以下、本発明の遊技機であるスロットマシンを実施するための最良の形態を説明する。説明する際には本明細書と同時に提出する図面を適宜参照する。まず、本実施形態のスロットマシン100の構成の概要について図1から図3を参照して説明する。図1は本スロットマシン100の外部構造を表した正面図である。図2は本スロットマシン100の内部構造を表した正面図である。図3は本スロットマシン100に設けられている制御システムの構成を表したブロック図である。
〈構成〉
まず、図1を参照して本スロットマシン100の外部構造を概説する。本スロットマシン100はフロントドア101と、後述する筐体102とを備えて構成されている。フロントドア101は遊技者に対向するように配置されている。筐体102にはフロントドア101が開閉可能となるように取り付けられている。
フロントドア101は、機械的に強固な硬質プラスチックで成形された上部パネル部103と中部パネル部104及び下部パネル部105とを備えて構成されている。
上部パネル部103には、上部ランプと呼ばれるランプ103aと、スピーカが取り付けられた放音部103b・103cと、放音部103b・103cの間に位置する長方形の液晶画面103dが設けられている。
ランプ103aは、遊技中に特定条件を満たしたときに点灯し、所定の演出を行う。この演出には特定の役に当選したこと、特定の役が入賞され得る状態にあること、特定の役に当選する可能性が高い遊技状態に移行したこと、当該遊技状態にあること等を告知する役割がある。本形態ではこの演出のことを「告知演出」と呼ぶ。
液晶画面103dは、液晶構造を有する物質で構成され、遊技者に対して視認可能に設けられた画面である。この液晶画面103dに所定の電圧をかけると液晶構造が変化し、所望のカラー画像を表示することができる。そして液晶画面103dは、遊技中の演出を行うときに、当該演出に関する各種の画像表示を行う。
中部パネル部104には、硬質プラスチック板で形成された略長方形の透明な表示窓WDと、ランプ104a・104bが設けられ、筐体102内に設けられているリールR1・R2・R3を、遊技者が表示窓WDを介して見ることが可能となっている。尚、表示窓WDの前面にさらに保護用の硬質のプラスチックを設ける構成を採っても良い。そして、表示窓WDの周辺にはクレジット表示素子CDが設けられている。
ランプ104a・104bは、遊技中に特定条件を満たしたときに点灯し、告知演出等を行うものであり、ランプ103aと同等の機能を有する。
リールR1・R2・R3は、リング状の形状をし、その外周面には入賞役を構成する図柄、デザイン性を備えた図柄その他の複数種類の図柄を印刷したリールテープを貼付した部品である。リールR1・R2・R3は、並列に3つ設けられており、回胴回転装置200に搭載されている。また、中部パネル部104に設けられた表示窓WDから、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。そして、リールR1・R2・R3は、その内部に配置されたモータMT(図示略)によって回転することで、リール上の図柄は、所定の速度で表示窓WD内において上下方向に移動表示される。
クレジット表示素子CDは発光ダイオードで構成されており、不図示のメダル貯留装置CRの表示部として機能する素子である。メダル貯留装置CRは、後述するメダル投入口MDより投入されたメダルまたは所定の役の入賞により獲得したメダルを所定枚数(本形態では50枚とする。)まで貯留する装置である。メダル貯留装置CRが貯留するメダルの貯留数を「クレジット」と呼ぶ。クレジット表示素子CDはクレジットをセグメント形式で表示する。
更に中部パネル104の下端には、遊技者が操作するための操作部104cが設けられている。操作部104cには、メダル投入口MD、ベットスイッチB1・B2・B3、スタートレバーST、ストップスイッチSP1・SP2・SP3、選択ボタンCH、決定ボタンDEが設けられている。
メダル投入口MDは、遊技者がスロットマシンのゲームを行うのに必要枚数投入される遊技用のメダルを受け付ける部品である。
ベットスイッチB1・B2・B3はクレジットの範囲内で1ゲーム当たりに投入されたメダルの数を該ゲームにおける賭け数として設定するスイッチである。ベットスイッチB1は1枚のメダルを賭けるときに使用するスイッチである。ベットスイッチB2は2枚のメダルを賭けるときに使用するスイッチである。ベットスイッチB3は賭けることのできる最大枚数のメダルを賭けるときに使用するスイッチである。
スタートレバーSTは傾倒させることによりゲームの開始を指示し、リールR1・R2・R3の回転を開始させるレバーである。このスタートレバーSTは、遊技者の傾倒操作があるときは傾倒に関する基準位置より傾動し、前記傾倒操作がないときは前記基準位置に復帰するような機構を有している。ストップスイッチSP1・SP2・SP3はリールごとに独立して3つ並設され、押下することで回転中のリールR1・R2・R3を個別に停止させるスイッチである。
選択ボタンCHは、スロットマシン100で行われている遊技の状態のうち遊技者に表示し得るものを選択するための入力を受け付けるボタンである。遊技者に表示し得るものとしては例えば、後述する特別役に入賞した時刻、スランプグラフ、いわゆるリーチ目、スロットマシンの遊び方その他の遊技の状態に関する情報がある。選択ボタンCHを入力すると、遊技者が所望するそれらの情報を選択するための画面が液晶画面103dに表示される。決定ボタンDEは、選択ボタンCHにより選択されたものを決定するための入力を受け付けるボタンである。決定することにより液晶画面103dには遊技者が所望する情報が表示される。選択ボタンCH、決定ボタンDEを入力することにより、視覚障害者用の遊技の設定をすることができる。詳しくは後述する。
更に、メダル投入口MDの近傍に、フロントドア101を解錠するための鍵穴KYが設けられている。そして、遊技場側の事業者や管理者が、鍵穴KYに正規の鍵を挿入して開錠操作すると施錠機構(図示略)を解除し、フロントドア101を筐体102から開くことが可能となっている。
