JP2011201216A - 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置 - Google Patents

補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011201216A
JP2011201216A JP2010072400A JP2010072400A JP2011201216A JP 2011201216 A JP2011201216 A JP 2011201216A JP 2010072400 A JP2010072400 A JP 2010072400A JP 2010072400 A JP2010072400 A JP 2010072400A JP 2011201216 A JP2011201216 A JP 2011201216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ruled line
ruled
line group
predetermined direction
test pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010072400A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiaki Tokunaga
道昭 徳永
Masahiko Yoshida
昌彦 吉田
Takeshi Yoshida
剛 吉田
Tatsuya Nakano
龍也 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010072400A priority Critical patent/JP2011201216A/ja
Publication of JP2011201216A publication Critical patent/JP2011201216A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

【課題】大きさが異なる媒体に対しても、データの変更をすることなく正確な濃度補正値を取得することができるテストパターンを印刷して、濃度補正値を得る。
【解決手段】媒体に形成されたテストパターン、罫線群を読み取った画像データから、第1罫線群及び第2罫線群のうち、下側罫線となる罫線を検出し画像データにおける、検出された下側罫線と上側罫線との間の実際の画素数を、テストパターンにおいて理論上形成されるドット列の数に合わせるように、画像データを修正し、修正された画像データのそれぞれのドット列に対応する読取濃度に基づいて、それぞれのドット列に対応する補正値を算出する。
【選択図】図17

Description

本発明は、補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置に関する
ノズルから液体を噴出して媒体上に液滴(ドット)を着弾させることで記録を行う印刷
装置が知られている。このような印刷装置により印刷が行われた際に、印刷された画像に
濃度ムラ(例えば、白スジや黒スジ)が生じると、画像の画質が劣化する。そこで、この
問題を解消するための方法として、ドット列(ラスタライン)毎に取得された濃度補正値
に基づいて画像の濃度を補正する方法が知られている。
また、かかる濃度補正値を取得する方法として、媒体(テストシート等)に形成された
テストパターンをスキャナーにより読み取ってテストパターンの画像データを取得し、取
得されたテストパターンの画像データに基づいて濃度補正値をドット列(ラスタライン)
毎に取得する方法が考案されている(例えば特許文献1)。
特開平2−54676号公報
濃度補正値を取得するためのテストパターンは、その印刷装置で印刷できる最大サイズ
の媒体に適合したテストパターン用データを用いて印刷される。一方で、印刷に使用され
る媒体のサイズは印刷毎に異なるため、小さなサイズの媒体に最大サイズ用のテストパタ
ーンデータを用いて印刷を行うと、テストパターンの上下方向が完全に印刷されずに途切
れてしまうことがある。
テストパターンの上下方向の長さが確定できないと、該テストパターンの画素データと
実際に印刷されたものとの上下方向のずれを修正することができず、正確な濃度補正値を
取得することが出来ない。また、印刷の都度、ユーザー自身が媒体サイズに適合したテス
トパターンのデータを作成することも難しい。
本発明では、大きさが異なる媒体に対しても、データの変更をすることなく正確な濃度
補正値を取得することができるテストパターンを印刷して、濃度補正値を得ることを目的
としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、(A)所定方向に並んだノズル列から媒体上
に液体を噴出してドットを形成する液体噴出記録装置を用いて、前記所定方向と交差する
交差方向に沿ったドット列が該所定方向に並ぶテストパターンと、前記交差方向に沿って
形成される上側罫線と、前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形
成される複数の罫線が、前記所定方向に並ぶ第1罫線群と、前記上側罫線とは異なる罫線
であって、前記交差方向に沿って形成される複数の罫線が、前記第1罫線群中の罫線と所
定方向にずれた位置に並ぶ第2罫線群と、を形成する記録データに従って、前記テストパ
ターンの所定方向の長さよりも前記所定方向の長さが短い媒体に、前記記録データの前記
上側罫線と、前記テストパターン、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群の一部と、を
形成し、(B)前記媒体に形成された前記テストパターン、前記上側罫線、前記第1罫線
群、及び、前記第2罫線群を読み取った画像データから、前記第1罫線群及び前記第2罫
線群のうち、下側罫線となる罫線を検出し、(C)前記画像データにおける、検出された
前記下側罫線と前記上側罫線との間の実際の画素数を、前記テストパターンにおいて理論
上形成されるドット列の数に合わせるように、前記画像データを修正し、(D)前記修正
された画像データのそれぞれのドット列に対応する読取濃度に基づいて、それぞれのドッ
ト列に対応する補正値を算出する、ことを特徴とする、補正値取得方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
記録システムの外観構成を示す図である。 プリンター1の構成を示すブロック図である。 図3Aは、本実施形態のプリンターの構成を説明する概略断面図である。図3Bは、本実施形態のプリンターの構成を説明する概略上面図である。 ヘッドユニットにおけるヘッドの配置を示す図である。 本実施形態のプリンターが行う印刷方法を説明する図である。 図6Aは、スキャナー150の概略断面図である。図6Bは、上蓋151を外した状態のスキャナー150の上面図である。 図7Aは、理想的にドットが形成されたときのラスタラインの様子を説明する図である。図7Bは、濃度ムラが発生したときのラスタラインの様子を説明する図である。 従来の補正値H算出のためのフロー図である。 比較例における濃度補正用のテストパターンを示す図である。 解像度変換処理による画像修正の方法を説明する図を示す。 シアンの補正用パターンをスキャナー150で読み取った結果を示す図である。 図12A及び図12Bは、濃度ムラ補正値Hの具体的な算出方法を示す図である。 シアンに関する補正値テーブルを示す図である。 シアンのx番目の列領域に関して各階調値に対応した補正値Hを算出する様子を示す図である。 媒体のY方向長さの違いにより、印刷されるテストパターンが受ける影響について説明する図である。 本実施形態における補正値H算出のためのフロー図を示す。 本実施形態における濃度補正用のテストパターンを示す図である。 本実施形態における濃度補正用のテストパターンで、第2罫線群の形成位置を変更した場合の例を示す図である。 テストパターンの画像データで罫線位置を探索する方法を説明する図である。 図20Aは、探索範囲のY方向の幅が小さすぎる場合の例を示す図である。図20Bは、探索範囲のY方向の幅が大きすぎる場合の例を示す図である。 図21A、及び、図21Bは、適正な大きさの探索範囲によって罫線が検出される場合の例を示す図である。 1次元の画像データのグラフから罫線位置を検出する方法を説明する図である。 図22において、探索範囲にゴミが含まれていた場合のグラフを表す図である。 本実施形態の変形例における濃度補正用のテストパターンを示す図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(A)所定方向に並んだノズル列から媒体上に液体を噴出してドットを形成する液体噴
出記録装置を用いて、前記所定方向と交差する交差方向に沿ったドット列が該所定方向に
並ぶテストパターンと、前記交差方向に沿って形成される上側罫線と、前記上側罫線とは
異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成される複数の罫線が、前記所定方向に並
ぶ第1罫線群と、前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成され
る複数の罫線が、前記第1罫線群中の罫線と所定方向にずれた位置に並ぶ第2罫線群と、
を形成する記録データに従って、前記テストパターンの所定方向の長さよりも前記所定方
向の長さが短い媒体に、前記記録データの前記上側罫線と、前記テストパターン、前記第
1罫線群、及び、前記第2罫線群の一部と、を形成し、(B)前記媒体に形成された前記
テストパターン、前記上側罫線、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群を読み取った画
像データから、前記第1罫線群及び前記第2罫線群のうち、下側罫線となる罫線を検出し
、(C)前記画像データにおける、検出された前記下側罫線と前記上側罫線との間の実際
の画素数を、前記テストパターンにおいて理論上形成されるドット列の数に合わせるよう
に、前記画像データを修正し、(D)前記修正された画像データのそれぞれのドット列に
対応する読取濃度に基づいて、それぞれのドット列に対応する補正値を算出する、ことを
特徴とする、補正値取得方法。
このような補正値取得方法によれば、大きさが異なる媒体に対しても、データの変更を
することなく正確な濃度補正値を取得することができるテストパターンを印刷して、濃度
補正値を得ることができる。
かかる補正値取得方法であって、前記第1罫線群中の罫線のうちY方向に隣接する2の
罫線間の間隔と、前記第2罫線群中の罫線のうちY方向に隣接する2の罫線間の間隔とが
等しく、前記第1罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出する第
1探索領域と、前記第2罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出
する第2探索領域とが同じ大きさであり、前記第1探索領域及び第2探索領域の前記所定
方向の長さは、前記第1罫線群中の所定の罫線と、該所定の罫線とY方向に隣接する前記
第2罫線群中の罫線との間隔よりも大きく、前記第1罫線群中の罫線のうち隣接する2の
罫線間の間隔以下であることが望ましい。
このような補正値取得方法によれば、同一探索領域内から2本以上の罫線が検出される
ことを防止することができる。また、2つの探索域内から1本も罫線が検出されないとい
うことを防止することができる。
