JP2016130763A - レンズ鏡筒、光学機器、および、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学性能を向上させたレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒は、固定筒(固定筒1)と、レンズ(1群レンズL1)を保持するレンズ保持枠(1群鏡筒4)と、レンズ保持枠を保持して直進移動可能な直進筒(直進筒3)と、固定筒に固定され、かつ直進筒を支持する支持筒(調整筒20)とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】レンズ鏡筒は、固定筒(固定筒1)と、レンズ(1群レンズL1)を保持するレンズ保持枠(1群鏡筒4)と、レンズ保持枠を保持して直進移動可能な直進筒(直進筒3)と、固定筒に固定され、かつ直進筒を支持する支持筒(調整筒20)とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学機器に用いられるレンズ鏡筒に関する。
デジタルカメラやビデオカメラなどの光学機器に用いられるレンズ鏡筒は、ズーミングやフォーカシングのために光学系の一部のレンズ群を移動させる機構を有する。レンズ群の重量が大きい場合やレンズ群の移動量が大きい場合、その機構を構成する部分のガタつきにより、移動群が傾く可能性がある。レンズ鏡筒の小型化やズームの高倍化などに応じて要求される高い光学性能(精度)を満たすには、移動群の倒れを防止する必要がある。
特許文献1には、1群鏡筒と固定筒との径嵌合部を有し、1群鏡筒に取り付けられた嵌合長の長い3つの直進キーを、固定筒に形成された直進溝に嵌合させることにより、直進移動可能な1群鏡筒の倒れを低減するレンズ鏡筒が開示されている。
特許文献1の構成では、直進筒と固定筒との嵌合、および、直進キーと直進溝との嵌合により、1群鏡筒(移動筒)の倒れを低減することができる。しかしながら、1群鏡筒の倒れの程度は、直進筒と固定筒との径嵌合部の嵌合している長さ(嵌合長)に依存する。すなわち、大きく繰り出すテレ側では嵌合長が短くなるため、1群鏡筒が倒れやすくなる。ここで直進キーの長さを長くすると、1群鏡筒は倒れにくくなるが、その長さには限界がある。そして1群鏡筒が倒れると、レンズ鏡筒の光学性能は低下する可能性がある。
そこで本発明は、光学性能を向上させたレンズ鏡筒、光学機器、および、撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としてのレンズ鏡筒は、固定筒と、レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持して直進移動可能な直進筒と、前記固定筒に固定され、かつ前記直進筒を支持する支持筒とを有する。
本発明の他の側面としての光学機器は、前記レンズ鏡筒を有する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、前記レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の光学系を介して形成される光学像を光電変換して画像データを出力する撮像素子とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、光学性能を向上させたレンズ鏡筒、光学機器、および、撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1乃至図5を参照して、本実施形態におけるレンズ鏡筒(ズームレンズ鏡筒)の構成について説明する。図1および図2は、本実施形態におけるレンズ鏡筒100の断面図であり、図1はワイド状態、図2はテレ状態をそれぞれ示している。図3は、図1に示される断面図とは異なる面で切断したレンズ鏡筒100の断面図である。図4は、レンズ鏡筒100における直進筒3の断面図である。図5は、レンズ鏡筒100の外観図である。
1は固定筒である。固定筒1の後端1aは、カメラ本体(撮像装置本体)と結合するためのマウント部材101や外装部材102(図5参照)を固定するために用いられる。2は、ズームリング104に連動して回転し、ズーミングを行うためのカム環である。カム環2の外周は固定筒1に嵌合し、カム環2は定位置回転可能に保持されている。3は直進筒である。直進筒3は、その先端において、1群鏡筒4を、コロ4aを用いて保持している。1群鏡筒4には、1群レンズL1が押さえ環4bにより固定されている。
