JP3639791B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、詳しくは、1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて、今回のゲームの賭数が次回のゲームに持越される再ゲーム役を含む複数種類の入賞が発生し得るスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンとして従来から知られているものに、たとえば、1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて、今回のゲームの賭数が次回のゲームに持越される再ゲーム役を含む複数種類の入賞が発生し得るスロットマシンがある。
【0003】
この種のスロットマシンには、賭数を選択操作するための複数種類のBETボタンが備えられており、たとえば、1枚BETボタンを1回操作することによって賭数を1つ設定でき、MAXBETボタンを1回操作することにより最大数の賭数を設定できるように構成されている。
【0004】
たとえば、1枚BETボタンの操作により賭数が1つ設定されると、スピーカから効果音として単発音が出力されるとともに、賭数表示部が1つ点灯する。一方、MAXBETボタンの操作により賭数が最大数に設定されると、たとえば、スピーカから単発音が賭数分だけ出力されるとともに、すべての賭数表示部が点灯する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、賭数の設定に応じてスピーカから効果音を出力させたり賭数表示部を点灯させたりするなどの報知制御は、すべて遊技制御手段によって直接的に行なわれていた。このため、遊技制御内容が複雑化する中、報知制御をも行なう遊技制御手段の制御負担が大きくなる傾向にあった。
【0006】
そこで、報知制御を行なう報知制御手段を遊技制御手段とは別個に設けて遊技制御手段の負担を軽減することが必要になる。そのためには、たとえば、遊技制御手段から報知制御手段に対して、賭数が設定された旨を示すコマンドを賭数が1つ設定される毎に送信して、設定された賭数に応じた報知制御が行なわれるようにすることが考えられる。
しかしながら、送信すべきコマンドを選択してからそれを送信するまでの時間が常に同じであると、報知制御手段がコマンドの受信タイミングを利用して、遊技制御手段の制御タイミングを推測できるおそれがある。遊技制御手段の制御タイミングを推測できるならば、たとえば、特定のコマンドの受信タイミングを利用して図柄の変動状況を推測し、遊技者にいわゆる目押しのタイミングを報知するような制御動作も可能になる。そこで、このようなことを防止するために、コマンドの送信タイミングをランダムに変動させることが考えられる。
このようにすることで、もし、コマンドの受信タイミングを利用して目押し報知を行なおうとしても、報知すべきタイミングにずれが生じることになり、目押し報知を行なうことができなくすることができる。
一方、コマンドの送信タイミングがランダムに変化するために、複数のコマンドが連続的に報知制御手段へ送信された場合、複数のコマンドの各々が報知制御手段に到着する時間間隔はまちまちになる。このため、賭数に応じた回数だけコマンドを送信することのみによって、設定された賭数を報知制御手段へ通知するような送信態様を採用した場合、2以上の賭数が設定されたことを示す報知のタイミングがランダムに変化して遊技者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0007】
このような問題は、MAXBETボタンを操作したときのみならず、賭数が2または3に設定されたゲーム結果が再ゲーム入賞となった後においても発生し得る。再ゲーム入賞となれば、その入賞が発生したゲームの賭数が自動的に次回のゲームの賭数として設定されるため、その賭数が2または3であれば、コマンドがその賭数分だけランダムな時間間隔で出力されてしまうためである。
【0008】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技制御手段の制御タイミングを遊技者に悟られないようにするとともに、それによって2以上の賭数が設定されたことを示す報知のタイミングがランダムに変化して遊技者に違和感を感じさせるおそれがないようにすることが可能なスロットマシンを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置(たとえば、リール4)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて、今回のゲームの賭数が次回のゲームに持越される再ゲーム役を含む複数種類(前記スロットマシンには、複数種類の入賞役(たとえば、小役、リプレイ、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)が予め定められており)の入賞が発生し得るスロットマシンであって、
賭数の設定に使用可能なクレジットの数(図10のSB25等のクレジット数のデータ)を記憶するクレジット数記憶手段(図3のRAM113)と、
該クレジット数記憶手段に記憶されたクレジット数から賭数相当のクレジット数を減算することと引換えにして(図10のSB29、SB30、SB33、SB34)、賭数として2以上の所定数を一度に選択する操作が可能となる賭数選択操作手段(図1のMAXBETボタン44)と、
遊技状態を制御する遊技制御手段(図2の遊技制御基板100およびそれに搭載されたCPU112)と、
該遊技制御手段とは別個に設けられ、前記遊技制御手段から送信される所定の賭数コマンド(図7の1BET通知コマンド、2BET通知コマンド、MAXBET通知コマンド)が示す賭数を報知するための制御を行なう報知制御手段(図2の演出制御基板101、図8)と、
該報知制御手段により制御され、前記賭数コマンドが示す賭数を報知する報知手段(図2のスピーカ581:各々のBET通知コマンドを受けて演出制御基板101がスピーカ581から効果音を発生させる)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記賭数選択操作手段が操作されたときに設定されている賭数に基づいて、当該賭数選択操作手段の操作によって増加する賭数を特定する特定手段(図10のSB4、SB27)と、
前回のゲームで前記再ゲーム役による入賞が発生したときに今回のゲームの賭数として前回の賭数と同じ数を自動的に設定する賭数自動設定手段(図10のSB1、SB31)と、
複数種類の賭数の各々に対応付けられた各賭数コマンド(1BET通知コマンド、2BET通知コマンド、MAXBET通知コマンド)のうちの前記特定手段により特定された賭数または前記賭数自動設定手段により設定された賭数に対応する一の賭数コマンドを設定する賭数コマンド設定手段(図10のSB10〜SB13、SB31)と、
該賭数コマンド設定手段が設定した賭数コマンドを前記報知制御手段へ送信する賭数コマンド送信手段(図10のSB16)と、
該賭数コマンド送信手段による前記賭数コマンドの送信時期を所定時間(図8の遅延時間T:遅延時間Tは、コマンド(特に、この図8ではBET通知コマンド)の送信毎に遊技制御基板100によってその長さが所定範囲内(T1≦T≦T2)でランダムに変更されるランダムな時間である。)の範囲内でランダムに変化させる送信時期調整手段(SB14〜SB16)とを含み、
前記報知制御手段は、2以上の所定数である賭数に対応する賭数コマンドを受信した場合に、当該賭数コマンドが示す賭数に対応する回数だけ一定の時間間隔で前記報知手段を駆動させる(図8(b)(c)のti)。
【0010】
上記の構成によれば、遊技制御手段の制御タイミングを遊技者に悟られないようにするとともに、それによって2以上の賭数が設定されたことを示す報知のタイミングがランダムに変化して遊技者に違和感を感じさせるおそれがないようにすることが可能となる。
【0011】
(2) 遊技媒体(遊技媒体の一例となるメダル)が投入されたとき(図10のSB3)に、前記賭数が所定の最大賭数に達しているか否かを判定する賭数判定手段(図10のSB18)と、
該賭数判定手段により前記賭数が前記最大賭数に達していると判定されたときに、前記クレジット数記憶手段が記憶しているクレジット数が所定の最大クレジット数に達しているか否かを判定するクレジット数判定手段(図10のSB25)と、
該クレジット数判定手段により前記クレジット数が前記最大クレジット数に達していないと判定されたときに、前記クレジット数記憶手段が記憶しているクレジット数を加算更新するクレジット数加算更新手段(図10のSB26)とをさらに含み、
前記遊技制御手段は、前記遊技媒体の投入に応じた前記クレジット数加算更新手段によるクレジット数の加算更新毎に所定のコマンドを前記報知制御手段へ送信し(賭数が最大数に設定されてからクレジット数が最大数に達するまでの間は、メダルがスロットマシン1に投入される度に、所定のコマンドが遊技制御基板100から演出制御基板101に送信されるようにし、演出制御基板101は、そのコマンドを受けて効果音(メダル投入音)を発生させる)、
前記報知制御手段は、前記所定のコマンドを受信したときに前記報知手段から効果音を発生させる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、スロットマシン1の全体正面図である。スロットマシン1の前面扉2は、施錠装置53の鍵穴に挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより開放させることが可能になる。また、鍵穴に挿入したキーを反時計回り方向に回動すると、その操作が第1リセットスイッチ531(図2参照)により検出され、スロットマシン1がリセットされる。このため、たとえば、後述するビッグボーナスが終了して打止状態になった場合、鍵穴に挿入したキーの反時計回り方向の回動操作によって、再びゲームを提供できる状態になる。なお、ビッグボーナスが終了し、打止状態になってから所定の打止時間が経過した後に、自動的にスロットマシン1がリセットされるように設定することも可能である。
【0023】
前面扉2下部の左右には、略三角形状の右下部遊技効果ランプ部37、左下部遊技効果ランプ部38が設けられている。また、前面扉2上部の左右にはスピーカカバー58が設けられ、スロットマシン1の下方には下部スピーカ部59が設けられている。スピーカカバー58および下部スピーカ部59の内部には、スピーカ581(図2参照)が設けられており、スピーカ穴からステレオで、演出効果を高めるための音声やメロディ等の効果音が出力される。なお、スロットマシン1には、その背面側から効果音を出力するスピーカも内蔵されている。
【0024】
スピーカカバー58、右下部遊技効果ランプ部37、および左下部遊技効果ランプ部38によって囲まれる領域部分には、上部前面飾り枠8が設けられており、上部前面飾り枠8の下方には、下部前面飾り枠9が設けられている。
【0025】
上部前面飾り枠8は、遊技効果ランプ部30a〜30eおよび入賞図柄説明表示パネル5が設けられた上段部分と、遊技パネル6や各種表示部が設けられた略楕円型の中段部分と、遊技パネル6の下部から前面側に突出して形成され、メダル投入部51や各種操作ボタン43〜46、41L,41C,41R、スタートレバー42等が設けられた下段部分とからなる。下部前面飾り枠9には、スロットマシンの機種名称等が描かれたタイトルパネル7が設けられている。
【0026】
入賞図柄説明表示パネル5の略中央部分には演出用の液晶表示器50が設けられている。この液晶表示器50には、様々な演出用の画像が表示される。たとえば、液晶表示器50には、特定遊技状態の一例となる、後述のAT状態へ突入するか否かを遊技者に示すためのAT抽選用の演出画面が表示される。このAT抽選用の演出画面では、複数種類の図柄の変動が開始された後、当り図柄または外れ図柄が導出表示される。図1においては、液晶表示器50に当り図柄「7」が導出表示された状態が示されている。当り図柄が導出表示されると、その後、各種遊技効果ランプ部が特定の態様で点滅し、AT状態へ突入する旨が報知される。また、液晶表示器50には、AT状態中のゲーム数が表示される。
【0027】
