JP5849085B2 - 電気加熱式の竪型ミキサー - Google Patents

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Description

本発明は菓子・パン類の製造に有用な電気加熱式の竪型ミキサーに関する。
一般に竪型ミキサーを使用して、卵や小麦粉、牛乳、砂糖、油脂などを含んだカスタードクリームの泡立てや、気泡を有するケーキ生地やスポンジ生地などの製造を行う場合、その食材を馴染みやすくしたり、キメ細かくバランスがとれた気泡を生成したりするためには、食材を加熱しながら撹拌する必要がある。
又、上記卵や牛乳、砂糖などの食材が冷えていたり、作業場所の雰囲気温度が低かったり、或いは湯種製パン生地の捏ね上げ温度を一定に保ったりするような場合にも、その食材収納容器(ボール)を加熱することが行われている。
この点、特許文献1に記載されている「電磁誘導加熱式のケーキミキサー」は、食材収納容器(ボール)(T)の電磁誘導加熱器(H)が昇降作動されるようになっている点と、撹拌子(44)を取り付け使用される偏心撹拌軸(43)が、ゆっくり公転運動すると同時にその公転運動する方向との逆方向へ、すばやく自転運動するようになっている点と、ボール(T)内の食材と接触する無線式の温度センサー(110)が、上記撹拌子(44)と一緒に公転運動するようになっている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
更に言えば、食材収納容器(ボール)(B)の受け止めホルダー(20)をミキサー本体フレーム(機体)(10)に沿って昇降作動させることは、特許文献2に記載されている。
他方、センター軸(27)に取り付け使用される第1撹拌子(A1)へ、食材(M)と接触する無線式の温度センサー(76)を取り付けることや、そのセンター軸(27)がゆっくり公転運動する方向との逆方向にすばやく自転運動する一対の偏心軸(42)へ、別個な第2撹拌子(A2)を取り付けることは、特許文献3に記載されている。
特許第4792070号公報 特開2003−170032号公報 特許第4729529号公報
ところが、特許文献1に記載の食材収納容器(ボール)(T)はその設置高さの一定不変に固定維持されており、これに対して真上位置の撹拌機(A)と真下位置の電磁誘導加熱器(H)とを、一挙同時に接近又は離反させるべく、昇降作動する機構になっているため、その足踏み操作式であることとも相俟って、倍速の優れた作業性を得られる利点がある反面、食材収納容器(ボール)(T)に対する撹拌子(44)の抜き差し使用上、その際に言わば動く必要がない電磁誘導加熱器(H)までも、常に付帯して昇降することとなる結果、製造上のコスト高と耐用性の低下を招く。
それにもまして、電磁誘導加熱器(H)が従来の湯煎器に代る加熱源として、食材収納容器(ボール)(T)の持ち運び時における水滴の落下を防止するために考え出されたものであり、その食材収納容器(ボール)(T)の円錐底面にフイットする円錐受け皿形のコイル受け篭(21)のみならず、これと対応する円錐受け皿形のコイル絶縁カバー層(23)から垂下する排水筒(24)をも要する点で、著しく複雑・特殊化し、汎用性に劣る問題がある。
この点、特許文献2に記載の竪型ミキサーでは、食材収納容器(ボール)(B)の受け止めホルダー(20)が昇降作動されるにとどまり、その加熱源を一緒に昇降作動させる旨の記載はなく、その加熱源すらも全然具備されていない。
又、特許文献1に記載された無線式の温度センサー(110)について言えば、これはゆっくり公転運動しながらも、同時に逆方向へすばやく自転運動する偏心撹拌軸(43)上の撹拌子(44)に取り付け使用されるようになっているため、その撹拌子(44)と一緒に高勢力で振り廻されることとなり、そのセンサーホルダー(111)(112)から脱落しないまでも、頻繁にガタツキ遊動して、早期に損傷してしまうおそれがある。
更に、特許文献3に記載された温度センサー(76)のように、これを自転運動せず、ゆっくり公転運動するに過ぎないセンター軸(27)上の第1撹拌子(A1)へ、取り付け使用するとしても、撹拌子(A1)へ取り付ける構成であることに変りはないため、その撹拌子(A1)の形質が食材の種類やその処理の目的に応じて、例えばワイヤーホイッパーやスクレーパー(羽根板)、フック、スクリューなどに変る毎に、温度センサー(76)とそのセンターホルダー(82)を取り付けなければならず、いたずらにコスト高となるほか、汎用性や利便性に劣るのである。
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1ではミキサー本体フレームにおける支柱の中途高さ位置へ容器受けアームを介して吊持された食材収納容器と、
その食材収納容器の真下位置に臨む電気加熱器を内蔵した加熱作用ボックスと、
同じく食材収納容器の真上位置に臨む撹拌機構の回転駆動源を搭載した撹拌作用ボックスと、
その撹拌作用ボックスから食材収納容器内の中心部に向かって垂下された撹拌機構のセンター主軸と、
上記回転駆動源によってセンター主軸と一体回転される回転ベアリングケースと、
その回転ベアリングケースから食材収納容器内の偏心部に向かってセンター主軸との平行状態に垂下し、且つ上記回転ベアリングケースへ各々自転し得るように軸受けされた第1、2偏心撹拌軸とを備え、
上記センター主軸を回転駆動すると、そのセンター主軸と一体回転する回転ベアリングケースを介して、第1、2偏心撹拌軸がセンター主軸の周囲を同じ方向へ公転運動すると同時に、その第1偏心撹拌軸が上記公転運動する方向との逆方向へ自転運動することとなる一方、第2偏心撹拌軸が上記公転運動する方向と同じ方向へ自転運動することとなるように関係設定した電気加熱式の竪型ミキサーにおいて、
上記第1偏心撹拌軸とセンター主軸との間隔距離を短かく確保して、その第1偏心撹拌軸の下端部には食材収納容器の半径よりも大きな回転直径の第1撹拌子を連結使用する一方、
上記第2偏心撹拌軸と同じくセンター主軸との間隔距離を長く確保して、その第2偏心撹拌軸の下端部には食材収納容器の半径よりも小さな回転直径の第2撹拌子を連結使用し、
しかも、その第1、2撹拌子の自転運動軌跡を互いに干渉又はオーバーラップしないように定め、
上記食材収納容器を寸胴鍋やその他の底面がフラットな導電性の容器とし、上記電気加熱器をその食材収納容器の底面と対応する平面形状の電磁誘導加熱器とすると共に、
上記食材収納容器の係止フランジを受け止め吊持する容器受けアームの後端部から一体的に垂下された背壁プレートへ、上記加熱作用ボックスを取り付け固定するほか、
上記支柱又はこれと平行な別個の昇降ガイド軸に沿って昇降する昇降スライダーを、上記容器受けアームの背壁プレートから後向き一体的に張り出して、その昇降スライダーの水平な軸受け台に付属一体化された固定ナットを、上記支柱と平行に垂立された回動ネジ軸との螺合締結状態に保って、
上記回動ネジ軸を撹拌作用ボックスの外部から回動ハンドルの手動操作により回動させれば、上記容器受けアーム側の昇降スライダーが支柱又は昇降ガイド軸に沿って昇降作用のみを行うように構成したことを特徴とする。
又、請求項2では撹拌作用ボックスから前向き一体的に張り出す支持ブラケットへ、食材収納容器の上昇ストッパーとなるネジ杆を昇降調整できるように取り付け、
そのネジ杆の先端部によって食材収納容器の上昇時における係止フランジを受け止めるように定めたことを特徴とする。
請求項3では容器受けアームの背壁プレートへ加熱作用ボックスを取り付け固定するに当り、
その加熱作用ボックスの後端部から一体的に張り出す取付プレートと、上記背壁プレートとの何れか一方に固定ボルトの受け入れ用昇降調整長孔を、残る他方にその固定ボルトの受け入れ用ネジ孔を各々開口形成して、
