JP3652297B2 - 攪拌具とスクレーパとの配置構造及びそれを備えた釜装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、粉体原料等の対象物(混合物を含む)を混合攪拌(この明細書では「攪拌のみ」も含む)して製品を製造する攪拌具とスクレーパとの配置構造(混合攪拌装置)とそれを備えた釜装置に関し、特に、粘性を有する対象物を混合攪拌して製品を製造するのに好適な攪拌具とスクレーパとの配置構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数の対象物(この明細書では「原料」「半製品」「製品」を含む)を混合攪拌して目的とする対象物を得るために釜装置が利用されている。例えば、このような釜装置で混合攪拌して製造される対象物として、小麦粉等の粉体と油(バター)を混合攪拌(混練)して製造するカレーやシチューのルウ等がある。このような対象物は、複数の原料を釜内で混合攪拌(この明細書では「混練」も含む)することによって均一な対象物が得られるように製造されている。
【0003】
一方、この種の対象物を製造する場合、加熱しながら混合攪拌したり、冷却しながら混合攪拌する場合がある。例えば、前記カレーやシチューのルウは、小麦粉等の粉体と油とを混合攪拌しながら製造するため、釜本体を所定温度で加熱しながら混合攪拌しなければ均一な対象物を得ることができない。
【0004】
この種の混合攪拌する釜の従来技術として、実用新案登録第2533936号公報記載の考案がある。この考案では、気密構造が容易な斜軸攪拌型の加熱釜において、調味液注入用パイプを釜内面の下部近くまで設置して、十分な混合攪拌が得られるようにしている。
【0005】
また、特開平11−197481号公報記載の発明では、容器内面に接する攪拌用羽根板を設けた攪拌羽根を有する食品攪拌釜において、この攪拌羽根を同数の羽根接続具ごとに接続するようにして、使用後に取外して掃除が容易に行えるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したような従来の釜では、釜の内面に摺動させている攪拌羽根のみで原料を攪拌するので、釜内全体を均一に攪拌できない場合がある。特に、混合攪拌する対象物がカレーやシチューのルウのように粘性が高い場合、攪拌羽根が通過する位置と通過しない位置とで、混合攪拌効果に大きな差が生じ、より釜内全体を均一に混合攪拌することができなくなる。
【0007】
また、対象物によっては釜を加熱又は冷却しながら混合攪拌することがあり、このような場合には対象物(原料)が釜内壁に付着しやすくなるが、前記従来の釜では、釜内壁に付着する対象物を掻き取りながら釜内全体で滞留させることなく混合攪拌するのは困難である。
【0008】
その上、このような釜で製造する対象物には多くの種類があり、それらの対象物に応じた種類の原料を釜内に投入して混合攪拌する場合、その対象物に応じて混合攪拌する状態を変更する必要があるが、前記従来の釜では攪拌羽根の回転速度制御のみで行うこととなり、種々の対象物の混合攪拌を効果的に行うことができない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、投入された粘性を有する対象物を混合攪拌する釜本体と、該釜本体の上部に位置し、該釜本体内に投入された対象物を自転して所定の攪拌円で攪拌する攪拌具を有する撹拌装置、及び該対象物の釜内壁への付着を防止するスクレーパを有する釜内壁スクレーパ装置を具備する上部カバーとを設け、該上部カバーと釜本体とを相対的に回転可能に構成し、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に前記スクレーパを配置し、かつ、上記スクレーパを、該釜本体の内壁に沿って複数に分割し、該分割したスクレーパを所定の空間を設けて掻き取り面が異なる釜本体の内壁位置となるように配置して、該スクレーパで対象物を掻き取るとともに、分割したスクレーパの間の空間から対象物を後方へ逃がして混合攪拌と掻き取りとができるように構成し
ている。この攪拌円は、攪拌具を平面視した状態で、この攪拌具の最外周部が描く軌跡の円である。また、攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍とは、攪拌具によって攪拌される対象物が攪拌円の近傍で流動している程度の距離であり、対象物の粘性等に応じて変化する。このように攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、この攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍にスクレーパを配置することにより、攪拌具で攪拌する対象物を、このスクレーパによって釜内壁から効果的に掻き取りながら釜本体内で混合攪拌することができる。しかも、スクレーパの間に設けた空間により、スクレーパで掻き取られる対象物をこの空間から後方へ逃がしながら効果的に混合攪拌することができる。このことは、特に粘性の高い対象物を混合攪拌するときに、一部の対象物を逃がしながら効果的に混合攪拌することができる。
