以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では、遊技機として7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等からなる表示装置により特図ゲームを行い、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機は、パチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、図2は、パチンコ遊技機1の背面図である。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の遊技者側を表,表面,前面,前方で表わし、パチンコ遊技機1を挟んで遊技者と反対側を裏,裏面,後面,後方,奥,背面で示す。まず、図1および図2を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板140(図2参照)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、遊技球を遊技領域7に発射する操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面側に位置する前面枠には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。
また、パチンコ遊技機1の左右上部には、効果音や音声を発生する2つのスピーカ30が設けられ、パチンコ遊技機1の上部および左右部には、遊技効果ランプとしての天枠ランプ40、左枠ランプ41および右枠ランプ42が設けられている。そして、この実施の形態では、左側のスピーカ30の下方に賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右側のスピーカ30の下方に補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。また、遊技領域7の左側部および右側部には、発光部材としての装飾ランプ17が備えられ、遊技領域7の右側部に備えられた装飾ランプ17の下方には状態表示灯25が設けられている。この装飾ランプ17は、遊技状態に応じて点灯、または、点滅されるものであり、後述する大当り遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げるものである。
なお、図示しないが、パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット装置50が付設される。また、操作ハンドル5を操作することにより発射モータ94を回転させ、発射モータ94の回転力を利用して遊技球を発射する打球発射装置93も設けられている。
遊技盤6の表面には発射された遊技球を誘導するための誘導レール14がほぼ円状に植立され、該誘導レール14で区画された領域により遊技領域7を形成している。遊技領域7における打球の入口近傍には、遊技領域7内に打込まれる遊技球を検出するための磁気センサよりなる発射球センサ194が設けられている。なお、遊技領域7に打込まれる遊技球を検出するためのセンサとしては、打球発射装置93への遊技球の供給路に設けられ、供給される遊技球を検出するものであってもよい。このような遊技球を検出するセンサは、遊技球を光学的に検出するセンサであってもよく、検出方式はどのような方式を採用してもよい。
また、遊技領域7のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報としての特別図柄を可変表示する第1可変表示装置8Aと第2可変表示装置8Bとが設けられ、第1可変表示装置8Aの下方には、第1可変表示装置8Aにて可変表示される特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示等を行うことができる第3可変表示装置8Cが設けられ、第2可変表示装置8Bの下方には、第2可変表示装置8Bにて可変表示される特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示等を行うことができる第4可変表示装置8Dが設けられている。なお、本実施形態における第1,第2可変表示装置8A,8Bは、7セグメントLEDによって構成され、第3,第4可変表示装置8C,8Dは、左・中・右の3つの可変表示部を有する液晶表示装置(LCD)によって構成される。
第3,第4可変表示装置8C,8Dで可変表示される飾り図柄とは、第1可変表示装置,第2可変表示装置8A,8Bにおける特別図柄の可変表示の装飾効果を高めるために特別図柄の可変表示と所定の関係を有して可変表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。所定の関係には、例えば、特別図柄の可変表示が開始されたときに飾り図柄の可変表示が開始される関係や、特別図柄の可変表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の可変表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。第1可変表示装置8Aの表示結果が大当り図柄の場合には、第3可変表示装置8Cの表示結果も大当りが発生する予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合)となるように制御され、第2可変表示装置8Bの表示結果が大当り図柄の場合には、第4可変表示装置8Dの表示結果も大当りが発生する予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
さらに、第3可変表示装置8Cの下方には、普通入賞球装置(第1始動入賞口)12Aが配置され、第4可変表示装置8Dの下方には、普通図柄表示器10や普通可変入賞球装置(第2始動入賞口)12Bなどが配置されている。また、普通入賞球装置12Aの下方には、第1特別可変入賞球装置(第1大入賞口)13Aが設けられている。一方、普通可変入賞球装置12Bの下方には、第2特別可変入賞球装置(第2大入賞口)13Bが設けられている。第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの下部には、始動記憶LED9が設けられ、普通図柄表示器10の右側方には、普通図柄始動記憶LED11が設けられている。
第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。第1可変表示装置8Aは、普通入賞球装置12Aへの遊技球の入賞により始動条件(第1始動条件)が成立し、当該始動条件が成立したことにもとづいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。第2可変表示装置8Bは、普通可変入賞球装置12Bへの遊技球の入賞により始動条件(第2始動条件)が成立し、当該始動条件が成立したことにもとづいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。
遊技領域7を流下する遊技球が普通入賞球装置12Aに入賞すると、その遊技球が第1始動口スイッチ20a(図4参照)によって検出されることにより、第1始動条件が成立する。普通可変入賞球装置12Bは、普通電動役物用ソレノイド23によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。普通可変入賞球装置12Bは、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)で表示結果が所定の当り図柄となったときに、普通可変入賞球装置12Bの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御することで、可動翼片を垂直位置としたときに比べて遊技球が入賞しやすくなる。普通可変入賞球装置12Bに入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ20b(図4参照)によって検出され、その検出により第2始動条件が成立する。なお、この実施の形態では、普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bとを用いて一方のみチューリップ型役物を備える構成としているが、普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bとの両方にチューリップ型役物を備える構成としてもよいし、両方にチューリップ型役物を備えない構成としてもよい。また、普通入賞球装置12Aにチューリップ型役物を備える構成とし、普通可変入賞球装置12Bにチューリップ型役物を備えない構成としてもよい。
第1特別可変入賞球装置13Aは、第1大入賞口用ソレノイド24aによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備え、第2特別可変入賞球装置13Bは、第2大入賞口用ソレノイド24bによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備えて構成されている。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、閉成した状態にある。一方、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームの結果にもとづいて大当り遊技状態となった場合に、第1大入賞口用ソレノイド24aによって入賞領域を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。また、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの結果にもとづいて大当り遊技状態となった場合に、第2大入賞口用ソレノイド24bによって入賞領域を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。第1特別可変入賞球装置13Aにて開閉板が開成しているときに入賞領域に遊技球が入賞した場合には、第1カウントスイッチ22aによって当該遊技球が検出されたことにもとづいて、所定数の賞球の払い出しが行われ、第2特別可変入賞球装置13Bにて開閉板が開成しているときに入賞領域に遊技球が入賞した場合には、第2カウントスイッチ22bによって当該遊技球が検出されたことにもとづいて、所定数の賞球の払い出しが行われる。
始動記憶LED9は、例えばLED等から構成され、特図保留メモリ570(図39)の記憶内容にもとづき、普通入賞球装置12Aあるいは普通可変入賞球装置12Bに遊技球が進入して第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームを開始するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない保留記憶数を表示する。例えば、始動記憶LED9では、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの保留記憶数に対応した個数のLEDが点灯される。
また、遊技盤6の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車(図示しない)、アウト口15等が設けられている。打球発射装置93から発射された遊技球は、誘導レール14を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。そして、遊技領域7に設けられたいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域7下部に設けられたアウト口15に取り込まれて遊技盤6の背面へ導かれる。
次に、打球供給皿3の構成について説明すると、打球供給皿3は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。打球供給皿3の開放側の上方には、球抜き操作レバー16が設けられている。この球抜き操作レバー16は、左右方向に移動可能に設けられ、スプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、打球供給皿3に貯留されていた球を裏面側に形成される球抜き路および球抜き穴(図示しない)を流下させて余剰球受皿4に誘導するものである。
また、打球供給皿3には、パチンコ遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置50を介して玉を借り受ける際に操作する操作部と、第3可変表示装置8C、または、第4可変表示装置8Dにおいて後述するような遊技履歴情報等を表示する所定の操作用画面が表示されたときに、表示画面上での各種ボタン等が操作可能となる表示用操作手段としての操作キー190と(図3で後述するように複数のキーを含む)が設けられている。
操作部は、球貸スイッチ98(図6に符号のみ記載)と返却スイッチ99(図6に符号のみ記載)と各表示LEDが実装される残高表示基板102(図4参照)からなり、該残高表示基板102が打球供給皿3の上面に臨むように設けられている。残高表示基板102は、後述するインタフェース基板101を経由して後述する払出制御基板100に接続されている。
また、操作キー190は、図3を用いて後述するような複数の操作キースイッチの総称である。操作キー190は、第3可変表示装置8C、または、第4可変表示装置8Dにおいて、所定の操作用画面が表示されたときに、操作が有効となる。
パチンコ遊技機1に隣接して設置されるカードユニット装置50は、前記打球供給皿3の上面に設けられる前述した球貸スイッチ98(図6に符号のみ記載)や返却スイッチ99(図6に符号のみ記載)等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置50の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)、当該カードユニット装置50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器(図示しない)、および、磁気カードよりなるプリペイドカードを挿入するカード挿入口(図示しない)等が設けられている。
カードユニット装置50は、前述のプリペイドカードを受付け、受付けたプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有のカード残額の使用(引き落とし)にもとづいて貸球を遊技者に貸出す(以下、貸与または球貸しともいう)ために用いられるカード処理装置である。このように貸出された貸球により、パチンコ遊技機1での遊技球を用いた遊技が可能となる。カードユニット装置50には、プリペイドカードの処理に関する制御および貸球の貸出しに関する制御等の各種制御を行なうためのカードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
そして、このように構成されるカードユニット装置50は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、後述するインタフェース基板101とカードユニット配線を介して接続され、このカードユニット配線からインタフェース基板101を経由して払出制御基板100に接続されている。なお、カードユニット装置50の機能をパチンコ遊技機1に内蔵してもよいし、カードユニット装置50を付設せず、カードによる球貸し機能を有しないパチンコ遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に玉を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置を例示したが、例えば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であってもよい。
一方、パチンコ遊技機1の背面には、図2に示すように、入賞球の発生にもとづいて所定個数の賞球を払い出すための各種の機構を装備した機構板140が設けられるとともに、前記操作ハンドル5に対応する裏面には、打球発射装置93が固着される。
打球発射装置93には、発射基板107が付設されている。この発射基板107によって打球発射装置93が駆動制御される。発射基板107は、基板ボックス107a内に収容されている。
また、遊技盤6の裏面には、図2に示すように、遊技盤6の裏面側の中央部分には、裏パック81aが取付けられている。裏パック81aには、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dが臨む開口(図示しない)が形成されており、この裏パック81aに対して、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dと、当該第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dを収容するための液晶ボックス81bとが取付けられている。
また、液晶ボックス81bの後面には、演出制御基板ボックス125が直接取付けられる。この演出制御基板ボックス125内には、ランプドライバ基板35と、音声枠ランプ基板70と、演出制御基板80とが収容して取付けられている。
音声枠ランプ基板70は、遊技盤6に設けられる装飾ランプ17、およびガラス扉枠2に設けられる遊技効果ランプ40〜42、スピーカ30等を主基板31からの情報信号に応じて一括して駆動制御するものである。音声枠ランプ基板70は、遊技盤6に設けられる装飾ランプ17を駆動するランプドライバ基板35に制御信号を出力することにより、ランプドライバ基板35に装飾ランプ17の点灯状態を制御させる。
