JP4444409B2 - ズームレンズ装置およびこれを備えた光学機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変倍レンズの移動に伴い合焦レンズを移動させるズームレンズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のズームレンズ鏡筒では、物体側である前群レンズの小径化による小型化や、合焦レンズの軽量化によるオートフォーカス(以下、AFという)のスピードアップ、さらには前群レンズを非回転構成とすることによるフード効果やフィルター操作性の改善を図るために、インナーフォーカスあるいはリアフォーカス方式と呼ばれる、前群レンズ以外のレンズ群を移動させて焦点調節を行なう方式(以下、インナーフォーカス方式)が主流となってきている。
【0003】
但し、この種のズームレンズ鏡筒では、一般に、変倍動作による焦点距離の変化に伴ない合焦レンズの移動量を変化させなければならない。そして、このための手法として、例えば特許第2561350号において、焦点距離の変化に伴なう合焦レンズの移動量を自動的に補正する構成が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のもう1つの傾向であるズーム倍率の高倍化に伴ない、以下のような問題点が顕在化してきている。
【0005】
一般的なインナーフォーカス方式のズームレンズ装置においては、同一物体距離に対する合焦レンズの移動量が、広角側から望遠側にかけて徐々に大きくなっていく。特に高倍率ズームレンズ装置(概ね5倍以上の倍率を有する変倍レンズ)の場合、広角側と望遠側での移動量の差が大きく、また望遠側に近付くにつれて急激に移動量が大きくなっていく。
【0006】
このような特性を有する高倍率ズームレンズ装置に上記従来の手法を適用すると、フォーカスカムの最適化、すなわち各焦点距離での合焦レンズ移動量の軌跡を重ね合わせて1本の滑らかなカムとすることによるズームパラメータシフト量が大きくなり、広角側と望遠側での変倍レンズの移動軌跡の傾きが大きく異なってくる。
【0007】
そして、この結果として、変倍動作時の操作トルクの増大や急激な変化が生ずるという操作性での問題や、この問題を解決するために許容範囲を超えた変倍動作時のピント変動を許容せざるを得ないといった問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明では、変倍動作時の操作性に悪影響を与えることなく、変倍動作時のピント変動を充分小さい値に抑えることのできるズームレンズ装置を提供することを目的としている。
【0009】
本発明の一側面としてのズームレンズ装置は、光軸回りで回転可能とされ変倍レンズを光軸方向に移動させるカムを有するズームカム筒と、光軸回りで回転可能とされ、該回転により合焦レンズを光軸方向に移動させるカムを有するフォーカスカム筒とを備え、変倍操作により、ズームカム筒およびフォーカスカム筒のうち一方のカム筒が回転駆動され、かつこの一方のカム筒によって他方のカム筒も回転駆動されるとともに、合焦操作により、合焦レンズが光軸周りに回転され、かつ、フォーカスカム筒に設けられたカムに沿って光軸方向に移動するズームレンズ装置であって、一方のカム筒に、変倍動作時に一方のカム筒に対する他方のカム筒の回転速度を変化させながらこの他方のカム筒を回転駆動するカム筒連動部を設けている。
【0011】
これにより、例えば、広角側ではズームカム筒に対するフォーカスカム筒の回転速度を減速させ、望遠側ではズームカム筒に対するフォーカスカム筒の回転速度を増速させることが可能となる。
【0012】
したがって、フォーカスカム最適化等による変倍レンズの移動軌跡への影響を軽減することが可能となり、変倍動作の操作性に悪影響を与えることなく、変倍動作時のピント変動を充分小さい値に抑えることが可能となる。
【0013】
なお、上記両カム筒の広角端から望遠端まで回転量を互いに等しくすることにより、フォーカスカム最適化の手順が複雑化することを回避可能となる。
【0014】
また、カム筒連動部をカムによって構成し、固定部に上記他方のカム筒を光軸方向移動させるためのカムを形成して、上記他方のカム筒に、カム筒連動部としてのカム及び固定部のカムに係合するカムフォロワーを設けることにより、構成の簡単化を図ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施形態である一眼レフカメラ(光学機器)用の交換レンズ(ズームレンズ装置)の構成を示しており、図2は、図1に示した交換レンズにおけるカム筒の広角側における展開図である。
【0016】
