリード溝とを有し、前記第1の円筒部材に対して光軸の周りに回転可能な第2の円筒部材と、光学素子を保持する保持部材と、一端が前記光軸と直交する方向の第1の回転軸を中心に回転可能に前記保持部材に取り付けられ、他端が前記第1の回転軸に対して偏芯し前記案内溝に係合する第1の偏芯ローラと、一端が前記光軸と直交する方向の第2の回転軸を中心に回転可能に前記保持部材に取り付けられ、他端が前記第2の回転軸に対して偏芯し前記周辺溝に係合する第2の偏芯ローラと、前記第1の円筒部材に設けられ、前記リード溝に係合するコロと、を有することを特徴とする。
以下、図1および図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係わる光学装置としての交換レンズについて説明する。
本実施形態の交換レンズは、物体側から順に、第1〜第4レンズ群L1〜L4を有する4群構成の交換レンズである。全てのレンズ群L1〜L4は、ズーム動作に際して光軸方向に移動し、第2レンズ群L2は、フォーカス動作に際しても光軸方向に移動する。第3レンズ群L3は、第3aレンズ群L3a、第3bレンズ群L3bの2つの部分群に分けられ、撮像面側に位置する群である第3bレンズ群L3bは、光軸方向への移動とは別に、手振れ等による像振れ補正動作を行うために光軸直交方向にも移動する。
このように、本実施形態の交換レンズでは、インナーフォーカスにおける焦点距離変化に伴う焦点位置ずれを機構的に補償して、第2レンズ群L2を光軸方向に進退させる。
1)調整用溝
次に、本発明の特徴である第4レンズ群L4の保持調整に関する詳細構造を説明する。図1に示すように、4群移動筒(第1の支持部材、第1の円筒部材)109には、光軸方向に伸びた、長手方向が光軸と平行な2つの第1面を有する案内溝(第1溝部)109aが光軸を中心として角度等分に3箇所設けられている。107は4群移動筒109の外周に嵌合している4群調整筒で、光軸直交方向に伸びた、長手方向が光軸と直交する2つの第2面を備えた周溝(第3溝部、周辺溝)107aを有する。また、4群調整筒(第2の支持部材、第2の円筒部材)107には、光軸方向にリフト量を備えた2つの面(光軸方向に対し斜め方向の2つの面)を有するリード溝(第2溝部)107bが、それぞれ光軸を中心として角度等分に3箇所設けられている。
上述の第4レンズ群L4を保持している4群保持枠(保持部材)108には、POM等の比較的弾性の高い樹脂材料で形成されている第1偏芯コロ(第1の偏芯部材、第1の偏芯ローラ)111および第2偏芯コロ(第2の偏芯部材、第2の偏芯ローラ)112が、それぞれ光軸を中心として角度等分に3箇所にビス止めされている。第1偏芯コロ111および第2偏芯コロ112は、それぞれ光軸を中心として光軸直交方向において放射方向に延びる軸を中心とした円筒形状部Aと、円筒形状部Aの中心軸から偏芯した軸を中心とする円筒形状部Bとを有している。
図4は、第1偏芯コロ111の回転により4群移動筒109が光軸直交方向に変位可能とした場合の変位を示し、図5は第1偏芯コロ111の回転により4群移動筒109が光軸直交方向に変位せず、4群保持枠108が光軸直交方向に変位することを示す。まず、4群調整筒107の4群移動筒109に対する回転位置を仮に固定する。この状態で、第1偏芯コロ111を回転させると、図4に示すように円筒形状部Bが4群移動筒109の案内溝109a内で回転(BはAの周りに公転)し、移動筒109を光軸直交方向に変位させようとする。
一方、第2偏芯コロ112を回転させると、図4、図5に示した作用と同様の作用により、円筒形状部Bが4群調整筒107の周溝107a内で回転(BはAの周りに公転)し、4群調整筒107を光軸方向に変位させようとする。しかし、実際には傾き偏芯の調整の際には4群調整筒107は光軸方向には変位が拘束(4群調整筒107の回転位置仮固定と、コロ137が4群調整筒107のリード溝107aに係合していることによる)され、光軸方向に変位しない状態とされており、相対的に保持枠108が光軸方向に変位することとなる。
次に、4群保持枠108の光軸方向位置の調整作業について説明する。まず、4群調整筒107を4群移動筒109に対して回転させることで、4群移動筒109にビス止めされたコロ137と、移動可能部としてのリード溝107b(4群調整筒107)との係合に従い、4群調整筒107が光軸方向に移動する。4群調整筒107が光軸方向に移動すると、4群調整筒107の周溝107aに係合している第2偏芯コロ112を介して、4群保持枠108を光軸方向に移動させる。
