JP4049355B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機、詳しくは、CR機或は現金機として用いられる弾球遊技機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パチンコ遊技機等の弾球遊技機には、遊技者への球貸にプリペイドカードを用いるもの(CR機)と、現金を用いるもの(現金機)とが在る。これらのうちCR機においては、球貸及び賞球排出のための遊技球の移送がともに内部で行われ、移送された遊技球は共通の排出口から上皿に供給されるのが一般的である。
また、この種の弾球遊技機には、遊技球の移送のために球排出装置を備えるとともに、この球排出装置を球貸と賞球排出とに共用して構造の簡素化を図ったものがある。そして、球排出装置は、単位貸球数(例えば25個)や単位賞球数(例えば6個、15個など)に基づいて制御指令を受けて、必要な数の球排出を行っている。
ところで、遊技店においては種々の計数管理が行われており、弾球遊技機から得られる計数情報が遊技店の経営管理や集客等に利用されている。そして、正確な計数管理のためには、弾球遊技機の稼動状態を可能な限り詳細に把握することが必要である。したがって、貸球数や賞球数も別個に把握できることが望ましいが、これらを正確に検出するためには、球貸経路と賞球経路とを別系統で配設し、それぞれに球排出装置を配設しなければならず、構造及び制御等に大幅な変更が必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、球貸経路と賞球経路の構成を複雑化することなく、貸球数及び賞球数を正確に把握することが可能な弾球遊技機を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明の弾球遊技機は、
貸球排出及び賞球排出に共用される球排出手段と、
貸球及び賞球を区別して検出する球検出手段とを具備した弾球遊技機において、
入賞口への遊技球の入賞に基づき前記賞球排出の要求を行う主制御部と、
前記主制御部からの賞球排出の要求及び球貸ボタンの押下に基づく前記貸球排出の要求を受ける枠制御部と、
前記枠制御部に設けられる枠状態表示器とを備え、
前記枠制御部は前記賞球排出の要求を受けると、前記球排出手段を駆動して要求された賞球数に応じた遊技球の排出を実行し、前記球検出手段で検出される遊技球の数に基づいて要求通りの数の賞球が排出されたか否かを確認し、
前記枠制御部は前記貸球排出の要求を受けると、前記球排出手段を駆動して要求された貸球数に応じた遊技球の排出を実行し、前記球検出手段で検出される遊技球の数に基づいて要求通りの数の貸球が排出されたか否かを確認し、
前記枠制御部が前記賞球排出の要求又は前記貸球排出の要求を受けてから、所定の監視時間が経過するまでの間に、前記球検出手段により遊技球が検出されなければ、前記枠制御部は前記枠状態表示器で球排出手段異常の表示を行い、
さらに、
前記球排出手段から排出された遊技球が流入する遊技球通路を備え、
前記遊技球通路は、途中の分岐部において賞球通路と貸球通路とに分岐され、
前記分岐部には、前記賞球排出あるいは前記貸球排出の別に応じて前記賞球通路及び前記貸球通路のうちの一方を開放し他方を閉塞する通路切換手段が設けられ、
前記通路切換手段は、前記賞球排出のときに前記賞球通路を開放するとともに前記貸球通路を閉塞し、前記貸球排出のときに前記賞球通路を閉塞するとともに前記貸球通路を開放するように、通路切換駆動手段によって駆動されるようになっており、
前記球検出手段は、前記賞球通路に設けられる賞球カウントスイッチと、前記貸球通路に設けられる貸球カウントスイッチとにより構成され、
前記枠制御部が前記要求された賞球数に応じた遊技球の排出を実行した際に、該排出された遊技球を前記貸球カウントスイッチが検出した場合、又は前記枠制御部が前記要求された貸球数に応じた遊技球の排出を実行した際に、該排出された遊技球を前記賞球カウントスイッチが検出した場合、前記枠制御部は前記枠状態表示器で通路切換駆動手段異常の表示を行うことを特徴とする。
これにより、球排出手段を球貸と賞球排出とに共用して構造の簡略化を図ることができ、前記課題が好適に解決される。
球排出手段の具体的な構造の好適例には、裏機構盤に配設され、遊技球を上流側通路から分岐部を介して複数の分岐通路に枝分かれさせた遊技球通路と、前記分岐部に配設され、異なる方向に駆動制御可能とされて、遊技球を前記複数の分岐通路のいずれかに選択して移送可能な球送り部材を有する球排出装置と、を備えたものが挙げられる。これにより、球排出装置は、単位貸球数(例えば25個)や単位賞球数(例えば6個、15個など)に基づいた制御指令を受けて、必要な数の球排出を行う。CR機では、球送り部材を異なる方向に駆動制御可能とし、分岐通路、即ち、賞球通路と球貸通路とのいずれかに選択して遊技球を移送可能とする。一方、現金機では、球送り部材を一方向に駆動制御し、分岐通路の一方に蓋を取り付ける等によって球貸通路を封鎖することができ、賞球通路のみを使用できる。
なお、球送り部材としては、軸と、軸に取りつけられた歯車と、軸を回動させる球排出モータからなるもの等が挙げられる。
球検出手段の具体例としては、前述の分岐通路にそれぞれ設けた賞球カウントスイッチ、球貸カウントスイッチ等が挙げられる。
【0005】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の実施形態の弾球遊技機として、いわゆるフィーバー機とも呼ばれるタイプの第1種パチンコ機を挙げて、その構造を図1〜図6を参照して説明する。
(パチンコ機1の表面構造>
図1に示すパチンコ機1の表面構造を説明すると、パチンコ機1は遊技機枠1aと遊技盤24(図2参照)とに大きく分けられる。このうち遊技機枠1aにおいては、裏面にガラス板が嵌められた前面枠2が中枠3に開閉可能に軸着され施錠装置5により開閉可能となっており、また、この中枠3が本体枠4に開閉可能に軸着されている。中枠3の下方には、上皿6及び下皿7が配置されている。上皿6及び下皿7には、それぞれに、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6a,7aがそれぞれ開口している。上皿6には複数の長孔を有するスピーカ面8が設けられており、その裏側には遊技状態に応じた効果音を発生するスピーカ9が装着されている。上皿6の上表面の右側には、プリペイドカードの残高表示とエラー表示を行う表示部と、遊技球の貸球を行う球貸ボタン、カード返却ボタン等各種操作ボタンとを有する操作パネル10が配置されている。下皿7には、上皿6から供給される遊技球を遊技領域25(図2参照)に発射するための発射装置ユニット107(図3参照)を操作する発射ハンドル11が設けられている。この発射ハンドル11には遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ11aが装着され、発射ハンドル11の近傍には発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ11bが設けられている。
前面枠2の上部には、枠飾りランプ12,13,14,15が設けられ、これらに対応して、枠飾りランプ基板16が設置されている。それらの左側上方には、賞球表示LED17及び賞球表示LED基板18が、右側上方にはストップ表示LED19及びストップ表示LED基板20が位置しており、これらは中枠3に装着されている。スピーカ面8の左方裏側に音量スイッチ基板21が設けられている。更にパチンコ機1の左側にプリベイドカードユニット22が装着されている。また、中枠3の表側の左辺上部には、前面枠2の開閉を検知するドアスイッチ23が設けられている。さらに、図示は省略するが、上皿6の背面側には、遊技球を上皿6から発射位置に1個ずつ供給する発射装置ユニット107(図3参照)が装着されている。また、本実施形態においては、スピーカ9は効果音のみでなく、警報音を発するブザーとしても兼用されている。
さらに、下皿7の排出口7aの内部には下皿満タンスイッチ7bが設けられており、この下皿満タンスイッチ7bは下皿7内の遊技球量が過度に増えた場合にONにする。
【0006】
<遊技盤24の構造>
図2に示す遊技盤24の構造を説明する。遊技盤24の遊技領域25の中央部に大形の枠体でなるセンター役物26が設けられている。このセンター役物26は、上部中央に普通図柄表示装置27、左通過口28及び右通過口29、左右両側に左普通図柄作動ゲート30及び右普通図柄作動ゲート31が設けられている。センター役物26の開口部には10インチサイズの液晶表示盤32を含み構成された特別図柄表示装置33が設けられている。液晶表示盤32には左図柄表示領域34、中図柄表示領域35、右図柄表示領域36が設定されている。センター役物26の左右下部両側に左通過口出口37及び右通過口出口38が設けられている。
センター役物26の下方に条件装置として動作する、アタッカーとも呼ばれる大入賞装置40が配置されている。この大入賞装置40は、その上部中央に第1種始動口(普通電動役物)41、その下側に大入賞口開閉シャッタ39、特定領域開閉シャッタ42、特定領域43、特定領域外領域44、及び大入賞口45を備えている。特別遊技状態において、大入賞口開閉シャッタ39が開き、1つの入賞球が特定領域43に入ると、特定領域開閉シャッタ42が閉じ、その他の入賞球は特定領域外領域44に導かれる。大入賞口45への入球数が9個に達するか、或いは大入賞口開閉シャッタ39の開放時間が約30秒に達すると、大入賞口開閉シャッタ39が閉じる。
大入賞装置40の左右には、左下入賞口46及び右下入賞口47が設けられている。大入賞装置40の上部左右に左入賞口48及び右入賞口49が配置されている。大入賞装置40の下側領域にアウト口50、アウト口飾り51及びバック球防止部材52が設けられている。遊技領域25を区画形成する外レール53、内レール54、ファール球防止部材55及び返しゴム56が遊技盤24に設けられている。
【0007】
<パチンコ機1の裏側構造>
パチンコ機1の裏側構造を図3を参照して説明する。中枠3は本体枠4にヒンジ60により開閉自在に支持されている。中枠3に背面側から遊技盤24が着脱自在に固定されている。中枠3にはヒンジ61により機構盤62が着脱自在に固定されている。この機構盤62の上部左側に、遊技球の荷重の有無によって遊技球の有無を検知するタンク球切れ検知スイッチ63を有する賞球タンク64が備えられており、賞球タンク64の下方にはタンクレール65が装着されている。このタンクレール65の右端に球抜きレバー66が設けられている。タンクレール65は図6(a)に示す通り2条レールである。
【0008】
図4に示す通り、機構盤62は、中央部に角型の開口部67を備え、その右側に、タンクレール65の右端部下部から上皿導入口68、下皿導入口69に到る球流下部70(後述する)を備えている。
【0009】
図3に戻り、タンクレール65の下側に特別図柄表示装置33を格納した裏蓋102、又、裏蓋102の下側に主制御部140が各々設けられている。主制御部140はユニット化されたもので、機構盤62の下側の部位に外付けされている。主制御部140の左側に発射装置制御部103、発射制御集合中継基板106が各々設けられている。発射装置制御部103には、タッチ感度調整つまみ104、球飛び強弱調整つまみ105が設けられている。機構盤62の左下側に発射装置ユニット107が設けられている。
