JP5848765B2 - イオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法及び装置 - Google Patents

イオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5848765B2
JP5848765B2 JP2013522289A JP2013522289A JP5848765B2 JP 5848765 B2 JP5848765 B2 JP 5848765B2 JP 2013522289 A JP2013522289 A JP 2013522289A JP 2013522289 A JP2013522289 A JP 2013522289A JP 5848765 B2 JP5848765 B2 JP 5848765B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion source
light
sample material
laser device
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013522289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013532835A5 (ja
JP2013532835A (ja
Inventor
アリソン,ジヨン
Original Assignee
クラトス・アナリテイカル・リミテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クラトス・アナリテイカル・リミテツド filed Critical クラトス・アナリテイカル・リミテツド
Publication of JP2013532835A publication Critical patent/JP2013532835A/ja
Publication of JP2013532835A5 publication Critical patent/JP2013532835A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5848765B2 publication Critical patent/JP5848765B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B7/00Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass
    • B08B7/0035Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by radiant energy, e.g. UV, laser, light beam or the like
    • B08B7/0057Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by radiant energy, e.g. UV, laser, light beam or the like by ultraviolet radiation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B7/00Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass
    • B08B7/0035Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by radiant energy, e.g. UV, laser, light beam or the like
    • B08B7/0042Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by radiant energy, e.g. UV, laser, light beam or the like by laser
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J27/00Ion beam tubes
    • H01J27/02Ion sources; Ion guns
    • H01J27/022Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/161Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission using photoionisation, e.g. by laser
    • H01J49/164Laser desorption/ionisation, e.g. matrix-assisted laser desorption/ionisation [MALDI]

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

本発明は、好ましくは質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるためのイオン源である電極の表面を含む、少なくとも一つの表面をクリーニングするための方法及び装置に関するものである。好ましくは、本発明は、MALDIイオン源の電極の表面のクリーニングに関するものである。
TOF質量分析は、イオンを加速し、イオン検出器までのそれの飛行時間を測定することでイオンの質量/電荷比を測定する分析技術である。
簡単な形では、TOF質量分析計には、サンプル材料のイオンのパルス(又はバースト)を発生させるためのイオン源及びイオン源からイオン検出器まで飛行したイオンを検出するためのイオン検出器がある。イオン源によって発生したイオンは好ましくは、例えば加速されているために、所定の運動エネルギーを有することから、それの質量/電荷比に従って異なる速度を有する。従って、イオン源とイオン検出器の間をイオンが飛行するに連れて、異なる質量/電荷比のイオンは、それらの異なる速度によって分離され、異なる時間でイオン検出器によって検出され、それによって、それらの個々の飛行時間をイオン検出器の出力に基づいて測定することが可能となる。このようにして、サンプル材料のイオンの質量/電荷比を代表する質量スペクトラムデータを、イオン検出器の出力に基づいて獲得することができる。
「MALDI」と称される場合が多いマトリックス支援レーザー脱離/イオン化は、レーザー装置を用いてサンプル材料及び光吸収性マトリックスの(通常は結晶化した)混合物で発光させてサンプル材料をイオン化するイオン化技術である。MALDIで用いられるサンプル材料には代表的には、生体分子(例えばタンパク質)、大型の有機分子及び/又はポリマーなどの分子などがある。一般には、光吸収性マトリックスを用いて、そのような分子をレーザー装置からの光による損傷又は破壊から保護する。次に、代表的には数千ダルトンの質量を有する得られたイオンを、高運動エネルギー、代表的にはほぼ20keVまで加速する。一般に、MALDIによってイオンを発生させるよう構成されているイオン源は「MALDIイオン源」と称される。MALDIイオン源には代表的には、サンプル材料及び光吸収性マトリックスの混合物に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置などがある。
MALDIは通常、飛行時間質量分析と組み合わせて、「MALDI TOF」質量分析を提供し、その分析では一般に、MALDIによってイオンのパルスを発生させ、次に代表的にはほぼ1から2メートルの距離にわたってイオンの飛行時間を測定することで、イオンの質量/電荷比を求めることができる。
最新のTOF質量分析計、例えばMALDI TOF質量分析計でイオンの飛行時間を測定するには、代表的には、多様な範囲の高速デジタル及びアナログ電子機器が必要である。例えば、高速タイミング電子機器を用いて、各種の高電圧電気パルスをレーザー装置の発光及びイオンシグナル獲得と正確に同期させることができる。さらに、kV/μsスルーレート高電圧電気パルスを用いて、レーザー装置によって発生したイオン化分子を加速、ゲーティング及び誘導することができる。最後に、高速マルチビットアナログからデジタルへの変換器を用いてイオン検出器からの出力を記録することで、イオンの飛行時間と従ってイオンの質量/電荷比を求めることができる。そのような高速デジタル及びアナログ電子機器は代表的には、TOF質量分析計の各獲得サイクルに用いられる。
最近まで、TOF質量分析計、例えばMALDI TOF質量分析計は、数十Hzまでの繰り返し速さ(それが光のパルスを発することができる速さ)を有するガスレーザーを用いていた。より最近のTOF質量分析計は、かなり高い繰り返し速さ、例えば1kHz以上が可能な固体レーザーを用いている。
概して、MALDIイオン源が使用中の際には、MALDIイオン源のレーザー装置がサンプルスポットに入ったサンプル材料及び光吸収性マトリックスの混合物で光のパルス(例えばUV)を発することで、サンプルスポットからイオン化及び非イオン化(すなわち中性)サンプル材料(「分析物」)及び光吸収性マトリックスの煙条を放出する。この煙条に含まれるイオン化材料(ほとんど、サンプル材料のイオン及び光吸収性マトリックスの少量のイオン)は、MALDIイオン源の電極によって生じる電場によって加速されて、電極における開口部を通って、例えば後にイオン検出器によって検出される。しかしながら、この煙条で得られた非イオン化材料(ほとんど非イオン化光吸収性マトリックス及び少量の非イオン化サンプル材料)は、イオン源近傍の表面、例えばMALDIイオン源の電極の表面上に堆積するまで、サンプルスポットから広がり続ける。
時間をかけて、非イオン化材料はサンプルスポット近傍の表面上、特にはMALDIイオン源の電極の表面上に堆積して汚染材料の絶縁層が形成され、それが時間経過とともに堆積して、MALDIイオン源の操作に悪影響を与え得る。特に、電極上の汚染材料の絶縁層は、電極によって形成された電場を歪ませて、MALDIイオン源を用いる質量分析計の感度又は分解能が低下し得る。現時点で、MALDIイオン源の電極にはクリーニングが必要である。
長年にわたり、MALDIイオン源の電極の主要なクリーニング方法は、電極の入った排気された筐体を通気及び開放することで、電極をイン・サイツでクリーニングすることができるか、取り出して徹底したクリーニングを行うことができるようにするものであった。いずれの場合も、クリーニング時間に加えて、MALDIイオン源の筐体(一旦閉じたもの)に対する減圧を回復し、MALDIイオン源を質量分析で使用するのに必要な高電圧コンディショニング、装置調整及び質量較正手順を行うのに数時間が必要であった。
多くの利用分野(例えば生化学)において、より高スループットの質量分析計の必要性が増しており、それは今や1kHz以上の繰り返し速さで動作することができるMALDIイオン源を導入することで実現することができる。これによって、MALDIイオン源の電極上の汚染物の蓄積の速度及びそれをクリーニングしなければならない回数が増えたことで、その電極がクリーニングを必要とする都度、MALDIイオン源を換気することが実用的意味を持たなくなっている。
これらを考慮すると、MALDIイオン源の排気された筐体を換気する必要なしに、MALDIイオン源の電極をクリーニングする効果的な方法を見出すことが望ましい。
MALDIイオン源の排気された筐体を換気する必要なく、MALDIイオン源の電極をクリーニングするのに、各種方法が検討されている。
例えば、GB2398923において、ホール(Holle)及びフランツェン(Franzen)が、標準的なサンプルプレートに代えてMALDIイオン源に挿入された特別に設計されたクリーニングプレートを用いて、第一の電極を溶媒によるスプレー乾燥によって、又はクリーニングスクラバーを用いて機械的にクリーニングする方法を提案している。
