以下に、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態の遊技機1の構成を示す正面図である。
遊技機1は、左側に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル3を備えている。前面パネル3の背面側には、変動表示装置(可変表示装置)を構成する変動表示手段としての4個のリール(第一リール4a、第二リール4b、第三リール4c及びEXリール4d)が、回転自在に並んで配置されている。
各リール4a〜4dの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表わされている(図2参照)。リール4a〜4dはリール駆動部によって駆動され、互いに独立に回転する。リール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(4Ma〜4Md(図4参照))で構成される。そして、遊技機1は、リール4a〜4dの回転によって変動表示ゲームを実行し、変動表示の停止結果が後述する有効ライン上において所定の表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることによって、遊技者に所定の遊技価値を付与する。
前面パネル3の略中央には、リール4a〜4dの回転によって変動表示(可変表示)する図柄を遊技者に視認させるための表示窓部5が設けられている。リール4a〜4dが停止すると、表示窓部5からリール4a〜4dの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となる。つまり、リール4a〜4dが停止した状態で、表示窓部5から合計12個の図柄を視認することができる。
表示窓部5の上方には、変動表示ゲームに関連する演出表示や情報表示を行う画像表示装置6が設けられている。画像表示装置6は、演出制御装置150(図4参照)によって制御され、表示内容を変動する。
画像表示装置6は、変動表示ゲームにおいて小役やリプレイの入賞のフラグが成立したことを報知すると共に、ビッグボーナス(BB)の入賞のフラグが成立した可能性があることを報知する。また、画像表示装置6は、遊技機1に接続されたカードユニット(図示省略)との接続状態に異常が発生した場合に、表示領域にその旨を表示する。
画像表示装置6の上方の左右には、効果音を出力するスピーカ7が設けられる。スピーカ7は、演出制御装置150(図4参照)によって制御され、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時に効果音を出力して、遊技の興趣を向上させる。
表示窓部5の下方には、払出枚数表示部8、遊技進行表示部9及びクレジット数表示部10が設けられている。払出枚数表示部8、遊技進行表示部9及びクレジット数表示部10は、セグメントLED又は液晶ディスプレイよって構成されている。
払出枚数表示部8は、入賞が確定することにより得られるメダルの払出枚数又は貸出ボタン13の操作によって遊技者へ貸し出されるメダルの払出枚数を表示する。また、払出表示部8は、遊技機1の動作に異常(例えば、遊技機1とカードユニットとの接続異常やメダル詰まり)が発生した場合に、予め設定したエラーコードを表示する。
遊技進行表示部9は、RB状態中の残りゲーム回数を表示する。クレジット数表示部10は、メダルのクレジット数を表示する。
また、表示窓部5近傍には、遊技状態表示部121(図4参照)が設けられている。遊技状態表示部121は、遊技機1が遊技可能な状態であることを示し、リプレイ入賞の獲得及び現在実行中の遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバー22を操作してからリール4a〜4dの回転が開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示によって構成される。
また、表示窓部5近傍には、図示しないベットライン表示部11(図4参照)が設けられている。ベットライン表示部11は、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示する。
メダルの賭数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算されて遊技に使用されるメダルの数である。また、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。なお、遊技媒体として、本実施の形態ではメダルを用いているが、遊技球を用いてもよい。また、ICカード等の記憶媒体を用いることで、遊技媒体に代えて遊技価値を遊技に使用するものであってもよい。
ベットライン表示部11は、例えば、「1」、「2」、「3」の3つのランプを備える。そして、例えば、賭数が1枚のときは、ベットライン表示部11の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示す。賭数が2枚のときは、ベットライン表示部11の「1」と「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示す。賭数が3枚のときは、ベットライン表示部11の「1」、「2」、「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(合計5ライン)が有効ラインであることを示す(図3参照)。
前面パネルの上半部と下半部の中間にある傾斜台部15には、右方にメダルを投入するメダル投入口16が設けられている。このメダル投入口16にメダルを投入すると、投入したメダル数がクレジット数表示部10のクレジット数に加算される。
なお、クレジット数が限度値に達している場合は、投入されたメダルはクレジット数に加算されることなく受皿26に排出される。また、メダル投入口16へのメダル投入時に、賭数が最大ベット可能枚数(例えば、3枚)以下である場合は、投入したメダル数はクレジット数に加算されることなく、賭数として加算される。
傾斜台部15には、操作によってクレジットしたメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン17及び1回の操作によって最大ベット可能枚数のメダルをベットするマックスベットボタン18が設けられている。マックスベットボタン18を操作すると、例えば、メダルがベットされていない場合は3枚のメダルがベットされ、メダルが1枚ベットされている場合は、さらに2枚のメダルがベットされる。
これらのベットボタン17又は18を用いることにより、メダル投入口16からメダルを投入することなく、クレジット数表示部10に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができ、賭数に応じて有効ラインが設定される。
前面パネル3の下部には、四辺形状の化粧パネル20が設けられている。化粧パネル20の左上方には、メダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態とメダルをクレジットとして記憶不能な非クレジット状態のいずれか一方の状態を選択的に切換可能なクレジット選択ボタン21が設けられている。
