JP4729529B2 - 食材煮練り攪拌機の加熱源制御装置 - Google Patents

食材煮練り攪拌機の加熱源制御装置 Download PDF

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Description

本発明はカスタードクリームや餡、ケーキ生地、チョコレート、ソース、シチュー、その他の各種食材を加熱し乍ら混練する煮練り攪拌機の加熱源制御装置に関する。
一般に食材の煮練り攪拌機では、食材の加熱源が必ず食材収容鍋の底面に臨まされる関係上、その加熱中にある食材の接触式温度センサーを、食材収容鍋の底面に設置することができず、その食材収容鍋の壁面へ差し込み設置するほかはない。殊更、食材収容鍋が回転作用する煮練り攪拌機の場合、その壁面へ設置することさえも不可能である。
そして、このことは上記加熱源のガス、蒸気又は電気を問わず、又煮練り攪拌機自体の竪型又は横型を問わず、全く同様に言えることであり、その結果食材収容鍋に収容された食材の中央部や底部を、直かに正しく測温することができず、延いてはその温度センサーからの出力信号に基き加熱源の加熱作用を停止又は弱める制御の精度も低下し、食材の焦げ付きを招来するおそれがある。
この点、特許第3181882号公報には食材の温度センサーを、回転作用する攪拌軸に付属一体化した斜軸攪拌機が開示されている。
特許第3181882号公報
ところが、上記公知発明の構成では電動機(3)からの回転駆動力を伝達する上部斜軸(4)の中心に、温度センサー取付部材(9)(9A)を固定し、その取付部材(9)(9A)の下端部に温度センサー(10)(10A)を連設しているため、これを上部斜軸(4)の軸線上に沿って延長する有線により、図外の電源と接続しなければならないほか、特別のスリップリングやその周囲に臨むブラシ保持器なども不可欠となる。
又、上部斜軸(4)の下端部と、その上部斜軸(4)と一直線上に対向する下部斜軸(6)の上端部とを、各々円環状攪拌子(5)の外周面に固着しているため、その攪拌子(5)の形態が異なる毎に、温度センサー(10)(10A)も新らたに設置する必要があり、そのセンサー取付部材(9)(9A)を攪拌羽根(7)と干渉しないように、しかも上部斜軸(4)と下部斜軸(6)を結ぶ軸線上から退避するように、折り曲げなければならないこととも相俟って、甚だ煩らわしく、各種形態の攪拌子(5)に使うための汎用性に劣る問題もある。
本発明はこのような課題の抜本的な解決を企図しており、その目的を達成するための構成として、請求項1では電気又は蒸気を加熱源として下方から加熱される食材収容鍋と、その食材収容鍋の内部へ上方から差し込み使用される攪拌子とを備え、上記食材収容鍋に収容された食材を加熱し乍ら、その攪拌子の回転駆動により攪拌する食材煮練り攪拌機において、
マイクロコンピューターのCPUが内蔵された筐胴とその筐胴の口金から突出して、上記食材の中へ差し込み使用されることとなる細長いノーズ管とから成り、しかもそのノーズ管の先端部に接触式温度センサーが取り付け一体化された無線送信機を、上記攪拌子へ着脱自在に且つその攪拌子の周囲を一体的に公転運動し得るように取り付けて、
その攪拌子に対する上記送信機の取付姿勢状態が正確であることを検知したスイッチのスイッチオン出力信号を受け入れることにより、通常では休止状態にある上記送信機のCPUがプログラム動作し始めて、その送信機の上記温度センサーにより測定され食材の加熱温度データと送信機毎に固有のIDコードとを含む上記加熱源の制御に必要な無線信号を、その送信機から対応的な固有のIDコードがマイクロコンピューターのCPUに記憶されている受信機へ、一定時間毎の間歇的に送信し、
その送信機と受信機との相互間における上記無線信号の間歇的な送・受信中、上記送信機の温度センサーにより測定された食材の加熱温度が、上記受信機側での予じめ設定されている目標温度に到達した時、その受信機から出力される制御信号によって、上記加熱源の加熱作用を自づと停止させるように定めたことを特徴とする。
又、請求項2ではガスの直火を加熱源として下方から加熱される食材収容鍋と、その食材収容鍋の内部へ上方から差し込み使用される攪拌子とを備え、上記食材収容鍋に収容された食材を加熱し乍ら、その攪拌子の回転駆動により攪拌する食材煮練り攪拌機において、
マイクロコンピューターのCPUが内蔵された筐胴とその筐胴の口金から突出して、上記食材の中へ差し込み使用されることとなる細長いノーズ管とから成り、しかもそのノーズ管の先端部に接触式温度センサーが取り付け一体化された無線送信機を、上記攪拌子へ着脱自在に且つその攪拌子の周囲を一体的に公転運動し得るように取り付けて、
その攪拌子に対する上記送信機の取付姿勢状態が正確であることを検知したスイッチのスイッチオン出力信号を受け入れることにより、通常では休止状態にある上記送信機のCPUがプログラム動作し始めて、その送信機の上記温度センサーにより測定され食材の加熱温度データと送信機毎に固有のIDコードとを含む上記加熱源の制御に必要な無線信号を、その送信機から対応的な固有のIDコードがマイクロコンピューターのCPUに記憶されている受信機へ、一定時間毎の間歇的に送信し、
その送信機と受信機との相互間における上記無線信号の間歇的な送・受信中、上記送信機の温度センサーにより測定された食材の加熱温度が、上記受信機側での予じめ設定されている目標温度に到達した時、その受信機から出力される制御信号によって、上記加熱源の加熱作用を最小火力まで自づと弱めるように定めたことを特徴とする。
更に、請求項3では送信機を、マイクロコンピューターのCPUのみならず、その駆動源の電池並びに送信アンテナ内蔵された金属製又は合成樹脂製の筐胴と、その筐胴の開口両端部へ各々防水用のOリングを介して、開閉可能に螺合締結された円錐状の口金並びにキャップと、その口金の中心部から一体的に突出する金属製の細長いノーズ管とから成る全体的なほぼ注射器型に組み立てると共に、
