本発明の一側面のインタフェイス回路は、開放状態または閉塞状態となることにより2線式電子スイッチから出力される被検出体の有無を示す状態信号を被検出体検出装置より制御回路に伝達するインタフェイス回路であって、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態の有無を示す異常検知信号を異常検出装置より受信する異常検知信号受信手段(例えば、図4の異常信号受信回路32)と、前記異常検知信号により前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されているか否かを判定し、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されていると判定した場合、前記被検出体検出装置からの被検出体の有無を示す検出信号を直前の状態に維持する判定信号を出力するか、または、前記被検出体が検出されていないことを示す判定信号にして出力する判定手段(例えば、図4の判定回路31)と、前記判定手段により出力された判定信号に基づいて、前記被検出体の有無の状態を示す状態信号を前記制御回路に出力する状態信号出力手段(例えば、図4の出力回路33)とを含み、前記判定手段(例えば、図4の判定回路31)は、前記検出信号の電圧値と弁別閾値とを比較し、弁別結果に応じた判定信号を出力する弁別手段(例えば、図6の比較器71)を含み、前記弁別手段は、前記検出信号の電圧値が前記被検出体を検出したことを示す前記第1の電圧値である場合、前記弁別閾値を被検出体を検出していないことを示す第2の電圧値と、前記電源電圧および接地電圧間の中間電位である第3の電圧値との中間電圧値である第1の弁別閾値に切り替え、前記検出信号の電圧値が前記第2の電圧値である場合、前記弁別閾値を前記第1の電圧値と前記第3の電圧値の中間電圧値である第2の弁別閾値に切り替え、前記判定手段(例えば、図4の判定回路31)は、前記異常検知信号により前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されているか否かを判定し、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されていると判定した場合、前記検出装置からの被検出体の有無を示す検出信号を遮断する遮断手段(例えば、図6の遮断回路51)と、前記第1の弁別閾値となる電圧値と、前記第2の弁別閾値となる電圧値との中間電圧値からなる検出信号を出力する補助出力手段(例えば、図6の補助出力回路52)とを含み、前記弁別手段は、前記補助出力手段により出力された検出信号の電圧値と弁別閾値とを比較し、弁別結果に応じた判定信号を出力することで、前記直前の状態に維持する判定信号を出力する。
前記異常検知信号が異常、または、正常動作不能状態の有無を示す状態から通常状態に復帰する場合、前記異常検知信号が異常、または、正常動作不能状態の有無を示す電圧値から通常状態を示す電圧値への変化を所定の時間だけ遅延させるリセット手段(例えば、図10のリセット回路103-1,103-2)を含ませるようにすることができる。
前記判定手段には、複数の前記異常検知信号受信手段により受信された前記異常検知信号をOR理論(例えば、図10または図14のOR回路104)により結合した信号により、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されているか否かを判定させ、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されていると判定した場合、前記被検出体検出装置からの被検出体の有無を示す検出信号を直前の状態に維持する判定信号を出力するか、または、前記被検出体が検出されていないことを示す判定信号にして出力させるようにすることができる。
前記異常検出装置(例えば、図10の電波センサ2-1および磁気センサ2-2)には、前記2線式電子スイッチの開放状態出力の異常を検知する断線検知回路、閉塞状態出力の異常を検知する短絡検知回路、2線式電子スイッチの印加状態の異常を検知する電源監視回路を含ませるようにすることができる。
本発明の一側面のインタフェイス回路の動作方法は、開放状態または閉塞状態となることにより2線式電子スイッチから出力される被検出体の有無を示す状態信号を被検出体検出装置より制御回路に伝達するインタフェイス回路の動作方法であって、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態の有無を示す異常検知信号を異常検出装置より受信する異常検知信号受信ステップ(例えば、図7のステップS1)と、前記異常検知信号により前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されているか否かを判定し、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されていると判定した場合、前記被検出体検出装置からの被検出体の有無を示す検出信号を直前の状態に維持する判定信号を出力するか、または、前記被検出体が検出されていないことを示す判定信号にして出力する判定ステップ(例えば、図7のステップS10)と、前記判定手段により出力された判定信号に基づいて、前記被検出体の有無の状態を示す状態信号を出力する状態信号出力ステップ(例えば、図7のステップS4またはS7)とを含み、前記判定ステップの処理は、前記検出信号の電圧値と弁別閾値とを比較し、弁別結果に応じた判定信号を出力する弁別ステップ(例えば、図7のステップS2またはS5)を含み、前記弁別ステップの処理は、前記検出信号の電圧値が前記被検出体を検出したことを示す前記第1の電圧値である場合、前記弁別閾値を被検出体を検出していないことを示す第2の電圧値と、前記電源電圧および接地電圧間の中間電位である第3の電圧値との中間電圧値である第1の弁別閾値に切り替え、前記検出信号の電圧値が前記第2の電圧値である場合、前記弁別閾値を前記第1の電圧値と前記第3の電圧値の中間電圧値である第2の弁別閾値に切り替え、前記異常検知信号により前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されたか否かを判定し、前記被検出体検出装置の異常、または、正常動作不能状態が検知されていると判定した場合、前記検出装置からの被検出体の有無を示す検出信号を遮断する遮断ステップ(例えば、図7のステップS8)と、前記第1の弁別閾値となる電圧値と、前記第2の弁別閾値となる電圧値との中間電圧値からなる検出信号を出力する補助出力ステップ(例えば、図7のステップS9)とを含み、前記弁別ステップの処理は、前記補助出力ステップの処理により出力された検出信号の電圧値と弁別閾値とを比較し、弁別結果に応じた判定信号を出力することで、前記直前の状態に維持する判定信号を出力する。
図1は、本発明に係るインタフェイス回路を適用したパチンコ遊技台の一実施の形態の構成を示している。
パチンコ遊技台Pには、ハンドルHが、遊技者Nと対向する面に設けられており、遊技者Nにより把持され、所定の回転方向に回転されると、遊技者Nに対向する面に設けられた盤面内に回転角度に応じた強度で遊技球が発射される。
電子スイッチ1は、図示せぬ盤面に設けられたチャッカに遊技球が入賞されたか否かを検出し、電圧値の信号としてインタフェイス回路3に供給する。電子スイッチ1は、直流2線式と直流3線式(以下、単に2線式、3線式と称するものとする)とがあり、2線式は、両端子間の差分電圧値によりインタフェイス回路3に信号を供給し、3線式は、出力専用の端子の電圧値によりインタフェイス回路3に信号を供給する。尚、以降においては、電子スイッチ1については、直流2線式の電子スイッチ1である場合について説明を進めるものとするが、当然のことながら3線式のものであってもよい。
センサ2は、磁気センサ、電波センサ、振動センサ、断線センサ、または短絡センサなどの悪意を持った第3者により不正行為がなされたり、または、動作異常により発生する、電子スイッチ1の正常な動作ができない状態、すなわち、不正または異常を検出し、その検出結果を異常検知信号としてインタフェイス回路3に供給する。
インタフェイス回路3は、電子スイッチ1より供給される電圧値の変化に応じて、遊技球が検出されたか否かを示す検出信号、および、センサ2より供給された不正または異常が検出されたか否かを示す異常検出信号に基づいて、遊技球の検出を示す状態信号を生成し、遊技台Pの動作の全体を制御する制御コンピュータのCPU4に供給する。
CPU4は、インタフェイス回路3から供給される遊技球が検出されたか否かの状態情報に基づいて、遊技球が検出されたことを示している場合、対応する数の遊技球を図示せぬ払出部より払い出す。
次に、図2,図3を参照して、電子スイッチ1の外観構成および動作原理について説明する。尚、図2は、電子スイッチ1の外観斜視図であり、図3は、図2の電子スイッチ1の断面図を示している。
電子スイッチ1は、薄型の略直方体から成り、図2に示すように、電子スイッチ1の略片側半分の中央部には、遊技球Bを通過させるための貫通穴1aが開口している。