直進筒3は、像面側の内周に嵌合面3cを有し、固定筒1の外周の摺動面1bに移動自在に嵌合している。また直進筒3は、その周方向に設けられた3つのキー部材12をビス12aで保持し、固定筒1の外周に形成された直進溝1cに係合することにより、光軸OAの方向(光軸)方向に直進移動自在に保持されている。直進筒3の内周には、有底の1群カム3aが設けられており、カム環2の先端外周にビス2bで固定されたコロ2aが係合している(図3、図7参照)。このような構成においてカム環2が回転することにより、直進筒3は、1群カム3aの軌跡に従ってUターンするように直進移動を行う。1群鏡筒4は、コロ4aが直進筒3のリフトを持ったカム溝3bにより光軸方向に位置調整されて固定されており、直進筒3と一体的に移動する。
5は、2群レンズL2を保持する2群鏡筒である。6は、3群レンズL3を保持する3群鏡筒である。7は3群ベース鏡筒であり、3群鏡筒6を複数のコロ6aにより保持している。複数のコロ6aはそれぞれ、3群ベース鏡筒7に対して、3群鏡筒6の偏心調整および倒れ調整を行って固定する。これに関しては、周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
3群ベース鏡筒7の外周には、コロ7aが3か所等分で設けられている。コロ7aは、固定筒1の直進溝1dとカム環2の3群カム2cとに係合している。このため、カム環2を回転することにより、3群鏡筒6は、3群ベース鏡筒7と一体的に光軸方向へ直進移動する。また3群ベース鏡筒7の外周には、フォーカスカム環8が回転自在に嵌合している。フォーカスカム環8は、3群ベース鏡筒7の前端に不図示のビスで固定された押さえ板9により、3群ベース鏡筒7に対して、定位置回転のみ自在に保持されている。フォーカスカム環8には、フォーカスカム溝8aが3か所等分で設けられている。3つのフォーカスカム溝8aには、それぞれ、2群鏡筒5に設けられた3つのコロ5aが係合している。コロ5aは、3群ベース鏡筒7に形成された直進溝7bにも係合しており、2群鏡筒5は、フォーカスカム環8の回転により、光軸方向に直進駆動される。2群鏡筒5が単独で光軸方向に移動することにより、フォーカス調整が行われる。
10は回転リングである。回転リング10は、径嵌合部10aが固定筒1の内周に嵌合し、バヨネット部10bが固定筒1のバヨネット溝1eに係合することにより、定位置回転自在に保持されている。回転リング10には、フォーカスキー11がビスを用いて取り付けられている。フォーカスキー11の内周には直進溝11bが形成されており、直進溝11bはフォーカスカム環8に取り付けられたコロ8bに係合している。このような構成において回転リング10を回転させると、フォーカスカム環8が回転リング10と同じ角度だけ回転する。回転リング10は、フォーカスモータ(不図示)またはマニュアルフォーカスリング103(図5参照)の駆動力が伝達されることにより回転し、フォーカス調整を行うことができる。
14は電磁絞りユニットである。電磁絞りユニット14は、3群ベース鏡筒7の内周に保持され、押さえ板9を用いてその前後を挟持して保持されている。電磁絞りユニット14における絞り羽根の駆動部は公知の技術であり、図示しない駆動回路とフレキシブルプリント基板で電気的に接続されて構成されている。
図6は、ズーミングの際におけるレンズ鏡筒100の各レンズ群(1群レンズL1、2群レンズL2、3群レンズL3)の移動軌跡を示す線図である。ワイド側(WIDE)からテレ側(TELE)へのズーミングにおいて、各レンズ群(1群レンズL1、2群レンズL2、3群レンズL3)は、図6に示されるように移動する。図6において、左側が物体側、右側が像面側である。2群レンズL2は、ズーミングおよびフォーカシングの際に移動するレンズ群であり、ズーミングの際には3群レンズL3と一体的に移動する。図6において、2群レンズL2の無限遠での移動軌跡を実線で示し、2群レンズL2の最至近での移動軌跡を破線でそれぞれ示されている。なお、各ズームポジションで無限遠から最至近までに移動する量は同じである。
ここで、図7乃至図11を参照して、1群鏡筒4の構造(保持構造)について説明する。図7は、レンズ鏡筒100の分解斜視図であり、1群鏡筒4の保持構造を示している。図8は、レンズ鏡筒100の1群鏡筒4を直進筒3に取り付けた状態を示す側面図である。図9および図10は、それぞれ、コロ4a(樹脂コロ)およびコロ4d(金属コロ)の中心軸で切断した断面図である。図11は、コロ4dの組込み状態の説明図(側面図)である。
