JP5855607B2 - 画像記録方法及び装置並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は画像記録方法及び装置並びにプログラムに係り、特に画像データに基づいて記録媒体上に画像を記録する際の画像処理に用いるパラメータの管理技術に関する。
画像記録装置の一形態であるインクジェット印刷機は、複数のインク吐出口(ノズル)を備える記録ヘッドを有し、印刷対象の画像データに基づいて各ノズルからのインク吐出動作を制御することにより記録媒体上に画像を記録する。記録ヘッドにおける各ノズルは記録特性(インクの吐出特性)にばらつきがあり、そのばらつきに対して何も対処せずに画像を形成すると、ノズル間のインク吐出量ばらつき、インク着弾位置ばらつき、或いはインク濃度ばらつきなど、様々なヘッド特性に影響を受け、印刷物の画像に濃度ムラが生じる。
そのため、従来のインクジェット印刷機は概して、濃度ムラの発生を抑止する濃度ムラ補正を行うための処理系(濃度ムラ補正処理系)が搭載されている。そして、この濃度ムラ補正処理系を用いて、濃度ムラ補正値としての濃度ムラ補正パラメータの生成や、その濃度ムラ補正パラメータを適用した画像データの変換処理などを行っている。
濃度ムラ補正の技術に関しては、例えば、特許文献1に記載の手法など、様々な手法が提案されている。特許文献1に開示された濃度ムラ補正技術の概要は次のとおりである。まず、濃度ムラ補正用の濃度変換関数を求めるための濃度測定用テストチャートを出力し、この出力された濃度測定用テストチャートの画像を読み取って、記録濃度の測定を行い、その測定濃度データを基にノズルごとの画像データの信号変換関数(濃度変換関数)を生成する。そして、画像を印刷する際には、入力画像データを濃度変換関数に基づいて補正し、当該補正された画像データを基に画像記録の制御を行うことで濃度ムラの発生が抑止された画像を形成している。
特開2010−082989号公報
特許文献1に記載の濃度ムラ補正技術における濃度変換関数のように、シングルパス方式のインクジェット印刷機における濃度ムラ補正パラメータは、記録媒体の搬送方向(「y方向」とする。)に直交する媒体幅方向(「x方向」とする。)の位置に応じて設定される。x方向の画像位置を定義する方法の1つとして、例えば、x方向の画像位置に対応したノズルの位置を挙げることができる。濃度測定用テストパターンを形成するために使用された記録ヘッドのノズル群におけるノズルごとに濃度ムラ補正パラメータを作成することができる。したがって、濃度ムラ補正パラメータを作成する際には、できる限り大きな媒体サイズの記録媒体を用い、記録ヘッド内のできるだけ多くのノズルを使ってテストパターンの印字を行い、より多くのノズルに対して濃度ムラ補正パラメータを得ることが望ましい。
しかしながら、ユーザがインクジェット印刷機を使用する際、様々なサイズの記録媒体を使用することが想定される。仮に、印刷システムで使用可能な最大サイズよりも小さいサイズの記録媒体を用いて濃度測定用テストチャートの出力が行われ、そのテストチャートの読み取り結果を基に濃度ムラ補正パラメータの作成が行われた場合、当該テストチャートの出力に用いた媒体サイズの記録媒体に印字可能なノズル範囲内のノズルに対してしか濃度ムラ補正パラメータを得ることができない。
したがって、その後にユーザがより大きなサイズの記録媒体を用いて印刷を行おうとする場合、その印刷に用いるサイズの記録媒体、若しくは、これよりも大きなサイズの記録媒体を用いて濃度ムラ補正パラメータを生成する処理をやり直さなければ、印刷画面の全体にわたって適切な画像品質が得られない可能性がある。このように、印刷に使用する記録媒体のサイズごとに濃度ムラ補正パラメータの作成処理をやり直す作業を強いることは、ユーザの負担を増加させることにつながる。
また、仮に、予め印刷システムが使用可能な最大サイズの記録媒体を用いて濃度ムラ補正パラメータの作成処理を行っていた場合であっても、その後、より小さいサイズの記録媒体を用いて濃度ムラ補正パラメータの作成処理を実行すると、記録ヘッドにおけるノズル列のうち一部のノズルのみパラメータが更新されてしまい、更新されたノズルと、更新されなかったノズルの境目において、不自然なパラメータのギャップが生じてしまう可能性がある。このようなパラメータの不連続性により、出力画像品質が低下する可能性がある。
一方で、仮に媒体サイズごとに独立に濃度補正パラメータを管理する場合には、使用する媒体サイズの種類だけ濃度ムラ補正パラメータの作成処理を行う必要が生じ、ユーザの負担を増加させてしまう可能性がある。
また、常に印刷システムが使用可能な最大サイズの記録媒体を用いて濃度ムラ補正パラメータの作成処理を実施することを強制してしまう場合には、最大サイズの記録媒体の用意や、記録媒体の乗せ替え作業が必須になり、やはりユーザの負担を増加させてしまう。
上記の課題はインクジェット印刷システムに限らず、各種の描画方式の画像記録装置について共通する課題である。また、濃度補正パラメータに限らず、画像位置に応じた各種の画像処理パラメータについて共通する課題である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記の課題のうち少なくとも1つの課題を解決し、ユーザの負担を増加させることなく、適切な画像処理パラメータを使用して画像を記録することができる画像記録方法及び装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像記録方法は、インクを吐出する複数のノズルが第1方向の異なる位置に配置されたノズル列を有するインクジェット方式の記録ヘッドであるラインヘッドを用いて、画像データに基づき記録媒体上に画像を記録する画像記録方法であって、ラインヘッドにおけるノズルの配列方向である第1方向の位置に応じたノズルごとの補正パラメータである画像処理パラメータと、当該画像処理パラメータを生成した際のテストチャートの出力に用いた記録媒体の第1方向の媒体サイズに対応したラインヘッドの第1方向の画像記録範囲を表す情報と、画像処理パラメータの更新日時と、を関連付けて管理し、ラインヘッドによる第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で画像の記録を行う場合に、ラインヘッドにおけるノズル列の特定の範囲若しくは特定の範囲よりも広い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して画像データに画像処理を施し、画像処理後の画像データにしたがってラインヘッドによって記録媒体に画像を記録する。
また、前記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
(第1態様):画像データに基づき画像記録部によって記録媒体上に画像を記録する画像記録方法であって、画像記録部による第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で画像の記録を行う場合に、画像記録部における特定の範囲若しくは特定の範囲よりも広い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された第1方向の位置に応じた画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して画像データに画像処理を施し、画像処理後の画像データにしたがって画像記録部によって記録媒体に画像を記録する画像記録方法。
第1態様によれば、第1方向について異なる画像記録範囲の条件の下で更新される画像処理パラメータを適切に管理することができ、画像を記録する際の画像記録範囲の条件に適した適切な画像処理パラメータを使用して画像を記録することが可能になる。
(第2態様):第1態様に記載の画像記録方法において、最新の画像処理パラメータを生成する際、最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に特定の範囲よりも狭い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とする構成とすることができる。
特定の範囲よりも狭い範囲に対しては、特定の範囲で作成された画像処理パラメータを利用することができる。
(第3態様):第1態様又は第2態様に記載の画像記録方法において、第1方向の媒体サイズが特定のサイズである記録媒体に対して画像記録部の特定の範囲を用いて画像を記録する場合に、特定のサイズと同サイズ若しくは特定のサイズよりも大きいサイズの記録媒体に記録されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された第1方向の位置に応じた画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して画像データに画像処理を施し、画像処理後の画像データにしたがって特定のサイズの記録媒体に画像を記録する構成とすることができる。
使用する記録媒体の媒体サイズが変わると、画像記録部による画像記録範囲が変わることになるため、媒体サイズの条件は、画像記録範囲の条件と対応付けることができる。したがって、媒体サイズを指標として画像記録範囲を把握することができる。
(第4態様):第3態様に記載の画像記録方法において、最新の画像処理パラメータを生成する際、当該最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に特定のサイズよりも小さいサイズの記録媒体に記録されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とする構成とすることができる。
(第5態様):第1態様から第4態様のいずれか1項に記載の画像記録方法において、媒体種、インク種、量子化手法のうち少なくとも1つの印刷条件が異なる印刷条件ごとに、画像処理パラメータを管理する構成とすることができる。
画像記録範囲以外の印刷条件が変わると最適な画像処理パラメータも変わる可能性があるため、印刷条件ごとに画像処理パラメータを管理することが望ましい。
(第6態様):第1態様から第5態様のいずれか1項に記載の画像記録方法において、画像記録部は複数の記録素子が第1方向の異なる位置に配置された記録素子列を有する記録ヘッドであり、画像処理後の画像データにしたがって記録素子の動作を制御し、かつ記録ヘッドに対して第1方向と直交する第2方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に画像の記録を行う構成とすることができる。
ラインヘッドを用いる構成の場合、第1方向は媒体搬送方向(第2方向)に直交するラインヘッドの長手方向とすることができる。
(第7態様):第7態様の画像記録装置は、画像データに基づき記録媒体上に画像を記録する画像記録部と、画像記録部による第1方向の位置に応じた画像処理パラメータを格納しておく画像処理パラメータ格納部と、画像処理パラメータ格納部への画像処理パラメータの格納、並びに画像処理パラメータ格納部からの画像処理パラメータの読み出しを管理するパラメータ管理部と、画像データに対して画像処理パラメータを使用して画像処理を行う画像処理部と、画像記録部による第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で画像の記録を行う場合に、画像記録部の特定の範囲若しくは特定の範囲よりも広い範囲を用いて記録されたテストチャートの出力結果に基づいて生成された第1方向の位置に応じた画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して画像データに対する画像処理を行わせ、画像処理によって得られた処理後の画像データにしたがって画像記録部の特定の範囲を用いて記録媒体に画像を記録させる制御部と、を備える。
(第8態様):第7態様に記載の画像記録装置において、パラメータ管理部は、画像処理パラメータと、当該画像処理パラメータを生成したときのテストチャートの出力に用いた第1方向の画像記録範囲を特定する情報と、画像処理パラメータの更新日時とを関連付けて管理する構成とすることができる。
(第9態様):第7態様又は第8態様に記載の画像記録装置において、パラメータ管理部は、最新の画像処理パラメータを生成する際、当該最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に特定の範囲よりも狭い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とする構成とすることができる。
(第10態様):第7態様から第9態様のいずれか1項に記載の画像記録装置において、画像処理パラメータ格納部には、媒体種、インク種、量子化手法のうち少なくとも1つの印刷条件の組み合わせと関連付けて画像処理パラメータが格納される構成とすることができる。