上記送信機の筐胴を攪拌子のハンガー軸へ着脱自在に、且つその攪拌子の回転軸線と一定の間隔距離を保つほぼ平行な下向き姿勢状態に取り付けて、上記ノーズ管の下部先端に取り付け一体化されている接触式温度センサーを、食材の中へ差し込み使用することを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、送信機の接触式温度センサーが測定・検知する食材の加熱温度データを、送信機毎のIDコードも含む無線(電波)信号として、その送信機から対応する受信機へ送信し、上記加熱温度データが予じめ設定されている目標温度に到達した時、その受信機から出力する制御信号により、電気又は蒸気を加熱源とする食材の加熱作用が、自づと停止されるようになっているため、冒頭に述べた従来技術の課題を確実に解消することができ、その食材の焦げ付きを生じるおそれはない。
又、請求項2の構成によれば、ガスの直火を加熱源とする食材の加熱作用が、上記受信機から出力する制御信号に基いて、予じめ設定された最小火力まで自づと弱められるようになっているため、未だガスの炎は消失せず、その結果ガスの再点火が不要となり、使用上の安全性にも優れる。
上記請求項1、2の何れにあっても、その食材の接触式温度センサーを備えた送信機は、攪拌子へ着脱自在に取り付け使用されるようになっているため、これを取りはずすことにより、言わば丸ごと水洗いなどの清掃作業を行なえ、又食材の種類や性状、その測温したい部分などの希望に応じて、食材の中へ浅く又は深く差し込み使用できる利便性もある。
更に、請求項3の構成を採用するならば、その全体的なほぼ注射器型に組み立てられた送信機の太い筐胴を、適当な取付用具によって攪拌子のハンガー軸へ、安定良く確固に取り付けることができる一方、残る細長いノーズ管を食材の中へ抵抗少なく差し込み使用して、その温度センサーにより食材の加熱温度を直かにロスなく測定・検出できる効果がある。
しかも、その場合ノーズ管の下部先端に位置する温度センサーは、マイクロコンピューターのCPUが内蔵された筐胴から遠く離隔しているため、そのCPUの動作に伴なう基板の放熱が、上記温度センサーに悪影響を与えるおそれもなく、その測温精度の低下を予防することができる。
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1〜14はカスタードクリームにふさわしい煮練り攪拌機の概略全体を示しており、(B)は作業床への据付け機筺であって、一定な大きさ(好ましくは幅:約450mm×奥行:約600mm×高さ:約800mm)の直方体をなし、その下端の4隅部にねじ込まれたアジャスター(1)により、据付け高さや水平度を調整できるようになっている。(2)はそのアジャスター(1)に付属しているキャスターである。
このような据付け機筺(B)の水平な上面は着脱可能なテーブル(天板)(3)として、ここには円形の鍋逃し入れ口(4)が開設されている。(5)はその鍋逃し入れ口(4)の周縁部から一体的に起立する鍋受けフランジを示している。
(P)は上記鍋逃し入れ口(4)へ上方から抜き差し自在に差し込まれ、その鍋受けフランジ(5)によって受け止められる食材収容鍋であり、左右一対の把手(6)を備えている。しかも、その食材収容鍋(P)の底面には磁性体である鉄粉などの発熱被膜(図示省略)が溶着一体化されることにより、導電性が与えられている。
但し、その導電性を有する限りでは、上記食材収容鍋(P)を銅のほかに、鉄や鉄とステンレスとのクラッド鋼、その他の磁性体である各種金属から、図例のような約335mmの直径と約158mmの深さを備えた容量:約11リットルの円錐型に作成しても勿論良い。
(7)は食材(M)の加熱源となる電磁誘導加熱器(H)の励磁用高周波電源(インバーター)であり、上記据付け機筺(B)の内部を横架する水平な補強バー(8)へ、複数のボルト(9)によって取り付け固定されている。
茲に、電磁誘導加熱器(H)は1本の銅線(リッツ線)から渦巻き状態に周回された電磁誘導加熱コイル(10)と、非磁性体(アルミニウム)のフラットな円形コイル支持ベース(11)と、その上下相互間に介挿されたセラミックファイバーなどの耐熱性スペーサーリング(12)とから組立ユニット化されており、上記高周波電源(7)の上面に搭載されている。
そして、そのスペーサーリング(12)により食材収容鍋(P)の底面と対応する円錐型に保たれた電磁誘導加熱コイル(10)の切り離し両端部は、図21の制御回路に示す如く、接続端子を介して上記高周波電源(7)の出力端子と接続配線されており、その電源(7)から高周波電流を受けるようになっている。図例の場合、高周波電源(7)は3KWの出力を有する。(13)はその電源(7)の放熱用給排気フードである。
つまり、高周波電源(7)から電磁誘導加熱器(H)の電磁誘導加熱コイル(10)へ高周波電流を供給して、上記導電性の食材収容鍋(P)と交差する磁束を発生させれば、その鍋(P)の底面に渦電流が流れ、これが通路となる鍋(P)の抵抗によって電力損失を生じ、そのジュール熱により鍋(P)の底面が加熱されることとなる。(14)はその加熱用の操作パネル、(15)は電源ブレーカーを示している。
(16)は上記食材収容鍋(P)の背後に位置する関係として、据付け機筺(B)のテーブル(3)へ上方から取り付け固定された左右一対の軸受ステー、(17)は側面視のほぼ倒立L字型に屈曲する中空支柱であり、その下部基端の軸筒(18)が水平な支点軸(19)を介して、両軸受ステー(16)へ起伏的な回動自在に枢着されている。
又、(20)はその中空支柱(17)の中途部から後向き一体的に張り出された左右一対の連結片、(21)はその連結片(20)と対応する左右一対の支持座であって、上記据付け機筺(B)のテーブル(3)に取り付け固定されている。
