JP5824079B2 - 遊技機の磁気検出システム - Google Patents
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Description
しかし、このような構成にあっては、その磁気センサと磁気検知回路部との接続が偶発的または意図的に切断されることによって磁気検出機能を喪失した場合には、磁石を用いた不正行為を検出できないという欠点がある。
この従来装置は、磁気センサと、磁気検知回路部と、これらの接続状態を検知する接続確認回路部と、報知器(表示灯)とを有している。そして、正常時つまり磁気センサと磁気検知回路部とが接続されているときは表示灯が常時点灯しているが、その接続が絶たれるとその表示灯が消灯することで磁気センサと磁気検知回路部との接続が切断されたことを検出している。
さらに、このように複数の磁気センサによって磁気を検知する場合には、例えば図9に示すように各磁気センサごとにコンパレータ(比較器)などの回路素子を多数用いなければならないため、処理回路が複雑となり、コストアップを招くと共にその小型化や省電力化が難しいといった問題がある。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために案出されたものであり、その主な目的は、磁気センサの増減に柔軟に対応できると共に処理回路も単純化できる新規な遊技機の磁気検出システムを提供するものである。
複数の磁気センサモジュールを有する磁気検出部と、当該磁気検出部から出力供給される電源によって前記いずれかの磁気センサモジュールの断線もしくは磁気の有無を判定する断線・磁気判定部とを備え、前記磁気検出部は、断線もしくは磁気を検出しないときはオンすると共に断線もしくは磁気を検出したときにはオフするオープンコレクタ型の磁気センサモジュールを複数並列に接続し、当該各磁気センサモジュールのいずれか1つがオフしたときにオンして前記断線・磁気判定部への電源の出力供給を停止するトランジスタを備え、前記断線・磁気判定部は、前記磁気検出部から電源を出力供給されているときは、断線もしくは磁気が検出されないと判定し、前記磁気検出部からの電源が出力供給されなくなったときは、断線もしくは磁気が検出されたと判定することを特徴とする遊技機の磁気検出システムである。
(基本構成)
図1は、本発明に係る遊技機100の実施の一形態を示した外観斜視図である。
図示するようにこの遊技機100は、いわゆるデジパチなどと称されるパチンコ機であり、縦長矩形状をした外枠10とヒンジ機構12により蝶着された内枠14の正面上部には、開閉自在なガラス枠ユニット16で覆われた遊技盤18が設けられている。
また、この入賞装置32は、固定式の第1始動入賞口32aと、その下部に位置する可動式の第2始動入賞口32bとから構成されている。
この第1始動入賞口32aは、図示するようにいわゆるヘソなどと称される常時上向きに開口した遊技球入口であり、その直上に位置する釘同士の間隔や角度などを適宜調節することによって予めその入賞(入球)確率が調整可能となっている。
また、この大入賞口40の近傍には、特別図柄表示器42が設けられており、入賞装置32への遊技球の入賞を契機として行われる大当たりの抽選結果を7セグメントLEDなどからなる表示器によって数値やアルファベットなど用いて表示する。
なお、図2中符号48は遊技球の一部が入賞可能な各種入賞口、50,50は、この遊技盤18を内枠14側に対して脱着するための取付部である。また、図示していないが、この遊技盤18上には、これを落下する遊技球の流れを制御するための釘が多数打ち込まれている。
さらに、このガラス枠ユニット16の左右上角部や受皿ユニット28の下部中央には、それぞれフルレンジスピーカーユニット54、54やサブウーファーユニット56が設けられており、遊技中の効果音やエラー音などの他、後述するデモンストレーションの際の効果音などを迫力のある重低音および高音質で発する。
図3は本発明の遊技機100の制御系の構成を示すブロック図である。
図示するように、この遊技機100の制御系は、主制御部200と、複合サブ制御部300といった2つの制御部から主に構成されている。
主制御部200は、遊技全体の制御を行うと共に、前述した入賞装置32の始動入賞口32a、32bへの遊技球の入賞検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じて複合サブ制御部300へ制御コマンドを送信する。また、複合サブ制御部300は、主制御部200から送信される制御コマンドに応じて演出図柄表示部400の制御や効果音などの演出を複合的に制御するものである。
入力ポート250には、前述した入賞装置32の各始動入賞口32a、32bへの遊技球の入賞を検出する始動入賞口スイッチ251と、大入賞口40への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチ252と、各種入賞口48への遊技球の入賞などを検出する各種入賞口スイッチ253などが接続されており、主制御部200は、これら各スイッチからの検出信号を入力して処理する。