【0010】
また、投入された粘性を有する対象物を混合攪拌する釜本体と、該釜本体の上部に位置し、該釜本体内に投入された対象物を自転して所定の攪拌円で攪拌する攪拌具を有する撹拌装置、及び該対象物の釜内壁への付着を防止するスクレーパを有する釜内壁スクレーパ装置を具備する上部カバーとを設け、該上部カバーと釜本体とを相対的に回転可能に構成し、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に前記スクレーパを配置し、該配置関係を保った一対の攪拌具とスクレーパとを、釜本体内に複数配設し、かつ、前記複数のスクレーパを、釜本体内壁の掻き取り残しが発生しないように、該釜本体の内壁に沿ってそれぞれ複数に分割し、該それぞれ分割した複数のスクレーパを所定の空間を設けて掻き取り面が相異なる釜本体の内壁位置となるように配置して、該スクレーパで対象物を掻き取るとともに、分割したスクレーパの間の空間から対象物を後方へ逃がして混合攪拌と掻き取りとができるように構成してもよい。この場合も、攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように配置した攪拌具で攪拌する対象物を、この攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に配置したスクレーパによって釜内壁から効果的に掻き取りながら釜本体内で混合攪拌することができる。しかも、一対の攪拌具とスクレーパとにより、対象物の性状に応じて釜本体内全体を効果的に混合攪拌することができる。
【0011】
さらに、投入された粘性を有する対象物を混合攪拌する釜本体と、該釜本体の上部に位置し、該釜本体内に投入された対象物を自転して所定の攪拌円で攪拌する攪拌具を有する撹拌装置、及び該対象物の釜内壁への付着を防止するスクレーパを有する釜内壁スクレーパ装置を具備する上部カバーとを設け、該上部カバーと釜本体とを相対的に回転可能に構成し、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に前記スクレーパを配置し、該攪拌具を、羽根部が縦長のリング状に形成されたもの、またはその下部が捻られたスクリュー状に形成されたもの、もしくはこれらの羽根部が釜内壁に沿うように形成されたもので構成するとともに、該攪拌具の自転半径を、該攪拌具の攪拌円が釜本体の回転中心を含む大きさで形成してもよい。この場合も、攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように配置した攪拌具で攪拌する対象物を、この攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に配置したスクレーパによって釜内壁から効果的に掻き取りながら釜本体内で混合攪拌することができる。しかも、対象物の性状によって混合攪拌されずに釜本体の回転中心で滞留することを効果的に防止することができる。
【0012】
また、釜本体が対象物を加熱する機能を備えていれば、粘性を有する対象物でも加熱しながら混合攪拌するとともに、対象物を効果的に掻き取ることができる。
【0017】
一方、このような攪拌具とスクレーパとの配置構造を具備させた釜装置によれば、様々な対象物を効果的に混合攪拌することができる。特に、このような釜装置によれば、粘性を有するような対象物(例えば、カレーやシチューのルウ等)を製造するための対象物を効果的に混合攪拌することができる。また、対象物を加熱及び混合攪拌する場合に有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態における釜装置の分離状態を示す正面図であり、図2は同釜装置の平面図、図3は図2に示す釜装置の上部カバーを示す平面図、図4は同釜装置の側面図、図5は同釜装置におけるセット状態の正面図、図6(a) は同釜装置におけるチェーン取付部材の正面図であり、(b) は(a) の側面図、図7は同釜装置の断面図で、(a) はA−A断面図、(b) は(a) のB部拡大図、図8は同釜本体とその周辺の拡大断面を示す正面図、図9は同釜本体とその周辺の拡大断面を示す側面図、図10は同釜本体とその周辺における加熱又は冷却媒体の流れを示す正面図である。なお、以下の実施形態では、対象物としてカレーのルウを製造する釜装置を例に説明する。
【0019】
図1,2に示すように、釜装置1には、投入された対象物を混合攪拌する釜本体2と、この釜本体2の上部に位置し、釜本体2内に対象物を投入する原料投入口3と、釜本体2内に投入された対象物を攪拌する攪拌装置4と、釜内壁スクレーパ装置5を有する上部カバー6とが具備されている。そして、この固定した上部カバー6に釜本体2をセット/分離させるべく、釜本体2が昇降可能なように構成されている。