最後に、第1から第4群レンズL1〜L4全系で行う調整作業について説明する。図2で説明した構成部品のうち、マウント101、固定筒102、外装環103、フォーカスユニット121、マニュアルリング122、メイン基板131、およびこれらに固定された部品を組む前に、案内筒104を不図示の調整治具に固定する。この状態で、第4群レンズL4を保持した4群保持枠108の、4群移動筒109に対する平行偏芯、傾き偏芯をそれぞれ調整する。その後、4群保持枠108の4群移動筒109に対する光軸方向位置を調整し、4群移動筒109に対して4群調整筒107の回転位置を、ビス止め、接着等の公知の手段で固定する。
以上、本実施形態によれば、光学素子の保持部材に対して、第1の支持部材の光軸と平行面に挟まれた第1の偏芯部材による平行偏芯調整、第2の支持部材の光軸と直交面に挟まれた第2の偏芯部材による傾き偏芯調整を行うことができる。
かつ、第2の支持部材とともに、第2の偏芯部材を光軸方向に移動させることで、平行偏芯を調整した状態および傾き偏芯を調整した状態を保持したまま、光学素子の保持部材の光軸方向位置調整も行うことができる。
以下、図3を参照して、本発明の参考例による交換レンズについて説明する。なお、図1および図2に示した第1の実施形態と同一部品には同一符号を付して、重複説明を省略する。
1)調整用溝
134は4群移動筒で、光軸と平行な2つの面を有する案内溝(第1溝部)134aが光軸を中心として角度等分に3ヶ所に設けられている。135は4群調整筒(第2の支持部材、第2の円筒部材)で、内周に設けられたバヨネット溝(第4溝部、規制溝)135aが、4群移動筒134(第1の支持部材、第1の円筒部材)の外周に設けられた3ヶ所のバヨネット突起(規制部材)134bと係合する。バヨネット溝135aは光軸と直交する面内に本来的に無端状の溝が形成され、必要に応じて一部領域にバヨネット突起134a通過用の切り欠き端(図3)を設ける。これにより、4群移動筒134の外周に、光軸方向の位置は規制され、かつ、回転可能な状態で嵌合している。
第4レンズ群L4を保持している4群保持枠(保持部材)108には、POM等の比較的弾性の高い樹脂材料で形成されている第1偏芯コロ(第1の偏芯部材、第1の偏芯ローラ)111および第2偏芯コロ(第2の偏芯部材、第2の偏芯ローラ)112が、それぞれ光軸を中心として角度等分に3箇所にビス止めされている。第1偏芯コロ111および第2偏芯コロ112は、それぞれ光軸を中心として光軸直交方向において放射方向に延びる軸を中心とした円筒形状部Aと、円筒形状部Aの中心軸から偏芯した軸を中心とする円筒形状部Bとを有している。
次に、第1偏芯コロ111および第2偏芯コロ112の組み合わせによる、4群保持枠108の傾き位置および偏芯位置の調整作業について説明する。まず、4群調整筒135の4群移動筒134に対する回転位置を仮に固定する。この状態で、第1偏芯コロ111を回転させると、図4に示すように円筒形状部Bが4群移動筒134の案内溝134a内で回転(BはAの周りに公転)し、移動筒134を光軸直交方向に変位させようとする。
一方、第2偏芯コロ112を回転させると、図4、図5に示した作用と同様の作用により、円筒形状部Bが4群調整筒135のリード溝135b内で回転(BはAの周りに公転)し、4群調整筒135を光軸方向に変位させようとする。しかし、実際には傾き偏芯の調整の際には4群調整筒135は光軸方向には変位が拘束(4群調整筒135の回転位置仮固定と、バヨネット溝135aとバヨネット突起134bの係合による)され、光軸方向に変位しない状態とされており、相対的に保持枠108が光軸方向に変位することとなる。
次に、4群保持枠108の光軸方向位置の調整作業について説明する。まず、4群調整筒135を4群移動筒134に対して回転させることで、4群調整筒135のリード溝135bの位置が変化し、係合している第2偏芯コロ112を介して、4群保持枠108を移動させようとする。
最後に、第1から第4群レンズL1〜L4全系で行う調整作業について説明する。図2で説明した構成部品のうち、マウント101、固定筒102、外装環103、フォーカスユニット121、マニュアルリング122、メイン基板131、およびこれらに固定された部品を組む前に、案内筒104を不図示の調整治具に固定する。この状態で、第4群レンズL4を保持した4群保持枠108の、4群移動筒134に対する傾き位置、偏芯位置を、それぞれ調整する。