上記交換レンズは、レンズ群L1〜L6の6群構成であって、変倍動作によって全てのレンズ群が、フォーカス動作によってL2群が光軸方向に移動する。このとき、L3群とL6群は一体的に移動し、L5群は光軸方向への移動とは別に、振れ補正動作を行なうために光軸と略直交する方向への移動も行なうことができる。
【0017】
101は不図示のカメラ本体に取り付けるためのバヨネット部を有するマウントであり、固定筒102にビス止め固定されている。103は外装環で、マウント101と固定筒102との間に挟み込まれて固定されている。外装環103には、目盛窓104、名称プレート105、SWパネル106が取り付けられており、SWパネル106に設けられたスイッチを切り替えることによって、オートフォーカスや振れ補正などの機能を選択して使用することができる。
【0018】
107は案内筒で、固定筒102がビス止めされることでカメラ本体に対して固定部を成している。案内筒107の外径には、バヨネット結合によって光軸回りでの回転のみ可能となっているズームカム筒108が嵌合している。このズームカム筒108が回転することで、案内筒107に形成された光軸方向の案内溝107a,107bとカム筒108に形成されたズームカム108a,108b,108c,108dとの交点の移動に従い、L3保持枠109,L4保持枠110,振れ補正ユニット111および直進筒112を、それぞれにビス止めされたコロ113〜116を介して光軸方向へ移動させることができる構成となっている。
【0019】
L3保持枠109はL3群を保持しており、このL3保持枠109には、電磁絞りユニット(絞り駆動部と絞り羽根部とから構成される)117がビス止めされている。また、L3保持枠109の後端には、L6群を保持するL6保持枠118が、補強板119およびばね座金120とともにビス止めされている。
【0020】
L4保持枠110はL4群を保持しているともに、前端にフック部を有しており、このフック部には、開放口径の決定および有害光のカットを目的とする移動絞り121が前方より弾性結合されている。これにより、L3保持枠109を間に挟んだ状態での移動絞り121とL4保持枠110との結合を容易としている。
【0021】
振れ補正ユニット111は、L5群を光軸と略直交する方向に移動可能に保持しており、マグネットおよびコイルとから構成される駆動部によってL5群を移動させることができる。
【0022】
直進筒112には、フィルター枠122がビス止めされており、フィルター枠122の先端外径にはバヨネット部が、内径にはネジ部が設けられ、それぞれにフード、フィルター等のアクセサリーが装着可能となっている。
【0023】
また、フィルター枠122には、L1群を保持するL1保持枠123がビス止めされているが、フィルター枠122とL1保持枠123の当接部はそれぞれ周方向の斜面となっており、L1保持枠123を回転させて取り付けることにより、光軸方向の取り付け位置を変えることができる。これにより、製造誤差による広角側と望遠側の焦点位置のずれを補正することが可能となっている。
【0024】
124は化粧環で、前面にレンズ名称等の表示が印刷されている。125はフォーカス駆動ユニットであり、案内筒107にビス止めされている。このフォーカス駆動ユニット125は、主として振動型モータと差動機構とから構成されており、振動型モータのロータ回転量とマニュアルフォーカスリング126の回転量に応じたフォーカスキー127の回転量を出力する。フォーカス駆動ユニット125の前側には、ジャイロ基板129がゴムダンパー(不図示)を介してビス止めされている。このジャイロ基板129には、水平および垂直方向の振れ角速度を検出する一対の振動ジャイロ128が半田付けされている。
【0025】
フォーカスユニット125から円弧状に延出した突出部の外径には、グレイコードパターンが形成されたエンコーダフレキシブル基板130が貼り付けられている。更に、フォーカスユニット125の前側のうち、振動ジャイロ128およびエンコーダフレキシブル基板130のない位相に突出部が設けられており、この突出部にはコロ131がビス止めされている。
【0026】
132はズーム操作環であり、周方向に形成されている溝にコロ131が係合することで、光軸方向の移動は阻止され、光軸回りでの回転のみが可能となっている。ズーム操作環132の内径には、ズームカム筒108にビス止めされたズームキー133が係合する凹部が設けられ、これによりズームキー133を介して、ズーム操作環132の回転と一体にズームカム筒108を回転させることができる。
【0027】
