<全体構成>
図1は本発明を採用した遊技台の一例としてスロットマシンの遊技台外観斜視図を示している。図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
下部の音孔277aはスロットマシン100内部に設けられている後述の低音スピーカ277の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、上記の演出画像表示装置は液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、上記の演出画像表示装置の表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、図1の前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。筐体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。筐体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード252aを接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード252aが、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、筐体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272(音孔143の位置に対応)、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、下部の音孔277aに対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御回路>
次に図3を参照して、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130のセンサ、ベットボタン131のセンサ、ベットボタン132のセンサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135のセンサ、ストップボタン137のセンサ、ストップボタン138のセンサ、ストップボタン139のセンサ、精算ボタン134のセンサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口134の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタン137乃至139の操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、情報入出力回路1001を備えており、この情報入出力回路1001を介して後述の検査処理を行うための検査装置1000を接続することができる。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
以上に説明した主制御部300は、所定の付与条件が成立した場合、たとえば、スタート操作およびリール停止操作に基いて行う抽選結果に応じて、メダル払い出しなど、遊技者に所定の利益を付与する利益付与部として機能する。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、また、この基本回路402には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介して上述のスピーカ272、277を接続してある。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162のランプ、等)を設けている。
また、CPU404は、駆動回路424、および駆動回路426を介してそれぞれ第1の演出用駆動装置160、および第2の演出用駆動装置143aの演出動作を制御する。本実施例では、第1の演出用駆動装置160は上述の演出装置160(シャッタ)に相当する。また、第2の演出用駆動装置143aは、例えば音孔143の外枠を移動(例えば遊技者の方向に向けて突出)させるようなモータとして構成されるものとする。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、主に演出画像表示装置157の制御を行う。第2副制御部500は不図示のVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を含み、このVDPは、第2副制御部500内部のROMに記憶された画像データ等を読み出し、VRAMのワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。なお、第2副制御部500は、複数の制御部で構成するようにしてもよく、その場合、例えば、その複数の制御部はそれぞれ液晶表示装置157の制御を行う制御部、あるいは上述の第1の演出用駆動装置160や第2の演出用駆動装置143aなどの種々の演出用駆動装置(シャッタ扉やスピーカ枠などの移動体を用いた可動部)の制御を行う制御部として構成することができる。
<主制御部の実装>
図4は、主制御部300の要部の回路構成をより具体的なブロック図として示している。
図4において、符号600は、図3に1ブロックで示した主制御部300に相当する主制御基板である。主制御基板600は上述のCPU304を含むマイクロコンピュータ604を含み、そのアドレス端子A0〜A7、およびデータ端子D0〜D7、チップセレクト端子CS0、CS1には、ROM606、RAM608が接続されている(図3のROM306、RAM308に相当)。
なお、図4では、図3に示した第1副制御部400との接続回路や、メモリI/OのためのRD、WR端子などは図示を省略している。また、この例では、マイクロコンピュータ604のリセット端子RESET、割り込み端子NMIなどは、電源端子VCCとともに3.3Vの電源端子に配線されている。
図4の回路では、コネクタ1004を介して、各種センサ回路(318)または検査装置1000からの入力信号1006を入力し、また、コネクタ1002を介して検査装置1000(または図3の駆動回路322、324、326、328など)と接続するために、2つのバッファ回路1003、1005を設けてある。このうち、バッファ回路1005はマイクロコンピュータ604のI/Oポート端子P0〜P7に接続され、バッファ回路1003はマイクロコンピュータ604のI/Oポート端子P8〜P15に接続されている。バッファ回路1003、1005、あるいはさらにコネクタ1002、1004は、図3における情報入出力回路1001に相当する。
図4の例では、入力信号1006を入力する各種センサ回路は図3の各種センサ318と、そのセンサ回路320にほぼ相当し、スタートレバー(135)操作検出回路、左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路、中停止(ストップ)ボタン(138)操作検出回路、右停止(ストップ)ボタン(139)操作検出回路、精算ボタン(134)操作検出回路、左リール(110)インデックス検出回路、中リール(111)インデックス検出回路、右リール(112)インデックス検出回路、のような遊技装置から成る。
コネクタ1004およびバッファ回路1005は、上記のような遊技用装置から所定の信号を入力する信号入力部として機能する。
信号入力部としてのコネクタ1004およびバッファ回路1005には、センサ回路に限らず、種々の複数の遊技用装置を接続することができる。これらの遊技用装置には上述のセンサ回路の他、他の制御部(他の主制御部、第1および第2副制御部など)、移動体検出センサ、操作部検知センサ、エラー検知センサなどの検出回路などが含まれる。第1の遊技用装置は、第2の遊技用装置とは別体で遊技機に接続されるものとする。
検査装置1000スロットマシン100の製造中(あるいは設置後)において接続し、主制御部300を実装した主制御基板600の入出力機能、特に上記の入力信号1006にかかわる入出力機能を(各種センサ回路の操作に関する入出力機能)テストするために用いられる。
上記の入力信号1006は、検査装置1000を接続する場合は、検査装置1000が同等の信号を供給する。
検査装置1000は、コネクタ1002の他、図12および図18(b)に示すような接続状態で用いられる。また、図4や図12および図18(b)において検査装置1000を接続しているコネクタ1002通常の状態では図18(a)に示すように用いられる。