電子スイッチ1の内部の、貫通穴1aの周辺には、図3に示すように、コイル1bが埋め込まれている。電子スイッチ1では、図示せぬ高周波発振回路が高周波発振を発生することにより、コイル1bの周辺には、図3の点線で示すような磁束が発生する。そして、遊技球Bが貫通穴1aを通過したときに、磁束の状態が変化し、コイル1bのインピーダンスが変化する。電子スイッチ1では、そのコイル1bのインピーダンスの変化を検出し、検出信号として出力する。なお、遊技球Bが貫通穴1aを通過しているとき(遊技球Bが、図3に示すコイル1bに挟まれる位置にあるとき)に、電子スイッチ1は開放状態となり、それ以外のときには、閉塞状態となる。
電子スイッチ1は、特に2線式の場合、有接点式のスイッチと同様の感覚で使用可能であり、さらに、電気的にスイッチングすることにより、電子スイッチ1が出力する信号には、チャタリングが発生しないという利点がある。
次に、図4を参照して、インタフェイス回路3の構成について説明する。
インタフェイス回路3は、判定回路31、異常信号受信回路32、出力回路33を内蔵し、電子スイッチ1を含むセンサ2駆動用であるセンサ用電源Vcc11、及びCPU4の駆動用電源である制御用電源Vcc12が、電源入力端子23,24よりそれぞれ印加される。
一般的に、センサ用電源Vcc11の電圧値は制御用電源Vcc12の電圧値より高電圧値となることが多い。このためインタフェイス回路3は、センサ用電源Vcc11の12乃至24Vにて駆動された電子スイッチ1の検出信号を、制御用電源Vcc12の5Vで駆動されるCPU4に代表される制御系の装置に伝達可能な状態に波形整形することにより状態信号として出力する。
電子スイッチ1は、抵抗R1を介して電源電圧Vcc11に接続されている。また、電子スイッチ1は、インタフェイス回路3の入力端子21に接続されている。これにより、電子スイッチ1の開閉動作を示す検出信号は、抵抗R1の両端電圧に変換された後、入力端子21に遊技球Bを検出したことを示すHiまたは遊技球Bが検出されていないことを示すLowの検出信号V21として出力される。
一方、センサ2は、抵抗R2を介してセンサ用電源Vcc11に接続されている。また、センサ2は、インタフェイス回路3の入力端子22に接続されている。これにより、センサ2は、不正や異常の検出の有無に応じて、不正や異常が検出されていないことを示すHiまたは不正や異常が検出されていることを示すLowの異常検出信号V22をインタフェイス回路3の入力端子22に出力する。センサ2は、例えば、磁気センサである場合、抵抗R2を介してセンサ用電源Vcc11からバイアスされ、強力磁石接近時に接点が閉じることにより、異常検出信号V22を出力する。尚、電子スイッチ1およびセンサ2より出力される検出信号V21、および異常検出信号V22のHiおよびLowの関係は、上記したものに限定されるものではなく、HiおよびLowの関係が入れ替わっても良いものであり、その場合、後段の回路は、HiおよびLowの関係に対応して動作が入れ替わることになる。
判定回路31には、検出信号V21と異常判定信号V22が同時に入力され、異常検出信号V22が待機状態であれば、すなわち、異常検出信号V22がHiであって、異常判定信号が供給されてこない場合、判定回路31は、検出信号V21をそのまま出力回路33に出力する。また、異常検出信号V22が異常状態を検出した、すなわち、異常検出信号V22がLowで、異常判定信号が供給されてきた場合、直前の検出信号V21の状態を維持して出力回路33に出力する。従って、インタフェイス回路3は、全体として、異常検出信号V22が不正、または、異常を検出しなければ場合、検出信号V21をそのまま出力し、不正、または、異常を検出した場合、今現在供給されてきている検出信号V21ではなく、不正、または、異常が検出される直前の検出信号V21を維持して(ホールドして)出力する。
出力回路33は、判定回路31より供給されてきた検出信号に基づいて、CPU4での動作電圧に変換して状態信号を生成し、CPU4に出力する。
次に、図5を参照して、判定回路31の構成例について説明する。判定回路31は、選択回路41および検出信号判定回路42より構成されている。
選択回路41は、異常信号受信回路32からの異常判定信号の有無に基づいて、異常判定信号がない場合、電子スイッチ1より供給されてくる検出信号V21を検出信号判定回路42に供給し、異常判定信号があった場合、電子スイッチ1より供給されてくる検出信号V21に代えて、後述する検出信号判定回路42の判定処理に用いられる高位反転閾値および低位反転閾値との中間電位となる所定の電圧値の信号に選択的に切り替えて、検出信号として検出信号判定回路42に供給する。
検出信号判定回路42は、選択回路41より供給されてくる検出信号V21の電圧値を所定の閾値と比較し、高位反転閾値よりも大きい場合、所定のHiとなる電圧値の検出信号をそのまま出力すると共に、低位反転閾値より小さい場合、所定のLowとなる電圧値の検出信号を出力する。さらに、不正や異常が検出されて、異常判定信号が発生すると、上述した中間電位となる所定の電圧値が検出信号として出力されることになるため、検出信号判定回路42は、直前の検出信号V21を維持した状態で出力する。
結果として、検出信号判定回路42および出力回路33は、不正または異常を示す異常判定信号が供給されてこない限り、検出信号V21の挙動に追従して、状態信号を出力すると共に、不正または異常が検出された場合、直前の検出信号V21に応じた状態信号を維持したまま出力する。
次に、図6を参照して、インタフェイス回路3の詳細な構成例について説明する。
図6のインタフェイス回路3において、判定回路31の選択回路41は、遮断回路51および補助出力回路52から構成されている。
異常信号受信回路32は、比較器61、及び抵抗R3,R4,R5で構成されている。比較器61の正端子には、センサ用電源Vcc11の電圧値を抵抗R3,R4により分圧された電圧が印可され、比較器61の負端子には、入力端子22を介して入力される異常検出信号V22が入力されている。比較器61の出力端子には、抵抗R5乃至R7の他方の端部が接続されている。
抵抗R3は、一方の端部がセンサ用電源Vcc11に接続され、他方の端部が比較器61の正端子および抵抗R4,R5の一方の端部に接続されている。抵抗R4の一方の端部は抵抗R3の他方の端部、抵抗R5の一方の端部、および比較器61の正端子に接続されており、他方の端部は接地されている。さらに、抵抗R5の一方の端部は、抵抗R3の他方の端部、抵抗R4の一方の端部、および比較器61の正端子に接続されており、他方の端部は、比較器61の出力端子に接続されている。
これにより、比較器61は、異常検出信号V22を、抵抗R3,R4,R5で定まる閾値電圧との比較により弁別し、弁別結果を遮断回路51および補助出力回路52の抵抗R6,R7のそれぞれを介してトランジスタTr1,Tr2のベース端子に出力する。
遮断回路51は、遮断スイッチとして機能するNPN型のトランジスタTr1、電流制限用の抵抗R6,R8、NPN型のトランジスタTr3および抵抗R9からなるエミッタホロワ回路、並びに、PNP型のトランジスタTr4および抵抗R10からなるエミッタホロア回路から構成されている。
抵抗R8の一方の端部は、入力端子21に接続され、他方の端部は、トランジスタTr3のベース端子、およびトランジスタTr1のコレクタ端子に接続されており、電流制限抵抗として機能する。
トランジスタTr1のコレクタ端子は、抵抗R8の他方の端部、およびトランジスタTr3のベース端子に接続されている。トランジスタTr1のエミッタ端子は、接地されている。トランジスタTr1のベース端子は、抵抗R6を介して異常信号受信回路32の比較器61の出力端子に接続されている。
トランジスタTr3のベース端子は、抵抗R8の他方の端部、およびトランジスタTr1のコレクタに接続されている。トランジスタTr3のコレクタは、入力端子23を介してセンサ用電源Vcc11に接続されている。トランジスタTr3のエミッタ端子は、抵抗R9の一方の端部、およびトランジスタTr4のベース端子に接続されている。
抵抗R9は、一方の端部がトランジスタTr3のエミッタ端子、およびトランジスタTr4のベース端子に接続されおり、他方の端部が接地されている。
トランジスタTr4のベース端子は、トランジスタTr3のエミッタ端子、および抵抗R9の一方の端部に接続されている。トランジスタTr4のエミッタ端子は、抵抗R10の他方の端部および補助出力回路52の抵抗R11の一方の端部に接続されている。トランジスタTr4のコレクタ端子は接地されている。
抵抗R10の一方の端部は、センサ用電源Vcc11に接続されており、他方の端部はトランジスタTr4のエミッタ端子に接続されている。
このような構成から、遮断回路51は、通常状態、すなわち、異常信号受信回路32により異常検出信号V22が異常を検知していないことを示す信号が出力された場合(比較器61の出力端子から出力がない場合)、トランジスタTr1,Tr2がOFFの状態であるため、トランジスタTr3および抵抗R9、並びにトランジスタTr4および抵抗R10がいずれもエミッタホロアとして機能し、ポイントV31の電圧値は、トランジスタTr3のベース-エミッタ間で電圧降下して(V31-VBE)トランジスタTr4に出力された後、トランジスタTr4のベース-エミッタ間で昇圧((V31-VBE)+VBE)されることにより相殺され、図中のポイントV31,V32における電圧値は一致し、電子スイッチ1からの検出信号V21をそのまま後段へ出力する。一方、異常信号受信回路32が異常を検知していることを示す信号を出力し、トランジスタTr1がONの状態となる場合、遮断回路51は、トランジスタTr3がOFFにされることにより、検出信号V21をポイントV31で遮断する。このときトランジスタTr4は、ベース-エミッタ間の電位差が維持されたまま抵抗R10とともにエミッタホロア回路として維持される。