クレジット選択ボタン21によってクレジット状態から非クレジット状態に切り換えられると、クレジット数表示部10に表示されたクレジット数に相当する数のメダルが受皿26に排出され、同時にクレジット数はクリアされて0になる。
クレジット選択ボタン21の右側には、リール4a〜4dの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー22が設けられている。スタートレバー22の右側には、リール4a〜4dの回転を停止させ、停止図柄を導出させるためのリール停止スイッチ7a〜7d(第一リール停止スイッチ7a、第2リール停止スイッチ7b、第3リール停止スイッチ7c及びEXリール停止スイッチ7d)が設けられている。
リール停止スイッチ7a〜7dが操作されると、各スイッチに対応したリール4a〜4dがそれぞれ回転を停止する。なお、賭数が0の場合は、変動表示ゲームの開始条件を満たさないため、スタートレバー22を操作してもリール4a〜4dは回転しない。また、3枚賭け専用機であれば、賭数が3とならないと、変動表示ゲームの開始条件を満たさないため、スタートレバー22を操作してもリール4a〜4dは回転しない。
各リール停止スイッチ7a〜7dには、点灯によって各リール停止スイッチ7a〜7dが操作可能な状態であることを報知する発光源(停止スイッチLED54(図4参照))が内蔵されている。これらの発光源が点灯していない間はリール停止スイッチ7a〜7dが操作不能となり、これらの発光源が点灯している間はリール停止スイッチ7a〜7dが操作可能となるように制御される。
つまり、発光源が点灯していない間はリール停止スイッチ7a〜7dを操作してもリール4a〜4dの回転は停止しない。なお、発光源の点灯色によって、リール停止スイッチ7a〜7dが操作可能であるかを報知してもよい。
第3リール停止スイッチ7cの右側には、メダル返却ボタン24が設けられている。遊技者は、メダル流下路内のメダル詰まり時に、メダル返却ボタン24を操作することによって、当該流下路に詰まったメダルが受皿26に返却される。
表示窓部5の左右にはそれぞれ、装飾用ランプ、LED等からなる装飾表示部25が設けられている。装飾表示部25は、BB状態又はRB状態の発生時に点灯することによって、遊技の興趣を向上させる。
また、化粧パネル20の下方には、前面パネル3の背面側にあるメダル払出部より払い出されたメダルを貯留可能な受皿26や、灰皿27が設けられている。
図2は、本実施の形態の遊技機(パチスロ機)が備えているリール4に表記される図柄の配列図である。
図2に示すように、本実施形態では、左リール4aの配列番号11、12に位置する「黒7」、左リール4aの配列番号7、20に位置する「白7」、左リール4aの配列番号1、3、8、13、18に位置する「ベル」、左リール4aの配列番号2、4、6、9、14、16、19に位置する「リプレイ」、左リール4aの配列番号17に位置する「BAR」、左リール4aの配列番号5、10、15、21に位置する「スイカ」、EXリール4dの配列番号1、5、9、13、17に位置する「チェリー」、EXリール4dのそれ以外の配列番号に位置する「ブランク」の8種類の図柄が所定の規則に従ってリール上に配置されている。そして、リール4a、4b、4c、4dを停止させたときに、有効ライン上に停止された図柄が図3に示す成立図柄列のいずれかを形成していれば対応する入賞が獲得される。
なお、「ブランク」は、何も表示されていない空欄(リール面と同様の空白)であってもよいし、ブランクであることを示す役を形成しない図柄(例えば四角形)等であってもよい。また、チェリーとは異なる図柄であって、チェリーよりも視認性の低い図柄(彩度や明度を低くした図柄)をブランクとしてもよい。
図3は、本実施の形態の遊技機(パチスロ機)のベットラインと、ベットライン上に停止表示される図柄組合せ態様及び入賞内容との説明図である。
図3(a)は、ベットラインと有効ラインとを示す説明図である。
図3(a)に示すように、賭数が1枚のときは、中段の横ライン(1)だけが有効ラインとなる。また、賭数が2枚のときは、中段の横ライン(1)と、上段及び下段の横ライン(2)との3本のラインが有効ラインとなる。また、賭数が3枚のときは、中段の横ライン(1)と、上段及び下段の横ライン(2)と、右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(3)と、の合計5ラインが有効ラインとなる。
図3(b)は、入賞種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容との説明図である。本実施の形態の遊技機では、非ボーナス状態(通常遊技状態)において、「ビッグボーナス(BB)入賞」、「レギュラーボーナス(RB)入賞」、「リプレイ入賞」、「小役入賞(ベル、スイカ、チェリー)」又は「ハズレ」のいずれかが内部抽選によって当選される。
BB入賞は、「ブランク、黒7、黒7、黒7」、「ブランク、白7、白7、白7」、「ブランク、BAR、BAR、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されると共にBB状態が発生する。
RB入賞は、「ブランク、黒7、黒7、BAR」、「ブランク、白7、白7、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されると共にRB状態が発生する。
リプレイ入賞は、「ブランク、リプレイ、リプレイ、リプレイ」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。
小役入賞は、「ブランク、ベル、ベル、ベル」、「ブランク、スイカ、スイカ、スイカ」、「チェリー、ANY、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)のいずれかが有効ライン上に停止表示されることにより確定される入賞で、小役入賞の種類に対応する枚数のメダルが払い出される。例えば、「ブランク、ベル、ベル、ベル」のときは13枚、「ブランク、スイカ、スイカ、スイカ」のときは6枚、「チェリー、ANY、ANY、ANY」のときは2枚のメダルが払い出される。なお、「チェリー、ANY、ANY、ANY」(チェリー役)は、チェリー役の入賞に対応する一の図柄(チェリー)からなる単独役である。また、その他の役は、入賞に対応する複数の図柄の組合せからなる組合せ役である。なお、EXリール4dの「ブランク」を含んで他の入賞役となるので、「チェリー、7、7、7」(チェリー役)等を許してもよい。この場合、当該導出表示態様により、チェリー役の入賞とボーナスフラグとの成立との告知を行うようにしてもよい。
また、JACイン入賞とは、BBの小役ゲームにおいて「ブランク、リプレイ、リプレイ、リプレイ」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、2枚のメダルが払い出されると共に、1枚だけメダルをベットして高確率で「ブランク、ベル、ベル、ベル」が有効ライン(例えば、中段ライン)上に停止表示されるように停止制御されるJACゲームが開始される。なお、BBの小役ゲームにおいてJACイン入賞となった場合には、12回のJACゲームが終了するか又は12回のJAC入賞が獲得されるまでJACゲームは継続する。