下部パネル105には、本スロットマシン100のゲーム内容を紹介等するためのイラスト(図示略)が描かれている。更に遊技者の獲得した枚数のメダルを排出するための排出口106及び排出口106から排出されるメダルを受ける受皿107と、後述するスピーカSW(図2参照)が取り付けられた放音部108が設けられている。スピーカSWより、遊技中に各種の演出等を行う所定の音が出力される。
次に、図2の本スロットマシン100の内部構造を表した正面図を参照して、フロントドア101の裏面構造と、筐体102の内部構造を概説する。なお、図2はフロントドア101を開錠して筐体102から開いた状態を表している。
同図において、フロントドア101の裏面上部に上述の放音部103b・103cを構成するスピーカSR・SLが設けられ、スピーカSR・SLの間に液晶画面103dが設けられている。スピーカSR・SLは、遊技中に各種の演出等を行うべく、所定の音を出力するものである。
液晶画面103dの裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板300が取り付けられている。すなわち、サブ制御基板300は、導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、液晶画面103dの裏面側に重なるようにして取り付けられている。
サブ制御基板300のすぐ下方には蛍光灯FLが取り付けられている。さらにその下方には表示窓WDと中部パネル部104のパネル面とが形成された略長方形の枠体104dが取り付けられている。
蛍光灯FLはリールR1・R2・R3の表側を照射することにより遊技者に対しリールに描かれている図柄を見やすくする機能を持つ。
枠体104dの下方には、セレクト機構G0、ガイド部材G1・G2・G3、排出口106、スピーカSWが取り付けられている。セレクト機構G0はメダル投入口MDより投入される投入物が正規のメダルか異物かを判別して振り分ける機能を有する。ガイド部材G1はセレクト機構G0で振り分けられたメダルを筐体102側に設けられているホッパ装置HPへ案内する部材である。ガイド部材G2はセレクト機構G0で振り分けられた異物を排出口106へ案内する部材である。ガイド部材G3はホッパ装置HPから排出されるメダルを排出口106へ案内する部材である。
スピーカSWは放音部108を構成し、排出口106の近傍に取り付けられている。そしてスピーカSR・SLと同等の機能を有し、遊技中に各種の演出等を行うべく、所定の音を出力する。
上述の枠体104dとセレクト機構G0との間には、長尺状の電気回路基板で形成された中央表示基板400が取り付けられている。中央表示基板400の一端には設定ボタンCSと、発光ダイオードで形成されたセグメント表示を行う設定表示素子CTが設けられている。
すなわち、中央表示基板400もサブ制御基板300と同様に電気回路基板として形成されている。そして、中央表示基板400には操作部104cに設けられたストップスイッチSP1・SP2・SP3等の各種部品の他に、更に設定表示素子CTと設定ボタンCSが搭載されて配線接続されている。
設定ボタンCSは事業者や管理者が出玉率を設定変更するために設けられたボタンである。設定ボタンCSが操作される度に予め6段階に決められている出玉率が順繰りに変化される。設定表示素子CTは、1から6までの何れかの数字をセグメント表示する素子である。設定ボタンCSによって設定変更された出玉率を段階表示することにより、事業者や管理者に設定変更された出玉率の情報を知らせる。
次に、筐体102内において、サブ制御基板300と同様に電気回路基板として形成された主制御基板700が上部に配置されている。主制御基板700については後述する。また、表示窓WDに対向するリールR1・R2・R3及び回胴回転装置200が中部に配置されている。回胴回転装置200はリールR1・R2・R3を回転駆動するモータMTと回胴センサ(図示略)と回胴装置基板600により構成される。
回胴装置基板600もサブ制御基板300と同様に電気回路基板として形成されている。回胴センサは各リールに備えられている回胴用のイニシャライズ(図示略)を検出する。回胴用のイニシャライズはリールが1回転するときの初期位置を示す部品である。従って、回胴センサと回胴用のイニシャライズの位置関係は、リールの回転度合いを表している。
さらに、各々のリールR1・R2・R3の内周面側(リング状体の中側)には、それぞれ固定配置されたバックランプBL1・BL2・BL3がある。バックランプBL1・BL2・BL3は、ランプ(又はLED(Light Emitting Diode)等)を点灯することにより、リールR1・R2・R3の図柄を裏側から照光するものである。このバックランプBL1・BL2・BL3による図柄の照光は図柄を見やすくするための他、告知演出等のために行うものである。遊技中に特定条件を満たしたときに所定のパターンで図柄を照光することにより為し得る。
そして、筐体102内の下部において、ホッパ装置HP、補助貯留部SHP、主電源装置PWUが配置されている。ホッパ装置HPは大量のメダルを貯蔵する構造を有しており、入賞を果たした場合、クレジット分のメダルを排出するボタンを押した場合などに所定枚数のメダルを排出する。補助貯留部SHPはホッパ装置の近傍に配置し、ホッパ装置HPから溢れたメダルを収容する機能を有する。
主電源装置PWUは制御システム全体に電源を供給する装置である。その側面(図2では正面)には、システム電源スイッチBQと、設定スイッチBOが取り付けられており、それらが搭載された電源装置基板500が内蔵されている(図3参照)。電源装置基板500もサブ制御基板300と同様に電気回路基板として形成されている。
システム電源スイッチBQは、本制御システムを起動・停止するために設けられた電源供給用のスイッチである。システム電源スイッチBQをオンすると、リールR1・R2・R3を駆動するモータMT及びリールR1・R2・R3を照射する蛍光灯FL、バックランプBL1・BL2・BL3等に電源が供給される。また、設定スイッチBOは、事業者や管理者が手操作によって出玉率を設定変更するために設けられているスイッチである。