補助出力回路52は、トランジスタTr2,Tr5、およびダイオードD3,D4,D5からなる定電圧ドライブ、並びに、電流制限用の抵抗R7,R11,R12で構成されている。
トランジスタTr5のエミッタ端子は、センサ用電源Vcc11に接続されている。トランジスタTr5のベース端子は、抵抗R12の一方の端部に接続されている。トランジスタTr5のコレクタ端子は、ダイオードD3のアノード端子に接続されている。
ダイオードD3乃至D5は、直列に接続されており、ダイオードD3のアノード端子がトランジスタTr5のエミッタに接続されており、ダイオードD5のカソード端子が抵抗R11の他方の端部、および比較器71の正端子に接続されている。
抵抗R11は、一方の端部が遮断回路51のトランジスタTr4のエミッタ端子に接続されており、他方の端部がダイオードD5のカソード端子および比較器71の正端子に接続されている。
抵抗R12は、一方の端部がトランジスタTr5のベース端子に接続されており、他方の端子がトランジスタTr2のコレクタ端子に接続されている。
トランジスタTr2のコレクタ端子は、抵抗R12の他方の端子に接続されている。トランジスタTr2のエミッタ端子は接地されている。トランジスタTr2のベース端子は、抵抗R7の一方の端部に接続されている。
抵抗R7の一方の端部は、トランジスタTr2のベース端子に接続され、他方の端部は異常信号受信回路32の比較器61の出力端子に接続されている。
以上のような構成から、異常信号受信回路32が異常を検知していないことを示す信号を出力する通常状態では、トランジスタTr2,Tr5がOFFとなるため、図中のポイントV32,V33の電圧値が一致する。一方、異常信号受信回路32が異常を検知していることを示す信号を出力する場合、トランジスタTr2,Tr5がONすることになるため、ダイオードスタックを構成するダイオードD3乃至D5にセンサ用電源Vcc11の電圧が印加されることになるので、図中のポイントV33における電圧値V33は、以下の式(1)で示される電圧値V33M(中間電圧値V33M)となる。
V33M=Vcc11−3Vd
・・・(1)
式(1)において、Vcc11は、センサ用電源Vcc11の電圧値であり、Vdは、ダイオードD3乃至D5のそれぞれの順方向電圧である。すなわち、異常が検出された場合、上述したように、遮断回路51は、ポイントV31により信号を遮断するので、補助出力回路52は、電子スイッチ1より供給されてくる信号とは無関係に上述した式(1)で示される電圧値V33Mを検出信号判定回路42に出力する。
すなわち、遮断回路51および補助出力回路52は、異常が検出されたときにのみ機能し、異常が検出されない限り、電子スイッチ1から出力された信号が、そのまま検出信号判定回路42に供給される。
検出信号判定回路42は、比較器71、トランジスタTr6、ダイオードD1,D2、および抵抗R15からなる定電圧ドライブ、並びに抵抗R13,R14、およびツェナーダイオードZD1からなる基準電位作成回路で構成されている。
トランジスタTr6のエミッタ端子は、センサ用電源Vcc11と接続されている。トランジスタTr6のコレクタは、ダイオードD1のアノード端子に接続されている。トランジスタTr6のベース端子は、抵抗R15の一方の端部に接続されている。
抵抗R13の一方の端部は、センサ用電源Vcc11に接続されており、他方の端部は比較器71の負端子、抵抗R14の一方の端部、および、ダイオードD2のカソード端子に接続されている。
ダイオードD1,D2は、直列に接続されており、ダイオードD1のアノード端子は、トランジスタTr6のコレクタ端子に接続されており、ダイオードD2のカソード端子は、比較器71の負端子、抵抗R14の一方の端部、および、抵抗R13の他方の端子に接続されている。
抵抗R15は、一方の端子がトランジスタTr6のベース端子に接続されており、他方の端子が比較器71の出力端子および出力回路33に接続されている。
抵抗R14は、一方の端部が抵抗R13の他方の端部、ダイオードD2のカソード端子、および、比較器71の負端子に接続されており、他方の端部がツェナーダイオードZD1のカソード端子に接続されている。ツェナーダイオードZD1は、カソード端子が抵抗R14の他方の端部に接続されており、アノード端子が接地されている。
比較器71は、正端子が、補助出力回路52に接続されており、負端子が抵抗R13の他方の端部、ダイオードD2のカソード端子、および、抵抗R14の一方の端部に接続されており、出力端子が抵抗R15の他方の端部、および出力回路33に接続されている。
このような構成から検出信号判定回路42は、検出信号V33を以下の式(2)、式(3)で示される閾値V34Hi(高位反転閾値)およびV34Low(低位反転閾値)にて弁別する。
V34Hi=Vcc11−2Vd
・・・(2)
V34Low=Vcc11×R14/(R13+R14)+VZD×R13/(R13+R14)
・・・(3)
出力回路33は、バッファ81とプルアップ用の抵抗R16で構成され、出力端子25は、入力端子24を介して供給されてくる制御用電源Vcc12の電圧値を上限として、比較器71より供給されてくる状態信号と同様の挙動を示す状態信号、すなわち、比較器71よりHiまたはLowと同様の状態信号を、出力端子25よりCPU4に出力する。一般的に、電子スイッチのセンサ用電源Vcc11の方が制御用電源Vcc12より高電位となるケースが多いので、Hiとなる電位の整合を取っている。
次に、図7のフローチャートを参照して、図6のインタフェイス回路3によりインタフェイス処理について説明する。尚、以降のフローチャートの処理については、各ステップにおける処理は、各種の回路により発生する現象を示したものであって、回路そのものが処理を実行したり、判定処理を実行したりするものではない。
ステップS1において、異常信号受信回路32において、センサ2より供給されてくる異常信号がHiの状態であるか否かが判定される。例えば、図8の上から2段目の波形で示されるように、時刻t0乃至t21、t22乃至t23、およびt24以降においては、異常信号受信回路32の比較器61の負端子にセンサ2より入力端子22を介して供給されてくる異常信号がHiであるので、比較器61は、正端子に供給される電圧値が、負端子に供給される電圧値よりも小さいため、出力端子よりLowの信号を出力する。
この結果、トランジスタTr1は、OFFの状態となり、図8の最上段の波形で示されるように、ポイントV31の電圧値、すなわち、入力端子21を介して電子スイッチ1より供給されてくる検出信号の挙動に応じて、トランジスタTr3および抵抗R9からなるエミッタホロア、並びにトランジスタTr4および抵抗R10からなるエミッタホロアがいずれもONの状態となるため、ポイントV31の電圧値は、トランジスタTr3のベース-エミッタ間で電圧降下して(V31-VBE)トランジスタTr4に出力された後、トランジスタTr4のベース-エミッタ間で昇圧((V31-VBE)+VBE)されることにより相殺され、図8の上から3段目の波形で示されるように、ポイントV32の電圧値は、ポイントV21,V31の電圧値と一致する。さらに、トランジスタTr2もOFFの状態となり、これに応じて、トランジスタTr5もOFFのままとなるので、図8の上から4段目の波形で示されるように、ポイントV33の電圧値もポイントV21,V31,V32における電圧値と一致することになる。
尚、図8においては、最上段が電子スイッチ1により入力端子21に入力される検出信号を示すポイントV21の電圧値の波形を示しており、2段目がセンサ2により異常信号が供給される入力端子22で示されるポイントV22の電圧値の波形を示しており、3段目がトランジスタTr3のベース端子におけるポイントV31およびトランジスタTr4のエミッタ端子におけるポイントV32のそれぞれの電圧値の波形を示しており、4段目が補助出力回路52の出力となるポイントV33、および、比較器71の負端子のポイントV34、すなわち、比較器71における閾値の電圧値の波形を示しており、5段目がバッファ81の出力端子25で示されるポイントV25の電圧値の波形を示している。また、各波形については、図中の横軸は、同一の時間軸であり、縦軸は電圧値を示している。
ステップS2において、遊技球が検出されたか否かが判定される。
ステップS2において、例えば、図8の最上段の波形で示されるように、電子スイッチ1より供給されてくる検出信号の波形のうち、時刻t1乃至t2の時間T1、時刻t3乃至t4の時間T2、時刻t7乃至t8の時間T4のうちの時刻t7乃至t23、および時刻t9乃至t10の時間T5で示されるように、遊技球が検出された場合、入力端子21におけるポイントV21の電圧値V21(検出信号V21)は、Hiの電圧値V21Hiをとる。この結果、トランジスタTr3および抵抗R9からなるエミッタホロワがONにされ、同様にして、トランジスタTr4および抵抗R10からなるエミッタホロワがONにされることにより、ポイントV31の電圧値は、トランジスタTr3のベース-エミッタ間で電圧降下して(V31-VBE)トランジスタTr4に出力された後、トランジスタTr4のベース-エミッタ間で昇圧((V31-VBE)+VBE)されることにより相殺され、図8の3段目の波形で示されるように、ポイントV31,V32における電圧値は、ポイントV21における検出信号の電圧値V21Hi(=V33Hi)と同一のものとなる。
