JP4564696B2 - 不安定な分子の分子量を決定するための方法および装置 - Google Patents

不安定な分子の分子量を決定するための方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
本願は、1999年6月11日に出願された米国特許仮出願第60/138,928号に対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に質量分析計(MS)機器に関し、詳細には、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)イオン源を利用する質量分析計に関する。より詳細には、本発明は、タンパク質およびペプチドのような不安定な分子のMS分析において支援するために約0.1torr〜約10torrの高圧力にて作動されるMALDI源に関する。
【0003】
(発明の背景)
MALDI法、すなわち生体高分子の分析のための確立された技術(例えば、M.Karas,D.Bachmann,U.BahrおよびF.Hillenkamp,Int.J.Mass Spectrom Ion Process78(1987),53;Anal.Chem60(1988)2299,K.Tanaka,H.Waki,Y.Ido,S.Akita,Y.Yoshida,T.Yoshida,Rapid Commun.Mass Spectrom.2(1998)151−153およびR.C.Beavis およびB.T.Chait,Rapid Commun Mass Spectrom 4(1989)233および432−440を参照のこと)は、一般に、ほとんど分子イオンを含むスペクトルを伴うソフトなイオン化法(soft ionization method)であると考えられるが、迅速フラグメンテーションプロセスおよび準安定なフラグメンテーションプロセスの両方が起こることが公知である。フラグメンテーションは、反射分析器を用いて最も容易に観察され、「ポストソースディケイ(post−source decay)」(PSD)として知られている技術は、ペプチドおよび他の小分子に関する構造的情報を提供するために開発されてきた(例えば、R.Kaufmann,B.SpenglerおよびF.Lutzenkirchen,Rapid Com.M Sp7(1993)902−910(PSD)、およびR.Kaufmann,P.Chaurand,D.Kirsch,B.Spengler,RCMS,10(1996)1199−1208を参照のこと)。タンパク質および大きなDNAオリゴマーは、イオン源と検出器との間でTOF質量分析計内で広範囲にフラグメントすることが多く、そして幾つかの場合、親イオンは反射分析器内で十分に検出可能でない。分子イオンは、このようなイオンの有意なフラクションが加速を存続させる場合、線形分析器内で観察されるスペクトルをさらに支配し得る。
【0004】
イオン励起の全てが脱離プロセス自体から生じるわけではない。イオンは、加速電場によるマトリックスプルームを通してドラッグ(drag)される間、励起される(R.Kaufmann,P.Chaurand,D.Kirsch,B.Spengler,RCMS,10(1996)1199−1208,R.C.BeavisおよびB.T.Chait,Chem.Phys.Lett.,181(1991),479,A.Verentchikov,W.Ens,J.MartensおよびK.G.Standing,Proc.40th ASMS Conf.(1992)360頁、およびJ.Zhou、W.Ens,K.G.StandingおよびA.Verentchikov Rapid Commun.Mass Spectrom,6(1992)671を参照のこと)。結果として、減少したフラグメンターションに関する限り、イオン化/脱離閾値放射度の真近で最も優れた性能が得られ、これは、マトリックス結晶上の特定の「スィートスポット(sweet spot)」に依存する。
【0005】
遅延イオン引き出し(DE)(例えば、R.S.BrownおよびJ.J.Lennon Anal.Chem67(1995,1998)、およびM.L.Vestal、P.JuhaszおよびS.A.Martin、Rapid Commun.Mass Spectrom9(1995)1044−1050を参照のこと)は、フラグメンテーション問題を部分的に克服し、そしてMALDI法をより強力にする。DEにおいて、加速電場の印加が遅延され、その結果レーザーによって脱離される中性分子のプルームは、電場が印加されその結果衝突が比較的起こりそうもない時間まで十分に広がっている。結果として、安定なイオンはレーザーエネルギーの広範囲にわたって得られ得る。DE技術の導入は、ペプチド、中間質量タンパク質およびDNAに対するMALDIの性能を著しく改良した。しかし、DE法が適用される場合でさえ、性能は、30kDを超えるタンパク質および60量体より大きい混合DNAに対してさらに低下する。ピーク形状は、小さな基の分解されない損失によって、および付加体によって影響される。分子イオンの存続は、特にDNA分子の場合、サイズと共に悪くなる。さらに、MALDI法は、得られるスペクトルを悪化する、タンパク質イオンのマトリックス分子とのクラスターを形成することが公知である。
【0006】
大きな分子、特にタンパク質およびDNAオリゴマーの分子量を正確に決定し得るMS機器のための改良したMALDI源の必要性が存在する。このような源が、過度のフラグメンテーションおよび所望されないクラスター化を回避して「明確な」スペクトルを生成することによって正確な分子量測定をを達成することが所望される。
【0007】
(発明の要旨)
本発明の種々の実施態様によれば、MALDI技術は、不安定な分子の分子量を決定するために拡張され、それによってペプチド、タンパク質、およびDNAオリゴマーのような生物学的に重要な分子に対して、この技術を特に有用にする。本発明は、MALDI技術を採用する装置および方法に関して先行技術の制限を克服し、従って幾つかの場合の制御されないフラグメンテーション、ならびにマトリックスおよび不純物分子との所望されないクラスター化までも回避することによって不安定な生体高分子に対するこの技術の有用性を拡張する。これらの両方の効果は、従来において、約30,000Daより大きい生体高分子の分子量を確実に決定するためのMALDI技術の有用性を制限してきた。
【0008】
本発明は、励起イオンの中性分子との低エネルギー衝突が、迅速な衝突冷却を引き起こし得、従って内部励起を緩和し得、そしてMALDIで生成したイオンの安定性を改良し得るという認識に基づく。本発明の特徴によれば、発明者による最近の実験的研究は、小さな基の損失および骨格フラグメンテーションが実際には約1torrのMALDI源圧力において除去されることを見出した。本発明の別の特徴によれば、室温および0.1torr〜約10torrの気体圧力において、タンパク質イオンのマトリックス分子とのクラスターの形成は、150℃と250℃との間で下流気体温度を増加することによって、タンパク質をフラグメント化することなく、効率的に破壊され得る。サンプルの分解を回避するためにイオン源チャンバ内の温度を50℃未満に制御することが所望されることも見出された。イオンの安定化おおびマトリックス複合体(matrix complex)の除去は、タンパク質スペクトルの質を改良する。47kDタンパク質エノラーゼの場合、同位体を制限した分解能が達成され得る。
【0009】