US7,541,597において、ホール(Holle)及びプルジビラ(Przybyla)が、特別に入れた反応ガス中への電気的に発生させたガス放電によって発生させた反応性イオンによるエッチングによるMALDIイオン源の電極のクリーニング方法を提案しており、それは標準的なサンプルプレートキャリアに代えて特別に設計された電極プレート(place)を用い、反応ガスを入れることで自動的に行うことができる。
上記の方法には、標準的なサンプルプレートに代えて特別な装置を挿入しなければならないために、ある種の画像処理用途において重要となり得るサンプル材料の正確な位置がわからなくなる可能性があるという点で共通の欠点がある。さらに別の欠点としては、いくつかのサンプルプレートを自動的に負荷することができる質量分析計の自動運転が中断される点もあり得る。
電極を例えば接触式ヒーター(US6953928、ベステル(Vestel)ら)を用いるか、赤外線レーザー照射(GB2457362、ホール(Holle)及びホーンドルフ(Hohndorf))によって250℃以下の温度まで加熱するMALDIイオン源の電極のクリーニング方法も提案されている。MALDIイオン源の電極の加熱の有効性は、変動し得るものであることが認められており、使用される光吸収性マトリックスによって非常に依存するものである。例えば、DHB(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)は約150℃の温度まで加熱することで容易に除去されることが認められているが、CHCA(α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸)はそれよりかなり手強く、200℃を超えて加熱した場合であっても除去するのが困難であることが認められている。比較的短時間内であっても堆積し得る相対的に厚い層と比較して、加熱によって汚染物材料の薄層を除去することがかなり容易であることが認められているという点で、存在する汚染物材料の量が加熱の有効性に対して大きい効果を有することも認められている。さらに、一部の汚染物材料、特にはポリマーは、単に加熱するだけでは除去が非常に困難である可能性がある。
本発明は、以上の検討事項を考慮して考案されたものである。
英国特許第2398923号明細書 米国特許第7541597号明細書 米国特許第6953928号明細書 英国特許出願公開第2457362号明細書
本発明は、表面に光を当てることで、汚染物材料をその表面から剥離させることで、質量分析計用のイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法に関するものである。こうすることで、表面をあまり加熱する必要なく、そしてイオン源の排気された筐体を換気する必要なく、イオン源の少なくとも一つの表面を簡単な方法でクリーニングすることができる。
本願の文脈において、「光」は好ましくは、電磁波(あらゆる波長を有する)を意味するものと解釈される。表面からの物質の「脱離」は好ましくは、表面からのその物質の放出/除去を意味する。
本発明の第1の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるためのイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
前記イオン源の前記少なくとも一つの表面にUV光を当てることで、汚染物材料を前記少なくとも一つの表面から剥離させる段階を有する方法を提供することができる。
イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てることで、そのUV光は、その少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えることによって、前記少なくとも一つの表面をあまり加熱する必要なく、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることができる。この機構は、例えば、赤外線レーザー照射(UV光よりエネルギーが低い)を用いてMALDIイオン源の電極を計画的に加熱して高温とすることで電極をクリーニングするGB2457362で提案の方法とは異なるものである。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面へのUV光照射は、その少なくとも一つの表面の加熱が実質的に起こらないようなものである。ここで、「実質的に加熱がない」とは、イオン源の少なくとも一つの表面での温度が80℃未満に維持されること、より好ましくはイオン源の少なくとも一つの表面での温度が60℃未満に維持されることを意味するものと解釈することができる。これは、赤外線レーザー照射を用いてMALDIイオン源の電極を計画的に加熱して少なくとも80℃とするGB2457362で提案されている方法とは異なるものである。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面はイオン源の電極の表面を含む。すなわち、当該方法は好ましくは、イオン源の電極の表面にUV光を当てることで、電極表面から汚染物材料を剥離させる段階を含む。上記で説明した通り、イオン源の電極上での汚染物材料の堆積は、質量分析計において特に問題となる。しかしながら、汚染物材料は、イオン源の他の表面、例えばイオン源のサンプルスポット近傍の表面上にも堆積し得る。
UV(「紫外」)光とは好ましくは、450nm以下、より好ましくは400nm未満又は以下、より好ましくは390nm以下の波長(最小波長はない)を有する光を意味するものである。しかしながらUV光は、10nm以上、100nm以上、200nm以上又は300nm以上の波長を有することができる。従ってUV光は、10nmから390nm、400nm又は450nm;100nmから390nm、400nm又は450nm;200nmから390nm、400nm又は450nm;或いは300nmから390nm、400nm又は450nmの範囲の波長を有することができる。DCTB、DHB、SA、DTL又はCHCAなどの光吸収性マトリックスを含んでいても良い汚染物材料は、これらの範囲の波長を有する光に対して特に吸光性であることが認められており、それによって光はイオン源の少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えることで、少なくとも一つの表面をほとんど加熱する必要なく、汚染物材料を少なくとも一つの表面から剥離させることができる。
汚染物材料は例えば、非イオン化サンプル材料及び/又はDCTB(T−2−(3−(4−t−ブチル−フェニル)−2−メチル−2−プロペニリデン)マロノニトリル)、DHB(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、SA(シナピン酸)、DTL(1,8,9−アントレセントリオール(ジトラノール))又はCHCA(α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸)などの光吸収性マトリックスを含むかそれらであることができる。例えば、非イオン化サンプル材料及び/又は非イオン化光吸収性マトリックスは、以前にイオン源で使用されたサンプル材料及び光吸収性マトリックスの混合物に由来するものであると考えられる。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は、光源を用いてUV光を発生させることを含む。イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は簡単に、光源を移動させることで、光源によって発生したUV光をその少なくとも一つの表面上に当てることを含むものであっても良い。しかしながら、イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は好ましくは、下記で説明するように、レーザー装置によって発生したUV光を反射させてサンプル材料をイオン化させることを含む。
好ましくは、イオン源には、サンプル材料に光を発射することによりそのサンプル材料をイオン化させるためのレーザー装置などがある。好ましくは、レーザー装置は、サンプル材料に光のパルスを発射することによりそのサンプル材料をイオン化させるためのものである。レーザー装置は好ましくは、UV光を発生させる。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられるUV光は、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発せられる光の第1の波長にほぼ等しいかそれより短いものである。このようにして、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられるUV光の光子は、レーザー装置によって発せられる光の光子にほぼ等しいかそれより大きいエネルギーを有する。従って、レーザー装置からサンプル材料に光を発射することにより(サンプル材料から汚染物材料を剥離させるため)汚染物材料が生じた場合は、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられるUV光は、その少なくとも一つの表面をほとんど加熱する必要なく、その少なくとも一つの表面から汚染物材料を容易に剥離させるのに十分なエネルギーのものでなければならない。
ここで、「ほぼ等しい」とは好ましくは、300nm以下、より好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下の波長差が存在する程度まで等しいことを意味する。あるいは、「ほぼ等しい」は、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%又は1%以下のパーセント差(または「誤差」)がある程度まで等しいことを意味しても良い。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられるUV光は、サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって生ずるものである。すなわち、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置は好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面に当てられるUV光を発生させる光源である。これは、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発せられた光の第1の波長にほぼ等しい第2の波長のものであるイオン源の少なくとも一つの表面にUV光を当てる特に優れた手法である。しかしながら、他の実施形態では、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられるUV光は、別個の光源によって発生させることができる。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は、反射性表面を介してイオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を反射させる操作を含む。その反射性表面は好ましくは、鏡によって提供される。このようにUV光を反射させることは、レーザー装置を移動させることなく、レーザー装置によって発生するUV光をイオン源の少なくとも一つの電極上に当てることができることから、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によってUV光を発生させる場合には特に有用である。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は、UV光の光路に反射性表面を移動させることで、その反射性表面がUV光を反射するようにする操作を含む。例えば、UV光の光路は、UV光を発生させるための光源のビーム軸によって規定され、当該方法は光源のビーム軸に反射性表面を移動させる操作を含むことができる。ここで、「ビーム軸」は好ましくは、光源によって発生したUV光の行程の方向に延びる軸を意味する。ビーム軸は所定の光源について固定することができる。上記で説明したように、光源はサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置であることができる。
