JP3558018B2 - パチンコ玉検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触でパチンコ玉の存在を検出するパチンコ玉検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ玉検出装置は、パチンコ台や玉貸器での払い出し玉の検出等に用いられており、光学的な手法により非接触でパチンコ玉を検出するものが知られている。例えば図9に示すように、パチンコ玉の通路を横切る位置に投光器Sと受光器Dとを設け、パチンコ玉Pが投光器Sからの検出光を遮ることで、パチンコ玉Pの存在を検出するのである。こうしたパチンコ玉の検出装置としては、パチンコ玉が検出光を遮る度にパルス信号を出力するもの、あるいはパチンコ玉が存在する間、アクティブなレベル信号を出力するものがある。
【0003】
後者の信号について、実際の構成に即して説明する。例えばパチンコ台で景品球を払い出す際には、複数個のパチンコ玉が連続して排出される。従って、景品球の払い出し機構では、パチンコ玉を縦列させ、払い出しに足りる個数のパチンコ玉が揃ったか否かを、先頭から所定個数目のパチンコ玉の位置に検出装置を設け、その出力信号の状態を監視することで検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光を用いた従来のこうしたパチンコ玉検出装置では、電源電圧の供給用の接続と、検出用の接続とが個別に必要となり、接続が複雑化するという問題があった。本発明のパチンコ玉検出装置は、配線を簡素化することを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明のパチンコ玉検出装置は、
パチンコ玉の有無によりオン・オフされるスイッチング回路を内蔵した検出部と、該検出部と接続され、スイッチング回路の動作状態により、前記パチンコ玉の有無を認識する認識部とを備えたパチンコ玉検出装置であって、
前記検出部は、
パチンコ玉の非検出状態で発振しパチンコ玉が近接したとき発振を停止し、該発振の状況に応じて前記スイッチング回路をオン・オフする発振回路と、
該検出部の動作電圧を端子間に供給される第1および第2端子と、
該第1,第2端子間に設けられ、前記スイッチング回路のオン・オフ状態により、前記第1端子から前記第2端子へと流れる電流の大きさを切り替える二つの電流路と、
該電流路に設けられ、流れる電流の大きさによりツェナー電圧が上昇する特性を有するツェナーダイオードと、を備え、
該ツェナーダイオードを、該ツェナー電圧の上昇により前記発振回路の発振を停止しにくくして、該スイッチング回路のオン・オフにヒステリシスを付与するよう前記発振回路に接続し、
前記認識部は、
前記第1端子に、前記検出部による検出電圧より高い電源電圧を供給し、
前記第2端子を、所定抵抗値の抵抗器を介して、接地し、
前記スイッチング回路のオン・オフにより前記抵抗器を介して流れる電流が変化することによって、前記検出電圧と略0ボルトの間で切り替わる前記第2端子の端子電圧を検出することにより、前記検出部における前記パチンコ玉の有無を検出すること
を要旨とする。
【0006】
かかる構成によれば、検出部と認識部との結線は、第1,第2端子のみで済み、電源供給用の接続と検出用の接続とを簡素化することができる。更に、スイッチング回路のオン・オフによりツェナー電圧が変化することによって、発振回路の発振条件に正帰還をかけ、結果的にスイッチング回路のオン・オフにヒステリシスを付与することができる。
【0007】
なお、発振回路は、コイルもしくはコンデンサを用いて構成することができ、これらのコイルまたはコンデンサは、筐体に収納されていてる形態としてもよいし、コイルもしくはコンデンサの一部が収納された形態としてもよい。また、コイルもしくはコンデンサは、回路基板に直接半田付けなどの方法で固定してもよいし、回路基盤とは個別に設けてもよい。
【0008】
こうしたパチンコ玉検出装置では、パチンコ玉が存在しない場合、発振回路は、検出部にコイルを採用した場合には、コイルのインダクタンス成分を用いて発振する構成とすることができる。この場合、コイルの近傍にパチンコ玉が近づき、コイルが形成する磁束がパチンコ玉を横切る状態になると、主に渦電流損失により発振エネルギは失われ、発振回路の発振状態が変化して通常発振は停止する。スイッチング回路は、この発振回路の発振状況に応じてオン・オフされ、抵抗器を流れる電流の大きさが変化し、第2端子の端子電圧を検出することにより、パチンコ玉の有無を検出することができる。
