本発明は、式I
式中、
R1、R2は、各々、互いに独立して、H、A、(CH2)nHetまたは(CH2)nArを示し、
R1およびR2はまた、それらが結合しているN原子と一緒に、飽和、不飽和または芳香族の単環式または二環式複素環を示し、それは、さらなる1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでもよく、それは、非置換であるかまたはHal、A、(CH2)nHet、(CH2)nAr、(CH2)nOH、(CH2)nOA、(CH2)nNH2、(CH2)nCOOH、(CH2)nCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH2、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CH2)pNH2および/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
R3、R4は、各々、互いに独立して、H、Hal、A、(CH2)nHet、(CH2)nAr、(CH2)nCOHetまたは(CH2)nC(=CH2)CONR5R6を示し、
R3およびR4はまた、それらが結合しているC原子と一緒に、飽和の、または不飽和の単環式C3〜C10炭素環を示し、それは、さらなる1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよく、またそれは、非置換であるか、またはHal、A、(CH2)nOH、(CH2)nOA、(CH2)nNH2、(CH2)nCOOH、(CH2)nCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH2、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CH2)pNH2および/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
Xは、NR5R6、CONR5R6、CH2NR5R6、COOR5、−OR5、CH2OR5、COHet、Het、CONH(CH2)pCNまたはCONH(CH2)pNR5R6を示し、
R5、R6は、各々、互いに独立して、H、A、(CH2)nHetまたは(CH2)nArを示し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、Hal、(CH2)nOA、(CH2)nOH、(CH2)nCN、SA、SOA、SO2A、NO2、C≡CH、(CH2)nCOOH、CHO、(CH2)nCOOA、CONH2、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CH2)nNH2、(CH2)nNHA、(CH2)nNAA’、(CH2)nNHSO2A、SO2NH(CH2)nNH2、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、CONH(CH2)nCOOA、CONH(CH2)nCOOH、NHCO(CH2)nCOOA、NHCO(CH2)nCOOH、CONH(CH2)nNH2、CONH(CH2)nNHA、CONH(CH2)nNAA’、CONH(CH2)nCNおよび/もしくは(CH2)nCH(NH2)COOHによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるか、またはA、OA、OH、フェニル、SH、S(O)mA、Hal、NO2、CN、COA、COOA、COOベンジル、CONH2、CONHA、CONAA’、SO2NH2、NH2、NHA、NAA’、NHCOA、NHSO2Aおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されていてもよい、単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
A、A’は、各々、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜3つの隣接していないCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NMeもしくはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/または、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、ならびに、その薬学的に使用可能な塩および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
本発明は、式Iで表される化合物およびその塩、ならびに、式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体の製造方法であって、
a)式Iで表され、式中XがCOOAを示す化合物の製造のために、
式II
式中、
R1、R2、R3およびR4は、請求項1に示した意味を有し、
Rは、アミノ保護基を示し、
Xは、COOAを示し、
および
Aは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式III
Y3Si−N=C=N−SiY3 III
式中、
Yは、1〜4個のC原子を有するアルキルを示す、
で表される化合物と反応させる、
あるいは
b)ラジカルXを他のラジカルXに、
i)エステルを加水分解する、または
ii)アミンを用いて酸をアミドに変換する
ことによって変換する、
かつ/あるいは式Iで表される塩基または酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
式Iで表される化合物はまた、これらの化合物、さらに薬学的に使用可能な誘導体の水和物および溶媒和物を意味するものと解釈される。
本発明はまた、これらの化合物の立体異性体(E、Z異性体)ならびに水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物は、それらの相互の引力のために形成される、不活性溶媒分子の化合物上へのアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば一もしくは二水和物またはアルコラートである。
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば本発明の化合物の塩、およびいわゆるプロドラッグ化合物もまた意味するものと解釈される。
プロドラッグ誘導体は、例えばアルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾されており、生命体中で迅速に切断されて本発明の有効な化合物を生成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されるように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
「有効量」の表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師によって求められているかまたは所望されている生物学的または薬学的応答を生じさせる医薬または薬学的に活性な成分の量を意味する。
さらに、「治療的に有効な量」の表現は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の結果:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の改善された治癒処置、治癒、防止もしくは解消、またはまた疾患、愁訴もしくは障害の進行の低減
を有する量を意味する。
「治療的に有効な量」の用語はまた、正常な生理学的機能を増大させるのに有効である量を包含する。
本発明はまた、本発明の式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性体化合物の混合物である。
1回よりも多く出現するすべてのラジカルについて、それらの意味は、互いに独立している。
本明細書中、ラジカルおよびパラメーターR1、R2、R3、R4およびXは、他に明確に示さない限り式Iについて示した意味を有する。
カルバモイルは、アミノカルボニルを示す。
BOCまたはBocは、tert−ブチルオキシカルボニルを示す。
AまたはA’は、好ましくはアルキルを示し、非分枝状(直線状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。AまたはA’は、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルを示す。
AまたはA’は、極めて特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。
A、A’はまた、各々、互いに独立して、1〜10個のC原子を有し、ここで1〜3個の隣接していないCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよい非分枝状または分枝状アルキルを示し、例えば2−メトキシエチルまたは3−メチルアミノプロピルである。
AまたはA’はまた、環状アルキル(シクロアルキル)を示す。シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。環状アルキルは、さらに、好ましくはシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシルメチルを示す。
シクロアルキルアルキレンは、例えばシクロプロピルメチレンまたはシクロヘキシルメチレンを示す。
A,A’は、特に好ましくは、各々の場合において互いに独立して、1〜10個のC原子を有し、ここで1〜2個の隣接していないCH2基がO、NH、NMeもしくはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子がFおよび/またはClによって置き換えられていてもよい非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示す。
R1およびR2は、それらが結合しているN原子と一緒に、好ましくは非置換である飽和の、不飽和の、または芳香族の単環式または二環式複素環を示し、それは、さらなる1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよく、ここで複素環は、好ましくはピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、ジヒドロインドール、イソインドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノキサリンの群から選択される。
極めて特に好ましいのは、イソインドリン(2,3−ジヒドロイソインドール)である。
R3、R4は、それぞれの場合において互いに独立して、好ましくは、H、A、(CH2)nCOHetまたは(CH2)nC(=CH2)CONR5R6を示す。
R3、R4は、各場合において互いに独立して、極めて特に好ましくは、H、1〜6個のC原子を有し、ここで1〜5個のH原子がFおよび/もしくはClによって置き換えられていてもよい非分枝状もしくは分枝状アルキル、または4−メチルピペラジン−1−イルカルボニルメチル、H2N−CO−C(=CH2)CH2を示す。
R3、R4は、それらが結合しているC原子と一緒に、さらに好ましくはまた、非置換の飽和単環式C3〜C6炭素環を示し、それは、さらなる1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい。
R3、R4は、それらが結合しているC原子と一緒に、さらに特に好ましくはまた、非置換の飽和単環式C3、C4、C5またはC6炭素環を示し、それは、さらなる1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい。
Xは、好ましくはCONR5R6、COOR5、COHet、Het、CONH(CH2)pCNまたはCONH(CH2)pNR5R6を示す。
Xは、極めて特に好ましくはエトキシカルボニル、カルボキシル、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジメチル−カルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイル、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルカルバモイル、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルカルバモイル、ピロリジン−1−イルカルボニル、2−メチルピロリジン−1−イルカルボニル、2,5−ジメチルピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−カルバモイル、4−メチルピペラジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、N−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イルメチル)−N−メチルカルバモイル、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、N−イソブチルカルバモイル、N−(カルバモイルメチル)カルバモイル、N−(2−シアノ−エチル)カルバモイル、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)カルバモイル、4−メチルピペラジン−1−イルを示す。
R5、R6は、各場合において互いに独立して、好ましくはH、Aまたは(CH2)nHetを示す。
Arは、例えば、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−アセチルフェニル、o−、m−またはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメトキシフェニル、
さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示す。
Arは、特に好ましくは非置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニルを示す。
他の置換基とは関係なく、Hetは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、
さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾキサジアゾール−5−イルを示す。
複素環式ラジカルはまた、部分的にまたは完全に水素化されていてもよい。
Hetは、したがってまた、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−,−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、
さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、イソインドリニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたはまた3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを示すことができる。
Hetは、好ましくはピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されている。
nは、好ましくは0、1または2を示す。
pは、好ましくは1または2を示す。
式Iで表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有していてもよく、したがって種々の立体異性体形態で存在し得る。式Iは、すべてのこれらの形態を包含する。
したがって、本発明は特に、少なくとも1つの前述のラジカルが前に示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。いくつかの好ましい群の化合物を、以下の従属式Ia〜Ihにより表すことができ、これは、式Iに適合し、ここで、一層詳細に表していないラジカルは、式Iについて示した意味を有するが、ここで、
Iaにおいて、R1およびR2は、それらが結合しているN原子と一緒に、さらなる1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい、非置換の飽和、不飽和または芳香族単環式または二環式複素環を示し;
Ibにおいて、R3、R4は、各々、互いに独立してH、A、(CH2)nCOHetまたは(CH2)nC(=CH2)CONR5R6を示し;
Icにおいて、R3およびR4は、それらが結合しているC原子と一緒に、またさらなる1個〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい、非置換の飽和単環式C3〜C6炭素環を示し;
Idにおいて、Xは、CONR5R6、COOR5、COHet、Het、CONH(CH2)pCNまたはCONH(CH2)pNR5R6を示し;
Ieにおいて、R5、R6は、各々、互いに独立してH、Aまたは(CH2)nHetを示し;
Ifにおいて、Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており;
Igにおいて、A、A’は、各々、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2つの隣接していないCH2基は、O、NH、NMeもしくはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/もしくはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し;
Ihにおいて、R1およびR2は、それらが結合しているN原子と一緒に、さらなる1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい、非置換の飽和、不飽和または芳香族単環式または二環式複素環を示し、
R3、R4は、各々、互いに独立してH、A、(CH2)nCOHetまたは(CH2)nC(=CH2)CONR5R6を示し、
R3およびR4は、それらが結合しているC原子と一緒に、またさらなる1個〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい、非置換の飽和単環式C3〜C6炭素環を示し、
Xは、CONR5R6、COOR5、COHet、Het、CONH(CH2)pCNまたはCONH(CH2)pNR5R6を示し、
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
A、A’は、各々、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2つの隣接していないCH2基は、O、NH、NMeもしくはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/もしくはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示し;
ならびに、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体であり、すべての比率でのそれらの混合物を含む。
本発明の化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には前述の反応に適する周知の反応条件の下で、製造される。また、ここで、本明細書中においてこれ以上詳細には述べない自体公知の変法を用いてもよい。
所望により、出発物質をまた、それらを反応混合物から単離せず、代わりに直ちにそれらをさらに本発明の化合物に変換することによって、in situで生成することができる。
当該出発化合物は、一般的に知られている。しかし、これらが新規である場合には、これらを、自体公知の方法により製造することができる。
式Iで表される化合物を、好ましくは、式IIで表される化合物を式IIIで表される化合物と反応させることにより得ることができる。
式IIで表される化合物において、Rは、アミノ保護基、好ましくはtert−ブチルオキシカルボニル(BOC)を示す。
当該反応を、フッ化物、好ましくはフッ化セシウムを加えて行う。
当該反応を、当業者に周知の方法によって行う。
反応を、最初に好適な溶媒中で行う。
好適な溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
溶媒は、特に好ましくはアセトニトリルまたはDMFである。
用いる条件に依存して、反応時間は数分〜14日であり、反応温度は約0℃〜150℃、通常15℃〜120℃、特に好ましくは20℃〜60℃である。
用語「アミノ保護基」は、一般用語において知られており、アミノ基を化学反応に対して保護(遮断)するのに適しているが、所望の化学反応が分子中の他の個所において行われた後に容易に除去可能である基に関する。そのような基に典型的なのは、特に、非置換の、または置換されたアシル、アリール、アラルコキシメチルまたはアラルキル基である。アミノ保護基が所望の反応(または一連の反応)の後に除去されるので、それらのタイプおよび大きさは、さらに重大ではない;しかし、好ましいのは、1〜20個、特に1〜8個のC原子を有するものである。
用語「アシル基」は、本プロセスに関連して最も広い意味において理解されるべきである。それは、脂肪族、芳香脂肪族(araliphatic)、芳香族または複素環式カルボン酸またはスルホン酸、および特にアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニルおよびとりわけアラルコキシカルボニル基から誘導されたアシル基を含む。そのようなアシル基の例は、アルカノイル、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル;アラルカノイル、例えばフェニルアセチル;アロイル、例えばベンゾイルまたはトルイル;アリールオキシアルカノイル、例えばPOA;アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、BOC(tert.−ブチルオキシカルボニル)、2−ヨードエトキシカルボニル;アラルコキシカルボニル、例えばCBZ(「カルボベンゾキシ」)、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、FMOC;アリールスルホニル、例えばMtrである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtr、さらにCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
