以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の斜視図である。本実施形態では、遊技機1は、遊技球を用いた遊技を行うパチンコ機であるが、本発明を、遊技メダルを用いた遊技を行うパチスロ機に適用することもできる。
遊技機1は、遊技店内に配列された遊技島への取付け(設置)のための略四角枠状の外枠102と、この外枠102に対し片開き可能に取り付けられた前枠103とを備えている。外枠102の左右一方、たとえば左側のヒンジ104によって、前枠103はヒンジ104の回動軸まわりに回動可能に保持されている。
前枠103の上部分には、遊技盤2(図2参照)が収容保持されている。前枠103の下部には、発射装置(図示しない)が収容保持されている。前枠103の手前側には、前扉106が開閉可能に設けられている。また、前枠103の手前側には、前扉106の下方に、下部開閉板107が開閉可能に設けられている。前扉106には、遊技盤2に対向する位置に略円形の開口部108が形成されている。この開口部108には、ガラス板などの透明板109が嵌められていて、前扉106を閉じた状態で、その透明板109を介して、透明板109の奥側の遊技盤2を視認することができるようになっている。前扉106の上部には、左右一対のスピーカ110が配置されている。また、前扉106の下部には、左右一対のランプユニット111が配置されている。
下部開閉板107には、遊技に使用する遊技球(パチンコ球)を貯留しておくための上皿112と、上皿112からオーバーフロー路(図示しない)を通して溢れた遊技球を受け止める下皿113とが上下に並んで設けられている。また、下皿113の右側には、遊技球を遊技盤2に打ち出す際に操作されるハンドル114が配置されている。
図2は、遊技盤2の正面図である。
図2には遊技機1が第1種の遊技性と第2種の遊技性とを併せ持ったいわゆる1種2種混合タイプである場合を例に挙げているが、本発明は、このタイプ以外の遊技機にも適用できる。前記の第1種の遊技性は、始動口(特別図柄始動口8,15)に遊技球が入賞したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、所定の大当り図柄で特別図柄が停止表示すると大当り遊技を開始する遊技性である。また、前記の第2種の遊技性は、始動口(特別図柄始動口8,15)に遊技球が入賞したことを契機として、可変入賞装置(可変入賞装置14,17)に設けられた開閉部材を開閉して小当り遊技を開始し、小当り遊技において開閉部材が開状態のときに可変入賞装置(可変入賞装置14,17)内に入球した遊技球が可変入賞装置(可変入賞装置14,17)内に設けられた特定領域(いわゆるV領域。特定領域38(図3参照))を通過したことを契機として特別利益状態を開始する遊技性である。
遊技盤2の盤面(前面)には、中央部に略円形の円形領域Rが設定されている。円形領域Rの周縁には、発射装置から発射された遊技球を、円形領域Rの上部(左側上部)に導くための略円弧状のガイドレール3と、このガイドレール3に対向して延びる内レール4とが配置されている。円形領域Rの中央部には、液晶表示ユニット6を含むセンターユニット7が配置されている。センターユニット7は、円形領域Rを、遊技球が流下可能な遊技領域Sと、液晶表示ユニット6等による演出が行われる演出領域Pとに前後に仕切るものである。液晶表示ユニット6には、遊技機1での遊技中に停止された演出図柄、変動中の演出図柄または所定のメッセージ等が表示される。
内レール4の先端は円形領域Rの上部まで延びていて、発射装置により発射された遊技球は、ガイドレール3と内レール4との間を通って円形領域R(遊技領域S)の上部へと導かれる。遊技領域Sには、多数本の障害釘5が植設されている。
円形領域Rにおいて、センターユニット7の下方(円形領域Rの下部)には、第1特別図柄始動口8が配置されている。第1特別図柄始動口8は、円形領域Rを流下する遊技球を入球可能に設けられている。第1特別図柄始動口8は、開閉手段等を有しない非可変式の入賞口(いわゆるヘソ入賞口)である。第1特別図柄始動口8への1球の遊技球の入賞に伴い、予め定める個数(たとえば3球)の賞球が、賞球払出装置9(図7参照)から払い出される。また、第1特別図柄始動口8への遊技球の入賞に伴って、特別利益状態を実行する大当りであるか否か、あるいは小当り遊技を実行する小当りであるか否かを決定するための特別図柄抽選が実行される。第1特別図柄始動口8は、第1特別図柄始動口8および次に述べる第2可変入賞装置17をユニット化した下部ユニット74に設けられている。
遊技領域Sは、センターユニット7の左側に形成された左流下領域Saと、センターユニット7の右側に形成された右流下領域Sbとを含む。左流下領域Saにおける、上下方向に関し中央よりやや下方の領域には、風車役物10が前後方向に延びる回転軸まわりに回転自在に取り付けられている。また、センターユニット7の左下方(円形領域Rの左下部)には、第1普通入賞口11および第2普通入賞口12が配置されている。第1および第2普通入賞口11,12への遊技球の1球の入賞に伴い、予め定める個数(たとえば3球)の賞球が、賞球払出装置9(図7参照)から払い出される。
また、右流下領域Sbには、普通図柄ゲート13と、第1可変入賞装置14と、第2特別図柄始動口15と、普通電動役物16と、第2可変入賞装置17と、第3普通入賞口18とが、上方からこの順で配置されている。第3普通入賞口18への遊技球の1球の入賞に伴い、予め定める個数(たとえば3球)の賞球が、賞球払出装置9(図7参照)から払い出される。
右流下領域Sbの上端部には、遊技球が通過可能な普通図柄ゲート13が配置されている。普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、第2特別図柄始動口15を開放するか否か(普通電動役物16を開動作させるか否か)を決定するための普通図柄抽選が実行される。普通図柄ゲート13を区画するゲート役物20は、普通図柄ゲート13を通過した遊技球を普通図柄ゲート13よりも右側領域へと案内する湾曲案内部21を有している。普通図柄ゲート13は、円形領域Rに1つだけでなく2つ以上設けてもよい。この場合、右流下領域Sbに限らず、左流下領域Saにも普通図柄ゲートを配置してもよい。
第1可変入賞装置14は、第1特別入賞口22と、第1特別入賞口22を開閉するための第1特別入賞口開閉役物23と、第1特別入賞口開閉役物23を開閉するための第1特別入賞口開閉役物駆動機構(たとえばソレノイド類を含む)24(図7参照)とを含む。第1特別入賞口22は、可変式の入賞口であり、遊技球が1個ずつ入球可能である。第1特別入賞口22に遊技球が入ると、予め定める個数(たとえば14球)の賞球が、賞球払出装置9(図7参照)から払い出される。第1特別入賞口開閉役物23は、普通図柄ゲート13の下方において、前後方向に延びる所定の回転軸線まわりに回動可能に設けられた1つの羽根を有する。第1特別入賞口開閉役物23は、先端部の内角を先尖状の頂角とする略三角形をなしており、第1特別入賞口22の上方領域を覆う覆い26との間で、第1特別入賞口22の上方領域を閉塞する鉛直姿勢(図2に示す姿勢)と、この鉛直姿勢から正面視で時計回り方向に所定角度傾斜する傾斜姿勢との間で姿勢変更可能に設けられている。第1特別入賞口開閉役物23の開状態では、羽根25が傾斜姿勢にあり、そのため、開状態にある第1特別入賞口開閉役物23によって多数個の遊技球を捕獲でき、こうして捕獲した多数個の遊技球を第1特別入賞口22に導くことが可能である。
また、この実施形態では、第1特別入賞口開閉役物として、1つのみ羽根を有する構成の第1特別入賞口開閉役物23を採用しているが、これに代えて、左右に長い平面視長方形状をなす第1特別入賞口22を、左右方向に延びる回動軸を中心として手前側に傾倒する開閉板によって開閉する構成であってもよいし、一対の拡開羽根を有する電動チューリップ役物によって第1特別入賞口22を開閉する構成であってもよい。
第2特別図柄始動口15は、普通電動役物16によって開閉される可変式の入賞口であり、右横向きに開口している。第2特別図柄始動口15に遊技球が入ると、予め定める個数(たとえば1球)の賞球が、賞球払出装置9(図7参照)から払い出される。また、第2特別図柄始動口15への遊技球の入賞に伴って、特別利益状態を実行する大当りであるか否か、あるいは小当り遊技(開放遊技)を実行する小当りであるか否かを決定するための特別図柄抽選が実行される。