(第11態様):第7態様から第10態様のいずれか1項に記載の画像記録装置において、画像記録部は複数の記録素子が第1方向の異なる位置に配置された記録素子列を有する記録ヘッドであり、画像処理後の画像データにしたがって記録素子の動作を制御し、かつ記録ヘッドに対して第1方向と直交する第2方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に画像の記録を行う構成とすることができる。
(第12態様):第12態様のプログラムは、画像データに基づき画像記録部によって記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の制御機能をコンピュータによって実現するためのプログラムであって、画像記録部による第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で画像の記録を行う場合に、画像記録部における特定の範囲若しくは特定の範囲よりも広い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された第1方向の位置に応じた画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して画像データに画像処理を施す画像処理機能と、画像処理を施した後の画像データにしたがって画像記録部によって記録媒体に画像を記録させる制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
第12態様のプログラムにおいて、第1態様から第6態様の内容を適宜組み合わせることができる。
本発明によれば、異なる画像記録範囲の条件で更新される画像処理パラメータを適切に管理でき、画像記録の際に用いる画像記録範囲に適した画像処理パラメータを使用して画像を記録することができる。これにより、ユーザの負担を軽減し、破綻のない良好な印刷を実施できる。
本発明の第1実施形態に係る印刷システムの構成例を示すブロック図 階調変換ルックアップテーブル(LUT)の概念図 濃度ムラ補正処理部における補正処理の概念図 濃度ムラ補正パラメータの作成手順の概要を示すフローチャート 濃度測定用テストチャートの例を示す図 媒体サイズの種類の説明図 本実施形態による印刷時の動作を示したフローチャート パラメータ更新処理の第1例を示すフローチャート 図8のフローに従ってパラメータの更新が行われる場合の濃度ムラ補正パラメータ格納部に格納されるデータの概念図 図8のフローに従ってパラメータの更新が行われる場合の印刷時の動作を示すフローチャート パラメータ更新処理の第2例を示すフローチャート 図11のフローに従ってパラメータの更新が行われる場合の濃度ムラ補正パラメータ格納部に格納されるデータの概念図 図11のフローに従ってパラメータの更新が行われる場合の印刷時の動作を示すフローチャート パラメータ更新処理の第3例を示すフローチャート 図14のフローに従ってパラメータの更新が行われる場合の濃度ムラ補正パラメータ格納部に格納されるデータの概念図 媒体サイズ以外の印刷条件の組み合わせごとに補正パラメータを管理する例を示した説明図 不吐補正の基本的な考え方の概念図 第2実施形態に係る印刷システムの構成例を示す要部ブロック図 インクジェット記録装置の全体構成図 図20(a)はヘッドの構造例を示す平面透視図、図20(b) はその一部の拡大図 ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図20(a)中のA−A線に沿う断面図 インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態:印刷システムの構成>
図1は本発明の第1実施形態に係る印刷システムの構成例を示すブロック図である。この印刷システム10(「画像記録装置」に相当)は、シングルパス方式のインクジェット印刷システムであり、画像データ入力部12、階調変換部14、濃度ムラ補正処理部16、量子化処理部20、ヘッドドライバ22、記録ヘッド24(「画像記録部」に相当)を備える。また、印刷システム10は、記録媒体(図1中不図示)を搬送する媒体搬送部26と、記録ヘッド24によって記録媒体上に記録された画像を読み取る画像読取部28と、画像読取部28から取得した読取画像を解析して濃度ムラ補正パラメータを算出する濃度ムラ補正パラメータ演算部32と、算出された濃度ムラ補正パラメータが格納される濃度ムラ補正パラメータ格納部52とを備える。
さらに、印刷システム10は、濃度測定用テストチャートを含む各種テストチャートのデータを生成するテストチャート生成部40と、印刷ジョブの実行に必要な印刷条件を管理する印刷条件管理部44と、画像処理パラメータを管理するパラメータ管理部60と、システム全体の制御を司る制御部62とを備え、制御部62には、表示部64と入力装置66とが接続されている。また、制御部62は、日時の情報を発生させるカレンダー時計機能(図示せぬ日時情報生成部)を備えている。
表示部64と入力装置66はユーザインターフェース(UI)として機能する。入力装置66は、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボールなど、各種の手段を採用することができ、これらの適宜の組み合わせであってもよい。本例では入力装置66として、タッチパネル、キーボード、マウスの組み合わせが用いられる。なお、タッチパネルを表示部64の画面上に配置した構成のように、表示部64と入力装置66とが一体的に構成されている形態も可能である。
オペレータは、表示部64の画面に表示される内容を見ながら入力装置66を使って印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索など各種情報の入力を行うことができ、印刷システム10を操作することができる。また、入力内容その他の各種情報は表示部64の表示を通じて確認することができる。また表示部64を通じて、システムの状態等を把握(確認)することが可能である。
なお、図1に示した濃度ムラ補正パラメータ演算部32、濃度ムラ補正パラメータ格納部52、テストチャート生成部40、印刷条件管理部44、パラメータ管理部60、制御部62、表示部64、及び入力装置66の各部は、プリンタの制御装置として用いるコンピュータのハードウエア及びソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。
また、画像データ入力部12、階調変換部14、濃度ムラ補正処理部16、量子化処理部20、ヘッドドライバ22の各部は、インクジェット記録装置(プリンタ)側の画像処理機能として搭載することも可能であるし、これら画像処理部(12〜22)の全部又は一部を制御装置側に搭載することも可能である。
<<記録ヘッドについて>>
記録ヘッド24は、記録媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向の描画領域の全幅(画像形成領域の最大幅)に対応する長さにわたって複数のノズル(インク吐出口)が配列されたノズル列を有するラインヘッドである。媒体搬送部26による媒体搬送方向は、「第2方向」に相当し、「副走査方向」或いは「y方向」という。媒体搬送方向に直交する媒体幅方向は「第1方向」に相当し、「主走査方向」或いは「x方向」という。
図1では、説明を簡単にするために、記録ヘッド24として1つのブロックのみを示しているが、カラー画像の形成を行う印刷システムの場合、複数のインク色の各色にそれぞれ対応した複数の記録ヘッドを備える。本例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクを用い、それぞれの色のインクを吐出するための記録ヘッドを色ごとに備える例を説明する。ただし、インクの色数やその組み合わせはこの例に限らない。例えば、CMYK4色の他に、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)などの淡色インクを加える態様や、赤、緑などの特別色のインクを用いる態様なども可能である。
記録ヘッド24の詳細な構造は図示しないが、インクジェット方式の記録ヘッド24は、各ノズルに対応してインク吐出に必要な吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子(例えば、圧電素子や発熱素子)を備えている。記録ヘッド24はヘッドドライバ22から与えられる駆動信号及び吐出制御信号に従い、オンデマンドでインク液滴を吐出する。
記録ヘッド24におけるノズル数やノズル密度、ノズルの配列形態は特に限定されず、様々な形態があり得る。例えば、主走査方向について所定の記録解像度を実現できるように、多数のノズルが一定の間隔で直線上に(一列に)並ぶ1次元ノズル配列であってもよいし、2本のノズル列を互いにそれぞれのノズル列内におけるノズル間隔(ノズル間ピッチ)の1/2ピッチだけノズル列方向にずらして配置した、いわゆる千鳥状配列であってもよい。また、更なる高記録解像度を実現するために、3本以上のノズル列を並べたマトリクス配列など、インク吐出面(ノズル面)に多数のノズルを二次元的に配列させる構成とすることができる。
二次元ノズル配列を有するインクジェットヘッドの場合、当該二次元ノズル配列における各ノズルを媒体幅方向(主走査方向に相当)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、主走査方向(媒体幅方向)について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。ここでいう「等間隔」とは、インクジェット印刷システムで記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、主走査方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。以下の説明で「ノズル位置」という場合、この実質的なノズル列におけるノズルの位置を指す。ノズル位置はx座標として表すことができるため、ノズル位置はx方向の位置(x座標)に対応付けることができる。ここでいう実質的なノズル列が「記録素子列」に相当する。
<<画像データ入力部について>>
画像データ入力部12は、印刷システム10によって印刷(出力)しようとする画像内容を表す画像データ70を取り込むためのデータ取得部として機能する。画像データ入力部12は、外部又は装置内の他の信号処理部から画像データを取り込むデータ入力端子で構成することができる。また、画像データ入力部12には、有線又は無線の通信インターフェース部を採用してもよいし、メモリカードなどの外部記憶媒体(リムーバブルディスク)の読み書きを行うメディアインターフェース部を採用してもよく、若しくは、これら態様の適宜の組み合わせであってもよい。
画像データ入力部12に入力される画像データ70の形式は特に制限されないが、ここでは説明を簡単にするために、印刷システム10で使用されるインク色と同じ色種、色数並びに解像度を持った階調画像であるとする。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色インクを用いて出力解像度1200dpiを実現するインクジェット印刷システムの場合、画像データはCMYKの各色それぞれ8bit (256階調)を持った画像データである。
なお、印刷しようとする画像の画像データの形式は種々のものがあり得る。印刷システム10で使用するインク色の種類や解像度と異なる色の組み合わせや解像度の形式で特定される画像データを印刷する場合には、画像データ入力部12の前段において、図示しない前処理部により、色変換や解像度変換などの処理を行い、印刷システム10で使用するインク色及び解像度の画像データに変換した後に、画像データ入力部12から入力する。
一例として、元の画像データが赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号で表されたRGBの画像データである場合に、前処理部に相当するRIP(Raster Image Processor)装置などにて、RGB→CMYKの色変換処理や解像度変換処理を行い、RGB画像データから印刷システム10に適合したCMYKの画像データ70に変換してから画像データ入力部12に入力する。
<<階調変換部について>>
階調変換部14は、印刷システム10で規定された発色特性になるように画像データを変換する。例えば、階調変換部14は、印刷条件管理部44から指定される階調変換LUTに従い、入力CMYK信号(濃度変換前CMYK信号)を濃度変換後CMYK信号に変換する。或いはまた、入力CMYK信号(濃度変換前CMYK信号)を濃度変換後C信号、濃度変換後M信号、濃度変換後Y信号、濃度変換後K信号に変換してもよい。なお、本明細書中の「LUT」の表記はルックアップテーブルを表す。
