JP2021023604A - フードミキサーの運転方法とそのための材料投入機 - Google Patents

フードミキサーの運転方法とそのための材料投入機 Download PDF

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Abstract

【課題】 フードミキサーの運転中において、洋菓子の各種生地作りに必要な追加材料を、そのフードミキサーの材料収納容器へ自動的に投入できるよう制御して、上記洋菓子の各種生地を効率良く得られるようにする。
【解決手段】 温度検知センサーが洋菓子の生地の目標加熱温度を検知した出力信号、導電率検知センサーが上記生地の目標導電率を検知した出力信号又は/及びタイマーが目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、フードミキサーの周辺部に設置されている複数の材料投入機から、上記生地作りに必要な材料をフードミキサーの材料収納容器へ、目標の投入量だけ正しく投入すべく自動制御する。
【選択図】 図26

Description

本発明は洋菓子の各種生地を作るために供されるフードミキサーの運転方法と、そのための材料投入機に関する。
本発明の発明者は先にホイップ食品生地を対象とするミキサーの運転方法について、特許文献1に記載の特許発明を提案した。
この特許発明では食品生地収納容器の内部を撹拌子と一緒に公転運動する無線式の導電率検知センサーによって、メレンゲや全卵などのホイップ食品生地における導電率をリアルタイムに検知(測定)し、その検知出力信号に基づいて上記ホイップ食品生地の泡立て(ホイッピング)作用や、撹拌子の回転又は加熱源による加熱を自動制御するようになっている。
特許5873852号公報
ところが、上記特許文献1に開示されたミキサーの運転方法では、図29、32の自動運転フローチャートとその説明から確認できるように、そのミキサーの食品生地収納容器には混合材料である卵白とグラニュー糖や、全卵とグラニュー糖が予め投入準備されており、その運転中に別異な材料の追加投入は行われていない。
その場合、上記特許文献1に開示された竪型のミキサー自体は、生クリームやスポンジ生地、ケーキ生地、その他の粘性がある材料に対して、泡立て(ホイッピング)や撹拌(ビーティング)、混合(ミキシング)などの処理を施せるようになっているが、その運転中における追加材料の投入は作業者の手作業によって行われている実際である。
その追加材料の必要量を予め計測しておき、ミキサーの運転は中断しないまでも、その計量した追加材料を作業者がミキサーの上記食品生地収納容器へ投入作業している。そのため、各種生地作りの効率が非常に悪く、追加材料の投入タイミングを失しやすいことなどとも相俟って、未だ緻密な高品質の生地を得られない問題がある。
本発明はこのような問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では材料収納容器とその内部において自転し乍ら公転運動する撹拌子並びに上記材料収納容器の電気加熱器を備えたフードミキサーの周辺部へ、洋菓子の生地となるすべて異なる材料を投入する複数の材料投入機を設置すると共に、
上記撹拌子と一緒に公転運動する無線式の温度検知センサー又は/及び導電率検知センサーを、上記材料収納容器の内部に臨ませて、上記撹拌子の運動により洋菓子の各種生地を作るためのミキシングやビーティング、ホイッピング、その他の必要な処理を行うに当り、
上記温度検知センサーが予め設定された生地の目標加熱温度に到達したことを検知した出力信号、上記導電率検知センサーが予め設定された生地の目標導電率に到達したことを検知した出力信号又は/及びタイマーが予め設定された目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、上記複数の材料投入機から必要な材料をその上記フードミキサーの材料収納容器へ投入すべく自動制御すると共に、
その各種材料投入機に具備されたロードセルが減算式重量計として、上記必要な材料の予め設定された目標投入量に到達したことを検知した出力信号に基づいて、その上記材料収納容器に対する材料の投入を停止すべく自動制御することを特徴とする。
また、請求項2ではフードミキサーが具備する材料収納容器へ、洋菓子の生地となる粉体材料を投入する材料投入機であって、減算式重量計としてのロードセルに搭載されたスクリューフィーダーから成り、
そのフィーダーのスクリューコンベアを包囲するシリンダーの先端部へ、漉し網を取り付け固定する一方、上記スクリューコンベアにおける回転軸の対応的な先端部へ、漉し羽根を一体回転するように嵌め付けて、
その漉し羽根を上記漉し網へ弾圧付勢することにより、上記粉体材料をフードミキサーの材料収納容器へ裏漉し作用し乍ら切り出し搬送するように定めたことを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、冒頭に述べた従来技術の問題を完全に改良することができる。
つまり、フードミキサーとその本体フレームの周辺部へ別個な複数の材料投入機を設置し、その各材料投入機へ各種生地作りに必要な小麦粉や卵、砂糖、牛乳、その他の悉く異なる材料を予め収納しておき、洋菓子の目標とする生地を作成するに当って、その生地毎の運転工程データとなる撹拌力や加熱力のほか、目標加熱温度、目標伝導率、タイマー運転時間などの必要な数値を、フードミキサーの自動運転用操作パネルにおける入力スイッチ部のタッチ操作により、制御盤(シーケンサー)へ設定・入力しておけば、そのミキサーの運転によって洋菓子の各種生地を全自動で効率良く、しかもきめ細かな高品質の仕上がり状態に作成することができるのである。
また、請求項2の上記構成によれば、小麦粉やその他の粉体材料を所謂ダマが発生しないように、自ずと確実に裏漉し作用することができ、しかもその材料をスクリューフィーダーからフードミキサーの材料収納容器へ、すばやく切り出し搬送し得る効果もある。
本発明のフードミキサーを示す正面図である。 図1の側面図である。 図1の平面図である。 材料収納容器の昇降作動機構を示す部分拡大断面図である。 図4の5−5線断面図である。 撹拌作用ボックスの内部を示す部分拡大図である。 図6の7−7線断面図である。 撹拌機構を示す部分拡大断面図である。 図8の9−9線断面図である。 第1、2偏心撹拌軸の下端部に付属する撹拌子用連結スリーブを抽出して示す断面図である。 図10の11−11線断面図である。 開閉カバーの開閉検知部分を抽出して示す正面図である。 第1、2偏心撹拌軸に対する第1、2撹拌子の連結使用状態を示す断面図である。 本発明の使用状態を示す断面図である。 図14の平面図であり、第1、2撹拌子の回転(自転)方向を示している。 導電率検知センサーを備えた無線送信器の断面図である。 無線送信器取付状態の変形実施形態を示す図8と対応する拡大断面図である。 温度検知センサーを備えた無線送信器の断面図である。 フードミキサーに対する第1、2材料投入機の据え付け位置関係を示す正面図である。 図19の平面図である。 図19の側面図である。 図19の第1材料投入機を抽出して示す部分拡大図である。 撹拌子としてのワイヤーホイッパーを上方から見た斜面図である。 図23のワイヤーホイッパーを下方から見た斜面図である。 第1、2撹拌子の各種形態品を示す外観図である。 シュー生地を作るレシピとなる自動運転フローチャートである。 ジェノワーズを作るレシピとなる自動運転フローチャートである。 フィナンシェを作るレシピとなる自動運転フローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述すると、図1〜3はその本発明に係る竪型フードミキサーの概略全体を示しており、これは作業床へ据え付けられる剛性なミキサー本体フレーム(M)と、その本体フレーム(M)の中途高さ位置に安定良く吊持される洋菓子の材料収納容器(T)と、その材料収納容器(T)の真上位置に臨む撹拌機構(A)の駆動源を内蔵した撹拌作用ボックス(Ab)と、同じく材料収納容器(T)の真下位置に臨む加熱器(H)を内蔵した加熱作用ボックス(Hb)と、その材料収納容器(T)と加熱作用ボックス(Hb)とを上記撹拌機構(A)に対して、一緒に昇降させるための昇降作動機構(E)とから成る。
上記竪型フードミキサーの主要な構成部材のうち、先ず洋菓子の生地を作る各種材料の収納容器(T)は一定な大きさ(例えば直径:約400mm×深さ:約250mm、容量:約30リットル)の業務用(半)寸胴鍋として、ステンレスとアルミとの3層クラッド材(例えば内側:SUS304+中間:アルミ+外側:SUS430)から作成されている。
但し、導電性を有し、底面がフラットな材料収納容器(T)であるならば、アルミと鉄とのクラッド材やフェライト系ステンレス鋼、磁性体の鉄粉などが溶射された銅、それ自体が磁性体の鉄などから作成しても良い。
(1)は上記材料収納容器(寸胴鍋)(T)における胴面の中途高さ位置に溶接されたリング状の係止フランジであって、その直径線上から一体的に張り出す左右一対の耳片(2)を備えており、その両耳片(2)に貫通形成された取付孔(3)が、ミキサー本体フレーム(M)側の後述する容器受けアームから垂立する左右一対の芯出しガイドピンへ、上方から抜き差し自在に差し込みセットされるようになっている。
(4)は上記係止フランジ(1)から張り出す両耳片(2)の真上に対応位置する左右一対の把手であり、平面視の向かい合うコ字形として材料収納容器(T)の胴面から一体的に張り出されているため、作業者がここを両手で握り持ち乍ら、その材料収納容器(T)側の上記取付孔(3)を後述する容器受けアーム側の芯出しガイドピンへ抜き差し操作したり、材料収納容器(T)を運んだりすることができる。
次に、ミキサー本体フレーム(M)は平面視の後向き開放したチャンネル形鋼材から成る剛性な支柱(5)と、鋼管材から平面視の疑似H字形に溶接された脚枠(6)とを備え、その脚枠(6)の中間部が支柱(5)の下端部を貫通横断する組立状態に溶接されている。(7)は脚枠(6)の接地する4個所に各々螺合締結された据え付け高さ調整座である。
他方、上記支柱(5)の上端部には天板(8)が施蓋状態に溶接されており、側面視の倒立L字形をなす撹拌作用ボックス(Ab)の下底板(9)が、その支柱(5)の天板(8)上へ搭載され、且つ複数の固定ボルト(10)を介して組立一体化されている。
又、材料収納容器(T)とその加熱作用ボックス(Hb)とを一緒に昇降させる作動機構(E)について言えば、(11)は上記材料収納容器(T)の係止フランジ(1)を受け止め吊持する容器受けアームであって、図5のような平面視の前向き開放したほぼU字形又は馬蹄形をなし、その前端部から一体的に垂立する左右一対の芯出しガイドピン(12)へ、材料収納容器(T)側の上記取付孔(3)が上方から抜き差し自在に差し込みセットされることにより、その材料収納容器(T)が撹拌機構(A)や加熱器(H)との対応的な位置関係上、自ずと正確な芯出し状態に固定維持されるようになっている。
しかも、その容器受けアーム(11)からは上記ミキサー本体フレーム(M)の支柱(5)とほぼ相似なチャンネル形の支柱用包囲枠(13)が、後向き一体的に張り出されている。つまり、その包囲枠(13)は前壁板(13a)と左右両側壁板(13b)とから平面視の後向き開放したチャンネル形をなしており、その前壁板(13a)の上部と上記容器受けアーム(11)の後端部とが溶接されているのである。
(14)はその包囲枠(13)の左右両側壁板(13b)へ各々合計4個ずつとして、水平なローラー支軸(15)により取り付けられた遊転ローラーであり、これらが上記支柱(5)の4個所へ係合し乍ら、その支柱(5)を昇降ガイドレールとして転動・昇降し得るようになっている。
(13c)は同じく包囲枠(13)における左右両側壁板(13b)の張り出し先端部(後端部)に固定横架された背壁板であり、その中間部からは回動ネジ軸(16)の水平な軸受台(17)が、上記支柱(5)内への前向き一体的に張り出されている。
回動ネジ軸(16)は支柱(5)の内部に垂立されており、その下端部付近が上記軸受台(17)によって安定良く受け持たれている。(18)はその軸受台(17)へ溶接などにより固定一体化された昇降スライダーとなるナットであって、上記回動ネジ軸(16)との螺合締結状態に保たれている。(19)はその回動ネジ軸(16)の下端部に取り付け固定された下降ストッパーとなる座金、(20)はその抜け止めナットである。
他方、回動ネジ軸(16)の上側は細いストレートな延長軸(21)として、上記支柱(5)の天板(8)とこれに搭載されている撹拌作用ボックス(Ab)の下底板(9)とを貫通して、そのボックス(Ab)の内部に至るまで垂立しており、その延長軸(21)の上端部には比較的径小な従動ベベルギヤ(22)がキーやスプラインなどを介して嵌め付け一体化されている。(23)はその延長軸(21)の中途高さ位置を回動自在に軸受けするラジアルベアリング(24)のケースであって、これから一体的に張り出す水平な取付フランジ(25)が、上記支柱(5)の天板(8)と撹拌作用ボックス(Ab)の下底板(9)へ複数の固定ボルト(26)を介して組付け一体化されている。
(27)は上記回動ネジ軸(16)側の従動ベベルギヤ(22)と直交状態に噛合する比較的径大な原動ベベルギヤであって、上記撹拌作用ボックス(Ab)を貫通横架する水平な回動ハンドル軸(28)の中途部へ、やはりキーやスプラインなどを介して嵌合されており、その回動ハンドル軸(28)が撹拌作用ボックス(Ab)から張り出す一端部(好ましくは正面からの右端部)には、回動操作ハンドル(29)が嵌め付け一体化されている。
そのため、作業者がこれを外部から回動操作すれば、上記ベベルギヤ(22)(27)同士の噛合を介して、上記支柱(5)内の回動ネジ軸(16)が比較的速く(増速)回動すると共に、これとの螺合締結状態にある昇降スライダー(ナット)(18)が、その回動ネジ軸(16)に沿って昇降作用のみを行い、延いては上記容器受けアーム(11)に受け止め吊持されている材料収納容器(T)が、図2、4のように昇降することとなる。
その場合、下降した昇降スライダー(ナット)(18)を受け止める上記座金が、上記材料収納容器(T)の下降ストッパー(19)として機能することになる。(30)は上記撹拌作用ボックス(Ab)における下底部付近の前面中央位置へ、固定ボルト(31)を介して前向き張り出し状態に取り付けられた支持ブラケットであり、その支持ブラケット(30)の先端部へ昇降調整可能に螺合締結されたネジ杆が、材料収納容器(T)の上昇ストッパー(32)として働くようになっている。
上記昇降スライダー(ナット)(18)により容器受けアーム(11)を介して持ち上げられた材料収納容器(T)の係止フランジ(1)が、そのネジ杆(上昇ストッパー)(32)の先端部(下端部)によって受け止め規制されるようになっているのである。
先に一言した加熱作用ボックス(Hb)はアルミの胴板(33)と底板(34)並びに強化ガラスの天板(35)から、図4のような上記材料収納容器(T)と対応するほぼ円盤形に組み立てられており、その胴板(33)から後向き一体的に張り出す取付ステー(36)が、複数の固定ボルト(図示符号省略)を介して、上記支柱用包囲枠(13)の前壁板(13a)へ取り付け固定されているため、上記材料収納容器(T)と一緒に昇降する。
その場合、加熱作用ボックス(Hb)の底板(34)は上記胴板(33)の下端部付近から内向きに張り出す複数の支持ステー(37)へ、その下方からの固定ボルト(38)によって着脱自在に取り付けられている。
又、図示実施形態の加熱器(H)は電磁誘導加熱器として、1本の電磁誘導加熱コイル(39)がそのフラットなコイル受けベース(40)の上面へ、渦巻き状態に固定設置されており、その接続端子が撹拌作用ボックス(Ab)内の後述する加熱用インバータ(高周波電源)と電気配線されている。(41)はその配線用の可撓電線管を示している。