上記昇降調整長孔からネジ孔へ固定ボルトをねじ込むことにより、容器受けアームに受け止め吊持された食材収納容器の底面と、その真下位置に臨む電磁誘導加熱器との上下相互間隔を広く又は狭く微調整できるように定めたことを特徴とする。
請求項4では撹拌機構の回転駆動源によって回転されるセンター主軸の下端部か、又はそのセンター主軸と一体に公転運動する回転ベアリングケースの偏心部から、食材収納容器の内部に向かって無線送信器の感温部(接触式温度センサー)を垂下させ、
その無線送信器と対応する無線受信器又はこれと兼用タイプの測定温度表示器を、撹拌作用ボックスに設置して、
上記無線送信器の感温部(接触式温度センサー)により検知された食材の現在温度データが、予じめ設定された目標温度に到達した時には、その無線受信器からの出力電気信号に基いて、電磁誘導加熱器の高周波電源をオフ制御し、食材収納容器の加熱を自動停止するように定めたことを特徴とする。
更に、請求項5では撹拌作用ボックスにおける撹拌機構の回転ベアリングケースを包囲する水平な底板へ、円形リング状の回動ガイドレールを取り付け固定して、
その回動ガイドレールに係合された平面視の円弧状吊りアームから着脱自在の吊り板片を介して、把手付きの開閉カバーを一体的に吊り下げる一方、
その開閉カバーと相俟って平面視の円形に閉合されることとなる背面カバーを、上記撹拌作用ボックスの前面へ取り付け固定して、
上記開閉カバーをその回動ガイドレールに沿って手廻し操作することにより、容器受けアームに受け止め吊持されている食材収納容器の開放上面を、その背面カバーとの全体的な円形の包囲状態に閉鎖することができるように定めたことを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、センター主軸との間隔距離が短かい第1偏心撹拌軸上の回転直径が大きな第1撹拌子と、同じくセンター主軸との間隔距離が長い第2偏心撹拌軸上の回転直径が小さな第2撹拌子とは、相反する方向へ自転運動するが、その第1、2撹拌子の自転運動軌跡は互いに干渉又はオーバーラップしないように定めてあるため、第1、2偏心撹拌軸や延いては第1、2撹拌子の自転運動する回転ギヤ比を制約なく変更・調整することができる。
しかも、食材収納容器として寸胴鍋やその他の底面がフラットな導電性の容器を採用し、その電気加熱器として食材収納容器の底面と対応するフラットな平面形状の電磁誘導加熱器を採用しているため、上記第1、2撹拌子として掻き取り羽根板(スクレーパー)のみならず、食材の種類や粘度、その処理の目的などに応じたワイヤーホィッパー、バタービーター、フック、スクリュー、その他の金属材又は合成樹脂材から成る各種形態品を制約なく採用することができ、上記目的に応じた泡立てや撹拌、混合などのふさわしい処理を適確に行える効果がある。
第1、2撹拌子の自転運動軌跡が互いに干渉又はオーバーラップしていなくても、その第1撹拌子はセンター主軸からの短かい間隔距離を保つ第1偏心撹拌軸上にあり、しかも食材収納容器の半径よりも大きな回転直径として、その食材収納容器の垂直中心線を越えて大きく回転(自転)運動するようになっているため、食材収納容器内の中心部に食材処理上のウイークポイントやデッドスペースを発生するおそれはなく、全体の高効率な処理を行えるのである。
又、ミキサー本体フレームの支柱に沿って垂立されている回動ネジ軸を、作業者が撹拌作用ボックスの外部から回動ハンドルの手動操作によって回動させれば、容器受けアーム側の昇降スライダーが支柱又は昇降ガイド軸に沿って昇降作用のみを行い、その容器受けアーム側の背壁プレートに取り付け固定されている加熱作用ボックスも、一緒に昇降するため、その容器受けアームに受け止め吊持された食材収納容器と加熱作用ボックスに内蔵された電磁誘導加熱器とが、常時一定の位置関係を保ったままで、その上方から臨む第1、2撹拌子に対して一緒に昇降する結果となり、過不足のない安定な加熱作用を営ませることができる。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、食材収納容器の上昇ストッパーとなるネジ杆によって、その上昇ストッパー位置の昇降調整を行うこともできる。
又、請求項3の構成を採用するならば、食材収納容器の底面に対する電磁誘導加熱器の設置高さを正しく微調整することができ、その予じめ調整された状態のもとで、食材収納容器とその電磁誘導加熱器とが第1、2撹拌子に対して一緒に昇降するため、上記安定性がますます向上する。
請求項4の構成を採用するならば、そのセンター主軸の下端部又は回転ベアリングケースの偏心部から食材収納容器の内部に向かって垂下する無線送信器の感温部(接触式温度センサー)は、撹拌子に取り付け使用されるそれと異なって、高速に自転運動せず、ゆっくり公転運動するに過ぎないため、早期に損傷するおそれがなく、又撹拌子の形質に応じて取り付け方を変える必要もなく、利便性と汎用性に著しく優れる。
更に、請求項5の構成を採用するならば、開閉カバーの把手を握り持ち、その回動ガイドレールに沿い開閉カバーを手廻し操作して、ミキサー本体フレームの容器受けアームに受け止め吊持されている食材収納容器の開放上面を、その背面カバーとの全体的な円形の包囲状態に閉鎖することにより、作業中の安全性を確保できる効果がある。
本発明に係る電気加熱式の竪型ミキサーを示す正面図である。 図1の側面図である。 図1の平面図である。 食材収納容器の昇降作動機構を示す部分拡大断面図である。 図4の5−5線断面図である。 撹拌作用ボックスの内部を示す部分拡大図である。 図6の7−7線断面図である。 偏心撹拌軸の回転駆動機構を示す部分拡大断面図である。 図8の9−9線断面図である。 偏心撹拌軸の下端部に付属する撹拌子用連結スリーブを抽出して示す断面図である。 図10の11−11線断面図である。 開閉カバーの開閉検知部分を抽出して示す正面図である。 第1、2偏心撹拌軸に対する第1、2撹拌子(ホイッパー)の連結使用状態を示す断面図である。 接触式温度センサーを備えた無線送信器の断面図である。 本発明に係る竪型ミキサーの変形実施形態を示す図4に対応する部分拡大断面図である。 図15の16−16線断面図である。 図16の側断面図である。 図15の変形実施形態における撹拌作用ボックスの内部を示す部分拡大図である。 図18の部分拡大断面図である。 図19の20−20線断面図である。 撹拌機構の延長センター軸に温度センサーとスクレーパーを取り付けた使用例の正面図である。 図21の平面図である。 径大な第1撹拌子(ホイッパー)を抽出して示す正面図である。 図23の24−24線断面図である。 図23の25−25線断面図である。 径小な第2撹拌子(ホイッパー)を抽出して示す正面図である。 図26の27−27線断面図である。 本発明の第1使用例を示す断面図である。 図28の平面図であり、第1、2撹拌子(ホイッパー)の回転(自転)方向を示している。 図29における第1撹拌子(ホイッパー)の運動軌跡を示す平面図である。 図29における第2撹拌子(ホイッパー)の運動軌跡を示す平面図である。 第1、2撹拌子(ホイッパー)の総合的な運動軌跡を示す合成平面図である。 第1撹拌子(ホイッパー)による食材の打ち付け作用を示す断面図である。 本発明の第2使用例を示す断面図である。 本発明の第3使用例を示す断面図である。 本発明の第4使用例を示す断面図である。 本発明の第5使用例を示す断面図である。 図37の煮篭の平面図である。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述すると、図1〜3はその本発明の基本実施形態に係る竪型ミキサーの概略全体を示しており、これは作業床へ据え付けられる剛性なミキサー本体フレーム(M)と、その本体フレーム(M)の中途高さ位置に安定良く吊持される食材収納容器(寸胴鍋)(T)と、その食材収納容器(T)の真上位置に臨む撹拌機構(A)の駆動源を内蔵した撹拌作用ボックス(Ab)と、同じく食材収納容器(T)の真下位置に臨む加熱器(H)を内蔵した加熱作用ボックス(Hb)と、その食材収納容器(T)と加熱作用ボックス(Hb)とを上記撹拌機構(A)に対して、一緒に昇降作動させるための昇降作動機構(L)とから成る。
