以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の遷移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口(投入口)124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルのベット枚数である複数の規定枚数のうち、最大規定枚数(例えば3枚)を超えてメダルが投入されると、その最大規定枚数を超えた分のメダルが、所定の上限枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部(メインRAM200c)に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定枚数は「1」〜「3」の複数が設定されている。なお、1遊技を実行するために必要な規定枚数を、遊技者は複数の規定枚数から任意に選択でき、その複数の規定枚数の中の最大のものを最大規定枚数といい、最小のものを最小規定枚数という。本実施形態では、最大規定枚数は「3」となり、最小規定枚数は「1」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち最大規定枚数のメダルをベットする、押圧式のボタンスイッチである。最大規定枚数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、最大規定枚数のメダルがベットされるとともに、貯留枚数が最大規定枚数分だけ減枚される。なお、最大規定枚数未満のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、貯留枚数のメダルの全てがベットされるとともに、貯留枚数が0枚に減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3(a)のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つのリール134a、134b、134cが、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、リール134a、134b、134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、リール134a、134b、134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、リール134a、134b、134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、リール134a、134b、134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを、その位置に応じて左から順にストップスイッチ130a、130b、130cとする。
このように、ストップスイッチ130a、130b、130cを通じた停止操作により、リール134a、134b、134cがそれぞれ停止する。ここでは、その停止態様を遊技者が把握できるように、図3(b)のように、有効ラインが設けられている。有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、リール134a、134b、134cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを当選役の入賞を判定するための有効ラインAとして設定している。また、無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部(画像表示部)138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、演出に用いられる演出用装置142が設けられる。演出用装置142としては、例えば、高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出ランプ160や、液晶表示部138の左右に設けられ、液晶表示部138の前面を左右方向に移動することで液晶表示部138の一部を覆う、扉(シャッタ)に見立てた演出役物装置162や、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置164が配されている。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。
また、図1や図2では図示していないが、各リール134a、134b、134cの内側には、それぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインAや無効ラインB1、B2、C1、C2の対象となり得る)各リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にもリール134a、134b、134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156には内部的に記憶された貯留枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数のリール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選役抽選が実行され、当選役抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ130a、130b、130cに対応するリール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選役に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、制御基板によって制御されている。ここでは、制御基板の一例として、制御基板の機能を分担した、主制御基板200と、副制御基板202とを挙げて説明する。例えば、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312、コマンド決定手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選役抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役、ならびに、不当選のうちいずれかを当選役抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数のリール134a、134b、134cを回転制御し、回転しているリール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップスイッチ130a、130b、130cに対応するリール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選役抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間(ウェイト時間、例えば、4.1秒)より延長し、その間、リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転制御するリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることでも実現できる。