そして、上記コイル受けベース(40)はその脚柱(42)と固定ボルト(43)との複数ずつを介して、上記加熱作用ボックス(Hb)の底板(34)へ着脱自在に取り付けられているため、そのボックス(Hb)の下方から電磁誘導加熱器(H)を出し入れすることができる。但し、上記材料収納容器(T)の加熱器(H)としては電磁誘導加熱器に代る赤外線加熱器やその他の電気加熱器を採用しても良い。
次に、上記撹拌作用ボックス(Ab)を説明すると、これは水平な上記下底板(9)のほかに、これと平行な上底板(44)も備えた図6のような側面視の倒立L字形に造形されており、その上底板(44)の上段空間を横架する水平な固定台(45)には、これに植え立てられた複数の脚柱(46)と、これにより支持されたモーター取付板(47)を介して、撹拌機構(A)の駆動源となるギヤードモーター(48)が搭載されている。
又、同じく撹拌作用ボックス(Ab)の上底板(44)へ固定されたインバータ取付板(49)には、上記ギヤードモーター(48)の回転制御用インバータ(50)が搭載されている。(51)はそのモーター回転制御用インバータ(50)と上記回動ハンドル軸(28)との背後に立設された垂直の固定仕切り壁板であり、これよりも背後の空間に上記電磁誘導加熱コイル(39)の加熱用インバータ(高周波電源)(52)と図外の各種電装品が内蔵設置されている。
(53)はその加熱用インバータ(52)などを冷却するための通気口であり、上記撹拌作用ボックス(Ab)の背後面に開口形成されている。(54)は同じく撹拌作用ボックス(Ab)の上段空間に内蔵設置された制御盤(シーケンサー)であって、これには図26〜28のような洋菓子の各種生地に応じたレシピとなるタイマー運転工程や目標温度指定運転工程、目標導電率指定運転工程などの制御プログラムが予め登録(記憶)されており、これを読み出すようになっている。
更に、(55)は上記撹拌作用ボックス(Ab)の前壁面に設置された自動運転用の操作パネル(タッチパネル)であって、表示部と入力スイッチ部(図示省略)を備えており、その入力スイッチ部のタッチ操作によって、上記洋菓子の各種生地を作る運転データ登録番号を選択して、その生地毎の運転工程データを読み出すと共に、その各工程の運転データとなる上記撹拌力(ギヤードモーター(48)の回転速度)や加熱力(電磁誘導加熱器(H)の出力)、目標加熱温度、目標導電率、タイマー運転時間などの必要な数値を設定・入力するようになっている。(56)は手動の電源スイッチ、(57)は非常停止スイッチ、(58)は加熱異常表示ランプを示している。
そして、フードミキサーの自動運転を開始すれば、上記制御盤(シーケンサー)(54)が設定通りのシーケンス制御を行うと共に、後述する無線送信器の検知部が各種生地の温度や導電率をリアルタイムに測定・検知し、その検知出力信号に基づいて上記材料収納容器(T)に対する指定量の材料投入や上記撹拌力・加熱力の停止を自動的に行うようになっている。
撹拌機構(A)は上記ギヤードモーター(48)によって回転駆動されるセンター主軸(60)と、その周囲をセンター主軸(60)と同じ方向(F)へ公転運動すると同時に、その公転運動との逆方向(R)並びに同じ方向(F)へ各々自動運転する第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とを備えており、その一対の第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の下端部に第1、2攪拌子(P1)(P2)が、各々着脱自在に連結使用されることとなる。その第1、2攪拌子(P1)(P2)については、後述する。
即ち、その撹拌機構(A)の詳細を示した図6や図8〜11から明白なように、上記撹拌作用ボックス(Ab)内の上段空間を横断する水平な固定台(45)には、その上方からモーター取付板(47)と複数の脚柱(46)を介して、撹拌機構(A)の駆動用ギヤードモーター(48)が搭載されているが、その同じ固定台(45)の中央部にはギヤードモーター(48)から垂下するセンター主軸(60)を回転自在に軸受けするラジアルベアリング(63)の固定ケース(64)が、逆な下方から差し込み一体化されている。(65)はそのセンター主軸(60)を別に支持するスラストベアリングである。
(66)はその固定台(45)の下面と固定ベアリングケース(64)の胴面へ、複数の固定ボルト(67)と溶接によって強固に取り付け一体化された径大な円形のギヤ支持用天井板であり、その天井板(66)における周縁部の下面にはインターナルギヤ(内歯車)(68)が、複数の固定ボルト(69)によって取り付けられている。
(70)はそのインターナルギヤ(68)を下方から包囲し得る径大な断面ほぼU字形の回転椀であって、水平の円盤(70a)とその周縁部から一体的に起立する包囲カバー(70b)と同じく円盤(70a)の偏心部から一体的に垂下する一対の第1、2ベアリングケース(70c)(70d)とを備えており、その円盤(70a)の中心部をなすボス(70e)がキーやスプラインなどを介して、上記センター主軸(60)の下端部付近と一体回転し得るように嵌合されている。(71)はその回転椀(70)の抜け止め用固定ナットであり、センター主軸(60)の下端部に螺合締結されている。
そして、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対は何れも材料収納容器(T)内の偏心部に向かって垂下するが、その一方の第1偏心撹拌軸(61)が上記センター主軸(60)と短い間隔距離(L1)(例えば約83.75mm)を保つ平行状態にあるに反して、他方の第2偏心撹拌軸(62)は同じくセンター主軸(60)と長い間隔距離(L2)(例えば約115mm)を保つ平行状態にあり、上記回転椀(70)の対応位置に具備された第1、2ベアリングケース(70c)(70d)内のラジアルベアリング(72)(73)によって、各々回転(自転)自在に軸受けされている。
又、上記固定設置状態にあるギヤ支持用天井板(66)側のインターナルギヤ(68)に内接して、これと噛合回転し得る比較的径大な第1ピニオンギヤ(74)が、上記第1偏心撹拌軸(61)の上端部へキーやスプラインなどを介して嵌め付け一体化されている。
更に、同じくギヤ支持用天井板(66)側のインターナルギヤ(68)に内接して、これと噛合回転し得るアイドルギヤ(中間歯車)(75)が、上記センター主軸(60)と平行に垂立するアイドルギヤ支軸(76)を介して、上記回転椀(70)の円盤(70a)に取り付け一体化されていると共に、そのアイドルギヤ(75)と噛合回転し得る別個な第2ピニオンギヤ(77)が、上記第2偏心撹拌軸(62)の上端部にやはり嵌め付け一体化されている。
しかも、上記アイドルギヤ(75)は第1ピニオンギヤ(74)とほぼ同じ直径を備えているが、第2ピニオンギヤ(77)はこれらよりも径小に寸法化されており、上記第1偏心撹拌軸(61)に比して第2偏心撹拌軸(62)が速く回転(自転)するように関係設定されている。(78)は上記アイドルギヤ(75)とその支軸(76)との相互間に介在するラジアルベアリング、(79)はそのアイドルギヤ支軸(76)を上記回転椀(70)における円盤(70a)の偏心部へ抜け止め状態に取り付ける固定ナットである。
この点、図示の実施形態では第1偏心撹拌軸(61)が公転速度の約4倍として、第2偏心撹拌軸(62)が同じく公転速度の約6倍として、各々高速に回転(自転)するギヤ比になっているが、この回転ギヤ比は洋菓子における生地の種類やその処理・作用の目的(ミキシング、ビーティング、ホイッピングなど)とする仕上がり状態などに応じて、自由自在に変更・調整することができる。
そのため、上記撹拌機構(A)のセンター主軸(60)が図9の矢印方向(F)へ回転駆動されると、そのセンター主軸(60)と一体回転する上記回転椀(70)を介して、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とアイドルギヤ支軸(76)がセンター主軸(60)の周囲を同じ方向(F)へゆっくり公転運動することになる。
そして、その公転運動と同時に、上記第1偏心撹拌軸(61)がその上端部の第1ピニオンギヤ(74)とインターナルギヤ(68)との噛合回転によって、上記公転運動する方向(F)との逆方向(R)へすばやく自転運動することになる一方、上記第2偏心撹拌軸(62)がその上端部の第2ピニオンギヤ(77)とアイドルギヤ(75)との噛合回転並びにそのアイドルギヤ(75)と上記インターナルギヤ(68)との噛合回転を介して、第1偏心撹拌軸(61)が自転運動する方向(R)との逆方向(F)(上記公転運動する方向と同じ)へ、しかもその第1偏心撹拌軸(61)の回転(自転)速度よりも速く自転運動することになる。
その場合、上記センター主軸(60)と延いては第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対をその回転駆動源のギヤ―ドモーター(48)によって、図9の矢印方向(F)と逆な方向(R)へ公転運動させることも可能であるが、上記アイドルギヤ(75)を介して自転運動する第2偏心撹拌軸(62)と、その上端部の第2ピニオンギヤ(77)との嵌合面にはワンウェイクラッチ(80)が介挿設置されており、上記センター主軸(60)が上記矢印方向(F)との逆方向(R)へ回転駆動された時だけ、そのワンウェイクラッチ(80)の滑る働きにより、第2ピニオンギヤ(77)から第2偏心撹拌軸(62)への伝動作用を切断し、その第2偏心撹拌軸(62)を自ずと停止させるようになっている。
上記撹拌機構(A)における第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の下端部は、図8や図10、11に示すような咬み合いフック(81)として切り欠かれている。(82)はその偏心撹拌軸(61)(62)へ各々下方から差し込み套嵌された連結スリーブ、(83)はその連結スリーブ(82)に固定ボルト(84)を介して取り付けられた抜け止め片であり、これが上記偏心撹拌軸(61)(62)の円周面に各々列設された昇降ガイド溝レール(85)へ係止して、その偏心撹拌軸(61)(62)から脱落しないようになっている。
更に、(86)は上記撹拌作用ボックス(Ab)における上底板(44)の回転椀逃し入れ口(図示符号省略)を目隠しする蓋板であって、その回転椀逃し入れ口の周辺部に取り付け固定されており、その下面には上記回転椀(70)の包囲カバー(70b)を包囲する径大なリング状の回動ガイドレール(87)が、複数の固定ボルト(88)によって取り付け一体化されている。
上記回動ガイドレール(87)は断面ほぼコ字形をなし、その凹周溝の内部に別個な合成樹脂のハンガーフック(89)が係合されている。そのハンガーフック(89)は平面視の約240度だけ弯曲する円弧形をなし、これには複数の水平な係止ピン(90)が植え付けられている。
(91)はステンレス鋼板から上記ハンガーフック(89)と同じ角度だけ円弧状に弯曲形成された開閉カバーであって、把手(92)を備えており、その複数の吊り板片(93)が上記ハンガーフック(89)の係止ピン(90)へ係脱自在に係止されるようになっている。
又、(94)は上記開閉カバー(91)と相俟って平面視の円形(360度)に閉合されることとなる背面カバーであって、やはりステンレス鋼板から残りの約120度だけ弯曲した円弧形をなし、これから後向き一体的に張り出す取付ステー(95)が図6のように、上記撹拌作用ボックス(Ab)における下段空間の前面へ固定ボルト(96)によって取り付け一体化されている。
そのため、作業者が上記開閉カバー(91)の把手(92)を握り持ち、その回動ガイドレール(87)に沿って開閉カバー(91)を手廻し操作することにより、上記容器受けアーム(11)に受け止め吊持されている材料収納容器(T)の開放上面を、その背面カバー(94)との全体的な円形(360度)の包囲状態に閉鎖することができる。
但し、その場合図8、12に示すように、材料収納容器(T)の開放上面をその背面カバー(94)と相俟って、平面視の円形(360度)に包囲した正規な閉鎖状態にある開閉カバー(91)の上記吊り板片(93)からは、その金属材の被検知片(97)が横向き一体的に張り出されている一方、その被検知片(97)を検知できる近接センサー(98)が、上記撹拌作用ボックス(Ab)における上底板(44)又はその回転椀逃し入れ口用蓋板(86)の対応位置に取り付け固定されている。
上記材料収納容器(T)の開放上面をその開閉カバー(91)が正規の包囲状態に閉鎖した時、これを被検知片(97)から検知した近接センサー(98)の出力電気信号に基づいて、上記撹拌機構(A)の駆動源であるギヤードモーター(48)を回転させ、さもなければギヤードモーター(48)が回転し始めないように自動制御するようになっている。上記近接センサー(98)が撹拌機構(A)の電源スイッチとして機能し得るようになっているのである。
尚、上記開閉カバー(91)を適度に回動操作して開放しておくことにより、その材料収納容器(T)に対する洋菓子の各種生地やその材料の出し入れ作用を支障なく行えることは言うまでもない。
第1、2偏心撹拌軸(61)(62)を回転(自転)自在に軸受けしている回転椀(70)が、撹拌機構(A)のセンター主軸(60)と一体回転する旨を既に説明したけれども、その回転椀(70)における水平な円盤(70a)の偏心部からは、図13、14のようなセンサーホルダー(100)が一体的に垂下されている。
(101)はそのセンサーホルダー(100)の下端部に設けられた受け輪であり、ここへ上方から抜き差し自在に差し込み係止された無線送信器(S)の検知部(102)が、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対と一緒にゆっくり公転運動し乍ら、材料収納容器(T)内のホイッピング(泡立て)中にある生地の導電率と温度をリアルタイムに検知(測定)する。
茲に、無線送信器(S)は図16に抽出して示すような合成樹脂製のケース本体(103)と、その開口上端部へ液密状態に螺合締結された合成樹脂製のテールキャップ(104)と、同じくケース本体(103)の下端中央部から適当な一定長さだけ一体的に突出する金属製のリード管(105)と、そのリード管(105)の突出先端部(下端部)に被着一体化された合成樹脂製のヘッドカバー(106)とを備えている。
しかも、そのホイッピング中の生地へ差し込み(浸漬)使用されることになるヘッドカバー(106)の先端部(下端部)には、無線送信器(S)の検知部(102)を構成する導電率測定用の平行棒型電極(107a)(107b)と、サーミスターや熱電対箔などの温度測定素子(108)とが設置されている一方、上記ケース本体(103)にはセンサー基板(CPU)(109)とその駆動源の電池(110)並びに送信アンテナ(111)が内蔵されている。(112)(113)は上記平行棒型電極(107a)(107b)並びに温度測定素子(108)と、そのセンサー基板(109)とを各々接続する測定ケーブルである。
そして、上記平行棒型電極(107a)(107b)が電極法による導電率検知センサーとして、その相互間における上記生地の抵抗値(導電率)を測定するが、その導電率は被測定液である生地の温度によって変化するため、これらと別個に設置された温度測定素子(108)の温度測定値に基づいて、その導電率測定値を自動的に補正し得るように構成されている。
その場合、図示の実施形態では上記検知部(102)を備えた無線送信器(S)と対応する受信器が、先に一言した自動運転用操作パネル(タッチパネル)(55)との兼用タイプとして、上記撹拌作用ボックス(Ab)上の制御盤(54)に組み込み一体化されており、その送信器(S)から無線信号として送信される上記生地の現在温度測定値と現在導電率測定値を、無線受信器が受信して、その受信器側の基板(CPU)(図示省略)が温度測定値に基づく導電率測定値の補正に必要な演算を行い、その補正した導電率測定値を制御盤(54)上の操作パネル(タッチパネル)(55)へリアルタイムに出力表示するようになっている。