かかる補正値取得方法であって、前記罫線の前記所定方向の位置を検出する際に、前記
探索領域の前記交差方向の画素列毎に階調値の平均値を算出し、算出された前記階調値の
平均値について前記所定方向の分布を表したグラフが、所定の閾値と交わる点のうち、前
記所定方向上側の点と、前記所定方向下側の点との中間の位置を、前記罫線の前記所定方
向の位置として特定することが望ましい。
このような補正値取得方法によれば、ゴミ等の影響による罫線位置の誤検出を回避して
、正確な罫線位置を特定することができる。
かかる補正値取得方法であって、前記第1罫線群を構成するそれぞれの罫線と、前記所
定方向の同じ位置で、テストパターンを挟んで前記交差方向の反対側に形成される、複数
の罫線からなる第3罫線群と、前記第2罫線群を構成するそれぞれの罫線と、前記所定方
向の同じ位置で、テストパターンを挟んで前記交差方向の反対側に形成される、複数の罫
線からなる第4罫線群と、を有し、前記画像データから、前記第3罫線群及び前記第4罫
線群のうち、下側罫線となる罫線を検出し、前記第1罫線群及び前記第2罫線群の中から
検出された下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置と、前記第3罫線群及び前記第4罫
線群の中から検出された下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置と、を比較して、前記
テストパターンの傾きを修正することを特徴とする補正値取得方法。
このような補正値取得方法によれば、媒体搬送時の蛇行等による印刷ズレの影響を排除
することができる。
また、メモリーに記憶され、所定方向に並んだノズル列から噴出されるインクによって
前記所定方向と交差する交差方向に沿って形成されるドット列について、それぞれのドッ
ト列に対応する読取濃度に基づいて、それぞれのドット列に対応する補正値を取得する補
正値取得プログラムであって、前記所定方向と交差する交差方向に沿ったドット列が該所
定方向に並ぶテストパターンと、前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に
沿って形成される複数の罫線が、前記所定方向に並ぶ第1罫線群と、前記上側罫線とは異
なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成される複数の罫線が、前記第1罫線群中の
罫線と所定方向にずれた位置に並ぶ第2罫線群と、を形成する記録データに従って、前記
テストパターンの所定方向の長さよりも前記所定方向の長さが短い媒体に、前記記録デー
タの前記上側罫線と、前記テストパターン、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群の一
部と、を形成させ、前記媒体に形成された前記テストパターン、前記上側罫線、前記第1
罫線群、及び、前記第2罫線群を読み取った画像データから、前記第1罫線群及び前記第
2罫線群のうち、下側罫線となる罫線を検出し、前記画像データにおける、検出された前
記下側罫線と前記上側罫線との間の実際の画素数を、理論上形成されるドット列の数に合
わせるように、前記画像データを修正し、前記修正された画像データに基づいて、前記補
正値を取得することを特徴とする、補正値取得プログラムが明らかになる。
かかる補正値取得プログラムであって、前記第1罫線群中の罫線のうちY方向に隣接す
る2の罫線間の間隔と、前記第2罫線群中の罫線のうちY方向に隣接する2の罫線間の間
隔とが等しく、前記第1罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出
する第1探索領域と、前記第2罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置
を検出する第2探索領域とが同じ大きさであり、前記第1探索領域及び第2探索領域の前
記所定方向の長さは、前記第1罫線群中の所定の罫線と、該所定の罫線とY方向に隣接す
る前記第2罫線群中の罫線との間隔よりも大きく、前記第1罫線群中の罫線のうち隣接す
る2の罫線間の間隔以下であることが望ましい。
このような補正値取得方法によれば、同一探索領域内から2本以上の罫線が検出される
ことを防止することができる。また、2つの探索域内から1本も罫線が検出されないとい
うことを防止することができる。
かかる補正値取得プログラムであって、前記罫線の前記所定方向の位置を検出する際に
、前記探索領域の前記交差方向の画素列毎に階調値の平均値を算出し、算出された前記階
調値の平均値について前記所定方向の分布を表したグラフが、所定の閾値と交わる点のう
ち、前記所定方向上側の点と、前記所定方向下側の点との中間の位置を、前記罫線の前記
所定方向の位置として特定することが望ましい。
このような補正値取得方法によれば、ゴミ等の影響による罫線位置の誤検出を回避して
、正確な罫線位置を特定することができる。
また、(A)所定方向に並んだノズル列を有し、媒体上に液体を噴出してドットを形成
するヘッド部と、(B)前記ヘッド部を制御する制御部であって、前記所定方向と交差す
る交差方向に沿ったドット列が該所定方向に並ぶテストパターンと、前記交差方向に沿っ
て形成される上側罫線と、前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って
形成される複数の罫線が、前記所定方向に並ぶ第1罫線群と、前記上側罫線とは異なる罫
線であって、前記交差方向に沿って形成される複数の罫線が、前記第1罫線群中の罫線と
所定方向にずれた位置に並ぶ第2罫線群と、を形成する記録データに従って、前記テスト
パターンの所定方向の長さよりも前記所定方向の長さが短い媒体に、前記記録データの前
記上側罫線と、前記テストパターン、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群の一部と、
を形成し、前記媒体に形成された前記テストパターン、前記上側罫線、前記第1罫線群、
及び、前記第2罫線群を読み取った画像データから、前記第1罫線群及び前記第2罫線群
のうち、下側罫線となる罫線を検出し、前記画像データにおける、検出された前記下側罫
線と前記上側罫線との間の実際の画素数を、理論上形成されるドット列の数に合わせるよ
うに、前記画像データを修正し、前記修正された画像データのそれぞれのドット列に対応
する読取濃度に基づいて、それぞれのドット列に対応する補正値を算出する、ことを特徴
とする、制御部と、を備える液体噴出記録装置が明らかとなる。
===記録システムの基本的構成===
<全体構成>
図1は、記録システムの外観構成を示した説明図である。本実施形態における記録シス
テムは、プリンター1と、コンピューター110と、表示装置120と、入力装置130
と、記録再生装置140と、スキャナー150とを備えている。プリンター1は、紙、布
、フィルム等の媒体に画像を記録する印刷装置である。コンピューター110は、プリン
ター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる
画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタ
ードライバーは、表示装置120にユーザーインターフェイスを表示させ、アプリケーシ
ョンプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムで
ある。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記
録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリン
タードライバーは、インターネットを介してコンピューター110にダウンロードするこ
とも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成
されている。
<プリンター1の構成>
発明を実施するための印刷装置の形態として、インクジェットプリンター(プリンター
1)を例に挙げて説明する。
図2に、プリンター1の構成を表すブロック図を示す。また、図3Aに、プリンター1
の概略断面図を、図3Bに、プリンター1の概略上面図を示す。
プリンター1は、搬送ユニット20と、駆動ユニット30と、ヘッドユニット40と、
検出器群50と、コントローラー60と、を有する。コントローラー60は、印刷装置制
御部であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて各ユニットを制御し
、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており
、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出
器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<搬送ユニット20>
搬送ユニット20は、媒体S(例えば紙など)を所定の方向(以下、搬送方向という)
の上流側から下流側に搬送させるためのものである。搬送モーター(不図示)によって駆
動する搬送ローラー21により、印刷前のロール状の媒体Sを印刷領域に供給し、その後
、印刷済みの媒体Sを巻取機構によりロール状に巻き取ったり、適当な長さにカッティン
グして排出したりする。搬送モーターの動作はプリンター側のコントローラー60により
制御される。なお、印刷中の印刷領域では、媒体Sが下からバキューム吸着され、媒体S
は所定の位置に保持される。
<駆動ユニット30>
駆動ユニット30は、ヘッドユニット40を、搬送方向に対応するX方向と、媒体Sの
紙幅方向(搬送方向と直交する方向)に対応するY方向とに自在に移動させるものである
。駆動ユニット30は、ヘッドユニット40をX方向に移動させるX軸ステージ31と、
X軸ステージ31をY方向に移動させるY軸ステージ32と、これらを移動させるモータ
ー(不図示)とで、構成されている。
<ヘッドユニット40>
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを噴出して画像を形成するためのものであり、複
数のヘッド41を有する。ヘッド41の下面には、インク噴射部であるノズルが複数設け
られ、各ノズルにはインクが入ったインク室が設けられている。
このヘッドユニット40はX軸ステージ31に設けられ、X軸ステージ31がX方向(
搬送方向)に移動すると、ヘッドユニット40もX方向に移動する。そして、ヘッドユニ
ット40がX方向(搬送方向)を移動中にノズルからインクを断続的に噴出することによ
って、X方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が媒体S上に形成される。その後、
ヘッドユニット40は、Y軸ステージ32により、X軸ステージ31を介してY方向(紙
幅方向)に移動し、その後、再び、ヘッドユニット40がX方向に移動しながら印刷を行
う。
このように、ヘッドユニット40のX方向への移動によりラスタラインを形成する動作
と、ヘッドユニット40のY方向への移動を繰り返すことで、印刷領域の媒体Sに画像を
印刷することができる。印刷領域に供給された媒体Sに画像を印刷する動作(画像形成動
作)と、搬送ユニット20により媒体Sを搬送方向に搬送して新たな媒体S部分を印刷領
域に供給する動作(搬送動作)とを、交互に繰り返すことで連続媒体Sに多数の画像を印
刷する。
図4は、ヘッドユニット40における複数のヘッド41の配置を示す図である。なお、
実際にはヘッドユニット40の下面にノズル面が形成されるが、図4は上面からノズルを