演出制御基板80は、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dの可変表示動作を主基板31からの情報信号の種類に応じて駆動制御する。さらに、演出制御基板80は、音声枠ランプ基板70との情報信号のやり取りを行なうものである。
演出制御基板ボックス125の後面には、左側でヒンジ結合され、開閉自在となるように主基板取付ベース135が設けられている。主基板取付ベース135には、主基板ボックス136が取付けられている。主基板ボックス136内には、主基板31が収容して取付けられている。本実施の形態においては、主基板31が、遊技盤6に取付けられているため、新しい遊技盤に取り替えるときに、遊技盤自体を取り替えることにより、併せて主基板31を取り替えることができる。
なお、主基板ボックス136は、主基板ボックスベースに主基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、主基板ボックス136が開封されたか否かを容易に判断することができる。
裏パック81aの右上方には、盤用外部端子板104が取付けられている。この盤用外部端子板104は、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(例えば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り遊技状態中およびその大当りによる確率変動(通常遊技状態および時間短縮状態に比べて大当りとなる確率を向上させた状態)中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り遊技状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、大当り遊技状態終了後の時間短縮状態(通常遊技状態に比べて特別図柄の変動時間を短縮させた状態)中である旨を報知する時間短縮情報、第1始動口スイッチ20aをオン状態にした打球の数を報知する第1始動口情報、第2始動口スイッチ20bをオン状態にした打球の数を報知する第2始動口情報、第1可変表示装置8Aの変動動作回数を報知する第1図柄確定回数1情報、第2可変表示装置8Bの変動動作回数を報知する第2図柄確定回数1情報、普通図柄表示器の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示しない)を有し、これらの情報が主基板31から与えられるようになっている。さらに、第1可変表示装置8Aと第2可変表示装置8Bのどちらに大当り図柄が表示されたか、どの図柄で大当りしたか、どの図柄で停止したか等の情報を出力するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の背面に設けられる機構板140の構成について図2を参照して説明する。図2において、機構板140は、主として多量の賞球を貯留する賞球タンク147と、該賞球タンク147に貯留された賞球を仕切壁によって複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して下流側に整列しながら誘導する玉整列レール部材148と、が設けられる上部構成部と、カーブレール部を有しカーブレール部からの球を誘導する玉通路カバー部材156と入賞にもとづく賞球を払い出す玉払出装置154(本実施形態では、貸球も払い出すが、賞球のみ払い出すものでもよい)とが設けられる中間構成部と、主として遊技盤6に打ち込まれた入賞球を含む打球を処理するための構成および、賞球を打球供給皿3および余剰球受皿4に導くための構成が設けられる下部構成部と、が開口窓を構成するように機構板主体141上に一体的に形成されている。
なお、玉整列レール部材148の下流側上部には、球ならし部材149が揺動自在に垂下され、玉整列レール部材148上を上下2段となって流下する球を球ならし部材149に埋設される重錘(符号なし)の作用によって1段とするようになっている。
機構板主体141は、機構板主体141のそれぞれ上部および右側部(パチンコ遊技機1の背面側から見て),左側部(パチンコ遊技機1の背面側から見て),および下部をそれぞれ構成する上部板142,左側板143および下部板144を取付ネジによって連結することにより構成されている。本実施の形態における上部板142,左側板143および下部板144は、耐磨耗性を向上させるために、緑色の顔料がねり込まれた緑色透明のポリカーボネート樹脂で成形されている。透明色を緑色透明としているが、着色しない透明の場合、黄ばんだ透明色になってしまい美観が損なわれるため(タバコのヤニなどで汚れたような感じになってしまう)、緑色透明とすることでその点を解消している。
上部構成部における上記した玉整列レール部材148の下流側上部には、外部との信号線が接続される外部接続端子を有する枠用外部端子板103が取付けられる。枠用外部端子板103の取付部分は、凹んでおり、ハンダ面の突出部分が接触しないように形成されている。枠用外部端子板103に設けられる外部接続端子としては、外部(例えば、管理コンピュータ)とパチンコ遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ105,106からの信号を出力するためのコネクタとが設けられている。
また、賞球タンク147の左上部および枠用外部端子板103の右上部の機構板140の裏面には、それぞれ、第1ドア開放スイッチ105と、第2ドア開放スイッチ106とが設けられている。本実施の形態における第1ドア開放スイッチ105は、ガラス扉枠2と前面枠とが開放したこと、および、機構板140と前面枠とが開放したことを検出する。第2ドア開放スイッチ106は、前面枠と外枠とが開放したことを検出する。第1ドア開放スイッチ105および第2ドア開放スイッチ106は、枠用外部端子板103に接続されている。このように、第1ドア開放スイッチ105および第2ドア開放スイッチ106が備えられているため、外枠、前面枠およびガラス扉枠2の開放状態を外部装置等によって確認することができる。なお、この第1ドア開放スイッチ105および第2ドア開放スイッチ106の配線は、後述する音声枠ランプ基板70に接続され、演出制御基板80を経由して主基板31に接続するようにし、そして、主基板31からの情報信号にもとづいて音声枠ランプ基板70によって装飾ランプ17等を点灯制御することにより外枠,前面枠およびガラス扉枠2の開放状態を報知するようにしてもよい。
次に、上部板142に位置する中間構成部の構成について説明する。中間構成部の表面側には、球が通過する球抜き通路(図示しない)が形成されている。この球抜き通路は、後述する球抜き通路下流部と連通しており、玉整列レール部材148および賞球タンク147に待機する球を誘導してパチンコ遊技機1の外側(パチンコ遊技機1を設置する島の回収樋)に導くものである。この球抜き通路への球の誘導は、玉通路カバー部材156に設けられる球抜きストッパー(図示しない)を解除することにより行なわれる。
また、中間構成部の上部には、上記した玉整列レール部材148の下流側に接続されるカーブレール部および玉通路部を有する玉通路カバー部材156が取付けられる。玉通路カバー部材156のカーブレール部は、玉整列レール部材148から流下する球を前記球抜き通路あるいは、玉払出装置154に玉を誘導する玉通路(図示しない)のいずれかに分岐するものである。カーブレール部の下流側には、玉払出装置154が配置されている。
玉通路カバー部材156の下流側には、球切れスイッチ157が、玉払出装置154までの間に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって着脱自在に装着されている。この球切れスイッチ157は、球を検出しなくなったときに、払出制御基板100および主基板31に信号を入力し、後に説明する玉払出装置154の後述する払出モータ115の作動を停止して賞球の払い出しを不能動化させるようになっている。また、玉通路カバー部材156の下方には、賞球および貸球の払い出しを行なう玉払出装置154が取付けられている。
次に、機構板140の下部構成部(下部板144)について説明する。下部構成部は、図2に示すように、背面から見てその右側部分に払出制御基板100を収容する払出制御基板ボックス131が取付けられ、背面から見てその左側部分に電源基板910を収容する電源基板ボックス130が取付けられている。なお、払出制御基板ボックス131も、前述した主基板ボックス136の構造と同様に構成されている。すなわち、払出制御基板ボックス131は、払出制御基板ボックスベースに払出制御基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている(いずれも図示しない)。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、払出制御基板ボックス131が開封されたか否かを容易に判断することができる。
払出制御基板ボックス131が取付けられる下部構成部の前面側(機構板主体141の遊技盤6と対面する内側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成され、下部構成部の背面側(機構板主体141の外側)には、賞球通路、連絡通路、余剰玉通路が形成されるとともに球抜き通路下流部も形成されている。また、電源基板ボックス130の左側方には、ガラス扉枠2を前面枠に対して施錠し且つ前面枠を外枠に対して施錠する施錠装置128が設けられている。
次に、機構板140の下部構成部の背面から見て右側部分(以下、右側下部構成部という)の構成について説明する。図示を省略するが、機構板140の右側下部構成部の一側上部に賞球通路が形成され、該賞球通路の下端に上皿連通口が形成されている。この上皿連通口は、パチンコ遊技機1の前面に設けられる打球供給皿3に賞球を導くものである。上皿連通口の一側側方には、連絡通路が形成され、その連絡通路の下流に余剰玉通路が接続されている。
しかして、入賞にもとづく賞球が多数払い出されて打球供給皿3が賞球で満杯となり、遂には上皿連通口に到達してさらに賞球が払い出し続けられたときには、賞球は、連絡通路を介して余剰玉通路に導かれ、その後、接続樋を介して余剰球受皿4に排出される。そして、さらに賞球が払い出し続けられたときには、余剰球受皿4も満杯になるが、余剰玉通路の一側側壁に設けられた満タン検知レバー部分にまで到達すると、満タン検知レバーが押圧されて満タンスイッチ158(図5参照)がONされ、玉払出装置154の払出モータ115の駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する。このとき、打球発射装置93の発射モータ94の駆動は停止しないが、停止するものであってもよい。
電源基板ボックス130は、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源基板910を収容するものである。電源基板910には、パチンコ遊技機1全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ914、パチンコ遊技機1に設けられた各種基板(主基板31、払出制御基板100、および、演出制御基板80)に設けられたバッアップ用のRAMでバックアップ記憶されたデータをクリアするためのクリアスイッチ921(図8も参照)および管ヒューズ等が実装されている。また、電源基板910は、電源コード117が接続される電源コネクタが実装されている。電源コード117によって供給される電圧は、AC24Vの電圧であり、電源基板910で生成される複数の電圧は、DC30V、DC24V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)また、電源基板910は、主基板31、払出制御基板100、および、演出制御基板80の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板31,80,100のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために各基板31,80,100にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板910から電源断信号が出力されることによって主基板31は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。なお、払出制御基板100および演出制御基板80においても同様にバックアップする処理が行なわれる。主基板31、払出制御基板100、および、演出制御基板80におけるバックアップ処理に関しては、後で詳細に説明する。
右側下部構成部の機構板主体141の前面側(遊技盤6に当接する側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成されている。入賞球誘導通路の上方は、入賞球落下入口(図示しない)となっており、前記入賞球誘導カバー体から放出される入賞球を受入れるようになっており、その受入れた入賞球を入賞球誘導通路が一側側方に向かって誘導し、機構板主体141に形成された連通口(図示しない)から機構板主体141の背面側に導き、さらにその連通口から前記球抜き通路下流部(図示しない)に導くようになっている。前記球抜き通路下流部は、右側下部構成部の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、下部構成部のほぼ中央背面側に形成される前記余剰玉通路の右側方に形成される合流排出通路に最終的に合流するようになっている。したがって、入賞球落下入口から受入れられた入賞球は、入賞球誘導通路、連通口、球抜き通路下流部、および合流排出通路を介してパチンコ遊技機1の外部に誘導されるようになっている。
遊技盤6のアウト口15から取込まれたアウト球は、遊技盤6の裏面に刻設されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらにアウト球連通口(図示しない)を経由して上記したアウト玉通路に導かれ、連通口、合流排出通路を通ってパチンコ遊技機1の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路は、球抜き通路下流部からの抜き球、アウト玉通路からのアウト球、入賞球誘導通路からの入賞球をすべて合流してパチンコ遊技機1の外部に誘導するものである。
次に、図3を参照して操作キー190について説明する。図3は、操作キー190の構成を示す平面図である。操作キー190は、押圧式の検出スイッチにより構成される決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193を含む。決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193は、第3可変表示装置8Cまたは第4可変表示装置8Dで、後述するような操作用画面が表示された状態において、操作が有効となる。上方向キー192を操作すると、操作用画面上で画像として表示される複数の操作ボタンのうち選択表示されている操作ボタンの位置が画面上で上方向に移動する表示が行なわれる。また、下方向キー193を操作すると、操作用画面上で画像として表示される複数の操作ボタンのうちの選択表示されている操作ボタンの位置が画面上で下方向に移動する表示が行なわれる。また、決定キー191を操作すると、操作用画面上で画像として表示される複数の操作ボタンのうち選択表示されている操作ボタンについて実際に操作することが決定される。なお、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dで飾り図柄が可変表示されていないときに決定キー191を操作すると、操作用画面が表示されるようにしてもよい。
以上、パチンコ遊技機1の構成について説明してきたが、次に、配線接続される回路構成について、図4を参照して説明する。図4は、主基板31と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。
主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うCPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560と、演出制御基板80等に制御信号(演出制御コマンド)を送信するI/Oポート部57と、を含む。なお、この実施の形態では、CPU56とは、基本回路53のうち、プログラムに従って動作する中央処理装置(ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを除いた部分)を指す。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは、基本回路53のうち、CPU56に加えて、ROM54やRAM55などの記憶手段、乱数回路503、シリアル通信回路505、I/Oポート部57、などを含む部分を指す。この実施の形態では、ROM54,RAM55およびI/Oポート部57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