機構盤62の右側に枠状態表示器108を備えた枠制御部150が設けられている。枠状態表示器108は、補給球詰まり、下受け皿満タン、主電源電圧異常、発射停止、主基板通信異常、球排出モータ異常などを7セグメントLED表示器を用いて表示するものである。枠制御部150は主制御部140の右下に位置している。
機構盤62の右上隅部に分電部110、外部情報端子部111、ランプ中継部112が配置されており、これらのうちランプ中継部112には、表示ランプ中継部113と効果ランプ中継部114とが設けられている。また、機構盤62の左下隅部には、集中電源部160(図4参照)が配置されている。この集中電源部160は、主制御部140の左下に位置している。
枠制御部150から接続ケーブル115が上方に延び出し、電源ケーブル116を備えたプリぺイドカードユニット22に接続されている。機構盤62の下側に下皿用球通路部材118が設けられている。
【0010】
なお、図4の機構盤62の右側面の下端側には、枠制御部150に備えられた押圧式のリセットスイッチ119が露出しているが、このリセットスイッチ119としては一般的な自動復帰式の手動スイッチが採用されており、さらに、その外形寸法は機構盤62の外形寸法に比べて極く小さいため、ここでは配置のみを符号(数字)と引出線で示し、詳細な説明は省略する。
また、上述した以外の構成についても一般的なものが採用されているため、ここではそれらの図示や詳細な説明は省略する。
【0011】
図5(a),(b)に示すように、球流下部70には、上流側通路71、賞球通路73、及び、球貸通路74が形成されるとともに、球排出装置99が装着されている。上流側通路71、賞球通路73、及び、球貸通路74は、図5(b)に一部省略して示すようにいずれも2条の樋であり、機構盤62の前後方向に区画された第1及び第2の通路(71a,71b,73a,73b,74a,74b)からなる。
上流側通路71は屈曲しており、その上端は、タンクレール65の右端下部に開口した球流出口85に接続されている。また、上流側通路71の上端部近傍には、接触式の補給球切れ検知スイッチ86、及び、球切れスイッチレバー90が配設されている。球切れスイッチレバー90は上流側通路71の一部を構成するとともに、上端部を支点として弾性的に揺動可能である。そして、球切れスイッチレバー90は、常開式の補給球切れ検知スイッチ86に隣接しており、その揺動によって補給球切れ検知スイッチ86をON/OFFする。
なお、本実施形態においては、球切れスイッチレバー90の弾性的動作のためにねじりコイルばねが用いられているが、その他のコイルばね(引張或は圧縮等)や板ばねなどの一般的な種々の弾性部材の採用が可能である。
また、本実施形態においては、球切れスイッチレバー90及び補給球切れ検知スイッチ86は、各通路71a,71b毎に別個に設置されており、各通路71a,71bの遊技球の有無は個別に検出される。なお、球切れスイッチレバー90及び補給球切れ検知スイッチ86を第1及び第2の通路71a,71bのいずれか一方のみに設けてもよい。
【0012】
前記賞球通路73及び球貸通路74は、各々上下に直線状に形成されており、互いにほぼ平行に延びている。また、賞球通路73には賞球カウントスイッチ78が装着されており、球貸通路74には球貸カウントスイッチ79が装着されている。各スイッチ78,79は溝形の非接触式センサであり、各通路73,74に一体に形成されたスイッチ装着部78a,78b,79a,79bのそれぞれに収容されている。各スイッチ装着部78a〜79bは、各スイッチ78,79を受入れる空間を確保するため、各通路73,74の外側に張り出している。なお、各スイッチ78,79として磁気式のものが採用されているが、この他に光学式等の一般的な種々の遊技球検出スイッチの採用が可能である。
上記球排出装置99は、直方体状のケース77内に、球排出モータ80、球送り部材76、及び、球排出装置センサ基板96を収容している。球排出モータ80は正逆回転可能なステッピングモータであり、前述の主制御部140及び枠制御部150の指令に基づいて動作する。球排出装置センサ基板96には、図示を省略するが、一対の投光器と受光器とを有する光センサが装着されている。
また、ケース77には遊技球通路75が形成されており、この遊技球通路75の上端部は上流側通路71に連通している。また、遊技球通路75は途中の分岐部72において二方向に分岐しており、賞球通路73及び球貸通路74に連通している。つまり、ケース77の上部には2つの入口が開口し、下部には4つの出口が開口している。そして、上流側通路71、遊技球通路75、及び、賞球通路73と球貸通路74によって、下流側へ二股に分かれる球流下通路が形成されている。
上記球送り部材76は合成樹脂の一体成形品であり、球排出モータ80の出力軸に装着されている。さらに、球送り部材76は、中空なシャフト81の外周に遊技球移送用の歯車82,83と回転量検出用の歯車(スプロケット)84とを有しており、これらの歯車82,83,84はシャフト81の基端側から先端側へ、回転量検出用の歯車84、遊技球移送用の歯車82,83の順で配設されている。そして、これらの歯車82,83,84は、球排出モータ80の駆動に伴って一体に回転する。
【0013】
移送用の歯車82,83は、遊技球通路75の分岐部72において、第1の通路72a及び第2の通路72bの中にそれぞれ位置している。また、両歯車82,83は同数の歯を同ピッチで有しており、歯間の凹部は遊技球(一般に直径約11mm)を受入れることができる程度の大きさに設定されている。さらに、両歯車82,83の間には位相差が設定されている。
また、回転量検出用の歯車84の歯は等しいピッチで形成されており、その歯数は移送用の歯車82,83よりも多く設定されている。そして、回転量検出用の歯車84は球排出装置センサ基板96に対し、歯車84の回転に伴ってその歯の各々が前述の光センサの光を間欠的に遮る位置関係にある。
【0014】
球流下部70の右側には球抜き通路120が形成されており、この球抜き通路120はタンクレール65の下流側端部から分岐している。また、球流下部70の下流領域には、上皿導入口68、下皿導入口69を備えた振分け部101(図3及び図4参照)が設けられている。上皿6に通じる上皿導入口68、及び下皿7に通じる下皿導入口69が互いに隣接して開口している。上皿6には上皿賞球が供給され、上皿6が満杯になると下皿賞球を下皿7に溢流させて、賞球を振り分ける。
【0015】
<電力の供給>
次にパチンコ機1における電力供給について図11、図12を参照して説明する。パチンコ機1は、電源700からの電力供給を、機構盤62に設けられた分電部110を介して集中電源部160に受ける。図12に示す通り、この集中電源部160は第1〜第3の電源部710,720,730とバックアップ電源部740とを備え、第1〜第3の電源部710,720,730は、電源700のAC24Vの電圧を、それぞれ、DC+12V、DC+5V、DC+24Vの電圧に変換する。図11に示す通り、主制御部140、枠制御部150、発射装置制御部103、特別図柄制御部145には、集中電源部160から、それぞれDC+12V、DC+5Vの電力が別個に供給される。また、プリペイドカードユニット22にはコネクタ770を介してDC+24Vの電力が供給される。DC+12Vは主にソレノイドやモータ等の駆動部品に用いられ、+DC5Vはそれらより相対的に微弱な電力として主に各種IC等の電子部品に用いられる。
なお、特別図柄制御部145は、主制御部140からの指示に基づいて、特別図柄表示装置33を制御するものである。
【0016】
こうした構成により、各制御部103,140,145,150に電源回路部を設ける必要がなくなり、それらの各制御部が個々の電源回路部を原因とするノイズの影響を受けにくくなる。これにより、それら各制御部における異常の発生を防止でき、より安定した制御が可能になる。また、各制御基板上に、従来、電源回路部に用いられていた比較的大型の電子部品(ヒートシンク付電子部品、電源回路用コンデンサ、電源回路用レギュレータ等)を実装する必要がなくなり、各制御基板の外形寸法を小とすることができる。
さらに、各制御部103,140,145,150へ必要な電力を供給する集中電源部160がバックアップ電源部740を備えることで、短期的或いは瞬間的な停電、制御の暴走などが生じても、各制御部のRAM等に記憶されたデ−タを補償できる利点がある。
【0017】
なお、図11、図12の例ではDC+5Vの電力が集中電源部160から各制御部103,140,145,150に供給されるが、一般に電力(電圧と電流の積である)が微弱であるほど伝送経路中での損失の影響が大となることから、図13に示す通り、上述の変更形態として、集中電源部160と分散電源部161とを設け、DC+5Vの電力の生成を各制御部103,140,145,150で行ってもよい。こうすることにより、伝送経路中での損失による悪影響の発生を防止できる。図13中の他の構成要素の番号は、図12の番号と同一符号とし、説明は準用する。
【0018】
こうした利点は、次の通りの背景から生じたものである。即ち、従来、電力を供給する構成として、図14に示す通り、電源回路は各制御部と一体に構成されたものが一般的である。例えば、主制御基板540aには、配線パターン(図示略)がプリントされ、CPU503、ROM502、各種IC504等の電子デバイス、抵抗器505、コンデンサ506、ヒートシンク付電子部品507、508、各種コネクタ509等の様々な電気部品が実装され、さらに、第1の電源回路用コンデンサ510a,510b,510c、第2の電源回路用コンデンサ520a,520b,520c、電源回路用レギュレータ530a,530bから構成された電源回路部550が実装されている。
また、図15に示す通り、発射装置制御部603は、ケース601と、ケース601に着脱自在に取り付けできるカバー602とによって保護されたもので、電源回路用レギュレータ604と、電源回路用コンデンサ605とを備えた電源回路部650が設けられた発射装置制御基板603aとを有する。
以上の通りの従前の構造では、電源回路部550,650が各制御部と一体に構成されていることから、各制御部が電源回路部550,650を原因とするノイズの影響を受け易くなる。また、電源回路部550,650には、各種IC等の電子部品よりも大電力が供給されるため、電源回路部550,650を構成する部品は、比較的大型である。このため、各制御基板の外形寸法が大きくなり易い。
なお、説明は省略するが、特別図柄制御部145や枠制御部150等にも同様な背景がある。
【0019】
<CR機の球排出動作>
以上説明した本実施形態の動作を、図3、図4、図5(a),(b)、図6及び、図8を用いて説明する。