式Iで表される化合物を−用いる保護基に依存して−例えば強酸を用いて、有利にはTFAまたは過塩素酸を用いて、ならびに他の強無機酸、例えば塩酸または硫酸、強有機カルボン酸、例えばトリクロロ酢酸、またはスルホン酸、例えばベンゼンもしくはp−トルエンスルホン酸を用いて、それらの官能的誘導体から遊離させる。追加の不活性溶媒を存在させることができるが、必ずしも必要ではない。好適な不活性溶媒は、好ましくは有機酸、例えばカルボン酸、例えば酢酸、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、アミド、例えばDMF、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、さらにまたアルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールおよび水である。前述の溶媒の混合物は、さらに好適である。TFAを、好ましくは、さらなる溶媒、すなわち過塩素酸を加えずに、酢酸および70%過塩素酸の比率9:1における混合物の形態において過剰に用いる。切断のための反応温度は、有利には約0〜約50°であり、作業を、好ましくは15〜30°(室温)で行う。
BOC、OButおよびMtr基を、例えば、好ましくはジクロロメタン中のTFAを用いて、またはジオキサン中の約3〜5NのHClを用いて15〜30°で切断することができ、FMOC基を、ジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンをDMFに溶解した約5〜50%溶液を用いて、15〜30°で切断することができる。
加水分解的に除去可能な保護基(例えばCBZ、ベンジルまたはそのオキサジアゾール誘導体からのアミジノ基の遊離)を、例えば触媒(例えば有利には担体、例えば炭素上の貴金属触媒、例えばパラジウム)の存在下での水素での処理によって切断することができる。ここでの好適な溶媒は、上記で示したもの、特に例えばアルコール、例えばメタノールもしくはエタノール、またはアミド、例えばDMFである。水素化分解を、一般的には約0〜100°の温度および約1〜200barの圧力で、好ましくは20〜30°および1〜10barで行う。CBZ基の水素化分解は、例えばメタノール中の5〜10%のPd/C上で、または20〜30°でメタノール/DMF中のPd/C上でギ酸アンモニウム(水素の代わりに)を用いて、良好に成功する。
さらに、式Iで表される化合物を式Iで表される他の化合物に、例えばニトロ基をアミノ基に、例えばラネーニッケルもしくはPd/炭素上で、不活性溶媒、例えばメタノールもしくはエタノール中で水素化することによって還元すること、および/または
エステル基をカルボキシル基に変換すること、および/または
アルデヒド基をアルキル化されたアミンに、還元的アミノ化によって変換すること、および/または
カルボキシル基をアルコール類との反応によってエステル化すること、および/または
カルボキシル基もしくは酸塩化物を酸アミドに、アミンとの反応によって変換すること
によって変換することが、可能である。
エステルを、例えば酢酸を用いて、またはNaOHもしくはKOHを用いて、水、水/THFまたは水/ジオキサン中で、0〜100°の温度で鹸化することができる。
さらに、遊離のアミノ基および/または水酸基を、塩化酸もしくは無水物を用いる慣用の方法においてアシル化するか、または非置換の、もしくは置換されたハロゲン化アルキルを用いて、有利には不活性溶媒、例えばジクロロメタンもしくはTHF中で、かつ/または塩基、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンの存在下で、−60〜+30°の温度においてアルキル化することができる。
エーテル切断を、当業者に知られている方法によって行う。
当該反応を、上記で示した好適な溶媒中で、好ましくは三臭化ホウ素を加えることによって行う。
当該反応を、特に好ましくはジクロロメタン中で、約−30℃〜50℃、通常−20℃〜20℃、特に約−15℃〜約0℃の反応温度において行う。
本発明はまた、式II
式中、
R1、R2は、各々、互いに独立して、H、A、(CH2)nHetまたは(CH2)nArを示し、
R1およびR2は、それらが結合しているN原子と一緒に、また飽和、不飽和または芳香族の単環式または二環式複素環を示し、それは、さらなる1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよく、それは、非置換であるかまたはHal、A、(CH2)nHet、(CH2)nAr、(CH2)nOH、(CH2)nOA、(CH2)nNH2、(CH2)nCOOH、(CH2)nCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH2、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CH2)pNH2および/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
R3、R4は、各々、互いに独立して、H、Hal、A、(CH2)nHet、(CH2)nAr、(CH2)nCOHetまたは(CH2)nC(=CH2)CONR5R6を示し、
R3およびR4は、それらが結合しているC原子と一緒に、また飽和の、または不飽和の単環式C3〜C10炭素環を示し、それは、さらなる1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよく、またそれは、非置換であるか、またはHal、A、(CH2)nOH、(CH2)nOA、(CH2)nNH2、(CH2)nCOOH、(CH2)nCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH2、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CH2)pNH2および/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
Rは、tert−ブチルオキシカルボニルを示し、
Xは、COOR5を示し、
R5は、Aを示し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、Hal、(CH2)nOA、(CH2)nOH、(CH2)nCN、SA、SOA、SO2A、NO2、C≡CH、(CH2)nCOOH、CHO、(CH2)nCOOA、CONH2、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CH2)nNH2、(CH2)nNHA、(CH2)nNAA’、(CH2)nNHSO2A、SO2NH(CH2)nNH2、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、CONH(CH2)nCOOA、CONH(CH2)nCOOH、NHCO(CH2)nCOOA、NHCO(CH2)nCOOH、CONH(CH2)nNH2、CONH(CH2)nNHA、CONH(CH2)nNAA’、CONH(CH2)nCNおよび/もしくは(CH2)nCH(NH2)COOHによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるか、またはA、OA、OH、フェニル、SH、S(O)mA、Hal、NO2、CN、COA、COOA、COOベンジル、CONH2、CONHA、CONAA’、SO2NH2、NH2、NHA、NAA’、NHCOA、NHSO2Aおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されていてもよい、単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
A、A’は、各々、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜3つの隣接していないCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NMeもしくはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示す、
で表される化合物およびそれらの塩に関する。
示したラジカルの意味および好ましい意味は、式Iで表される化合物について上記で示したものである。
薬学的塩および他の形態
本発明の前述の化合物を、それらの最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、これらの化合物を、当該分野において知られている手順により、種々の有機および無機酸類および塩基類から誘導し得るそれらの薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、慣用的な方法により製造される。本発明の化合物がカルボキシル基を含む場合には、この好適な塩の1種を、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることによって生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
式Iで表される化合物のアルミニウム塩は、同様に包含される。式Iで表される数種の化合物の場合において、これらの化合物を、薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびそれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびこれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することによって、酸付加塩を生成することができる。
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは、限定を表すものではない。
さらに、本発明の化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。
薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、本発明の化合物の塩には、第一、第二および第三アミン類、また天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物を、剤、例えば(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。本発明の水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて製造することができる。
好ましい前述の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
本発明の塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることによって製造する。塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することによって、遊離塩基を再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点ではそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
上述のとおり、本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
本発明の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることによって製造する。塩形態を酸と接触させ、慣用的な方法で遊離酸を単離することによって、遊離酸を再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的に関して、塩は、他の点ではそれぞれの遊離酸形態に相当する。
本発明の化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を生成することができる1つよりも多い基を含む場合には、本発明はまた、多重塩(multiple salt)を包含する。典型的な多重塩形態には、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
上記で述べたことに関して、本文脈における表現「薬学的に許容し得る塩」は、式Iで表される化合物をこの塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかであり、特に、この塩形態が、活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、このように解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて付与することができ、さらに、活性成分の薬力学に対して身体における治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
本発明の化合物は、それらの分子構造のためにキラルであり得、したがって種々の鏡像異性体形態で存在し得る。したがって、それらは、ラセミ体または光学的に活性な形態で存在し得る。
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性が異なり得るため、鏡像異性体を用いることが所望され得る。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、当業者に知られている化学的もしくは物理的手段によって鏡像異性体化合物に分離するか、またはさらにそれ自体で合成において用いることができる。
ラセミ体アミンの場合において、ジアステレオマーが混合物から、光学的に活性な分割剤との反応によって生成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適にN保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)または種々の光学的に活性な樟脳スルホン酸のRおよびS形態である。
また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースまたはシリカゲル上に固定された炭水化物もしくはキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマーの他の誘導体)を用いたクロマトグラフィー的鏡像異性体分割である。この目的のために適する溶離剤は、例えば82:15:3の比率での、水性の、またはアルコール性の溶媒混合物、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルである。
本発明はさらに、医薬(医薬組成物)の製造のための化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩の、特に非化学的方法における使用に関する。それらを、ここで少なくとも1種の固体、液体および/または半液体の賦形剤または補助剤と共に、および所望により1種または2種以上の他の活性成分と組み合わせて好適な投与形態に変換することができる。
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明の化合物および/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのそれらの混合物を含む)、ならびに任意に賦形剤および/または補助剤を含む医薬に関する。
医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で、投与することができる。そのような単位は、処置される状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.1mg〜3g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含んでもよく、または医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与してもよい。好ましい投与単位処方物は、前に示したように、毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性成分のこの対応する部分である。さらに、このタイプの医薬処方物を、薬学分野において一般的に知られている方法を用いて製造することができる。
医薬処方物を、すべての所望の好適な方法による、例えば経口(口腔内もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(口腔内、舌下もしくは経皮的を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与のために適合させることができる。そのような処方物を、薬学分野において知られているすべての方法を用いて、例えば活性成分を賦形剤(1種もしくは2種以上)または補助剤(1種もしくは2種以上)と混ぜ合わせることによって製造することができる。
経口投与のために適合された医薬処方物を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして投与することができる。
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。散剤を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、それを同様にして粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することによって製造する。風味剤、保存剤、分散剤および色素が、同時に存在してもよい。
カプセルを、上記のように散剤混合物を調製し、成形したゼラチン殻をこれで充填することによって製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に散剤混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に加えて、カプセルを服用した後の医薬の有効性を改善することができる。
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどを含む。これらの投与形態において用いられる潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、限定されずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを含む。錠剤を、例えば散剤混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることによって処方する。
散剤混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および随意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンもしくはリン酸二カルシウムと混合することによって調製する。散剤混合物を、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液(acadia mucilage)またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、それをふるいを通して押圧することによって顆粒化することができる。顆粒化の代替として、散剤混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、それを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることによって潤滑化して、錠剤流延型への粘着を防止することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して、錠剤を得る。本発明の化合物をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮工程を行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。異なる投与単位間を区別することができるようにするために、色素を、これらのコーティングに加えることができる。
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投与単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適な風味剤と共に溶解することによって調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることによって処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
経口投与用の投与単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物をまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することによって調製することができる。
本発明の化合物および塩、溶媒和物およびこれらの生理学的な機能性誘導体をまた、リポソーム送達系、例えば小さい単層の小胞、大きい単層の小胞、および多層の小胞の形態で投与することができる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成することができる。