下部前面飾り枠9の下方には、遊技媒体の一例となるメダルが払出されるメダル払出穴54と前述した下部スピーカ部59とが形成されている。メダル払出穴54の下方には、灰皿56が形成されたメダル受け皿55が取付けられている。
【0028】
上部前面飾り枠8の遊技パネル6の周囲には、右斜め上部遊技効果ランプ部33と、左斜め上部遊技効果ランプ部34と、右中部遊技効果ランプ部31a,31bと、左中部遊技効果ランプ部32a,32bとが設けられている。また、スタートレバー42の左斜め下には左斜め下部遊技効果ランプ部36が設けられ、メダル詰まり解除ボタン46の右斜め下には右斜め下部遊技効果ランプ部35が設けられている。
【0029】
遊技パネル6には、スロットマシン1の本体側に設けられた左リール4L,中リール4C,右リール4Rを透視可能な透視窓40と、透視窓40の上方に位置する小役告知表示部24,25,26と、透視窓40の左側に位置する1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、および3枚賭け表示部23a,23bと、透視窓40の右側に位置するゲームオーバー表示部14、リプレイ表示部15、ウエイト表示部16、スタート表示部17、および投入指示表示部(インサートメダル表示部ともいう。)18と、透視窓40の下側に位置するクレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、およびペイアウト表示部13とが設けられている。
【0030】
クレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、およびペイアウト表示部13は、LED(Light Emitting Diode)が内蔵された7セグメント表示器により構成されている。
【0031】
1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、および3枚賭け表示部23a,23bは、遊技者がゲームに賭けた賭数を表示する。各賭け表示部は、図示のように透視窓40に描かれた5つの入賞ラインのいずれかと対応しており、賭数に応じた有効な入賞ラインを識別可能に報知する有効ライン表示部と兼用されている。
【0032】
小役告知表示部24,25,26には、各々異なる種類の入賞図柄が1つずつ描かれている。具体的には、小役告知表示部24には「白7」図柄が、小役告知表示部25には「模様付7」図柄が、小役告知表示部26には「BAR」図柄が描かれている。これらの小役告知表示部24〜26は、所定の小役入賞を発生させることがスロットマシンの制御部により許容されていること、すなわち、所定の小役入賞が内部当選していることを、その小役入賞に対応する入賞図柄を点灯させることによって告知するための表示部である。これらの小役告知表示部24〜26は、所定の条件が成立している場合に限り機能する。この小役告知表示部24〜26が機能する遊技状態を“AT(Assist Time)状態”という。AT状態は所定の発生条件が成立することに基づいて発生し、所定の終了条件が成立することに基づいて終了する。AT状態中のゲームにおいて、所定の告知対象の小役入賞が内部当選すると、いずれかのランプが点灯する。
【0033】
ゲームオーバー表示部14は、ビッグボーナスが終了することにより打止状態となった場合、および何らかのエラーが発生して遊技を進行させることができない状態となった場合に点灯する。リプレイ表示部15は、リプレイ入賞が発生した場合に点灯する。スタート表示部17は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能な状態となった場合に点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部18は、メダルを受付可能な状態である場合に点滅し、最大の賭数が設定され、かつ、クレジット数が上限数に至った場合、ゲームが開始された場合等に消灯する。
【0034】
ウエイト表示部16は、ウエイトタイム中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウエイトタイムが経過した後に消灯する。ウエイトタイムは、ゲームがあまりに早く進行し過ぎてしまうことを規制するためにスロットマシンに設定された、ゲーム進行規制期間である。このウエイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウエイトタイムが経過した後に、リールが始動するように設計されている。したがって、十分な時間間隔を空けて複数のゲームを順次行なっている場合にはスタートレバー42の操作時にゲームの進行が規制されることはないが、遊技者が複数のゲームを短時間で消化しているような場合にはウエイトタイムによってゲームの進行が規制され、ウエイトタイムが経過するまでの間、リールの始動待ち状態となる。
【0035】
このスロットマシン1では、前回のゲームでリールの変動が開始した時点を基準として、たとえば、4.1秒のゲーム進行規制期間が設定されており、前回のゲームでリールの変動が開始した時点から4.1秒が経過する前にスタート操作が検出された場合、ゲーム進行規制期間が経過した後にリールが始動する。
【0036】
クレジット表示部11は、クレジット数を表示する。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1側で記憶されているメダル数である。このクレジットは、スロットマシン1へのメダルの投入、および払出しのある入賞の発生によって加算更新され、賭数を設定したり、精算操作に基づいてメダルを払出したりすることによって減算更新される。スロットマシン1は、最大、メダル50枚分の価値をクレジットとして記憶可能である。クレジット数が上限数(=50)に達した場合には、投入指示表示部18が消灯する。そして、記憶の上限を超えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合には、その上限を超えるメダルがメダル払出穴54から払出される。
【0037】
ゲーム回数表示部12は、ビッグボーナス中のボーナス入賞状況や、レギュラーボーナス中の入賞回数等を表示する。また、ビッグボーナスが終了して打止状態となった際には、ゲーム回数表示部12は、「END」という文字を表示して、遊技者に打止状態である旨を報知する。さらに、ゲーム回数表示部12は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示するエラー表示器として機能する。たとえば、スロットマシン1の制御部により検出される異常種別には、「払出すべきメダルの不足状態」、「メダル詰まり」、「払出条件が成立していないにもかかわらずメダルが払出されたこと」、「リールの回転速度の異常」、「内部当選していないにも拘わらず入賞図柄の組合わせが導出表示されたこと」などがある。これらの異常が制御部により検出された場合、ゲーム回数表示部12には、その異常種別を特定可能なエラーコードが、「E−1」,「E−2」などの態様で表示される。
【0038】
ペイアウト表示部13は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるクレジット数を1ゲーム毎に表示する。
【0039】
遊技パネル6の下部から前面側に突出して形成された部分の上面には、メダル投入口52が形成されたメダル投入部51と、精算ボタン45と、1枚BETボタン43と、MAXBETボタン44とが設けられている。
【0040】
1枚BETボタン43は、1クレジットを賭ける際に押圧するボタンである。MAXBETボタン44は、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(たとえばメダル3枚分)をクレジットに記憶されている範囲内でゲームに賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン43にはBETボタンランプ430b(図2参照)が、MAXBETボタン44にはBETボタンランプ440b(図2参照)が、各々内蔵されている。これらのBETボタンランプ430b,440bは、対応するBETボタンを押圧して賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態にある場合に消灯する。精算ボタン45は、スロットマシン1に記憶されているクレジットに基づいて、メダル払出穴54からメダルの払出しを受ける際に押圧するボタンである。この精算ボタン45を押圧することに伴って、クレジット表示部11に表示されているクレジット数が0になるまで減算更新されるとともに、クレジット相当数のメダルが払出される。
【0041】
遊技パネル6の下部から前面側に突出して形成された部分の側面には、スタートレバー42と、左ストップボタン41L,中ストップボタン41C,右ストップボタン41Rと、メダル詰まり解除ボタン46とが設けられている。
【0042】
スタートレバー42は、ゲームを開始する際に操作するレバーである。賭数を設定した後、このスタートレバー42を操作することにより各リール4L,4C,4Rが一斉に回転し始める。なお、各リール4L,4C,4Rの間のリール手前側には、各リール間の隙間を塞ぐためのリール間塞ぎ部材57が設けられている。
【0043】
各ストップボタン41L,41C,41Rは、ゲームが開始した後、回転しているリールを停止させる際に操作するボタンである。ストップボタン41Lには操作有効ランプ410L(図2参照)が、ストップボタン41Cには操作有効ランプ410C(図2参照)が、ストップボタン41Rには操作有効ランプ410R(図2参照)が、各々内蔵されている。これら、操作有効ランプ410L,410C,410Rは、対応するストップボタン41L,41C,41Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。また、ストップボタン41L,41C,41Rが配列されたストップボタンユニット19には、レギュラーボーナス入賞の当選フラグまたはビッグボーナス入賞の当選フラグが設定されている場合に点灯するボーナス告知ランプ190(図2参照)が内蔵されている。このため、ストップボタンユニット19は、ボーナス告知表示部19として機能する。メダル詰まり解除ボタン46は、メダル投入口52に投入したメダルがスロットマシン1の内部で詰まった場合、メダル詰まりを解消させる際に操作するボタンである。
【0044】
次に、スロットマシン1により提供されるゲームの概要について説明する。
ゲームを開始するためには、最初に賭数を設定する。賭数は、1枚BETボタン43またはMAXBETボタン44を押圧することにより、1〜3のいずれかに設定できる。ただし、クレジット表示部11に表示されるクレジット数が3に満たない場合、設定可能な賭数の範囲は、そのクレジット数の範囲内に限られる。また、レギュラーボーナスゲームを行なう場合には、賭数が1に限定される。1枚BETボタン43、MAXBETボタン44の操作が有効であるか否かは、1枚BETボタン43、MAXBETボタン44に内蔵されたBETランプ430b,440bの点灯状況によって示される。なお、前回のゲーム結果がリプレイ入賞(再ゲーム入賞)であった場合には、前回の賭数が自動的に設定されるために、賭数の設定操作は不要である。このとき、BETランプ430b,440bはともに消灯している。
【0045】
1枚BETボタン43を1回押圧すると、賭数が1に設定され、1枚賭け表示部21が点灯してその旨が示される。続けて1枚BETボタン43を1回押圧すると、賭数が2に設定され、1枚賭け表示部21に加えて1枚賭け表示部21を挟む位置に設けられた2つの2枚賭け表示部22a,22bが点灯してその旨が示される。続けて1枚BETボタン43を1回押圧すると、賭数が3に設定され、1枚賭け表示部21および2枚賭け表示部22a,22bに加えて、2枚賭け表示部22a,22bを挟む位置に設けられた2つの3枚賭け表示部23a,23bが点灯してその旨が示される。なお、MAXBETボタン44を1回押圧すると、賭数が最大数の3に設定され、1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、および3枚賭け表示部23a,23bが点灯する。賭数が最大数の3に設定された場合には、それを超える賭数を設定することができないために、BETランプ430b,440bは消灯する。
