JP2017116715A - レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズの偏心調整を省スペースで行うことが可能な光軸ズレ調整機構を有するレンズ鏡筒及び光学機器を提供する。【解決手段】レンズ鏡筒に、レンズ保持部材113と、レンズ保持部材113を外周側で支持する支持部材と、をカム環及び案内筒の内周側に配置する。支持部材は、外周側に、レンズ保持部材113の外延部113aに配置された調整溝113bと当接し且つ回転可能な偏心した円筒部を有する調整部材1と、レンズ保持部材113の外延部113aに配置されたガイド溝113cの光軸直交面と当接するガイド2と、を其々備える。更にガイド2は、案内筒の案内溝及びカム環のカム溝と其々係合する。【選択図】図1
Description
本発明は、レンズ群を光軸調整する構造を有するレンズ鏡筒及びそれを有する光学機器に関する。
従来、撮影時に変倍・合焦を行う機構の一つとしてレンズ鏡筒におけるカム環構造がある。このカム環構造は、レンズ鏡筒が保持する複数のレンズ群を、カム環を用いて光軸方向へ進退させるというものである。保持されるレンズ群の数が増えると、レンズの位置制御に求められる精度は格段に上がる。加えて、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の光学機器では、製品のコンパクト化のニーズに対応するため、カメラ本体だけでなくレンズ鏡筒においても小型化・薄型化が求められている。更に、撮像素子の高画素化・高画質化のニーズに併せて対応するため、カム環構造におけるレンズ群の保持精度の一層の向上が必要となる。
そこで、製造誤差によるレンズ群の光軸ズレを組立工程で光軸調整する機構が求められ、様々な提案がされている。
特許文献1は、レンズ保持部材と、当該レンズ保持部材に対向する面内で移動可能にレンズ保持部材を支持する支持部材と、更にこの支持部材に対向する面に設けられた第1及び第2の回動部材を設け、光軸と直交する平面上でレンズの偏心調整をする。第1及び第2の回動部材は、支持部材の対向する面内に其々設けられた第1及び第2の支点を中心にして回動する。これら第1及び第2の支点は、光軸を挟んで互いに直交する位置に配置する。また、第1及び第2の支点と光軸を挟んで反対側の外周部に其々設けられた凹部には、偏心ピンが係合し、第1及び第2の回動部材の位置調整を行う。
しかしながら、上述した様に特許文献1は、レンズ保持部材とその支持部材の他に、更に2つの回動部材を必要とし、部品点数が増加してしまう。また、これらの回動部材は支持部材の支点と係合する箇所と、光軸を挟んで反対側に設けられた凹部とをつなぐ形状を有する。従って、光学系への影響を避けるため光路を妨げないように2つの回動部材をレンズ外周に沿ってレンズ保持部材に配置しようとすると、光路を避けた回動部材の分だけ、レンズ保持部材の径方向のスペースが増大してしまう。
更に、この2つの回動部材は厚みを有するため、光軸ズレに対する調整機構の光軸方向の厚みを増加させてしまう。これらのことは、レンズ鏡筒の小径化・薄型化の妨げとなる。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、レンズの偏心調整を省スペースで行うことが可能な光軸ズレ調整機構を有するレンズ鏡筒及び光学機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、レンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を外周側で支持する支持部材が、前記支持部材を光軸方向へ移動させるカム環及び固定部材である案内筒の内周側に配置されたレンズ鏡筒であって、前記支持部材は、外周側に、前記レンズ保持部材の外延部に配置された調整溝と当接し且つ回転可能な偏心した円筒部を有する調整部材と、前記レンズ保持部材の外延部に配置されたガイド溝の光軸直交面と当接するガイドと、を其々備え、前記ガイドは、前記案内筒の案内溝及び前記カム環のカム溝と其々係合することを特徴とする。
本発明によれば、偏心した円筒部を有する調整部材を用いて支持部材に対するレンズ保持部材の偏心調整を行う。またレンズ保持部材の支持部材に対する光軸方向への移動を、支持部材を光軸方向に進退させるためのガイドによって規制している。したがって、偏心調整に必要な部品点数と配置スペースを抑えつつ、製造誤差による光軸の調整を行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(実施形態1)