(22)はその連結片(20)と支持座(21)との上下相互間に亘って枢支連結された伸縮可能な気圧シリンダー(ガスダンパー)であり、上記中空支柱(17)を希望する傾斜角度の起立状態に固定維持して、その中空支柱(17)が後方へ転倒しないように突っ張り支持する。
他方、上記中空支柱(17)が食材収容鍋(P)の真上位置まで到達する上部先端には、カップリングケース(23)が図8、9のような施蓋状態に被着一体化されている。(24)はそのカップリングケース(23)の上面に据え付け搭載された竪型のセンター軸回転用駆動モーターであって、可逆式のDCブラシレスモーターから成り、その回転速度を制御するモーターコントローラー(基板)(25)が、上記据付け機筺(B)の内部に設置されている。(26)は攪拌用の操作パネルである。
(27)は上記カップリングケース(23)に内蔵設置された伝動カップリング(28)を介して、駆動モーター(24)の出力軸(29)と伝動連結されることにより、そのカップリングケース(23)から上記食材収容鍋(P)の中心部に向かって垂下するセンター軸、(30)はそのセンター軸(27)のほぼ上半部を抱持する固定ベアリングケースであり、上記カップリングケース(23)の下面へ押圧フランジ(31)と複数のボルト(32)によって固定されている。
(33)(34)はその固定ベアリングケース(30)に封入された上下一対のラジアルベアリングであり、上記センター軸(27)を回転自在に軸受けしている。(35)は同じくセンター軸(27)のスラストベアリングを示している。尚、上記伝動カップリング(28)はその詳細を図示省略してあるが、ゴム製のスパイダーとこれを挟む一対の金属製ハブとから成り、駆動モーター(24)の出力軸(29)からセンター軸(27)へ回転動力を伝達するようになっている。
又、(36)は上記カップリングケース(23)と、固定ベアリングケース(30)の押圧フランジ(31)との上下相互間へ、そのボルト(32)を兼用して挟み付け一体化された径大な円形の固定カバーであり、これから連続一体に垂下する周縁フランジ(37)の内周面には、インターナルギヤ(38)が刻設されている。
(39)はその固定カバー(36)の周縁フランジ(37)を下方から包囲する径大な椀状の回転ベアリングケースであり、その中心部がキー(40)やスプラインなどを介して、上記センター軸(27)と一体回転し得るように嵌合されている。(41)はその回転ベアリングケース(39)の抜け止めナットであり、センター軸(27)の下端部付近に螺合締結されている。
更に、(42)はセンター軸(27)との一定間隔を保つ平行状態として、上記回転ベアリングケース(39)から食材収容鍋(P)の偏心部に向かって垂下する互いに同じ一対の偏心軸であり、その何れも回転ベアリングケース(39)に封入された上下一対のラジアルベアリング(43)(44)によって、その回転ベアリングケース(39)へ回転自在に軸受けされている。
しかも、上記固定カバー(36)のインターナルギヤ(38)に内接して、これと噛合回転する径小なピニオンギヤ(45)が、その各偏心軸(42)の上端部に差し込み套嵌されており、上記センター軸(27)がその駆動モーター(24)によって図13の矢印方向(正方向)(f)へ回転駆動されると、そのセンター軸(27)と一体回転する回転ベアリングケース(39)を介して、一対の偏心軸(42)がセンター軸(27)の周囲を同じ方向(f)へゆっくり公転運動すると同時に、そのピニオンギヤ(45)とインターナルギヤ(38)との噛合作用により、上記公転運動する方向(f)との逆方向(r)へ、速く自転運動し得るようになっている。
その場合、上記センター軸(27)と一対の偏心軸(42)はその矢印方向(正方向)(f)と逆な互いに同じ方向(r)へ公転運動し得るが、その偏心軸(42)とこれに套嵌されたピニオンギヤ(45)との嵌合面には、各々ワンウエイクラッチ(46)も介挿設置されており、センター軸(27)が上記矢印方向(正方向)(f)との逆方向(r)へ回転駆動された時に限っては、そのワンウエイクラッチ(46)によってピニオンギヤ(45)への伝動作用が切断され、一対の偏心軸(42)が自転運動を行なえず、停止し得るようになっている。
上記ワンウエイクラッチ(46)の詳細は図示省略してあるが、これはハウジングとその内周面へ締まりばめ固定状態に圧入された咬み込み用コロ(クラッチ部)と、その両サイド部に組み込まれたラジアル荷重負荷用軸受とからシエル型をなし、上記コロの各個がバネにより保持されたものである。
尚、図例では一対の偏心軸(42)を公転運動する方向(f)との逆方向(r)へ、自転運動させているが、上記センター軸(27)と一体回転する回転ベアリングケース(39)におけるボス(中心部)の外周面へ、サンギヤを刻設する一方、そのサンギヤと各偏心軸(42)のプラネタリーギヤとを、言わば外接状態に噛合回転させる構成として、一対の偏心軸(42)を公転運動する方向(f)と同じ方向へ、速く自転運動させてもさしつかえない。
又、上記偏心軸(42)が公転運動と自転運動とを行なえる限りでは、その各個を垂直なセンター軸(27)と一定角度だけ交叉する傾斜姿勢状態として、食材収容鍋(P)の内部を指向するように吊持させても良い。(47)は上記回転ベアリングケース(39)を下方から施蓋するように、各偏心軸(42)に取り付け固定されたエンドキャップ、(48)はオイルシールである。
更に、(49)は上記センター軸(27)の下端部へ下方から差し込み套嵌された上、水平な貫通ピン(50)を介して抜け止めされた細長い段付き円筒状の連結スリーブ、(51)はその貫通ピン(50)の受け入れ長孔であり、連結スリーブ(49)の上下方向に沿って切り欠き延在されているため、その連結スリーブ(49)が自由自在に昇降作用し得る。