また、この実施の形態で用いられている遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェアで割込禁止に設定できないマスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、CPU56の外部から割込(外部割込;ソフトウェアで割込禁止にできるマスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)と、を有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。したがって、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態の場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルがハイレベルからローレベルに立下がって割込発生状態になる可能性が低減する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)および賞球の未払出数を示すデータ等は、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、遊技制御手段の制御状態に応じたデータと賞球の未払出数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。また、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
主基板31には、電源基板910から、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチ921が操作されたことを示すクリア信号、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、および遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する遊技制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるシステムリセット信号(以下、単にリセット信号と呼ぶ)が入力される。
主基板31には、遊技盤6に設けられる各スイッチ21,22a,22bからの信号がスイッチ中継基板95を介して入力され、また満タンスイッチ158および球切れスイッチ157からの信号が払出制御基板100を介して入力される。なお、球切れスイッチ157からの信号は、主基板31に入力されないように構成してもよい。また、満タンスイッチ158からの信号についても同様に、主基板31に入力されないように構成してもよい。さらに、主基板31には、払出制御基板100を介して玉払出装置154に搭載されている払出個数カウントスイッチ116(図6に符号のみ示す)からの信号が入力される。
また、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bは、主基板31に直接接続され、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bからの信号が直接入力される(ただし、他のスイッチ21,22a,22bにもとづく賞球数は、相対的に多い個数、例えば、7個であるのに対し、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bにもとづく賞球数は、相対的に少ない個数、例えば、4個である)。これは、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bからの配線を直接主基板31に接続することにより、その途中に不正な回路基板を組み込んだ配線(ぶら下がり基板等と称されている)が接続されているか否かの発見を容易にするためである。
上記した入力信号のうち、遊技盤6に設けられる各スイッチ21,22a,22bからの入力信号にもとづいて主基板31は、遊技盤6に設けられるソレノイド23,24a,24bを駆動制御するとともに、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号を周辺コマンド中継基板108および演出制御基板80を介して音声枠ランプ基板70に出力し、さらに、可変表示装置8A〜8Dの表示状態を制御するための演出制御コマンドを図柄中継基板84および演出制御基板80に出力し、盤用外部端子板104に各種の遊技情報を出力する。演出制御基板80は、可変表示装置8C,8Dの可変表示動作を主基板31からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、さらに、音声枠ランプ基板70との情報信号のやり取りを行なうものである。周辺コマンド中継基板108は、演出制御基板80へ出力する情報信号を中継するものである。
音声枠ランプ基板70は、主基板31から入力される電飾信号の種類に応じて、ガラス扉枠2に取付けられている遊技効果ランプ40〜42の点灯制御を行なう。また、音声枠ランプ基板70は、主基板31から入力される効果音信号の種類に応じて、スピーカ30を制御する。さらに、音声枠ランプ基板70は、主基板31から入力される電飾信号の種類に応じて、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に取付けられている装飾ランプ17の点灯制御を行なう。音声枠ランプ基板70は、遊技状態(可変表示パターン、通常遊技状態,時間短縮状態または確率変動状態であるか、可変表示中であるか等の遊技状態)に応じて、各種遊技効果ランプの点灯制御を行なうとともに、スピーカ30からの遊技音の駆動制御を行なう。ランプドライバ基板35は、遊技盤6に設けられる装飾ランプ17の点灯状態を制御するための音声枠ランプ基板70との接続を中継するものである。
主基板31は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、第1可変表示装置8Aまたは第2可変表示装置8Bに入力し、第1可変表示装置8Aまたは第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の表示制御を行なうとともに、始動記憶LED9の点灯制御を行なう。これにより、主基板31と第1可変表示装置8Aまたは第2可変表示装置8Bとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示装置用の制御基板等を設け、主基板31からの表示制御信号(駆動信号)にもとづき制御基板等により第1可変表示装置8Aまたは第2可変表示装置8Bの表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄表示器10に入力し、普通図柄表示器10における普通図柄の表示制御を行なう。さらに、主基板31は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄始動記憶LED11に入力し、普通図柄始動記憶LED11の点灯制御を行なう。
演出制御基板80には、CPU(図7に示す演出制御用CPU118a)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部((図7に示す入力ポート668,669、入出力ポート671等)等から構成される演出制御用マイクロコンピュータ118(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、図7参照、演出制御手段ともいう)が搭載されており、主基板31から入力される演出制御コマンドの種類に応じて、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dにおける飾り図柄の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに応じた可変表示装置(第3可変表示装置8Cまたは第4可変表示装置8D)の表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP119(図7参照)により可変表示部の表示制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP119に出力する。VDP119は、演出制御用マイクロコンピュータ118からデータが入力されたことにもとづいて動作する。この実施の形態では、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dの表示制御を行なうVDP119が演出制御基板80に搭載されている。また、VDP119は、それぞれ、演出制御用マイクロコンピュータ118とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにマッピングしている。
VDP119はキャラクタ画像データにしたがって受信した演出制御コマンドに応じた可変表示装置(第3可変表示装置8Cまたは第4可変表示装置8D)に表示するための画像データを生成し、VDP119はVRAMに展開する。RAMはVDP119によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
演出制御基板80には、さらに、操作キー190(決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193)と、発射球センサ194とが接続されている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドのうち、後述するような特定のコマンドにもとづいて、パチンコ遊技機1の遊技履歴情報を表示するためのデータを収集する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、パチンコ遊技機1の起動時において、パチンコ遊技機1が設置されている遊技店(遊技場)の店員等の管理者を利用対象者として各種の情報を表示する画像である遊技店用情報画面を第3可変表示装置8Cに表示する。遊技店用情報画面は、操作キー190の操作が有効となる操作用画面に該当する。
遊技店用情報画面が表示されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、店員等による操作キー190の操作に応じて出力される操作信号にもとづいて、前述の遊技履歴情報を管理する処理等の所定の処理を実行する。また、第3可変表示装置8Cが飾り図柄を可変表示可能な通常時(例えば、大当り遊技状態の実行中以外の状態)においては、遊技者による操作キー190の操作に応じて出力される操作信号にもとづいて、遊技者を利用対象者として各種の情報を表示する画像表示可能な画像である遊技者用情報画面を第3可変表示装置8Cに表示する。なお、第3可変表示装置8Cにおいて飾り図柄の可変表示を実行している状態、および、第1可変表示装置8Aに大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態に制御されている状態、には、遊技者用情報画面を第4可変表示装置8Dに表示するようにしてもよく、この場合に、第4可変表示装置8Dにおいて飾り図柄の可変表示を実行している状態には、遊技者用情報画面を表示しないようにしてもよい。また、遊技者用情報画面は、操作キー190の操作が有効となる操作用画面に該当する。遊技者用情報画面が表示されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、遊技者による操作キー190の操作に応じて出力される操作信号にもとづいて、前述の遊技履歴情報を表示する処理等の所定の処理を実行する。
次に、払出制御基板100は、図6に示すように満タンスイッチ158からの満タン信号にもとづいて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。また、満タンスイッチ158からの満タン信号は、払出制御基板100を介して主基板31に入力される。なお、満タンスイッチ158からの満タン信号が主基板31に入力されたときには、主基板31から音声枠ランプ基板70に満タン信号を出力して所定のランプ又はLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タンスイッチ158からの満タン信号を払出制御基板100に出力するので、例えば、該払出制御基板100上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
また、遊技盤6に設けられるゲートスイッチ21を除く各スイッチ20a,20b,22a,22bからの入力信号にもとづいて主基板31は、払出制御基板100に賞球制御信号を出力する。払出制御基板100は、その賞球制御信号にもとづく賞球数を未払出数に加算し、玉払出装置154を駆動して未払出数分の賞球を払い出す。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号にもとづいて払出制御基板100は、払い出した数を未払出数から減算する。また、払出制御基板100は、その賞球制御信号の入力にもとづいて、賞球ランプ51を表示駆動してその旨を報知する。
さらに、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号にもとづいて払出制御基板100は、払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。そのとき、払出制御基板100は、球切れランプ52を所定の態様で表示駆動する。
なお、満タンスイッチ158または球切れスイッチ157のいずれかがONすることで払出停止信号(払出停止コマンド)を払出制御基板100から出力して賞球等の払い出しが行なわれないようにし、いずれのスイッチ158,157ともOFFであれば払出可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球ランプ51に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
主基板31には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板31と払出制御基板100を除く他の制御基板との関係においては、主基板31から他の制御基板に向かって一方向の通信関係となる。このため、他の制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板31で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板31の制御の一部を他の制御基板で担当しているので、主基板31の負担が軽減されるとともに、主基板31の検査の容易化を図ることも可能である。
また、払出制御基板100には、玉払出装置154に搭載された払出センサ基板114,払出モータ115,および払出個数カウントスイッチ116からの信号や、前述したように満タンスイッチ158からの満タン信号や、球切れスイッチ157からの球切れ信号が入力される。払出センサ基板114は、払出モータ115の回転位置を検出する発光素子(LED)と受光素子とによるセンサである払出モータ位置センサが備えられた基板であり、この払出モータ位置センサにより、遊技機の払出動作を確実に行なうために払出モータ115の回転位置を検出することができる。払出センサ基板114からは、払出モータ位置センサの検出信号が出力される。
さらに、払出制御基板100には、カードユニット装置50および残高表示基板102からの信号を中継するインタフェース基板101が接続されており、残高表示基板102に搭載されている球貸スイッチ98および返却スイッチ99からの信号およびカードユニット装置50から各種の情報が入力されている。さらに、前述したように、払出制御基板100には、主基板31から賞球制御信号が入力される。上記した入力信号のうち、払出センサ基板114からの入力信号にもとづいて払出制御基板100は、貸球および賞球の払出動作における払出モータ115の停止位置、即ち玉払出装置154の玉払出部材の停止位置を正確に制御するとともに玉払出部材が動作しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号にもとづいて払出制御基板100は、貸球および賞球の正確な払出数を払い出すように払出モータ115を駆動制御するとともに、枠用外部端子板103に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、貸球は、払出制御基板100と、カードユニット装置50との間で、インタフェース基板101を経由して各種信号の送受信が行なわれ、玉払出装置154が駆動されることにより行なわれる。なお、払出制御基板100と、カードユニット装置50との間で、送受信される各種信号については、図6を用いて後述する。
さらに、主基板31からの賞球制御信号や、スイッチから直接入力される球切れ信号および満タン信号等にもとづいて払出制御基板100は、賞球の払出動作を実行せしめたり、賞球の払出動作を停止実行せしめたりする。なお、枠用外部端子板103に接続される球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの入力信号は、球切れ情報または満タン情報として外部のホール用管理コンピュータ等に出力される。
前述した打球発射装置93においては、発射モータ94を駆動するための回路が搭載された発射基板107が設けられている。なお、この実施の形態の操作ハンドル5は、発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチ109(図6に符号のみ記載)およびタッチリング110(図6に符号のみ記載)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組付けられており、操作量に応じて弾発力を調節可能である。操作ハンドル5から発射基板107には、タッチセンサおよび単発発射スイッチ109からの信号がそれぞれ伝達される。そして、遊技者による操作ハンドル5の操作に応じて、発射基板107から発射モータ94に、発射モータ94を駆動するための駆動信号が出力される。発射モータ94は、発射基板107からの駆動信号にしたがって駆動される。発射基板107では、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