遊技球は、賞球タンク64、タンクレール65を経て、球流下部70に供給される。球流下部70において遊技球は、上流側通路71の屈曲した経路を辿り、球切れスイッチレバー90を押圧しながら流下する。球切れスイッチレバー90は、球経路中に遊技球が存在する場合には、遊技球により押圧されて弾性的に回動変位し、補給球切れ検知スイッチ86をONにする。また、球切れスイッチレバー90は、遊技球からの押圧力から解放された場合には、ねじりコイルばねの復元力を利用して元の位置に戻り、補給球切れ検知スイッチ86をOFFする。この球切れスイッチレバー90の動作を利用して、上流側通路71における遊技球の有無が検出される。
上流側通路71を通過した遊技球は球排出装置99に達し、遊技球通路75に流入して移送用の歯車82,83に接する。一方の歯車82(又は83)においては遊技球が歯の間に進入し、他方の歯車83(又は82)においては遊技球が歯上に載置される。さらに、後続の遊技球は先行の遊技球上に載置され、先行の遊技球の上に順に堆積する。
この際、上流側通路71が屈曲しているため、上流側通路71に堆積した遊技球の重量は多方向に分散され、歯車82,83に過度の負荷が作用することが防止されている。また、上流側通路71の長さは、歯車82,83から球切れスイッチレバー90までの間の遊技球数が25個以上となるよう設定されている。この個数は単位貸球数(単位球貸金額(ここでは100円)を球単価(ここでは4円)で除した値)に一致している。
賞球排出が行われる場合には、球排出装置99の球排出モータ80は、枠制御部150により正転駆動され、歯車82,83が図5(a)の反時計回りに回転する。歯車82,83の回転に伴い、遊技球は賞球通路73の側へ移送され、歯車82,83から解放されて賞球通路73に放出される。放出された遊技球は、賞球通路73に沿って落下し、賞球カウントスイッチ78を通過して個々に検出される。そして、これらの遊技球は、球流下部70から流出して振分け部101に到り、上皿6に放出される。
球排出モータ80の回転量は、入賞の態様に応じて払い出されるべき単位賞球数(ここでは6個、10個、15個の3種類)に基づいて決定される。また、歯車82,83に位相差が設定されているため、遊技球の排出は第1及び第2の通路間で交互に行われる。したがって、二つの通路73a,73bについての合計で奇数個の排出も可能である。
さらに、球排出モータ80の回転量は、移送用の歯車82,83と一体に形成された回転量検出用の歯車(スプロケット)84を利用して検出される。すなわち、球排出モータ80の駆動に伴って、回転量検出用の歯車(スプロケット)84の歯が前述の光センサの光を遮り、光センサの出力を変化させるため、通過した歯数と歯のピッチとを参照することにより回転量が算出される。この回転量の検出結果は、球排出モータ80の動作確認や、球排出異常の判断などに利用される。
【0020】
図8は上述の賞球排出動作のための制御手順を示している。なお、本実施形態のパチンコ機1においては、他の一般的なものと同様に、制御の安定化等を目的として所定周期(例えば約2ms)毎の割込リセットが行われているが、図8(後述の図9,図17,図18も同様)のフローチャートは、制御手順の概略的な把握を容易にするため、割込リセット実行に必要な手順を省略して記載されている。
先ず、主制御部140が入賞球を検知すると(S10)、賞球数情報を枠制御部150へ送信し(S12)、所定数の賞球の排出を要求する。枠制御部150は、主制御部140から要求された賞球数に応じて、球排出モータ80を正転させる(S14)。排出された賞球は賞球カウントスイッチ78によって検出され(S16)、検出結果が主制御部140へ送られる(S18)。主制御部140は、賞球カウントスイッチ78の計数値に基づいて、要求通りの数の賞球が排出されたか否かを確認し(S20)、処理を終了する。枠制御部150も排出数を確認し、排出数が主制御部140からの要求数に対して不足している場合(S22:YES)は、枠制御部150は球排出モータ80を再試行動作させ(S24)、不足分の賞球排出を行い、処理を終了する。排出数が主制御部140からの要求数に対して充足している場合(S22:NO)は、そのまま処理を終了する。
【0021】
一方、球貸が行われる場合には、球排出装置99の球排出モータ80が逆転され、歯車82,83が図5(a)の時計回りに回転する。歯車82,83の回転に伴い、遊技球は球貸通路74の側へ移送され、歯車82,83から解放されて球貸通路74に放出される。放出された遊技球は、球貸通路74に沿って落下し、球貸カウントスイッチ79を通過して個々に検出される。そして、これらの遊技球は、賞球排出の場合と同様に、球流下部70から流出して振分け部101に到り、上皿6に放出される。
球貸の場合の球排出モータ80の回転量は、単位貸球数(ここでは25個)に応じて決定される。さらに、100円分を越える球貸が行われる場合には、25個の球貸を一単位とした複数単位の球貸が行われる。
なお、賞球排出及び球貸の制御は、主制御部140や前記遊技機枠1a各部などを参照して行われる。また、球貸処理は賞球排出処理に優先して行われる。そして、例えば複数の入賞球が記憶されるとともに、記憶された入賞球に対応する賞球排出が行われている最中に球貸の必要が生じた場合には、単位賞球数の賞球排出が終了した後に球貸が実行され、球貸完了後に、残りの入賞球に対応する賞球排出が再開される。
【0022】
図9は上述の貸球排出動作のための制御手順を概略的に示している。
すなわち、操作パネル10の球貸ボタンが押下されると(S30)、枠制御部150が球貸要求を受信する(S32)。枠制御部150は、25個の貸球が排出されるよう、球排出モータ80を逆転させる(S34)。排出された貸球は球貸カウントスイッチ79によって検出され(S36)、枠制御部150は球貸カウントスイッチ78の計数値に基づいて、要求通りの数の貸球が排出されたか否かを確認する(S38)。検出された貸球数が25個に満たない場合には(S40:YES)は、枠制御部150は球排出モータ80を再試行動作させ(S42)、不足分の貸球排出を行い、処理を終了する。例えば500円分の球貸が行われる場合は、上述の動作が5回繰返される。検出された貸球数が25個以上の場合には(S40:NO)は、処理を終了する。
【0023】
<現金機の具体例と動作>
次に、本実施形態のパチンコ機1を現金機1’として用いた場合の具体例の要部を、図5(c)を用いて説明する。なお、図5(a)と重複する部分については同一番号にダッシュを付してその説明は省略するとともに、新たな構成要素については新たな番号を付す。
パチンコ機1’を現金機として使用する場合には、貸球は上皿6’に機外から直接供給されるため、球流下部70’の球貸通路74’を使用する必要がない。したがって、球貸通路74’のスイッチ装着部79a’,79b’にストッパ蓋88が装着され、球貸通路74’が封鎖されている。ストッパ蓋88は、CR機の場合に用いられる球貸カウントスイッチ79(図5(a)参照)とほぼ同じ外形寸法を有する厚板状の合成樹脂体であり、球貸カウントスイッチ79のような球通過孔を有していない。そして、このストッパ蓋88は、遊技球検出の機能を有していない。
また、球排出モータ80の回転制御は正転のみに制限され、逆転方向の回転制御は行われない。つまり、球排出モータ80は賞球排出にのみ使用され、排出後の遊技球の検出も賞球についてのみ行われる。なお、パチンコ機1’の大当り動作等、他の動作については周知であるから説明は省略する。
【0024】
<第1実施形態の効果>
以上の通り説明した本実施形態によれば、次の効果が生じる。即ち、球排出装置99が、遊技球を賞球或は貸球の別に応じて異なる方向に排出するので、賞球と貸球を明確に区別することができ、賞球と貸球の正確な検出が可能になる。また、球排出装置99から前段の部位における遊技球の経路を一つとすることができるとともに、球排出装置99を賞球排出と球貸とに共用できるので、遊技球経路や遊技球の移送のための手段等を個別に複数組備える必要がない。したがって、機構盤62の構造の大幅な複雑化や変更を伴うことなく、貸球数及び賞球数を正確に把握することが可能になる。
また、球排出に関する制御手順の変更、及び、球貸カウントスイッチ79とストッパ蓋88との交換により、CR機及び現金機の間の変更が可能であるので、用途の変更が容易である。なお、本実施形態のパチンコ機1,1’の用途の変更(及び決定)は、製造時或はその後(例えば、改造時等)のいずれにおいても可能である。
【0025】
<球排出装置99aの変更形態>
図10(a)の球排出装置99aの変更形態に強制球排出手段91aが設けられている。この強制球排出手段91aは、球排出モータ80に連結されるとともにケース77の前側部の外側前面から前方に突出したダイヤル92を備えている。本変更形態では、操作者がダイヤル92の回転量と排出される遊技球数との対応を認識し易いよう、所定量ずつの間欠回転が可能なダイヤル92が採用されている。このダイヤル92は特定の場合に有効化され、例えば手指の操作により球送り部材76と一体に回転する構造である。ダイヤル92が反時計回り方向に回転すると、回転量に応じた個数の遊技球が球排出装置99から賞球通路73の側へ排出され、時計回り方向に回転させると球貸通路74の側へ排出されるようになっている。
例えば、賞球カウントスイッチ78により検出された賞球数が主制御部140から枠制御部150へ要求された賞球数に達せず、異常が発生した場合に、遊技店の関係者等がダイヤル92を操作し、不足分の賞球を強制的に排出する。そして、賞球のカウント値が要求数と一致すると、遊技機枠1aが異常状態から通常状態に復帰し、通常の遊技が可能になる。
このように強制球排出手段91aを設けることにより、球排出に異常が生じた場合に遊技球を補足して排出でき、より適正な球排出が可能となる。また、主制御部140から枠制御部150へ不足分の賞球の排出要求を行うことなく、通常状態への復帰を行うことが可能になる。したがって、1つの入賞に対して複数回の賞球排出要求を行うことが不要であり、一度の要求のみに基づいて賞球排出が行われることが明確になる。このように賞球排出の手順を明確化することは、不正が行われる余地の解消に有効である。
なお、ケース77の後側部の上部に球通過上部開口93が形成されている。
図10(b)に示す通り、他の変更形態である球排出装置99bに電気式の強制球排出手段91bが備えられている。この強制球排出手段91bは、自動復帰式の押圧スイッチ94と残球数表示器95とを有しており、押圧スイッチ94の1回の操作により、球排出モータ80が1個の遊技球を賞球通路73に排出する。また、残球数表示器95は、賞球のカウント数と要求数との差を表示しており、遊技球が1個払い出される毎に数値が「1」ずつ減算される。そして、本変更形態では、押圧スイッチ94を押し続けることにより連続した球排出が行われるとともに、表示が「0」に近付くにつれて球排出モータ80が減速する。そして、賞球が過剰に排出されないよう球排出モータ80が停止制御される。
この強制球排出手段91bによれば、不足分の遊技球の排出を更に容易且つ迅速に行うことが可能になり、操作者の負担を軽減できる。
【0026】
<球流下部の変更形態>