そして、上記連結スリーブ(49)内の段部よりも上半位置には圧縮コイルバネ(52)が封入されており、その連結スリーブ(49)を常時押し下げる方向へ弾圧付勢している。(53)は同じく連結スリーブ(49)の下端部に切り欠かれた倒立L字型のキー溝であり、ここへ下方から食材(M)の焦げ付き防止用となる第1攪拌子(A1)のハンガー軸(54)が、抜き差し自在に差し込み係止されることとなる。
茲に、焦げ付き防止用の第1攪拌子(A1)は図11、12に抽出して示す如く、上記連結スリーブ(49)へ差し込み可能なハンガー軸(54)と、その下端部へ挟持金具(55)を介して取り付けられたスクレーパー(56)とから、正面視の全体的な擬似錨型をなしている。
つまり、その第1攪拌子(A1)のスクレーパー(56)は木質材や、好ましくはフッ素樹脂(テフロン(登録商標))などの硬質な合成樹脂材から平面視の一文字型として、且つ上記食材収容鍋(P)の底面と適合する正面視の円弧状に造形されており、その鍋(P)の開口径とほぼ等しい回転直径を有している。
しかも、そのスクレーパー(56)は垂直断面の二等辺三角形(図例ではほぼ正三角形)をなすことにより、正・逆何れの方向(f)(r)へ回転使用されても、煮練り終期に粘結固形化するカスタードクリームやその他の食材(M)を、その対称な形状の掬い上げ傾斜面(56a)が食材収容鍋(P)から掬い上げ作用し、その食材(M)の焦げ付きやスクレーパー(56)に対する食材(M)の付着・堆積などを予防できるようになっている。その場合、食材(M)の粘度が高くなればなる程、鍋(P)に対する掬い上げ傾斜面(56a)の傾斜角度を緩やかに設定して、その回転抵抗力の過大化を抑制することが望ましい。
このようなスクレーパー(56)の中心部は挟持金具(55)の下端部へ、ボルト(57)によって取り付け固定されているほか、その挟持金具(55)の上端部と上記ハンガー軸(54)の下端部とが、ネジ締結具やピンなどの水平な支点軸(58)により、そのハンガー軸(54)に対するスクレーパー(56)の揺動自在に枢着されているのである。
そして、ハンガー軸(54)の上端部に打ち込み固定された水平なキー凸子(59)を、上記連結スリーブ(49)のキー溝(53)へ差し込み係止させることにより、その連結スリーブ(49)を介して上記センター軸(27)へ連結一本化された焦げ付き防止用の第1攪拌子(A1)は、そのセンター軸(27)と一体に回転して、カスタードクリームやその他の食材(M)を攪拌作用することになる。
しかも、その第1攪拌子(A1)には上記圧縮コイルバネ(52)の押し下げ付勢力が働くため、そのスクレーパー(56)のほぼフラットな下面が掻き取り面(56b)として、上記食材収容鍋(P)の底面に弾圧されることとなり、食材(M)の掻き取り洩れを生じるおそれはない。
他方、各偏心軸(42)の下端部は図9のような半割り形態のキー溝(60)として切り欠かれており、ここには抜け止めピン(61)が水平に打ち込み貫通されている。(62)はこのような各偏心軸(42)の下端部へ下方から差し込み套嵌された短かい円筒状の連結スリーブであり、これには下向き開放するピン受け入れ長孔(63)が、上下方向への延在状態として切り欠かれているため、その連結スリーブ(62)を自由自在に昇降させることができる。
(A2)は上記第1攪拌子(A1)と異なる形質の第2攪拌子(ホイッパー)であって、これは図9に併せて示す如く、各偏心軸(42)の上記キー溝(60)と咬み合うキー溝(64)が切り欠かれたハンガー軸(65)と、ワイヤー取付フランジ(66)へ正面視の全体的な紡錘型に差し込み固定された複数のワイヤー(67)とを備え、そのワイヤー取付フランジ(66)が貫通ピン(68)を介して、上記ハンガー軸(65)の下端部へ組み付け一体化されている。
そして、各偏心軸(42)の下端部に付属している上記連結スリーブ(62)を一旦押し上げ操作し、そのハンガー軸(65)の上端部に対応形成された差込み孔(69)を、上記偏心軸(42)の露呈した抜け止めピン(61)へ差し込むと同時に、そのキー溝(60)(64)同志を咬み合わせた後、上記連結スリーブ(62)の押し上げ操作手を放すことにより、第2攪拌子(A2)を偏心軸(42)へ脱落不能に連結することができ、その連結状態にある第2攪拌子(A2)は偏心軸(42)と一体に回転して、カスタードクリームやその他の食材(M)を泡立てる如く、攪拌作用することになる。
図1〜14の基本実施形態ではカスタードクリームにふさわしい煮練り攪拌機として、そのセンター軸(27)へ焦げ付き防止用の第1攪拌子(A1)と、上記偏心軸(42)へ泡立て用の第2攪拌子(A2)とを各々取り付けて、その第1、2攪拌子(A1)(A2)を併用しているが、これらは何れも対応的な連結スリーブ(49)(62)を介して抜き差し自在であるため、上記カスタードクリームに代る餡やチョコレート、ソースなどとして、その食材(M)の種類や性状が相違変化する場合には、図15、16の第1、2変形例に示す如く、上記第1、2攪拌子(A1)(A2)の何れか一方だけを取り付け使用したり、又その第1攪拌子(A1)の形態として上記擬似錨型に代るフック型(片羽根型)を採用したり、更に第2攪拌子(A2)の形態としても上記紡錘型のワイヤー(67)から成るホイッパー(ワイヤービーター)に代るバタービーターやフック、スクリュー、その他の各種を採用したりすることができる。
尚、上記センター軸(27)の周囲を公転運動する偏心軸(42)が無く、そのセンター軸(27)のみを備えた食材(M)の煮練り攪拌機についても、本発明の加熱源制御装置を適用できることは勿論である。
