以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、まず本実施形態に係るスロットマシンの構成について図1ないし図3を参照して説明する。
なお、図1は本スロットマシン100の外部構造を表した平面図、図2は本スロットマシン100の内部構造を表した平面図、図3は本スロットマシン100に設けられている制御システムの構成を表したブロック図である。
<装置構成>
まず、図1を参照して本スロットマシン100の外部構造を概説すると、本スロットマシン100は、遊技者に面するフロントドア101と、フロントドア101が開閉可能に取り付けられた後述の筐体102とを備えて構成されている。
フロントドア101は、機械的に強固な硬質プラスチックで成形された上部パネル部103と中部パネル部104及び下部パネル部105とを備えて構成されている。
上部パネル部103には、上部ランプと呼ばれる演出用ランプ103aと、スピーカが取り付けられた放音部103b、103cと、製品名、イラスト、ゲーム内容の紹介などが記載された印刷パネルまたは液晶ディスプレイ等で形成された演出表示手段103dが設けられている。
中部パネル部104には、液晶ディスプレイで形成された略長方形の画像表示手段WDと、演出用ランプ104a、104bが設けられ、筐体102内に設けられている回胴リール装置200のリールR1、R2、R3を、遊技者が画像表示手段WDを介して見ることが可能となっている。尚、画像表示手段WDの前面にさらに保護用の硬質のプラスチックを設ける構成を採っても良い。
本実施形態では画像表示手段WDの表示領域を2つの表示領域A、Bに分けて各表示領域A、B各々で液晶ディスプレイとして表示する画像を制御することを特徴とする。表示領域Bは図1の画像表示手段WDの点線枠内の領域に相当する。また表示領域Aは画像表示手段WDのうち点線枠外の領域に相当する。2種の表示領域を設けたことに係る説明は、図6の図面を用いながら後述することにするが、図1記載の表示領域A、Bは図6記載の表示領域A、Bそれぞれと同一である。
更に中部パネル104の下端には、遊技者が操作するための操作部104cが設けられ、当該操作部104cには、スロットマシンゲームを行うのに必要な遊技メダルを投入するためのメダル投入口MDと、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットスイッチB1、B2、B3と、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバーSTと、回転中のリールR1、R2、R3を個別に停止させるためのストップスイッチSP1、SP2、SP3が設けられている。
更に、メダル投入口MDの近傍に、フロントドア101を解錠するための鍵穴KYが設けられている。そして、遊技場側の事業者や管理者が、鍵穴KYに正規の鍵を挿入して開錠操作すると施錠機構(図示略)を解除し、フロントドア101を筐体102から開くことが可能となっている。
下部パネル105には、本スロットマシン100のゲーム内容を紹介等するための画像(図示略)が描かれており、更に遊技者の獲得した枚数の遊技メダルを払い出すための排出口105a及び受皿105bと、スピーカが取り付けられた放音部105cが設けられている。
次に、図2を参照して、フロントドア101の裏面構造と、筐体102の内部構造を概説する。なお、図2はフロントドア101を開錠して筐体102から開いた状態を表している。
同図において、フロントドア101の裏面上部に上述の放音部103b、103cを構成するスピーカSR、SLが設けられ、スピーカSR、SLの間に演出表示手段103dが設けられている。
更に演出表示手段103dの裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板300が取り付けられている。
すなわち、サブ制御基板300は、導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、演出表示手段103dの裏面側に重なるようにして取り付けられている。
演出表示手段103dとサブ制御基板300の下方には、上述の画像表示手段WDと中部パネル部104のパネル面とが形成された略長方形の枠体104dが取り付けられている。
枠体104dの下方には、メダル投入口MDより投入される投入物を正規の遊技メダルか異物か判別して振り分けるセレクト機構G0と、セレクト機構G0で振り分けられた遊技メダルを筐体102側に設けられているホッパ装置HPへ案内するガイド部材G1と、セレクト機構G0で振り分けられた異物を排出口105aへ案内するガイド部材G2と、ホッパ装置HPから出力される払い出し用の遊技メダルを排出口105aへ案内するガイド部材G3が設けられ、更に排出口105aの近傍に、放音部105cを構成するスピーカSWが取り付けられている。
上述の枠体104dとセレクト機構G0との間には、長尺状の電気回路基板で形成された中央表示基板400が取り付けられており、当該中央表示基板400の一端に、発光ダイオードで形成されたセグメント表示を行う設定表示素子CTと、設定ボタンCSとが設けられている。
すなわち、中央表示基板400もサブ制御基板300と同様に、導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、更に設定表示素子CTと設定ボタンCSとが搭載されて配線接続されている。
次に、筐体102内には、主電源装置PWUと、ホッパ装置HPから溢れた遊技メダルを収容するための補助貯留部SHPが設けられる他、上述の画像表示手段WDに対向するリールR1、R2、R3とこれらリールR1、R2、R3を回転駆動するモータ(図示略)とを備えた回胴リール装置200が設けられている。
更に、主電源装置PWUの側面には、制御システム電源供給用のシステム電源スイッチBQと、出玉率設定変更用の設定スイッチBOが搭載された電源装置基板500、回胴リール装置200の上端には回胴装置基板600、回胴リール装置200の上方には主制御基板700が取り付けられている。
すなわち、電源装置基板500と、回胴装置基板600、主制御基板700も、上述のサブ制御基板300及び中央表示基板400と同様に、導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成されている。
ただし、サブ制御基板300と主制御基板700は、夫々硬質のプラスチックの収納ケース内に個別に収納されたユニット構造となっている。
次に、図3のブロック図を参照して制御システムの構成を説明する。
上述の主制御基板700は、本スロットマシン100の動作を統括管理するために設けられ、主制御基板700を中心としてサブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500、回胴装置基板600が夫々所定の配線ケーブル(図示略)を介して配線接続されている。
ここで、主制御基板700には、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載されており、当該マイクロプロセッサMPUが、半導体メモリROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムを実行し、各基板300、400、500、600を制御することによって、本スロットマシン100の動作状況とゲームの進行を統括管理している。