【0009】
スイッチング回路のオン・オフにより電流を異ならせて、パチンコ玉の有無を検出する構成は、例えば電流の大きさを切り換える回路として、ツェナーダイオードと抵抗値の異なる二つの抵抗器とを設けた構成などを考えることができる。スイッチング回路に設けられたスイッチング素子のオン・オフにより、ツェナーダイオードといずれかの抵抗器とを通る回路を構成すればよい。こうしたツェナーダイオードは、流れる電流の大きさによりツェナー電圧が上昇する特性を有するタイプのものを用いる。
【0010】
発振回路の発振状況を変化させることは、パチンコ玉の有無に基づく渦電流損失による発振エネルギの消耗に代えて、パチンコ玉の通路を跨ぐ位置にコンデンサを形成する電極を設け、この電極間をパチンコ玉が通過する構成によっても達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のパチンコ玉検出装置の好適な実施例について説明する。図1は実施例としてのパチンコ玉検出装置の構造を示す断面図、図2は同じくその回路、図3はこのパチンコ玉検出装置が配設されるパチンコ台の概略構成図、である。
【0012】
まず、パチンコ台の構成から説明する。パチンコ台は、図3に示したように、機枠1と、機枠1の前面に開閉自在に取り付けられた前枠3と、前枠3の裏面に着脱自在に装着される遊技盤5を中心に構成されている。遊技盤5の裏面には、種々の機構が登載される機構板7が回動自在に取り付けられており、この機構板7の裏面上部には、図示しないパチンコ玉送給装置から送給されるパチンコ玉を貯める景品球タンク10が固定されている。この景品球タンク10の下方には、景品球となるパチンコ玉を、2列に縦列させて導き出す導出樋12が形成されており、その下端にパチンコ玉の送り出し装置20が装着されている。また、前枠3下部には、玉発射装置14が取り付けられている。
【0013】
導出樋12の途中には、送り出し装置20が動作するのに十分な数のパチンコ玉が溜まっていない場合にこれを検出する玉補給インターロックスイッチ15が設けられている。また、導出樋12の末端、送り出し装置20の直前には、導出樋12での玉詰まり等を検出する玉詰まりインターロックスイッチ17と、パチンコ玉検出装置の一実施例である玉確認スイッチ18が設けられている。また、送り出し装置20のパチンコ玉排出側直下には、同じ他の実施例である景品球確認スイッチ19が設けられている。送り出し装置20は、インターロックスイッチ17がオフで玉確認スイッチがオンの場合にのみ、送り出されるパチンコ玉を景品球確認スイッチ19により確認しつつ景品球の送り出しを行なう。
【0014】
なお、玉補給インターロックスイッチ15,玉詰まりインターロックスイッチ17,玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19は、2列設けられた導出樋12の各々に応じて、2個ずつ設けられているが、同一の構成なので以下の説明では一方のみを示す。また、玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19の構成と働きについては、送り出機構20の構成および働きと併せて、後で詳解する。
【0015】
送り出し装置20による景品球の送り出しは、入賞球に応じて行なわれるが、この入賞球は、入賞球導出路23に設けられた検出器24により検出される。入賞球は、入賞した役物の種類等に応じて3つに区別されており、検出器24も3組設けられている。パチンコ玉の送り出しを開始するための信号という意味で、これを第1,第2,第3スタートスイッチ(24a,b,c)と呼んでいる。なお、これらのスタートスイッチの一つ、例えば第3スタートスイッチ24cを、パチンコ台に隣接して設けられた玉貸し機等の作動スイッチとして用いることも考えられる。この場合、第3スタートスイッチ24cからの信号に応じて、玉貸し機は、所定個数のパチンコ玉を貸し出す。
【0016】
送り出し装置20の下方には、送り出し装置20によって計数されて放出されたパチンコ玉を前枠3の前面に設けられた上皿および下皿に導く放出樋26が設けられている。なお、放出樋26と上皿,下皿との接続部近傍には、上皿および下皿にパチンコ玉が一杯になったことを検出する上下皿インターロックスイッチ27が設けられている。
【0017】