好ましくは、反射性表面は凹面である。そうすることで、凹面反射性表面を用いて、UV光を方向付けするだけでなく、UV光を集光することができる。凹面反射性表面の湾曲は好ましくは球面であるが、放物線であったり、いずれか他の好適な凹面輪郭を有するものであっても良い。
好ましくは、当該方法は、反射性表面を移動させて、イオン源の少なくとも一つの表面全体にUV光の光源からのUV光を走査する操作を含む。好ましくはUV光を、二次元でイオン源の少なくとも一つの表面全体に走査する。そうすることで、イオン源の少なくとも一つの表面全体で異なる位置から汚染物材料を剥離させることができる。反射性表面が凹面である場合、このUV光走査は、凹面反射性表面を面、例えばUV光を発生させるための光源のビーム軸に対して実質的に垂直である面に移動させることで行うことができる。上記で説明したように、この光源はサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置であることができる。
好ましくは、反射性表面は、イオン源によってイオン化されるべきサンプル材料を保持するためのサンプル保持手段上に取り付ける。このようにして、反射性表面及びサンプル保持手段によって保持されたサンプル材料の両方を、サンプル保持手段を移動させることで、サンプル材料に代えてUV光の光路に(そしてその光路から出て)移動させることができる。イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は、サンプル保持手段を移動させることで、反射性表面をUV光の光路に移動させて、反射性表面がUV光を反射するようにする操作を含む。
好ましくは、反射性表面は、反射性表面がサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置から異なる距離にあるようにサンプル保持手段上に取り付ける。これは、反射性表面に、イオン源の少なくとも一つの表面の上にレーザー装置からの光を反射させ、及び/又は光を集光させてイオン源の少なくとも一つの表面で所定のエネルギー密度を有するようにさせる上で有効であり得る。
サンプル保持手段は、1以上の「サンプルスポット」にサンプル材料を保持するためのサンプルプレートを含むことができる。サンプル保持手段は、サンプルプレートを運搬するためのサンプルプレートキャリアを含むことができる。好ましくは反射性表面は、イオン源から取り出されるように構成されたサンプル保持手段の一部、例えばサンプルプレート上に設けられていることで、反射性表面をより容易にクリーニングすることが可能である。
好ましくは、当該方法は、反射性表面を用いて、例えばサンプルプレート撮像システムを使用してイオン源の少なくとも一つの表面上に存在する汚染物材料の量を肉眼で評価する操作を含む。これは、反射性表面によって提供され得る別の機能である。
好ましくは当該方法は、UV光がイオン源の少なくとも一つの表面で所定のエネルギー密度を持つようにUV光を集光する操作を含む。UV光の集光は、例えば上記の凹面反射性表面によって、及び/又はUV光を集光するための何らかの他の手段、例えばレンズによって行うことができる。さらに、UV光は、凹面又は平面の反射性表面及びレンズの組み合わせによって集光することができる。
好ましくは、当該方法は、イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光のパルスを当てる操作を含む。UV光のパルスは、例えばサンプル材料に光のパルスを発することでサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生させることができる。イオン源の少なくとも一つの表面にUV光のパルスを当てることで、熱がパルス間で散逸する機会が与えられることから、少なくとも一つの表面上にUV光の連続流を当てる場合と比較して、少なくとも一つの表面の加熱を軽減させることができる。
当該方法がイオン源の少なくとも一つの表面上にUV光のパルスを当てる操作を含む場合、その方法は好ましくは、UV光の各パルスがイオン源の少なくとも一つの表面で1μJ/mm以上、10μJ/mm以上、100μJ/mm以上、200μJ/mm以上、400μJ/mm以上又は500μJ/mm以上;及び/又は2000μJ/mm以下、1000μJ/mm以下、800μJ/mm以下又は600μJ/mm以下のエネルギー密度を持つように、UV光のパルスを集光する操作をさらに含む。これらの値は、いずれかの組み合わせで組み合わせることが可能である。例えば、UV光の各パルスは、イオン源の少なくとも一つの表面で400μJ/mmから800μJ/mmの範囲のエネルギー密度を有することができる。そのようなエネルギー密度は、光の単一パルスによって汚染物材料を効果的に剥離することが認められている。
好ましくは、当該方法は、汚染物材料が第1及び第2の表面から剥離するように、イオン源の第1の表面及び第2の表面上にUV光を当てる操作を含む。好ましくは、第1の表面はイオン源の第1の電極の表面であり、第2の表面はイオン源の第2の電極の表面である。第1及び第2の表面は、例えばサンプルスポットから異なる距離にあることができる。好ましくは、同時ではなく異なる時間で、例えば一つの表面全体と次に他の表面全体にUV光を走査することで、第1及び第2の表面にUV光を当てる。
好ましくは、当該方法は、第1の焦点と第2の焦点間でUV光の焦点を調節する操作を含む。好ましくは、当該方法はさらに、イオン源の第1の表面(イオン源の第1の電極の表面であることができる)に第1の焦点を有するUV光を当てる操作及びイオン源の第2の表面(イオン源の第2の電極の表面であることができる)上に第2の焦点を有するUV光を当てる操作を含む。好ましくは第1の焦点は、UV光が第1の表面の表面で第1の所定のエネルギー密度を有するようなものである。好ましくは第2の焦点は、UV光が第2の表面の表面で第2の所定のエネルギー密度を有するようなものである。好ましくは、第1及び第2の所定のエネルギー密度はほぼ等しい。ここで、「ほぼ等しい」とは好ましくは、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%又は1%以下のパーセント差(または「誤差」)があるという程度に等しいことを意味する。
UV光の焦点は、少なくとも二つの凹面反射性表面を用いてイオン源の少なくとも一つの表面上にUV光(例えば、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生させることができるもの)を当てることで調節することができ、各凹面反射性表面は異なる曲面、例えば異なる焦点距離を有する。反射性表面との関連で前述したいずれの特徴も、前記少なくとも二つの反射性表面のそれぞれに当てはまり得る。従って、イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てる操作は、第1の凹面反射性表面を介して第1の表面上に第1の焦点を有するUV光を当てる操作及び第2の凹面反射性表面を介して第2の表面上に第2の焦点を有するUV光を当てる操作を含む。同様に、イオン源の少なくとも一つの表面にUV光を当てる操作は、UV光の光路に第1の凹面反射性表面を移動させる操作及びUV光の光路に第2の凹面反射性表面を移動させる操作を含むことができる。
しかしながら、UV光の焦点は他の方法で調節することができる。例えば、一部の実施形態において、UV光(例えばサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生させることができるもの)の光路におけるレンズの位置を調節することで、UV光の焦点を調節することができる。レンズは、例えばサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置に含めたり、それに連繋させることができる。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による方法を行うための装置に関するものである。
従って、本発明の第2の態様は、質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てることで、汚染物材料を前記少なくとも一つの表面から剥離させる手段を有するイオン源を提供することができる。
当該イオン源は、本発明の上記の態様に関連して記載されているあらゆる特徴を有することができ、及び/又は本発明の上記のいずれかの態様に関連して記載されているいずれの方法段階も行うように構成することができるか、それを実行するための手段を有することができる。
例えば、好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面がイオン源の電極の表面を含む。
別の例として、好ましくはイオン源は、UV光を発生させるための光源を含む。好ましくは、イオン源は、サンプル材料に光(例えば光のパルス)を発することでサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を含む。好ましくは、UV光を当てる手段は、汚染物材料が少なくとも一つの表面から剥離するように、イオン源の少なくとも一つの表面上にサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生させたUV光を当てるためのものであるか、それを当てるように構成されている。
別の例として、UV光を当てる手段は、反射性表面を介してイオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てるための反射性表面を含むことができる。好ましくは、その反射性表面は、UV光の光路に移動することで、反射性表面がUV光を反射するように構成されている。好ましくは、反射性表面は、イオン源の少なくとも一つの表面全体にUV光の光源からのUV光を走査するよう移動する構成となっている。
別の例として、イオン源は好ましくは、UV光がイオン源の少なくとも一つの表面で所定のエネルギー密度を有するようにUV光を集光する手段及び/又は第1の焦点と第2の焦点の間でUV光の焦点を調節する手段及び/又はイオン源の第1の表面上に第1の焦点を有するUV光を当て、イオン源の第2の表面上に第2の焦点を有するUV光を当てる手段を含む。好ましくは、UV光の焦点を調節するための手段は、少なくとも二つの凹面反射性表面を含み、各凹面反射性表面は異なる曲面を有する。あるいは、UV光の焦点を調節する手段は、UV光の光路におけるレンズの位置を調節する手段を含むことができる。
本発明の第3の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源であり、サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を有するイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
イオン源の少なくとも一つの表面上に前記サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生した光を当てることで、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を含む方法を提供することができる。
このようにして、少なくとも一つの表面上に当てられる光の光子は、サンプル材料をイオン化するためにレーザー装置によって出る光の光子とほぼ等しいエネルギーを有することができる。従って、レーザー装置からサンプル材料に光を発する(サンプルから汚染物材料を剥離させるため)ことで汚染物材料が発生した場合、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光は、その少なくとも一つの表面をあまり加熱する必要なく、その少なくとも一つの表面から汚染物材料を容易に剥離させる上で十分なエネルギーのものでなければならない。
レーザー装置によって発生される光は、例えばUV光であることができるが、光の他の波長を用いてサンプル材料をイオン化することができることから、そうである必要はない。
