以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の遷移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口(投入口)124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルのベット枚数である複数の規定枚数のうち、最大規定枚数(例えば3枚)を超えてメダルが投入されると、その最大規定枚数を超えた分のメダルが、所定の上限枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部(メインRAM200c)に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定枚数は「1」〜「3」の複数が設定されている。なお、1遊技を実行するために必要な規定枚数を、遊技者は複数の規定枚数から任意に選択でき、その複数の規定枚数の中の最大のものを最大規定枚数といい、最小のものを最小規定枚数という。本実施形態では、最大規定枚数は「3」となり、最小規定枚数は「1」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち最大規定枚数のメダルをベットする、押圧式のボタンスイッチである。最大規定枚数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、最大規定枚数のメダルがベットされるとともに、貯留枚数が最大規定枚数分だけ減枚される。なお、最大規定枚数未満のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、貯留枚数のメダルの全てがベットされるとともに、貯留枚数が0枚に減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3(a)のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つのリール134a、134b、134cが、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、リール134a、134b、134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、リール134a、134b、134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、リール134a、134b、134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、リール134a、134b、134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを、その位置に応じて左から順にストップスイッチ130a、130b、130cとする。
このように、ストップスイッチ130a、130b、130cを通じた停止操作により、リール134a、134b、134cがそれぞれ停止する。ここでは、その停止態様を遊技者が把握できるように、図3(b)のように、有効ラインが設けられている。有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、リール134a、134b、134cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを当選役の入賞を判定するための有効ラインAとして設定している。また、無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部(画像表示部)138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、演出に用いられる演出用装置142が設けられる。演出用装置142としては、例えば、高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出ランプ160や、液晶表示部138の左右に設けられ、液晶表示部138の前面を左右方向に移動することで液晶表示部138の一部を覆う、扉(シャッタ)に見立てた演出役物装置162や、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置164が配されている。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。
また、図1や図2では図示していないが、各リール134a、134b、134cの内側には、それぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインAや無効ラインB1、B2、C1、C2の対象となり得る)各リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にもリール134a、134b、134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156には内部的に記憶された貯留枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数のリール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選役抽選が実行され、当選役抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ130a、130b、130cに対応するリール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選役に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、制御基板によって制御されている。ここでは、制御基板の一例として、制御基板の機能を分担した、主制御基板200と、副制御基板202とを挙げて説明する。例えば、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312、コマンド決定手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選役抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役、ならびに、不当選のうちいずれかを当選役抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数のリール134a、134b、134cを回転制御し、回転しているリール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップスイッチ130a、130b、130cに対応するリール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選役抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間(ウェイト時間、例えば、4.1秒)より延長し、その間、リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転制御するリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることでも実現できる。