一旦、タンパク質の準安定性フラグメンテーションが気体衝突によって回避されると、MALDIのイオン化プロセスの定量的局面がレーザー流束量に対して非常に非感受性になる。広範囲にわたるレーザーパワー(ほとんど10年)スペクトルがほとんど同じままである。本発明の別の特徴によれば、中間気体圧と組み合わせた高レーザーエネルギーでの作動は、有意にイオンシグナル強度を増加させる。イオンシグナル強度およびデータ収集の速度のさらなる最適化はまた、高反復率でのレーザーの同時操作する工程およびデータ収集システムを飽和することなくサンプルプレートのスキャン速度を制御する工程をによって達成され得る。従って、本発明は、レーザーエネルギーの変化に対して非常に低感度である機器システムおよびサンプル調製技術を提供する。
【0010】
本発明の目的は、MALDIによって生成される分子イオンのフラグメンテーションを制御し、そして軽減することである。
【0011】
別の目的は、MALDIによって生成される分子イオン上での中性分子のクラスター化の量を制御し、そして軽減することである。
【0012】
他の目的は、MALDI−TOF質量分析計による大きな分子の分子量決定のための感度、分解能、および質量精度を改良することである。
【0013】
別の目的は、DNA配列を決定するために使用され得るこのようなフラグメントの混合物を含む大きなDNAフラグメントの分子量を決定するための装置および方法を提供することである。
【0014】
これらの目的は、MALDIイオン源内の中性気体の圧力および温度を制御するための装置および方法を提供することによって達成される。
【0015】
好ましい実施態様は、源からイオン輸送の方向に対して直交して、飛行時間型質量分光計へのイオンの導入に特に適用可能であるように記載される。他の実施態様は、イオン導入の方向がTOF分析器内のイオンの動きの方向に対して実質的に平行である、より従来の「同軸」飛行時間型質量分析計にも適用可能であるように記載される。
【0016】
他の目的、特徴および利点が、本発明の好ましい実施態様の以下の説明および添付の図から、当業者に対して明らかとなる。
【0017】
(発明の好ましい実施態様の詳細な説明)
簡潔な概観における、図1を参照して、不安定分子の分子量を決定するための重量分析計装置10の好ましい実施態様は、レーザー12、サンプルプレート13、サンプルプレートを取り囲み、そしてイオン採取開口15を含むイオン源チャンバー14、サンプルプレートに隣接する領域内に気体流を導入するための気体入口モジュール16、気体入口モジュール16とイオン源チャンバー14との間のバルブ16A、および源11を重量分析計(MS)18に結合するイオン輸送モジュール17を含む。
【0018】
操作において、タンパク質またはDNAオリゴマーのような不安定な分子のサンプルは、サンプルプレート13上に堆積され、そしてレーザー12によって発生される収束光子ビームに曝される、結晶性マトリックス材料内に組み込まれる。レーザーパルスは、サンプルからのイオンおよび中性分子のプルームを発生する。このプルームは、緩衝気体中にゆっくりと広がる。イオン源チャンバー14内の気体圧力は、バルブ16Aの調整を介して入口モジュール16によって供給される不活性気体の流束の調整によって、調節される。気体流および差動排気(以下に記述される)との間の釣り合いは、イオン源チャンバー14の気体圧力を規定する。レーザーパルスの時間において、チャンバー14内の気体圧力は、少なくとも、約0.1〜約10torrの範囲に維持される。レーザーパルスから発生したイオンは、不活性気体との衝突において、本質的に緩和され、その結果、イオンを安定化し、従って、フラグメンテーションを除去する。このことが、従来のMALDIにおける典型的な問題である。イオンは、適度な電場および輸送モジュール内への気体流によって、穏やかに引っ張られながら、イオン採取開口15を通って、イオン輸送モジュール17へゆっくりと移動する。開口15は、チャンバー14から輸送モジュール17への気体流を制限し、そして、差動的に汲み上げられたイオン輸送モジュールと一緒に、MS重量分析計18のより低い圧力要求に対して、増加した圧力において操作する気体状イオン源に適合する。その結果、イオン源11における気体圧力は、MS分析器18の操作に影響せず、広い範囲に渡って制御され得る。損失を減少するために、イオン輸送モジュール17は、イオン収束光学要素を組込み、そして、サンプルイオンとマトリックス材料との複合体を、適度な加熱によって壊す温度調節(例えば、制御された加熱要素を用いて)を含み得る。複合体はまた、適度な電場をかけることによって、壊され得る。
【0019】
重い、単電荷のイオンの広い重量−電荷比(M/Z)に渡るサンプルイオンの分析のために十分適切なMS分析計18の1つの好ましい形態は、飛行時間型重量分析計(TOF MS)である。初期の低いイオンエネルギーおよび準安定フラグメンテーションの不在は、TOF MS装置における低い化学的な背景ノイズおよび重量スペクトルの良好な分解能を達成することを援助する。しかし、本発明のMALDIイオン源発生の原理を、他の重量分析器(例えば、四重極、イオントラップ、フーリエ変換または扇形磁場型重量分析器)を用いるインターフェイスに直接拡張することが可能である。例えば、高反復率レーザーを使用する場合、生成されるイオンビームは、ほぼ連続ビームである。四重極重量分析器の操作において、四重極にかけられる低周波数RF場を使用することは、分析されるイオンの重量範囲を広くする。
【0020】
図2を参照して、本発明の1つの実施態様は、ポート20を介して真空ポンプ(示されていない)に接続されて、差動的にポンピングされ、ポート21を通ってパルス化バルブ16Aによってパルス化気体流を供給されるMALDIイオン源11aを含む。この実施態様において、イオン輸送モジュール17aは、分離した電極22を含み、この電極は開口23を含む。開口23は、直列の線形TOF MS28の真空チャンバー24内への気体流を制限し、この真空チャンバーは、真空ポンプ(示されていない)に接続された個別のポンピングポート20Aおよびビームのパルス化加速を提供するための一連のメッシュ25を有する。
【0021】
操作において、MALDIイオン源で発生したプル−ムを、プルームが広がった時点で、少なくとも約100mtorrの局所的気体圧力に曝すために、不活性気体のパルスは、レーザー12からのショットに同調される。パルス化された気体入口は、ポンピングシステムにおける平均充填を減少し、そしてTOF分析器において十分な真空を維持することを可能にする。例えば、300mtorrの最高圧力および1%よりも小さい気体充填のデューティサイクルにおいて、開口23のサイズを、1mmの適切なサイズに維持しながら、10-6torrよりも良好な真空が、300l/sの適度なポンピング容量のポンプによってTOF分析器28において維持され得る。パルス化イオン源がない場合には、開口のサイズを、約0.1mmに減少させなくてはならず、これは、イオン損失、従って、感度の減少を生じ得る。
【0022】
イオンの運動(並進)エネルギーは、気体衝突において緩和される。イオンは、開口23を通る気体流と共に移動し、そして真空チャンバー24内に採取される。イオン採取は、サンプルプレート13と開口23との間に適度の電場をかけることによって、支援され得る。レーザースポットが十分小さい場合(約0.1mm)、開口23のサイズは、約1mmであるか、または多少小さくあり得、イオンビームの完全な輸送を保証するのに十分なサイズであり得る。イオンのエネルギーは、気体との衝突において減衰するが、イオン群は、なお短い(長さ数ミリメートル内)。一旦、イオン群が、差動ポンピングの中間段階に採取されると、電気パルスが、イオンをTOF重量分析計内に排出するために適用される。パルス化加速は、適切なサイズの線形TOF分析器でさえ、R〜100の範囲の適切な分解能(R)を得るために、このようなイオン群の時間収束を提供し得る。この分解能は、より長い分析器の使用およびイオンミラーの採用により改善され得る。