判定手段308は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。状態移行手段312は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて遊技状態を遷移させる。
コマンド決定手段314は、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段316は、コマンド決定手段314が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルの貯留枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、リール134a、134b、134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の総数(例えば65536)内でループさせ(0〜65535)、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を生成(取得)する。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選役抽選乱数という)は、遊技者に付与する、遊技者に有利な遊技利益、例えば、当選役抽選手段304が当選役を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、当選役コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用装置142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出ランプ160、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための照明パターンや、演出役物装置162の駆動パターンを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出ランプ160、演出役物装置162、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役抽選の結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、ボーナス遊技の当選を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選役にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。上記の主制御基板200および副制御基板202を連動させることで、様々な遊技性を構築することができる。以下、主となる遊技態様を詳述する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、状態移行手段312により管理される遊技状態に対応する複数の当選役抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選役抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態等)に応じて、対応する当選役抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選役抽選テーブルと現在の設定値に基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選役抽選乱数が当選役抽選テーブル内のいずれの当選役または不当選に対応するか判定する。ここで、設定値は、遊技利益を得る容易性を段階的に示したものであり、その設定値の数値が高いほど、遊技利益を得易い。なお、設定値は、一般的に、ホール側管理者により少なくとも遊技開始時には決定されており、遊技者が、遊技中に設定値を取得および変更することはできないようになっている。
ここで、当選役抽選テーブルで抽出される当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ラインA上に揃った状態を表示または入賞といい、当選役に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、状態移行手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
また、本実施形態においては、当選役として、図5に示すように、当選役「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「ビッグボーナス(以下「BB」という)」が設けられている。このうち、当選役「リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「ベル」、「チェリー」、「スイカ」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。
(リプレイ役)
当選役抽選の結果、当選役「リプレイ」に当選すると、図5に示した当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技(再遊技)を実行できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。
そして、各リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図5参照)。具体的に、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」に当選すると、これら当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次の1遊技を開始することが可能となる。
(小役)