判定手段308は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。状態移行手段312は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて遊技状態を遷移させる。
コマンド決定手段314は、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段316は、コマンド決定手段314が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルの貯留枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、リール134a、134b、134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の総数(例えば65536)内でループさせ(0〜65535)、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を生成(取得)する。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選役抽選乱数という)は、遊技者に付与する、遊技者に有利な遊技利益、例えば、当選役抽選手段304が当選役を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、当選役コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用装置142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出ランプ160、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための照明パターンや、演出役物装置162の駆動パターンを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出ランプ160、演出役物装置162、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役抽選の結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、ボーナス遊技の当選を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選役にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。上記の主制御基板200および副制御基板202を連動させることで、様々な遊技性を構築することができる。以下、主となる遊技態様を詳述する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、状態移行手段312により管理される遊技状態に対応する複数の当選役抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選役抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態等)に応じて、対応する当選役抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選役抽選テーブルと現在の設定値に基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選役抽選乱数が当選役抽選テーブル内のいずれの当選役または不当選に対応するか判定する。ここで、設定値は、遊技利益を得る容易性を段階的に示したものであり、その設定値の数値が高いほど、遊技利益を得易い。なお、設定値は、一般的に、ホール側管理者により少なくとも遊技開始時には決定されており、遊技者が、遊技中に設定値を取得および変更することはできないようになっている。
ここで、当選役抽選テーブルで抽出される当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ラインA上に揃った状態を表示または入賞といい、当選役に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、状態移行手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
また、本実施形態においては、当選役として、図5に示すように、当選役「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「ビッグボーナス(以下「BB」という)」が設けられている。このうち、当選役「リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「ベル」、「チェリー」、「スイカ」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。
(リプレイ役)
当選役抽選の結果、当選役「リプレイ」に当選すると、図5に示した当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技(再遊技)を実行できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。
そして、各リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図5参照)。具体的に、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」に当選すると、これら当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次の1遊技を開始することが可能となる。
(小役)
また、当選役抽選の結果、当選役「ベル」に当選した場合には、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「ベル」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは9枚)のメダルが遊技者に払い出される。ここで、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄「ベル」同士は、各リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので(図3および図5参照)、当選役「リプレイ」同様、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示することができる。