図1乃至図5を参照して、本発明の一実施形態に係る光学機器について説明する。まず、図4を用いて、本発明の光軸ズレ調整機構を備えたレンズ鏡筒及びそのレンズ鏡筒を備えるカメラの構成を説明する。ここでいうレンズ鏡筒とは、一眼レフカメラやミラーレスカメラなどの撮像装置に取り外し可能な交換レンズや、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒部分を指している。
図1乃至図5を参照して、本発明の一実施形態に係る光学機器について説明する。まず、図4を用いて、本発明の光軸ズレ調整機構を備えたレンズ鏡筒及びそのレンズ鏡筒を備えるカメラの構成を説明する。ここでいうレンズ鏡筒とは、一眼レフカメラやミラーレスカメラなどの撮像装置に取り外し可能な交換レンズや、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒部分を指している。
図4は、本発明の光軸ズレ調整機構を備えたレンズ鏡筒及びそのレンズ鏡筒を備えるカメラの構成を表す断面図である。このレンズ鏡筒は5群構成の変倍光学系を示す。但し、本発明においてレンズ群の数は5群に限定されるものではない。第1群レンズL1は最も対象物側に近い位置に配置し、その後に続いて第2群レンズL2、第3群レンズL3、第4群レンズ(補正レンズ群)L4および第5群レンズL5を配置する。第2群レンズL2は光軸方向に進退して合焦動作を行う。第4群レンズL4は一部が光軸に直交する面内で移動し手ぶれ補正を行う。第1群レンズL1から第5群レンズL5の全てのレンズが其々光軸方向に進退することにより、変倍動作を行う。
カメラ本体100は、CCDやCMOS等の撮像素子100aを有する。また、マウント101はカメラ本体100に取付けるためのバヨネット部を有する。固定筒102はビスを介してマウント101を固定する。固定筒102には、目盛窓103、不図示のSWパネル(スイッチパネル)を取付ける。SWパネルに設けるスイッチを切り替えることにより、オートフォーカスや手ぶれ補正等の機能を選択的に使用できる。外装環104は、マウント101と固定筒102との間に挟みこむようにして固定する。外装環104には名称プレート105を取付ける。
固定筒102は、ビスを介して固定部材となる案内筒106を固定することにより、カメラ本体100に対する固定部を構成する。案内筒106の外周側にはカム環108を配置する。コロ107によってカム環108の動きは光軸周りの回転のみに限定される。従って、カム環108を回転させると、案内筒106に設けた光軸方向の案内溝106aとカム環108に設けたカム溝108aの交点が移動する。この交点の移動に伴い、ビス止め固定した不図示のコロを介して各群のレンズを光軸方向へ移動させることができる。
同様に、ビス止め固定した不図示のコロを介して第4群レンズL4を保持する補正ユニット101及び直進筒111を光軸方向へ進退させることができる。
レンズ保持部材である3a群保持部材113は、第3群レンズL3のうち、物体側の群である第3a群レンズL3aを保持する。3a群保持部材113を外周側で支持する支持部材である3b群保持部材109は、第3群レンズL3のうち、像面側の群である第3b群レンズL3bを保持する。3a群保持部材113は後方付近で、電磁絞りユニット112を3b群保持部材109にビスで固定する。電磁絞りユニット112は絞り駆動部と絞り羽根部から構成する。
また、3b群保持部材109から延出した5群取り付け外延部109aの後端では、5群保持部材114が第5群レンズL5を保持し、5群保持板115を介してビスで固定される。電磁絞りユニット112の前端では、開放口径の決定及び有害光のカットを目的として副絞り116が3a群保持部材113の前方から弾性結合される。
手ぶれ補正ユニット110は、第4群レンズL4の物体側の群である第4aレンズL4aを光軸直交方向に駆動可能に保持する。また、マグネット117及びコイル118は駆動部を構成し、当該駆動部が第4群レンズL4aを光軸に直交する方向に駆動させる。一方、第4群レンズL4の後端では、4b群保持部材119が第4群レンズL4の像面側の群である第4bレンズL4bを保持する。4b群保持部材119は補強板120を介してビスで固定される。
フィルター部材121の先端外周にはバヨネット部、先端内周にはネジ部を設け、其々フード、フィルター等のアクセサリーが装着できる。
フィルター部材121には、第1群レンズL1を保持する1群保持部材122をビスで固定する。このとき、フィルター部材121と1群保持部材122の当接部は、其々光軸に対し周方向に延在する斜面形状に形成される。従って、1群保持部材122を回転させてフィルター部材121に取付けることにより、1群保持部材122のフィルター部材121に対する光軸方向の取付け位置を適宜選択することができる。これにより、製造誤差による広角側と望遠側の焦点位置のズレを補正できる。