【0046】
また、直接、メダルをメダル投入口52に投入することによって賭数を設定することも可能であり、メダルを1枚投入する毎に、所定の上限数の範囲内で賭数が1ずつ加算される。なお、賭数の上限数を超えてメダルが投入された場合、クレジット数が上限値に達するまではクレジットが加算更新され、クレジット数が上限値に達した時点でメダルがメダル払出穴54から返却される。
【0047】
賭数が設定された場合にはスタート表示部17が点灯する。これにより、スタートレバー42の操作が有効に受付けられる状態になった旨が遊技者に報知される。スタート表示部17が点灯している際にスタートレバー42を操作すれば、各リール4L,4C,4Rが一斉に変動(スクロール)し始める。ただし、スタートレバー42を操作した時点がウエイトタイム期間内にあれば、リールがスクロールすることなく、ウエイト表示部16が点灯する。その後、ウエイトタイム期間が経過してウエイト表示部16が消灯するのと同時にリールがスクロールし始める。各リール4L,4C,4Rには、複数種類の図柄が描かれており、リールの回転に伴って透視窓40に現れる図柄の種類が次々と変動される。また、スタートレバー42を操作したタイミングで、ビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、ボーナス告知表示部19が点灯し、その旨が遊技者に報知される。
【0048】
透視窓40からは、リール間塞ぎ部材57によって仕切られた3つのリール4L,4C,4Rの一部分が視認される。リール間塞ぎ部材57はリール側に設けられているが、透視窓40のうち、リール間塞ぎ部材57によって視界が仕切られることによって分割される3つの領域、すなわち、各リール4L,4C,4Rが視認できる3つの領域部分を各リール4L,4C,4Rに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部と呼ぶ。
【0049】
透視窓40の各可変表示部からは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるとともに、上段の上方部分には間もなく上段の位置に現れる図柄の一部が、下段の下方部分には間もなく可変表示部の下に隠れて見えなくなる図柄の一部が、それぞれ表示される。
【0050】
リールの変動が開始されてから所定時間が経過すれば、各ストップボタン41L,41C,41Rに設けられた操作有効ランプが点灯する。これにより、各ストップボタン41L,41C,41Rの押圧操作が有効な操作有効状態になったことが遊技者に報知される。各ストップボタン41L,41C,41Rは、各リール4L,4C,4Rに対応して設けられている。遊技者は自らの操作によって各リール4L,4C,4Rを停止させる順序を決定できる。遊技者がストップボタン41L,41C,41Rのうち、いずれかを押圧操作すれば、対応するストップボタンに設けられた操作有効ランプが消灯する。その後、操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止する。
【0051】
一方、遊技者がストップボタン41L,41C,41Rを操作しない場合には、所定の変動時間が経過した後に各リール4L,4C,4Rが、たとえば4L,4C,4Rの優先順序で自動的に順次停止し、各ストップボタン41L,41C,41Rに設けられた操作有効ランプが410L,410C,410Rの順序で消灯する。
【0052】
すべてのリール4L,4C,4Rが停止した時点で、透視窓40から視認される各リール4L,4C,4Rの上段、中段、下段の3段の図柄のうち、賭数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される。賭数が1の場合には、可変表示部における中段の横1列の入賞ラインのみが有効ラインとなる。賭数が2の場合には、可変表示部における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効ラインとなる。賭数が3の場合には、可変表示部における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0053】
有効ライン上における図柄の組合わせが予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、各種遊技効果ランプ部が所定の態様で点滅するとともにスピーカ581から効果音が出力され、効果的な演出がなされる。また、賭け表示部21,22a,22b,23a,23bのうち入賞ラインに対応する表示部、およびバックライト(各リール4L,4C,4R内に設けられたリールランプ401(図2参照))が点滅する。そして、入賞に応じた数のメダルがクレジットとして払出されてクレジット表示部11のクレジット数が加算更新される。また、ペイアウト表示部13には、その払出数が表示される。なお、クレジット数が上限(=50)に達した場合には、直接、メダルがメダル払出穴54から払出される。
【0054】
また、特に予め定められた特別の表示態様となった場合には、ビッグボーナス入賞となり、クレジットが付与されるとともに、ビッグボーナスゲームを行なうことが可能な遊技状態となる。以下、必要に応じて、「ビッグボーナス」を「BB」と略す。また、ビッグボーナスゲームが提供される遊技状態をビッグボーナス状態(あるいは単にビッグボーナス)ともいう。ビッグボーナス状態では、後述するようにレギュラーボーナスという特別な入賞役を発生させることも可能となる。
【0055】
たとえば、ビッグボーナス入賞が発生すると、ゲーム回数表示部12にはビッグボーナスゲームを行なうことができる回数(たとえば、最大30回)が表示され、ビッグボーナスゲームが消化される毎に、ゲーム回数表示部12に表示されているゲーム数が1ずつカウントダウンされて表示される。同様に、レギュラーボーナス入賞が発生すると、ゲーム回数表示部12にはレギュラーボーナスゲームを行なうことができる回数(たとえば最大12回)が表示される。そして、レギュラーボーナスゲームが消化される毎に、ゲーム回数表示部12に表示されているゲーム数が1ずつカウントダウンされて表示される。以下においては、必要に応じて、「レギュラーボーナス」を「RB」と略す。また、レギュラーボーナスゲームが提供される遊技状態をレギュラーボーナス状態(あるいは単にレギュラーボーナス)ともいう。
【0056】
なお、レギュラーボーナス状態では、通常、レギュラーボーナスゲームを行なうことができる最大ゲーム回数(たとえば12回)に達する前に、入賞ゲーム数が、レギュラーボーナス状態の終了条件である規定回数(たとえば、8回)に達するケースがほとんどである。このため、レギュラーボーナス入賞が発生した場合、ゲーム回数表示部12にはレギュラーボーナスゲームを行なうことができる最大ゲーム回数(たとえば12回)ではなく、入賞を発生させることのできる規定ゲーム数(たとえば、8回)を表示し、レギュラーボーナスゲームで入賞が発生する毎に、その規定ゲーム数からカウントダウン表示するようにしてもよい。
【0057】
図2は、スロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図3は、遊技制御基板100に設けられた制御部111の構成を説明するためのブロック図である。
【0058】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板100によって遊技状態が制御され、演出制御基板101によって遊技状態に応じた演出制御がなされる。また、電源基板102にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板102にはAC100Vの電源の供給を受けるための電源コード625と、メインスイッチ624とが接続されている。
【0059】
遊技制御基板100は、演出制御基板101および電源基板102と配線接続されている。さらに、遊技制御基板100は、リール中継基板103aを介して、外部出力基板104と接続されている。
【0060】
遊技制御基板100の制御部111は、遊技状態がレギュラーボーナス状態であることを示すRB中信号や、遊技状態がビッグボーナス状態であることを示すBB中信号、各リール4L,4C,4Rに対応するリールモータ402を制御するためのリール制御信号(モータ位相信号)、入賞の発生により遊技者に払出されたメダル(クレジット)数を示すメダルOUT信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号などを、リール中継基板103aを介して外部出力基板104からスロットマシン1の外部に出力する制御を行なう。なお、ストップスイッチ411L,411C,411Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、後述するように、ストップスイッチ411L,411C,411Rから直接出力された信号である。
【0061】
遊技制御基板100には、各種のスイッチ、センサ、ランプ、および表示器からの配線が接続されている。
【0062】
たとえば、電源基板102に配線接続された設定スイッチ621、設定キースイッチ622、第2リセットスイッチ623、払出センサ601、およびホッパーモータ602は、電源基板102によって中継されて遊技制御基板100と配線接続されており、それぞれのスイッチおよびセンサの検出信号は、遊技制御基板100の制御部111に入力される。また、制御部111は、メダルの払出条件(メダルを払出す必要のある入賞の発生、精算スイッチ450からの検出信号の入力)が成立すると、ホッパーモータ602に制御信号を出力して所定数のメダルを払出す払出制御を実行する。電源基板102を介して遊技制御基板100に配線接続されたスイッチのうち、設定スイッチ621は当選率の設定を行なうためのスイッチであり、設定キースイッチ622は設定スイッチ621の操作を有効化するためのスイッチである。設定スイッチ621の操作により、当選率(図5参照)を「設定値1」〜「設定値6」のいずれかに設定できる。また、第2リセットスイッチ623は、スロットマシン1をリセットするためのスイッチであり、払出センサ601は払出されたメダルを検出するスイッチである。
【0063】
リール中継基板103aに配線接続されたリールモータ402、およびリールセンサ403は、リール中継基板103aによって中継されて遊技制御基板100に配線接続されており、リールセンサ403の検出信号は、遊技制御基板100の制御部111に入力される。ただし、リールランプ401は、リールランプ中継基板103bによって中継されて演出制御基板101に配線接続されている。リールセンサ403は、各リール4L,4C,4Rの基準位置を検出するためのセンサであり、満タンセンサ611は、ホッパー60からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク(図示省略)内のメダル貯留量が所定量以上となっていることを検出するためのセンサである。遊技制御基板100の制御部111は、始動条件(スタートスイッチ420の検出信号の入力)が成立すると、リールモータ402に制御信号を出力してリールの変動を開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を実行する。
【0064】
遊技制御基板100に配線接続されたスイッチのうち、1枚BETスイッチ430aは、1枚BETボタン43の操作を検出し、MAXBETスイッチ440aは、MAXBETボタン44の操作を検出するスイッチである。
【0065】
スタートスイッチ420は、スタートレバー42の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ411L,411C,411Rは、左、中、右ストップボタン41L,41C,41Rの操作を検出するスイッチである。流路切替ソレノイド511は、メダル投入口52に投入されたメダルの流路をホッパー60側とメダル払出穴54側とに切替えるためのソレノイドである。
【0066】