更に、(T)は上記食材(M)の加熱温度測定用感温部(温度センサー)を備えた無線送信機であり、図17に抽出して示すような金属製の筐胴(70)と、その開口両端部へ各々防水用のOリング(71)(72)を介して、開閉可能に螺合締結された金属製の口金(73)並びに合成樹脂製のキャップ(74)と、その円錐状口金(73)の中心部から一体的に突出する細長い金属製のノーズ管(75)とから、全体的なほぼ注射器型又は手廻しドライバー型に組み立てられていると共に、その食材(M)の中へ差し込み使用されることとなるノーズ管(75)の先端部に、サーミスターや測温抵抗箔、熱電対箔などの接触式温度センサー(76)が取り付けられている。
図例の物理的な構造では、上記筐胴(70)にマイクロコンピューターが実装された基板(77)とその駆動源の電池(78)を、上記キャップ(74)にワイヤー状の送信アンテナ(79)を各々内蔵しているが、上記筐胴(70)もキャップ(74)と同様な合成樹脂製として、その基板(77)の板面へループ状や平面状の送信アンテナ(79)を埋設することにより、送信機(T)の全体的な小型・軽量化を図っても良い。(80)は上記温度センサー(76)と基板(77)とを接続する伝送線である。
このような送信機(T)は図10、14に示す如く、その筐胴(70)に予じめ嵌め付け固定された抜け止めリング(81)と、眼鏡型の取付用具(82)を使って、上記食材焦げ付き防止用第1攪拌子(A1)のハンガー軸(54)へ着脱自在に、且つその第1攪拌子(A1)の回転軸線と一定の間隔距離(d)を保つほぼ平行な下向き姿勢状態に取り付けられ、上記第1攪拌子(A1)の周囲をこれとの一体的に公転運動し乍ら、その食材(M)の中へ差し込まれた下端部の接触式温度センサー(76)によって、食材(M)の加熱温度を直かに測定・検知する。その温度センサー(76)は約300℃まで使用できるものである。
(83)は上記筐胴(70)に対する抜け止めリング(81)の押し付け固定ビス、(84)は送信機(T)の取付用具(82)を上記第1攪拌子(A1)のハンガー軸(54)へ押し付ける固定ビスであり、その取付用具(82)へ上方から抜け止めリング(81)が係止して、送信機(T)を脱落不能に保持することになるが、その送信機(T)は取付用具(82)の受け入れ口(85)に対して、上方から抜き差し自在に差し込むことができる。
この点、図10と図15の使用状態では送信機(T)を、上記食材収容鍋(P)の中心部に位置する第1攪拌子(A1)のハンガー軸(54)へ取り付けているが、図16の別な使用状態から明白なように、食材収容鍋(P)の偏心部に位置する第2攪拌子(A2)の径大なワイヤー取付フランジ(66)へ、上方から直かに差し込んだり、或いはその第2攪拌子(A2)のハンガー軸(65)へ、上記取付用具(82)を介して取り付けたりして使うことも可能である。(86)は上記ワイヤー取付フランジ(66)に対応形成された送信機用受け入れ口を示唆している。
又、その送信機(T)の取付用具(82)としても、図10、14のような眼鏡型のみに限らず、上記第1、2攪拌子(A1)(A2)のハンガー軸(54)(65)へ締め付けられる開閉クランプ型や、同じくハンガー軸(54)(65)へ弾圧的に差し込み係止されるフック型、その他の適当な型式を採用することができ、その取付高さ位置や方向性も自由に選定し得る。
更に、送信機(T)が上記第1攪拌子(A1)や第2攪拌子(A2)と一体的に公転運動し得る限り、これをそのハンガー軸(54)(65)の代りに、上記センター軸(27)や偏心軸(42)、連結スリーブ(49)(62)へ取り付け使用してもさしつかえない。
何れにしても、上記第1攪拌子(A1)や第2攪拌子(A2)に対する送信機(T)の取付部には、就中送信機(T)の筐胴(70)や抜け止めリング(81)と上記取付用具(82)との接触部には、その送信機(T)の取付姿勢状態を検知するスイッチ(87)(図20の入力部参照)が設置されており、その取付姿勢状態の正確である時に出力するスイッチ・オン信号(デジタル信号)がマイクロコンピューターのCPU(88)へ入力されて、通常では休止状態にあるCPU(88)がプログラム動作し始めるようになっている。そのスイッチ(87)としてはリミットスイッチやマイクロスイッチなどを採用することができる。
他方、(R)は上記送信機(T)と対応する受信機であって、図18、19に抽出して示すような合成樹脂製のボックス(8)に、マイクロコンピューターが実装された基板とその駆動用の電源ユニット(図示省略)を内蔵しているほか、そのボックス(89)の正面に並ぶ測定温度表示部(LED又は液晶パネル)(90)と目標温度設定ボタン(91)や、同じくボックス(89)の背面から突出する受信アンテナ(92)と配線用コネクター(93)も具備している。
このような受信機(R)は図1〜3や図10に示す如く、上記煮練り攪拌機の据付け機筐(B)から一体的に立設された支持スタンド(94)の上面へ、その正面の測定温度表示部(90)を見やすく、同じく目標温度設定ボタン(91)を操作しやすい姿勢状態に取り付け固定されている。
図20は上記送信機(T)と受信機(R)の機能を示すブロック図であって、送信機(T)は加熱源を制御するためのコードを生成する上記CPU(88)のほかに、そのCPU(88)へ食材(M)の温度測定信号を送信する上記温度センサー(76)と、CPU(88)により生成されたコードを有するデジタル信号を変調・増幅し、高周波として送信する送信部(高周波送信モジュール)(95)並びに送信アンテナ(79)も具備しており、上記CPU(88)のROMには送信機(T)毎に予じめ割り付けられた固有のIDコードが記憶されている。
そして、通常では休止状態にあるマイクロコンピューターのCPU(88)が、上記スイッチ(入力部)(87)からの検知出力信号(デジタル信号)を受けてプログラム動作し始め、その内蔵する電池(電源電圧)(78)の消耗度や基板(77)自身の昇温状態、その他の異常を判別するのみならず、上記食材(M)の温度センサー(76)から測定出力される信号(固定小数点式のアナログ信号)をサンプリングして、その食材(M)の温度データを取得すると共に、上記固有のIDコードも含む必要なコードを生成し、そのデジタル信号を送信部(95)での高周波として、上記食材(M)の温度が測定・検知されている間に、送信アンテナ(79)から一定時間毎の間歇的に送信する。(S)はその送信アンテナ(79)から送信される無線(微弱の電波)信号を示唆している。