上記ホイッピング中にある生地の導電率測定用平行棒型電極(107a)(107b)と温度測定素子(108)とから成る検知部(102)を備えた無線送信器(S)は、図14、15のように第1偏心撹拌軸(61)に連結使用される回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)と、第2偏心撹拌軸(62)に連結使用される回転直径(D)の小さな第2撹拌子(P2)との隣り合う位置付近に垂下し、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の回転(自転)運動軌跡と干渉するおそれはない。
尚、図1〜15では上記回転椀(70)における水平な円盤(70a)の偏心部から、無線送信器用のセンサーホルダー(100)を垂下させているが、図8と対応する図17の変形実施形態に示す如く、上記センター主軸(60)の下端部から材料収納容器(T)内の中心部に向かって、センサーホルダーとなる延長センター軸(114)を一体的に垂下させ、その下端部へ別個な眼鏡型のクランプ金具(115)を取り付けて、そのクランプ金具(115)へ上記無線送信器(S)をやはり上方から抜き差し自在に差し込み係止させても良い。
何れにしても、上記無線送信器(S)の検知部(102)は撹拌機構(A)をなすセンター主軸(60)の回転によって、そのセンター主軸(60)の周囲を一緒にゆっくり公転運動し乍ら、材料収納容器(T)内のホイッピングされている生地に浸漬して、その生地の温度により補正された導電率をリアルタイムに検知(測定)することができるのである。
先には、ホイッピングする生地の導電率測定用平行棒型電極(107a)(107b)と温度測定素子(108)とから成る検知部(102)を備えた無線送信器(S)の構成について、図16に基づき説明したが、洋菓子における各種生地のうちでも泡立て(ホイッピング)処理・作用する必要がないレシピである場合には、その生地の温度だけをリアルタイムに検知(測定)できれば足りる。
図18はその検知部(116)がサーミスターや測温抵抗箔、熱電対箔などの接触式温度センサーから成る無線送信器(S)を示しており、これは金属製のケース本体(117)と、その開口上端部へ液密状態に螺合締結された合成樹脂製のテールキャップ(118)と、同じくケース本体(117)の下端中央部へやはり液密状態に螺合締結された口金(119)と、その口金(119)から適当な一定長さだけ突出された金属製のリード管(120)とを備え、そのリード管(120)の先端部(下端部)に上記温度センサー(116)が取り付けられている。
しかも、上記ケース本体(117)にはやはりセンサー基板(CPU)(121)とその駆動源の電池(122)並びに送信アンテナ(123)が内蔵されている。(124)はそのセンサー基板(121)と上記温度センサー(116)とを接続する測定ケーブルである。
そして、このような接触式温度センサー(116)を備えた無線送信器(S)も、図16の上記無線送信器(S)と同じく、センサーホルダー(100)の受け輪(101)やセンサーホルダーとなる上記延長センター軸(114)上のクランプ金具(115)へ、上方から差し込み係止使用されて、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)と一緒にゆっくり公転運動することになる。
尚、その温度センサー(116)を備えた無線送信器(S)と対応する受信器は、図16に基づき説示した無線送信器(S)のそれと同様な自動運転用操作パネル(タッチパネル)(55)との兼用タイプとして、上記撹拌作用ボックス(Ab)上の制御盤(54)に組み込み一体化されておれば良い。
更に、(K1)(K2)は上記フードミキサーと別個独立の第1、2材料投入機であり、図19〜21のように、そのミキサー本体フレーム(M)の隣接位置に据え付けられて、洋菓子の生地を作る材料としての小麦粉(薄力粉)や砂糖(グラニュー糖)、その他の互いに異なる粉体・粒体を、上記材料収納容器(T)へ投入する。
第1、2材料投入機(K1)(K2)は好ましくは互いに同じ構成のスクリューフィーダーから成り、据え付け高さの調整可能な脚枠(125)と、その天板(126)上へロードセル(減算式重量計)(127)を介して搭載された架台(128)と、その架台(128)に取り付け固定されたスクリューコンベア駆動用モーター(129)並びにホッパー(130)と、そのホッパー(130)から落下する上記材料を、フードミキサー側の材料収納容器(T)に向かって搬送するスクリューコンベア(131)とを備えている。
尚、スクリューコンベア(131)の回転軸(132)はその駆動源であるモーター(129)の中空出力軸(133)へ差し込み一体化されている。(134)はそのスクリューコンベア(131)を包囲するシリンダー(円筒状のハウジング)であり、上記ホッパー(130)の下端部と連通状態にあることは言うまでもない。
その場合、図22の部分拡大図から明白なように、上記シリンダー(134)の径大な先端部と、ここへ複数の固定ボルト(135)によって取り付けられた枠環(136)との相互間には、漉し網(137)が挟み付けられている一方、上記スクリューコンベア(131)における回転軸(132)の対応的な先端部には、2枚の板状をなす漉し羽根(138)が嵌め付け一体化されている。
(139)はその回転する漉し羽根(138)を常時漉し網(137)へ弾圧付勢する圧縮コイルバネであり、その付勢力を受けた回転漉し羽根(138)と、同じく固定状態の漉し網(137)とによって、上記粉体・粒体の材料である就中小麦粉を所謂ダマが発生しないように、裏漉し作用すると同時に、材料収納容器(T)へすばやく切り出すことができるようになっている。
尚、スクリューフィーダーから成る第1、2材料投入機(K1)(K2)を説示したが、これに代る振動フィーダーを採用して、上記粉体・粒体の材料である特に小麦粉の篩い漉し作用を行うと共に、材料収納容器(T)への切り出しを行うように構成してもさしつかえない。
他方、(K3)(K4)はやはりフードミキサーと別個な第3、4材料投入機であり、これらも図20、21のようにミキサー本体フレーム(M)と隣り合う周辺位置に据え付けられて、洋菓子の生地を作る材料としての全卵(液卵)や卵白、卵黄、牛乳、溶解バター、その他の互いに異なる液体・粘性体を、上記材料収納容器(T)へ投入する。
その第3、4材料投入機(K3)(K4)は望ましくは互いに同じ構成のシューターから成り、やはり据え付け高さを調整できる脚枠(140)と、その天板(141)上へロードセル(減算式重量計)(142)を介して搭載された架台(143)と、その架台(143)に固定支持されたホッパー(144)と、そのホッパー(144)から落下する上記液体・粘性体の材料を、フードミキサー側の材料収納容器(T)に向かって円滑に誘導する流動配管(145)とを備え、その流動配管(145)の中途部に開閉用の自動切り出し弁(エヤーバルブ)(146)が介挿設置されている。
そして、上記第1、2材料投入機(K1)(K2)におけるスクリューコンベア(131)の駆動用モーター(129)は、フードミキサー側における無線送信器(S)の検知部(102)(116)が材料収納容器(T)内にある生地の温度や導電率を検知して、その検知出力信号を無線送信器(S)から受信した制御盤(シーケンサー)(54)により、上記生地作りのための材料をその収納容器(T)へ投入すべく回転駆動されるようになっている。
また、上記3、4材料投入機(K3)(K4)における流動配管(145)の中途部に設置された開閉用の自動切り出し弁(146)も、やはりフードミキサー側における無線送信器(S)の検知部(102)(116)が材料収納容器(T)内にある生地の温度や導電率を検知して、その検知出力信号を無線送信器(S)から受けた上記制御盤(54)により、上記生地作りのための材料をその収納容器(T)へ投入すべく開放作動されるようになっている。
更に、上記第1〜4材料投入機(K1)〜(K4)に具備されたロードセル(127)(142)は減算式重量計として、これに固定搭載された物理的な機構の全体重量と、延いてはそのホッパー(130)(144)並びにスクリューコンベア(131)や流動配管(145)内にある生地の重量を測定しており、その測定値が予めの設定値に到達したことを検知するや否や、そのロードセル(127)(142)からの検知出力信号を受けた制御盤(54)が、上記材料収納容器(T)に対する材料の投入を停止すべく、そのスクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転停止や上記流動配管開閉用自動切り出し弁(146)の閉鎖作動を行うようになっている。
先に一言した第1、2撹拌子(P1)(P2)としては、底面がフラットな材料収納容器(寸胴鍋)(T)と一緒に使用して、洋菓子の各種生地となる必要な材料のミキシング(混合)やビーティング(撹拌)、ホイッピング(泡立て)、その他の目的とする処理・作用を行えるならば、如何なる材質や形態のそれを採用してもさしつかえない。
この点、図2、6や図13〜15では回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)と小さな第2撹拌子(P2)を、何れも模式的なワイヤーホイッパーとして暗示しているに過ぎないが、その具体的な構成としては図23、24に抽出して示すような第1、2偏心撹拌軸(61)(62)に対する取付支軸(147)と、多数のワイヤー(148)が底部での集束状態に組付け固定された全体的な筒篭形のワイヤーホイッパー(149)を採用することが好ましい。
また、図25(イ)のような大小一対のワイヤーホイッパー(149)に代る大きな第1撹拌子(P1)並びに小さな第2撹拌子(P2)として、同図(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)のような一文字形の羽根(150)やコ字形の羽根(151)、大小一対のフック(152)、同じく大小一対のバタービーター(153)などを採用しても良く、更に言えばこれらの大型品を第1偏心撹拌軸(P1)へ取り付ける一方、上記ワイヤーホイッパー(149)の小型品を第2偏心撹拌軸(P2)へ取り付けて、その形態が異なる第1、2撹拌子(P1)(P2)の大小2種を併用しても良い。
シュー生地とジェノワーズ並びにフィナンシェを洋菓子における就中ケーキ生地の代表例に挙げて、本発明の上記実施形態に係るフードミキサーの自動運転方法を説明すると、次のとおりである。
即ち、図26は洋菓子のシュー生地を作るレシピになる自動運転フローチャートであり、例えば1.7kgの牛乳と1kgの溶解バターとを混合材料として、上記フードミキサーの材料収納容器(T)へ収納しておき、その収納した材料の中へ図18のような無線送信器(S)の検知部(116)となる接触式温度センサーを差し込んで、その温度を測定(検知)できる状態に準備すると共に、上記第1材料投入機(K1)のホッパー(130)には小麦粉を、上記第3材料投入機(K3)のホッパー(144)には全卵(液卵)を各々収納しておく。
また、上記撹拌機構(A)の第1偏心撹拌軸(61)に回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)として、図25(ハ)のようなコ字形の羽根(151)を取り付けておく。第2偏心撹拌軸(62)には如何なる第2撹拌子(P2)も取り付けず、コ字形羽根(151)のみの使用による撹拌を行えるように準備する。
他方、予め登録(記憶)されている各種生地の運転データ登録番号から、シュー生地のそれを選択して、そのシュー生地の運転工程データを読み出す。
そのシュー生地の運転工程としては、図26のような第1〜11工程が用意されているので、その工程毎の必要な運転データとなる加熱力(上記電磁誘導加熱器(H)の出力)や撹拌力(上記ギヤードモーター(48)の回転速度)、加熱目標温度、タイマー運転時間、運転中の追加混合材料である小麦粉や全卵の投入設定量を、上記自動運転用操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御部(シーケンサー)(54)へ入力しておく。
これらの入力される設定値は図26に記載のとおりとして、シュー生地の作成を多数行った言わば熟練者の豊富な経験から知得した最適の数値である。
先ず、第1工程(目標温度指定運転工程)では上記シュー生地の材料を撹拌せず、目標温度が90℃に到達するまで、加熱力100%での加熱を行い、同じく第2工程では目標温度が99℃に到達するまで、引続き加熱力100%での加熱を行い乍ら、撹拌力10%での撹拌も行う。
その加熱温度の99℃に到達したことが、上記無線送信器(S)の温度センサー(116)によって検知されると、その検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、次の第3工程(粉定量投入工程)において、第1材料投入機(K1)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の小麦粉を裏漉し作用し乍ら切り出し搬送して、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ自動投入する。
その材料収納容器(T)に対する小麦粉の投入量は、第1材料投入機(K1)のロードセル(減算式重量計)(127)によって測定(検知)されており、予め設定された投入量(例えば1.4kg)に到達したことが、そのロードセル(127)によって検知されると、その検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転を停止する。
上記小麦粉の設定量投入を終えると、次の第4、5工程(何れもタイマー運転工程)では撹拌力10%での撹拌を20秒と、引続き撹拌力40%での撹拌を3分だけ各々行う。その両工程では上記材料を加熱しない。
そして、その第5工程での上記3分をタイムアップしたことがタイマー(図示省略)によって検知されると、その検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、次の第6工程(卵定量投入工程)において、第3材料投入機(K3)の流動配管開閉用自動切り出し弁(エアーバルブ)(146)を開放させ、そのホッパー(144)内の全卵を流動配管(145)からフードミキサーの上記材料収納容器(T)へ、自ずと流下する如くに投入する。
その材料収納容器(T)に対する全卵の投入量は、やはり第3材料投入機(K3)のロードセル(減算式重量計)(142)によって測定(検知)されており、予め設定された投入量(例えば0.7kg)に到達したことが、そのロードセル(142)によって検知されると、その検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、流動配管(145)の開閉用自動切り出し弁(146)を閉鎖して、その全卵の投入を停止する。
上記全卵の設定量投入を終えると、次の第7工程(タイマー運転工程)では加熱を行わず、撹拌力30%での撹拌を1分30秒だけ行う。
その第7工程での上記1分30秒をタイムアップしたことが、タイマー(図示省略)によって検知されるや否や、その検知出力信号を受けたフードミキサーの制御盤(54)が、上記第6、7工程と同じ第8、9工程並びに第10、11工程を順次繰り返し実行するように自動制御し、その第8、10工程においても上記全卵の予め設定された投入量(第6工程と同じ0.7kg)を各々自動投入するのであり、最終的な第11工程での1分30秒がタイムアップしたことを以って、運転終了する。
次に、図27は洋菓子のジェノワーズ(スポンジ生地)を作るレシピになる自動運転フローチャートであり、例えば2kgの全卵と1kgのグラニュー糖とを混合材料として、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ収納し、その収納した材料の中へ図16のような無線送信器(S)の検知部(102)である導電率検知センサー(上記平行棒型電極)を差し込んで、温度と導電率とを測定(検知)できる状態に準備すると共に、第1材料投入機(K1)のホッパー(130)に小麦粉を収納しておく。