普通電動役物16は、前後に出退可能に設けられた、平坦板状の案内シャッタ(案内手段)28と、案内シャッタ28を前後に出退させて、普通電動役物16を開閉するための普通電動役物駆動機構(たとえばソレノイド類を含む)29(図7参照)とを含む。案内シャッタ28が遊技盤2の盤面よりも前方に突出する進出状態では、案内シャッタ28が上方から流れ落れる遊技球を受け止め、その遊技球を案内シャッタ28の上を転動させて第2特別図柄始動口15へと案内する。すなわち、この突出状態の案内シャッタ28によって、第2特別図柄始動口15へと遊技球を導く案内路30が形成される。一方、案内シャッタ28が突出状態から後方に退避している状態では、第2特別図柄始動口15の右側領域を流下する遊技球が案内シャッタ28に受け止められず、当該右側領域をそのまま流下する。
円形領域Rの下部および右下部には、当該下部から右下部に跨るように、左右に細長い下部ユニット74が配置されている。下部ユニット74は、第2特別入賞口31を有する始動入賞ユニットと、第2特別入賞口31を区画する可変入賞ユニットと、第3普通入賞口18を区画する普通入賞ユニットとを一体化した構成である。始動入賞ユニットと可変入賞ユニットとを一体に設けているので、これらを個別に設ける場合と比較して、始動入賞ユニットおよび可変入賞ユニットを安価に得ることができる。
図3は、遊技盤2の右下部の拡大正面図である。
第2可変入賞装置17は、第2特別入賞口31と、第2特別入賞口31を開閉可能な第2特別入賞口開閉役物32と、第2特別入賞口開閉役物32を開閉するための第2特別入賞口開閉役物駆動機構(たとえばソレノイド類を含む)33(図7参照)とを含む。第2特別入賞口31は、遊技球の直径よりも大きい前後方向幅を有している。第2特別入賞口31は、左右方向に関して、複数個(たとえば3〜4球)の遊技球が同時に入球可能なサイズに形成されている。第2特別入賞口31への1球の遊技球の入賞に伴い、予め定める個数(たとえば3球)の賞球が、賞球払出装置9(図7参照)から払い出される。
下部ユニット74には、右から左に向けて下がる緩やかな傾斜面を構成する第1転動壁118を有している。第2特別入賞口開閉役物32は、第1転動壁118に沿う平坦面を有し、前後に出退可能に設けられた板状部材である。右流下領域Sbを流下する遊技球は下部ユニット74の第1転動壁118に受け止められ、第1転動壁118上を左側に向けて転動する。第2特別入賞口31が開状態にあると、第1転動壁118上を転動している遊技球は第2特別入賞口31に入球する。
第2特別入賞口31は、V通過判定部34付きの特別入賞口である。第2可変入賞装置17は、V通過判定部34と、第2特別入賞口31とV通過判定部34とを繋ぐ接続路35とを含む。V通過判定部34は下部ユニット74内に設けられており、小当り遊技時において、特別利益状態の移行の権利取得に関する判定を行う。
開状態の第2特別入賞口31から入った遊技球は、接続路35を通して流下する。遊技球の通過は、接続路35に配置された第2特別入賞口入球センサ36によって検出され、第2特別入賞口31への入賞としてカウントされる。V通過判定部34は、接続路35と連通する振分流路37を備えている。振分流路37は、その入口が1本の通路で出口は2本に分岐する二股通路から構成されている。接続路35から振分流路37に入った遊技球は、特定領域(V領域)38または非特定領域(外れ領域)39のいずれかに振り分けられる。図3では、非特定領域39用の流路が上側に設けられ、特定領域38用の流路が下側に設けられている。振分流路37の分岐部分には、振分流路37の分岐部分よりも上流側部分を流下する遊技球を特定領域38用の流路へと導くための振分口41が形成されている。振分流路37には、振分口41に関連して、振分口41を開閉可能な駆動板40が設けられている。駆動板40には、駆動板40を水平方向に駆動するための駆動ソレノイド49(図7参照)が接続されている。駆動板40が閉塞位置にあり、そのため振分口41が閉塞された状態では、振分流路37の分岐部分よりも上流側部分を流下する遊技球は、駆動板40上を通って、非特定領域39用の流路へと振り分けられる。一方、駆動板40が開放位置にあり、そのため振分口41が開放された状態では、振分流路37の分岐部分よりも上流側部分を流下する遊技球は、振分口41を通って、特定領域38用の流路へと振り分けられる。
駆動板40の左右方向の位置情報は位置センサ42(図7参照)によって検出される。また、特定領域38には、特定領域38への遊技球の通過を検出するための特定領域センサ43が配置されている。非特定領域39には、非特定領域39への遊技球の通過を検出するための非特定領域センサ44が配置されている。
図2に示すように、たとえば遊技盤2の盤面におけるガイドレール3の外側領域には、第1特別図柄表示手段45、第2特別図柄表示手段46および普通図柄表示手段47が配置されている。
第1特別図柄表示手段45は、特別図柄を変動動作可能な、1または複数個の7セグメント式表示器等により構成されている。第1特別図柄表示手段45は、第1特別図柄始動口8に遊技球が入賞することを条件に、第1特別図柄を所定時間変動動作して、第1特別図柄始動口8への入賞時に取得された大当り判定用乱数が、予め定められた大当り数値と一致する場合には所定の大当り態様で、大当り判定用乱数が、予め定められた小当り数値と一致する場合には所定の小当り態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止する。第1特別図柄にたとえば4種類の数字図柄「1」〜「4」と記号図柄「−」とが用いられる場合には、たとえば「1」が大当り態様に設定され、たとえば「2」〜「4」が小当り態様に設定され、「−」が外れ態様に設定されていてもよい。
第1特別図柄始動口8への入賞に伴って、第1特別図柄表示手段45の変動動作(以下、「第1特別図柄の変動動作」という場合がある)が開始される。但し、特別利益状態の実行中や、第1特別図柄の変動動作中、第2特別図柄の変動動作中に第1特別図柄始動口8に入賞した場合には、その入賞に対応する第1特別図柄の変動動作の開始は保留される。また、第1特別図柄の変動動作が既に保留されている状態または第2特別図柄の変動動作が既に保留されている状態で第1特別図柄始動口8に入賞した場合にも、その入賞に対応する第1特別図柄の変動動作の開始は保留される。第1特別図柄変動動作は最大保留数(たとえば4つ)まで保留可能となっている。
第2特別図柄表示手段46は、特別図柄を変動動作可能な、1または複数個の7セグメント式表示器等により構成されている。第2特別図柄表示手段46は、第2特別図柄始動口15に入賞することを条件に、第2特別図柄を所定時間変動動作して、第2特別図柄始動口15への入賞時に取得された大当り判定用乱数が、予め定められた大当り数値と一致する場合には前述の大当り態様で、大当り判定用乱数が、予め定められた小当り数値と一致する場合には前述の小当り態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止する。第2特別図柄にたとえば9種類の数字図柄「1」〜「9」と記号図柄「−」とが用いられる場合には、たとえば「1」〜「4」が大当り態様に設定され、たとえば「5」〜「9」が小当り態様に設定され、「−」が外れ態様に設定されていてもよい。
第2特別図柄始動口15への遊技球の入賞に伴って、第2特別図柄表示手段46の図柄変動動作(以下、「第2特別図柄変動動作」という場合がある)が開始される。但し、特別利益状態の実行中や、第1特別図柄変動動作中、第2特別図柄変動動作中に第2特別図柄始動口15に入賞した場合には、その入賞に対応する第2特別図柄変動動作の開始は保留される。また、第2特別図柄変動動作が既に保留されている状態で第2特別図柄始動口15に入賞した場合にも、その入賞に対応する第2特別図柄変動動作の開始は保留される。第2特別図柄の変動動作は、最大保留数(たとえば4つ)まで保留可能となっている。
普通図柄表示手段47は、普通図柄を変動動作するためのものであり、7セグメント表示器等を用いてなるべく目立たないように小さく設けられている。普通図柄ゲート13に遊技球が通過すると普通図柄が所定時間の間変動動作する。そして、普通図柄ゲート13に対する遊技球の通過時に取得された当り判定用乱数が予め定められた当り数値と一致する場合には所定の当り態様で、一致しない場合には所定の外れ態様で停止させるようになっている。この普通図柄は、遊技者がその種類を容易に区別できないように特別な意味を持たない図柄が割り当てられることが望ましい。