ここで図12と図18(a)、(b)につき説明する。図12は検査装置1000の接続状態を示した説明図、図18主制御基板600廻りの接続状態を示したブロック図で(a)、(b)はそれぞれ遊技中(スロットマシン100の通常動作時)、および検査装置1000による制御中(検査動作中)の状態を示している。
図12において、符号600は図4の主制御基板600に相当し、マイクロコンピュータ604を塔載しており、その端部には上記のコネクタ1002および1004が設けられ、これらコネクタ1002および1004を介して検査装置1000の検査信号送受信部1105、1106を接続する。
このうち検査信号送受信部1105は上記の各種センサ回路の同等(ただし後述のようにその信号パターンはスロットマシン100の通常動作時のパターンと異なる)の入力信号1006を発生し、検査信号送受信部1106はマイクロコンピュータ604が入力信号1006に応じて行う検査動作においてコネクタ1004に出力する信号を入力する。
図18(b)は図12(図4)の接続状態を、また、図18(a)は検査装置1000を外した遊技中(スロットマシン100の通常動作時)の接続状態を示している。
図18(a)、(b)において符号600は図4の主制御基板600に相当し、マイクロコンピュータ604を塔載している。図18(a)、(b)ではマイクロコンピュータ604のI/Oポート端子P0〜P7、P8〜P15の接続状態を詳細に示している。図4のバッファ回路1003に相当する構成は、ここでは信号線をプルアップまたはプルダウンするプルアップ抵抗R0〜R2またはプルダウン抵抗R3〜R7によって示してある。また、バッファ回路1005に相当する構成はこれらのプルアップまたはプルダウン抵抗に相当する回路を用いるものとして図示を省略している。
図18(a)の遊技中の接続状態では、本発明の特徴を例示するために、プルダウン抵抗R3〜R7によって未使用のI/O信号線をプルダウンした状態を示している。後述のように、主制御部300のCPU304を含むマイクロコンピュータ604は、I/OポートP0〜P7の信号パターンが通常動作時に生じない特定の組合せになることに基いて、特定の検査動作を行うよう制御されるが、この検査動作の条件としては信号パターンはこれらプルダウンされているI/OポートP3〜P7の状態も含めて判断される。また、マイクロコンピュータ604は、I/OポートP0〜P7の信号パターンが特定の組合せになることに基いて特定の検査動作を行うが、その場合、マイクロコンピュータ604、通常動作時に生じない信号パターンの組合せによって、同時に複数の入力信号1006に関する主制御基板600の入出力機能をテストできるような検査動作を行う。
また、図18(a)では、入力信号1006は、左停止(ストップ)ボタン(137)、中停止(ストップ)ボタン(138)、右停止(ストップ)ボタン(139)に相当する回路シンボルで示してある。マイクロコンピュータ604は、遊技中(通常動作時)にはこれらの入力信号1006の個々の状態に基づき、駆動信号1020を生成する。図18(a)では、駆動信号1020としては左リール(110)駆動信号1、左リール(110)駆動信号2、中リール(111)駆動信号1、中リール(111)駆動信号2、右リール(112)駆動信号1、右リール(112)駆動信号2、メダル搬送のために必要なホッパ駆動信号1、およびホッパ駆動信号2を示してある。これらの駆動信号1020はコネクタ1002を介して図3の駆動回路322、324、326、328などに供給される。
図18(b)は図12の検査時の接続状態を示しており、コネクタ1002を介して検査装置1000のコネクタ1102が、コネクタ1004を介して検査装置1000のコネクタ1104がそれぞれ接続されている。図12における検査信号送受信部1105、1106を含む検査装置1000の本体部分は符号1100によって示してある。
図18(b)の検査状態においては、検査装置1000は入力信号1006として、コネクタ1004から、I/OポートP0〜P7の信号パターンが通常動作時に(上記の左中右の停止ボタンによっては)生じない所定の組合せとなるような検査信号を入力し、そして、マイクロコンピュータ604がこれに応じて駆動信号1020(図18(a))として生成した出力信号をコネクタ1002から入力し、その状態に異常がないか否かを検査する。
図17(a)、(b)は、上記の遊技(通常動作)中、および検査中における、実行処理部としてのマイクロコンピュータ604(または後述の実施例2におけるマイクロコンピュータ704)の遊技処理、および検査処理の切り換えの様子を模式的に示した説明図である。
図17(a)の遊技(通常動作)中では、入力信号1006(後述の実施例2では入力信号1016)が所定のパターンとならないので、遊技処理2001が実行され、検査処理2002は実行されない。これに対して、図17(b)検査動作においては、検査装置1000によって入力信号1006(後述の実施例2では入力信号1016)が特定のパターンとなるように制御されるので、検査処理2002が実行される。
すなわち、本実施例では、マイクロコンピュータ604は信号入力部(コネクタ1004、バッファ回路1005)から入力される所定の信号に基づいて、遊技時に実行される遊技処理、または検査時に実行される検査処理を実行する処理実行部として機能するもので、第1の信号入力部の入力状態および前記第2の信号入力部の入力状態が所定の組み合わせであることに基づいて遊技処理を実行せず(図17(a))、一方、前記第1の信号入力部の入力状態および前記第2の信号入力部の入力状態が前記所定の組み合わせであることに基づいて前記検査処理を実行する(図17(b))。
また、処理実行部(マイクロコンピュータ604)は、後述の図9に示すリール停止処理に関して説明するが、遊技中にあっては検査処理を実行しないよう構成される。
上述のように検査装置1000を接続して行う検査時の制御と、検査装置1000を接続しないスロットマシン100の通常動作時における制御については、各制御部の遊技制御処理について説明する時に後でさらに詳細に説明するものとし、以下では、まず左リール110、中リール111、右リール112に付す図柄とそれに関連する遊技状態につき説明する。
<リールの図柄>
図5(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
<図柄配列>
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。 本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。 「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
<主制御部メイン処理>
以下、図6以降に示すフローチャートを用いて主制御部300の制御について説明する。
まず、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。このステップS101の初期設定処理、および初期設定処理に基いて起動される検査処理については、後で図7および図8を用いて詳述する。
ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS113では全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。なお、ステップS115のリール停止処理は、後述の図9で詳細に説明する。
ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<初期設定処理>
図7は、図6のステップS101において主制御基板600のマイクロコンピュータ604が行う初期設定処理の流れを詳細に示したフローチャートである。
図7のステップS601では、ステップS607の検査処理においても必要になる最低限の初期設定、例えば、マイクロコンピュータ604のCPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定などを行う。
ステップS603では、検査装置1000から検査開始を指令する所定信号が入力されたか否かを判定する。検査装置1000は、図4の入力信号1006として、たとえば特定の信号パターンを有する所定信号を入力して検査開始を指令するものとする。その信号入力パターンは、あらかじめ定めた特定の検査開始コマンドを表現するものとするが、あるいは、下記の検査処理(図8)において、検出する所定の信号の組合せであってもよい。ステップS603で検査装置1000から検査開始を指令する所定信号が入力された場合には、ステップS607において検査処理(図8)を実行し、検査開始を指令する所定信号が入力されていない場合にはステップS605に移行する。