また、上記フードミキサーの撹拌機構(A)をなす第1、2偏心撹拌軸(61)(62)には、回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)と小さな第2撹拌子(P2)になる図25(イ)のようなワイヤーホイッパー(149)の大小一対を取り付けておく。
他方、予め登録(記憶)されている各種生地の運転データ登録番号から、ジェノワーズのそれを選択して、そのジェノワーズの運転工程データを読み出す。
そのジェノワーズの運転工程としては、図27のような第1〜5工程があるので、その工程毎の必要な運転データとなる上記加熱力や撹拌力、加熱目標温度、目標導電率、タイマー運転時間、運転中の追加混合材料である小麦粉の設定投入量を、やはりフードミキサーの操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御盤(シーケンサー)(54)へ入力しておく。
これらの入力される設定値は、図27に記載のとおりとして、やはりジェノワーズの作成を多数行った熟練者の豊富な経験から知得した最適の数値である。
先ず、第1工程(タイマー運転工程)では上記ジェノワーズの材料を加熱せず、撹拌力70%での撹拌だけを10秒行い、その10秒の運転時間が経過したならば、第2工程(目標温度指定運転工程)において撹拌力30%での撹拌を行うと共に、目標温度が30℃に到達するまで、加熱力30%での加熱も行う。
次の第3工程(目標導電率指定運転工程)では加熱せずに、生地の導電率が13.5mS/mに到達するまで、撹拌力70%での撹拌を行う。この目標導電率の数値を以って、ジェノワーズの生地として気泡が充分抱き込まれた仕上がり状態とみなすのである。
そして、その導電率の設定値に到達したならば、第4工程(タイマー運転工程)において依然加熱せず、撹拌力30%での撹拌を1分行い、その1分がタイムアップした時には、そのタイマー(図示省略)からの検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、引続き第5工程(粉定量投入工程)において、第1材料投入機(K1)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の小麦粉を裏漉し作用し乍ら切り出し搬送して、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ自動投入するのである。
その材料収納容器(T)に対する小麦粉の投入量は、第1材料投入機(K1)の上記ロードセル(127)によって測定(検知)され、予め設定された投入量(例えば0.5kg)に到達したことが、そのロードセル(127)によって検知されると、その検知出力信号を受けた制御盤(54)が、上記スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転を停止する。
最後の第6工程(タイマー運転工程)では加熱せずに、撹拌力30%での撹拌を1分だけ行い、上記全卵に粉合わせ作用するのである。
更に、図28はフィナンシェ(焼き菓子)を作るレシピとなる自動運転フローチャートであり、例えば1kgの溶解バターを混合材料として、フードミキサーの材料収納容器(T)へ収納し、その収納した材料の中へ図18のような無線送信器(S)の検知部(116)である接触式温度センサーを差し込んで、その温度を測定(検知)できる状態に準備すると共に、上記第1材料投入機(K1)のホッパー(130)には小麦粉を、第2材料投入機(K2)のホッパー(130)には砂糖を、第4材料投入機(K4)のホッパー(144)には卵白を各々収納しておく。
また、上記撹拌機構(A)の第1偏心撹拌軸(61)には回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)として、図25(ロ)のような一文字形の羽根(150)を取り付ける一方、第2偏心撹拌軸(62)には回転直径(D)の小さな第2撹拌子(P2)として、図25(イ)のようなワイヤーホイッパー(149)の小型品を取り付けておく。
他方、予め登録(記憶)されている各種ケーキ生地の運転データ登録番号から、フィナンシェのそれを選択して、そのフィナンシェの運転工程データを読み出す。
そのフィナンシェの運転工程としては、図28のような第1〜9工程が用意されているので、その工程毎の必要な運転データとなる加熱力(上記電磁誘導加熱器(H)の出力)や撹拌力(上記ギヤードモーター(48)の回転速度)、加熱目標温度、タイマー運転時間、運転中の追加混合材料である小麦粉や砂糖、卵白の投入設定量を、上記自動運転用操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御部(シーケンサー)(54)へ入力しておく。
これらの入力される設定値は図28に記載のとおりとして、フィナンシェの作成を多数行った熟練者の豊富な経験から知得した最適の数値である。
先ず、第1〜3工程は何れも目標温度指定運転工程であり、加熱力を何れも60%として、その第1工程では目標温度が50℃に到達するまで、引続く第2工程では目標温度が80℃に到達するまで、その後の第3工程では目標温度が106℃に到達するまで、言わば段階的に各々加熱する。その場合、第2工程においてのみ、撹拌力10%での撹拌を行い、第1、3工程では撹拌を行わない。
そして、その第3工程での目標加熱温度106℃に到達したことが、上記無線送信器(S)の温度センサー(116)によって検知されると、その検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、次の第4工程(砂糖定量投入工程)において、第2材料投入機(K2)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の砂糖を搬送することにより、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ自動投入する。
その材料収納容器(T)に対する砂糖の投入量は、第2材料投入機(K2)のロードセル(減算式重量計)(127)によって測定(検知)されており、予め設定された投入量(例えば1.2kg)に到達したことが、そのロードセル(127)によって検知されると、その検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転を停止する。
上記砂糖の設定量投入を終えると、次の第5工程(タイマー運転工程)では加熱を行わず、撹拌力30%での撹拌だけを1分行い、その1分をタイムアップしたことが、タイマー(図示省略)によって検知された時には、その検知出力信号を受けたフードミキサーの制御盤(54)が、次の第6工程(粉定量投入工程)において、第1材料投入機(K1)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の小麦粉を裏漉し作用し乍ら搬送し、フードミキサーの材料収納容器(T)へ自動投入する。
その材料収納容器(T)に対する小麦粉の投入量は、第1材料投入機(K1)のロードセル(127)によって測定され、その予め設定された投入量(例えば0.5kg)に到達したことが検知されるや否や、上記制御盤(54)によって上記スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転が停止制御されるのである。
上記小麦粉の設定量投入を終えると、次の第7工程(タイマー運転工程)では、上記第5工程と同じく、加熱することなく、撹拌力30%での撹拌だけをやはり1分行う。
その1分を経過した時には、タイマー(図示省略)の検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、引続く第8工程(卵白定量投入工程)において、第4材料投入機(K4)の流動配管開閉用自動切り出し弁(エアーバルブ)(146)を開放させ、そのホッパー(144)内の卵白を流動配管(145)からフードミキサーの上記材料収納容器(T)へ、自ずと流下する如くに投入する。
その材料収納容器(T)に対する卵白の投入量は、第4材料投入機(K4)のロードセル(142)によって測定され、予め設定された投入量(例えば1.2kg)に到達したことが検知されると、そのロードセル(142)からの検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、流動配管(145)の開閉用自動切り出し弁(146)を閉鎖して、その卵白の投入を停止する。
上記卵白の設定量投入を終えると、最後の第9工程(タイマー運転工程)では上記第5、7工程と同様に、加熱を行わず、撹拌力30%での撹拌だけを1分行って、そのタイムアップした時点で運転終了とする。
上記フードミキサーの自動運転フローチャートから明白なように、図26のシュー生地を作る実施例では、第2工程(目標温度指定運転工程)において無線送信器(S)の検知部(接触式温度センサー)(116)が、生地の目標加熱温度を検知した出力信号に基づき、次の第3工程(粉定量投入工程)において第1材料投入機(K1)から小麦粉の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御しており、また第5、7、9工程(何れもタイマー運転工程)においてタイマーが各々目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づき、第6、8、10工程(何れも卵定量投入工程)において別な第3材料投入機(K3)から各々全卵の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。
図27のジェノワーズを作る実施例では、第3工程(目標導電率指定運転工程)において無線送信器(S)の導電率検知センサー(平行棒型電極)(107a)(107b)が、生地の目標導電率を検知した出力信号に基づき、次の第4工程(タイマー運転工程)を行うと共に、タイマーがその第4工程における目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、次の第5工程(粉定量投入工程)において第1材料投入機(K1)から小麦粉の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。
図28のフィナンシェを作る実施例では、第3工程(目標温度指定運転工程)において上記無線送信器(S)の温度検知センサー(116)が、生地の目標加熱温度を検知した出力信号に基づき、次の第4工程(砂糖定量投入工程)において別な第2材料投入機(K2)から砂糖の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御しており、また第5工程(タイマー運転工程)においてタイマーが目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づき、次の第6工程(粉定量投入工程)において第1材料投入機(K1)から小麦粉の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。更に、第7工程(タイマー運転工程)においてタイマーが目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づき、次の第8工程(卵白定量投入工程)において別な第4材料投入機(K4)から卵白の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。
要するに、上記実施形態のフードミキサーとその周辺部へ別個に設置された複数の材料投入機(K1)〜(K4)を使用し、その材料投入機(K1)〜(K4)へ各々異なる必要な混合材料を予め収納しておいて、洋菓子の各種生地を作成するに当り、その作成したい生地毎の運転工程データとなる上記撹拌力や加熱力のほかに、目標加熱温度、目標導電率、タイマー運転時間などの必要な数値を、自動運転用の操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御盤(シーケンサー)(54)へ設定・入力すれば、そのフードミキサーの言わば全自動により、洋菓子の目標とするきめ細かな高品質の各種生地を効率よく作成できるのである。
(M)・・・・・ミキサー本体フレーム
(T)・・・・・材料収納容器
(A)・・・・・撹拌機構
(H)・・・・・加熱器
(K1)・・・・第1材料投入機
(K2)・・・・第2材料投入機
(K3)・・・・第3材料投入機
(K4)・・・・第4材料投入機
(P1)・・・・第1撹拌子
(P2)・・・・第2撹拌子
(S)・・・・・無線送信器
(48)・・・・撹拌機構駆動用モーター
(54)・・・・制御盤(シーケンサー)
(55)・・・・操作パネル
(60)・・・・センター主軸
(61)・・・・第1偏心撹拌軸
(62)・・・・第2偏心撹拌軸
(107a)(107b)・・導電率検知センサー(平行棒型電極)
(116)・・・温度検知センサー
(127)(142)・・・・ロードセル(減算式重量計)
(129)・・・スクリューコンベア駆動用モーター
(131)・・・スクリューコンベア
(134)・・・シリンダー
(137)・・・漉し網
(138)・・・漉し羽根
(139)・・・圧縮コイルバネ
(145)・・・流動配管
(146)・・・自動切り出し弁
本発明は洋菓子の各種生地を作るために供されるフードミキサーの運転方法と、そのための材料投入機に関する。
本発明の発明者は先にホイップ食品生地を対象とするミキサーの運転方法について、特許文献1に記載の特許発明を提案した。
この特許発明では食品生地収納容器の内部を撹拌子と一緒に公転運動する無線式の導電率検知センサーによって、メレンゲや全卵などのホイップ食品生地における導電率をリアルタイムに検知(測定)し、その検知出力信号に基づいて上記ホイップ食品生地の泡立て(ホイッピング)作用や、撹拌子の回転又は加熱源による加熱を自動制御するようになっている。
特許5873852号公報
ところが、上記特許文献1に開示されたミキサーの運転方法では、図29、32の自動運転フローチャートとその説明から確認できるように、そのミキサーの食品生地収納容器には混合材料である卵白とグラニュー糖や、全卵とグラニュー糖が予め投入準備されており、その運転中に別異な材料の追加投入は行われていない。
その場合、上記特許文献1に開示された竪型のミキサー自体は、生クリームやスポンジ生地、ケーキ生地、その他の粘性がある材料に対して、泡立て(ホイッピング)や撹拌(ビーティング)、混合(ミキシング)などの処理を施せるようになっているが、その運転中における追加材料の投入は作業者の手作業によって行われている実際である。
その追加材料の必要量を予め計測しておき、ミキサーの運転は中断しないまでも、その計量した追加材料を作業者がミキサーの上記食品生地収納容器へ投入作業している。そのため、各種生地作りの効率が非常に悪く、追加材料の投入タイミングを失しやすいことなどとも相俟って、未だ緻密な高品質の生地を得られない問題がある。
本発明はこのような問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では洋菓子の生地となる粉体・粒体の材料や液体・粘性体の材料が予め収納準備された材料収納容器と、その材料収納容器の内部において自転し乍ら公転運動する撹拌子と、上記材料収納容器の電磁誘導加熱器や赤外線加熱器、その他の電気加熱器を備えたフードミキサーの周辺部へ、
その材料収納容器に収納された上記予備収納材料とは別異な粉体・粒体の追加混合材料を投入する少なくとも1基の粉体・粒体材料投入機と、同じく上記予備収納材料とは別異な液体・粘性体の追加混合材料を投入する少なくとも1基の液体・粘性体材料投入機との2種を設置して、
上記撹拌子と一緒に公転運動する無線式の温度検知センサー又は/及び導電率検知センサーを、上記材料収納容器に収納された上記予備収納材料の中へ差し込んで、上記撹拌子の運動により洋菓子の各種生地を作るためのミキシングやビーティング、ホイッピング、その他の必要な処理を行うに当り、