階調変換LUTは、入力信号値に対する出力信号値の関係(変換関係)を記述したテーブルである。階調変換LUTは、プリントに使用する記録媒体の種類毎に規定されている。用紙種に応じて複数の階調変換LUTが用意され、使用する用紙に合わせて適切なLUTが参照される。このような階調変換LUTは、インクの色毎に用意されている。本例の場合、CMYKの各色について、それぞれ階調変換LUTが設けられる。
画像データ入力部12から入力された画像データ70は、階調変換部14にて所望の階調が得られるように階調変換処理がなされる。本実施形態の階調変換部14では予め用意されている色ごとの1次元LUT(1D−LUT)を用いて階調値補正を行う。
図2は階調変換LUTの概念図である。図2に示す階調変換LUTは、CMYKの色信号別に用意されており、入力信号値を出力信号値に変換する入出力関係を定めたLUTである。この階調変換LUTを用いて、入力信号を目標の濃度階調となる出力信号に変換する。階調変換部14で処理された画像データは濃度ムラ補正処理部16へ送られる。
<<濃度ムラ補正処理部>>
濃度ムラ補正処理部16(図1参照)は、記録ヘッド24の各ノズルの位置(x方向位置)に依存する記録特性に応じて画像データを補正する補正処理手段である。すなわち、濃度ムラ補正処理部16では、記録ヘッド24におけるノズルの吐出特性のばらつき等に起因して発生する記録媒体上の印刷画像の濃度ムラを抑止するための画像信号補正を行う。本実施形態では、記録ヘッド24のノズルごとに、入力信号値と出力信号値の変換関係を記述した濃度ムラ補正用の1次元ルックアップテーブルである濃度ムラ補正LUTが準備され、この濃度ムラ補正LUTを用いて信号値の変換がなされる。
図3は濃度ムラ補正処理部における補正処理の概念図である。図3では、シアン(C)インク用の記録ヘッについて、ノズル数を減らして模式的に描いているが、実際には、各色のヘッドに備える全ノズルについて、各ノズルに対応してそれぞれ濃度ムラ補正LUT
が規定される。図3中のi,i+1,・・・,i+4は、ノズル番号を表している。ノズル番号iは、記録解像度(例えば、1200dpi)によるドット列の形成が可能なx方向の実
質的なノズル列の端から、i=1,2,3…という具合に連続する整数の番号で各ノズルに付与
することができ、ノズル番号によってノズルの位置(x方向のノズル位置)を特定することができる。ノズル番号は、記録解像度で記録媒体上の打滴点(記録位置)を記録できるように複数のノズルが配列されたノズル配置における実質的なノズル列のノズル並び順を表す。
図示のように、ノズルごとに入力信号値と出力信号値の変換関係を規定したLUTが存在し、これらが複数ノズル分(記録ヘッド内のすべてのノズル分、又は一部のノズル分)集合したLUT群となっている。色別の記録ヘッド24の全ヘッドについて同様のLUT群が存在し、これらLUT群が濃度ムラ補正パラメータ格納部52(図1参照)に格納されている。
詳細は後述するが、本実施形態では、濃度ムラ補正LUTを算出するための濃度測定用テストチャートの出力に用いた媒体サイズと関連付けて濃度ムラ補正LUTが管理され、印刷に使用される記録媒体の媒体サイズに応じて、適切な濃度ムラ補正LUTが適用される仕組みになっている。
なお、図1〜3では、理解を容易にするために、階調変換部14による階調変換処理と濃度ムラ補正処理部16による濃度ムラ補正処理とを段階的に行う例を示しているが、信号の変換演算に際して、階調補正LUTと濃度ムラ補正LUTを合成して1つのLUTにまとめ、これらの変換処理を一括で行う演算方法を採用することができる。
濃度ムラ補正処理部16による補正処理を経て生成された画像データは量子化処理部20に送られる。
<<量子化処理部について>>
量子化処理部20は、誤差拡散法、ディザ法、濃度パターン法などの量子化手法(いわゆるデジタルハーフトーニング処理方法)によって、多階調(m値)の画像データを、記録ヘッド24で出力可能なN値(Nは2以上、m未満の整数)のデータに変換する。例えば量子化処理部20は、8bit、256階調の画像データを、大ドット、中ドット、小ドット、ドット無しの4階調(N=4)のドット画像データに変換する処理を行う。
量子化処理部20によって生成されたN値の画像データは、ノズル配列に応じた変換がなされ、ヘッドドライバ22へと出力される。ヘッドドライバ22を介して記録ヘッド24に駆動信号(マーキング信号)が供給され、記録ヘッド24のインク吐出動作が制御される。
<<媒体搬送部について>>
媒体搬送部26による記録媒体の搬送と記録ヘッド24からのインクの吐出を制御することにより、記録媒体上に画像が形成される。媒体搬送部26は、記録媒体を搬送する手段である。ここでは、記録ヘッド24の長手方向(x方向)に対して、これと直交する副走査方向(y方向)に記録媒体を一定速度で搬送するものである。媒体搬送部26は、ドラム搬送方式、ベルト搬送方式、ニップ搬送方式など各種の方式を採用することができる。媒体搬送部26の詳細な構造は図示しないが、給紙ローラ、搬送モータ、モータ駆動回路などを含む。また、記録媒体に対する記録ヘッド24の記録タイミングの同期をとるために、記録媒体の位置を検知するセンサ(例えば、エンコーダ)が設けられる。媒体搬送部26によって記録媒体を一定の方向に搬送することで記録ヘッド24と記録媒体とが相対移動することになる。媒体搬送部26は、記録ヘッド24に対して記録媒体を相対移動させる相対移動手段に相当する。
<<画像読取部について>>
画像読取部28は、記録ヘッド24によって記録媒体上に記録された画像を読み取り、電子画像データ(読取画像データ)に変換する。画像読取部28としては、例えば、CCDラインセンサを用いることができる。本例の画像読取部28は、媒体搬送路の途中に設置されるインラインセンサであり、記録ヘッド24によって記録された画像を排紙前の搬送中に読み取る。画像読取部28は、後述する濃度測定用テストチャートその他のテストチャートの出力結果を読み取ることができる。また、画像読取部28は、印刷ジョブで指定されている印刷対象の画像データに基づいて記録した印刷画像を読み取ることができる。
<<テストチャート生成部について>>
テストチャート生成部40は、濃度ムラ補正パラメータの計算に必要な濃度測定データを得るための濃度測定用テストチャートのデータを生成し、画像データ入力部12に提供する。また、テストチャート生成部40は、濃度側測定用テストチャートの他、不良ノズルを検出するためのテストチャート、不吐出補正用の補正パラメータを算出するためのテストチャートなど、各種のテストチャートのデータを生成し得る。テストチャート生成部40は、制御部62の指示に従い、該当するテストチャートのデータを画像データ入力部12に供給する。
<<濃度ムラ補正パラメータ演算部について>>
濃度ムラ補正パラメータ演算部32は、画像読取部28から取得した濃度測定用テストチャートの読取画像を基に、濃度測定を行い、ノズル位置ごとの濃度ムラの補正値データ(濃度ムラ補正パラメータ)を生成する演算部である。濃度ムラ補正パラメータ演算部32で生成された濃度ムラ補正パラメータは、パラメータ管理部60の管理の下で濃度ムラ補正パラメータ格納部52に格納される。
<<パラメータ管理部について>>
パラメータ管理部60は、濃度ムラ補正パラメータ格納部52に格納に記憶される情報の管理を行う。パラメータ管理部60が行う管理には、パラメータの新規登録、パラメータの更新(書き換え、追加を含む)、更新日時の管理などが含まれる。また、パラメータ管理部60は、印刷条件管理部44と連携して、濃度ムラ補正処理部16渡すパラメータの読み出しの制御を行う。
<<印刷条件管理部>>
印刷条件管理部44は、印刷対象の画像データと印刷条件の情報とを関連付けた印刷ジョブの情報を管理する。ユーザは、印刷対象の画像データを入力する際、又は、画像データの入力後に、印刷条件の設定情報を入力することができる。印刷条件管理部44は、印刷対象の画像データに印刷条件の設定情報を関連付けた印刷ジョブの情報を生成し、印刷ジョブ単位で情報の保存と管理を行う。印刷ジョブごとに、出力画像データ名、記録媒体の種類名(用紙種)、媒体サイズ、画像処理に用いる各種パラメータ情報が関連付けられて保存されている。
印刷条件管理部44は、印刷対象の印刷ジョブが選択されると、その選択に係る印刷ジョブで指定された各種パラメータやデータを該当する処理部にセットすることを行う。
<濃度ムラ補正パラメータの作成処理について>
ここで、濃度ムラ補正パラメータの作成処理について説明する。図1で説明した濃度ムラ補正処理部16の補正処理に適用する濃度ムラ補正パラメータ(濃度ムラ補正LUT)を作成する処理は、例えば、新規にインクジェット記録装置を設置する場合、或いは、ヘッド交換時など、新規のインクジェットヘッドを搭載したときに実施される他、インクジェットヘッドが経時で劣化した場合、定期保守のタイミング、或いは、装置起動時、画像出力作業でムラが発生した際など、適宜のタイミングに実施され、ノズルごとの濃度ムラ補正パラメータを作成する。
濃度ムラ補正パラメータの作成方法としては、特許文献1に記載された手法その他の周知手法を含め、様々な手法を採用できる。
図4は濃度ムラ補正パラメータの作成手順の概要を示すフローチャートである。図5は記録媒体上に記録される濃度測定用テストチャートの例を示す図である。図4に示す処理フローと図5で説明する処理の内容は、印刷システム10にて使用される複数色のインクのうち一色分の処理についてのものである。
図4に示すように、濃度ムラ補正パラメータの作成処理は、テストチャート出力工程(ステップS10)、テストチャート測定工程(ステップS20)、測定1次元データ作成工程(ステップS30)、ノズル位置測定データ作成工程(ステップS40)、ノズルごとの補正データ作成工程(ステップS50)を含む。以下、各工程について説明する。
〔1〕テストチャート出力工程(ステップS10)
テストチャート出力工程(ステップS10)では、テストチャート生成部40(図1参照)によって生成された濃度測定用テストチャートの画像データを画像データ入力部12に送り、記録ヘッド24によって記録媒体74上に濃度測定用テストチャートの画像を記録する(図5参照)。
テストチャート生成部40(図1参照)は、記録ヘッド24のノズル配列方向(媒体搬送方向と直交する媒体幅方向)の幅W、媒体搬送方向に高さHの大きさの矩形領域にそれぞれ予め決められた階調値A1〜A8となる均一濃度の濃度パッチを媒体搬送方向に並べた濃度測定用テストチャートの画像データを作成し、画像データ入力部12に提供する。つまり、テストチャート生成部40は、各階調値A1〜A8による均一濃度の指令による複数段(ここでは8段を例示)の濃度パッチを含んだ濃度測定用テストチャートの出力に用いる画像データ(「テストチャート用画像データ」という。)を生成し、これを画像データ入力部12に送る。
このテストチャート用画像データに基づいて記録ヘッド24によりテストチャート画像として出力される。
図5に示すように、記録媒体74の上に、幅W、高さHの短冊状の濃度パッチ81〜88が媒体搬送方向に並んで配置された濃度測定用テストチャート90が記録される。各濃度パッチ81〜88は、それぞれ入力値として階調値A1〜A8が設定され、その設定された階調値A1〜A8にしたがって記録された領域に対応している。
このように濃度測定用テストチャート90は、ノズル幅方向に階調値が一定であり、用紙搬送方向に所定の高さHを有する濃度パッチ81〜88を、媒体搬送方向に複数段(図5では入力階調値A1〜入力階調値A8の8段)印字したものである。ここでは、入力階調値が最も低い入力階調値A1の濃度パッチ81から最も高い入力階調値A8の濃度パッチ88まで、入力階調値が低い順に印字されるように各濃度パッチが配置されているが、濃度パッチの段数及び配置順これに限定されるものではない。
濃度パッチの段数は、画像データの信号値の定義域(例えば、0〜255)を適度な間隔で分割する数であればよく、テストチャートの出力に要する媒体搬送方向の長さ、用紙枚数、補正演算の処理時間などを考慮して適宜設計される。
記録媒体74の媒体幅方向の媒体サイズに応じて、濃度測定用テストチャート90の出力に使用されるノズルの範囲(ノズル幅方向のノズル列幅)が異なる。
〔2〕テストチャート測定工程(図4のステップS20)