すなわち、遊技者がスタートレバーSTとストップボタンSP1、SP2、SP3等を操作してゲームを行い、スロットマシンゲーム用のプログラムで予め決められている複数種類の役の何れかを取得すると、マイクロプロセッサMPUは、その遊技者の取得した役に対応した制御モードでゲームの進行を制御する。別言すれば、マイクロプロセッサMPUは、遊技者のゲーム操作に応じてスロットマシンゲーム用のプログラムを実行することによって、遊技の種類を設定し且つ進行すべき遊技の状態を制御する。
更に、サブ制御基板300には、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載され、演出用スピーカSR、SL、SWと演出用ランプ103a、104a、104bと演出表示手段103dと画像表示手段WDが夫々所定の配線ケーブル(図示略)を介して配線接続されており、サブ制御基板300に設けられている電気回路が、主制御基板700からの指示に従ってこれら演出用スピーカSR、SL、SWと演出用ランプ103a、104a、104bと演出表示手段103dを駆動することにより、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出を行うようになっている。
回胴装置基板600は、回胴リール装置200が接続されており、主制御基板700からの指令に従ってモータへの駆動電力と駆動タイミングを制御することにより、リールR1、R2、R3の回転と制動及び停止の制御を行う。
中央表示基板400には、上述の設定表示素子CTと設定ボタンCSが接続され、更にセレクト機構G0と、ベットボタンB1、B2、B3、スタートレバーST、ストップボタンSP1、SP2、SP3が所定の配線ケーブル(図示略)を介して配線接続されている。
そして、中央表示基板400は、ベットボタンB1、B2、B3とスタートレバーSTとストップボタンSP1、SP2、SP3が夫々オン又はオフ操作されたことを示す操作信号(符号略)を主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUに転送し、ゲームの進行を制御させる。
また、セレクト機構G0には、メダル投入口MDから投入された投入物を遊技メダルか異物かを検知する光学センサ又は機械センサもしくは磁気センサが設けられており、これらのセンサから出力される投入物検出信号(符号略)を中央表示基板400が主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUへ転送する。
そして、マイクロプロセッサMPUが遊技メダルの投入されたことを示す投入物検出信号を入力すると、メダルの投入枚数を集計する。一方、異物の投入されたことを示す投入物検出信号を入力すると異常が発生したと判断し、上述のサブ制御基板300に指令して、演出用スピーカSR、SL、SWに警報音を発生させたり、演出用ランプ103a、104a、104bにて警報表示を行わせる。
また、設定ボタンCSは、事業者や管理者が出玉率を設定変更するために設けられており、設定表示素子CTは、1から6までの何れかの数字をセグメント表示することにより、設定ボタンCSによって設定変更された出玉率を段階表示する。
すなわち、設定ボタンCSがオン操作されると、中央表示基板400は、そのオン操作される度に設定信号(符号略)を主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUへ転送し、マイクロプロセッサMPUは設定信号を入力する毎に、予め6段階に決められている出玉率を順繰りに変化させ、更に変化させた出玉率に相当する数字を示す設定表示信号(符号略)を中央表示基板400へ返送する。そして、中央表示基板400が設定表示信号に基づいて設定表示素子CTに数字をセグメント表示させることにより、事業者や管理者に設定変更された出玉率の情報を知らせる。
次に、電源装置基板500には、図2にも示されているように、システム電源スイッチBQと設定スイッチBO等が搭載されている。更に、電源装置基板500には、電源装置PWUで発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン100の動作に必要なシステム電源が供給されている。
システム電源スイッチBQは、本制御システムをパワーオンリセットするために設けられており、設定スイッチBOは、事業者や管理者が手操作によって出玉率を設定変更するために設けられている。
すなわち、事業者や管理者が正規の鍵を設定スイッチBOに設けられている鍵穴に挿入した状態で、システム電源スイッチBQをオフ操作し、次に上述の鍵を時計回りの方向へ回転してからシステム電源スイッチBQをオン操作すると、上述のパワーオンリセットのタイミングで、主制御基板700内のマイクロプロセッサMPUが出玉率を設定変更するためのモードに移行して、中央表示基板400に設けられている設定ボタンCSと設定表示素子CTの制御を開始する。
そして、上述したように事業者や管理者が設定ボタンCSを適宜にオン操作し、設定表示素子CTに表示される数字を確認した上でスタートレバーSTをオン操作すると、マイクロプロセッサMPUが、設定表示素子CTに表示される数字に対応する出玉率を確定し、更に設定ボタンCSに挿入されている上述の鍵が反時計回りの方向に操作されて抜き取られると、出玉率の設定変更の操作が終了したと判断して、当該確定した出玉率に基づいてゲーム動作を再開する。
<制御構成>
次に、図4のブロック図を用いてスロットマシン100の制御の概略を説明する。スロットマシン100の制御手段50は、スロットマシン100の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン100全体を統括制御する手段である。制御手段50は、演算等を行うCPUと、遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと、CPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備える。
制御手段50の出力側(図中、右側)には、以下に示すモータ32等の周辺機器が電気的に接続されている。モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結され、遊技用制御手段60によって制御される。
(リール)リール31は、リング状のものであり、その外周面には複数種類の図柄(入賞役を構成する図柄等)を印刷したリールテープを貼付したものである。なお一例ではあるが本実施形態におけるリールテープを図16に示しておく。リール31は、本実施形態では並列に3つ設けられている。また、各リール31は、スロットマシン100のフロントパネルに設けられた画像表示手段35から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。そして、リール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で画像表示手段35内で上下方向に移動表示される。