図9および図10に示されるように、コロ4a(樹脂コロ)は金属製の芯部材4a1(金属部材)の周囲に樹脂部材4a2を被せた構造を有し、芯部材4a1および樹脂部材4a2は一体化している。ビス4cを用いて芯部材4a1を強固にビス締めし、直進筒3のカム溝3bには樹脂部材4a2が係合している。樹脂部材4a2の径は、カム溝3bの溝幅に対して僅かに大きく、軽く圧入して組み込む。調整の際に、1群鏡筒4をガタつきなく自由に回転可能な程度の圧入になるように寸法が設定されている。
直進筒3の外周には、カム溝3bが6か所に等分に設けられており、そのうちの3か所に、コロ4aが組み込まれている。残りの3か所には、金属材料からなるコロ4d(金属コロ)が組込まれ、コロ4aの場合と同様に、ビス4cで固定されている。コロ4dは、図11に示されるように、円筒部を平行に削除した平面部4eを有する小判型形状である。平面部4eの幅D1は、カム溝3bの幅D2よりも小さくなるように設定されており、部品公差がばらついた場合でも僅かな隙間ができる寸法に設定されている。外部から衝撃が加わった場合、コロ4aが塑性変形する前にコロ4dの平面部4eがカム溝3bに当接することにより、コロ4aの破損が防止される。
図7および図8において、13は回り止めである。回り止め13は、直進筒3の周溝3fにおいてビス13aで固定されている。回り止め13の円筒部13bは、1群鏡筒4の溝4fに嵌合している。調整の際にはビス13aを緩めておき、1群鏡筒4を光軸周りに回転させることにより、カム溝3bのリフトに従って、1群鏡筒4は光軸方向に回転繰出しする。調整後にビス13aを締め付けることにより、1群鏡筒4が回転しないように固定することができる。
次に、本実施形態における直進筒3の構造(保持構造)について説明する。図1乃至図3において、20は調整筒(支持筒)である。調整筒20は、像面側の端において固定面20aを有する。調整筒20は、固定面20aにおいて、固定筒1に設けられた当接面1fに、ビス20b、20cにより固定される。調整筒20は、その内周において、摺動面20dを有する。調整筒20の摺動面20dは、直進筒3の先端外径に設けられた嵌合面3dに嵌合している。直進筒3は、その像面側において、嵌合面3cが固定筒1の嵌合面1bに嵌合している。また直進筒3は、その物体側において、嵌合面3dが調整筒20の摺動面20dに嵌合している。嵌合面3c、3dにより、作動に問題ない程度のガタに抑えられる。このように、直進筒3は、前後の嵌合面3c、3dにおいて固定筒1または調整筒20に支持されることにより、嵌合面3c、3dの2点間の距離(嵌合長)を大きく設定することができ、直進筒3の傾き(光軸方向からの変位)を低減することが可能となる。
本実施形態において、直進筒3は、固定筒1に対して偏心(変位)させることが可能に構成されている。また、直進筒3の物体側における嵌合面3dを偏心させることにより、直進筒3と共に1群鏡筒4の傾き調整を行うことが可能である。
ここで、図12乃至図15を参照して、直進筒3および1群鏡筒4の傾き調整について説明する。図12は、調整筒20の拡大斜視図である。図13は、固定筒1および直進筒3の拡大断面図である。図14および図15は、固定筒1と調整筒20との固定方法を示す断面図(図14は、図13中の一点鎖線で示される円Aの領域に対応)である。
まず、直進筒3を組込後に調整筒20を組む際、まず座金20eおよびばねワッシャ20fと共に、ビス20cで仮固定を行う。このとき、調整筒20が固定面20aに沿って移動可能なように、仮締め状態にしておく。その際、調整筒20は、バネワッシャ20fの付勢力により、常に固定面20aと固定筒の当接面1fとが接触している。
続いて、調整筒20を外径側からマイクロメータなどで押して偏心させ、直進筒3の倒れを調整した後、ビス20cにより本締めを行い、さらにビス20bで固定する。倒れ調整の際には、固定筒1の基準面1aと、直進筒3の基準面3eとが互いに平行になるように、ミラーなどで調整することが好ましい。ビス20b、20cとビス穴との間には、直進筒3の偏心調整を可能とするための隙間20jが形成されている。また、固定筒1と調整筒20との間にも、調整可能とするための隙間20kが確保されている。これらの隙間の量は、部品公差のばらつきによって直進筒3が倒れるのを補正可能な程度の量であればよい。
ビス20bを締め付けた後、直進筒3の倒れを再度確認し、直進筒3の倒れの程度が規格内(所定の範囲内)に収まっている場合、ビス20bの頭部と座繰りの隙間20hを埋めるように接着剤を塗布して硬化させる。接着剤としては、作業時間の短いUV接着剤を用いることが好ましい。