仮想的に見た図である(以下の図も同様)。
Y方向(紙幅方向)に多数のノズルが並ぶことで、ヘッドユニット40のX方向(搬送
方向)への1回の移動により、大きな幅の画像を印刷することができる。そうすることで
、印刷の高速化を図れる。ただし、製造上の問題により長尺のヘッドを形成することが出
来ない。そこで、プリンター1では、複数の短尺ヘッド41(1)〜41(n)をY方向
に並べて配置する。図4に示されるように複数のヘッド41はベースプレートBPに取り
付けられている。
各ヘッド41のノズル面には、ブラックインクを噴射するブラックノズル列Kと、シア
ンインクを噴射するシアンノズル列Cと、マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列M
と、イエローインクを噴射するイエローノズル列Yとが形成されている。各ノズル列はノ
ズルを180個ずつ備え、180個のノズルはY方向に一定のノズルピッチ(180dp
i)で整列している。図示するようにY方向の奥側のノズルから順に小さい番号を付す(
#1〜#180)。
また、Y方向に隣り合う2つのヘッド(例えば41(1)と41(2))のうちの奥側
のヘッド41(1)の最も手前側のノズル#180と、手前側のヘッド41(2)の最も
奥側のノズル#1との間隔も一定の間隔(180dpi)となっている。つまり、ヘッド
ユニット40の下面では、ノズルがY方向に一定のノズルピッチ(180dpi)で並ん
でいることになる。なお、図3に示すように、異なるヘッド41の端部ノズルの間隔を1
80dpiにするためには、ヘッド41の構造上の問題により、ヘッド41を千鳥状に配
置する必要がある。また、異なるヘッド41の端部ノズルが重複していてもよい。
<検出器群50>
検出器群50には、ロータリー式エンコーダーや、リニア式エンコーダー(共に不図示
)などが含まれる。ロータリー式エンコーダーは搬送ローラー21の回転量を検出し、そ
の検出結果に基づいて媒体の搬送量が検出される。リニア式エンコーダーは、X軸ステー
ジ31やY軸ステージ32の移動方向の位置を検出する。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である
。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、
ユニット制御回路64とを有する(図2)。
インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との
間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算
処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等
を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。
そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制
御回路64を介して搬送ユニット20等の各ユニットを制御する。
<プリンター1の印刷動作について>
図5は、本実施形態のプリンター1が行う印刷方法を説明する図である。図中では説明
の簡略のため、ヘッドユニット40においてY方向(紙幅方向)に並ぶノズル数を10個
と少なくしている。ヘッドユニット40がX方向へ移動しながら画像を形成する1回の動
作を「パス」と呼ぶ。ここではプリンター1は4回のパスで画像を完成し、あるパスで形
成されたラスタライン(X方向(搬送方向)に沿うドット列)の間に別のパスのラスタラ
インを形成する。そうすることで、Y方向の印刷解像度をノズルピッチ(180dpi)
よりも高くすることができ、高画質な画像を印刷できる。
具体的に説明すると、まず、パス1にてヘッドユニット40をX方向に移動させながら
10個のラスタライン(黒丸)を形成する。その後、Y軸ステージ32によってヘッドユ
ニット40をY方向の手前側に所定量f移動する。そして、パス2にて再びヘッドユニッ
ト40をX方向に移動させながら10個のラスタライン(白丸)を形成する。このとき、
パス1で形成されたラスタラインよりも搬送方向の奥側にパス2のラスタラインが形成さ
れるように、ヘッドユニットを所定量fでY方向に移動する。このように、ヘッドユニッ
ト40をX方向に移動してラスラインを形成する動作と、ヘッドユニット40をY方向に
所定量fで移動する動作を繰り返すことによって、画像が完成する。
なお、図5に示す印刷方法では、紙幅方向の奥側および手前側ではラスタライン間の埋
まらない領域がある。そのため、ラスタライン間に隙間が生じない領域を、プリンター1
がX方向に印刷可能な画像幅とする。
また、以下の説明のため、「画素領域」と「列領域」を設定する。「画素領域」とは媒
体S上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさが決定する
。媒体S上の1つの「画素領域」と画像データ上の1つの「画素データ」が対応する。ま
た、「列領域」とはX方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される領域である。「列領
域」は、画像データ上の複数の画素データがX方向に対応する方向に沿って並ぶ「画素列
データ」と対応する。
Y方向の奥側の列領域から順に小さい番号を付す。例えば、図5に示す印刷方法では、
パス3のノズル#1に形成されたラスタライン(点線)を1番目の列領域に形成されるラ
スタラインとする。2番目の列領域に形成されるラスタラインはパス2のノズル#2に形
成され、3番目の列領域に形成されるラスタラインはパス1の3番目のノズル#3に形成
される。また、7番目の列領域に形成されるラスタラインはパス1の4番目のノズル#4
に形成され、8番目の列領域に形成されるラスタラインはパス4の2番目のノズル#2に
形成される。このことから、本実施形態の印刷方法では、同じ2番目のノズル#2にて形
成される列領域であっても、隣接する列領域にラスタラインを形成するノズルが同じノズ
ルになるとは限らないことが分かる。
<スキャナー150の構成>
スキャナー150は、プリンター1により印刷された画像を読取って画像データを取得
する画像入力装置である。
図6Aに、スキャナー150の断面図を示す。図6Bに、上蓋151を外した状態のス
キャナー150の上面図を示す。
スキャナー150は、上蓋151と、原稿5(例えば、プリンター1によって画像が印
刷された媒体S)が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原
稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153
を副走査方向に案内する案内部154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動
機構155と、スキャナー150内の各部を制御するスキャナーコントローラ(不図示)
とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と
、主走査方向(図6Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出する読み取り部の
一例としてのラインセンサー158と、原稿5からの反射光をラインセンサー158へ導
くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は
、光の軌跡を示している。
===濃度ムラの説明===
<バンディングについて>
インクジェットプリンターで印刷を行う場合に、インクを噴出するノズル列の加工精度
のばらつき等により、形成されたラスタラインの濃度にムラが生じることがある。このよ
うな濃度ムラが発生すると、印刷面に筋状の模様が形成されたように見え(バンディング
)、印刷画像の画質が劣化する。
ここでは、「濃度ムラ」について説明する。なお、説明の簡略化のために単色印刷され
た画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。
図7Aに、理想的にドットが形成されたとき(濃度ムラが発生していないとき)の様子
の説明図を示す。同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは破線で区
切られた画素領域内に正確に形成され、ラスタラインは列領域に沿って規則正しく形成さ
れる。各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の画像片が形成されている。ここでは
、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するも
のとする。
次に、図7Bに、濃度ムラが発生したときの説明図を示す。本図では、ノズルから噴出
されたインク滴が、噴出後に曲がって飛翔する等の原因により、図7Aにおいて2番目の
列領域に形成されていたラスタラインが3番目の列領域側に寄って形成されている。その
結果、2番目の列領域の濃度は淡くなり、3番目の列領域の濃度は濃くなる。一方、5番
目の列領域に噴出されたインク滴のインク量は規定量よりも少なく、5番目の列領域に形
成されるドットが小さくなっている。その結果、5番目の列領域の濃度は淡くなる。
このように濃淡の違う列領域からなる画像を巨視的に見ると、ラスタライン形成方向(
本実施形態においてはX方向)に沿う縞状の濃度ムラが視認される。本実施形態では、こ
の濃度ムラを補正することを目的としている。
<濃度ムラの補正方法>
濃度ムラによって生じる縞状の模様を解消するために、濃く視認されやすい列領域に対
しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素データの示す階調値
を補正する。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるよう
に、その列領域に対応する画素データの示す階調値を補正する。
ここで、図7Bにおいて、3番目の列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は
、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する
2番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものである。このため、3
番目の列領域にラスタラインを形成するノズルが別の列領域にラスタラインを形成する場
合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。前述のように、あるノズル
に割り当てられる列領域に隣接する列領域が、毎回同じノズルによって形成されるとは限
らないからである。
つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接するラスタラインを形成
するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付
けた補正値では、濃度ムラを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域
ごと(画素列データごと)に濃度ムラ補正値Hを設定する。
なお、濃度ムラはノズルの加工精度等の問題により発生するため、列領域ごと(画素列
データごと)の補正値Hは、プリンター1ごとに算出される。以下、補正値Hの算出方法
について説明する。
===従来の補正値算出方法===