ROM220には、前述したようにCPU210で実行されるパチンコ機を制御するためのプログラムの他、さらに複合サブ制御部300などを制御するための各種制御コマンドなどの各種制御用のデータが読み出し自在に記憶・保持されている。また、特に本実施の形態にあっては、磁気検出部900からの入力信号の有無によって、磁気の検出や磁気検出部900の断線の有無などを判断するための制御プログラムも含まれる。
また、この主制御部200は、複合サブ制御部300に主に演出用の制御コマンドを送信して複合サブ制御部300を制御する。
複合サブ制御部300は、主制御部200と同様に、図示しないCPU、ROM、RAM、入力ポートおよび出力ポートを備えたものであり、主制御部200から送信される演出制御用の制御コマンドを受信し、その制御コマンドに従って演出表示用の制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドを演出図柄制御部400に送信して演出図柄表示器30を制御する。
次に図4〜図6は、このような遊技機100に適用される磁気検出システムの第1の実施の形態を示したものである。
(構成)
図示するようにこの磁気検出システムは、複数の磁気センサモジュールM(M1、M2、…MN)を有する磁気検出部900と、この磁気検出部900から出力される電圧によって断線もしくは磁気の有無を判定する断線・磁気判定部950とから主に構成されている。
先ず磁気検出部900は、少なくとも2つ以上の複数の磁気センサモジュールM1、M2、…MNを直列に多段接続(カスケード接続)してなるものであり、最終段の磁気センサモジュールMNがコネクタC(入力ポート250)を介して主制御基板200側の断線・磁気判定部950に着脱自在に接続されている。
この磁気センサモジュールMは、磁気センサ910と、第1のトランジスタTR1と、第2のトランジスタTR2と、定電圧回路920とから主に構成されている。
この磁気センサ910は、例えば磁気抵抗効果素子などからなり、所定値以上の磁気を検出しないときは所定の電圧(例えば、5V)を出力し、所定値以上の磁気を検出したときには電圧を出力しない(0V)ようになっている。具体的には、アルプス電気株式会社製のHGDFPAシリーズなどで採用されている常時電圧出力型の高精度磁気センサを用いることができる。
第2のトランジスタTR2は、ベースが前記第1のトランジスタTR1のコレクタ側に接続され、エミッタが電圧源(≒VDD)に接続され、コレクタが開放(VOUT)したPNP型トランジスタから構成されており、第1のトランジスタTR1がオンしているときにオンしてVOUT側に略電源電圧(≒VDD)を出力供給すると共に、第1のトランジスタTR1がオフしたときにオフしてその略電源電圧(≒VDD)の出力供給を遮断する。ここで、略電源電圧(≒VDD)とは、VDDから第2のトランジスタTR2のエミッタ−コレクタ間の電圧を差し引いた値となり、通常VDD−0.2V程度である。
ここで、遊技機100に対する、これら各磁気センサモジュールM1、M2、…MNの具体的な設置箇所としては特に限定されるものではないが、例えば前述したような遊技盤18中央に設けられた入賞装置32の第1始動入賞口32aや第2始動入賞口32bの近傍や各種入賞口48,大入賞口40の近傍などにそれぞれ設置することになる。また、これら各磁気センサモジュールM1、M2、…MNのうち、初段の磁気センサモジュールM1の電源にショート保護用の抵抗を入れても良い。
次に、このような構成をした本発明に係る磁気検出システムの動作を説明する。
先ず、通常時すなわち磁気検出部900を構成する複数の磁気センサモジュールMの断線および所定値以上の磁気が検出されない状態のときは、磁気検出部900の初段側から供給される電源電圧(VDD)がそのまま磁気センサモジュールMの出力端(VOUT)から次段の磁気センサモジュールMの電源へ順次出力供給される。そして、最終段の磁気センサモジュールMNから出力供給された電源は、コネクタCを介してフォトカプラーPCに出力されて発光ダイオードLEDを発光させる。
これによって、フォトカプラーPCから受信信号がCPU210に対して常時オン出力されるため、主制御基板200側の断線・磁気判定部950は、磁気検出部900において、複数の磁気センサモジュールM1、M2、…MNのいずれも断線および所定値以上の磁気が検出されない正常な状態であると判定する。
そして、断線・磁気判定部950は、このような異常な状態であると判定した場合には、出力ポート260を介してホールコンピュータ700などにその旨の信号を出力したり、あるいは警報音を発したり、遊技を中断したりなどの妥当な処理を行うことになる。
なお、本実施の形態において多段接続(例えばN段)した場合、最終段の出力供給される電圧は、VDD−VCE(TR2)×Nとなり、N段分のTR2のVCEの電圧降下が生じるが、これが定電圧部90および断線・磁気検出部900を正常に作動させる範囲であればその範囲で多段接続が可能である。
次に図7および図8は、本発明に係る磁気検出システムの第2の実施の形態を示したものである。
(構成)