【0020】
この釜本体2は、支持枠7で下部が支持されており、この支持枠7は、支持枠7を支持する下部枠8と、この下部枠8の周囲の上部に設けられた上部枠9とによって形成された枠体10によって支持されている。この枠体10で、釜本体2の下部を囲むように支持している。
【0021】
図3に示すように、前記上部カバー6には、複数の原料を投入するための原料投入口3が設けられている。この実施形態ではカレーのルウを製造する構成を例にしているため、図の左右に粉体投入口3Aが設けられ、上面中央部に油脂投入口3Bと、手投入口3Cとが設けられている。しかも、この上部カバー6には、釜本体2内の空気を循環させることができるように通気口11と排気口12とが設けられている。なお、この例では、他の粉体が投入できるように予備投入口13が設けられている。この予備投入口13は通常は閉鎖されている。また、他の対象物を製造する場合は、適宜投入口を設ければよい。
【0022】
さらに、この上部カバー6の中央部には、釜本体2内に投入された対象物を攪拌する攪拌装置4が設けられ、釜本体2の内壁に近接した2個所には、釜内壁スクレーパ装置5が設けられている。攪拌装置4には、上部カバー6の上部に設けられた駆動機14と、この駆動機14で回転させる攪拌具15(図1)とが設けられている。また、釜内壁スクレーパ装置5には、上部カバー6の上部に設けられたシリンダ16と、このシリンダ16で回動させる回動軸17と、この回動軸17の下部に設けられて釜内壁19に接触又は離隔するスクレーパ18(後述する図13)とが設けられている。
【0023】
また、図4,5に示すように、釜装置1には、枠体10によって支持された釜本体2をこの枠体10とともに昇降させる昇降装置20と、この昇降する枠体10を上下方向に案内する案内機構21とが設けられている。図4に示す位置が分離状態で、図5に示す位置がセット状態である。
【0024】
昇降装置20には、図2に示すように、架台22の上部中央に設けられた駆動機24と、この駆動機24から左右に延設された軸で駆動する駆動スプロケット25と、この駆動スプロケット25に噛合する昇降チェーン26と、枠体10を昇降させる位置に設けられた従動スプロケット27とが設けられている。この駆動機24としては、減速機を有する電動モータ等が用いられる。
【0025】
一方、図4,6に示すように、この昇降装置20によって昇降させられる枠体10には、釜装置1の架台22の一部として上下方向に設けられた昇降フレーム23に沿ってこの枠体10を昇降させる昇降枠28が設けられている。この昇降枠28は、昇降フレーム23の上下方向に設けられた案内レール29の間に設けられており、前記枠体10に設けられた傾転軸30を軸受31で支持している。
【0026】
前記昇降チェーン26の一端は、この昇降枠28の上部に設けられた山型フレーム32の上部に設けられているチェーン取付部材33に連結され、他端はカウンターウエイト34に連結されている。このチェーン取付部材33は、傾転軸30を支持する軸受31の真上部に設けられている。
【0027】
前記カウンターウエイト34は、2本の昇降フレーム23の一側に設けられており、この昇降フレーム23の上下方向に設けられたウエイトカバー35内で上下動可能に設けられている。このカウンターウエイト34は、釜本体2を小さな駆動力で昇降させることができるような重量であり、釜本体2側がカウンターウエイト34側よりも少し重くなるような重量バランスとして昇降時の安定を図っている。
【0028】
図4と図7(a),(b) に示すように、前記案内機構21には、前記昇降フレーム23の上下方向に設けられた案内レール29と、この案内レール29に沿うように前記昇降枠28に設けられた案内部材37とが具備されている。この案内部材37は昇降枠28に設けられた取付部材36に設けられており、この案内部材37が昇降フレーム23に設けられた案内レール29に沿って昇降枠28を案内するように構成されている。
【0029】
案内レール29は、枠体10に設けられた釜本体2を、図5に示す上部カバー6にセットした上部位置の状態(セット状態)と、図1に示す上部カバー6から分離した下部位置の状態(分離状態)とに移動可能な長さで設けられている。
【0030】
また、この案内機構21によれば、案内部材37と案内レール29が係合した状態を保ちながら昇降するので、昇降時に枠体10、すなわち釜本体2が水平方向に大きくずれることはない。なお、この実施形態では、昇降枠28が昇降フレーム23の所定位置に設けられた検出部材38の位置に達したことを検出するセンサ39が設けられている。このセンサ39としては、近接スイッチ等が使用される。このセンサ39は、前記駆動機24を制御する制御装置(図示ぜず)と電気的に接続されている。
【0031】