化粧環123の前面には、レンズ名称等を印刷表示する。固定筒106には、フォーカスユニット124をビスで固定する。フォーカスユニット124は、主に振動型モータと作動機構とで構成される。この作動機構は、振動型モータのロータ回転量とマニュアルリング125の回転量に応じてフォーカスキー127の回転量の出力を調整する。フォーカスゴム126はマニュアルリング125の外周に巻き付ける。
フォーカスユニット124の前側には、ジャイロ基板129をビスで固定する。このジャイロ基板129には、一対の振動ジャイロ128を半田付けする。当該振動ジャイロ128は、水平及び垂直方向のぶれの角速度を検出する。
また、フォーカスユニット124から円弧上に延出した外延部の外周には、グレイコードパターンを形成した不図示のエンコーダフレキシブル基板を貼付する。
更に、フォーカスユニット124の前側であって、振動ジャイロ128及びエンコーダフレキシブル基板を設置していない位相には、突出部を設ける。この突出部には、不図示のコロをビスで固定する。
ズーム操作環130は周方向に溝を設ける。当該溝には不図示のコロを係合させ、ズーム操作環130の光軸方向の移動を規制する。従って、ズーム操作環130は光軸周りにのみ回転できる。
ズーム操作環130は内周に凹部を形成する。この凹部は、カム環108にビスで固定された不図示のズームキーが係合する。これにより、ズームキーを介してズーム操作環130とカム環108を一体的に回転させることができる。
本発明のレンズ鏡筒では、振動ジャイロ128をカメラ本体から離れた位置、即ちフォーカスユニット124の前側に配置する。この構造により、シャッター幕走行やミラーアップ・ダウンの振動等のカメラ本体100が発生する振動を振動ジャイロ128に伝わり難くしている。よって、振動ジャイロをケース内に収納する等の従来用いられてきた手法を必要としない。
また、振動ジャイロ128を設置しない位相には、ズーム操作環130の光軸方向の位置決め部を設ける。これにより、レンズ外径を大きくせずに、振動ジャイロを配置できる。これらの手法により、本発明のレンズ鏡筒が小型化できる。
ズーム操作環130の外周にはズームゴム131を巻き付ける。さらにズーム操作環130には不図示のズームブラシをビスで固定する。このズームブラシがエンコーダフレキシブル基板のグレイコードパターン上を摺動することにより、ズーム操作環130とエンコーダフレキシブル基板の位置関係を検出する。
インナーカム環132には、不図示のコロをビスで固定する。このコロは、案内筒106に設けたカム溝及びカム環108に設けた光軸方向の溝に係合する。これにより、インナーカム環133はカム環108と一体的に回転しながら光軸方向へ進退する。
2群保持部材133は第2群レンズL2を保持する。当該2群保持部材133は外周に突出部を設けており、この突出部がインナーカム環132の内周に設けたカム溝と係合する。また、2群保持部材133から延出したキー部は、フォーカスキー127と一体的に回転するように係合する。このため、2群保持部材133は、カム環108が回転すると、フォーカスキー127は停止した状態で、インナーカム環132の光軸方向への進退量と、インナーカム環132のカム溝の回転に伴う係合点の光軸方向変化量の合計量だけ光軸方向に進退する。
また、フォーカスキー127が回転すると、カム環108は停止した状態で、回転しながらインナーカム環132のカム溝との係合点の光軸方向変化量に応じて進退する。
本発明のレンズ鏡筒では、これらの機構により、インナーフォーカスにおける焦点距離変化に伴う焦点位置ズレをメカ的に補正し、第2群レンズL2を光軸方向へ進退させる。
目盛シート134は、フォーカスユニット124の出力であるフォーカスキー127と一体的に回転し、目盛窓103と合わせて焦点位置を表示する。
フォーカスユニット124、電磁絞りユニット112、手ぶれ補正ユニット110、ジャイロ基板128及びエンコーダフレキシブル基板は、直接又は可撓性フレキシブル基板を介して、各種制御を行うメイン基板135と電気的に接続する。
マウント101には接点ブロック136をビスで固定する。この接点ブロック136はフレキシブル基板を介してメイン基板135と接続し、カメラ本体100との通信及び電源供給を行う。裏蓋137は、マウント101と弾性結合し、有害光をカットする。裏蓋137には保護ゴムリング138が弾性結合する。