上記フードミキサーの運転中に、温度検知センサーが予め設定された生地の目標加熱温度に到達したことを検知した出力信号、導電率検知センサーが予め設定された生地の目標導電率に到達したことを検知した出力信号又は/及びタイマーが予め設定された目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、上記粉体・粒体材料投入機から必要な粉体・粒体の追加混合材料を、又は/及び上記液体・粘性体材料投入機から必要な液体・粘性体の追加混合材料を、上記材料収納容器へ各々投入すべく自動制御すると共に、
その各粉体・粒体材料投入機と各液体・粘性体材料投入機に具備されたロードセルが減算式重量計として、上記必要な粉体・粒体の追加混合材料と必要な液体・粘性体の追加混合材料における各々予め設定された目標投入量に到達したことを検知した出力信号に基づいて、上記材料収納容器に対する各追加混合材料の投入を停止すべく自動制御することを特徴とする。
また、請求項2では請求項1に記載されたフードミキサーの運転方法に用いる粉体・粒体材料投入機であって、
据え付け高さの調整可能な脚枠と、その脚枠の天板上へロードセルを介して搭載された架台と、その架台に取り付け固定されたスクリューコンベア駆動用モーター並びにホッパーと、そのホッパーから落下する投入すべき粉体・粒体の追加混合材料を、フードミキサーの材料収納容器に向かって搬送するスクリューコンベアと、そのスクリューコンベアを包囲するシリンダーと、そのシリンダーの径大な先端部に取り付け固定された漉し網と、上記スクリューコンベアにおける回転軸の対応的な先端部へ一体回転するように嵌め付けられた板状の漉し羽根と、その漉し羽根を上記漉し網へ常時弾圧付勢するための圧縮コイルバネとから成り、
フードミキサーの運転中に、無線式の温度検知センサーが予め設定された生地の目標加熱温度に到達したことを検知した出力信号、導電率検知センサーが予め設定された生地の目標導電率に到達したことを検知した出力信号又は/及びタイマーが予め設定された目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、上記スクリューコンベア駆動用モーターが回転駆動されることにより、上記投入すべき必要な粉体・粒体の追加混合材料をフードミキサーの材料収納容器へ、裏漉し作用し乍ら切り出し搬送する一方、
上記ロードセルが減算式重量計として、同じく投入すべき必要な粉体・粒体の追加混合材料における予め設定された目標投入量に到達したことを検知した出力信号に基づいて、上記スクリューコンベア駆動用モーターが回転停止されることにより、そのフードミキサーの材料収納容器に対する上記追加混合材料の切り出し搬送を停止するように定めたことを特徴とする。
更に、請求項3では請求項1に記載されたフードミキサーの運転方法に用いる液体・粘性体材料投入機であって、
据え付け高さの調整可能な脚枠と、その脚枠の天板上へロードセルを介して搭載された架台と、その架台に固定支持されたホッパーと、そのホッパーから落下する投入すべき液体・粘性体の追加混合材料を、フードミキサーの材料収納容器に向かって誘導する流動配管と、その流動配管の中途部に介挿設置された開閉用の自動切り出し弁とから成り、
フードミキサーの運転中に、無線式の温度検知センサーが予め設定された生地の目標加熱温度に到達したことを検知した出力信号、導電率検知センサーが予め設定された生地の目標導電率に到達したことを検知した出力信号又は/及びタイマーが予め設定された目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、上記流動配管の開閉用自動切り出し弁が開放作動されることにより、上記投入すべき必要な液体・粘性体の追加混合材料をフードミキサーの材料収納容器へ切り出し投入する一方、
上記ロードセルが減算式重量計として、同じく投入すべき必要な液体・粘性体の追加混合材料における予め設定された目標投入量に到達したことを検知した出力信号に基づいて、上記流動配管の開閉用自動切り出し弁が閉鎖作動されることにより、そのフードミキサーの材料収納容器に対する上記追加混合材料の切り出し投入を停止するように定めたことを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、冒頭に述べた従来技術の問題を完全に改良できる効果がある。
つまり、フードミキサーの周辺部へ粉体・粒体材料投入機と液体・粘性体材料投入機との2種を含む複数の別個な材料投入機を設置し、そのミキサーの材料収納容器に洋菓子の各種生地作りに必要な材料を予め収納しておく一方、その予備収納材料と悉く異なる運転中に材料収納容器へ投入すべき追加混合材料を、上記材料投入機へ各々収納しておき、フードミキサーの運転により洋菓子の目標とする生地を作成するに当って、その生地毎の運転工程データとなる撹拌力や加熱力のほか、目標加熱温度、目標導電率、目標のタイマー運転時間などの必要な数値を、上記フードミキサーの自動運転用操作パネルにおける入力スイッチ部のタッチ操作により、制御盤(シーケンサー)へ設定・入力しておけば、そのミキサーの運転中に上記材料収納容器へ投入すべき必要な追加混合材料を手作業ではなく、各材料投入機から自動機械的にタイミング良く投入することができ、ロードセル(減算式重量計)による投入量の測定とも相俟って、洋菓子の目標とするきめ細かな高品質の各種生地を全自動で効率良く得られるのである。
また、請求項2の上記構成によれば、必要な粉体・粒体の追加混合材料をその材料投入機からフードミキサーの材料収納容器へ、タイミングを失することなく投入できるほか、特に小麦粉やその他の粉体材料を所謂ダマが発生しないように、自ずと確実に裏漉し作用し乍ら上記材料収納容器へすばやく切り出し搬送し得る効果もある。
更に、請求項3の上記構成によれば、洋菓子の生地作りに必要な液体・粘性体の追加混合材料を、その材料投入機からフードミキサーの材料収納容器へタイミングを失することなく、しかも予め設定された投入量だけ自ずと流下する如く、すばやく円滑に投入できる効果がある。
本発明のフードミキサーを示す正面図である。 図1の側面図である。 図1の平面図である。 材料収納容器の昇降作動機構を示す部分拡大断面図である。 図4の5−5線断面図である。 撹拌作用ボックスの内部を示す部分拡大図である。 図6の7−7線断面図である。 撹拌機構を示す部分拡大断面図である。 図8の9−9線断面図である。 第1、2偏心撹拌軸の下端部に付属する撹拌子用連結スリーブを抽出して示す断面図である。 図10の11−11線断面図である。 開閉カバーの開閉検知部分を抽出して示す正面図である。 第1、2偏心撹拌軸に対する第1、2撹拌子の連結使用状態を示す断面図である。 本発明の使用状態を示す断面図である。 図14の平面図であり、第1、2撹拌子の回転(自転)方向を示している。 導電率検知センサーを備えた無線送信器の断面図である。 無線送信器取付状態の変形実施形態を示す図8と対応する拡大断面図である。 温度検知センサーを備えた無線送信器の断面図である。 フードミキサーに対する第1、2材料投入機の据え付け位置関係を示す正面図である。 図19の平面図であって、第3、4材料投入機の据え付け位置関係も示している。 図19の側面図である。 図19の第1材料投入機を抽出して示す部分拡大図である。 撹拌子としてのワイヤーホイッパーを上方から見た斜面図である。 図23のワイヤーホイッパーを下方から見た斜面図である。 第1、2撹拌子の各種形態品を示す外観図である。 シュー生地を作るレシピとなる自動運転フローチャートである。 ジェノワーズを作るレシピとなる自動運転フローチャートである。 フィナンシェを作るレシピとなる自動運転フローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述すると、図1〜3はその本発明に係る竪型フードミキサーの概略全体を示しており、これは作業床へ据え付けられる剛性なミキサー本体フレーム(M)と、その本体フレーム(M)の中途高さ位置に安定良く吊持される洋菓子の材料収納容器(T)と、その材料収納容器(T)の真上位置に臨む撹拌機構(A)の駆動源を内蔵した撹拌作用ボックス(Ab)と、同じく材料収納容器(T)の真下位置に臨む加熱器(H)を内蔵した加熱作用ボックス(Hb)と、その材料収納容器(T)と加熱作用ボックス(Hb)とを上記撹拌機構(A)に対して、一緒に昇降させるための昇降作動機構(E)とから成る。
上記竪型フードミキサーの主要な構成部材のうち、先ず洋菓子の生地を作る各種材料の収納容器(T)は一定な大きさ(例えば直径:約400mm×深さ:約250mm、容量:約30リットル)の業務用(半)寸胴鍋として、ステンレスとアルミとの3層クラッド材(例えば内側:SUS304+中間:アルミ+外側:SUS430)から作成されている。
但し、導電性を有し、底面がフラットな材料収納容器(T)であるならば、アルミと鉄とのクラッド材やフェライト系ステンレス鋼、磁性体の鉄粉などが溶射された銅、それ自体が磁性体の鉄などから作成しても良い。
(1)は上記材料収納容器(寸胴鍋)(T)における胴面の中途高さ位置に溶接されたリング状の係止フランジであって、その直径線上から一体的に張り出す左右一対の耳片(2)を備えており、その両耳片(2)に貫通形成された取付孔(3)が、ミキサー本体フレーム(M)側の後述する容器受けアームから垂立する左右一対の芯出しガイドピンへ、上方から抜き差し自在に差し込みセットされるようになっている。
(4)は上記係止フランジ(1)から張り出す両耳片(2)の真上に対応位置する左右一対の把手であり、平面視の向かい合うコ字形として材料収納容器(T)の胴面から一体的に張り出されているため、作業者がここを両手で握り持ち乍ら、その材料収納容器(T)側の上記取付孔(3)を後述する容器受けアーム側の芯出しガイドピンへ抜き差し操作したり、材料収納容器(T)を運んだりすることができる。
次に、ミキサー本体フレーム(M)は平面視の後向き開放したチャンネル形鋼材から成る剛性な支柱(5)と、鋼管材から平面視の疑似H字形に溶接された脚枠(6)とを備え、その脚枠(6)の中間部が支柱(5)の下端部を貫通横断する組立状態に溶接されている。(7)は脚枠(6)の接地する4個所に各々螺合締結された据え付け高さ調整座である。
他方、上記支柱(5)の上端部には天板(8)が施蓋状態に溶接されており、側面視の倒立L字形をなす撹拌作用ボックス(Ab)の下底板(9)が、その支柱(5)の天板(8)上へ搭載され、且つ複数の固定ボルト(10)を介して組立一体化されている。
又、材料収納容器(T)とその加熱作用ボックス(Hb)とを一緒に昇降させる作動機構(E)について言えば、(11)は上記材料収納容器(T)の係止フランジ(1)を受け止め吊持する容器受けアームであって、図5のような平面視の前向き開放したほぼU字形又は馬蹄形をなし、その前端部から一体的に垂立する左右一対の芯出しガイドピン(12)へ、材料収納容器(T)側の上記取付孔(3)が上方から抜き差し自在に差し込みセットされることにより、その材料収納容器(T)が撹拌機構(A)や加熱器(H)との対応的な位置関係上、自ずと正確な芯出し状態に固定維持されるようになっている。
しかも、その容器受けアーム(11)からは上記ミキサー本体フレーム(M)の支柱(5)とほぼ相似なチャンネル形の支柱用包囲枠(13)が、後向き一体的に張り出されている。つまり、その包囲枠(13)は前壁板(13a)と左右両側壁板(13b)とから平面視の後向き開放したチャンネル形をなしており、その前壁板(13a)の上部と上記容器受けアーム(11)の後端部とが溶接されているのである。
(14)はその包囲枠(13)の左右両側壁板(13b)へ各々合計4個ずつとして、水平なローラー支軸(15)により取り付けられた遊転ローラーであり、これらが上記支柱(5)の4個所へ係合し乍ら、その支柱(5)を昇降ガイドレールとして転動・昇降し得るようになっている。
(13c)は同じく包囲枠(13)における左右両側壁板(13b)の張り出し先端部(後端部)に固定横架された背壁板であり、その中間部からは回動ネジ軸(16)の水平な軸受台(17)が、上記支柱(5)内への前向き一体的に張り出されている。
回動ネジ軸(16)は支柱(5)の内部に垂立されており、その下端部付近が上記軸受台(17)によって安定良く受け持たれている。(18)はその軸受台(17)へ溶接などにより固定一体化された昇降スライダーとなるナットであって、上記回動ネジ軸(16)との螺合締結状態に保たれている。(19)はその回動ネジ軸(16)の下端部に取り付け固定された下降ストッパーとなる座金、(20)はその抜け止めナットである。
他方、回動ネジ軸(16)の上側は細いストレートな延長軸(21)として、上記支柱(5)の天板(8)とこれに搭載されている撹拌作用ボックス(Ab)の下底板(9)とを貫通して、そのボックス(Ab)の内部に至るまで垂立しており、その延長軸(21)の上端部には比較的径小な従動ベベルギヤ(22)がキーやスプラインなどを介して嵌め付け一体化されている。(23)はその延長軸(21)の中途高さ位置を回動自在に軸受けするラジアルベアリング(24)のケースであって、これから一体的に張り出す水平な取付フランジ(25)が、上記支柱(5)の天板(8)と撹拌作用ボックス(Ab)の下底板(9)へ複数の固定ボルト(26)を介して組付け一体化されている。
(27)は上記回動ネジ軸(16)側の従動ベベルギヤ(22)と直交状態に噛合する比較的径大な原動ベベルギヤであって、上記撹拌作用ボックス(Ab)を貫通横架する水平な回動ハンドル軸(28)の中途部へ、やはりキーやスプラインなどを介して嵌合されており、その回動ハンドル軸(28)が撹拌作用ボックス(Ab)から張り出す一端部(好ましくは正面からの右端部)には、回動操作ハンドル(29)が嵌め付け一体化されている。
そのため、作業者がこれを外部から回動操作すれば、上記ベベルギヤ(22)(27)同士の噛合を介して、上記支柱(5)内の回動ネジ軸(16)が比較的速く(増速)回動すると共に、これとの螺合締結状態にある昇降スライダー(ナット)(18)が、その回動ネジ軸(16)に沿って昇降作用のみを行い、延いては上記容器受けアーム(11)に受け止め吊持されている材料収納容器(T)が、図2、4のように昇降することとなる。
その場合、下降した昇降スライダー(ナット)(18)を受け止める上記座金が、上記材料収納容器(T)の下降ストッパー(19)として機能することになる。(30)は上記撹拌作用ボックス(Ab)における下底部付近の前面中央位置へ、固定ボルト(31)を介して前向き張り出し状態に取り付けられた支持ブラケットであり、その支持ブラケット(30)の先端部へ昇降調整可能に螺合締結されたネジ杆が、材料収納容器(T)の上昇ストッパー(32)として働くようになっている。
上記昇降スライダー(ナット)(18)により容器受けアーム(11)を介して持ち上げられた材料収納容器(T)の係止フランジ(1)が、そのネジ杆(上昇ストッパー)(32)の先端部(下端部)によって受け止め規制されるようになっているのである。
先に一言した加熱作用ボックス(Hb)はアルミの胴板(33)と底板(34)並びに強化ガラスの天板(35)から、図4のような上記材料収納容器(T)と対応するほぼ円盤形に組み立てられており、その胴板(33)から後向き一体的に張り出す取付ステー(36)が、複数の固定ボルト(図示符号省略)を介して、上記支柱用包囲枠(13)の前壁板(13a)へ取り付け固定されているため、上記材料収納容器(T)と一緒に昇降する。
その場合、加熱作用ボックス(Hb)の底板(34)は上記胴板(33)の下端部付近から内向きに張り出す複数の支持ステー(37)へ、その下方からの固定ボルト(38)によって着脱自在に取り付けられている。
又、図示実施形態の加熱器(H)は電磁誘導加熱器として、1本の電磁誘導加熱コイル(39)がそのフラットなコイル受けベース(40)の上面へ、渦巻き状態に固定設置されており、その接続端子が撹拌作用ボックス(Ab)内の後述する加熱用インバータ(高周波電源)と電気配線されている。(41)はその配線用の可撓電線管を示している。