当該方法は、本発明の他の態様に関連して説明した特徴又は方法段階を含むことができ、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様による方法を実施するための装置に関するものである。
従って、本発明の第4の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源であって、
前記サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置;および
イオン源の少なくとも一つの表面上に前記サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生させた光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段
を有するイオン源を提供することができる。
レーザー装置によって発生される光は、例えばUV光であることができるが、サンプル材料をイオン化するのに光の他の波長を用いることができることから、それが必要なわけではない。
当該イオン源は、本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した特徴を有することができ、及び/又は本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した方法段階を実施するよう構成されているか、その方法段階を実施する手段を有することができ、前記少なくとも一つの電極上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第5の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源であり、前記サンプル材料に第1の波長の光を発することでサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を有するイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てることで、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を含み、前記第2の波長が前記第1の波長とほぼ等しいかそれより短い方法を提供することができる。
このようにして、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光の光子は、レーザー装置によって発せられる光の光子とほぼ等しいかそれより大きいエネルギーを有する。従って、レーザー装置からサンプル材料に光を発する(サンプルから汚染物材料を剥離させるため)ことで汚染物材料が発生した場合、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光は、その少なくとも一つの表面をあまり加熱する必要なく、その少なくとも一つの表面から汚染物材料を容易に剥離させる上で十分なエネルギーのものでなければならない。
ここで、「ほぼ等しい」とは好ましくは、300nm以下、より好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下の波長差が存在する程度まで等しいことを意味する。あるいは、「ほぼ等しい」は、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%又は1%以下のパーセント差(または「誤差」)がある程度まで等しいことを意味しても良い。
好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光は、サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生されるものである。すなわち、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置は好ましくは、イオン源の少なくとも一つの表面に当てられる光を発生させる光源である。これは、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発せられる光の第1の波長にほぼ等しい第2の波長のものであるイオン源の少なくとも一つの表面に光を当てる特に優れた手法である。しかしながら、他の実施形態では、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光は、別個の光源によって発生させることができる。
レーザー装置によって発生される光は、例えばUV光であることができるが、サンプル材料をイオン化するのに光の他の波長を用いることができることから、それが必要なわけではない。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該方法は、本発明の他の態様に関連して説明した特徴又は方法段階を含むことができ、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第6の態様は、本発明の第5の態様による方法を実施するための装置に関するものである。
従って、本発明の第6の態様は、質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
サンプル材料に第1の波長の光を発することにより前記サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置;および
イオン源の少なくとも一つの表面上に第2の波長の光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段であって、前記第2の波長が前記第1の波長とほぼ等しいかそれより短い手段
を有するイオン源を提供することができる。
レーザー装置によって発生される光は、例えばUV光であることができるが、サンプル材料をイオン化するのに光の他の波長を用いることができることから、それが必要なわけではない。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該イオン源は、本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した特徴を有することができ、及び/又は本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した方法段階を実施するよう構成されているか、その方法段階を実施する手段を有することができ、前記少なくとも一つの電極上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第7の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てることで、その光がイオン源の少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えることで、汚染物材料をその表面から剥離させる操作を含む方法を提供することができる。
このようにして、その光は、その少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えることによって、前記少なくとも一つの表面をあまり加熱する必要なく、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることができる。この機構は、例えば、赤外線レーザー照射(UV光よりエネルギーが低い)を用いてMALDIイオン源の電極を計画的に加熱して高温とすることで電極をクリーニングするGB2457362で提案の方法とは異なるものである。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該方法は、本発明の他の態様に関連して説明した特徴又は方法段階を含むことができ、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第8の態様は、本発明の第7の態様による方法を行うための装置に関するものである。
従って、本発明の第8の態様は、質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てることで、その光が前記イオン源の少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えて、汚染物材料を当該表面から剥離させる手段を有するイオン源を提供することができる。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該イオン源は、本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した特徴を有することができ、及び/又は本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した方法段階を実施するよう構成されているか、その方法段階を実施する手段を有することができ、前記少なくとも一つの電極上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第9の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生するイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記少なくとも一つの表面の加熱がほとんどないように前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を有する方法を提供することができる。
ここで、「実質的に加熱がない」とは、イオン源の少なくとも一つの表面での温度が80℃未満に維持されること、より好ましくはイオン源の少なくとも一つの表面での温度が60℃未満に維持されることを意味するものと解釈することができる。これは、例えば赤外線レーザー照射を用いてMALDIイオン源の電極を計画的に加熱して少なくとも80℃とするGB2457362で提案されている方法とは異なるものである。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該方法は、本発明の他の態様に関連して説明した特徴又は方法段階を含むことができ、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第10の態様は、本発明の第9の態様による方法を実施するための装置に関するものである。
従って、本発明の第10の態様は、質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記少なくとも一つの表面に実質的に加熱がないように前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段を有するイオン源を提供することができる。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該イオン源は、本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した特徴を有することができ、及び/又は本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した方法段階を実施するよう構成されているか、その方法段階を実施する手段を有することができ、前記少なくとも一つの電極上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第11の態様は、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作であって、前記イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光が、前記汚染物材料が吸収性である波長を有する操作を有する方法を提供することができる。