次に、図3のブロック図を参照して制御システムの構成を説明する。
上述の主制御基板700は、本スロットマシン100の動作を統括管理するために設けられ、主制御基板700を中心としてサブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500、回胴装置基板600が接続されている。
ここで、主制御基板700には、半導体メモリROM(Read Only Memory)と、マイクロプロセッサMPU(Micro Processing Unit)が搭載されている。当該マイクロプロセッサMPUが、半導体メモリROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンのゲーム用のプログラムを実行し、各基板300、400、500、600を制御する。これにより、本スロットマシン100の動作状況とゲームの進行を統括管理している。
すなわち、遊技者がスタートレバーSTとストップスイッチSP1・SP2・SP3等を操作してゲームを行う。そして、スロットマシンのゲーム用のプログラムで予め決められている複数種類の役の何れかを取得することになる。すると、マイクロプロセッサMPUは、その遊技者の取得した役に対応した制御モードでゲームの進行を制御する。別言すれば、マイクロプロセッサMPUは、遊技者のゲーム操作に応じてスロットマシンのゲーム用のプログラムを実行することによって、遊技の種類を設定し、且つ、進行すべき遊技の状態を制御する。
サブ制御基板300には、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載され、スピーカSR・SL・SWとランプ103a・104a・104bと液晶画面103dと蛍光灯FLとバックランプBL1・BL2・BL3が電気的に接続されている。そしてサブ制御基板300に設けられている電気回路が、主制御基板700からの指示に従ってこれら周辺部品を稼働させることにより、遊技者の視覚や聴覚などに訴える演出等を行うようになっている。
回胴装置基板600は回胴回転装置200に搭載されている。主制御基板700からの指令に従ってモータMTへの駆動電力と駆動タイミングを制御に係る信号を中継することにより、リールR1・R2・R3の回転と制動及び停止の制御がなされる。
中央表示基板400には、上述のメダル貯留装置CR、設定表示素子CTと設定ボタンCSが接続され、更にセレクト機構G0と、ベットスイッチB1・B2・B3、スタートレバーST、ストップスイッチSP1・SP2・SP3、選択ボタンCH、決定ボタンDEが接続されている。メダル貯留装置CRにはクレジット表示素子CDが電気的に接続されている。
そして、中央表示基板400は、ベットスイッチB1・B2・B3、スタートレバーST、ストップスイッチSP1・SP2・SP3が夫々操作されたとき、その操作がなされたことを示す操作信号(符号略)を主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUに転送し、ゲームの進行を制御させる。
また、セレクト機構G0には、メダル投入口MDから投入された投入物を遊技用のメダルか異物かを検知する光学センサ又は機械センサもしくは磁気センサが設けられている。中央表示基板400はこれらのセンサから出力される投入物検出信号(符号略)を主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUへ転送する。遊技用のメダルの投入されたことを示す投入物検出信号を入力すると、マイクロプロセッサMPUがメダルの投入枚数を集計する。一方、異物の投入されたことを示す投入物検出信号を入力するとマイクロプロセッサMPUは異常が発生したと判断し、サブ制御基板300に指令する。サブ制御基板300による制御の下、スピーカSR・SL・SWによる警報音の発生、ランプ103a・104a・104bにて警報表示、または液晶画面103dによる警報画面の表示が行われる。
電源装置基板500には、システム電源スイッチBQと設定スイッチBO等が電気的に接続されている。更に、電源装置基板500には、電源装置PWUで発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他の各装置に配電するための配電回路が形成されている。かかる配電回路からスロットマシン100の動作に必要なシステム電源が各装置に供給されている。
ホッパ装置HPには、払い出し用のメダルがホッパ装置HP内に貯蔵されているか否かを検知するセンサが設けられている。ホッパ装置HPがメダルを排出する際には、該センサから出力されるメダル検出信号(図示略)を電源装置基板500が主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUへ転送する。マイクロプロセッサMPUにおいて、ホッパ装置HPにおけるメダルの貯蔵状況が管理される。
次に、図4のブロック図を用いてスロットマシン100内部で制御される動作の概略を説明する。図4は、スロットマシン100に対し遊技者の遊技操作等に関する入力を行う入力側と、所定のプログラム処理がなされて処理結果を出力する制御手段50と、その処理結果に応じた動作が実行される出力側を図示したブロック図である。前記プログラム処理は、コンピュータが制御手段50を機能させることにより実行される。
〈動作〉
スロットマシン100の制御手段50は、スロットマシン100の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン100全体を統括制御する手段である。制御手段50は、演算等を行うMPUと、遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと、MPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM(Random Access Memory)等とを備える。
制御手段50の出力側(図中、右側)には、リールR1・R2・R3、モータMT、ランプ103a・104a・104b、バックランプBL1・BL2・BL3、スピーカSR・SL・SW、液晶画面103dといった周辺機器が設けられ、電気的に接続されている。