図5は、主基板31における回路構成および主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示すブロック図である。図5に示すように、この実施の形態では、主基板31が搭載する遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号送信用の8本の信号線CD0〜CD7を用いて、演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号を送受するための演出制御用INT信号の信号線も配線されている。
主基板31には、図5に示すように、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bからの配線が接続されている。また、主基板31には、第1大入賞口である第1特別可変入賞球装置13A、第2大入賞口である第2特別可変入賞球装置13Bおよびその他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各種スイッチからの配線も接続されている。さらに、主基板31には、普通可変入賞球装置12Bを開閉する普通電動役物用ソレノイド23、第1特別可変入賞球装置13Aを開閉するソレノイド24a、および第2特別可変入賞球装置13Bを開閉するソレノイド24bへの配線が接続されている。
主基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ560、入力ドライバ回路58および出力回路59を搭載する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック回路501、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ502、乱数回路503a,503b、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、プログラムに従って動作するCPU56、CPUに割込要求信号を送出するCTC504、払出制御基板100や演出制御基板80が備えるCPUと非同期シリアル通信を行うシリアル通信回路505およびI/Oポート部57を内蔵する。
なお、この実施の形態では、シリアル通信回路505を内蔵するマイクロコンピュータを搭載した基板(例えば、主基板31)とは異なる基板(例えば、払出制御基板100や演出制御基板80)のCPUとの通信にシリアル通信回路505を用いる場合を説明するが、シリアル通信回路505は、シリアル通信回路505を内蔵するマイクロコンピュータを搭載した基板が備える別のCPUとシリアル通信を行ってもよい。例えば、同じ構成の2つのマイクロコンピュータが同じ基板に搭載されている場合に、各マイクロコンピュータが内蔵するシリアル通信回路が相互にシリアル通信を行ってもよい。
クロック回路501は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を27(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路503a,503bに出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路503a,503bに所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、この実施の形態では、図5に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路503a,503bを搭載する。乱数回路503aは、12ビットの擬似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路503aは、12ビットで発生できる範囲(すなわち、0から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、乱数回路503bは、16ビットの擬似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路503bは、16ビットではっせいできる範囲(すなわち、0から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bを包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとのうちいずれかを指す場合に、乱数回路503という。
図6は、払出制御基板100および玉払出装置154などの払い出しに関連する構成要素を示すブロック図である。図6に示すように、払出制御基板100には、払出制御用CPU659を含む払出制御用マイクロコンピュータ660(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、払出制御手段ともいう)が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくとも未払出数を記憶するRAMが内蔵されている。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ660に内蔵されていてもよい。払出制御用マイクロコンピュータ660におけるRAMの少なくとも一部は、電源基板910に搭載されているバックアップ電源によって電源バックアップされている。この実施の形態では、全てのRAM領域が電源バックアップされているとする。よって、パチンコ遊技機1に対して電力供給がなされていないときにも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAMの記憶内容は保存される。
球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの検出信号は、サンパック中継基板111を介して払出制御基板100のI/Oポート661dに入力される。また、サンパック中継基板111は、枠用外部端子板103とコネクタで接続されている。枠用外部端子板103には、外部(例えば、管理コンピュータ)とパチンコ遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ105,106からの信号を出力するためのコネクタとが外部接続端子として設けられている。
玉払出装置154に搭載された払出個数カウントスイッチ116および払出センサ基板114からの検出信号は、払出中継基板113を介して払出制御基板100のI/Oポート661cに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号にもとづき、RAMに記憶されている未払出数を減算する処理を行なう。払出制御用マイクロコンピュータ660は、未払出数があるときに、払出中継基板113を介して払出モータ115を駆動させるための信号を出力する。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661bに球切れまたは満タンを示す信号が入力されたときに、払出停止信号をI/Oポート661cから払出中継基板113に出力する。払出中継基板113は、当該払出停止信号を受信すると、払出モータ115の駆動を停止させる。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661dに球切れを示す信号が入力されたときに、I/Oポート661bを介して球切れ信号をプラ枠中継基板112に出力する。プラ枠中継基板112は、球切れ信号にもとづき、球切れランプ52を点灯させる制御を行なう。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号にもとづき、I/Oポート661bを介して賞球信号をプラ枠中継基板112に出力する。プラ枠中継基板112は、賞球信号にもとづき、賞球ランプ51を点灯させる制御を行なう。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661dに球切れまたは満タンを示す信号が入力されたときに、I/Oポート661bを介して発射停止信号をプラ枠中継基板112に出力するようにしてもよい。この場合、プラ枠中継基板112は、発射基板107に、発射モータ不能動化信号を出力し、発射モータ94が駆動できないように制御するようにしてもよい。
また、入賞口への遊技球の入賞があると、シリアル通信回路505の送信部662から、払い出すべき賞球個数を示す賞球制御信号が出力される(オン状態になる)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が立ち上がったとき(動作を開始したとき)に、払出起動コマンド(払出起動指令)が出力される。そして、賞球制御信号または払出起動指令の取込みを指示するための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)が出力される(オン状態になる)。
この実施の形態では、賞球制御信号と払出起動指令とは同じ信号線で伝達される。賞球制御信号および払出起動指令は、5ビットのデータ(2進5桁のデータ)によって構成され、5本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号にもとづく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。例えば、賞球個数を示す賞球制御信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御用マイクロコンピュータ660に対して、賞球制御信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。
賞球制御信号および払出起動指令は、入力回路663Aを介してI/Oポート661gに入力される。また、賞球REQ信号は、払出制御用CPU659のマスク可能割込端子(以下、単に割込端子ともいう。)に入力される。払出制御用CPU659は、割込端子に賞球REQ信号が入力されたことにもとづく割込処理で、I/Oポート661gを介して賞球制御信号を入力し、賞球制御信号が示す個数の遊技球を払い出すために玉払出装置154を駆動する制御を行なう。なお、シリアル通信回路505の送信部662からは、主基板31が接続されていることを示す接続確認信号も出力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660が払出指令信号を受付けたときには、主基板31に対して指令受付信号を送信する。指令受付信号は、払出制御基板100の出力ポート661hおよび出力回路663Bを介して主基板31に送信される。そして、主基板31において、シリアル通信回路505の受信部666およびI/Oポート部57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。なお、この実施の形態では、賞球BUSY信号がオン状態になることによって、指令受付信号が送信されたことになる。
また、払出制御基板100には、電源基板910から、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、RAMの内容をクリアするためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号、および払出制御用マイクロコンピュータ660に対する払出制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるリセット信号が、入力ポート661aに入力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、出力ポート661fを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED664にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板100の入力ポート661eには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ665からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ665は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
パチンコ遊技機1に隣接して設置されているカードユニット装置50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット装置50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板101には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED96、球貸可表示LED97、球貸スイッチ98および返却スイッチ99が接続される。なお、度数表示LED96は、貸球として貸与可能な度数を表示するものであり、球貸可表示LED97は、貸球の貸与を実行可能な状態であることを示すものである。
インタフェース基板101からカードユニット装置50には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ98が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ99が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット装置50からインタフェース基板101には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット装置50と払出制御基板100の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート661iおよび出力ポート661jを介して送受信される。カードユニット装置50と払出制御基板100の間には、インタフェース基板101が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図6に示すように、インタフェース基板101を介してカードユニット装置50と払出制御基板100の間で送受信されることになる。
また、VL信号は、発射基板107において、打球発射装置93による遊技球の発射について、発射を許可する発射許可状態と、打球発射装置93による遊技球の発射を禁止する発射禁止状態とのいずれかの状態を選択するために用いられる。このため、払出制御基板100上では、VL信号の信号経路(信号線,信号ライン)が、出力ポート661kを介して発射基板107へ出力する第1信号経路L1と、入力ポート661iを介して払出制御用マイクロコンピュータ660へ伝達する第2信号経路L2とに分岐して形成されている。つまり、払出制御基板100上には、VL信号の信号経路を第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐する分岐手段としての配線が設けられている。これにより、VL信号は、カードユニット装置50から払出制御基板100に伝達されるとともに、払出制御基板100を介して発射基板107へ伝達されることとなる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板100に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ660は、VL信号の入力状態によってカードユニット装置50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット装置50においてカードが受付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板100にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板100にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置50に対するEXS信号を立上げ、カードユニット装置50からのBRQ信号の立下がりを検出すると、払出モータ115を駆動し、所定個の貸球を遊技者に払い出す。そして、払い出しが完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置50に対するEXS信号を立下げる。その後、カードユニット装置50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット装置50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板100から供給される。すなわち、カードユニット装置50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板100およびインタフェース基板101を介して行なわれる。この例では、インタフェース基板101内に配されているカードユニット装置50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット装置50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット装置50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
なお、この実施の形態で用いられている払出制御用CPU659は、マスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、マスク可能割込を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。なお、マスク可能割込とは、ソフトウェアで割込が発生しないように制御することができる割込である。また、割込端子への信号入力にもとづく割込を外部割込ともいう。