本発明の化合物および塩、溶媒和物およびそれらの生理学的な機能性誘導体をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。化合物をまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。そのようなポリマーは、パルミトイルラジカルにより置換された、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパラタミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリジンを包含することができる。当該化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類、およびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性のブロックコポリマーに結合することができる。
経皮的投与用に適合された医薬処方物を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所的投与用に適合された医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として処方することができる。
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を処方して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
目への局所的適用のために適合された医薬処方物は、活性成分を好適な担体、特に水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させた点眼剤を含む。
口における局所的適用のために適合された医薬処方物は、薬用キャンデー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与のために適合された医薬処方物を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
担体物質が固体である鼻腔内投与のために適合された医薬処方物は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗粉末を含み、それを、嗅ぎ薬を服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した散剤を含む容器からの鼻の経路を介しての迅速な吸入によって投与する。担体物質としての液体を有する鼻腔内スプレーまたは点鼻剤としての投与に適する処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
吸入による投与のために適合された医薬処方物は、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーにより発生することのできる微細な粒子状ダストまたはミストを包含する。
膣内投与のために適合された医薬処方物を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
非経口投与のために適合された医薬処方物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液であって、これにより処方物が処置されるべきレシピエントの血液と等張になるもの;ならびに水性の、および非水性の無菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含むことができるもの、が含まれる。処方物を、単一用量または複数用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与してもよく、使用の直前に無菌の担体液体、例えば注射用水を添加することしか必要としないようにフリーズドライした(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵してもよい。
処方により製造される注射溶液および懸濁液を、無菌の散剤、顆粒および錠剤から調製することができる。
上記で特定的に述べた構成成分に加えて、処方物はまた、処方物の特定のタイプに関して当該分野において普通である他の剤を含むことができることは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
本発明の化合物の治療的に有効な量は、例えば、ヒトまたは動物の年齢および体重、処置が必要である正確な状態およびその重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの要因に依存し、最終的には、処置する医師または獣医師によって決定される。しかし、処置のための本発明の化合物の有効な量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日あたり個別の用量として、または通常1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分もしくは6回分)において投与し、したがって合計の日用量が同一であるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物の、またはその生理学的な機能的誘導体の有効量を、本発明の化合物自体の有効量の比として決定することができる。同様の用量が、前述の他の状態の処置に適すると、推測することができる。
本発明はさらに、本発明の少なくとも1種の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む医薬に関する。
他の医薬活性成分は、好ましくは化学療法剤、特に血管新生を阻害し、したがって腫瘍細胞の成長および拡散を阻害するものである;好ましいのは、ここで、VEGFレセプター阻害剤であり、それは、VEGFレセプターを対象とするロボザイム(robozymes)およびアンチセンス、ならびにアンジオスタチンおよびエンドスタチンを含む。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる抗悪性腫瘍薬の例は、一般的にアルキル化剤、代謝拮抗薬;エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin);抗悪性腫瘍酵素(antineoplastic enzyme);トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロンまたは白金配位錯体を含む。
抗悪性腫瘍薬は、好ましくは以下の群から選択される:
アントラサイクリン、ビンカ医薬、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞障害性ヌクレオシド、エポチロン、ディスコデルモリド、プテリジン、ジイネン(diynene)およびポドフィロトキシン。
特に好ましいのは、前記群において、例えばカルミノマイシン(carminomycin)、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン(methopterin)、ジクロロメトトレキサート、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、ゲムシタビン、サイトシンアラビノシド(cytosinarabinoside)、ポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、リン酸エトポシドまたはテニポシド、メルファラン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、リューロシジン(leurosidine)、ビンデシン、リューロシン(leurosine)およびパクリタキセルである。
他の好ましい抗悪性腫瘍薬は、エストラムスチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ゲムシタビン、イフォスアミド(ifosamide)、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキサート(idatrexate)、トリメトレキサート、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、カンプトテシン、CPT−11、トポテカン、アラビノシルシトシン、ビカルタミド、フルタミド、リュープロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロンおよびインターロイキンの群から選択される。
本発明はまた、
(a)本発明の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに
(b)さらなる医薬活性成分の有効量
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
当該セットは、好適な容器、例えば箱、個別のビン、袋またはアンプルを含む。このセットは、例えば、各々が溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、本発明の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに、さらなる医薬活性成分の有効量を含む個別のアンプルを含んでもよい。
使用
本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトのための、HSP90が関与する疾患の処置における医薬活性成分として適する。
したがって、本発明は、本発明の化合物ならびに、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の、HSP90の阻害、調節および/または変調が関与する疾患の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
本発明は、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、腫瘍疾患、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉種、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、レイオ肉腫(leiosarcoma)、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症および重鎖病;
ウイルス病原体がA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エチノウイルス(echinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスII型(HIV−II)からなる群から選択されるウイルス性疾患、の処置のための;
移植片における免疫抑制;炎症によって誘発された疾患、例えば関節リウマチ、喘息、敗血症、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症;血管新生と関連する疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生;感染症;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進;フィブロジェネティック疾患、例えば強皮症、多発性筋炎、全身性ループス、肝臓の硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症のための、
医薬の製造のための使用を包含する。
本発明の化合物は、特に癌、腫瘍細胞および腫瘍転移の成長を阻害することができ、したがって腫瘍療法に適する。
本発明はさらに、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、化学療法によって生じた毒性に対して正常な細胞を保護するための、および不正確なタンパク質折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患、例えばスクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病を処置するための医薬の製造のための使用を包含する。
本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、中枢神経系の疾患、心血管疾患および悪液質の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物ならびに/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、HSP90変調のための医薬の製造のための使用に関し、ここで、変調された生物学的HSP90活性は、個体からの免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養障害からの回復、熱ストレスからの回復またはその組み合わせをもたらし、かつ/またはここで、障害は、1つのタイプの癌、感染症、小胞体からの途絶したタンパク質輸送と関連する障害、虚血/再灌流と関連する障害またはその組み合わせであり、
ここで虚血/再灌流と関連する障害は、心停止、アジストリーおよび遅延された心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖症、てんかん重積、てんかんの発作、不安症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児のストレスの結果である。
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物ならびに/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、心停止、アジストリーおよび遅延された心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖症、てんかん重積、てんかんの発作、不安症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児のストレスの結果としての虚血の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
HSP90阻害剤の測定のための試験方法
ゲルダナマイシンまたは17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)のHSP90への結合およびその競合的阻害を用いて、本発明の化合物の阻害活性を決定することができる(Carreras et al. 2003, Chiosis et al. 2002)。
特定の場合において、放射性リガンドフィルター結合試験を用いる。ここで用いる放射性リガンドは、トリチウムで標識した17−アリルアミノゲルダナマイシン、[3H]17AAGである。このフィルター結合試験によって、ATP結合部位に干渉する阻害剤についての標的とする検索が可能になる。
材料
組換え型ヒトHSP90α(大腸菌発現、95%純度);
[3H]17AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、[アリルアミノ−2,3−3H。比活性:1.11×1012Bq/mmol(Moravek, MT-1717);
HEPESフィルター緩衝液(50mmのHEPES、pH7.0、5mmのMgCl2、BSA 0.01%)
マルチスクリーンFB(1μm)フィルタープレート(Millipore, MAFBNOB 50)。
方法
96ウェルマイクロタイターフィルタープレートを、先ず洗浄し、0.1%のポリエチレンイミンで被覆する。
試験を、以下の条件下で行う:
反応温度22℃
反応時間:30分、800rpmにて振盪
試験容量:50μl
最終濃度:
50mMのHEPES HCl、pH7.0、5mMのMgCl2、0.01%(w/v)のBSA
HSP90:1.5μg/アッセイ
[3H]17AAG:0.08μM。
反応の終了時に、フィルタープレート中の上清を、真空マニホールド(マルチスクリーン分離システム、Millipore)を用いて、吸引によって除去し、フィルターを2回洗浄する。
次に、フィルタープレートを、ベータカウンター(Microbeta, Wallac)においてシンチレータ(Microscint 20, Packard)を用いて測定する。
「対照の%」を、「分あたりの計数」の値から決定し、化合物のIC−50値を、それより計算する。
本明細書中、すべての温度を、℃で示す。以下の例において、「慣用の精製操作」は、以下のことを意味する:水を必要に応じて加え、pHを、最終生成物の構成に依存して、必要に応じて2〜10の値に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、および/または結晶化により精製する。
LC−MS条件
LC/MS測定を、以下の特徴を有するHewlett Packard HP 1200シリーズシステムを用いて行う:イオン源:エレクトロスプレー(正のモード);走査:100〜1000m/e;断片化電圧:60V;ガス温度:300℃、UV:220nm。
流量:2.4ml/分
カラム:Chromolith SpeedROD Rp-18e 50-4.6
溶媒:Merck KGaAからのLiChrosolv等級
溶媒A:H2O(0.05%のギ酸)
溶媒B:ACN(0.04%のギ酸)
「標準の」勾配:
4%のB→100%のB:0分〜2.8分
100%のB:2.8分〜3.3分
100%のB→4%のB:3.3分〜3.4分
「極性の」勾配:
1%のB→100%のB:0分〜3.5分
100%のB:3.5分〜5分
100%のB→10%のB:5分〜5.5分
10%のB→1%のB:5.5分〜6分
「無極性の」勾配:
20%のB→100%のB:0分〜2.8分
100%のB:2.8分〜3.3分
100%のB→20%のB:3.3分〜3.4分
保持時間に関してさらなる情報を提供しない場合には、「標準の」勾配を用いる。
例1
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチル(「A1」)および2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸(「A2」)の製造
ステップ1:2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル酢酸エチル
18gの抱水クロラールを100mlの水に溶解し、27gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。20gの4−アミノフェニルアセテート塩酸エチルを100mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。50mlの水中の19gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で90分間撹拌する。混合物をその後放冷し、その間沈殿物が沈殿する。これを濾別し、水で洗浄し、40℃で真空中で乾燥させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いた。
収量:11.2g(2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル酢酸エチルおよび2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル酢酸の比率1:1.7での混合物);
LC−MS保持時間:1.22分(2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル酢酸エチルおよび0.51分(2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル酢酸)。
ステップ2:(2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)酢酸
ステップ1から得られた11.6gの混合物を、分割して30mlの硫酸(98%)に50℃で加え、その間温度は120℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物をさらに15分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。得られた沈殿物を濾別し、水で洗浄する。40℃で真空中で乾燥させることによって、8.1gの(2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)酢酸が得られる;LC−MS保持時間:1.11分;
ステップ3:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)酢酸エチル
4gの(2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)酢酸を、100mlのエタノールに溶解し、300mgのトルエン−4−スルホン酸一水和物を加える。混合物を80℃で1時間加熱し、溶媒をその後真空中で除去する。残留物を、100mlの水および100mlの酢酸エチル中に吸収させ、60℃でさらに12時間撹拌する。混合物を炭酸水素ナトリウムを用いて中和し、有機相を分離する。水相を、各々の回において100mlの酢酸エチルでさらに2回洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し真空中で蒸発乾固させ、4.1gの2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)酢酸エチルが得られる;
LC−MS保持時間:1.09分;
ステップ4:5−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−2,3−ジオキソインドリン−1−カルボン酸tert−ブチル
520mgのジ−tert−ブチルジカーボネートを20mlのテトラヒドロフラン中の549mgの2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)酢酸エチルおよび15mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、混合物をその後23℃で12時間撹拌する。溶媒を23℃で真空中で除去し、生成物をさらに直接加工する;
LC−MS保持時間:2.02分(「無極性の」勾配)。
ステップ5:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]酢酸エチル