上述の実施形態では、図6(a)に示すように2条通路のタンクレール65が用いられ、これに合わせて球流下部70,70’の球流下通路も2条に設定されているが、本発明はこれに限定されず、例えば図6(b)及び図7に示す3条通路の構成の採用も可能である。即ち、図6(b)に示す通り、3条のタンクレール165とされ、図7に示す通り、球流下部170の上流側通路171、賞球通路173、球貸通路174には、それぞれ機構盤162の前後方向に並設された第1〜第3の通路(171a〜171c,173a〜173c,174a〜174c)が形成されている。また、球排出装置199の遊技球通路175も3条に形成されており、第1〜第3の通路172a,172b,172cの中には遊技球移送用の歯車182a,182b,182cが配置されている。このように各種通路(171,173,174等)の条数を増すことにより、より高速な球排出が可能になる。なお、球排出モータ180、シャフト181は、球排出モータ80、シャフト81と同様のものである。
【0027】
[第2実施形態]
第2実施形態を図16(a),(b)を参照して説明する。図に示す通り、賞球・球貸については、CR機201、現金機201’に対して、それぞれ、別々の構造の球流下部270,270’を備えた機構盤262,262’をそれぞれ取りつける。CR機201ではプリペイドカードユニット22(図1参照、以下PCU22と称する)を設置しなければならず、球貸機構をCR機201に内蔵する必要がある。本実施形態においては、CR機201として用いられる場合には、球排出装置299の後段にCR機用ユニット300が装着される。球排出装置299は、ケース277に球排出モータ280や球送り部材276等を収容してなるもので、上方から流入した遊技球を屈曲した遊技球通路275により案内して下方へ排出する。遊技球通路275の入口及び出口は2条通路に対応してそれぞれ2つであり、賞球及び貸球はともに同じ出口から排出される。
CR機用ユニット300には、遊技球通路375が形成されるとともに、揺動可能な通路切換えアーム301、及び、この通路切換えアーム301を駆動する通路切換ソレノイド302等が備えられている。遊技球通路375は、途中の分岐部において二方向に分岐しており、分岐した一方の通路は賞球通路373に、他方は貸球通路374に設定されている。そして、各通路373,374の途中の部位には賞球カウントスイッチ378及び貸球カウントスイッチ379(第1実施形態の球貸カウントスイッチ79に相当)がそれぞれ設けられている。
通路切換えアーム301は遊技球通路375の分岐部に位置しており、下端側を支点として装着されている。通常時には、通路切換ソレノイド302はOFF状態にあり、通路切換えアーム301は起立姿勢を保って賞球通路373を開放している。球貸時には通路切換ソレノイド302がONとされ、通路切換えアーム301が、2点鎖線で示すように倒伏して賞球通路373を閉塞するとともに、貸球通路374を開放する。
即ち、賞球排出及び貸球排出の違いに応じて、通路切換えアーム301が賞球通路373及び貸球通路374のいずれかを選択的に開放し、球排出装置299から排出された遊技球を、賞球カウントスイッチ378或は貸球カウントスイッチ379の側へ導く。
また、CR機用ユニット300が装着される部分の形状及び寸法は、CR機用ユニット300を受け入れて係止させることができるよう、CR機用ユニット300の外部形状及び外形寸法に合わせて設定されている。
【0028】
図17は上述の賞球排出動作のための制御手順を概略的に示している。なお、前述の実施形態(例えば図1〜図6(a),図8,図9,図11,図12に示すもの)と同様の部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
すなわち、主制御部140が入賞球を検知すると(S60)、賞球数情報を枠制御部150へ送信し(S62)、所定数の賞球の排出を要求する。枠制御部150は、主制御部140から要求された賞球数に応じて、球排出モータ280を回転させる(S64)。排出された賞球は、通路切換えアーム301により案内されて賞球通路373へ流入するとともに、賞球カウントスイッチ378によって検出(S66)され、検出結果が主制御部140へ送られる(S68)。主制御部140は、賞球カウントスイッチ378の計数値に基づいて、要求通りの数の賞球が排出されたか否かを確認し(S70)、処理を終了する。また、枠制御部150も排出数を確認し、排出数が主制御部140からの要求数に対して不足している場合(S72:YES)は、枠制御部150は排出モータ280を再試行動作させ(S74)、不足分の賞球排出を行い、処理を終了する。排出数が主制御部140からの要求数に対して足りている場合(S72:NO)は、処理を終了する。
【0029】
図18は上述の貸球排出動作のための制御手順を概略的に示している。
すなわち、操作パネル10の球貸ボタンが押下されると(S80)、枠制御部150が球貸要求を受信する(S82)。枠制御部150は、通路切換ソレノイド302を駆動し(S84)、通路切換えアーム301を球貸側へ動作させる。さらに、枠制御部150は、25個の貸球が排出されるよう、球排出モータ280を回転させる(S86)。排出された貸球は貸球カウントスイッチ379によって検出され(S88)、枠制御部150は貸球カウントスイッチ379の計数値に基づいて、要求通りの数の貸球が排出されたか否かを確認する(S90)。検出された貸球数が25個に満たない場合には(S92:YES)、枠制御部150は球排出モータ280を再試行動作させ(S94)、不足分の貸球排出を行い、処理を終了する。例えば500円分の球貸が行われる場合は、上述の動作が5回繰返される。検出された貸球数が25個以上の場合には(S92:NO)、処理を終了する。
【0030】
一方、図16(c)に示すように現金機201’として用いられる場合には、球貸は外部の球貸機(図示略)によって行われるため、貸球通路374や通路切換えアーム301等の機器が不要となる。したがって、CR機用ユニット300に代えて現金機用ユニット300’が装着されている。この現金機用ユニット300’には屈曲した賞球通路373’のみが形成され、賞球通路373’の途中に賞球カウントスイッチ378’が配置されている。また、現金機用ユニット300’の外部形状及び外形寸法はCR機用ユニット300とほぼ一致しており、両ユニット300,300’は装着に関しての互換性を有している。
なお、図16(c)においては、図16(a)と共通する部分には同一数字にダッシュ(’)が付されている。
【0031】
<制御系の説明>
図19は制御系の接続を示し、図20は電力の供給経路を示している。なお、本実施形態においては前述の第1実施形態と共通する機器が多く採用されているため、図19及び図20においては、第1実施形態と共通の機器には同一の符号が付されている。
この制御系には、主として、中継基板130、主制御基板140a、枠制御基板150a、発射装置制御基板103a、集中電源基板160a、及び、分電基板110aが設けられている。これらのうち主制御基板140aは図20に示す主制御部140に備えられており、枠制御基板150aは枠制御部150に備えられている。さらに、発射装置制御基板103aは発射装置制御部103に、集中電源基板160aは集中電源部160に、分電基板110aは分電部110に、それぞれ設けられている。なお、図20の主制御部140及び分電部110は、前述の第1実施形態と概ね同様の構成及び機能を有しているが、後述するように接続機器や使用電力に関して第1実施例と相違する点を有している。
また、図19に示すように、この他の基板として、枠飾りランプ基板16、賞球表示LED基板18、ストップ表示LED基板20、音量スイッチ基板21、球排出装置センサ基板96、外部情報端子1基板111a、表示ランプ中継基板113a、効果ランプ中継基板114a、音声制御基板131、球送りソレノイド中継基板133、及び、上受皿CR基板135が設けられている。
外部情報端子1基板111aは外部情報端子部111に備えられており、表示ランプ中継基板113aは表示ランプ中継部113に備えられている。さらに、効果ランプ中継基板114aは効果ランプ中継部114に備えられており、上受皿CR基板135は操作パネル10(図1参照)に内蔵されている。
なお、音量スイッチ基板21及び音声制御基板131はスピーカ9の制御に用いられ、球送りソレノイド中継基板133は打球供給装置(図示略)に設けられている。
また、遊技盤24には、盤面ランプ124、ランプ制御基板137、盤面スイッチ125、ソレノイド等126、表示制御基板(図示略)、液晶表示盤32などが備えられている。盤面ランプ124のブロックは、センター役物26や大入賞装置40等に設けられた各種ランプ(LEDを含む)を一群として示している。盤面スイッチ125のブロックは、第1種始動口(普通電動役物)41、特定領域43、或は、特定領域外領域44等への入賞や通過を検出する各種球検出スイッチを、また、ソレノイド等126のブロックは、第1種始動口(普通電動役物)41や大入賞口開閉シャッタ39、或は、特定領域開閉シャッタ42等を駆動する各種のソレノイドを一群として示している。ランプ制御基板137から盤面ランプ124へ信号が出力され、主制御基板140aから信号が入力される。盤面スイッチ125から信号が主制御基板140aへ出力され、主制御基板140aから、ソレノイド等126へ信号が出力され、また、特別図柄制御部145を介して液晶表示盤32へ信号が出力される。
【0032】
つぎに、上述の各基板の接続関係について説明する。
上述の各種基板のうち、枠飾りランプ基板16はランプ入力用コネクタ(CN1)、ランプ1〜4とを有しており、このランプ入力用コネクタ(CN1)を介して効果ランプ中継基板114aのランプ出力用コネクタ(CN2)に接続されている。効果ランプ中継基板114aはランプ入力用コネクタ(CN1)を介して、遊技盤24のランプ制御基板137に設けられたランプ出力用コネクタ(CN1)に接続されている。また、ストップ表示LED基板20はランプ入力用コネクタ(CN1)を介して、賞球表示LED基板18のランプ出力用コネクタ(CN2)に接続されており、賞球表示LED基板18のランプ入力用コネクタ(CN1)は表示ランプ中継基板113aのランプ出力用コネクタ(CN2)に接続されている。さらに、表示ランプ中継基板113aのランプ入力用コネクタ(CN1)は、枠制御基板150aのランプ出力用コネクタ(CN6)に接続されている。
外部情報端子1基板111aにはタンク球切れ検知スイッチ入力用コネクタ(CN1)、ドアスイッチ入力用コネクタ(CN2)、球貸し情報入力用コネクタ(CN3)、大当り・賞球情報入力用コネクタ(CN4)、大当り情報等出力用コネクタ(CN5)、賞球情報出力用コネクタ(CN6)、球貸し情報出力用コネクタ(CN7)が設けられている。これらのうち、タンク球切れ検知スイッチ入力用コネクタ(CN1)にはタンク球切れ検知スイッチ63が接続され、ドアスイッチ入力用コネクタ(CN2)にはドアスイッチ23が接続されている。
また、球貸し情報入力用コネクタ(CN3)は枠制御基板150aの球貸し情報出力用コネクタ(CN5)に接続されており、大当り・賞球情報入力用コネクタ(CN4)は主制御基板140aの大当り・賞球情報出力用コネクタ(CN2)に接続されている。さらに、大当り情報等出力用コネクタ(CN5)、賞球情報出力用コネクタ(CN6)、及び、球貸し情報出力用コネクタ(CN7)は、例えばホールコンピュータ等の外部機器との接続に用いられる。