本実施の形態の遊技機においては、遊技制御装置100によりリールの停止制御が行われ、遊技者がリール停止スイッチ7a、7b、7c、7dを操作したタイミングから最大4コマ進んだ位置でリール4を停止させることができる。このため、遊技者がリール停止スイッチ7a、7b、7c、7dを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、その図柄が強制的に有効ライン上に引き込まれて停止表示される。つまり、連続する5コマの中に必ず存在する図柄は、遊技制御装置100による停止制御(引き込み制御)によって有効ライン上に停止表示させることができる。このため、このような図柄で形成される入賞は、フラグが成立したときに適当なタイミングで停止操作を行っても獲得することができる。ただし、別の有効ラインでフラグが成立していない図柄により形成される入賞が発生する場合には、この限りではない。
例えば、図2に示す図柄配列図では「ベル」は連続する5コマの中に必ず存在するので、「ベル」の小役入賞は小役入賞フラグが成立すると必ず獲得することができる。また、「リプレイ」及び「チェリー」も連続する5コマの中に必ず存在するので、リプレイ入賞はリプレイフラグが成立すると必ず獲得することができる。また、小役の「チェリー」も、当該入賞フラグが成立すると必ず獲得することができる。ただし、遊技者が変則押し(例えば、中→右→左→EX)をした場合等にリール停止制御が正常に機能しなくなる場合は賞を獲得することができない場合がある。
一方、「ベル」の小役入賞及びリプレイ入賞以外の入賞は、特定の図柄を狙って停止スイッチ7a、7b、7c、7dを操作(目押し操作)しなければ、遊技制御装置100による停止制御が行われても必ずしも獲得することはできない。
図4は、本実施の形態の遊技機(パチスロ機)の制御系の一部を示すブロック図である。
遊技機1の制御系統は、遊技機1内部に配置される遊技制御装置100を主要な構成要素とする。遊技制御装置(メイン制御装置)100は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御処理及び各被制御装置の制御、すなわち、遊技制御手段)を行う制御装置で、CPU101、ROM102、RAM103、入出力インターフェース(I/F)104及び乱数発生器105を備えている。
遊技制御装置100のCPU101は、演算部を備え、遊技制御のための各種演算処理を行う。また、CPU101は、変動表示ゲームにおいて、リール4a〜4dの図柄を、予め定められた特別な組合せ態様で停止させるか否かを決定する内部抽選用の乱数を、乱数発生器105から取得する。そして、取得された乱数と、ROM102に格納されている判定値とに基づいて内部抽選を行う。すなわち、CPU101によって、取得された乱数と、判定値とを用いて入賞したか否かを抽選する抽選手段が構成されている。なお、内部抽選における各入賞の当選確率は、投入するメダルの賭数によって変更され、賭数が多いほど当選確率が高くなるように制御する。
なお、乱数発生器105から乱数を取得する代わりに、CPU101のソフトウェア処理によって内部抽選用乱数を生成して、当該乱数を用いて内部抽選を行ってもよい。
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、演出制御装置(サブ制御装置)150に送信され、前記抽選結果に基づいて画像表示装置6でのフラグ成立報知の実行が制御される。
ROM102には、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。RAM103はCPU101で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、その他各種データ(例えば、メダルのクレジット数、メダルの賭数、成立フラグ等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
入出力インターフェース(I/F)104は、ローパスフィルタやバッファゲートを介して、ベットスイッチ17A、18A、クレジット選択スイッチ21A、スタートレバースイッチ22A、各リール停止スイッチのストップ操作を検出する操作検出手段であるリール停止センサ(第一リール停止センサ23A、第2リール停止センサ23B、第3リール停止センサ23C、EXリール停止センサ23D)、各リール位置検出センサ110A〜110D、メダル投入検出センサ111、払出メダル検出センサ112、リセットセンサ113、前面枠開放検出センサ114及び設定装置115から入力される信号を、CPU101に出力する。
1ベットスイッチ17Aは、1ベットボタン17が操作されたことを検出するスイッチである。マックスベットスイッチ18Aは、マックスベットボタン18が操作されたことを検出するスイッチである。クレジット選択スイッチ21Aは、クレジット選択ボタン21が操作されたことを検出するスイッチである。スタートレバースイッチ22Aは、スタートレバー22が操作されたことを検出するスイッチである。
リール停止センサ23A〜23Dは、リール停止スイッチ7a〜7dのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール停止スイッチ7a〜7dが操作されたことを検出するスイッチである。リール停止スイッチ7a〜7dの操作がリール停止センサ23A〜23Dによって検出されると、各々対応したリール4a〜4dの回転を停止させる。
リール位置検出センサ110A〜110Dは、リール4a〜4dのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール4a〜4dの停止位置を検出するセンサである。投入メダル検出センサ111は、メダル投入口16から投入されたメダルを検出するセンサである。払出メダル検出センサ122は、メダルの払出枚数を検出するセンサであって、メダル払出部から払い出されたメダルを計数する。
リセットセンサ113は、遊技機1の遊技状態を初期化するリセットスイッチに備えられるセンサである。前面枠開放検出センサ114は、前面パネル3が開放されたことを検出するセンサである。
設定装置115は、遊技機1の設定を切り換える装置である。設定は、例えば、入賞フラグが成立する確率が異なる1〜6の設定が用意されている。設定1は入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り換えることができる。なお、入賞フラグが成立する確率を異ならせることで、所定量の遊技をしたときに、遊技者が獲得することができるメダルの量の期待値が異なる。
入出力インターフェース104は、CPU101から出力される制御信号を、出力ポートやドライバを介して、リール用モータ4Ma〜4Md、遊技進行表示部9、ベットライン表示部11、クレジット数表示部10、払出数表示部8、メダル払出装置122、外部信号出力端子123、ストップボタンLED54a〜54d及び演出制御装置150に出力する。
メダル払出装置122は、メダル払出部を駆動して、受皿26にメダルを払い出す。リール4a〜4dが停止して、入賞に対応する停止表示態様が有効ライン上に形成されると、遊技制御装置100からメダル払出装置122に対して払出指令信号が出力される。そして、当該信号に基づいてメダル払出装置122が駆動し、メダル払出部から受皿26に所定数のメダルが払い出される。