また、当選役抽選の結果、当選役「チェリー」に当選すると、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせである、リール134aに記される図柄「チェリー」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは3枚)のメダルが遊技者に払い出される。なお、当選役「チェリー」に示される「ANY」は、対応する有効ラインA上にいずれの図柄が停止してもよいことを示す。ただし、リール134aにおいては、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄「チェリー」が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図5参照)。そのため、当選役「チェリー」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選役抽選の結果、当選役「スイカ」に当選すると、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「スイカ」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは15枚)のメダルが遊技者に払い出される。ただし、各リール134a、134b、134cにおいては、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄「スイカ」が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図5参照)。そのため、当選役「スイカ」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選役抽選の結果、当選役「BB」に当選すると、図5に示した当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、各リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄「赤7」が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば、297枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ図柄「赤7」が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図5参照)。そのため、当選役「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
なお、上述したいずれかの当選役に当選すると、それぞれの当選役に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、リール134a、134b、134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役に当選したものの、その小役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。また、リプレイ役である当選役「リプレイ」に対応する内部当選フラグが成立した場合には、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。これらに対して、当選役「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。
(遊技状態の遷移)
ここで、BB内部当選フラグについて、遊技状態の遷移と合わせて具体的に説明する。BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図6の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役である当選役「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいてリール134a、134b、134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図6の(2)に示すように、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行する。また、ボーナス遊技状態において、所定枚数(例えば、297枚)を超えるメダルが払い出されると、図6の(3)に示すように、遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に移行する。ただし、図6の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に移行する。
(当選役抽選テーブル)
図7は、当選役抽選乱数を判定する場合に用いられる当選役抽選テーブルを示す図である。当選役抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選役が異なったりする。図7は、各遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)毎に割り当てられた当選領域(当選役)を「○」で表している。したがって、「○」が記載されていない当選領域は、その遊技状態に割り当てられていないことを示す。区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選役が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選役抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選役それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選役抽選乱数の総数で除算した値となる。当選役抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選役抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選役抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選役を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
また、各遊技状態によって抽選の対象となる当選役が異なっている。例えば、図7において、ボーナス非成立遊技状態と、ボーナス成立遊技状態とを比較すると、前者は当選役「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選役「BB」の抽選を行っていない。これは、後者では、既に当選役「BB」に当選しているので重ねて当選役「BB」を当選させることができないからである。また、後者では、前者に比べ、当選役「リプレイ」の当選確率を高く設定している。また、図7のボーナス遊技状態によれば、重ねて当選役「BB」の抽選を行わないとともに、当選役「リプレイ」や当選役「スイカ」の抽選も行われない。また、当選役「ベル」が高確率で当選するように設定されているので、ボーナス非成立遊技状態やボーナス成立遊技状態と比べて、1遊技で獲得できる枚数の平均値を示す期待獲得枚数が高くなっている。なお、当選役抽選テーブルの当選領域0には、「不当選」が対応付けられており、当選役抽選によって「不当選」が決定すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、ボーナス成立遊技状態(BB内部当選フラグがON)において、当選役抽選によって「不当選」が決定すると、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示可能となる。