上記竪型ミキサーの主要な構成部材のうち、先ず食材収納容器(T)は一定な大きさ(例えば約400mmの直径と約248mmの深さ並びに約30リットルの容量を有する)の業務用寸胴鍋として、ステンレスとアルミとの3層クラッド材(例えば内側:SUS304+中間:アルミ+外側:SUS430)から作成されているが、導電性を有する底面がフラットな食材収納容器(T)であるならば、磁性体の発熱被膜が溶射された銅や磁性体の鉄、フェライト系ステンレス鋼、アルミと鉄とのクラッド材などから作成しても良い。
(1)は上記食材収納容器(寸胴鍋)(T)における垂直な胴面の中途高さ位置に溶接された径大なリング状の係止フランジであって、その直径線上から一体的に張り出す左右一対の耳片(2)を備えており、その両耳片(2)に開口する取付孔(3)が上記ミキサー本体フレーム(M)側の後述する容器受けアームから垂立する左右一対の芯出しガイドピンへ、上方から抜き差し自在に差し込みセットされるようになっている。
(4)は上記係止フランジ(1)から張り出す両耳片(2)の真上に対応位置する左右一対の把手であり、平面視の向かい合うコ字形として、食材収納容器(T)の胴面から一体的に張り出されているため、作業者がこれを両手で握り持ち乍ら、その食材収納容器(T)側の上記取付孔(3)を後述する容器受けアーム側の芯出しガイドピンへ抜き差し操作したり、食材収納容器(T)を運んだりすることができる。
上記ミキサー本体フレーム(M)は平面視の後向きに開放したチャンネル形鋼材から成る剛性な支柱(5)と、鋼管材から平面視の擬似H字形に溶接された脚枠(6)とを備え、その脚枠(6)の中間部が支柱(5)の下端部を貫通横断する組立状態に溶接されている。
そして、その支柱(5)の上端部には撹拌作用ボックス(Ab)が固定搭載されている一方、脚枠(6)の接地する4個所には据え付け高さ調整座(7)が各々螺合締結されている。
次に、食材収納容器(T)とその加熱作用ボックス(Hb)とを一緒に昇降作動させる機構(L)について言えば、(8)は上記食材収納容器(T)の係止フランジ(1)を受け止め吊持する容器受けアームであって、図5のような平面視の前向きに開放したほぼU字形又は馬蹄形をなし、その前端部付近から一体的に垂立する左右一対の芯出しガイドピン(9)へ、食材収納容器(T)側の上記取付孔(3)が上方から抜き差し自在に差し込みセットされることにより、その食材収納容器(T)が上記撹拌機構(A)や加熱器(H)との対応的な位置関係上、自づと正確な芯出し状態に固定維持されるようになっている。
他方、(10)は上記容器受けアーム(8)の後端部から一体的に垂下された背壁プレートであって、上記支柱(5)と平行しており、その背壁プレート(10)からは支柱(5)よりも広幅な一定間隔を保つ左右一対の昇降支持プレート(11)が、後向き一体的に張り出されている。
(12)は上記支柱(5)の開放した後面を囲む如く、両昇降支持プレート(11)の張り出し先端部(後端部)に固定横架された昇降スライダーであり、これから前向き一体的に張り出す水平な軸受け台(13)が、上記支柱(5)の内部に介在している。(14)は上記昇降支持プレート(11)に対する昇降スライダー(12)の取り付け固定ボルトである。
(15)は両昇降支持プレート(11)の付け根部(前端部)に各々軸支された左右一対づつ合計4個の遊転ローラー、(16)は同じく両昇降支持プレート(11)へ各々複数の固定ボルト(17)によって、前後方向への進退自在に取り付けられた別個な左右一対の調整プレートであり、その両調整プレート(16)にも左右一対づつ合計4個の遊転ローラー(18)が各々軸支されている。
そして、その昇降支持プレート(11)側の遊転ローラー(15)が昇降ガイドレールとなるチャンネル形支柱(5)の角隅部に沿って転動すると共に、調整プレート(16)側の遊転ローラー(18)が同じく支柱(5)の先端部に沿って転動することにより、上記昇降スライダー(12)を円滑に正しく昇降させることができるようになっている。
(19)は上記支柱(5)の内部に垂立された一定長さの回動ネジ軸であって、上記昇降スライダー(12)側の軸受け台(13)を貫通しており、その下端部には下降ストッパー(20)となる座金が取り付け固定されている一方、同じく回動ネジ軸(19)の上端部には比較的径小な従動ベベルギヤ(21)が嵌め付け一体化されている。
(22)は上記昇降スライダー(12)側の軸受け台(13)と相俟って、回動ネジ軸(19)の中途部を安定良く受け持つベアリング(23)のケースであり、上記撹拌作用ボックス(Ab)の下底部と支柱(5)の上端部との相互間に組み付け一体化されている。(24)は上記回動ネジ軸(19)の軸受け台(13)へ回動不能に取り付けられた固定ナットであり、その回動ネジ軸(19)との螺合締結状態に保たれている。
又、(25)は上記回動ネジ軸(19)側の従動ベベルギヤ(21)と直交状態に噛合する比較的径大な原動ベベルギヤであって、上記撹拌作用ボックス(Ab)を貫通横断する水平な回動ハンドル軸(26)の中途部へ、図6、7のようなキーやスプラインを介して嵌合されており、その回動ハンドル軸(26)が撹拌作用ボックス(Ab)から張り出す一端部(横端部)の回動ハンドル(27)を手動操作することによって、上記支柱(5)の内部に垂立している回動ネジ軸(19)を回動させることができるようになっている。
そのため、作業者が外部から回動ハンドル(27)を回動操作すれば、上記ベベルギヤ(21)(25)同士の噛合によって、支柱(5)内の回動ネジ軸(19)が速く(増速)回動し、これと固定ナット(24)を介して螺合締結状態にある昇降スライダー(12)が、その回動ネジ軸(19)に沿って昇降作用のみを行い、延いては上記容器受けアーム(8)に受け止め吊持されている食材収納容器(T)が、図2、4、6のように昇降することとなる。
その際、回動ネジ軸(19)の下端部に固定されている上記座金が、食材収納容器(T)の下降ストッパー(20)として働く一方、同じく食材収納容器(T)の上昇ストッパー(28)として働くネジ杆が、上記撹拌作用ボックス(Ab)における下底部付近から前向き一体的に張り出す支持ブラケット(29)を介して取り付けられており、そのネジ杆の先端部(下端部)によって上記食材収納容器(T)の径大な係止フランジ(1)を受け止めるようになっている。
尚、その食材収納容器(T)の下降ストッパー(20)となる座金並びに上昇ストッパー(28)となるネジ杆は、何れもその受け止めストッパー位置の昇降調整を行えるようになっている。
そして、上記容器受けアーム(8)の後端部から垂下した背壁プレート(10)には、加熱作用ボックス(Hb)の後端部から一体的に張り出す取付プレート(30)が、溶接や着脱可能な複数の固定ボルト(31)によって取り付けられており、その加熱作用ボックス(Hb)に内蔵された加熱器(H)と、これによって加熱される食材収納容器(T)とが一緒に安定良く昇降し得るようになっている。
その場合、上記固定ボルト(31)を受け入れる昇降調整長孔(32)が、加熱作用ボックス(Hb)側の取付プレート(30)に開口分布されており、ここから容器受けアーム(8)側の背壁プレート(10)に対応形成されたネジ孔(33)へ、その固定ボルト(31)をねじ込むことによって、上記容器受けアーム(8)に受け止め吊持された食材収納容器(T)の底面と、その真下位置に臨む加熱器(H)との上下相互間隔を、広く又は狭く微調整できるように構成することが好ましい。
上記加熱作用ボックス(Hb)はアルミの胴板(34)と底板(35)並びに耐熱性のガラス製又は合成樹脂製天板(36)から、図4のような食材収納容器(T)の底面とほぼ対応する大きさの円盤形に組み立てられており、その胴板(34)から上記取付プレート(30)が後向き一体的に張り出されているのである。