発射基板107においては、タッチリング110からの検出信号(以下、タッチセンサ検出信号という)と、単発発射スイッチ109からの検出信号(以下、単発発射スイッチ検出信号という)と、カードユニット装置50からインタフェース基板101および払出制御基板100を経由して伝達されるVL信号とが入力される。発射基板107では、発射モータ94を駆動するための駆動信号を出力する発射モータ駆動回路が搭載されている。発射モータ駆動回路は、操作ハンドル5が操作されたことに応じてタッチセンサ検出信号がオン状態を示しているときには駆動信号を発生させ、一方、タッチセンサ検出信号がオフ状態を示しているときには駆動信号の発生を停止させる。また、駆動信号発生回路95aは、単発発射スイッチ検出信号がオン状態を示しているときにはタッチセンサ検出信号がオン状態を示しているときであっても、駆動信号の発生を停止させる。また、VL信号がオフ状態であるときに、発射禁止状態とし、VL信号の入力の有無に応じて発射の許可と禁止とを行なう。
図7は、演出制御基板80および音声枠ランプ基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ118における演出制御用CPU118aは、ROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、周辺コマンド中継基板108を介して主基板31から送信される取込信号(演出制御INT信号)に応じて、周辺コマンド中継基板108、入力ドライバ667および入力ポート668を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)119に、LCDを用いた第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dの表示制御を行なわせる。VDP119は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。
周辺コマンド中継基板108には、主基板31から入力された信号(演出制御コマンドを構成する演出制御信号と演出制御INT信号)を演出制御基板80に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80から主基板31への方向には信号を通過させない)信号入力阻止手段としての単方向性回路108aが搭載されている。単方向性回路108aとして、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図7には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路108aは、周辺コマンド中継基板108を通過する信号線それぞれに設けられる。演出制御基板80からの信号、演出制御基板80に入力される信号(操作キー190からの操作信号および発射球センサ194からの検出信号)、および演出制御基板80に接続される音声枠ランプ基板70(主基板31に接続されない基板を周辺基板ともいう。)からの信号は、周辺コマンド中継基板108の存在によって、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝達されない。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。また、さらに、周辺コマンド中継基板108を、その裏面が視認可能となる態様で取付けた場合、周辺コマンド中継基板108の裏面を容易に視認することができるため、周辺コマンド中継基板108から遊技制御用マイクロコンピュータ560へ不正に信号を入力させるようにする不正行為が行なわれたことを容易に発見することができる。
なお、本実施の形態においては、単方向性回路108aを周辺コマンド中継基板108に設けた例について説明したが、これに限らず、単方向性回路108aは、主基板31に設けてもよく、また演出制御基板80に設けてもよい。すなわち、単方向性回路108aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して不正信号が入力されることを防止できる場所に設けられている構成であればよい。
演出制御用マイクロコンピュータ118には、入力ポート669を介して、操作キー190(191,192,193)からの操作信号、および、発射球センサ194からの検出信号が入力される。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、入出力ポート671を介して音声枠ランプ基板70に対して、スピーカ30から発せられる音声を制御するための音声制御コマンドと、遊技効果ランプ40〜42、装飾ランプ17の点灯状態を制御するためのランプ制御コマンドと、を出力する。
音声枠ランプ基板70において、CPU、ROMおよびRAMを含む音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ(MPU)70aは、音声制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データにもとづいて音声ドライバ回路673を介し、スピーカ30を制御する。また、音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ70aは、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データにもとづいて枠ランプドライバ回路672を介し、遊技効果ランプ40〜42を制御する。さらに、音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ70aは、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データにもとづいてバスドライバ674を介し、装飾ランプ17を制御するための駆動信号を、ランプドライバ基板35に出力する。
ランプドライバ基板35では、音声枠ランプ基板70から出力されてバスドライバ675から入力された駆動信号にもとづき、出力ポート676および装飾ランプドライバ回路677を介し、装飾ランプ17が制御される。なお、ランプドライバ基板35には、さらに、拡張ポート678が搭載されており、他の演出装置を駆動させることができるように構成されている。
本実施の形態におけるランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ118と音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ70aとの間で、双方向通信(コマンド受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
また、電源基板910からのリセット信号は、音声枠ランプ基板70に搭載された音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ70aに入力される。また、電源基板910からのリセット信号は、音声枠ランプ基板70を経由し、さらに演出制御基板80に搭載された入出力ポート671を介して、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。また、電源基板910からの電源断信号は、音声枠ランプ基板70を経由し、さらに演出制御基板80に搭載された入出力ポート671を介して、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118におけるRAMの少なくとも一部は、電源基板910に搭載されているバックアップ電源によって電源バックアップされている。この実施の形態では、一部のRAM領域(以下、バックアップ領域という)が電源バックアップされているとする。よって、パチンコ遊技機1に対して電力供給がなされていないときにも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMのバックアップ領域の記憶内容は保存される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ118におけるRAMの全部の領域がバックアップ電源によって電源バックアップされるようにしてもよい。
次に、電源基板910の構成を図8のブロック図を参照して説明する。図8は、電源基板910の構成例を示すブロック図である。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板100および演出制御基板80等)と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図8では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からのパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図8に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板100に接続される。コネクタ922Cに接続されるケーブルは、音声枠ランプ基板70に接続される。そして、演出制御基板80およびランプドライバ基板35には、コネクタ922Cから供給される各電圧が、音声枠ランプ基板70を経由して供給される。このパチンコ遊技機1においては、主基板31、払出制御基板100、および、演出制御基板80のそれぞれにおいて、データがバックアップされる。したがって、コネクタ922A,922B,922Cには、VBBも供給されている。ここで、コネクタ922CからのVBBは、音声枠ランプ基板70を経由して演出制御基板80のRAM(図示しない)に供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aおよびコネクタ922Bを介して主基板31および払出制御基板100に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、例えば払出制御基板100などの電源基板910以外の基板や遊技機の後面側であればその他の場所に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するシステムリセット信号としてのリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Aおよびコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。リセット信号は、リセットレベルではマイクロコンピュータの動作を停止(禁止)させる動作停止信号として用いられ、非リセットレベルになるとマイクロコンピュータの動作を可能にする動作可能信号として用いられる。なお、本実施の形態においては、音声枠ランプ基板70を経由したリセット信号が、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ118へのシステムリセット信号の入力パターンとしてはこれに限るものではない。例えば、主基板31や払出制御基板100を経由したシステムリセット信号が入力される入力パターンであってもよい。
電源監視回路920は、電源断信号を出力する電圧低下監視手段とシステムリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路である。なお、電圧低下監視手段とリセット信号生成手段とは、各々、別の回路により構成してもよい。電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(例えば+24V)が所定値(例えば+5V)以下になった期間が、予め決められている時間(例えば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、例えば、VCCが+4.5V以下になると、システムリセット信号をローレベルにする。
なお、電源監視回路920としては、電圧が所定値以下になった期間が所定時間以上継続したか否かを判断することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するものに限らず、例えば、ダイオード回路から構成される一般的な全波整流回路を用いて得られるパルスを検出することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するようにしてもよい。例えば、全波整流回路により交流波を全波整流して得られるパルスのうち、振幅が所定値以上のパルスをカウントするものであって、所定期間カウントされなかったときに電圧が所定値以下となったと判断するものであってもよい。
電源監視回路920は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したことを条件にリセット信号をローレベルにする。所定期間は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560、払出制御基板100に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118が、後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。すなわち、電源監視回路920は、電圧低下信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560、払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御用マイクロコンピュータ118が、電源断処理を実行完了した後に、動作停止信号(リセット信号のローレベル)を出力する。また、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、VCCが例えば+4.5Vを越えるとシステムリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にシステムリセット信号をハイレベルにする。従って、システムリセット信号がハイレベルになったことに応じて各電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載されているマイクロコンピュータがプログラムに従って制御を開始するときに、電源断信号は必ずオフ状態になっている。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板100において、入力ポート661aを介して払出制御用マイクロコンピュータ660に入力される(図6参照)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、入力ポート661aの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、主基板31において、電源監視回路920からの電源断信号は、I/Oポート部57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される(図4参照)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート部57の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、演出制御基板80において、電源監視回路920からの電源断信号は、入出力ポート671を介して演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される(図7参照)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ118は、入出力ポート671の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
一方、電源監視回路920からのリセット信号は、入力ポート661aを介して払出制御用マイクロコンピュータ660のリセット端子に入力される(図6参照)。従って、払出制御用マイクロコンピュータ660は、リセット端子の入力状態を監視することによって、払出制御動作の実行状態とするタイミングおよび払出制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。また、電源監視回路920からのリセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子に入力される(図4参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、リセット端子の入力状態を監視することによって、遊技制御動作の実行状態とするタイミングおよび遊技制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。また、電源監視回路920からのリセット信号は、入出力ポート671を介して演出制御用マイクロコンピュータ118のリセット端子に入力される(図8参照)。従って、演出制御用マイクロコンピュータ118は、リセット端子の入力状態を監視することによって、払出制御動作の実行状態とするタイミングおよび払出制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視回路920が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部のからの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。例えば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