2.2gのイソインドリンを、100mlのテトラヒドロフラン中の5.9gの5−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−2,3−ジオキソインドリン−1−カルボン酸tert−ブチルに加え、混合物をその後23℃で1時間撹拌する。溶媒を真空中で中で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、4.9gの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]酢酸エチルが得られる;
LC−MS保持時間:2.50分(「無極性の」勾配)。
ステップ6:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチル(「A1」)
4.9gの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]酢酸エチルを、100mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。1.7gのフッ化セシウムを加え、3mlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを5分にわたり溶液に滴加する。混合物を室温で15分間撹拌し、20mlのジクロロメタンを次に加える。20mlの塩酸(1N)の添加の後に、生成物が白色固体として沈殿する。
収量:2.8g(69%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル酢酸エチル;
LC−MS保持時間:1.49分;
ステップ7:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸(「A2」)
2.7gの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを、40mlのテトラヒドロフランに溶解し、25mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を23℃で12時間撹拌し、真空中で蒸発乾固させ、10mlの水中に吸収させ、7mlの25%塩酸を用いてpH2に調整する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:2.0g(80%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸;
LC−MS保持時間:1.04分;
例2
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]アセトアミド(「A3」)の製造
100mgの「A1」を40mlのメタノールに溶解し、135mgの窒化マグネシウムを加える。混合物を80℃で12時間撹拌し、冷却し、10mlの水で希釈し、25%塩酸を用いてpH2に調整する。得られた沈殿物を濾別し、カラムクロマトグラフィーにより精製する。収量:18mg(20%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]アセトアミド;LC−MS保持時間:0.74分;
化合物1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタンアミド(「A4」)が、同様にして得られる。
収量:15mg(16%);LC−MS保持時間:1.64分;
化合物1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボキサミド(「A5」)が、同様にして得られる。
収量:9mg(10%);LC−MS保持時間:1.12分;
例3
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルアセトアミド(「A6」)の製造
50mgの「A2」を2mlのエチルアミンに溶解し、最大で120℃で60分間、マイクロ波(CEM Discover(登録商標))中で照射する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、残留物をDMSO中に吸収させ、カラムクロマトグラフィーにより精製する。収量:8mg(16%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルアセトアミド;
LC−MS保持時間:1.53分;
例4
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルアセトアミド(「A7」)の製造
100mgの「A2」を3mlの塩化チオニルに懸濁させ、23℃で12時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、残留物を4mlのテトラヒドロフラン中に吸収させる。この溶液を、35μlのtert−ブチルアミンおよび46μlのN−エチルジイソプロピルアミンを2mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に加える。23℃で2時間後、混合物を真空中で蒸発乾固させ、アセトニトリル中に吸収させ、カラムクロマトグラフィーにより精製する。収量:32mg(29%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルアセトアミド;LC−MS保持時間:1.77分;
例5
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチルアセトアミド(「A8」)の製造
119.7mgのO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、44.4μlのジエチルアミンおよび157.8μlの4−メチルモルホリンを、100mgの「A2」を1mlのジメチルホルムアミドに溶解した溶液に加える。その後混合物を、25℃で12時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、1mlのジメチルスルホキシド中に吸収させ、クロマトグラフィー(逆相HPLC)により精製する。
収量:60mg(52%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチルアセトアミド;LC−MS保持時間:1.76分;
以下の化合物が、同様にして得られる:
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジメチルアセトアミド(「A9」);
LC−MS保持時間:1.50分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−N−メチルアセトアミド(「A10」);
LC−MS保持時間:1.59分;
回転異性体混合物。
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアセトアミド(「A11」);
LC−MS保持時間:1.38分;
回転異性体混合物。
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルアセトアミド(「A12」);
LC−MS保持時間:1.46分;
回転異性体混合物。
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−エチルアセトアミド(「A59」);
LC−MS保持時間:1.26分;
回転異性体混合物。
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−1−ピロリジン−1−イルエタノン(「A13」);
収量:53mg(46%);LC−MS保持時間:1.64分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−1−(2−メチルピロリジン−1−イル)エタノン(「A14」)
LC−MS保持時間:1.71分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−1−(2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)エタノン(「A15」);
LC−MS保持時間:1.81分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−メチルアセトアミド(「A16」);
LC−MS保持時間:1.39分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノン(「A17」)
LC−MS保持時間:1.16分;
例6
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−1−ピペラジン−1−イルエタノン(「A18」)の製造
ステップ1:4−[2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]アセチル]ピペラジン−1−tert−ブチルカルボキシレート
当該化合物は、前のプロセス(例5)に従って得られる。LC−MS保持時間:1.88分。
ステップ2:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−1−ピペラジン−1−イルエタノン
4−[2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]アセチル]ピペラジン−1−tert−ブチルカルボキシレートを、5mlのジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1:1)に溶解し、23℃で60分間撹拌する。混合物を、その後真空中で蒸発乾固させ、1mlのDMSO中に吸収させ、逆相で分取的に精製する。収量:100mg(84%);LC−MS保持時間:1.16分;
以下の化合物が、例5と同様にして得られる:
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−メチル−N−[(3−メチルイミダゾール−4−イル)メチル]アセトアミド(「A19」)
LC−MS保持時間:1.22分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルシクロプロパンカルボキサミド(「A20」)
LC−MS保持時間:1.92分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルシクロプロパンカルボキサミド(「A21」)
LC−MS保持時間:1.66分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド(「A22」)
LC−MS保持時間:1.50分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−N−メチルシクロプロパンカルボキサミド(「A23」)
LC−MS保持時間:1.69分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチルシクロプロパンカルボキサミド(「A24」)
LC−MS保持時間:1.79分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルシクロプロパンカルボキサミド(「A25」)
LC−MS保持時間:1.48分;
回転異性体混合物。
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルシクロプロパンカルボキサミド(「A26」)
LC−MS保持時間:1.54分;
[2−アミノ−6−[1−(ピロリジン−1−カルボニル)シクロプロピル]キナゾリン−4−イル]イソインドリン−2−イルメタノン(「A27」)
LC−MS保持時間:1.68分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−エチルシクロプロパンカルボキサミド(「A28」)
LC−MS保持時間:1.31分;
回転異性体混合物。
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルシクロブタンカルボキサミド(「A29」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸[「A61」]のtert−ブチルアミンとの反応による製造)
LC−MS保持時間:1.99分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルシクロブタンカルボキサミド(「A30」)
LC−MS保持時間:1.73分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−メチルシクロブタンカルボキサミド(「A31」)
LC−MS保持時間:1.66分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−プロピルシクロブタンカルボキサミド(「A32」)
LC−MS保持時間:1.83分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)シクロブタンカルボキサミド(「A33」)
LC−MS保持時間:1.05分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−イソブチルシクロブタンカルボキサミド(「A34」)
LC−MS保持時間:1.93分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチル−2−メチル−プロパンアミド(「A35」)
(2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸[「A62」]のtert−ブチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.54分(「無極性の」勾配);
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−2−メチル−プロパンアミド(「A36」)
LC−MS保持時間:1.19分(「無極性の」勾配);
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−イソブチル−2−メチル−プロパンアミド(「A37」)
LC−MS保持時間:1.47分(「無極性の」勾配);
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−プロピル−2−メチル−プロパンアミド(「A38」)
LC−MS保持時間:1.33分(「無極性の」勾配);
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−メチルプロパンアミド(「A39」)
LC−MS保持時間:1.48分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−シアノエチル)−2−メチルプロパンアミド(「A40」)
LC−MS保持時間:1.64分:
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−メチル−5,5−ジフルオロ−ペンタンアミド(「A41」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸[「A63」]のメチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.26分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−5,5−ジフルオロ−ペンタンアミド(「A42」)
LC−MS保持時間:1.76分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルペンタンアミド(「A43」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸[「A64」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.77分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルヘキサンアミド(「A44」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸[「A65」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.89分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−5−メチル−ヘキサンアミド(「A45」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5−メチルヘキサン酸[「A70」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:2.04分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−4−メチル−ペンタンアミド(「A46」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]4−メチルペンタン酸[「A71」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.92分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−3−メチル−ペンタンアミド(「A47」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3−メチルペンタン酸[「A72」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.24分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−3−メチル−ブタンアミド(「A48」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3−メチルブタン酸[「A73」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.80分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブタンアミド(「A49」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブタン酸[「A75」]のエチルアミンとの反応による製造;
LC−MS保持時間:1.24分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N’−エチル−2−メチレンペンタンジアミド(「A50」)
(1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸[「A74」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.66分。
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−N−エチル−5,5−ジフルオロペンタンアミド(「A51」)
(2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸[「A66」]のエチルアミンとの反応による製造;
LC−MS保持時間:1.99分。
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロ−N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ペンタンアミド(「A52」)
LC−MS保持時間:2.25分(「無極性の」勾配)。
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルシクロペンタンカルボキサミド(「A53」)
(2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロペンタンカルボン酸[「A68」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.84分;
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチルテトラヒドロピラン−4−カルボキサミド(「A54」)
(2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボン酸[「A69」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.59分;
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−2−メチル−ペンタンアミド(「A55」)
(2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル−2−メチルペンタン酸[「A67」]のエチルアミンとの反応による製造);
LC−MS保持時間:1.48分;
例7
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸エチル(「A56」)および1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸(「A57」)の製造
ステップ1:1−(4−ニトロフェニル)シクロプロパンカルボン酸エチル
20gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを30mlのDMFに溶解し、4gの水素化ナトリウムを20mlのDMFに懸濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加する。その後8.5mlのジブロモエタンを加え、混合物を55℃で1時間撹拌する。さらなる5gの水素化ナトリウムおよび8.5mlのジブロモエタンを、氷冷しながら加え、次いで混合物を50℃で2時間撹拌する。冷却後、反応混合物を、100mlの1N塩酸および200gの氷の混合物中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlのジエチルエーテルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を100mlの塩化ナトリウム溶液で1回、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物を、カラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:8.5g(38%)のエチル1−(4−ニトロフェニル)シクロプロパンカルボキシレート;LC−MS保持時間:2.01分(「無極性の」勾配);