ステップS605では、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行い、図6のメイン処理に復帰する。
<検査処理>
図8は図7のステップS607に示した主制御基板600のマイクロコンピュータ604が行う検査処理の流れを詳細に示したフローチャートである。
図8のステップS701では、I/OポートP0〜P7(図4、図18(b))に所定の信号の組み合せからなる信号入力があったか否かを判定する。ここで、複数のI/OポートP0〜P7の信号の状態の検出は、多くのCPUにおいて周知のたとえばIN命令のようなCPUインストラクション(命令)を用いて同時に行うことができる。このような命令による同時信号入力は、後述の遊技中の検出処理(図9)では用いず、図8の検査処理においてのみ用いるものとする。
本実施例の場合、ステップS701でI/OポートP0〜P7(図4、図18(b))に所定の信号の組み合せからなる信号入力を検出できなかった場合には、上記の検査開始コマンド入力(図7ステップS603)があったにもかかわらず、上記の所定の信号の組み合せからなる入力がなければ、ステップS705においてコネクタ1002(図4、図18(b))を介して検査装置1000に対して異常を示す(検査装置1000が異常と判定可能な)第2の信号を出力する。
このI/OポートP0〜P7(図4、図18(b))に入力すべき所定の信号の組み合せからなる信号入力は、本実施例では検査開始の条件となっているが、同時にこの所定の信号の組み合せからなる信号入力によってI/OポートP0〜P7(図4、図18(b))に入力される各種センサの機能をテストする信号とすることができる。たとえば、図18(b)のように検査装置1000がコネクタ1004を介して左停止(ストップ)ボタン(137)、中停止(ストップ)ボタン(138)、右停止(ストップ)ボタン(139)に相当するI/OポートP0〜P2に信号を入力するように接続される場合、通常遊技中の信号入力処理(例えば後述する図9のリール停止処理)では同時に検出しないこれらの3つの停止(ストップ)ボタンのセンサ信号の検出機能を同時、あるいは所定のパターンで検査するための信号を検査装置1000から入力することができる。
したがって、ステップS701で、I/OポートP0〜P7(図4、図18(b))に入力された信号が所定の信号の組み合せからなる信号入力であった場合には、左停止(ストップ)ボタン(137)、中停止(ストップ)ボタン(138)、右停止(ストップ)ボタン(139)の検出機能を同時、あるいは所定のパターンで検査し、その結果が正常であったことになるので、検査装置1000に対してコネクタ1002を介して検査結果が正常であったことを示す(検査装置1000が正常と判定可能な)第1の信号を出力する。このための信号パターンは任意であるが、たとえば、I/OポートP0〜P7に入力される所定の信号の組み合せの信号をそのままI/OポートP8〜P15、バッファ回路1003、コネクタ1002を介して返送する、といった信号形式を用いることができる。
ステップS707では、他の検査処理を実行する。ここでは、ステップS701、S703、S705に示したのと同様の処理によって、たとえば上記とは異なるI/Oポート(図4)に接続される入力信号1006に対応する各種センサの検出機能を引き続き検査することができる。
すなわち、本実施例では、処理実行部としてのマイクロコンピュータ604は、検査処理として、I/OポートP0〜P2の入力状態が所定の組み合わせであるか否かを判定し、所定の組み合わせである場合と、所定の組み合わせ以外である場合とで異なる処理を実行することができる。
なお、検査処理においては、実行処理部としてのマイクロコンピュータ604は、信号入力部からの信号入力が所定の組合せとなっているかの判定と、これに基づいて行なう検査装置1000に対する信号出力以外の制御を実行しない。
なお、図18のようにI/OポートP3〜P7の入力をプルダウンしている場合は、上記ステップS701、S703、S705の検査処理では、これらの接地電位の信号レベルも同時に検査開始の条件として検出され、また、その検査処理によって、信号入力部に接続された遊技用装置が正常であるか、あるいは遊技用装置からの信号線の状態が正常であるか、たとえば断線などの問題がなく確実に接地されているか否か、などを検査することができる。
<遊技中のI/Oポート検出処理(リール停止処理)>
図9は、主制御基板のマイクロコンピュータ604が行う図8の検査処理におけるI/Oポート検出処理と対比するため、遊技中のI/Oポート検出処理の一例として主制御基板のマイクロコンピュータ604が行う図6のステップS115のリール停止処理を示したフローチャートである。
図9のリール停止処理では、スロットマシン100の全リール(110、111、112)が停止していない間、左中右の停止(ストップ)ボタン(137、138、139)の操作に応じて対応するリール(110、111、112)を停止させるものである。すなわち、本実施例のスロットマシン100は、遊技中は第1の信号の入力状態に基づいて第1の遊技処理を実行し、第2の信号の入力状態に基づいて第2の遊技処理を実行し、また、第3の信号の入力状態に基づいて第3の遊技処理を実行する(第1、第2、第3(…)の入力状態に基づいて第1、第2、第3(…)の遊技処理を実行する)。
図9のステップS801では、全リール(110、111、112)が停止していないか否かを判定し、いずれかのリールがまだ停止していない場合、ステップS803以降の処理を行う。全リール(110、111、112)が停止している場合には図6のメイン処理に復帰する。
いずれかのリールがまだ停止していない場合、ステップS803、S807、S811において順次、左中右の停止(ストップ)ボタン(137、138、139)に対応(図18)するI/OポートP0、P1、およびP2の状態を調べ、入力があれば、すなわち、左中右の停止(ストップ)ボタン(137、138、139)がそれぞれ操作されている場合には、ステップS805、S809、S813において対応するリール(110、111、112)を停止する制御を行い、その後、図6のメイン処理に復帰する。
ここで、I/OポートP0〜P7は、上述のIN命令で同時に取り込むことができるが、ステップS803、S807、S811では、各々I/OポートP0、P1、またはP2の入力状態のみを検出する。
以上のリール停止処理に示したように、遊技中のI/Oポート検出処理においては、図8の検査処理と異なり、左中右の停止(ストップ)ボタン(137、138、139)に対応するI/OポートP0、P1、またはP2の入力状態のみをそれぞれ個別に検出し、対応するリールを停止させる処理を行っている(上述の図17(a)の遊技中の状態)。
これに対して、上述したように、図8で説明した検査処理では、遊技中にはそれぞれ個別に検出する信号入力部(P0、P1、P2)の状態を同時に取り込み、その信号入力状態が所定の組み合せになっていることを条件として、またその信号入力状態の所定の組み合せによって複数の信号の特定の信号入力状態を検査することができる(上述の図17(b)の検査中の状態)。
このように、遊技中には用いない信号入力部(P0、P1、P2)に対する信号入力の組み合せを用いることによって、複数の信号の特定の信号入力状態をほぼ同時に効率よく検査することができ、また、遊技中の処理(図9)ではその信号の組み合せは当然ながら検出しないから誤まって検査処理が遊技中に起動されてしまうことを防止することができる。
なお、図9のようなリール停止処理においては、処理実行部としてのマイクロコンピュータ604(CPU304)は、第1の信号入力部の入力があったことに基づいて遊技処理として第1の遊技処理(例えば左リールの停止)を実行した場合は、特定の条件を満たさなければ前記第2(第3)の信号入力部の入力があったことに基づいて遊技処理として第2(第3)の遊技処理(例えば中リールや右リールの停止)を実行しないようにプログラムされる。たとえば、図9のステップS805、S809、S813の内部には、適当な所定時間を計時するループなどを実装し、その間はあるリールを停止させる時には次のリール停止を受け付けない(ステップS801に戻って次の信号入力を読み取らない)ようにする。