特別図柄表示手段45,46(図2参照)の変動動作中は、液晶表示ユニット6において演出図柄の変動動作が行われていてもよい。この場合、液晶表示ユニット6の表示画面内に設定されたたとえば3つの図柄表示領域において、複数種の演出図柄(たとえば「0」〜「9」などの数字図柄や、キャラクタ図柄等)がスクロール表示(変動表示)されていてもよい。特別図柄抽選の結果が大当りや小当りである場合には、液晶表示ユニット6に、当り用の演出図柄の組合せが表示される。
第1特別図柄の変動動作後または第2特別図柄の変動動作後に、大当り態様の特別図柄が停止表示されると、その後、特別利益状態が実行される。特別利益状態中は、第1特別入賞口開閉役物23の揺動により第1特別入賞口22が開放される。また、遊技機1には、第1特別利益状態または第2特別利益状態とは別の開放遊技である小当り遊技が用意されている。また、遊技機1には、特別図柄始動口の開放度合いが通常よりも向上させられた開放延長状態が設けられている。
円形領域Rにおける左上部分を狙って適度な速度で遊技球が発射されると(以下、このような遊技を、「左打ち遊技」という。)、円形領域Rの左上部分へと達した遊技球は、左流下領域Saに植設された障害釘5によって、第1特別図柄始動口8付近に導かれる。つまり、発射位置を円形領域Rの左側上部とすることにより、第1特別図柄始動口8に遊技球を入賞させることができる。
遊技盤2の盤面に沿って流下する遊技球のうち、第1特別図柄始動口8ならびに第1および第2普通入賞口11,12のいずれにも入賞しなかった遊技球(アウト球)は、遊技盤2の盤面の下部に配置されたアウト口48から機内に入り、球回収部(図示しない)に回収される。
また、遊技機1は、右打ち遊技(遊技領域Sの右流下領域Sbに向けて遊技球を発射させる遊技)を実行できるように構成されている。第1特別利益状態中、第2特別利益状態中、開放延長状態中または小当り遊技中において、遊技者は右打ち遊技を行う。このとき、発射装置から勢い良く放たれた遊技球は、センターユニット7の上方を通って、右流下領域Sbへと達し、右流下領域Sbの上端部から下方に向けて放出される。
右流下領域Sbの上端部から放出された遊技球は、普通図柄ゲート13の周囲に導かれる。また、普通図柄ゲート13の周囲を流下する遊技球は、円形領域Rに植設された障害釘5によって、第2特別図柄始動口15の周囲および/または第2特別入賞口31の周囲に導かれる。
開放延長状態の非実行時には、大抵の場合普通電動役物16が閉状態をなしている。そのため、右流下領域Sbを流下する遊技球は、第2特別図柄始動口15には滅多に入賞しない。一方、開放延長状態中には、普通電動役物16が頻繁に開動作するため、右流下領域Sbを流下する遊技球が、第2特別図柄始動口15に入賞し易い。
前述のように、特別利益状態中には第1特別入賞口22が開放する。したがって、遊技者が右打ち遊技を行うことにより、第1特別入賞口22に遊技球を入賞させることができる。
また、小当り遊技中には、第2特別入賞口31が所定のパターンで開放する。したがって、遊技者が右打ち遊技を行うことにより、第2特別入賞口31に遊技球を入賞させることができる。第2特別入賞口31に入った遊技球が特定領域38を通過するとV通過となって、V通過に基づく大当りが発生し、その後に第1特別利益状態が実行される。
右流下領域Sbを流下する遊技球のうち、第1特別入賞口22、第2特別図柄始動口15、第2特別入賞口31および第3普通入賞口18のいずれにも入賞しなかった遊技球(アウト球)はアウト口48から機内に入り、球回収部に回収される。
次に、下部ユニット74について説明する。下部ユニット74は、第1特別図柄始動口8を有する入賞口ユニットとしての機能と、第2可変入賞装置17を有する可変入賞口ユニットとしての機能と、サイドランプおよび下部ランプとしての機能とを併せ持っている。さらに、下部ユニット74は、第3普通入賞口18をも備えている。
下部ユニット74は、遊技盤2を構成する矩形のベニヤ板の下部および右下部において、内レール4の内側に沿って左右に延びる下部ユニット装着穴(図示しない)に嵌合装着されており、当該ベニヤ板にねじ止め等によって固定されている。下部ユニット74の後面側は、遊技盤2の後面側に露出している。
図4および図5は、下部ユニット74の立体分解図である。
下部ユニット74は、前記の下部ユニット装着穴(図示しない)を塞ぐように遊技盤2に装着された台板201と、台板201の前面全域を覆う前面カバー202と、台板201に後方から取り付けられ、第2可変入賞装置17として機能する入賞ユニット200と、台板201に後方から取り付けられたソレノイドユニット203と、台板201の後面左部分を覆う左後面カバー204と、台板201の後面右部分を覆う右後面カバー205と、台板201の前面に装着された下飾り電飾基板206と、左後面カバー204の前面に装着された中央電飾基板207と、左後面カバー204の後面に装着された下部ユニット中継基板208とを含む。
台板201は、合成樹脂材料を用いて形成されている。台板201は、前記の下部ユニット装着穴と整合する左右方向に細長の平面視形状を有する平板状の台板本体211と、台板本体211の右上端部に形成された入賞口ユニット212と、台板本体211から後方に向けて突出する枠状の区画壁213とを一体に備えている。区画壁213は、前記の下部ユニット装着穴に下部ユニット74を嵌合させる際に、当該装着穴の内周壁(図示しない)に摺接または近接する壁である。
台板本体211の左上端部には、正面視でU字状の切欠き214が形成されている。また、台板本体211の右側部分の上下方向の途中部には、入賞口ユニット212を挿通させるための、正面視矩形状の入賞口ユニット挿通口216が形成されている。
台板201の前面右下部には、下飾り電飾基板206が、前方からビス止め等により取り付けられている。下飾り電飾基板206は、その前面に複数個(たとえば9個)の第1のLEDランプ217が分散配置されている。下飾り電飾基板206は下部ユニット中継基板208に接続されており、下部ユニット中継基板208および演出インターフェイス基板54(図7参照)を介して演出制御基板51(図7参照)に接続されている。
台板201の後面には、接続路35(図3参照)および振分流路37(図3参照)を区画するための流路区画壁229(図5参照)が後方に延びて形成されている。また、台板201の後面上部において左右方向の中央部には、第1の磁気センサ(検知手段)227が配置されている。図6を用いて後述するように、第1の磁気センサ227の検知範囲は、第2特別入賞口31および第3普通入賞口18をカバーしており、これらに対し、磁石を用いて不正に遊技球を滞留させるようなゴト行為(磁石ゴト)が行われることを未然に防止するものである。
前面カバー202は、台板201と整合する平面形状を有する前面板218と、前面板218の後面から後方に向けて突出する区画壁219とを一体に備えている。前面板218の前面には、装飾シール220(図4参照)が貼着されている。装飾シール220として、左右に並んで一対(複数)設けられているが、1つのみが設けられていてもよい。
区画壁219は、正面視クランク状の転動壁221と、第1始動口ユニット225とを有している。転動壁221は、前面カバー202の右半分に設けられ、円形領域Rの右流下領域Sbを流下してきた遊技球を第2可変入賞装置17(図2参照。第2特別入賞口31)に案内し、その後円形領域Rの下部に案内する。第1始動口ユニット225は、前面カバー202の左半分に設けられ、台板本体211の切欠き214と合わさって第1特別図柄始動口8を区画する。転動壁221および第1始動口ユニット225は、互いに別部材を用いて構成されており、互いに左右方向に離間して配置されている。
左後面カバー204は、略板状の左カバー本体231と、第1特別図柄始動口8(図2参照)に入球して台板201の切欠き214を通ってきた遊技球を、第1特別図柄始動口入球センサ61に案内するための第1球案内部232と、第1球案内部232の下方に配置され、第1特別図柄始動口入球センサ61を収容装着保持可能な第1のスイッチ装着部233と、左カバー本体231の右上端部に配置され、振動センサ300を装着保持可能な振動センサ装着部234と、左カバー本体231の右下端部に配置され、特定領域センサ43を収容保持可能な第2のスイッチ装着部235と、第2のスイッチ装着部235の左側に配置され、非特定領域センサ44を収容保持可能な第3のスイッチ装着部236とが配置されている。
第1特別図柄始動口入球センサ61、特定領域センサ43および非特定領域センサ44は、たとえば高周波発振形の貫通型近接センサであり、略長方体状をなす合成樹脂製の本体ケーシングを有している。これらの入球センサ61,43,44は、その本体ケーシングの長手方向を前後に向けた状態で、対応するスイッチ装着部233,235,236に装着される。