外部信号出力端子123は、遊技場内のネットワークに接続され、遊技機1の稼動状況に関する各種信号を、例えば、ホール管理用コンピュータ等の遊技機1を管理する外部の装置に出力するためのインターフェースである。
演出制御装置(サブ制御装置)150は、CPU151、ROM152、RAM153及び入出力インターフェース154で構成される。演出制御装置150は、遊技の実行、入賞フラグ成立の報知、停止可能図柄の報知及び補助ゲームの演出に関わる情報表示及び音出力を統括して制御する。例えば、1ベットスイッチ17A、マックスベットスイッチ18A又は投入メダル検出センサ111のいずれかから検出信号が検出されると、遊技制御装置100から賭入力(ベット)情報を演出制御装置150に送信する。
演出制御装置150は、当該情報を受信すると、演出表示の制御信号を画像表示装置6に送信する。また、演出制御装置150は、効果音の音制御信号をスピーカ7に送信する。また、演出制御装置150は、演出用の装飾光の制御信号を装飾表示部25に送信する。
なお、遊技制御装置100と演出制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から演出制御装置150への単方向にのみ制御信号が送信されるように制御されており、遊技制御装置100に不正な信号が入力されるのを防止している。
遊技機1の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源回路(図示省略)と停電監視回路(図示省略)とを備えている。
停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100及び演出制御装置150に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力すると共に、停電から復帰したことを示す信号(営業開始時に電源投入されたことも、この信号で知らされる)を出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPU101の動作を停止し、停電から復帰したことを示す信号を受けると遊技制御を開始する。
バックアップ電源回路は遊技制御装置100のRAM103等にバックアップ電源を供給して、遊技データ等に関する記憶内容を保持させる。
図5は、本実施の形態の遊技機における、遊技状態の状態遷移図である。
所定の図柄組合せ態様(例えば「ブランク、白7、白7、白7」)が有効ライン上に停止され、BB入賞が発生する(大当たり遊技状態)と、通常ゲーム時に比べて高い確率で小役入賞を獲得できる小役ゲーム状態となる。この小役ゲーム状態における遊技は通常遊技状態と同様に進行され、例えばメダルを3枚投入して、有効ライン上に「ブランク、ベル、ベル、ベル」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが13枚払い出され、有効ライン上に「ブランク、スイカ、スイカ、スイカ」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが6枚払い出される。また、有効ライン上に「チェリー、ANY、ANY、ANY」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが2枚払い出される。
そして、小役ゲーム状態において、例えば「ブランク、リプレイ、リプレイ、リプレイ」の図柄列が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり、2枚のメダルが払い出されると共に、小役ゲームが一時中断され高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲーム状態となる。なお、小役ゲーム中に特定の図柄が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり即座にJACゲームに移行してもよい。
JACゲーム状態では、メダルの賭数は1枚とされ、この1ベットに対応する有効ライン(例えば、中段横ライン)上に「ブランク、ベル、ベル、ベル」の図柄列が停止表示されるとJAC入賞となりメダルが15枚払い出される。このJACゲームは最大12回まで実行可能となっており、12回目のJAC入賞の後、JACゲームが終了する。
また、BB中の小役ゲームは、遊技者が獲得したメダルの枚数が上限値(例えば、456枚)となるまで実行可能となっており(JACインしたゲームは含み、JACインした後のJACゲームは含まない)、遊技者が獲得したメダルの枚数が上限値となった時点でBBゲームは終了となる。ただし、遊技者が獲得したメダルの枚数が上限値となるまでに12回JACインした場合には、13回目のJACインによるJACゲームの終了を以て当該BBゲームは終了となる。
図6は、本実施の形態の遊技機(パチスロ機)の遊技制御装置100が実行する遊技制御処理の一例を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、メダルがベットされた状態であるか否かを判定する(ステップS101)。この処理では、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生している場合(前回のゲームでベットされたメダルの持ち越しがある場合)、メダル投入口16から、少なくとも1枚以上のメダルが投入された場合、又は、RAM103に、少なくとも1枚以上のメダルがクレジットとして記憶されている状態で1ベットボタン17又はMAXベットボタン18が操作された場合、のいずれかに該当するときに、メダルがベットされた状態であると判定する。
例えば、メダル投入口16からメダルが投入されると、まず、その投入されたメダルがメダル検出センサ111によって検出され、その検出結果として検出信号が遊技制御装置100に入力される。なお、ベット数には所定の上限値(例えば3枚)が設定されており、例えば、クレジット選択ボタン21によって「非クレジット状態」が選択されている状態において、ベット数の上限値を超えるメダルがメダル投入口16から投入された場合には、超えた分のメダルはベット数に加算されずに受皿23へと返却される。一方、クレジット選択ボタン21によって「クレジット状態」が選択されている状態において、ベット数の上限値を超えるメダルがメダル投入口16より投入された場合には、上限値を超えた分のメダルがクレジット数に加算されると共に、その加算結果がクレジット数としてクレジット数表示部10に表示される。
ステップS101においてメダルがベットされた状態であると判定した場合はステップS102へと移行する。そうでない場合は、メダルがベットされるまでこの処理が繰り返され、待機する。
ステップS102では、遊技制御装置100は、メダル検出センサ111によって検出された検出信号に基づいて、メダルのベット数を記憶する。このとき、ベット数に対応して有効ラインを設定する。設定された有効ラインは、ベットライン表示部11に表示される。
