JP3055160B2 - 中性粒子質量分析装置 - Google Patents
中性粒子質量分析装置Info
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- JP3055160B2 JP3055160B2 JP2261514A JP26151490A JP3055160B2 JP 3055160 B2 JP3055160 B2 JP 3055160B2 JP 2261514 A JP2261514 A JP 2261514A JP 26151490 A JP26151490 A JP 26151490A JP 3055160 B2 JP3055160 B2 JP 3055160B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、分析する試料にイオンを照射し、試料表面
よりスパッタされる中性粒子をポストイオン化して、そ
のイオンの質量分析を行う中性粒子質量分析装置、特
に、そのイオン化室に関する。
よりスパッタされる中性粒子をポストイオン化して、そ
のイオンの質量分析を行う中性粒子質量分析装置、特
に、そのイオン化室に関する。
[従来技術] 現在、元素の微量分析方法として広く用いられている
二次イオン質量分析(SIMS)方法の欠点を補い、将来SI
MSを代替するものと期待されている中性粒子質量分析
(SNMS)方法が注目されている。試料面にイオンビーム
を照射すると、試料面からは二次イオン、中性粒子、電
子等の粒子が放出され、これらの粒子を質量分析するこ
とにより、試料の元素分析を行うことができる。このと
き発生する二次イオン量は試料種、試料表面の状態によ
って敏感に変化し、測定が不安定で再現性に乏しい。一
方、試料面からの中性粒子の出易さは元素の特性であ
り、共存他元素の影響も受けにくく、試料中のその元素
の濃度に比例して試料から放出される上、二次イオンよ
り放射量が大であるので、二次イオンの質量分析よりも
中性粒子の質量分析のほうが有利と考えられている。
二次イオン質量分析(SIMS)方法の欠点を補い、将来SI
MSを代替するものと期待されている中性粒子質量分析
(SNMS)方法が注目されている。試料面にイオンビーム
を照射すると、試料面からは二次イオン、中性粒子、電
子等の粒子が放出され、これらの粒子を質量分析するこ
とにより、試料の元素分析を行うことができる。このと
き発生する二次イオン量は試料種、試料表面の状態によ
って敏感に変化し、測定が不安定で再現性に乏しい。一
方、試料面からの中性粒子の出易さは元素の特性であ
り、共存他元素の影響も受けにくく、試料中のその元素
の濃度に比例して試料から放出される上、二次イオンよ
り放射量が大であるので、二次イオンの質量分析よりも
中性粒子の質量分析のほうが有利と考えられている。
従来の中性粒子質量分析装置を第3図により説明す
る。第3図において、1はイオン銃、2は一次イオン、
3は被分析試料、4、5は発生した二次イオン及び中性
粒子、6はイオン化室であり、板電極64、65により均一
電界を発生している。7はレーザ光であり、光子エネル
ギーの高い紫外光で高い尖頭パワーを持つエイシマレー
ザを用いることが多い。8は集光用レンズ、9は多光子
イオン化されたイオン、10は質量分析部、11はイオン検
出器、12はプリアンプ、13は測定及びデータ処理装置で
ある。なお、イオン銃1ないしイオン検出器11はすべて
高真空または超高真空の雰囲気中に置かれている。
る。第3図において、1はイオン銃、2は一次イオン、
3は被分析試料、4、5は発生した二次イオン及び中性
粒子、6はイオン化室であり、板電極64、65により均一
電界を発生している。7はレーザ光であり、光子エネル
ギーの高い紫外光で高い尖頭パワーを持つエイシマレー
ザを用いることが多い。8は集光用レンズ、9は多光子
イオン化されたイオン、10は質量分析部、11はイオン検
出器、12はプリアンプ、13は測定及びデータ処理装置で
ある。なお、イオン銃1ないしイオン検出器11はすべて
高真空または超高真空の雰囲気中に置かれている。
次に、この装置の動作を説明する。
イオン銃1からの一次イオン2によって試料表面3を
照射すると、試料表面3は照射された一次イオン2でス
パッタされ、二次イオン4や中性粒子5が発生する。発
生した二次イオン4は電極64に適当な電位を与えること
によって反射、除去される。中性粒子5はそのまま通過
し、電極64と電極65の間で、レンズ8で集光されたレー
ザ光7が照射されることにより多光子イオン化されると
ともに、電極64と電極65の間の電界により加速される。
そして、多光子イオン化され、加速されたイオンは質量
分析部10を通り、イオン検出器11で電気信号に変換され
た後、プリアンプ12を介して測定及びデータ処理装置13
に導かれ、試料元素が分析される。
照射すると、試料表面3は照射された一次イオン2でス
パッタされ、二次イオン4や中性粒子5が発生する。発
生した二次イオン4は電極64に適当な電位を与えること
によって反射、除去される。中性粒子5はそのまま通過
し、電極64と電極65の間で、レンズ8で集光されたレー
ザ光7が照射されることにより多光子イオン化されると
ともに、電極64と電極65の間の電界により加速される。
そして、多光子イオン化され、加速されたイオンは質量
分析部10を通り、イオン検出器11で電気信号に変換され