これにより、案内機構21に沿って前記昇降装置20で昇降させる昇降枠28とともに昇降する釜本体2を、架台22の上部所定位置に固定した上部カバー6と所定位置関係にセットするセット状態と、上部カバー6から分離させた分離状態とに制御することが容易に可能となっている。
【0032】
一方、図8,9に示すように、釜本体2には、この釜本体2の垂直方向軸40、つまり回転中心を中心に回転可能なように構成された回転機構41が具備されている。この回転機構41は、この実施形態では、釜本体2の下部を支持する支持枠7と前記枠体10の下部枠8との間に軸受42を設け、支持枠7に形成した内歯43に噛合して支持枠7を回転させる駆動機44を枠体10に設けることによって、釜本体2を回転可能に構成したものである。なお、釜本体2を回転可能にする構成は、図5に示すように釜本体2を上部カバー6にセットした状態において回転させることができる機構であればよく、セット状態で架台22側から回転駆動するような構成であってもよく、この実施形態に限定されるものではない。
【0033】
さらに、釜本体2には、この釜本体2内で混合攪拌した対象物を排出する時に、この釜本体2を所定角度まで傾ける傾転機構45が具備されている。この傾転機構45は、この実施形態では、釜本体2の傾転中心に位置する枠体10に傾転軸30を設け、この傾転軸30を前記したように昇降枠28で支持し、この昇降枠28に傾転軸30を所定角度まで傾けることができる駆動機たる傾転シリンダ46(図4)を設けることによって構成されている。
【0034】
傾転軸30は、上述した枠体10の上部枠9に設けられており、枠体10の対向する位置から側方に向けて設けられている。この傾転軸30は、前記昇降枠28に設けられた軸受31によって支持されている。つまり、この傾転軸30を中心にして枠体10とともに釜本体2が傾くように構成されている。
【0035】
また、前記傾転シリンダ46は、図4に示すように、昇降枠28から下方に向けてシリンダフレーム47が設けられ、このシリンダフレーム47に後端が回動可能に支持されて設けられている。この傾転シリンダ46のロッド48の先端が、傾転軸30に所定角度で固定されたアーム部材49と連結されている。このアーム部材49と傾転シリンダ46は、図4に2点鎖線で示すように、釜本体2の傾き角が好ましい角度となるような角度と伸縮量で構成されている。
【0036】
したがって、この傾転シリンダ46のロッド48を伸長させることによって、アーム部材49が傾転軸30を回動させて、枠体10とともに釜本体2を所定角度まで傾けることができる。この釜本体2を傾ける角度としては、図4に2点鎖線で示すように、内部の対象物を他の容器50に排出できる角度であればよく、水平状態を超える、例えば、120°程度に傾けられる。この角度は対象物の性状等に応じて任意に設定すればよい。
【0037】
また、図8,9に示すように、この実施形態の釜本体2は、釜内部が加熱又は冷却可能に構成されており、対象物を加熱又は冷却しながら混合攪拌することができるように構成されている。この加熱又は冷却する構成は、釜本体2の混合攪拌部51(2点鎖線で示す斜線部分)に釜本体2の内部を加熱又は冷却する媒体を通すジャケット52を形成し、このジャケット52内に媒体を循環させることによって行っている。
【0038】
さらに、釜本体2の下部の回転中心には、ジャケット52から下方に向けてロータリージョイント53が設けられている。このロータリージョイント53は、前記ジャケット52に加熱又は冷却媒体を供給/排出するためのものであり、固定側と回転側との間で加熱又は冷却媒体を供給/排出することができるように構成されている。
【0039】
この実施形態では、ロータリージョイント53が二重管構造で形成されており、二重管の外側が供給路54、内側が排出路55となっている。図の断面で示す部分が二重管の回転部分であり、その下部が固定部分である。なお、加熱媒体としては蒸気等、冷却媒体としては冷水等が利用される。また、加熱又は冷却媒体の供給/排出路の構成は、媒体等に応じて適宜決定すればよい。
【0040】
一方、釜本体2を傾転可能に支持している枠体10に設けられた左右の傾転軸30には、前記ロータリージョイント53の供給路54と排出路55とに接続される供給通路56と排出通路57とが設けられている。これら供給通路56と排出通路57の端部は、図示しない加熱又は冷却媒体供給装置に接続されている。この供給通路56と排出通路57が、前記ロータリージョイント53の供給路54と排出路55とに配管58,59で接続されている。また、ロータリージョイント53の供給路54と釜本体2の上部との間も配管60で接続されている。
【0041】
図10に示すように、このように構成された媒体供給構造61によれば、一方(図の右側)の傾転軸30に形成された供給通路56に供給された媒体62(加熱又は冷却)は、配管58を介してロータリジョイント53の二重管外側に形成された供給路54から配管60を経て釜本体2に設けられたジャケット52の上部に供給される。このジャケット52に供給された媒体62は、ジャケット52内に設けられた緩衝板63に当接してから釜本体2の下方へと流れる。この間に釜本体2が加熱又は冷却される。