その後、画像読取部28(図1参照)にて、濃度測定用テストチャート90の出力結果を読み取り、テストチャートの測定を行う。最終的に各濃度パッチ81〜88から、階調値A1からA8までのそれぞれのノズル幅方向の1次元の濃度データが得られればよく、測定に用いる具体的手段は特に限定されない。例えば、画像読取部28としてノズル幅方向の1次元の濃度値を算出する機能を搭載した装置を使ってもよいし、インクジェット印刷機に組み込まれたインラインスキャナ(画像読取部28)でテストチャートの出力画像を取り込むことも可能である。このテストチャート測定工程により、濃度測定用テストチャート90の出力結果の読取画像データが得られる。
テストチャートの読取手段として、排紙後の印刷物を別途オフラインのスキャナ(読取装置)で読み取る形態も可能であるが、インラインスキャナを用いる方が、短時間に簡便に効率的に読み込みができる点で望ましい。
〔3〕測定1次元データ作成工程(図4のステップS30)
テストチャート測定工程(ステップS20)でテストチャート画像を読み込んだ場合、取り込まれた画像から、画像処理によりA1からA8の各階調に対応する短冊状の矩形の濃度パッチ51〜58におけるエッジ位置を認識し、それぞれの階調の濃度パッチ81〜58のパッチごとに媒体搬送方向(y方向)に信号を積算し、ノズル幅方向(x方向)に1次元の輝度データを作成する。
この時、輝度データはC,M,Y,Kごとにそれぞれ最も感度のあるデータを選択すればよい。例えば、RGBのカラーフィルターを有するカラー撮像素子などを用いた読取装置を用いる場合、RGBの色信号の中から最も感度が高い色のデータを用いることができる。テストチャートの測定に際しては、印刷物の濃度を示す情報(例えば、光学濃度、輝度、明るさなどを示す信号)が得られればよく、信号の種類(指標)は問わない。R,G,Bの色信号のうち最も感度の高い信号を用いる態様の他、RGB信号から算出される輝度信号(Y信号)や、Lab表色系のL*値などでもよい。
測定1次元データは、画像読取部28の読み取り解像度で作成される。画像読取部28は、人間が視認できるムラを解像する必要があり、最低でも200〜300dpi程度の解像度が望まれる。高解像度であればあるほど精度の高いデータが得られる点で好ましいが、データ処理時間の増大や装置構成のコスト増を伴うため、600dpi程度とするのが妥当である。
〔4〕ノズル位置測定データ作成工程(ステップS40)
次に、画像読取部28の読み取り解像度(例えば、ノズル列幅方向について600dpi)の測定1次元データを基に、記録ヘッド24のノズルの解像度(記録解像度)刻みに補間を行い、ノズル位置ごとの濃度測定データ(各ノズルの濃度測定データ)を作成する。
ここでいうノズル位置ごとの濃度測定データは、入力濃度値(各濃度パッチの画像データ値)と濃度測定値との関係を示すデータである。
〔5〕ノズルごとの補正データの作成工程(ステップS50)
次に、ステップS40において取得されたノズル位置ごとの濃度測定データと、目標とする階調特性(基準濃度変換曲線)とから、ノズルごとの濃度変換曲線、すなわち濃度ムラ補正LUTが算出される。なお、離散的な階調値A1〜A8に対する濃度測定データを補間することにより、測定点以外の階調値に対する濃度データが得られる。
例えば、各ノズルの輝度値(濃度測定データ)より求めた目標階調値との差から、各ノズルの階調が目標階調となるような補正カーブ(補正関数)を作成する。この補正カーブは、入力の階調値を目標階調に変換する変換関係を規定する関数となる。こうして得られた補正カーブが濃度ムラ補正LUT(1次元のLUT)となる。
以上の手順(図4のステップS10〜S50)を経てノズル毎の濃度ムラ補正LUT(「濃度ムラ補正パラメータ」に相当)が作成される。
本実施形態においては、新たに濃度ムラ補正パラメータを作成した際に濃度測定用テストチャート90の出力に用いた記録媒体74のx方向の媒体サイズと、濃度ムラ補正パラメータの更新日時とを組み合わせたパラメータ管理を行う。
<媒体サイズについて>
本実施形態の印刷システム10に使用可能な媒体サイズの種類を、S,S,S…,Sとし(nは2以上の整数)、各サイズは、S>S>S>…>Sの関係にあるとする(図6参照)。すなわち、媒体サイズを表す記号S(i=1,2,…n)の添字[i]の数字が大きいほど、媒体サイズは小さくなるものとする。この媒体サイズの表記によれば、「S」がシステムにおいて使用可能な最大サイズとなる。
ここでいう媒体サイズは、x方向の媒体幅サイズ(x方向の長さ)を意味している。本実施形態では、x方向の位置に依存する画像処理パラメータを取り扱うため、y方向のサイズについては特に問題にならない。
印刷に用いる記録媒体の媒体サイズ(x方向幅)に応じて、その記録媒体への描画に使用される記録ヘッド24のノズル範囲(x方向ノズル幅)が特定される。なお、ここでは説明を簡単にするために、記録媒体の「媒体サイズ」を用いているが、発明の実施に際して重要なのは、x方向の画像記録可能範囲における使用可能な、若しくは更新可能なパラメータのx方向の位置範囲(「パラメータサイズ」という。)である。したがって、このパラメータサイズを特定可能な情報であれば、必ずしも媒体サイズの情報を用いなくても良い。媒体サイズに対応した画像記録可能範囲であるノズル範囲(ノズル列幅)の情報を媒体サイズの情報に代えて利用することができる。ラインヘッドにおけるノズル範囲は画像記録範囲を示すものである。
本実施形態の印刷システム10では、システムにおいて利用が予定される媒体サイズが予め数種類想定されている。例えば、菊全判(939mm×636mm)、菊半裁(636mm×469mm)、四六全判(1091mm×788mm)、四六半裁(788mm×545mm)など、複数種類の媒体サイズについて、ユーザーインターフェースを通して、ユーザが使用するサイズを選択できるようになっている。ただし、予め用意された規定のサイズ以外の任意のサイズの記録媒体を用いることも可能である。
<印刷時の動作>
本実施形態では、印刷ジョブに従って画像データを印刷する際、以下に示すルールに従う。
〔ルール〕ある特定の媒体サイズS(i=1,2,…nのいずれか)で印刷を行う場合、Sと同じサイズ、若しくは、Sよりも大きい媒体サイズの記録媒体を用いて記録したテストチャートの読取結果から算出された画像処理パラメータのうち、最新のパラメータを使用して印刷を行う。
図1の例では濃度測定テストチャートが「テストチャート」であり、濃度ムラ補正パラメータ(濃度ムラ補正LUT)が「画像処理パラメータ」である。
画像データを印刷する際には、上記のルールに従って濃度ムラ補正パラメータを適用し、画像処理を行った上で印刷を実行することで、最新の濃度ムラ補正パラメータを用いて破綻なく印刷を実施できる。
なお、あるタイミングにおいて、それぞれの媒体サイズすべてにおいて濃度ムラ補正パラメータが用意されている必要は必ずしもない。少なくとも、システムにおいて使用可能な最大サイズ(S)の濃度ムラ補正パラメータが存在すれば、上記のルールに従い、必ず何らかのパラメータを選択し得る。
印刷システム10の初期設定として、システムの設置時或いは装置の出荷時などに、最大サイズSの記録媒体を用いて濃度測定用テストチャートを出力して全ノズル範囲の濃度ムラ補正パラメータを生成し、この全ノズル範囲(最大サイズS)の濃度ムラ補正パラメータを保持しておくことが好ましい。その後、ユーザが適宜、濃度ムラ補正パラメータを更新した場合にも、この初期設定時の全ノズル範囲の濃度ムラ補正パラメータは、セットアップデータとして別途、保持し続けておくことが好ましい。
図7は、上記ルールに従う印刷時の動作(画像記録方法)を示したフローチャートである。まず、印刷対象の画像データを入力し(ステップS102)、印刷に使用する媒体サイズSを特定する(ステップS104)。印刷に用いる媒体サイズSの情報は印刷ジョブに記述されている印刷条件の情報から取得することができる。また、ユーザは入力装置を通じて所望の用紙サイズを指定することができる。なお、ステップS102、S104の工程の順序は入れ替え可能である。
次に、画像処理に適用する補正パラメータとして、どのような補正パラメータを適用するかというルールに関して、印刷に使用する媒体サイズSと同じサイズ、又はこれよりも大きい媒体サイズの記録媒体を用いて記録した濃度測定用テストチャートの読取結果から算出された濃度ムラ補正パラメータのうち、最新のパラメータを使用する(ステップS106)。
そして、ステップS106で規定された最新の補正パラメータを濃度ムラ補正処理部16に適用して画像データを処理する(ステップS108)。こうして得られた処理後の画像データを用いて画像記録(印刷)を行う(ステップS110)。
<パラメータの更新の動作について>
ある媒体サイズSで濃度ムラ補正パラメータの作成を行った場合、このパラメータの作成のタイミングよりも前に、Sよりも小さい媒体サイズ、すなわち、Si+1,Si+2,・・・,Sの記録媒体を用いて作成された濃度ムラ補正パラメータは、今後使われないようにする。つまり、媒体サイズがS以下の場合に適用する濃度ムラ補正パラメータとして、Sで作成した新たなパラメータを適用する。このようにすることで、なるべく多くの媒体サイズに対して、最新のパラメータが使用できる。
「今後使われないようにする」具体的な方法として、例えば、次に挙げる方法〔1〕〜〔3〕など、各種方法があり得る。
〔1〕Si+1,Si+2,・・・,S用のパラメータに、S用のパラメータをコピーする方法。
〔2〕Si+1,Si+2,・・・,S用のパラメータを破棄してしまう方法。
〔3〕上記の〔1〕でいうコピーも、〔2〕でいう破棄もしないが、印刷を実行する際に、Si+1,Si+2,・・・,Sのパラメータが使われない(不使用)とする制御を行う方法。
「今後使われないようにする」ことが実現できれば、どのような方法を用いても良い。
〔1〕の方法は、コピーの工数がかかるが、印刷時の条件分岐が簡潔になる利点がある。
〔2〕の方法は、パラメータの記憶領域を小さくできる利点がある。
〔3〕の方法には、パラメータ更新時の処理を簡潔かつ少ない工数で実施できる利点がある。
上記に例示した方法によれば、最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に、Sよりも小さい媒体サイズを用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とすることができる。
新たにテストチャートを出力してパラメータ最適化を行うタイミングで、すなわち、最新の画像処理パラメータに更新する際に、古いパラメータを不使用にすることが好ましい。
<〔1〕の方法による態様例>
図8は〔1〕の方法によるパラメータ更新処理のフローチャートである。
まず、媒体サイズSiの記録媒体を用いてテストチャートを出力する(ステップS202)。出力されたテストチャートを読み取り、ノズル位置ごとの濃度測定データを取得する(ステップS204)。得られた濃度測定データを基に、ノズル位置ごとの濃度補正パラメータLUT_iを生成する(ステップS206)。濃度補正パラメータLUT_iの生成タイミングが「最新の画像処理パラメータ生成タイミング」に相当する。
この最新の濃度補正パラメータLUT_iを媒体サイズSi及び更新日時の情報と関連付けて保存する(ステップS208)。
次に、媒体サイズSが最小サイズSnよりも大きいか否かを判定する(ステップS210)。媒体サイズSが最小サイズSnよりも大きい場合には、媒体サイズがSよりも小さいもの(Si+1,Si+2,・・・,S)に用いる補正パラメータとして、ステップS206〜S208で生成した最新の補正パラメータをコピーする(ステップS212)。
ステップS210の判定において、媒体サイズSが最小サイズSである場合には、ステップS212の処理を省略して、終了する。
図9は図8のフローに従ってパラメータの更新処理が行われる場合に濃度ムラ補正パラメータ格納部52に格納されるデータの概念図である。図9では、「用紙幅」の欄に媒体サイズS,S2,,S,…Sの種類が記述されている。各媒体サイズに対応して、そのサイズの記録媒体の描画に用いられるノズル範囲(ノズル幅)が特定されている。「xa」,「xb」(i=1,2,3・・・,n)は、x方向の画像記録位置に対応したノズル位置を特定するノズル番号を表している。記録ヘッド24におけるx方向の画像記録可能範囲を構成する実質的なノズル列の一方の端から他方の端に向かって、ノズルの並び順にノズル番号jを付与するとき(jは整数)、xa<xaj+1、かつxbj+1<xb、かつxa<xbの関係にある。つまり、[xa〜xb]で表されるノズル範囲は、[xaj+1〜xbj+1]で表されるノズル範囲を包含する関係にある。[xa〜xb]で表されるノズル範囲は、媒体サイズSの記録媒体に画像を記録するときのx方向の画像記録範囲に相当している。
図9の例では、媒体サイズSの記録媒体を用いて濃度測定用テストチャートを出力し、その読み取り結果から濃度補正パラメータLUT_3を更新した場合に、Sよりも小さい媒体サイズS〜Sの補正パラメータLUT_4〜LUT_nに、LUT_3がコピーされる様子が示されている。なお、この場合、媒体サイズSが「特定の媒体サイズ」或いは「特定の範囲」に相当するものとなる。