球排出装置センサ基板96は、光センサ出力用コネクタ(CN1)、球排出モータ入力用コネクタ(CN2)、及び、球排出モータ出力用コネクタ(CN3)を有している。光センサ出力用コネクタ(CN1)は枠制御基板150aの光センサ入力用コネクタ(CN3)に接続されており、球排出モータ入力用コネクタ(CN2)は同じく枠制御基板150aの球排出モータ出力用コネクタ(CN2)に接続されている。さらに、球排出装置センサ基板96の球排出モータ出力用コネクタ(CN3)には、球排出モータ280が接続されている。
ここで、球排出装置センサ基板96のブロック内の光センサ出力用コネクタ(CN1)に記載された「球排出モータセンサLED」は第1実施形態で説明した回転量検出用の光センサの投光器を意味しており、同じく「球排出モータセンサ」は光センサの受光器を意味している。また、球排出モータ入力用コネクタ(CN2)に記載された「球排出モータA」、「球排出モータB」はモータ駆動の各相を表しており、(−),(+)は逆転と正転を意味している。
発射装置制御基板103aには電源入力用コネクタ(CN1)、発射スイッチ入力用コネクタ(CN2)、ハンドル入力用コネクタ(CN3)、発射モータ出力用コネクタ(CN4)、及び、球送り出力用コネクタ(CN5)が設けられている。電源入力用コネクタ(CN1)には枠制御基板150aの発射制御用コネクタ(CN10)が接続され、発射スイッチ入力用コネクタ(CN2)には発射停止スイッチ11bが接続され、ハンドル入力用コネクタ(CN3)には発射ハンドル11が接続されている。発射モータ出力用コネクタ(CN4)には発射モータ138(発射装置ユニット107に含まれる)が接続され、球送り出力用コネクタ(CN5)には球送りソレノイド中継基板133を介して球送りソノイド139が接続されている。
上受皿CR基板135には、表示入力コネクタ(CN1)、スイッチ出力用コネクタ(CN2)、2個のスイッチ、1個のLED、3桁の7セグメント表示部とが設けられている。表示入力用コネクタ(CN1)は枠制御基板150aの表示出力用コネクタ(CN11)に接続され、スイッチ出力用コネクタ(CN2)は同じく枠制御基板150aのスイッチ入力用コネクタ(CN12)に接続されている。
主制御基板140aには、スイッチ入力用コネクタ(CN1)、大当り情報出力用コネクタ(CN2)、電源入力用コネクタ(CN3)、賞球データ出力用コネクタ(CN4)が設けられている。スイッチ入力用コネクタ(CN1)は中継基板130の補給球切れ検知スイッチ等出力用コネクタ(CN3)に接続されており、大当り情報出力用コネクタ(CN2)は外部情報端子1基板111aの大当り情報入力用コネクタ(CN4)に接続されている。また、電源入力用コネクタ(CN3)は集中電源基板160aの電源出力用コネクタ(CN1)に接続されており、主制御基板140aは集中電源基板160aのコネクタ(CN2)を介して分電基板110aのメイン電源出力用コネクタ(CN3)に接続されている。さらに、賞球データ出力用コネクタ(CN4)は枠制御基板150aの賞球データ入力用コネクタ(CN9)に接続されている。主制御基板140aは音量制御基板131のコネクタ(CN1)を介して音量スイッチ基板21のコネクタ(CN1)に接続され、コネクタ(CN2)がスピーカ9と接続されている。
ここで、主制御基板140aについては電源や賞球データの伝送に関わるコネクタのみ示されており、遊技盤24との接続に用いられるコネクタや、音声制御基板131との接続のためのコネクタの図示は省略されている。
また、賞球データ出力用端子(CN4)には、後述するように枠制御部150へ送られる賞球データが5ビットデータであることに対応して、賞球データ1端子〜賞球データ5端子等が設けられている。
枠制御基板150aには前述の各コネクタ(CN2,3,5,6,9〜12)の他に、電源入力用コネクタ(CN1)、貸球スイッチ入力用コネクタ(CN4)、通路切換ソレノイド出力用コネクタ(CN7)、及び、ブザー出力用コネクタ(CN8)が設けられている。電源入力用コネクタ(CN1)は分電基板110aの枠制御部出力用コネクタ(CN4)に接続されており、貸球スイッチ入力用コネクタ(CN4)には貸球カウントスイッチ379が接続されている。通路切換ソレノイド出力用コネクタ(CN7)には通路切換ソレノイド302が接続され、ブザー出力用コネクタ(CN8)にはブザー155が接続されている。
中継基板130には前述のコネクタ(CN3)の他に、補給球切れ検知スイッチ入力用コネクタ(CN1)、賞球カウントスイッチ入力用コネクタ(CN2)、及び、下皿満タンスイッチ入力用コネクタ(CN4)が設けられている。補給球切れ検知スイッチ入力用コネクタ(CN1)には2つの補給球切れ検知スイッチ86が接続され、賞球カウントスイッチ入力用コネクタ(CN2)には賞球カウントスイッチ378が接続されている。また、下皿満タンスイッチ入力用コネクタ(CN4)には下皿満タンスイッチ7bが接続されている。
分電基板110aには前述の主制御部出力用コネクタ(CN3)、枠制御部出力用コネクタ(CN4)の他に外部電源入力用コネクタ(CN1)、接地用コネクタ(CN2)が設けられている。
【0033】
<電力供給系の説明>
図20は電力供給系を示しており、本実施形態では前述の図13の例のように分散電源部161を備えるとともに、分電部110から集中電源部160と枠制御部150へ+24Vの電力が供給される。さらに、+32V,+24V,+12Vの3種類の電力が集中電源部160から主制御部140へ供給され、そのうちの+12V,+32Vの電力が主制御部140から枠制御部150へ、枠制御部150から発射装置制御部103へ供給され、+12Vの電力が主制御部140から特別図柄制御部145へ供給される。また、枠制御部150からPCU22へ+24Vの電力が供給される。
【0034】
<賞球排出制御信号伝送方式>
図21は賞球排出制御における信号伝送方式を概略的に示している。賞球数情報は賞球データ1〜5とストローブ信号(STB)とを含んでおり、賞球データ1〜5は後述するコマンドの各ビットに対応している。すなわち、賞球データ1〜5は主制御部140から枠制御部150へのコマンドのパラレル伝送に用いられている。また、本実施形態では、枠制御部150における賞球スイッチ情報の受信は、主制御部140を介して行われている。枠制御基板150aにおける通路切換ソレノイド出力用コネクタ(CN7)の第1端子から信号が通路切換ソレノイド302へ送出されている。
【0035】
<貸球排出制御信号伝送方式>
図22は貸球排出制御における信号伝送方式の概略を示している。PCU22と枠制御部150との間でカードユニットREADY信号(BRDY)、台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)、台READY信号(PRDY)、及び、台端末貸出完了信号(EXS)が送受信されることにより貸球排出が行われる。本実施形態においては、貸球カウントスイッチ379の検出結果(貸球賞球スイッチ情報)は枠制御部150に送られ、主制御部140へは送られない。
【0036】
<入賞管理処理>
図23は主制御部140において実行される入賞管理処理を示す。この入賞管理処理において、先ず、入賞がある(S100:YES)と、6個、15個の順で入賞の種別を判断し(S101,102)、いずれにも該当しない場合には10個と判断する(S102:NO)。そして、判断結果に応じて賞球データに6,15,10のいずれかをセットし(S103,104,105)、賞球データを枠制御部150の側へ出力する(S106)。さらに、排出総個数メモリ(ここでは2バイト確保)に賞球データを加算し(S107)、ストローブ信号(STB)をON(ここでは5μsec間)とし(S108)、処理を終了する。入賞がない(S100:NO)と、そのまま処理を終了する。
【0037】
<排出数処理>
図24は排出数管理を示す。先ず、賞球スイッチ情報がONになっているか否かを判断し(S110)、ONであれば排出総個数メモリを「1」減算し(S112)、処理を終了し、OFF(S110:NO)であればそのまま処理を終了する。
【0038】
<割込処理>
図25は枠制御部150において実行される割込処理を示す。この割込処理はSTB信号がONとなった場合(図23のS108参照)に実行される。先ず、主制御部140からのコマンドが取得され(S120)、6個、15個の順で払い出すべき賞球数が確認されて(S121,S122)、6個、15個、10個のいずれかの賞球数に対応したメモリが「1」加算され(S123,S124,S125)、処理は終了する。
【0039】
<排出処理>
図26は排出処理を示す。賞球排出中フラグがONでなければ(S130:NO)、6個、15個、10個の順で排出用メモリが「0」か否か確認され(S131,S132,S133)、「0」でないメモリがあればそのメモリに対応した数が排出カウンタにセットされる(S134,S135,S136)。その後、賞球排出中フラグがセットされ(S137)、球排出モータ起動処理が実行され(S138)、リターンに抜ける。6個、15個、10個の排出用メモリが「0」であれば(S131,S132,S133:YES)、処理はリターンに抜ける。
一方、賞球排出中フラグがONであれば(S130:YES)、賞球スイッチ情報がONか否かが判断され(S139)、ONであれば(S139:YES)、排出カウンタを「1」減算する(S140)。つぎに、排出カウンタが「0」になったか否かが判断され(S141)、「0」になっていれば(S141:YES)、賞球排出中フラグがクリアされて(S142)、排出処理が終了し、リターンに抜ける。賞球スイッチ情報がONでない場合(S139:NO)、或は、排出カウンタが「0」でない場合には(S141:NO)、そのまま処理はリターンに抜ける。
【0040】
<コマンド一覧>
図27は主制御部140から枠制御部150へ送られるコマンドの一覧を示す。定義されているコマンドは、図表の左端列の「データ」欄に示すように、00H(「H」は16進数表記であることを示す)〜1FHの5ビットのデータであり、これらのコマンドの伝送は、主制御基板140aの賞球データ出力用コネクタ(CN4)と枠制御基板150aの賞球データ入力用コネクタ(CN9)を利用して行われる。コマンド00Hは、「内容」欄に示すように通常時(通常の遊技が可能のとき)であることを意味しており、「出力タイミング」欄に示すように、通常時(STB信号がHレベルであるとき)のコマンドは00Hに固定される。
また、コマンド01H〜0FHは1〜15個の賞球数データを示しており、例えば06Hは6個の賞球の排出要求を意味し、0AHは10個の賞球の排出要求を意味している。これらのコマンドの出力タイミングは賞球排出要求時であり、コマンドを受信した枠制御部150は賞球動作、即ち賞球の排出のための一連の動作を実行する。なお、ここでいう賞球動作はリトライ動作、即ち賞球排出が滞った場合の再試行の動作を含んでいる。