【0042】
ジャケット52の下部中央は、ロータリジョイント53の二重管内側に形成された排出路55と連通しており、釜本体2を加熱又は冷却した媒体62は、この排出路55から配管59を介して他方(図の左側)の傾転軸30に形成された排出通路57へと排出される。つまり、供給通路56から供給した加熱又は冷却媒体62をロータリジョイント53から釜本体2のジャケット52に供給して、排出通路57から排出するように構成している。
【0043】
特に、この実施形態では、加熱用の蒸気を供給しながらカレーのルウを製造する構成であるので、加熱媒体62をジャケット52の上部から供給して下部から排出することにより、上部の冷えやすい位置で最も高温の加熱媒体を供給して、釜本体2の混合攪拌部51全体を効果的に加熱することができる。
【0044】
このようにして、回転可能であり、かつ傾転可能に構成された釜本体2のジャケット52に加熱又は冷却媒体62を供給/排出できるように構成しているので、釜本体2を回転させながら媒体62を循環させて釜本体2内の温度を常に安定させた状態で加熱又は冷却して対象物を混合攪拌することができる。
【0045】
なお、図1,3に示すように、上部カバー6には釜本体2内を洗浄するための洗浄装置70が2本設けられている。
【0046】
図11(a),(b), (c) は図1に示す攪拌具の図面であり、(a) は正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。図12は図3に示す上部カバーにおける攪拌具の駆動機構を示す拡大縦断面図、図13は図5に示す状態の釜本体とその釜内壁スクレーパを示す側面図、図14は同釜内壁スクレーパの移動機構を示す縦断面図である。図15は図2に示す状態の攪拌具と釜内壁スクレーパとの関係を示す図面であり、(a) は平面図、(b) は(a) の一方を示す模式図である。なお、図15は、上部から2個目のスクレーパの部分を示している。
【0047】
図11(a),(b),(c) に示すように、上述した攪拌装置4に設けられた攪拌具15は、上端に取付部64が設けられ、その下部に羽根部65が設けられている。この羽根部65は、下部が捻られたスクリュー状に形成されており、攪拌具全体としては、所謂、羽根部65の下部が捻られたスクリュー式のビータとなっている。この攪拌具15は、対象物を効果的に混合攪拌できる形状であればよいが、この実施形態では、釜本体2内に2本の攪拌具15が配設できるように、縦長のリング状に形成されている。また、この羽根部65は、釜内壁19に沿うように形成されている。
【0048】
図12に示すように、攪拌具15を駆動する前記駆動機14による駆動機構は、上部カバー6の中央部に設けられた駆動機14(モータ)で駆動する駆動歯車66と、この駆動歯車66で駆動する2個の従動歯車67とで構成されている。この従動歯車67は、駆動歯車66を挟んで対向する位置に設けられており、この従動歯車67の軸68に設けられた取付材69に前記攪拌具15の取付部64が取付けられて駆動されている。この構成が駆動力の分配機構であり、2本の攪拌具15は同一方向に同一回転数で回転させられている。なお、攪拌具15の回転方向及び速度は適宜変更することができる。
【0049】
図13に示すように、上述した釜内壁スクレーパ装置5におけるスクレーパ18は、この実施形態では釜内壁19に近接して設けられた2本の回動軸17に設けられている。このスクレーパ18は、釜本体2の軸方向に複数に分割されており、各スクレーパ18は、その間に所定の空間87が設けられて、2本の回動軸17に設けられたそれぞれのスクレーパ18の掻き取り面が相異なる位置となるように配置されている。この複数に分割されたスクレーパ18の配置は、釜本体2の軸方向とほぼ平行の直線状に釜内壁19と接するように設けられ、また、釜本体2の内壁19に掻き取り残しが発生しないような配置で、交互に設けられている。
【0050】
このように分割して設けられたスクレーパ18の間に空間87を設けることにより、対象物をスクレーパ18で掻き取るとともに、対象物を適当にこの空間87から後方へ逃がしながら効果的に混合攪拌と掻き取りができるようにしている。このことは、カレーやシチューのルウを製造する時のように、特に粘性の高い対象物を混合攪拌するときに、掻き取り部で一部の対象物を逃がしながら効果的に混合攪拌することができる。
【0051】
また、複数に分割したスクレーパ18により、釜内壁2に付着する対象物の掻き取り残しが殆ど発生せず、対象物が滞留することによる不良の発生を抑制することが可能となる。なお、このスクレーパ18は、一体的に形成してもよく、複数に分割するか一体的に形成するかは対象物に応じて決定すればよい。
【0052】