まず、比較例として、従来の補正値H算出方法について説明する。
図8に、従来の方法により補正値Hを算出するためのフロー図を示す。
プリンター1を用いてS101〜S105のステップを順番に実施することにより、各
列領域についての補正値Hが算出される。算出された補正値Hはプリンター1のメモリー
63に記憶され、実際の印刷時には記憶された補正値Hを用いて濃度補正が行われる。な
お、各ステップはコンピューター110にインストールされた補正用プログラムによって
実現される。
<S101:テストパターンの印刷>
図9は、比較例における濃度補正用のテストパターンを示す図である。該テストパター
ンは3種類の濃度の帯状パターンから構成される。帯状パターンはそれぞれ一定の階調値
の画像データから生成されたものであり、X方向(搬送方向)に沿ったドット列がY方向(
紙幅方向)に複数並ぶことにより形成される。
帯状パターンを形成するための階調値を指令階調値と呼び、濃度30%の帯状パターン
の指令階調値をSa(76)、濃度50%の帯状パターンの指令階調値をSb(128)
、濃度70%の帯状パターンの指令階調値をSc(179)と表す。なお、高い階調値が
濃い濃度を示し、低い階調値が淡い濃度を示すとする。
1つの帯状パターンは、図5に示す印刷方法において、ヘッドユニット40が有するノ
ズルにて4回のパスで形成されるラスタラインで構成される。そして、色ごと(ブラック
,マゼンタ,シアン,イエロー)に対応する補正値Hを算出するため、色ごとに補正用パ
ターンが形成される。
また、テストパターンの上下部分にはそれぞれ、X方向(搬送方向)に沿った罫線が形成
される。該上下の罫線は、後述する画像データの修正(S103)において解像度変換を
行う際に用いられ、テストパターンのY方向(紙幅方向)における画素数を調整するため
の基準位置となる。また、該上下罫線の水平度を確保することで、画像取り込み時におい
てテストパターンが傾いた場合に、該傾きを補正することができる。
<S102:テストパターンの読取>
印刷されたテストパターンは、検査者によってスキャナー150にセットされる。そし
て、コンピューター110はスキャナー150に該テストパターンを読み取らせ、画像デ
ータとして取得する。テストパターンの読み取りは、スキャナー150のラインセンサー
158を副走査方向に移動させながら該ラインセンサー158によって主走査方向のライ
ンを読み取ることで、画像データが取得される。
このときの読取解像度は2880dpi(X方向)×2880dpi(Y方向)であり
、画像データはX方向とY方向の2次元に並ぶ画素の画素データから構成されることにな
る。また、画像データを構成する各画素データは256階調の階調値を有する。
<S103:画像データ修正>
(S102)のテストパターン読取時において、スキャナー150の読み取り位置に誤
差があると、各画素の対応するY方向の長さが長くなったり短くなったりすることがある
。この読み取り位置の誤差のために、画像データの示すテストパターンの画像はY方行に
歪んだ画像となってしまう。そこで、このような画像の歪を修正する。
図10に、解像度変換処理による画像修正を説明する図を示す。
本実施形態の印刷方法では4回のパスで3600個のラスタライン(3600列分の画
像幅を有する画像)が形成されるとする。図10において、テストパターンの上側罫線と
下側罫線との間に720dpiで3600個のラスタラインが形成されるように罫線を形
成すると、このテストパターンをスキャナー150が2880dpiの解像度(テストパ
ターンの4倍の解像度)で理想的に読み取れば、画像データのY方向の画素数は、144
00個(=3600×4)になるはずである。しかし、実際には印刷時や読み取り時のズ
レの影響があって、画像データのY方向の画素数が14400個にならないことがある。
ここでは、画像データの上下罫線間(Y方向)の画素数は14420個であったとする。
コンピューター110の補正用プログラムは、この画像データに対して、3600/1
4420(=[テストパターンを構成するラスタラインの数]/[画像データの上下罫線
間のY方向の画素数])の倍率で解像度変換(縮小処理)を行なう。これにより、解像度
変換後の画像データのY方向の画素数が3600個になる。言い換えると、2880dp
iのテストパターンの画像データが、720dpiのテストパターンの画像データに変換
される。
この結果、Y方向に並ぶ画素の数と列領域の数とが同数になり、Y方向の画素列と列領
域とが、一対一で対応することになる。例えば、一番上に位置するY方向の画素列は1番
目の列領域に対応し、その下に位置する画素列は2番目の列領域に対応する。なお、この
解像度変換ではY方向の画素数を3600個にするのが目的なので、X方向の解像度変換
(縮小処理)は行われなくても良い。
<S104:階調値の取得>
画像データの歪が修正された後、該データについて列領域毎に読取階調値を取得する。

図11は、シアンの補正用パターンをスキャナー150で読み取った結果である。図1
1のグラフでは、横軸を列領域番号とし、縦軸を各列領域の読取階調値とする。
以下、図11に示すシアンの読取結果を例に挙げて説明する。そして、色ごとの補正用
パターンの読取階調値を取得した後、帯状パターンごとに(指令階調値ごとに)、スキャ
ナー150の読取データにおける画素列データ(データ上でX方向に対応する方向に並ぶ
複数の読取画素)と、補正用パターンにおける1つの列領域(ラスタライン)を、一対一
で対応させる。その後、帯状パターンごとに、各列領域の濃度を算出する。ある列領域に
対応する画素列データに属する各画素データの読取階調値の平均値を、その列領域の読取
階調値とする。
各帯状パターンは、それぞれの指令階調値で一様に形成されたにも関わらず、図11に
示すように列領域ごとに読取階調値にばらつきが生じる。例えば、図11のグラフにおい
て、i列領域の読取階調値Cbiは他の列領域の読取階調値よりも低く、j列領域の読取
階調値Cbjは他の列領域の読取階調値よりも高い。即ち、i列領域は淡く視認され、j
列領域は濃く視認される。このような各列領域の読取階調値のばらつきが、印刷画像の濃
度ムラである。
<S105:補正値Hの算出>
濃度ムラを改善するために、列領域ごとの読取階調値のばらつきを低減させる。すなわ
ち、各列領域の読取階調値を一定の値に近づける。そのために、同一の指令階調値(例え
ばSb・濃度50%)において、全列領域の読取階調値の平均値Cbtを「目標値Cbt
」として設定する。そして、指令階調値Sbにおける各列領域の読取階調値を目標値Cb
tに近づけるように、各列領域に対応する画素列データの示す階調値を補正する。
具体的には、図11において目標値Cbtよりも読取階調値の低い列領域iに対応する
画素列データの示す階調値を、指令階調値Sbよりも濃い階調値に補正する。一方、目標
値Cbtよりも読取階調値の高い列領域jに対応する画素列データの示す階調値を、指令
階調値Sbよりも淡い階調値に補正する。このように、同一の階調値に対して、全列領域
の濃度を一定の値に近づけるために、各列領域に対応する画素列データの階調値を補正す
る補正値Hを算出する。
図12A及び図12Bは、濃度ムラ補正値Hの具体的な算出方法を示す図である。まず
、図12Aは目標値Cbtよりも読取階調値の低いi列領域において、指令階調値(例S
b)における目標指令階調値(例Sbt)を算出する様子を示す。横軸が階調値を示し、
縦軸がテストパターン結果における読取階調値を示す。グラフ上には、指令階調値(Sa
,Sb,Sc)に対する読取階調値(Cai,Cbi,Cci)がプロットされている。
例えば指令階調値Sbに対してi列領域が目標値Cbtにて表されるための目標指令階調
値Sbtは次式(直線BCに基づく線形補間)により算出される。
Sbt=Sb+{(Sc−Sb)×(Cbt−Cbi)/(Cci−Cbi)}
同様に、図12Bに示すように、目標値Cbtよりも読取階調値の高いj列領域におい
て、指令階調値Sbに対してj列領域が目標値Cbtにて表されるための目標指令階調値
Sbtは次式(直線ABに基づく線形補間)により算出される。
Sbt=Sa+{(Sb−Sa)×(Cbt−Caj)/(Cbj−Caj)}
こうして、指令階調値Sbに対する各列領域の目標指令階調値Sbtが算出される。そ
うして、次式により、各列領域の指令階調値Sbに対するシアンの補正値Hbを算出する
。同様にして、他の指令階調値(Sa,Sc)に対する補正値Ha,Hc、及び、他の色
に対する補正値も算出する。
Hb=(Sbt−Sb)/Sb
図13は、シアンに関する補正値テーブルを示す図である。ここで、前述のように、本
実施形態の印刷方法では4回のパスで3600個のラスタライン(3600列分の画像幅
を有する画像)が形成されるとする。そのため、4回のパスでラスタラインが形成される
3600個の列領域ごとに補正値Hが算出される。そして、図13に示す補正値テーブル
では、1番目から3600番目の列領域の補正値Hが設定されている。このような補正値
テーブルを、他の色に関しても作成する。そうして、この補正値Hテーブルを算出するた
めの補正用パターンを印刷したプリンター1のメモリー63に記憶させる。
<濃度補正処理について>
実際に印刷を行う際には、プリンタードライバーはプリンター1に対してメモリー63
に記憶されている補正値Hをコンピューター110に送信するように要求する。プリンタ
ードライバーは、プリンター1から送信される補正値Hをコンピューター110内のメモ
リーに記憶する。
図14は、シアンのx番目の列領域に関して各階調値に対応した補正値Hを算出する様
子を示す図である。横軸を補正前の階調値S_inとし、縦軸を補正前の階調値S_inに
対応した補正値H_outとする。コンピューター110にインストールされたプリンタ
ードライバーは、ユーザーからの印刷命令を受けると印刷データを生成し、印刷データを
プリンター1に送信する。まず、プリンタードライバーは、ユーザーの印刷命令と共に各
種アプリケーションソフトから画像データを受信すると、その画像データを印刷解像度に
応じた解像度に変換し、プリンター1が有するインクの色YMCKに応じて色変換する。
そして、プリンタードライバーは、YMCKの各色についての256階調のデータに対
して補正値Hを用いて濃度補正処理を行う。即ち、画像データを構成する各画素データの
256階調の階調値(補正前の階調値S_in)を、色ごと、及び、その画素データに対
応する列領域ごとに設定された補正値Hによって補正する。
補正前の階調値S_inが指令階調値のいずれかSa,Sb,Scと同じであれば、各指
令階調値に対応した補正値Hであってコンピューター110のメモリーに記憶されている
補正値Ha,Hb,Hcをそのまま用いることができる。例えば、補正前の階調値S_in
=Scであれば、補正後の階調値S_outは次式により求められる。
S_out=Sc×(1+Hc)
補正前の階調値S_inが指令階調値と異なる場合、補正前の階調値S_inに応じた補
正値H_outを算出する。例えば、図14に示すように補正前の階調値S_inが指令階
調値SaとSbの間であるとき、指令階調値Saの補正値Haと指令階調値Sbの補正値
Hbの線形補間によって次式により補正値H_outを算出し、補正後の階調値S_out
を算出する。
H_out=Ha+{(Hb−Ha)×(S_in−Sa)/(Sb−Sa)}
S_out=S_in×(1+H_out)
なお、補正前の階調値S_inが指令階調値Saよりも小さい場合には、最低階調値0
と指令階調値Saの線形補間により補正値H_outを算出し、補正前の階調値S_inが
指令階調値Scよりも大きい場合には、最高階調値255と指令階調値Scの線形補間に