図10は、図8のフローを適用してパラメータの更新を行う場合の印刷時の動作を示すフローチャートである。
図10において、図7に示したフローの工程と共通する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図10のフローチャートでは、図8で説明したように、各媒体サイズに対応した最新の補正パラメータが媒体サイズごとに保持されているため、ステップS104で媒体サイズSを特定した後、当該媒体サイズSに関連付けられている補正パラメータ(LUT_i)を読み出し(ステップS106A)、その補正パラメータを適用した画像データを処理する(ステップS108)。
これにより、結果的に、図7で説明したフローと同等の機能を実現できる。
<〔2〕の方法による態様例>
図11は、〔2〕の方法によるパラメータ更新処理のフローチャートである。図11において、図8に示したフローの工程と共通する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。図11のフローチャートでは、ステップS210の判定において、媒体サイズSiが最小サイズSnよりも大きい場合に、ステップS214に進む。ステップS214では、媒体サイズがSよりも小さいもの(Si+1,Si+2,・・・,S)に関連付けられている補正パラメータを破棄する。
図12は、図11のフローに従ってパラメータの更新処理が行われる場合に濃度ムラ補正パラメータ格納部52に格納されるデータの概念図である。図12に示す例では、媒体サイズSの記録媒体を用いて濃度測定用テストチャートを出力し、その読み取り結果から濃度補正パラメータLUT_3を更新した場合に、Sよりも小さい媒体サイズS〜Sの補正パラメータLUT_4〜LUT_nを破棄して、ブランク(データ無し)の状態になっている様子が示されている。なお、この場合、媒体サイズSが「特定の媒体サイズ」或いは「特定の範囲」に相当するものとなる。
媒体サイズがS若しくはこれよりも小さいサイズ(S〜S)の記録媒体に印刷を行う場合に、Sの濃度補正パラメータLUT_3を利用する制御が行われる。
図13は、図11のフローを適用してパラメータの更新を行う場合の印刷時の動作を示すフローチャートである。図13において、図7に示したフローの工程と共通する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図13のフローチャートでは、印刷に使用する媒体サイズSが特定されると(ステップS104)、その媒体サイズS以上の媒体サイズ(S,Si−1,・・・,S)に対応した補正パラメータのうち、最新の補正パラメータが選択される(ステップS106B)。
図12の例でいうと、例えば、印刷に使用する媒体サイズがSであった場合、S以上の媒体サイズ(S〜S)に対応した補正パラメータLUT_3〜LUT_1のうち、最新の補正パラメータであるLUT_3が選択される。
また、印刷に使用する媒体サイズがSであった場合には、S以上の媒体サイズ(S,S)に対応した補正パラメータLUT_2,LUT_1のうち、最新の補正パラメータであるLUT_2が選択される。
こうして、図13のステップS106Bの工程で選択された補正パラメータを適用して画像データが処理され(ステップS108)、印刷が実行される(ステップS110)。
これにより、図7で説明したフローと同等の機能を実現できる。
なお、〔1〕の方法及び〔2〕の方法のいずれの場合も、最後に作成した補正パラメータのサイズよりも大きいサイズの補正パラメータは保持しておかなければならない。
<〔3〕の方法による態様例>
図14は〔3〕の方法によるパラメータ更新処理のフローチャートである。図14において、図8に示したフローの工程と共通する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。図14のフローチャートでは、ステップS202〜S208の工程に従い、新たに作成した最新の補正パラメータを媒体サイズSと更新日時の情報と関連付けて保存する。
図15は、図14のフローに従ってパラメータの更新処理が行われる場合に濃度ムラ補正パラメータ格納部52に格納されるデータの概念図である。図15に示す例では、媒体サイズSの記録媒体を用いて濃度測定用テストチャートを出力し、その読み取り結果から補正パラメータLUT_3を更新した例が示されている。
他の媒体サイズの記録媒体を用いて補正パラメータが作成されていた場合には、それぞれの補正パラメータはそのまま残して、新たに作成された最新の補正パラメータのみが更新される。
図14のフローを適用してパラメータの更新を行う場合の印刷時の動作は、図7のフローチャートに従う。
図15の例でいうと、例えば、印刷に使用する媒体サイズがSであった場合、S以上の媒体サイズ(S〜S)を用いて作成された補正パラメータLUT_4〜LUT_1のうち、最新の補正パラメータであるLUT_3が選択される。
また、印刷に使用する媒体サイズがSであった場合には、S以上の媒体サイズ(S,S)を用いて作成された補正パラメータLUT_2,LUT_1のうち、最新の補正パラメータであるLUT_2が選択される。
図14及び図15で説明したパラメータ更新処理を行う場合、図7で説明した印刷時の制御を行うことにより、目的のルールを実現できる。
<媒体サイズ以外の条件が異なる場合について>
媒体種(コート紙、非コート紙、或いは紙種銘柄など)やインク種、ハーフトーニング手法(量子化手法)など、媒体サイズ以外の印刷条件が異なる場合には、適切な濃度ムラ補正パラメータが条件によって異なる可能性がある。
したがって、媒体サイズ以外の印刷条件が異なる印刷条件間では、上述した〔ルール〕は適用されないようにすることが好ましい。さらには、異なる印刷条件間では、印刷条件ごとに、〔ルール〕に従うよう濃度補正パラメータを別途管理することが望ましい。
図16は、印刷条件ごとに補正パラメータを管理する場合のデータの構造例を示した概念図である。図16では、媒体種、インク種、量子化手法の条件の組み合わせに対して、媒体サイズと更新日時とを考慮した補正パラメータ群の管理が行われる例が示されている。
図16においては、図示の便宜上、媒体種の条件M_1、インク種の条件INK_1、量子化手法の条件HT_1、という特定の条件の組み合わせによる印刷条件のみを示したが、異なる印刷条件ごとに、対応する補正パラメータ群が関連付けられて管理される。すなわち、媒体種、インク種、量子化手法のうち少なくとも1つの印刷条件の組み合わせと関連付けて画像処理パラメータが格納される。そして、媒体サイズ(画像記録範囲)の条件以外の印刷条件が異なる場合に、これら異なる印刷条件間では、上記の〔ルール〕を適用しないようにすることが望ましい。
図8〜図15で例示した方法によれば、ある特定の媒体サイズで最新の画像処理パラメータを用いて画像処理を行った場合、当該画像処理のタイミングよりも前に、その特定の媒体サイズよりもよりも小さい媒体サイズを用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータは、当該画像処理の以後、使用されなくなる(不使用となる)。
<濃度ムラ補正パラメータ以外の画像処理パラメータへの適用について>
上述した実施形態では濃度ムラ補正パラメータを例に説明したが、本技術は濃度ムラ補正パラメータに限って適用される技術ではなく、x方向の位置や範囲に関連して保存するいかなる画像処理パラメータにも適用可能な技術である。つまり、x方向に対して変化するパラメータ群である各種の画像処理パラメータについて本発明の技術を適用できる。
そのような画像処理パラメータの他の例として、例えば、不吐出補正パラメータや、画像読取部28の読取画像位置と記録ヘッド24の記録位置(ノズル位置)との対応関係を規定するマッピングパラメータなどがある。
<不吐出補正の技術について>
インクジェット装置による描画においては、インクジェットヘッドを使用し始めるとノズルの目詰まりや故障により不吐出状態となったノズルが発生する。シングルパス方式による描画の場合、不吐出ノズル箇所は印刷物上で白筋と視認されるため、その補正である『不吐出補正』が必要となる。不吐出補正技術はこれまで多くの提案がなされている(例えば、特開2012−71474号公報)。
不吐出補正の基本的な考え方の概念図を図17に示す。図17において、記録ヘッド800は複数のヘッドモジュール802を繋ぎ合わせて長尺に構成されたラインヘッドである。記録ヘッド800に対して記録媒体820が搬送され、記録ヘッド800によって記録媒体820に画像が記録される。
記録ヘッド800のノズル列中に不吐出ノズルが発生すると、その不吐出ノズルの位置に対応する描画領域には白筋が発生する。そこで、不吐出補正時には不吐出ノズルに近接するノズル『不吐出補正ノズル』による描画を濃くすることで、白筋の視認性を低減させる。不吐出補正ノズルによる描画を濃くする方法には、例えば、(1)出力画像のデータを修正する方法、(2)吐出信号を強めて吐出ドット径を強めに矯正する方法など、様々な手段がある。
目詰まりノズルや故障ノズルなど『自然不吐ノズル』により不吐出状態となると白筋となることは上記で述べたが、実際に不吐になっていなくても『吐出曲がり』が大きい『吐出大曲ノズル』が存在した場合にも白(白黒)筋が発生する。あるノズルについて吐出曲がりが発生すると、本来の吐出位置における用紙の白地が見えてしまい、それが白筋と視認されてしまう。このような吐出大曲ノズルによる白筋が発生した場合は、その吐出大曲ノズルをわざと不吐化し、不吐出補正をすることで、安定した画質を得ることが可能となる。
不吐出補正の技術としては、特開2012−71474号公報に記載の技術を挙げることができる。同文献に記載の技術内容の要旨は次のとおりである。
記録ヘッドにおけるノズルの配列形態と、ヘッドと被吐出媒体との相対移動の方向から規定される液滴の着弾順を含む着弾干渉誘発要因に対応した複数種の着弾干渉パターンと各ノズルとの対応関係を示す対応情報に基づいて、着弾干渉パターンの違いに対応した不吐出補正用の補正パラメータを定め、これを記憶部に記憶しておく。そして、画像出力に際しては、不吐出ノズル位置情報を基に不吐出補正用の補正パラメータを参照し、該当する補正パラメータを用いて入力画像データに補正演算を行うことにより、不吐出ノズル以外の他のノズルによって不吐出ノズルの出力を補償するように修正された画像データを生成する。
<不吐出補正パラメータへの本技術適用の有用性について>
不吐出補正パラメータは不吐出補正ノズル及びその周辺のノズルの吐出状態によって最適なパラメータが変化する可能性があり、一方でノズルの吐出状態は常に安定しているとは限らないため、濃度ムラ補正パラメータと同じく、ノズルごとにパラメータを最適化することが望ましく、また、なるべく最新のパラメータを使用することが望ましい。
また、不吐出補正パラメータが不吐出補正ノズル及びその周辺のノズルの吐出状態に依存するということは、古いパラメータの一部を新しいパラメータで更新すると、更新されたノズルと更新されなかったノズルの境目において、不自然なパラメータのギャップが生じてしまう可能性がある。したがって、不吐出補正パラメータに関しても、濃度ムラ補正パラメータと同様に、本発明によるパラメータ管理の技術は有用である。
<第2実施形態>
次に、不吐補正機能を搭載した印刷システムの例について説明する。
図18は本発明の第2実施形態に係る印刷システムの要部ブロック図である。図18において、図1に示した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、図示の簡略化のため、図18では図示されていないが、図18の印刷システム110においても、図1で説明した媒体搬送部26、制御部62、表示部64、入力装置66を備えている。
図18に示した印刷システム110は、濃度ムラ補正処理部16の後段に不吐出補正処理部18を備えている。印刷対象の画像データは、濃度ムラ補正処理部16による濃度ムラ補正処理及び不吐出補正処理部18による不吐出補正処理を経て量子化処理部20に送られる。不吐出補正処理部18では、不吐補正技術を適用して、不吐出ノズル(自然不吐ノズルと不吐化処理したノズルを含む)の周囲ノズルによって出力補償がなされ、白筋の視認性低減がなされる。
印刷システム110のテストチャート生成部40は、濃度測定用テストチャートの他、不良ノズルを検出するための不良ノズル検出用テストチャートや、不吐出補正パラメータを算出するための不吐出補正用テストチャートのデータを生成する機能を有す。