次に、乱数回路503の構成について説明する。図9は、乱数回路503の構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態において、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとの基本的な構成は同じである。図9に示すように、乱数回路503は、カウンタ521、比較器522、カウント値順列変更回路523、クロック信号出力回路524、カウント値更新信号出力回路525、乱数値読取信号出力回路526、乱数更新方式選択信号出力回路527、セレクタ528、乱数回路起動信号出力回路530、乱数値記憶回路531、反転回路532、ラッチ信号生成回路533およびタイマ回路534、を含む。
この実施の形態では、乱数回路503は、複数種類の識別情報の可変表示の表示結果を大当りとするか否か(例えば、第1可変表示装置8Aの表示図柄の組み合わせを大当り図柄の組合せ(特定表示結果)とするか否か)を判定するための大当り判定用乱数(ランダムR)を発生する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が発生した大当り判定用乱数(ランダムR)にもとづいて大当りとすると判定すると、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行させる。なお、乱数回路503が発生した乱数を、通常遊技状態よりも大当り遊技状態となる確率を向上させた確率変動状態とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する乱数等、大当り図柄以外の判定用乱数として用いてもよい。
なお、大当り判定用乱数(ランダムR)は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定するために用いられる乱数である。確変判定用乱数は、特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときに、確変大当り(大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後の遊技状態を確率変動状態にすることが決定されている大当り)とするか通常大当り(大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後の遊技状態を通常遊技状態に制御することが決定されている大当り)とするかを判定するために用いられる乱数である。確変終了判定用乱数は、確変制御による確率変動状態を終了して時間短縮状態に移行するか否かを判定するために用いられる乱数である。確定図柄決定用乱数は、特図ゲームにおける特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、特図ゲームにて確定図柄が大当り図柄とならない場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後にハズレの確定図柄を導出表示するのか、リーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示するのかを判定するために用いられる表示用の乱数である。可変表示パターン決定用乱数は、特図ゲームにて使用する可変表示パターンを決定して当該特図ゲームにおける特別図柄の可変表示態様および飾り図柄の可変表示態様などの演出態様を規定するために用いられる表示用の乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記以外の乱数が用いられてもよい。
カウンタ521は、セレクタ528によって選択された所定の信号を入力し、セレクタ528から入力する信号に応答してカウント値Cを出力する。この場合、カウンタ521は、所定の初期値を入力し、カウント値Cを一定の規則に従って初期値から所定の最終値まで循環的に更新して出力する。また、カウンタ521から通知信号が出力されると、CPU56によって初期値が更新される。
この実施の形態において、カウンタ521は、セレクタ528から信号を入力する毎に(セレクタ528からの信号における立ち上がりエッヂが入力される毎に)、カウント値Cを「0」から「4095」まで1ずつカウントアップする。また、カウンタ521は、カウント値Cを「4095」までカウントアップすると、カウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号をCPU56に出力する。すると、CPU56は、カウンタ521から通知信号を入力し、初期値を更新する。そして、カウンタ521は、CPU56によって更新された初期値から「4095」まで、再びカウント値Cをカウントアップする。また、「4095」までカウントアップすると、カウンタ521は、再び「0」からカウントを開始する。そして、カウンタ521は、更新後の初期値の1つ前の値(最終値)までカウントアップすると、通知信号をCPU56に出力する。なお、この実施の形態では、比較器522は、後述するように、全てのカウント値を入力すると通知信号をカウンタ521に出力する。この場合、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力すると、カウント値をリセットして「0」にする。
カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ(RSC)536、更新規則選択レジスタ(RRC)542および更新規則メモリ543を含む。カウント値順列変更レジスタ536は、カウンタ521がカウントアップするカウント値Cの更新順である順列(初期値から最終値までの並び順)を変更させるためのカウント値順列変更データ「01h」を格納する。カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536に数値順列変更データ「01h」が格納されているとき、カウンタ521がカウントアップして更新するカウント値Cの順列を、カウント値順列変更データ「01h」が格納されていないときとは異なる順列に変更する。
図10は、更新規則選択レジスタ542の例を示す説明図である。更新規則選択レジスタ542は、カウンタ521が出力するカウント値の並び順の並べ替え(順列の変更)に用いる更新規則を設定するレジスタである。この実施の形態では、更新規則選択レジスタ542にレジスタ値が設定されることによって、カウンタ521が出力するカウント値の順列の変更に用いる更新規則が設定される。図10に示すように、更新規則選択レジスタ542は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、更新規則選択レジスタ542は、ビット0〜ビット3が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、更新規則選択レジスタ542は、ビット4〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、更新規則選択レジスタ542のビット4〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット4〜ビット7から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
更新規則選択レジスタ542の値(レジスタ値)は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれたことに応じて、レジスタ値が「0(=00h)」から「15(=0Fh)」まで循環的に更新される。すなわち、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列データ「01h」が書き込まれるごとに、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値は、「0」から「1」ずつ加算され、「15」になると再び「0」に戻る。
図11は、更新規則メモリ543の例を示す説明図である。図11に示すように、更新規則メモリ543は、更新規則選択レジスタ542の値(レジスタ値)と、カウント値の更新規則とを対応付けて格納している。図11に示す例では、例えば、更新規則選択レジスタ542にレジスタ値1が設定されている場合、更新規則Bを用いて、カウンタ521が出力するカウント値の順列が変更されることが分かる。なお、図11において、更新規則Aは、カウンタ521がカウント値Cを更新する規則と同一の更新規則であり、レジスタ値「0」に対応づけて更新規則メモリ543に格納される。また、更新規則メモリ543には、カウンタ521がカウント値Cを更新する更新規則とは異なる更新規則B〜Pが、レジスタ値「1」〜「15」に対応づけて格納される。
カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれている場合、まず、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」が最初に入力されるまで、現在設定されている更新規則に従って、そのままカウント値を出力する。そして、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」を入力すると、カウント値の更新規則を変更する。なお、CPU56によって初期値が変更されている場合には、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から変更後の最終値(初期値の1つ前の値)まで入力すると、カウント値の更新規則を変更することになる。
カウント値順列変更回路523は、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値に対応する更新規則を更新規則メモリ543から選択し、カウント値の順列の変更に用いる更新規則として設定する。また、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521によって再び初期値「0」から順にカウント値の更新が開始されると、設定した更新規則に従って、カウント値の初期値から最終値までの順列を変更する。なお、CPU56によって初期値が変更されている場合には、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521によって変更後の初期値から順にカウント値の更新が開始されると、設定した更新規則に従って、カウント値の初期値から最終値までの順列を変更することになる。そして、カウント値順列変更回路523は、変更した順列に従ってカウント値を出力する。
なお、この実施の形態では、後述する乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値が設定されていることによって、発生させる乱数の最大値が制限されている場合、カウント値順列変更回路523は、カウント値Cを乱数最大値以下に制限して順列を変更して出力する。例えば、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されているものとし、カウント値順列変更回路523が、更新規則Aから更新規則Bに変更して、カウント値の順列を変更するものとする。この場合、カウント値順列変更回路523は、比較器522の乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Bに従って、カウント値の順列を「256→255→・・・→0」に変更して出力する。
以上のように、カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれている場合、更新規則を切り替えて用いることによって、カウント値Cの順列を変更して出力する。そのため、乱数回路503が生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
図12は、カウント値順列変更回路523が、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更する場合の例を示す説明図である。図12に示すように、CPU56は、所定のタイミングで、カウント値順列変更データ「01h」をカウント値順列変更レジスタ536に書き込む。すると、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値が1加算される。例えば、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値が「0」から「1」に更新される。レジスタ値が更新されると、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から最初にカウント値の最終値「4095」が入力されるまで、更新前のレジスタ値「0」に対応する「更新規則A」に従ってカウント値を更新して出力する。このとき、カウント値順列変更回路523は、更新規則Aに従って、「0→1→・・・→4095」の順列でカウント値を出力する。
カウンタ521からカウント値の最終値「4095」が入力されると、カウント値順列変更回路523は、更新規則メモリ543から、更新後のレジスタ値「1」に対応する「更新規則B」を選択して設定する。カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から再び初期値「0」以降のカウント値の入力を開始すると、選択設定した「更新規則B」に従って、カウント値の順列を変更して出力する。本例では、カウント値順列変更回路523は、順列を「0→1→・・・→4095」から「4095→4094→・・・→0」に変更して、カウント値を出力する。
その後、カウント値順列変更レジスタ536は、後述するように、カウント値順列変更回路523が切り替え後の更新規則に従ってカウント値の更新動作を開始したことに応じてリセットされる。そして、次にカウント値順列変更データ「01h」がカウント値順列変更レジスタ536に書き込まれるまで、カウント値順列変更回路523は、「4095→4094→・・・→0」のままの順列で、カウント値を出力し続ける。
CPU56によってカウント値順列変更データ「01h」がカウント値順列変更レジスタ536に再度書き込まれると、カウント値順列変更レジスタ536のレジスタ値が「1」から「2」に更新される。そして、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」を入力すると、カウント値順列変更回路523は、更新規則メモリ543から、レジスタ値「2」に対応する「更新規則C」を選択して設定する。カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から再び初期値「0」以降のカウント値の入力を開始すると、選択設定した「更新規則C」に従って、カウント値の順列を更新して出力する。本例では、カウント値順列変更回路523は、順列を「4095→4094→・・・→0」から「1→3→・・・→4095→0→・・・→4094」に変更して、カウント値を出力する。
以上のように、カウント値順列変更レジスタ536をリセットした後、カウント値順列データ「01h」をカウント値順列変更レジスタ536に再度書き込むことによって、カウント値の順列をさらに変更することができる。
図13は、カウント値順列変更レジスタ536の例を示す説明図である。カウント値順列変更レジスタ536は、カウンタ521がカウントアップするカウント値の順列を変更させるためのカウント値順列変更データ「01h」を設定するレジスタである。図13に示すように、カウント値順列変更レジスタ536は、読出可能な8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、カウント値順列変更レジスタ536は、ビット0だけが書込および読出ともに可能な状態に構成されている。すなわち、カウント値順列変更レジスタ536は、ビット1〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、カウント値順列変更レジスタ536のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット1〜ビット7から読み出す値は全て「0(=0000000b)」である。
なお、カウント値順列変更レジスタ536の値は、カウント値順列変更回路523が切り替え後の更新規則に従ってカウント値の更新動作を開始したことに応じて、CPU56によってリセットされる。この場合、CPU56は、カウント値順列変更レジスタ536に書き込まれている値を、カウント値順列変更データ「01h」から初期値である「0(=00h)」に戻す。
比較器522は、ランダムRの最大値(乱数最大値)を指定するための乱数最大値設定データを格納する乱数最大値設定レジスタ(RMX)535を備える。比較器522は、乱数最大値設定レジスタ535に格納されている乱数最大値設定データに示される乱数最大値に従って、カウンタ521が更新するカウント値の更新範囲を制限する。この実施の形態では、比較器522は、カウンタ521から入力するカウント値と乱数最大値設定レジスタ535に格納されている乱数最大値設定データ(例えば「00FFh」)に示される乱数最大値(例えば「256」)とを比較する。そして、比較器522は、入力したカウント値が乱数最大値以下であると判断すると、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力する。