コマンド10H〜1FHは異常(エラー)の種別を表すものであり、これらのうち10H〜15Hは、それぞれ補給球不足、補給球不足の解除、下皿満タン、下皿満タンの解除、球排出装置異常、及び、通路切換ソレノイド異常の状態を意味している。補給球不足、下皿満タン、球排出装置異常、及び、通路切換ソレノイド異常のコマンドの出力タイミングはそれぞれの発生時であり、補給球不足の解除及び下皿満タンの解除のコマンドの出力タイミングはそれぞれのエラー解除時である。図表の右端の「枠制御部側動作」欄に示すように、各エラー発生時には該当する装置の停止制御が行われ、ランプや7セグ(7セグメント表示器の略称、枠状態表示器108を表す)が状況に応じて駆動制御される。また、エラー解除時には該当する装置の復帰制御が行われ、ランプや7セグの類が状況に応じて点灯制御される。ランプや7セグ等の動作態様の詳細な説明については後述するので(図28)、ここでは省略する。
コマンド16H〜1EHは異常データであることを意味している。また、1FHはコネクタ抜け又は異常データであることを意味している。これらのコマンドの発生タイミングは予測が困難であるので特に定義されていないが、枠制御部150でこれらのコマンドを受信した場合には、受信データを破棄するとともに、主基板(主制御基板140aを意味する)通信線異常のエラーが発生したものと判断する。なお、枠制御部150は、01H〜15Hのコマンドを受信した場合であっても、これらのコマンドを受信すべき状態にない場合には、同様にエラー発生と判断する。
【0041】
<エラー一覧>
図28はエラーの一覧図表を示す。図表の左端列は「エラーNo.」欄、その右列は「項目」欄である。本実施形態では6種類のエラー、即ち補給球不足、下皿満タン、球排出装置異常、通路切換ソレノイド異常、主基板通信線異常、及び、PCU未接続が設定されており、これらに「エラーNo.」が設定されている。
また、本図表には、各エラーの「検出方法」、「検出場所」、「各装置の状態」、「主制御部からの送出コマンド」、「要因」、「復帰条件」の各欄が設けられている。図表中央列の「各装置の状態」欄は、更に「遊技盤」、「排出装置」、「発射装置」、「PCU]、「排出LED」、「ストップLED」、「ブザー音」、「7セグ表示」の欄に分けられている。これらは概ね、遊技盤24、球排出装置299、発射装置ユニット107、PCU22、賞球表示LED17、ストップ表示LED19、ブザー155、枠状態表示器108の状態をそれぞれ表している。特に、「遊技盤」の表記は遊技盤24に装着された各種機器を総括したものであり、「ブザー音」欄はブザー155の作動の有無を表している。さらに、「7セグ表示」の表記は枠状態表示器108の表示を意味している。
また、図表の「要因」欄は各エラーの発生要因を意味しており、「復帰条件」欄は各エラーの要因を解消して通常状態に復帰させる方法を示している。
【0042】
つぎに、各エラーが発生した場合の制御態様を通常時と比較して説明する。
また、「各装置の状態」の欄に関する説明にあたっては、本図表中の表記を用いる。
先ず、通常時には、「各装置の状態」欄に示すように、遊技盤24、球排出装置299、発射装置ユニット107、及び、PCU22が作動しており、賞球表示LED17、ストップ表示LED19、ブザー音の作動が停止している。この際、7セグ表示は作動していない。
【0043】
つぎに、補給球不足(No.1)の場合、先ず主制御部140において補給球切れ検知スイッチ86のOFFが検出され、主制御部140から枠制御部150へ補給球不足を示すコマンド10Hが送出される。そして、球排出装置299及びPCU22の作動が停止し、ストップ表示LED19が所定態様で点滅する。この際の7セグ表示は「1」である。補給球切れ検知スイッチ86のOFFの要因としては、補給球不足、補給球切れ検知スイッチ故障、及び、球詰まり等が挙げられる。補給球不足からの復帰は、補給球切れ検知スイッチ86がONとなることにより自動的に行われる。
【0044】
下皿満タン(No.2)の場合には、主制御部140が下皿満タンスイッチ7bのOFFを検出し、枠制御部150へ下皿満タンを示すコマンド12Hを送出する。さらに、球排出装置299、発射装置ユニット107、PCU22の作動が停止し、ストップ表示LED19が所定態様で点滅するとともに、ブザー音が出力される。そして、7セグ表示が「2」となる。下皿満タンスイッチ7bのOFFの要因としては、下皿満タンや下皿満タンスイッチ7bが故障することなどが挙げられる。下皿満タンからの復帰は、下皿満タンスイッチ7bがONとなることにより自動的に行われる。
【0045】
球排出装置異常(No.3)の場合には、主制御部140による検出と、枠制御部150による検出の2通りがある。主制御部140による検出の場合は、要求した賞球数と賞球カウントスイッチ378の検知結果とが一致しなければ(後掲の図35参照)、主制御部140から枠制御部150へ球排出装置異常を示すコマンド14Hが送出され、球排出装置299とPCU22とが作動停止し、賞球表示LED17が点灯し、ストップ表示LED19が所定態様で点滅するとともに、ブザー音が出力される。そして、7セグ表示が「3」となる。
これに対し枠制御部150による検出の場合は、更に検出方法が2通り存在する。一方は要求した貸球数と貸球カウントスイッチ379の検知結果との比較であり、他方は球排出モータ280の回転量の監視である。すなわち、要求した貸球数と貸球カウントスイッチ379の検知結果とが一致しない場合(後掲の図36参照)や、球排出モータ280の回転量を検出できない場合には、主制御部140が球排出装置異常を検出した場合と同様に、球排出装置299とPCU22とが作動停止し、賞球表示LED17が点灯し、ストップ表示LED19が所定態様で点滅するとともに、ブザー音が出力される。そして、この際の7セグ表示は「4」となる。
このような球排出装置異常が検出される要因としては、主制御部通信異常、球詰まり、球排出モータ故障、賞球カウントスイッチ378の故障、貸球カウントスイッチ379の故障などが挙げられる。球排出装置異常からの復帰は、リセットスイッチ119(リセット手段)を押下することにより行われる。
【0046】
通路切換ソレノイド異常(No.4)の場合にも主制御部140による検出と、枠制御部150による検出の2通りがある。主制御部140による検出の場合は、賞球の排出を要求していないときに賞球が検出されると(例えば後掲の図37参照)、主制御部140から枠制御部150へ通路切換ソレノイド異常を示すコマンド15Hが送出され、球排出装置299とPCU22とが作動停止し、賞球表示LED17が点灯し、ストップ表示LED19が所定態様で点滅するとともに、ブザー音が出力される。そして、7セグ表示が「5」となる。
一方、枠制御部150による検出の場合は、貸球の排出を要求していないときに貸球が検出されると(例えば後掲の図38参照)、主制御部140による場合と同様に、球排出装置299とPCU22とが作動停止し、賞球表示LED17が点灯し、ストップ表示LED19が所定態様で点滅するとともに、ブザー音が出力される。そして、7セグ表示が「6」となる。
このような通路切換ソレノイド異常が検出される要因としては、通路切換ソレノイド302の故障が挙げられる。通路切換ソレノイド異常からの復帰は、リセットスイッチ119を押下することにより行われる。
【0047】
主基板通信線異常(No.5)の場合には、枠制御部150が通信データの異常を検出すると、球排出装置299とPCU22とが作動停止し、賞球表示LED17とストップ表示LED19とが所定態様で交互点滅し、7セグ表示が「7」となる。主基板通信線異常の要因としては、断線やコネクタ抜けが挙げられる。そして、主基板通信線異常からの復帰は、正常なデータを受信することにより自動的に行われる。
【0048】
PCU未接続(No.6)の場合には、枠制御部150が接続確認信号のOFFを検出すると、球排出装置299、発射装置ユニット107、及び、PCU22が作動停止し、賞球表示LED17とストップ表示LED19とが所定態様で同時点滅し、7セグ表示が「8」となる。PCU未接続の要因としては、断線、コネクタ抜け、及び、CRユニット故障などが挙げられる。そして、PCU未接続からの復帰は、接続確認信号がONとなることにより自動的に行われる。
【0049】
なお、本実施形態において主制御部140は、賞球カウントスイッチ378の検知結果を枠制御部150へ出力するが、エラー中及び復帰時の処理に関与していない。
また、複数のエラーの発生した場合に備えて、各装置の作動には優先順位の設定が行われている。すなわち、先ず7セグ表示の優先順位は8>7>6>5>4>3>2>1に設定されており、数値が大きいほど優先順位が高い。例えばPCU未接続(No.6)と主基板通信線異常(No.5)の双方のエラーが検出された場合、7セグ表示は「8」となり、PCU未接続(No.6)が解消されるまで「7」の表示は行われない。また、主制御部140において球排出装置異常(No.3)と下皿満タン(No.2)とが検出された場合には、先に7セグ表示が「3」となり、球排出装置異常(No.3)が解消されると7セグ表示が「2」となる。
【0050】
さらに、賞球表示LED17、ストップ表示LED19、ブザー音の作動は、そのときの7セグ表示に従う。つまり、例えばPCU未接続(No.6)と主基板通信線異常(No.5)の双方のエラーが検出された場合には、7セグ表示が「8」となるため、賞球表示LED17及びストップ表示LED19は同時点滅する。そして、PCU未接続(No.6)が解消されて7セグ表示が「7」となった場合に、作動態様が交互点滅に変化する。さらに、この際、ブザー音は作動を継続する。
【0051】
また、遊技盤24、球排出装置299、発射装置ユニット107、PCU22の作動は、全てのエラーを確認後、「×」を優先して実行する。つまり、例えば球排出装置異常(No.3)と下皿満タン(No.2)とが検出された場合の発射装置ユニット107の作動は、7セグ表示が「3」となるものの、下皿満タン(No.2)及びPCU未接続(No.6)については「×」であるから、発射装置ユニット107はこの「×」を優先して作動停止する。
【0052】
<処理例>
図29〜図38は主制御部140及び枠制御部150の処理例を示す。
図29は正常な状態における処理の一例を示す。最上段の「メイン周期」は主制御部140におけるリセット割込周期を示している。次段の「STB」はストローブ信号を表し、「DATA」はパラレル伝送される5bitのデータ信号を表している。また、「割込処理」は枠制御部150において、ストローブ信号の入力を契機に行われる割込処理のタイミングを示している。最下段の「枠側状態」は枠制御部150により制御される遊技機枠1aの状態を表している。
【0053】
図30は図29のタイミングチャートのコマンド受信部分の一部を拡大して示している。すなわち、主制御部140から枠制御部150へのデータ信号の送信が開始されてから約3μsが経過すると、ストローブ信号が立ち下がり、その5μs後にストローブ信号が立ち上がる。さらに、ストローブ信号の立ち下がりから約3μs後に、枠制御部150において割込処理が所定時間(ここでは約40μs)の間実行される。