また、当選役抽選の結果、当選役「ベル」に当選した場合には、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「ベル」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは9枚)のメダルが遊技者に払い出される。ここで、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄「ベル」同士は、各リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので(図3および図5参照)、当選役「リプレイ」同様、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示することができる。
また、当選役抽選の結果、当選役「チェリー」に当選すると、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせである、リール134aに記される図柄「チェリー」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは3枚)のメダルが遊技者に払い出される。なお、当選役「チェリー」に示される「ANY」は、対応する有効ラインA上にいずれの図柄が停止してもよいことを示す。ただし、リール134aにおいては、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄「チェリー」が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図5参照)。そのため、当選役「チェリー」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選役抽選の結果、当選役「スイカ」に当選すると、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「スイカ」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは15枚)のメダルが遊技者に払い出される。ただし、各リール134a、134b、134cにおいては、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄「スイカ」が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図5参照)。そのため、当選役「スイカ」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選役抽選の結果、当選役「BB」に当選すると、図5に示した当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「赤7」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば、297枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ図柄「赤7」が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図5参照)。そのため、当選役「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
なお、上述したいずれかの当選役に当選すると、それぞれの当選役に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、リール134a、134b、134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役に当選したものの、その小役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。また、リプレイ役である当選役「リプレイ」に対応する内部当選フラグが成立した場合には、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。これらに対して、当選役「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。
(遊技状態の遷移)
ここで、BB内部当選フラグについて、遊技状態の遷移と合わせて具体的に説明する。BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図6の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役である当選役「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいてリール134a、134b、134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図6の(2)に示すように、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行する。また、ボーナス遊技状態において、所定枚数(例えば、297枚)を超えるメダルが払い出されると、図6の(3)に示すように、遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に移行する。ただし、図6の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に移行する。
(当選役抽選テーブル)
図7は、当選役抽選乱数を判定する場合に用いられる当選役抽選テーブルを示す図である。当選役抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選役が異なったりする。図7は、各遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)毎に割り当てられた当選領域(当選役)を「○」で表している。したがって、「○」が記載されていない当選領域は、その遊技状態に割り当てられていないことを示す。区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選役が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選役抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選役それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選役抽選乱数の総数で除算した値となる。当選役抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選役抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選役抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選役を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
