JP3079585B2 - 中性粒子質量分析装置 - Google Patents

中性粒子質量分析装置

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JP3079585B2 JP03006653A JP665391A JP3079585B2 JP 3079585 B2 JP3079585 B2 JP 3079585B2 JP 03006653 A JP03006653 A JP 03006653A JP 665391 A JP665391 A JP 665391A JP 3079585 B2 JP3079585 B2 JP 3079585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分析すべき試料体にア
ルゴン(Ar)などの1次イオンを照射し、試料体表面より
スパッタされる中性粒子を何等かの方法でポストイオン
化してそのイオンの質量分析を行う、中性粒子質量分析
装置のイオン発生部に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より元素の微量分析法として広く用
いられてきたSIMS法(2次イオン質量分析)に比較
して感度の向上や定量性の改善が期待できる方法とし
て、ポストイオン化SIMS(Secondary Ion Mass Spe
ctrometry )もしくは、SNMS(Sputtered Nentral
Mass Spectrometry )と呼ばれる方法が注目されてい
る。これは、分析しようとする試料にイオン銃などによ
りアルゴン等のイオンを照射し、試料よりスパッタされ
る中性粒子をレーザー光、電子ビーム、シンクロトロン
放射光などによってイオン化し、このイオンを質量分析
器によって分析する方法である。試料からスパッタされ
るイオンを分析するSIMS法に比較すると、スパッタ
される物質の大部分が中性粒子であること及び、スパッ
タされる過程と、イオン化の過程が分離されているため
に、試料のマトリックス効果が少ないことなどの理由に
より、感度の向上、定量性の改善が期待できるといわれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のポストイオン化
SIMS法では、中性粒子のイオン化に、レーザー光、
電子ビーム、シンクロトロン放射光などが用いられてい
るが、それぞれに少なからず欠点があった。まずレーザ
ー光を用いた場合には、レーザー光として短波長紫外レ
ーザー、例えばエキシマレーザーを用いても1光子あた
りのエネルギーは、全ての元素をイオン化するには不足
で、複数の光子をイオン化に用いる多光子イオン化法が
とられることが多い。多光子イオン化を効率よく実現す
るには、レーザー光を集光して光子密度を上げる必要が
生じる。ところが、発生する中性粒子は、ほぼ等方的に
放射されるためレーザー光を集光した場合には、実際に
レーザー光にとらえられる中性粒子は、スパッタされた
全量のごくわずかという結果となり、感度の低下につな
がる。
【0004】第2に、電子を用いる方法では、電子のイ
オン化効率がもともと低いこと、電子は、荷電粒子であ
るが故にレーザー光の様に集束することが難しい等の理
由からやはり感度低下が問題であった。第3のシンクロ
トロン放射光を用いた方法では放射光自体は、非常に短
波長であり1光子で全ての元素をイオン化することが可
能であるが、放射光を得るためには、加速器が必要であ
り、よほどの特殊な事情がない限りコスト的に高くつく
問題がある。
【0005】本発明は、上記のような従来技術の欠点を
解消するために創案されたものであり、効率の良いポス
トイオン化が低コストで可能であり、感度の高い測定を
行うことができる中性粒子質量分析装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の中性粒子質量分析装置は、発生した中性粒
子をイオン化する手段として、レーザー光線をターゲッ
トに集光照射し、その際発生するレーザープラズマX線
を用いる。
【0007】
【作用】本発明による中性粒子質量分析装置では、レー
ザー光線を金、その他のターゲットに集光照射した際に
発生するレーザープラズマX線を用いて試料からスパッ
タされた中性粒子をイオン化し、このイオンを飛行時間
型、あるいは四重極質量分析計で分析を行う。イオン化
に波長の短い即ち光子エネルギーの極めて大きなX線を
用いるため中性粒子が1光子で難なくイオン化されるた
めイオン化の効率も高く、又集光する必要も無いため、
イオン化される中性粒子量の割合は増大する。
【0008】
【実施例】本発明の実施例について以下に説明する。第
1図は、本発明の中性粒子質量分析装置の一実施例を示
す構成図である。以下イオンの発生から、そのイオンが
質量分析計に導かれるまでを順に説明する。イオン銃1
によって作られるアルゴン等のイオンビーム2を、分析