振動センサ300は、遊技機1に対し所定大きさ以上の強い振動が与えられた場合に、異常を検知するセンサである。
左後面カバー204の左部分の下部には、第2の磁気センサ(検知手段)272が配置されている。第2の磁気センサ272は、左右方向に長い平面視矩形板状をなし、略水平に延びている。第2の磁気センサ272は、第1特別図柄始動口8の下方において長く左右に延びている。図7を用いて後述するように、第2の磁気センサ272の検知範囲は、第1特別図柄始動口8、非特定領域39およびアウト口48をカバーしており、これらに対し磁石を用いて不正に遊技球を滞留させるようなゴト行為(磁石ゴト)が行われることを未然に防止するものである。
左後面カバー204の前面には、中央電飾基板207が前方からビス止め等により取り付けられている。中央電飾基板207の前面には、その前面に複数個(たとえば9個)の第2のLEDランプ237が分散配置されている。中央電飾基板207は下部ユニット中継基板208(図26を参照)に接続されており、下部ユニット中継基板208および演出インターフェイス基板54(図7参照)を介して演出制御基板51(図7参照)に接続されている。
左後面カバー204の後面には、その左右方向の中央部に第3の磁気センサ(検知手段)228が配置されている。第3の磁気センサ228は、左右方向に関し、第1特別図柄始動口8と第2可変入賞装置17(第2特別入賞口31)との間に配置されている。図7を用いて後述するように、第3の磁気センサ228の検知範囲は、第3の磁気センサ228の検知範囲は、第1特別図柄始動口8、特定領域38および非特定領域39をカバーしており、これらに対し磁石を用いて不正に遊技球を滞留させるようなゴト行為(磁石ゴト)が行われることを未然に防止するものである。
仮に、第1特別図柄始動口8を有する入賞口ユニットと、第2可変入賞装置17を有する可変入賞口ユニットとを個別に設ける場合を考える。この場合には、第1特別図柄始動口8と第2可変入賞装置17との間の位置に磁気センサを収容するためのホルダを配置できないため、当該位置に磁気センサを配置することはできない。これに対し、この実施形態では、左後面カバー204において、第1特別図柄始動口8と第2可変入賞装置17との間の位置に第3の磁気センサ228を収容するためのホルダ(図示しない)を設け、当該ホルダ(図示しない)に第3の磁気センサ228を収容させることにより、第1特別図柄始動口8と第2可変入賞装置17との間の位置に、第3の磁気センサ228を配置することができる。
左後面カバー204の後面には、下部ユニット中継基板208が、後方からビス止め等により取り付けられている。下部ユニット中継基板208の後面には、コネクタ(図示しない)を差し込むための端子238が多数個(たとえば11個)配置されている。
各端子238は、各電飾基板206,207や第2特別入賞口開閉役物駆動機構33、駆動ソレノイド49、各センサ36,42,43,44,227,272,228,300に電気的に接続されている。下部ユニット中継基板208は、演出インターフェイス基板54(図7等参照)および中継基板56(図7等参照)と各部材206,207,126,241,261,36,61,43,44,227,228との信号授受を中継している(図7も併せて参照)。
図6は、遊技盤2に搭載された第1〜第7の磁気センサ227,272,228,274〜277の検知範囲を説明するための正面図である。
遊技盤2には、第1〜第3の磁気センサ227,272,228の他に、第4〜第7の磁気センサ(検知手段)274〜277という4つの磁気センサが搭載されている。第4〜第7の磁気センサ274〜277は遊技盤2を構成するベニヤ版において、当該盤面の盤面の直ぐ後方に埋設されている。図6には、各磁気センサ227,272,228,274〜277の検知範囲を、実線、二点鎖線および破線の3重円(より具体的には楕円)で記載し、当該磁気(磁界(静電界))の強さに応じて段階的に描いている。より具体的には、図6では、遊技機1の製造時に行う、検査用磁石(図示しない)を検知する場合の検知範囲を示している。図6の3重円のうち最も内側の円(楕円)が、検査用磁石の磁力が最も弱い場合(標準の磁石を2枚重ねにした場合)の検知範囲であり、図6の3重円のうち中から2つ目の円(楕円)が、検査用磁石の磁力がその次に弱い場合(標準の磁石を3枚重ねにした場合)の検知範囲であり、図6の3重円のうち最も外側の円(楕円)が、検査用磁石の磁力が最も強い場合の検知範囲である。
第1〜第7の磁気センサのうち第2の磁気センサ272を除く磁気センサ227,228,274〜277は、互いに同じ諸元の磁気センサが採用されている。この磁気センサは矩形形状をなし、より具体的には長方形状をなしている。この磁気センサは、当該磁気センサの長手方向の両端部から、当該長手方向に沿って円形(楕円形)の磁界(静電界)を形成する。磁気センサの幅方向側には、磁界はほとんど形成されない。当該両端部の強さは最も強く、各端部から、長手方向に沿って離れるのに従って磁界は弱くなる。この磁気センサは磁気インピーダンス効果を利用した高感度磁気センサであり、この磁気センサとして、たとえば(株)日本アレフ製のPS−0126−701が採用されている。
第1の磁気センサ(第1の検知手段)227は、第2特別入賞口31(第2可変入賞装置17)の上方でかつ第3普通入賞口18の左方において、その長手方向が左右方向に沿うように配置されている。第1の磁気センサ227の検知範囲は、第2特別入賞口31および第3普通入賞口18をカバーしている。第1の磁気センサ227の検出範囲は、第3の磁気センサ228および第6の磁気センサ276の検出範囲と重なっているが、それ以外の磁気センサ272,274,275,277とは重なっていない。
第2の磁気センサ(第1の検知手段)272は、一方向に長い長尺部材である。他の磁気センサ227,228,274〜277とは異なる諸元を有している。前述のように、第2の磁気センサ272は、その長手方向が左右方向に沿うように、かつ水平に配置されている。第2の磁気センサ272は、その長手方向の両端部および中央部2箇所の合計4箇所をそれぞれ中心とする円形(楕円形)の磁界を形成する。当該端部または当該中央部において発生する磁界の強さは最も強く、当該端部または当該中央部から離れるのに従って磁界は弱くなる。この磁気センサは磁気インピーダンス効果を利用した高感度磁気センサであり、この磁気センサとして、たとえばアルプス電気株式会社製のHGDFPA002Aが採用されている。
第2の磁気センサ272は、第1特別図柄始動口8の下方において、その長手方向が左右方向に沿うように配置されている。第2の磁気センサ272の検知範囲は、第1特別図柄始動口8、非特定領域39およびアウト口48をカバーしている。第2の磁気センサ272の検出範囲は、第3の磁気センサ(第1の検知手段)228および第4の磁気センサ(第1の検知手段)274の検出範囲と重なっているが、それ以外の磁気センサ227,275,276,277とは重なっていない。
第3の磁気センサ228は、第1特別図柄始動口8の右方において、その長手方向が左右方向に沿うように配置されている。第3の磁気センサ228の検知範囲は、第1特別図柄始動口8、特定領域38(図3参照)および非特定領域39(図3参照)をカバーしている。第3の磁気センサ228の検出範囲は、第1の磁気センサ227、第2の磁気センサ272および第4の磁気センサ274の検出範囲と重なっているが、それ以外の磁気センサ275,276,277とは重なっていない。
第4の磁気センサ274は、第1普通入賞口11の上方において、長手方向が、前後方向に直交する直交面に沿って上下方向に対し鋭角(たとえば60°程度)傾斜した方向に沿うように配置されている。第4の磁気センサ274の検知範囲は、第1普通入賞口11および第2普通入賞口12をカバーしている。第4の磁気センサ274の検出範囲は、第2の磁気センサ272、第3の磁気センサ228および第5の磁気センサ275の検出範囲と重なっているが、それ以外の磁気センサ227,276,277とは重なっていない。
第5の磁気センサ(第2の検知手段)275は、第1普通入賞口11の上方(すなわち左流下領域Sa)において、その長手方向が上下方向に沿うように配置されている。第5の磁気センサ275の検出範囲は、第4の磁気センサ274の検出範囲と重なっているが、それ以外の磁気センサ227,272,228,276,277とは重なっていない。