なお、ストローブ信号は、枠制御部150のCPUのINT端子に入力される。また、割込処理においては、2回連続して正常なコマンドデータが受信された場合に入力が確定するが、本実施形態はこれに限定されず、例えば正常なコマンドデータの1回或は3回以上の受信によって入力を確定してもよく、または、奇数回(例えば3回)のコマンド入力のうち過半数のコマンドを確定情報として認識してもよい。また、ここに挙げた各時間の具体的な値は、例えば使用機器の処理手順や処理時間に応じて適宜変更することが可能である。
【0054】
図31は主制御部140の電源ON時の処理を示す。パチンコ機1の電源投入に伴い主制御部140の電源がONとなり、主制御部140は枠制御部150へコマンド1FHを送信する。この際、枠側状態は立上り待機状態にある。さらに、主制御部140は、コマンドを00H,11H,13H,00Hの順に切替える。コマンド00Hの送信に伴ってストローブ信号が立ち上がり、枠側状態はエラー状態となる。さらに、コマンド11H,13Hの送信にともない、ストローブ信号は立下がりと立上がりを行う。コマンド13Hが所定時間送信されるまで、枠側状態はエラー状態を維持する。そして、その後枠側状態は待機状態となる。
【0055】
図32は異常データ、断線、コネクタ抜けの場合の処理例を示す。先ず、コマンドが00H,0FH,00Hの順で切替ると、枠側状態は通常時,コマンド受信,通常時の順に変化する。メインループでの監視にて、割込処理が行われていないのにも関らずこの後コマンドが00H以外のデータに変化すると、枠制御部150は断線と判断する。また、STB有効時に1FHが検出されると、枠制御部150はコネクタ抜けと判断し、コマンド一覧(図27参照)に無いデータ、又は、16H〜1EHの場合、異常データと判断する。
【0056】
図33は、正常な賞球排出の処理例を示す。ここでは15個賞球の排出が繰返される場合を説明する。先ず、枠制御部150はコマンド0FHを受信すると割込処理を実行し、球排出装置299を駆動して賞球の排出を実行する。払出された賞球は賞球カウントスイッチ378により検出され、賞球カウントスイッチ378の検出結果は主制御部140へ送られる。さらに、主制御部140から枠制御部150へ、賞球カウントスイッチ信号が送られると、枠側状態は賞球中となる。そして、賞球カウントスイッチ信号から判断される賞球数が15個に達すると、枠側状態は賞球開始待機中に変化する。さらに、枠制御部150は、その後に送信されたコマンド0FHに対して同様な処理を実行する。
【0057】
図34は、賞球排出が途中で滞った場合の処理例を示す。ここでは、15個賞球の排出の際、14個目以降の賞球排出が滞った場合について説明する。
先ず、枠制御部150は、13個目の賞球に相当する信号の立ち上りが検出されてから所定時間Tが経過しても後続の信号が入力されなければ、リトライ(再試行)を実行する。本実施形態におけるリトライは、球排出モータ280を正逆方向に所定量(例えば遊技球数個分)回転させ、その間に遊技球(ここでは賞球)が検出されなければ、枠制御部150は球排出装置異常の判断を行う処理である。
図34の例では、14個目の賞球の排出が行われ、この賞球が検出された後、枠側状態が残球賞球中となり、15個目の賞球排出の後、枠側状態が賞球開始待機中となる。
なお、球排出装置299内の前記光センサによる回転量検出に基づく球排出装置異常の判断を併用或は代替してもよい。
【0058】
図35は球排出装置異常の場合であって、且つ、球排出モータ280が作動しないことを主制御部140が検出した場合の処理例を示す。主制御部140から枠制御部150へ賞球個数データのコマンド(図示略)が送信されることに伴い、枠制御部150にてストローブ信号が検出されると、枠側状態は待機中から賞球開始待機中、賞球中の順に変化する。正常であれば、枠側状態が賞球待機中に変化してから所定時間経過後に、破線で示すように球排出モータ280が作動し、その後、賞球カウントスイッチ378が同じく破線で示すように賞球を検出する。
しかし、球排出装置299に異常があり、球排出モータ280が実線で示すように動作しない場合には、賞球が払出されず、賞球カウントスイッチ信号も変化しない。主制御部140においては、ストローブ信号の送信からの所定時間(例えば1sec)が賞球払出開始監視時間と定められており、この賞球払出開始監視時間が経過しても賞球が検出されなければ、主制御部140が要求した賞球数を検出できないと判断して球排出装置異常のエラーの発生を認識する。
さらに、主制御部140は枠制御部150へ球排出装置異常コマンド(14H)を送信する。この際、主制御部140は遊技盤側状態を通常のまま維持する。枠制御部150は、球排出装置異常のコマンドを受けた時点から、枠側状態を球排出装置異常とする。
ここで、リセットスイッチ119を操作することにより、球排出装置異常の状態が解消され、枠側状態は通常状態に復帰する。リセットスイッチ119が操作された場合、枠制御部150においては、それまで記憶されていた賞球個数データが破棄される。そして、次の賞球個数データに対応した排出が行われる。先の異常の要因が排除されていれば、枠制御部150は正常な排出を行うが、排除されていない場合には、再び異常発生の判断が行われる。
なお、賞球排出の途中に球排出装置異常が生じる場合(例えば、1個目の正常な排出後に2個目以降の排出が滞った場合など)も考慮し、正常な球排出後の所定時間が判定時間と定められており、この判定時間の経過後に残りの賞球数が「0」でなければ、球排出装置異常の判断が行われる。
【0059】
図36は球排出装置異常の場合であって、且つ、球排出モータ280が作動しないことを枠制御部150が検出した場合の処理例を示す。主制御部140から枠制御部150へ賞球個数データのコマンド(図示略)が送信されることに伴い、枠制御部150にてストローブ信号が検出されると、枠側状態は球貸し準備となり、通路切換ソレノイド302が所定時間ONになる。主制御部140においては、ストローブ信号の受信からの所定時間(ここでは10sec)が球貸し監視時間と定められており、この球貸し監視時間が経過しても25個の貸球が検出されなければ、枠制御部150は要求した貸球数を検出できないと判断して球排出装置異常のエラーの発生を認識する。そして、枠側状態は球排出装置異常となる。
なお、本実施形態では、球排出装置299のこれ以外の状態も監視されており、例えば、球排出の開始に先立って球排出モータ280の基準位置を確認・決定する動作(原点出し動作)等において回転量検出用の光センサの出力信号を正常に検出できない場合などにも、枠制御部150は球排出装置異常の判断を行う。
そして、リセットスイッチ119を操作することにより、球排出装置異常の状態が解消され、枠側状態は通常状態に復帰する。リセットスイッチ119が操作された場合、枠制御部150においては、それまで記憶されていた賞球個数データが破棄される。そして、次の賞球個数データに対応した排出が行われる。先の異常の要因が排除されていれば、枠制御部150は正常な排出を行うが、排除されていない場合には、再び異常発生の判断が行われる。
【0060】
図37は、通路切換ソレノイド異常の場合であって、且つ、球貸し時に通路切換ソレノイド302が作動せず遊技球が賞球側に流下したことを、主制御部140が検出した場合の処理例を示す。球貸しのために操作パネル10の操作ボタンが押され、貸出スイッチ信号が変化すると、枠制御部150がこれを検出し、枠側状態が球貸し準備となる。この後、正常であれば、所定時間経過後に通路切換ソレノイド302が貸球側に動作し、球排出モータ280が駆動され、貸球カウントスイッチ信号が同じく破線で示すように変化する。
【0061】
しかし、通路切換ソレノイド302が動作しない場合には、貸球として排出された遊技球が賞球通路373に流入し、遊技球が賞球カウントスイッチ378により検出される。主制御部140は、賞球カウントスイッチ378が遊技球を検出したことに伴い、通路切換ソレノイド異常コマンド(15H)を枠制御部150へ送信する(ストローブ信号参照)。枠側状態は、球排出モータ280が25個分の遊技球の排出動作を終えた後、先の通路切換ソレノイド異常コマンドに基づいて通路切換ソレノイド異常となり、この通路切換ソレノイド異常はリセットスイッチ119が操作されるまで継続する。主制御部140においては、1個目の異常に基づいて異常検出を行う。
枠制御部150においては、貸球数が目的値に達しないため、前述の球貸し監視時間経過後に球排出装置異常の判断が行われるが、主制御部140によって通路切換ソレノイド異常の検出も行われているため、7セグ表示は優先順位に基づいて「」となる。
そして、リセットスイッチ119を操作することにより、球排出装置異常の状態が解消され、枠側状態は通常状態に復帰する。リセットスイッチ119が操作された場合、枠制御部150においては、それまで記憶されていた賞球個数データが破棄される。
【0062】
図38は、通路切換ソレノイド異常の場合であって、且つ、賞球排出時に通路切換ソレノイド302が作動せず遊技球が貸球側に流下したことを、枠制御部150が検出した場合の処理例を示す。なお、このような異常が生じる原因としては、ゴミ等の異物の侵入により可動部品が通常の動作を妨げられて固着することなどが挙げられる。
先ず、主制御部140から枠制御部150へストローブ信号(賞球要求)が送られると、枠側状態は賞球準備となり、更に所定時間経過後、賞球中となる。通路切換ソレノイド302がOFFしないまま(案内方向が貸球側となったまま)球排出モータ280が遊技球を払出すと、賞球として払出された遊技球が貸球カウントスイッチ379により誤まって検出される。枠制御部150は、賞球スイッチ信号の変化によって異常を検出し、通路切換ソレノイド異常の判断をする。枠側状態は、球排出モータ280が所定数(ここでは15個)分の遊技球の排出動作を終えた後、通路切換ソレノイド異常となる。この通路切換ソレノイド異常はリセットスイッチ119が操作されるまで継続する。1個目の異常に基づいて異常検出を行う。
主制御部140においては賞球数が目的値に達しないため球排出装置異常の判断が行われるが、球排出装置異常の7セグ表示の優先順位は通路切換ソレノイド異常よりも低いため、7セグ表示は「6」となる。
リセットスイッチ119を操作することにより、球排出装置異常の状態が解消され、枠側状態は通常状態に復帰する。リセットスイッチ119が操作された場合、枠制御部150においては、それまで記憶されていた賞球個数データが破棄される。
【0063】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態のCR機201,現金機201’においては、前述の実施形態と同様に、複数の球排出装置99や球排出系統を設けることなく賞球及び貸球が個別に検出される。したがって、機構盤262,262’の構造の大幅な複雑化や変更を伴うことなく、貸球数及び賞球数を正確に把握することができる。
また、CR機用ユニット300及び現金機用ユニット300’の装着構造が互換性を有するとともに、これら以外の部分は賞球排出及び貸球排出に共用されているので、両ユニットのいずれかを選択して装着するのみで異なる用途に対応することができる。したがって、用途変更が容易である。
また、本実施形態のCR機201,現金機201’においても用途の変更(及び決定)は、製造時或はその後(例えば改造時等)のいずれの場合にも可能である。