また、入賞役としては、例えば特別役、複数種類の小役、及びリプレイ(再遊技役)が挙げられる。特別役とは、通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役である。この特別役としては、例えばビックボーナスやレギュラーボーナスが挙げられる。
ビックボーナスとは、特別遊技の1つであるビックボーナスゲームに移行させる役である。ビックボーナスゲームとは、所定回数内の一般遊技を行うとともに、この一般遊技中に一定条件下でボーナスゲームを所定回行うことができるようにしたものである。さらに、このボーナスゲームとは、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行うものである。これに対し、レギュラーボーナスとは、特別遊技の1つであるレギュラーボーナスゲームに移行させる役である。レギュラーボーナスゲームとは、ビックボーナスゲーム中のボーナスゲームを1回行うものである。
また、小役とは、予め定めた枚数のメダルの払出しを行う役である。さらにまた、リプレイとは、当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した再遊技が行えるようにした役である。
以上の各種の役に対応する、リール31の図柄の組合せが予め定められている。そして、全てのリール31の停止時に、有効ラインに停止した図柄の組合せが予め定められた役の図柄の組合せと一致するときは、その役の入賞となり、メダルの払出し等、成立役に応じた利益が遊技者に与えられる。
ここで、フロントパネルの画像表示手段35を含む部分には、例えば5本の有効ラインが設定されている。この有効ラインは、水平方向の上段、中段及び下段の3本と、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本とから構成されている。そして、画像表示手段35から見える各リール31の上下に連続する3図柄は、水平方向の上段、中段及び下段の3本の有効ライン上に位置している。また、この有効ラインは、投入されたメダル枚数に応じて有効化される。投入されたメダルが1枚のときは水平方向中段の1本の有効ライン、2枚のときは水平方向の3本の有効ライン、3枚のときは5本の全ての有効ラインが有効化される。
(バックランプ)バックランプ33は、各リール31の内周面側(リング状体の中側)にそれぞれ固定配置され、ランプ(又はLED等)を点灯することにより、リール31の図柄を背後から照光するものである。このバックランプ33による図柄の照光は、図柄を見やすくするための他、遊技中に特定条件を満たしたときに所定のパターンで図柄を照光することにより、役の当選可能性の告知演出等を行うものである。また、スピーカ34は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定のサウンドを出力するものである。
(画像表示手段)さらにまた、画像表示手段35は、本実施形態では、カラー画像を表示する液晶ディスプレイやドット画像表示装置等からなるものであり、スロットマシン100のフロントパネル内に、リール31の前面に位置し、遊技者に対して目視可能に設けられている。画像表示手段35は、遊技中の演出を行うときに、各種の画像表示を行うものである。尚、画像表示手段35は、図1記載の画像表示手段WDと同一である。
さらに、制御手段50の入力側(図中、左側)には、以下に示す周辺機器が電気的に接続されている。メダルセンサ45は、遊技者によりメダル投入口44から投入されたメダルを検知するセンサである。また、ベットスイッチ43は、遊技者がクレジットの範囲内でメダルの投入を行うときに操作するスイッチである。スタートレバー41は、遊技者がリール31の回転をスタートさせるときに操作するスイッチである。ストップスイッチ42は、各リール31ごとに独立して3つ並設され、遊技者がそれぞれのリール31の回転を停止させるときに操作するスイッチである。
通常遊技においては、遊技者は、メダル投入口44からメダルを投入するか、又はベットスイッチ43を操作して有効ラインを有効化し、スタートレバー41をオンする。これにより、各リール31が始動される。そして、遊技者はストップスイッチ42を押すことでリール31の回転を停止させる。そして、上述したように、有効ライン上に停止したリール31の図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは入賞となり、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。
また、各遊技中には、種々の演出、例えばバックランプ33の点灯、スピーカ34からのサウンドの出力、及び画像表示手段35による画像表示等が行われる。これらの演出の中には、役の当選可能性があることを告知する演出を含む。
制御手段50は、遊技用制御手段60と、演出用制御手段70とを備える。制御基板遊技用制御手段60は、遊技の進行に関する制御を行うものであり、本実施形態では図3において主制御基板700に備えられており、以下の手段を備える。なお、遊技用制御手段60は、以下に示す手段に限定されるものではない。
(役抽選手段)役抽選手段61は、役(ビックボーナス等の特別役、小役又はリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハード乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
役抽選手段61の乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートレバー41がオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、メダルの投入枚数に対応する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がビックボーナス当選領域に属する場合は、ビックボーナスの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
(特定役当選判別手段)特定役当選判別手段62は、役抽選手段61の抽選の結果、特定役、例えば所定の小役や特別役が当選したか否かを判別するものである。ここで、このような特定役の当選を判別するのは、特定役の当選時に、その当選した特定役を遊技者が入賞させやすくするための画像表示を行うためである。
(停止操作順番検知手段)停止操作順番検知手段63は、ストップスイッチ42の操作順番を検知するものである。上述したように、ストップスイッチ42は、各リール31ごとにそれぞれ設けられているが、1番目、2番目、3番目にオンされたストップスイッチ42がそれぞれ、左、中、右のリール31のうち、どのリール31に対応するストップスイッチ42であるかを検知する。各ストップスイッチ42には、それぞれオンされたときに、識別信号が停止操作順番検知手段63に送信されるように構成されている。
なお、以上のようにしてストップスイッチ42の停止操作順番を検知するのは、例えば停止した図柄の組合せが同一であっても、ストップスイッチ42の操作順番によって、その図柄の組合せの意味するところが異なる場合があるからである。例えば、左、中、右の順(順押し)でストップスイッチ42が操作されたときのその図柄の組合せは「リーチ目」になるが、右、中、左の順(逆押し)でストップスイッチ42が操作されたときは、同一の図柄の組合せであっても、リーチ目にはならない場合があるからである。