図14に示すように、前記スクレーパ18を設けた回動軸17は機械的に回動可能となっており、この回動軸17を回動させることによってスクレーパ18を釜内壁19と接触又は離隔させて移動可能としている。この回動軸17は、上端部が上部カバー6に設けられた上部軸81の下端部に連結されており、上部カバー6に支持された状態となっている。この上部軸81は、筒状の支持部材82内を貫通するように設けられており、この支持部材82は、上部カバー6を上下に貫通した状態で上部カバー6に固定されている。この支持部材82と上部軸81との間にはブッシュ83が介装されており、これによって上部軸81が支持部材82内で回動可能となっている。
【0053】
また、上部軸81の上端部は所定長さだけ支持部材82から突出しており、この突出部分に回動アーム84の一端が取り付けられている。回動アーム84の他端は、シリンダ16のピストンロッドが上下方向に延びた枢軸によって水平方向へ回動可能なように枢着されている。一方、このシリンダ16の後端は、水平方向へ回動可能なように、前記支持部材82と上部カバー6に固定された取付板85に枢着されている。従って、シリンダ16を伸縮させることにより、回動アーム84が上部軸81を水平方向へ回動させ、これによって回動軸17が回動させられてスクレーパ18が釜内壁19と接触又は離隔するように移動させられる。
【0054】
図15(a) に示すように、この実施形態における前記攪拌具15とこの釜内壁スクレーパ18との関係は、2個の攪拌具15の羽根部65が描く攪拌円86が釜本体2の回転中心を含むようにし、この回転する攪拌具15が描く攪拌円86が釜内壁19と近接する部分88近傍にスクレーパ18が設けられている。この実施形態ではカレーのルウのように粘性が高い対象物を混合攪拌する例であるため、図15(b) の模式図に示すように、攪拌具15が描く攪拌円86が釜内壁19と近接する部分88の近傍である攪拌具15の自転出口側にスクレーパ18が設けられている。
【0055】
これにより、スクレーパ18を釜内壁19に接触させた状態で釜本体2を回転させれば、攪拌具15で対象物を混合攪拌するとともにスクレーパ18で釜内壁19から対象物を掻き取りながら、釜内全体を効果的に混合攪拌することができる。
【0056】
また、この実施形態では、釜本体2を回転可能とし、その釜本体2内で攪拌具15を自転させるように構成するとともに、釜本体2の回転方向と攪拌具15の自転方向とを同一方向にし、この攪拌具15の回転速度と釜本体2の回転速度とを制御することによってこれらに相対的な速度差を設けることができる。この相対的な速度差は、対象物の投入状態や、対象物の混合攪拌時間、混合攪拌状態等に応じて適宜決定し、図示しない制御装置で制御することもできる。この攪拌具15を自転させる回転速度と釜本体2の回転速度は、対象物の性状や種類、又は対象物の性状や種類、もしくは対象物の混合攪拌状態等に応じて好ましい関係で制御すればよい。
【0057】
なお、攪拌具15が描く攪拌円86が釜内壁2と近接する部分にスクレーパ18を設けるようにした位置関係を保っていれば、釜本体2を回転させても、上部カバー6を回転させることによって攪拌具15とスクレーパ18とを一体的に回転させても、これら両方を回転させてもよく、これらが相対的に回転すれば、どちらが回転してもよい。
【0058】
また、攪拌具15が描く攪拌円86が釜内壁19と近接する部分88の近傍は、対象物や攪拌具15と釜本体2の回転方向等に応じて、攪拌具15の自転出口側や入口側に適宜決定される。
【0059】
以上のように構成された釜装置1によれば、まず、図4に示すように、釜本体2を上昇させて、上部カバー6に設けられた攪拌装置4と釜内壁スクレーパ装置5とが釜本体2の所定位置にセットされた状態とする。このセット状態では、上部カバー6に設けられた攪拌装置4の攪拌具15が所定位置にセットされるとともに、釜内壁スクレーパ装置5のスクレーパ18が釜内壁19の所定位置にセットされる。また、この実施形態はカレーのルウを製造する例であるため、図10に示すように、傾転軸30から加熱媒体62が供給され、この媒体62で釜本体2が所定温度に加熱される。
【0060】
このように釜本体2を上部カバー6にセットした状態で、図9に示す駆動機44で、図15(a),(b) のように釜本体2が所定回転数で矢印aの方向に回転させられるとともに、上部カバー6に設けられた攪拌装置4で攪拌具15が矢印bの方向に回転させられる。この釜本体2が回転させられた状態で、攪拌具15が回転させられたら、対象物も矢印bの方向へ流動させられ、これによってスクレーパ18は、対象物によって押圧されて釜内壁19に密着させられるので、釜本体2内で混合攪拌される対象物(原料)が釜内壁19に付着しないように掻き取られる。しかも、攪拌具15が描く攪拌円86が釜内壁19と近接する部分88の近傍、すなわち、この実施形態では、攪拌具15の自転出口側近傍にスクレーパ18を設けて掻き取るようにしているので、攪拌具15で攪拌されて流動している対象物をスクレーパ18で矢印cの釜本体中心側へ向けて掻き取って、釜内壁19部分で対象物を滞留させることなく好ましい状態で流動させて混合攪拌することができる。その上、この実施形態では、スクレーパ18間に空間87を設けているので、カレーのルウのように粘性が高い対象物であっても、この空間87から掻き取る対象物の一部をスクレーパ18の後方側である矢印dの方向に逃がしながら釜内壁2の全体を掻き取ることができる。これにより、大きな抵抗や偏った対象物の流動を生じることなく混合攪拌することができる。