茲に、無線送信の間歇周期となる一定時間は、1000分の1秒程度であることが好ましい。これよりも長く確保し過ぎると、上記CPU(88)の駆動源である電池(78)が早期に消耗してしまうほか、作業場内に複数の煮練り攪拌機が並列設置されているような場合、その煮練り攪拌機毎の送信機(T)から送信される無線信号(S)同志の干渉を招来しやすくなるからである。
更に言えば、上記送信機(T)と受信機(R)との相互間において、信号の授受(双方向通信)を行なわせることにより、何れか一方からの指令信号を受けるまで、他方を休止状態に保って、上記電池(78)の消耗を予防したり、又上記CPU(88)の動作プログラムに、ランダム関数(乱数)での処理も加えて、その無線信号(S)の送信タイミングを自づと変化させることにより、上記干渉を予防したりすることが望ましい。
又、上記CPU(88)のプログラム動作によって、その基板(77)自身の昇温状態が検査されており、しかも送信機(T)は全体的なほぼ注射器型又は手廻しドライバー型をなし、そのノーズ管(75)の先端部に取り付けられた食材(M)の温度センサー(76)が、筐胴(70)に内蔵された上記基板(77)から遠く離隔しているため、マイクロコンピューターからの放熱に起因して、上記温度センサー(76)による食材(M)の測温精度が低下するおそれも防止できるのである。尚、上記基板(77)自身の異常な昇温状態が判別された場合、そのCPU(88)の駆動源が自づとカットされることは、言うまでもない。
このような送信機(T)と対応する受信機(R)は上記無線信号(S)の受信アンテナ(82)と、その受信した無線信号(S)を復調・増幅して、これから上記温度データとIDコードが含まれた加熱源の制御に必要な生成コードを取り出す受信部(高周波受信モジュール)(96)と、その生成コードを解析して、どの送信機(T)からの送信であるかを判別するCPU(97)と、そのCPU(97)が記憶しているIDコードとの対応合致した比較結果に基き、上記加熱源の制御信号を出力する出力部(98)とを有している。
そして、その送信機(T)と受信機(R)との相互間における無線信号(S)の間歇的な送・受信中、送信機(T)の温度センサー(76)により測定・検知される食材(M)の加熱温度が、受信機(R)の目標温度設定ボタン(91)により予じめ設定されている目標温度に到達すると、その受信機(R)の出力部(98)から出力される制御信号により、上記食材(M)の加熱源である電磁誘導加熱器(H)の高周波電源(インバーター)(7)が図21のようにオフ制御されて、その電磁誘導加熱コイル(10)に対する高周波電流の供給が自づと停止されるのであり、そのため食材(M)の過熱を確実に予防することができる。その食材(M)の加熱温度が目標温度に到達するまでの間、上記高周波電源(インバーター)(7)はオン状態を保ち、食材(M)の加熱作用を持続することは勿論である。
図1〜21の基本実施形態では、食材(M)の加熱源として電磁誘導加熱器(H)を使用し、その電磁誘導加熱コイル(10)へ高周波電源(インバーター)(7)から高周波電流を供給するようになっているが、その誘導加熱方式に代る赤外線加熱方式やその他の電気加熱方式を食材(M)の加熱源として採用することも可能である。
又、図21と対応する図22の第1変形実施形態に示す如く、食材(M)の加熱源を蒸気として、その食材収容鍋(P)を包囲する蒸気ジャケット(99)の内部へ、図外の蒸気供給源(ボイラー)から加熱蒸気を供給するように構成しても良く、この場合には蒸気供給管路(100)の途中に介在する蒸気遮断弁(101)を、上記受信機(R)からの制御信号により開閉制御して、その蒸気の供給を停止すれば良い。
更に、図21と対応する別な図23の第2変形実施形態に示す如く、上記食材(M)の加熱源をガスの直火として、その食材収容鍋(P)の底面に臨むガスバーナー(102)へ、図外のガス供給源(元栓)からガスを供給するように構成することもできる。
そして、この場合にはガス供給管路(103)の途中にガス遮断弁(104)と比例弁(105)とを、並列回路として介挿設置すると共に、そのうちの比例弁(105)だけをやはり上記受信機(R)からの制御信号によって、予じめ設定されている最小火力(温度)まで、そのガスの直火を弱めるように制御するのである。そうすれば、ガスバーナー(102)の炎が消失せず、そのガスバーナー(102)の再点火を必要としない利点があり、安全性の向上にも役立つ。
尚、図23の符号(VR1)(VR2)はガスバーナー(102)の通常火力と最小火力を各々予じめ設定するための手動ボリューム、図21〜23に共通する符号(X1)は上記受信機(R)に接続配線されたリレーとその接点であり、目標温度に到達するまではオン作用を保ち、目標温度に到達した時オフ作用するようになっている。
上記基本実施形態の電磁誘導加熱器(H)を加熱源とする煮練り攪拌機の使用により、カスタードクリームを製造する方法について言えば、予じめ牛乳と砂糖、卵黄、薄力粉、コーンスターチ、無塩バターなどの原料を所定の配合比に準備すると共に、その煮練り攪拌機の上記センター軸(27)へ焦げ付き防止用の第1攪拌子(A1)と、一対の偏心軸(42)へ泡立て用の第2攪拌子(ホイッパー)(A2)とを、各々図10のように連結一体化すると共に、その第1攪拌子(A1)のハンガー軸(54)へ上記接触式温度センサー(76)付きの送信機(T)を取り付ける。