そして、上記コイル受けベース(40)はその脚柱(42)と固定ボルト(43)との複数ずつを介して、上記加熱作用ボックス(Hb)の底板(34)へ着脱自在に取り付けられているため、そのボックス(Hb)の下方から電磁誘導加熱器(H)を出し入れすることができる。但し、上記材料収納容器(T)の加熱器(H)としては電磁誘導加熱器に代る赤外線加熱器やその他の電気加熱器を採用しても良い。
次に、上記撹拌作用ボックス(Ab)を説明すると、これは水平な上記下底板(9)のほかに、これと平行な上底板(44)も備えた図6のような側面視の倒立L字形に造形されており、その上底板(44)の上段空間を横架する水平な固定台(45)には、これに植え立てられた複数の脚柱(46)と、これにより支持されたモーター取付板(47)を介して、撹拌機構(A)の駆動源となるギヤードモーター(48)が搭載されている。
又、同じく撹拌作用ボックス(Ab)の上底板(44)へ固定されたインバータ取付板(49)には、上記ギヤードモーター(48)の回転制御用インバータ(50)が搭載されている。(51)はそのモーター回転制御用インバータ(50)と上記回動ハンドル軸(28)との背後に立設された垂直の固定仕切り壁板であり、これよりも背後の空間に上記電磁誘導加熱コイル(39)の加熱用インバータ(高周波電源)(52)と図外の各種電装品が内蔵設置されている。
(53)はその加熱用インバータ(52)などを冷却するための通気口であり、上記撹拌作用ボックス(Ab)の背後面に開口形成されている。(54)は同じく撹拌作用ボックス(Ab)の上段空間に内蔵設置された制御盤(シーケンサー)であって、これには図26〜28のような洋菓子の各種生地に応じたレシピとなるタイマー運転工程や目標温度指定運転工程、目標導電率指定運転工程などの制御プログラムが予め登録(記憶)されており、これを読み出すようになっている。
更に、(55)は上記撹拌作用ボックス(Ab)の前壁面に設置された自動運転用の操作パネル(タッチパネル)であって、表示部と入力スイッチ部(図示省略)を備えており、その入力スイッチ部のタッチ操作によって、上記洋菓子の各種生地を作る運転データ登録番号を選択して、その生地毎の運転工程データを読み出すと共に、その各工程の運転データとなる上記撹拌力(ギヤードモーター(48)の回転速度)や加熱力(電磁誘導加熱器(H)の出力)、目標加熱温度、目標導電率、タイマー運転時間などの必要な数値を設定・入力するようになっている。(56)は手動の電源スイッチ、(57)は非常停止スイッチ、(58)は加熱異常表示ランプを示している。
そして、フードミキサーの自動運転を開始すれば、上記制御盤(シーケンサー)(54)が設定通りのシーケンス制御を行うと共に、後述する無線送信器の検知部が各種生地の温度や導電率をリアルタイムに測定・検知し、その検知出力信号に基づいて上記材料収納容器(T)に対する指定量の材料投入や上記撹拌力・加熱力の停止を自動的に行うようになっている。
撹拌機構(A)は上記ギヤードモーター(48)によって回転駆動されるセンター主軸(60)と、その周囲をセンター主軸(60)と同じ方向(F)へ公転運動すると同時に、その公転運動との逆方向(R)並びに同じ方向(F)へ各々自動運転する第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とを備えており、その一対の第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の下端部に第1、2攪拌子(P1)(P2)が、各々着脱自在に連結使用されることとなる。その第1、2攪拌子(P1)(P2)については、後述する。
即ち、その撹拌機構(A)の詳細を示した図6や図8〜11から明白なように、上記撹拌作用ボックス(Ab)内の上段空間を横断する水平な固定台(45)には、その上方からモーター取付板(47)と複数の脚柱(46)を介して、撹拌機構(A)の駆動用ギヤードモーター(48)が搭載されているが、その同じ固定台(45)の中央部にはギヤードモーター(48)から垂下するセンター主軸(60)を回転自在に軸受けするラジアルベアリング(63)の固定ケース(64)が、逆な下方から差し込み一体化されている。(65)はそのセンター主軸(60)を別に支持するスラストベアリングである。
(66)はその固定台(45)の下面と固定ベアリングケース(64)の胴面へ、複数の固定ボルト(67)と溶接によって強固に取り付け一体化された径大な円形のギヤ支持用天井板であり、その天井板(66)における周縁部の下面にはインターナルギヤ(内歯車)(68)が、複数の固定ボルト(69)によって取り付けられている。
(70)はそのインターナルギヤ(68)を下方から包囲し得る径大な断面ほぼU字形の回転椀であって、水平の円盤(70a)とその周縁部から一体的に起立する包囲カバー(70b)と同じく円盤(70a)の偏心部から一体的に垂下する一対の第1、2ベアリングケース(70c)(70d)とを備えており、その円盤(70a)の中心部をなすボス(70e)がキーやスプラインなどを介して、上記センター主軸(60)の下端部付近と一体回転し得るように嵌合されている。(71)はその回転椀(70)の抜け止め用固定ナットであり、センター主軸(60)の下端部に螺合締結されている。
そして、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対は何れも材料収納容器(T)内の偏心部に向かって垂下するが、その一方の第1偏心撹拌軸(61)が上記センター主軸(60)と短い間隔距離(L1)(例えば約83.75mm)を保つ平行状態にあるに反して、他方の第2偏心撹拌軸(62)は同じくセンター主軸(60)と長い間隔距離(L2)(例えば約115mm)を保つ平行状態にあり、上記回転椀(70)の対応位置に具備された第1、2ベアリングケース(70c)(70d)内のラジアルベアリング(72)(73)によって、各々回転(自転)自在に軸受けされている。
又、上記固定設置状態にあるギヤ支持用天井板(66)側のインターナルギヤ(68)に内接して、これと噛合回転し得る比較的径大な第1ピニオンギヤ(74)が、上記第1偏心撹拌軸(61)の上端部へキーやスプラインなどを介して嵌め付け一体化されている。
更に、同じくギヤ支持用天井板(66)側のインターナルギヤ(68)に内接して、これと噛合回転し得るアイドルギヤ(中間歯車)(75)が、上記センター主軸(60)と平行に垂立するアイドルギヤ支軸(76)を介して、上記回転椀(70)の円盤(70a)に取り付け一体化されていると共に、そのアイドルギヤ(75)と噛合回転し得る別個な第2ピニオンギヤ(77)が、上記第2偏心撹拌軸(62)の上端部にやはり嵌め付け一体化されている。
しかも、上記アイドルギヤ(75)は第1ピニオンギヤ(74)とほぼ同じ直径を備えているが、第2ピニオンギヤ(77)はこれらよりも径小に寸法化されており、上記第1偏心撹拌軸(61)に比して第2偏心撹拌軸(62)が速く回転(自転)するように関係設定されている。(78)は上記アイドルギヤ(75)とその支軸(76)との相互間に介在するラジアルベアリング、(79)はそのアイドルギヤ支軸(76)を上記回転椀(70)における円盤(70a)の偏心部へ抜け止め状態に取り付ける固定ナットである。
この点、図示の実施形態では第1偏心撹拌軸(61)が公転速度の約4倍として、第2偏心撹拌軸(62)が同じく公転速度の約6倍として、各々高速に回転(自転)するギヤ比になっているが、この回転ギヤ比は洋菓子における生地の種類やその処理・作用の目的(ミキシング、ビーティング、ホイッピングなど)とする仕上がり状態などに応じて、自由自在に変更・調整することができる。
そのため、上記撹拌機構(A)のセンター主軸(60)が図9の矢印方向(F)へ回転駆動されると、そのセンター主軸(60)と一体回転する上記回転椀(70)を介して、その第1、2偏心撹拌軸(61)(62)とアイドルギヤ支軸(76)がセンター主軸(60)の周囲を同じ方向(F)へゆっくり公転運動することになる。
そして、その公転運動と同時に、上記第1偏心撹拌軸(61)がその上端部の第1ピニオンギヤ(74)とインターナルギヤ(68)との噛合回転によって、上記公転運動する方向(F)との逆方向(R)へすばやく自転運動することになる一方、上記第2偏心撹拌軸(62)がその上端部の第2ピニオンギヤ(77)とアイドルギヤ(75)との噛合回転並びにそのアイドルギヤ(75)と上記インターナルギヤ(68)との噛合回転を介して、第1偏心撹拌軸(61)が自転運動する方向(R)との逆方向(F)(上記公転運動する方向と同じ)へ、しかもその第1偏心撹拌軸(61)の回転(自転)速度よりも速く自転運動することになる。
その場合、上記センター主軸(60)と延いては第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対をその回転駆動源のギヤ―ドモーター(48)によって、図9の矢印方向(F)と逆な方向(R)へ公転運動させることも可能であるが、上記アイドルギヤ(75)を介して自転運動する第2偏心撹拌軸(62)と、その上端部の第2ピニオンギヤ(77)との嵌合面にはワンウェイクラッチ(80)が介挿設置されており、上記センター主軸(60)が上記矢印方向(F)との逆方向(R)へ回転駆動された時だけ、そのワンウェイクラッチ(80)の滑る働きにより、第2ピニオンギヤ(77)から第2偏心撹拌軸(62)への伝動作用を切断し、その第2偏心撹拌軸(62)を自ずと停止させるようになっている。
上記撹拌機構(A)における第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の下端部は、図8や図10、11に示すような咬み合いフック(81)として切り欠かれている。(82)はその偏心撹拌軸(61)(62)へ各々下方から差し込み套嵌された連結スリーブ、(83)はその連結スリーブ(82)に固定ボルト(84)を介して取り付けられた抜け止め片であり、これが上記偏心撹拌軸(61)(62)の円周面に各々列設された昇降ガイド溝レール(85)へ係止して、その偏心撹拌軸(61)(62)から脱落しないようになっている。
更に、(86)は上記撹拌作用ボックス(Ab)における上底板(44)の回転椀逃し入れ口(図示符号省略)を目隠しする蓋板であって、その回転椀逃し入れ口の周辺部に取り付け固定されており、その下面には上記回転椀(70)の包囲カバー(70b)を包囲する径大なリング状の回動ガイドレール(87)が、複数の固定ボルト(88)によって取り付け一体化されている。
上記回動ガイドレール(87)は断面ほぼコ字形をなし、その凹周溝の内部に別個な合成樹脂のハンガーフック(89)が係合されている。そのハンガーフック(89)は平面視の約240度だけ弯曲する円弧形をなし、これには複数の水平な係止ピン(90)が植え付けられている。
(91)はステンレス鋼板から上記ハンガーフック(89)と同じ角度だけ円弧状に弯曲形成された開閉カバーであって、把手(92)を備えており、その複数の吊り板片(93)が上記ハンガーフック(89)の係止ピン(90)へ係脱自在に係止されるようになっている。
又、(94)は上記開閉カバー(91)と相俟って平面視の円形(360度)に閉合されることとなる背面カバーであって、やはりステンレス鋼板から残りの約120度だけ弯曲した円弧形をなし、これから後向き一体的に張り出す取付ステー(95)が図6のように、上記撹拌作用ボックス(Ab)における下段空間の前面へ固定ボルト(96)によって取り付け一体化されている。
そのため、作業者が上記開閉カバー(91)の把手(92)を握り持ち、その回動ガイドレール(87)に沿って開閉カバー(91)を手廻し操作することにより、上記容器受けアーム(11)に受け止め吊持されている材料収納容器(T)の開放上面を、その背面カバー(94)との全体的な円形(360度)の包囲状態に閉鎖することができる。
但し、その場合図8、12に示すように、材料収納容器(T)の開放上面をその背面カバー(94)と相俟って、平面視の円形(360度)に包囲した正規な閉鎖状態にある開閉カバー(91)の上記吊り板片(93)からは、その金属材の被検知片(97)が横向き一体的に張り出されている一方、その被検知片(97)を検知できる近接センサー(98)が、上記撹拌作用ボックス(Ab)における上底板(44)又はその回転椀逃し入れ口用蓋板(86)の対応位置に取り付け固定されている。
上記材料収納容器(T)の開放上面をその開閉カバー(91)が正規の包囲状態に閉鎖した時、これを被検知片(97)から検知した近接センサー(98)の出力電気信号に基づいて、上記撹拌機構(A)の駆動源であるギヤードモーター(48)を回転させ、さもなければギヤードモーター(48)が回転し始めないように自動制御するようになっている。上記近接センサー(98)が撹拌機構(A)の電源スイッチとして機能し得るようになっているのである。
尚、上記開閉カバー(91)を適度に回動操作して開放しておくことにより、その材料収納容器(T)に対する洋菓子の各種生地やその材料の出し入れ作用を支障なく行えることは言うまでもない。
第1、2偏心撹拌軸(61)(62)を回転(自転)自在に軸受けしている回転椀(70)が、撹拌機構(A)のセンター主軸(60)と一体回転する旨を既に説明したけれども、その回転椀(70)における水平な円盤(70a)の偏心部からは、図13、14のようなセンサーホルダー(100)が一体的に垂下されている。
(101)はそのセンサーホルダー(100)の下端部に設けられた受け輪であり、ここへ上方から抜き差し自在に差し込み係止された無線送信器(S)の検知部(102)が、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)の一対と一緒にゆっくり公転運動し乍ら、材料収納容器(T)内のホイッピング(泡立て)中にある生地の導電率と温度をリアルタイムに検知(測定)する。
茲に、無線送信器(S)は図16に抽出して示すような合成樹脂製のケース本体(103)と、その開口上端部へ液密状態に螺合締結された合成樹脂製のテールキャップ(104)と、同じくケース本体(103)の下端中央部から適当な一定長さだけ一体的に突出する金属製のリード管(105)と、そのリード管(105)の突出先端部(下端部)に被着一体化された合成樹脂製のヘッドカバー(106)とを備えている。
しかも、そのホイッピング中の生地へ差し込み(浸漬)使用されることになるヘッドカバー(106)の先端部(下端部)には、無線送信器(S)の検知部(102)を構成する導電率測定用の平行棒型電極(107a)(107b)と、サーミスターや熱電対箔などの温度測定素子(108)とが設置されている一方、上記ケース本体(103)にはセンサー基板(CPU)(109)とその駆動源の電池(110)並びに送信アンテナ(111)が内蔵されている。(112)(113)は上記平行棒型電極(107a)(107b)並びに温度測定素子(108)と、そのセンサー基板(109)とを各々接続する測定ケーブルである。
そして、上記平行棒型電極(107a)(107b)が電極法による導電率検知センサーとして、その相互間における上記生地の抵抗値(導電率)を測定するが、その導電率は被測定液である生地の温度によって変化するため、これらと別個に設置された温度測定素子(108)の温度測定値に基づいて、その導電率測定値を自動的に補正し得るように構成されている。
その場合、図示の実施形態では上記検知部(102)を備えた無線送信器(S)と対応する受信器が、先に一言した自動運転用操作パネル(タッチパネル)(55)との兼用タイプとして、上記撹拌作用ボックス(Ab)上の制御盤(54)に組み込み一体化されており、その送信器(S)から無線信号として送信される上記生地の現在温度測定値と現在導電率測定値を、無線受信器が受信して、その受信器側の基板(CPU)(図示省略)が温度測定値に基づく導電率測定値の補正に必要な演算を行い、その補正した導電率測定値を制御盤(54)上の操作パネル(タッチパネル)(55)へリアルタイムに出力表示するようになっている。