図3のレンズ鏡筒100は、フード30を取り付けた状態を示している。フード30は樹脂材料からなり、外部から衝撃が加わった場合に弾性変形することにより、レンズ鏡筒100の内部に加わる衝撃を低減することができる。フード30は、像面側から調整筒20に被せるように組込み、端のフランジ部30aを金属製の押さえリング31で挟み込むようにして固定される。押さえリング31は、ビス31aにより外径側から調整筒20にビス締めされ固定されている。フード30を直接ビス締めすると、外部からの衝撃が大きい場合、特にレンズ鏡筒100を下向きで落下させた場合、フード30にレンズ鏡筒100の全体の重量がかかるため、ビス穴に破損が生じる可能性がある。そこで、フランジ部30aの全周で外力を受け、フード30の破損を防止しつつ、レンズ鏡筒100の内部の光学系に衝撃が伝わりにくい構造を有する。
次に、図13を参照して、直進筒3の倒れを低減するための構造について説明する。直進筒3は、嵌合面3c(像面側の嵌合面)と嵌合面3d(物体側の嵌合面)において、固定筒1および調整筒20によりそれぞれ支持されている。このため、嵌合面3c、3d間の距離S1とガタ量に応じて、直進筒3の倒れの量が決定する。ガタ量は、部品加工精度や温度による寸法変化に応じて決定されるため、所定の量よりも小さくすることは困難である。このため、嵌合面3c、3d間の距離S1(嵌合長)が大きいほど直進筒3は倒れにくくなる。
従来のレンズ鏡筒では、1群レンズL1の繰出し方法として、固定筒の外周に直進筒を嵌合させるだけの構造を有していた。このため嵌合長としては、直進筒の像面側の嵌合面3cと固定筒1の物体側先端1gとで嵌合するのが最も嵌合長を確保できる設定となっていた。図13において、従来構成における嵌合長は距離S0として示されている。固定筒1の物体側先端1gの位置は、1群レンズL1の位置により制限されるため、嵌合長も制限されてしまう。また、物体側に繰出すに従って、嵌合長は小さくなるため、特に望遠系のズームレンズでは、倒れがより光学性能に影響するテレ側において、より倒れやすくなってしまう。一方、本実施形態のレンズ鏡筒100では、嵌合部間の距離S1(嵌合長)は、従来構成における距離S0よりも大きく確保することができる。また、ズーミングの際のレンズ繰出しによって距離S1は変わらないため、いずれのズーム位置においても直進筒3の倒れを良好に防止し、高い光学性能が得られる。
本実施形態のレンズ鏡筒100は、広角系のズームレンズである。このため、1群レンズL1の外径は大きく、その重量も重い。より広角側の焦点距離になるに従い、より広い画角の光線を入射させるために1群レンズL1の外径を大きくする必要がある。またそれに伴い、重量も重くなる傾向がある。レンズ鏡筒100は、1群レンズL1の最外径よりも外側において嵌合する調整筒20を配置することにより、1群レンズL1の倒れを低減することができる。また、1群レンズL1の光軸方向における移動範囲の全体にわたり、嵌合面3dと1群レンズL1との相対位置は変化しない。このため、レンズ鏡筒100の外径は多少大きくなるが、1群レンズL1の移動範囲の全域において、重量の重い1群レンズL1の重心に近い部分を支持することができる。従って、1群レンズL1(直進筒3)の倒れを効果的に低減し、良好な光学性能を実現することができる。
以上のように、1群レンズL1を直進駆動する場合、直進筒3と固定筒1との嵌合長をより長く確保することにより、ガタつきや自重による1群レンズL1の倒れを低減することができる。本実施形態では、像面側の嵌合面3cは固定筒1と摺動させるとともに、物体側の嵌合面3dを調整筒20(支持筒)の内径と摺動させる。調整筒20を設けることにより、嵌合長を延ばすことができ、また、重量の重い1群レンズL1の重心近くに嵌合面3dを配置することができるため、より傾きにくい構造が実現可能となる。
次に、図16を参照して、本実施形態におけるレンズ鏡筒100を備えた光学機器について説明する。図16は、本実施形態における光学機器としての撮像装置200(一眼レフカメラ)の構成図である。