ステップS3において、比較器71の負端子に供給される電圧、すなわち、比較器71の閾値が低位反転閾値に変化する。
すなわち、ステップS3においては、トランジスタTr2,Tr5はともにOFFとなるので、図8の4段目の波形で示されるように、ポイントV33における電圧値(=V33Hi)も、ポイントV21における検出信号の電圧値(=V31,V32の電圧値)と同一のものとなる。
このとき、比較器71は、正端子に供給されてくる検出信号が電圧値V21Hiと同様の電圧値V33Hiとなる。比較器71の負端子に供給される信号の電圧値、すなわち、正端子に入力される信号とを比較する閾値は、図8の4段目の波形で示されるように、比較器71がHiの信号を出力していた場合、トランジスタTr6はOFFなので、比較器71の負端子には(ポイントV34には)、上述した式(3)で示される電圧値V34Lowが供給されることになり、図8の4段目の点線の波形で示されるように、低位反転閾値V34Lowに設定される。
ステップS4において、出力回路33のバッファ81は、検出信号判定回路42の比較器71の出力端子より検出信号の判定結果として遊技球が検出されていることを示すHiの信号に基づいて、図8の最下段の波形で示されるように、遊技球が検出されていることを示す状態信号としてHiの信号をCPU4出力する。
ステップS2において、例えば、図8の最上段の波形で示されるように、電子スイッチ1より供給されてくる検出信号の波形のうち、時刻t2乃至t3、時刻t4乃至t21、時刻t22乃至t7、時刻t24乃至t9、および時刻t10以降のタイミングで示されるように、遊技球が検出された状態ではない場合、ステップS5において、遊技球なしか否かが判定される。
すなわち、図8の最上段の波形で示されるように、電子スイッチ1より供給されてくる検出信号の波形のうち、時刻t2乃至t3、時刻t4乃至t21、時刻t22乃至t7、時刻t24乃至t9、および時刻t10以降のタイミングで示されるように、遊技球が検出された状態ではない場合、入力端子21におけるポイントV21の電圧値V21は、Lowの電圧値V21Lowをとる。この結果、トランジスタTr3および抵抗R9のエミッタホロワ、並びに、トランジスタTr4および抵抗R10のエミッタホロワが維持され、ポイントV31の電圧値は、トランジスタTr3のベース-エミッタ間で電圧降下して(V31-VBE)トランジスタTr4に出力された後、トランジスタTr4のベース-エミッタ間で昇圧((V31-VBE)+VBE)されることにより相殺され、図8の3段目の波形で示されるように、ポイントV31,V32における電圧値は、ポイントV21における検出信号の電圧値V21Low(=V33Low)と同一のものとなる。結果として、ステップS5においては、遊技球が無い状態であることが判定される。
ステップS6において、比較器71の負端子に供給される電圧、すなわち、比較器71の閾値が高位反転閾値に変化する。
すなわち、トランジスタTr2,Tr5はともにOFFであるので、図8の4段目の実線の波形で示されるように、ポイントV33における電圧値(=V33Low)も、ポイントV21における検出信号の電圧値(=V31,V32の電圧値)と同一のものとなる。
すなわち、図8の4段目の実線の波形で示されるように、比較器71がLowの信号を出力していた場合、トランジスタTr6は、ONであるので、比較器71の負端子には(ポイントV34には)、上述した式(2)で示される電圧値V34Hiが供給されることになり、図8の4段目の点線の波形で示されるように、高位反転閾値V34Hiに設定される。
ステップS7において、出力回路33のバッファ81は、検出信号判定回路42の比較器71の出力端子より検出信号の判定結果として遊技球が検出されていないことを示すLowの信号に基づいて、図8の最下段の波形で示されるように、遊技球が検出されていないことを示す状態信号としてLowの信号をCPU4出力する。
上述したセンサ用電源Vcc11の電圧値Vcc11に対するポイントV33における遊技球が検出された場合の検出信号の電圧値V33Hi、ポイントV33における遊技球が検出されていない場合の検出信号の電圧値V33Low、ポイントV34における高位反転閾値V34Hi、およびポイントV34における低位反転閾値V34Lowは、図9で示されるような関係となる。尚、図9においては、縦軸が各種電圧値を示し、横軸にセンサ用電源Vcc11の電圧値を示している。尚、電圧値V33Hi,V33Lowについては、幅を持たせてあり、それが斜線により表現されている。
すなわち、遊技球が検出される場合、比較器71の正端子には、ポイントV33における電圧値V33Hiが供給される。比較器71の負端子には、高位反転閾値V34Hiまたは低位反転閾値V34Lowのいずれかが供給されることになるが、いずれも電圧値V33Hiよりも低電圧値であるので、比較器71の出力端子からは検出信号の判定結果としてHiの信号が出力される。このため、以降においては、トランジスタTr6がOFFにされることになるので、比較器71の負端子には、低位反転閾値V34Lowが供給されることになる。結果として、比較器71は、遊技球が検出されていない状態を示すポイントV33における電圧値V33Lowにより近い低位反転閾値V34Lowよりも低電圧の検出信号が供給されてこない限り、遊技球が検出されていないと認識することがないので、不正や異常などにより発生される本来の低位反転閾値V34Lowよりも低電圧の検出信号が供給されても、遊技球が検出されていない状態を誤認識するといった事態を抑制することが可能となる。
また、遊技球が検出されていない場合、比較器71の正端子には、ポイントV33における電圧値V33Lowが供給される。比較器71の負端子には、高位反転閾値V34Hiまたは低位反転閾値V34Lowのいずれかが供給されることになるが、いずれも電圧値V33Lowよりも高電圧値であるので、比較器71の出力端子からは検出信号の判定結果としてLowの信号が出力される。このため、以降においては、トランジスタTr6がONにされることになるので、比較器71の負端子には、高位反転閾値V34Hiが供給されることになる。結果として、比較器71は、遊技球が検出されている状態を示すポイントV33における電圧値V33Hiにより近い高位反転閾値V34Hiよりも高電圧の検出信号が供給されてこない限り、遊技球が検出されていると認識することがないので、不正や異常などにより発生される本来の高位反転閾値V34Hiよりも低電圧の検出信号が供給されても、遊技球が検出されている状態を誤認識するといった事態を抑制することが可能となる。
結果として、電子スイッチ1より供給されてくる遊技球の有無を示す検出信号の電圧値V33Hi(遊技球が検出された場合)およびV33Low(遊技球が検出されない場合)のそれぞれの近い高位反転閾値V34Hiおよび低位反転閾値V34Lowを設定することにより、不正や異常により発生される遊技球の誤動作を抑制することが可能となっている。
一方、ステップS1において、異常信号がHiではない場合、すなわち、センサ2により異常を示すLowの異常信号が供給されてきた場合、ステップS8において、遮断回路51は、電子スイッチ1から入力端子21を介して供給されてくる検出信号V21(=V31)の電圧をポイントV31にて遮断する。
すなわち、図8の2段目の波形における、時刻t21乃至t22の時間T11、および時刻t23乃至t24の時間T12で示されるようにセンサ2により異常が検知され、スイッチ2aがONされることにより、センサ2より異常信号受信回路32の比較器61の正端子には、異常信号としてV22Lowが供給されてくることになるので、比較器61の出力端子より異常信号の判定結果としてHiの信号が出力される。これに応じて、遮断回路51のトランジスタTr1がONにされることにより、トランジスタTr3がOFFとなり、図8の3段目の波形で示されるようにポイントV31における電圧値V31は、電圧値Lowestとなり、同様にしてトランジスタTr4および抵抗R10が0V近傍のエミッタホロワとして機能するので、ポイントV32における電圧値V32は電圧値Lowerとなる。尚、電圧値Low,Lorer,Lowestの関係は、電圧値Low>電圧値Lorer>電圧値Lowestである。
ステップS9において、補助出力回路52は、検出信号の電圧値であるV33Hi,V33Lowの中間電位となる上述した式(1)で示される電圧値V33Mを発生する。