第6の磁気センサ(第2の検知手段)276は、第1特別入賞口22の下方で、かつ第2特別図柄始動口15の右斜め上方(すなわち右流下領域Sb)において、その長手方向が上下方向に沿うように配置されている。第6の磁気センサ276の検知範囲は、第1特別入賞口22および第2特別図柄始動口15をカバーしている。第6の磁気センサ276の検出範囲は、第5の磁気センサ275および第7の磁気センサ277の検出範囲と重なっているが、それ以外の磁気センサ227,272,228,274とは重なっていない。とくに、第5の磁気センサ275の配置位置と第6の磁気センサ276の配置位置との間は十分に離間しているため、第5および第6の磁気センサ275,276の検知範囲が互いに重複することはない。
第7の磁気センサ277(第1の検知手段)は、普通図柄ゲート13の近傍において、その長手方向が上下方向に沿うように配置されている。第7の磁気センサ277の検知範囲は、第1特別入賞口22および普通図柄ゲート13をカバーしている。第7の磁気センサ277の検出範囲は、第6の磁気センサ276と重なっているが、それ以外の磁気センサ227,272,228,274,275とは重なっていない。
図7は、遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
遊技機1は、当該遊技機1の統括的な動作制御を司る主制御基板(制御手段)50と、演出制御を司る演出制御基板51と、遊技機1から遊技球を払い出すための払出制御基板52とを備えている。
払出制御基板52は、CPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータを備えており、主制御基板50に直接接続されている。払出制御基板52には、賞球払出装置9が制御対象として接続されている。払出制御基板52には、遊技機1の外部に所定の信号(情報)を出力するための外部端子基板53が接続されている。外部端子基板53は、たとえば遊技店のホールコンピュータに信号を外部出力可能にされている。
演出制御基板51は、演出インターフェイス基板54を介して主制御基板50に接続されている。演出制御基板51は、CPU、RAMおよびROMを含むマイクロコンピュータを備えている。演出制御基板51には、演出インターフェイス基板54を介して液晶表示制御基板55が接続されている。液晶表示制御基板55は、CPU、RAMおよびROMを含むマイクロコンピュータを備えている。液晶表示制御基板55には、液晶表示ユニット6が制御対象として接続されている。
主制御基板50は、CPU50A、RAM50BおよびROM50Cを含む遊技制御用マイクロコンピュータ50Mを備えている。遊技制御用マイクロコンピュータ50Mは、入力ポート50Pを有している。
主制御基板50の主遊技制御用マイクロコンピュータ50Mには、第1および第2特別図柄表示手段45,46ならびに普通図柄表示手段47が直接の制御対象として接続されている。主遊技制御用マイクロコンピュータ50Mの入力ポート50Pには、第1特別図柄始動口8(図2参照)への遊技球の入球を検出するための第1特別図柄始動口入球センサ61からの検出出力、および第2特別図柄始動口15(図2参照)への遊技球の入球を検出するための第2特別図柄始動口入球センサ62からの検出出力が入力されるようになっている。
また、主遊技制御用マイクロコンピュータ50Mには、中継基板56が接続されている。
中継基板56には、第2特別入賞口31(図2参照)に遊技球が入球したことを検出するための第2特別入賞口入球センサ36、位置センサ42、特定領域センサ43、非特定領域センサ44、第1〜第3の磁気センサ227,272,228および振動センサ300が、下部ユニット中継基板208を介して接続されている。主遊技制御用マイクロコンピュータ50Mには、各センサ36,42,43,44,227,272,228,300の検出出力が、中継基板56および下部ユニット中継基板208を経由して入力されるようになっている。
また、中継基板56には、第2特別入賞口開閉役物駆動機構33および駆動ソレノイド49が、下部ユニット中継基板208を介して接続されている。主遊技制御用マイクロコンピュータ50Mは、第2特別入賞口開閉役物駆動機構33および駆動ソレノイド49を、中継基板56および下部ユニット中継基板208を介して制御する。
また、中継基板56には、普通図柄ゲート13(図2参照)を遊技球が通過したことを検出するための普通ゲート通過センサ63、第1特別入賞口22(図2参照)に遊技球が入球したことを検出するための第1特別入賞口入球センサ64、第4〜第7の磁気センサ(検知手段)274〜277および電波センサ281が、下部ユニット中継基板208を介さずに接続されている。電波センサ281は、放射磁界の検出により検出信号を出力するセンサであり、遊技機1に対し強い電波が発せられた場合に異常を検知するためのセンサである。
主遊技制御用マイクロコンピュータ50Mの入力ポート50Pには、各センサ63,64,274〜277,281の検出出力が、中継基板56を経由して入力されるようになっている。
また、中継基板56には、普通電動役物駆動機構29および第1特別入賞口開閉役物駆動機構24が、下部ユニット中継基板208を介さずに接続されている。主制御基板50は、普通電動役物駆動機構29および第1特別入賞口開閉役物駆動機構24を、中継基板56を介して制御する。
RAM50Bには、第1特別図柄始動メモリおよび第2特別図柄始動メモリが設けられている。
演出インターフェイス基板54には、スピーカ110やランプユニット111が、枠中継基板57を介して、制御対象として接続されている。
演出制御基板51は、主制御基板50からの制御指令信号に基づいて、液晶表示ユニット6の具体的な演出内容を決定し、その演出内容が記された制御指令信号を制御対象に対して出力する。具体的には、演出制御基板51から出力される制御指令信号は、演出インターフェイス基板54を介して液晶表示制御基板55に与えられる。液晶表示制御基板55は、演出制御基板51から送出される制御指令信号(この場合、液晶制御用の制御指令信号)の内容に基づいて液晶表示ユニット6の表示を制御する。
図8は、主制御基板50における、異常検知用入力ポート50PINのビット割り当ての例を示す図である。
入力ポート50P(図7参照)は、複数の入力ポートを有している。そのうちの一つが異常検知用入力ポート50PINである。
図8に示すように、異常検知用入力ポート50PINのビット「0」およびビット「1」には、それぞれ、電波センサ281の検知信号および振動センサ300の検知信号が入力される。異常検知用入力ポート50PINのビット「2」〜ビット「5」には、第1〜第4の磁気センサ274〜277の検知信号がそれぞれ入力される。異常検知用入力ポート50PINのビット「6」には、第5および第6の磁気センサ275,276の検知信号が入力される。異常検知用入力ポート50PINのビット「7」には、第7の磁気センサ277の検知信号が入力される。
図9は、中継基板56の要部の回路図である。
コネクタCNは、中継基板56(図7参照)からの信号を主制御基板50(図7参照)伝達するためのケーブルを、接続するためのコネクタである。中継基板56には、ドライバ回路としての半導体素子(図示しない)が搭載されている。
たとえば、コネクタCNのチャンネル「3」には電波センサ281の検知信号が一対一対応で入力され、コネクタCNのチャンネル「5」には振動センサ300の検知信号が一対一対応で入力される。また、コネクタCNのチャンネル「6」には第1の磁気センサ227の検知信号が一対一対応で入力され、コネクタCNのチャンネル「9」には第2の磁気センサ272の検知信号が一対一対応で入力され、コネクタCNのチャンネル「10」には第3の磁気センサ228の検知信号が一対一対応で入力され、コネクタCNのチャンネル「11」には第4の磁気センサ274の検知信号が一対一対応で入力される。コネクタCNのチャンネル「12」には第5の磁気センサ275の検知信号および第6の磁気センサ276の検知信号が入力される。第5の磁気センサ275および第6の磁気センサ276は、チャンネル「12」に論理OR出力可能に接続されている(以下、このような接続(論理OR接続)が採用された回路構成を、「論理OR出力する回路構成」という場合がある。以下同じ)。具体的には、第5の磁気センサ275の検知信号の出力および第6の磁気センサ276の検知信号の出力は、中継基板56においてワイヤードOR接続されている。そのため、第5の磁気センサ275の検知信号の出力および第6の磁気センサ276の検知信号の出力は、1つの信号出力としてコネクタCNのチャンネル「12」に入力される。コネクタCNのチャンネル「14」には第7の磁気センサ277の検知信号が一対一対応で入力される。なお、コネクタCNのチャンネル「4」、チャンネル「7」およびチャンネル「13」はグランド(GND)接続用の端子であり、コネクタCNのチャンネル「5」およびチャンネル「8」は電源供給用の端子である。