【0023】
以下は、時間収束スキームの簡単な理論的解釈であり、ビームパラメータの熟練した評価に基づいている。線形TOFMS分析器の分解能は、パルスイオンビームの同時に起こる空間広がり(Δx)、速度広がり(ΔV)および時間広がり(Δt)によって、制限される。パルス加速がかけられるので、時間広がり(Δt)は除去される。気体ジェット中での衝突減衰は、熱速度よりも小さいイオン速度広がり(ΔV)に減少する。速度広がりは、以下の計算によって、線形TOF分析器の分解能を制限する:ΔV/V*A/L、ここで、Vは自由飛行におけるイオン速度であり、Aは加速場の長さであり、そしてLは電場が存在しない領域の長さである。イオン速度は、重量=10kDであり、そして加速電圧=10kVであると仮定して、計算され得る。そして、V=10000m/sである。A=30mmであり、L=1mであり、およびΔV<300m/sであると仮定すると、分解能限界は、R>1000である。数ミリメーターの空間広がりは、WileyおよびMcLarenによって記述される方法を使用して収束される(W.C.Wiley and I.H.McLaren,Rev.Sci.Instrum,26,1150,1955)。
【0024】
空間収束の分解能は、本参照において、8*(A/Δx)2と記述されるように制限され、ここで、Aは加速場の長さである。Δx=3mmであり、およびA=30mmであると仮定する(先の計算におけるように)と、期待される分解能は、R〜1000程度である。このような分解能は、現存する方法に匹敵し、そして、少なくとも、分解能は、重イオンの同位体分布によって制限されるので、重分子のTOF MSにおいて、よく受け入れられる。
【0025】
図3を参照して、本発明の別の実施態様は、入口モジュール16からポート21を通って供給される一定圧力の気体で満たされるMALDI源11bを備える。入口気体流は、調節可能な弁16Aによって典型的に調節される。イオン源チャンバー14b中の気体圧力は、分離した真空ゲージ(示されていない)によって計測され、そして入口気体流および制限開口23の伝導性との間の釣り合いによって規定される。図2の実施態様におけるように、サンプルプレート13と開口23との間にかけられる弱い電場は、イオン輸送モジュール17bを通り、次いで飛行時間型分析計26の真空チャンバー24に入る、イオン採取を補助し、この場合、飛行時間型分析計は、イオン輸送モジュール17b(o−TOF MS)を通過するイオンの注入に直交するように操作する分析器である。前のように、開口23は、独立してイオン源内の気体圧力を制御し得、従って、イオンの内部エネルギーを緩和する。イオン輸送モジュール17bは、温度源19によって加熱され、これは、熱を気体流に送り、そして、従って、イオンとマトリックス分子との間の複合体(クラスター)を壊すためである。特定の場合、サンプルの分解を避けるために、イオン源チャンバー14b中の温度を調節する(例えば、イオンチャンバー14bまたはサンプルプレート13を冷却することによって)ことがまた、望ましい。十分な熱交換を提供するために、イオン輸送モジュール17b内のイオンの滞留時間は、より弱い電場、より高い気体圧力およびより長い輸送システムを選択することによって、延長される。
【0026】
パルスイオン群は実質的な広がりを経験するので、o−TOFは、もはやれレーザーパルスと同調しない。その代わり、準連続ビームが、高反復率レーザー、増加される流束量でレーザーを走らせ、そして、イオンビームを減速することによって形成される。このような操作の様式は、イオンシグナルを強く増強し、そして、スペクトルの収集を加速する。本発明により、MALDIイオン源は、実質的な電流を生成し得ることが分かった。強い外部電場が存在しない場合、イオンビームは、それ自身の空間電荷によって駆動される。軸方向に制御されるイオン流を誘導することによって、空間電荷を減少することが好都合であり、このイオン流は、気体流または軸方向の弱い電場のいずれかによって、達成され得る。ビームの放射状の広がりは、高周波四重極27の使用によって、効果的に防止され得る。四重極27と出口開口28との間に弱い反発電位をかけることによって、ビームのパルス化性質は、完全に平滑化される。完全に減衰されるエネルギー分布を有する得られた連続ビームは、o−TOF質量分析計の操作に完全に適合する。この連続ビームは、ビームの最初の方向に直交して加速されるイオン群に、公知の方法で転換される。イオン群は、イオンの損失を最小にすることによって、ビームを効率的に利用するために、高反復率において形成される。o−TOF MSの典型的な効率、つまり「パルサーデューティーサイクル」は、10〜30%程度である。図2に示されるような直列TOF MSと比較されるように、より低い感度は、均一な分解能および直線質量較正によって、十分に補償される。
【0027】
図4A、BおよびCを参照して、本発明のイオン輸送モジュールの複数の実施態様が示される。輸送モジュールのタイプは、MALDI源にかけられる気体圧力の範囲に従って選択される。圧力要求量は、レーザーの波長、サンプルおよびマトリックス材料の特性に依存して変化し得る。この圧力は、十分な速度でイオンを冷却するために調節されることを必要とする。必要な速度は、イオンの安定性、およびサンプルから放出されるイオンの温度に依存する。波長、マトリックス材料、およびサンプルの性質の非常に多くの実用的組合わせを試験した後、約1torr〜1気圧の圧力が、最も良好な結果を与えることが分かった。利用可能なレーザーの波長範囲は広い。しかし、赤外線(IR)脱離は、紫外線(UV)よりもソフトであるが、しかしIRは、レーザーは、市販のシステムにおいて使用される場合、しばしば問題が存在する。MALDIイオンの温度は、レーザー照射およびイオンの特性には依存しないが、しかしマトリックスの化学組成によってほぼ規定されることがまた、分かった。このマトリックスの性質は、相転換の温度を固定する。例えば、アルファシアノマトリクスから放出されるイオンの温度は、約500℃であり、3−HPAからの放出では、約350℃である。幾つかのヌクレオチド、ペプチドおよびタンパク質イオンの熱安定性が測定され、そして全てのペプチドおよびタンパク質は、同様の安定曲線を有することが分かった。分解速度(HN3/H2O基が損失される速度として定義される)は、分子のサイズに比例した。その結果、より大きいタンパク質は、17/18の損失より大きいピークを有した。図10〜12によって例示されるように、1torrでの性能は良好であった。また、図15によって例示されるように、ヌクレオチドは、あまり安定でないことが分かった。しかし、ヌクレオチドの安定性は、それらのイオンは非常に「冷たい」マトリックスから通常生成されるので、熱不安定性自体によって制限されないことが分かった。
【0028】