以下、主制御基板200における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図8は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
また、コマンド決定手段314は、ベット枚数に変更があった場合に、変更されたベット枚数および貯留枚数を示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。かかるベット処理S200については、後程詳述する。
(ステップS300)
次に、当選役抽選手段304は、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。ここで、当選役抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選役抽選乱数から、スタートスイッチ128が操作された時点における1の当選役抽選乱数を取得する。そして、当選役抽選手段304は、図7に示した当選役抽選テーブル、および、現在設定されている遊技状態に基づいて、取得した当選役抽選乱数が、いずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選役または不当選を抽選結果として決定する。また、コマンド決定手段314は、スタートスイッチ128の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選役抽選の抽選結果(当選役または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選役コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選役コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、ボーナス非成立遊技状態において当選役「BB」に当選したことに基づき遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ移行させる。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動してリール134a、134b、134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技におけるリール134a、134b、134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技におけるリール134a、134b、134cの回転を開始し、リール134a、134b、134cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。また、リール制御手段306は、リール演出を実行する場合もある。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ130a、130b、130cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応するリール134a、134b、134cのいずれかを停止制御する。また、コマンド決定手段314は、ストップスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段316は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ移行させる。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態移行手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ移行させる。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド決定手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
上述したように、副制御基板202において、演出制御手段334は、液晶表示部138、スピーカ140、演出用装置142(演出ランプ160、演出役物装置162、演出操作装置164)で行われる遊技の演出を決定する。
図9は、副制御基板202における、液晶表示部138、スピーカ140、演出用装置142の制御態様を説明するためのブロック図であり、図10は、それらに共通する制御態様を示すフローチャートである。副制御基板202に設けられたサブCPU(CPU)202aは、サブROM202bに格納されたプログラムおよびサブRAM202cと協働して、演出制御手段334として機能する。演出制御手段334は、主制御基板200から送信されたコマンドを解読し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出の一連の流れを示す内容)を決定する。そして、演出制御手段334は、決定された演出パターンに基づいて画像IC360a、楽曲IC362a、コントローラ364等の各デバイスにコマンドを送信して演出を実行させる。
このような演出は、電源が投入されている間、割込処理として常時遂行され、所定の割込周期(例えば16.66msec)内に完了する。例えば、演出制御手段334は、図10に示すように、所定の割込周期(例えば16.66msec)の到来を待ち(S10におけるNO)、所定の割込周期が到来すると(S10におけるYES)、演出パターンに基づいた画像データ(演出パターンが示す演出のうち、液晶表示部138に表示する画像に相当するデータ)を決定する(S11)。そして、演出制御手段334は、画像IC360aに対して、画像データを特定可能な画像コマンドを送信し(S12)、ステップS10からの処理を繰り返す。画像IC360aは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROM360bから画像RAM(VRAM)360cに読み出し、画像データを、順次、液晶表示部138に出力する。なお、液晶表示部138には、常に、何かしらの画像が表示される。したがって、演出制御手段334は、割込周期毎に、常に、画像データを決定していることとなる。なお、画像RAM360cは、複数のレイヤ(階層)を有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像IC360aは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、その重畳された画像データを液晶表示部138に出力する。