以下、図9の回路図を参照しながら、第5の磁気センサ275の検知出力と第6の磁気センサ276の検知出力とのワイヤードOR回路について説明する。
第5の磁気センサ275の出力端子に接続された信号線L1には、ダイオードD1が介装されている。信号線L1は、ダイオードD1よりも始端側において抵抗R1を介して直流電源VDにプルアップ接続されている。第6の磁気センサ276の出力端子に接続された信号線L2には、ダイオードD2が介装されている。信号線L2は、ダイオードD2よりも始端側において抵抗R2を介して直流電源VDにプルアップ接続されている。信号線L1および信号線L2の終端は、一端がコネクタのチャンネル「12」に接続される信号線L3の他端に共に接続されている。信号線L1および信号線L2の終端は、抵抗R3を介して接地されている。
図7に戻って、主制御基板50の制御プログラムは、電源電圧の復旧や投入に基づいて起動されるメイン処理であるシステムリセット処理を含んでいる。
システムリセット処理の実行は、電源が投入され、主制御基板50に対し電源基板(図示しない)からのシステムリセット信号が入力されることに基づいて開始される。この場合に、CPU50Aは、最初に自らを割込み禁止状態に設定し、かつCPU50Aに内蔵されている各レジスタの値を初期設定する。次いで、CPU50Aは、周辺の基板(たとえば、払出制御基板52や演出制御基板51等の基板)の初期設定の完了までウエイトする。
また、電源投入に伴い、電源投入状態を示す電圧レベル(たとえばオン状態)の電圧降下信号が主制御基板50に入力される。電圧降下信号が電源投入状態を示す電圧レベルであると、CPU50Aは、払出制御基板52が正常に立ち上がったことを確認した後、電源基板から付与されているRAMクリア信号のレベルを判別し、RAMクリア信号がLレベルである場合はRAM50Bの全領域をゼロクリアし、かつRAMクリア信号がHレベルである場合はRAM50Bに記憶されているバックアップデータの有効/無効を判別する。
これらの処理の実行完了に伴い、システムリセット処理が終了され、メイン処理(メインループの処理)を無限ループに入る。メイン処理の無限ループ中には、CPU50Aを割込み禁止状態にセットした状態で、各種のカウンタについて更新処理を実行し、その実行終了後にCPU50Aを割込許可状態に戻す。メイン処理の無限ループ中は、4(msec)毎に、マスク可能なタイマ割込処理が実行される。より詳しくは、CPU50Aでは、当該CPU50Aが割込許可状態にあることを条件に、4(msec)毎にメイン処理が中断され、タイマ割込処理が実行される。
図10は、主制御基板50によるタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。タイマ割込処理について、図2、図7および図10を参照しながら説明する。
タイマ割込処理が開始されると、CPU50Aのレジスタを保存することなく、速やかに異常電源チェック処理が実行される(ステップS1)。異常電源チェック処理においては、主制御基板50に接続された電源基板(図示しない)から主制御基板50に供給されている電圧降下信号のレベルが判定される。この電圧降下信号のレベルが電源遮断を示すレベルであることが1回または複数回のタイマ割込処理に跨って検出されると、その後バックアップ処理に移行する。
一方、電圧降下信号が電源遮断を示さないレベルであることが判定された場合は、遊技動作の時間を管理している各タイマについて、タイマの減算(更新)が行われる(S2:タイマ管理処理)。
次いで、入力管理処理が実行される(ステップS3)。入力管理処理は、遊技機1に設けられた各種センサの検出出力の内容(たとえば、各種検出センサがオンオフ信号を出力する場合にはオン状態かオフ状態か)を記憶したり、その信号に基づくデータを定期的に更新したりする処理である。各種センサとして、位置センサ42、特定領域センサ43、非特定領域センサ44、第1特別図柄始動口入球センサ61、第2特別図柄始動口入球センサ62、普通ゲート通過センサ63、第1特別入賞口入球センサ64、第2特別入賞口入球センサ36等を例示することができる。
次いで、後述する普通図柄管理処理(ステップS7)における普通図柄判定処理で使用される普通当り判定用乱数カウンタの値や、後述する第1および第2特別図柄管理処理(ステップS9,S10)における大当り判定用乱数判定処理で使用される大当り判定用乱数カウンタの値が更新される(S4:タイマ割込内乱数管理処理)。
次いで、賞球払出装置9に遊技球を供給するための球供給機構(図示しない)に対する遊技球の補給停止の有無や遊技球の詰まりの有無を判定するエラー管理処理が行われる(ステップS5)。このエラー管理処理においては、次に述べるように、遊技機1における異常発生の有無も判定されるようになっている。
次いで、入賞口(第1および第2特別図柄始動口8,15、第1および第2特別入賞口22,31ならびに、第1、第2および第3普通入賞口11,12,18)への入賞に対し、入賞情報の確認および指令信号データの作成を行う賞球管理処理が行われる(ステップS6)。賞球管理処理においては、各入賞口8,15,22,31,11,12,18に関連して設けられた球検出用のセンサ61,62,63,64,36等の検出出力が主制御基板50に入力されると、主制御基板50のCPU50Aが、これらの検出出力に基づいて、払出個数を賞球払出装置9に指示するための指令信号データを作成する。
次いで、普通図柄管理処理が行われる(ステップS7)。普通図柄管理処理においては、普通電動役物16を開動作させるか否かを判定する普通図柄判定処理(前述の普通図柄抽選と同等の処理)が実行される。より詳しくはステップS4のタイマ割込内乱数管理処理によって更新された普通当り判定用乱数カウンタから取得された普通図柄判定用乱数の値を普通当り数値と対比する。
そして、普通電動役物16の開動作が判定された場合には、普通電動役物16の開動作に向けた処理が実行されるとともに、その後、普通電動役物16の開動作を実現するための処理が実行される(S8:普通電動役物管理処理)。
普通電動役物管理処理の終了後には、次いで、第1特別図柄管理処理が行われる(ステップS9)。この第1特別図柄管理処理においては、第1特別図柄始動口8への入賞に伴う一連の抽選処理が実行される。
ステップS9の第1特別図柄管理処理の終了後、次いで、第2特別図柄管理処理が行われる(ステップS10)。この第2特別図柄管理処理においては、第2特別図柄始動口15への入賞に伴う一連の抽選処理が実行される。
次いで、第1または第2特別図柄管理処理に含まれる大当り判定用乱数判定処理において大当りであると判定された場合には、その後、第2特別入賞口31の開放動作(特別入賞口開閉役物23,32の開動作)に向けた処理が実行され、その後第2特別入賞口31の開放動作を実現するための処理が実行される(S11:特別電動役物管理処理)。
次いで、右打ち報知情報管理処理が行われる(ステップS12)。この右打ち報知情報管理処理においては、たとえば、第1および第2特別入賞口22,31や開動作される場合や、普通電動役物16が開動作させられる場合(開放延長状態中)など、右打ち遊技が有利な状況において右打ち指示報知を行う「右打ち報知演出」を出現させるための処理を行う。右打ち指示とは、具体的には、主制御基板50は、遊技領域Sの右流下領域Sbを狙う旨を遊技者に指示する演出動作であり、たとえば液晶表示ユニット6に「右打ち」を遊技者に促す画像を表示させたり、スピーカ58から右打ちメッセージ音声を発生させたりする。右打ち報知演出が行われる場合には、この右打ち報知情報管理処理において、演出制御指令信号として、右打ち報知演出の実行指示する「右打ち指示コマンド」が主制御基板50から演出制御基板51に送信され、この制御指令信号を受けて、演出制御基板51が、画像や音声による右打ち報知の実行制御を行う。
次いで、主制御基板50にて管理する所定のランプ(遊技ランプ59等)に点灯動作や消灯動作を行わせるランプ管理処理が実行される(ステップS13)。
次いで、それぞれソレノイドからなる、第1特別入賞口開閉役物駆動機構24、第2特別入賞口開閉役物駆動機構33、普通電動役物駆動機構29、可動片駆動ソレノイド等を管理するソレノイド管理処理が実行される(ステップS14)。