ここでリーチ目とは、1又は複数のリール31が停止したときに、特別役の非当選の遊技時には出現しない特定の図柄の組合せを画像表示手段35内に出現させることにより、特別役の当選可能性があることを遊技者に対して知らせる出目である。なお、リーチ目は、一般に、スロットマシン100内部の役の抽選において特別役が当選したことを条件として出現するものであるが、その他、当選確率が必ずしも100%ではないが特別役の当選可能性を有するときに出現するもの(いわゆるチャンス目)を含めても良い。
また、リーチ目には、3つのリール31のうち、第1リール31のみの出目(第2リール31及び第3リール31の出目は任意)によって確定する「第1リール確定リーチ目」、第1及び第2リール31の組合せによる出目(第3リール31の出目は任意)によって確定する「第2リール確定リーチ目」、さらに、3つの全てのリール31の組合せによる出目によって確定するリーチ目がある。
(投入メダル枚数検知手段)投入メダル枚数検知手段64は、遊技者により投入されたメダル枚数を検知するものである。本実施形態では、第1に、メダル投入口44から投入されたメダルの通過をメダルセンサ45が検知し、投入メダル枚数検知手段64は、メダルセンサ45の検知に基づいて、投入メダル枚数を検知する。また、第2に、投入メダル枚数検知手段64は、遊技者によりベットスイッチ43が操作されると、この操作により発せられた信号を受信することで、投入メダル枚数を検知する。なお、投入メダル枚数検知手段64により投入メダル枚数を検知するのは、有効ライン数の判断に用いるとともに、役抽選手段61による役の抽選時にメダルの投入枚数に対応する抽選テーブルを選択するためである。
(リール図柄検知手段)リール図柄検知手段65は、各リール31の所定位置での図柄を検知するものである。ここで「所定位置」とは、本実施形態では、水平方向の3本の有効ラインのうち、中段の有効ラインである。この中段の有効ラインに位置する1図柄を検知する。この所定位置に存在する図柄を検知するには、例えば以下のようにすれば良い。先ず、リール31にホームポジションを設けておき、リール31が1回転するごとにホームポジションがセンサを通過するようにする。また、モータ32には、その駆動時における回転角度を検知するためのセンサを設けておく。これにより、リール31の位置を検知することができる。
さらに、リール31の各図柄にそれぞれ対応する図柄番号を付与しておくとともに、上記のホームポジションに存在する図柄番号を記憶しておく。さらにまた、ホームポジションと水平方向中段の有効ライン上(所定位置)との位置関係を記憶しておく。これにより、所定位置に存在する図柄番号を検知することができる。本実施形態では、リール図柄検知手段65は、(1)リール31の回転中、(2)遊技者によるリール31の停止操作時(ストップスイッチ42がオンされた時)、及び(3)停止時、における所定位置での図柄を検知する。
(リール停止制御手段)リール停止制御手段66は、遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態等)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリール31を停止制御するものである。遊技用制御手段60には停止位置決定用テーブルが設けられている。この停止位置決定用テーブルは、役抽選手段61の抽選結果、及び遊技状態等に対応して設けられており、ストップスイッチ42の操作タイミングに基づいたリール31の停止位置を定めたものである。
リール停止制御手段66は、役抽選手段61の抽選結果等に対応する所定の停止位置決定用テーブルを選択し、ストップスイッチ42がオンされたときに、そのタイミングに基づいて停止位置決定用テーブルを参照してリール31の停止位置を決定する。なお、停止位置決定用テーブルを使用せずにリール31の停止位置を決定しても良い。例えば、ストップスイッチ42がオンされたときに、停止可能位置を判断し、その停止可能位置の中で、適切な停止位置を決定することも可能である。
そして、リール停止制御手段66は、モータ32を駆動制御して、リール31が所定位置に停止するように制御する。また、役抽選手段61で何らかの役が当選したときは、その当選役に対応するリール31の図柄の組合せができる限り有効ラインに停止するように制御される。また、役抽選手段61の抽選で非当選のときは、何らかの役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないようにリール31が停止制御される。
(特別役入賞判別手段)特別役入賞判別手段67は、全てのリール31の停止時に、特別役(ビックボーナス又はレギュラーボーナス)を構成する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否か、すなわち特別役が入賞したか否かを判別するものである。この場合において、リール図柄検知手段65は、所定位置である水平方向中段の有効ラインにある図柄を検知するが、この検知結果と、投入メダル枚数検知手段64の検知結果(投入メダル枚数)とから、当該遊技での有効化された有効ラインを判断し、その有効ライン上の図柄の組合せを判別することで、特別役を構成する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判別する。このように、特別役の入賞を判別するのは、特別役の入賞時の演出の1つとして、当該遊技から遡った過去の所定回の遊技、例えば特別役の当選時から入賞時までの1又は複数回の遊技における図柄の組合せを画像表示するためである。
(操作受け付け不能期間設定手段)操作受け付け不能期間設定手段68は、遊技者がメダルをメダル投入口44へ投入したり、スタートレバー41をオンしてリール31を回転させたり、ストップスイッチ42を押して回転しているリール31を停止させるなどといった一連の遊技操作の受け付けを不能とする期間を表す操作受け付け不能期間を設定するものである。この操作受け付け不能期間中では、停止操作順番検知手段63がストップスイッチ42の操作順番を検知することもなく、また投入メダル枚数検知手段64がメダル投入口44から投入されたメダル枚数及びベットスイッチ43が操作され、この操作により発せられた信号を受信してメダル枚数を検知することもなく、またリール停止制御手段66が前記遊技操作による停止制御を行うことがない、といった遊技進行に関わる処理は行わない。即ち、遊技進行に関する遊技者の操作を受け付けない。このような期間を設けるのは、遊技者の1ゲームの遊技進行を所定時間以上設けることにより、画像表示手段35による演出をきちんと表示し、遊技者に特定画像表示状態における演出画像をきちんと把握してもらうためであり、これにより遊技者の好奇心が高まる。
演出用制御手段70は、スロットマシン100の制御のうち、特に演出に関する制御を行うものであり、本実施形態では図3においてサブ制御基板300に備えられており、以下の手段を備える。なお、演出用制御手段70は、以下に示す手段に限定されるものではない。