次に、遊技制御装置100は、スタートレバーセンサ22Aからの信号に基づいてスタートレバー22が操作されたか否かを判定する(ステップS103)。スタートレバー22が操作されたと判定した場合にはステップS104へと移行する。スタートレバー22が操作されていない場合は、スタートレバー22が操作されるまでこの処理が繰り返され、待機する。
ステップS104では、遊技制御装置100は、スタートレバー22の操作に基づいて、乱数発生機105から内部抽選用の乱数を抽出し、抽出された乱数と予めROM102に記憶されている判定値(当選となる乱数値、賭数や遊技台の設定値によって変化する)との比較に基づいて内部抽選を行う。なお、スタートレバー22の操作時以外に、リール4a〜4dの回転開始時やメダルの投入時、又はクレジットのベット時等に内部抽選用の乱数を抽出してもよい。すなわち、複数のリールによる変動表示を伴うゲームの実行毎に乱数を抽出して、入賞に当選したか否かを抽選すればよい。
次に、遊技制御装置100は、リール用モータ4Ma、4Mb、4Mc、4Mdに制御信号を送信して、各リール4a、4b、4c、4dの回転を開始させるリール回転開始処理を行う(ステップS105)。具体的には、遊技制御装置100は、リール用モータ4Ma、4Mb、4Mc、4Mdに対して、リール4a、4b、4c、4dの回転開始を指示する制御信号を送信して、各リール4a、4b、4c、4dの回転を一斉に開始させる(1周約751msとなるような回転速度でリールを回転させる)。このとき、各リール停止スイッチ7a〜7dに対応するストップボタンLED54a〜54dを点灯するように制御信号を送信して、各リール停止スイッチ7a〜7dが操作可能な状態であることを遊技者に報知する。
その後、遊技制御装置100は、遊技者が各リール停止スイッチ7a〜7dを操作することにより各リールをストップ操作したタイミングと各入賞の当選状態に基づいて、リール4a〜4dの停止位置を決定し、この決定に基づいてリール用モータ4Ma、4Mb、4Mc、4Mdに対して制御信号を出力して、各リール4a〜4dの停止処理を行う(ステップS106)。
ただし、スタートレバー22が操作されてから一定時間(例えば、30秒以上)経過しても各リール停止スイッチ7a〜7dのストップ操作が遊技者によって行われなかった場合には、遊技制御装置100は、各リール4a〜4dのゲーム開始前の状態と入賞の当選状態とに基づいて決定したリールの停止位置に従ってリール用モータ4Ma〜4Mdに対して制御信号を出力し、各リール4a〜4dの回転を自動的に停止させる。なお、単独役容リールの自動停止までの時間と、組合せ役用リールの自動停止までの時間とを異ならせてもよい。その場合には、停止操作に目押しが不要な単独役用リールの自動停止時間を短くするとよい。これにより、遊技者が組合せ役用リールの停止操作をしている間に単独役用リールが自動停止するので、単独役用リールに係る停止操作の煩わしさを避けることができる。
次に、遊技制御装置100は、リールの停止表示態様に基づいて入賞判定処理を行う(ステップS107)。この入賞判定処理では、リール位置検出センサ110a、110b、110c、110dによって各リールの停止位置を検出し、いずれかの入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されているか否かに基づいて入賞が成立したかを判定する。
ステップS107の入賞判定処理において入賞が成立した場合には、遊技制御装置100は、所定枚数のメダルを払い出す払出処理を行う(ステップS108)。この払出処理では、ステップS107の入賞判定処理においてリプレイゲーム以外の入賞が成立したと判定した場合に、メダル払出装置122に制御信号を送信して、成立した入賞に応じた数のメダルを払い出す、又は、入賞に応じたメダル数をクレジット数の記憶に加算する。このとき、小役やリプレイゲームの入賞フラグ(当選状態)をクリアする。また、この払出処理では、遊技制御装置100は、ステップ107の入賞判定処理においてリプレイゲームの入賞が成立したと判定した場合は、今回のゲームで記憶された賭数を次回ゲームに持ち越す処理を行う。また、リプレイゲームの入賞が成立したと判定されなかった場合は、賭数の記憶をクリアする処理を行う。
以上の制御処理により一連の遊技制御処理が終了されて1ゲームが終了する。
図7は、本実施の形態の、図6のステップS106で実行されるリール停止処理を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、現在遊技ゲームが行われているか否かを判定する(ステップS201)。遊技ゲームが行われていないと判定すると処理を終了し、図8のフローチャートに復帰する。
現在遊技ゲームが行われていると判定した場合は、遊技制御装置100は、リール停止スイッチ7を有効化する(ステップS202)。すなわち、各リール停止スイッチ7a、7b、7c、7dに対応する停止スイッチLED54a、54b、54c、54dを点灯して、各リール停止スイッチ7a〜7dが操作可能な状態になるように制御する。なお、ここで、前回の遊技ゲーム進行から所定時間が経過していない場合は、時間当たりの有価情報(遊技媒体を含む)の消費量が過大とならないように、所定時間の経過を待ってから各リール停止スイッチ7a〜7dが操作可能な状態になるように制御する。
次に、遊技制御装置100は、リール停止センサ23からの検出信号に基づいて、いずれかのリール停止スイッチ7が操作されたか否かを判定する(ステップS203)。リール停止スイッチ7が操作されていないと判定した場合は、操作されるまでこの処理を繰り返し、待機する。なお、前述したように、スタートレバー22が操作されてから一定時間(例えば、30秒以上)経過しても遊技者によって各リール停止スイッチ7a〜7dのストップ操作が行われない場合には、所定のタイミング(例えば、30秒経過)で所定のリール停止スイッチ(例えば、最も左側にある変動中のリール)で停止操作があったものとして、次のステップに進む。
いずれかのリール停止スイッチ7が操作されたと判定した場合は、遊技制御装置100は、操作されたリール停止スイッチ7以外の他のリール停止スイッチ7を所定の時間だけ無効化する無効化処理を実行する(ステップS204)。この処理は図9において詳述する。
次に、遊技制御装置100は、前述の図6に示すフローチャートのステップS104において実行された内部抽選処理の結果に基づいて、各リール4を停止させる引込制御処理を実行する(ステップS205)。この処理は図8において詳述する。
次に、遊技制御装置100は、全てのリール4が停止したか否かを判定する(ステップS206)。全てのリール4が停止していないと判定した場合は、ステップS201に戻り、停止処理が行われていない他のリール4について処理を実行する。全てのリール4が停止したと判定した場合は、本フローチャートの処理を終了し、図6のフローチャートに復帰する。
図8は、本実施の形態の、図7のステップS205で実行される引込停止処理を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、前述の図6に示すフローチャートのステップS104において実行された内部抽選処理の結果が、チェリーの当選であるか否かを判定する(ステップS301)。チェリーに当選したと判定した場合はステップS307に移行する。チェリーに当選していないと判定した場合は、ステップS302に移行する。なお、チェリーが当選したか否かは、遊技制御装置100のRAM103の所定の領域に、チェリー当選フラグが成立しているか否かによって判定することができる。