この実施の形態では、比較器522は、具体的には、以下のような制御を行う。比較器522は、カウント値の初期値更新の際に、CPU56からカウント値の初期値をもらい、初期値から乱数最大値までのカウント値の個数を求める。例えば、カウント値の初期値が「157」であり乱数最大値が「256」である場合、比較器522は、初期値から乱数最大値までのカウント値の個数を「100個」と求める。また、比較器522は、カウント値順列変更回路523からカウント値を入力するに従って、初期値からカウント値をいくつ入力したかをカウントアップする。初期値からカウント値を入力した回数が「100回」に達すると、比較器522は、初期値「157」から最大値「256」までの全てのカウント値を入力したと判断する。そして、比較器522は、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。カウント値の個数で判断することによって、カウント値順列変更回路523によってカウント値の順列が変更されている場合であっても、比較器522は、カウント値の更新範囲を乱数最大値以下に制限し、全てのカウント値を入力した際にカウンタ521に通知信号を出力することができる。
カウント値の更新範囲を比較器522が制限する動作について説明する。なお、本例では、カウント値順列変更回路523が更新規則Aを選択し、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されている場合を説明する。
カウンタ521が「0」から「256」までカウント値を更新している間、カウント値順列変更回路523は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Aに従って、「0」から「256」までのカウント値をそのまま比較器522に出力する。この場合、カウント値順列変更回路523は、比較器522から乱数最大値「256」の値をもらい、カウンタ521から入力するカウント値が乱数最大値より大きいか否かを判断し、更新規則が変更されているとき(例えば、更新規則B)であっても、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、「257」から「4095」までのカウント値を比較器522に出力しない。カウンタ521は、例えば、初期値が「0」と設定されているときに、最終値「256」までカウント値を更新すると、通知信号をCPU56に出力する。通知信号を出力すると、CPU56によって、カウンタ521のカウント値の初期値が変更される。本例では、CPU56によって、初期値が「50」に変更されるものとする。
更新規則Aにもとづいて、カウント値順列変更回路523から、「0」から「255」までカウント値を入力している間、比較器522は、入力するカウント値が乱数最大値「256」以下であるので、入力したカウント値をそのまま乱数値記憶回路531に出力する。次に、カウント値順列変更回路523から入力するカウント値が「256」に達すると、比較器522は、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力するとともに、初期値から最大値までの全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。具体的には、比較器522は、カウント値の初期値変更の際に、CPU56からカウント値の初期値(本例では、「0」)をもらい、初期値「0」から乱数最大値(本例では、「256」)までのカウント値の個数(本例では、「257個」)を求める。そして、カウント値順列変更回路523から入力したカウント値の個数が257個に達すると、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。なお、本例では、CPU56によって初期値が「50」に変更されるので、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力しても、カウント値をリセットするとなく、変更後の初期値「50」からカウント値の更新を行う。
カウンタ521が変更後の初期値「50」から「256」までカウント値を更新している間、カウント値順列変更回路523は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Aに従って、「50」から「256」までのカウント値をそのまま比較器522に出力する。また、カウント値順列変更回路523は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、「257」から「4095」までのカウント値を比較器522に出力せず、カウンタ521の更新するカウント値が1周したとき(257回更新したとき)に、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データが書き込まれた場合には、カウント値順列変更回路523は、カウント値の順列を変更して出力する。例えば、更新規則が更新規則Bに変更された場合、カウント値順列変更回路523は、カウント値の順列を「256→255→・・・50」に変更して出力する。
カウント値順列変更回路523から、「256」から「50」までカウント値を入力している間、比較器522は、入力したカウント値をそのまま乱数値記憶回路531に出力する。次に、カウント値順列変更回路523から入力するカウント値が「50」に達すると、比較器522は、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力するとともに、初期値から最大値までの全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。具体的には、比較器522は、カウント値の初期値変更の際に、CPU56からカウント値の初期値(本例では、「50」)をもらい、初期値「50」から乱数最大値(本例では、「256」)までのカウント値の個数(本例では、「207個」)を求める。そして、カウント値順列変更回路523から入力したカウント値の個数が207個に達すると、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。
なお、カウント値順列変更回路523がカウント値の順列を変更した場合であっても、比較器522は、カウント値の個数が207個に達すると、通知信号をカウンタ521に出力する。そのようにすることによって、カウント値の順列が変更された場合であっても、初期値「50」から最大値「256」までの全てのカウント値を入力したことにもとづいて、通知信号をカウンタ521に出力できる。
比較器522から通知信号を入力すると、カウンタ521は、カウント値の初期値をリセットし「0」に戻す。そして、カウンタ521は、「0」からカウント値の更新を行う。カウンタ521の値が「0」から再び更新がされると、カウンタ521からのカウント値にもとづいて、カウント値順列変更回路523は「49」〜「0」までのカウント値を比較器522に出力し、比較器522はカウント値順列変更回路523からのカウント値の入力にもとづいて乱数値記憶回路531にカウント値を出力する。そして、カウンタ521は、最終値(本例では、「49」)までカウント値を更新すると、カウンタ521は、通知信号をCPU56に出力する。通知信号を出力すると、CPU56によって、カウンタ521のカウント値の初期値が再び変更される。
以上のような動作を繰り返すことにより、比較器522は、カウンタ521に、「0」から乱数最大値「256」まで連続的にカウント値をカウントアップさせ、「0」から「256」までの値を乱数値記憶回路531にランダムR(乱数値)として記憶させる。すなわち、比較器522は、カウント値の更新範囲を乱数最大値「256」以下に制限して、カウンタ521にカウント値を更新させる。
図14は、乱数最大値設定レジスタ535の例を示す説明図である。図14(a)は、12ビット乱数回路503aが搭載する乱数最大値設定レジスタ535の例を示す。また、図14(b)は、16ビット乱数回路503bが搭載する乱数最大値設定レジスタ535の例を示す。まず、12ビット乱数回路503aが搭載する乱数最大値設定レジスタ535について説明する。図14(a)に示すように、12ビット乱数回路503aにおいて、乱数最大値設定レジスタ535は、16ビットレジスタであり、初期値が「4095(=0FFFh)」に設定されている。乱数最大値設定レジスタ535は、ビット0〜ビット11が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、乱数最大値設定レジスタ535は、ビット12〜ビット15が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、12ビット乱数回路503aにおいて、乱数最大値設定レジスタ535のビット12〜ビット15に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット12〜ビット15から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
また、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値は、所定の下限値が定められている。この実施の形態では、乱数最大値設定レジスタ535に下限値「256」より小さい値を指定する乱数最大値設定データ「0000h」〜「00FEh」が書き込まれた場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に、初期値「4095」を指定する乱数最大値設定データ「0FFFh」を設定しなおす。すなわち、乱数最大値設定レジスタ535に設定可能な乱数最大値は「256」から「4095」までであり、CPU56は、下限値「256」より小さい値が設定されていると判断すると、乱数最大値を所定値「4095」に設定しなおす。なお、CPU56は、リセットコントローラ502によって遊技制御用マイクロコンピュータ560がシステムリセットされるまで、乱数最大値設定データが書き込まれた乱数最大値設定レジスタ535を書込不可能に制御する。
次に、16ビット乱数回路503bが搭載する乱数最大値設定レジスタ535について説明する。図14(b)に示すように、16ビット乱数回路503bにおいて、乱数最大値設定レジスタ535は、16ビットレジスタであり、初期値が「65535(=FFFFh)」に設定されている。また、16ビット乱数回路503bにおいて、乱数最大値設定レジスタ535は、ビット0〜ビット15の全てのビットが書込および読出ともに可能な状態に構成されている。
また、乱数最大値設定レジスタ535に下限値「256」より小さい値を指定する乱数最大値設定データ「0000h」〜「00FEh」が書き込まれた場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に、初期値「65535」を指定する乱数最大値設定データ「FFFFh」を設定しなおす。すなわち、乱数最大値設定レジスタ535に設定可能な乱数最大値は「256」から「65535」までであり、CPU56は、下限値「256」より小さい値が設定されていると判断すると、乱数最大値を所定値「65535」に設定しなおす。なお、CPU56は、リセットコントローラ502によって遊技制御用マイクロコンピュータ560がシステムリセットされるまで、乱数最大値設定データが書き込まれた乱数最大値設定レジスタ535を書込不可能に制御する。
クロック信号出力回路524は、セレクタ528および反転回路532に出力するクロック信号の周期(すなわち、カウント値の更新周期)を指定するための周期設定データを格納する周期設定レジスタ(RPS)537を備える。クロック信号出力回路524は、周期設定レジスタ537に格納されている周期設定データに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するクロック回路501から入力する基準クロック信号CLKを分周して、乱数回路503内部で乱数値の生成に用いるクロック信号(乱数発生用クロック信号SI1)を生成する。そのようにすることによって、クロック信号出力回路524は、クロック信号を所定回数入力したことを条件に、カウント値Cを更新させるための乱数発生用クロック信号SI1をカウンタ521に出力するように動作する。なお、周期設定データとは、クロック回路501から入力した基準クロック信号CLKを何分周させるかを設定するためのデータである。また、クロック信号出力回路524は、生成した乱数発生用クロック信号SI1をセレクタ528および反転回路532に出力する。例えば、周期設定レジスタ537に周期設定データ「0Fh(=16)」が書き込まれている場合、クロック信号出力回路524は、クロック回路501から入力する基準クロック信号CLKを16分周して乱数発生用クロック信号SI1を生成する。この場合、クロック信号出力回路524が生成する乱数発生用クロック信号SI1の周期は、「システムクロック信号の周期×128×16」となる。
図15は、周期設定レジスタ537の例を示す説明図である。図15に示すように、周期設定レジスタ537は、8ビットレジスタであり、初期値が「256(=FFh)」に設定されている。また、周期設定レジスタ537は、書込および読出ともに可能な状態に構成されている。
また、周期設定レジスタ537に設定される周期設定データの値は、所定の下限値が定められている。この実施の形態では、周期設定レジスタ537に下限値「システムクロック信号の周期×128×7」より小さい値を指定する周期設定データ「00h〜06h」が書き込まれた場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に下限値「システムクロック信号の周期×128×7」を指定する周期設定データ「07h」を設定しなおす。すなわち、周期設定レジスタ537に設定可能な周期は「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」までであり、CPU56は、下限値より小さい値が設定されていると判断すると、周期設定データを設定しなおす。なお、CPU56は、リセットコントローラ502によって遊技制御用マイクロコンピュータ560がシステムリセットされるまで、周期設定データが書き込まれた周期設定レジスタ537を書込不可能に制御する。
なお、周期設定レジスタ537に周期設定データを設定することなく、クロック信号出力回路524が基準クロック信号CLKをそのままカウンタ521および反転回路532に出力するようにしてもよい。この場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に設定される周期設定データの値を下限値と比較して設定しなおす処理を行う必要がなくなる。また、カウンタ521は、クロック信号出力回路524から基準クロック信号CLKを入力する毎にカウント値Cを更新することになる。
カウント値更新信号出力回路525は、カウント値更新データ「01h」を格納するカウント値更新レジスタ(RGN)538を備える。カウント値更新データとは、カウント値の更新を要求するためのデータである。カウント値更新信号出力回路525は、カウント値更新レジスタ538にカウント値更新データ「01h」が書き込まれたことに応じて、カウント値更新信号SI3をセレクタ528に出力する。
図16は、カウント値更新レジスタ538の例を示す説明図である。図16に示すように、カウント値更新レジスタ538は、読出不能な8ビットレジスタであり、ビット0のみが書込可能な状態に構成されている。したがって、カウント値更新レジスタ538のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされる。
乱数値読取信号出力回路526は、乱数値取込データ「01h」を格納する乱数値取込レジスタ(RLT)539を備える。乱数値取込データとは、乱数値記憶回路531へのカウント値の取込を要求するためのデータである。乱数値読取信号出力回路526は、乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」が書き込まれたことに応じて、乱数値の読み取りを要求するための乱数値読取信号をラッチ信号生成回路533に出力する。
図17は、乱数値取込レジスタ539の例を示す説明図である。図17に示すように、乱数値取込レジスタ539は、読出不能な8ビットレジスタである。また、乱数値取込レジスタ539は、ビット0だけが書込可能な状態に構成されている。すなわち、乱数値取込レジスタ539のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされる。
乱数更新方式選択信号出力回路527は、乱数更新方式選択データを格納する乱数更新方式選択レジスタ(RTS)540を備える。乱数更新方式選択データとは、ランダムRの値を更新する方式である各乱数更新方式のうち、いずれかの乱数更新方式を指定するためのデータである。乱数更新方式選択信号出力回路527は、乱数更新方式選択レジスタ540に乱数更新方式選択データが書き込まれたことに応じて、書き込まれた乱数更新方式選択データにより指定される乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号を、セレクタ528およびラッチ信号生成回路533に出力する。
図18(A)は、乱数更新方式選択レジスタ540の例を示す説明図である。図18(A)に示すように、乱数更新方式選択レジスタ540は、8ビットレジスタであり、初期値が「00h」に設定されている。また、乱数更新方式選択レジスタ540は、ビット0〜ビット1が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、乱数更新方式選択レジスタ540は、ビット2〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、乱数更新方式選択レジスタ540のビット2〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット2〜ビット7から読み出す値は全て「0(=000000b)」である。