第1の信号入力部の入力があったことに基づいて遊技処理として第1の遊技処理(例えば左リールの停止)を実行した場合は、特定の条件を満たさなければ前記第2(第3)の信号入力部の入力があったことに基づいて遊技処理として第2(第3)の遊技処理(例えば中リールや右リールの停止)を実行しないようにする特定の条件は、上記のような所定の時間の経過(たとえば、第1の遊技処理の実行開始または終了から所定の時間が経過したこと)が考えられるが、また、第1の遊技処理により移動する第1の移動体(例えばリール、シャッタの扉など)が所定の位置まで移動したこと(所定の移動状態となったこと=停止など)を条件としてもよい。
なお、以上では、左停止(ストップ)ボタン(137)、中停止(ストップ)ボタン(138)、右停止(ストップ)ボタン(139)の各操作検出回路のセンサ信号を入力する信号入力部を例に説明したが、例えば第1の信号入力部に信号を出力するのが第1の移動体(ここでは第1の演出用駆動装置160:上述のシャッタ)の移動検出センサ、第2の信号入力部に信号を出力するのが第2の移動体(ここでは第2の演出用駆動装置143a:上述のスピーカ枠駆動装置)の移動検出センサとなっている構成においても同様の制御(遊技処理(図9)、検査処理(図8))を行うことができる。その場合、第1、第2の演出用駆動装置143a、160のように例えば移動体が大型であるなどして、それぞれの演出用駆動装置143a、160の第1の移動体と第2の移動体は遊技中は同時に移動できない制約が生じる場合がある。たとえば、この種の大型の移動体は同時に駆動すると許容電力を超えてしまったり、同時に駆動すると制御部の処理落ちが生じるなどの可能性がある。このような構成においては、検査処理(図8)中は検査対象(演出用駆動装置143a、160)以外の処理を実行しないよう制御することで電力の消費軽減や処理負荷の軽減を行うことができる。
また、第1の演出用駆動装置160のシャッタの左右の扉をそれぞれ第1の移動体の移動中と第2の移動体として割り当て、それらの移動センサから第1、第2の信号入力部に信号を出力するような構成においても同等の制御(遊技処理(図9)、検査処理(図8))を行うことができる。その場合、シャッタの左右の扉には、通常、移動範囲が共通になっている領域があり、例えば遊技中は生じないような信号入力の組合せを検査中に発生すると、第1の移動体の移動中に第2の移動体を移動すると衝突してしまう可能性もある。そこで、検査時は移動体ではなく所定の検査ジグにより検査することでそのような事象が生じないよう制御することが考えられる。
また、上述の検査処理は工場の最終組立時の検査の際に実行される検査処理である必要はなく、例えば、個々の基板完成時の検査として実行されるものであってもよい。このような場合には上述のような消費電力や移動範囲の制約が生じないから、上記のような検査ジグを用いなくても済む。
なお、上述の図7に示した初期設定処理は遊技処理を構成しない。そして、上述のように、この初期設定内で検査処理を実行するか否かを判定する(ステップS603)ようになっているため、検査処理を実行するか否かは実際の遊技制御が開始された後は判断されないため、遊技中に検査処理が開始されてしまったり、またそれによって不正遊技などが行われてしまうのを防止することができる。
遊技台出荷後においては、検査処理を実行するか否かを判定する入力ポートに信号が入力されないようにする手段を装着するような構成も考えられる。図18のようにI/OポートP3〜P7の入力をプルダウンしている場合、これらの接地電位の信号レベルも同時に検査開始の条件として検出されるものとして説明したが、これらの信号の信号レベルが検査処理を実行するか否かを判定する信号レベルの組合せ(図18の例では全て接地電位)とならないように変更するための抵抗アレイやショートピンを用意し、これを遊技台出荷後は制御基板に装着しておく、といった構成により、遊技台出荷後においては、検査処理を実行できないようにすることができる。
以下、図10および図11を用いて、主制御部300のタイマ割込処理と、第1副制御部の処理につき説明しておく。
<主制御部タイマ割込処理>
図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、ポート入力処理を行う。上述の検査処理(図8)、リール停止処理(図9)において行なう入力ポートの状態の取り込みは、このタイマ割込によるポート入力処理により実行される。このポート入力処理では、I/O310の入力ポート(図4、図18におけるI/OポートP0〜P7)を介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS203では、各種遊技処理を行う。このとき、例えば各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得し、このステータスに従った遊技制御処理を行う。
ステップS205では、例えばステップS201において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。
ステップS207では、現在の遊技状態に応じて各種ランプ338の点灯や点滅状態を制御し、ステップS209では、現在の遊技状態に応じて各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS211では、集中端子板信号処理を行う。ここでは、情報出力回路334(外部集中端子板248)を介して外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
ステップS213では、ポート出力処理を行う。例えば、上述の図8に示した検査処理において、検査装置1000に対してI/OポートP8〜P15を介して行なうポート出力はこのステップにおいて行う。また、このポート出力処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、カウンタタイマ312の値を更新するカウンタ更新処理を行う。
ステップS217では、各種のコマンドを第1副制御部400に送信するコマンド設定送信処理を行う。第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS219では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS223に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS221に進む。
電源の遮断を検知していない場合、ステップS221において、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、図10のタイマ割込開始時に不図示のステップにおいて一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、電源の遮断を検知した場合、ステップS223において、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の制御>
次に、図11を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、同図(b)は第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、同図(c)は第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図11(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS311では、ステップS307で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS315では、ステップS307で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS317では、ステップS307で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力するための情報出力処理を行う。
ステップS319では、ステップS307で読み出した演出データの中に図3の第1の演出用駆動装置160(演出装置160(シャッタ))の駆動処理を制御コマンドがある場合には、第1の演出用駆動装置160に対してこの制御コマンドを出力する。