レンズ鏡筒100(交換レンズ)は、1群レンズL1、2群レンズL2、および、3群レンズL3を含む撮像光学系110(光学系)を有する。220はカメラ本体(撮像装置本体)である。カメラ本体220は、クイックリターンミラー203、焦点板204、ペンタダハプリズム205、および、接眼レンズ206などを備えて構成されている。クイックリターンミラー203は、撮像光学系110を介して形成された光束を上方に反射する。焦点板204は、撮像光学系110の像形成位置に配置されている。ペンタダハプリズム205は、焦点板204に形成された逆像を正立像に変換する。ユーザは、その正立像を、接眼レンズ206を介して観察することができる。207は感光面であり、感光面207には、像を受光するCCDセンサやCMOSセンサなどの光電変換素子(撮像素子)や銀塩フィルムが配置される。撮影時には、クイックリターンミラー203が光路から退避して、撮像光学系110により感光面207上に像(光学像)が形成される。このように撮像素子は、撮像光学系110により形成される光学像を光電変換して画像データを出力する。
本実施形態のレンズ鏡筒100を一眼レフカメラなどの撮像装置200に適用することにより、高い光学性能を有する光学機器を実現することができる。また、レンズ鏡筒100は、カメラ本体220と着脱可能に構成された交換レンズであるが、本実施形態はレンズ鏡筒100とカメラ本体220とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。またレンズ鏡筒100は、クイックリターンミラーのないミラーレスの一眼レフカメラ(ミラーレスカメラ)にも適用することができる。
このように、本実施形態のレンズ鏡筒100は、固定筒1、レンズを保持するレンズ保持枠(1群鏡筒4)、レンズ保持枠を保持して直進移動可能な直進筒3、および、固定筒に固定され、かつ直進筒を支持する支持筒(調整筒20)を有する。好ましくは、直進筒は、固定筒に嵌合する第1の嵌合部(嵌合面3c)、および、支持筒に嵌合する第2の嵌合部(嵌合面3d)を有する。
好ましくは、第2の嵌合部は、固定筒1の物体側先端1gよりも物体側に位置している。より好ましくは、直進筒は、ズーミングまたはフォーカシングの際に直進移動し、ズーミングまたはフォーカシングの際に、第1の嵌合部と第2の嵌合部との間の距離S1(嵌合長)は一定である。より好ましくは、固定筒は、直進筒と径嵌合して直進筒を直進移動可能に支持する第1の摺動面(摺動面1b)を有し、支持筒は、直進筒と径嵌合して直進筒を直進移動可能に支持する第2の摺動面(摺動面20d)を有する。このとき、直進筒の第1の嵌合部は、固定筒の第1の摺動面に嵌合し、直進筒の第2の嵌合部は、支持筒の第2の摺動面に嵌合している。
好ましくは、固定筒は、第1の当接面(当接面1f)を有し、支持筒は、第2の当接面(固定面20a)を有する。このとき支持筒は、第1の当接面と第2の当接面とを当接して、ビス(20b、20c)を用いて固定筒に固定されている。より好ましくは、支持筒を固定筒に取り付ける際に、第1の当接面と第2の当接面とを摺動させて固定筒に対して支持筒を(光軸OAと略直交方向に)移動させることにより、固定筒に対する直進筒の傾きを変更可能である(傾き調整構造を有する)。
好ましくは、レンズ保持枠により保持されるレンズは、最も物体側に位置するレンズ群(第1群レンズL1)である。また好ましくは、支持筒の内径はレンズの最外径よりも大きく、直進筒は支持筒の内面において支持されている。
本実施形態によれば、直進筒(移動群)の前後2か所の嵌合面(嵌合部)の距離(嵌合長)をより長く確保することができるため、作動のための適正な隙間を確保しつつ、直進筒(1群レンズ)の倒れをより小さくすることができる。また、直進筒の前後2か所の嵌合面を別の部材(固定筒、調整筒)で支持する構成として、光軸と直交する方向に相対的に偏心させることにより、加工精度により直進筒の傾きがばらついても、高精度に光学調整を行うことができる。また、直進筒の嵌合面を1群レンズの外径よりも大きい位置に設け、調整筒により1群レンズの周囲(重量の大きい1群レンズの重心近く)を支持することにより、直進筒の傾きをより低減することができる。従って本実施形態によれば、直進筒の倒れを低減して光学性能を向上させたレンズ鏡筒、光学機器、および、撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
各実施例のレンズ鏡筒は、静止画および動画撮影を行うズームレンズ(撮像装置に用いられるレンズ鏡筒)であるとして説明したが、これに限定されるものではない。各実施例は、プロジェクタの投射レンズや複写機の光学系など、ズーム機構やフォーカス機構で移動可能なレンズ枠を有するレンズ鏡筒(撮像装置以外の光学機器に用いられるレンズ鏡筒)にも適用可能である。
1 固定筒
3 直進筒
4 1群鏡筒(レンズ保持枠)
20 調整筒(支持筒)
100 レンズ鏡筒
3 直進筒
4 1群鏡筒(レンズ保持枠)
20 調整筒(支持筒)