1つの好ましい実施態様において(図4A)、イオン源11c中の気体圧力は、3torr〜1気圧の範囲にあるように選択される。2段階の差動的にポンピングされる輸送モジュール17cは、開口41によって分離される長い管40および多重極42を備える。このチューブ40は、直径数mmであり、そしてレーザー脱離の間に形成され得るイオンとマトリックス分子の任意のクラスターを壊すために、約200℃に加熱される。本発明によりまた、チューブの伝送は、ある値より小さい圧力に、突然減少することが発見された。この閾値は計算され得、そして積P×d(P×d)に対応し、この実施態様において、この値は、50mm*Pに近似的に等しく、ここで、Pは、気体圧力(torr)であり、dはチューブの直径である。その結果、このような輸送モジュールは、チューブ40を通過する高い気体流で操作し、従って、後部末端のo−TOF質量分析計44中の真空を維持するために、ポート48を介して、さらなるポンピング段階を必要とする。多重極42は、高周波(RF)専用多重極ガイドであり、これは輸送モジュールの最後の段階のイオン伝送を増強する。本発明者らは、チューブ40の直径が、TOF質量分析計44中の真空を維持するために、比例的に減少される限り、MALDI源内の気体圧力は、大気圧まで上昇され得ることが、実験的に証明された。例えば、直径0.4mmの管は、1気圧のMALDI中で使用された。しかし、数十の試験されたマトリックスについて、10torrよりも大きい気体圧力は、クラスター形成を加速するが、しかしタンパク質およびDNAの衝突冷却を改善しないことが分かった。輸送システムにチューブを使用する主な利点は、マトリックス材料による汚染から輸送システムを保護することである。この実施態様の輸送システムは、揮発性マトリックスを許容する。特に、水マトリックスが使用され、そして成功した結果が、1気圧の圧力において得られた。
【0029】
UVレーザーが、1気圧の源圧力で使用される場合、以下のような固体材料の使用が、うまく説明されてきた:α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(CHCAC)、3−ヒドロキシピコリン酸、2,5−ジヒドロキシ−、2,3,4−トリヒドロキシ−、および2,4,6−トリヒドロキシ−アセトフェノン、4−ニトロフェノール、6−アザ−2−チオチミン、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、シナピン酸(sinapinic acid)、ジスラノール(dithranol)、2−アミノ安息香酸、2−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸(HABA)、フェルラ酸、コハク酸など。クラスター形成によって、大気圧領域での操作は、0.1〜10torrの圧力範囲の場合よりも劣る。
IRレーザーが、1気圧の源圧力で使用される場合、上と同じマトリックス、ならびに水、水/アルコール混合物、水およびポリアルコール(例えば、エチレングリコール、グリセリンなど)、ヒドロキシル官能基(例えば、2−ヒドロキシピリジン)などを有する異なる芳香族化合物などを使用し得る。UVおよびIRの両方における全てのマトリックスは、ペプチド/タンパク質およびDNA解析の両方におけるアルカリ金属付加物の形成を防止するために、幾つかの塩の添加物を、アンモニア対イオンまたは異なるアルキルアンモニア誘導体と共に含み得る。1気圧でのIRレーザーの使用は、1分当たりマイクロリットルからミリリットルの流速を有する連続流中で流れる液体マトリックスの使用を可能にする。この場合、水、水−アルコール混合物およびグリセロールのような液体マトリックスは、うまく説明されてきた。
【0030】
図4Bに示される特定の別の実施態様において、MALDI源11c中の気体圧力は、約100mtorrと約3torrとの間に調整可能である。源中のこのような圧力に適応するために、輸送モジュール17dは、2つの差動的にポンピングされるステージを備え(ポート47および48に適切なポンプを接続することによって創り出される)、そして四重極の様式であるRF専用多重極イオンガイドが、両方のステージの送達を増強するために使用され得る。四重極ガイド43、45は、フィルムの形成およびこれらのフィルムの変化を防止し、そしてイオンとマトリックス物質または他の不純物との任意のクラスターを壊すために、150〜200℃に加熱される。約1torrのかけられた圧力は、重いタンパク質および中程度のサイズのDNAの内部エネルギーの効率的な緩和を提供する。このような圧力における電気放電を防止するために、第1の多重極43内のRFシグナルの振幅が、250Vより小さく維持され、そしてRF周波数は、10kHZ〜1MHzに保持される。M/Zが約150,000であるイオンは、四重極ガイドの使用によって、300kHzの周波数で輸送された。四重極が、真空中で作動される場合、このようなRFシグナルは、約1kDより小さい低質量イオンの排除を引き起こす。しかし、1torrの圧力において、衝突減衰の効果は、中程度の質量のイオンを安定化し、低質量イオンの「カット−オフ質量」を約200のM/Zに実質的に低下させる。この効果は、重イオンの観測において重大ではないが、しかし、マトリックスイオンおよびイオン形成の特性をモニターするために有用である。本発明により、四重極ガイドを有する2段階システムが、単一の四重極で、有意なイオン損失がなく、圧力を約800ミリtorrから数torrまで上げることを可能にすることが見出された。必要に応じて、円錐形の分離電極52が、イオンを空間的に収束し、そしてまたレーザービームがサンプルプレート13へ進むことを容易にすることを補助する。
【0031】
図4Cに示される特定の別の実施態様において、MALDI源11c中の気体圧力は、約30mtorr〜約300mtorrの範囲にあり、そして輸送モジュール17eは、単一の四重極ガイド46によって形成される。もう一度、円錐形の分離電極が使用される。このような圧力範囲は、ペプチドイオンの衝突減衰の対して十分であるが、しかし、タンパク質イオンに対しては範囲外である。圧力効果は、以下の実験の節で議論される。
【0032】
上に記載された全ての輸送モジュールにおいて、出口開口23を通るイオン輸送と関係する保護的な遮蔽を提供するために、付加的な電極を使用することがしばしば所望され得る。長いチューブのインターフェイスの場合(図4A)、このチューブは、出口開口の役割を果たす。この主な目的は、TOF分析器を真空に維持しつつ、MALDIイオン源内の気体圧力の独立な制御を可能にすることである。発明者らは、開口23を有する電極22がまた、保護シールドの重要な機能を提供することを実現させてきた。このシールドは、マトリックスフィルムの発達に対して、多重極ガイドを保護することを補助する。この機能は、遅いイオンビームでモジュールを操作する場合に、特に所望される。四重極内の変化が重イオンの排除を引き起こすことが実験的に見出された。電極22、52上でのマトリックスフィルムの発達と変化は、イオンビームの排除または質量識別を引き起こさない。付加的な電極は、チューブ40または多重極ガイド42、43、45または46が加熱されてクラスターを破壊する場合に、サンプルプレート13を加熱から保護するために使用され得る。このことは、マトリックス物質の急激なエバポレーションまたはサンプルの熱的分解を防止するために重要である。
【0033】
(実験結果)
(ペプチドイオンの衝突冷却)
図5に示される1つの好ましい実施態様において、発明者らは、フラグメンテーション無しのイオン化は、イオン源の気体圧力が100mtorrより大きい場合、中程度のレーザーエネルギー(1〜3μJ/パルス)で達成され得ることを示した。イオン源気体圧力の効果の系統的な研究を実施するために、付加的なターボポンプが、イオン源に添え付けられ、そして窒素の付加的な制御された漏出が、第2の四重極内の圧力を調整するために使用された。イオン源中の圧力を10−4〜1torrに変化させながら、必要な衝突減衰度が、第2のRF専用四重極内を10〜30mtorrに維持することによって、輸送システムにおいて提供された。