又、加熱作用ボックス(Hb)の底板(35)は上記胴板(34)の下端部付近から内向きに張り出す複数の支持ステー(37)へ、その下方からの固定ボルト(38)によって着脱自在に取り付けられている。
図示実施形態の加熱器(H)は電磁誘導加熱器として、その電磁誘導加熱コイル(39)がフラットなコイル受けベース(40)の上面へ、渦巻き状態に固定設置されており、その接続端子が撹拌作用ボックス(Ab)内の後述する加熱用インバータ(高周波電源)と電気配線されている。(41)はその配線用の可撓電線管、(42)は上記胴板(34)の後面に開口形成された放熱口を示している。
そして、上記コイル受けベース(40)はその脚柱(43)と固定ボルト(44)との複数づつを介して、上記加熱作用ボックス(Hb)の底板(35)へ着脱自在に取り付けられているため、その加熱作用ボックス(Hb)の下方から電磁誘導加熱器(H)を出し入れすることができる。
次に、上記撹拌作用ボックス(Ab)を説明すると、これは水平な上底部と下底部とを備えた図6のような側面視の倒立L字形に造形されており、その上底部に撹拌機構(A)の駆動源となるギヤードモーター(45)とその回転制御用インバータ(46)が、各々取付台(47)(48)を介して搭載されている。上記回動ネジ軸(19)のベアリングケース(22)は下底部に固定支持されている。
(49)は上記電磁誘導加熱コイル(39)の加熱用インバータ(高周波電源)であり、モーター回転制御用インバータ(46)の背後へ垂直の仕切り壁板(50)を介して、各種電装品(図示省略)と一緒に内蔵設置されている。(51)はその加熱用インバータ(49)などを冷却するための通気口であり、撹拌作用ボックス(Ab)の背後面に開口形成されている。
(52)は同じく撹拌作用ボックス(Ab)における上段空間の前面に取り付けられた操作パネルであり、ここには図1のような撹拌オン・オフスイッチ(53)や撹拌正逆切換えスイッチ(54)、モーターの回転速度調整ボリューム(55)、運転タイマーなどのほか、目標温度調整ボリューム(56)やその測定温度表示器(無線受信器)(57)なども設置されている。
撹拌機構(A)は上記ギヤードモーター(45)によって回転駆動されるセンター主軸(60)と、その周囲をセンター主軸(60)と同じ方向(F)へゆっくり公転運動すると同時に、その公転運動と同じ方向(F)並びに逆方向(R)へ各々比較的速く自転運動する第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とを備えており、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の下端部に各種の第1、2撹拌子(P1)(P2)が、各々着脱自在に連結使用されることとなる。その第1、2撹拌子(P1)(P2)については、後述する。
即ち、撹拌機構(A)の詳細を示した図6や図8〜11から明白なように、上記撹拌作用ボックス(Ab)内の上段空間を横断する水平な固定台(63)には、その上方からモーター取付台(47)と複数の脚柱(64)を介して、撹拌機構(A)の駆動用ギヤードモーター(45)が搭載されているが、その同じ固定台(63)の中央部にはギヤードモーター(45)から垂下するセンター主軸(60)を回転自在に軸受けするベアリング(65)の固定ケース(66)が、逆な下方から差し込み一体化されている。
(67)は上記水平な固定台(63)の下面と固定ベアリングケース(66)の胴面へ、複数の固定ボルト(68)と溶接によって強固に取り付け一体化された径大な円形のギヤ支持用天井板であり、そのギヤ支持用天井板(67)における周縁部の下面にはインターナルギヤ(内歯車)(69)が複数のボルト(70)によって取り付け固定されている。
又、(71)はそのインターナルギヤ(69)を更に下方から包囲し得る径大な断面U字形の回転ベアリングケースであり、その中心部のボスが上記センター主軸(60)の下端部へ、キーやスプラインを介して一体回転し得るように嵌合されている。(72)はその回転ベアリングケース(71)の抜け止めナットであり、センター主軸(60)の下端部に螺合締結されている。
そして、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対は何れも食材収納容器(T)内の偏心部に向かって垂下するが、その一方の第1偏心撹拌軸(61)が上記センター主軸(60)と短かい間隔距離(D1)(例えば約83.75mm)を保つ平行状態にあるに反して、他方の第2偏心撹拌軸(62)は同じくセンター主軸(60)と長い間隔距離(D2)(例えば約115mm)を保つ平行状態にあり、その何れも回転ベアリングケース(71)内の対応位置するベアリング(73)(74)によって回転(自転)自在に軸受けされている。
又、上記固定設置状態にあるギヤ支持用天井板(67)側のインターナルギヤ(69)に内接して、これと噛合回転し得る比較的径大な第1ピニオンギヤ(75)が、上記第1偏心撹拌軸(61)の上端部に嵌め付け一体化されている。
更に、同じくギヤ支持用天井板(67)側のインターナルギヤ(69)に内接して、これと噛合回転し得るアイドルギヤ(中間歯車)(76)が、上記センター主軸(60)と平行に垂立するアイドルギヤ軸(77)を介して、上記回転ベアリングケース(71)に軸支されていると共に、そのアイドルギヤ(76)と噛合回転し得る別個の比較的径小な第2ピニオンギヤ(78)が、上記第2偏心撹拌軸(62)の上端部に嵌め付け一体化されている。(79)は上記アイドルギヤ(76)を回転自在に軸受けするベアリング、(80)はそのアイドルギヤ軸(77)の抜け止めナットを示している。
この点、図示実施形態のアイドルギヤ(76)は第1ピニオンギヤ(75)と同じ直径を備えており、第1偏心撹拌軸(61)が公転速度の約4倍として、第2偏心撹拌軸(62)が同じく公転速度の約6倍として、各々高速に回転(自転)するギヤ比になっているが、この回転ギヤ比は食材の種類又は/及びこれに対して付与する処理の目的(必要な撹拌子の種類)などに応じて、自由自在に変更・調整することができる。
そのため、上記センター主軸(60)が図9の矢印方向(F)へ回転駆動されると、そのセンター主軸(60)と一体回転する上記回転ベアリングケース(71)を介して、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とアイドルギヤ軸(76)がセンター主軸(60)の周囲を同じ方向(F)へゆっくり公転運動することになる。
そして、その公転運動と同時に、上記第1偏心撹拌軸(61)がその上端部の第1ピニオンギヤ(75)と上記インターナルギヤ(69)との噛合回転によって、上記公転運動する方向(F)との逆方向(R)へすばやく自転運動することになる一方、第2偏心撹拌軸(62)はその上端部の第2ピニオンギヤ(78)と上記アイドルギヤ(76)との噛合回転並びにそのアイドルギヤ(76)と上記インターナルギヤ(69)との噛合回転を経て、第1偏心撹拌軸(61)が自転運動する方向(R)との逆方向(F)(上記公転運動する方向)へ、しかもその第1偏心撹拌軸(61)の回転(自転)速度よりも速く自転運動することになる。
その場合、上記センター主軸(60)と延いては第1、2偏心撹拌軸(61)(62)をその回転駆動源のギヤードモーター(45)によって、図9の矢印方向(F)と逆な方向(R)へ公転運動させることも可能であるが、上記アイドルギヤ(76)を介して自転運動する第28心撹拌軸(62)と、その上端部の第2ピニオンギヤ(78)との嵌合面には、ワンウェイクラッチ(81)が介挿設置されており、上記センター主軸(60)が上記矢印方向(F)との逆方向(R)へ回転駆動された時に限って、そのワンウェイクラッチ(81)の働きにより第2ピニオンギヤ(78)から第2偏心撹拌軸(62)への伝動作用を切断し、その第2偏心撹拌軸(62)だけが自づと停止するようになっている。