不良ノズル検出用テストチャートとしては、例えば、いわゆる「1オンnオフ」型のテストチャートを用いることができる。「1オンnオフ」型のテストチャートは、1つのラインヘッドにおいて、実質的にx方向に1列に並ぶノズル列を構成するノズルの並びについて、その主走査方向の端から順番にノズル番号を付与したとき、ノズル番号を2以上の整数「A」で除算したときの剰余数「B」(B=0,1・・A−1)によって同時吐出するノズル群をグループ分けし、AN+0、AN+1、・・・AN+Bのノズル番号のグループごとに打滴タイミングを変えて(ただし、Nは0以上の整数)、それぞれ各ノズルからの連続打滴によるライン群を形成する。
このような不良ノズル検知用テストチャートを用いることで互いに隣接する隣接ノズル同士のラインパターンが重なり合わず、ノズルごとに独立した(ノズル別の)ラインパターンが形成される。
不良ノズル検出用テストチャートの出力結果から、各ノズルの吐出の有無(自然不吐)を把握することができる。また、各ノズルの着弾位置を計測することにより、着弾位置誤差が閾値を越えて大きいものについて、吐出大曲ノズルであると判断することができる。
不吐出補正用テストチャートとしては、例えば、特開2012−71474号公報の図2に示されているようなテストチャートを用いることができる。
不吐出補正用テストチャートは、不吐出ノズルの存在を模擬した(意図的に不吐化した)ノズルに隣接する両側のノズル位置に、不吐出補正パラメータ(補正係数)を適用したパッチを含んでいる。不吐出補正パラメータの値を異ならせた描画結果から、最適な不吐出補正パラメータを特定することができる。不吐出を模擬するノズルの位置を変えたパッチを作成することにより、ノズルごとに適切な不吐出補正用の補正値(補正係数)を決定することが可能である。なお、不良ノズルの検出技術、不吐出補正技術については、公知の技術を適用できる。
図18に示した印刷システム110では、画像読取部28で読み取った各種テストチャートの読取画像を解析する画像解析部30を備える。画像解析部30には、濃度ムラ補正パラメータ演算部32と、不吐出補正パラメータ演算部34と、不良ノズル検出部36とが含まれる。
不良ノズル検出部36は、不良ノズル検出用テストチャートの読取画像を基に、不吐出ノズルの位置を検出する処理を行う。また、不良ノズル検出部36は、不良ノズル検出用テストチャートの読取画像を基に、各ノズルの着弾位置誤差を計算し、着弾位置誤差が閾値を超えるものについて、吐出大曲ノズルと判断し、強制的に不吐化する不吐化処理ノズルに指定する。不良ノズル検出部36によって検知された不良ノズルの情報(不吐出ノズル、及び、不吐化処理ノズルの位置を特定する情報)は不良ノズル情報格納部56に格納される。
不吐出補正パラメータ演算部34は、不吐出補正用テストチャートの読取画像から、不吐出ノズルの位置に対する周囲ノズルの画像濃度補正値(不吐出補正パラメータ)を決定する演算処理を行う。不吐出補正パラメータ演算部34により、ノズルごとの不吐出補正用の補正値を規定した不吐出補正LUT(不吐出補正パラメータに相当)が生成される。
不吐出補正パラメータ演算部34により生成された不吐出補正パラメータは不吐出補正パラメータ格納部54に格納される。
パラメータ管理部60は、不良ノズル情報格納部56に記憶される情報及び不吐出補正パラメータ格納部54に記憶される情報の管理を行う。また、パラメータ管理部60は、印刷条件管理部44と連携して、不吐出補正処理部18に渡すパラメータの読み出しの制御を行う。不吐出補正処理部18は、与えられた不良ノズル情報と、不吐出補正パラメータとを用いて、画像データを修正する不吐出補正処理を行う。
パラメータ管理部60は、不吐出補正パラメータについても、濃度ムラ補正パラメータと同様に、パラメータ管理を行い、上述の〔ルール〕を実現する。
本実施形態では、印刷中に1枚ずつ記録媒体の余白部分に不良ノズル検出用テストチャートが記録され、これを画像読取部28で読み取り、不良ノズルの発生を早期に検知して、不吐化処理による不吐出補正処理を適用している。
<異なる媒体サイズの記録媒体を用いて作成された補正パラメータの統合について>
ある特定の媒体サイズ(S)の記録媒体を用いて補正パラメータLUT_kを作成した後に、これよりも小さい媒体サイズSの記録媒体を用いた補正パラメータLUT_vを作成した場合に、LUT_kの一部(媒体サイズSに対応する範囲)を最新のLUT_vに置き換えて更新するという考え方もあり得る。
ただし、このような場合、テストチャートを読み取る際の余白部からの光の影響(フレア)などにより、既述のように、更新されたノズルと、更新されなかったノズルの境目(繋ぎ目)において、不自然なパラメータのギャップが生じてしまう可能性がある。このようなパラメータのギャップを改善するために、繋ぎ目部分について、スムージング処理など、不連続性を緩和する何らかの処理を施して、補正パラメータを整える処理を行うことが好ましい。
<コンピュータを動作させるプログラムについて>
本実施形態で説明したパラメータ管理の内容を実現するためのプログラムをCD−ROMや磁気ディスクその他のコンピュータ可読媒体(有体物たる非一時的な情報記憶媒体)に記録し、該情報記憶媒体を通じて当該プログラムを第三者に提供することが可能である。このような情報記憶媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの通信ネットワークを利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。或いはまた、当該プログラムにより実現される機能をASP(Application ServiceProvider)サービスとして提供することも可能である。
また、本実施形態で説明したパラメータ管理機能を含む印刷制御の内容を実現するためのプログラム一部又は全部をホストコンピュータなどの上位制御装置に組み込む態様や、プリンタ側の中央演算処理装置(CPU)の動作プログラムとして適用することも可能である。
<インクジェット記録装置の構成例>
次に、印刷システム10、110に用いることができるインクジェット記録装置の構成例について説明する。
図19は、インクジェット記録装置300の構成例を示す図である。このインクジェット記録装置300は、描画ドラム370に保持された記録媒体324(以下、「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体324上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体324上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたドロップオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置300は、主として、給紙部312、処理液付与部314、描画部316、乾燥部318、定着部320、及び排紙部322を備えて構成される。描画部316のインクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yが図1で説明した「記録ヘッド24」に相当し、描画ドラム370を含む用紙搬送系が「媒体搬送部26」に相当する。
(給紙部)
給紙部312には、枚葉紙である記録媒体324が積層されている。給紙部312の給紙トレイ350から記録媒体324が一枚ずつ処理液付与部314に給紙される。記録媒体324として、枚葉紙(カット紙)を用いているが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部314は、記録媒体324の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部316で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部314は、給紙胴352、処理液ドラム354、及び処理液塗布装置356を備えている。処理液ドラム354は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)355を備え、この保持手段355の爪と処理液ドラム354の周面の間に記録媒体324を挟み込むことによって記録媒体324の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム354の外周面に吸引孔を設け、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。
処理液塗布装置356は、ローラによる塗布方式の他、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液が付与された記録媒体324は、処理液ドラム354から中間搬送部326を介して描画部316の描画ドラム370へ受け渡される。
(描画部)
描画部316は、描画ドラム370、用紙抑えローラ374、及びインクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yを備えている。描画ドラム370は、処理液ドラム354と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)371を備える。
インクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yはそれぞれ、記録媒体324における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッドであり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yは、記録媒体324の搬送方向(描画ドラム370の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム370によって記録媒体324を一定の速度で搬送し、この搬送方向について、記録媒体324と各インクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体324の画像形成領域に画像を記録することができる。
ここでは、CMYKの4色のインクを用いるインクジェット記録装置310を例示しているが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部316で画像が形成された記録媒体324は、描画ドラム370から中間搬送部328を介して乾燥部318の乾燥ドラム376へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部318は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、乾燥ドラム376、及び溶媒乾燥装置378を備えている。乾燥ドラム376は、処理液ドラム354と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)377を備える。溶媒乾燥装置378は、複数のハロゲンヒータ380と、温風噴出しノズル382とで構成される。乾燥部318で乾燥処理が行われた記録媒体324は、乾燥ドラム376から中間搬送部330を介して定着部320の定着ドラム384へ受け渡される。
(定着部)
定着部320は、定着ドラム384、ハロゲンヒータ386、定着ローラ388、及びインラインセンサ390(「読取装置」に相当)で構成される。定着ドラム384は、処理液ドラム354と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)385を備える。
インラインセンサ390は、記録媒体324に形成された画像(濃度測定用テストチャートや不良ノズル検出用テストチャート、不吐出補正用テストチャートなどを含む)を読み取り、画像の濃度、画像の欠陥などを検出するための手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。インラインセンサ390は図1で説明した「画像読取部28」に相当する。
(排紙部)
排紙部322は、排出トレイ392を備えており、この排出トレイ392と定着部320の定着ドラム384との間に、これらに対接するように渡し胴394、搬送ベルト396、張架ローラ398が設けられている。記録媒体324は、渡し胴394により搬送ベルト396に送られ、排出トレイ392に排出される。搬送ベルト396による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体324は無端状の搬送ベルト396間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト396の回転によって排出トレイ392の上方に運ばれてくる。