ステップS302では、内部抽選処理の結果が、チェリー以外の役(例えば、BB入賞、RB入賞、リプレイ入賞、小役入賞)に当選したか否かを判定する。チェリー以外のいずれかの役に当選したと判定した場合は、ステップS305に移行する。いずれの役にも当選しなかった場合、すなわち、ハズレである場合は、ステップS303に移行する。
次に、遊技制御装置100は、チェリー当選、チェリー以外の当選又はハズレ、のそれぞれについて、リールの引込停止処理を実行する。
内部抽選の結果がはずれである場合は、ステップS303及びステップS304において、各リールのハズレ引込停止処理を実行する。具体的には、EXリール4dに対応するリール停止スイッチ7dのストップ操作がされた場合は、EXリール4dがハズレの停止図柄、すなわち「ブランク」となるように、EXリール用モータ4Mdに制御信号を送信して、EXリール4dを停止させる。同様に、リール4a、4b、4cに対応するリール停止スイッチ7a、7b、7cのいずれかのストップ操作がされた場合は、リール4a、4b、4cそれぞれが、ハズレの停止図柄の組合せとなるように、リール用モータ4Ma、4Mb、4Mcに制御信号を送信して、リール4a、4b、4cを停止させる。
また、内部抽選の結果がチェリー以外の役の当選である場合は、ステップS305及びステップS306において、EXリール4dのハズレ引込停止処理、及び、リール4a、4b、4Cの当選役の引込停止処理を実行する。具体的には、EXリール4dに対応するリール停止スイッチ7dのストップ操作がされた場合は、EXリール4dがハズレの停止図柄、すなわち「ブランク」となるように、EXリール用モータ4Mdに制御信号を送信して、EXリール4dを停止させる。一方、リール4a、4b、4cに対応するリール停止スイッチ7a、7b、7cのいずれかのストップ操作がされた場合は、リール4a、4b、4cの図柄の組合せが当選役に対応する図柄の組合せとなるように、リール用モータ4Ma、4Mb、4Mcに制御信号を送信して、リール4a、4b、4cを停止させる。
また、内部抽選の結果がチェリー当選である場合は、ステップS307及びステップS308において、EXリール4dのチェリー当選の引込停止処理、及び、リール4a、4b、4Cのはずれ引込停止処理を実行する。具体的には、EXリール4dに対応するリール停止スイッチ7dのストップ操作がされた場合は、EXリール4dが「チェリー」となるように、EXリール用モータ4Mdに制御信号を送信して、EXリール4dを停止させる。一方、リール4a、4b、4cに対応するリール停止スイッチ7a、7b、7cのいずれかのストップ操作がされた場合は、リール4a、4b、4cそれぞれが、ハズレの停止図柄の組合せ(チェリーフラグ成立時にチェリーを必ず引き込むのであれば、リール4a、4b、4cについてはフリーでもよい)となるように、リール用モータ4Ma、4Mb、4Mcに制御信号を送信して、リール4a、4b、4cを停止させる。
以上、各リールの引込停止処理が終了すると、本フローチャートの処理を終了して、図7のフローチャートの処理に戻る。
このように制御することによって、チェリーに当選した場合は確実にチェリー役に対応する図柄の組合せ(「チェリー、ANY、ANY、ANY」)を引込停止させることができる。従って、遊技者は確実にチェリーの入賞を獲得することができる。また、チェリー以外の役(例えばBB入賞)当選の場合は、遊技者は、意図しないチェリー役に当選することなく、当選した役の入賞を獲得することができる。
図9は、本実施の形態の、図7のステップS204で実行される他のリール停止スイッチ無効化処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、EXリール4dに対応するリール停止スイッチ7dのストップ操作がされたか否かを判定する(ステップS401)。EXリール停止センサ23Dからの検出信号に基づいて、リール停止スイッチ7dのストップ操作がされたと判定した場合は、本フローチャートの処理を終了して、図7のフローチャートの処理に戻る。
一方、リール停止スイッチ7dのストップ操作がされなかった、すなわち、他のリール4a、4b、4cに対応するリール停止スイッチ7a、7b、7cのいずれかのストップ操作がされたと判定した場合は、遊技制御装置100は、これらリール停止スイッチ7a、7b又は7cを所定の時間だけ無効化する(ステップS402)。その後、本フローチャートの処理を終了して、図7のフローチャートの処理に戻る。このように、一のリール4に対応するストップ操作がされた場合に、他のストップ停止スイッチ7の受付を無効化する停止操作無効化手段が構成されている。
通常、複数の図柄の組合せによって決定される役の場合、一つ目のリールの図柄が確定した結果が、次のリールの停止図柄の制御に影響するため、一つ目のリールの図柄の停止処理からすべり制御時間等を含めた所定時間の間は、次のリールの停止処理を行わないように、リール停止スイッチ7を無効化する。しかしながら、通常、遊技者は三つのリールを一連の操作によってストップ操作をするので、無効化による待機時間の発生によって遊技者の操作性が低下する。さらに、無効化の所定の時間だけ遊技機の稼動率が低下する。そのため、この無効化処理は最小限に留めておくことが望ましい。
そこで、遊技者によってEXリール4dに対応するEXリール停止スイッチ7dが先にストップ操作された場合は、その他のリール(4a、4b、4c)に対して無効化処理をしない。具体的に説明すると、遊技者がEXリール停止スイッチ7dを先にストップ操作したときは、遊技制御装置100は、前述の図6に示すフローチャートのステップS104において実行された内部抽選処理の結果に基づいて、EXリール4dを停止制御する。すなわち、内部抽選処理の結果、チェリーが当選された場合(チェリー入賞ラグが成立した場合)は、EXリール4dは「チェリー」に引き込み制御される。前述した図2に示したように、「チェリー」は連続する5コマの中に必ず存在するため、引き込み制御によって必ず有効ライン上に停止表示させることができる。その後、遊技者によって他のリール(4a、4b、4c)が停止操作された場合は、次に停止されるリール(4a、4b、4c)は、ANY、すなわち、どの図柄が停止表示されてもかまわない。従って、無効化処理のための時間を設けることなく、遊技者によるストップ操作によって、ストップ操作されたリール停止ボタン(7a、7b、7c)に対応したリール(4a、4b、4c)を停止表示させる。
また、内部抽選処理の結果、チェリーが当選されなかった場合(チェリー入賞ラグが成立していない場合)は、EXリール4dは「ブランク」に引き込み制御される。その後、遊技者によって他のリール(4a、4b、4c)が停止操作された場合は、次に停止されるリール(4a、4b、4c)は、内部抽選処理の結果に基づいた図柄を引き込み処理する。例えば、内部抽選処理の結果がリプレイであった場合は、リール4a、4b、4cは、いずれも「リプレイ」に引き込み制御される。