上記撹拌機構(A)における第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の下端部は、図8や図10、11に示すような咬み合いフック(82)として切り欠かれている。(83)はその第1、2偏心撹拌軸(61)(62)へ各々下方から差し込み套嵌された連結スリーブ、(84)はその連結スリーブ(83)に固定ボルト(85)を介して取り付けられた抜け止め片であり、これが上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の円周面に各々列設された昇降ガイド溝レール(86)へ係止して、その偏心撹拌軸(61)(62)から脱落しないようになっている。
(87)は上記撹拌作用ボックス(Ab)の上底部に固定設置された水平な底板であって、上記断面U字形の径大な回転ベアリングケース(71)を包囲しており、その底板(87)の下面には円形リング状の回動ガイドレール(88)が、複数のボルト(89)によって取り付け固定されている。
上記回動ガイドレール(88)は図8のように断面ほぼコ字形をなし、その凹周溝内に吊りアーチ(90)の上端フック(91)が係合されている。吊りアーチ(90)は合成樹脂材から平面視の円弧状に弯曲形成されており、これから着脱自在の吊り板片(92)を介して、把手(93)付きの開閉カバー(94)が一体的に吊り下げられている。
その開閉カバー(94)はステンレス鋼板から上記吊りアーチ(90)と同じく、望ましくは約240度の円弧状に弯曲形成されている。(95)はその開閉カバー(94)と相俟って平面視の円形に閉合されることとなる背面カバーであって、やはりステンレス鋼板から残る約120度の円弧状に弯曲形成されており、上記撹拌作用ボックス(Ab)における下半部の正面(前面)へ、支持ステー(96)を介して取り付け固定されている。
そのため、開閉カバー(94)の把手(93)を握り持ち、上記回動ガイドレール(88)に沿って開閉カバー(94)を手廻し操作することにより、ミキサー本体フレーム(M)の容器受けアーム(8)に受け止め吊持されている食材収納容器(T)の開放上面を、その背面カバー(95)との全体的な円形の包囲状態に閉鎖することができ、その作業中の安全性を確保し得るのである。
(97)は上記開閉カバー(94)の円弧胴面に臨む開閉検知センサー(近接スイッチ)であって、これが開閉カバー(94)の上記閉鎖状態を検知しない限り、作業者が操作パネル(62)上の電源スイッチ(図示符号省略)をオン操作しても、撹拌機構(A)は始動しない。その検知センサー(97)が撹拌機構(A)の電源スイッチとして働くようになっているのである。
尚、上記開閉カバー(94)を適度に回動操作して開放することにより、その食材収納容器(T)に対する食材の出し入れ作業を行えることは言うまでもない。
更に、第1、2偏心撹拌軸(61)(62)を回転(自転)自在に軸受けしている回転ベアリングケース(71)が、撹拌機構(A)のセンター主軸(60)と一体回転する旨を既に説明したけれども、その回転ベアリングケース(71)の偏心部からは図6や図13のようなセンサーホルダー(98)が一体的に垂下されている。
(99)はそのセンサーホルダー(98)の下端部に設けられた受け輪であり、ここへ上方から抜き差し自在に差し込み係止された無線送信器(S)の感温部(接触式温度センサー)(100)が、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対と一緒にゆっくり公転運動しながら、食材収納容器(T)内にある食材の加熱温度(品温)をリアルタイムに検知(測定)する。
上記無線送信器(S)は図14に抽出して示すような金属製の筐胴(101)と、その開口両端部へ各々防水用Oリング(102)(103)を介して、開閉自在に螺合締結された金属製の口金(104)並びに合成樹脂製のキャップ(105)と、その口金(104)の中心部から一体的に突出する細長い金属製のノーズ管(106)とから、全体的な注射器形に組み立てられており、その食材の中へ差し込み使用されることとなるノーズ管(106)の先端部(下端部)に、サーミスターや測温抵抗箔、熱電対箔などの接触式温度センサー(100)が取り付けられている。
しかも、上記筐胴(101)にマイクロコンピューターが実装された基板(107)とその駆動源の電池(108)を、上記キャップ(105)に送信アンテナ(109)を各々内蔵している。(110)は上記温度センサー(100)と基板(107)とを接続する伝送線である。
そして、このような接触式温度センサー(100)を備えた無線送信器(S)と対応する受信器は、先に一言した測定温度表示器(57)との兼用タイプとして、撹拌作用ボックス(Ab)上の操作パネル(52)に組み込み一体化されており、その送信器(S)から無線信号として送信される食材の現在温度データを、無線受信器が受信して、操作パネル(52)上の測定温度表示器(57)に出力表示すると共に、その現在温度データが予じめ上記目標温度調整ボリューム(56)によって設定された目標温度に到達した時、その受信器からの出力電気信号によって上記電磁誘導加熱器(H)の高周波電源(加熱用インバータ)(49)をオフ制御し、食材収納容器(T)の加熱を自動停止するようになっている。
次に、図15〜20は竪型ミキサーの変形実施形態を示しており、これが図1〜13の上記基本実施形態と異なる構成を要説すると、下記のとおりである。
つまり、食材収納容器(寸胴鍋)(T)とその加熱作用ボックス(Hb)とを一緒に昇降作動させる機構(L)について、上記基本実施形態の場合ミキサー本体フレーム(M)の支柱(5)自身を昇降ガイドレールとし、これに沿い転動する合計8個の遊転ローラー(15)(18)を介して、容器受けアーム(8)側の昇降スライダー(12)を昇降させるようになっているが、ここに変形実施形態では後向き開放する側面視のコ字形昇降ユニットベース(111)を、支柱(5)の内部へ左右一対づつ合計4本のボルト(112)によって取り付け固定すると共に、その昇降ユニットベース(111)における上下一対の水平な軸受け盤(113)(114)に内蔵されたベアリング(115)(116)により、回動ネジ軸(19)の中途部と下端部とを回動自在に支持している。
そして、回動ネジ軸(19)の両隣りに並列する左右一対の昇降ガイド軸(117)をその回動ネジ軸(19)と同じく、容器受けアーム(8)における昇降スライダー(12)の軸受け台(13)へ貫通状態に垂立させて、やはり回動ネジ軸(19)を回動操作すれば、その容器受けアーム(8)側の昇降スライダー(12)が両昇降ガイド軸(117)に沿って、円滑に正しく昇降作用するようになっている。
その場合、上記コ字形をなす昇降ユニットベース(111)の下側軸受け盤(114)が、昇降スライダー(12)を受け止める下降ストッパーとして働く。上記回動ネジ軸(19)との螺合締結状態を保つ固定ナット(24)は、角筒形として軸受け台(13)に嵌め付け一体化されており、昇降スライダー(12)の直進的な昇降作用のみを許すことは言うまでもない。
又、上記竪型ミキサーの基本実施形態では食材収納容器(T)の底面とその加熱器(H)との上下相互間隔を、広く又は狭く微調整するための構成として、固定ボルト(31)のネジ孔(33)を容器受けアーム(8)側の背壁プレート(10)に、その固定ボルト(31)の受け入れ用昇降調整長孔(32)を加熱作用ボックス(Hb)側の取付プレート(30)に、各々開口形成しているが、図15〜20の変形実施形態では上記固定ボルト(31)のねじ込み方向を逆向きとして、その昇降調整長孔(32)を容器受けアーム(8)側の背壁プレート(10)に、ネジ孔(33)を加熱作用ボックス(Hb)側の取付プレート(30)に各々開口形成している。