さらに、制御手段50の入力側(図中、左側)には、セレクト機構G0、ベットスイッチB1・B2・B3、スタートレバーST、ストップスイッチSP1・SP2・SP3、選択ボタンCH、決定ボタンDEといった周辺機器が設けられ、電気的に接続されている。
通常、遊技者は、メダル投入口MDから遊技媒体であるメダルを投入するか、又はベットスイッチB1・B2・B3を操作することにより有効ラインを有効化した後、スタートレバーSTを傾倒する。そのとき、スタートレバーSTの傾倒に係る検知信号が発生し、この検知信号を基にしてモータMTが駆動する。これにより、各リールR1・R2・R3が始動する。そして、遊技者はストップスイッチSP1・SP2・SP3を押す。すると、リールR1・R2・R3の回転が停止し、有効ライン上のリールR1・R2・R3の図柄が決定される。有効ライン上に停止したリールR1・R2・R3の図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは入賞となり、所定枚数のメダルが払い出される。なお、なお、本明細書では、遊技者によるメダル投入からリールR1・R2・R3の回転が停止するまでを「1遊技(1ゲーム)」として、以下に説明を行う。
また、各遊技中には種々の演出が行われる。例えば、ランプ103a・104a・104b又はバックランプBL1・BL2・BL3の点灯、スピーカSR・SL・SWからのサウンドの出力、液晶画面103dによる画像表示等である。これらの演出の中には告知演出も含まれている。
制御手段50は、遊技用制御手段60と演出用制御手段70とを備える。いずれもMPU、ROM、RAMなどの記憶素子を有して構成されている。
遊技用制御手段60は、遊技の進行に関する制御を行う機能を有し、本実施形態では図3の主制御基板700に設けられており、図4に示す各手段(61〜65)を備える。但し、遊技用制御手段60は、図4に示す各手段(61〜65)に限定されるものではない。
(役抽選手段)役抽選手段61は、スタートレバーSTが傾倒されたときに役の抽選を行う機能を有する。役抽選手段61が抽選する役には、複数種類の小役と、再遊技役、特別役、移行役がある。これらの役は入賞することにより、各役に相応の利益が与えられるように機能する。
小役は所定枚数のメダルを払い出す役である。小役の種類に応じて払い出されるメダルの枚数が異なる。再遊技役は当該再遊技役が入賞したときの遊技と同様の遊技を次の遊技でも行う(リプレイ)ことができる役である。
特別役は、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技を行うことができる役である。「特別遊技」とは、普通役物(シングルボーナス(SB)ともいう)、第一種特別役物(レギュラーボーナス(RB)ともいう)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(第一種ビッグボーナス(第一種BB)ともいう)、第二種特別役物(チャレンジボーナス(CB)ともいう)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(第二種ビッグボーナス(第二種BB)ともいう)、等の作動中に行われる遊技である。なお、本明細書では、役物連続作動装置をビッグボーナス(BB)と表記して、以下に説明する。
移行役は、役物連続作動装置の作動中において、2つの状態を移行させるための役である。例えば、第一種BBの作動中において、RBの内部当選が高確率になる状態と、RB状態と、を備える場合、これら2つの状態を移行させる。このように、2つの状態を移行する場合、役物が連続的に作動するので、遊技者は大量のメダルを獲得することができる。
役抽選手段61は特別遊技において設けられる役の抽選を行う機能も有する。そのとき、特別遊技においてそれぞれの役が入賞したときに払い出されるメダルの枚数は、通常遊技におけるそれよりも多くなるように設定されている。なお、「通常遊技」とは、特別遊技以外の時の通常時に行われる遊技である。
この役抽選手段61は、ハード乱数等といった役抽選用の乱数を発生させる乱数発生手段と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を所定の時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、メダルの投入枚数に対応する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。抽選テーブルは、各々の役の当選領域を定めたテーブルであり、予め遊技用制御手段60に設けられている。例えば、抽出した乱数値が抽選テーブルのビッグボーナスの当選領域に属する場合は、ビッグボーナスの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
(特定役当選判別手段)特定役当選判別手段62は、役抽選手段61の抽選の結果、特定役(小役、特別役、移行役その他の役抽選手段61が抽選する役をいう。以下同じ。)が当選したか否かを判別する機能を有する。ここで、このような特定役の当選を判別するのは、特定役の当選時、または特定役の当選後に行われる所定ゲーム数の間に、その当選した特定役を遊技者が入賞させやすくするための画像表示、点灯等を行うためである。従って、何らかの役が当選したときは、演出用制御手段70を通じて液晶画面103d、バックランプBL1・BL2・BL3等に所定の演出を行わせる。
(リール停止制御手段)リール停止制御手段63は、スタートレバーSTの傾倒操作により回転しているリールR1・R2・R3に対し、各遊技(通常遊技、特別遊技など)の遊技状態と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチSP1・SP2・SP3が押下されたときの順番等とから、リールR1・R2・R3の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリールR1・R2・R3を停止制御する機能を有する。遊技用制御手段60には停止位置決定用テーブルが設けられている。停止位置決定用テーブルは、役抽選手段61の抽選結果、及び遊技状態等に対応して設けられており、ストップスイッチSP1・SP2・SP3の操作順番に基づいたリールR1・R2・R3の停止位置を定めたテーブルである。