他方、据付け機筐(B)に設置されている受信機(R)の目標温度設定ボタン(91)を手動操作することにより、上記カスタードクリームの第1次的な加熱目標温度を約70〜95℃、好ましくは75℃に設定した後、上記センター軸(27)をその駆動モーター(24)によって、図13の矢印方向(f)へ回転させるのである。
そして、上記原料のうち、先ず牛乳と砂糖を食材収容鍋(P)に収容させ、これを上記第1、2攪拌子(A1)(A2)の2種により攪拌作用し乍ら、電磁誘導加熱器(H)により加熱すれば、その第1次的な目標温度に到達した時、これを測定・検知した上記温度センサー(76)付きの送信機(T)から、その無線(電波)信号(S)を受信した受信機(R)が、高周波電源(インバーター)(7)を自づとオフ制御することになる。
そこで、再度受信機(R)の目標温度設定ボタン(91)を操作して、上記カスタードクリームの第2次的な仕上げ加熱目標温度を約80〜90℃、望ましくは85℃に設定し直す一方、卵黄と薄力粉並びにコーンスターチを所定の配合比として、所謂ダマができないように別途混合・裏漉ししておき、これを先の75℃に昇温した牛乳と砂糖の中へ混入させて、その全体を引き続き同様に煮練り攪拌作用するのである。
そうすれば、その作用が進行するに連れて粘結固形化するので、無塩バターを加えると、そのバターは上記仕上げ目標温度に到達した頃合いに、溶解する結果となる。その仕上げ目標温度に到達した時にも、やはり温度センサー(76)付き送信機(T)からの無線信号(S)を受信した受信機(R)の出力制御信号により、上記電磁誘導加熱器(H)の高周波電源(インバーター)(7)が自づとオフ制御されるのである。
そのため、食材収容鍋(P)の荒熱を取った後、煮練り攪拌機の中空支柱(17)を図3の鎖線で示す如く後方へ転倒させ、上記第1、2攪拌子(A1)(A2)を食材収容鍋(P)から引き上げ退避させた状態において、その鍋(P)の把手(6)を作業者が両手に持って上方へ抜き出し、上記仕上げたカスタードクリームを冷却すれば良い。
上記カスタードクリームの第1次的な煮練り攪拌中、その牛乳と砂糖のみであるため、、食材収容鍋(P)に焦げ付くおそれはないが、第2次的な煮練り攪拌に供される卵黄や薄力粉は、牛乳や砂糖と馴染み難く、その独自に固まるダマを生成しやすい。
この点、上記基本実施形態の煮練り攪拌機ではそのセンター軸(27)に第1攪拌子(A1)のほか、一対の偏心軸(42)に第2攪拌子(ホイッパー)(A2)も各々取り付け併用されており、その第2攪拌子(A2)が第1攪拌子(A1)の周囲を上記矢印方向(f)へ公転運動すると同時に、これとの逆方向(r)へ速く自転運動するようになっているため、その第2攪拌子(A2)の泡立てる如き攪拌作用により、上記ダマも効率良く解消できる利点がある。
又、上記カスタードクリームの第2次的な煮練り攪拌作用が進み、その粘結固形化する終期には食材収容鍋(P)への焦げ付きや、第1攪拌子(A1)への付着・堆積を生じやすくなるが、その予防対策としてはセンター軸回転用駆動モーター(24)の回転方向を切り換えて、そのセンター軸(27)上の第1攪拌子(A1)を逆方向(r)へ回転させ、偏心軸(42)上の第2攪拌子(A2)をワンウエイクラッチ(46)の伝動切断作用により、その自転不能に停止させることもできる。
これによれば、第2攪拌子(A2)の泡立てる如き攪拌作用に起因する空気の混入が無くなるため、風味に優れた高品質のカスタードクリームを得られる。上記第1攪拌子(A1)が逆方向(r)へ回転されるも、これは二等辺三角形の垂直断面形状を有するため、その対称な掬い上げ傾斜面(56a)によって、上記粘結固形化したカスタードクリームを確実に押し進め逃がすことができ、その食材収容鍋(P)への焦げ付き防止に役立つ。
本発明に係る食材煮練り攪拌機の概略全体を示す正面図である。 図1の背面図である。 図1の側面図である。 図1の平面図である。 食材煮練り攪拌機の据付け機筐を抽出して示す平面図である。 図5の側面図である。 図5の背面図である。 図1の部分拡大正面図である。 攪拌子の回転駆動機構を抽出して示す断面図である。 送信機の取付使用状態を示す部分拡大側面図である。 第1攪拌子を抽出して示す正面図である。 図11の12−12線に沿う拡大断面図である。 図10の13−13線に沿う拡大断面図である。 第1攪拌子に対する送信機の取付状態を示す拡大断面図である。 第1攪拌子の変形例を示す側面図である。 第2攪拌子に対する送信機の取付状態を例示する側面図である。 送信機を抽出して示す拡大断面図である。 受信機を抽出して示す平面図である。 図18の正面図である。 送信機と受信機の機能を示すブロック図である。 電磁誘導加熱器を加熱源とする基本実施形態の制御回路図である。 蒸気を加熱源とする第1変形実施形態の制御回路図である。 ガスを加熱源とする第2変形実施形態の制御回路図である。
(3)・テーブル(天板)
(5)・鍋受けフランジ
(7)・高周波電源(インバーター)
(10)・電磁誘導加熱コイル
(11)・コイル支持ベース
(14)・加熱用操作パネル
(17)・中空支柱
(18)・軸筒
(19)・支点軸
(22)・気圧シリンダー
(23)・カップリングケース
(24)・駆動モーター
(25)・モーターコントローラー
(26)・攪拌用操作パネル
(27)・センター軸
(28)・伝動カップリング
(29)・モーター出力軸
(30)・固定ベアリングケース
(31)・押圧フランジ
(36)・固定カバー
(37)・周縁フランジ
(38)・インターナルギヤ
(39)・回転ベアリングケース
(42)・偏心軸
(45)・ピニオンギヤ
(46)・ワンウエイクラッチ
(49)・連結スリーブ
(52)・圧縮コイルバネ
(54)・ハンガー軸
(55)・挟持金具
(56)・スクレーパー
(56a)・掬い上げ傾斜面
(56b)・掻き取り面
(58)・支点軸
(62)・連結スリーブ
(65)・ハンガー軸
(66)・ワイヤー取付フランジ