【0034】
ペプチドのフラグメンテーションは、気体圧力の関数であることが見出されたが、他の実験条件が、送達または異なる効率の差によって、もしくは源内衝突誘起解離(CID)によっては引き起こされないことを立証するために、調整されるべきであった。ステージ当たりの電圧差は、U(V)=1+50*P(torr)のように調整された。CIDの不在は、10mtorr以上の圧力において、立証された。フラグメンテーション度は、作動条件近傍での電圧勾配に依存しなかった。より低い(0.1mtorr)圧力において、第2の四重極に入るイオンのエネルギーは、2eVより小さかった、すなわち、それは、測定できる量のフラグメントを生じなかった。同じサンプルが、サンプルプレートの多重極スポット上に堆積され、サンプルレーザーエネルギーは、完全な進行のために使用された。これらの実験において、窒素レーザーは、20Hzの反復率で進行した。約2μJ/パルスのレーザーエネルギーは、イオン観測の閾値よりも約1.5倍も高い。ペプチドサンプルは、α−シアノ−4−ヒドロキシ−桂皮酸(CHCA)マトリックス内で、10〜100pmol/μlの濃度で調製された。
【0035】
ペプチドイオンの衝突冷却の効果は、0.1mtorr(図6A)、10mtorr(図6B)、100mtorr(図6C)および1torr(図6D)の種々の気体圧力で捕獲されるペプチド物質Pのスペクトルによって説明される。低圧(図6Aの0.1mtorr)では、かなりの量の小さいフラグメントが存在する。さらに、17の損失(NH3基の損失を表している)のピークは、分子ピークとほぼ同じ高さである。圧力の増加につれて、フラグメントの量は減少する。最も顕著な骨格フラグメントa7(838原子質量単位)およびNH3基の損失に対応するフラグメントの両方は、100mtorrで強く抑制される(図6C)。
【0036】
冷却に対する必要性は、レーザーエネルギーに依存せず、そしてペプチドのサイズおよび組成と共に変化するようである。レーザーエネルギーの効果は、図7Aの物質Pの例で説明され、これは、0.1torrの気体圧力で、CHCAマトリックス中のペプチド物質Pを説明する。図7Aは、M−17およびA7骨格フラグメントの相対強度の片対数プロットであり;そして、図7Bは、シグナル強度対レーザーエネルギーの両対数プロットである。これらの実験において、20Hz窒素レーザーが使用された。10pmole/μlのサンプルが、CHCAマトリックス中で調製された。フラグメントa7およびM−17の相対強度は、レーザーエネルギーと共に増加する。両方のフラグメントは、他の中程度の質量のフラグメントが増加するにつれて、比例的に増加する(図には示していない)。MH−NH3ピークは、分子ピークに接近しており、そして選定することが容易であるので、これらは、プロセスの粗さの指標として使用され得る。
【0037】
より低いレーザーエネルギーにおいて、フラグメンテーションはほとんど存在しない。よりきれいなスペクトルを得るために、誰も、典型的に閾値に接近して操作し、これは従来の真空中のMALDIに対して全く一般的な戦略である。しかし、これは感度の点で妥協する。本発明の重要な特徴は、源内の衝突冷却を利用することによって従来の考えを無視することであり、これは、より高いレーザーエネルギーで操作し、従って、感度およびシグナル安定性を改善するためである。一旦、レーザーエネルギーが、図7Bに示されるようにイオン生成における閾値の約3倍に調整されると、シグナルの強度は、ほぼ4のオーダーの大きさで改良され得る。以下に記載されるように、シグナル強度は、高反復率レーザーを使用することによって、さらに増加される。この結果、中程度の圧力でのイオン生成は、従来の真空中のDE MALDIと比較して、より大きいシグナルおよびより速いデータ捕捉を提供する。
【0038】
(パルス当たりのより高いエネルギーでの高反復率レーザー)
シグナル損失がレーザーの反復率によって補償される場合、レーザーエネルギーは、低くされ得る。この効果は、6kHzでそして約0.6mJ/パルスのエネルギーで非制御Qスイッチを進行する、ナノレーザー「NanoUV355」(Uniphase,CA)において、最初に観測された。低エネルギーと水平面内での勾配との組合わせは、レーザービームを十分にしっかりと収束することを困難にする。円柱状レンズの使用により、このフルエンスはCHCAマトリックスにおける閾値をわずかに超えた。他のマトリックスにおいて、このフルエンスは十分ではなかった。このスキームは、より強力な高反復レーザー、アクティブQスイッチを有する355nmのEPO−5000Nd−YAGで、完全に作動し、これは外部の引き金デバイスによって、反復率を制御することが可能である。2kHzの反復率までは、そのレーザーは、窒素レーザーのエネルギーと比較して、ショット当たりのエネルギーを一定に維持し得る。このレーザーエネルギーは、全ての試験マトリックスにおいて最大シグナルに達するほどに十分である。2Hz〜2kHzの全範囲に対して、サンプルが、レーザービーム下で、サンプルプレートを移動することによって絶えず新しくされる場合、シグナル強度は、レーザーの反復率と共に比例的に増加することが見出された。サンプルステージ(サンプルホルダー)は、ステッパーモーターによって移動され、そしてステッパーモーターを制御するソフトウェアは、ヘビ状パターンにおける連続的な走査のためにプログラムされる。3mm/秒直線速度において、いずれの0.15mmのスポットももはや、2kHzレーザー反復率での100個のショットに対して曝されなくなった。このような走査速度は安全であり、これはCHCAマトリックスの単一スポットが、レーザーエネルギーの1つの10個からなる組(one decade)の内に400〜500個のショットに対して存続することが見出された。レーザー作動の高反復率は、データ捕捉を劇的に加速する。0.25秒の捕捉時間で、そして100fmolのサンプルにおいてでさえ、スペクトルは良好な統計量および信号対雑音比を有する(図8B〜8D)。このような迅速な捕獲は、複数のサンプルの全域に渡る連続的な走査を可能にする。図8Aは、一定の掃引モードにおいて捕捉される全イオン電流を示す。小さい、そして中程度の質量のタンパク質において、滑らかなスペクトルを収集するために、数秒要する(図9)。さらなる全ての実験において、高周波数レーザーが使用された。
【0039】
上昇した圧力でのMALDI源の作動の本発明の記載された方法は、より粗暴で、そしてDE MALDIにおいてスペクトルを収集する従来の方法よりも、自動化し易く、ここで、経験を積んだユーザーは、堆積されたサンプル上のいわゆる掃引スポットを選択し、そして「不良な」スポットからのデータを退けるべきである。イオン源の中程度の圧力を使用することは、イオンのフラグメント化なしに、レーザーエネルギーを増加させることを可能にし、それにより、サンプルに渡るより均一な応答を可能にする。この結果、サンプルプレートは、自動的に移動され得、そしてスペクトルは、ユーザーのフィードバック無しに、高反復率で収集され得る。このようなモードは、ゲルおよび組織に渡るプロフィールを収集するために、または複数のサンプルの自動走査のために都合がよい。
【0040】