しようとする試料3に照射する。これによって試料3表
面より2次イオン4及び中性粒子5が発生する。中性粒
子5と2次イオン4の発生量は圧倒的に中性粒子量が多
く、その比は元素によって異なるが10〜104 と言われて
いる。発生した中性粒子5を効率良くイオン化できれば
2次イオン4を直接分析するSIMS法に比較してポス
トイオン化SIMS法では感度の向上が期待できる。ま
た試料3表面からスパッタされる過程と、イオン化され
る過程が分離され、しかも、粒子間の相互作用の少ない
気相状態でイオン化が行なわれるため、バルク中でイオ
ン化された2次イオン4に比較して、試料の種類、表面
状態などの影響を受けにくい、所謂マトリックス効果の
少ない分析が可能になる。
【0009】さて、この発生した中性粒子のイオン化の
ために従来は、レーザー光、電子線、シンクロトロン放
射光などが用いられてきたが、先に述べたように種々の
欠点が存在する。本発明では、この中性粒子のイオン化
にレーザープラズマX線を用いている。エキシマレーザ
ー、YAGレーザー、ガラスレーザーなどのパルスレー
ザー光6をレンズ7で集光し、十分な光強度(>1012
/cm2 )をもたせて固体ターゲット8に照射すると、タ
ーゲット8表面から高密度のプラズマの膨張波が形成さ
れ、このプラズマから広い範囲にわたるエネルギーを持
ったX線9が発生する。放射されるX線強度の角度分布
は、ほぼ余弦分布となっている。
【0010】イオン化室10に入った中性粒子は、レーザ
ープラズマX線によってイオン化室内でイオン化され、
発生したイオン11は、引出し電極12とイオン化室10の作
る電界によって引き出され、質量分析器13によって分析
される。第2図は、イオン化室10と引出し電極12の烏瞰
図を示す図である。イオン化室10は、スパッタされた中
性粒子の入口101 とレーザー光の通過口102 、およびイ
オン化されたイオンの出口103 を備えた円筒形である。
このイオン化室は、X線9が透過できるような材質、例
えば銅ベリリウムで作られている。また、イオン化室10
には電圧を印加し、ターゲット8のレーザー照射によっ
て発生するイオンを反射し、分析時のノイズ源にならな
いようにしている。このため、通過口102は、レーザー
光が通過できる程度の小さな径にしておくのが望まし
い。またイオン化室10と、接地された引出し電極12によ
って、イオン化室内部には第3図に示したような等電位
線104 で示される電位分布が生じ、イオン化室10内で発
生したイオン11は、第3図の様な軌道105 を走って効率
良く質量分析器13へ導入される。
【0011】なお、レーザー光エネルギーからX線エネ
ルギーの変換効率は、ターゲット材料を適当に選択する
ことにより10%〜数10%が得られる。上記実施例では、
プラズマ中の荷電粒子が測定系に混入しないためのシー
ルド法として、電場を用いたが、永久磁石などを用いた
磁場によるシールドも同様に採用できる。また、上記実
施例では、イオン化室にレーザー光通過口を設け、イオ
ン化室を通してレーザーをターゲットに照射したが、イ
オン化室を通さずにレーザーをターゲットに照射してレ
ーザープラズマX線を発生させることもできる。
【0012】
【発明の効果】本発明の中性粒子質量分析装置は、上記
のようにレーザープラズマX線を用いてイオン化を行っ
ており、レーザーによる多光子イオン化のようにビーム
を集光する必要がないため、大きな体積で中性粒子のイ
オン化が可能であり、また、イオン化の確率も1に近い
ので、効率の良いポストイオン化が可能となる。また、
シンクロトロン放射光を用いるイオン化方法に比較すれ
ば、はるかにコストを安くして実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の一部構成を示す図である。
【図3】第1図のイオン化室内の電位分布とイオンの軌
道を示す断面図である。
【符号の説明】
1 イオン銃 3 試料 6 レーザー光 8 固体ターゲット 10 イオン化室 12 引出し電極 13 質量分析器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析する試料にイオンを照射し、試料表
    面よりスパッタされる中性粒子をポストイオン化して、
    そのイオンの質量分析を行う中性粒子質量分析装置にお
    いて、レーザー光が照射されるターゲットを備え、レー
    ザー光を上記ターゲットに集光照射することにより発生
    するレーザープラズマX線によって上記中性粒子をポス
    トイオン化することを特徴とする中性粒子質量分析装
    置。
JP03006653A 1991-01-24 1991-01-24 中性粒子質量分析装置 Expired - Lifetime JP3079585B2 (ja)

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