また、演出制御手段334は、所定の割込周期が到来すると、上記の画像IC360aに対する制御に引き続き、演出パターンに基づいた楽曲データ(演出パターンが示す演出のうち、スピーカ140に出力する楽曲に相当するデータ)を決定する。そして、演出制御手段334は、楽曲IC362aに対して、楽曲データを特定可能な楽曲コマンドを送信する。楽曲IC362aは、楽曲コマンドによって特定される楽曲データを楽曲ROM362bから楽曲IC362aに読み出し、楽曲データを、順次、スピーカ140に出力する。なお、楽曲IC362aは、複数の楽曲バッファ(バッファ)を有し、各楽曲バッファに異なる楽曲データを保持させることができる。そして、楽曲IC362aは、複数の楽曲バッファに保持された楽曲データを重畳し、その重畳された楽曲データをスピーカ140に出力する。
また、演出制御手段334は、所定の割込周期が到来すると、上記の画像IC360aおよび楽曲IC362aに対する制御に引き続き、演出パターンに基づいた照明パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出ランプ160の一連の点灯態様を示す内容)および駆動パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出役物装置162を構成するアクチュエータ(モータ、ソレノイド等)の一連の駆動態様を示す内容)を決定する。そして、演出制御手段334は、その照明パターンおよび駆動パターンに基づいて、コントローラ364に離散コマンドを送信する。コントローラ364は、かかる離散コマンドに従い、複数の演出ランプ160や演出役物装置162に対し、それぞれ独立して発光に関する情報(発光情報)や、駆動に関する、例えば、モータの回転方向(進行方向)、回転量(進行量)、回転速度(進行速度)といった情報(駆動情報)を生成し、生成された発光情報や駆動情報を、シリアル通信を通じて送信する。ここでシリアル通信が用いられるのは、ハーネスの数の抑制や取り回しを簡易化するためである。こうして、複数の演出ランプ160それぞれが独立して点灯制御されるとともに、複数の演出役物装置162それぞれが独立して駆動制御される。また、演出役物装置162は、駆動パターンが決定されたときのみ動作している。したがって、駆動パターンは、画像データ、照明パターン、楽曲データと比較して決定される頻度が低い。
また、コントローラ364は、発光情報や駆動情報を、シリアル通信を通じて送信するとともに、シリアル通信を通じて演出操作装置164等の入力情報(操作有無、操作タイミング、操作回数、操作時間長等)を取得する。演出制御手段334は、かかる入力情報に応じて、液晶表示部138に所定の画像を表示する等、さまざまな演出を決定する。
ここでは、サブCPU202a、サブRAM202c、画像IC360a、画像ROM360b、画像RAM360c、楽曲IC362a、楽曲ROM362b、コントローラ364等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1つの集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、サブCPU202a、サブRAM202c、画像IC360a、画像ROM360b、画像RAM360c、楽曲IC362a、楽曲ROM362b、コントローラ364等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
(演出ランプ160の説明)
図11は、演出ランプ160の処理の流れを説明するための説明図であり、図12は、コントローラ364の送信タイミングを説明するための説明図である。上述したように、副制御基板202において、演出制御手段334は、演出パターンに基づいた照明パターンを決定し、その照明パターンに従って離散コマンドを生成する。ここでは、複数のスレーブ基板(リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374)に設けられたドライバ380を通じ、演出ランプ160としてのLED(発光体)382を発光させる例を説明する。
ここで、リールスレーブ基板370には、各リール134a、134b、134cにおける、例えば、リールバックライト144、リール上方ライト146としてのLED382を発光させるドライバ380が配置されている。上部スレーブ基板372には、前面上扉104における、例えば、液晶表示部138の上下左右に設けられたLED382を発光させるドライバ380が配置されている。下部スレーブ基板374には、前面下扉106における、例えば、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158に設けられたLED382(この場合7SEGのLED)を発光させるドライバ380が配置されている。かかるリールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374には、図11に示すように、副制御基板202から電力が供給され、かかる電力に基づいてLED382が発光する。具体的に、副制御基板202では、電源から12VのDC電源を受け、内部で5V、3.3V、1.25V、1.1V、1.0Vの各種DC電源を生成する。そして、かかるDC電源のうち、5VのDC電源を、リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374それぞれに供給する。したがって、LED382は5VのDC電源により発光することとなる。ここでは、説明の便宜上、リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、および、下部スレーブ基板374の3つのスレーブ基板を通じてLED382を発光させる例を挙げているが、かかる場合に限らず、他のスレーブ基板を採用することもできる。また、ここでは、発光体としてLED382を挙げているが、電球、ランプ、有機ELといったように様々な発光体を用いることができる。
演出制御手段334は、サブROM202bから、照明パターンに対応する制御命令テーブルを読み出す。かかる制御命令テーブルは、演出パターンに基づいて実行される一連の照明パターンを構成する複数の制御命令が時系列にリスト化されたものであり、規定された処理順(順次、分岐、反復)に処理が行われる。ここで、制御命令は、LED382を発光させる発光条件を示す命令であり、例えば、LED382のRGB(Red Green Blue)それぞれの輝度(発光量)、発光時間、点滅の周期等が記述される。
演出制御手段334は、制御命令テーブルの先頭から、所定の時間間隔で制御命令を抽出し、抽出した制御命令を解析し、その解析内容に基づいて離散コマンドを生成してコントローラ364に送信する。例えば、読み出した制御命令が、輝度を徐々に変化させる制御命令「SLINE」であれば、その制御命令に付加された開始時の輝度から、終了時の輝度まで、制御命令に付加された時間をかけて変化させる離散コマンドを生成しコントローラ364に送信する。なお、制御命令が計時処理やセンサ入力に対する処理を伴う場合、演出制御手段334は、それらの処理を自己完結的に行う場合がある。