このように、EXリール4dのストップ操作に係るEXリール4dの停止表示図柄と、他のリール(4a、4b、4c)のストップ操作に係る停止表示図柄と、は排他的な関係となるため、EXリール4dと他のリール(4a、4b、4c)とを、それぞれ独立して制御することが可能となる。従って、チェリー入賞と、その他の役の入賞とで、他方の停止図柄の表示態様に基づいて停止図柄の変更をする必要がなくなる。そのため、チェリー入賞とその他の役の入賞との重複を、遊技者のストップ操作以前に排除することが可能となる。そして、無効化のための待機時間を低減することによって、遊技者の操作性が向上し、その結果、遊技機の稼動率が向上する。
以上のように、本発明の第1の実施の形態では、チェリー役の入賞に関わるEXリール4dと、チェリー役以外の役の入賞に関わるリール(4a、4b、4c)とをそれぞれ設け、それぞれのリールに対応するリール停止スイッチ7を設けたので、チェリー役の成立と、それ以外の役の成立とを独立して制御することができる。して勝手、遊技者は、チェリー役の入賞又は、チェリー役以外の役の入賞を、それぞれ独立して獲得可能となる。また、チェリー役の入賞時には、他のリール停止スイッチ7a、7b、7cに対する無効化が必要なくなるため、無効化のための待機時間を低減することによって、遊技者の操作性が向上し、その結果、遊技機の稼動率が向上する。
次に、本願発明の第2の実施の形態の遊技機について説明する。
第2の実施の形態では、EXリール4dに対応するリール停止スイッチ7dが、第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図10は、本願発明の第2の実施の形態の遊技機の説明図である。
図10(a)に示すように、第2の実施の形態の遊技機は、リール停止スイッチ70、及び、リール停止スイッチ7b、7cを備える。
リール停止スイッチ70は、前面から見て略円形の形状を有しており、この円形の中に半月状の二つのスイッチ部(70a、70d)が設けられている。この半月状のスイッチはそれぞれ独立したスイッチとして機能する。すなわち、リール停止スイッチ70に向かって左側のスイッチを操作することによってリール停止スイッチ7dとして機能し、向かって右側のスイッチを操作することによってリール停止スイッチ7aとして機能する。従って、遊技者は、EXリール4dをストップ操作する場合にはリール停止スイッチ70に向かって左側のスイッチを操作し、リール4aをストップ操作する場合にはリール停止スイッチ70に向かって右側のスイッチを操作する。なお、の二つのリール停止スイッチ7d、7aを一の指で同時に押圧操作することによって、二つのリール停止スイッチ7d、7aに対して同時にストップ操作をすることができる。
図10(b)は、このリール停止スイッチ70を上面から観察したときのA−A断面図である。
リール停止スイッチ70は、取付ベース部材71及びカバー部材75によってスイッチ部70d及び70aを保持するように取り囲んで構成される。取付ベース部材71とカバー部材75との間には、遊技機1の前面パネル12に固定し、前面パネルとの隙間を塞ぐための間隙閉塞部材72が設けられている。
カバー部材75の内部には、連動部材73(73a、73d)、取付ベース部材71から連通する収納壁部74、基板76、バネ77等が収められている。
連動部材73a、72dは、スイッチ部70a、70dそれぞれに接してカバー部材75内に設けられる。この連動部材73a、73dにはそれぞれバネ77が設けられており、バネ77の弾性力によってスイッチ部70a、70dが前方側に付勢されている。
連動部材73の奥手側には、基板76が設けられている。基板76には、EXリール停止センサ23D、LED54d、第一リール停止センサ23A、LED54aが設けられている。EXリール停止センサ23D及び第一リール停止センサ23Aは、フォトセンサによって構成されている。また、連動部材73の奥手側には、連動部材73が移動することによって、EXリール停止センサ23Dを構成するフォトセンサの発光部と受光部とを遮光する遮光壁部78d、及び、第一リール停止センサ23Aを構成するフォトセンサの発光部と受光部とを遮光する遮光壁部78aが設けられている。
スイッチ部70dが遊技者によって押下されると、スイッチ部70dに接している連動部材73dがカバー部材75の底面側に押し下げられる。これによって遮光壁部78dがEXリール停止センサ23Dのフォトセンサの発光部と受光部とを遮光する。これにより、EXリール停止センサ23Dが、連動部材73dが押し下げられたことを検出することによって、スイッチ部70dが押下されたことを検出する。スイッチ部70aについても同様に、スイッチ部70aが遊技者によって押下されると、遮光壁部78aが第一リール停止センサ23Aの発光部と受光部とを遮光する。これにより、第一リール停止センサ23Aが、スイッチ部70aが押下されたことを検出する。
なお、EXリール停止センサ23D及び第一リール検出センサ23Aは、フォトセンサではなく、ホール素子又はコンタクトスイッチ等によって構成されていてもよい。スイッチ部70a又は70dが押下されたことを検出できるものであればどのような構成を用いても構わない。
なお、リール停止スイッチ70は、左右に分割されたスイッチ部70aと70dとを独立して操作可能に構成されているが、一方側のスイッチ部の操作によって他方側のスイッチが同時に操作されるような構成でもよい。例えば、スイッチ部70a側にスイッチ部70dのラッチ構造を備え、スイッチ部7aが押下されたときに、同時にスイッチ部7dが押下され、スイッチ部7dのみを押下したときはスイッチ部7dのみが独立して押下されるように構成してもよい。
また、リール停止スイッチ70は、図10(b)に示すような半月状の二つのスイッチを組み合わせた構造でなくてもよい。例えば、スイッチを二段階に押下できる構造としてもよい。この場合は、スイッチを一段階押下したときにEX停止センサ23Dがこのスイッチの押下によるストップ操作を検出し、さらに奥手側にスイッチを押し込んだときに第一リール停止センサ23Aがスイッチの押下によるストップ操作を検出してもよい。
また、スイッチの表面に静電容量の変化を検出する接触センサを設け、この接触センサをEX停止センサ23Dとして機能させてもよい。すなわち、遊技者がスイッチ部70に指で触れたときにEXリール停止センサ23DがEXリール4dのストップ操作を検出し、さらにスイッチを押下したときに、スイッチ内部に備えられた第一リール停止センサ23Aがリール4aのストップ操作を検出するようにしてもよい。
すなわち、リール停止スイッチ70は、遊技者によってなされる一回の押下操作で二種類のストップ操作をそれぞれ検出可能に構成されていればよい。
以上のように、本願発明の第2の実施の形態の遊技機は、遊技者によってなされる一回の押下操作で遊技機のEXリール4d及び第一リール4aそれぞれに対応した二種類の操作を検出可能なリール停止スイッチ70を備えたので、従来一般の三つの停止スイッチを備えたパチスロ機から大きく外観を変更することがないので、遊技者は違和感なく遊技機を受け入れることができる。また、遊技者にとっても、従来の遊技機と大きく異なることがないので、操作性を犠牲にすることなく、EXリール4dを含めた4つのリールのストップ操作を行うことができる。したがって、停止操作の対象となるリールが増えても、操作性を従来通りとするとともに、操作時間の増大による稼働率低下を抑制することができる。