精算スイッチ450は、精算ボタン45の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ531は、施錠装置53の鍵穴に挿入したキーによるスロットマシンのリセット操作を検出するスイッチである。投入メダルセンサ510は、メダル投入部51に投入されたメダルを検出するセンサである。
【0067】
クレジット表示器110はクレジット表示部11を構成する表示器であり、ゲーム回数表示器120はゲーム回数表示部12を構成する表示器であり、ペイアウト表示器130はペイアウト表示部13を構成する表示器である。投入指示ランプ180は、投入指示表示部18に内蔵されるランプであり、1枚賭けランプ210、2枚賭けランプ220a,220b、3枚賭けランプ230a,230bは、1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、3枚賭け表示部23a,23bに内蔵されるランプである。なお、1枚賭けランプ210が1枚賭け表示部21に、2枚賭けランプ220aが2枚賭け表示部22aに、2枚賭けランプ220bが2枚賭け表示部22bに、3枚賭けランプ230aが3枚賭け表示部23aに、3枚賭けランプ230bが3枚賭け表示部23bに、各々内蔵される。
【0068】
ゲームオーバーランプ140は、ゲームオーバー表示部14に内蔵されるランプであり、スタートランプ170はスタート表示部17に内蔵されるランプであり、リプレイランプ150はリプレイ表示部15に内蔵されるランプであり、ボーナス告知ランプ190はボーナス告知表示部19に内蔵されるランプである。
【0069】
BETボタンランプ430bは1枚BETボタン43に内蔵されるランプであり、BETボタンランプ440bはMAXBETボタン44に内蔵されるランプである。左操作有効ランプ410Lは、左ストップボタン41Lに内蔵されるランプであり、中操作有効ランプ410Cは、中ストップボタン41Cに内蔵されるランプであり、右操作有効ランプ410Rは、右ストップボタン41Rに内蔵されるランプである。
【0070】
電源基板102あるいはリール中継基板103aを介して、あるいは、これらの基板を介することなく遊技制御基板100に配線接続された各種ランプおよび表示器は、遊技制御基板100に搭載された制御部111によって制御される。また、制御部111は、遊技制御基板100に接続され、または、電源基板102あるいはリール中継基板103aを介して遊技制御基板100に接続された各種スイッチおよびセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0071】
図3を参照して、遊技制御基板100に設けられた制御部111は、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU(Central Processing Unit)112と、CPU112の制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)114と、必要なデータの書込みおよび読出しができるRAM(Random Access Memory)113と、CPU112と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート115とを含む。
【0072】
また、遊技制御基板100には、電源投入時にCPU112にリセットパルスを与える初期リセット回路118と、CPU112にクロック信号を与えるクロック発生回路119と、クロック発生回路119からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU112に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)121と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路123と、乱数発生回路123から乱数をサンプリングするサンプリング回路124と、バッファ回路122とが設けられる。
【0073】
さらに、遊技制御基板100には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路116や、モータ回路117、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。また、遊技制御基板100には、停電時にRAM113の記憶を保持させるためのバックアップ電源125が設けられている。RAM113には、各種表示器(クレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、ペイアウト表示部13)に表示するべき情報、賭数、当選フラグ、当選率の設定値など、遊技に必要な情報が記憶され、停電時にこれらの情報がバックアップされるために、停電の回復後に、停電発生前の遊技状態に復帰できる。
【0074】
遊技制御基板100の制御部111から演出制御基板101へは、バッファ回路122を介して、詳細は後述する各種のコマンドが出力される。バッファ回路122は、遊技制御基板100の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板100の外部から内部へ信号が入力されることを阻止する不可逆性出力手段として機能する。このため、遊技制御基板100と演出制御基板101との間において、遊技制御基板100から演出制御基板101への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板100に信号を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を防止できる。
【0075】
演出制御基板101には、遊技効果ランプ部30a〜30e,31a,31b,32a,32b,33〜38に内蔵される各遊技効果ランプ301と、液晶表示器50と、スピーカカバー58および下部スピーカ部59内に各々設けられるとともにスロットマシン1の背面側に向けて設けられるスピーカ581と、各蛍光灯302と、ウエイトランプ160と、小役告知ランプ240,250,260とが接続され、さらに、リールランプ中継基板103bを介してリールランプ401が接続される。
【0076】
ここで、蛍光灯302は、入賞図柄説明表示パネル5、タイトルパネル7、および遊技パネル6を内側から照らすとともに、各リール4L,4C,4Rを照らすためのものである。ウエイトランプ160はウエイト表示部16に内蔵されるランプである。小役告知ランプ240は小役告知表示部24に内蔵されるランプであり、小役告知ランプ250は小役告知表示部25に内蔵されるランプであり、小役告知ランプ260は小役告知表示部26に内蔵されるランプである。
【0077】
演出制御基板101には、マイクロコンピュータからなる制御部131と、各スピーカ581から音を出力させるためのスピーカ駆動回路136と、液晶表示器50を表示制御するための表示駆動回路137と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路138と、バックアップ電源139とが搭載されている。
【0078】
制御部131は、CPU132と、制御プログラムを格納するROM134と、必要なデータの書込みおよび読出しができるRAM133と、I/Oポート135とを含む。このうち、RAM133の記憶データは、バックアップ電源139によりバックアップされている。このため、制御部131は、停電の回復後に、停電発生前に記憶されていたデータに基づいた演出制御を再開できる。
【0079】
制御部131のROM134には、遊技制御基板100から送信されたコマンドに対応した演出パターンを定めたデータテーブルが記憶されている。このデータテーブルは、各遊技効果ランプ301、液晶表示器50、各スピーカ581、各蛍光灯302、ウエイトランプ160、および小役告知ランプ240,250,260別に分類されている。
【0080】
たとえば、所定の遊技状態を示すコマンドを受信した場合、制御部131は、その遊技状態に応じた演出パターンを各データテーブルから読み出し、その読み出した演出パターンに従って遊技効果ランプ301、液晶表示器50、スピーカ581、蛍光灯302、リールランプ401などを制御する。
【0081】
図3に示されるように、スタートスイッチ420の検出信号は、スイッチ回路116を介して制御部111に入力されるとともに、サンプリング回路124に入力される。制御部111は、スタートスイッチ420の検出信号を受け、モータ回路117を介してリール制御信号を出力する。このリール制御信号はリール中継基板103aを介して、各リール4L,4C,4R別に設けられたリールモータ402に入力される。また、リール制御信号は、リール中継基板103aおよび外部出力基板104を介してスロットマシン1の外部へ出力される。
【0082】
一方、サンプリング回路124は、スタートスイッチ420の検出信号が入力されたタイミングで、乱数発生回路123から1個の乱数をサンプリングし、その乱数をCPU112に引き渡す。CPU112は、そのサンプリングされた乱数と、ROM114内に格納されている入賞役別の入賞判定テーブルとを参照して、入賞の発生を許容するか否かを入賞役別に決定し、その決定結果をRAM114に記憶させる。これにより、スタート操作がされたタイミングで、入賞役の当選の有無が決定される。入賞の発生が許容されていることを、“内部当選している”という。いずれかの入賞役が内部当選した場合、その入賞役に対応する当選フラグがスロットマシン1の内部で設定される。
【0083】
制御部111は、その後、入賞役別の当選結果に応じてリールを制御する。たとえば、当選フラグが設定されたゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役の図柄を引込むようにリールが制御されるために、リールの目押し操作により、その当選フラグに対応する役の入賞を発生させることが可能である。しかしながら、当選フラグが設定されていないゲームでは、外れ図柄を引込むようにリールが制御されるために、リールの目押し操作をしても入賞を発生させることはできない。このように、当選フラグの設定状況に応じて入賞図柄または外れ図柄を引込む制御を“引込み制御”という。
【0084】
いずれの当選フラグも設定されておらず、ゲームの結果を外れとすることが決定されている場合には、この引込み制御により、いずれの入賞役による入賞も発生しないように調整される。
【0085】
一方、この引込み制御は、リールの停止位置を制限なく自由に制御して任意の入賞図柄を引込み得るものではなく、所定の範囲内(たとえば、リールに配列された4図柄分の範囲)で入賞図柄を引込むことができるように設計されている。したがって、当選フラグが設定されていたとしても、遊技者の目押し位置が悪ければ入賞図柄が引込まれることなく外れの結果になる。このように、当選フラグが設定されたにもかかわらず、その当選フラグに対応する入賞を発生させることができなかった場合、その当選フラグはクリアされる。ただし、ビッグボーナス入賞の当選フラグについては、他の入賞役の当選フラグとは異なり、その当選フラグが設定されたゲームで入賞が発生しなかった場合であっても、その当選フラグに対応する入賞が発生するまで、次回以降のゲームにその当選フラグが持越される。
【0086】
さらに、制御部111は、スタートスイッチ420の検出信号が入力されたことに対応して、バッファ回路122を介して演出制御基板101にゲームの開始を特定可能なコマンドを出力する。演出制御基板101は、そのコマンドに基づいてゲーム状況を把握し、ゲーム開始時に対応して定められた演出パターンに従い、遊技効果ランプ301や液晶表示器50などを制御する。
【0087】
また、ストップスイッチ(左、中、右ストップスイッチ411L,411C,411R)から出力されたストップスイッチ信号は、遊技制御基板100、リール中継基板103a、および外部出力基板104を往復する信号経路を伝送された後、遊技制御基板100のスイッチ回路116に入力される。さらに、ストップスイッチから出力されたストップスイッチ信号は直接、外部出力基板104を介して外部に出力されるように構成されている。
【0088】