データ収集をさらに促進し、従って、系のスループットを増加することが所望され得る。本明細書中に記載される発明者らの実験より前に、市販のレーザーは、より高い反復率を可能にするが、スペクトルの質を落とすことなく、どのくらいまで、レーザーの反復率を増加させ得るのかということが未知であった。上に示されるように、サンプル分解は、サンプルプレートを適切な速度で移動することによって防止され得、そして全ての試験されるイオン輸送インターフェイスは、飽和のサインを示さなかった、すなわち、シグナル応答は、レーザー率に比例した。明らかに、レザー反復率の上限は、使用される計数データ収集システム、時間−デジタル変換機(TDC)の飽和によって設定された。この制限は、より高価なアナログデータ収集システム(例えば、高速平均化トランジェントレコーダー(TR))を使用することによって回避され得る。しかし、レーザー反復率が、TDCのダイナミックレンジを増加させるために、調整パラメータとして使用される場合、良好な結果がTDCを用いて得られる。より低い率は、TDCを飽和することなく、強いピークの良好な統計量を提供し、そしてより高い率は、スペクトル中の弱いピークに対して同様に提供する。
【0041】
高い反復率における作動は、他の利点、すなわちパルスビームが平滑化され、そして連続ビームに対して設計された質量分析器とより良好に適合可能である。
【0042】
(タンパク質イオンの冷却)
タンパク質イオンの冷却は、ペプチドの冷却と非常に類似しているようである。しかし、中程度のレーザーエネルギーにおいてさえ、冷却における要求は、タンパク質のサイズが増加するにつれて厳しくなる。図10Aは、M−17フラグメント対タンパク質サイズの相対強度を示し、そして図10Bは、フラグメント対イオン源中の気体圧力相対強度を示す。M−17フラグメントの相対強度は、ペプチドと比較して(図10A)、タンパク質においてより高い。これらのデータは、100mtorrの圧力および2μJ/パルスのレーザーエネルギーにおいて収集され、これは、イオン化に対する閾値よりも約1.5倍高い。小さいサイズのペプチドにおいて、安定性の強い変動が存在する。より大きなサイズにおいて、この変動は平均化され、小さな基が失われる確率は、サイズに依存する。励起、すなわちアミノ酸当たりの内部エネルギーは、タンパク質サイズに依存せず、そしてアミノ酸当たり等しい確率が存在し、NH3またはH2O基を失い得る。このプロットの最も重要な実際的局面は、小さい基の損失は、タンパク質のサイズの増加と共により重大な問題となるということである。同様な問題が、真空中で作動するMALDI源を有するイオントラップおよび反射TOF質量分析計において観測された。線形TOFにおいてさえ、低質量側のタンパク質ピークは、小さな基の損失のために不鮮明となる。
【0043】
この問題は、源中の気体圧力のさらなる増加によって有効に解決される。イオン源気体圧力は、全てのサイズのタンパク質における小さい基の損失を実質的に減少する約1〜3torrにまで増加する(図10B)。
【0044】
衝突冷却効率は、数torrあたりの気体圧力で強く改善する。その結果、良好な質のスペクトルが、より高いレーザーエネルギー、従って、より高いシグナル強度で収集され得る。衝突冷却は、イーストエノラーゼ(47kDタンパク質)の例を使用して観測されるように(図11A〜C)、より重いタンパク質の形状を改善し、イオン源内の種々の気体圧力での衝突冷却を説明する:0.25torr(図11A)、0.5torr(図11B)および2torr(図11C)。より高い圧力において、フラグメンテーションが減少され、そして質量分解能が改善される(図11C)。幾つかの未解決の小損失ピークが、0.25torrでの左側のピークを不鮮明にしている(図11A)。これらの付随体は、0.5〜2torrのより高い圧力で、強く抑制される。従って、Rが約2000の分解能に制限された同位体が得られる。多くの試験されたより大きなタンパク質(モノクローナルマウスIgG、トランスフェリンおよびフェリチン)において、分解能は、80〜120のオーダーであるようである。この効果は、タンパク質の異質性に関係され得る。BSA(66kD)の場合(図12)、異質形態が分解され、これは、この66kDにおける1000を超える分解能を示す。
【0045】
(クラスター破壊)
説明されてきたように、イオン源圧力の増加は、タンパク質イオンを安定化する。気体圧力の増加と共に、タンパク質イオンは緩和され、そしてM−17フラグメントの量が減少する(図13AおよびB)。しかし、より高い圧力においてさえ、クラスターが形成されるために(図13C)、さらなる圧力の増加が制限される。これらのクラスターは、CIDによって除去され得る(図13D)。ミオグロビン(17kD)において、0.2torrから0.5torrに増加する圧力は、M−17損失の顕著な減少を引き起こした(図13AおよびB)。圧力のさらなる増加は、M−17ピークをよりいっそう抑制する(図13C)。同時に、このような圧力増加は、ミヨグロビンイオンとCHCAマトリックスの分子とのクラスターの迅速な形成を提供する。同様なプロセスが、他の試験マトリックス、シナピン酸(SA)および2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)においても観測された。クラスター発生量は、レーザーエネルギーと共に増加し、これはより多数の中性種に照射されるためである。所望されないクラスターピークは、衝突誘起解離(CID)によって源内に除去され得る。ミオグロビンの例において、クラスターは、1.5torrで、サンプルプレートに100Vをかけることによって除去される(または、形成することを防止する)。しかし、CIDを使用することは、脱クラスター形成のための最も有効な解答ではない。これは、混合物の分析を可能にするからである。必要とされる電圧は、分析物イオンのサイズに依存する。記載される条件(1.5torrにおいて100V)は15kDのタンパク質に最適である(図13B)が、中程度のサイズのペプチドは、有意な衝突的に誘導された解離を示す(図14B)。図14AおよびBは、穏やかな条件がステージ当たり5Vの電位勾配(図14A)で達成され、そして過酷な条件がサンプルプレート上の50Vのバイアスで達成され得る(図14B)ことを説明する。発明者らは、熱によるクラスターの除去がより有効であることを観測した。このような脱クラスター形成は、より小さなイオンの開裂なしで、なされ得る。輸送システムにおける脱クラスター形成は、MALDIイオン源の分析器からの脱結合を促進する。
【0046】
図15AおよびBを参照して、クラスターを、タンパク質および小さいペプチドを開裂せずに、タンパク質から取り除く温度の領域が存在する。図15Aは、タンパク質ミヨグロビン、そのM−17フラグメントおよびそのマトリックス分子との複合体の分子イオンの相対強度を示し、そして、図15Bは、タンパク質ミヨグロビンおよび28量体混合塩基DNAのフラグメントの相対強度を示す。加熱四重極が、輸送システムにおいて使用される場合、この範囲は、150℃と300℃との間であった。しかし、この温度は、サンプルプレート上のサンプルの可能な分解のために、イオン源チャンバー内で維持され得ない。従って、イオン源を50℃より低い温度に保持することが所望され得る。図15AのM−17の相対強度の曲線によって示されるように、より高い温度において、タンパク質自身が崩壊し、そして小さい基を失う。DNA分子は、図15Bに示されるように、より壊れ易く、従って、より穏やかな加熱が要求される。推奨される温度範囲は、150℃と250℃との間である。
【0047】