汚染物材料が吸収性である波長を有する光を用いることで、その光は、その少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えることによって、前記少なくとも一つの表面をあまり加熱する必要なく、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることができる。この機構は、例えば、赤外線レーザー照射(UV光よりエネルギーが低い)を用いてMALDIイオン源の電極を計画的に加熱して高温とすることで電極をクリーニングするGB2457362で提案の方法とは異なるものである。
好ましくは、「汚染物材料が吸収性である波長」は、汚染物材料の透過パーセントが75%以下、より好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下である光の波長と定義される。
汚染物材料は、例えば非イオン化サンプル材料及び/又はDCTB、DHB、SA、DTL又はCHCAなどの光吸収性マトリックスを含むことができるか、それらであることができる。
好ましくは、その光は、450nm以下、より好ましくは400nm未満又は以下、より好ましくは390nm以下の波長を有する。好ましくはその光は、10nm以上、100nm以上、200nm以上又は300nm以上の波長を有する。従ってUV光は、10nmから390nm、400nm又は450nm;100nmから390nm、400nm又は450nm;200nmから390nm、400nm又は450nm;或いは300nmから390nm、400nm又は450nmの範囲の波長を有することができる。DCTB、DHB、SA、DTL又はCHCAなどの光吸収性マトリックスを含んでいても良い汚染物材料は、これらの範囲の波長を有する光に対して特に吸光性であることが認められており、それによって光はイオン源の少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えることで、少なくとも一つの表面をほとんど加熱する必要なく、汚染物材料を少なくとも一つの表面から剥離させることができる。しかしながら、汚染物材料は、これらの範囲外の波長に対して吸収性であっても良い。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該方法は、本発明の他の態様に関連して説明した特徴又は方法段階を含むことができ、イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
本発明の第12の態様は、本発明の第11の態様による方法を実施するための装置に関するものである。
従って、本発明の第12の態様は、質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作であって、前記イオン源の少なくとも一つの表面に当てられる光が、前記汚染物材料が吸収性である波長を持つ操作を有するイオン源を提供することができる。
イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる光はUV光であることができるが(上記の本発明の第1の態様でのように)、光の他の波長によって前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させることもできることから、それが必要なわけではない。
当該イオン源は、本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した特徴を有することができ、及び/又は本発明の上記のいずれかの態様に関連して説明した方法段階を実施するよう構成されているか、その方法段階を実施する手段を有することができ、前記少なくとも一つの電極上に当てられる光がUV光であるとは限らない。
上記のいずれの態様においても、イオン源はMALDIイオン源であることができる。MALDIイオン源の場合、サンプル材料には、生体分子(例えばタンパク質)、有機分子及び/又はポリマーなどがあり得る。サンプル材料は、サンプル材料及び光吸収性マトリックスの混合物(好ましくは結晶化した)に含まれていることができる。電極のクリーニングは、MALDIイオン源において特に懸案の事項であることが認められている。しかしながら、他の種類のイオン源の電極もクリーニングする必要があり得る。
上記のいずれの態様においても、イオン源の少なくとも一つの表面は好ましくはイオン源の電極の表面を含む。電極は、イオン源の第1の電極であることができ、「第1の電極」とはイオン源のサンプルスポット(又はサンプル保持手段)に最も近い電極を意味するものと解釈される。その電極は、電場を発生させてイオン源によって発生したイオンを所定の運動エネルギーまで加速する、例えばイオンのパルスを与える加速電極であることができる。その電極はさらに又はあるいは、イオンをガイドするためのものであることができる。加速電極のクリーニングは、質量分析計用のイオン源、特にMALDIイオン源において特に懸案の事項であることが認められている。しかしながら、他の種類の電極及び他の種類の表面もクリーニングを必要とする場合がある。
上記のいずれの態様においても、イオン源には、イオン源によってイオン化されるサンプル材料を保持するためのサンプル保持手段が含まれていても良い。サンプル保持手段には、1以上の「サンプルスポット」にサンプル材料を保持するためのサンプルプレートが含まれていても良い。サンプル保持手段には、サンプルプレートを運搬するためのサンプルプレートキャリアが含まれていても良い。サンプルプレートは好ましくは、イオン源から取り出せるように構成されているが、サンプルプレートキャリアはイオン源内に取り出しできない形で取り付けられていることができる。
上記のいずれの態様においても、イオン源は好ましくは、少なくとも一つの電極及び/又はサンプル保持手段を入れる筐体を有する。筐体は好ましくは、排気されるように構成されており、すなわち減圧装置を含む構成となっている。好ましくは、上記のいずれの方法においても、筐体を排気しながら、光(好ましくはUV光)をイオン源の少なくとも一つの電極上に当てて、前記少なくとも一つの電極から汚染物材料を剥離させる。すなわち、筐体は好ましくは、少なくとも一つの電極のクリーニングのために換気しない。
上記いずれの態様においても、イオン源を質量分析計、好ましくはTOF質量分析計、より好ましくはMALDI TOF質量分析計に含めることができる。質量分析計は、イオン、例えばイオン源によって発生するイオンのパルスを検出するイオン検出器を含むことができる。
本発明はまた、上記の態様及び好ましい特徴の組み合わせも含むが、そのような組み合わせが明瞭に許容されないか、明らかに回避される場合を除く。
本発明の開発の前に本発明者らが使用したMALDIイオン源構成を示す図である。 本発明の開発の後に本発明者らが使用したMALDIイオン源構成を示す図である。 図2に示したMALDIイオン源構成の幾何構成を示す図である。 DHB光吸収性マトリックスの0.25mm片がクリーニングされたステンレス製電極を示す図である。 CHCA光吸収性マトリックスの0.25mm片がクリーニングされたステンレス製電極を示す図である。 UV光の焦点を調節する第1の可能な方法を実行するMALDIイオン源構成を示す図である。 UV光の焦点を調節する第2の可能な方法を実行するMALDIイオン源構成を示す図である。
実施形態及び実験の説明
添付の図面を参照して、これらの提案の実施形態について下記で説明する。
図1は、本発明の開発の前に本発明者らが使用したMALDIイオン源100などのMALDIイオン源構成を示す。
図1に示したMALDIイオン源100は、MALDIイオン源100によってイオン化されるサンプル材料を保持するためのサンプルプレート保持手段を有する。サンプル保持手段には、サンプルスポット120にサンプル材料及び光吸収性マトリックスの結晶化混合物を保持するためのMALDIイオン源100から着脱可能なサンプルプレート110、並びにサンプルプレート110を運搬するためのMALDIイオン源100から取り出せないサンプルプレートキャリア112がある。
MALDIイオン源100は、サンプル材料に光のパルス、本実施形態ではパルス化レーザービーム130の形でのUV光のパルスを発することでサンプル材料をイオン化するレーザー装置(不図示)も有する。図1に示したように、レーザー装置によって発生させたUV光を集光して、サンプルスポット120と位置が一致する焦点に集める。
MALDIイオン源100はまた、電場を発生させてレーザー装置によって発生したイオンを所定の運動エネルギー、例えば20keVまで加速するための第1の電極140及び第2の電極142も有する。第1及び第2の電極140、142はそれぞれ、レーザー装置によって発生させたイオンが第1及び第2の電極140、142によって加速されながら通過することができる開口部を画定する形状を有している。
MALDIイオン源100には、電極140、142及びサンプル保持手段を入れるための筐体(不図示)もある。筐体は好ましくは、MALDIイオン源100を用いる前に排気する。
使用において、レーザー装置がサンプルスポット120に入っているサンプル材料及び光吸収性マトリックスの混合物で光のパルスを発することで、イオン化及び非イオン化(すなわち中性)サンプル材料(「分析物」)及び光吸収性マトリックスの煙条が噴出する。この煙条に含まれるイオン化材料122(ほとんどサンプル材料のイオン及び光吸収性マトリックスの少量のイオン)が、第1及び第2の電極140、142によって発生する電場によって加速されて、第1及び第2の電極140、142にある開口部を通過して、例えばその後にイオン検出器によって検出される。しかしながら、この煙条に含まれる非イオン化材料124(ほとんど非イオン化光吸収性マトリックス及び少量の非イオン化サンプル材料)は、サンプルスポット近傍の表面、例えば第1及び第2の電極140、142の表面上に堆積するまで、サンプルスポット120から広がり続ける。概して、非イオン化材料124の多くの部分が第1の電極140の表面上に堆積するが、一部の非イオン化材料124は第1の電極140にある開口部を通過して、第2の電極142の表面上に堆積する可能性もある。
時間をかけて、非イオン化材料はサンプルスポット近傍の表面上、特には第1および第2の電極140、142の表面上に堆積して汚染材料の絶縁層が形成され、それが時間経過とともに堆積して、MALDIイオン源100の操作に悪影響を与え得る。特に、第1および第2の電極140、142上の汚染材料の絶縁層は、第1および第2の電極140、142によって形成された電場を歪ませて、MALDIイオン源100を用いる質量分析計の感度又は分解能が低下し得る。現時点で、MALDIイオン源の第1および第2の電極140、142にはクリーニングが必要である。
図2には、本発明の開発後に本発明者らが用いたMALDIイオン源200を含むMALDIイオン源構成を示している。
図2に示したMALDIイオン源200の多くの特徴が、図1に示したMALDIイオン源100のものと同じである。これらの特徴には、相当する参照番号を付してあり、それ以上詳細に説明する必要はない。
図2からわかる通り、サンプル保持手段には、サンプルプレート210が取り付けられた第1のレベル及びUV鏡250によって提供されるUV鏡250の凹面反射性表面がある第2のレベルの両方を有する異なる形状のサンプルプレートキャリア212がある。従って、その鏡は反射性表面がサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置から異なった距離にあるようにサンプルプレートキャリア212上に取り付けられている。この例では、鏡250の凹面反射性表面は、ほぼ球形の曲面及び中心軸252を有する。
サンプルプレートキャリアは、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置のビーム軸232に対して実質的に垂直な平面に移動して、サンプルプレート210及び鏡250の両方がビーム軸232から出入りできるように構成されている。
イオン発生に用いる場合、サンプルプレート210上のサンプルスポット220をレーザー装置のビーム軸232に移動させて、レーザー装置からのUV光が集まって、サンプルスポット220と一致する位置にある第1の焦点234に集光するようにする。