ストップスイッチ信号の入力を受けた制御部111は、モータ回路117を介して、ストップスイッチ信号に対応するリールモータ(リール4L,4C,4Rのいずれかのリールモータ)を停止させるためのリール制御信号を出力する。このリール制御信号は、リールモータ402に入力されるとともに、外部出力基板104を介してスロットマシンの外部へ出力される。
【0089】
さらに、制御部111は、ストップスイッチ信号が入力されたことに対応して、バッファ回路122を介して演出制御基板101にリールの停止時期を特定可能なコマンドを各リール4L,4C,4R別に出力する。演出制御基板101は、そのコマンドに基づいて、リールの停止時期に対応して定められた演出パターンに従い、遊技効果ランプ301や液晶表示器50などを制御する。
【0090】
図4は、左リール4L、中リール4C、右リール4Rの各リール外周に描かれた識別情報としての図柄(シンボルマーク)を示す展開図である。また、図5は、入賞役の図柄の組合わせと入賞役の当選率とについて説明するための説明図である。なお、図4において、「左」は左リール4Lの外周に描かれた図柄を示した図であり、「中」は中リール4Cの外周に描かれた図柄を示した図であり、「右」は右リール4Rの外周に描かれた図柄を示した図である。また、図5に示された図柄の組合わせは、左から順に、左リール4L、中リール4C、および右リール4Rの入賞図柄を意味する。
【0091】
図4を参照して、たとえば、右リール4Rの場合には、「0」〜「6」の各図柄番号に対して、「スイカ」、「JAC」、「ベル」、「白7」、「スイカ」、「チェリー」の各図柄が対応してリールの外周に描かれている。これ以外の図柄としては、右リール4Rの「8」の図柄番号に対応する「模様付7」、右リール4Rの「16」の図柄番号に対応する「BAR」がある。左リール4Lおよび中リール4Cの場合も、その周囲に描かれている図柄の種類は同じであるが、その配列が異なっている。
【0092】
次に、図4および図5を参照して、スロットマシン1で発生する入賞役について説明する。入賞役には、ビッグボーナス(BB)入賞と、小役入賞と、リプレイ入賞と、レギュラーボーナス(RB)入賞とがある。図5には、上から順番に、ビッグボーナス当選率、小役1当選率、小役2当選率、小役3当選率、小役4当選率、小役5当選率、リプレイ当選率、レギュラーボーナス当選率、および小役6当選率が、設定値別に示されている。なお、図には「設定値1」および「設定値6」の当選率のみを示し、「設定値2」〜「設定値5」の当選率の図示を省略している。
【0093】
各当選率は、ビッグボーナスゲーム以外の通常ゲームで3枚賭けをした場合のものである。ただし、本実施の形態では、レギュラーボーナス入賞は、ビッグボーナスゲーム中にのみ発生する入賞役として定められているため、図5に示されたレギュラーボーナスの当選率は、ビッグボーナスゲームにおけるものである。また、小役6は、賭数が1枚に限定されたレギュラーボーナスゲーム中にのみ発生する特殊な入賞役として定められているため、図5に示された小役6の当選率は、そのようなレギュラーボーナスゲームにおけるものである。
【0094】
図示するように、小役1〜小役5と入賞図柄の組合わせとは一対一で対応している。一方、ビッグボーナスに対しては入賞図柄の組合わせが2種類用意されている。また、「JAC−JAC−JAC」はビッグボーナス(BB)ゲーム中はレギュラーボーナス入賞役となり、レギュラーボーナス(RB)ゲーム中は小役6入賞役となり、ビッグボーナスゲーム(レギュラーボーナスゲームを含む)以外の通常ゲーム中はリプレイ入賞役となる。
【0095】
(1) 「ビッグボーナス」は、ビッグボーナスゲームを複数回行なうことができる特典が付与される入賞役である。ビッグボーナス入賞は、リールの停止結果が「白7、白7、白7」または「模様付7、模様付7、模様付7」の組合わせとなった場合に発生する。ビッグボーナスゲームでは、図5の括弧書きで示されているように、払出枚数が多い小役入賞の当選確率が飛躍的に向上されるとともに、レギュラーボーナス入賞を発生させることが可能になる。このように、小役入賞の当選確率が向上されることから、ビッグボーナスゲームは別名「小役ゲーム」とも呼ばれる。
【0096】
ビッグボーナスゲームでレギュラーボーナス入賞が発生したときには、レギュラーボーナスゲームが複数回提供され、レギュラーボーナスゲームを消化した後に、再び、残りのビッグボーナスゲームが提供される。ビッグボーナスゲームは、レギュラーボーナス入賞が所定回数発生すること、または、予め定められた上限回数のビッグボーナスゲームを消化すること、のうち、いずれか早いほうの条件が成立するまで提供される。なお、本実施の形態では、レギュラーボーナスゲームが提供されている状態も含めて、「ビッグボーナス状態(BB状態)」と呼んでいる。
【0097】
(2) 「レギュラーボーナス」は、レギュラーボーナスゲームを複数回行なうことができる特典が付与される入賞役である。レギュラーボーナス入賞は、リールの停止結果が「JAC、JAC、JAC」の組合わせとなった場合に発生する。この実施の形態の場合、レギュラーボーナス入賞は、ビッグボーナスゲーム中にのみ発生し得る。レギュラーボーナスゲームでは、レギュラーボーナスゲーム中に特有の入賞役である小役6のみが有効になり、かつ、極めて高い確率で、その入賞役が内部当選する。しかも、5つの入賞ラインのうちの1ラインのみが有効となり、目押しもやり易く、1枚賭けでゲームを消化できる。また、たとえば、小役6の入賞役に入賞すれば、1ゲームで得ることが許容される最大の有価価値(たとえば、15枚のメダル相当)が付与される。レギュラーボーナスゲームは、入賞が所定回数発生すること、または、予め定められた上限回数のゲームを消化すること、のうち、いずれか早いほうの条件が成立するまで連続的に提供される。なお、小役6の入賞図柄は「JAC」であるため、レギュラーボーナスゲーム中の入賞を特に“JAC入賞”という。
【0098】
(3) 「小役」は、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームのような特別なゲームの発生、またはリプレイゲームの発生を伴わない、有価価値(たとえば、クレジットまたはメダル)の付与のみを伴う入賞役である。
【0099】
スロットマシン1では、小役入賞として、小役1〜小役6が用意されている。このうち、小役1〜小役3は、メダルの払出し数が9枚である“9枚小役”である。また、小役4は、メダルの払出し数が4枚である“4枚小役”であり、小役5は、メダルの払出し数が2枚である“2枚小役”である。さらに、レギュラーボーナスゲームにのみ有効となる小役6は、メダルの払出数が15枚である“15枚小役”である。これらの小役のうち、通常ゲームにおいて払出数が最大である9枚小役(小役1〜小役3)がAT状態における小役告知の対象とされている。
【0100】
AT状態における小役告知の対象とされている小役1〜小役3の入賞図柄は、中、右図柄が共通して「スイカ」であり、左図柄が、「模様付7」であれば小役1、「白7」であれば小役2、「BAR」であれば小役3とされている。なお、小役告知表示部24,25,26(図1参照)には、小役1,小役2,小役3の入賞図柄のうちの左図柄が描かれている。
【0101】
小役4の図柄の組合わせは、「ベル、ベル、ベル」である。小役5の図柄の組合わせは、「チェリー、任意、任意」であり、左リール4Lに「チェリー」が停止すると他のリールの出目にかかわらず有効ライン毎に2枚のメダルが払出される。このように、「チェリー」は、中リールおよび右リールの出目とは無関係に入賞を発生させるので、単図柄と呼ばれる。
【0102】
(4) 「リプレイ」は、メダルあるいはクレジットを消費することなく次回のゲームを開始できるという特典が与えられる入賞役である。リプレイ入賞が発生した場合には所定時間の経過後、スタートレバー42の操作が有効となる。リプレイ入賞によって開始可能となるゲームを“リプレイゲーム”と呼ぶ。リプレイゲームが行なわれる際の賭数は、リプレイ入賞が発生した際のゲームの賭数と同一に設定される。リプレイの図柄の組合わせは、「JAC、JAC、JAC」であり、前述したように、レギュラーボーナスおよび小役6の図柄の組合わせと同一である。
【0103】
以上、入賞役について説明したが、3枚賭けでは、ビッグボーナスおよび小役5については、「設定値1」から「設定値6」に設定数が増加するに従って当選率が高くなっている。一方、その他の入賞役の当選率は、設定値にかかわらず一定である。なお、リプレイ入賞役に対応する当選率のうち括弧内に示された当選率は、通常ゲームにおいてリプレイ当選率が向上されたRT(Replay Time)状態に制御されている場合の当選率である。
【0104】
図6は、遊技制御基板100から演出制御基板101に送信されるコマンドを説明するための説明図である。
【0105】
BET通知コマンドは、有効な賭け操作(BET操作)が検出された結果、賭数が設定されたことを通知するコマンドである。スタート操作通知コマンドは、賭数が設定された後の有効なスタート操作が検出されたことを通知するコマンドである。
【0106】
小役演出コマンドは、小役告知ランプの点灯あるいは消灯を指令するコマンドである。変動開始通知コマンドは、各リール4L,4C,4Rの一斉変動の開始を通知するコマンドである。通常は、スタート操作通知コマンドと変動開始通知コマンドとは同時期に送信されるが、前述したゲーム進行規制期間が経過する前にスタート操作が検出された場合には、スタート操作通知コマンドが先に送信され、ゲーム進行規制期間が経過した後に、変動開始コマンドが送信される。
【0107】
リール停止通知コマンドはリールが停止したことを通知するコマンドである。なお、このコマンドは、各リール4L,4C,4Rの停止に対応して出力される。入賞図柄通知コマンドは入賞が発生した入賞図柄(入賞役)の種類を通知するコマンドである。また、入賞ライン通知コマンドは、入賞図柄が揃った有効ラインを通知するコマンドである。
【0108】
払出終了通知コマンドは、メダルの払出しが終了したことを通知するコマンドである。BB演出コマンドは、BB当選フラグが設定されている旨、BB当選フラグが設定されている可能性がある旨等、BB当選フラグに関わる情報を告知する旨を指令するコマンドである。
【0109】
ゲーム状態通知コマンドは、次回のゲーム状態を通知するコマンドである。このコマンドにより、次回のゲームが通常ゲームであるのか、BBゲームであるのか等が通知される。
【0110】
ゲーム切換通知コマンドは、1ゲームが終了して次回のゲームを開始させることが可能な状態になったことを通知するコマンドである。このコマンドが出力される時点でメダルの投入が許容される。エラー通知コマンドは、各種のエラーの発生を通知するコマンドである。
【0111】
上記のコマンドの各々は、図6の“コマンド名称”に示されるコマンド種別のうちのいずれであるかを示す1バイトの“MODEデータ”と、コマンドの内容を示す1バイトの“EXTデータ”とを含むデータから構成されている。
【0112】
図7は、BET通知コマンドの説明図である。本実施の形態では、スロットマシン1において設定可能な賭数(1、2、3)の各々に対応するBET通知コマンドが予め定められており、遊技制御基板100は、BETボタン操作またはメダルの投入操作により設定された賭数に対応したBET通知コマンドを演出制御基板101へ送信する。
【0113】
1BET通知コマンドは、賭数が1つ追加されたことを通知するためのコマンドである。この1BET通知コマンドは、メダルの投入操作またはBETボタン(1BETボタン43またはMAXBETボタン44)の操作によって賭数が1つ追加される毎に送信される。2BET通知コマンドは、MAXBETボタン44の操作によって賭数が一度に2つ追加されたことを通知するためのコマンドである。MAXBET通知コマンドは、MAXBETボタン44の操作によって賭数が一度に3つ追加されて最大賭数になったことを通知するためのコマンドである。このように、スロットマシン1では、設定された賭数に応じた種類のBET通知コマンドが送信される。
【0114】