ステップ2:1−(4−アミノフェニル)シクロプロパンカルボン酸エチル
11.3gの1−(4−ニトロフェニル)シクロプロパンカルボン酸エチルを、110mlのテトラヒドロフランに溶解し、1gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気の後、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:9.8g(100%)の1−(4−アミノフェニル)シクロプロパンカルボン酸エチル;LC−MS保持時間:1.18分(「無極性の」勾配)。
ステップ3:2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニルシクロプロパンカルボン酸エチル
9gの抱水クロラールを50mlの水に溶解し、14gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。10gの1−(4−アミノフェニル)シクロプロパンカルボン酸塩酸エチルを50mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。20mlの水中の10gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で90分間撹拌する。その後混合物を放冷し、その間沈殿物が沈殿する。これを濾別し、水で洗浄し、40℃で真空中で乾燥させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。
収量:12.5g(95%)の2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニルシクロプロパンカルボン酸エチル;
LC−MS保持時間:1.48分。
ステップ4:1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル))シクロプロパン酸
12.5gの2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニルシクロプロパンカルボン酸エチルを、分割して30mlの硫酸(98%)に50℃で加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物をさらに30分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。得られた沈殿物を濾別し、水で洗浄する。40℃で真空中で乾燥させることによって、6.5g(62%)の(2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)シクロプロパンカルボン酸が得られる;
LC−MS保持時間:1.40分。
ステップ5:1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)シクロプロパン酸エチル
6.5gの(2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)シクロプロパンカルボン酸を100mlのエタノールに溶解し、500mgのトルエン−4−スルホン酸一水和物を加える。混合物を80℃で1時間加熱し、その後真空中で蒸発させる。残留物を100mlの水および100mlの酢酸エチル中に吸収させ、60℃でさらに12時間撹拌する。混合物を炭酸水素ナトリウムを用いて中和し、有機相を分離する。水相を、各々の回において100mlの酢酸エチルでさらに2回洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させ、6.7g(92%)の1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)シクロプロパンカルボン酸エチルが得られる;LC−MS保持時間:1.30分。
ステップ6:5−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソ−インドリン
6gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを、100mlのテトラヒドロフラン中の6.7gの1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル))シクロプロパンカルボン酸エチルおよび15mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、混合物をその後23℃で12時間撹拌する。混合物を23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:9.3g(100%)の5−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;
LC−MS保持時間:2.20分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸エチル
3.2gのイソインドリンを、100mlのテトラヒドロフラン中の9.3gの5−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、混合物をその後23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、4.0g(32%)の1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸エチルが得られる;
LC−MS保持時間:2.63分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸エチル(「A56」)
670mgの1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸エチルを、15mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。213mgのフッ化セシウムおよび380μlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、2.7mlの塩酸(1N)を次に加え、生成物が白色固体として沈殿する。収量:510mg(91%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸エチル;LC−MS保持時間:1.65分(「無極性の」勾配);
ステップ9:1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸(「A57」)
400mgの1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸エチルを14mlのテトラヒドロフランに溶解し、3.5mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を23℃で12時間撹拌し、真空中で蒸発乾固させ、10mlの水中に吸収させ、1mlの25%塩酸を用いてpH2に調整する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:250mg(67%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロプロパンカルボン酸;LC−MS保持時間:1.63分;
例8
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸(「A61」)の製造
ステップ1:1−(4−ニトロフェニル)シクロブタンカルボン酸エチル
10gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを100mlのDMFに溶解し、4.97gの水素化ナトリウムを20mlのDMFに縣濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。6.6mlの1,3−ジブロモプロパンをその後加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。その後、反応混合物を100mlの1N塩酸および200gの氷の混合物中に撹拌して加える。混合物を各々の回において100mlの酢酸エチルで4回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を100mlの塩化ナトリウム溶液で1回、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過の後に真空中で蒸発乾固させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:5.5g(46%)の1−(4−ニトロフェニル)シクロブタンカルボン酸エチル;LC−MS保持時間:2.21分(「無極性の」勾配);
ステップ2:1−(4−アミノフェニル)シクロブタンカルボン酸エチル
5.5gの1−(4−ニトロフェニル)シクロブタンカルボン酸エチルを55mlのテトラヒドロフランに溶解し、2gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気の後に、不溶性の物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:4.3g(89%)の1−(4−アミノフェニル)シクロブタンカルボン酸エチル;LC−MS保持時間:2.05分(「無極性の」勾配)。
ステップ3:2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニルシクロブタンカルボン酸エチル
6.25gの抱水クロラールを180mlの水に溶解し、9.39gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。6.9gの1−(4−アミノフェニル)シクロブタンカルボン酸塩酸エチルを50mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。20mlの水中の7.65gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で5時間撹拌する。混合物をその後放冷し、その間油が沈殿する。この混合物を、各々の回において50mlのジクロロメタンで3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いる:
収量:9.1g(100%)の2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニルシクロブタンカルボン酸エチル;LC−MS保持時間:2.02分。
ステップ4:1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル))シクロブタン酸
8.0gの2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニルシクロブタンカルボン酸エチルを、分割して30mlの硫酸(98%)に50℃で加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物を50℃でさらに120分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。混合物を各々の回において200mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:7.2g(100%)の1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)シクロブタン酸;
LC−MS保持時間:1.51分。
ステップ5:1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル))シクロブタンカルボン酸エチル
7.2gの1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)シクロブタンカルボン酸を100mlのエタノールに溶解し、500mgのトルエン−4−スルホン酸一水和物を加える。混合物を80℃で1時間加熱し、その後真空中で蒸発させる。残留物を100mlの水および100mlの酢酸エチル中に吸収させ、水相を分離する。水相を各々の回において100mlの酢酸エチルでさらに2回洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(逆相)によって精製し、2.4g(30%)のエチル1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)シクロブタンカルボキシレートが得られる;LC−MS保持時間:1.99分;
ステップ6:5−(1−エトキシカルボニルシクロブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソ−インドリン
2.2gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを、50mlのテトラヒドロフラン中の2.4gの1−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル))シクロブタン酸エチルおよび5mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、その後、混合物を23℃で12時間撹拌する。混合物を23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:3.3g(100%)の5−(1−エトキシカルボニルシクロブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;LC−MS保持時間:2.35分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル
1.049gのイソインドリンを、50mlのテトラヒドロフラン中の3.3gの5−(1−エトキシカルボニルシクロブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、混合物をその後23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、1.2g(28%)の1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチルが得られる;LC−MS保持時間:2.75分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸エチル
1.2gの1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソ−アセチル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチルを、50mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。370mgのフッ化セシウムおよび679μlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを、溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、6mlの塩酸(1N)を次に加え、混合物を重炭酸塩を用いて中和する。水相を3回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:1g(99%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸エチル(油);
LC−MS保持時間:1.75分(「無極性の」勾配)。
ステップ9:1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸
1.0gの1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸エチルを15mlのテトラヒドロフランに溶解し、10mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で4時間撹拌し、その後真空中で蒸発させる。次に混合物を氷冷しながら3mlの25%塩酸を用いてpH2に調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:800mg(86%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロブタンカルボン酸;LC−MS保持時間:1.32分。
例9
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチル−プロパン酸(「A62」)の製造
ステップ1:2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)プロパン酸エチル
10gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを100mlのDMFに溶解し、4.97gの水素化ナトリウムを20mlのDMFに懸濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後7.14mlのヨウ化メチルを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。反応混合物を、その後100mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を100mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:8.2g(72%)の2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)プロパン酸エチル;LC−MS保持時間:2.39分。
ステップ2:2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパン酸エチル
8.7gの2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)プロパン酸エチルを90mlのテトラヒドロフランに溶解し、2gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気後、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:7.3g(97%)の2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパン酸エチル;LC−MS保持時間:2.39分。
ステップ3:2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]−2−メチルプロパン酸エチル
7.23gの抱水クロラールを180mlの水に溶解し、10.87gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。7.55gの2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパン酸塩酸エチルを50mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。20mlの水中の8.86gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で5時間撹拌する。その後混合物を放冷し、その間オレンジ色油が沈殿する。この混合物を各々の回において50mlのジクロロメタンで3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。
収量:10.0g(98%)の2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]−2−メチルプロパン酸エチル;LC−MS保持時間:1.92分。
ステップ4:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−2−メチルプロパン酸エチル
8.0gの2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]−2−メチル−プロパン酸エチルを、分割して30mlの硫酸(98%)に50℃で加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物を50℃でさらに120分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。混合物を3回、各々の回において200mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:7.2g(100%)のエチル2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−2−メチル−プロパノエートが得られた;LC−MS保持時間:1.80分;
ステップ5:5−(2−エトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル))−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン
2.51gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを、50mlのテトラヒドロフラン中の3.0gの2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−2−メチルプロパン酸エチルおよび50mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、その後、混合物を23℃で12時間撹拌する。混合物を、23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:4.1g(99%)の5−(2−エトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル))−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;LC−MS保持時間:2.25分(「無極性の」勾配)。