電極240、242の一つのクリーニングに用いる場合、鏡250をレーザー装置のビーム軸232に移動させて、レーザー装置からのUV光がレーザー装置からのUV光を反射する鏡250を介して電極240、242の一つの表面上に当たるようにする。有利には、UV光は、電極の表面上の汚染物材料に直接エネルギーを加えて、電極をほとんど加熱する必要がなく、そしてMALDIイオン源200の排気された筐体を換気する必要もなく、電極の表面からの汚染物材料の剥離を起こさせることができる。
レーザー装置のビーム軸232に配置したら、鏡250を好ましくは、レーザー装置のビーム軸232に対して実質的に垂直な平面に例えば連続的に移動させて、レーザー装置からのUV光が好ましくは二次元で電極240、242のいずれか又は両方の表面全体に走査されるようにする。
図2に示したように、最初にレーザー装置からのUV光をレーザー装置(不図示)に連繋させた1以上のレンズによって最初に集光して第1の焦点234で集束させ、次に鏡250によって再集光して、第2の焦点236で集束させる。図2に示したように、第2の焦点236の位置は第1の電極240の表面にある。しかしながら、他の好ましい実施形態では、第2の焦点236の位置を、電極の表面以外とすることで、例えば電極の表面で所定のエネルギー密度を得ることができる。
図3には、図2に示したMALDIイオン源構成の幾何構成を示してある。
この例では、鏡250の凹面反射性表面はほぼ球形曲面を有することから、鏡250の側方移動(サンプルプレートキャリア212の側方移動によって決まる)と電極240、242の表面全体でのレーザー装置からのUV光の第2の焦点236の動きとの間にほぼ直線関係がある。
より詳細には、図3からわかるように、レーザー装置からのUV光の第2の焦点236をD=dMTによって与えられる距離だけレーザー装置のビーム軸232から側方向に移動ささせ、dはレーザー装置のビーム軸232からの鏡250の中心軸252の側方移動量であり、MTは鏡250の横倍率である。鏡250の横倍率MTは、M=I/Oによって得ることができ、Oは鏡250の物距離(図3では、鏡250と第1の焦点234の間のレーザー装置のビーム軸232方向の距離である)であり、Iは鏡250の像距離(図3では、鏡250と第2の焦点236の間のレーザー装置のビーム軸232方向の距離である)である。鏡250の焦点距離の値は、薄レンズ式f=O.I/(O+I)を用いてI及びOの所定値について計算することができ、鏡250の曲面Rの半径は式R=2fによって計算することができる。
レーザー装置からのUV光は、電極の表面で最小スポット径を持つように鏡250によって集光されてパルス当たりのエネルギー密度を最大とすることができるか(図3に示したように、第2の焦点236は第1の電極240の表面にある。)、部分的にのみ集光させて、パルス当たりでより大きい面積を照射できるようにすることができる。実際に、これら極端値の間のいずれかであるエネルギー密度を有することで汚染物材料の最も有効な脱離を達成することが可能であることが見出されている。特に、それぞれが40μJ/パルスのエネルギーを有するUV光のパルスを発生させるレーザー装置の場合、1/e直径0.3mmを持つように電極の表面にUV光を集光させてパルス当たり直径0.25mmの円形部分をクリーニングすることで、効率的なクリーニングを行うことが可能であることが認められている。これは、40μJ/π(0.3/2)から600μJ/mm/パルスのエネルギー密度に相当する。
パルス当たり直径0.25mmの円形部分をクリーニングすることで、約2500パルス(100/π(0.25/2))で1cm(=100mm)の面積をクリーニングすることができる。従って、5mm/s及びレーザー繰り返し速さ30パルスs/sで移動するサンプルプレートキャリアの場合、1cmの面積を約80s/cmで非常に迅速にクリーニングすることができる。代表的にはクリーニングを必要とする汚染された電極の面積は10cmのレベルであることから、汚染電極の合計クリーニング時間は代表的には15分と30分の間であることができる。
図4及び5はそれぞれ、DHB及びCHCA光吸収性マトリックスそれぞれの0.25mm片がクリーニングされたステンレス製電極を示すものである。図4及び5に示した例に関して、25mm焦点距離のUV球形鏡をサンプルプレートの平面から44mm下に配置して、鏡から上52mmに配置された第1の電極によって遮断されていなければ鏡から58mmの距離に配置された第2の焦点でビームが集光していたと考えられるようにした。そうして、レーザー装置からのUV光のパルスが第2の焦点から6mm離れた第1の電極に当たり、それによって幅0.25mmの片を1回のレーザー通過で浄化することができる。
図2に示したMALDIイオン源200にある汚染物材料の大半が第1の電極240の中央に向かって堆積するが、一部はさらに第1の電極240上に堆積し、一部は第1の電極240にある開口部を通過して、第2の電極242上に堆積する。これらのさらに別の表面は、鏡250から異なる距離にあり、UV光を集光して、これらの表面で実質的に同じ所定エネルギー密度が得られるようにするために、UV光の焦点の調節が必要である。その所定エネルギー密度は、例えば約600μJ/mm/パルスであることができる。
この焦点調節は、組み合わせることができる各種の異なる方法を用いて容易に行うことができる。
図6には、焦点UV光を調節するための第1の可能な方法を実行するMALDIイオン源300などのMALDIイオン源構成を示す。
図6に示したMALDIイオン源300の多くの特徴が、図2に示したMALDIイオン源200のものと同じである。これらの特徴には、相当する参照番号を付してあり、それ以上詳細に説明する必要はない。
図6に示したMALDIイオン源300は、それぞれが互いに異なる曲面を持つ個々の凹面表面を有する2(以上)の鏡350、351を用いる。この例では、二つの鏡350、351の凹面表面の両方が、異なる焦点距離を有する球形曲面を持つ。第1の鏡350の凹面表面はレーザー装置からのUV光を集光して第1の焦点を持つことで、UV光が第1の電極340の表面で所定のエネルギー密度を持つようにするものであり、第2の鏡351の凹面表面はレーザー装置からのUV光を集光させて第2の焦点を持つことで、UV光が第2の電極342の表面で同じ所定のエネルギー密度を持つようにするものである。
図7には、UV光の焦点を調節する第2の可能な方法を実行するMALDIイオン源400などのMALDIイオン源構成を示してある。
図7に示したMALDIイオン源400の多くの特徴が、図2に示したMALDIイオン源200のものと同じである。これらの特徴には、相当する参照番号を付してあり、それ以上詳細に説明する必要はない。
図7に示したMALDIイオン源400は、UV光の光路におけるレンズの位置を調節することでUV光の焦点を調節する。この例では、レンズはレーザー装置と連繋されており、このレンズの位置の調節によって第1の焦点434の位置の移動が起こる。第2の焦点436(ΔI)の位置の移動と第1の焦点434(ΔO)の位置における移動の間の関係は、縦倍率(ML)によって決まり、関係ΔO〜ΔI(O/I)を用いて近似することができる。この関係を用いて、第2の焦点436における必要な移動(ΔI)を得るのに必要な第1の焦点434(ΔO)の位置における変化を計算して、集光されたビームを第1及び第2の電極440、442の異なる表面間で切り換えることができる。
本明細書に記載の方法は自動化することができ、イオン源の取り出し、イオン源の筐体の換気又はイオン源からのサンプルプレートの取り出しを行う必要なく、イオン源の電極の急速かつ非常に効率的なクリーニングを行うことができる。
本明細書に記載の方法のさらに別の利点は、レーザー装置からのUV光を反射するのに用いられる鏡を用いて、サンプルプレート撮像システムの対物面に少なくとも一つの電極の像を中継して、その少なくとも一つの電極上に存在する汚染物材料の量(または程度)を、サンプルプレート撮像システムを用いて肉眼評価できるようにすることが可能であるという点である。
本明細書に記載の方法は、汚染物材料のかなりの層が堆積している場合であっても、電極からの全ての一般的な光吸収性マトリックスのクリーニングを行う上で有効であることが認められている。
ある種のパラメータ(例えば、距離、エネルギー密度など)が本明細書に記載の方法との関連で提供されているが、理解すべき点として、最も効率的なクリーニングを得るのに用いられるパラメータは通常、クリーニングされるべきイオン源によって決まる。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「含む」及び「包含する」という用語並びにそれらの変形表現は、記載されている特徴、段階又は整数が含まれることを意味する。それらの用語は、他の特徴、段階又は整数の存在を排除するものと解釈すべきではない。
上記の説明又は添付の特許請求の範囲又は添付の図面に開示され、具体的な形態で又は開示の機能を行うための手段又は開示の結果を得るための方法若しくは工程に関して明瞭に記載されている特徴を適宜に、別個に又はそのような特徴のいずれかの組み合わせで利用して、多様な形態で本発明を実現することができる。
上記の例示的な実施形態との関連で本発明について説明してきたが、多くの均等な変更及び変形形態は、開示されている広い概念から逸脱しない限りにおいて、本開示を考慮すれば当業者には明らかであろう。従って、本明細書に基づいて付与される特許の範囲は、記述及び図面を参照して解釈されるように添付の特許請求の範囲によってのみ限定を受けるものであり、本明細書に記載の実施形態の限定によって限定されないものである。
例えば、MALDIイオン源の電極の表面のクリーニングとの関連で本発明について説明したが、同じ原理が他の種類の表面及び他の種類のイオン源のクリーニングに適用されると考えられる。
さらに、上記の例においては、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置がイオン源の少なくとも一つの電極上に当てられる光を発生させるが、他の例では、当てられる光は別個の(例えば外部の)光源によって発生させることができる。同様に、一部の実施形態において、UV光ではない光を用いることができる。

Claims (33)

  1. 質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるためのイオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
    前記イオン源の前記少なくとも一つの表面にUV光を当てることで、汚染物材料を前記少なくとも一つの表面から剥離させる段階を含む方法。