リール停止制御手段63は、停止位置決定用テーブルを選択し、ストップスイッチSP1・SP2・SP3が押下されたときに、その順番に基づいて停止位置決定用テーブルを参照してリールR1・R2・R3の停止位置を決定する。なお、停止位置決定用テーブルを使用せずにリールR1・R2・R3の停止位置を決定しても良い。例えば、ストップスイッチSP1・SP2・SP3が押下されたときに、停止可能位置を判断し、その停止可能位置の中で、適切な停止位置を決定することも可能である。
そして、リール停止制御手段63は、モータMTを駆動制御して、リールR1・R2・R3が所定位置に停止するように制御する。特に、役抽選手段61で何らかの役が当選したときは、その当選役に対応するリールR1・R2・R3の図柄の組合せができる限り有効ライン上に停止するようにリールの停止制御がなされる。また、役抽選手段61の抽選で非当選のときは、何らかの役の図柄の組合せが有効ライン上に停止しないようにリールの停止制御がなされる。
(役入賞判別手段)役入賞判別手段64は、リール停止制御手段63の停止制御に基づき全てのリールR1・R2・R3が停止したときに、役を構成する図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否か、すなわち役が入賞したか否かを判別するものである。具体的には、有効ライン上の図柄の組合せのうち役を構成するものが有効ラインに停止したか否かを判別する。入賞が果たされると、入賞役に応じて所定枚数のメダルが払い出される。また、演出用制御手段70を通じて液晶画面103d、バックランプBL1・BL2・BL3等により所定の演出が行われる。
(払出数算出手段)払出数算出手段65は、入賞役に応じて払い出すメダルの枚数(以下、払出数という)を算出する機能を有し、特に、ビッグボーナス中において、1ゲーム毎の払出数を複数のゲームにわたって合計し、1ゲーム毎に合計払出数を算出する。また、払出数算出手段65は、算出した合計払出数が閾値としての所定枚数(演出開始数)に達したことを演出開始条件として検出し、その旨を演出用制御手段70に通知する。この通知を受けた演出用制御手段70は、例えば、通知を受けた時点から所定の演出を開始する。本スロットマシンにおいて、ビッグボーナスは、予め定められた所定数の遊技媒体の払い出しによって終了するように設定されており、メダルの合計払出数がビッグボーナス中に払い出す予定のメダルの総数(総払出数)を超えるとビッグボーナスが終了する。よって、上記所定枚数(演出開始数)は、この総払出数以下の数であり、上記所定の演出が行われるゲームで払い出される数に基づいて予め設定されるものとする。また、演出開始数は任意に変更可能とする。
また、払出数算出手段65は、総払出数と、1ゲーム毎の払出数又は1ゲーム毎に算出した合計払出数とに基づいて、あと何枚払い出すか(残り払出数)を1ゲーム毎に算出し、算出した残り払出数が演出開始数になったことを検出し、その旨を演出用制御手段70に通知するようにしても良い。
演出用制御手段70は、スロットマシン100の制御のうち、役抽選の結果や遊技の進行に基づいて演出に関する制御を行う機能を有し、本実施形態では図3においてサブ制御基板300に備えられており、図4に示す各手段(71〜74、66)を備える。但し、演出用制御手段70は、図4に示す各手段(71〜74、66)に限定されるものではない。
(演出データ記憶手段)演出データ記憶手段71は、液晶画面103d、バックランプBL1・BL2・BL3等に演出を実行させる通常の演出データ(連続演出のデータも含む)、または告知演出に係る演出データ等を記憶したものである。なお、記憶される演出データはこれらに限定されるものではない。
(画像表示制御手段)画像表示制御手段72は、役抽選手段61による役抽選、特定役当選判別手段62による特定役の当選の判別又は役入賞判別手段64の入賞の判別の結果、演出データ記憶手段71に記憶された演出データを読み出し、読み出した演出データに基づいて、遊技中における遊技進行の態様を、液晶画面103dによって画像表示するように制御する機能を有する。その制御のなかには演出としての画像表示も含まれる。
ここで、演出を行うか否かの判断において、画像表示制御手段72は、例えばリールR1・R2・R3の停止時に特定の図柄の組合せが出現したときは、予め定められた演出を一律に画像表示するように制御しても良い。また、役抽選手段61による抽選によって画像表示に用いるべき演出データを選択したりしても良い。
(点灯制御手段)点灯制御手段73は、ランプ103a・104a・104b又はバックランプBL1・BL2・BL3などによる点灯を制御する。役抽選手段61による役抽選、特定役当選判別手段62による特定役の当選の判別又は役入賞判別手段64の入賞の判別の結果、演出データ記憶手段71に記憶された演出データ等に基づいて、遊技中における遊技進行の態様を呈示するように制御する機能を有する。その制御のなかには告知演出としての点灯も含まれる。
(音出力制御手段)音出力制御手段74は、スピーカSR・SL・SWによる音の出力を制御する。役抽選手段61による役抽選、特定役当選判別手段62による特定役の当選の判別又は役入賞判別手段64の入賞の判別の結果、演出データ記憶手段71に記憶された演出データ等に基づいて、遊技中における遊技進行の態様を呈示するように制御する機能を有する。その制御のなかには告知演出としての音出力も含まれる。
(演出抽選手段)演出抽選手段66は、複数のゲームにわたって行われる連続演出を実行するか否かについて決定するための抽選(以下、演出抽選という)を行い、抽選結果として当選か落選かの判別を行う機能を有する。この演出抽選手段66は、遊技者が行うゲームと連動して演出抽選を行う。すなわち、演出抽選手段66は、役抽選手段61の役抽選動作と連動して1ゲーム毎に演出抽選を行う(抽選のタイミングは同期するが、処理は別々に行われる)。演出抽選の方法は、役抽選手段61と同様に乱数を用いる方法で行い、当選の確率を変動させることも可能である。