次いで、CPU50Aを割込み許可状態に戻した後(ステップS15)、タイマ割込処理を終える。これにより、タイマ割込処理のルーチンを脱し、無限ループのメイン処理(システムリセット処理)が実行される。このメイン処理においては、電圧異常の監視とタイマ割込処理の有無の監視との確認が行われる。
図11は、エラー管理処理(S5)の流れを示すフローチャートである。図12は、図11に示す不正信号検出処理(S21)の流れを示すフローチャートである。図13は、エラー管理処理(S5)の流れを示すタイミングチャートである。
図11に示すように、エラー管理処理では、まず、電波センサ281、振動センサ300または磁気センサ227,272,228,274〜277の検知があるか否かを検出する不正信号検出処理が行われる(ステップS21)。以下、磁気センサ227,272,228,274〜277、電波センサ281および振動センサ300をまとめて「センサ類」ということがある。
不正信号検出処理においては、図12に示すように、CPU50Aは、異常検知用入力ポート50PINの各ビットの情報を読み込む(ステップSS42)。また、CPU50Aは、異常を検知したセンサの種別毎に異なるエラー判定時間をRAM50Bから取得する(ステップS43)。このとき取得したエラー判定時間は、たとえば、電波エラー(電波センサ281により検知したエラー)のエラー判定時間が8msecであり、振動エラー(振動センサ300により検知したエラー)のエラー判定時間が1000msecであり、磁気エラー(磁気センサ227,272,228,274〜277により検知したエラー)のエラー判定時間が100msecとしてである。
異常検知用入力ポート50PINのビットに、オン状態の検知信号が入力された場合(ステップS44でYES)には、CPU50Aは異常を検知し、加算カウンタからなるエラーカウンタをカウント開始させる。
異常検知以降、CPU50Aは、当該異常検知から所定のエラー判定時間が経過したか否かを監視する(ステップS45〜S47)。そして、エラー判定時間が経過したとき(ステップS46でYES)には当該エラーのエラータイマをセットする(ステップS48)。その後、図12の不正検出処理はリターンされ、図11のステップS22に移行する。
また、ステップS44において、異常検知用入力ポート50PINのビットに入力された検知信号の全てがオフ状態である場合(ステップS44でNO)には、CPU50Aは、エラーカウンタの値をクリアする(ステップS50)。その後、図12の不正検出処理はリターンされ、図11のステップS22に移行する。
図11に戻って、CPU50Aは、磁気エラー用のエラータイマの値が零以外である場合(ステップS22でNO)には、磁気エラーのエラー報知実行中として、磁気エラー情報をエラー情報としてセットする(ステップS23)。CPU50Aは、電波エラー用のエラータイマの値が零以外である場合(ステップS24でNO)には、磁気エラーのエラー報知実行中として、磁気エラー情報をエラー情報としてセットする(ステップS25)。CPU50Aは、振動エラー用のエラータイマの値が零以外である場合(ステップS26でNO)には、磁気エラーのエラー報知実行中として、磁気エラー情報をエラー情報としてセットする(ステップS27)。
また、CPU50Aは、前回のエラーフラグを取得して、エラーフラグのエラー情報を、今回のエラー情報に更新する(ステップS28,S29)。そして、前回のエラーフラグと今回のエラーフラグとを比較し(ステップS30)、エラーフラグのエラー情報に変更があった場合(ステップS31でYES)には、CPU50Aは、対応する制御指令信号を演出インターフェイス基板54(図7参照)に送信すると共に、外部端子基板53(図7参照)にその旨の信号を送信する。演出インターフェイス基板54に送られた制御指令信号に基づき、ランプユニット111やスピーカ110、液晶表示ユニット6において異常発生報知が行われる。その後、図11のエラー管理処理は、リターンされ、図10のステップS6に移行する。
以下、エラーの種別毎に分けて説明する。
オン状態となったセンサ類が磁気センサ227,272,228,274〜277である場合、CPU50Aは、当該磁気センサのオン状態を一定時間(100msec)検出すると、磁気エラーの発生であると判定する。そして、当該磁気センサがオフ状態に戻った後一定時間(30sec)経過すると、当該磁気エラーから復帰する。
また、オン状態となったセンサ類が電波センサ281である場合、CPU50Aは、当該電波センサのオン状態を一定時間(8msec)検出すると、電波エラーの発生であると判定する。そして、当該電波センサがオフ状態に戻った後一定時間(30sec)経過すると、当該電波エラーから復帰する。
また、オン状態となったセンサ類が振動センサ300である場合、CPU50Aは、当該振動センサのオン状態を一定時間(1000msec)検出すると、振動エラーの発生であると判定する。そして、当該振動センサがオフ状態に戻った後一定時間(30sec)経過すると、当該振動エラーから復帰する。
以上のエラー管理処理をまとめたのが図13である。
図13に示すように、異常の検出後、遊技機1の状態は、A状態→B状態→C状態と順に遷移する。これらA状態、B状態およびC状態は、次に述べるような状態である。
A状態:センサ類はオン状態であるが、エラーカウンタの値が判定時間未満であるため、エラーは未だ発生していない状態。
B状態:エラーは発生しているが、エラーを未だ報知していない状態。この状態では、エラータイマを30secにセットし続けている。
C状態:センサ類はオフ状態であるが、エラータイマが零になるまでエラーを報知している状態。
ところで、通例、異常検知用入力ポート50PINには8ビットが割り当てられている。具体的には、異常検知用入力ポート50PINは、磁気センサの検知信号入力のためだけでなく、振動センサ300の信号入力および電波センサ281の検知信号入力にも用いられる。つまり、磁気センサ227,272,228,274〜277の検知の有無、振動センサ300の検知の有無および電波センサ281の検知の有無という異常検知処理全体を、1つの入力ポート(異常検知用入力ポート50PIN)で判断している。1つの入力ポートの処理は共通のプログラムで処理するため、結果として、異常検知処理の全体が、共通のプログラムで処理できる。この実施形態に係る異常検知用入力ポート50PINでは、振動センサ300の検知信号入力用および電波センサ281の検知信号入力用にそれぞれ1ビットずつ使用されており、そのため、異常検知用入力ポート50PINのうち磁気センサ用として使用できるのは6ビットに止まる。
一方、磁石ゴトの発生をより一層効果的に防止するたは、遊技盤2の広範囲に磁気センサを配置することが望ましく、この場合、多数の磁気センサ227,272,228,274〜277を遊技盤2に搭載する必要がある。この実施形態に係る遊技機1では、遊技盤2に搭載される磁気センサ227,272,228,274〜277の個数を、異常検知用入力ポート50PINにおいて磁気センサ用に割り当てられてられたビットの数(6つ)よりも多い数(この実施形態では7つ)としている。
この場合、磁気センサ227,272,228,274〜277に一対一対応で異常検知用入力ポート50PINのビットを設けるとすると、異常検知用入力ポート50PINに信号出力を入力できない磁気センサが生じ、もう一つ他に、磁気センサ用の入力ポート(異常検知用の入力ポート)を設ける必要が生じる。使用されるプログラムは入力ポートごとに異なるため、異常検知用の入力ポートを複数設ける場合には、異常検知全体を共通のプログラムで処理することはできず、その結果、制御処理が煩雑化するおそれがある。
これに対し、この実施形態によれば、第5および第6の磁気センサ275,276が異常検知用入力ポート50PINに論理OR出力可能に接続されており、そのため、第5および第6の磁気センサ275,276の検知信号の出力が束ねられ、1つの信号出力として異常検知用入力ポート50PINに入力される。したがって、磁気センサの個数が増えても、異常検知用入力ポート50PINに入力される信号出力の数を6個に(磁気センサ用に割り当てられてられたビットの数と同数、あるいはそれ以下に)維持できる。これにより、異常検知用入力ポート50PINに入力される異常検知用の信号数を8ビットに抑えつつ(主制御基板50への負荷を増大させることなく)、磁気センサ227,272,228,274〜277の搭載数を増加できる遊技機1を提供できる。