また、各遊技状態によって抽選の対象となる当選役が異なっている。例えば、図7において、ボーナス非成立遊技状態と、ボーナス成立遊技状態とを比較すると、前者は当選役「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選役「BB」の抽選を行っていない。これは、後者では、既に当選役「BB」に当選しているので重ねて当選役「BB」を当選させることができないからである。また、後者では、前者に比べ、当選役「リプレイ」の当選確率を高く設定している。また、図7のボーナス遊技状態によれば、重ねて当選役「BB」の抽選を行わないとともに、当選役「リプレイ」や当選役「スイカ」の抽選も行われない。また、当選役「ベル」が高確率で当選するように設定されているので、ボーナス非成立遊技状態やボーナス成立遊技状態と比べて、1遊技で獲得できる枚数の平均値を示す期待獲得枚数が高くなっている。なお、当選役抽選テーブルの当選領域0には、「不当選」が対応付けられており、当選役抽選によって「不当選」が決定すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、ボーナス成立遊技状態(BB内部当選フラグがON)において、当選役抽選によって「不当選」が決定すると、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示可能となる。
以下、主制御基板200における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図8は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
また、コマンド決定手段314は、ベット枚数に変更があった場合に、変更されたベット枚数および貯留枚数を示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。かかるベット処理S200については、後程詳述する。
(ステップS300)
次に、当選役抽選手段304は、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。ここで、当選役抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選役抽選乱数から、スタートスイッチ128が操作された時点における1の当選役抽選乱数を取得する。そして、当選役抽選手段304は、図7に示した当選役抽選テーブル、および、現在設定されている遊技状態に基づいて、取得した当選役抽選乱数が、いずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選役または不当選を抽選結果として決定する。また、コマンド決定手段314は、スタートスイッチ128の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選役抽選の抽選結果(当選役または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選役コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選役コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、ボーナス非成立遊技状態において当選役「BB」に当選したことに基づき遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ移行させる。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動してリール134a、134b、134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技におけるリール134a、134b、134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技におけるリール134a、134b、134cの回転を開始し、リール134a、134b、134cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。また、リール制御手段306は、リール演出を実行する場合もある。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ130a、130b、130cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応するリール134a、134b、134cのいずれかを停止制御する。また、コマンド決定手段314は、ストップスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段316は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ移行させる。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態移行手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ移行させる。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド決定手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
上述したように、副制御基板202において、演出制御手段334は、液晶表示部138、スピーカ140、演出用装置142(演出ランプ160、演出役物装置162、演出操作装置164)で行われる遊技の演出を決定する。
図9は、副制御基板202における、液晶表示部138、スピーカ140、演出用装置142の制御態様を説明するためのブロック図であり、図10は、それらに共通する制御態様を示すフローチャートである。副制御基板202に設けられたサブCPU(CPU)202aは、サブROM202bに格納されたプログラムおよびサブRAM202cと協働して、演出制御手段334として機能する。演出制御手段334は、主制御基板200から送信されたコマンドを解読し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出の一連の流れを示す内容)を決定する。そして、演出制御手段334は、決定された演出パターンに基づいて画像IC360a、楽曲IC362a、コントローラ364等の各デバイスにコマンドを送信して演出を実行させる。
