JP6752910B2 - シリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置、シリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置を有するレンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
調整装置1は、レンズ保持筒2と、外周筒3と、カム部材4と、調整環5と、長孔6とを有する。レンズ保持筒2には、シリンドリカルレンズ7が保持される。シリンドリカルレンズ7は、調整装置1の調整対象となるレンズである。つまり、調整装置1は、シリンドリカルレンズ7の母線の光軸Xに対する光軸Xの周方向における角度(以下、単位に「周方向角度」と記載する)の調整(以下、この調整を「周方向角度調整」と記載する)することができる。また、調整装置1は、シリンドリカルレンズ7のスラスト方向(光軸Xと平行な方向、すなわち前後方向)の位置調整(以下、この調整を「スラスト位置調整」と記載する)を行うことができる。
レンズ保持筒2は、外周筒3の内周に挿入される。すなわち、レンズ保持筒2は、外周筒3の内周側に配置される。レンズ保持筒2の外周面の前後には、全周に亘って外側に向かって突出し、外周筒3の内周面3A(図3参照)に当接するリム部2A,2Aが形成されている。つまり、レンズ保持筒2は、外周筒3に対してリム部2A,2Aにおいて光軸Xの周方向全周に亘って支持されている。そして、レンズ保持筒2のリム部2A,2Aにおける直径2Lと、外周筒3の内周の直径3L(図3参照)とは、レンズ保持筒2が外周筒3の内周に挿入された状態で、レンズ保持筒2が外周筒3に対してラジアル方向(光軸Xと直交する方向)にガタを有することなく、スラスト方向にスムーズに移動でき、また、光軸Xの周方向にスムーズに回転できるように設定されている。
カム部材4は、大径部4Aと小径部4Bとを有する。大径部4Aおよび小径部4Bは、共に円筒形を呈し、大径部4Aの側面がカム面4Cとして構成されている。図4に示すように、大径部4Aの中心軸4AAは、小径部4Bの中心軸4BBに対して偏心している。図4は、調整装置1のカム部材4および後述のカムフォロワー9が取り付けられている部分を拡大して示す図である。
レンズ保持筒2には、レンズ保持筒2の外周に突出する突出部としてのカムフォロワー9が取り付けられている。カムフォロワー9は、光軸Xを挟んだ2か所に備えられている。
外周筒3の後端は、調整環5の内周に挿入される。外周筒3の外周面には雄ねじ部3Cが形成され、調整環5の内周面には雌ねじ部5Aが形成されている。雄ねじ部3Cと雌ねじ部5Aとは、外周筒3を調整環5の内周に挿入したときに互いに螺合する。したがって、雄ねじ部3Cと雌ねじ部5Aとを螺合させた状態で調整環5を光軸Xの周方向に回転させると、調整環5は、雄ねじ部3Cおよび雌ねじ部5Aのリードにしたがって外周筒3に対してスラスト方向に前後する。
外周筒3には、光軸Xと平行に前後方向に長い突出部挿通孔としての長孔6が形成されている。長孔6は、光軸Xを挟んだ2か所に備えられている。外周筒3の内周側にレンズ保持筒2を挿入した状態で、光軸Xを挟んだ2か所に備えられている長孔6のうち一方の長孔6を通して、カム部材4がレンズ保持筒2に取り付けられる。また、調整環5の内周側にレンズ保持筒2が挿入された外周筒3を挿入し、雄ねじ部3Cと雌ねじ部5Aとをねじ結合させる。そして、孔部5Cが長孔6に重なるように、調整環5の光軸Xの周方向における回転位置を調整し、長孔6に孔部5Cが重ねられた状態で、孔部5Cおよび長孔6を通してカムフォロワー9がレンズ保持筒2に取り付けられる。
上述のように構成される調整装置1によるシリンドリカルレンズ7の周方向角度調整およびスラスト位置調整の動作について説明する。周方向角度調整は、カム部材4を利用して行われる。大径部4Aのカム面4Cは、中心軸8Aに対して偏心している。また、長孔6と大径部4Aとは光軸Xの周方向において当接している。したがって、カム部材4の大径部4Aを中心軸8Aの周りに回転させると、その回転量に応じて、レンズ保持筒2が光軸Xの周方向に回転する。レンズ保持筒2が光軸Xの周方向に回転すると、レンズ保持筒2に保持されているシリンドリカルレンズ7も回転する。つまり、カム部材4の大径部4Aを中心軸8Aの周りに回転させるとで、シリンドリカルレンズ7の母線の周方向角度を調整することができる。