よって補正値H_outを算出する。
こうして、色ごと、画素データが属する列領域ごと、階調値ごとに設定された補正値H
によって、256階調の画素データの示す階調値S_inが補正される。そうすることで
、濃度が淡く視認される列領域に対応する画素データの階調値S_inは濃い階調値S_o
utに補正され、濃度が濃く視認される列領域に対応する画素データの示す階調値S_i
nは淡い階調値S_outに補正される。その結果、印刷画像に発生する濃度むらを低減
することができる。
そして、プリンタードライバーは、補正後の256階調の画素データ(S_out)を
ハーフトーン処理によって、プリンター1が形成可能なドットの種類に応じた4階調の画
素データに変換する。例えば、3種類のドット(大ドット・中ドット・小ドット)が形成
可能なプリンターであれば、8ビットの256階調のデータがハーフトーン処理によって
2ビットの4階調のデータに変換される。例えば、「大ドット形成」を示す画素データは
「11」に変換され、「中ドット形成」を示す画素データは「10」に変換され、「小ド
ット形成」を示す画素データは「01」に変換され、「ドット無し」を示す画素データは
「00」に変換される。
最後に、ラスタライズ処理によって、ハーフトーン処理されたマトリクス状の画像デー
タをプリンター1に転送すべきデータごとに並べ替え、コマンドデータなどと共に印刷デ
ータとしてプリンター1に送信される。プリンター1は印刷データを受信すると、その印
刷データに基づいて印刷を行う。
<従来の方法の問題点>
以上に説明したように、テストパターンを印刷して各列領域について補正値Hを求めて
おき、印刷時に該補正値Hに基づいて濃度を補正することにより、印刷画像に発生する縞
状の濃度ムラを低減させることができる。
一方、この方法は印刷時に用いられる媒体の大きさによっては適用できない場合がある
。例えば、媒体幅方向(前述のY方向)の長さが、テストパターンのY方向長さよりも短
い場合には正確な補正値Hを取得することができない。
図15は、媒体のY方向長さの違いにより、該媒体上に印刷されるテストパターンがど
のように変わるかを説明する図である。前述のテストパターンを形成するための印刷デー
タは、印刷に使用される可能性のある媒体のなかでY方向長さが最大となるものにあわせ
て生成される。したがって、印刷媒体が最大サイズであれば図15の左側に示されるよう
に、完全な状態のテストパターンが印刷される。一方、媒体のY方向長さが短い場合には
、図15の左側に示されるように、テストパターンの下側(若しくは/及び上側)は印刷
領域外となるために、テストパターンは途切れて印刷されることになる。テストパターン
下側(上側)が途切れるため、下側罫線(上側罫線)も印刷されない。この場合、Y方向
(媒体幅方向)に形成されるラスタラインの数が特定できずに、前述のS103で説明し
た画像データの歪を修正をすることができなくなる。ラスタライン数を数える基準となる
上下罫線間の間隔が不明確になるからである。
画像データの歪が修正されていない状態で補正値Hを求めようとしても、該補正値Hは
補正が必要な列領域からずれた位置について算出されてしまう等の問題が生じる。つまり
、補正が必要な列領域に対して、濃度ムラを修正できる正確な補正値を得ることは出来な
い。
本実施形態のプリンター1では、図5のように媒体幅方向(Y方向)に並ぶノズル列か
ら、該ノズル列と交差する方向(X方向)に搬送される媒体にインクを噴出することによ
り印刷を行う。このような印刷方法では、媒体の幅方向の所定の位置のラスタラインを形
成するノズルが印刷毎に異なるため、印刷に使用する媒体の幅が変更される度に該媒体幅
にあわせて濃度補正を行う必要がある。すなわち、異なる媒体を用いて印刷を行う度に、
該媒体の幅方向に合わせて上下の罫線がしっかりと形成されるようなテストパターンを印
刷する必要がある。
しかし、該テストパターンを作成するためには技術的な専門知識を要することから、印
刷の都度、ユーザー自身で適切なテストパターンを準備するのは現実的ではない。また、
ユーザーが印刷に使用する媒体の幅は多様であり、そのような多様な媒体幅に合わせて膨
大な種類のテストパターン印刷用データをあらかじめプリンター1にプリセットして出荷
することは困難である。
===本実施形態の補正値算出方法===
本実施形態では、1種類のテストパターンを用いて異なる幅を有する媒体について正確
な補正値を算出できるようにすることで、前述のような問題を解消する。
従来の補正値取得方法においては、テストパターン印刷時に必ず上下の罫線も形成され
る必要があったため、媒体幅の変更に十分対応することができなかった。
これに対して本実施形態では、テストパターン上部にX方向に沿って形成される上側罫
線に加えて、X方向に沿った複数の罫線がY方向に一定間隔で並ぶ第1罫線群と、X方向
に沿った複数の罫線がY方向に一定間隔で並び、それぞれの罫線が第1罫線群の罫線とY
方向のずれた位置に形成される第2罫線群とが形成される。そして、第1罫線群、及び、
第2罫線群に含まれる罫線の中から、Y方向の最も下の位置に形成されている罫線を検出
し、形成されなかった下側罫線に代わって、該検出された罫線を下側基準位置として、比
較例と同様の方法で読取画像データの修正を行い、列領域毎に補正値Hを取得する。
つまり、第1罫線群及び第2罫線群を形成できるようなテストパターンデータを1種類
準備しておけば、印刷時に使用する媒体の幅方向(Y方向)長さが短い場合でも、該デー
タを用いてテストパターンを作成し、正確な補正値Hを算出することができる。
図16に本実施形態における補正値H算出のためのフロー図を示す。
全体の流れ(S201〜S206)は、比較例の場合(S101〜S105)とほぼ同
様であるが、本実施形態では、テストパターンに第1罫線群、及び、第2罫線群が印刷さ
れる点(S201)が比較例とは異なる。また、第1罫線群、及び、第2罫線群の中から
下側基準位置となる罫線を検出するステップ(S203)が新たに加わっている。
以下、各ステップについて説明する。なお、各ステップはコンピューター110にイン
ストールされた補正用プログラムによって実現される。
<S201:テストパターンの印刷>
図17は、本実施形態における濃度補正用のテストパターンを示す図である。
本実施形態のテストパターンでは、図17に示すように、互いに色が異なる二以上の(
本実施の形態においては、四つであり、各々の色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックである)テストパターンを、該四つのテストパターンが前記X方向(搬送方向)にお
いて並ぶように(本実施の形態においては、左から右へ、イエロー、マゼンタ、シアン、
ブラックの順に並ぶ)形成する。各色についてのパターンは図9で説明したものと同様で
あり、それぞれ3種類の指令階調値(濃度30%の帯状パターンの指令階調値をSa(7
6)、濃度50%の帯状パターンの指令階調値をSb(128)、濃度70%の帯状パタ
ーンの指令階調値をSc(179)と表す)からなる帯状のパターンから構成される。
テストパターンの上部には、X方向に沿って上側罫線が形成される。該上側罫線はスキ
ャナー150でテストパターンを読み取った画像データから画素列の数を計測する際の計
測基準位置(Y方向の上側基準位置)を確定するのに用いられる。
上側罫線が形成される位置は、テストパターンのY方向上端の位置よりも5mm程度下
側とする(図17参照)。本実施形態のプリンター1では媒体外縁部から3mm分の領域
は余白領域であり、この部分に印刷をすることはできないため、テストパターンの上端部
を印刷することができるのは、媒体の上端から3mmの位置となる。仮に、上側罫線の形
成位置をテストパターン上端部に合わせると、媒体上端から3mmの位置に上側罫線が印
刷されることになる。この場合、次ステップのテストパターン読み取り(S202)にお
いて、スキャナー150に該テストパターンをセットした時のわずかな位置ずれ等によっ
て、取得した画像データに上側罫線が写らなくなってしまうことがある。したがって、上
側罫線は画像取り込み時に確実に写る位置(テストパターン上端部から5mm程度下側の
位置)に形成しておく。
テストパターンの左側の領域(図17においてイエローのテストパターンの左側)には
X方向に沿ったn本の罫線(Y方向上側から順に1R−1〜1R−nとする)からなる第
1罫線群が形成される。同様に、テストパターンの右側の領域(図17においてブラック
のテストパターンの右側)にはX方向に沿ったn本の罫線(Y方向上側から順に2R−1
〜2R−nとする)からなる第2罫線群が形成される。これらの罫線群の中から1の罫線
を選択して、下側罫線の代わりに画像データから画素列の数を計測する際の下側基準位置
とする。
図17に示されるように、第1罫線群を構成する各罫線(1R−1〜1R−n)は、上
側罫線位置からY方向にLの間隔で等間隔に並んでいる。一方、第2罫線群を構成する各
罫線(2R−1〜2R−n)のうち、Y方向最上部の罫線(2R−1)は上側罫線位置か
ら3L/2下側に形成され、それ以降の罫線(2R−2〜2R−n)はY方向にLの間隔
で等間隔に並んでいる。つまり、第1罫線群を構成する罫線のうち隣接する2つの罫線間
のY方向の中間の位置に、第2罫線群を構成する罫線が形成される。例えば第1罫線群の
2つの罫線1R−2及び1R−3のY方向の中間の位置に、第2罫線群の罫線2R−2が
形成される。
図17において、各罫線のX方向長さは約30mmであるが、各罫線の長さについては
、後述の下側基準位置の検出(S203)で用いる探索範囲のX方向幅よりも長ければよ
い。
図18に、第2罫線群の形成位置を変更した場合のテストパターンの例を示す。図17
では第1罫線群はテストパターンの左側、第2罫線群はテストパターンの右側に形成され
ていた。すなわち、第1罫線群と第2罫線群とがテストパターンを挟む位置関係となって
いたが、両罫線群は図18のようにテストパターンの同じ側(図18では左側)に形成さ
れるのであってもよい。ただし、第1罫線群中の罫線と第2罫線群中の罫線とのX方向の
位置が完全に重複しないようにする必要がある。後述の下側基準位置の検出(S203)
において、第1罫線群中の罫線と第2罫線群中の罫線とが混同されて検出されるのを防止
するためである。検出方法の詳細については後で説明する。
なお、罫線を形成するインクの色については、特に制限は無い。本実施形態では画像デ
ータ化して取り込んだ際の視認性の良さ考慮して、最も濃度の高いブラックインクが用い
られるが、罫線印刷専用の試験用インク等を用いてもよい。
<S202:テストパターンの読取>
S102で説明したのと同様に、印刷されたテストパターンは、スキャナー150によ
って読み取られ、画像データとして取得される。このときの読取解像度は2880dpi
(X方向)×2880dpi(Y方向)であり、画像データはX方向とY方向の2次元に
並ぶ画素の画素データから構成されることになる。また、画像データを構成する各画素デ
ータは256階調の階調値を有する。
なお、画像データを取得する手段としてスキャナー150を用いるのではなく、デジタ
ルカメラ等他の手段を用いて画像を読み取ることも可能である。
<S203:下側基準位置の検出>
本ステップにおいては、印刷されなかった下側罫線の代わりに下側基準位置となる罫線
を第1罫線群、及び、第2罫線群の中から検出する。
罫線位置の検出では、(S202)において取得された画像データ(画素データ)に基
づいて、該画像データにおける罫線のY方向(媒体幅方向)における位置を示す位置情報
が取得される。
まず、画像データ上の罫線位置を探索するための探索領域について説明する。