(特定停止図柄判別手段)特定停止図柄判別手段71は、リール図柄検知手段65の検知結果に基づいて、リール31の停止時において、画像表示手段35上に表示される、有効ラインや表示窓内の所定位置での図柄の組合せ、又は画像表示手段35上に表示されない、表示窓外の所定位置での図柄の組合せが特定のものであるか否かを判別するものである。ここで、特定停止図柄判別手段71は、各リール31ごとの図柄配列のデータを記憶している。そして、リール図柄検知手段65で検知された所定位置(水平方向中段の有効ライン)にある図柄と、この図柄配列のデータとから、画像表示手段35上に表示される、有効ラインや、表示窓内の所定位置に存在する図柄、あるいは画像表示手段35上に表示されない、表示窓外の所定位置に存在する図柄を判別する。
また、本実施形態において、「特定の」図柄の組合せとは、以下のものが挙げられる。第1に、特定役(特に本実施形態では、特別役)の当選可能性を有する図柄の組合せ、すなわちリーチ目がある。ここで、リーチ目には、上述のように、全てのリール31の停止時におけるリーチ目に限らず、第1リール確定リーチ目、及び第2リール確定リーチ目も含む。
本実施形態では、最初のリール31の停止時に、例えば第1リール確定リーチ目が出現したときは、それに基づく画像表示を行う場合がある。また、第2リール確定リーチ目の出現時や、全てのリール31の停止時の確定リーチ目が出現したときに、それに基づく画像表示を行う場合もある。
第2に、少なくとも1つのリール31が停止するとともに、少なくとも他の1つのリール31が回転中である場合において、既に停止している図柄の組合せが特定役(特に本実施形態では、特別役)の当選可能性を有する図柄の組合せの一部を構成するか否かを判別する。例えば、2つのリール31が停止しているとともに最後のリール31が回転中である場合において、最後のリール31の停止時に所定の図柄が所定の有効ラインに停止すれば、リーチ目となるような場合が挙げられる。
なお、以上のリーチ目となるか否かを判別するに際しては、特定停止図柄判別手段71は、停止操作順番検知手段63の検知結果に基づいて判別する。上述したように、停止した図柄の組合せが同一であっても、ストップスイッチ42の操作順番によって、リーチ目になる場合とならない場合とがあるからである。
(移動制御判別手段)移動制御判別手段72は、遊技者によるリール31の停止操作後にリール31が所定図柄数分移動して停止したか否かを判別するものである。このように、リール31の移動制御を判別するのは、リール31が移動制御されたことを画像表示するためである。上述したように、役が当選している遊技においては、リール停止制御手段66は、その当選役に対応するリール31の図柄の組合せができる限り有効ラインに停止するように制御する。このため、リール31の停止操作後にリール31が所定図柄数分移動して停止する場合がある。このような、リール31の停止時の移動制御(すべり)を判別する。なお、「所定図柄数」は、特に限定されるものではないが、例えば3図柄である。
(演出データ記憶手段)演出データ記憶手段73は、バックランプ33、スピーカ34、又は画像表示手段35等から出力する通常の演出や、特別役の当選可能性の告知演出に係る演出データを記憶したものである。とは言えこれ以外の演出データを記憶しておいても良い。例えば、リール31に表示された遊技進行の態様に応じて画像表示手段35による画像表示、特にリール31の表示窓に画像を表示するための演出データを記憶している。
(停止図柄記憶手段)停止図柄記憶手段74は、過去の所定回数分、例えば特別役の当選時から入賞時までの1又は複数回の遊技におけるリール31の停止時の図柄の組合せを記憶しておくものである。これは、特別役の入賞時に、当該遊技から遡った過去の所定回数分の遊技における停止図柄の組合せを画像表示するときに用いられるものである。
(画像表示制御手段)画像表示制御手段75は、役抽選手段61による役抽選の結果、リール図柄検知手段65の検知結果、投入メダル枚数検知手段64の検知結果、及び演出データ記憶手段73に記憶された演出データ等に基づいて、遊技中における遊技進行の態様を、画像表示手段35によって、リール31の前面にて画像表示するように制御するものである。
画像表示制御手段75は、上記の各種の結果に基づいて、画像表示手段35により画像表示による演出を行うか否かを判断し、行うこととしたときは、演出に必要な演出データを演出データ記憶手段73から選択し、この演出データに基づいて、画像表示手段35による画像表示をリール31の前面にて行うように制御する。このように画像表示制御手段75の制御により演出に伴う画像表示が行われている状態を「特定画像表示状態」と呼ぶ。また、特定画像表示状態以外の画像表示状態、つまり画像表示制御手段75の制御による演出に係らない画像表示が行われている状態を「通常画像表示状態」と呼ぶ。ここで、画像表示制御手段75は、演出を行うか否かの判断において、例えばリール31の停止時に、特定の図柄の組合せが出現したときは、予め定められた演出を一律にリール31の前面にて画像表示するように制御しても良い。また、抽選によって演出を行うか否かを決定したり、抽選によって画像表示に用いるべき演出データを選択するようにしても良い。
よって、抽選によって演出データを選択する場合は、リール図柄検知手段65により検知された図柄が前回に検知された図柄と同一であっても、異なる演出データが選択される場合がある。また、リール図柄検知手段65により検知された図柄が前回に検知された図柄と異なるときでも、同一の演出データが選択される場合がある。
次に、遊技者が行うスロットマシンの遊技操作を図5のフローチャートを用いて説明する。
<遊技操作>
遊技者がスロットマシンの遊技を行うためにメダルを図4のメダル投入口44に投入し、メダルの通過をメダルセンサ45が検知するか、遊技者によりベットスイッチ43が操作されると、この操作により発せられた信号を受信することで、投入メダル枚数を検知するかすると、投入メダル枚数検知手段64は投入されたメダル枚数を検知する(S01)。
メダルの投入がなければ(S01でNo)、メダルが投入されるまで待機しておくが、メダルの投入があると(S01でYes)、そのメダル投入に対応した画像出力処理を行う(S02)。具体的には、全体が液晶画面である中部パネル104にて、ベットランプの画像にて点灯表示した画像を表示する。
メダルが投入されていくとMAXBET状態になる(S03)。つまり、メダルが3枚投入されて遊技開始可能状態になる。MAXBET状態でなければ(S03でNo)、メダル投入の待機状態が続くが、MAXBET状態になったとき(S03でYes)、遊技開始可能状態となり(S04)、遊技者がスタートレバー41をオンするまで待機状態が続く(S04でNo)。
遊技者がスタートレバー41をオンすると(S04でYes)、役抽選手段61による役抽選が行われる(S05)。具体的には一例ではあるが先述したように、乱数発生手段が所定の領域の乱数を発生させ、乱数抽出手段がその乱数を、遊技者によりスタートレバー41がオンされた時に抽出し、判定手段が乱数抽出手段により抽出された乱数値を、メダルの投入枚数に対応する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定し、役の当選、非当選を行う。