同じく図15〜20の変形実施形態では、撹拌作用ボックス(Ab)の内部にあるモーター取付台(47)から、受信器支持スタンド(118)を一体的に立設して、上記無線送信器(S)と対応する無線受信器(119)をその支持スタンド(118)の上面中央部に設置している。上記基本実施形態と異なり、操作パネル(52)の温度表示器(57)と別個独立の無線受信器(119)を採用しているわけである。
図18、19の符号(120)は食材の追加投入シュートを示しており、これを上記開閉カバー(94)への抜き差し自在に差し込み使用するならば、撹拌機構(A)の運転中食材収納容器(T)が安全な包囲状態に閉鎖されていても、その撹拌機構(A)の運転を停止することなく、その追加投入シュート(120)から食材収納容器(T)の内部へ、例えば小麦粉や牛乳、砂糖、その他の必要な食材を追加投入することができ、作業上の利便性が向上する。
更に、上記竪型ミキサーの基本実施形態ではセンター主軸(60)と一体的に回転する径大な回転ベアリングケース(71)の偏心部から、センサーホルダー(98)を一体的に垂下させて、その下端部の受け輪(99)へ無線送信器(S)を差し込み係止しているが、その無線送信器(S)が第1、2撹拌子(P1)(P2)の回転(自転)運動軌跡と干渉しない限り、図18〜20の変形実施形態に示す如く、上記センター主軸(60)の下端部から食材収納容器(T)内の中心部に向かって、センサーホルダーとなる延長センター軸(121)を一体回転し得るように垂下させ、その下端部へ別個な眼鏡型や2つ割り型などのクランプ金具(122)を取り付けて、そのクランプ金具(122)へ上記無線送信器(S)を上方から抜き差し自在に差し込み、その脱落不能な使用状態に係止しても良い。
その場合、図21、22の別な変形実施形態から明白なように、上記2つ割り型クランプ金具(122)の一端部(横端部)へ無線送信器(S)を差し込み係止させると共に、同じくクランプ金具(122)の他端部(横端部)へスクレーパー(樹脂板)(123)の支軸(124)を取り付けて、そのスクレーパー(123)により食材収納容器(寸胴鍋)(T)の垂直な内壁面(胴面)に付着する食材を、自づと掻き取ることができるように構成しても良い。(125)はスクレーパー(123)の先端部を食材収納容器(T)の内壁面(胴面)へ弾圧付勢するコイルバネ、(126)はそのスクレーパー(123)の回動支点となる垂直なヒンジピンである。
尚、図15〜22の変形実施形態におけるその他の構成は上記基本実施形態と実質的に同一であるため、その図15〜22に図1〜13との同一符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
先に一言した第1、2撹拌子(P1)(P2)としては、底面がフラットな食材収納容器(寸胴鍋)(T)と一緒に使って、菓子・パン類の生地となる必要な材料の泡立て(ホイッピング)や撹拌(ビーティング)、混合(ミキシング)などの処理を行えるならば、その処理の目的に応じた掻き取り羽根板やワイヤーホイッパー、バタービーター、フック、スクリュー、その他の金属材又は合成樹脂材から成る各種形態品を採用することができる。
この点、図6、13や図23〜29に示した第1、2撹拌子(P1)(P2)は側面視のほぼU字形に曲成されたステンレスワイヤーの多数から、その垂直の胴部(Y)が全体的な円筒形となり、且つ水平な底部(X)がその中央個所での立体交叉する階層状態となる篭体(B)に組み立てられたホイッパーである。
しかも,そのホイッパーとして具体化された撹拌子は、上記第1偏心撹拌軸(61)に連結使用される径大な第1撹拌子(ホイッパー)(P1)と、上記第2偏心撹拌軸(62)に連結使用される径小な第2撹拌子(ホイッパー)(P2)との一対として用意されており、その第1撹拌子(P1)の回転直径(d1)(例えば約210mm)が上記食材収納容器(寸胴鍋)(T)の半径寸法(r)よりも大きく、第2撹拌子(P2)の回転直径(d2)(例えば約150mm)が同じく食材収納容器(T)の半径寸法(r)よりも小さく相違変化されることによって、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の回転(自転)運動軌跡が互いに干渉又はオーバーラップしないように関係設定されている。
又、その径大な第1撹拌子(P1)が上記センター主軸(60)との短かい間隔距離(D1)を保つ第1偏心撹拌軸(61)に連結されて、図28、29のように食材収納容器(T)の垂直中心線(O−O)を越えて大きく回転(自転)運動するため、その食材収納容器(T)の中心部に食材処理上のウィークポイントやデッドスペースを発生するおそれもなく、全体の高効率な処理を行えるのである。
更に、径小な第2撹拌子(P2)は上記センター主軸(60)との長い間隔距離(D2)を保つ第2偏心撹拌軸(62)に連結使用されるが、その第1、2撹拌子(P1)(P2)は相反する方向(R)(F)へ回転(自転)運動するため、食材をその収納容器(T)の全体的に対流・撹拌させることができ、良好な混合状態を得られるのであり、このことには上記回転ギヤ比を変更・調整できることも大いに役立つ。
そして、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の取付支軸(130)には上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)側の咬み合いフック(82)と対応位置する図23、25、26のような咬み合いフック(131)が設けられており、これを撹拌機構(A)側の第1、2偏心撹拌軸(61)(62)へ連結使用する際、作業者が上記連結スリーブ(83)を一旦押し上げ操作して、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)側の咬み合いフック(82)へ第1、2撹拌子(P1)(P2)における取付支軸(130)側の咬み合いフック(131)を咬み合わせ一本化した後、上記連結スリーブ(83)の押し上げ操作を解除すれば良い。
そうすれば、その第1、2撹拌子(P1)(P2)は上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)と各々一体回転(自転)し得る連結状態に保たれることとなる。上記連結スリーブ(83)を再度押し上げ操作して、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)から第1、2撹拌子(P1)(P2)を取りはずすことができることは、言うまでもない。
その場合、図示の実施形態では上記回転直径(d1)の大きな第1撹拌子(P1)が連結使用される第1偏心撹拌軸(61)の太さを太く、回転直径(d2)の小さな第2撹拌子(P2)が連結使用される第2偏心撹拌軸(62)の太さを細く相違変化させることにより、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)に対して第1、2撹拌子(P1)(P2)を連結使用する作業上の誤まりを防止し得るようになっているが、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)や第1、2撹拌子(P1)(P2)における取付支軸(130)などの太さについては、互いに同一に設定してもさしつかえない。
図28、29は卵白の泡立てによるメレンゲやスポンジ生地などの製造に供した本発明の第1使用例を示しており、上記撹拌機構(A)の第1偏心撹拌軸(61)へ回転直径(d1)が大きな第1撹拌子(ホイッパー)(P1)を連結すると共に、同じく第2偏心撹拌軸(62)へ回転直径(d2)が小さな第2撹拌子(ホイッパー)(P2)を連結した上、その撹拌機構(A)のセンター主軸(60)をギヤードモーター(45)によって、図22の矢印方向(F)へ回転駆動すれば、上記第1、2撹拌子(P1)(P2)の一対が一緒に同じ方向(F)へゆっくり公転運動すると同時に、相反する方向(R)(F)へ自転運動することになる。