次に、送り出し装置20の構成について説明する。送り出し装置20は、図4,図5に示すように、上下に開口した中空の角筒体形状のケース29を有し、その内部の導出樋12の下端に対応した位置に、2列の玉通路31,32を備える。また、ケース29の内部には、ケース29の壁面に両端が支持された横軸35が設けられ、この横軸35に2つの玉切り円盤41,42が連結筒部43により一体かつ横軸35に対して回転自在に軸支されている。
【0018】
各玉切り円盤41,42は、外周の13箇所に半円状の切欠Paを有する2枚のスプロケット44と、このスプロケット44を両側に固定したブラケット45とから構成されている。玉切り円盤41,42は、その外周が、図4に示すように、玉通路31,32の内部に臨む位置に設けられている。また、スプロケット44の外周に設けられた切欠Paの径が、パチンコ玉とほぼ同一であることから、玉切り円盤41,42が回転すると、玉通路31,32内のパチンコ玉Bは一つずつ、放出樋26へと送り出されることになる。なお、玉切り円盤41,42は、切欠Paのピッチのちょうど1/2だけずれた回転位置で互いに固定されており、パチンコ玉の送り出しは、交互になされる。
【0019】
2組の玉切り円盤41,42を連結する連結筒部43の外周には、ウオーム歯車46が固定されている。このウオーム歯車46には、これを駆動するウオーム47が噛み合わされている。このウオーム47が取り付けられた軸49は、一端がケース29の外壁に回転自在に軸支され、他端がステッピングモータ50の回転軸51に固定されている。ステッピングモータ50は、ケース29外壁に固定されている。ステッピングモータ50が回転すると、その回転軸51に直結されたウオーム47の回転を介してウオーム歯車46が回転し、玉切り円盤41,42も回転する。玉切り円盤41,42の回転の状態を検出するために、玉切り円盤42の一方のスプロケット44を挟む位置に、赤外光を利用した透過型光検出器55が設けられている。この透過型光検出器55は、スプロケット44の切欠Paより、光が透過もしくは遮断する毎に、即ちパチンコ玉が1個送り出される毎に、パルス信号を送出する。
【0020】
なお、この送り出し装置20と玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19との取付位置関係について説明すると、図5に示すように、玉確認スイッチ18は、玉送り出し装置20の玉通路31,32の直前に設けられており、景品球確認スイッチ19は、その直下に設けられている。
【0021】
次に、パチンコ台全体の制御を行なう電子制御装置60について、図6を参照しつつ簡略に説明する。この電子制御装置60は、周知の算術論理演算部やROM,RAM等を内蔵した1チップマイクロコンピュータ(以下、MPUという)61を中心に構成されている。電子制御装置60は、上述した各種スイッチおよびハンドル62に設けられたタッチ検出スイッチ63からの信号を取り込み、玉発射装置14,玉送り出し装置20あるいは入賞表示ランプなどの表示素子群65等を制御する。
【0022】
各種スイッチは、MPU61の入力ポートPAないしPBに、また玉発射装置14などは出力ポートPCないしPEに、各々接続されている。MPU61とこれらのスイッチおよび外部装置との間には、接続される機器に応じたインタフェース回路が設けられているが、ここではその図示および説明を省略する。
【0023】
本発明の実施例である玉確認スイッチ18と景品球確認スイッチ19の構成および電子制御装置60との接続、更にパチンコ玉の検出の原理について説明する。図1に示すように、玉確認スイッチ18および景品球確認スイッチ19は、断面「コ」の字形の筐体71を備え、この内部に基板73を備える。この基板73の一端は、筐体71の外に飛び出しており、接続端子75として用いられている。基板73には、図2に示したトランジスタ等の電子部品が組み立てられている。
【0024】
図1に示すように、コイルL1,L2は、「コの字形の筐体71の突出した収納部81,82に収納される。収納部81,82の中心間距離、即ちコイルL1,L2の中心間距離は、パチンコ玉Bの直径の丁度1.5倍の距離とされている。
【0025】
玉確認スイッチ18と景品球確認スイッチ19とは、玉確認スイッチ18が2個のコイルL1,L2を備え、景品球確認スイッチ19が1個のコイルL1のみを有する点を除いて、他は同一の回路構成なので、以下、玉確認スイッチ18を例にとって説明する。玉確認スイッチ18は、図2に示すように、12ボルトが供給される電源端子T1と、MPU61の入力ポートPB1に接続される検出端子T2とを有する。この検出端子T2は、回路のグランドレベルを兼ねており、電子制御装置60側で抵抗器RDを介して接地されている。玉確認スイッチ18は、高周波発振回路COと、高周波発振回路COの発振状態に基づいてオン・オフするスイッチング回路SWとから構成されている。