その後、役抽選結果に応じ、演出データ記憶手段73から対応する演出データを抽出するといった画像演出選択が行われる(S06)。ただし、全ての抽選に対してこのような選択が行われているわけではなく、例えば非当選の場合には演出データ記憶手段73からの演出データの抽出は行われることはない。
もし役当選があって出力する画像演出がある場合には(S07でYes)、演出データ記憶手段73から抽出した演出データを画像表示手段35に表示するように画像表示制御手段75が制御を行い、画像出力処理がなされる(S08)。この場合、特定役当選判別手段62は特定役が当選したか否かを判別し、特定役の当選時には、その当選した特定役を遊技者が入賞させやすくするための画像出力処理がなされる。また出力する画像演出がない場合には(S07でNo)、特に前記画像出力処理がなされることはなく、次の処理に移る。
次に、リール31がモータ32により回転し、リール31上の図柄は、所定の速度で画像表示手段35内で上下方向に移動表示されるといったリール回転開始処理がなされる(S09)。遊技者はストップスイッチ42を操作してリール31の回転を停止させることになるわけだが、このとき停止操作順番検知手段63によりストップスイッチ42の操作順番が検知される。
遊技者が何も操作しなければ(S10でNo)、リール31は回転し続けて待機状態が続くが、第1停止操作として、ストップスイッチ42の何れか1つをオンすると(S10でYes)、対応する識別信号が停止操作順番検知手段63に送信され、停止操作順番検知手段63はどのストップスイッチがオンされたかを検知することができ、リーチ目、チャンス目を示唆することになる。また、リール図柄検知手段65が停止したリールの所定位置(中段の有効ラインなど)での図柄を検知することになり、リール図柄検知手段65の検知結果を画像表示制御手段75に送信しておく。さらにリール図柄検知手段65の検知結果は特定停止図柄判別手段71にも送信されることになり、特定停止図柄判別手段71はリール31の停止時において、有効ラインや表示窓内又は表示窓外の所定位置での図柄の組合せが特定のものであるか否かを判別する。
その後、特定停止図柄判別手段71の判定結果に基づいて演出画像の出力するかどうかの選択がある(S11)。もし、出力する画像演出があるのであれば(S11でYes)、演出データ記憶手段73から対応する演出データが抽出され、前記演出データを画像表示手段35に表示するように画像表示制御手段75が制御を行い、画像出力処理がなされる(S12)。例えば、第1停止操作時に第1リール確定リーチ目が出現したときは、それに基づく画像表示が行われる。また出力する画像演出がない場合には(S11でNo)、特に前記画像出力処理がなされることはなく、次の処理に移る。
前記画像出力処理の後には、リール停止制御手段66による第1停止操作に基づくリール31の停止処理が行われる(S13)。先述したようにリール停止制御手段66は遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態等)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御し、その決定された位置にリール31を停止制御するものであるので、役の当選及び非当選の結果、前記画像出力処理に応じた図柄の組合せの制御が行われる。この制御には移動制御判別手段72が関与している。
以下遊技者の第2、第3停止操作が行われたときも同様の処理が行われる。つまり、遊技者が何も操作しなければ(S14でNo)、リール31は回転し続けて待機状態が続くが、第2停止操作として、ストップスイッチ42の残り2つのどちらかをオンすると(S14でYes)、対応する識別信号が停止操作順番検知手段63に送信され、停止操作順番検知手段63はどのストップスイッチがオンされたかを検知することができ、リーチ目、チャンス目を示唆することになる。また、リール図柄検知手段65が停止したリールの所定位置(中段の有効ラインなど)での図柄を検知することになり、リール図柄検知手段65の検知結果を画像表示制御手段75に送信しておく。さらにリール図柄検知手段65の検知結果は特定停止図柄判別手段71にも送信されることになり、特定停止図柄判別手段71はリール31の停止時において、有効ラインや表示窓内又は表示窓外の所定位置での図柄の組合せが特定のものであるか否かを判別する。
その後、特定停止図柄判別手段71の判定結果に基づいて演出画像の出力するかどうかの選択がある(S15)。もし、出力する画像演出があるのであれば(S15でYes)、演出データ記憶手段73から対応する演出データが抽出され、前記演出データを画像表示手段35に表示するように画像表示制御手段75が制御を行い、画像出力処理がなされる(S16)。例えば、第2停止操作時に第2リール確定リーチ目が出現したときは、それに基づく画像表示が行われる。また出力する画像演出がない場合には(S15でNo)、特に前記画像出力処理がなされることはなく、次の処理に移る。
前記画像出力処理の後には、リール停止制御手段66による第2停止操作に基づくリール31の停止処理が行われる(S17)。先述したようにリール停止制御手段66は遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態等)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御し、その決定された位置にリール31を停止制御するものであるので、役の当選及び非当選の結果、前記画像出力処理に応じた図柄の組合せの制御が行われる。この制御には移動制御判別手段72が関与している。
また遊技者の第3停止操作に関しては、遊技者が何も操作しなければ(S18でNo)、リール31は回転し続けて待機状態が続くが、第3停止操作として、ストップスイッチ42残り1つをオンすると(S18でYes)、対応する識別信号が停止操作順番検知手段63に送信され、停止操作順番検知手段63はどのストップスイッチがオンされたかを検知することができ、リーチ目、チャンス目を示唆することになる。また、リール図柄検知手段65が停止したリールの所定位置(中段の有効ラインなど)での図柄を検知することになり、リール図柄検知手段65の検知結果を画像表示制御手段75に送信しておく。さらにリール図柄検知手段65の検知結果は特定停止図柄判別手段71にも送信されることになり、特定停止図柄判別手段71はリール31の停止時において、有効ラインや表示窓内又は表示窓外の所定位置での図柄の組合せが特定のものであるか否かを判別する。
その後、特定停止図柄判別手段71の判定結果に基づいて演出画像の出力するかどうかの選択がある(S19)。もし、出力する画像演出があるのであれば(S19でYes)、演出データ記憶手段73から対応する演出データが抽出され、前記演出データを画像表示手段35に表示するように画像表示制御手段75が制御を行い、画像出力処理がなされる(S20)。例えば、第3停止操作時に確定リーチ目が出現したときは、それに基づく画像表示が行われる。また出力する画像演出がない場合には(S19でNo)、特に前記画像出力処理がなされることはなく、次の処理に移る。
