JP3541573B2 - レーザー脱離イオン化質量分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はサンプルのみ又はサンプルとマトリックスとの混合物を分析対象物としてそれにレーザー光を照射し、サンプルをイオン化させるレーザー脱離イオン化質量分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザー脱離イオン化質量分析装置は、サンプルのみ又はサンプルとマトリックスとの混合物が分析対象物として設置されるイオン化室、その分析対象物にレーザー光を照射してサンプルをイオン化するレーザー照射光学系、及びイオン化されたサンプルイオンを引き出し質量数に応じて分離検出する質量分析部を備えている。レーザー脱離イオン化質量分析装置では、分析対象物に窒素ガスレーザー(波長337nm)、NdーYAGレーザー(波長266nm又は355nm)、炭酸ガスレーザー(波長1060nm、2.94μm)などのレーザー光を照射してサンプルをイオン化し、そのイオン化されたサンプルを質量分析部に導いて分析する。この分析方法は、レーザー光を光学レンズにより直径数μmまで集光できることから、微小部分の分析が可能なものとして注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
イオン化のためのレーザー光は波長が固定されているため、サンプル又はマトリックスによっては最適な波長を選ぶことができず、十分なイオン化ができないために感度が低下することが起こりうる。
本発明はレーザー光照射によるイオン化を促進することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明では、分析対象物がサンプルのみの場合はサンプルにより吸収され、分析対象物がサンプルとマトリックスとの混合物の場合にはマトリックス又はサンプルにより吸収される波長域の光を分析対象物に照射するための、光源がランプである加熱用補助光照射光学系をさらに備えている。
【0005】
分析対象物がサンプルのみの場合は、サンプル自身がレーザー光を吸収することによりレーザー光から直接エネルギーを得てイオン化する。一方、マトリックスを用いる場合は、マトリックスがレーザー光を吸収して熱エネルギーに変換し、マトリックスの一部が急速に加熱されてサンプルとともに気化する。この場合サンプル分子が中性のままで脱離しても、同時に帰化されたプロトンや陽イオン(不純物として存在)、又はマトリックスイオンがサンプル分子に付加すればサンプルイオンとなる。レーザー光は1ナノ秒程度のパルスレーザー光として照射するのが好ましい。
【0006】
マトリックスを用いる場合のサンプル調製は、サンプル溶液とマトリックス溶液をモル比で1:100〜1:10000で混合した後、乾燥させ、両者がミクロンレベルで均一に混合された状態を作る。その結果、サンプルの微細な結晶を多量のマトリックス結晶が取り囲んだ結晶状態又はアモルファス状態となっている。一般にはこの分析対象物には不純物として、又は予め添加された陽イオンや陰イオンが含まれている。
【0007】
レーザー脱離イオン化質量分析に用いられる質量分析部としては、飛行時間型質量分析装置(TOFMS)が用いられるが、フーリエ変換型イオンサイクルトロン共鳴質量分析計(FTMS)、磁場と電場を用いてイオンを選別して検出器に導く二重収束型質量分析計(ダブルフォーカスMS)、三次元四重極型イオントラップ質量分析計等も使用することができる。
【0008】
レーザー脱離イオン化を飛行時間型質量分析装置と組み合わせれば分子量では免疫グロブリンM(平均分子量900kDa)まで検出でき、検出限界もamolレベルに達していると言われている。また、イオン化が可能な化合物はペプチド、タンパク質、多糖類、複合脂質、核酸関連物質等の生体関連物質一般、合成ポリマー、オリゴマー、金属配位化合物や無機化合物まで広範囲に及んでいる。
マトリックスを用いる場合、そのマトリックスとしては種々のものが使用されており、例えば「分析」No.4、253〜261(1996)に記載されているものを使用することができる。
【0009】
【実施例】
図1に本発明を飛行時間型質量分析装置に適応した一実施例を示す。
イオン化室にはサンプルスライド2に乗せられた分析対象物4が設置される。分析対象物4はこの場合、サンプルとマトリックスとの混合物とする。サンプルをイオン化するための窒素レーザー(波長337nm)6からのレーザービームを分析対象物4に集光して照射するために、ミラー8、そのミラー8で折り曲げられたレーザー光を集光する光学レンズ10及びレーザー光の不要な高調波等を除去するための光学フィルター11が配置されている。