た後、プリアンプ12を介して測定及びデータ処理装置13
に導かれ、試料元素が分析される。
[発明が解決しようとする課題] 従来の中性粒子質量分析装置は上記のように構成さ
れ、板電極を平行に対峙させて均一電界を発生し、この
空間領域で高出力のパルスレーザを照射して多光子イオ
ン化することにより、ポストイオン化を行っており、イ
オン化する領域がレーザ光をレンズで集光した集光径程
度の広がりを有している。従って、従来の中性粒子質量
分析装置のイオン化室の構造では第2図aのようにイオ
ン化領域の広がりに対応した加速イオンの初期エネルギ
ー分布が必然的に発生し、質量分析部での質量分解能を
低下させる一因となっている。
れ、板電極を平行に対峙させて均一電界を発生し、この
空間領域で高出力のパルスレーザを照射して多光子イオ
ン化することにより、ポストイオン化を行っており、イ
オン化する領域がレーザ光をレンズで集光した集光径程
度の広がりを有している。従って、従来の中性粒子質量
分析装置のイオン化室の構造では第2図aのようにイオ
ン化領域の広がりに対応した加速イオンの初期エネルギ
ー分布が必然的に発生し、質量分析部での質量分解能を
低下させる一因となっている。
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するた
めに創案されたものであり、イオン化室での初期エネル
ギーの広がりを抑え、質量分解能を向上することができ
る中性粒子質量分析装置を提供することを目的とする。
めに創案されたものであり、イオン化室での初期エネル
ギーの広がりを抑え、質量分解能を向上することができ
る中性粒子質量分析装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の中性粒子質量分
析装置は、イオン化室のイオン引出し電極を二段に構成
して二つの空間領域を設け、電界強度の小さい第一の領
域でポストイオン化を行い、電界強度の大きい第二の領
域でイオンの加速を行う。
析装置は、イオン化室のイオン引出し電極を二段に構成
して二つの空間領域を設け、電界強度の小さい第一の領
域でポストイオン化を行い、電界強度の大きい第二の領
域でイオンの加速を行う。
[作用] 本発明の中性粒子質量分析装置は、上記のように構成
され、第一段の電極間には小さい電界を印加し、第二段
の電極間には大きい電界を印加し、試料表面から発生し
た中性粒子を第一段の電極間でポストイオン化し、発生
したイオンを第二段の電極間で加速して質量分析装置に
導く。これにより、イオン化領域の幅に起因するエネル
ギー分布を無視できる程度に抑えることができる。
され、第一段の電極間には小さい電界を印加し、第二段
の電極間には大きい電界を印加し、試料表面から発生し
た中性粒子を第一段の電極間でポストイオン化し、発生
したイオンを第二段の電極間で加速して質量分析装置に
導く。これにより、イオン化領域の幅に起因するエネル
ギー分布を無視できる程度に抑えることができる。
[実施例] 本発明の実施例を以下図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例を示す図であり、1はイオン
銃、2は一次イオン、3は被分析試料、4、5は発生し
た二次イオン及び中性粒子、6はイオン化室であり、電
極61、62、63により構成されている。7はレーザ光、8
は集光用レンズ、9は多光子イオン化されたイオン、10
は質量分析部、11はイオン検出器、12はプリアンプ、13
は測定及びデータ処理装置である。なお、イオン銃1な
いしイオン検出器11はすべて高真空または超高真空の雰
囲気中に置かれている。
銃、2は一次イオン、3は被分析試料、4、5は発生し
た二次イオン及び中性粒子、6はイオン化室であり、電
極61、62、63により構成されている。7はレーザ光、8
は集光用レンズ、9は多光子イオン化されたイオン、10
は質量分析部、11はイオン検出器、12はプリアンプ、13
は測定及びデータ処理装置である。なお、イオン銃1な
いしイオン検出器11はすべて高真空または超高真空の雰
囲気中に置かれている。
この分析装置を用いた試料元素の分析動作を説明す
る。イオン銃1からの一次イオン2によって試料表面3
を照射すると、試料表面3は照射された一次イオン2で
スパッタされ、二次イオン4や中性粒子5が発生する。
発生した二次イオン4は電極61に適当な電位を与えるこ
とによって反射、除去される。中性粒子5はそのまま通
過し、電極61と電極62の間で、レンズ8で集光されたレ
ーザ光7が照射されることにより多光イオン化される。
このとき、電極61と電極62の間の電位差を小さくするこ
とにより、第2図bのように電極61、電極62間の電界は
小さくなり、イオン化領域の幅に起因するエネルギー分
布は無視できる程度に抑えることができる。多光子イオ
ン化されたイオン9は電極62と電極63の間の電界により
所定のエネルギーを得て加速される。そして、加速され
たイオン9は質量分析部10を通り、イオン検出器11で電
気信号に変換された後、プリアンプ12を介して測定及び
データ処理装置13に導かれ、試料元素が分析される。
る。イオン銃1からの一次イオン2によって試料表面3
を照射すると、試料表面3は照射された一次イオン2で
スパッタされ、二次イオン4や中性粒子5が発生する。
発生した二次イオン4は電極61に適当な電位を与えるこ