上述した様に構成したレンズ鏡筒では、ズーム操作環130を回転させることで、ズームキーを介してカム環108が回転する。そして、上記機構に伴い全てのレンズL1〜L5が光軸方向へ進退して変倍を行う。この際、第3群レンズL3と第5群レンズL5は一体的に進退する。また、第3群レンズL3の進退によって、副絞り116が開閉動作を行い、開放口径を決定する。
オートフォーカス時は振動型モータの駆動により、マニュアルフォーカス時はマニュアルリング125の手動回転により、其々フォーカスキー127を回転させる。これによって、上記機構に従い、第2群レンズL2が進退し、合焦を行うことができる。
更に、手ぶれ補正動作時は振動ジャイロ128の出力に応じて、発生しているぶれによる撮像面での像の移動を打ち消す方向へ、手ぶれ補正ユニット110の第4a群レンズL4aを光軸に直交する面内で駆動させる。
次に、本発明の偏心調整構造について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1における第3群の斜視図である。3a群保持部材113は第3a群レンズL3aを保持するレンズ保持部材である。3b群保持部材109は、外周側で3a群保持部材113と外延部113aを介して当接することにより3a群保持部材113を支持する支持部材である。更に、3b群保持部材109は、第3b群レンズL3bを保持している。本願発明では、3a群保持部材113を3b群保持部材109に対し、光軸の直交面上で移動させることにより、光軸ズレを修正する偏心調整を行う。なお、3a群保持部材113及び3b群保持部材109は、組立時に案内筒106の内周側に配置され、案内筒106の外周側にはカム環108が配置される。
3a群保持部材113は、外周側から光軸後方(カメラ本体側)に延出する外延部113aを有する。この外延部113aは、光軸を中心としてa群保持部材113を3つに等分割した位置に合計3箇所設ける。全ての外延部113aは、調整溝113bとガイド溝113cを其々一つずつ設ける。
3b群保持部材109は、調整部材1を、光軸放射方向を軸として回転可能に、また、光軸を中心として3b群保持部材109を3つに等分割した位置にビスで合計3箇所保持する。この調整部材1は、回転軸に対し回転可能な偏心した円筒部を有する偏心部材である。調整部材1の偏心した構造を回転操作し、偏心部位を調整溝113bと当接させることにより、3a群保持部材113の位置を調整し、3a群保持部材113に保持されたレンズL3aを偏心調整する。
また、同様に3b群保持部材109は、ガイド2を、光軸放射方向を軸として回転可能に、また、光軸を中心として3b群保持部材109を3つに等分割した位置にビスで合計3箇所保持する。このガイド2は、案内筒106の案内溝106a及びカム環108のカム環108と其々係合することにより、カムフォロワ(カムコロ)としての役割を果たす。
また、3b群保持部材109は、5群取付外延部109aを設けている。5群取付外延部109aには、5群保持板115を介して5群保持部材114がビスで固定される。5群保持部材114は第5群レンズL5を保持する。
ここで、調整溝113bは、外延部113aを光軸から放射方向へ貫通して配置される。この調整溝113bは、光軸方向が長手方向となる長穴形状の貫通孔を形成する。そして、調整部材1は調整溝113bを光軸から放射方向に貫通し、調整溝113bの光軸に対し平行方向の面に当接する。この当接を用いて、3a群保持部材113が、3b群保持部材109に対し光軸直交方向へ移動するのを調整する。
また、ガイド溝113cは、外延部113aを光軸から放射方向へ貫通し、光軸直交方向に長手方向となる長穴形状の貫通孔を形成する。そして、ガイド2はガイド溝113cを光軸から放射方向に貫通し、ガイド溝113cの光軸直交方向面に当接する。この当接により、3a群保持部材113が、3b群保持部材109に対し光軸方向へ移動するのを規制する。
調整部材1を所定の工具を用いてその中心軸周りに回転させると、3b群保持部材109における調整部材1の取り付け位置に対し、調整部材1の偏心形状により、調整溝113bの相対的位置が変化する。前述のように、3a群保持部材113はガイド2によって光軸方向へ移動が規制される。したがって、調整部材1の回転により、3a群保持部材113は3b群保持部材109に対し光軸直交方向へ移動することができる。
更に、調整部材1は3個あるので、適宜それらを回転させることにより、調整部材1の偏心量の範囲で3a群保持部材113を任意の光軸直交面へ移動することができる。即ち、光軸をx軸とした場合に、3個の調整部材1を其々調整することで、ガイド溝113cによりx軸の動きを規制した状態で、yz平面における調整を可能とする。このようにして、3b群保持部材109に対して3a群保持部材113を偏心調整することができる。