【0061】
このようにして複数の原料が釜本体2の内部に投入され、加熱状態で、所定時間、混合攪拌することによって対象物(カレーのルウ)が製造される。この間、釜本体2の内部に設けられた2対の攪拌具15とスクレーパ18により、釜内壁19に対象物が付着することなく釜内全体が好ましい状態で混合攪拌されるので、均一な対象物を製造することができる。この実施形態では、上部カバー6を固定し、釜本体2を回転可能としているため、攪拌具15及びスクレーパ18を、対象物に応じた、掻き取り、混合攪拌機能が最適に達成される配置構造で、上部カバー6に備えることが可能である。
【0062】
そして、釜本体2内に所望の対象物が製造されると、釜本体2の回転を停止させるとともに、攪拌具15の回転を停止させた後、スクレーパ18を釜内壁19から離隔させる。
【0063】
その後、図1に示す位置まで、釜本体2を支持する枠体10が下降するように昇降枠28を昇降フレーム23に沿って下降させる。釜本体2を所定位置まで下降させると、図4に二点鎖線で示すように、傾転シリンダ46のロッド48を伸長させることによってアーム部材49で傾転軸30を回動させることにより、枠体10とともに釜本体2が所定角度まで傾けられる。この時、傾けられた釜本体2内の対象物は、次の加工設備へ搬送するための容器50へ移される。
【0064】
しかも、この実施形態では、枠体10に釜本体2を回転可能に支持しているため、釜本体2を傾けた状態で回転させることもでき、対象物が粘性を有している等、排出が困難な場合でも効率良く排出することができる。
【0065】
また、上述した実施形態では、釜本体2を加熱可能に構成し、攪拌装置4の攪拌具15で釜本体2内の対象物を混合攪拌しながら、釜内壁スクレーパ装置5のスクレーパ18によって釜内壁19に付着する対象物を掻き取るようにしているので、カレーやシチューのルウのように、加熱しながら粉体と油を釜本体2内で混合攪拌して練ることによって粘性を有する対象物を得る場合でも好適な釜装置1として使用することができる。
【0066】
なお、前記実施の形態では、対象物としてカレーのルウを例に説明しているが、対象物としては、カレーやシチューのルウ以外に練りわさびや練り香辛料等の粘性を有する食料品原料、その他、様々な原料であってもよく、対象物は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0067】
また、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0068】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0069】
攪拌具で攪拌した対象物を、この攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍でスクレーパによって釜内壁から効果的に掻き取ることができるので、釜内壁に対象物を付着させることなく攪拌具で均一に攪拌することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態における釜装置の分離状態を示す正面図である。
【図2】図1に示す釜装置の平面図である。
【図3】図2に示す釜装置の上部カバーを示す平面図である。
【図4】図1に示す釜装置の側面図である。
【図5】図1に示す釜装置におけるセット状態の正面図である。
【図6】 (a) は図1に示す釜装置におけるチェーン取付部材の正面図であり、(b) は(a) の側面図である。
【図7】図1に示す釜装置の断面図であり、(a) はA−A断面図、(b) は(a) のB部拡大図である。
【図8】図1に示す状態の釜本体とその周辺の拡大断面を示す正面図である。
【図9】図1に示す状態の釜本体とその周辺の拡大断面を示す側面図である。
【図10】図8に示す釜本体とその周辺における加熱又は冷却媒体の流れを示す正面図である。
【図11】図1に示す攪拌具の図面であり、(a) は正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。
【図12】図3に示す上部カバーにおける攪拌具の駆動機構を示す拡大縦断面図である。
【図13】図5に示す状態の釜本体とその釜内壁スクレーパを示す側面図である。
【図14】図13に示す釜内壁スクレーパの移動機構を示す縦断面図である。