ステップ6:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルプロパン酸エチル
1.368gのイソインドリンを、50mlのテトラヒドロフラン中の4.15gの5−(2−エトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル))−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、その後、混合物を23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、3.2g(58%)の2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルプロパン酸エチルが得られる;LC−MS保持時間:2.68分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸エチル
3.2gの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルプロパン酸エチルを、100mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。1.012gのフッ化セシウムおよび1.81mlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを、溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、14mlの塩酸(1N)を次に加え、混合物を重炭酸塩を用いて中和する。水相を3回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:2.4g(89%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸エチル(油);
LC−MS保持時間:2.29分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸
2.4gの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸エチルを40mlのテトラヒドロフランに溶解し、25mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で4時間撹拌し、その後真空中で蒸発させる。次に混合物を、7mlの25%塩酸を用いて氷冷しながらpH2に調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:2.0g(90%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸;
LC−MS保持時間:1.23分(「無極性の」勾配)。
例10
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸(「A63」)の製造
ステップ1:2−(4−アミノフェニル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノエートおよびエチル4−アミノフェニル−2−(3,3−ジフルオロアリル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチル
7.113gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを60mlのDMFに溶解し、3.4gの水素化ナトリウムを40mlのDMFに懸濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後8.8gの1,3−ジブロモ−1,1,−ジフルオロプロパンを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。反応混合物を、その後100mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を100mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物を、カラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。
収量:5.4g(56%)の2−(4−アミノフェニル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチル;LC−MS保持時間:2.21分(「無極性の」勾配);
および2.4g(25%)の4−アミノフェニル−2−(3,3−ジフルオロアリル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノエート;LC−MS保持時間:2.49分(「無極性の」勾配);
ステップ2:2−(4−アミノフェニル−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
5.4gの2−(4−アミノフェニル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチルを60mlのテトラヒドロフランに溶解し、2gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気後、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:5.0g(99%)の2−(4−アミノフェニル−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:1.67分。
ステップ3:5,5−ジフルオロ−2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチル
3.804gの抱水クロラールを40mlの水に溶解し、5.68gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。5.0gの2−(4−アミノフェニル−5,5−ジフルオロペンタン酸塩酸エチルを40mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。20mlの水中の4.169gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で5時間撹拌する。混合物をその後放冷し、その間オレンジ色油が沈殿する。この混合物を3回、各々の回において50mlのジクロロメタンで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いた。収量:5.0g(78%)の5,5−ジフルオロ−2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:1.99分。
ステップ4:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
6.0gの5,5−ジフルオロ−2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチルを、分割して30mlの硫酸(98%)に50℃で加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物を50℃でさらに120分間撹拌し、その後200mlの氷水中に注ぐ。混合物を、各々の回において200mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:4.2g(74%)の2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:1.95分。
ステップ5:5−(1−エトキシカルボニル−4,4−ジフルオロブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン
3.71gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを、50mlのテトラヒドロフラン中の4.0gの2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルおよび50mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、その後混合物を23℃で12時間撹拌する。混合物を23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:5.3g(99%)の5−(1−エトキシカルボニル−4,4−ジフルオロブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;LC−MS保持時間:2.24分(「無極性の」勾配)。
ステップ6:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
1.53gのイソインドリンを、50mlのテトラヒドロフラン中の5.29gの5−(1−エトキシカルボニル−4,4−ジフルオロブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、その後混合物を23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、1.7g(25%)の2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルが得られる;LC−MS保持時間:2.62分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
1.7gの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルを、50mlのアセトニトリルにアルゴン下で溶解する。486mgのフッ化セシウムおよび869μlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを、溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、6mlの塩酸(1N)を次に加え、重炭酸塩を用いて混合物を中和する。水相を3回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:1.4g(96%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル(油);LC−MS保持時間:1.71分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸
1.2gの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルを、15mlのテトラヒドロフランに溶解し、10mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で4時間撹拌し、その後真空中で蒸発させる。混合物を、次に25%塩酸を用いて氷冷しながらpH2に調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:800mg(71%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5,5−ジフルオロペンタン酸;LC−MS保持時間:1.35分(「無極性の」勾配)。
例11
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸(「A64」)の製造
ステップ1:2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸エチル
6.694gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを30mlのDMFに溶解し、1.4gの水素化ナトリウムを30mlのDMFに懸濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後20mlのDMF中の2.91mlの1−ブロモプロパンを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。その後反応混合物を100mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を、100mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物を、カラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:5.3g(66%)の2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸;LC−MS保持時間:2.28分(「無極性の」勾配)。
ステップ2:2−(4−アミノフェニル)ペンタン酸エチル
5.3gの2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸エチルを55mlのテトラヒドロフランに溶解し、1gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気後に、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:4.7g(99%)の2−(4−アミノフェニル)ペンタン酸エチル(油);LC−MS保持時間:1.40分(「無極性の」勾配)。
ステップ3:2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチル
4.135gの抱水クロラールを50mlの水に溶解し、6.11gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。4.7gの2−(4−アミノフェニル)ペンタン酸塩酸エチルを50mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。20mlの水中の5.11gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを、得られた懸濁液に加え、混合物を、60℃で5時間撹拌する。混合物をその後放冷し、その間オレンジ色油が沈殿する。この混合物を、各々の回において50mlのジクロロメタンで3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物をさらに精製せずに次の反応において用いる。
収量:5.2g(78%)の2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:1.76分(「無極性の」勾配)。
ステップ4:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸エチル
30mlの硫酸(98%)を分割して6.2gの2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチルに加え、その間に温度は60℃へと上昇する。添加が完了した際に、混合物を、50℃でさらに120分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。混合物を各々の回において200mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:5.3g(2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸エチルおよび2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸の比率20:80での混合物);LC−MS保持時間:2.08分(エステル)および1.62分(酸)。
ステップ5:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸エチル
前の反応から得られた2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸エチルおよび2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸(5.3g)の混合物を100mlのエタノールに溶解し、500mgのトルエン−4−スルホン酸と共に70℃で4時間撹拌する。その後混合物を、真空中で蒸発させ、50mlの酢酸エチル中に吸収させ、50mlの水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、蒸発乾固させる。収量:5.5g(94%)の2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:2.08分。
ステップ6:5−(1−エトキシカルボニルブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン
4.80gのジ−tert−ブチルジカーボネートを、100mlのテトラヒドロフラン中の5.5gのエチル2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタノエートおよび50mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、混合物を、その後23℃で12時間撹拌する。混合物を、23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:7.3g(99%)の5−(1−エトキシカルボニルブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;LC−MS保持時間:2.42分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]ペンタン酸エチル
1.12gのイソインドリンを、50mlのテトラヒドロフラン中の3.5gの5−(1−エトキシカルボニルブチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、その後混合物を23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、1.4g(30%)の2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]ペンタン酸エチルが得られる;LC−MS保持時間:2.78分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸エチル
1.4gの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]ペンタン酸エチルを、50mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。431mgのフッ化セシウムおよび769μlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、次に6mlの塩酸(1N)を加え、混合物を重炭酸塩を用いて中和する。水相を3回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:1.1g(92%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸エチル(油);LC−MS保持時間:1.84分(「無極性の」勾配)。
ステップ9:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸
1.2gの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸エチルを15mlのテトラヒドロフランに溶解し、10mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で4時間撹拌し、その後真空中で蒸発させる。次に、混合物を25%塩酸を用いて氷冷しながらpH2に調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:800mg(72%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ペンタン酸;LC−MS保持時間:1.40分(「無極性の」勾配)。
例12
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸(「A65」)の製造
ステップ1:2−(4−ニトロフェニル)ヘキサン酸
10.46gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを30mlのDMFに溶解し、2.0gの水素化ナトリウムを20mlのDMFに懸濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後、20mlのDMF中の5.394mlの1−ブロモブタンを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。その後、反応混合物を100mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を100mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:11g(83%)の2−(4−ニトロフェニル)ヘキサン酸エチル;LC−MS保持時間:2.44分(「無極性の」勾配)。
ステップ2:2−(4−アミノフェニル)ヘキサン酸エチル
5.5gの2−(4−ニトロフェニル)ヘキサン酸エチルを55mlのテトラヒドロフランに溶解し、1gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気後固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:4.8g(99%)の2−(4−アミノフェニル)ヘキサン酸エチル(油);LC−MS保持時間:1.73分(「無極性の」勾配)。
ステップ3:2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ヘキサン酸エチル