また、ガイド2は、案内筒106とカム環108の存在する位相においては、案内筒106の案内溝106aとカム環108のカム溝108aとも当接する。前述の様に、ガイド2はカムフォロワ(カムコロ)としても機能するため、案内筒106に対するカム環108の回転により移動し、3b群保持部材109を光軸方向へ進退させる。
3a群保持部材113と5群保持部材114は、3b群保持部材109と一体となって光軸方向へ進退する。また、ガイド2は案内溝106aとカム溝108aと当接した状態で移動するため、摺動性の良い材質を用いることが望ましい。例えば、ポリオキシメチレン(POM)等の樹脂材料が好適である。この様な材質を用いることにより、3a群保持部材113のガイド溝113cとの摺動も滑らかとなり、3a群保持部材113の偏心調整作業を精度よく行うことができる。
次に、図2を用いて本発明の偏心調整構造のサイズについて説明する。図2(A)は、図2(B)に示す第3群の側面図におけるA−A断面図である。図2(B)に示す様に、調整部材1の光軸方向の幅は、ガイド2とほぼ同等である。そして、3b群保持部材109における光軸方向の位置についても、調整部材1とガイド2は略一致している。そのため、調整構造が無い場合と比較して、本発明の様に調整部材1及びその保持構造を3b群保持部材109に追加しても、引用文献に係る発明の様に光軸方向の厚みが増すことはない。
また、図2(A)に示す様に、光軸に対し周方向に等間隔に設けられた外延部113aに設けられた調整溝113bとガイド溝113cを、調整部材1とガイド2は光軸から放射方向に貫通する。光軸方向から見た場合、調整部材1の最外径D1は、ガイド2の最外径D2よりも小さくなる。従って、調整構造が無い場合と比較して、本発明の様に調整部材1及びその保持構造を3b群保持部材109に追加しても、引用文献に係る発明の様に径方向の大きさが増すことはない。
更に、図2(A)に示す様に光軸方向から見た場合、偏心調整構造に必要となる位相は、外延部の周方向幅と偏心調整量とを足し合わせた幅S1の3箇所である。S2の位相は、偏心調整構造としては用いない位相である。そのため、S2の位相に、例えば3b群保持部材109に対して電磁絞りユニット112をビスで固定する構造を設けることができる。
次に、本発明の実施形態における偏心調整作業について図3を用いて説明する。図3では、第3群以外のレンズ群及びそれらを駆動する案内筒106の案内溝とカム環108のカム溝を省略する。図3(A)はワイド状態、図3(B)はテレ状態である。前述の様に、案内筒106に対するカム環108の回転により、第3群は光軸方向へ移動する。
ここで、カム環108には、光軸から放射方向へ貫通するカム環側調整工具穴108bが3箇所設けられる。また、案内筒106にも、光軸から放射方向に貫通する案内筒調整工具穴106bが3箇所設けられる。テレ状態では、調整部材1、カム環側調整穴108b、案内筒側調整穴106bの軸が一致する。そのため、案内筒106及びカム環108の外側から、所定の工具を差し込んで調整部材1を回転させ、3a群保持部材109の偏心調整の操作ができる。案内筒106、カム環108の外側から工具を差し込めばよいため、第3群以外のレンズ群も案内筒106、カム環108に組込んだ状態でも、偏心調整の操作ができる。
(実施形態2)
実施形態1では3a群保持部材113の光軸方向への移動を規制する手段として、ガイド溝113cが長穴形状のものを説明した。実施形態2では3a群保持部材113の光軸方向への移動を規制する手段としてガイド溝113cの周方向の一部が切り欠き形状のものや、ガイド突起を設けた場合の構成について図5を用いて説明する。3a群保持部材113及び3b群保持部材109以外の全体の構成は実施形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
実施形態1では3a群保持部材113の光軸方向への移動を規制する手段として、ガイド溝113cが長穴形状のものを説明した。実施形態2では3a群保持部材113の光軸方向への移動を規制する手段としてガイド溝113cの周方向の一部が切り欠き形状のものや、ガイド突起を設けた場合の構成について図5を用いて説明する。3a群保持部材113及び3b群保持部材109以外の全体の構成は実施形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