すなわち、図8の2段目の波形における、時刻t21乃至t22の時間T11、および時刻t23乃至t24の時間T12で示されるようにセンサ2により異常が検知され、スイッチ2aがONされることにより、センサ2より異常信号受信回路32の比較器61の正端子には、異常信号としてV22Lowが供給されてくることになるので、比較器61の出力端子より異常信号の判定結果としてHiの信号が出力される。これにより、比較器61の出力端子より異常信号の判定結果としてHiの信号が出力されるので、補助出力回路52のトランジスタTr2がONにされることにより、トランジスタTr5がONとなり、ダイオードD3乃至D5からなるダイオードスタックがONの状態となる。結果として、図8の4段目の実線の波形で示されるようにポイントV33における電圧値V33は、時刻t21乃至t22、および時刻t23乃至t24において、上述の式(1)で示される中間電圧V33Mとなる。中間電圧V33Mは、高位反転閾値V34Hiと低位反転閾値V34Lowの中間の電圧値である。
このように中間電圧V33Mが発生されることにより、例えば、時刻t21乃至t22の時間T11においては、比較器71の負端子には、高位反転閾値V34Hiが供給されているので、正端子に供給されてくる中間電位V33Mとの比較により、高位反転閾値V34Hiよりも小さいため、いわば、ステップS2,S5の処理により、遊技球が検出されたとも、遊技球が検出されていないとも判定されないことになるので、ステップS10により比較器71の比較結果は、図8の最下段の波形で示されるように、遊技球が検出されてないという直前の比較結果のまま維持されるので、出力回路33のバッファ81からの状態信号は維持(ホールド)され続ける。
また、例えば、時刻t23乃至t24の時間T12においては、比較器71の負端子には、低位反転閾値V34Lowが供給されているので、正端子に供給されてくる中間電位V33Mとの比較により、低位反転閾値V34Lowよりも大きいため、やはり、ステップS2,S5の処理により、遊技球が検出されたとも、遊技球が検出されていないとも判定されないことになるので、ステップS10により比較器71の比較結果は、図8の最下段の波形で示されるように、遊技球が検出されているという直前の比較結果のまま維持されるので、出力回路33のバッファ81からの状態信号は維持(ホールド)され続ける。
尚、例えば、図9で示されるように、中間電圧V33Mは、高位反転閾値V34Hiに近い(例えば、約0.7V程低い値)とすることにより、遊技球が検出されたことを示す不正、または異常により発生する検出信号を正確に識別できるようにすることで、不正に発生された遊技球が検出されたことを示す信号による誤動作を防止することが可能となる。
また、以上においては、センサ2により不正または異常が検出されると、遮断回路51により検出信号に応じた電圧値V31が遮断されて、かつ、補助出力回路52により中間電圧V33Mが発生されることにより、出力回路33のバッファ81からの出力を直前の状態に維持する例について説明してきたが、例えば、補助出力回路52を削除することにより、不正または異常が検出された場合には、遮断回路51により検出信号に応じた電圧値V31を遮断させることにより、不正または異常が検出されたときには、常に遊技球が検出されていないことを示すように、出力回路33のバッファ81からLowの状態信号が出力されるようにしてもよい。
以上の処理により、センサにより不正、または異常が検出された場合、電子スイッチからの信号を直前の状態に維持、または、遊技球が検出されていない状態にすることにより、電子スイッチに対する不正または異常により発生する信号による誤動作を抑制することが可能となる。さらに、不正または異常が検出された場合、直前の状態を維持するか、または、遊技球を検出しない状態とするのみであり、遊技不能な動作などを実行していないので、不正または異常を検出しても、その度に係員による何らかの解除操作などが不要であるので、その他の悪意の無い遊技者がそのまま遊技を継続することが可能となり、係員の不要な処理や、遊技台の稼働率を低減させることなく、不正や異常による誤動作のみを抑制することが可能となる。
ところで、以上においては、不正、または異常を検出するセンサが不正、または異常を検出した場合、電子スイッチに対する不正または異常により発生する信号による誤動作を抑制する例について説明してきた。例えば、不正に電波を発生して遊技球を不正に検出させるような場合、不正な電波が発生しているタイミングと、不正に遊技球を検出するタイミングはほぼ同一になるので、効果的に不正な遊技球の検出を抑制することが可能である。
しかしながら、不正や異常が発生しているタイミングと、電子スイッチが遊技球を誤検出するといった誤作動とが同時に発生しないこともあり、そのようなとき、正確に誤検出を防止することができない恐れがある。すなわち、強磁石を用いて遊技球を不正に検出させるような場合、磁石の磁力により遊技球を電子スイッチに誘導した後、磁石を離して磁力が無い状態となったところで電子スイッチが遊技球を検出する。したがって、磁気センサが不正に用いられる磁石の磁気を検出するタイミングと、電子スイッチが遊技球を誤検出するタイミングが同一ではないため、不正な遊技球の検出を防止することができない恐れがある。
そこで、センサにより不正または異常が検出されたタイミングのみならず、不正または異常が検出されたタイミング以降も、所定時間だけ長い時間で電子スイッチによる検出を直前の状態に維持、または、遊技球を検出しないようにさせてもよい。
図10は、センサにより不正または異常が検出されたタイミングのみならず、不正または異常が検出されたタイミング以降も、所定時間だけ電子スイッチによる検出を直前の状態、または、遊技球を検出しないようにしたインタフェイス回路の構成例を示している。尚、図10のインタフェイス回路3において、図4乃至図6に記載のインタフェイス回路3と同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。
図10のインタフェイス回路3において、図4乃至図6のインタフェイス回路3と異なるのは、入力端子21-1,21-2の2個が設けられており、それぞれ電子スイッチ1-1,1-2の検出信号を受け付けている。さらに、入力端子21-1,21-2のそれぞれに対応してインタフェイスブロック101-1,101-2が設けられているが、それぞれ判定回路31-1,31-2および出力回路33-1,33-2が設けられており、それぞれが電子スイッチ1-1,1-2の検出信号に対応する状態信号を出力端子25-1,25-2よりCPU4に出力する。
また、入力端子22-1,22-2の2個が設けられており、それぞれセンサ2-1,2-2からの異常信号を受け付けている。異常信号受信回路102-1,102-2は、入力端子22-1,22-2より供給されてくる異常信号を受け付けて、異常検出信号をそれぞれリセット回路103-1,103-2に供給する。リセット回路103-1,103-2は、それぞれ異常信号受信回路102-1,102-2より不正または異常を示す異常検出信号が供給されてくると、異常検出信号が供給されている時間のみならず、所定時間のみ長い時間だけ不正または異常を検出していることを示す信号をOR回路104に出力する。
異常信号受信回路102-1,102-2は、それぞれ図4乃至図6の異常信号受信回路32の構成と類似しており、動作もほぼ同一であるが、比較器61-1,61-2の正端子と負端子とに入力される信号が入れ替わっている。すなわち、正端子にセンサ2-1,2-2からの異常信号が入力され、それぞれ負端子に抵抗R17,R18の分圧電圧値および抵抗R19,R20の分圧電圧値が供給されている。したがって、図10においては、比較器61-1,61-2は、センサ2-1,2-2より入力される異常信号と同位相の比較結果をリセット回路103-1,103-2のそれぞれに出力する。
リセット回路103-1,103-2は、抵抗R21乃至R25、コンデンサC1、および比較器111-1、並びに、抵抗R26乃至R30、コンデンサC2、および比較器111-2からそれぞれ構成されている。
抵抗R21は、一方の端部が異常信号受信回路102-1の比較器61-1の出力端子に接続されており、他方の端部が抵抗R22の他方の端部、コンデンサC1の他方の端部、および、比較器111-1の負端子に接続されている。コンデンサC1の一方の端部は、センサ用電源Vcc11に接続され、他方の端部は抵抗R21の他方の端部、抵抗R22の他方の端部、および比較器111-1の負端子に接続されている。抵抗R22は、一方の端部がセンサ用電源Vcc11に接続されており、他方の端部が、コンデンサC1の他方の端部、抵抗R21の他方の端部、および比較器111-1の負端子に接続されている。
抵抗R23は、一方の端部がセンサ用電源Vcc11に接続されており、他方の端部が比較器111-1の正端子、抵抗R25の一方の端部、および抵抗R24の一方の端部に接続されている。
抵抗R24は、一方の端部が抵抗R23の他方の端部、比較器111-1の正端子、および抵抗R25の一方の端部に接続されており、他方の端部が接地されている。
抵抗R25は、一方の端部が抵抗R23の他方の端部、比較器111-1の正端子、および抵抗R24の一方の端部に接続されており、他方の端部が比較器111-1の出力端子、およびOR回路104の一方の入力端子に接続されている。
比較器111-1は、負端子が抵抗R21の他方の端部、コンデンサC1の他方の端部、および抵抗R22の他方の端部に接続されており、正端子が抵抗R23の他方の端部、抵抗R24,R25の一方の端部に接続されており、出力端子が、抵抗R25の他方の端部、およびOR回路104の一方の入力端子に接続されている。