また、図19には示されていないが、本例のインクジェット記録装置300には、各インクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部314に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド372M,372K,372C,372Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体324の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
<インクジェットヘッドの構造>
次に、インクジェットヘッドの構造について説明する。各インクジェットヘッド372M、372K、372C、372Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号450によってヘッドを示すものとする。
図20(a) はヘッド450の構造例を示す平面透視図であり、図20(b)はその一部の拡大図である。また、図21はヘッド450の他の構造例を示す平面透視図、図22は記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル451に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図20中のA−A線に沿う断面図)である。
図20(a)に示したように、本例のヘッド450は、インク吐出口であるノズル451と、各ノズル451に対応する圧力室452等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)453をマトリクス状に二次元配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影(正射影)される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体324の送り方向(矢印S方向;副走査方向)と略直交する方向(矢印M方向;主走査方向)に記録媒体324の描画領域の全幅に対応する長さ以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図20(a)の構成に代えて、図21(a)に示すように、複数のノズル451が二次元に配列された短尺のヘッドモジュール460Aを千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体324の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成する態様や、図21(b)に示すように、ヘッドモジュール460Bを一列に並べて繋ぎ合わせる態様もある。
各ノズル451に対応して設けられている圧力室452は、その平面形状が概略正方形となっており(図20(a)、(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル451への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)454が設けられている。なお、圧力室452の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図22に示すように、ヘッド450は、ノズル451が形成されたノズルプレート451Aと、圧力室452や共通流路455等の流路が形成された流路板452P等を積層接合した構造から成る。
流路板452Pは、圧力室452の側壁部を構成するとともに、共通流路455から圧力室452にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口454を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図24では簡略的に図示しているが、流路板452Pは一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート451A及び流路板452Pは、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路455はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路455を介して各圧力室452に供給される。
圧力室452の一部の面(図22において天面)を構成する振動板456には、個別電極457を備えた圧電アクチュエータ458が接合されている。本例の振動板456は、圧電アクチュエータ458の下部電極に相当する共通電極459として機能する。なお、シリコンや樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。
個別電極457に駆動電圧を印加することによって圧電アクチュエータ458が変形して圧力室452の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル451からインクが吐出される。
かかる構造を有するインク室ユニット453を図20(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向の隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向については実質的に各ノズル451が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
ノズル451の配列形態は図示の例に限定されず、様々なノズル配置構造を適用できる。例えば、一列の直線配列、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするジグザク状(W字状など)のような折れ線状のノズル配列なども可能である。
<制御系の説明>
図23は、インクジェット記録装置300のシステム構成を示すブロック図である。図23に示すように、インクジェット記録装置300は、通信インターフェース470、システムコントローラ472、画像メモリ474、ROM475、モータドライバ476、ヒータドライバ478、プリント制御部480、画像バッファメモリ482、ヘッドドライバ484等を備えている。
通信インターフェース470は、ホストコンピュータ486から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース470にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。通信インターフェース470は、図1で説明した画像データ入力部12として機能し得る。
画像メモリ474は、通信インターフェース470を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ472を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ474は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ472は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置300の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ472は、通信インターフェース470、画像メモリ474、モータドライバ476、ヒータドライバ478等の各部を制御し、ホストコンピュータ486との間の通信制御、画像メモリ474及びROM475の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ488やヒータ489を制御する制御信号を生成する。
また、システムコントローラ472は、インラインセンサ390から読み込んだ読取画像データから、不吐出ノズルの位置や着弾位置誤差のデータ、濃度分布を示すデータ(濃度データ)等を生成する演算処理を行う着弾誤差測定演算部472Aと、測定された着弾位置誤差の情報や濃度情報から濃度補正係数を算出する濃度補正係数算出部472Bとを含んで構成される。なお、着弾誤差測定演算部472A及び濃度補正係数算出部472Bの処理機能はASICやソフトウェア又は適宜の組み合わせによって実現可能である。濃度補正係数算出部472Bにおいて求められた濃度補正係数のデータは、濃度補正係数記憶部490に記憶される。
システムコントローラ472は、図1及び図18で説明したテストチャート生成部40、印刷条件管理部44、パラメータ管理部60、制御部62、画像解析部30として機能する。図23の濃度補正係数記憶部490は図1及び図18で説明した濃度ムラ補正パラメータ格納部52に相当する。
ROM475には、システムコントローラ472のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ(濃度測定用テストチャートや、不吐出ノズル位置を検出するためのテストチャートを打滴するためのデータ、不吐出ノズル情報などを含む)が格納されている。ROM475は、書換不能な記憶手段であってもよいし、書換可能な記憶手段であってもよい。また、このROM475の記憶領域を活用することで、ROM475を濃度補正係数記憶部490として兼用する構成も可能である。
画像メモリ474は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ476は、システムコントローラ472からの指示に従って搬送系のモータ488を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ478は、システムコントローラ472からの指示に従って乾燥部318等のヒータ489を駆動するドライバである。
プリント制御部480は、システムコントローラ472の制御に従い、画像メモリ474内の画像データ(多値の入力画像のデータ) から打滴制御用の信号を生成するための
各種加工、補正などの処理を行う信号処理手段として機能するとともに、生成したインク吐出データをヘッドドライバ484に供給してヘッド450の吐出駆動を制御する駆動制御手段として機能する。
すなわち、プリント制御部480は、濃度データ生成部480Aと、補正処理部480Bと、インク吐出データ生成部480Cと、駆動波形生成部480Dとを含んで構成される。これら各機能ブロック(480A〜480D)は、ASICやソフトウェア又は適宜の組み合わせによって実現可能である。
濃度データ生成部480Aは、入力画像のデータからインク色別の初期の濃度データを生成する信号処理手段であり、濃度変換処理(UCR処理や色変換を含む)及び必要な場合には画素数変換処理を行う。
補正処理部480Bは、濃度補正係数記憶部490に格納されている濃度補正係数を用いて濃度補正の演算を行う処理手段であり、ムラ補正処理を行う。
インク吐出データ生成部480Cは、補正処理部480Bで生成された補正後の画像データ(濃度データ)から2値又は多値のドットデータに変換するハーフトーニング処理手段を含む信号処理手段であり、量子化処理を行う。
インク吐出データ生成部480Cで生成されたインク吐出データはヘッドドライバ484に与えられ、ヘッド450のインク吐出動作が制御される。
プリント制御部480は、図1及び図18で説明した階調変換部14、濃度ムラ補正処理部16、不吐出補正処理部18、量子化処理部20として機能する。ヘッドドライバ484は、図1及び図18のヘッドドライバ22に相当する。
駆動波形生成部480Dは、ヘッド450の各ノズル451に対応した圧電アクチュエータ458(図22参照)を駆動するための駆動信号波形を生成する手段であり、該駆動波形生成部480Dで生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ484に供給される。なお、駆動波形生成部480Dから出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
本例に示すインクジェット記録装置300は、ヘッド450の各圧電アクチュエータ458に対して、共通の駆動電力波形信号を印加し、各ノズル451の吐出タイミングに応じて各圧電アクチュエータ458の個別電極に接続されたスイッチ素子(不図示)のオンオフを切り換えることで、各圧電アクチュエータ458に対応するノズル451からインクを吐出させる駆動方式が採用されている。