演出抽選手段66により演出抽選が開始されると(例えば、スタートレバーが操作された際)、演出データ記憶手段71に格納されている所定の演出データに基づいて、演出用制御手段70の各手段(画像表示制御手段72、点灯制御手段73、及び音出力制御手段74)の制御により、画像表示や音声出力などを行い、遊技者に対して演出抽選が抽選中であることを報知する第1の報知演出が行われる。この第1の報知演出は、例えば、各リールの回転中などに行われる。
そして、演出抽選手段66により演出抽選の結果が当選と判別された場合、演出データ記憶手段71に格納されている所定の演出データに基づいて、演出用制御手段70の各手段(画像表示制御手段72、点灯制御手段73、及び音出力制御手段74)の制御により、画像表示や音声出力などを行い、遊技者に対して演出抽選の抽選結果が当選であることを報知する第2の報知演出が行われる。この第2の報知演出は、例えば、各リールが全て停止した後などに行われる。また、演出抽選手段66により演出抽選の結果が当選と判別され、かつ、払出数算出手段65から払出数が演出開始数に達した旨の通知を受けた場合、演出データ記憶手段71に格納されている所定の演出データに基づいて、画像表示制御手段72、点灯制御手段73、及び音出力制御手段74の制御により、所定の連続演出が開始される。
一方、演出抽選手段66により演出抽選の結果が落選と判別された場合、演出用制御手段70の各手段の制御により、当選時と同様の制御が行われ、遊技者に対して演出抽選の抽選結果が落選であることを報知する第2の報知演出が行われる。第2の報知演出が行われた後は、BET状態となって次のゲームに移るので、演出抽選手段66は、再びゲームと連動して演出抽選を行う。
なお、この演出抽選手段66は、連続演出を演出抽選の対象としたが、連続演出に限らず、その他の演出についての演出抽選を行うようにしても良い。また、本スロットマシンにおいて、この演出抽選手段66を備えるか否かについては任意とする。よって、演出抽選手段66を備えない場合、演出抽選は行われないので、演出用制御手段70の各手段は、払出数算出手段66からの通知のみを条件として、所定の演出を開始する。
以上のように構成されたスロットマシン100の実施例について、図5及び図6を参照して以下に説明する。本実施例では、特別遊技であるビッグボーナス時における動作について説明する。なお、本実施例のスロットマシン100は、ビッグボーナスが465枚を超えたメダルの払い出しによって終了するように設定されている。また、本実施例のスロットマシン100は、ビッグボーナス中の1ゲームにおいて、所定の図柄の組合せ(例えば「7/ベル/ベル」等)の表示時に払い出されるメダル数は15枚とする。
ビッグボーナスにおける演出の流れを図5に示す。
本実施例では、ビッグボーナス中において、第1の演出(演出A,B)と、第2の演出(演出C,D,E)とが行われる。ビッグボーナス開始時のa時点から第1の演出の演出Aが行われ、演出Aが行われている間に第2の演出の演出抽選に当選した場合、第1の演出の演出Bを経て10ゲーム間で行われる第2の演出に移行する
図5において、aはビッグボーナス開始時、bは演出抽選当選時、cはメダルの残り払出数が134枚以下の時(第2の演出開始時)、dはメダルの残り払出数が14枚以下の時、eはビッグボーナス終了時を示す。また、演出Aは上述した第1の報知演出及び第2の報知演出であり、演出Bは第2の演出を開始する前の準備演出であり、演出Cは演出Dを開始することを遊技者に報知するための第3の報知演出であり、演出Dは8ゲームにわたって行われる連続演出であり、演出Eは演出Dにおける結果等を報知する第4の報知演出である。各演出A〜Dを実行するための各演出データは演出データ記憶手段71に格納されており、演出用制御手段70は、それらの演出データに基づいて、画像表示制御手段72、点灯制御手段73、及び音出力制御手段74を制御し、演出A〜Dを実行する。
ビッグボーナス時の動作例を図6に示す。
ビッグボーナスに入賞し、ビッグボーナスが作動開始すると(ステップS1)、複数回のボーナスゲームが連続して開始される状態となる。そして、一のボーナスゲームが開始されると、第1の演出の演出Aが開始される(ステップS2)。なお、第1の演出は、図5のa−b間では演出Aが行われ、図5のb−c間では演出Bが行われる。
また、ステップS2において一のボーナスゲームが開始されると、演出抽選手段66により、第2の演出を実行するか否かを決定するための演出抽選処理(抽選結果の当選・落選の判別処理も含む)が行われる。よって、本実施例のスロットマシン100では、一のボーナスゲームにおいて、遊技者によってスタートレバーSTが操作された時に、役抽選手段61による役抽選と、演出抽選手段66による演出抽選とが両方同時に行われる。
演出Aは、上記演出抽選に関する演出であり、演出抽選が抽選中であることを報知する第1の報知演出と、演出抽選の結果を報知する第2の報知演出とで構成される。本実施例では、「主人公キャラクタがジャンプ台を使ってジャンプする」という演出映像を第1の報知演出として、「ジャンプした主人公キャラクタが着地に成功するか、又は、失敗するか」という演出映像を第2の報知演出として、音声出力を伴って液晶画面103d等に表示する。
演出Aの演出映像のパターンについて表1を参照して説明する。
表1のパターン1の場合、遊技者がメダルをBETしてスタートレバーSTを操作すると、ボーナスゲームの開始と同時に演出Aが開始される。すなわち、各リールが回転を開始すると、液晶画面等において「ジャンプ台が出現する」演出映像が表示される。そして、遊技者がストップスイッチSP1を押下すると、「主人公キャラクタが出現し、気合いを入れる」演出映像が表示される。遊技者がストップスイッチSP2を押下すると、「主人公キャラクタがジャンプ台をジャンプする」演出映像が表示される。遊技者がストップスイッチSP3を押下すると、「ジャンプした主人公キャラクタが着地に失敗する」演出映像が表示される。