各BET通知コマンドが送信される場合の具体例については図7に示されている。たとえば、1BET通知コマンドは、現在の賭数が最大数(通常は3、RBゲーム中は1である。以下、同様。)未満であるときにメダルを投入した場合や、現在の賭数が最大数未満かつクレジット残数が1以上であるときに1枚BETボタン43を操作した場合、現在の賭数が0または1かつクレジット残数が1であるときにMAXBETボタン44を操作した場合、現在の賭数が2かつクレジット残数が1以上であるときにMAXBETボタン44を操作した場合、現在の賭数が0かつクレジット残数が1以上であるときにMAXBETボタン44を操作した場合に送信される。2BET通知コマンドは、現在の賭数が0かつクレジット残数が2であり、さらに、通常ゲームのときにMAXBETボタン44を操作した場合、現在の賭数が1かつクレジット残数が2以上であり、さらに、通常ゲームのときにMAXBETボタン44を操作した場合に送信される。MAXBET通知コマンドは、現在の賭数が0かつクレジット残数が3以上であり、通常ゲームのときにMAXBETボタン44を操作した場合に送信される。
【0115】
図8は、BET通知コマンドの送信に関わるタイミングチャートである。図8(a)〜図8(c)には、1BET通知コマンド、MAXBET通知コマンド、および2BET通知コマンドの送信タイミングと、各々のBET通知コマンドを受けて演出制御基板101がスピーカ581から効果音を発生させるタイミングとが示されている。なお、各々のタイミングチャートにおけるパルスは、信号がONしている状態、または、コマンドが送信されている状態を示す。
【0116】
最初に図8(a)を参照して、1BET通知コマンドが送信される場合について説明する。まず、BETボタン操作またはメダル投入による賭け操作が遊技制御基板100により検出されることに基づいて賭数が1つ加算される。すると、賭け操作が検出された時点から遅延時間Tが経過した後に1BET通知コマンドが遊技制御基板100から演出制御基板101に送信される。なお、遅延時間Tは、コマンド(特に、この図8ではBET通知コマンド)の送信毎に遊技制御基板100によってその長さが所定範囲内(T1≦T≦T2)でランダムに変更されるランダムな時間である。詳細については後述する。
【0117】
演出制御基板101は、受信した1BET通知コマンドに基づいてスピーカを駆動し、賭数が1つ追加されたことを示す効果音をスピーカから出力させる。
【0118】
その後、BETボタンまたはメダル投入による2回目、3回目の賭け操作がスタート操作前の任意の時期に遊技制御基板100により検出されて賭数が加算された場合、同様の手順で1BET通知コマンドが遊技制御基板100から送信され、これを受けた演出制御基板101によって効果音を出力させる制御がなされる。
【0119】
次に、図8(b)を参照して、MAXBET通知コマンドが送信される場合について説明する。まず、MAXBETボタン44の操作が遊技制御基板100により検出されることに基づいて賭数が一度に3つ加算される。なお、このように賭数が一度に3つ加算されるためには、クレジット残数が3以上かつ現在の賭数が0であることが条件となる。また、RBゲームである場合には、クレジット残数等に関わらず賭数が1つに制限されるために、MAXBETボタン44を操作しても賭数が一度に3つ加算されることはない。
【0120】
次に、賭け操作が検出された時点から遅延時間Tが経過した後にMAXBET通知コマンドが遊技制御基板100から演出制御基板101に送信される。演出制御基板101は、受信したMAXBET通知コマンドに基づいて、加算された賭数に対応する回数(=3)だけスピーカを駆動する。このとき、演出制御基板101は、予め定められたインターバル時間ti毎に駆動信号を出力する。その結果、スピーカから効果音がインターバル時間ti毎に計3回出力される。
【0121】
このように、本実施の形態では、1BET通知コマンドとは別に、一度に3つの賭数が設定されたことに対応したMAXBET通知コマンドが予め用意されている。ゆえに、一度に3つの賭数が設定された場合、遊技制御基板100は1BET通知コマンドを計3回、順に演出制御基板101へ送信する必要がなく、MAXBET通知コマンドを少なくとも1回送信しさえすればよい。このため、コマンドを送信するための遊技制御基板100の処理負担を軽減できる。また、コマンドを受信するための演出制御基板101の処理負担をも軽減できる。
【0122】
次に、図8(c)を参照して、2BET通知コマンドが送信される場合について説明する。まず、MAXBETボタン44の操作が遊技制御基板100により検出されることに基づいて賭数が一度に2つ加算される。なお、このように、MAXBETボタン44を操作したにもかかわらず賭数が2つしか加算されない状態は、クレジット残数が2である場合、または賭数がすでに1つ設定されている場合のいずれかの場合に発生する。
【0123】
次に、賭け操作が検出された時点から遅延時間Tが経過した後に2BET通知コマンドが遊技制御基板100から演出制御基板101に送信される。演出制御基板101は、受信した2BET通知コマンドに基づいて、加算された賭数に対応する回数(=2)だけスピーカを駆動する。このとき、演出制御基板101は、MAXBET通知コマンドを受信した場合と同じく、インターバル時間tiをおいて2回目の駆動信号を出力する。その結果、スピーカから効果音がインターバル時間tiをおいて計2回出力される。
【0124】
このように、本実施の形態では、1BET通知コマンドおよびMAXBET通知コマンドとは別に、一度に2つの賭数が設定されたことに対応した2BET通知コマンドも予め用意されている。このため、コマンドを送信するための遊技制御基板100の処理負担、および、コマンドを受信するための演出制御基板101の処理負担をより一層軽減できる。
【0125】
次に、図8に示される遅延時間Tについて詳細に説明する。この遅延時間Tは、常に同じタイミングでコマンドが送信されることを防止するために設定されている。なお、図8には、コマンドの代表例としてBET通知コマンドが示されているが、その他のスタート操作通知コマンドや変動開始通知コマンドなど(図6参照)についても、同様に、遅延時間Tの経過後に送信される。
【0126】
たとえば、送信すべきコマンドを選択してからそれを送信するまでの時間が常に同じであると、演出制御基板101がコマンドの受信タイミングを利用して、遊技制御基板100の制御タイミングを推測できるおそれがある。遊技制御基板100の制御タイミングを推測できるならば、たとえば、特定のコマンドの受信タイミングを利用してリール4の変動状況を推測し、現在のところ禁止されている、遊技者にいわゆる目押しのタイミングを報知するような制御動作も可能になる。そこで、本実施の形態では、コマンドの送信タイミングをランダムに変動させるため、遅延時間Tが設定されているのである。
【0127】
この遅延時間Tは、たとえば、最小時間T1がゼロである。また、最大時間は、たとえば、図柄が1コマ移動するのに要する時間(リール4が回転することにより図柄の位置が或る有効ラインからその下の有効ラインに移動するのに要する時間)以上のT2(たとえば、36ミリ秒)に設定されている。このため、もし、コマンドの受信タイミングを利用して目押し報知を行なおうとしても、最大でリールの図柄の1コマ分以上、報知すべきタイミングにずれが生じることになり、事実上、目押し報知を行なうことができなくなる。
【0128】
一方、コマンドの送信タイミングがランダムに変化するために、複数のコマンドが連続的に演出制御基板101へ送信された場合、複数のコマンドの各々が演出制御基板101に到着する時間間隔はまちまちになる。このため、もし、MAXBET通知コマンドや2BET通知コマンドを採用することなく、賭数に応じた回数だけBET通知コマンドを送信することのみによって、設定された賭数を演出制御基板101へ通知するような送信態様を採用した場合、2以上の賭数が設定されたことを示す効果音の出力タイミングがランダムに変化して遊技者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0129】
たとえば、MAXBETボタンの操作により「賭数=3」が一度に設定された場合を例に挙げて説明する。もし、MAXBET通知コマンドが採用されていない場合には、BET通知コマンドを計3回、演出制御基板101へ送信することになる。この場合、遅延時間Tのために、各通知コマンドの送信時期がまちまちになる。このため、演出制御基板101が1つ目のBET通知コマンドを受けてから2つ目の通知コマンドを受けるまでの時間と、その2つ目のBET通知コマンドを受けてから3つ目のBET通知コマンドを受けるまでの時間とが相違するおそれが高くなる。もし、両時間が相違すれば、スピーカにおいて1つ目の効果音が出力されてから2つ目の効果音が出力されるまでのインターバル時間と、2つ目の効果音が出力されてから3つ目の効果音が出力されるまでのインターバル時間とが当然に異なるようになる。
【0130】
その結果、MAXBETボタンを操作することによって一度に3つの賭数を設定したにもかかわらず、1枚BETボタンをランダムなタイミングで3回操作した時のように効果音の出力タイミングが不ぞろいになるため、遊技者に違和感を与えてしまうことになる。さらには、MAXBETボタンの操作毎に効果音の出力タイミングがランダムに変化するため、予告機能や何らかの隠し機能が搭載されているのではないかとの無駄な詮索を遊技者にさせてしまうおそれもある。
【0131】
このような問題は、MAXBETボタンを操作したときのみならず、賭数が2または3に設定されたゲーム結果がリプレイ入賞となった後においても発生し得る。リプレイ入賞となれば、その入賞が発生したゲームの賭数が自動的に次回のゲームの賭数として設定されるため、その賭数が2または3であれば、2BET通知コマンドおよびMAXBET通知コマンドを採用していない限り、BET通知コマンドがその賭数分だけランダムな時間間隔で出力されてしまうためである。
【0132】
本実施の形態では、遅延時間Tを採用して遊技制御基板100の制御タイミングを遊技者に悟られないようにするとともに、それによって上述の効果音の出力タイミングに関する不都合が発生しないようにすることをも目的として、1BET通知コマンドとは別に、一度に3つの賭数が設定されたことに対応したMAXBET通知コマンド、および一度に2つの賭数が設定されたことに対応した2BET通知コマンドを採用しているのである。
【0133】
すなわち、2以上の賭数が一度に設定された場合に、単一のコマンドによってその賭数を演出制御基板101に対して通知することにより、演出制御基板101は、その単一のコマンドを受信した時点を基準にして一定のインターバル時間tiごとに賭数に対応する数の効果音を出力できるように構成されている(図8(b)、図8(c)参照)。
【0134】
以上のように、この実施の形態によれば、一度に3つの賭数が設定されたことに対応したMAXBET通知コマンド、および一度に2つの賭数が設定されたことに対応した2BET通知コマンドを採用することにより、単にコマンドの送信、または受信に関する遊技制御基板100または演出制御基板101の制御負担を軽減できるばかりでなく、遅延時間Tを採用することによって新たに発生しうる上記の問題をも解決できる。
【0135】
図9は、遊技制御基板100が行なう処理の概略の処理手順を示すフローチャートである。図9を参照して、まず、初期処理が実行される(S1)。この初期処理では、たとえば、各種内蔵デバイス等が初期化され、RAMエラーがチェックされる。
【0136】
次に、BET処理が行なわれる(S2)。このBET処理では、メダルの投入操作、または、1枚BETボタン43あるいはMAXBETボタン44の操作による遊技者の賭け操作に応じて、賭数を設定する処理が行なわれる。BET処理の詳細については図10を用いて後述する。
【0137】
次に、抽選処理が実行される(S3)。抽選処理では、遊技者がスタートレバー42を操作したことに応答して、入賞の発生を許容するか否か、およびどの入賞役の発生を許容するか、が決定される。
【0138】
次に、リール変動開始処理が実行される(S4)。リール変動開始処理は、遊技者がスタートレバー42を操作した後、各リール4L,4C,4Rの一斉変動を開始させるための処理である。
【0139】