【0010】
レーザー光を照射してイオン化する際に分析対象物を加熱しておくために、補助光照射光学系としてランプ光源12、及びその光源12からの光を分析対象物4に集光して照射する光学レンズ14、及び波長を選択するフィルタ15などが配置されている。ランプ12は可視域から紫外域の波長を発するものが好ましく、例えばD2ランプ、水銀ランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
【0011】
イオン化されたサンプルイオンを分析するための質量分析部として、飛行時間型質量分析計が設けられている。その質量分析計は、分析対象物4に接近してイオンを引き出すためのイオンレンズ22、そのイオンレンズ22で引き出されたイオンを検出器の方向に導いたり、検出器の方向から外れた方向に導くための偏向板24、その偏向板24を通過したイオンが入射して検出される検出器26を備えている。
【0012】
検出器26からのイオン検出信号はAD変換器32に導かれる。飛行時間型質量分析装置では飛行時間を測定するための時間の原点(ゼロ点)を定めるために、窒素レーザー6にはフォトダイオード34が設けられ、そのフォトダイオード34の検出信号がスタート信号としてAD変換器32に導かれる。AD変換器32ではスタート信号を時間の原点として検出器26の信号をデジタル信号に変換する。36はAD変換器32でデジタル信号に変換された検出器信号を入力してデータ処理をしたり、この分析装置全体の動作を制御するホストコンピューターである。
【0013】
次に、この実施例の動作について説明する。
レーザー光照射によるイオン化の前に、ランプ12からの光をレンズ14で集光し、フィルタ15で調光して分析対象物4に照射しておく。レーザー光はフィルター11で調光され、レンズ10で集光されて分析対象物4に照射され、イオン化が行なわれる。発生したサンプルイオンはサンプルスライド2に印加された電圧Voとイオンレンズ22の分析対象物側のグランド電位とによって引き出され、その引き出されたイオンは次段のイオンレンズに印加された電圧VLによって平行飛行をする。偏向板24の電位VDがグランド電位であるときは、イオンが直線飛行して検出器26に到達し検出される。
偏向板24に電位VDを印加すれば、イオンは曲げられて検出器26には到達しなくなる。
【0014】
イオンは検出器26で検出されて増幅された後、レーザー発振時点を飛行時間の原点としてAD変換器32によってデジタル信号に変換され、ホストコンピューター36に導かれて分析がなされる。
レーザー6は分析部20の真空系の外部に設置し、真空系の光導入窓を通して導入する。補助光照射光学系のランプ12とレンズ14は、分析部20の真空系内に設けることもできるし、真空系の外部に設け、真空系の光導入窓を通して分析対象物を照射するようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明では補助光照射光学系を備えてレーザー光によるイオン化の際にランプ光源からの加熱用光を分析対象物に照射しておくようにしたので、レーザー光によるイオン化が促進され、高感度に分析を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
2 サンプルスライド
4 分析対象物
6 窒素レーザー
10 レンズ
11 光学フィルター
12 ランプ光源
14 レンズ
22 イオンレンズ
24 偏向板
26 検出器

Claims (1)

  1. サンプルのみ又はサンプルとマトリックスとの混合物が分析対象物として設置されるイオン化室、その分析対象物にレーザー光を照射してサンプルをイオン化するレーザー照射光学系、及びイオン化されたサンプルイオンを引き出し質量数に応じて分離検出する質量分析部を備えたレーザー脱離イオン化質量分析装置において、
    分析対象物がサンプルのみの場合はサンプルにより吸収され、分析対象物がサンプルとマトリックスとの混合物の場合にはマトリックス又はサンプルにより吸収される波長域の光を分析対象物に照射するための、光源がランプである加熱用補助光照射光学系をさらに備えたことを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析装置。
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