表1のパターン2の場合、スタートレバーSTの操作〜SP2の操作まではパターン1と同様の演出映像であるが、遊技者がストップスイッチSP3を押下すると、「ジャンプした主人公キャラクタが着地に成功する」演出映像が表示される。
なお、本実施例では、第1の報知演出として、「ジャンプ台出現〜ジャンプする」という一連の演出映像をもって演出抽選中であることを示すものとしているが、「ジャンプ台出現〜ジャンプする」という一連の演出映像において「抽選中」などの文字表示を行い、より明確に演出抽選中であることを遊技者に報知するようにしても良い。また、第2の報知演出についても、「着地失敗」や「着地成功」の演出映像の表示をもって当落の報知とするだけでなく、「落選」や「当選」などの文字表示を行い、より明確に当選か落選かを遊技者に報知するようにしても良い。
図6において、演出抽選手段66による抽選結果が落選の場合(ステップS3/NO)、「着地失敗」の演出映像が表示された後、払出数算出手段65により、ビッグボーナス開始時(図5のa時点)から実際に払い出したメダルの枚数と、ビッグボーナスで払い出す予定のメダルの総数(以下、総払出数という。本実施例では465枚)とに基づいて、メダルをあと何枚払い出すか(残り払出数)を算出する。そして、払出数算出手段65により、算出された残り払出数が所定の枚数(演出開始数)に達したかどうかが検出される(ステップS14)。本実施例では、演出C,Dを開始するための第1の演出開始数として、「134枚以下(ビッグボーナス終了の10ゲーム前に相当)」が予め設定されているものとする。
ステップS14において、残り払出数が134枚以下に達していない場合(ステップS14/NO)は、BET状態となり、遊技者の操作により再び次のボーナスゲームと演出Aとが開始される。残り払出数が134枚以下に達した場合(ステップS14/YES)は、演出抽選に落選した旨が表示され(ステップS15)、所定の演出とともにボーナスゲームが続行され、第2の演出に移行しないまま、ビッグボーナスの終了条件である合計払出数465枚に達した時点でビッグボーナス終了の表示が行われ(ステップS13)、通常遊技に戻る。
図6において、演出抽選手段66による抽選結果が当選の場合は(ステップS3/YES)、「着地成功」の演出映像の表示後(図5のb時点)、BET時状態となり、次のボーナスゲームから演出Bが行われる(図5のb−c間)。図5のb−c間において演出抽選手段66による演出抽選は行われない。
図5のb時点において、一のボーナスゲームが開始されると、第2の演出を開始する前の準備演出として、第1の演出の演出Bが開始される(ステップS4)。この演出Bは、演出抽選の当選時から残り払出数が所定枚数に達するまでのゲーム間に行われる演出である。本実施例では、演出Bの内容として、「主人公キャラクタが戦闘準備をしている」演出映像等が表示される。
演出抽選に当選した後のボーナスゲームが行われている間(図5のb−c間)において、ステップS11と同様に、払出数算出手段65により残り払出数が算出され、算出された残り払出数が予め設定された演出開始数134枚以下に達したかが検出される(ステップS5)。
払出数算出手段65により、残り払出数が134枚以下に達したことが検出されない場合(ステップS5/NO)は、ステップS4に戻り、演出Bを伴うボーナスゲームが繰り返される。そして、払出数算出手段65により、残り払出数が134枚以下に達したことが検出された場合(ステップS5/YES)、第2の演出に移行し、図5のc時点のボーナスゲームから第2の演出の演出Cが開始される。(ステップS6)。なお、第2の演出は、「主人公キャラクタが敵キャラクタと戦闘する」演出映像を表示する演出であり、演出C,D,Eの順で行わる。
演出Cは、図5のc時点からの最初の1ゲーム分において、遊技者に対して第2の演出が始まることを報知するための第3の報知演出である。演出Cの内容として「敵にダメージを与えろ!」等のメッセージが画面に表示され、主人公キャラクタと敵キャラクタとの戦闘が始まることを遊技者に報知する。
演出Cが行われた後、8ゲームにわたる連続演出である演出Dが行われる(ステップS7)。演出Dの内容としては、まず「主人公キャラクタが複数の敵キャラクタに囲まれている」演出映像が表示され、演出Aと同様に、遊技者によるストップスイッチの操作毎に画面が切り替わり、「主人公キャラクタが敵キャラクタを攻撃して倒す」映像か、又は「主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃を防御される」映像のいずれかがが表示される。前者の映像が数多く表示される程、演出Eの結果(戦闘成績)表示が良くなる。
そして、演出Dの開始後、ゲームが何ゲームを行われたか(消化ゲーム数)をカウントする(ステップS8)。この消化ゲーム数のカウントは、例えば、図4の演出用制御手段70に設けられた、図示しないゲーム数カウント手段によって行われる。このゲーム数カウント手段は、例えば、遊技用制御手段60のリール停止制御手段63によるリール停止制御の信号に基づいて消化ゲーム数をカウントする。
上記ゲーム数カウント手段が、演出Dのゲーム数である8ゲームを消化していないと判定した場合(ステップS8/NO)、ゲームを続行する。ゲーム数カウント手段が、演出Dのゲーム数である8ゲームを消化したと判定した場合(ステップS8/YES)、払出数算出手段65により、算出した残り払出数が予め設定された第2の演出開始数に達したかを検出する(ステップS9)。なお、払出数算出手段65は、図5のc時点以降のボーナスゲームが行われている間も、残り払出数を算出しているものとする。また、本実施例では、演出Eを開始するための第2の演出開始数として、「14枚以下(ビッグボーナス終了の1ゲーム前に相当)」が予め設定されているものとする。
図5のc時点以降において、払出数算出手段65により、残り払出数が14枚以下に達したことが検出された場合(ステップS9/YES)、連続演出である演出Dを終了し(図5のd時点)、最後の1ゲーム分において、演出Dにおける結果を遊技者に報知するための第4の報知演出である演出Eを開始する(ステップS10)。演出Eは1ゲーム分の演出であり、その内容としては、演出Dにおいてどのくらい敵キャラクタを倒すことができたかなどの戦闘成績などが表示される。