ステップS321では、ステップS307で読み出した演出データの中に図3の第2の演出用駆動装置143a(例えば音孔143の外枠を移動させるモータ)の駆動処理を制御コマンドがある場合には、第2の演出用駆動装置143aに対してこの制御コマンドを出力し、ステップS303へ戻る。
次に、図11(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図11(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部400のタイマ割込処理のステップS501では、図11(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS503では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
なお、以上では、検査処理の実行条件、および検査処理それ自体の判定内容である信号入力部からの信号入力が所定の組合せとなっているか否かの判定の対象は、マイクロコンピュータ604のI/OポートP0〜P7(…)に入力される信号であった。しかしながら、この信号入力部からの信号入力が所定の組合せとなっているか否かの判定の対象は、マイクロコンピュータのI/Oポートに限定されるものではなく、例えば複数の入力のうち1つが割込み用のポートでであってもよい。その場合、検査処理中は、このポートの割込み処理内で、別途行なわれているI/Oポートの信号チェックと並行して、別の信号チェックをする(ストローブ割込み内でピンチェックをする)処理を行なうような並列的な検査処理を行なうこともできる。
以上の実施例1では、検査装置1000を主制御部300を構成する主制御基板600と組み合せて主制御基板600の機能を検査する構成を例示した。しかしながら、同様の構成は検査装置1000を用いて第1副制御部400や、第2副制御部500のような他の基板を検査する場合にも適用することができる。
以下では、このような構成につき、第1副制御部400に検査装置1000を組合せる場合を例として説明するが、第2副制御部500など他の基板と検査装置1000を組合せる場合でも同様の構成を実施できるのはいうまでもない。
以下の図面で新たに図示する以外のスロットマシン100の構成は上述と同様であるものとし、その詳細な説明は省略する。また、以下では同一ないし相当する部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
<第1副制御基板>
図13は実施例1の図4に相当する形式で第1副制御部400を構成する第1副制御基板700の構成を示したブロック図である。
図13において、符号700は、図3に1ブロックで示した第1副制御部400に相当する第1副制御基板である。第1副制御基板700は上述のCPU404を含むマイクロコンピュータ704を含み、そのアドレス端子A0〜A7、およびデータ端子D0〜D7、チップセレクト端子CS0、CS1には、ROM706、RAM708が接続されている(図3のROM406、RAM408に相当)。
図13では、図3に示した第2副制御部500との接続回路や、メモリI/OのためのRD、WR端子などは図示を省略している。また、この例では、マイクロコンピュータ704のリセット端子RESET、割り込み端子NMIなどは、電源端子VCCとともに3.3Vの電源端子に配線されている。
図13の回路では、コネクタ1004を介して、各種センサ回路(318)または検査装置1000からの入力信号1016を入力し、また、コネクタ1002を介して検査装置1000(または図3の駆動回路422、424、426など)と接続するために、2つのバッファ回路1003、1005を設けてある。このうち、バッファ回路1005はマイクロコンピュータ604のI/Oポート端子P0〜P7に接続され、バッファ回路1003はマイクロコンピュータ604のI/Oポート端子P8〜P15に接続されている。
図13の例では、入力信号1016を入力する各種センサ回路は、主制御部300側に示した図3の各種センサ318と、そのセンサ回路320にほぼ相当し、本実施例ではそのうちスタートレバー(135)操作検出回路、左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路からの2本の入力信号1016をコネクタ1004、バッファ回路1005を介してI/Oポート端子P0、P1に接続している。バッファ回路1005の残りの入力端子は無接続(NC)としてある。
このように、本実施例2では、実施例1では主制御部300によって検出していたスタートレバー(135)操作検出回路、左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路からの入力信号を第1副制御基板700に入力するようにしているが、このような構成は例えば主制御部300側のポート数が足りなくなった場合に実施できる。もちろん、他の適当な回路からの入力信号をコネクタ1004、およびバッファ回路1005を介してI/Oポート端子P0〜P7に接続してもよい。
さらに、図13では、コネクタ1014、およびバッファ回路1015を介して主制御部300の出力信号をマイクロコンピュータ704のI/Oポート端子P16〜P23に入力するよう構成してある。すなわち、コネクタ1014、およびバッファ回路1015は主制御部300からの出力信号を入力する信号入力部である。
本実施例では、主制御部300/主制御基板600廻りは、全く同じように構成してあってよく、その場合、上述と同様にして検査装置1000を用いて主制御基板600の信号入力機能を検査することができる。
<第1副制御部の制御、初期設定処理>
次に図14により本実施例の第1副制御部400の処理について説明する。図(a)は第1副制御部400のCPU404(図13のマイクロコンピュータ704に含まれる)が実行するメイン処理のフローチャート、同図(b)は第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、同図(c)は第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
図14(a)〜(c)は、ほぼ実施例1の図11(a)〜(c)と同等の内容であり、異なるステップ番号を付したステップS1301以外のステップは、同じステップ番号を用いて示した図11のステップとそれぞれ同じであるから、ここではステップS1301の初期設定処理以外のステップについては重複した説明を省略する。
本実施例の図14(a)のステップS1301の初期設定処理は、図15に示すように実行される。図15は、図6のステップS1301において第1副制御基板700のマイクロコンピュータ704が行う初期設定処理の流れを詳細に示したフローチャートである。
図15のステップS1601では、ステップS1607の検査処理においても必要になる最低限の初期設定、例えば、マイクロコンピュータ704のCPU404のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O410の初期設定などを行う。
ステップS1603では、検査装置1000から検査開始を指令する所定信号が入力されたか否かを判定する。検査装置1000は、図13の入力信号1016として、たとえば特定の信号パターンを有する所定信号を入力して検査開始を指令するものとする。その信号入力パターンは、あらかじめ定めた特定の検査開始コマンドを表現するものとするが、あるいは、下記の検査処理(図16)において、検出する所定の信号の組合せであってもよい。ステップS1603で検査装置1000から検査開始を指令する所定信号が入力された場合には、ステップS1607において検査処理(図16)を実行し、検査開始を指令する所定信号が入力されていない場合にはステップS1605に移行する。
ステップS1605では、RAM408に記憶する各種変数の初期設定、その他の設定等を行い、図14(a)のメイン処理に復帰する。
<検査処理>
図16は図15のステップS1607に示した第1副制御基板700のマイクロコンピュータ704が行う検査処理の流れを詳細に示したフローチャートである。
図16のステップS1701では、I/OポートP0〜P7(図13)に所定の信号の組み合せからなる信号入力があったか否かを判定する。ここで、複数のI/OポートP0〜P7の信号の状態の検出は、多くのCPUにおいて周知のたとえばIN命令のようなCPUインストラクション(命令)を用いて同時に行うことができる。このような命令による同時信号入力は、遊技中の検出処理(たとえば図9のリール停止処理において示した処理と同様)では用いず、図16の検査処理においてのみ用いるものとする。