このような演出は、電源が投入されている間、割込処理として常時遂行され、所定の割込周期(例えば16.66msec)内に完了する。例えば、演出制御手段334は、図10に示すように、所定の割込周期(例えば16.66msec)の到来を待ち(S10におけるNO)、所定の割込周期が到来すると(S10におけるYES)、演出パターンに基づいた画像データ(演出パターンが示す演出のうち、液晶表示部138に表示する画像に相当するデータ)を決定する(S11)。そして、演出制御手段334は、画像IC360aに対して、画像データを特定可能な画像コマンドを送信し(S12)、ステップS10からの処理を繰り返す。画像IC360aは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROM360bから画像RAM(VRAM)360cに読み出し、画像データを、順次、液晶表示部138に出力する。なお、液晶表示部138には、常に、何かしらの画像が表示される。したがって、演出制御手段334は、割込周期毎に、常に、画像データを決定していることとなる。なお、画像RAM360cは、複数のレイヤ(階層)を有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像IC360aは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、その重畳された画像データを液晶表示部138に出力する。
また、演出制御手段334は、所定の割込周期が到来すると、上記の画像IC360aに対する制御に引き続き、演出パターンに基づいた楽曲データ(演出パターンが示す演出のうち、スピーカ140に出力する楽曲に相当するデータ)を決定する。そして、演出制御手段334は、楽曲IC362aに対して、楽曲データを特定可能な楽曲コマンドを送信する。楽曲IC362aは、楽曲コマンドによって特定される楽曲データを楽曲ROM362bから楽曲IC362aに読み出し、楽曲データを、順次、スピーカ140に出力する。なお、楽曲IC362aは、複数の楽曲バッファ(バッファ)を有し、各楽曲バッファに異なる楽曲データを保持させることができる。そして、楽曲IC362aは、複数の楽曲バッファに保持された楽曲データを重畳し、その重畳された楽曲データをスピーカ140に出力する。
また、演出制御手段334は、所定の割込周期が到来すると、上記の画像IC360aおよび楽曲IC362aに対する制御に引き続き、演出パターンに基づいた照明パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出ランプ160の一連の点灯態様を示す内容)および駆動パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出役物装置162を構成するアクチュエータ(モータ、ソレノイド等)の一連の駆動態様を示す内容)を決定する。そして、演出制御手段334は、その照明パターンおよび駆動パターンに基づいて、コントローラ364に駆動コマンドを送信する。コントローラ364は、かかる駆動コマンドに従い、複数の演出ランプ160や演出役物装置162に対し、それぞれ独立して発光に関する情報(発光情報)や、駆動に関する、例えば、モータの回転方向(進行方向)、回転量(進行量)、回転速度(進行速度)といった情報(駆動情報)を生成し、生成された発光情報や駆動情報を、シリアル通信を通じて送信する。ここでシリアル通信が用いられるのは、ハーネスの数の抑制や取り回しを簡易化するためである。こうして、複数の演出ランプ160それぞれが独立して点灯制御されるとともに、複数の演出役物装置162それぞれが独立して駆動制御される。また、演出役物装置162は、駆動パターンが決定されたときのみ動作している。したがって、駆動パターンは、画像データ、照明パターン、楽曲データと比較して決定される頻度が低い。
また、コントローラ364は、発光情報や駆動情報を、シリアル通信を通じて送信するとともに、シリアル通信を通じて演出操作装置164等の入力情報(操作有無、操作タイミング、操作回数、操作時間長等)を取得する。演出制御手段334は、かかる入力情報に応じて、液晶表示部138に所定の画像を表示する等、さまざまな演出を決定する。
ここでは、サブCPU202a、サブRAM202c、画像IC360a、画像ROM360b、画像RAM360c、楽曲IC362a、楽曲ROM362b、コントローラ364等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1つの集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。
(演出役物装置162、演出操作装置164)
図11は、コントローラ364の制御態様を説明するためのブロック図である。ここでは、特に、シリアル通信を通じて演出役物装置162に駆動情報を伝達するとともに、演出操作装置164から入力情報を取得する例を挙げて説明する。なお、ここでは、本実施形態に関係のある信号および端子のみ説明し、本実施形態に関係のない信号および端子についてはその説明を省略する。
まず、図11(a)に示すように、コントローラ364がシリアル通信を通じ、演出役物装置162を構成するモータ制御素子Q1に駆動情報を送信する。モータ制御素子Q1は、シリアル入力端子SIから入力したシリアル信号中の駆動情報を解析し、演出役物装置162を構成するモータドライバQ2、Q3それぞれに、独立して、回転量(回転速度)を示すPWM信号、CWかCCWかを示す方向信号、ブレーキの有無を示すブレーキ信号、駆動の可否を示すイネーブル信号を送信する。モータドライバQ2、Q3は、かかるPWM信号、方向信号、ブレーキ信号、イネーブル信号に基づいて、それぞれモータM1、M2を駆動する。かかるモータM1、M2は、図11(b)に示すように、それぞれ演出役物装置162を構成する扉(シャッタ)に見立てた左右の役物を、液晶表示部138の前面において左右方向に移動させる。
図11(a)に戻って、モータドライバQ2、Q3は、エラーのない定常時は「FLAG」で示されるデジタル信号(第2デジタル信号)を偽値(0)に維持し、モータM1、M2の駆動に関してエラーが生じると、真値(1)に変更する。ここでデジタル信号は、2値化された離散信号であり、真値(1)か偽値(0)で表される。