  2. イオン源の少なくとも一つの表面に当てられたUV光が、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発せられる光の第1の波長と、100nm以下で異なる、第2の波長からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面が前記イオン源の電極の表面を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記イオン源が、前記サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上に当てられる前記UV光が、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発せられる光の第1の波長とほぼ等しいかそれより短い第2の波長のものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面に当てられる前記UV光が、サンプル材料をイオン化するために前記サンプル材料に光を発射することによりレーザー装置によって発生する請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上にUV光を当てる前記操作が、反射性表面を介して前記イオン源の少なくとも一つの表面上に前記UV光を反射する操作を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上にUV光を当てる前記操作が、UV光の光路に前記反射性表面を移動させることで、前記反射性表面に前記UV光を反射させる操作を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記反射性表面が凹面である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記方法が、前記反射性表面を移動させて、前記イオン源の前記少なくとも一つの表面全体にわたりUV光源からのUV光を走査させる操作を含む、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記反射性表面が、前記イオン源によってイオン化されるべきサンプル材料を保持するためのサンプル保持手段上に設けられている、請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記方法が、前記反射性表面を用いて、前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上に存在する汚染物材料の量を肉眼で評価する操作を含む、請求項7から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記方法が、前記UV光を集光させて、前記UV光が前記イオン源の前記少なくとも一つの表面で所定のエネルギー密度を有するようにする操作を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上にUV光のパルスを当てる操作;及び
    UV光の前記パルスを集光させて、各UV光のパルスが、前記イオン源の前記少なくとも一つの表面で1μJ/mm以上、10μJ/mm以上、100μJ/mm以上、200μJ/mm以上、400μJ/mm以上又は500μJ/mm以上;及び/又は2000μJ/mm以下、1000μJ/mm以下、800μJ/mm以下又は600μJ/mm以下であるエネルギー密度を有するようにする操作
    を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 第1の焦点と第2の焦点の間に前記UV光の焦点を調節する操作;及び
    前記イオン源の第1の表面上に前記第1の焦点を有するUV光を当て、前記イオン源の前記第2の表面上に前記第2の焦点を有するUV光を当てる操作
    を含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 各凹面反射性表面が異なる曲面を有する少なくとも二つの凹面反射性表面を用いて、前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上にUV光を当てることで、前記UV光の焦点を調節する、請求項15に記載の方法。
  17. UV光の光路におけるレンズの位置を調節することで前記UV光の焦点を調節する、請求項15に記載の方法。
  18. イオン源が、サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を有する、質量分析計において前記サンプル材料のイオンを発生させるための前記イオン源の少なくとも一つの表面のクリーニング方法であって、
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に前記サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生させた光を当てることで、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を含む、方法。
  19. イオン源が、サンプル材料の第1の波長の光を発射することにより前記サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を有する、質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるための前記イオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法であって、
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に第2の波長の光を当てることで前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を含み、前記第2の波長は前記第1の波長とほぼ等しいかそれより短い波長である、方法。
  20. 質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源の少なくとも一つの表面のクリーニング方法であって、
    前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上に光を当てることで、前記光が前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを結合し、前記表面から汚染物材料を剥離させる操作を含む、方法。
  21. 質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源の少なくとも一つの表面のクリーニング方法であって、
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てることで、前記少なくとも一つの表面の加熱が実質的にないように、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を含む、方法。
  22. 質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源の少なくとも一つの表面のクリーニング方法であって、
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てて前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる操作を含み、前記イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられる前記光は前記汚染物材料が吸収性である波長を有する、方法。
  23. 前記イオン源がMALDIイオン源である、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記イオン源の前記少なくとも一つの表面が前記イオン源の第1の電極の表面を含む、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記イオン源がTOF質量分析計に含まれる、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上にUV光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段を有する、イオン源。
  27. イオン源の少なくとも一つの表面に当てられたUV光が、サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発せられる光の第1の波長と、100nm以下で異なる、第2の波長からなる、請求項26に記載のイオン源。
  28. 請求項25に記載のイオン源であって、前記イオン源が、前記サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置を含み、;及び
    UV光を当てる手段は、前記イオン源の少なくとも一つの表面上に前記レーザー装置によって発生したUV光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段である、イオン源。
  29. 質量分析計においてサンプル材料のイオンを発生させるイオン源であって、
    前記サンプル材料に光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置;及び
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に前記サンプル材料をイオン化するためのレーザー装置によって発生した光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段
    を有する、イオン源。
  30. 質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
    前記サンプル材料に第1の波長の光を発射することによりサンプル材料をイオン化するためのレーザー装置;及び
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に第2の波長の光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段を有し、前記第2の波長は前記第1の波長とほぼ等しいかそれより短い波長である、
    イオン源。
  31. 質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
    前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記光が前記イオン源の少なくとも一つの表面上の汚染物材料に直接エネルギーを結合し、前記表面から汚染物材料を剥離させる手段を有する、イオン源。
  32. 質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
    前記イオン源の少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記少なくとも一つの表面の加熱が実質的にないように、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段を有する、イオン源。
  33. 質量分析計においてイオンを発生させるイオン源であって、
    前記イオン源の前記少なくとも一つの表面上に光を当てて、前記少なくとも一つの表面から汚染物材料を剥離させる手段を有し、前記イオン源の少なくとも一つの表面上に当てられた前記光は前記汚染物材料が吸収性である波長を有する、イオン源。
JP2013522289A 2010-08-02 2011-07-28 イオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法及び装置 Active JP5848765B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1013015.1A GB2486628B (en) 2010-08-02 2010-08-02 Methods and apparatuses for cleaning at least one surface of an ion source
GB1013015.1 2010-08-02
PCT/GB2011/001139 WO2012017190A1 (en) 2010-08-02 2011-07-28 Methods and apparatuses for cleaning at least one surface of an ion source

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013532835A JP2013532835A (ja) 2013-08-19
JP2013532835A5 JP2013532835A5 (ja) 2014-08-14
JP5848765B2 true JP5848765B2 (ja) 2016-01-27

Family

ID=42799504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013522289A Active JP5848765B2 (ja) 2010-08-02 2011-07-28 イオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法及び装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9468953B2 (ja)