なお、マイクロコンピュータ704の内部処理においては、ステップS1701の判定は、P0〜P7の状態を入力してレジスタAに記憶し、さらにP16〜P23の状態も入力してレジスタBに記憶し、所定の組み合わせとなるデータとレジスタAとレジスタBを合わせたものを2バイトの演算命令にて演算し、結果をもとに正常か異常を判定する、といった手法により実施することができる。
本実施例の場合、ステップS1701でI/OポートP0〜P7(図13)に所定の信号の組み合せからなる信号入力を検出できなかった場合には、上記の検査開始コマンド入力(図15のステップS1603)があったにもかかわらず、上記の所定の信号の組み合せからなる入力がなければ、ステップS1705においてコネクタ1002(図13)を介して検査装置1000に対して異常を示す(検査装置1000が異常と判定可能な)第2の信号を出力する。
このI/OポートP0〜P7(図13)に入力すべき所定の信号の組み合せからなる信号入力は、本実施例では検査開始の条件となっているが、同時にこの所定の信号の組み合せからなる信号入力によってI/OポートP0〜P7(図13)に入力される各種センサの機能をテストする信号とすることができる。たとえば、図13のようにコネクタ1004を介して検査装置1000がスタートレバー(135)操作検出回路、および左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路の出力信号に相当するI/OポートP0、P1に信号入力するように接続される場合、通常遊技中の信号入力処理(例えば図9に示したリール停止処理)では同時に検出しないこれらの2つ操作手段のセンサ信号の検出機能を同時、あるいは所定のパターンで検査するための信号を検査装置1000から入力することができる。
したがって、ステップS1701で、I/OポートP0〜P7(図13)に入力された信号が所定の信号の組み合せからなる信号入力であった場合には、スタートレバー(135)操作検出回路、および左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路の検出機能を同時、あるいは所定のパターンで検査し、その結果が正常であったことになるので、検査装置1000に対してコネクタ1002を介して検査結果が正常であったことを示す(検査装置1000が正常と判定可能な)第1の信号を出力する。このための信号パターンは任意であるが、たとえば、I/OポートP0〜P7に入力される所定の信号の組み合せの信号をそのままI/OポートP8〜P15、バッファ回路1003、コネクタ1002を介して返送する、といった信号形式を用いることができる。
ステップS1707では、他の検査処理を実行する。ここでは、ステップS1701、S1703、S1705に示したのと同様の処理によって、たとえば上記とは異なるI/Oポート(図13)に接続される入力信号1016に対応する各種センサの検出機能を引き続き検査することができる。
なお、検査処理においては、実行処理部としてのマイクロコンピュータ704は、信号入力部からの信号入力が所定の組合せとなっているかの判定と、これに基づいて行なう検査装置1000に対する信号出力以外の制御を実行しない。
なお、図13のようにI/OポートP2〜P7に相当するバッファ回路1005の入力端子を無接続(NC)としている場合、上記ステップS1701、S1703、S1705の検査処理では、この無接続(NC)状態によってバッファ回路1005から出力されるの信号レベル(たとえばハイレベル、など)も同時に検査開始の条件として検出され、また、その検査処理によって、信号入力部に接続された遊技用装置が正常であるか、あるいは遊技用装置からの信号線の状態が正常であるか、たとえば断線などの問題がなく確実に接地されているか否か、などを検査することができる。
なお、図9で説明したリール停止処理などの遊技中のI/Oポート検出処理での個々の信号入力部からの入力状態のみをそれぞれ個別に検出する(上述の図17(a)の遊技中の状態)が、これに対して、上述したように、図16の検査処理では、遊技中にはそれぞれ個別に検出する信号入力部(P0、P1)の状態を同時に取り込み、その信号入力状態が所定の組み合せになっていることを条件として、またその信号入力状態の所定の組み合せによって複数の信号の特定の信号入力状態を検査することができる(上述の図17(b)の検査中の状態)。
また、本実施例においては、図13に示したようにコネクタ1014、およびバッファ回路1015は、信号入力部として主制御部300からの出力信号を入力するが、主制御部300からこの信号入力部を介してI/Oポート端子P16〜P23に入力される信号を、上記の所定の信号の組み合せからなる信号入力として判定する判定対象に含めてもよい。その場合、主制御部300から所定の所定の信号の組み合せからなる信号入力を受けた時にのみ検査処理を実行し、また、その所定の所定の信号の組み合せからなる信号入力によって主制御部300(上記の遊技用装置として考えることができる)の検査を行うこともできる。
このように、検査処理では、マイクロコンピュータ704(実施例1のマイクロコンピュータ604であっても同様)のI/Oポートからの入力がある全ての入力の入力状態の組み合わせに基づいて所定の処理を実行するよう制御を行うことができる。すなわち、所定の信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部の入力した前記所定の信号に基づいて、遊技時に実行される遊技処理、または検査時に実行される検査処理を実行する処理実行部と、を備えた遊技台において、前記信号入力部は、第1、第2、第3…の複数の信号を入力する第1、第2、第3…の複数の信号入力部を備え、処理実行部は前記第1、第2、第3…の複数の信号入力部の入力状態が所定の組み合わせであることに基づいて前記遊技処理を実行せず、前記第1、第2、第3…の複数の信号入力部の入力状態が所定の組み合わせであることに基づいて前記検査処理を実行するように構成することができる。このような構成によって、より多数の遊技用装置(遊技台構成部材)の検査をより迅速に行うことができるようになる。
<検査制御および遊技制御の変形例:操作の同時性に関して>
以下、上記の実施例1および実施例2を補足するために、以下、実施例3として検査制御および遊技制御における操作の同時性の取り扱いに関する構成、および制御につき記載しておく。以下では、ハードウェア的あるいはソフトウェア的な構成のうち、上述と同様である部分については、重複した説明は省略するものとする。
なお、遊技台がスロットマシンの場合を考えると、例えば、上述の左停止(ストップ)ボタン137、中停止(ストップ)ボタン138、および右停止(ストップ)ボタン139(図1)の操作については、一般にこれらの操作部の同時押しは認めない、あるいは同時押しによって特別な遊技動作が起きないように制御を行うのが普通である。
例えば、遊技中は遊技中は左停止ボタン137と右停止ボタン139の両方を同時に押しても、その操作が、人間の操作感覚での「同時」操作(例えば同時と判定する時間間隔:0.1〜0.数秒程度の範囲内)であれば、早く押された一方のボタンに対応するリールが停止するよう制御し、もし、機械的/電気的な意味での「同時」操作(上記の範囲より短い時間間隔:0〜0.1秒の範囲内、または時間差0の完全な同時操作)であれば、予め定めておいたリールが1つだけ停止するよう制御する(たとえば、左、中、右の順で優先順位を定めておき、同時押しと検出した場合にはその優先順位が高いほうの1つリールのみ停止させる)。いずれにしても、遊技中は左停止(ストップ)ボタン137、中停止(ストップ)ボタン138、右停止(ストップ)ボタン139については、いずれか1つづつの操作しか許容せず、同時押しによって特別な遊技動作が起きないように制御を行う。
一方、本発明においては、検査中は、上記のような排他的な制御を行う遊技中とは異なる制御を行う、すなわち、左停止(ストップ)ボタン137、中停止(ストップ)ボタン138、右停止(ストップ)ボタン139のような操作部の同時操作に相当するような信号入力の組合せが生じた場合には、それが上記の人間の操作感覚での「同時」操作、または機械的/電気的な意味での「同時」操作のいずれに対応するような信号入力の組合せが生じた場合にも、その組み合せに合致した検査動作(リール停止操作の場合には両方のリールを同時に停止する、あるいは処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)がそれに対応する信号出力を行う)を行う点に特徴がある。