以上、本参考例によれば、光学素子の保持部材に対して、第1の支持部材の光軸と平行な2つの面に挟まれた第1の偏芯部材による偏芯位置調整、第2の支持部材の光軸方向にリフト量を有する2つの面に挟まれた第2の偏芯部材による傾き位置調整を行うことができる。かつ、第2の支持部材のリフト面の位置を変更し、第2の偏芯部材を光軸方向に移動させることで、平行偏芯が調整された状態および傾き偏芯が調整された状態を保持したまま、光学素子の保持部材の光軸方向位置調整も行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び参考例について説明したが、本発明は第1の実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、第1の偏芯部材および第2の偏芯部材は、必ずしも3箇所設ける必要はなく、少なくとも1箇所(残りの箇所は無偏芯部材で可)にあれば、少なくとも一方向の任意の位置に調整可能な構成とすることができ、2箇所(残りの箇所は無偏芯部材で可)であれば任意の方向の任意の位置に調整可能な構成とすることができる。また、各コロが係合する溝に対して長穴状の溝部を用いることを開示したが、長穴部の替わりに無端状の溝部を用いるようにしても良い。
Claims (6)
- 光軸方向に伸びる第1溝部を有する第1の支持部材と、
前記光軸方向に対して傾いた方向に伸びる第2溝部と、光軸に直交する方向に伸びる第3溝部と、を有する第2の支持部材と、
光学素子を保持する保持部材と、
一端が前記光軸と直交する方向の第1の回転軸を中心に回転可能に前記保持部材に対して取り付けられ、他端が前記第1の回転軸に対して偏芯し前記第1溝部に係合する第1の偏芯部材と、
一端が前記光軸と直交する方向の第2の回転軸を中心に回転可能に前記保持部材に対して取り付けられ、他端が前記第2の回転軸に対して偏芯し前記第3溝部に係合する第2の偏芯部材と、
前記第1の支持部材に設けられ、前記第2溝部に係合する係合部材と、
を有する光学装置であって、
前記第1の偏芯部材を、前記第1の回転軸を中心に回転させることにより、前記光学素子は、前記第1の支持部材に対して前記光軸に直交する方向に移動可能であり、
前記第2の偏芯部材を、前記第2の回転軸を中心に回転させることにより、前記光学素子は、前記光軸に直交する面に対して傾けることが可能であり、
前記係合部材と前記第2溝部との係合位置を変えることで、前記第2の支持部材および前記保持部材を前記第1の支持部材に対して前記光軸方向に移動可能とすることを特徴とする光学装置。 - 前記第2の支持部材は筒状部材であり、前記第2溝部および前記第3溝部は、前記第2の支持部材の周方向に伸びていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記第1および第2の偏芯部材は、偏芯コロであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学装置。
- 前記第1および第2の偏芯部材は、それぞれ前記保持部材の外周に3つ設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学装置。
- 光軸方向に伸びる案内溝を外周部に有する第1の円筒部材と、
光軸に直交する周方向に伸びる周辺溝と、外周部で光軸に直交する周方向に傾いて伸びるリード溝とを有し、前記第1の円筒部材に対して光軸の周りに回転可能な第2の円筒部材と、
光学素子を保持する保持部材と、
一端が前記光軸と直交する方向の第1の回転軸を中心に回転可能に前記保持部材に取り付けられ、他端が前記第1の回転軸に対して偏芯し前記案内溝に係合する第1の偏芯ローラと、
一端が前記光軸と直交する方向の第2の回転軸を中心に回転可能に前記保持部材に取り付けられ、他端が前記第2の回転軸に対して偏芯し前記周辺溝に係合する第2の偏芯ローラと、
前記第1の円筒部材に設けられ、前記リード溝に係合するコロと、
を有することを特徴とする光学装置。 - 前記第1の偏芯ローラを、前記第1の回転軸を中心に回転させることにより、前記保持部材は、前記第1の円筒部材に対して前記光軸に直交する方向に移動可能であり、
前記第2の偏芯ローラを、前記第2の回転軸を中心に回転させることにより、前記保持部材は、前記光軸に直交する面に対して傾けることが可能であり、
前記コロと前記リード溝との係合位置を変えることで、光軸に直交する方向を維持し前記保持部材の光軸に直交する面に関して傾けて、前記第2の円筒部材および前記保持部材を前記第1の円筒部材に対して前記光軸方向に移動可能とすることを特徴とする請求項5に記載の光学装置。
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