このような構成から、リセット回路103-1は、コンデンサC1の静電容量および抵抗R21,R22に基づいた積分定数により異常信号受信回路102-1より不正または異常を示す異常信号が供給されてくると、異常信号が供給されているタイミングに、積分定数に応じた所定時間だけ長い時間、異常検出信号をOR回路104の一方の入力端子に出力し続ける。
抵抗R26は、一方の端部が異常信号受信回路102-2の比較器61-2の出力端子に接続されており、他方の端部が抵抗R27の他方の端部、コンデンサC2の他方の端部、および、比較器111-2の負端子に接続されている。コンデンサC2の一方の端部は、センサ用電源Vcc11に接続され、他方の端部は抵抗R26の他方の端部、抵抗R27の他方の端部、および比較器111-2の負端子に接続されている。抵抗R27は、一方の端部がセンサ用電源Vcc11に接続されており、他方の端部が、コンデンサC2の他方の端部、抵抗R26の他方の端部、および比較器111-2の負端子に接続されている。
抵抗R28は、一方の端部がセンサ用電源Vcc11に接続されており、他方の端部が比較器111-2の正端子、抵抗R30の一方の端部、および抵抗R29の一方の端部に接続されている。
抵抗R29は、一方の端部が抵抗R28の他方の端部、比較器111-2の正端子、および抵抗R30の一方の端部に接続されており、他方の端部が接地されている。
抵抗R30は、一方の端部が抵抗R28の他方の端部、比較器111-2の正端子、および抵抗R29の一方の端部に接続されており、他方の端部が比較器111-2の出力端子、およびOR回路104の他方の入力端子に接続されている。
比較器111-2は、負端子が抵抗R26の他方の端部、コンデンサC2の他方の端部、および抵抗R27の他方の端部に接続されており、正端子が抵抗R28の他方の端部、抵抗R29,R30の一方の端部に接続されており、出力端子が、抵抗R30の他方の端部、およびOR回路104の他方の入力端子に接続されている。
このような構成から、リセット回路103-2は、コンデンサC2の静電容量および抵抗R26,R27に基づいた積分定数により異常信号受信回路102-2より不正または異常を示す異常信号が供給されてくると、異常信号が供給されているタイミングに、積分定数に応じた所定時間だけ長い時間異常検出信号をOR回路104の他方の入力端子に出力する。
尚、抵抗R21,R22,R26,R27およびコンデンサC1,C2の静電容量は、センサ2-1,2-2の特性に応じた値が個別に設定される。また、リセット回路103-1,103-2において、比較器61-1,61-2は、いずれもオープンコレクタ出力となるように構成されている。これは、信号がHiからLowとなる立ち下がりの遅延時間と、信号がLowからHiとなる立ち上がりの遅延時間とを、それぞれ異なる長さに設定できるようにするものであり、例えば、コンデンサC1および抵抗R21,R22の場合、抵抗R21の容量を小さくすることで、抵抗R22を無効に近い状態にすることができるので立ち下がり時間を調整することができ、抵抗R22を大きくすることでオフディレイ時間を大きくすることが可能となる。
OR回路104は、リセット回路103-1,103-2よりそれぞれ供給されてくる異常検出信号の少なくともいずれか一方が、不正または異常を検出していることを示すHiの信号である場合、Hiの信号をバッファ105、インタフェイスブロック101-1,101-2の判定回路31-1,31-2に供給し、それ以外の場合、不正または異常を示さないLowの信号を出力する。
バッファ105は、制御用電源Vcc12の電源電圧に基づいて、CPU4で処理可能な電圧値に調整した信号を、OR回路104より供給されてくる信号に同期してCPU4に出力する。
したがって、図10のインタフェイス回路3は、図4乃至図6のインタフェイス回路3における受け付ける電子スイッチ1およびセンサ2の数が2個となり、それぞれに受け付けた検出信号および異常信号に基づいて、それぞれインタフェイスブロック101-1,101-2がセンサ2-1,2-2のいずれかから不正または異常が検出された場合、対応して遊技球の検出信号を直前の状態に維持するか、または、検出していない信号に固定する。この際、バッファ105より不正または異常が検出されたことを示す信号が出力される。
また、不正または異常が検出されるタイミングは、リセット回路103-1,103-2により所定の時間だけ長い時間、終了するタイミングが遅延される。
次に、図11のフローチャートを参照して、異常検出処理について説明する。尚、ここでは、センサ2-1は、電波センサであるものとして説明を進めるものとし、不正な、または異常な電波を検出すると異常信号Lowを出力し、それ以外では、Hi信号を出力する。また、センサ2-1は、磁気センサであるものとして説明を進めるものとし、不正な、または異常な磁気を検出すると異常信号をLowを出力し、それ以外では、Hi信号を出力する。
ステップS31において、センサ2-1,2-2のそれぞれについて異常信号がHiであるか否かが判定される。例えば、図12の上から3段目の点線の波形における時刻t121乃至t122で示されるように、異常信号受信回路102-1の比較器61-1の正端子にセンサ2-1より入力端子22-1を介して供給されてくる異常信号がLowとなり、比較器61-1は、負端子の電圧値よりも、正端子に供給されるポイントV22-1の電圧値V22-1の方が小さいため、出力端子よりLowの信号を出力する。結果として、ステップS32において、比較器61-1がLowの異常検出信号をリセット回路103-1に出力する。
尚、図12においては、最上段は、正常状態における電子スイッチ1-1における遊技球の検出波形を示しており、時刻t101乃至t102の時間T101、時刻t103乃至t104の時間T102、時刻t105乃至t106の時間T103、および時刻t107乃至t108の時間T104においては、正規の遊技球を検出している例を示している。また、図12の2段目は、電子スイッチ1-2における不正または異常が発生することにより、電子スイッチ1-2で検出される遊技球の誤検出の波形を示している。図12の2段目においては、時刻t111乃至t112の時間Txの波形は、不正電波または異常電波の発生により、あたかも遊技球が検出されたかのように誤検出された波形であり、時刻t113乃至114の時間Tyの波形は、不正磁気または異常磁気の発生により、遊技球が誤検出された波形である。さらに、図12の3,4段目は、不正電波または異常電波、および不正磁気または異常磁気が発生されているタイミングを示す波形を示している。また、図12の5段目は、図10中のポイントV101における電圧値を示しており、図12の6,7段目は、電子スイッチ1-1,1-2にそれぞれ対応する出力端子25-1,25-2におけるポイントV25-1,V25-2よりCPU4に出力される状態信号の電圧値をそれぞれ示している。
ステップS33において、リセット回路103-1においては、異常信号受信回路102-1より供給されてくるLowとなっている検出信号により、抵抗R21を介してコンデンサC1の充電が開始される。
ステップS34において、比較器111-1は、コンデンサC1の充電に伴って、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力される図12における3段目の実線の波形で示されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも大きいか否かを判定し、例えば、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも小さい場合、ステップS35において、出力端子より異常検出信号としてLowの信号をOR回路104に出力し、処理は、ステップS33に戻る。
すなわち、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも大きいと判定されるまで、ステップS33乃至S35の処理が繰り返されて、コンデンサC1の充電と、異常検出信号としてLowが出力され続ける。
ステップS34において、コンデンサC1の充電が進むことにより、例えば、図12における時刻t141において、正端子に入力されるセンサ用電源Vcc11からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも大きくなった場合、ステップS36において、比較器111-1の出力端子より状態信号としてHiがOR回路104出力される。これにより、OR回路104は、出力端子よりHiの状態信号を出力することになるので、バッファ105より出力端子91を介してCPU4に状態信号がHiの状態で出力される。
したがって、センサ2-1より不正または異常な電波が検知されている限り、ステップS31乃至S36の処理が繰り返され、状態信号としてHiの状態が維持されることになる。
一方、ステップS31において、例えば、図12の3段目の点線の波形で示されるように、時刻t122において、不正または異常な電波の検出が終了した場合、ステップS37において、比較器61-1は、出力端子よりHiの異常検出信号を出力する。
ステップS38において、リセット回路103-1におけるコンデンサC1の放電が開始される。