図8、および図9に示した制御により、上記のような制御は可能である。例えば遊技中に相当する図9のリール停止処理については、左停止(ストップ)ボタン137、中停止(ストップ)ボタン138、右停止(ストップ)ボタン139による停止操作を1つづつ検出し、1つの停止操作を検出したら、それ以上別の停止操作を検出しないように制御することによって、上記の遊技中の制御、すなわち、同時押しによって特別な遊技動作が起きないように制御を行うことができる。また、図8に示した検査制御においては、所定の信号の組合せによってその組み合せに合致した検査動作(リール停止操作の場合には両方のリールを同時に停止する、あるいは処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)がそれに対応する信号出力を行う)を行うことができる。
しかしながら、以下では、遊技中、および検査中の制御において、上述と同様の操作ないしそれに対応した信号入力の組合せ、および同時性に関する制御を行うために採用できる、図8、図9の記載とは、少々異なる構成につき念のため説明しておく。
そのために、ここでは、RAM(308や408)に遊技時または検査時を識別するための遊技中・検査中識別情報格納領域を備えるものとする。
そして、所定の条件が成立した(例えば図7のステップS603や図8のステップS701が成立した)場合に、該遊技中・検査中識別情報格納領域に検査中識別情報をセットし、この検査中識別情報がセットされていれば、処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は検査中用処理を実行する。また、所定の条件が成立した(例えば図7のステップS603や図8のステップS701が成立しなかった)場合には、該遊技中・検査中識別情報格納領域に遊技中識別情報をセットし、遊技中識別情報がセットされていれば、処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は遊技中用処理を実行するよう制御を行う。
ここで、RAM(308や408)の遊技中・検査中識別情報格納領域に検査中であることを示す検査中識別情報が記憶されている場合には、検査時であることから第1の信号線(たとえば図4あるいは図13のI/Oポート端子P0)からのオン信号と第2の信号線(たとえば図4あるいは図13のI/Oポート端子P1)からのオン信号を同時に入力した場合には、処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は第1の信号線からオン信号を入力したことに基づいて行なう第1の処理と、第2の信号線からオン信号を入力したことに基づいて行なう第2の処理と、の両方を実行する。
以下では、このような構成における制御について、左停止(ストップ)ボタン137、中停止(ストップ)ボタン138がそれぞれ押下(操作)されると、第1の信号線(たとえば図4あるいは図13のI/Oポート端子P0)からのオン信号、第2の信号線(たとえば図4あるいは図13のI/Oポート端子P1)からのオン信号が生成される構成を例として説明する。
その場合、第1の信号線は所定の操作部(例えば左停止ボタン137)が操作者(例えば遊技者、遊技店員)によって所定の操作(例えば押下げ操作)がなされた場合にオン信号を伝送する信号線であり、その第1の信号線からオン信号を入力したことに基づいて、第1の処理(例えば左リール110を停止する左リール停止処理)を実行する。また、第2の信号線は所定の操作部(例えば中停止ボタン138)が操作者(例えば遊技者、遊技店員)によって所定の操作(例えば押下げ操作)がなされた場合にオン信号を伝送する信号線であり、その第2の信号線からオン信号を入力したことに基づいて、第2の処理(例えば中リール111を停止する中リール停止処理)を実行する。
そして、検査時は、例えば検査装置1000の信号入力によって、操作者が左停止ボタン137、中停止ボタン138の両方について所定の操作(例えば押下げ動作)が同時に行われたのと同じ信号の組合せが第1および第2の信号線に生じた場合には、処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は左リールと中リールは同時に停止する。すなわち処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は同時に第1の処理と第2の処理を実行する。ここで同時とは所定の操作(例えば押し下げ操作、押し下げ状態を解除する操作)の人為的な時間の誤差の範囲(例えば上述の人間が行う操作について同時と判定する時間間隔:0.1〜0.数秒程度の範囲)内の信号の組合せも同時操作として取り扱うものとする。
例えば、操作者が左停止ボタン137を押し下げてから0.1秒後に中停止ボタン138を押し下げたのと等価な信号の組合せが第1および第2の信号線に生じた場合には、左リール停止処理が実行されて、左リール110は停止する。また中リール停止処理も実行し、中リール111も停止する。このとき中リールの停止が左リール110の停止から0.1秒後かどうか、左リール110の停止後に中リール停止処理が開始され中リールが停止するかどうかは特に限定しないが、このような構成により、検査時間の短縮が可能となるとともに、第1および第2の信号線に発生する信号のタイミングの誤差(例えば偶然に完全な同時になる)などによって検査処理が長引くことを防げる場合がある。
一方、RAM(308や408)の遊技中・検査中識別情報格納領域に遊技中を示す遊技中識別情報が記憶されている場合には、遊技時であることから第1の信号線からのオン信号と第2の信号線からのオン信号を同時に入力した場合には、処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は第1の信号線からオン信号を入力したことに基づいて行なう第1の処理と、第2の信号線からオン信号を入力したことに基づいて行なう第2の処理と、のうちの予め定められた一方の処理を実行する。
そして、遊技中は、操作者が左停止ボタン137、中停止ボタン138の両方を同時に押すと、処理実行部(マイクロコンピュータ604、704)は左リール110と中リール111のうちの一方の予め定めたリールのみを停止させる制御を行う。例えば左リールは停止し、中リールは停止しない。すなわち、制御的には第1の処理は実行し、第2の処理は実行しない。
以上のように本実施例では、複数の状態検出部(例えばリール停止ボタンが押されたことを検知するセンサ)のうちの第1の状態検出部(例えば左停止ボタン137が押されたことを検知するセンサ)が特定の状態(例えば押し下げ状態、オン状態)を検出した場合に、該第1の検出状態部に接続された第1の信号線がオン状態を伝送し、該第1の信号線からオン信号を入力したことに基づいて、第1の処理を実行するとともに、複数の状態検出部のうちの第2の状態検出部(例えば中停止ボタン138が押されたことを検知するセンサ)が特定の状態(例えば押し下げ状態、オン状態)を検出した場合に、該第2の検出状態部に接続された第2の信号線がオン状態を伝送し、該第2の信号線からオン信号を入力したことに基づいて、第2の処理を実行するように制御を行う。そして、複数の状態検出部のうちの第1の状態検出部と第2の状態検出部が特定の状態(例えば押し下げ状態、オン状態)を同時に検出したことに基づいて、第1の信号線および第2の信号線から同時にオン信号を入力した際に、所定の記憶領域に設けた検査中・遊技中識別情報記憶領域に検査中を示す情報が格納されている場合には、上述の第1の処理および上述の第2の処理の両方を実行し、検査中・遊技中識別情報記憶領域に遊技中を示す情報が格納されている場合には、上述の第1の処理および上述の第2の処理のうちの一方の処理(例えば予め定めた一方の処理)のみを実行する。このような構成を検査制御および遊技制御における操作の同時性の取り扱いに関する構成として採用することができる。
ここで上述の実施例1および実施例2と対応させると、遊技処理は上述の第1の処理および上述の第2の処理のうちの(予め定めた)一方の処理のみを行なうことに対応し、検査処理は上述の第1の処理および上述の第2の処理の両方の処理を行なうことに対応する。
なお、上述の所定の操作が同時にされたとする時間範囲は、例えば、上述の第1の状態検出部が上述の特定の状態を検出した場合に、該第1の検出状態部に接続された第1の信号線がオン状態を伝送し、該第1の信号線からオン信号を入力したことに基づいて、上述の第1の処理の実行を開始してから終了するまでの間に、複数の状態検出部のうちの第2の状態検出部が特定の状態を検出した場合に、該第2の検出状態部に接続された第2の信号線がオン状態を伝送し、該第2の信号線からオン信号を入力したことも同時入力として取り扱っても良い。