上記ホイッピング中にある生地の導電率測定用平行棒型電極(107a)(107b)と温度測定素子(108)とから成る検知部(102)を備えた無線送信器(S)は、図14、15のように第1偏心撹拌軸(61)に連結使用される回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)と、第2偏心撹拌軸(62)に連結使用される回転直径(D)の小さな第2撹拌子(P2)との隣り合う位置付近に垂下し、その第1、2撹拌子(P1)(P2)の回転(自転)運動軌跡と干渉するおそれはない。
尚、図1〜15では上記回転椀(70)における水平な円盤(70a)の偏心部から、無線送信器用のセンサーホルダー(100)を垂下させているが、図8と対応する図17の変形実施形態に示す如く、上記センター主軸(60)の下端部から材料収納容器(T)内の中心部に向かって、センサーホルダーとなる延長センター軸(114)を一体的に垂下させ、その下端部へ別個な眼鏡型のクランプ金具(115)を取り付けて、そのクランプ金具(115)へ上記無線送信器(S)をやはり上方から抜き差し自在に差し込み係止させても良い。
何れにしても、上記無線送信器(S)の検知部(102)は撹拌機構(A)をなすセンター主軸(60)の回転によって、そのセンター主軸(60)の周囲を一緒にゆっくり公転運動し乍ら、材料収納容器(T)内のホイッピングされている生地に浸漬して、その生地の温度により補正された導電率をリアルタイムに検知(測定)することができるのである。
先には、ホイッピングする生地の導電率測定用平行棒型電極(107a)(107b)と温度測定素子(108)とから成る検知部(102)を備えた無線送信器(S)の構成について、図16に基づき説明したが、洋菓子における各種生地のうちでも泡立て(ホイッピング)処理・作用する必要がないレシピである場合には、その生地の温度だけをリアルタイムに検知(測定)できれば足りる。
図18はその検知部(116)がサーミスターや測温抵抗箔、熱電対箔などの接触式温度センサーから成る無線送信器(S)を示しており、これは金属製のケース本体(117)と、その開口上端部へ液密状態に螺合締結された合成樹脂製のテールキャップ(118)と、同じくケース本体(117)の下端中央部へやはり液密状態に螺合締結された口金(119)と、その口金(119)から適当な一定長さだけ突出された金属製のリード管(120)とを備え、そのリード管(120)の先端部(下端部)に上記温度センサー(116)が取り付けられている。
しかも、上記ケース本体(117)にはやはりセンサー基板(CPU)(121)とその駆動源の電池(122)並びに送信アンテナ(123)が内蔵されている。(124)はそのセンサー基板(121)と上記温度センサー(116)とを接続する測定ケーブルである。
そして、このような接触式温度センサー(116)を備えた無線送信器(S)も、図16の上記無線送信器(S)と同じく、センサーホルダー(100)の受け輪(101)やセンサーホルダーとなる上記延長センター軸(114)上のクランプ金具(115)へ、上方から差し込み係止使用されて、上記第1、2偏心撹拌軸(61)(62)と一緒にゆっくり公転運動することになる。
尚、その温度センサー(116)を備えた無線送信器(S)と対応する受信器は、図16に基づき説示した無線送信器(S)のそれと同様な自動運転用操作パネル(タッチパネル)(55)との兼用タイプとして、上記撹拌作用ボックス(Ab)上の制御盤(54)に組み込み一体化されておれば良い。
更に、(K1)(K2)は上記フードミキサーと別個独立の第1、2材料投入機であり、図19〜21のように、そのミキサー本体フレーム(M)の隣接位置に据え付けられて、洋菓子の生地を作る材料としての小麦粉(薄力粉)や砂糖(グラニュー糖)、その他の互いに異なる粉体・粒体を、上記材料収納容器(T)へ投入する。
上記第1、2材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K1)(K2)は好ましくは互いに同じ構成のスクリューフィーダーから成り、据え付け高さの調整可能な脚枠(125)と、その天板(126)上へロードセル(減算式重量計)(127)を介して搭載された架台(128)と、その架台(128)に取り付け固定されたスクリューコンベア駆動用モーター(129)並びにホッパー(130)と、そのホッパー(130)から落下する上記材料を、フードミキサー側の材料収納容器(T)に向かって搬送するスクリューコンベア(131)とを備えている。
尚、スクリューコンベア(131)の回転軸(132)はその駆動源であるモーター(129)の中空出力軸(133)へ差し込み一体化されている。(134)はそのスクリューコンベア(131)を包囲するシリンダー(円筒状のハウジング)であり、上記ホッパー(130)の下端部と連通状態にあることは言うまでもない。
その場合、図22の部分拡大図から明白なように、上記シリンダー(134)の径大な先端部と、ここへ複数の固定ボルト(135)によって取り付けられた枠環(136)との相互間には、漉し網(137)が挟み付けられている一方、上記スクリューコンベア(131)における回転軸(132)の対応的な先端部には、2枚の板状をなす漉し羽根(138)が嵌め付け一体化されている。
(139)はその回転する漉し羽根(138)を常時漉し網(137)へ弾圧付勢する圧縮コイルバネであり、その付勢力を受けた回転漉し羽根(138)と、同じく固定状態の漉し網(137)とによって、上記粉体・粒体の材料である就中小麦粉を所謂ダマが発生しないように、裏漉し作用すると同時に、材料収納容器(T)へすばやく切り出すことができるようになっている。
尚、スクリューフィーダーから成る第1、2材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K1)(K2)を説示したが、これに代る振動フィーダーを採用して、上記粉体・粒体の材料である特に小麦粉の篩い漉し作用を行うと共に、材料収納容器(T)への切り出しを行うように構成してもさしつかえない。
他方、(K3)(K4)はやはりフードミキサーと別個な第3、4材料投入機であり、これらも図20、21のようにミキサー本体フレーム(M)と隣り合う周辺位置に据え付けられて、洋菓子の生地を作る材料としての全卵(液卵)や卵白、卵黄、牛乳、溶解バター、その他の互いに異なる液体・粘性体を、上記材料収納容器(T)へ投入する。
その第3、4材料投入機(液体・粘性体材料投入機)(K3)(K4)は望ましくは互いに同じ構成のシューターから成り、やはり据え付け高さを調整できる脚枠(140)と、その天板(141)上へロードセル(減算式重量計)(142)を介して搭載された架台(143)と、その架台(143)に固定支持されたホッパー(144)と、そのホッパー(144)から落下する上記液体・粘性体の材料を、フードミキサー側の材料収納容器(T)に向かって円滑に誘導する流動配管(145)とを備え、その流動配管(145)の中途部に開閉用の自動切り出し弁(エヤーバルブ)(146)が介挿設置されている。
そして、上記第1、2材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K1)(K2)におけるスクリューコンベア(131)の駆動用モーター(129)は、フードミキサー側における無線送信器(S)の検知部(102)(116)が材料収納容器(T)内にある生地の温度や導電率を検知して、その検知出力信号を無線送信器(S)から受信した制御盤(シーケンサー)(54)により、上記生地作りのための材料をその収納容器(T)へ投入すべく回転駆動されるようになっている。
また、上記3、4材料投入機(液体・粘性体材料投入機)(K3)(K4)における流動配管(145)の中途部に設置された開閉用の自動切り出し弁(146)も、やはりフードミキサー側における無線送信器(S)の検知部(102)(116)が材料収納容器(T)内にある生地の温度や導電率を検知して、その検知出力信号を無線送信器(S)から受けた上記制御盤(54)により、上記生地作りのための材料をその収納容器(T)へ投入すべく開放作動されるようになっている。
更に、上記第1〜4材料投入機(K1)〜(K4)に具備されたロードセル(127)(142)は減算式重量計として、これに固定搭載された物理的な機構の全体重量と、延いてはそのホッパー(130)(144)並びにスクリューコンベア(131)や流動配管(145)内にある生地の重量を測定しており、その測定値が予めの設定値に到達したことを検知するや否や、そのロードセル(127)(142)からの検知出力信号を受けた制御盤(54)が、上記材料収納容器(T)に対する材料の投入を停止すべく、そのスクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転停止や上記流動配管開閉用自動切り出し弁(146)の閉鎖作動を行うようになっている。
先に一言した第1、2撹拌子(P1)(P2)としては、底面がフラットな材料収納容器(寸胴鍋)(T)と一緒に使用して、洋菓子の各種生地となる必要な材料のミキシング(混合)やビーティング(撹拌)、ホイッピング(泡立て)、その他の目的とする処理・作用を行えるならば、如何なる材質や形態のそれを採用してもさしつかえない。
この点、図2、6や図13〜15では回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)と小さな第2撹拌子(P2)を、何れも模式的なワイヤーホイッパーとして暗示しているに過ぎないが、その具体的な構成としては図23、24に抽出して示すような第1、2偏心撹拌軸(61)(62)に対する取付支軸(147)と、多数のワイヤー(148)が底部での集束状態に組付け固定された全体的な筒篭形のワイヤーホイッパー(149)を採用することが好ましい。
また、図25(イ)のような大小一対のワイヤーホイッパー(149)に代る大きな第1撹拌子(P1)並びに小さな第2撹拌子(P2)として、同図(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)のような一文字形の羽根(150)やコ字形の羽根(151)、大小一対のフック(152)、同じく大小一対のバタービーター(153)などを採用しても良く、更に言えばこれらの大型品を第1偏心撹拌軸(P1)へ取り付ける一方、上記ワイヤーホイッパー(149)の小型品を第2偏心撹拌軸(P2)へ取り付けて、その形態が異なる第1、2撹拌子(P1)(P2)の大小2種を併用しても良い。
シュー生地とジェノワーズ並びにフィナンシェを洋菓子における就中ケーキ生地の代表例に挙げて、本発明の上記実施形態に係るフードミキサーの自動運転方法を説明すると、次のとおりである。
即ち、図26は洋菓子のシュー生地を作るレシピになる自動運転フローチャートであり、例えば1.7kgの牛乳と1kgの溶解バターとを混合材料として、上記フードミキサーの材料収納容器(T)へ収納しておき、その収納した材料(予備収納材料)の中へ図18のような無線送信器(S)の検知部(116)となる接触式温度センサーを差し込んで、その温度を測定(検知)できる状態に準備すると共に、上記第1材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K1)のホッパー(130)には小麦粉を、上記第3材料投入機(液体・粘性体材料投入機)(K3)のホッパー(144)には全卵(液卵)を各々収納しておく。
また、上記撹拌機構(A)の第1偏心撹拌軸(61)に回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)として、図25(ハ)のようなコ字形の羽根(151)を取り付けておく。第2偏心撹拌軸(62)には如何なる第2撹拌子(P2)も取り付けず、コ字形羽根(151)のみの使用による撹拌を行えるように準備する。
他方、予め登録(記憶)されている各種生地の運転データ登録番号から、シュー生地のそれを選択して、そのシュー生地の運転工程データを読み出す。
そのシュー生地の運転工程としては、図26のような第1〜11工程が用意されているので、その工程毎の必要な運転データとなる加熱力(上記電磁誘導加熱器(H)の出力)や撹拌力(上記ギヤードモーター(48)の回転速度)、加熱目標温度、タイマー運転時間、運転中の追加混合材料である小麦粉や全卵の投入設定量を、上記自動運転用操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御部(シーケンサー)(54)へ入力しておく。
これらの入力される設定値は図26に記載のとおりとして、シュー生地の作成を多数行った言わば熟練者の豊富な経験から知得した最適の数値である。
先ず、第1工程(目標温度指定運転工程)では上記シュー生地の材料を撹拌せず、目標温度が90℃に到達するまで、加熱力100%での加熱を行い、同じく第2工程では目標温度が99℃に到達するまで、引続き加熱力100%での加熱を行い乍ら、撹拌力10%での撹拌も行う。
の加熱温度の99℃に到達したことが、上記無線送信器(S)の温度センサー(116)によって検知されると、その検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、次の第3工程(粉定量投入工程)において、第1材料投入機(K1)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の小麦粉を裏漉し作用し乍ら切り出し搬送して、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ自動投入する。
その材料収納容器(T)に対する小麦粉の投入量は、第1材料投入機(K1)のロードセル(減算式重量計)(127)によって測定(検知)されており、予め設定された投入量(例えば1.4kg)に到達したことが、そのロードセル(127)によって検知されると、その検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転を停止する。
上記小麦粉の設定量投入を終えると、次の第4、5工程(何れもタイマー運転工程)では撹拌力10%での撹拌を20秒と、引続き撹拌力40%での撹拌を3分だけ各々行う。その両工程では上記材料を加熱しない。
そして、その第5工程での上記3分をタイムアップしたことがタイマー(図示省略)によって検知されると、その検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、次の第6工程(卵定量投入工程)において、第3材料投入機(K3)の流動配管開閉用自動切り出し弁(エアーバルブ)(146)を開放させ、そのホッパー(144)内の全卵を流動配管(145)からフードミキサーの上記材料収納容器(T)へ、自ずと流下する如くに投入する。
その材料収納容器(T)に対する全卵の投入量は、やはり第3材料投入機(K3)のロードセル(減算式重量計)(142)によって測定(検知)されており、予め設定された投入量(例えば0.7kg)に到達したことが、そのロードセル(142)によって検知されると、その検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、流動配管(145)の開閉用自動切り出し弁(146)を閉鎖して、その全卵の投入を停止する。
上記全卵の設定量投入を終えると、次の第7工程(タイマー運転工程)では加熱を行わず、撹拌力30%での撹拌を1分30秒だけ行う。
その第7工程での上記1分30秒をタイムアップしたことが、タイマー(図示省略)によって検知されるや否や、その検知出力信号を受けたフードミキサーの制御盤(54)が、上記第6、7工程と同じ第8、9工程並びに第10、11工程を順次繰り返し実行するように自動制御し、その第8、10工程においても上記全卵の予め設定された投入量(第6工程と同じ0.7kg)を各々自動投入するのであり、最終的な第11工程での1分30秒がタイムアップしたことを以って、運転終了する。