調整装置1は、シリンドリカルレンズ7を保持するレンズ保持筒2と、このレンズ保持筒2を内周側に配置する外周筒3と、レンズ保持筒2の外周側に設けられ、レンズ保持筒2の光軸Xと交差する軸である中心軸8A(中心軸4BB)に対して偏芯したカム面4Cを有するカム部材4と、外周筒3に形成され、カム部材4と光軸Xの周方向で係合するカム部材係合部としての長孔6とを有する。そして、レンズ保持筒2の外周面の前後には、全周に亘って外側に向かって突出し、外周筒3の内周面3Aに当接するリム部2A,2Aが形成され、このリム部2A,2Aを介してレンズ保持筒2は外周筒3に対して光軸Xの周方向全周に亘って支持されている。
2 … レンズ保持筒
3 … 外周筒
3C … 雄ねじ部(ねじ部)
4 … カム部材
4C … カム面
5 … 調整環
5A … 雌ねじ部(ねじ部)
5B … 溝部(突出部係合凹部)
6 … 長孔(カム部材係合部、突出部挿通孔)
7 … シリンドリカルレンズ
8A … 軸
9 … カムフォロワー(突出部。)
X … 光軸
200 … 撮影用レンズ鏡筒(レンズ鏡筒)
Claims (5)
- シリンドリカルレンズを保持するレンズ保持筒と、
前記レンズ保持筒を内周側に配置する外周筒と、
前記レンズ保持筒の外周側に設けられ、前記レンズ保持筒の光軸と交差する軸に対して偏心したカム面を有するカム部材と、
前記外周筒に形成され、前記カム部材と前記光軸の周方向で係合するカム部材係合部と、
前記外周筒を内周側に配置する調整環と、
前記調整環の前記光軸の周方向への回転により、前記レンズ保持筒を前記光軸に沿って移動させるレンズ保持筒移動機構と、
を有し、
前記レンズ保持筒は、前記外周筒に対して、前記光軸の周方向に等間隔の少なくとも3方向で支持されていて、
前記レンズ保持筒移動機構は、
前記レンズ保持筒と前記調整環とが前記光軸に沿う方向で互いに係合すると共に、前記調整環の前記光軸の周方向への回転が許容される係合手段と、
前記外周筒の外周面と前記調整環の内周面とに、前記調整環の前記光軸の周方向への回転により前記調整環を前記光軸に沿って移動させるねじ部と、
を有し、
前記係合手段は、
前記レンズ保持筒の外周に前記調整環に向けて突出する突出部と、
前記調整環の内周面に前記光軸の周方向に沿って形成され、前記突出部と係合する突出部係合凹部と、
を有し、
前記外周筒には、前記突出部が挿通される突出部挿通孔が形成され、
前記突出部挿通孔に挿通された前記突出部と前記突出部挿通孔との間には、前記光軸の周方向および前記光軸に平行な方向に間隔を有し、
前記ねじ部でのねじ作用によって、前記突出部係合凹部に対して係合している前記突出部が前記光軸に沿って移動させられることで、前記レンズ保持筒および前記シリンドリカルレンズが光軸方向に移動させられる、
ことを特徴とするシリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置。 - 請求項1記載のシリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置において、
前記突出部挿通孔は、前記光軸に沿う方向を長手とする長孔に設けられている、
ことを特徴とするシリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置。 - 請求項1または2記載のシリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置において、
前記カム部材係合部は前記突出部挿通孔に形成されている、
ことを特徴とするシリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のシリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置を有することを特徴とするレンズ鏡筒。
- 請求項4に記載のレンズ鏡筒において、
前記シリンドリカルレンズの母線周方向角度調整装置は、前記レンズ鏡筒に備えられる複数のレンズのうち前群よりも後側に配置されるシリンドリカルレンズに対して備えられることを特徴とするレンズ鏡筒。
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