プリント制御部480には画像バッファメモリ482が備えられており、プリント制御部480における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ482に一時的に格納される。なお、図23において画像バッファメモリ482はプリント制御部480に付随する態様で示されているが、画像メモリ474と兼用することも可能である。また、プリント制御部480とシステムコントローラ472とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ484(図1の符号22に相当)は、アンプ回路を含み、プリント制御部480から与えられるインク吐出データ及び駆動波形の信号に基づき、印字内容に応じてヘッド450の各ノズル451に対応する圧電アクチュエータ458を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ484にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
プリント制御部480は、インラインセンサ390から得られる情報に基づいてヘッド450に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
図中のメンテナンス機構494は、インク受け、吸引キャップ、吸引ポンプ、ワイパーブレードなど、ヘッドメンテナンスに必要な部材を含んだものである。
また、ユーザーインターフェースとしての操作部496は、入力装置497と表示部(ディスプレイ)498を含んで構成される。入力装置497と表示部498は図1で説明した入力装置66と表示部64に相当する。
なお、図23で説明した着弾誤差測定演算部472A、濃度補正係数算出部472B、濃度データ生成部480A、補正処理部480Bが担う処理機能の全て又は一部をホストコンピュータ486側に搭載する態様も可能である。また、システムコントローラ472の機能の全て又は一部をホストコンピュータ486が担う構成も可能である。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止したヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体(被描画媒体)に対してヘッドを移動させる構成も可能である。
<吐出方式について>
なお、インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)に限らない。圧電素子の他、静電アクチュエータ、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(吐出エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
<記録媒体について>
「記録媒体」には、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々なシート体を用いることができる。
<装置応用例>
上記の実施形態では、カラー印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。本発明は、画像の記録位置に応じた画像処理パラメータを利用する各種の画像記録装置について適用可能である。
<インクジェット方式以外の画像記録部について>
上述の説明では、インクジェット方式の画像記録部を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、サーマル素子を記録素子とする記録ヘッドを備えた熱転写記録装置、LED素子を記録素子とする記録ヘッドを備えたLED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタなど、ドット記録を行う各種方式の画像記録装置についても本発明を適用することが可能である。
また、画像記録装置としては、インクジェットプリンタのようなデジタル印刷機の他、オフセット印刷機、電子写真印刷機など、様々なタイプの印刷機を採用できる。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…印刷システム、16…濃度ムラ補正処理部、24…記録ヘッド、26…媒体搬送部、28…画像読取部、30…画像解析部、32…濃度ムラ補正パラメータ演算部、34…不吐出補正パラメータ演算部、40…テストチャート生成部、52…濃度ムラ補正パラメータ格納部、54…不吐出補正パラメータ格納部、60…パラメータ管理部、62…制御部、300…インクジェット記録装置、324…記録媒体、372M,372K,372C,372Y…インクジェットヘッド、451…ノズル

Claims (11)

  1. インクを吐出する複数のノズルが第1方向の異なる位置に配置されたノズル列を有するインクジェット方式の記録ヘッドであるラインヘッドを用いて、画像データに基づき記録媒体上に画像を記録する画像記録方法であって、
    前記ラインヘッドにおける前記ノズルの配列方向である前記第1方向の位置に応じた前記ノズルごとの補正パラメータである画像処理パラメータと、当該画像処理パラメータを生成した際のテストチャートの出力に用いた記録媒体の前記第1方向の媒体サイズに対応した前記ラインヘッドの前記第1方向の画像記録範囲を表す情報と、前記画像処理パラメータの更新日時と、を関連付けて管理し、
    前記ラインヘッドによる前記第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で前記画像の記録を行う場合に、
    前記ラインヘッドにおける前記ノズル列の前記特定の範囲若しくは前記特定の範囲よりも広い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された前記画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して前記画像データに画像処理を施し、
    前記画像処理後の画像データにしたがって前記ラインヘッドによって記録媒体に画像を記録する画像記録方法。
  2. 前記最新の画像処理パラメータを生成する際、当該最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に前記特定の範囲よりも狭い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とする請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記第1方向の媒体サイズが特定のサイズである記録媒体に対して前記ラインヘッドの前記特定の範囲を用いて画像を記録する場合に、
    前記特定のサイズと同サイズ若しくは前記特定のサイズよりも大きいサイズの記録媒体に記録されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された前記第1方向の位置に応じた画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して前記画像データに画像処理を施し、
    前記画像処理後の画像データにしたがって前記特定のサイズの記録媒体に画像を記録する請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記最新の画像処理パラメータを生成する際、当該最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に前記特定のサイズよりも小さいサイズの記録媒体に記録されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とする請求項3に記載の画像記録方法。
  5. 媒体種、インク種、量子化手法のうち少なくとも1つの印刷条件が異なる印刷条件ごとに、前記画像処理パラメータを管理する請求項1から4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 記画像処理後の画像データにしたがって前記ノズルインク吐出動作を制御し、かつ前記ラインヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方向に前記記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に画像の記録を行う請求項1から5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 画像データに基づき記録媒体上に画像を記録するラインヘッドであって、インクを吐出する複数のノズルが第1方向の異なる位置に配置されたノズル列を有するインクジェット方式の記録ヘッドであるラインヘッドと、
    前記ラインヘッドにおける前記ノズルの配列方向である前記第1方向の位置に応じた前記ノズルごとの補正パラメータである画像処理パラメータを格納しておく画像処理パラメータ格納部と、
    前記画像処理パラメータ格納部への前記画像処理パラメータの格納、並びに前記画像処理パラメータ格納部からの前記画像処理パラメータの読み出しを管理するパラメータ管理部であって、前記画像処理パラメータと、当該画像処理パラメータを生成した際のテストチャートの出力に用いた記録媒体の前記第1方向の媒体サイズに対応した前記ラインヘッドの前記第1方向の画像記録範囲を表す情報と、前記画像処理パラメータの更新日時と、を関連付けて管理するパラメータ管理部と、
    前記画像データに対して前記画像処理パラメータを使用して画像処理を行う画像処理部と、
    前記ラインヘッドによる第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で前記画像の記録を行う場合に、前記ラインヘッドの前記特定の範囲若しくは前記特定の範囲よりも広い範囲を用いて記録されたテストチャートの出力結果に基づいて生成された前記第1方向の位置に応じた前記画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して前記画像データに対する前記画像処理を行わせ、前記画像処理によって得られた処理後の画像データにしたがって前記ラインヘッドの前記特定の範囲を用いて記録媒体に画像を記録させる制御部と、
    を備える画像記録装置。
  8. 前記パラメータ管理部は、前記最新の画像処理パラメータを生成する際、当該最新の画像処理パラメータを生成するタイミングよりも前に前記特定の範囲よりも狭い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された画像処理パラメータを、当該最新の画像処理パラメータ生成タイミングの以後、不使用とする請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 前記画像処理パラメータ格納部には、媒体種、インク種、量子化手法のうち少なくとも1つの印刷条件の組み合わせと関連付けて前記画像処理パラメータが格納される請求項7又は8に記載の画像記録装置。
  10. 記画像処理後の画像データにしたがって前記ノズルインク吐出動作を制御し、かつ前記ラインヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方向に前記記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に画像の記録を行う請求項7からのいずれか1項に記載の画像記録装置。
  11. インクを吐出する複数のノズルが第1方向の異なる位置に配置されたノズル列を有するインクジェット方式の記録ヘッドであるラインヘッドを用いて、画像データに基づき記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の制御機能をコンピュータによって実現するためのプログラムであって、
    前記ラインヘッドにおける前記ノズルの配列方向である前記第1方向の位置に応じた前記ノズルごとの補正パラメータである画像処理パラメータと、当該画像処理パラメータを生成した際のテストチャートの出力に用いた記録媒体の前記第1方向の媒体サイズに対応した前記ラインヘッドの前記第1方向の画像記録範囲を表す情報と、前記画像処理パラメータの更新日時と、を関連付けて管理する機能と、
    前記ラインヘッドによる前記第1方向の画像記録範囲が特定の範囲となる条件で前記画像の記録を行う場合に、
    前記ラインヘッドにおける前記特定の範囲若しくは前記特定の範囲よりも広い範囲を用いて出力されたテストチャートの測定結果に基づいて生成された前記第1方向の位置に応じた画像処理パラメータのうち、最新の画像処理パラメータを使用して前記画像データに画像処理を施す画像処理機能と、
    前記画像処理を施した後の画像データにしたがって前記ラインヘッドによって記録媒体に画像を記録させる制御機能と、
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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