4.135gの抱水クロラールを50mlの水に溶解し、6.11gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。4.8gの2−(4−アミノフェニル)ヘキサン酸塩酸エチルを50mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。20mlの水中の5.11gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で5時間撹拌する。混合物をその後放冷し、その間オレンジ色油が沈殿する。この混合物を3回、各々の回において50mlのジクロロメタンで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:5.0g(80%)の2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ヘキサン酸エチル;
LC−MS保持時間:1.92分(「無極性の」勾配)。
ステップ4:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸エチル
30mlの硫酸(98%)を分割して6.2gの2−[4−[[(2Z/E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ヘキサン酸エチルに加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物を50℃でさらに120分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。混合物を各々の回において200mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で3回洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:5.6g(2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸エチルおよび2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸の比率1:3.5での混合物);LC−MS保持時間:1.89分(エステル)および1.35分(酸)(「無極性の」勾配)。
ステップ5:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸エチル
前の反応から得られた2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸エチルおよび2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ペンタン酸(5.6g)のた混合物を100mlのエタノールに溶解し、500mgのトルエン−4−スルホン酸と共に70℃で4時間撹拌する。混合物をその後真空中で蒸発させ、50mlの酢酸エチル中に吸収させ、50mlの水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、蒸発乾固させる。収量:4.8g(79%)の2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸エチル;LC−MS保持時間:1.89分(「無極性の」勾配)。
ステップ6:5−(1−エトキシカルボニルペンチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン
3.93gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを100mlのテトラヒドロフラン中の4.75gの2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)ヘキサン酸エチルおよび50mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、その後、混合物を23℃で12時間撹拌する。混合物を、23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:6.4g(99%)の5−(1−エトキシカルボニルペンチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;LC−MS保持時間:2.55分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]ヘキサン酸エチル
1.95gのイソインドリンを100mlのテトラヒドロフラン中の6.4gの5−(1−エトキシカルボニルペンチル)−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、混合物をその後23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、3.8g(46%)の2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]ヘキサン酸エチルが得られる;LC−MS保持時間:2.89分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸エチル
3.8gの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]ヘキサン酸エチルを100mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。1.12gのフッ化セシウムおよび2.01mlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、次に6mlの塩酸(1N)を加え、混合物を重炭酸塩を用いて中和する。水相を3回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:3.2g(99%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸エチル(油);
LC−MS保持時間:1.92分(「無極性の」勾配)。
ステップ9:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸
1.0gの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸エチルを15mlのテトラヒドロフランに溶解し、10mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で4時間撹拌し、その後真空中で蒸発させる。次に、混合物を氷冷しながら25%塩酸を用いてpH2に調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られる沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:550mg(59%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ヘキサン酸;
LC−MS保持時間:1.52分(「無極性の」勾配)。
例13
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸(「A66」)の製造
ステップ1:2−(4−アミノフェニル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチルおよび4−アミノフェニル)−2−(3,3−ジフルオロアリル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチル
7.113gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを60mlのDMFに溶解し、3.4gの水素化ナトリウムを40mlのDMFに縣濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後、8.8gの1,3−ジブロモ−1,1,−ジフルオロプロパンを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。その後、反応混合物を100mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を100mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。
収量:5.4g(56%)の2−(4−アミノフェニル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチル;LC−MS保持時間:2.21分(「無極性の」勾配);
および2.4g(25%)の4−アミノフェニル−2−(3,3−ジフルオロアリル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチル;LC−MS保持時間:2.49分(「無極性の」勾配);
ステップ2:2−(4−アミノフェニル)−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
2.4gの2−(4−アミノフェニル)−2−(3,3−ジフルオロアリル)−5,5−ジフルオロペンタ−4−エノン酸エチルを30mlのテトラヒドロフランに溶解し、1gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を23℃で水素雰囲気下で1時間撹拌する。曝気後、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:2.3g(99%)の2−(4−アミノフェニル)−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:2.09分。
ステップ3:2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチル
1.241gの抱水クロラールを15mlの水に溶解し、1.99gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。7.55gの2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパン酸塩酸エチルを50mlの水に溶解した溶液を、この溶液に加える。10mlの水中の2.3gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で5時間撹拌する。混合物をその後放冷し、その間オレンジ色油が沈殿する。この混合物を3回、各々の回において50mlのジクロロメタンで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。
収量:2.4g(86%)の2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチル;
LC−MS保持時間:1.86分。
ステップ4:2−(3,3−ジフルオロプロピル)−2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
3.0gの2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]ペンタン酸エチルを、20mlの硫酸(98%)に50℃で分割して加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物を50℃でさらに120分間撹拌し、その後400mlの氷水中に注ぐ。混合物を3回、各々の回において200mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:1.9g(66%)の2−(3,3−ジフルオロプロピル)−2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルが得られた;LC−MS保持時間:2.17分。
ステップ5:5−[1−(3,3−ジフルオロプロピル)−1−エトキシカルボニル−4,4−ジフルオロブチル]−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン
1.419gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを50mlのテトラヒドロフラン中の1.9gのエチル2−(3,3−ジフルオロプロピル)−2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−5,5−ジフルオロペンタノエートおよび50mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、その後混合物を23℃で12時間撹拌する。混合物を23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:2.4g(99%)の5−[1−(3,3−ジフルオロプロピル)−1−エトキシカルボニル−4,4−ジフルオロブチル]−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;
LC−MS保持時間:2.38分(「無極性の」勾配)。
ステップ6:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
584mgのイソインドリンを、30mlのテトラヒドロフラン中の2.4gの5−[1−(3,3−ジフルオロプロピル)−1−エトキシカルボニル−4,4−ジフルオロブチル]−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、その後混合物を23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、700mg(24%)の2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルが得られる;
LC−MS保持時間:2.72分(「無極性の」勾配)。
ステップ7:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチル
700mgの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルプロパン酸エチルを、20mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。175mgのフッ化セシウムおよび317μlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを、溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、その後3mlの塩酸(1N)を加え、混合物を重炭酸塩を用いて中和する。水相を3回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:630mg(100%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルプロパン酸エチル(油);LC−MS保持時間:2.29分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸
500mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸エチルを7mlのテトラヒドロフランに溶解し、5mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で4時間撹拌し、その後真空中で蒸発させる。次に、混合物を氷冷しながら3mlの25%塩酸を用いてpH2に調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:170mg(36%)の2−[2−2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−(3,3−ジフルオロプロピル)−5,5−ジフルオロペンタン酸;
LC−MS保持時間:1.58分(「無極性の」勾配)。
例14
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルペンタン酸(「A67」)の製造
ステップ1:2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸
10gの4−ニトロフェニル酢酸エチルを30mlのDMFに溶解し、2.1gの水素化ナトリウムを20mlのDMFに縣濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後3mlのヨウ化メチルを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。反応混合物を、その後100mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において100mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を、100mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物を、カラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:6.7g(33%)の2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸;LC−MS保持時間:2.33分。
ステップ2:2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸
3.35gの2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸を、20mlのDMFに溶解し、720mgの水素化ナトリウムを10mlのDMFに縣濁させた懸濁液に氷冷しながら滴加し、30分間撹拌する。その後1.55mlの1−ブロモプロパンを加え、混合物を23℃で12時間撹拌する。反応混合物を、その後25mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に撹拌して加える。混合物を4回、各々の回において25mlの酢酸エチルで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を50mlの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後に真空中で蒸発乾固させる。残留物を、カラムクロマトグラフィー(逆相)により精製する。収量:2.7g(68%)の2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸;LC−MS保持時間:2.50分;
ステップ3:2−(4−アミノフェニル)−2−メチルペンタン酸エチル
2.6gの2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)ペンタン酸を30mlのテトラヒドロフランに溶解し、1gの5%Pd/C(52.3%の水)を加え、混合物を水素雰囲気下、23℃で1時間撹拌する。曝気後、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。収量:2.2g(95%)のエチル2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパノエート;LC−MS保持時間:1.99分。
ステップ4:2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]−2−メチルペンタン酸エチル
1.819gの抱水クロラールを20mlの水に溶解し、2.841gのNa2SO4を加え、混合物を23℃で10分間撹拌する。2.3gの2−(4−アミノフェニル)−2−メチルペンタン酸塩酸エチルを20mlの水に溶解した溶液をこの溶液に加える。10mlの水中の2.1gのヒドロキシルアンモニウムクロリドを得られた懸濁液に加え、混合物を60℃で4時間撹拌する。その後混合物を放冷し、その間オレンジ色油が沈殿する。この混合物を3回、各々の回において50mlのジクロロメタンで洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた混合物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。
収量:2.8g(94%)の2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]−2−メチルペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:2.23分。
ステップ5:2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−2−メチルペンタン酸エチル
2.8gの2−[4−[[(2E)−2−ヒドロキシイミノアセチル]アミノ]フェニル]−2−メチルプロパン酸エチルを、分割して15mlの硫酸(98%)に50℃で加え、その間温度は60℃に上昇する。添加が完了した際に、混合物を50℃でさらに120分間撹拌し、その後100mlの氷水中に注ぐ。混合物を3回、各々の回において50mlのジクロロメタン/エタノール(9:1)で洗浄し、混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、真空中で蒸発乾固させる。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の反応において用いる。収量:1.2g(35%)の2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−2−メチルペンタン酸エチル;LC−MS保持時間:2.23分。
ステップ6:5−(2−エトキシ−1−メチルブチル−2−オキソエチル))−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン
1.0gのジカルボン酸ジ−tert−ブチルを、30mlのテトラヒドロフラン中の1.2gの2−(2,3−ジオキソインドリン−5−イル)−2−メチルペンタン酸エチルおよび50mgの4−ジメチルアミノピリジンに加え、その後混合物を23℃で12時間撹拌する。混合物を、23℃で真空中で蒸発させ、さらに直接加工する。収量:1.6g(99%)の5−(2−エトキシ−1−メチルブチル−2−オキソエチル))−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリン;LC−MS保持時間:2.82分。