さらに、球排出装置異常、切換ソレノイド異常等の各種エラーを緻密に検出し、遊技者等に音声、表示によりエラーを認識させ、リセットスイッチ119等の操作、或は、自動により、正常状態への迅速、確実な復帰が可能となる。
【0064】
<第2実施形態の変更形態>
図39、図40は上述の第2実施形態におけるコマンド一覧図表及びエラー一覧図表(図27、図28参照)の一変更例である。本変更例においては、リセット手段として、発射ハンドル11に設けられたタッチスイッチ11aが兼用されている。すなわち、球排出装置異常や通路切換ソレノイド異常を主制御部140の検出により判断した場合の復帰条件としてタッチスイッチ11aの状態が設定されており、異常の要因を解消後、タッチスイッチ11aに遊技店の関係者や遊技者が接触することにより、図40の「復帰条件」欄に示すように、通常状態への復帰が行われる。すなわち、(1)球排出装置異常(No.3)で検出場所が主制御部140の場合、タッチスイッチ11aがOFFからONに変化することで復帰し、(2)球排出装置異常(No.3)で検出場所が枠制御部150の場合、主制御部140の通常状態を受信することで復帰し、(3)通路切換ソレノイド異常(No.4)で検出場所が主制御部140の場合、タッチスイッチ11aがOFFからONに変化することで復帰し、(4)通路切換ソレノイド異常(No.4)で検出場所が枠制御部150の場合、主制御部140の通常状態を受信することで復帰する。また、図示は省略するが、本変更例ではタッチスイッチ11aに係る信号が主制御部140へも送られる。
そして、図39に示すように、「球排出装置異常 解除」のコマンド(15H)や、「通路切換ソレノイド異常 解除」のコマンド(17H)が設定されており、これらのコマンドは、タッチスイッチ11aのON動作に伴い、主制御部140から枠制御部150へ送信される。
なお、この他の例として、リセット手段として、発射ハンドル11に内蔵されたスタートスイッチ11cを用いることが挙げられる。このスタートスイッチ11cは、一般の発射ハンドルと同様にタッチスイッチ11bとのAND条件を成立させるもので、本実施形態においては、図19に示す発射装置制御基板103aのハンドル入力用コネクタ(CN3)に設けられた発射SW端子(第5端子)に接続されている。
【0065】
以上、本実施形態と様々な変更形態を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において本発明の構成を適宜改変できることは当然であり、このような改変も、本発明の技術的範囲に属するものである。例えば、本発明は、いわゆる権利物、羽根物、アレンジボールと呼ばれている機種、一般電役などの種々の弾球遊技機に適用が可能である。
【0066】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、球貸経路と賞球経路の構成を複雑化することなく、貸球数及び賞球数を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のパチンコ機の正面図である。
【図2】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】同パチンコ機の裏面図である。
【図4】同パチンコ機の機構盤の裏面図である。
【図5】(a)は同パチンコ機をCR機として用いた場合の球流下部及びその周辺の裏面図、(b)は同パチンコ機の球排出装置及びその周辺の側面断面図、(c)は同パチンコ機を現金機として用いた場合の球流下部及びその周辺の裏面図である。
【図6】(a)は同パチンコ機のタンクレールの平面図、(b)は同タンクレールの変更形態の平面図である。
【図7】同パチンコ機の球排出装置の変更形態の側面断面図である。
【図8】同パチンコ機の賞球動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】同パチンコ機の貸球動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】(a)球排出装置の変更形態の斜視図、(b)は別の変更形態の斜視図である。
【図11】本実施形態のパチンコ機の電力供給経路を概略的に示すブロック図である。
【図12】本実施形態のパチンコ機の集中電源部の要部を示すブロック図である。
【図13】同電源ユニットの変更形態のブロック図である。
【図14】従来のパチンコ機の主制御基板の斜視図である。
【図15】従来のパチンコ機の発射装置制御部の分解斜視図である。
【図16】(a)は第2実施形態のパチンコ機のCR機用の球流下部及びその周辺の裏面図、(b)は同パチンコ機の球排出装置及びその周辺の側面断面図、(c)は同パチンコ機の現金機用の球流下部及びその周辺の裏面図である。
【図17】同実施形態のパチンコ機の賞球動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図18】同実施形態のパチンコ機の貸球動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図19】制御系の接続ブロック図である。
【図20】パチンコ機の電力供給系路を概略的に示すブロック図である。
【図21】賞球排出制御における信号伝達方式を概略的に示すブロック図である。
【図22】貸球排出制御における信号伝達方式を概略的に示すブロック図である。
【図23】主制御部において実行される入賞管理処理を示すフローチャートである。
【図24】主制御部において実行される排出数管理処理を示すフローチャートである。
【図25】枠制御部において実行される割込処理を示すフローチャートである。
【図26】枠制御部において実行される排出処理を示すフローチャートである。
【図27】主制御部から枠制御部へ送られるコマンドの一覧図表である。
【図28】エラーの一覧図表である。
【図29】正常な状態における処理の一例を示すタイミングフローチャートである。
【図30】図29のコマンド受信部分の一部を示す拡大タイミングフローチャートである。
【図31】主制御部の電源ON時の処理を示すタイミングフローチャートである。
【図32】異常データ、切断、コネクタ抜けの場合の処理例を示すタイミングフローチャートである。
【図33】正常な賞球排出の処理を示すタイミングフローチャートである。
【図34】賞球排出が途中で滞った場合の処理例を示すタイミングフローチャートである。
【図35】球排出装置異常の場合であって、且つ、球排出モータが作動しないことを主制御部が検出した場合の処理例を示すタイミングフローチャートである。
【図36】球排出装置異常の場合であって、且つ、球排出モータが作動しないことを枠制御部が検出した場合の処理例を示すタイミングフローチャートである。
【図37】通路切換ソレノイド異常の場合であって、且つ、球貸し時に通路切換ソレノイドが作動せず遊技球が賞球側に流下したことを、主制御部が検出した場合の処理例を示すタイミングフローチャートである。
【図38】通路切換ソレノイド異常の場合であって、且つ、賞球排出時に通路切換ソレノイドが作動せず遊技球が貸球側に流下したことを、枠制御部が検出した場合の処理例を示すタイミングフローチャートである。
【図39】第2実施形態の変更形態におけるコマンド一覧図表である。
【図40】第2実施形態の変更形態におけるエラー一覧図表である。
【符号の説明】
1…パチンコ機、62,162…機構盤、65,65’,165…タンクレール、
67…開口部、68…上皿導入口、69…下皿導入口、
70,70’,170…球流下部、71,71’,171…上流側通路、
71a,71a’…第1の通路、
71b,71b’…第2の通路、
72,72’…分岐部、73,73’,173…賞球通路、
74,74’,174…球貸通路、75,75’,175…遊技球通路、
76,76’,176…球送り部材、77,77’177…ケース、
78,78’…賞球カウントスイッチ、79…球貸カウントスイッチ、
80,180…球排出モータ、81,181…シャフト、
82,82’,83,83’,84,84’,182a,182b,182c…歯車、
96…球排出装置センサ基板、85,85’…球流出口、
86,86’…補給球切れ検知スイッチ、88…ストッパ蓋、
90,90’…球切れスイッチレバー、99,99’,199…球排出装置

Claims (2)

  1. 貸球排出及び賞球排出に共用される球排出手段と、
    貸球及び賞球を区別して検出する球検出手段とを具備した弾球遊技機において、
    入賞口への遊技球の入賞に基づき前記賞球排出の要求を行う主制御部と、
    前記主制御部からの賞球排出の要求及び球貸ボタンの押下に基づく前記貸球排出の要求を受ける枠制御部と、
    前記枠制御部に設けられる枠状態表示器とを備え、
    前記枠制御部は前記賞球排出の要求を受けると、前記球排出手段を駆動して要求された賞球数に応じた遊技球の排出を実行し、前記球検出手段で検出される遊技球の数に基づいて要求通りの数の賞球が排出されたか否かを確認し、
    前記枠制御部は前記貸球排出の要求を受けると、前記球排出手段を駆動して要求された貸球数に応じた遊技球の排出を実行し、前記球検出手段で検出される遊技球の数に基づいて要求通りの数の貸球が排出されたか否かを確認し、
    前記枠制御部が前記賞球排出の要求又は前記貸球排出の要求を受けてから、所定の監視時間が経過するまでの間に、前記球検出手段により遊技球が検出されなければ、前記枠制御部は前記枠状態表示器で球排出手段異常の表示を行い、
    さらに、
    前記球排出手段から排出された遊技球が流入する遊技球通路を備え、
    前記遊技球通路は、途中の分岐部において賞球通路と貸球通路とに分岐され、
    前記分岐部には、前記賞球排出あるいは前記貸球排出の別に応じて前記賞球通路及び前記貸球通路のうちの一方を開放し他方を閉塞する通路切換手段が設けられ、
    前記通路切換手段は、前記賞球排出のときに前記賞球通路を開放するとともに前記貸球通路を閉塞し、前記貸球排出のときに前記賞球通路を閉塞するとともに前記貸球通路を開放するように、通路切換駆動手段によって駆動されるようになっており、
    前記球検出手段は、前記賞球通路に設けられる賞球カウントスイッチと、前記貸球通路に設けられる貸球カウントスイッチとにより構成され、
    前記枠制御部が前記要求された賞球数に応じた遊技球の排出を実行した際に、該排出された遊技球を前記貸球カウントスイッチが検出した場合、又は前記枠制御部が前記要求された貸球数に応じた遊技球の排出を実行した際に、該排出された遊技球を前記賞球カウントスイッチが検出した場合、前記枠制御部は前記枠状態表示器で通路切換駆動手段異常の表示を行うことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記球排出異常と前記通路切換駆動手段異常との双方の異常が発生した場合、前記枠制御部は、予め定められた優先順位に従って、前記枠状態表示器で前記球排出異常の表示と前記通路切換駆動手段異常の表示とのうちの何れか一方を行う請求項1記載の弾球遊技機。
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