図16を参照して、中間質量のDNA分子、すなわち混合塩基58量体の代表的なスペクトルが示される。分子ピークが、スペクトル中で、なおも主要なピークである。さらに、スペクトルは、種々の塩基の損失(配列中の全てのモノマーからの)に対応するピークを含む。より小さな質量ピークの次の組は、1つのヌクレオチドだけ短くなったDNAに対応する。これらのフラグメントは、DNA合成の間に起こり得る。また、切断は、全配列を通してランダムである。塩基損失は、気体衝突におけるDNAイオンの不完全な安定化を示す。衝突冷却は、DNAフラグメンテーションを防ぐために、すべてに有効であるわけではないが、本発明の方法は、1800の分解能(R)を提供し、これは、従来の技術(例えば、DE MALDIによる)を使用する同じサイズのDNAの分析から得られる値を遥かに超える。
【0048】
(結論)
タンパク質におけるMALDI法の実施は、イオン源内の気体圧力を0.1torrより大きく増加することによって改善される。
【0049】
気体衝突は、MALDI内に発生するペプチドおよびタンパク質イオンのフラグメンテーションを抑制することが示される。骨格フラグメンテーションおよび小さい基の損失は、約1torrの気体圧力においてほぼ排除される。衝突冷却は、より重いタンパク質の分析において特に重要である。これは、フラグメントの量が、分析物の質量と共に増加するからである。この衝突冷却効果は、イオンの内部エネルギーの緩和に帰属される。
【0050】
有効な冷却は、イオン化のための閾値エネルギーよりも典型的に3倍高い、より高いレーザーエネルギーでの操作を可能にし、それによって、イオンシグナルおよびスポットからスポットへの(spot−to−spot)再現性を改善する。
【0051】
1torrより大きいイオン源気体圧力の増加は、タンパク質イオンとマトリックス分子とのクラスター形成を引き起こし、これは、気体圧力が10torrより小さい場合、下流側の気体温度を上昇することによって制御され得る。
【0052】
ペプチドおよび小さいタンパク質において、クラスターの形成は、源内での衝突的に誘起されるフラグメンテーションによって抑制され得る。従って、クラスターは、源内で形成される。より大きいタンパク質において、下流側の気体の加熱を利用することはより有効である。タンパク質イオンを開裂せずに、クラスターを有効に抑制する温度の範囲が存在する。
【0053】
イオン輸送システムにおける衝突冷却およびクラスター除去は、イオン源のいっそう強い脱結合を提供し、そして源条件の選択において、いっそう高い柔軟性を可能にする。
【0054】
イオンの励起度の制御は、タンパク質スペクトルの質を改善する。
【0055】
DNA分子の衝突緩和は、フラグメンテーションの幾つかの証拠にも関わらず、幾つかの成功をもって達成されてきた。しかし、本発明の方法は、中間質量のDNA分子を分析する場合、分解能を有意に改善する。
【0056】
本発明の特定の特徴は、幾つかの図面に示され、そして他のものには示されていないが、これは便宜上のみであり、そしてこの特徴は、当業者に明らかであるものとして、組合わされ得る。別の実施態様が、先の説明から、当業者に思いつかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施態様のブロック線図である。
【図2】 図2は、直列TOFMSにおける本発明の実施態様の概略図である。
【図3】 図3は、直交TOFMSにおける本発明の実施態様の概略図である。
【図4A】 図4Aは、本発明において有効なo−TOFに対する種々のインターフェイスの概略図である。
【図4B】 図4Bは、本発明において有効なo−TOFに対する種々のインターフェイスの概略図である。
【図4C】 図4Cは、本発明において有効なo−TOFに対する種々のインターフェイスの概略図である。
【図5】 図5は、本発明に従う実験的研究を実施するために使用される装置の概略図である。
【図6A】 図6Aは、本発明の理解に有用な、衝突冷却の効果を源中の気体圧力の関数として説明する飛行時間型質量スペクトルの比較である。
【図6B】 図6Bは、本発明の理解に有用な、衝突冷却の効果を源中の気体圧力の関数として説明する飛行時間型質量スペクトルの比較である。
【図6C】 図6Cは、本発明の理解に有用な、衝突冷却の効果を源中の気体圧力の関数として説明する飛行時間型質量スペクトルの比較である。
【図6D】 図6Dは、本発明の理解に有用な、衝突冷却の効果を源中の気体圧力の関数として説明する飛行時間型質量スペクトルの比較である。
【図7A】 図7Aは、本発明の理解に有用な、レーザーエネルギーの効果を説明するプロットである。
【図7B】 図7Bは、本発明の理解に有用な、レーザーエネルギーの効果を説明するプロットである。
【図8A】 図8Aは、イオンの全電流プロフィールを示す。
【図8B】 図8Bは、サンプルプレートを動かし、そして2kHzの反復率でNd−YAGレーザー(355nm)を操作して得られる一連TOFスペクトルであり、本発明の理解に有用である。
【図8C】 図8Cは、サンプルプレートを動かし、そして2kHzの反復率でNd−YAGレーザー(355nm)を操作して得られる一連TOFスペクトルであり、本発明の理解に有用である。
【図8D】 図8Dは、サンプルプレートを動かし、そして2kHzの反復率でNd−YAGレーザー(355nm)を操作して得られる一連TOFスペクトルであり、本発明の理解に有用である。
【図9】 図9は、本発明の理解に有用な、1成分当たり1pmolでのタンパク質混合物のTOFスペクトルである。
【図10A】 図10Aは、本発明の理解に有用な、タンパク質サイズのフラグメンテーション度に対する効果を説明するプロットである。
【図10B】 図10Bは、本発明の理解に有用な、タンパク質サイズのフラグメンテーション度に対する効果を説明するプロットである。
【図11A】 図11Aは、本発明の理解に有用な、タンパク質についての一連のTOFスペクトルである。
【図11B】 図11Bは、本発明の理解に有用な、タンパク質についての一連のTOFスペクトルである。
【図11C】 図11Cは、本発明の理解に有用な、タンパク質についての一連のTOFスペクトルである。
【図12】 図12は、66kDのタンパク質BSAのTOFスペクトルである。挿入された図は、BSAの不均一性を説明するために3荷電したのピークの範囲を拡大する。
【図13A】 図13Aは、本発明の理解に有用な、イオン源中の種々の気体圧力における冷却およびクラスター形成の相対効果を説明する一連のTOFスペクトルである。
【図13B】 図13Bは、本発明の理解に有用な、イオン源中の種々の気体圧力における冷却およびクラスター形成の相対効果を説明する一連のTOFスペクトルである。
【図13C】 図13Cは、本発明の理解に有用な、イオン源中の種々の気体圧力における冷却およびクラスター形成の相対効果を説明する一連のTOFスペクトルである。
【図13D】 図13Dは、本発明の理解に有用な、イオン源中の種々の気体圧力における冷却およびクラスター形成の相対効果を説明する一連のTOFスペクトルである。
【図14A】 図14Aは、本発明の理解に有用な、100mtorrでのペプチドアンギオテンシンIIの源内でのCIDを説明する2つのTOFスペクトルを示す。
【図14B】 図14Bは、本発明の理解に有用な、100mtorrでのペプチドアンギオテンシンIIの源内でのCIDを説明する2つのTOFスペクトルを示す。
【図15A】 図15Aは、本発明の理解に有用な、生体分子およびそれらのクラスターの熱安定性を表すプロットである。
【図15B】 図15Bは、本発明の理解に有用な、生体分子およびそれらのクラスターの熱安定性を表すプロットである。
【図16】 図16は、分子ピークに対して1800の分解能(R)を有する53量体の混合塩基DNAのスペクトルである。

Claims (29)