本実施の形態は、前述した磁気検出部900として前記第1の実施の形態の構成とは異なり、図7に示すようにオープンコレクタ型の磁気センサモジュールM1、M2、…、MNを複数並列に接続し、これら磁気センサモジュールM1、M2、…、MNのいずれか1つがオフしたときにオンして前記断線・磁気判定部950への電源電圧の出力を停止するトランジスタTR5を備えたものである。
この磁気センサモジュールMは、第1の実施形態と同様に磁気抵抗効果素子などからなる常時電力出力型の磁気センサ910と、トランジスタTR6と、定電圧回路920とから主に構成されている。
トランジスタTR6は、ベースが磁気センサ910の出力端に接続されたNPN型トランジスタから構成されており、磁気センサ910からベースに所定の電圧が出力されているときにはオンしてコレクタからエミッタ側(GND)に電流を流すと共に、磁気センサ910からの出力電圧が停止したときにはオフしてその電流の流れを停止する。
また、さらにこのトランジスタTR6のコレクタ側には、異常モニタ用のLEDと逆流防止用のダイオードDが接続されていると共に、そのダイオードDの端部は、他のダイオードDと共に合流してダイオードOR回路を形成し、トランジスタTR5のベースに接続されている。
そして、このトランジスタTR5は、そのコレクタとエミッタがそれぞれコネクタCをバイパスするようにしてVDDとGND間に接続されている。
次に、このような構成をした磁気検出部900の動作を説明する。
先ず、通常時すなわち磁気検出部900を構成する複数の磁気センサモジュールM1、M2、…、MNの断線および所定値以上の磁気の検出がなされない状態のときは、各磁気センサモジュールM1、M2、…、MNのトランジスタTR6が磁気センサ910からの出力電圧によってオンしているため、抵抗Rを通過した電流がコレクタからエミッタ側に流れることになる。この結果、異常モニタ用のLEDやダイオードD側の電圧が0Vとなるため、トランジスタTR5のベースには電圧が入力されずオフ状態となる。従って、電源電圧(VDD)がそのままコネクタCを介してフォトカプラーPCに出力されて発光ダイオードLEDを発光させる。
これに対し、異常時すなわち磁気検出部900を構成する複数の磁気センサモジュールM1、M2、…、MNのいずれか1つでも断線または所定値以上の磁気を検出したときは、そのトランジスタTR6へ磁気センサ910からの出力電圧がなくなってオフするため、抵抗Rを通過した電流が異常モニタ用のLEDやダイオードD側に流れる。すると、トランジスタTR5のベースには電圧がかかってオン状態となり、コネクタC側の電源電圧(VDD)がコネクタCをバイパスしてトランジスタTR5側に流れる。
そして、断線・磁気判定部950は、このような異常な状態であると判定した場合には、前記第1の実施形態と同様に出力ポート260を介してホールコンピュータ700などにその旨の信号を出力するといった妥当な処理を実施する。
さらに、本実施の形態にあっては、各磁気センサモジュールM1、M2、…、MNを並列に接続することで直列に接続したときのような電圧降下が殆どみられなくなるため、第1の実施形態に比べてより多くの磁気センサモジュールM1、M2、…、MNを備えることが可能となる。
また、この磁気センサモジュールMとして汎用(市販)のオープンコレクタタイプの磁気センサを用いることができるため、システム全体の製造コストも低く抑えることが可能となる。
さらには、図9に示すように各磁気センサモジュールM1、M2、…、MNごとにトランジスタを配するようにしてもよい。このように1つの磁気センサモジュールMに1つのトランジスタを対になるように配することにより、ダイオードが不要となり、ダイオードORでなく、トランジスタOR(トランジスタから見た論理はNOR)回路となる。
このようにすれば図9に示すように複数のトランジスタを1パッケージに纏めたトランジスタアレイ(TRアレイ)ICを用いることができ、回路構成がすっきりし、部品点数を減らすことができる。
900…磁気検出部
910…磁気センサ
920…定電圧回路
950…断線・磁気判定部
TR1…第1のトランジスタ(NPN)
TR2…第2のトランジスタ(PNP)
TR3…トランジスタ
TR4…フォトトランジスタ
TR5、TR6…トランジスタ
PC…フォトカプラー
LED…発光ダイオード
ZD1…ツェナーダイオード
C…コネクタ
D…ダイオード
Claims (1)
- 複数の磁気センサモジュールを有する磁気検出部と、
当該磁気検出部から出力供給される電源によって前記いずれかの磁気センサモジュールの断線もしくは磁気の有無を判定する断線・磁気判定部とを備え、
前記磁気検出部は、
断線もしくは磁気を検出しないときはオンすると共に断線もしくは磁気を検出したときにはオフするオープンコレクタ型の磁気センサモジュールを複数並列に接続し、
当該各磁気センサモジュールのいずれか1つがオフしたときにオンして前記断線・磁気判定部への電源の出力供給を停止するトランジスタを備え、
前記断線・磁気判定部は、前記磁気検出部から電源を出力供給されているときは、断線もしくは磁気が検出されないと判定し、前記磁気検出部からの電源が出力供給されなくなったときは、断線もしくは磁気が検出されたと判定することを特徴とする遊技機の磁気検出システム。
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