【0026】
スイッチング回路SWには、電源端子T1から12ボルトの電圧が加えられているが、検出端子T2が抵抗器RD(本実施例では抵抗値680Ω)により接地されていることから、スイッチング回路SWの電源電圧は、スイッチング回路SWのトランジスタTr2のオン・オフ状態により変化する。一方、高周波発振回路COには、電源端子T1と検出端子T2との間に介装された抵抗器R1(本実施例では抵抗値27KΩ)とツェナーダイオードD1により安定化されたツェナー電圧Vz(本実施例では約5.5ボルト)が供給される。
【0027】
高周波発振回路COは、特性が同一の2つのトランジスタを同一チップ内に形成した双トランジスタTr1を備え、この双トランジスタTr1の両エミッタとグランドラインとの間に介装された抵抗器R3,コンデンサC1,C2およびコイルL1,L2により、コルピッツ型の高周波発振回路として構成されている。なお、双トランジスタTr1のベースは、抵抗器R2を介して電源ラインに接続されている。この高周波発振回路COの発振周波数は、コイルL1,L2のインダクタンスとコンデンサC1,C2の容量とで決まり、本実施例ではおよそ300K[Hz]となっている。
【0028】
双トランジスタTr1のコレクタの一方は使用されていないが、他方はスイッチング回路SWのトランジスタTr2のベース端子に接続されている。このトランジスタTr2のベース端子には、グランドラインとの間にコンデンサC3が接続されており、エミッタ端子には抵抗器R4(本実施例では220Ω)が接続されている。また、トランジスタTr2のコレクタ端子は、電源ラインに接続されている。高周波発振回路COが発振している状態では、双トランジスタTr1は約300K[Hz]でオン・オフを繰り返しており、双トランジスタTr1がオンのときには、そのコレクタ電流はスイッチング回路SWのトランジスタTr2のベースから流れ込んでトランジスタTr2をターンオンする。一方、高周波発振回路COの発振により双トランジスタTr1が僅かの時間オフとなる間は、トランジスタTr2のベース電流はコンデンサC3の充放電により継続され、トランジスタTr2はオン状態に保たれる。
【0029】
高周波発振回路COが発振している状態で、コイルL1もしくはコイルL2にパチンコ玉Bが接近すると、コイルL1,L2の磁束がパチンコ玉Bを通り抜けることになり、パチンコ玉B内で渦電流損失を生じる。パチンコ玉Bは通常金属製であるが、パチンコ玉が金属以外の材料で作られ表面にメッキがしてある場合でも、メッキなどの薄膜では断面積が小さいことからかなり大きな渦電流損失となる。渦電流損失は高周波発振回路COの発振エネルギを消費することになるから、その高周波発振は著しく減衰しほぼ停止する。コイルL1,L2は同一の物なので、いずれのコイルにパチンコ玉が接近しても同様である。
【0030】
パチンコ玉BがコイルL1,L2のいずれにも接近していない状態では、トランジスタTr2はオン状態となっており、一方、高周波発振回路COの発振がほぼ停止状態となると、スイッチング回路SWのトランジスタTr2はターンオフする。抵抗器R4は抵抗器R1より抵抗値が小さいから(本実施例では220Ω:27KΩ)、トランジスタTr2がオン状態となると、電源端子T1からトランジスタTr,抵抗器R4を介してツェナーダイオードD1に流れる電流は、抵抗器R1を介して流れる電流より増大する(およそ約130倍となる)。この電流は最終的には、検出端子T2に接続された電子制御装置60内の抵抗器RDを介して接地側に流れ込むから、抵抗器RDの両端電圧、即ちMPU61の入力ポートPB1の電圧は、トランジスタTr2がオフ状態で約0.2ボルト、オン状態で約4.9ボルトとなる。従って、MPU61は入力ポートPB1の状態を監視することで、玉確認スイッチ18がパチンコ玉Bを検出している状態(ロウレベル)、検出していない状態(ハイレベル)を容易に知ることができる。
【0031】