前記画像出力処理の後には、リール停止制御手段66による第3停止操作に基づくリール31の停止処理が行われる(S21)。先述したようにリール停止制御手段66は遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態等)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御し、その決定された位置にリール31を停止制御するものであるので、役の当選及び非当選の結果、前記画像出力処理に応じた図柄の組合せの制御が行われる。この制御には移動制御判別手段72が関与している。
第1から第3までの停止操作が全て行われ、リール停止制御手段66の停止制御により全てのリール31が停止したとき、特定停止図柄判別手段71の判定結果に基づいて演出画像の出力するかどうかの選択がある(S22)。もし、出力する画像演出があるのであれば(S22でYes)、演出データ記憶手段73から対応する演出データが抽出され、前記演出データを画像表示手段35に表示するように画像表示制御手段75が制御を行い、画像出力処理がなされる(S23)。また出力する画像演出がない場合には(S22でNo)、特に前記画像出力処理がなされることはなく、次の処理に移る。
次に入賞判定を行う(S24)。つまり特別役入賞判別手段67が全てのリール31の停止時に、特別役(ビックボーナス又はレギュラーボーナス)を構成する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否か、すなわち特別役が入賞したか否かを判別する。入賞していれば(S24でYes)、獲得したメダル枚数分の払出処理が行われる(S25)。具体的には、WIN表示枚数、クレジット表示枚数が増えて、クレジット枚数が50枚を超えれば超過分のメダルが図1の排出口105aより払い出されるといったものである。本実施形態では前記払出処理時に、演出データ記憶手段73から払出処理に対応する演出データが抽出され、前記演出データを画像表示手段35に表示するように画像表示制御手段75が制御を行い、払出に対応した画像出力処理がなされ(S26)、1ゲームが終了する。また、入賞していない場合には(S24でNo)、前記払出処理、払出処理に対応した画像出力処理がなされることなく1ゲームが終了する。
<演出表示>
次に本実施形態に係る演出表示の態様を説明する。従来のスロットマシンでは演出に係る画像表示を図1の103dの演出表示手段の箇所で行ったり、リールR1、R2、R3の前面の表示窓(図1における表示領域Bに相当)部分に液晶を設け、該液晶部分に演出に係る画像表示を行ったりしているが、前述の通り遊技者の気を引く表示形態としてはもの足りないものとなっているので、本実施形態ではより広範囲に演出表示を行うために図1の中部パネル部104の領域全体を液晶として設け、該領域にて演出表示を行うことを特徴とする。
しかし、中部パネル部104の領域全体に演出表示を行うと、遊技中にリールR1、R2、R3が回転している時にリールの表示窓(図1における表示領域Bに相当)の箇所にも演出表示が行われることになるが、例えばこれから遊技者が、いわゆる「目押し」を行ってリールR1、R2、R3の図柄を見極め、ストップスイッチSP1、SP2、SP3をオンしてリールの回転を止めるのにリールの表示窓(図1における表示領域Bに相当)上の演出表示画像がリールの図柄を覆ってしまい、こういった遊技の進行を妨げてしまうことがあってはならない。
そこで、中部パネル部104の領域全体に演出表示を行うにあたっては、遊技者が前記リールに表示されている図柄を目視可能とする領域となる表示領域Bと、前記表示領域B以外の表示領域となる表示領域Aとの2つの領域に分け、役の抽選、当選告知、特定役などに対応する種々の演出表示を遊技進行の妨げにならないように、表示領域A、Bそれぞれ別個に、または両表示領域にわたって表示するように演出表示の制御するといった趣旨である。
中部パネル部104に係る領域を表示領域Aおよび表示領域Bの2つの領域に分け、図示したものを図6に示す。表示領域Bは遊技者がリールに表示されている図柄を目視可能とする領域であって、斜線表示されている。遊技進行の妨げにならないようにリールR1、R2、R3の回転中でストップスイッチSP1、SP2、SP3が有効状態のときは表示領域Bで演出表示を行うことはない。しかしストップスイッチSP1、SP2、SP3が無効状態のときは別に遊技の進行を妨げることはないので、リールR1、R2、R3の回転中であっても表示領域Bに演出表示を行うようにしている。ストップスイッチSP1、SP2、SP3が無効状態としては、例えば図4の操作受け付け不能期間設定手段68が設定する操作受け付け不能期間中の状態である。
また表示領域Aは、中部パネル部104に係る領域において、表示領域B以外の領域であって、図6において無地で表示されている。上述した遊技進行の妨げというものを考えなくても良いので、表示領域AにはリールR1、R2、R3が回転しているいないに関わらず任意の画像を任意のタイミングで表示しても良い。むしろ種々の遊技進行の態様に応じて工夫を凝らした演出表示を行うことだって可能である。表示領域Aは、通常の遊技状態ではビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)といった当選役の構成や有効ライン表示といった遊技進行のための遊技説明に係る遊技説明画像が表示されているが、適当なタイミングで演出表示も行われる。
以下、本実施形態に係る演出表示を図7〜図17を用いて、(1)表示領域Aで行われる演出表示、(2)表示領域Bで行われる演出表示、(3)表示領域A及び表示領域Bの両領域で行われる演出表示の3通りに分けて説明していく。なお、図7〜図15において、リール及びリール内に表示されている図柄が図示されている領域を表示領域Bとし、表示領域Bの周辺に、背景図柄、役の構成などが図示されている領域を表示領域Aとする。
まず、遊技説明画像として表示する遊技進行のための遊技説明に関し、図7を参照して詳細に説明しておく。図7は、通常画像表示状態における図1の中部パネル部104の拡大図であるが、図7の表示領域Aに表示されたの背景図柄、役の構成などは全て画像として表示されており、中部パネル部104上の表示領域Bを含めた全領域は液晶により構成されており、図4の画像表示手段35がこれに相当する(ただし、液晶以外の表示素子により構成されていても良い)。先述したように画像表示手段35での画像表示は画像表示制御手段75によって制御されているが、画像表示制御手段75は所定のタイミングで前記遊技説明画像も表示制御していくことになる。なお、遊技進行のための遊技説明として表示領域Aに当選役の構成を画像表示してあるが、本実施形態で採り上げる役の構成の一覧表を図17に示しておく。図17記載の役は、役抽選手段61で取り扱われている当選役を指す。
1は遊技説明画像として、背景図柄の表示を行う画像であり、表示領域A全体に表示される。本実施形態では固定して表示しているが、画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として背景図柄の模様を適当に移動させたり、通常画像表示状態においても例えば周期的に揺動させておくといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