134は中間筒で、外径にはズーム操作環132の内径に形成された光軸方向の溝に係合する突起部が、内径にはフィルター枠122の外径に設けられた突起部が係合するリード溝が形成されている。これにより、中間筒134は、回転方向にはズーム操作環132と一体に、光軸方向にはズーム操作環132の回転方向の位置とフィルター枠122の光軸方向の位置に応じて進退する。
【0028】
なお、本実施形態では、振動ジャイロ128をカメラ本体から離れた位置(フォーカスユニット125の前)に配置することで、カメラ本体が発生するシャッター幕走行やミラーアップ・ダウン時等の振動が振動ジャイロ128に伝わりにくくなっており、ケース内に収納するなど従来用いられてきた手法を必要としていない。また、ズーム操作環132の光軸方向の移動阻止部を振動ジャイロ128のない位相に設けることで、レンズ外径を大きくせずに振動ジャイロ128を配置することができている。これらの手法により、本実施形態の交換レンズの小型化が達成されている。
【0029】
135はズーム操作環132の外径に巻き付けられたズームゴムで、136はズーム操作環132の前端部に弾性結合しているネームリングである。137はズーム操作環132にビス止めされズームブラシで、エンコーダフレキシブル基板130のグレイコードパターン上を摺動し、ズーム操作環132とエンコーダフレキシブル基板130の位置関係を検出するために設けられている。
【0030】
138はインナーカム筒(フォーカスカム筒)で、ズームカム筒108が回転することで、案内筒107に形成されたズーム補正カム107cとズームカム筒108に形成された変速カム(カム筒連動部)108eとの交点の移動に従い、コイルばねを挟んでビス止めされているコロ(カムフォロワー)139を介して回転しながら光軸方向に進退する。
【0031】
140はL2群を保持しているL2保持枠で、外径部に設けられたコロ部140aがインナーカム筒138の内径に設けられたフォーカスカム138aに係合している。また、L2保持枠140から延出したキー部はフォーカスキー127と係合しており、これによりL2保持枠140はフォーカスキー127と回転方向には一体に構成されている。
【0032】
従って、L2保持枠140は、ズームカム筒108が回転する(このとき、フォーカスキー127は停止している)と、案内筒107に形成されたズーム補正カム107cとズームカム筒108に形成された変速カム108eの交点の移動によるインナーカム筒138の光軸方向移動量と、コロ部140aとインナーカム筒138のフォーカスカム138aとの係合点の光軸方向移動量との合計量だけ光軸方向に移動する。
【0033】
また、フォーカスキー127が回転する(このとき、カム筒108は停止している)と、回転しながらコロ部140aとインナーカム筒138のフォーカスカム138aとの係合点の光軸方向移動量に応じて光軸方向に移動する。
【0034】
141は目盛シートで、フォーカスユニット125の出力であるフォーカスキー127の回転と一体に回転し、目盛窓104と合わせて焦点位置の表示をしている。
【0035】
142はメイン基板で、フォーカスユニット125、電磁絞りユニット117、振れ補正ユニット111、ジャイロ基板129、エンコーダフレキシブル基板130と、可撓性のフレキシブル基板を介してあるいは直接、電気的に接続され、各種制御を行なっている。
【0036】
143はマウント101にビス止めされてカメラ本体との通信を行ったり電源供給を受けたりする接点ブロックであり、メイン基板とはフレキシブル基板を介して接続されている。144は裏蓋であり、マウント101に弾性結合して有害光をカットしている。
【0037】
以上が本実施形態の交換レンズの構成であるが、簡単にまとめると以下の各種動作が可能となっている。
【0038】
まず、合焦動作では、オートフォーカス時においては振動型モータからの駆動力により、マニュアルフォーカス時においてはマニュアルフォーカスリング126からの回転操作力により、フォーカスキー127を介してL2保持枠140が回転さる。これにより、L2保持枠140のコロ部140aとインナーカム筒138のフォーカスカム138aとの係合点の光軸方向移動量だけ、L2群が進退する。
【0039】
一方、変倍動作では、ズーム操作環132を回転させると、ズームキー133を介してカム筒108が回転する。これにより、案内筒107の案内溝107a,107bと、カム筒108のズームカム108a,108b,108c,108dとの交点の移動に従い、L3保持枠109、L4保持枠110、振れ補正ユニット111および直進筒112がそれぞれ光軸方向に移動し、L1群,L3群,L4群,L5群およびL6群(L3群と一体)がそれぞれ光軸方向に移動する。 同時に、L2群は、案内筒107に形成されたズーム補正カム107cとズームカム筒108に形成された変速カム108eとの交点の移動によるインナーカム筒138の光軸方向移動量と、このときのインナーカム筒138の回転によるL2保持枠140のコロ部140aとインナーカム筒138のフォーカスカム138aとの係合点の光軸方向移動量の合成量だけ光軸方向に移動する。本実施形態では、上記機構により、インナーフォーカス方式での焦点距離の変化に伴なう合焦移動量を補正してL2群を移動させることが可能となっている。