即ち、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)がセンター主軸(60)と一体回転する回転ベアリングケース(71)を介して、図29の矢印方向(F)へ公転する運動中には、その第1偏心撹拌軸(61)上の径大な第1撹拌子(P1)が上記公転運動する方向(F)との逆方向(R)へ速く自転運動し、その運動軌跡は図30のようなハイポサイクロイド曲線を描く一方、第2偏心撹拌軸(62)上の径小な第2撹拌子(P2)は上記公転運動する方向(F)と同じ方向(F)へ、第1撹拌子(P1)よりも高速に自転運動して、その運動軌跡が図31のようなエピサイクロイド曲線を描き、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の一対が総合的に図32のような運動軌跡を描くこととなる。
その場合、上記第1撹拌子(P1)はセンター主軸(60)からの短かい間隔距離(D1)を保つ第1偏心撹拌軸(61)上にあり、しかも食材収納容器(T)の半径寸法(r)よりも大きな回転直径(d1)として、その容器(T)の垂直中心線(O−O)を越えて大きく回転(自転)運動するため、食材収納容器(T)の中心部に位置する食材をも洩れや不足なく処理することができ、図32のように合成された運動軌跡での泡立て(ホイッピング)を効率良く行える。
又、上記第1撹拌子(P1)の回転直径(d1)が大きくても、その第1撹拌子(P1)の回転(自転)運動軌跡と第2撹拌子(P2)のそれとは干渉又はオーバラップしないように関係設定されているため、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の回転(自転)速度を制約なく相違変化させることができ、その周速度を互いにほぼ等しく維持することも可能である。
その結果、上記公転運動と自転運動との同時進行する第1、2撹拌子(P1)(P2)が、底面のフラットな食材収納容器(寸胴鍋)(T)と一緒に使用し得るほぼ円筒形をなし、底面の水平であることに基き、食材を図33の矢印(Z)で示すように、食材収納容器(T)の垂直な内壁面へ直角な水平方向からロスなく、且つ均等な力で打ち付けることができることとも相俟って、特に卵白の所謂コシ切りや空気の抱き込みなどを短時間での円滑・確実に行え、細かく高品質のメレンゲを得られる。
図28、29では卵白の泡立てによるメレンゲやスポンジ生地などの製造に供した本発明の使用例を示したが、これと対応する図34の別な第2使用例に示す如く、上記第1ホイッパーに代るやはり回転直径(d1)が大きな合成樹脂材の掻き取り羽根板(スクレーパー)を第1撹拌子(P1)として、上記第1偏心撹拌軸(61)へ互換的に連結使用する一方、上記回転直径(d2)の小さな第2撹拌子(ホイッパー)(P2)はそのまま第2偏心撹拌軸(62)へ連結使用することにより、例えばカスタードクリームの製造に供することもできる。
又、図35の第3使用例に示すように、回転直径(d1)が大きな掻き取り羽根板(スクレーパー)を第1撹拌子(P1)として、やはり第1偏心撹拌軸(61)へ連結使用する一方、上記第2ホイッパーに代るやはり回転直径(d2)が小さな合成樹脂材の練り込みビーターを第2撹拌子(P2)として、上記第2偏心撹拌軸(62)へ連結使用することにより、例えば和菓子の餡やカレールー、チョコレート、ジャムなどの製造に供することも可能である。
更に、図36の第4使用例に示す如く、回転直径(d1)が大きな金属材の練り込みフックを第1撹拌子(P1)とし、回転直径(d2)が小さな金属材の練り込みフックを第2撹拌子(P2)として、その対応的な上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)へ各々連結使用することにより、例えばシュー生地やパン生地、ピザ生地などの製造に供することもできるのである。
何れにしても、第1偏心撹拌軸(61)と第2偏心撹拌軸(62)とが自転運動する回転ギヤ比を、変更・調整することができるため、その変更・調整に基いて、例えば第1、2撹拌子(P1)(P2)の周速度を互いに等しく設定することにより、カスタードクリームや粒餡、ホワイトソース、スープなどの全体的に均一な対流を起生させたり、或いは逆に第1、2撹拌子(P1)(P2)の周速度を互いに大きく相違させることによって、例えばメレンゲや練り餡、パン生地、ジャムなどに衝突し合う如き対流(練り込み作用)を起したりすることができ、食材の種類や粘度、その希望する目的などに応じた泡立てや撹拌、混合などのふさわしい処理を適確に行えるのである。
又、図示実施形態の竪型ミキサーでは食材収納容器(T)内にある食材の接触式温度センサー(100)を備えた無線送信器(S)が、撹拌機構(A)のギヤードモーター(45)によってセンター主軸(60)と一体回転される上記回転ベアリングケース(71)から、センサーホルダー(98)を介して垂下された設置使用状態にあるため、その回転ベアリングケース(71)に軸受けされた第1、2偏心撹拌軸(61)(62)がゆっくりと公転運動する過程において、その温度センサー(100)により食材の現在温度(品温)を確実に安定良く検知(測定)することができる。
そして、このような食材の温度検知(測定)は図18〜20の変形実施形態に示した設置使用状態の温度センサー(100)でも行えるのであり、何れにしても設定温度の調整可能な電気加熱器(H)によって、食材を加熱するようになっているため、例えば卵白の粘り(表面張力)を緩ませて早くコシ切り作用したり、洋菓子の生地に含まれるバターや砂糖などを早く溶解作用したりすることなどに役立つ。
更に、図示実施形態の竪型ミキサーでは撹拌機構(A)のギヤードモーター(45)によって回転駆動されるセンター主軸(60)を有するため、これから食材収納容器(T)内の中心部に向かって垂下する一体回転可能な延長センター軸(121)の下端部へ図37、38の第5使用例に示すような着脱自在の吊り下げ金具(132)を介して、煮篭(C)を吊り下げ、その煮篭(C)に収容した豆類や芋類、栗、果実、魚介,肉塊、惣菜、その他の各種固形食材(133)を、上記食材収納容器(T)に貯溜した糖蜜(シロップ)や煮汁(調味液)などの漬け込み液(134)へ漬け込んだ状態のもとで加熱し、上記煮篭(C)の回転と延いては漬け込み液(134)の対流・循環により、固形食材(133)の濃密な熟成状態を得ることもできるのである。
そして、食材収納容器(T)をその容器受けアーム(8)から取りはずして、熟成された固形食材(133)が入っている煮篭(C)と一緒に持ち運べるのであり、その持ち運び時に食材収納容器(T)から漬け込み液(134)が滴下して、作業床を濡らし汚すおそれはない。その意味でも湯煎法と異なり、利便性や安全性に優れる。
その場合、上記無線送信器(S)の接触式温度センサー(100)は固形食材(133)の型崩れ防止用落し蓋(135)に受け止め保持させることが好ましい。(136)は煮篭(C)の芯筒であり、その上端部が上記吊り下げ金具(132)への係止フック(137)として弯曲形成されている。尚、煮篭(C)のみならず、その芯筒(136)並びに落し蓋(135)も発錆しない金属のパンチングメタルやステンレス金網、その他の多孔体から造形されていることは、言うまでもない。
(1)・係止フランジ
(2)・耳片
(3)・取付孔
(4)・把手
(5)・支柱
(8)・容器受けアーム
(9)・芯出しガイドピン
(10)・背壁プレート
(12)・昇降スライダー
(15)(18)・遊転ローラー
(16)・回動ネジ軸
(17)・軸受台
(19)・昇降スライダー
(20)・下降ストッパー
(26)・回動ハンドル軸
(27)・回動操作ハンドル