図19は、テストパターンの画像データで罫線位置を探索する方法を説明する図である
。罫線の探索は、所定の大きさの矩形領域である「探索領域」を用いて、Y方向における
階調値の変化を調べることにより行われる。図19の斜線で表示されている範囲が「探索
領域」である。
探索領域には第1罫線群に含まれる罫線(1R−1〜1R−n)の中から下側基準位置
となる罫線の位置を探索する第1探索領域と、第2罫線群に含まれる罫線(2R−1〜2
R−n)の中から下側基準位置となる罫線の位置を探索する第2探索領域とがある。第1
探索領域と第2探索領域は同じ形状であり、それぞれY方向の同じ範囲(列領域範囲)に
ついての階調値の変化を調べる。罫線が形成されている位置では高い階調値が表示される
ことから、階調値が高く表示された部分の画素を罫線が形成されている画素として検出す
る。具体的な検出方法については後で説明する。
なお、図19のように、各探索領域はテストパターンのY方向のなるべく下側に配置し
ておくことにより、テストパターンと共に印刷された罫線のうち、Y方向で一番下側に印
刷された罫線(図19においては1R−5)を検出することができる。
探索領域の大きさは、1つの探索領域内において2本以上の罫線が検出されないような
大きさであり、かつ、第1探索領域、及び、第2探索領域の中から最低1本の罫線が検出
されるような大きさとする必要がある。特に、探索領域のY方向の幅(探索範囲)の設定
が重要である。
図20Aに探索領域のY方向の幅が小さすぎる場合の例を示す。また、図20Bに探索
領域のY方向の幅が大きすぎる場合の例を示す。なお、同図では、説明の為に探索領域周
囲の必要部分だけを拡大して表示し、テストパターンの表示は省略されている。
探索領域のY方向の幅がL/2よりも小さい場合、すなわち、第1罫線群の罫線と第2
罫線群の罫線との間隔よりも狭い場合には、第1探索領域及び第2探索領域のどちらの領
域からも1本も罫線が検出されないことがある。例えば、図20Aに示されるように、両
探索領域が、第1罫線群の罫線1R−5と第2罫線群の罫線2R−4との間に収まるよう
な場合には、どちらの探索領域でも罫線が検出されなくなってしまう。したがって、探索
領域のY方向の幅は少なくともL/2以上の値とする必要がある。
一方、探索領域のY方向の幅がL以上である場合、すなわち、同じ罫線群の隣り合う罫
線同士の間隔以上である場合には、1つの探索領域に2本の罫線が含まれてしまうことが
ある。例えば、図20Bに示されるように、第2罫線群の罫線2R−4、及び、2R−5
が共に第2探索領域内に含まれてしまう。詳細は後述するが、本実施形態では、同じ探索
領域内に2本の罫線が検出されると、下側基準位置としてY方向の位置情報を取得する際
に正確な位置情報が得られなくなる。したがって、1つの探索領域で検出される罫線の数
は最大でも1本となるように、探索領域のY方向の幅は少なくともLよりも小さな値とす
る必要がある。
なお、探索領域のX方向の幅は罫線の長さ以下であればよい。
図21A及び図21Bは、適正な大きさの探索領域によって罫線が検出される場合の例
を示す図である。
図21A及び図21Bに示されるように、探索領域のY方向の幅(探索範囲)は罫線と
罫線との間隔(本実施形態ではL)よりもわずかに小さい値にすることで、より大きな範
囲を探索することが可能になる。例えば、図21Aでは第1探索領域によって第1罫線群
の罫線1R−5が検出される。また、図21Bでは第1探索領域によって第1罫線群の罫
線1R−5が検出され、第2探索領域によって第2罫線群の罫線2R−5が検出される。
図20Bのように、第1探索領域、及び、第2探索領域でそれぞれ罫が検出された場合に
は、Y方向のなるべく下側で検出された方の罫線が下側基準位置を示す罫線として選択さ
れる。従って、図21Bにおいては2R−5の罫線が選択され、2R−5が下側基準位置
を示す罫線として選択される。
本実施形態では、Y方向にずれた位置関係にある2つの罫線群に対して、2つの探索領
域を用いて罫線を探索することで、第1探索領域と第2探索領域とをあわせた領域内で、
少なくとも1本の罫線を必ず検出することができる。
次に、Y方向における階調値の変化を調べて、罫線位置を特定する具体的な方法につい
て説明する。
まず、コンピューター110は、第1罫線群の2次元の画像データについて、列領域毎
に第1探索領域のX方向の幅分の画素データの階調値を平均化する。これにより、第1探
索領域のY方向領域についての1次元の画像データが作成される。同様に、第2罫線群に
ついてもX方向の階調値が平均化され、第2探索領域のY方向領域についての1次元の画
像データが作成される。これらの1次元の画像データは、Y方向に2880dpiで並ぶ
画素の画素データから構成される。
図22は1次元の画像データのグラフから罫線位置を検出する方法を説明する図である
。グラフの横軸は列領域毎に平均化された階調値を、縦軸は画素のY方向の位置を示して
いる。そして、グラフの左側には検出対象の罫線と、該罫線を検出する為の探索領域が示
されている。探索領域内でマス目状に区切られた領域は画素領域を表している。なお、探
索領域の画素領域数は実際にはもっと多いが、説明のために概略として描かれている。
罫線は、図22のようにY方向にある程度の幅(例えば20画素分の幅)を持って形成
されているので、該罫線部分の列領域に対応する平均階調値を表すグラフは緩やかなピー
クを有する分布となる。このグラフに対して、閾値Tを用いて所定の値以上の階調値を示
す部分を抽出する。つまり、Y方向に並ぶ画素のうちT以上の階調値を示す画素が、罫線
が形成されている画素として検出される。
図22では、グラフと閾値TとのY方向上側における交点aと、グラフと閾値TとのY
方向下側における交点bとの間にある画素が、罫線が形成されている画素となる。そして
、aとbとの間隔であるピーク幅Wが、罫線のY方向の幅として算出される。ピーク幅W
は、閾値Tの値を適当に設定することで、検出対象の罫線(画像データ上の罫線)のY方
向の幅と同等の大きさとして算出することができる。
そして、ピーク幅WのY方向の中間位置を算出し、該中間位置に対応するY方向画素が
罫線位置を示す画素として特定される。特定された罫線位置は、テストパターンの画像デ
ータにおける下側基準位置を示す位置情報としてメモリー63に記憶される。
なお、同一の探索領域内に2本以上の罫線が含まれる場合にはピークが2つ検出されて
しまうことになり正確な位置情報が得られないため、1つの探索領域について検出対象の
罫線は必ず1本以内でなければならない。前述のように探索領域のY方向の大きさを罫線
同士の間隔Lよりも小さい値にしていたのはこのためである。
図22に示されるように、X方向に平均化された階調値の分布に基づいて罫線位置を特
定することで、罫線のY方向位置を正確に検出することができる。しかし、この方法では
探索領域内にゴミが含まれていたり、罫線に印刷ズレが生じていたりした場合には正確な
位置情報を取得することができない。
図23に、探索領域内にゴミが含まれる場合の1次元の画像データのグラフを示す。同
図では、罫線付近にゴミがあること以外は図22の場合と同じ条件で罫線位置の検出を行
った場合の例を示している。
前述の場合と同様に、列領域毎にX方向に平均化した階調値の分布を調べると、罫線が
形成されている部分のY方向画素の他に、ゴミが存在する部分のY方向画素についてもグ
ラフのピークが現れる。このグラフについて、閾値Tを用いて所定の値以上の階調値を示
す画素を抽出しようとする場合、グラフと閾値TとのY方向上側における交点aは、図2
2の場合と同様、罫線のY方向上側に対応する位置を示す。一方、グラフと閾値TとのY
方向下側における交点bは、罫線のY方向下側に対応する位置ではなく、ゴミに対応する
位置を示す。
このような場合、aとbとのY方向の間隔から算出されるピーク幅W´は、罫線とゴミ
の幅を含んだ情報として算出される。したがって、ピーク幅W´のY方向の中間位置とし
て特定される罫線位置は、図23のように実際の検出対象の罫線の位置とは大きくずれた
位置を示すことになり、正確な位置情報を取得することができない。
そこで、ピーク幅Wが算出された段階でピーク幅Wの大きさを評価することで、ゴミ等
の影響を排除して正確な位置情報を取得するようにする。
印刷データにおいて、罫線のY方向幅の大きさはあらかじめ決まっているため(例えば
20画素分)、算出されたピーク幅Wの値が大きすぎる場合(例えば100画素分の幅が
算出された場合)には、罫線以外の要因を含んでいる可能性が高い。そこで、ピーク幅W
に所定の閾値を設定し(例えば30画素)、算出されたピーク幅Wの値が該閾値よりも大
きい場合にはエラー表示を行って、該データを不採用にしたり、再度画像の読取(S20
1)を行わせるようにしたりすることで、下側基準位置についての不正確な位置情報が取
得されることを防止する。
<S204:画像データ修正>
取得した下側基準位置の位置情報に基づいてテストパターンの画像データを修正する。
そして、修正された画像データに基づいて、ラスタライン毎に濃度補正値を取得する。
画像データの修正は、S103で用いた方法と同様に、解像度変換を行う際にY方向の
歪を修正することで行われる。本実施形態では、基準となる下側罫線が形成されていない
ため(上側罫線は形成されている)、テストパターンの横に形成された第1罫線群及び第
2罫線群のうち、S203で特定された罫線を下側基準位置として用いる。
例えば、図19において第1罫線群の罫線1R−5が下側基準位置として特定され、ま
た、罫線間隔Lは80画素分に相当するものと仮定する。この場合、テストパターンの画
像データにおける上側基準位置(上側罫線)と下側基準位置(1R−5)との間の画素数
は理論上400画素(=80画素×5目盛り)となるはずである。しかし、実際には印刷
時や読み取り時のズレの影響があるので、画素数は405画素であったとする。
一方、スキャナーによって読み取られた際の解像度が2880dpiであるのに対して
、印刷時の解像度は720dpiであるので、印刷時のテストパターンのラスタラインは
100個(=400画素/(2880dpi/720dpi))となるはずである。
そこで、100/405(=[テストパターンを構成するラスタラインの数]/[画像
データの上下罫線間のY方向の画素数])の倍率で解像度変換(縮小処理)を行なう。こ
れにより、解像度変換後の画像データのY方向の画素数が100個になる。この結果、Y
方向に並ぶ画素の数と列領域の数とが同数になり、X方向の画素列と列領域とが、一対一
で対応することになる。
<S205:階調値の取得>
<S206:補正値Hの算出>
修正後の画像データについて列領域毎に読取階調値を取得し(S205)、各列領域に
対応する画素列データの階調値を補正する補正値Hを算出する(S206)。具体的な方
法は、前述の(S104)及び(S105)で説明したとおりである。
算出された補正値Hはメモリー63に記憶され、ユーザーが印刷を行う際に該補正値に
基づいて濃度の補正が行われる。濃度補正の方法は、比較例の場合と同様である。
<本実施形態の効果>
互いにY方向のずれた位置に形成される複数の罫線によって構成される第1罫線群と題
2罫線群とが印刷されたテストパターンを用いることで、印刷する媒体のサイズに関わら
ず、正確な濃度補正値を取得することが出来る。
従来の方法では印刷媒体が小さい場合にはテストパターン全体を印刷することができな
いため、スキャナー等で読み取って画像データを生成する際の歪を修正する基準となる下
側罫線が印刷されずに、正確な補正値を取得することができなかった。
しかし、本実施形態によれば、第1罫線群、及び、題2罫線群の中から検出された1の