ステップS39において、比較器111-1は、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも大きいか否かを判定する。ステップS40において、コンデンサC1の放電に伴って、負端子に入力されるポイントV100-1の閾値となる電圧値V100-1が上昇し、正端子に入力される電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも大きいと判定された場合、ステップS40において、比較器111-1は、出力端子よりHiの状態信号をOR回路104出力し、処理は、ステップS38に戻る。
すなわち、コンデンサC1の放電に伴って、正端子に入力される電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも小さくなるまで、ステップS38乃至S40の処理が繰り返される。
ステップS39において、正端子に入力される電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100-1よりも大きくない、すなわち、コンデンサC1の放電に伴って、図12の3段目の実線の波形で示されるように、負端子に入力されるポイントV100-1の電圧値V100が上昇し、正端子に入力される電圧値が、負端子の電圧値V100-1よりも小さくなった場合、ステップS41において、比較器111-1は、出力端子より状態信号としてLowの信号を出力する。
すなわち、図12の3段目の波形で示されるように、時刻t121乃至t122の時間Tzの間に不正または異常電波を検出した場合、2段目の波形で示されるように、立ち上がりで約1.5ms程度、立下りで約0.7ms程度遅れた時刻t111乃至t112の時間Txの間、不正または異常に遊技球を検出する。したがって、上述したように、不正または異常に遊技球を検出するタイミングと、不正または異常な電波を検出するタイミングとは異なる。しかしながら、以上のように、リセット回路103-1における抵抗R21,R22およびコンデンサC1の容量による積分定数の設定により、図12の5段目の波形で示されるように、時刻t111乃至t112の全体をカバーするように、時刻t141乃至t142の時間Tpにおいて、状態信号としてHiの信号を出力することが可能となるので、図12の6,7段目で示されるように、時刻t141乃至t142の時間Tpにおいては、出力端子25-1,25-2において出力される状態信号は、直前の状態が維持されることになるので、不正、または異常な電波が発生している間は、不正または異常による誤検出を抑制することが可能となる。
また、ステップS31において、例えば、図12の上から4段目の点線の波形における時刻t131乃至t132で示されるように、異常信号受信回路102-2の比較器61-2の正端子にセンサ2-2より入力端子22-2を介して供給されてくる異常信号がLowとなるので、比較器61-2は、負端子の電圧値が、正端子に供給されるポイントV22-2の電圧値V22-2よりも小さいため、出力端子よりLowの信号を出力する。結果として、ステップS32において、比較器61-2がLowの異常検出信号をリセット回路103-2に出力する。
ステップS33において、リセット回路103-2においては、異常信号受信回路102-2より供給されてくるLowとなっている検出信号により、抵抗R26を介してコンデンサC2の充電が開始される。
ステップS34において、比較器111-2は、コンデンサC2の充電に伴って、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力される図12における4段目の実線の波形で示されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも大きいか否かを判定し、例えば、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも小さい場合、ステップS35において、出力端子より異常検出信号としてLowの信号をOR回路104に出力し、処理は、ステップS33に戻る。
すなわち、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも大きいと判定されるまで、ステップS33乃至S35の処理が繰り返されて、コンデンサC2の充電と、異常検出信号としてLowが出力され続ける。
ステップS34において、コンデンサC2の充電が進むことにより、例えば、図12における時刻t143において、正端子に入力されるセンサ用電源Vcc11からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも大きくなった場合、ステップS36において、比較器111-2の出力端子より状態信号としてHiがOR回路104出力される。これにより、OR回路104は、出力端子よりHiの状態信号を出力することになるので、バッファ105より出力端子91を介してCPU4に状態信号がHiの状態で出力される。
したがって、センサ2-2より不正または異常な磁気が検知されている限り、ステップS31乃至S36の処理が繰り返され、状態信号としてHiの状態が維持されることになる。
一方、ステップS31において、例えば、図12の4段目の点線の波形で示されるように、時刻t142において、不正または異常な電波の検出が終了した場合、ステップS37において、比較器61-2は、出力端子よりHiの異常検出信号を出力する。
ステップS38において、リセット回路103-2におけるコンデンサC2の放電が開始される。
ステップS39において、比較器111-2は、正端子に入力される電源からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも大きいか否かを判定する。ステップS40において、コンデンサC2の放電に伴って、負端子に入力されるポイントV100-2の閾値となる電圧値V100-2が上昇しつつ、正端子に入力されるセンサ用電源Vcc11からの電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも大きいと判定された場合、ステップS40において、比較器111-2は、出力端子よりHiの状態信号をOR回路104出力し、処理は、ステップS38に戻る。
すなわち、コンデンサC2の放電に伴って、正端子に入力される電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも小さくなるまで、ステップS38乃至S40の処理が繰り返される。
ステップS39において、正端子に入力される電圧値が、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2よりも大きくない、すなわち、コンデンサC2の放電に伴って、図12の4段目の実線の波形で示されるように、負端子に入力されるポイントV100-2の電圧値V100-2が上昇し、正端子に入力される電圧値が、負端子の電圧値V100-2よりも小さくなった場合、ステップS41において、比較器111-2は、出力端子より状態信号としてLowの信号を出力する。
すなわち、図12の4段目の波形で示されるように、時刻t131乃至t132の時間Twの間に不正または異常磁気を検出した場合、2段目の波形で示されるように、立ち上がり、および、立下りで約数秒程度遅れた時刻t113乃至t114の時間Tyの間、不正または異常に遊技球を検出する。したがって、上述した電波よりも、不正または異常に遊技球を検出するタイミングと、不正または異常な電波を検出するタイミングとは大きく異なる。しかしながら、以上のように、リセット回路103-2における抵抗R26,R27およびコンデンサC2の容量による積分定数の設定により、図12の5段目の波形で示されるように、時刻t113乃至t114の全体をカバーするように、時刻t143乃至t144の時間Tqにおいて、状態信号としてHiの信号を出力することが可能となるので、図12の6,7段目で示されるように、時刻t143乃至t144の時間Tqにおいては、出力端子25-1,25-2において出力される状態信号は、直前の状態が維持されることになるので、不正、または異常な電波が発生している間は、不正または異常による誤検出を抑制することが可能となる。
また、以上のように数秒単位での遅延時間をソフトウェアプログラムにより同様の対策を施そうとすると、膨大な容量のソフトウェアプログラムを必要とするため、図10のインタフェイス回路3においては、これらのソフトウェアプログラムの容量を圧迫することなく、安定的に、不正または異常による誤検出を抑制することが可能となる。
尚、以上においては、センサ2-1を電波センサ、センサ2-2を磁気センサとする例について説明してきたが、その他のセンサを用いるようにしてもよいが、センサに応じて、積分定数を設定する必要がある。また、磁気センサにおいては、有接点式のものが存在するが、復帰時に金属接触特有のチャタリングが発生しやすい。この場合でも、十分大きな積分定数を設定すれば、チャタリングによる磁気の誤検出などにも対応させることが可能となり、結果として、より安定的に磁気センサを用いた対策を施すことが可能となる。
次に、図13のフローチャートを参照して、OR回路104における状態信号出力処理について説明する。