(28)・上昇ストッパー
(39)・電磁誘導加熱コイル
(45)・ギヤードモーター
(47)(48)・取付台
(57)(119)・測定温度表示器(無線受信器)
(60)・センター主軸
(61)・第1偏心撹拌軸
(62)・第2偏心撹拌軸
(65)(73)(74)(79)・ベアリング
(66)・固定ベアリングケース
(67)・ギヤ支持用天井板
(69)・インターナルギヤ
(71)・回転ベアリングケース
(74)・第1ピニオンギヤ
(76)・アイドルギヤ
(78)・第2ピニオンギヤ
(81)・ワンウェイクラッチ
(82)(131)・咬み合いフック
(83)・連結スリーブ
(84)・抜け止め片
(86)・昇降ガイド溝レール
(94)・開閉カバー
(95)・背面カバー
(97)・近接センサー
(98)・センサーホルダー
(100)・温度センサー
(130)・取付支軸
(A)・撹拌機
(Ab)・撹拌作用ボックス
(B)・篭体
(C)・煮篭
(H)・加熱器
(Hb)・加熱作用ボックス
(L)・昇降作動機構
(M)・ミキサー本体フレーム
(P1)(P2)・第1、2撹拌子
(S)・無線送信器
(T)・食材収納容器
(D)(D1)(D2)・間隔距離

Claims (5)

  1. ミキサー本体フレーム(M)における支柱(5)の中途高さ位置へ容器受けアーム(8)を介して吊持された食材収納容器(T)と、
    その食材収納容器(T)の真下位置に臨む電気加熱器(H)を内蔵した加熱作用ボックス(Hb)と、
    同じく食材収納容器(T)の真上位置に臨む撹拌機構(A)の回転駆動源(45)を搭載した撹拌作用ボックス(Ab)と、
    その撹拌作用ボックス(Ab)から食材収納容器(T)内の中心部に向かって垂下された撹拌機構(A)のセンター主軸(60)と、
    上記回転駆動源(45)によってセンター主軸(60)と一体回転される回転ベアリングケース(71)と、
    その回転ベアリングケース(71)から食材収納容器(T)内の偏心部に向かってセンター主軸(60)との平行状態に垂下し、且つ上記回転ベアリングケース(71)へ各々自転し得るように軸受けされた第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とを備え、
    上記センター主軸(60)を回転駆動すると、そのセンター主軸(60)と一体回転する回転ベアリングケース(71)を介して、第1、2偏心撹拌軸(61)(62)がセンター主軸(60)の周囲を同じ方向(F)へ公転運動すると同時に、その第1偏心撹拌軸(61)が上記公転運動する方向(F)との逆方向(R)へ自転運動することとなる一方、第2偏心撹拌軸(62)が上記公転運動する方向(F)と同じ方向(F)へ自転運動することとなるように関係設定した電気加熱式の竪型ミキサーにおいて、
    上記第1偏心撹拌軸(61)とセンター主軸(60)との間隔距離(D1)を短かく確保して、その第1偏心撹拌軸(61)の下端部には食材収納容器(T)の半径(r)よりも大きな回転直径(d1)の第1撹拌子(P1)を連結使用する一方、
    上記第2偏心撹拌軸(62)と同じくセンター主軸(60)との間隔距離(D2)を長く確保して、その第2偏心撹拌軸(62)の下端部には食材収納容器(T)の半径(r)よりも小さな回転直径(d2)の第2撹拌子(P2)を連結使用し、
    しかも、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の自転運動軌跡を互いに干渉又はオーバーラップしないように定め、
    上記食材収納容器(T)を寸胴鍋やその他の底面がフラットな導電性の容器とし、上記電気加熱器(H)をその食材収納容器(T)の底面と対応する平面形状の電磁誘導加熱器とすると共に、
    上記食材収納容器(T)の係止フランジ(1)を受け止め吊持する容器受けアーム(8)の後端部から一体的に垂下された背壁プレート(10)へ、上記加熱作用ボックス(Hb)を取り付け固定するほか、
    上記支柱(5)又はこれと平行な別個の昇降ガイド軸(117)に沿って昇降する昇降スライダー(12)を、上記容器受けアーム(8)の背壁プレート(10)から後向き一体的に張り出して、その昇降スライダー(12)の水平な軸受け台(13)に付属一体化された固定ナット(24)を、上記支柱(5)と平行に垂立された回動ネジ軸(19)との螺合締結状態に保って、
    上記回動ネジ軸(19)を撹拌作用ボックス(Ab)の外部から回動ハンドル(27)の手動操作により回動させれば、上記容器受けアーム(8)側の昇降スライダー(12)が支柱(5)又は昇降ガイド軸(117)に沿って昇降作用のみを行うように構成したことを特徴とする電気加熱式の竪型ミキサー。
  2. 撹拌作用ボックス(Ab)から前向き一体的に張り出す支持ブラケット(29)へ、食材収納容器(T)の上昇ストッパー(28)となるネジ杆を昇降調整できるように取り付け、
    そのネジ杆の先端部によって食材収納容器(T)の上昇時における係止フランジ(1)を受け止めるように定めたことを特徴とする請求項1記載の電気加熱式の竪型ミキサー。
  3. 容器受けアーム(8)の背壁プレート(10)へ加熱作用ボックス(Hb)を取り付け固定するに当り、
    その加熱作用ボックス(Hb)の後端部から一体的に張り出す取付プレート(30)と、上記背壁プレート(10)との何れか一方に固定ボルト(31)の受け入れ用昇降調整長孔(32)を、残る他方にその固定ボルト(31)の受け入れ用ネジ孔(33)を各々開口形成して、
    上記昇降調整長孔(32)からネジ孔(33)へ固定ボルト(31)をねじ込むことにより、容器受けアーム(8)に受け止め吊持された食材収納容器(T)の底面と、その真下位置に臨む電磁誘導加熱器(H)との上下相互間隔を広く又は狭く微調整できるように定めたことを特徴とする請求項1記載の電気加熱式の竪型ミキサー。
  4. 撹拌機構(A)の回転駆動源(45)によって回転されるセンター主軸(60)の下端部か、又はそのセンター主軸(60)と一体に公転運動する回転ベアリングケース(71)の偏心部から、食材収納容器(T)の内部に向かって無線送信器(S)の感温部(接触式温度センサー)(100)を垂下させ、
    その無線送信器(S)と対応する無線受信器(119)又はこれと兼用タイプの測定温度表示器(57)を、撹拌作用ボックス(Ab)に設置して、
    上記無線送信器(S)の感温部(接触式温度センサー)(100)により検知された食材の現在温度データが、予じめ設定された目標温度に到達した時には、その無線受信器(119)からの出力電気信号に基いて、電磁誘導加熱器(H)の高周波電源(49)をオフ制御し、食材収納容器(T)の加熱を自動停止するように定めたことを特徴とする請求項1記載の電気加熱式の竪型ミキサー。
  5. 撹拌作用ボックス(Ab)における撹拌機構(A)の回転ベアリングケース(71)を包囲する水平な底板(87)へ、円形リング状の回動ガイドレール(88)を取り付け固定して、
    その回動ガイドレール(88)に係合された平面視の円弧状吊りアーム(90)から着脱自在の吊り板片(92)を介して、把手(93)付きの開閉カバー(94)を一体的に吊り下げる一方、
    その開閉カバー(94)と相俟って平面視の円形に閉合されることとなる背面カバー(95)を、上記撹拌作用ボックス(Ab)の前面へ取り付け固定して、
    上記開閉カバー(94)をその回動ガイドレール(88)に沿って手廻し操作することにより、容器受けアーム(8)に受け止め吊持されている食材収納容器(T)の開放上面を、その背面カバー(95)との全体的な円形の包囲状態に閉鎖することができるように定めたことを特徴とする請求項1記載の電気加熱式の竪型ミキサー。
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