払出数算出手段65により、残り払出数が14枚以下に達したことが検出されない場合(ステップS9/NO)は、予備演出D'が行われるゲームを開始する(ステップS16)。これは、ビッグボーナス中のゲームでは、当選が高確率になる役と、それ以外の役とがあり、それ以外の役に当選・入賞した場合である。例えば、ビッグボーナス中において、当選が高確率になる役の当選図柄の組合せが「7/ベル/ベル」である場合、この役に当選・入賞した時には1ゲームにつき15枚払い出されるが、「7/ベル/ベル」以外の役として、例えば「チェリー」等の小役に当選・入賞する場合もあり、その場合は15枚ではなく、15枚よりも少ない数のメダル(例えば1ゲームにつき5枚)が払い出される。このような小役の払い出しが例えば本実施例の演出Dの8ゲーム間に3回あった場合、本来演出Dの間で払い出される枚数が15枚×8ゲーム=120枚となるはずが、15枚×5ゲーム+5枚×3ゲーム=90枚となり、差分の30枚を未払い出しのまま演出Dが終了してしまい、演出が行われない状態で差分の30枚を払い出すためのゲームを実行することになってしまう。
このような問題を解決するために、本実施例のスロットマシン100は、上記の場合において、差分の30枚を払い出すためのゲームで予備演出D'を行うようにし、演出が行われずにゲームが行われる状態が生じないようにする。すなわち、予め定められた8ゲームの間で行われる演出Dが行われ、演出D中に小役の当選・入賞により差分が生じた場合には、演出用制御手段70の各手段は、演出Dの終了後に、演出データ記憶手段71に予め格納された予備演出データに基づいて、所定のゲーム数分の予備演出D'を行う。そして、予備演出D'が行われる所定数のゲームにおいて差分のメダルが払い出され、払出数算出手段65により、残り払出数が14枚以下に達したことが検出された場合(ステップS9/YES)、ステップS10へ進む。予備演出D'の内容は、演出Dと同じ内容でも良いし、演出Dとは別の内容でも良い。予備演出データは、不足が予測されるゲーム数分を予め格納しておくのが好ましい。
ステップS10において演出Eの開始後、演出Dの場合と同様に、ゲーム数カウント手段は、演出Eが行われる1ゲームが消化されたかをカウントする(ステップS11)。ゲーム数カウント手段が、演出Eが行われる1ゲームを消化していないと判定した場合(ステップS11/NO)、ゲームを続行する。ゲーム数カウント手段が、演出Eが行われる1ゲームを消化したと判定した場合(ステップS11/YES)、払出数算出手段65により、算出した総払出数が予め設定された465枚を超えたか否かを検出する(ステップS12)。
ステップS11で消化した1ゲームにおいて15枚の払い出し役以外の小役に当選・入賞して、払出数算出手段65により、メダルの総払出数が465枚より大きいことが検出されない場合(ステップS12/NO)、予備演出E'が行われるゲームを開始する(ステップS17)。演出用制御手段70の各手段は、演出データ記憶手段71に予め格納された予備演出データに基づいて、所定のゲーム数分の予備演出E'を行う。そして、予備演出E'が行われる所定数のゲームにおいて差分のメダルが払い出され、払出数算出手段65により、総払出数が465枚より大きいことが検出された場合(ステップS12/YES)、ステップS13へ進む。予備演出E'の内容は、演出Eと同じ内容でも良いし、演出Eとは別の内容でも良い。
払出数算出手段65により、メダルの総払出数が465枚より大きいことが検出された場合(ステップS12/YES)、演出E又は演出E’の終了後(図5のe時点)、ビッグボーナスが終了する旨を遊技者に報知する表示が行われ(ステップS13)、通常遊技のBET状態となる。
以上説明したように、本実施例によれば、ビッグボーナス時において、例えば第2の演出として9ゲーム分の演出(演出C,D)と1ゲーム分の演出(演出E)とを実行する場合、演出C,Dで払い出す予定のメダル数(134枚)と演出Eで払い出す予定のメダル数(14枚)とを、演出開始数としてそれぞれ予め設定しておき、ビッグボーナス開始時からのメダルの払出数がそれぞれの演出開始数に達した場合に各演出を開始することによって、ビッグボーナス終了時に演出が途中で終了してしまうことなく、最後までスムーズに演出を行うことができる。
なお、本実施例では、スロットマシン100が演出抽選手段66を備える場合について説明したが、演出抽選手段を備えない場合は、演出抽選について反映しない所定の演出を伴う複数のボーナスゲームを行い、払出数算出手段65が予め設定された演出開始数(134枚)に達したことを検出した場合に、第2の演出を開始するようにする。
また、本実施例では、遊技者によってスタートレバーSTが操作された時、ボーナスゲームの役抽選と、第2の演出(演出C,D,E)を実施するか否かの演出抽選とが両方同時に行われるようにしたが、それぞれの抽選を連動せずに行うようにしても良い。また、本実施例では、ボーナスゲーム毎に演出抽選を行うようにしたが、ボーナスゲームと連動せずに演出抽選を独立して行うようにしても良い。
また、本実施例では、第2の演出を演出C,D,Eに分け、演出C,Dと演出Eの開始条件として2つの演出開始数(134枚及び14枚)を設定するようにしたが、例えば、第2の演出として8ゲーム分の演出Dのみを行うようにし、一の演出開始数(119枚以下)を設定するようにしても良い。よって、演出開始数をいくつ設定するかについては、演出の構成に応じて任意に設定可能である。
また、本実施例では、演出Dは遊技者の操作と連動して行われるようにしたが、遊技者の操作と連動せずに演出を行うようにしても良い。また、演出Dは、例えば、ボーナスゲーム毎に何らかの抽選を行う演出でも良い。
上述した形態は本発明を実施するための最良の形態ではあるがこれに限定する主旨ではない。従って、本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形することが可能である。