100 レンズ鏡筒
Claims (11)
- 固定筒と、
レンズを保持するレンズ保持枠と、
前記レンズ保持枠を保持して直進移動可能な直進筒と、
前記固定筒に固定され、かつ前記直進筒を支持する支持筒と、を有することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記直進筒は、前記固定筒に嵌合する第1の嵌合部と、前記支持筒に嵌合する第2の嵌合部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
- 前記第2の嵌合部は、前記固定筒の物体側先端よりも物体側に位置していることを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡筒。
- 前記直進筒は、ズーミングまたはフォーカシングの際に直進移動し、
前記ズーミングまたは前記フォーカシングの際に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間の距離は一定であることを特徴とする請求項2または3に記載のレンズ鏡筒。 - 前記固定筒は、前記直進筒と径嵌合して該直進筒を直進移動可能に支持する第1の摺動面を有し、
前記支持筒は、前記直進筒と径嵌合して該直進筒を直進移動可能に支持する第2の摺動面を有し、
前記直進筒の前記第1の嵌合部は、前記固定筒の前記第1の摺動面に嵌合し、
前記直進筒の前記第2の嵌合部は、前記支持筒の前記第2の摺動面に嵌合していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。 - 前記固定筒は、第1の当接面を有し、
前記支持筒は、第2の当接面を有し、
前記支持筒は、前記第1の当接面と前記第2の当接面とを当接して、ビスを用いて前記固定筒に固定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。 - 前記支持筒を前記固定筒に取り付ける際に、前記第1の当接面と前記第2の当接面とを摺動させて前記固定筒に対して前記支持筒を移動させることにより、前記固定筒に対する前記直進筒の傾きを変更可能であることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡筒。
- 前記レンズ保持枠により保持される前記レンズは、最も物体側に位置するレンズ群であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
- 前記支持筒の内径は、前記レンズの最外径よりも大きく、
前記直進筒は、前記支持筒の内面において支持されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を有することを特徴とする光学機器。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒の光学系を介して形成される光学像を光電変換して画像データを出力する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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---|---|---|---|
JP2015004172A JP2016130763A (ja) | 2015-01-13 | 2015-01-13 | レンズ鏡筒、光学機器、および、撮像装置 |
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JP2020046462A (ja) * | 2018-09-14 | 2020-03-26 | 株式会社タムロン | ズームレンズ鏡筒 |
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2015
- 2015-01-13 JP JP2015004172A patent/JP2016130763A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020046462A (ja) * | 2018-09-14 | 2020-03-26 | 株式会社タムロン | ズームレンズ鏡筒 |
JP7189710B2 (ja) | 2018-09-14 | 2022-12-14 | 株式会社タムロン | ズームレンズ鏡筒 |
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