JP5844560B2 - フィリング入りのパンにおけるフィリングの風味向上方法 - Google Patents
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Description
従来から、焼成したパンに、ジャムやカスタードクリームなどのフィリングを用いた菓子パンがあり、根強い需要を維持している。
菓子パンにおいて、クリームやジャムなどのフィリングに甘味を付与し、風味を向上させるために、砂糖や種々の高甘味度甘味料が使用されているが、これまでこれらの甘味剤は、フィリングに直接添加されて使用されていた。
スクラロースがパンに使用されている例として、例えば特許文献1には、スクラロースなどの高甘味度甘味料を、菓子パンなどの醗酵ベーカリー食品の生地中に練り込むことにより、甘味が付与されることが記載されている。
また、特許文献2には、スクラロースを添加して特定温度で焼成することにより、砂糖を使用した場合に比べて、焼き色が薄く調製されたパンが製造できることが記載されている。
しかしながら、フィリング入りのパンにおいて、スクラロースを直接パン生地に添加することによって、当該パンに用いられるフィリング自体の風味を向上できることは、いずれにも記載されていない。
項1.フィリング入りのパンにおいて、スクラロースをパン生地に添加することを特徴とするフィリングの風味向上方法。
項2.フィリングが、クリーム又はジャムである、項1記載のフィリングの風味向上方法。
項3.クリームがチョコレートクリームであり、ジャムがイチゴジャムである、項2記載のフィリングの風味向上方法。
項4.スクラロースの添加量が、パン生地中の穀粉類に対して、0.0001〜0.05質量%である、項1〜3記載のフィリングの風味向上方法。
そのため、パン生地を製造して焼成したパンの中に、フィリングを詰めたりするだけで、菓子パンを製造できるので、一度に多くの種類のフィリング入りの菓子パンを製造することができる。
本発明に用いるスクラロースは、ショ糖の約600倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスイートSU100等を挙げることができる。
パン生地中の穀粉類に対して、スクラロースが0.0001質量%より少ないと、フィリングの風味向上効果が十分ではなく、また、スクラロースが0.05質量%より多いと、パン生地自体に甘味がつきすぎて、いずれも好ましくない。
このようにして製造したパンに、上記フィリングを詰める、シート状に折り込む、うわがけするなどの方法により、フィリングの風味が向上した菓子パンを製造することができる。
(1)ホームベーカリー(National製 品番:SD−BT103)を使用して、表1の処方に基づき、強力粉、無塩バター、砂糖、食塩、脱脂粉乳を内釜に仕込む。
(2)スクラロースを冷水に溶解して、(1)に加える。
(3)ドライイーストを所定の位置にセットする。
(4)ホームベーカリーの食パンコースで、約200℃で焼成し、−20℃で冷凍して保存する。
(5)出来上がったパンに、市販のチョコクリームを詰めて、菓子パンを製造する。
実験例1と同様にしてチョコクリームを詰めた菓子パンを製造し、スクラロースの効果を他の高甘味度甘味料と比較した。
各高甘味度甘味料の添加量は、表3の通りとし、スクラロースと同等の甘味となるように、他の高甘味度甘味料を添加した(表3の数値は、質量%を示す)。実験例1と同様に評価して、結果を表4に示す。
*2:ミラスィー200(大日本住友化学株式会社製)
*3:ネオサンマルクDC(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)
実験例1の実施例2(スクラロース添加量:0.001質量%)と同様にして製造したパンに、市販のイチゴジャムを詰めて菓子パンを調製し、イチゴジャムの風味を評価した。
その結果、パンとイチゴジャムの一体感があり、バランスのとれた味になり、さらに、イチゴの味が引き立ち、すっきりとした甘さになるのと同時に、甘酸っぱさが長く持続した。
Claims (1)
- フィリングがチョコレートクリーム又はイチゴジャムであるフィリング入りのパンにおい
て、スクラロースをパン生地中の穀粉類に対して、0.0005〜0.02質量%添加することを特徴とするフィリングの風味向上方法。
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