一方、図11(b)に示した演出操作装置164を構成する操作スイッチSWは、遊技者の押圧操作を検出可能に構成され、また、演出役物装置162としてのアクチュエータM3が設けられている。アクチュエータM3は、演出の一環として、コントローラ364から駆動指令を受け、操作スイッチSW自体を振動させる。したがって、操作スイッチSWからは、「B_SENS」で示されるデジタル信号(第1デジタル信号)と、「B_MON」で示されるデジタル信号(第3デジタル信号)とが出力されている。ここでB_SENSは、遊技者の操作がなされていることを示し、遊技者が操作スイッチSWを操作していない定常時は偽値を維持し、遊技者が操作スイッチSWを押圧操作している間、継続して真値となる。B_MONは、アクチュエータM3が駆動していることを示し、アクチュエータM3が駆動していない定常時は偽値を維持し、アクチュエータM3が駆動して振動している間、継続して真値となる。かかるB_MONは、操作スイッチSWのアクチュエータM3が意図しないタイミングで駆動し続けるのを防止するために設けられている。このようなB_SENS、FLAG、B_MONといったデジタル信号を出力する装置(モータドライバQ2、Q3、操作スイッチSW)は、遊技の進行に基づいて2値化されたデジタル信号を出力する出力装置として機能する。
そして、モータ制御素子Q1は、B_SENS、FLAG、B_MONといったデジタル信号をパラレル入力ポート(IN1〜IN6)の各入力ポートで受信し、所定のタイミングでラッチして入力情報を生成する。モータ制御素子Q1は、入力情報をシリアル化してシリアル出力端子SOからコントローラ364に伝送する。したがって、モータ制御素子Q1は、パラレル入力ポートに入力された複数のデジタル信号をラッチしてシリアル化したシリアル信号を送信するパラレルシリアル変換装置としての機能も有する。このように、モータ制御素子Q1には、予めパラレル入力ポート(IN1〜IN6)が準備されており、コントローラ364は、シリアル通信を通じて、役物に関するデジタル信号も並行して取り込むことが可能となる。
しかし、モータ制御素子Q1に準備されているパラレル入力ポートはその数が決まっている(制限されている)。例えば、本実施形態で用いられるモータ制御素子Q1のパラレル入力ポートでは、個々の入力ポートとして最大6つしか利用できない。このうち、4つの入力ポート(IN1〜IN4)は、既に、図11(b)に示す演出役物装置162としての扉に見立てた左右の役物それぞれの位置センサ(図示せず)や原点センサ(図示せず)に関するデジタル信号に割り当てられている。したがって、他のデジタル信号に割り当て可能な入力ポートは2つ(IN5、IN6)しかない。これに対し、受信すべきデジタル信号は、操作スイッチSWから出力されるB_SENS、モータドライバQ2、Q3それぞれから出力されるFLAG、操作スイッチSWから出力されるB_MONといったように4つある。
ここで、モータドライバQ2、Q3それぞれのFLAGは1つに纏めることが可能なので、受信すべきデジタル信号を1つ減らすことはできる。しかし、それでも受信すべきデジタル信号は、2つの入力ポートに対して3つあることとなる。そこで、本実施形態では、3つのデジタル信号B_SENS、FLAG、B_MONのうち2つのデジタル信号(例えば、FLAGとB_MON)の論理和(Logical disjunction)をとって1のデジタル信号として用いる。ここで、論理和は、論理演算の1つであり、複数の入力の少なくともいずれか1つが真値のときに、出力が真値となり、複数の入力がいずれも真値ではないとき(偽値(0)のとき)には、出力が真値とはならない(偽値となる)ものである。
このように3つのデジタル信号のうち2つのデジタル信号を1のデジタル信号として用いることができるのは以下の理由による。すなわち、スロットマシン100において、遊技者は、常時、操作スイッチSWを操作することができるので、その操作スイッチSWの操作を常時監視するために、B_SENSのデジタル信号を、FLAGやB_MONと独立して常時受信しなければならない。したがってB_SENSは、論理和の入力の候補としない。一方、FLAGとB_MONとは、いずれも、定常時においてデジタル信号が真値ではない(偽値)状態で維持され、有意な事象(モータのエラーやアクチュエータM3の振動)が生じると、その間のみ真値となる。具体的に、FLAGは、定常時において偽値を維持しているが、モータM1、M2のいずれかの駆動に関してエラーが生じると真値となる。またB_MONも定常時において偽値を維持しているが、操作スイッチSWのアクチュエータM3が駆動している間は、その信号を検出して真値となる。そして、FLAGとB_MONとは互いに依存していない(影響のない)信号である。ここで、定常時は、有意な事象(モータのエラーやアクチュエータM3の振動)が生じていない通常の状態をいう。
したがって、FLAGとB_MONとの論理和をとったとしても、その論理和をとったデジタル信号も、定常時において偽値を維持することとなり、FLAGおよびB_MONのいずれか一方に有意な事象(モータのエラーやアクチュエータM3の振動)が生じたときにはじめて真値となる。そして論理和をとったデジタル信号が真値になると、モータM1、M2を停止し、モータドライバQ2、Q3をリセットするとともに、操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動を停止する。こうして、2つのデジタル信号の論理和をとったデジタル信号を1の入力ポートに入力したとしても、少なくとも、FLAGおよびB_MONのいずれか一方に有意な事象が生じたことを把握することが可能となる。
ただし、上記の実施形態では、少なくとも、FLAGおよびB_MONのいずれか一方に有意な事象が生じたことは把握できるものの、単に真値か偽値の情報だけでは、それがいずれの事象であるか特定することはできない。そこで、本実施形態では、操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動指令が出されているか否かの情報を用いて、論理和をとったデジタル信号を区別する。
図12は、論理和をとったデジタル信号を区別する態様を説明するための説明図である。通常、操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動指令が出されていない状態では、論理和をとったデジタル信号は偽値となるので、その状態は(1)正常であると特定できる。しかし、操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動指令が出されている場合、その振動の検出信号であるB_MONは、操作スイッチSWのアクチュエータM3が駆動に伴って真値となる。したがって、その状態は、操作スイッチSWのアクチュエータM3が正常に振動している、(2)振動正常であると特定できる。一方、操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動指令が出されているにも拘わらず、B_MONが偽値の場合、操作スイッチSWのアクチュエータM3が実際には駆動していない、または、アクチュエータM3は駆動しているが、何らかの不具合によりその振動検出が正常にできていない、(3)振動エラーであると特定できる。また、このような操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動とは関係のないタイミング、例えば、操作スイッチSWのアクチュエータM3の駆動指令が出されていないタイミングで、論理和をとったデジタル信号が真値となった場合、それはB_MONの信号ではないと推定できるので、FLAGが真値になったとみなし、(4)モータエラーと特定することができる。