罫線位置を下側罫線の代わりの下側基準位置とすることで、画像データのY方向歪を修正
することが可能になるため、あらゆるサイズの媒体に対応して正確な濃度補正値を取得す
ることが出来るようになる。
また、本実施形態のテストパターンを印刷するためのデータは最大サイズの媒体に合わ
せた1種類のみが用意されていればよく、印刷媒体の大きさを変更する度に新たなデータ
を作成するといった手間はかからない。そして、本実施形態におけるテストパターンは、
従来使用されているテストパターンから大きく変更するものではなく、従来のテストパタ
ーンの横に等間隔で並ぶ罫線群を加えただけのシンプルな構成である。したがって、テス
トパターンを印刷するための印刷データ作成にかかるコストもわずかなものである。
===変形例===
前述の実施形態では、テストパターンの横に互いにY方向位置が異なる2種類の罫線群
(第1罫線群・第2罫線群)が形成されていたが、テストパターンを挟んでY方向の同じ
位置に同一種類の罫線群(第3罫線群・第4罫線群)を形成する方法もある。これらの罫
線群を用いることにより、前述の効果に加えて、印刷時の媒体搬送方向がずれた場合(例
えば搬送時に媒体が蛇行しながら搬送されたような場合)でも、ズレを修正して、正確な
濃度補正値Hを取得することができる。
図24は、変形例における濃度補正用のテストパターンを示す図である。図24におい
て、テストパターン自体と、該テストパターン左側に形成された第1罫線群、及び、第2
罫線群は図18の場合と同様である。一方、テストパターンの右側には、第3形成群、及
び、第4罫線群が形成されている。
第3罫線群は第1罫線群に対応する罫線群であり、(3R−1)〜(3R−n)の罫線
が上側罫線位置からY方向にLの間隔で等間隔に並んでいる。つまり、第1罫線群中の罫
線(1R−n)と第3罫線群中の罫線(3R−n)とは、テストパターンを挟んでY方向
の同じ位置に形成される。
また、第4罫線群は第2罫線群に対応する罫線群であり、Y方向最上部の罫線(4R−
1)は上側罫線位置から3L/2下側に形成され、それ以降の罫線(4R−2〜4R−n
)はY方向にLの間隔で等間隔に並んでいる。つまり、第2罫線群中の罫線(2R−n)
と第4罫線群中の罫線(4R−n)とは、テストパターンを挟んでY方向の同じ位置に形
成される。
そして、第3罫線群中の罫線(3R−1〜3R−n)は第3探索領域によって、第4罫
線群中の罫線(4R−1〜4R−n)は第4探索領域によって、Y方向の位置情報が検出
される。第3探索領域、及び、第4探索領域は第1・第2探索領域と同じ大きさであり、
探索する範囲(Y方向範囲)も同じである。すなわち、第1・第2探索領域により、(1
R−n)の罫線が検出される場合には、第3・第4探索領域により、(3R−n)の罫線
が検出され、第1・第2探索領域により、(2R−n)の罫線が検出される場合には、第
3・第4探索領域により、(4R−n)の罫線が検出される。
テストパターンの印刷ずれが無ければ、第3・第4探索領域により検出された罫線のY
方向の位置は、第1・第2探索領域により検出された罫線のY方向の位置と同じはずであ
る。そこで、両位置情報を比較することで、テストパターンの左右で、Y方向位置にずれ
が生じていないかが確認される。
例えば、テストパターンの印刷時において、媒体が搬送される途中で蛇行したり斜めに
搬送されたりした場合には、テストパターン左右の罫線(例えば図24において2R−5
の罫線と4R−5の罫線)で、Y方向位置にずれが生じることがある。そのような場合、
両罫線のY方向の位置が同じになるように画像データを回転させる等の処理によって、左
右のズレを修正することができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容
易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、
その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含ま
れることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれる
ものである。
<印刷装置について>
前述の実施形態では、ラテラルスキャンタイプのプリンター1を例に挙げて説明したが
、プリンターはヘッドが固定された、いわゆるラインプリンターであってもよいし、ヘッ
ド41をキャリッジとともに移動させるシリアルプリンターであってもよい。
<使用するインクについて>
前述の実施形態では、YMCKの4色のインクを使用して記録する例が説明されていた
が、これに限られるものではない。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト、
クリア等、YMCK以外の色のインクを用いて記録を行ってもよい。
<ノズル列の配置について>
ヘッド部のノズル列は搬送方向上流側からYMCKの配列順で並んでいたが、これに限
られるものではない。例えば、ノズル列の順番が入れ替わっていてもよいし、Kインクの
ノズル列数が他のインクのノズル列数より多い構成などであってもよい。
<プリンタードライバーについて>
プリンタードライバーの処理はプリンター側で行ってもよい。その場合、プリンターと
ドライバーをインストールしたPCとで記録装置が構成される。
1 プリンター、5 原稿、
20 搬送ユニット、21 搬送ローラー、
30 駆動ユニット、31 X軸ステージ、32 Y軸ステージ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、50 検出器群、
60 コントローラー、61 インターフェイス部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、110 コンピューター、
120 表示装置、130 入力装置、140 記録再生装置、
150 スキャナー、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサー、159 光学系

Claims (8)

  1. (A)所定方向に並んだノズル列から媒体上に液体を噴出してドットを形成する液体噴
    出記録装置を用いて、
    前記所定方向と交差する交差方向に沿ったドット列が該所定方向に並ぶテスト
    パターンと、
    前記交差方向に沿って形成される上側罫線と、
    前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成される複数
    の罫線が、前記所定方向に並ぶ第1罫線群と、
    前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成される複数
    の罫線が、前記第1罫線群中の罫線と所定方向にずれた位置に並ぶ第2罫線群と、
    を形成する記録データに従って、
    前記テストパターンの所定方向の長さよりも前記所定方向の長さが短い媒体に、
    前記記録データの前記上側罫線と、
    前記テストパターン、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群の一部と、
    を形成し、
    (B)前記媒体に形成された前記テストパターン、前記上側罫線、前記第1罫線群、及
    び、前記第2罫線群を読み取った画像データから、前記第1罫線群及び前記第2罫線群の
    うち、下側罫線となる罫線を検出し、
    (C)前記画像データにおける、検出された前記下側罫線と前記上側罫線との間の実際
    の画素数を、前記テストパターンにおいて理論上形成されるドット列の数に合わせるよう
    に、前記画像データを修正し、
    (D)前記修正された画像データのそれぞれのドット列に対応する読取濃度に基づいて
    、それぞれのドット列に対応する補正値を算出する、
    ことを特徴とする、補正値取得方法。
  2. 請求項1に記載の補正値取得方法であって、
    前記第1罫線群中の罫線のうちY方向に隣接する2の罫線間の間隔と、前記第2罫線群
    中の罫線のうちY方向に隣接する2の罫線間の間隔とが等しく、
    前記第1罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出する第1探索
    領域と、前記第2罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出する第
    2探索領域とが同じ大きさであり、
    前記第1探索領域及び第2探索領域の前記所定方向の長さは、
    前記第1罫線群中の所定の罫線と、該所定の罫線とY方向に隣接する前記第2罫線群中
    の罫線との間隔よりも大きく、
    前記第1罫線群中の罫線のうち隣接する2の罫線間の間隔以下であること、を特徴とす
    る補正値取得方法。
  3. 請求項2に記載の補正値取得方法であって、
    前記罫線の前記所定方向の位置を検出する際に、
    前記探索領域の前記交差方向の画素列毎に階調値の平均値を算出し、
    算出された前記階調値の平均値について前記所定方向の分布を表したグラフが、所定の
    閾値と交わる点のうち、
    前記所定方向上側の点と、前記所定方向下側の点との中間の位置を、前記罫線の前記所
    定方向の位置として特定することを特徴とする補正値取得方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の補正値取得方法であって、
    前記第1罫線群を構成するそれぞれの罫線と、前記所定方向の同じ位置で、テストパタ
    ーンを挟んで前記交差方向の反対側に形成される、複数の罫線からなる第3罫線群と、
    前記第2罫線群を構成するそれぞれの罫線と、前記所定方向の同じ位置で、テストパタ
    ーンを挟んで前記交差方向の反対側に形成される、複数の罫線からなる第4罫線群と、
    を有し、
    前記画像データから、前記第3罫線群及び前記第4罫線群のうち、下側罫線となる罫線
    を検出し、
    前記第1罫線群及び前記第2罫線群の中から検出された下側罫線となる罫線の前記所定
    方向の位置と、
    前記第3罫線群及び前記第4罫線群の中から検出された下側罫線となる罫線の前記所定
    方向の位置と、
    を比較して、前記テストパターンの傾きを修正することを特徴とする補正値取得方法。
  5. メモリーに記憶され、
    所定方向に並んだノズル列から噴出されるインクによって前記所定方向と交差する交差
    方向に沿って形成されるドット列について、
    それぞれのドット列に対応する読取濃度に基づいて、それぞれのドット列に対応する補
    正値を取得する補正値取得プログラムであって、
    前記所定方向と交差する交差方向に沿ったドット列が該所定方向に並ぶテスト
    パターンと、前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成される複
    数の罫線が、前記所定方向に並ぶ第1罫線群と、前記上側罫線とは異なる罫線であって、
    前記交差方向に沿って形成される複数の罫線が、前記第1罫線群中の罫線と所定方向にず
    れた位置に並ぶ第2罫線群と、を形成する記録データに従って、
    前記テストパターンの所定方向の長さよりも前記所定方向の長さが短い媒体に、
    前記記録データの前記上側罫線と、
    前記テストパターン、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群の一部と、