図5(A)においては、ガイド溝113cが長穴ではなく、周方向の一部が切り欠かれた形状になっている。また図5(B)においては、光軸方向への移動を規制する形状として、ガイド溝113cの他に外延部113aにガイド突起113dを設ける。ガイド突起113dは3b群保持部材109に設けた切り欠き形状109bと嵌合し、嵌合パーツを形成する。ガイド溝113cとガイド2との当接と合わせて、ガイド突起113dと切り欠き形状109bとの当接によって3a群保持部材の光軸方向への移動を規制する。
なお、上述した2つの実施形態では第3群において3b群保持部材109に対し3a群保持部材を偏心調整する構成で本発明を適用した。しかし、その他のレンズ群においてもこれらの偏心調整機構が適用可能なことは言うまでもない。
また、上述した2つの実施形態では調整部材1が3個全て回転軸に対して偏心した円筒部を有する偏心部材とした。しかし、この偏心調整は、3a群保持部材113の3b群保持部材109に対する位置を所定の平面上で変化させられれば良いものである。従って、調整部材1の3個のうち、少なくとも2個が偏心部材、残る1個は偏心した円筒部を有さない部材でも、3a群保持部材113を光軸直交面上で偏心調整できる。
更に、本願発明は上述したレンズ鏡筒だけでなく、撮像素子と、該撮像素子に被写体からの光を導く、レンズ鏡筒を備えることを特徴とする光学機器を含むことは言うまでもない。
1.調整部材
2.ガイド
113c.ガイド溝
2.ガイド
113c.ガイド溝
Claims (7)
- レンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を外周側で支持する支持部材が、前記支持部材を光軸方向へ移動させるカム環及び固定部材である案内筒の内周側に配置されたレンズ鏡筒であって、
前記支持部材は、外周側に、前記レンズ保持部材の外延部に配置された調整溝と当接し且つ回転可能な偏心した円筒部を有する調整部材と、前記レンズ保持部材の外延部に配置されたガイド溝の光軸直交面と当接するガイドと、を備え、
前記ガイドは、前記案内筒の案内溝及び前記カム環のカム溝と其々係合することを特徴とする、レンズ鏡筒。 - 前記調整部材は、前記支持部材の外周側であって、光軸方向から見て前記光軸を中心として3つに等分割した位置のうち、少なくとも2か所に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のレンズ鏡筒。
- 前記調整溝が光軸方向に長手な長穴形状を有し、且つ前記ガイド溝が光軸直交方向に長手な長穴形状を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
- 前記ガイド溝において、前記長穴形状の一部が切り欠き形状を有することを特徴とする、請求項3に記載のレンズ鏡筒。
- 前記レンズ保持部材と前記支持部材の一部が、光軸方向への移動を規制するための嵌合パーツを形成することを特徴とする、請求項3に記載のレンズ鏡筒。
- 前記調整部材は、カム環の外周から操作ができることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
- 撮像素子と、 前記撮像素子に被写体からの光を導く、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備えることを特徴とする光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015251512A JP2017116715A (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015251512A JP2017116715A (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器 |
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---|---|---|---|---|
WO2019209002A1 (ko) * | 2018-04-23 | 2019-10-31 | 엘지전자 주식회사 | 이동 단말기 및 그 제조 방법 |
JP2022103070A (ja) * | 2020-12-25 | 2022-07-07 | 新思考電機有限公司 | レンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器 |
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2015
- 2015-12-24 JP JP2015251512A patent/JP2017116715A/ja active Pending
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