コントローラ364は、SMC(Serial Management Controller)とも呼ばれ、図11に示すように、1のコントローラ364に対し、複数のスレーブ基板(リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374)それぞれに配置された複数のドライバ380が接続される。かかるコントローラ364と複数のドライバ380とはそれぞれ、少なくともデータ線とクロック線を有するクロック同期式のシリアルバス(ASIB:Axell Serial Interface Bus)でツリー型に接続されている。このように1のコントローラ364に複数のドライバ380を接続することで、コントローラ364は、複数のLED382を一度に制御することができる。
そして、コントローラ364は、演出制御手段334から離散コマンドを受信すると、受信した離散コマンドに従い、図12(a)のように、任意のLED382に対する輝度の照明パターンを内部で自動的に生成する。なお、LED382の照明パターンは、例えば、RGBそれぞれの発光色を担う3つのLED382それぞれに対して生成される。すなわち、RGBのいずれか1のLED382に対し、ドライバ380の1ポートが割り当てられる。そして、コントローラ364は、かかる任意のLED382の照明パターンが変更されるタイミング、例えば、輝度が変化するタイミングが到来すると、図12(b)のように、その変化後の輝度を示した輝度データ(発光量データ)を、対象となるLED382が接続されたドライバ380の識別子と組み合わせ、シリアルデータとしてシリアルバスに出力する。なお、このとき、輝度とPWM(Pulse Width Modulation)との線形性の違いを吸収すべく、コントローラ364は、輝度調整テーブルを通じ、輝度をPWM値に補正する。
ここでは、コントローラ364が、照明パターンが変化するタイミングで、対象となるLED382に対するシリアルデータのみを出力する構成としているので、ドライバとして単にシリアル−パラレル変換のみ行うペリフェラルを用いる場合と比べ、シリアルバスにおける占有時間を短くするとともに、処理負荷や放射ノイズ(例えば、1Mbitの帯域)の低減を図ることが可能となる。
各ドライバ380は、コントローラ364から出力されたシリアルデータを読み出し、そのシリアルデータに付された識別子が自己を指定する識別子であるか否か判定し、その識別子が自己を指定する識別子であれば、シリアルデータ中の輝度データを内部に取り込む。そして、ドライバ380は、その輝度データに従って、対象となるLED382の輝度を設定することでLED382を発光させる。ここで、LED382の輝度は、図12(c)のように、離散信号のPWM制御により、例えば128階調で表現される。したがって、輝度が大きくなるに従い、単位時間当たりのパルス幅が大きくなる。
ここでは、1のコントローラ364で複数のスレーブ基板(リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374)それぞれにおける複数のドライバ380を並行して制御しているものの、上述したように、照明パターンが変化するタイミングでのみ、シリアルデータを出力しているので、ドライバとして単にシリアル−パラレル変換のみ行うペリフェラルを用いる場合と比べ、シリアルバスにおける占有時間を短くするとともに、処理負荷や放射ノイズの低減を図ることが可能となる。
このように、複数のスレーブ基板(リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374)に区分して複数のLED382を点灯制御する場合、副制御基板202は、複数のスレーブ基板それぞれにシリアルデータ(輝度データ)を送信するとともに、電力も供給することとなる。そして、副制御基板202では、通信エラー等の不測の事態が生じると、一旦、複数のスレーブ基板への電力の供給を停止し、各スレーブ基板をリセットする。そうすると、複数のLED382が一旦消灯することとなる。
このような不測の事態が生じた場合、遊技の進行に応じて各リール134a、134b、134cが回転している間においても、スレーブ基板への電力の供給が絶たれ、各リール134a、134b、134cを背面から照射するリールバックライト144や、リールの正面を照射するリール上方ライト146まで消灯してしまう。そうすると、各リール134a、134b、134cに配された図柄の視認性を阻害するおそれがある。そこで、本実施形態では、不測の事態においても、各リール134a、134b、134cの視認性を維持することを目的とする。
図13および図14は、演出ランプ160への電力の供給態様を説明するための説明図である。図13では、シリアル通信と電力の接続関係を示すが、シリアル通信については、図11を用いて既に説明したので、ここでは、主として電力の接続関係を説明する。
上述したように、リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374は、副制御基板202で生成された5VのDC電源から電力の供給を受ける。そして、リールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374それぞれに配置されたドライバ380は、かかる電力の供給を受けて、シリアル通信で取得したシリアルデータに基づき、LED382に電流を流してLED382を点灯制御する。
ただし、副制御基板202においては、リールスレーブ基板370への電力の供給態様と、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374への電力の供給態様とを異ならせている。すなわち、副制御基板202は、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374については、電力を供給するか否かを制御し、リールスレーブ基板370については制御しない。
例えば、演出制御手段334は、通常、トランジスタQ1のベース(B)端子にHIレベル(例えば5V)を出力している。そうすると、トランジスタQ1はONとなり、コレクタ(C)端子とエミッタ(E)端子間に電流が流れ、トランジスタQ2のゲート(G)端子の電位が低くなり、ゲート(G)とソース(S)間の電圧が大きくなるので、ソース(S)とドレイン(D)との間に電流が流れる。こうして、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374に配置されたドライバ380(リールバックライト144やリール上方ライト146と異なる演出ランプ160を発光させる第1ドライバ)は、図14(1)のように、副制御基板202の5VのDC電源から電力の供給を受けることができる(以下、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374に配置されたドライバ380に供給される電力を単に「制御電力」と呼ぶ)。なお、5VのDC電源は、上記のように、スロットマシン100の電源に基づいて生成されており、スロットマシン100の電源がONされている間は、5VのDC電源も常時ONしている。