    を形成させ、
    前記媒体に形成された前記テストパターン、前記上側罫線、前記第1罫線群、及び、
    前記第2罫線群を読み取った画像データから、前記第1罫線群及び前記第2罫線群のうち
    、下側罫線となる罫線を検出し、
    前記画像データにおける、検出された前記下側罫線と前記上側罫線との間の実際の画素
    数を、理論上形成されるドット列の数に合わせるように、前記画像データを修正し、
    前記修正された画像データに基づいて、前記補正値を取得することを特徴とする、補正
    値取得プログラム
  6. 請求項5に記載の補正値取得プログラムであって、
    前記第1罫線群中の罫線のうちY方向に隣接する2の罫線間の間隔と、前記第2罫線群
    中の罫線のうちY方向に隣接する2の罫線間の間隔とが等しく、
    前記第1罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出する第1探索
    領域と、前記第2罫線群の中から下側罫線となる罫線の前記所定方向の位置を検出する第
    2探索領域とが同じ大きさであり、
    前記第1探索領域及び第2探索領域の前記所定方向の長さは、
    前記第1罫線群中の所定の罫線と、該所定の罫線とY方向に隣接する前記第2罫線群中
    の罫線との間隔よりも大きく、
    前記第1罫線群中の罫線のうち隣接する2の罫線間の間隔以下であること、を特徴とす
    る補正値取得プログラム。
  7. 請求項5または6に記載の補正値取得プログラムであって、
    前記罫線の前記所定方向の位置を検出する際に、
    前記探索領域の前記交差方向の画素列毎に階調値の平均値を算出し、
    算出された前記階調値の平均値について前記所定方向の分布を表したグラフが、所定の
    閾値と交わる点のうち、
    前記所定方向上側の点と、前記所定方向下側の点との中間の位置を、前記罫線の前記所
    定方向の位置として特定することを特徴とする補正値取得プログラム。
  8. (A)所定方向に並んだノズル列を有し、媒体上に液体を噴出してドットを形成するヘ
    ッド部と、
    (B)前記ヘッド部を制御する制御部であって、
    前記所定方向と交差する交差方向に沿ったドット列が該所定方向に並ぶテスト
    パターンと、前記交差方向に沿って形成される上側罫線と、前記上側罫線とは異なる罫線
    であって、前記交差方向に沿って形成される複数の罫線が、前記所定方向に並ぶ第1罫線
    群と、前記上側罫線とは異なる罫線であって、前記交差方向に沿って形成される複数の罫
    線が、前記第1罫線群中の罫線と所定方向にずれた位置に並ぶ第2罫線群と、を形成する
    記録データに従って、
    前記テストパターンの所定方向の長さよりも前記所定方向の長さが短い媒体
    に、
    前記記録データの前記上側罫線と、
    前記テストパターン、前記第1罫線群、及び、前記第2罫線群の一部と、
    を形成し、
    前記媒体に形成された前記テストパターン、前記上側罫線、前記第1罫線群、
    及び、前記第2罫線群を読み取った画像データから、前記第1罫線群及び前記第2罫線群
    のうち、下側罫線となる罫線を検出し、
    前記画像データにおける、検出された前記下側罫線と前記上側罫線との間の実
    際の画素数を、理論上形成されるドット列の数に合わせるように、前記画像データを修正
    し、
    前記修正された画像データのそれぞれのドット列に対応する読取濃度に基づい
    て、それぞれのドット列に対応する補正値を算出する、
    ことを特徴とする、制御部と、
    を備える液体噴出記録装置。
JP2010072400A 2010-03-26 2010-03-26 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置 Withdrawn JP2011201216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010072400A JP2011201216A (ja) 2010-03-26 2010-03-26 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010072400A JP2011201216A (ja) 2010-03-26 2010-03-26 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011201216A true JP2011201216A (ja) 2011-10-13

Family

ID=44878427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010072400A Withdrawn JP2011201216A (ja) 2010-03-26 2010-03-26 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011201216A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123858A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Seiko Epson Corp 画像形成装置及びそのプログラム
JP2013147003A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Fujifilm Corp 吐出不良検出方法及び装置、画像処理装置、プログラム、並びに印刷システム
JP2015009501A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 富士フイルム株式会社 画像記録方法及び装置並びにプログラム
US9764575B2 (en) 2014-11-14 2017-09-19 Seiko Epson Corporation Color-measuring apparatus, print control apparatus, and print control method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123858A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Seiko Epson Corp 画像形成装置及びそのプログラム
JP2013147003A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Fujifilm Corp 吐出不良検出方法及び装置、画像処理装置、プログラム、並びに印刷システム
US8733877B2 (en) 2012-01-23 2014-05-27 Fujifilm Corporation Method and apparatus for detecting discharge defect, image processing apparatus, computer-readable recording medium, and printing system
JP2015009501A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 富士フイルム株式会社 画像記録方法及び装置並びにプログラム
US9764575B2 (en) 2014-11-14 2017-09-19 Seiko Epson Corporation Color-measuring apparatus, print control apparatus, and print control method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011201076A (ja) 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置
US20180086049A1 (en) Image inspection device, image inspection method, program, and ink jet printing system
JP4770258B2 (ja) 補正値の設定方法、及び、補正値の設定装置
US7561304B2 (en) Method of judging whether or not darkness of foreign matter has been read, method of calculating representative value of darkness of test pattern, and apparatus that judges whether or not darkness of foreign matter has been read
US20080152413A1 (en) Printing Method, Storage Medium Having Program Stored Thereon, and Printing System
JP2006272957A (ja) 記録装置およびその方法
JP2004338402A (ja) ハードコピー装置及び方法
JP5811516B2 (ja) 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、印刷装置。
EP2636529A1 (en) Image processing apparatus, inkjet recording apparatus, and image processing method and program
JP2011201216A (ja) 補正値取得方法、補正値取得プログラム、及び、液体噴出記録装置
JP6113102B2 (ja) 位置ズレオーダの検出方法、画像の位置ズレの補正方法、スジムラ補正テーブルの作成方法、及びスジムラ補正方法
JP2006305957A (ja) 異物濃度の読み取り有無の判定方法、及び、その判定装置
JP4635818B2 (ja) 画像の濃度補正の実行可否の判定方法
JP2006305963A (ja) 画像処理、補正値取得方法、印刷装置製造方法及び印刷方法
JP2006305954A (ja) 濃度測定方法、印刷方法、補正値算出方法及び印刷装置製造方法
JP2009226802A (ja) 補正値取得方法、及び、液体噴射装置
JP2008060922A (ja) 測定濃度値修正方法、印刷方法、補正値算出方法、及び、印刷装置の製造方法
JP4770257B2 (ja) 媒体の搬送ばらつき検出方法、及び、その検出装置
JP2008080678A (ja) 補正値取得方法及び印刷方法
JP6196181B2 (ja) スジムラ補正用チャート
JP2010269573A (ja) 補正値取得方法、及び、流体噴射装置
JP2008093851A (ja) 補正値の設定方法、補正値設定システム、及び、プログラム
US20110235125A1 (en) Printing apparatus, correction value calculating method, and storage medium
JP2006309624A (ja) 印刷方法、プログラム及び印刷制御装置
JP2006305960A (ja) 画像の濃度補正効果の確認方法、及び印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130604