2は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「ビッグボーナス(BB)」という特別役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、BBに対応する図柄の組合せの図柄(赤7)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として2の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
3は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「ビッグボーナス(BB)」という特別役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、BBに対応する図柄の組合せの図柄(青7)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として3の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
4は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「レギュラーボーナス(RB)」という特別役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、RBに対応する図柄の組合せの図柄(BAR)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として4の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
5は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「小役2」という小役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、「小役2」に対応する図柄の組合せの図柄(スイカ)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として5の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理、または5の図柄を縮小表示して別の領域に移動させ、元の領域に別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
6は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「小役1」という小役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、「小役1」に対応する図柄の組合せの図柄(ベル)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として6の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理、または6の図柄を縮小表示して別の領域に移動させ、元の領域に別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
7は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「小役3」という小役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、「小役3」に対応する図柄の組合せの図柄(チェリーと任意の図柄)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として7の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理、または7の図柄を縮小表示して別の領域に移動させ、元の領域に別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
8は遊技説明画像として、役抽選手段61が取り扱う「リプレイ」というリプレイ役を図16のリールテープに図示されてる図柄と同一のもので、「リプレイ」に対応する図柄の組合せの図柄(REP)を画像表示したものである。後述するが画像表示手段35は特定画像表示状態になったときに演出表示として8の図柄を消去し、替わりに別の演出表示用の画像を表示するといった処理、または8の図柄を縮小表示して別の領域に移動させ、元の領域に別の演出表示用の画像を表示するといった処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
9は遊技説明画像として、リプレイの表示を行う画像である。遊技者がリプレイ役を当てたときに、画像表示手段35は9の画像を点灯するといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
10は遊技説明画像として、メダル投入の表示を行う画像である。遊技者がメダル投入口44にメダルを投入し、メダルセンサ45がそのメダル投入を検知したときに、画像表示手段35は10の画像を点灯するといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
11は遊技説明画像として、役当選に伴うメダルの払出枚数であるWIN枚数の表示を行う画像である。遊技者が1ゲームの遊技を行い、図17記載の役の何れかに当選したときに、画像表示手段35は11の画像を数値表示し、遊技者が獲得したメダル枚数を知らせるといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
12は遊技説明画像として、ボーナスゲーム状態におけるゲームカウントの表示を行う画像である。遊技者が1ゲームの遊技を行い、図17記載のビッグボーナスに当選してBBゲームを行うか、レギュラーボーナスに当選してRBゲームを行うかの何れかの状態になったときに、画像表示手段35は12の画像を数値表示し、遊技者がボーナスゲームの回数を知らせるといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
13は遊技説明画像として、クレジット枚数の表示を行う画像である。遊技者の遊技進行中、BET表示画像14が全て点灯した後に遊技者のメダル投入口45からのメダル投入するか、または図17記載の役に当選してWIN表示画像11の枚数が増えることに伴って、画像表示手段35は13の画像を数値表示し、遊技者が次の遊技を行うためのクレジット枚数を知らせるといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
14は遊技説明画像として、BET枚数の表示を行う画像である。遊技者がメダル投入口44にメダルを投入し、メダルセンサ45がそのメダル投入を検知したときに、その投入枚数に伴い、またはベットスイッチ43の操作に伴い、画像表示手段35は14の画像のうち「1BET」、「2BET」、「3BET」の画像を点灯するといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。
15は遊技説明画像として、遊技開始可能状態の表示を行う画像である。遊技者のメダル投入またはベットスイッチ43の操作に伴い、スタートレバー41をオンして遊技が開始されるにあたり、画像表示手段35は11の画像を点灯するといった表示処理を画像表示制御手段75の表示制御よって行う。