【0040】
また、振れ補正動作においては、振動ジャイロ128の出力およびエンコーダフレキシブル基板130の出力に応じて振れ補正ユニット111を制御し、L5群を光軸と略直交する面内で、発生している振れによるフィルム面での像の移動を打ち消す方向に駆動させることができる。
【0041】
次に、本交換レンズのカム駆動部におけるフォーカスカムの最適化について図3を用いて詳述する。図3には、本実施形態と従来例におけるフォーカスカム最適化を比較して示している。図3中、(a)はオリジナル光学設計値の状態、(b)は従来のフォーカスカム最適化の状態、(c)は本発明でのフォーカスカム最適化の状態をそれぞれ表わしている。
【0042】
なお、各状態図とも、横軸は、各カム内でのコロの移動方向が紙面左側から順に、広角位置(W)→中間位置(M)→望遠位置(T)の順になるような各カムの回転位置を示しており、縦軸は、コロの光軸方向の位置を示している。また、ズームカム、フォーカスカムおよびズーム補正カムは、それぞれ図2におけるズームカム108d、フォーカスカム138a、ズーム補正カム107cに相当しており、Wでの物体距離∞の状態を、それぞれの位置の基準(0)として表わしている。
【0043】
図3(a)のオリジナル光学設計値の状態では、変倍レンズ群であるL1群のズームカムは、Mで回転位置θ1、光軸方向位置Z1、Tで回転位置θ2、光軸方向位置Z2を通る一定のリードを有する直線で表わされる。
【0044】
一方、W、M、Tでの合焦レンズ群であるL2群の物体距離に応じたレンズ位置軌跡を、ズームカムでのW、M、Tの位置と同じ回転位置を物体距離∞として、また、紙面右側に向かって物体距離が近づいていくようにして、一本の曲線状に配置(M∞で光軸方向位置F1、T∞で光軸方向位置F2)したものが、フォーカスカムである。このとき、各焦点距離のレンズ位置曲線ともに、物体距離∞からの回転角が同じであれば、対応する物体距離も同じになるようになっており、最短撮影可能距離までの回転角は、各焦点距離ともにθfとなっている。しかしながら、この状態でのフォーカスカムは滑らかな一本の曲線とは言い難い。
【0045】
一方、図(b)に示す従来のフォーカスカム最適化では、(a)の状態に対して、各焦点距離でのL2群の∞からの回転角とレンズ移動軌跡はそのままで、M、Tでのレンズ位置をずらして(M∞で回転方向位置θ3、光軸方向位置F3、T∞で回転方向位置θ3、光軸方向位置F4)配置することで、フォーカスカムを滑らかな曲線にするとともに、ズームカムにおけるMでの回転方向位置も同じようにθ3にずらし(光軸方向位置は変えず)、変倍動作時にズームカムとフォーカスカムを回転方向に一体に回転させることで、各焦点距離での合焦レンズ移動軌跡の設計値からのずれを充分小さい値に抑えることができるようになっている。
【0046】
このとき、ズーム補正カムは以下のように決定される。L2群は、先に説明したように、ズーム補正カムによるフォーカスカム全体の移動量と、フォーカスカムによるL2群の移動量の合成量だけ移動する。従って、L2群の変倍動作での移動量(W∞基準)を、M∞でZ’1、T∞でZ’2とすると、ズーム補正カムは、MでH1=Z’1−F3、TでH2=Z’2−F4を通る曲線とすればよい。これにより、∞でのピント変動だけでなく、全ての物体距離における焦点距離の差によるレンズ移動量の差をメカ的に補正することが可能(各焦点距離のフォーカスカム使用域では、∞からの回転角が同じであれば、物体距離も同じであるから)である。
【0047】
従来例では、以上のような構成とすることで、焦点距離の変化に伴なう合焦レンズの移動量を自動的に補正している。しかしながら、先にも述べたように、特に高倍率変倍レンズ(概ね5倍以上の倍率を有するズームレンズ装置)の場合、ズームカムにおけるM位置で必要とされる回転方向位置のずらし量が大きくなり、その結果、WとTでのカムの傾きが大きく異なってきてしまう(B≫A)。そのために、変倍動作時の操作トルクの増大や急激な変化といった操作性での問題や、この問題を解決するために、許容範囲を超えた変倍動作時のピント変動を許容せざるを得ないといった問題が発生する。
【0048】