ただし、演出制御手段334は、通信エラー等の不測の事態が生じると、リセット信号として、トランジスタQ1のベース(B)端子にLOWレベル(例えば0V)を出力する。そうすると、トランジスタQ1はOFFとなり、コレクタ(C)端子とエミッタ(E)端子間に電流が流れなくなり、トランジスタQ2のゲート(G)端子の電位が高くなり、ゲート(G)とソース(S)間の電圧が小さくなるので、ソース(S)とドレイン(D)との間に電流が流れなくなる。こうして、図14(2)のように、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374への電力の供給が停止し、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374に関するLED382が消灯することとなる。
一方、リールスレーブ基板370は、副制御基板202の5VのDC電源に直接接続されている。これは、リールスレーブ基板370に配置されたドライバ380(第2ドライバ)が、副制御基板202の5VのDC電源から、直接、電力の供給を受けることを示す(以下、リールスレーブ基板370に配置されたドライバ380に供給される電力を単に「直電力」と呼ぶ)。そうすると、図14(3)のように、演出制御手段334がリセット信号を出力するか否か(LOWレベルを出力するか否か)に拘わらず、リールスレーブ基板370は、副制御基板202の5VのDC電源から電力の供給を受け続けることができ、リールスレーブ基板370に関するLED382は点灯を維持することが可能となる。なお、このとき、シリアル通信も正常に維持されていれば、リールスレーブ基板370に配置されたドライバ380も正常に動作し続けることとなる。
ここでは、副制御基板202において、通信エラー等が生じた場合に、演出制御手段334によるリセット信号に応じて、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374に配置されたドライバ380への制御電力の供給を停止する。こうすることで、上部スレーブ基板372および下部スレーブ基板374に配置されたドライバ380を初期状態にリセットでき、通信エラー等を解消した後は、迅速に通常の処理に復帰することができる。また、リールスレーブ基板370に配置されたドライバ380への直電力の供給は、通信エラー等が生じたか否かに拘わらず、すなわち、演出制御手段334によってリセット信号が出力されたか否かに拘わらず停止しない。こうすることで、少なくとも各リール134a、134b、134cの回転中は、リールバックライト144やリール上方ライト146を点灯し続けることができ(消灯しない)、各リール134a、134b、134cに配された図柄の視認性を維持することが可能となる。
なお、ここでは、第1ドライバが発光する、リールバックライト144(リール上方ライト146)とは異なる演出ランプ160として、前面上扉104における、例えば、液晶表示部138の上下左右に設けられたLED382(上部スレーブ基板372)や、前面下扉106における、例えば、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158に設けられたLED382(下部スレーブ基板374)を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、リールバックライト144やリール上方ライト146と電源が独立していれば足り、様々な、演出ランプ160を採用することができる。また、第2ドライバが発光する対象として、リールバックライト144やリール上方ライト146を挙げて説明したが、リールバックライト144やリール上方ライト146以外にも、リール134a、134b、134cの視認性を高める様々な演出ランプ160を採用することができる。
また、ここでは、副制御基板202からリールスレーブ基板370、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374それぞれに5VのDC電力を供給する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、副制御基板202で生成される3.3V、1.25V、1.1V、1.0Vの各種DC電源や、その元となる12VのDC電源等、様々な電圧のDC電源を共通して供給することができる。このように共通して供給するDC電源の電圧が5Vと異なる場合であっても、基板毎に、電源の供給態様を異ならせることで、上部スレーブ基板372、下部スレーブ基板374へのDC電源の供給は、演出制御手段334によるリセット信号に応じて停止する場合があるが、リールスレーブ基板370へのDC電力の供給は、リセット信号によっては停止することなく継続する。
また、ここでは、制御電力をON/OFFするトランジスタQ1としてNPNバイポーラトランジスタを用い、トランジスタQ2としてNチャネルのMOSFETを用いているが、かかる場合に限らず、PNPバイポーラトランジスタや、PチャネルのMOSFET、抵抗を追加したデジタルトランジスタ、ユニポーラトランジスタ、パワートランジスタ等を用いることもできる。また、電子的な素子に限らず、機械リレーを用いてもよい。
また、ここでは、シリアル通信として、1のコントローラ364と複数のドライバ380とを対応付けたシリアルバス(ASIB)を用いたが、かかる場合に限らず、コントローラ364とドライバ380との数を同数とし、それぞれ同期をとるような仕様としてもよい。
また、ここでは、演出制御手段334が、副制御基板202に設けられている例を挙げて説明しているが、演出制御手段334のうち、各スレーブ基板への電力を制御する機能については、副制御基板202に限らず、主制御基板200等、様々な基板に設けることができる。
また、ここでは、リールスレーブ基板370に配置されたドライバ380が副制御基板202から直接電力の供給を受ける例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、安定的に電力の供給を継続して受けられるのであれば、主制御基板200等、様々な基板から電力の供給を受けてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態においては、遊技利益としてボーナス遊技を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、遊技利益が大きい選択当選役と他の当選役とが重複した選択当選種別であり、ストップスイッチ130a、130b、130cの操作態様が、複数の操作態様のうちの所定の操作態様(正解操作態様)であること、すなわち、所定の操作順(打順)または所定の操作タイミングあるいはこれらの組み合わせであることが選択当選役の入賞条件として設定された選択当選種別が当選役抽選により決定したときに、演出制御手段334が、その選択当選役の入賞条件となる正解操作態様を報知する補助演出を行うことで、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)を実行するAT演出状態や、リプレイ役の当選確率が通常遊技より高くなるように設定してメダルの消費を抑えることで、メダルの消費に対する当選役の抽選機会を増やす、RT(リプレイタイム)遊技や、上記のATとRT遊技が同時に進行されるART遊技を設けてもよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。