また、他の例では、上述の第1の状態検出部が上述の特定の状態を検出した場合に、該第1の検出状態部に接続された第1の信号線がオン状態を伝送し、該第1の信号線からオン信号を入力してから該第1の信号線からオフ信号を入力する前に、複数の状態検出部のうちの第2の状態検出部が特定の状態を検出した場合に、該第2の検出状態部に接続された第2の信号線がオン状態を伝送し、該第2の信号線からオン信号を入力したことも同時入力として取り扱っても良い。
また、上述の例におけるオン信号、オフ信号について具体的に付記しておくと、所定の信号線に印加されている電圧の値が第1のレベル(例えば3V以上)であることをオン信号とし、該信号線に印加されている電圧の値が第2のレベル(例えば3V未満)であることをオフ信号としてもよい。この例のように電気的な所定の特性が所定のしきい値を超えている場合をオン信号およびオフ信号のうちの一方とし、該しきい値未満である場合をオン信号およびオフ信号のうちの他方とするように取り扱えばよい。
なお、本実施例では、以上の記述において、第1の処理、第2の処理として左リール110を停止する左リール停止処理、中リール111を停止する中リール停止処理を例示してきたが、これに限定されず、第1の処理を所定の動作が可能な第1の可動物に所定の動作パターンに基づいた動作をさせる第1の動作処理を適用し、第2の処理を所定の動作が可能な第2の可動物に所定の動作パターンに基づいた動作をさせる第2の動作処理を適用してもよいのはいうまでもない。例えば画像表示装置など演出用表示装置(例えば図1の液晶表示装置157)や演出用装飾物の1部または全部を覆うための第1のシャッタ部材(例えば右シャッタ163a)を第1の可動物として適用し、該演出用表示装置や該演出用装飾物、または別の演出用表示装置や別の該演出用装飾物の1部または全部を覆うための第2のシャッタ部材(例えば右シャッタ163b)を第2の可動物として適用してもよい。
また、上述の左リール110や中リール111は、リールテープをフレームに巻いた構成などに限定されず、画像表示装置(例えば液晶表示装置などにより構成する)に複数の図柄画像を循環表示する画像による図柄表示装置を一つの可変表示装置とし、第1の処理は所定の第1の可変表示装置を停止する処理とし、第2の処理は所定の第2の可変表示装置を停止する処理として適用しても良い。もちろん第1の可変表示装置や第2の可変表示装置を一つの画像表示装置の表示領域を異ならせることで構成しても良いし、別の画像表示装置で構成してもよい。
<作用効果>
以上に示した実施例の構成をより抽象的にとらえ、その効果を要約して示すと次の通りとなる。上記実施例中の部材との対応は主にかっこ書きで示す。
信号入力部(コネクタ1004、バッファ回路1055は)の入力した所定の信号に基づいて、遊技時に実行される遊技処理(リール停止処理:図9)、または検査時に実行される検査処理(検査処理:図8)を実行する処理実行部(マイクロコンピュータ604)と、を備えた遊技台において、前記信号入力部は、スタートレバー(135)操作検出回路、左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路、中停止(ストップ)ボタン(138)操作検出回路、右停止(ストップ)ボタン(139)操作検出回路などの遊技用装置からの信号のうち任意の信号を第1および第2の信号として、これらのうち第1の信号を入力する第1の信号入力部と、第2の信号を入力する第2の信号入力部と、を備えており、前記処理実行部は第1の信号入力部の入力状態および第2の信号入力部の入力状態が所定の組み合わせであることに基づいて前記遊技処理を実行せず、第1の信号入力部の入力状態および第2の信号入力部の入力状態が所定の組み合わせであることに基づいて前記検査処理を実行するよう構成される。このような構成により、遊技中は第1の信号と第2の信号の入力の組み合わせに基づいて所定の処理を実行しない遊技機であっても、検査中は第1の信号と第2の信号入力の組み合わせに基づいて所定の処理を実行するようにしたことで、遊技中に第1の信号と第2の信号の入力の組み合わせに基づいて所定の処理を実行しない遊技機であっても、検査処理の迅速化を図ることができることがある。例えば、図9で説明したように、通常の遊技中では同時押しなどを検出しない左停止(ストップ)ボタン(137)、中停止(ストップ)ボタン(138)、右停止(ストップ)ボタン(139)などの操作検出回路などの遊技用装置からの信号を、検査処理においては同時に検査することが可能となり、検査処理の迅速化を図ることができることがある。
また、遊技中は発生しないような信号の組合せによって検査処理を行うようにし、これにより検査処理を遊技中には呼び出されないように構成することで、遊技中に検査処理が実行されて予期せぬ動作がされてしまうことを防止できることがある。
また、検査処理として、前記入力状態が所定の組み合わせであるか否かを判定し、所定の組み合わせである場合と、所定の組み合わせ以外である場合とで異なる処理を実行するよう構成することにより、複数の異なる遊技用装置とそれに関連する回路や基板の検査を実行でき、検査処理のためのプログラム作成やテスト等の開発にかかる時間またはコストを削減可能となる。例えば、検査処理時の入力状態の組み合わせの判定を1回のみ行ない(たとえば図7のステップS603において1回のみ行なう)、その後は、複数の検査処理(図8のステップS701、S703、およびS705、とステップS707)を連続して処理することなどによって、検査処理のためのプログラム作成やテスト等の開発にかかる時間またはコストを削減することができることがある。
第1の遊技用装置と、第1の遊技用装置と異なる第2の遊技用装置(スタートレバー(135)操作検出回路、左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路、中停止(ストップ)ボタン(138)操作検出回路、右停止(ストップ)ボタン(139)操作検出回路…など)からの信号入力に基づき遊技制御を行い、また、検査処理を行なう場合、遊技中はそれらの入力状態の組み合わせでは所定の処理は実行せず(図9)、検査中はそれらの入力状態の組み合わせに基づいて所定の処理を実行する(図8)ようにしたことで、一般的には別個に検査される複数の遊技用装置にかかる検査時間を短縮することが可能となる。
また、第1の遊技用装置と、第1の遊技用装置と異なる第2、第3の遊技用装置(スタートレバー(135)操作検出回路、左停止(ストップ)ボタン(137)操作検出回路、中停止(ストップ)ボタン(138)操作検出回路、右停止(ストップ)ボタン(139)操作検出回路…など)からの信号入力に基づき遊技制御を行い、また、検査処理を行なう構成とすることができるため、第1、第2、第3(…)の異なる遊技装置からの複数の入力信号の検査を同時に行なうことができることがある。
処理実行部(マイクロコンピュータ604)が、前記第1の信号入力部の入力があったことに基づいて前記遊技処理として第1の遊技処理を実行した場合は、特定の条件を満たさなければ前記第2の信号入力部の入力があったことに基づいて前記遊技処理として第2の遊技処理を実行しないような構成、特に、遊技中は第1の遊技処理と第2の遊技処理が連続して実行できないように設けられた場合にあっては、検査処理時に第1の遊技処理と第2の遊技処理の入力状態の組み合わせに基づいて所定の処理を実行するようにしたことで、検査時間の短縮を効果的に行うことができることがある。
なお、以上では、スロットマシンを実施例として説明したが、本発明は所定の付与条件が成立した場合に遊技者に所定の利益を付与する利益付与部と、所定の信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部の入力した前記所定の信号に基づいて遊技時に実行される遊技処理または検査時に実行される検査処理を実行する処理実行部と、を備えた遊技台、たとえばパチンコ機などにおいても実施することができる。例えば、上記所定の付与条件はパチンコ機においては、特定の入賞口への遊技球の入賞に基いて行う抽選の抽選結果などに相当し、利益付与部が遊技者に付与する所定の利益は、遊技球の払い出しや入賞確率の変動などに相当し、また、所定の信号を入力する信号入力部は、パチンコ機においては例えばチャンスボタンなどの操作手段のセンサ信号の入力部に相当する。