次に、本願発明の第3の実施の形態の遊技機について説明する。
第3の実施の形態では、第一リール4aに対応するリール停止スイッチ7aは、EXリール4dのストップ操作を兼ねる点が、第1又は第2の実施の形態と異なる。なお、第1又は第2の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図11は、本願発明の第3の実施の形態の遊技機の説明図である。
図11(a)に示すように、第3の実施の形態の遊技機は、リール停止スイッチ7a、7b、7cを備える。
リール停止スイッチ7aは、EXリール4d及び第一リール4aを停止操作するためのスイッチである。
図11(b)は、各リール停止スイッチ7によるストップ操作を示すタイミングチャートである。
なお、図11(b)に示す例では、各リール停止スイッチ7のリール停止センサ23は、定常状態でゼロレベル(グランドレベル)であり、スイッチの押下によるストップ操作を検出したときにアクティブ信号を出力するよう構成されている。
第一リール4a、第2リール4b及び第3リール4cのストップ操作は、それぞれ、第一リール停止スイッチ7a、第2リール停止スイッチ7b及び第3リール停止スイッチ7cを押下したことによって各リール停止センサ23から出力されるアクティブ信号を受信したときに、ストップ操作がされる。一方、EXリール4dについては、第一リール停止スイッチ7aを離し、第一リール停止センサ23Aの出力がアクティブ信号でなくなったときに、ストップ操作される。
具体的には、遊技者がリール停止スイッチ7aを押下したときは、リール停止センサ23Aがアクティブ信号を出力する。遊技機1の遊技制御装置100は、このアクティブ信号の立ち上がりのタイミングで、第一リール4aに対するリール引込停止処理を実行する。そして、遊技者が、リール停止スイッチ7aの押下をやめ、リール停止スイッチ7aが定常状態に復帰したときは、リール停止センサ23Aからのアクティブ信号の出力が終了する。遊技機1の遊技制御装置100は、このアクティブ信号の立ち下がりのタイミングで、EXリール4dに対するリール引込停止処理を実行する。
なお、リール停止センサ23は、定常状態でアクティブレベルであり、スイッチの押下によってゼロレベル(グランドレベル)のネガティブ信号を出力するように構成されており、リール停止センサ23Aが出力するネガティブ信号の立ち下がりで第一リール4aに対するリール引込停止処理を実行し、リール停止センサ23Aのネガティブ信号が終了し、信号が定常状態(アクティブレベル)となったときの信号の立ち上がりでEXリール4dに対するリール引込停止処理を実行するように構成してもよい。なお、信号の立ち上がり又は立ち上がりのいずれかで、第一リールの停止処理又はEXリール4dのいずれの停止処理を実行するかが、予め決定されていればよい。すなわち、第一リール4a、第二リール4b及び第三リール4cの停止処理は、全て信号の立ち上がり又は立ち上がりのいずれか一方に統一されており、いずれか他方がEXリール4dの停止処理を実行するように設定されていればよい。
また、図11(b)に示す例では、遊技制御装置100がアクティブ信号を受信したときに第一リール4aの引込停止処理が実行され、遊技制御装置100がアクティブ信号の終了を受信したときにEXリール4dの引込停止処理が実行されるように構成したが、これが逆でもよい。すなわち、遊技制御装置100がアクティブ信号を受信したときにEXリール4dの引込停止処理が実行され、遊技制御装置100がアクティブ信号の終了を受信したときに第一リール4aの引込停止処理が実行されるように構成してもよい。
以上のように、本願発明の第3の実施の形態の遊技機は、遊技機のEXリール4d及び第一リール4aを一つのスイッチ(リール停止スイッチ7a)によってストップ操作が可能となるので、従来一般の三つの停止スイッチを備えたパチスロ機から大きく構造を変更することなく、EXリール4dのストップ操作を遊技者が行うことができる。また、遊技者にとっても、従来の遊技機と大きく異なることがないので、操作性を犠牲にすることなく、EXリール4dを含めた4つのリールのストップ操作を行うことができる。
次に、本願発明の第4の実施の形態の遊技機について説明する。
第4の実施の形態では、各リール4に配置されている識別性を有する図柄の具体的な例を説明する。なお、第1ないし第3の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図12は、本願発明の第4の実施の形態の遊技機の表示窓部5に表示される、各リールの図柄の説明図である。
EXリール4dには、第1の実施の形態で前述したように、「チェリー」及び「ブランク」の2種類の図柄が所定の規則に従って配置されている。なお、本実施の形態では、「リプレイ」を示す図柄は、「R」の文字を楕円で取り囲んだ図柄である。また、「白7」、「黒7」、「ベル」、「スイカ」及び「チェリー」については、それぞれ視覚的に各図柄を表す形状となっている。これらは、明度や彩度を高めて視認性を高くしてある。一方、「ブランク」を示す図柄は「B」の文字を楕円で取り囲んだ図柄である。この図柄は、彩度及び明度を低くして、他の図柄と比較して視認性を低くした図柄であり、また、リール4a〜4cに配置され、組合せ役を構成する図柄のいずれとも異なる。
図12(a)は、各リール4に停止表示された図柄の組合せが、いずれの役の成立していない場合を示す。この場合は、各ベットライン(1)、(2)及び(3)(図3参照)において、いずれの組合せも役が成立していないことが示されている。特に、EXリール4dに表示された「ブランク」は、他のリール(4a、4b、4c)に停止表示されている図柄と比較して視認性が低い。従って、他のリール(4a、4b、4c)の停止態様がわかりやすく、遊技者は、ハズレであることを瞬時に識別できる。
図12(b)は、各リール4に停止表示された図柄の組合せが、ベットライン(1)においてチェリー役が成立している場合を示す。「チェリー」の図柄は「ブランク」の図柄と比較して視認性が高いため、遊技者は、チェリー役の入賞を獲得したことを瞬時に識別できる。
図12(c)は、各リール4に停止表示された図柄の組合せが、ベットライン(1)においてベル役が成立している場合を示す。「ベル」の図柄は「ブランク」の図柄と比較して視認性が高い。特に、EXリール4dに表示された「ブランク」は、他のリール(4a、4b、4c)に停止表示されている図柄と比較して視認性が低い。従って、他のリール(4a、4b、4c)の停止態様がわかりやすく、遊技者は、ベル役の入賞を獲得したことを瞬時に識別できる。
以上のように、本願発明の第4の実施の形態では、EXリール4dにおいて、役の入賞を成立させる視認性の高い図柄(チェリー)と、役の入賞を成立させない視認性の低い図柄(ブランク)とが配置されているため、遊技者にとって、チェリー役の成立の識別性が高くなる。また、遊技者にとって、他のリール(4a、4b、4c)の停止態様の識別性が高くなる。従って、チェリー役の正否、又は、その他の役の正否に関して、遊技者の識別性が高まる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。