なお、トランジスタTr2がオン状態となってツェナーダイオードD1に流れる電流が上昇すると、ツェナーダイオードD1の特性によってはツェナー電圧Vzはある程度上昇する。従って、高周波発振回路COの双トランジスタTr1のベース電位が上昇し、高周波発振回路COの発振条件は強化される。一方、双トランジスタTr1がオフ状態となればツェナー電圧Vzは低下するから、発振条件は悪くなり、発振は停止し易くなる。即ち、本実施例の回路では、ツェナーダイオードのツェナー電圧の特性が悪い場合(電流が増大したときのツェナー電圧がある程度以上高くなるものの場合)、高周波発振回路COの発振条件に正帰還をかけ、コイルL1,L2にパチンコ玉が近づき遠ざかる場合のスイッチング回路SWのスイッチング特性を改善している。なお、ツェナー特性の優れたツェナーダイオードD1を用いる場合には、図7に示すように、トランジスタTr2のコレクタを抵抗器R5を介してグランドラインに接続すると共に、抵抗器R6を介して双トランジスタTr1のベースに帰還させることで、同様の効果を得ることができる。
【0032】
玉確認スイッチ18のコイルL1およびL2は、図1に示したように、その中心間距離DLは、パチンコ玉Bの直径の1.5倍となっている。従って、コイルL1の中心(磁束密度最大)にパチンコ玉Bの中心が位置しているとき、コイルL2の中心は、隣り合ったパチンコ玉の接触点にほぼ対応した位置となる。換言すれば、コイルL1の中心がパチンコ玉の中心からはずれるに従って、コイルL2の中心にパチンコ玉の中心が近づいてくることになる。従って、パチンコ玉が隣同士接した状態となっていれば、パチンコ玉全体が移動していても、コイルL1,L2の磁束のいずれかにより渦電流損失を生じ、高周波発振回路COの発振は常時ほぼ停止状態となり、スイッチング回路SWのトランジスタTr2はオフ状態となって、MPU61の入力ポートPB1はロウレベルとなる。かかる動作原理は、コイルが3個以上となった場合も、同様である。
【0033】
一方、景品球確認スイッチ19にはコイルL2は存在しないから、パチンコ玉Bが通過する度に高周波発振回路COの発振は中断することになり、パチンコ玉がかなり近接した状態で連続して通過しても、パチンコ玉B1個1個の通過に応じて検出端子T2は短時間ロウレベルとなる。従って、電子制御装置60のMPU61は、入力ポートPB2のレベルを監視することにより、景品球の通過を個別に検出してこれをカウントすることができる。
【0034】
図8は、スタートスイッチ24により入賞球が検出された場合に電子制御装置60が実行する処理を簡略に示すフローチャートである。スタート信号に応じて景品球の払い出し個数Nを設定し(ステップS100)、玉詰まりなどが生じておらず払い出しの条件が整っている場合に(ステップS110)、送り出し装置20にパルス信号を送出する処理(ステップS120以下)に移行する。払い出しの処理では、玉確認スイッチ18がパチンコ玉を検出しているか否かを判断し(ステップS120)、検出している場合には送り出し装置20にパルス信号を送ってパチンコ玉Bの払い出しを開始する(ステップS130)。パルス信号を出力する度に景品球の個数Nから値1を引き(ステップS140)、Nが0になるまで上述したステップ120ないし140の処理を繰り返す(ステップS150)。景品球の払い出し残数Nが0になった場合には(ステップS150)、本ルーチンを終了する。
【0035】
一方、払い出し条件が整わない場合、または玉確認スイッチ18がパチンコ玉を検出できない場合には(ステップS110,120)、その状態が所定時間継続したか否かを判断する(ステップS160)。所定時間経過するまで確認を繰り返し、所定時間経過後はエラー処理を行なって(ステップS170)、本ルーチンを終了する。
【0036】
送り出し装置20から払い出されたパチンコ玉は景品球確認スイッチ19により検出されるから、図示しない他の割込ルーチンによりこのパチンコ玉の数をカウントし、これが設定値Nに一致したか否かを監視することは容易である。送り出し装置20等の故障により、払い出しているパチンコ玉の数と実際に払い出された数が異なる場合には、故障としてエラー処理を行なう。
【0037】
以上、パチンコ台の構成およびその働きと共に説明したように、パチンコ玉検出装置の実施例である玉確認スイッチ18と景品球確認スイッチ19は、非接触でパチンコ玉を確実に検出することができる。しかも、玉確認スイッチ18では、パチンコ玉が互いに接する程度の距離を保って移動する場合、コイルL1とコイルL2との中心間距離がパチンコ玉の直径の約1.5倍となっているので、これを検出して連続した信号を出力することができる。従って、従来のように検出信号に対して改めて処理を行なう必要がない。また、パチンコ玉1個1個に対してパルス信号を出力するタイプのものと、連続するパチンコ玉に対して連続する信号を出力するタイプとを、コイルL2とを除いて同一の構成で実現することができ、構成部品の共通化を図ることができる。