この場合、第5および第6の磁気センサ275,276のいずれか一方が静磁界を検知すると、検知信号が異常検知用入力ポート50PINのビット「6」に与えられる。逆に言えば、異常検知用入力ポート50PINのビット「6」に検知信号が入力される場合、その検知信号が第5および第6の磁気センサ275,276のいずれの検知に基づく信号なのかを、異常検知用入力ポート50PIN側から判別できない。
遊技機1の製造時には、各磁気センサ227,272,228,274〜277を作動チェックするための作動検査が行われる。この作動検査は、各磁気センサ227,272,228,274〜277の検出の良否を個別に検出する必要がある。具体的には、この作動検査では、検査用磁石(図示しない)を遊技盤2正面側から、各磁気センサ227,272,228,274〜277の配置位置近傍に順に当てがうことにより行う。
しかしながら、多数の磁気センサ227,272,228,274〜277を遊技機1に搭載する場合には磁気センサ227,272,228,274〜277が密集して配置されるが、この場合、磁気センサ227,272,228,274〜277の検知範囲が互いに重なることがある。互いに検知範囲が重なる磁気センサが、異常検知用入力ポート50PINに論理OR出力可能に接続されている場合、検査用磁石(図示しない)をいずれの磁気センサで検知しているのかを判別できない。
これに対し、この実施形態では、論理OR出力可能な接続の対象となる磁気センサを、左流下領域Saに配置された第5の磁気センサ275および右流下領域Sbに配置された第6の磁気センサ276としている。前述のように、第5の磁気センサ275の配置位置と第6の磁気センサ276の配置位置との間は十分に離間しているため、第5および第6の磁気センサ275,276の検知範囲が互いに重複することはない。換言すると、論理OR出力可能な接続の対象となる磁気センサ275,276は、検知範囲が重複していない磁気センサである。これにより、論理OR出力可能な接続となる磁気センサ275,276の検知範囲が重複しないので、当該磁気センサ275,276により検査用磁石(図示しない)の磁界を検出したときに、磁界検知した磁気センサが、第5および第6の磁気センサ275,276であるかの判断を作業者が迷うことはない。これにより、第5および第6の磁気センサ275,276のいずれにおいても、作動チェックを良好に行うことができ、これにより、精度の高い作動検査を容易に実現できる。
また、全ての磁気センサ227,272,228,274〜277の検出信号が中継基板56を介して主制御基板50に入力(中継)される。全ての磁気センサ227,272,228,274〜277の検出信号を中継する中継基板56において、第5の磁気センサ275と第6の磁気センサ276とが互いに論理OR出力可能に接続されているので、互いに離間する位置に配置されている第5および第6の磁気センサ275,276の信号出力を、良好に論理OR出力させることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、論理OR出力可能な接続の対象が、第5および第6の磁気センサ275,276であるとして説明したが、互いに検知範囲が重複しない磁気センサ227,272,228,274〜277の組合せであれば、その他の組合せを採用できる。
また、図6で示すような楕円形の検知範囲が重なっていないことを「磁気センサ同士の検知範囲が重複しないこと」の一例として挙げて説明したが、「磁気センサ同士の検知範囲が重複しないこと」はこれに限らない。例えば、図6を参照すると、磁気センサ227の検知範囲内に第2可変入賞装置17が位置している。一方で、磁気センサ276の検知範囲内に第2特別図柄始動口15が位置しており、第2可変入賞装置17(つまり、アタッカー)は検知範囲内には位置していない。このように、互いに異なる遊技手段を検知範囲に含む磁気センサ同士を論理OR出力する回路構成(論理OR出力可能な接続の対象)とするようにしてもよい。
また、図6を参照すると、磁気センサは、当該センサの左右方向から楕円形状の2つの検知範囲を形成している。「磁気センサ同士の検知範囲が重複しないこと」とは、左右方向から楕円形状の2つの検知範囲のうち、少なくとも1つの検知範囲が重なっていなければよく、少なくとも1つの検知範囲が重なっていない磁気センサ同士を論理OR出力する回路構成(論理OR出力可能な接続の対象)とするようにしてもよい。
また、設置方向が異なる磁気センサ同士を論理ORする回路構成(論理OR出力可能な接続の対象)とするようにしてもよい。具体的には、磁気センサ277(縦向き)と磁気センサ227(横向き)とであってもよいし、図示しないが、遊技盤2の前後方向に斜め向きに設置されているものであってもよい。
また、前述の説明では、異常検知用入力ポート50PINには、磁気センサ227,272,228,274〜277の検知信号の他に、他の異常検知センサの検知信号として、電波センサ281の検知信号および振動センサ300の検知信号が入力されるとして説明したが、電波センサ281の検知信号および振動センサ300の検知信号の一方のみが入力されるようになっていてもよい。
また、これらの検知出力に併せて/これらの検知出力に代えて、それ以外の、他のセンサの検知出力が、異常検知用入力ポート50PINに入力されるようになっていてもよい。
また、異常検知用入力ポート50PINに、磁気センサ227,272,228,274〜277の検知出力のみが入力され、他の異常検知センサの検知出力が入力されないようになっていてもよい。
また、前述の実施形態では、論理OR出力可能な接続の対象が合計2つの磁気センサ(第5および第6の磁気センサ275,276)であるとして説明したが、3つ以上の磁気センサを論理OR出力可能に接続してもよい。この場合、互いに論理OR出力可能に接続されている3つ以上の磁気センサのうちの少なくとも1つの磁気センサから検知信号が出力されることに基づいて、エラーと判定される。
また、本実施形態では、複数の磁気センサをOR論理出力可能な回路構成とする例を示したが、これに限らず、電波センサ、振動センサ等のその他のセンサ(検知手段)を、OR論理出力可能な回路構成(論理OR出力可能な接続の対象)とするようにしてもよい。
また、磁気センサと電波センサとの組合せのように、互いに種別の異なるセンサの組合せを、OR論理出力可能な回路構成(論理OR出力可能な接続の対象)とするようにしてもよい。これにより、検知信号を受ける制御基板側の信号入力を削減できること言うまでもない。
制御基板(たとえば主制御基板50)は、磁気センサからの検知信号に基づいて、エラー報知を行うが好適である。
例えば、液晶表示により「磁気センサエラー」等の表示を行い、遊技者やホール従業員に磁気センサが異常を検知している旨を伝える。ここで、2つ以上の所定の磁気センサのエラー報知態様としては、複数の磁気センサのうちいずれの磁気センサからの検知信号であっても、共通のエラー報知を行うようにしてもい。
その際のエラー報知態様としては、液晶上に「磁気センサエラー」と表示し、どの磁気センサがエラー検知したのかわからない報知態様であってもよいし、例えば、図6の磁気センサ275と磁気センサ276が論理OR出力する回路構成の場合には、「磁気センサ275or磁気センサ276が磁気センサエラー」のように、それぞれを特定する形でエラー報知を行うようにしてもよい。
また、このような検出手段のエラーの報知は、液晶上に表示するだけに限らず、ランプ、音により行うようにしてもよい。
また、論理OR出力可能な接続の対象となる検知信号の種類としては、異常検知用のものに限られず、始動口入賞信号、その他入賞口入賞信号、アタッカー入賞信号等、遊技において必要な入力信号であってもよい。
また、前述の実施形態では、論理OR出力可能に接続された検知手段を1組設ける場合を例に挙げたが、論理OR出力可能に接続された検知手段が複数組設けられていてもよい。
また、異常検知処理については、タイマ割込み処理にて行うとしたが、メイン処理において行うようにしてもよい。
また、前述の説明では、遊技機1がいわゆる1種2種混合タイプである場合を例に挙げて説明したが、これ以外のタイプの弾球遊技機(たとえばいわゆる2種タイプの弾球遊技機)にも、本発明を適用可能である。
また、遊技盤2の盤面における役物装置や、役物、入賞口の配置レイアウトは一例に過ぎず、遊技の内容や盤面デザイン等に応じて適宜変更可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。