これに対して、図3(c)に示す本実施形態でのフォーカスカム最適化では、図3(b)に対して、フォーカスカム138aおよびズーム補正カム107cはそのままとする一方、ズームカム108dにおけるMでの回転方向位置をθ4(θ4>θ3)とし、変倍動作時のズームカム108d(ズームカム筒108)の回転速度に対するフォーカスカム138a(インナーカム筒138)の回転速度(およびズーム補正カム107cに係合するコロ139の回転速度)を、WからMにかけては遅く(減速)、MからTにかけては速く(増速)している。さらに、広角端から望遠端までのズームカム108dの総回転量とフォーカスカム138aの総回転量(およびズーム補正カム107cに係合するコロ139の総回転量)を等しくしている。
【0049】
すなわち、図2に示した変速カム108eをズームカム筒108に形成することにより、M位置でのフォーカスカム使用位置(θ3)とズームカム使用位置(θ4)の回転方向位置のずれを補正している。
【0050】
これにより、従来例と同じく合焦レンズ移動軌跡の設計値からのずれを充分小さい値に抑えることができるとともに、従来例の問題点であったWとTでのカムの傾きの極端な差を解消(D−C<B−A)することができる。
【0051】
以上のように本実施形態では、変倍動作時におけるズームカム108dの回転速度に対するフォーカスカム138aの回転速度を変化させることで、フォーカスカム最適化によるズームカム108dの移動軌跡への影響を軽減している。
【0052】
また、フォーカスカム138aを光軸方向に移動させながらズームカム108dの回転速度に対するフォーカスカム138aの回転速度を変化させる機構を、ズームカム筒108の変速カム108dと案内筒107のズーム補正カム107cの双方に、インナーカム筒138に取り付けられたコロ139を係合させることによって構成しているため、簡単な構成でフォーカスカム最適化によるズームカムの移動軌跡への影響を軽減することができる。
【0053】
さらに、ズームカム108dの回転に対するフォーカスカム138aの回転速度を、広角側では減速し、望遠側では増速するように構成しているため、一般的な高倍率ズームレンズ装置の特性(すなわち、広角側と望遠側での合焦レンズの移動量の差が大きく、また望遠側に近付くにつれて急激に移動量が大きくなっていく)によるフォーカスカム最適化でのズームカムの移動軌跡への影響を軽減することができる。
【0054】
しかも、広角端から望遠端までのズームカム108dの総回転量とフォーカスカム138aの総回転量(およびズーム補正カム107cに係合するコロ139の総回転量)を等しくしているため、従来のフォーカスカム最適化形状を保ったままで、すなわちフォーカスカム最適化の手順を複雑にすることなく、フォーカスカム最適化による変倍レンズの移動軌跡への影響を軽減することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、6群構成のズームレンズ装置について説明したが、本発明は6群構成以外の構成のズームレンズ装置にも適用することができる。
【0056】
また、本実施形態では、フォーカスカムの使用位置の移動が、焦点距離が広角側から望遠側、物体距離が∞側から最短撮影距離側に変化していく時に同じとなるような場合について説明しているが、逆方向の組合せも可能であって、これにも限定されるものではない。
【0057】
また、本実施形態では、変倍動作時にズームカム筒108が回転駆動され、ズームカム筒108によってインナーカム筒138が回転駆動される場合について説明したが、変倍動作時にフォーカスカム筒が回転駆動され、フォーカスカム筒によってズームカム筒が回転駆動される場合にも適用できる。
【0058】
さらに、本発明は、本実施形態でのカムとカムフォロアーの主従関係が逆となった場合(例えば、L2保持枠140にフォーカスカム138aを反転した形状のフォーカスカムを形成するとともに、インナーカム筒138にこのフォーカスカムに係合するコロを設け、L2保持枠140が回転しながらコロを支点として図1の構成と同じ軌跡で合焦のために移動する場合)にも適用することができる。
【0059】
また、本実施形態では、一眼レフカメラ用交換レンズについて説明したが、本発明は、上記交換レンズに限らず、変倍レンズの移動に伴って合焦レンズを移動させる構成を有する各種ズームレンズ装置や光学機器に適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ズームカム筒およびフォーカスカム筒のうち一方のカム筒に、変倍動作時に上記一方のカム筒に対する他方のカム筒の回転速度を変化させながらこの他方のカム筒を回転駆動するカム連動部を設けているので、例えば、広角側ではズームカム筒に対するフォーカスカム筒の回転速度を減速させ、望遠側ではズームカム筒に対するフォーカスカム筒の回転速度を増速させるというように、両カム筒に非一体的な連動を行わせることができる。