とによって反射、除去される。中性粒子5はそのまま通
過し、電極61と電極62の間で、レンズ8で集光されたレ
ーザ光7が照射されることにより多光イオン化される。
このとき、電極61と電極62の間の電位差を小さくするこ
とにより、第2図bのように電極61、電極62間の電界は
小さくなり、イオン化領域の幅に起因するエネルギー分
布は無視できる程度に抑えることができる。多光子イオ
ン化されたイオン9は電極62と電極63の間の電界により
所定のエネルギーを得て加速される。そして、加速され
たイオン9は質量分析部10を通り、イオン検出器11で電
気信号に変換された後、プリアンプ12を介して測定及び
データ処理装置13に導かれ、試料元素が分析される。
なお、上記実施例ではレーザビームの照射により中性
粒子をポストイオン化する場合を説明したが、中性粒子
のポストイオン化方法としてはこれに限らず、他のポス
トイオン化方法を用いた中性粒子質量分析装置にも本発
明を適用することができる。
粒子をポストイオン化する場合を説明したが、中性粒子
のポストイオン化方法としてはこれに限らず、他のポス
トイオン化方法を用いた中性粒子質量分析装置にも本発
明を適用することができる。
[発明の効果] 本発明は、以上のように、イオン化室のイオン引出し
電極を二段に構成して二つの空間領域を設け、電界強度
の小さい第一の領域でポストイオン化を行い、電界強度
の大きい第二の領域でイオンの加速を行っているので、
イオン化領域の幅に起因するエネルギー分布を無視でき
る程度に抑えることができ、質量分解能の向上を図るこ
とができる。
電極を二段に構成して二つの空間領域を設け、電界強度
の小さい第一の領域でポストイオン化を行い、電界強度
の大きい第二の領域でイオンの加速を行っているので、
イオン化領域の幅に起因するエネルギー分布を無視でき
る程度に抑えることができ、質量分解能の向上を図るこ
とができる。
第1図は本発明の中性粒子質量分析装置を示す図、第2
図はイオン化室内の電位分布とイオンエネルギーの広が
りを示す図、第3図は従来の中性粒子質量分析装置を示
す図である。 1……イオン銃、2……一次イオン、3……被分析試
料、4……二次イオン、5……中性粒子、6……イオン
化室、61〜65……電極、7……レーザ光、8……集光用
レンズ、9……中性粒子がイオン化されたイオン、10…
…質量分析部、11……イオン検出器、12……プリアン
プ、13……測定及びデータ処理装置
図はイオン化室内の電位分布とイオンエネルギーの広が
りを示す図、第3図は従来の中性粒子質量分析装置を示
す図である。 1……イオン銃、2……一次イオン、3……被分析試
料、4……二次イオン、5……中性粒子、6……イオン
化室、61〜65……電極、7……レーザ光、8……集光用
レンズ、9……中性粒子がイオン化されたイオン、10…
…質量分析部、11……イオン検出器、12……プリアン
プ、13……測定及びデータ処理装置
Claims (1)
- 【請求項1】分析する試料にイオンを照射し、試料表面
よりスパッタされる中性粒子をポストイオン化して、そ
のイオンの質量分析を行う中性粒子質量分析装置におい
て、イオン化室のイオン引出し電極を二段に構成して二
つの空間領域を設け、電界強度の小さい第一の領域でポ
ストイオン化を行い、電界強度の大きい第二の領域でイ
オンの加速を行うことを特徴とする中性粒子質量分析装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2261514A JP3055160B2 (ja) | 1990-09-28 | 1990-09-28 | 中性粒子質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2261514A JP3055160B2 (ja) | 1990-09-28 | 1990-09-28 | 中性粒子質量分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04138649A JPH04138649A (ja) | 1992-05-13 |
JP3055160B2 true JP3055160B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=17362965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2261514A Expired - Fee Related JP3055160B2 (ja) | 1990-09-28 | 1990-09-28 | 中性粒子質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3055160B2 (ja) |
-
1990
- 1990-09-28 JP JP2261514A patent/JP3055160B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04138649A (ja) | 1992-05-13 |
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Legal Events
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