次に、リール変動停止処理が実行される(S5)。リール変動停止処理は、遊遊技者による各ストップボタン41L,41C,41Rの操作に応答して対応したリールを停止させる処理である。この処理では、遊技者が各ストップボタン41L,41C,41Rを操作すると、そのタイミングで表示されていた図柄から4個の引込み可能範囲内に予めS3で行なわれていた抽選結果にしたがった図柄があればその図柄でリールを停止させる引込み処理が行なわれる。引込み可能範囲内に抽選結果に従った図柄がなければ、外れ図柄で停止させる処理が行なわれる。なお、抽選結果がはずれであった場合には必ずはずれ図柄でリールを停止させる処理が行なわれる。
【0140】
こうしてすべてのリールが停止した時点で、入賞判定処理が実行される(S6)。この入賞判定処理は、停止図柄によって入賞が発生したか否かを判定する処理である。この処理では、リールが停止したときに、入賞有効ライン上に得られた表示結果が入賞図柄の組合せか否かが実際に判定される。
【0141】
次に、払出処理(S7)が実行され、このゲームに関する処理は終了する。払出処理は、S6において入賞が発生したと判定された場合に、その入賞に応じた有価価値(メダル)の払出を行なう処理である。
【0142】
次に、図10を参照して、図9に示されたBET処理の詳細について説明する。BET処理においては、今回のゲームがリプレイゲームであるか否かが判断される(SB1)。リプレイゲームでないと判断された場合には、スタート操作(スタートレバー42の操作)が検出されたか否かが判断される(SB2)。
【0143】
スタート操作が検出されていない場合には、メダルが投入されたか否かが判断される(SB3)。メダルが投入された場合には、賭数がすでに最大数であるか否かが判断される(SB18)。賭数が最大数でない場合には、賭数が+1される(SB19)。一方、たとえば、賭数がすでに3に設定されている場合、またはRBゲーム中の場合には賭数がすでに1に設定されている場合、SB18において賭数がすでに最大数であると判断される。
【0144】
この場合には、これ以上、メダルの投入に応じて賭数を設定することができないために、現在のクレジット数が最大値(=50)未満であることを条件に、その投入されたメダルに応じてクレジット数を加算更新(+1)する処理が実行される(SB25、SB26)。一方、すでにクレジット数が最大値に達していると判断された場合(SB25でNO)、流路切替ソレノイド511(図2参照)をOFFにして、投入されたメダルを返却する処理が実行される(SB32)。
【0145】
SB3でメダルの投入が検出されない場合には、BETボタン(1枚BETボタンまたはMAXBETボタン)の操作が検出されたか否かが判断される(SB4)。BETボタン操作が検出されない場合には処理がSB1に戻る。一方、BETボタン操作が検出された場合には、賭数がすでに最大数に設定されているか否かが判断される(SB5)。最大数に設定されている場合には、処理がSB1に戻るが、最大数には設定されていない場合、クレジット数が0ではないことを条件に(SB6でNO)、1枚BETボタンが操作されたのか、MAXBETボタンが操作されたのかが判断される(SB7)。なお、クレジット数が0の場合にはBETボタンの操作は無効であるために、SB6でYESと判断された後、処理がSB1に戻る。
【0146】
SB7で1枚BETボタンが操作されたと判断された場合、賭数が加算更新(+1)され(SB8)、それと引換えにしてクレジット数が減算更新(−1)される(SB9)。
【0147】
一方、SB7で1枚BETボタンが操作されたのではないと判断された場合(すなわち、MAXBETボタンが操作されたと判断された場合)、SB20〜SB34の処理により、現在のゲーム状況下で加算可能な最大の賭数を加算し、その加算した賭数相当のクレジットを減算する処理が実行される。
【0148】
たとえば、今回のゲームがRBゲームである場合には、賭数を1にしか設定できないために、SB20で今回のゲームがRBゲームであると判断された後、賭数が1だけ加算更新され(SB21)、それと引換えにしてクレジット数が1だけ減算更新される(SB22)。なお、RBゲームと判断されてSB21で賭数が+1されると、賭数が今回のRBゲームに設定可能な最大数(=1)に至るため、スタート操作するまでの間に再度、BET処理のルーチンが実行された場合には、SB5およびSB18で共に賭数が最大数であると判断される。
【0149】
SB20により、今回のゲームがRBゲームではないと判断された場合、今回のゲームの賭数を最大数(=3)にする値Aが演算される(SB27)。たとえば、現在の賭数が0であれば値Aは3である。現在の賭数が1であれば値Aは2である。現在の賭数が2であれば値Aは1である。なお、現在の賭数が3であれば、SB5でNOと判断されるために、SB20〜SB34の処理に移行してくることはない。
【0150】
SB27で値Aが演算された場合には、その値Aを現在の賭数に加算することによって賭数を最大数の3に設定できる。しかしながら、値Aに見合うクレジット数が存在しない場合には、せいぜいクレジット残数分しか賭数を加算することはできない。
【0151】
そのため、SB27で値Aが演算された後、現在のクレジット数が値A以上であるか否かが判断され(SB28)、現在のクレジット数が値A以上である場合にのみ、賭数を最大数の3にする処理が実行される(SB29)。その場合、賭数に加算した値Aが、現在のクレジット数から減算される(SB30)。
【0152】
一方、現在のクレジット数が値Aに満たない場合(SB28でNO)には、賭数に現在のクレジット数が加算され(SB33)、それと引換えに、クレジット数が0に更新される(SB34)。
【0153】
1回のメダル投入操作または1回のBETボタン操作により、SB19、(SB8,SB9)、(SB21,SB22)、(SB29,SB30)、(SB33,SB34)のいずれかで賭数を加算更新するための処理が実行された後、その1回の操作で加算された賭数が1〜3のいずれであるかが判断される(SB10)。そして、加算された賭数に応じたBET通知コマンドが設定される(SB11〜13)。
【0154】
SB11〜13によりBET通知コマンドが設定された後、予め所定のタイミングで抽出された乱数値に基づいて、BET通知コマンドを送信する際の遅延時間Tが設定される(SB14)。遊技制御基板100のROM114内には、乱数値と時間長さが異なる複数種類の遅延時間Tとを対応付けたテーブルデータが記憶されている。遊技制御基板100のCPU112は、抽出した乱数値とテーブルデータとを用いて、遅延時間Tを設定する。このため、SB14で設定される遅延時間Tの時間長さは設定ごとにランダムに変化する。なお、乱数値は、遊技制御基板100の制御部111により実行される制御プログラムで生成されるソフト乱数であってもよく、制御部111の外部に設けた乱数発生回路から供給されるハード乱数であってもよい。
【0155】
SB14で遅延時間Tが設定された後、その遅延時間Tが経過するまで、その遅延時間Tの経過を確認する処理が繰返される(SB15)。そして、遅延時間Tが経過したと判断された場合、SB11〜SB13で設定されたBET通知コマンドが演出制御基板101へ送信される(SB16)。その後、処理がSB1に戻る。
【0156】
SB1で今回のゲームがリプレイゲームであると判断された場合、賭数が設定されているか否かが判断される(SB23)。そして、賭数が設定されていない場合には、前回の賭数が自動的に設定され、その賭数に応じたBET通知コマンドが設定される(SB31)。その後、遅延時間Tを設定し、遅延時間Tの経過後に設定したBET通知コマンドを送信する処理が実行される(SB14〜SB16)。その後、再度処理がSB1に戻り、リプレイゲームであると判断され、さらにSB23で賭数の設定有りと判断される。この場合、スタート操作が検出されるまで、スタート操作の検出を確認する処理が繰返される(SB24)。そして、スタート操作が検出された場合には、BET処理が終了して、図9に示された抽選処理に移行する。
【0157】
また、SB1でリプレイゲームでないと判断された後に、SB2でスタート操作が検出されたと判断され、さらに、SB17で賭数がすでに設定されていると判断された場合にも同様に、BET処理が終了して、図9に示された抽選処理に移行する。
【0158】
次に、以上、説明した発明の実施の形態の変形例や特徴点について以下に列挙する。
【0159】
(1) 上記実施の形態では、BET通知コマンドの受信に応じて演出制御基板101が制御する「報知手段」の一例として、スピーカ(効果音出力手段、音出力手段)を例に挙げて説明した。しかしながら、報知手段としてはこれに限られるものではない。たとえば、設定された賭数を特定可能に表示する表示手段(たとえば、賭数表示ランプ)を演出制御基板101が制御するように構成し、BET通知コマンドの受信に応じて、表示手段を駆動し、賭数に応じて表示手段の態様を変化(たとえば、点灯しているランプの数を変化させる)させるようにしてもよい。あるいは、上記実施の形態において、遊技制御基板100が制御するものであるとして説明した「1枚賭けランプ210、2枚賭けランプ220a,220b、3枚賭けランプ230a,230b」を演出制御基板101が制御するように構成変更してもよい。この場合には、BET通知コマンドの受信に応じて演出制御基板101が制御する「1枚賭けランプ210、2枚賭けランプ220a,220b、3枚賭けランプ230a,230b」が前記報知手段に該当する。
【0160】
(2) 上記実施の形態として説明したスロットマシン1には、1枚BETボタン43およびMAXBETボタン44の2種類のBETボタンが設けられている。しかしながら、1枚BETボタンを設けることなく、2以上の賭数をまとめて選択可能な“複数BETボタン”を1つのみ設けるようにしてもよい。あるいは、まとめて選択できる賭数が各々異なる“複数BETボタン”を2つ以上設けてもよい。
【0161】
(3) 本実施の形態に示されたスロットマシンは、1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシンであって、前記賭数として2以上の所定数を一度に選択可能な賭数選択操作手段と、遊技状態を制御するとともに、前記選択操作手段の操作に基づいて設定された賭数に対応した制御情報を送信する遊技制御手段と、該遊技制御手段とは別個に設けられ、前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて、設定された賭数を特定可能に報知するための制御を行なう報知制御手段とを含み、前記遊技制御手段は、前記賭数が1つ設定される毎に当該賭数に対応した制御情報を送信可能であるとともに、前記賭数選択操作手段の操作に基づいて2以上の所定数が賭数として設定された場合には当該2以上の所定数である賭数に対応した制御情報を送信可能である。
【0162】
(4) 賭数が設定されたことに基づいてスピーカから出力される効果音は、所定の音階の単発音であってもよく、メロディ音であってもよく、音声であってもよい。また、報知制御手段の一例として、スピーカやランプ等の複数種類の演出手段(報知手段)を制御する演出制御基板101を例に挙げて説明した。しかしながら、このような演出制御基板とは別に、BET通知コマンドを受信して賭数を特定可能に報知する制御を行なう報知制御基板を設けるようにしてもよい。
【0163】
(5) コマンドにより、指令情報が構成されている。また、上記実施の形態では、情報は遊技制御基板100から演出制御基板101の1方向にのみ送信され、逆方向へは情報が送信されない。しかしながら、演出制御基板101から遊技制御基板100へも情報が送信されるようにして、遊技制御基板100と演出制御基板101との間で情報が双方向に送受信されるように構成してもよい。
【0164】
(6) 遊技制御基板100および演出制御基板101の双方のRAM113,133は、ともにバックアップ電源によって記憶内容を所定期間保持可能に構成した。しかしながら、いずれか一方の基板のRAMのみをバックアップ電源によってバックアップしてもよく、双方の基板のRAMともにバックアップしないように構成してもよい。
【0165】
また、上記実施の形態では、遊技制御基板100および演出制御基板101の双方にバックアップ電源を設けた。しかしながら、両基板にバックアップ電源を設けないようにしてもよく、いずれか一方の基板にのみバックアップ電源を設けてもよい。また、両基板とは別の箇所に設けられたバックアップ電源によって、RAM113,133をバックアップしてもよく、いずれか一方の基板に設けられたバックアップ電源によって、RAM113,133をバックアップしてもよい。