【0061】
したがって、フォーカスカム筒に形成されているフォーカスカムが最適化されている場合に、これによる変倍レンズの移動軌跡への影響を軽減することができ、変倍動作の操作性に悪影響を与えることなく、変倍動作時のピント変動を充分小さい値に抑えることができる。
【0062】
なお、上記両カム筒の広角端から望遠端まで回転量を互いに等しくすることにより、フォーカスカム最適化の手順が複雑化することを回避することができる。
【0063】
また、カム筒連動部をカムによって構成し、固定部に上記他方のカム筒を光軸方向移動させるためのカムを形成して、上記他方のカム筒に、上記両カムに係合するカムフォロワーを設けるようにすれば、構成の簡単化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である一眼レフカメラ用交換レンズの断面図。
【図2】上記交換レンズのカム筒の広角側における展開図。
【図3】上記交換レンズおよび従来のズームレンズ装置とのフォーカスカム最適化の比較説明図。
【符号の説明】
107 案内筒
108 ズームカム筒
108d ズームカム
108e 変速カム
109 L3保持枠
110 L4保持枠
111 振れ補正ユニット
112 直進筒
117 電磁絞りユニット
118 L6保持枠
122 フィルター枠
123 L1保持枠
125 フォーカス駆動ユニット
138 インナーカム筒
138a フォーカスカム
140 L2保持枠
140a コロ

Claims (7)

  1. 光軸回りで回転可能とされ変倍レンズを光軸方向に移動させるカムを有するズームカム筒と、光軸回りで回転可能とされ、該回転により合焦レンズを光軸方向に移動させるカムを有するフォーカスカム筒とを備え、
    変倍操作により、前記ズームカム筒および前記フォーカスカム筒のうち一方のカム筒が回転駆動され、かつこの一方のカム筒によって他方のカム筒も回転駆動されるとともに、
    合焦操作により、前記合焦レンズが光軸周りに回転され、かつ、前記フォーカスカム筒に設けられた前記カムに沿って光軸方向に移動するズームレンズ装置であって、
    前記一方のカム筒に、変倍動作時に前記一方のカム筒に対する前記他方のカム筒の回転速度を変化させながらこの他方のカム筒を回転駆動するカム筒連動部を設けたことを特徴とするズームレンズ装置。
  2. 前記他方のカム筒は、前記カム筒連動部によって回転駆動されることに応じて、固定部とのカム作用によって前記一方のカム筒に対し光軸方向に移動し、
    前記カム筒連動部は、前記他方のカム筒の光軸方向移動に伴って前記一方のカム筒に対する前記他方のカム筒の回転速度を変化させることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ装置。
  3. 前記カム筒連動部がカムによって構成されるとともに、前記固定部に前記他方のカム筒を光軸方向移動させるためのカムが形成されており、
    前記他方のカム筒に、前記カム筒連動部としてのカム及び前記固定部のカムに係合するカムフォロワーを設けたことを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ装置。
  4. 前記カム筒連動部は、広角側および望遠側のうち一方では前記一方のカム筒に対する前記他方のカム筒の回転速度を減速させ、広角側および望遠側のうち他方では前記一方のカム筒に対する前記他方のカム筒の回転速度を増速させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のズームレンズ装置。
  5. 前記一方のカム筒がズームカム筒で、前記他方のカム筒がフォーカスカム筒であり、
    前記カム筒連動部は、広角側では前記ズームカム筒に対するフォーカスカム筒の回転速度を減速させ、望遠側では前記ズームカム筒に対する前記フォーカスカム筒の回転速度を増速させることを特徴とする請求項4に記載のズームレンズ装置。
  6. 前記カム筒連動部は、広角端から望遠端までの前記両カム筒の回転量を等しくするよう前記一方のカム筒に対する前記他方のカム筒の回転速度を変化させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のズームレンズ装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載のズームレンズ装置を備えたことを特徴とする光学機器。
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