(67)・ワイヤー
(70)・筐胴
(71)(72)・Oリング
(73)・口金
(74)・キャップ
(75)・ノーズ管
(76)・温度センサー
(77)・基板
(78)・電池
(79)・送信アンテナ
(81)・抜け止めリング
(82)・取付用具
(83)(84)・固定ビス
(87)・スイッチ(入力部)
(88)(97)・CPU
(89)・ボックス
(90)・測定温度表示部
(91)・目標温度設定ボタン
(92)・受信アンテナ
(93)・コネクター
(94)・支持スタンド
(95)・送信部
(96)・受信部
(98)・出力部
(99)・蒸気ジャケット
(100)・蒸気供給管路
(101)・蒸気遮断弁
(102)・ガスバーナー
(103)・ガス供給管路
(104)・ガス遮断弁
(105)・比例弁
(X1)・リレー
(A1)・第1攪拌子
(A2)・第2攪拌子
(B)・据付け機筺
(H)・電磁誘導加熱器
(M)・食材
(P)・食材収容鍋
(R)・受信機
(S)・無線信号
(T)・送信機
(d)・一定の間隔距離

Claims (3)

  1. 電気又は蒸気を加熱源として下方から加熱される食材収容鍋(P)と、その食材収容鍋(P)の内部へ上方から差し込み使用される攪拌子(A1)とを備え、上記食材収容鍋(P)に収容された食材(M)を加熱し乍ら、その攪拌子(A1)の回転駆動により攪拌する食材煮練り攪拌機において、
    マイクロコンピューターのCPU(88)が内蔵された筐胴(70)とその筐胴(70)の口金(73)から突出して、上記食材(M)の中へ差し込み使用されることとなる細長いノーズ管(75)とから成り、しかもそのノーズ管(75)の先端部に接触式温度センサー(76)が取り付け一体化された無線送信機(T)を、上記攪拌子(A1)へ着脱自在に且つその攪拌子(A1)の周囲を一体的に公転運動し得るように取り付けて、
    その攪拌子(A1)に対する上記送信機(T)の取付姿勢状態が正確であることを検知したスイッチ(87)のスイッチオン出力信号を受け入れることにより、通常では休止状態にある上記送信機(T)のCPU(88)がプログラム動作し始めて、その送信機(T)の上記温度センサー(76)により測定され食材(M)の加熱温度データと送信機(T)毎に固有のIDコードとを含む上記加熱源の制御に必要な無線信号(S)を、その送信機(T)から対応的な固有のIDコードがマイクロコンピューターのCPU(97)に記憶されている受信機(R)へ、一定時間毎の間歇的に送信し、
    その送信機(T)と受信機(R)との相互間における上記無線信号(S)の間歇的な送・受信中、上記送信機(T)の温度センサー(76)により測定された食材(M)の加熱温度が、上記受信機(R)側での予じめ設定されている目標温度に到達した時、その受信機(R)から出力される制御信号によって、上記加熱源の加熱作用を自づと停止させるように定めたことを特徴とする食材煮練り攪拌機の加熱源制御装置。
  2. ガスの直火を加熱源として下方から加熱される食材収容鍋(P)と、その食材収容鍋(P)の内部へ上方から差し込み使用される攪拌子(A1)とを備え、上記食材収容鍋(P)に収容された食材(M)を加熱し乍ら、その攪拌子(A1)の回転駆動により攪拌する食材煮練り攪拌機において、
    マイクロコンピューターのCPU(88)が内蔵された筐胴(70)とその筐胴(70)の口金(73)から突出して、上記食材(M)の中へ差し込み使用されることとなる細長いノーズ管(75)とから成り、しかもそのノーズ管(75)の先端部に接触式温度センサー(76)が取り付け一体化された無線送信機(T)を、上記攪拌子(A1)へ着脱自在に且つその攪拌子(A1)の周囲を一体的に公転運動し得るように取り付けて、
    その攪拌子(A1)に対する上記送信機(T)の取付姿勢状態が正確であることを検知したスイッチ(87)のスイッチオン出力信号を受け入れることにより、通常では休止状態にある上記送信機(T)のCPU(88)がプログラム動作し始めて、その送信機(T)の上記温度センサー(76)により測定され食材(M)の加熱温度データと送信機(T)毎に固有のIDコードとを含む上記加熱源の制御に必要な無線信号(S)を、その送信機(T)から対応的な固有のIDコードがマイクロコンピューターのCPU(97)に記憶されている受信機(R)へ、一定時間毎の間歇的に送信し、
    その送信機(T)と受信機(R)との相互間における上記無線信号(S)の間歇的な送・受信中、上記送信機(T)の温度センサー(76)により測定された食材(M)の加熱温度が、上記受信機(R)側での予じめ設定されている目標温度に到達した時、その受信機(R)から出力される制御信号によって、上記加熱源の加熱作用を最小火力まで自づと弱めるように定めたことを特徴とする食材煮練り攪拌機の加熱源制御装置。
  3. 送信機(T)を、マイクロコンピューターのCPU(88)のみならず、その駆動源の電池(78)並びに送信アンテナ(79)も内蔵された金属製又は合成樹脂製の筐胴(70)と、その筐胴(70)の開口両端部へ各々防水用のOリング(71)(72)を介して、開閉可能に螺合締結された円錐状の口金(73)並びにキャップ(74)と、その口金(73)の中心部から一体的に突出する金属製の細長いノーズ管(75)とから成る全体的なほぼ注射器型に組み立てると共に、
    上記送信機(T)の筐胴(70)を攪拌子(A1)のハンガー軸(54)へ着脱自在に、且つその攪拌子(A1)の回転軸線と一定の間隔距離(d)を保つほぼ平行な下向き姿勢状態に取り付けて、上記ノーズ管(75)の下部先端に取り付け一体化されている接触式温度センサー(76)を、食材(M)の中へ差し込み使用することを特徴とする請求項1又は2記載の食材煮練り攪拌機の加熱源制御装置。
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