  1. 目的のサンプルの分子量を決定するための装置であって、以下:
    該目的のサンプルおよびマトリックス物質を含むためのサンプルプレート;
    該プレートに隣接するイオン化領域内にサンプルイオンのパルス化プルームを発生させるために、該プレートに指向されたパルスレーザー;
    該イオン化領域および該サンプルプレートを囲み、該イオン化領域内に気体流を導入するための入口、および該チャンバからの気体流を制限するためのイオンサンプリング開口を有し、該イオン源内の気体圧力は、0.1torrと10torrとの間である、イオン源チャンバ;
    該チャンバに結合した質量分析器;
    該チャンバから該イオンサンプリング開口を経て該質量分析器までサンプルイオンを移行するための輸送モジュール;および
    該輸送モジュールに結合した温度制御器、
    を備え
    該輸送モジュール内の温度は、150℃と300℃との間に制御される、装置。
  2. 前記質量分析器が、以下のタイプ:四重極型質量分析器、イオントラップ質量分析器、フーリエ変換質量分析器または扇形磁場型質量分析器のうちの1つである、請求項に記載の装置。
  3. 前記質量分析器が、飛行時間型質量分析器である、請求項に記載の装置。
  4. 前記飛行時間型分析器が、前記輸送モジュールを通るイオン移動の方向と実質的に同軸であり、ここで、イオンがレーザーパルスの開始後に時間遅延を伴って、該輸送モジュールから引き出されるパルスである、請求項に記載の装置。
  5. 前記飛行時間型分析器が、前記イオン輸送モジュールを通るイオン移動の方向に対して実質的に直交する、請求項に記載の装置。
  6. 記レーザーパルスと同調した気体のパルスを発生するように適合された圧力制御器を備え、ここで、ポンプが、気体パルス間に前記イオン源チャンバを排気する、請求項に記載の装置。
  7. 前記輸送モジュールが、長い管を備え、該管が前記温度制御器によって加熱される、請求項に記載の装置。
  8. 前記輸送モジュールが、それらの間で差動的にポンピングされる第1および第2のRF励起多重極ガイドを備える、請求項に記載の装置。
  9. 前記多重極ガイドの少なくとも1つが、温度供給源によって加熱される、請求項に記載の装置。
  10. 前記サンプルプレートと前記イオン輸送モジュールとの間に配置される遮蔽電極を備える、請求項に記載の装置。
  11. 前記レーザーが、サンプルイオン化のために必要とされる閾値エネルギーより少なくとも2倍大きいレーザーエネルギーで発射される、請求項に記載の装置。
  12. 前記質量分析器が、データ収集デバイスを備えるイオン検出器を含む、請求項に記載の装置。
  13. 前記レーザーの反復率が、シグナル強度を最大化するために制御され、一方で前記データ収集デバイスの飽和を回避する、請求項12に記載の装置。
  14. 前記マトリックス物質が、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(CHCAC)、3−ヒドロキシピコリン酸、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、および2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン、4−ニトロフェノール、6−アザ−2−チオチミン、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、シナピン酸(sinapinic acid)、ジスラノール(dithranol)、2−アミノ安息香酸、2−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸(HABA)、フェルラ酸、コハク酸、水、水/アルコール混合物、水と多価アルコールとの混合物、芳香族アミン、ならびにヒドロキシル官能基を含む芳香族アミンからなる群から選択される、請求項に記載の装置。
  15. 前記マトリックス物質が揮発性物質である、請求項に記載の装置。
  16. 前記イオン源チャンバ内の圧力がtorrに維持される、請求項に記載の装置。
  17. 前記管の直径と、前記イオン源チャンバ内の圧力との積が、50mm・torrを超える、請求項に記載の装置。
  18. 前記レーザー反復率を制御するための手段、および前記レーザーに対して前記サンプルをスキャニングするための手段をさらに備え、その結果、単一サンプルスポットが、500未満のレーザーショットで該レーザーに対して露光される、請求項に記載の装置。
  19. 気体入口およびイオンサンプリング出口を有し、そしてサンプルプレートを囲む、イオン源チャンバを備えるMS装置を使用して、目的のサンプルの分子量を決定するための方法であって、以下:
    該サンプルプレート上に、該目的のサンプルおよびマトリックス物質を堆積する工程;
    該サンプルプレートに隣接するイオン化領域内にイオンのパルス化プルームを発生するために、レーザーを用いて該サンプルおよび該マトリックス物質をパルス化する工程;
    該イオン源チャンバ内に0.1torrと10torrとの間の圧力を生成するために、該イオン化領域に隣接する該イオン源チャンバ内に気体の供給を導入する工程;
    該イオンサンプリング開口を通って、輸送モジュールを通って、質量分析器までサンプルイオンを輸送する工程;および
    該輸送モジュール内の温度を150℃と300℃との間に制御する工程、
    を包含する、方法。
  20. 前記質量分析器が飛行時間質量分析器である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記サンプルプレート温度を50℃未満に制御する工程、および前記輸送モジュール内の気体温度を150℃250℃との間に制御する工程、をさらに包含する、請求項19に記載の方法。
  22. 前記飛行時間型分析器が、前記輸送モジュールを通るイオン移動の方向と実質的に同軸である、請求項20に記載の方法。
  23. ーザーパルスと同調して気体パルスを発生する工程、および気体パルス間の前記イオン源チャンバを排気する工程、を包含する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記飛行時間型分析器が、前記イオン輸送モジュールを通るイオン移動の方向に対して実質的に直交し、ここで、レーザーパルス間の期間より広くなるように、オンビームが該イオン輸送モジュール内で時間拡散する、請求項20に記載の方法。
  25. 前記レーザーが、20Hzと2kHzとの間の反復率で進行する、請求項19に記載の方法。
  26. 前記レーザーが、イオン化のために要求される閾値エネルギーより、少なくとも2倍大きいレーザーエネルギーで発射される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記MS装置が、データ収集デバイスを備える、請求項20に記載の方法。
  28. シグナル強度を最大化するために前記レーザーの反復率を制御し、一方で該データ収集デバイスを飽和することを回避する工程を包含する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記レーザー反復率を制御する工程、および前記レーザーに対して前記サンプルをスキャニングする工程をさらに包含し、その結果単一のサンプルスポットが500未満のレーザーショットで該レーザーに露光される、請求項19に記載の方法。
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