【0038】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、例えばパチンコ玉の貸出器などパチンコ玉の数を計数して払い出す装置に用いた構成、検出用のコイルを3以上設けた構成、検出部が一つのパチンコ玉検出装置を複数個並べその出力を多入力ナンドゲートに接続し縦列したパチンコ玉の一つでも欠けた場合にこれを検出する構成、コイルL1,L2に代えてコンデンサC1の電極をパチンコ玉の通路を跨ぐように設けた構成、コイルL1とL2との間隔をパチンコ玉の直径の1.5倍以外の距離、例えば0.5倍や1.3倍など整数倍以外の距離とした構成など、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。なお、本発明はコイルの形成する磁束が金属物内で渦電流を生じて発振回路の発振エネルギを消費することに着目してなされたものであり、検出対象となる金属物は、パチンコ玉以外の例えばメタル、硬貨であっても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパチンコ玉検出装置の一実施例としての玉確認スイッチの構成図である。
【図2】同じくその回路図である。
【図3】本実施例の玉確認スイッチ等を取付けたパチンコ台の概略構成図である。
【図4】送り出し装置20の構造を示す斜視図である。
【図5】同じくその断面図である。
【図6】パチンコ台の全体の制御をつかさどる電子制御装置60の構成を例示するブロック図である。
【図7】本発明の他の構成例を示す回路図である。
【図8】電子制御装置60が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】従来のパチンコ玉検出の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10…景品球タンク
12…導出樋
18…玉確認スイッチ
19…景品球確認スイッチ
20…送り出し装置
60…電子制御装置
61…MPU
71…筐体
73…基板
75…接続端子
CO…高周波発振回路
L1,L2…コイル
SW…スイッチング回路
Tr1…双トランジスタ
Claims (3)
- パチンコ玉の有無によりオン・オフされるスイッチング回路を内蔵した検出部と、該検出部と接続され、スイッチング回路の動作状態により、前記パチンコ玉の有無を認識する認識部とを備えたパチンコ玉検出装置であって、
前記検出部は、
パチンコ玉の非検出状態で発振しパチンコ玉が近接したとき発振を停止し、該発振の有無に応じて前記スイッチング回路をオン・オフする発振回路と、
該検出部の動作電圧を端子間に供給される第1および第2端子と、
該第1,第2端子間に設けられ、前記スイッチング回路のオン・オフ状態により、前記第1端子から前記第2端子へと流れる電流の大きさを切り替える二つの電流路と、
該電流路に設けられ、流れる電流の大きさによりツェナー電圧が上昇する特性を有するツェナーダイオードと、を備え、
該ツェナーダイオードを、該ツェナー電圧の上昇により前記発振回路の発振を停止しにくくして、該スイッチング回路のオン・オフにヒステリシスを付与するよう前記発振回路に接続し、
前記認識部は、
前記第1端子に、前記検出部による検出電圧より高い電源電圧を供給し、
前記第2端子を、所定抵抗値の抵抗器を介して、接地し、
前記スイッチング回路のオン・オフにより前記抵抗器を介して流れる電流が変化することによって、前記検出電圧と略0ボルトの間で切り替わる前記第2端子の端子電圧を検出することにより、前記検出部における前記パチンコ玉の有無を検出する
パチンコ玉検出装置。 - 前記検出部は、コイルまたはコンデンサを用いて前記発振回路を形成する請求項1記載のパチンコ玉検出装置。
- 前記検出部は、前記二つの電流回路に、前記ツェナーダイオードと共に抵抗値の異なる二つの抵抗器を設けた請求項1記載のパチンコ玉検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000221926A JP3558018B2 (ja) | 1991-05-09 | 2000-07-24 | パチンコ玉検出装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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