次に、図27は洋菓子のジェノワーズ(スポンジ生地)を作るレシピになる自動運転フローチャートであり、例えば2kgの全卵と1kgのグラニュー糖とを混合材料として、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ収納し、その収納した材料(予備収納材料)の中へ図16のような無線送信器(S)の検知部(102)である導電率検知センサー(上記平行棒型電極)を差し込んで、温度と導電率とを測定(検知)できる状態に準備すると共に、第1材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K1)のホッパー(130)に小麦粉を収納しておく。
また、上記フードミキサーの撹拌機構(A)をなす第1、2偏心撹拌軸(61)(62)には、回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)と小さな第2撹拌子(P2)になる図25(イ)のようなワイヤーホイッパー(149)の大小一対を取り付けておく。
他方、予め登録(記憶)されている各種生地の運転データ登録番号から、ジェノワーズのそれを選択して、そのジェノワーズの運転工程データを読み出す。
そのジェノワーズの運転工程としては、図27のような第1〜5工程があるので、その工程毎の必要な運転データとなる上記加熱力や撹拌力、加熱目標温度、目標導電率、タイマー運転時間、運転中の追加混合材料である小麦粉の設定投入量を、やはりフードミキサーの操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御盤(シーケンサー)(54)へ入力しておく。
これらの入力される設定値は、図27に記載のとおりとして、やはりジェノワーズの作成を多数行った熟練者の豊富な経験から知得した最適の数値である。
先ず、第1工程(タイマー運転工程)では上記ジェノワーズの材料を加熱せず、撹拌力70%での撹拌だけを10秒行い、その10秒の運転時間が経過したならば、第2工程(目標温度指定運転工程)において撹拌力30%での撹拌を行うと共に、目標温度が30℃に到達するまで、加熱力30%での加熱も行う。
次の第3工程(目標導電率指定運転工程)では加熱せずに、生地の導電率が13.5mS/mに到達するまで、撹拌力70%での撹拌を行う。この目標導電率の数値を以って、ジェノワーズの生地として気泡が充分抱き込まれた仕上がり状態とみなすのである。
そして、その導電率の設定値に到達したならば、第4工程(タイマー運転工程)において依然加熱せず、撹拌力30%での撹拌を1分行い、その1分がタイムアップした時には、そのタイマー(図示省略)からの検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、引続き第5工程(粉定量投入工程)において、第1材料投入機(K1)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の小麦粉を裏漉し作用し乍ら切り出し搬送して、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ自動投入するのである。
その材料収納容器(T)に対する小麦粉の投入量は、第1材料投入機(K1)の上記ロードセル(127)によって測定(検知)され、予め設定された投入量(例えば0.5kg)に到達したことが、そのロードセル(127)によって検知されると、その検知出力信号を受けた制御盤(54)が、上記スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転を停止する。
最後の第6工程(タイマー運転工程)では加熱せずに、撹拌力30%での撹拌を1分だけ行い、上記全卵に粉合わせ作用するのである。
更に、図28はフィナンシェ(焼き菓子)を作るレシピとなる自動運転フローチャートであり、例えば1kgの溶解バターを混合材料として、フードミキサーの材料収納容器(T)へ収納し、その収納した材料(予備収納材料)の中へ図18のような無線送信器(S)の検知部(116)である接触式温度センサーを差し込んで、その温度を測定(検知)できる状態に準備すると共に、上記第1材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K1)のホッパー(130)には小麦粉を、第2材料投入機(粉体・粒体材料投入機)(K2)のホッパー(130)には砂糖を、第4材料投入機(液体・粘性体材料投入機)(K4)のホッパー(144)には卵白を各々収納しておく。
また、上記撹拌機構(A)の第1偏心撹拌軸(61)には回転直径(D)の大きな第1撹拌子(P1)として、図25(ロ)のような一文字形の羽根(150)を取り付ける一方、第2偏心撹拌軸(62)には回転直径(D)の小さな第2撹拌子(P2)として、図25(イ)のようなワイヤーホイッパー(149)の小型品を取り付けておく。
他方、予め登録(記憶)されている各種ケーキ生地の運転データ登録番号から、フィナンシェのそれを選択して、そのフィナンシェの運転工程データを読み出す。
そのフィナンシェの運転工程としては、図28のような第1〜9工程が用意されているので、その工程毎の必要な運転データとなる加熱力(上記電磁誘導加熱器(H)の出力)や撹拌力(上記ギヤードモーター(48)の回転速度)、加熱目標温度、タイマー運転時間、運転中の追加混合材料である小麦粉や砂糖、卵白の投入設定量を、上記自動運転用操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御部(シーケンサー)(54)へ入力しておく。
これらの入力される設定値は図28に記載のとおりとして、フィナンシェの作成を多数行った熟練者の豊富な経験から知得した最適の数値である。
先ず、第1〜3工程は何れも目標温度指定運転工程であり、加熱力を何れも60%として、その第1工程では目標温度が50℃に到達するまで、引続く第2工程では目標温度が80℃に到達するまで、その後の第3工程では目標温度が106℃に到達するまで、言わば段階的に各々加熱する。その場合、第2工程においてのみ、撹拌力10%での撹拌を行い、第1、3工程では撹拌を行わない。
そして、その第3工程での目標加熱温度106℃に到達したことが、上記無線送信器(S)の温度センサー(116)によって検知されると、その検知出力信号を受けたフードミキサーの上記制御盤(54)が、次の第4工程(砂糖定量投入工程)において、第2材料投入機(K2)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の砂糖を搬送することにより、フードミキサーの上記材料収納容器(T)へ自動投入する。
その材料収納容器(T)に対する砂糖の投入量は、第2材料投入機(K2)のロードセル(減算式重量計)(127)によって測定(検知)されており、予め設定された投入量(例えば1.2kg)に到達したことが、そのロードセル(127)によって検知されると、その検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転を停止する。
上記砂糖の設定量投入を終えると、次の第5工程(タイマー運転工程)では加熱を行わず、撹拌力30%での撹拌だけを1分行い、その1分をタイムアップしたことが、タイマー(図示省略)によって検知された時には、その検知出力信号を受けたフードミキサーの制御盤(54)が、次の第6工程(粉定量投入工程)において、第1材料投入機(K1)のスクリューコンベア駆動用モーター(129)を回転させ、そのホッパー(130)内の小麦粉を裏漉し作用し乍ら搬送し、フードミキサーの材料収納容器(T)へ自動投入する。
その材料収納容器(T)に対する小麦粉の投入量は、第1材料投入機(K1)のロードセル(127)によって測定され、その予め設定された投入量(例えば0.5kg)に到達したことが検知されるや否や、上記制御盤(54)によって上記スクリューコンベア駆動用モーター(129)の回転が停止制御されるのである。
上記小麦粉の設定量投入を終えると、次の第7工程(タイマー運転工程)では、上記第5工程と同じく、加熱することなく、撹拌力30%での撹拌だけをやはり1分行う。
その1分を経過した時には、タイマー(図示省略)の検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、引続く第8工程(卵白定量投入工程)において、第4材料投入機(K4)の流動配管開閉用自動切り出し弁(エアーバルブ)(146)を開放させ、そのホッパー(144)内の卵白を流動配管(145)からフードミキサーの上記材料収納容器(T)へ、自ずと流下する如くに投入する。
その材料収納容器(T)に対する卵白の投入量は、第4材料投入機(K4)のロードセル(142)によって測定され、予め設定された投入量(例えば1.2kg)に到達したことが検知されると、そのロードセル(142)からの検知出力信号を受けた上記制御盤(54)が、流動配管(145)の開閉用自動切り出し弁(146)を閉鎖して、その卵白の投入を停止する。
上記卵白の設定量投入を終えると、最後の第9工程(タイマー運転工程)では上記第5、7工程と同様に、加熱を行わず、撹拌力30%での撹拌だけを1分行って、そのタイムアップした時点で運転終了とする。
上記フードミキサーの自動運転フローチャートから明白なように、図26のシュー生地を作る実施例では、第2工程(目標温度指定運転工程)において無線送信器(S)の検知部(接触式温度センサー)(116)が、生地の目標加熱温度を検知した出力信号に基づき、次の第3工程(粉定量投入工程)において第1材料投入機(K1)から小麦粉の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御しており、また第5、7、9工程(何れもタイマー運転工程)においてタイマーが各々目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づき、第6、8、10工程(何れも卵定量投入工程)において別な第3材料投入機(K3)から各々全卵の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。
図27のジェノワーズを作る実施例では、第3工程(目標導電率指定運転工程)において無線送信器(S)の導電率検知センサー(平行棒型電極)(107a)(107b)が、生地の目標導電率を検知した出力信号に基づき、次の第4工程(タイマー運転工程)を行うと共に、タイマーがその第4工程における目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、次の第5工程(粉定量投入工程)において第1材料投入機(K1)から小麦粉の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。
図28のフィナンシェを作る実施例では、第3工程(目標温度指定運転工程)において上記無線送信器(S)の温度検知センサー(116)が、生地の目標加熱温度を検知した出力信号に基づき、次の第4工程(砂糖定量投入工程)において別な第2材料投入機(K2)から砂糖の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御しており、また第5工程(タイマー運転工程)においてタイマーが目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づき、次の第6工程(粉定量投入工程)において第1材料投入機(K1)から小麦粉の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。更に、第7工程(タイマー運転工程)においてタイマーが目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づき、次の第8工程(卵白定量投入工程)において別な第4材料投入機(K4)から卵白の予め設定された投入量を、フードミキサーの材料収納容器(T)へ投入すべく自動制御している。
要するに、上記実施形態のフードミキサーと、その周辺部へ別個な粉体・粒体材料投入機(K1)(K2)と液体・粘性体材料投入機(K3)(K4)との2種を含む複数の材料投入機(K1)〜(K4)を設置しておき、フードミキサーの材料収納容器(T)とその複数の材料投入機(K1)〜(K4)へ各々異なる必要な混合材料を予め収納しておいて、洋菓子の各種生地を作成するに当り、その作成したい生地毎の運転工程データとなる上記撹拌力や加熱力のほかに、目標加熱温度、目標導電率、タイマー運転時間などの必要な数値を、自動運転用の操作パネル(55)における入力スイッチ部のタッチ操作によって、制御盤(シーケンサー)(54)へ設定・入力すれば、上記材料収納容器(T)に収納された予備収納材料へ、ミキサーの運転中に投入すべき必要な追加混合材料を手作業ではなく、上記材料投入機(K1)〜(K4)から各々タイミングを失することなく自動機械的に投入することができ、上記ロードセル(減算式重量計)(127)(142)による投入量の測定とも相俟って、洋菓子の目標とするきめ細かな高品質の各種生地を効率良く作成し得るのである。
(M)・・・・・ミキサー本体フレーム
(T)・・・・・材料収納容器
(A)・・・・・撹拌機構
(H)・・・・・加熱器
(K1)・・・・第1材料投入機
(K2)・・・・第2材料投入機
(K3)・・・・第3材料投入機
(K4)・・・・第4材料投入機
(P1)・・・・第1撹拌子
(P2)・・・・第2撹拌子
(S)・・・・・無線送信器
(48)・・・・撹拌機構駆動用モーター
(54)・・・・制御盤(シーケンサー)
(55)・・・・操作パネル
(60)・・・・センター主軸
(61)・・・・第1偏心撹拌軸
(62)・・・・第2偏心撹拌軸
(107a)(107b)・・導電率検知センサー(平行棒型電極)
(116)・・・温度検知センサー
(127)(142)・・・・ロードセル(減算式重量計)
(129)・・・スクリューコンベア駆動用モーター
(131)・・・スクリューコンベア
(134)・・・シリンダー
(137)・・・漉し網
(138)・・・漉し羽根
(139)・・・圧縮コイルバネ
(145)・・・流動配管
(146)・・・自動切り出し弁

Claims (2)

  1. 材料収納容器とその内部において自転し乍ら公転運動する撹拌子並びに上記材料収納容器の電気加熱器を備えたフードミキサーの周辺部へ、洋菓子の生地となるすべて異なる材料を投入する複数の材料投入機を設置すると共に、
    上記撹拌子と一緒に公転運動する無線式の温度検知センサー又は/及び導電率検知センサーを、上記材料収納容器の内部に臨ませて、上記撹拌子の運動により洋菓子の各種生地を作るためのミキシングやビーティング、ホイッピング、その他の必要な処理を行うに当り、
    上記温度検知センサーが予め設定された生地の目標加熱温度に到達したことを検知した出力信号、上記導電率検知センサーが予め設定された生地の目標導電率に到達したことを検知した出力信号又は/及びタイマーが予め設定された目標運転時間のタイムアップしたことを検知した出力信号に基づいて、上記複数の材料投入機から必要な材料をその上記フードミキサーの材料収納容器へ投入すべく自動制御すると共に、
    その各種材料投入機に具備されたロードセルが減算式重量計として、上記必要な材料の予め設定された目標投入量に到達したことを検知した出力信号に基づいて、その上記材料収納容器に対する材料の投入を停止すべく自動制御することを特徴とするフードミキサーの運転方法。
  2. フードミキサーが具備する材料収納容器へ、洋菓子の生地となる粉体材料を投入する材料投入機であって、減算式重量計としてのロードセルに搭載されたスクリューフィーダーから成り、
    そのフィーダーのスクリューコンベアを包囲するシリンダーの先端部へ、漉し網を取り付け固定する一方、上記スクリューコンベアにおける回転軸の対応的な先端部へ、漉し羽根を一体回転するように嵌め付けて、
    その漉し羽根を上記漉し網へ弾圧付勢することにより、上記粉体材料をフードミキサーの材料収納容器へ裏漉し作用し乍ら切り出し搬送するように定めたことを特徴とするフードミキサーへの材料投入機。
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