このように、FLAGとB_MONとの論理和をとったデジタル信号は、アクチュエータM3の駆動指令に基づいて区別することができる。したがって、FLAGとB_MONとの論理和をとったとしても、適切に、有意な事象(モータのエラーやアクチュエータM3の振動)が生じたことを把握することが可能となる。したがって、モータドライバQ2、Q3か、操作スイッチSWのアクチュエータM3かのいずれかを個々にリセットすることができる。
ところで、図11では、FLAGとB_MONとの論理和の例として、正論理の論理和回路(OR回路)を用いる例を挙げて説明した。しかし、論理和の回路はかかる場合に限らず、様々な組み合わせで構成することができる。
図13は、論理和の回路の他の例を示した説明図である。図11の例では、真値(1)を電圧のHIレベル(例えば5V)に、偽値(0)を電圧のLOWレベル(例えば0V)に設定する(正論理)例を挙げて説明したが、真値と偽値との電圧レベルを反転してもよい。エラー信号を扱う回路では、フェールセーフの観点からデジタル信号の真値をLOWレベルに、偽値をHIレベルに設定することがある(負論理)。そうすると、FLAGは、定常時においてHIレベル(偽値)を維持しているが、モータM1、M2のいずれかの駆動に関してエラーが生じるとLOWレベル(真値)となる。またB_MONも定常時においてHIレベル(偽値)を維持しているが、操作スイッチSWのアクチュエータM3が駆動している間は、その信号を検出してLOWレベル(真値)となる。そして、FLAGとB_MONとの論理和をとったデジタル信号は定常時においてHIレベル(偽値)を維持し、FLAGおよびB_MONのいずれか一方に有意な事象(モータのエラーやアクチュエータM3の振動)が生じるとLOWレベル(真値)となる。このような負論理の論理和は図13(a)のように示され、論理積(Logical conjunction)(AND回路)で代用できる。
また、モータドライバQ2、Q3の出力端子がオープンコレクタ(バイポーラ)やオープンドレーン(MOS)で構成されている場合、図13(b)のようにワイアードオア(Wired OR)の回路構成をとることもできる。ここでは、モータドライバQ2、Q3のFLAG同士が接続され、モータ制御素子Q1のIN6端子に直接入力されている。そして、B_MONの信号を、NPNバイポーラトランジスタQ4を通じたオープンコレクタで、FLAGと接続する。また、電源へのショートパスを確保するために、その接続線を、DC電源にプルアップ抵抗Rを通じて接続する。なお、バイポーラトランジスタQ4を介することによりB_MONの論理が反転するので、その反転した論理を戻すべく、B_MONにはさらにインバータQ5が接続されている。かかるワイアードオアの構成により、小さな回路規模でFLAGとB_MONの論理和を実現することが可能となる。ここでは、NPNバイポーラトランジスタを用いているが、かかる場合に限らず、PNPバイポーラトランジスタ、抵抗を追加したデジタルトランジスタ、ユニポーラトランジスタ等を用いることもできる。
以上、説明したように、モータ制御素子Q1に準備されたパラレル入力ポートを効率的に利用しつつ、複数のデジタル信号を一度に取り込むことが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、出力装置として、B_SENS、FLAG、B_MONといったデジタル信号を出力する装置(モータドライバQ2、Q3、操作スイッチSW)を挙げたが、遊技の進行に基づいて2値化されたデジタル信号を出力し、かつ、定常時において、偽値を維持しさえすれば、様々な電気素子に適用することができる。
また、上述した実施形態では、デジタル信号が真値であるか偽値であるかといった信号のレベルを判断して処理を遂行しているが、かかる場合に限らず、真値から偽値への変化点(立ち下がりエッジ)や偽値から真値への変化点(立ち上がりエッジ)を判断して処理を遂行することもできる。
また、上述した実施形態では、図13(b)のように、ワイアードオアの回路構成をとり、DC電源にプルアップ抵抗Rを通じて接続する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、モータドライバQ2、Q3のFLAG端子に既にプルアップ抵抗が内蔵されていれば、外部のプルアップ抵抗を省略することができる。
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態においては、遊技利益としてボーナス遊技を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、遊技利益が大きい選択当選役と他の当選役とが重複した選択当選種別であり、ストップスイッチ130a、130b、130cの操作態様が、複数の操作態様のうちの所定の操作態様(正解操作態様)であること、すなわち、所定の操作順(打順)または所定の操作タイミングあるいはこれらの組み合わせであることが選択当選役の入賞条件として設定された選択当選種別が当選役抽選により決定したときに、演出制御手段334が、その選択当選役の入賞条件となる正解操作態様を報知する補助演出を行うことで、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)を実行するAT演出状態や、リプレイ役の当選確率が通常遊技より高くなるように設定してメダルの消費を抑えることで、メダルの消費に対する当選役の抽選機会を増やす、RT(リプレイタイム)遊技や、上記のATとRT遊技が同時に進行されるART遊技を設けてもよい。
また、ここでは、スロットマシン100においてデジタル信号の論理和をとる例を挙げて説明したが、パチンコ機において、デジタル信号の論理和をとってもよい。ここで、パチンコ機は、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えてもよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。