【図15】図2に示す状態の攪拌具と釜内壁スクレーパとの関係を示す図面であり、(a) は平面図、(b) は(a) の一方を示す模式図である。
【符号の説明】
1…釜装置
2…釜本体
3…原料投入口
4…攪拌装置
5…釜内壁スクレーパ装置
6…上部カバー
7…支持枠
10…枠体
14…駆動機
15…攪拌具
16…シリンダ
17…回動軸
18…スクレーパ
19…釜内壁
20…昇降装置
21…案内機構
22…架台
23…昇降フレーム
24…駆動機
25…駆動スプロケット
26…昇降チェーン
27…従動スプロケット
28…昇降枠
29…案内レール
30…傾転軸
31…軸受
34…カウンターウエイト
35…ウエイトカバー
36…取付部材
37…案内部材
39…センサ
40…垂直方向軸
41…回転機構
42…軸受
43…内歯
44…駆動機
45…傾転機構
46…傾転シリンダ
47…シリンダフレーム
49…アーム部材
50…容器
51…混合攪拌部
52…ジャケット
53…ロータリジョイント
54…供給路
55…排出路
56…供給通路
57…排出通路
58,59,60…配管
61…媒体供給構造
62…媒体
64…取付部
65…羽根部
66…駆動歯車
67…従動歯車
70…洗浄装置
81…上部軸
82…支持部材
83…シール部材
84…回動アーム
85…取付板
86…攪拌円
87…空間
88…部分
Claims (5)
- 投入された粘性を有する対象物を混合攪拌する釜本体と、該釜本体の上部に位置し、該釜本体内に投入された対象物を自転して所定の攪拌円で攪拌する攪拌具を有する撹拌装置、及び該対象物の釜内壁への付着を防止するスクレーパを有する釜内壁スクレーパ装置を具備する上部カバーとを設け、該上部カバーと釜本体とを相対的に回転可能に構成し、
該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に前記スクレーパを配置し、
かつ、上記スクレーパを、該釜本体の内壁に沿って複数に分割し、該分割したスクレーパを所定の空間を設けて掻き取り面が異なる釜本体の内壁位置となるように配置して、該スクレーパで対象物を掻き取るとともに、分割したスクレーパの間の空間から対象物を後方へ逃がして混合攪拌と掻き取りとができるように構成したことを特徴とする攪拌具とスクレーパとの配置構造。 - 投入された粘性を有する対象物を混合攪拌する釜本体と、該釜本体の上部に位置し、該釜本体内に投入された対象物を自転して所定の攪拌円で攪拌する攪拌具を有する撹拌装置、及び該対象物の釜内壁への付着を防止するスクレーパを有する釜内壁スクレーパ装置を具備する上部カバーとを設け、該上部カバーと釜本体とを相対的に回転可能に構成し、
該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に前記スクレーパを配置し、
該配置関係を保った一対の攪拌具とスクレーパとを、釜本体内に複数配設し、
かつ、前記複数のスクレーパを、釜本体内壁の掻き取り残しが発生しないように、該釜本体の内壁に沿ってそれぞれ複数に分割し、該それぞれ分割した複数のスクレーパを所定の空間を設けて掻き取り面が相異なる釜本体の内壁位置となるように配置して、該スクレーパで対象物を掻き取るとともに、分割したスクレーパの間の空間から対象物を後方へ逃がして混合攪拌と掻き取りとができるように構成したことを特徴とする攪拌具とスクレーパとの配置構造。 - 投入された粘性を有する対象物を混合攪拌する釜本体と、該釜本体の上部に位置し、該釜本体内に投入された対象物を自転して所定の攪拌円で攪拌する攪拌具を有する撹拌装置、及び該対象物の釜内壁への付着を防止するスクレーパを有する釜内壁スクレーパ装置を具備する上部カバーとを設け、該上部カバーと釜本体とを相対的に回転可能に構成し、
該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁に近接するように攪拌具を配置するとともに、該攪拌具が描く攪拌円が釜内壁と近接する部分の近傍に前記スクレーパを配置し、
該攪拌具を、羽根部が縦長のリング状に形成されたもの、またはその下部が捻られたスクリュー状に形成されたもの、もしくはこれらの羽根部が釜内壁に沿うように形成されたもので構成するとともに、
該攪拌具の自転半径を、該攪拌具の攪拌円が釜本体の回転中心を含む大きさで形成したことを特徴とする攪拌具とスクレーパとの配置構造。 - 釜本体が対象物を加熱する機能を備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の攪拌具とスクレーパとの配置構造。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の攪拌具とスクレーパとの配置構造を具備したことを特徴とする釜装置。
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