ステップS61において、OR回路104は、リセット回路103-1,103-2のいずれかから状態信号としてHiの信号が供給されてきたか否かを判定し、いずれかがHiであった場合、ステップS62において、OR回路104は、出力端子よりHiの状態信号をインタフェイスブロック101-1,101-2、およびバッファ105に出力する。一方、ステップS61において、いずれかもHiではなかった場合、ステップS63において、OR回路104は、出力端子よりLowの状態信号をインタフェイスブロック101-1,101-2、およびバッファ105に出力する。
以上の処理により、複数のセンサを用いて不正または異常を判定して、これらの判定結果に基づいて、複数の遊技台の電子スイッチについて、不正または異常による遊技球の誤検出を抑制することが可能となる。尚、センサの数は、2個以外であってもよいし、2種類以上のセンサであってもよい。
以上においては、各種のセンサにより電子スイッチ1による遊技球の誤検出をさせるための不正または異常を検出して、検出結果に対応して遊技球の検出信号を直前の状態に維持させる、または、非検出の状態に維持させる例について説明してきたが、例えば、これらの不正または異常のみならず、例えば、各電子スイッチ1などの断線または短絡などの事故の有無を考慮するようにしてもよい。
図14は、電子スイッチ1などの断線または短絡などの事故の有無をも考慮したインタフェイス回路3の構成例を示している。尚、図4乃至図6、および図10のインタフェイス回路3と同様の構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
図14のインタフェイス回路3における図4乃至図6、および図10のインタフェイス回路3と異なる点は、各電子スイッチ2-1,2-2のそれぞれに、断線または短絡状態を検出する断線短絡検知回路151-1,151-2が設けられており、断線短絡検知回路151-1,151-2の検知結果が供給されるOR回路153、OR回路153より供給されてくる短絡または断線を示す状態信号を出力端子161よりCPU4に出力するバッファ154、およびOR回路104,153の出力信号に基づいて、不正、異常、または断線短絡等の事故の有無を示す状態信号を出力するOR回路152が設けられ、さらに、電波センサを2個としてのセンサ2-1-1,2-1-2とし、磁気センサを2個としてセンサ2-2-1,2-2-2とした点である。
断線短絡検知回路151-1,151-2は、いずれも電子スイッチ2-1,2-2の断線または短絡状態を検知し、検知した場合、状態信号としてHiの信号をOR回路153に出力し、それ以外の場合、Lowの信号を出力する。断線短絡検知回路151-1,151-2の詳細な構成は、例えば、上述した特許文献3に記載の構成であってもよい。
OR回路153は、断線短絡検知回路151-1,151-2の少なくともいずれかから状態信号としてHiの信号が入力される場合、状態信号としてHiの信号をバッファ154およびOR回路152に出力し、それ以外の場合、Lowを出力する。
バッファ154は、OR回路153からの状態信号を制御用電源Vcc12の電圧に調整して、出力端子161を介してCPU4に出力する。
OR回路152は、OR回路104,153の少なくともいずれかから状態信号としてHiが供給される場合、インタフェイスブロック101-1,101-2のそれぞれにHiの状態信号を出力し、それ以外の場合、Lowの状態信号を出力する。
次に、図15のフローチャートを参照して、図14のインタフェイス回路3による状態信号出力処理について説明する。
ステップS81において、OR回路104は、リセット回路103-1,103-2の少なくともいずれかから不正または異常を示す状態信号としてHiが供給されたかを判定する。ステップS81において、リセット回路103-1,103-2の少なくともいずれかから不正または異常を示す状態信号としてHiが供給されたと判定された場合、ステップS82において、OR回路104は、出力端子より状態信号としてHiの信号を出力する。一方、ステップS81において、リセット回路103-1,103-2のいずれからも状態信号としてHiが供給されていないと判定された場合、ステップS83において、OR回路104は、出力端子より状態信号としてLowの信号を出力する。
ステップS84において、OR回路153は、断線短絡検知回路151-1,151-2の少なくともいずれかから断線短絡を示す状態信号としてHiが供給されたかを判定する。ステップS84において、断線短絡検知回路151-1,151-2の少なくともいずれかから断線短絡を示す状態信号としてHiが供給されたと判定された場合、ステップS85において、OR回路153は、出力端子より状態信号としてHiの信号を出力する。一方、ステップS84において、断線短絡検知回路151-1,151-2のいずれからも断線短絡を示す状態信号としてHiが供給されていないと判定された場合、ステップS86において、OR回路153は、出力端子より状態信号としてLowの信号を出力する。
ステップS87において、OR回路152は、OR回路104,153の少なくともいずれかから異常、不正、または断線短絡を示す状態信号としてHiが供給されたかを判定する。ステップS87において、OR回路104,153の少なくともいずれかから異常、不正、または断線短絡を示す状態信号としてHiが供給されたと判定された場合、ステップS88において、OR回路152は、出力端子より状態信号としてHiの信号を出力する。一方、ステップS87において、OR回路104,153のいずれからも異常、不正、または断線短絡を示す状態信号としてHiが供給されていないと判定された場合、ステップS89において、OR回路152は、出力端子より状態信号としてLowの信号を出力する。
以上の処理により、不正または異常な状態に応じて電子スイッチによる遊技球の有無を誤検出させないようにするのみならず、さらに、電子スイッチの断線または短絡により発生する誤検出を抑制することが可能となる。
尚、図10および図14のインタフェイス回路3によりインタフェイス処理については、図6のインタフェイス回路3における処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、接続状態の異常を示すポイントV153における状態信号V153と、不正または異常の検知を示す状態信号V101を使い分ける用にさせても良く、例えば、状態信号V101がHiの場合、判定回路31-1,31-2における遮断回路51-1,51-2および補助出力回路52-1,52-2を両方とも動作させ、状態信号V153がHiの場合、遮断回路51-1,51-2のみを動作させ、インタフェイスブロック101-1,101-2のそれぞれの出力端子25-1,25-2から出力信号の組み合わせとして、直前の状態を維持させる処理と、遊技球を検出しない状態に固定して出力させる処理とを2通りに使い分けるようにしてもよい。
また、図14のインタフェイス回路3においては、電波センサ2-1-1,2-1-2からの検出信号を入力端子22−1で並列に受け付け、磁気センサ2-2-1,2-2-2を入力端子22-2で並列に受け付けている。
図10で示されるように、異常信号受信回路102における比較器61がノーマルオープン出力仕様(異常が検出されたときにのみHiとなる仕様)であれば、1個の接続端子に対する複数使用が可能で、図14の方式では、遊技台の隅々まで同種の不正または異常を監視するセンサを配設し、いずれかが不正または異常を検知した場合、共通して不正または異常を示す状態信号がHiとなるので、各インタフェイス回路出力を同時に直前の状態に維持させたり、または、遊技球を非検出する状態に維持させることが可能となる。
また、同様に、出力端子161により出力される状態信号をノーマルオープンの極性とすれば、例えば、入力端子22-1,22-2と外部接続するようにして、OR回路104より出力される状態信号をインタフェイスブロック101-1,101-2に出力するようにしてもよい。
さらに、以上においては、図5で示されるように、判定回路31が選択回路41および検出信号判定回路42からなる構成である例について説明してきたが、例えば、図16で示されるように検出信号判定回路201および信号保持回路202より構成されるようにしてもよい。図16における検出信号判定回路201は、電子スイッチ1より供給されてくる検出信号を弁別し、弁別した結果を信号保持回路202に出力する。信号保持回路202は、異常信号受信回路32より供給されてくる異常検出信号に基づいて、不正または異常が検出された場合、弁別された結果となる信号を保持し、それ以外の場合、弁別結果を出力回路33に出力するものである。
尚、図16インタフェイス回路3は、図5におけるインタフェイス回路3とは、機能上は同一のものであるが、信号保持回路202は、制御用電源Vcc12により駆動するように構成される。
また、以上においては、電波センサ、および磁気センサを用いた例について説明してきたが、センサは、その他のセンサであっても良く、例えば、振動センサなどを用いるようにしてもよい。
本発明によれば、様々な不正、異常、断線、または短絡などを検知可能なセンサのうち物理的に接続可能なものであれば、接続するのみで、それら全てを考慮して遊技球の誤検出を抑制させることが可能となる。また、電気的な回路により実現されるので、限りあるソフトウェアプログラムの容量を節約しつつ、効果的に遊技球の誤検出を抑制することが可能となる。