【0166】
(7) BB入賞した時の入賞図柄の種類に応じて、遊技者に与えられる価値が異なるように構成してもよい。たとえば、「白7」でBB入賞した場合には、小役ゲーム中に小役当選している小役の種類が告知されるという特典が付与されるようにすることが考えられる。
【0167】
(8) 本実施の形態において、演出制御手段の一例となる演出制御基板101は、液晶表示器50、各種ランプ、各スピーカ581を制御する。しかしながら、演出制御基板101は、液晶表示器50、各種ランプ、各スピーカ581のすべてを制御するのではなく、そのうちの少なくとも1つを制御するものとして構成し、制御対象外のものについては、遊技制御基板100が直接制御するように構成してもよい。液晶表示器50、各種ランプ、各スピーカ581により、遊技状態を演出するために前記演出制御手段によって制御される演出手段が構成されている。
【0168】
(9) 画像表示装置の一例として、液晶表示器を例に挙げて説明した。しかしながら、液晶表示器に代えて、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)、蛍光表示管、またはLEDを用いた表示装置を採用してもよい。また、このような表示装置に限られるものでなく、ドットマトリクス表示器、7セグメント表示器であってもよい。さらに、ソレノイドやモータ等によって可動する人形等をスロットマシン1の所定位置に配置し、入賞の発生等に応じてその人形に所定の動作を行なわせるようにしてもよい。
【0169】
(10) 図3を用いて説明したように、前記遊技制御手段と前記演出制御手段との間では、前記遊技制御手段から前記演出制御手段への一方向通信による情報の伝送が行なわれる。遊技制御基板100側のCPU112は、入賞が発生した場合に、クレジットを付与する制御を実行可能であるとともに、直接、メダルを払出す制御を実行可能である。すなわち、前記遊技制御手段は、前記可変表示装置の表示結果に応じて価値物体(メダル)または価値物体と交換可能な価値情報(クレジット)を遊技者に付与する価値付与制御をさらに行なう。メダルにより、前記価値物体が構成されている。クレジットにより、前記価値物体と交換可能な価値情報が構成されている。なお、価値物体としては、メダルのような遊技媒体としてゲームに再利用できるようなものでなく、景品自体、あるいは、専ら景品交換にのみ利用できるような価値物体であってもよい。
【0170】
(11) 液晶表示器50には、遊技制御基板100が制御する各種報知手段(クレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、ペイアウト表示部13、投入指示ランプ180、1枚賭けランプ210、2枚賭けランプ220a,220b、3枚賭けランプ230a,230b、スタートランプ170、リプレイランプ150、ボーナス告知ランプ190、ゲームオーバーランプ140)によって報知される報知情報が、画像表示されるようにしてもよい。たとえば、ビッグボーナスゲーム中やレギュラーボーナスゲーム中には、そのゲーム数が表示され、入賞が発生すれば、払出されるメダル数が表示されるように構成することなどが考えられる。ただし、その場合には、たとえば、遊技制御基板100により液晶表示器50を表示制御させる。
【0171】
(12) スロットマシン1により、遊技者所有の有価価値を賭数として使用して遊技が可能となり、可変表示装置(23)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシンが構成されている。遊技制御基板100により、可変表示装置(リールユニット4)を変動開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御手段が構成されている。リールユニット4により、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置が構成されている。また、遊技制御基板100により、所定の有価価値を付与する制御を行なう価値付与制御手段が構成されている。また、遊技制御基板100により、遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。
【0172】
演出制御基板101により、画像表示装置(たとえば、液晶表示器50)を表示制御する画像表示制御手段が構成されている。外部出力基板104により、スロットマシンの遊技情報を出力する遊技情報出力基板(遊技情報出力手段)が構成されている。RB中信号、BB中信号により、遊技状態に関する遊技状態情報が構成されている。
【0173】
スタートレバー42により、ゲームを開始させる操作を行なうための開始操作手段が構成されている。そして、該開始操作手段の操作により前記可変表示装置が変動を開始する。前記スロットマシンには、複数種類の入賞役(たとえば、小役、リプレイ、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)が予め定められており、入賞の発生を許容するか否かを前記複数種類の入賞役別に決定する入賞許否決定手段(たとえば、制御部111)をさらに含み、前記複数種類の入賞役には、当該入賞役による入賞の発生が許容されたゲームで当該入賞役による入賞が発生しなかった場合に、次回のゲームでも当該入賞役による入賞の発生が許容されるボーナス役(たとえば、ビッグボーナス)が含まれている。遊技者所有の有価価値を記憶する価値記憶手段(たとえば、RAM113)と、該価値記憶手段に記憶された有価価値を使用して前記賭数を設定するための操作が可能な賭数設定操作手段(たとえば、1枚BETボタン43、MAXBETボタン44)とをさらに含む。前記可変表示装置の表示結果に応じて所定の特別ボーナス役(ビッグボーナス役)が発生した場合には、所定のボーナス役(レギュラーボーナス)の当選確率が向上された特別ボーナスゲームを連続して行なうことが可能になり、前記可変表示装置の表示結果に応じて前記ボーナス入賞が発生した場合には、一定の入賞回数の範囲内で、前記特別ボーナス入賞および前記ボーナス入賞のいずれとも異なる所定の入賞の当選確率が向上されたボーナスゲームを連続して行なうことが可能になる。
【0174】
(13) 賭数が最大数に設定されてからクレジット数が最大数に達するまでの間は、メダルがスロットマシン1に投入される度に、所定のコマンドが遊技制御基板100から演出制御基板101に送信されるようにし、演出制御基板101は、そのコマンドを受けて効果音(メダル投入音)を発生させるように構成してもよい。
【0175】
その場合に遊技制御基板100から演出制御基板101に送信するコマンドとして、上記実施の形態で説明した1BET通知コマンドを流用することが考えられる。1BET通知コマンドを流用した場合には、たとえば、メダルを投入して賭数が1つ設定される毎に1BET通知コマンドが演出制御基板101へ送信され、やがて賭数が最大数に達した後も、クレジット数が最大数に達するまでの間は、メダルの投入毎に1BET通知コマンドが演出制御基板101へ送信されることになる。この場合、賭数が設定される毎、およびクレジット数が加算更新される毎に、演出制御基板101の制御によりスピーカ581から効果音が出力される。
【0176】
なお、1BET通知コマンドを流用するのではなく、メダルの投入を通知するためのメダル投入通知コマンドを別途定義し、賭数が最大数に達した後にメダルが投入された場合には、メダル投入通知コマンドが遊技制御基板100から演出制御基板101へ送信されるようにしてもよい。
【0177】
(14) 今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スロットマシンの全体正面図である。
【図2】 スロットマシンに設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。
【図3】 遊技制御基板および演出制御基板の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】 各リール外周に描かれた図柄を示す展開図である。
【図5】 入賞役の図柄の組合わせと入賞役の当選率とについての説明図である。
【図6】 遊技制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの説明図である。
【図7】 BET通知コマンドの説明図である。
【図8】 BET通知コマンドの送信に関わるタイミングチャートである。
【図9】 遊技制御基板が行なう処理の概略手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】 BET処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン、4 リールユニット、4L,4C,4R リール、41L,41C,41R ストップボタン、42 スタートレバー、43 1枚BETボタン、44 MAXBETボタン、50 液晶表示器、100 遊技制御基板、101 演出制御基板、111 遊技制御基板側の制御部、125,139バックアップ電源、131 演出制御基板側の制御部、581 スピーカ。
Claims (2)
- 1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて、今回のゲームの賭数が次回のゲームに持越される再ゲーム役を含む複数種類の入賞が発生し得るスロットマシンであって、
賭数の設定に使用可能なクレジットの数を記憶するクレジット数記憶手段と、
該クレジット数記憶手段に記憶されたクレジット数から賭数相当のクレジット数を減算することと引換えにして、賭数として2以上の所定数を一度に選択する操作が可能となる賭数選択操作手段と、
遊技状態を制御する遊技制御手段と、
該遊技制御手段とは別個に設けられ、前記遊技制御手段から送信される所定の賭数コマンドが示す賭数を報知するための制御を行なう報知制御手段と、
該報知制御手段により制御され、前記賭数コマンドが示す賭数を報知する報知手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記賭数選択操作手段が操作されたときに設定されている賭数に基づいて、当該賭数選択操作手段の操作によって増加する賭数を特定する特定手段と、
前回のゲームで前記再ゲーム役による入賞が発生したときに今回のゲームの賭数として前回の賭数と同じ数を自動的に設定する賭数自動設定手段と、
複数種類の賭数の各々に対応付けられた各賭数コマンドのうちの前記特定手段により特定された賭数または前記賭数自動設定手段により設定された賭数に対応する一の賭数コマンドを設定する賭数コマンド設定手段と、
該賭数コマンド設定手段が設定した賭数コマンドを前記報知制御手段へ送信する賭数コマンド送信手段と、
該賭数コマンド送信手段による前記賭数コマンドの送信時期を所定時間の範囲内でランダムに変化させる送信時期調整手段とを含み、
前記報知制御手段は、2以上の所定数である賭数に対応する賭数コマンドを受信した場合に、当該賭数コマンドが示す賭数に対応する回数だけ一定の時間間隔で前記報知手段を駆動させることを特徴とする、スロットマシン。 - 遊技媒体が投入されたときに、前記賭数が所定の最大賭数に達しているか否かを判定する賭数判定手段と、
該賭数判定手段により前記賭数が前記最大賭数に達していると判定されたときに、前記クレジット数記憶手段が記憶しているクレジット数が所定の最大クレジット数に達しているか否かを判定するクレジット数判定手段と、
該クレジット数判定手段により前記クレジット数が前記最大クレジット数に達していないと判定されたときに、前記クレジット数記憶手段が記憶しているクレジット数を加算更新するクレジット数加算更新手段とをさらに含み、
前記遊技制御手段は、前記遊技媒体の投入に応じた前記クレジット数加算更新手段によるクレジット数の加算更新毎に所定のコマンドを前記報知制御手段へ送信し、
前記報知制御手段は、前記所定のコマンドを受信したときに前記報知手段から効果音を発生させることを特徴とする、請求項1に記載のスロットマシン。
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