EP (1) EP2601671B1 (ja)
JP (1) JP5848765B2 (ja)
CN (1) CN103053006B (ja)
GB (1) GB2486628B (ja)
WO (1) WO2012017190A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140002639A1 (en) * 2011-03-25 2014-01-02 Joseph M. Cheben Autonomous Detection of Chemical Plumes
JP6316041B2 (ja) * 2014-03-18 2018-04-25 株式会社東芝 スパッタ中性粒子質量分析装置
GB2530768B (en) * 2014-10-01 2019-07-17 Kratos Analytical Ltd Method and apparatuses relating to cleaning an ion source
DE102016101908B4 (de) 2016-02-03 2017-11-02 Dengler Tubetec Gmbh Vorrichtung und Verfahren zum Biegen von Rohren
CN105728398A (zh) * 2016-04-15 2016-07-06 淮安信息职业技术学院 一种自动飞行光伏阵列表面清洁机器人
EP3567625A1 (en) * 2018-05-09 2019-11-13 Helmholtz Zentrum München - Deutsches Forschungszentrum für Gesundheit und Umwelt (GmbH) Device and method for mass spectroscopic analysis of particles
GB201809901D0 (en) 2018-06-15 2018-08-01 Ascend Diagnostics Ltd Improvements in and relating to mass spectrometers
CN112605069B (zh) * 2020-12-15 2021-11-02 暨南大学 一种用于清洁质谱仪离子源极片的自动清洗装置
CN112676270B (zh) * 2020-12-24 2022-02-08 暨南大学 一种质谱仪器极片清洗装置及清洗质谱仪器极片的方法

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01204426A (ja) 1988-02-10 1989-08-17 Nec Corp 固体表面清浄化方法およびその装置
GB2236186B (en) * 1989-08-22 1994-01-05 Finnigan Mat Gmbh Process and device for laser desorption of analyte molecular ions, especially of biomolecules
JPH07318552A (ja) * 1994-05-27 1995-12-08 Hitachi Ltd ガスクロマトグラフ質量分析計およびガスクロマトグラフ
US5654545A (en) * 1995-09-19 1997-08-05 Bruker-Franzen Analytik Gmbh Mass resolution in time-of-flight mass spectrometers with reflectors
FR2752386B1 (fr) * 1996-08-14 1998-09-11 Commissariat Energie Atomique Procede de nettoyage ou de decontamination d'un objet au moyen d'un faisceau laser ultraviolet et dispositif pour sa mise en oeuvre
JP3596397B2 (ja) 1999-12-28 2004-12-02 ウシオ電機株式会社 乾式洗浄装置
US6500268B1 (en) * 2000-08-18 2002-12-31 Silicon Genesis Corporation Dry cleaning method
GB0021902D0 (en) * 2000-09-06 2000-10-25 Kratos Analytical Ltd Ion optics system for TOF mass spectrometer
US7274015B2 (en) * 2001-08-08 2007-09-25 Sionex Corporation Capacitive discharge plasma ion source
US7405397B2 (en) * 2002-03-28 2008-07-29 Mds Sciex Inc. Laser desorption ion source with ion guide coupling for ion mass spectroscopy
JP4161608B2 (ja) * 2002-04-15 2008-10-08 株式会社日立製作所 危険物探知装置
US7297942B2 (en) 2003-01-15 2007-11-20 Bruker Daltonik, Gmbh Method and device for cleaning desorption ion sources
JP3795023B2 (ja) * 2003-03-04 2006-07-12 三菱重工業株式会社 飛行時間型質量分析装置
US6762405B1 (en) 2003-05-30 2004-07-13 Photonics Industries International, Inc. Matrix assisted laser ionization system
US6953928B2 (en) 2003-10-31 2005-10-11 Applera Corporation Ion source and methods for MALDI mass spectrometry
US6958480B1 (en) * 2004-06-25 2005-10-25 The Regents Of The University Of California Sample desorption/ionization from mesoporous silica
EP1781425A2 (en) * 2004-07-09 2007-05-09 Akrion Llc Reduced pressure irradiation processing method and apparatus
DE102005054605B4 (de) 2005-11-16 2010-09-30 Bruker Daltonik Gmbh Automatische Reinigung von Ionenquellen
US20070284541A1 (en) 2006-06-08 2007-12-13 Vane Ronald A Oxidative cleaning method and apparatus for electron microscopes using UV excitation in a oxygen radical source
DE102008008634B4 (de) * 2008-02-12 2011-07-07 Bruker Daltonik GmbH, 28359 Automatische Reinigung von MALDI-Ionenquellen
DE102008001812B4 (de) * 2008-05-15 2013-05-29 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Positioniereinrichtung für ein Teilchenstrahlgerät

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012017190A1 (en) 2012-02-09
EP2601671A1 (en) 2013-06-12
CN103053006B (zh) 2016-09-07
GB201013015D0 (en) 2010-09-15
JP2013532835A (ja) 2013-08-19
GB2486628A (en) 2012-06-27
US20130118523A1 (en) 2013-05-16
GB2486628B (en) 2016-05-25
EP2601671B1 (en) 2018-09-05
CN103053006A (zh) 2013-04-17
US9468953B2 (en) 2016-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5848765B2 (ja) イオン源の少なくとも一つの表面をクリーニングする方法及び装置
US5594243A (en) Laser desorption ionization mass monitor (LDIM)
US7989762B2 (en) Automatic cleaning of MALDI ion sources
US7109480B2 (en) Ion source and methods for MALDI mass spectrometry
JP5517234B2 (ja) イオン質量分析計と結合するイオンガイドを有するレーザ脱離イオン源
GB2029634A (en) Ionising organic substances for mass spectroscopy
US6444980B1 (en) Apparatus for production and extraction of charged particles
US9627177B2 (en) Mass spectrometer and mass image analyzing system
WO2000070647A9 (en) Optical bench for laser desorption/ionization mass spectrometry
JPH10246712A (ja) 分析機器内の絶縁試料上を、ほぼ均一な表面電位にするための装置
JP3676298B2 (ja) 化学物質の検出装置および化学物質の検出方法
WO2014027447A1 (ja) 質量分析装置
CN107107127B (zh) 关于清洁离子源的方法和装置
JPH01502789A (ja) 定量分光分析方法
JP2011233248A (ja) レーザイオン化質量分析装置
JP3664433B2 (ja) 小型飛行時間型二次イオン質量分析装置
JP3541573B2 (ja) レーザー脱離イオン化質量分析装置
KR101104484B1 (ko) 펨토초 전자빔 발생장치
WO2013057824A1 (ja) レーザイオン化質量分析装置
KR20100051318A (ko) Maldi 질량분석용 시료 플레이트 및 그 제조 방법
JP2004212215A (ja) レーザーアブレーション高分子分析装置
JP3055160B2 (ja) 中性粒子質量分析装置
Birrell Electron emission from selected metal surfaces by multiphoton processes
JPH09250993A (ja) 二次イオン質量分析装置
JPH0980025A (ja) 飛行時間型質量分析計

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150317

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5848765

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250