ステップ7:2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルペンタン酸エチル
0.489gのイソインドリンを、20mlのテトラヒドロフラン中の1.6gの5−(2−エトキシ−1−メチルブチル−2−オキソエチル))−1−tert−ブトキシカルボニル−2,3−ジオキソインドリンに加え、その後混合物を23℃で1時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィーにより精製し、200mg(10%)の2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルペンタン酸エチルが得られる;
LC−MS保持時間:2.98分(「無極性の」勾配)。
ステップ8:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルペンタン酸エチル
200mgの2−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−イソインドリン−2−イル−2−オキソアセチル)フェニル]−2−メチルペンタン酸エチルを、10mlのアセトニトリルにアルゴンの下で溶解する。61mgのフッ化セシウムおよび106μlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを、溶液に加える。混合物を室温で15分間撹拌し、次に6mlの塩酸(1N)を加え、混合物を重炭酸塩を用いて中和する。水相を3回、各々の回において20mlの酢酸エチルで洗浄する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発乾固させる。収量:150mg(88%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルペンタン酸エチル(油);LC−MS保持時間:1.97分(「無極性の」勾配)。
ステップ9:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル−2]−メチルペンタン酸
150mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル−2−メチルペンタン酸エチルを2mlのテトラヒドロフランに溶解し、2mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加える。混合物を50℃で12時間撹拌し、その後テトラヒドロフランを真空中で除去する。混合物を4mlの水で希釈し、次に氷冷しながら25%塩酸を用いてpH2に滴加して調整すると、黄色結晶が沈殿する。得られた沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させる。収量:80mg(57%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチルペンタン酸;
LC−MS保持時間:1.51分。
例15
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロペンタンカルボン酸(「A68」)の製造
188mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを1mlのDMFに懸濁させ、60μlの1,4−ジブロモブタンを加える。その後80mgの水素化ナトリウムを氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに10mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を70℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:83mg(41%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]シクロペンタンカルボン酸;LC−MS保持時間:2.13分。
例16
2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(「A69」)の製造
188mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを1mlのDMFに懸濁させ、1mlのビス(2−ブロモエチル)エーテルを加える。その後80mgの水素化ナトリウムを氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに10mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を70℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:50mg(24%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボン酸;LC−MS保持時間:2.01分。
例17
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5−メチル−ヘキサン酸(「A70」)の製造
94mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを1mlのDMFに懸濁させ、31μlの1−ブロモ−3−メチルブタンを加える。10mgの水素化ナトリウムをその後氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに10mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を60℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:48mg(46%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5−メチルヘキサン酸;LC−MS保持時間:2.05分。
例18
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]4−メチルペンタン酸(「A71」)の製造
188mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを1mlのDMFに懸濁させ、54μlの1−ブロモ−2−メチルプロパンを加える。その後20mgの水素化ナトリウムを氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに20mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を60℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:139mg(69%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]4−メチルペンタン酸;LC−MS保持時間:1.93分。
例19
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3−メチルペンタン酸(「A72」)の製造
188mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを、1mlのDMFに懸濁させ、54μlの1−ブロモブタンを加える。その後20mgの水素化ナトリウムを氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに20mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を60℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:81mg(40%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3−メチルペンタン酸;LC−MS保持時間:1.91分。
例20
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3−メチルブタン酸(「A73」)の製造
188mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを1mlのDMFに懸濁させ、54μlの2−ブロモプロパンを加える。その後20mgの水素化ナトリウムを氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに20mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を60℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:78mg(40%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3−メチルブタン酸;LC−MS保持時間:1.81分。
例21
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸(「A74」)の製造
「A74」を、以下のスキームに従って得る:
ステップ1:O1−tert−ブチルO5−エチル4−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチレンペンタンジオエート
1gの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを、10mlのDMFに懸濁させ、1gの3−ブロモ−2−(ブロモメチル)プロパン酸tert−ブチルを加える。その後324mgの水素化ナトリウムを氷冷しながら加え、混合物を冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を50mlの飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぐと、沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。収量:900mg(66%)のO1−tert−ブチルO5−エチル4−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチレンペンタンジオエート;LC−MS保持時間:2.40分;
ステップ2:4−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチレンペンタン二酸O5−エチルエステル
200μlのトリフルオロ酢酸を、1mlのジクロロメタン中の100mgのO1−tert−ブチルO5−エチル4−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチレンペンタンジオエートに加え、混合物を23℃で3時間撹拌する。混合物を、その後真空中で蒸発乾固させ、さらに直接反応させる。
収量:70mg(76%)の4−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチレンペンタン二酸O5−エチルエステル;LC−MS保持時間:1.80分。
ステップ3:2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸エチル
1mlの塩化チオニルを23℃で90mgの4−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−2−メチレンペンタン二酸O5−エチルエステルに加え、混合物を1時間撹拌する。その後混合物を40℃で真空中で蒸発させ、1mlのテトラヒドロフラン中に吸収させ、ジオキサン中の0.5Mアンモニア溶液1mlを加える。30分後、混合物を真空中で蒸発させ、次の反応において直接用いる。収量:89mg(99%)の2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸エチル;LC−MS保持時間:1.66分。
ステップ4:1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸(「A74」)
89mgの1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸を、0.5mlのテトラヒドロフランおよび0.5mlのメタノールに溶解する。1mlの2N水酸化ナトリウム溶液をこの溶液に加え、混合物を23℃で2時間撹拌する。混合物を、次に1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。収量:69mg(83%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−カルバモイルペンタ−4−エン酸;LC−MS保持時間:1.39分。
例22
1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブタン酸(「A75」)の製造
188mgの2−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]酢酸エチルを1mlのDMFに懸濁させ、109mgの2−クロロ−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノンを加える。30mgの水素化ナトリウムを、その後氷冷しながら加え、混合物を、冷却しながらさらに30分間撹拌する。23℃で1時間後、混合物を再冷却し、さらに30mgの水素化ナトリウムを混合物に加える。混合物を23℃でさらに30分間撹拌し、1mlの2N水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を60℃で12時間撹拌する。23℃に冷却した後、混合物を1N塩酸の滴加によって酸性化すると、黄色沈殿物が生成する。これを濾別し、水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させる。
収量:210mg(86%)の1−[2−アミノ−4−(イソインドリン−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブタン酸;LC−MS保持時間:1.05分。
例23
[2−アミノ−6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]キナゾリン−4−イル]イソインドリン−2−イルメタノン(「A76」)の製造
75mgの(2−アミノ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)イソインドリン−2−イルメタノンを、2mlのテトラヒドロフランおよび7μlの水に、40mgのカリウム1−メチル−4−トリフルオロボラトメチルピペラジン、1mgの二酢酸パラジウム、4mgの((2,4,6トリイソプロピル)フェニル)ジシクロヘキシルホスフィンおよび176mgの炭酸セシウムと共に懸濁させ、混合物を、80℃で48時間撹拌する。冷却後、混合物を、珪藻土を通して濾過し、各々の回において5mlのテトラヒドロフランで3回洗浄し、濾液を真空中で蒸発乾固させる。残留物を分取HPLCによって精製し、表題化合物を単離する。
収量:42mg(53%)の[2−アミノ−6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]キナゾリン−4−イル]イソインドリン−2−イルメタノン;LC−MS保持時間:1.14分;
以下の化合物が、上述の例の製造と同様にして得られる:
N−ジメチル−2−アミノ−6−(1−エチルカルバモイルシクロブチル)キナゾリン−4−カルボキサミド(「A77」)
収量:20mg(15%)、LC−MS保持時間:1.24分;
N−メチルプロピル−2−アミノ−6−(1−エチルカルバモイルシクロブチル)キナゾリン−4−カルボキサミド(「A78」)
収量:135mg(43%)、LC−MS保持時間:1.48分;
N−ジエチル−2−アミノ−6−(1−エチルカルバモイルシクロブチル)キナゾリン−4−カルボキサミド(「A79」)
収量:51mg(30%)、LC−MS保持時間:1.48分;
N−ベンジルメチル−2−アミノ−6−(1−エチルカルバモイルシクロブチル)キナゾリン−4−カルボキサミド(「A80」)
収量:48mg(23%)、LC−MS保持時間:1.72分;
1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ジメチルアミノオキサリル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル(「A81」)
収量:306mg(49%)
LC−MS保持時間:2.46分(「無極性の」勾配);
1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メチルプロピルアミノオキサリル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル(「A82」)
収量:260mg(39%)
LC−MS保持時間:2.69分(「無極性の」勾配);
1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ジエチルアミノオキサリル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル(「A83」)
収量:255mg(45%)
LC−MS保持時間:2.68分(「無極性の」勾配);
1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ベンジルメチルアミノオキサリル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル(「A84」)
収量:322mg(43%)
LC−MS保持時間:2.84分(「無極性の」勾配);
1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メチルフェニルアミノオキサリル)フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル(「A85」)
収量:311mg(43%)
LC−MS保持時間:2.74分(「無極性の」勾配);
1−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソアセチル]フェニル]シクロブタンカルボン酸エチル(「A86」)
収量:296mg(42%)
LC−MS保持時間:1.42分(「無極性の」勾配);
1−(2−アミノ−4−ジメチルカルバモイルキナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸エチル(「A87」)
収量:280mg(100%)
LC−MS保持時間:1.67分;
1−(2−アミノ−4−(−メチルプロピルカルバモイル)キナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸エチル(「A88」)
収量:240mg(100%)
LC−MS保持時間:1.88分;
1−(2−アミノ−4−ジエチルカルバモイルキナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸エチル(「A89」)
収量:280mg(100%)
LC−MS保持時間:1.89分;
1−(2−アミノ−4−(ベンジルメチルカルバモイル)キナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸エチル(「A90」)
収量:305mg(100%)
LC−MS保持時間:2.09分;
1−(2−アミノ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)キナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸エチル(「A91」)
収量:250mg(100%)
LC−MS保持時間:1.33分。
1−(2−アミノ−4−ジメチルカルバモイルキナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸(「A92」)
収量:120mg(26%)
LC−MS保持時間:1.32分;
1−(2−アミノ−4−(−メチルプロピルカルバモイル)キナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸(「A93」)
収量:125mg(56%)。
LC−MS保持時間:1.52分;
1−(2−アミノ−4−ジエチルカルバモイルキナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸(「A94」)
収量:157mg(61%)
LC−MS保持時間:1.49分;
1−(2−アミノ−4−(ベンジルメチルカルバモイル)キナゾリン−6−イル)シクロブタンカルボン酸(「A95」)
収量:194mg(68%)
LC−MS保持時間:1.71分;
以下の例は、医薬組成物に関する:
例A:注射バイアル
100gの本発明の活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
例B:座剤
20gの本発明の活性成分の100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
例C:溶液
1gの本発明の活性成分、9.38gのNaH2PO4・2H2O、28.48gのNa2HPO4・12H2Oおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
例D:軟膏
500mgの本発明の活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
例E:錠剤
1kgの活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
例F:糖衣錠
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
例G:カプセル
2kgの活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に、慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
例H:アンプル
1kgの本発明の活性成分を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。