図18(B)は、乱数更新方式選択レジスタ540に書き込まれる乱数更新方式選択データの一例の説明図である。図18(B)に示すように、乱数更新方式選択データは、2ビットのデータから構成される。乱数更新方式選択データ「01b」は、第1の乱数更新方式を指定するために用いられる。また、乱数更新方式選択データ「10b」は、第2の乱数更新方式を指定するために用いられる。なお、この実施の形態では、第1の乱数更新方式とは、カウント値更新信号出力回路525からカウント値更新信号SI3が出力されたことをトリガとして、カウント値を更新する方式である。また、第2の乱数更新方式とは、クロック信号出力回路524から乱数発生用クロック信号SI1が出力されたことをトリガとして、カウント値を更新する方式である。また、乱数更新方式選択データ「01b」または「10b」が乱数更新方式選択レジスタ540に書き込まれた場合、乱数回路503は起動可能な状態となる。一方、乱数更新方式選択データ「00b」または「11b」が乱数更新方式選択レジスタ540に書き込まれた場合、乱数回路503は起動不能な状態となる。
セレクタ528は、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3、またはクロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1のいずれかを選択してカウンタ521に出力する。セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号(第1の乱数更新方式選択信号ともいう)が入力されると、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3を選択してカウンタ521に出力する。一方、セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号(第2の乱数更新方式選択信号ともいう)が入力されると、クロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1を選択してカウンタ521に出力する。なお、セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の更新方式選択信号が入力されると、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3に応じて、クロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1に同期した数値データの更新を指示する数値更新指示信号を、カウンタ521に出力してもよい。
乱数回路起動信号出力回路530は、乱数回路起動データ「80h」を格納する乱数回路起動レジスタ(RST)541を備える。乱数回路起動データとは、乱数回路503の起動を要求するためのデータである。乱数回路起動信号出力回路530は、乱数回路起動レジスタ541に乱数回路起動データ「80h」が書き込まれると、所定の乱数回路起動信号をカウンタ521およびクロック信号出力回路524に出力し、カウンタ521およびクロック信号出力回路524をオンにさせる。そして、カウンタ521によるカウント値の更新動作とクロック信号出力回路524による内部クロック信号の出力動作とを開始させることによって、乱数回路503を起動させる。
図19は、乱数回路起動レジスタ541の例を示す説明図である。図19に示すように、乱数回路起動レジスタ541は、8ビットレジスタであり、初期値が「00h」に設定されている。乱数回路起動レジスタ541は、ビット7だけが書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、乱数回路起動レジスタ541は、ビット0〜ビット6が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。すなわち、乱数回路起動レジスタ541のビット0〜ビット6に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット0〜ビット6から読み出す値は全て「0(=000000b)」である。
乱数値記憶回路531は、例えば16ビットレジスタであり、遊技制御処理における大当り判定において用いられる乱数であるランダムRの値を格納する。乱数値記憶回路531は、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLを入力したことに応じて、カウンタ521から比較器522を介して出力されるカウント値CをランダムRの値として格納する。そして、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLを入力するごとに、カウンタ521が更新するカウント値Cを読み込んでランダムRの値を記憶する。
図20は、乱数値記憶回路531の一構成例を示す回路図である。乱数値記憶回路531は、図20に示すように、2個のAND回路201,203と、2個のNOT回路202,204と、16個のフリップフロップ回路2101〜2116と、16個のOR回路2201〜2216とを含む。
図20に示すように、AND回路201の入力端子は、ラッチ信号生成回路533の出力端子とNOT回路204の出力端子とに接続され、出力端子は、NOT回路202の入力端子とフリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16とに接続されている。NOT回路202の入力端子は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路203の一方の入力端子に接続されている。
AND回路203の入力端子は、NOT回路202の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56とに接続され、出力端子は、NOT回路204の入力端子に接続されている。NOT回路204の入力端子は、AND回路203の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路201の一方の入力端子とOR回路2201〜2216の一方の入力端子とに接続されている。
フリップフロップ回路2101〜2116の入力端子D1〜D16は、比較器522の出力端子に接続されている。フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子Q1〜Q16は、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に接続されている。
OR回路2201〜2216の入力端子は、NOT回路204の出力端子とフリップフロップ回路2101〜2116の出力端子とに接続され、出力端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56に接続されている。
乱数値記憶回路531の動作について説明する。図21は、乱数値記憶回路531に各信号が入力されるタイミング、および乱数値記憶回路531が各信号を出力するタイミングを示すタイミングチャートである。図21に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56から出力制御信号SC(本例では、ハイレベル信号)が入力されていない場合(すなわち、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルの場合)、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されると(図21に示す例では、タイミングT1,T2,T7のとき)、AND回路201の2つの入力端子への入力はともにハイレベルとなる。そのため、AND回路201の出力端子から出力される信号SRはハイレベルとなる。そして、AND回路201から出力された信号SRは、フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16に入力される。
フリップフロップ回路2101〜2116は、クロック端子Clk1〜Clk16から入力される信号SRの立ち上がりエッヂに応答して、比較器522から入力端子D1〜D16を介して入力されるカウント値CのビットデータC1〜C16を乱数値のビットデータR1〜R16としてラッチして記憶する。また、フリップフロップ回路2101〜2116は、記憶するランダムRのビットデータR1〜R16を出力端子Q1〜Q16から出力する。
出力制御信号SCが入力されていない場合(図21に示す例では、タイミングT3までの期間およびタイミングT6以降の期間)、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはローレベルとなる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ハイレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からハイレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がハイレベルとなるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路2201〜2216はハイレベルの信号を出力する。すなわち、入力されるランダムRのビットデータR1〜R16の値が「0」であるか「1」であるかに関わらず、OR回路2201〜2216から出力される信号SO1〜SO16は、全てハイレベル(「1」)となる。そのようにすることによって、乱数値記憶回路531から出力される値は、常に「65535(=1111111111111111b)」となり、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すことができない状態となる。すなわち、乱数値記憶回路531から乱数を読み出そうとしても、乱数値記憶回路531から常に同じ値「65535」しか読み出せない状態となり、出力制御信号SCが入力されていない場合、乱数値記憶回路531は、読出不能(ディセイブル)状態となる。なお、16ビット乱数回路503bを用いる場合、乱数値としての値「65535」が用いられる可能性がある。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、値「65535」を読み込んだとしても、その値が乱数であるのか読出不能状態であるのかを判断することができない。そのため、図40に示す各大当り判定用の判定テーブルにおいて、あらかじめランダムRが「65535」である場合には「ハズレ」と判定するように設定しておけばよい。
ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されていないときに、CPU56から出力制御信号SCが入力されると(図21に示す例では、タイミングT4からタイミングT6までの期間)、AND回路203の2つの入力端子への入力がともにハイレベルとなるので、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはハイレベルとなる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ローレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からローレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルの場合、OR回路2201〜2216の出力端子からハイレベルの信号が出力される。また、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に入力される信号がローレベルの場合、OR回路2201〜2216からローレベルの信号が出力される。すなわち、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に入力されるランダムRのビットデータR1〜R16の値は、OR回路2201〜2216の出力端子からそのまま(すなわち、ビットデータR1〜R16の値が「1」のときは「1」が、「0」のときは「0」)出力される。そのようにすることによって、乱数値記憶回路531からのランダムRの読出が可能となる。すなわち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、読出可能(イネイブル)状態となる。
ただし、CPU56から出力制御信号SCが入力される前に、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されている場合、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、ラッチ信号SLが入力されている状態のままで、出力制御信号SCが入力されても(図21に示す例では、タイミングT3からタイミングT4の期間)、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはローレベルのままとなる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ハイレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からハイレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がハイレベルとなるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路2201〜2216から出力される信号SO1〜SO16は全てハイレベルとなる。そして、出力制御信号SCが入力されているにも関わらず、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すことができない状態のままとなる。すなわち、ラッチ信号SLが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、出力制御信号SCを受信不可能な状態となる。なお、16ビット乱数回路503bを用いる場合、乱数値としての値「65535」が用いられる可能性がある。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、値「65535」を読み込んだとしても、その値が乱数であるのか読出不能状態であるのかを判断することができない。そのため、図40に示す各大当り判定用の判定テーブルにおいて、あらかじめランダムRが「65535」である場合には「ハズレ」と判定するように設定しておけばよい。
また、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力される前に、CPU56から出力制御信号SCが入力されている場合、AND回路201の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、出力制御信号SCが入力されているままの状態で、ラッチ信号SLが入力されても(図21に示す例では、タイミングT5)、AND回路201の出力端子から出力される信号SRはローレベルのままとなる。そのため、フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16に入力される信号SRは、ローレベルからハイレベルに立ち上がらず、フリップフロップ回路2101〜2116に格納されているランダムRのビットデータR1〜R16は、ラッチ信号SLが入力されているにも関わらず、更新されない。すなわち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号SLを受信不可能な状態となる。
反転回路532は、クロック信号出力回路524から入力する乱数発生用クロック信号SI1における信号レベルを反転させることによって、クロック信号の極性を反転させた反転クロック信号SI2を生成する。また、反転回路532は、生成した反転クロック信号SI2をラッチ信号生成回路533に出力する。
ラッチ信号生成回路533は、セレクタおよびフリップフロップ回路等を用いて構成される。ラッチ信号生成回路533は、乱数値読取信号出力回路526からの乱数値読取信号と反転回路532からの反転クロック信号SI2とを入力し、乱数値記憶回路531に乱数値を記憶させるためのラッチ信号SLを出力する。また、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527からの乱数更新方式選択信号によって指定された乱数値更新方式に応じて、ラッチ信号SLを出力する。この場合、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の乱数更新方式選択信号が入力された場合、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2を選択し、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する。一方、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力された場合、乱数値読取信号出力回路526から出力される乱数値読取信号を、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する。
タイマ回路534は、普通入賞球装置12Aへの遊技球の入賞を検出した旨の入賞検出信号SSを第1始動口スイッチ20aから入力するとともに、普通可変入賞球装置12Bへの遊技球の入賞を検出した旨の入賞検出信号SSを第2始動口スイッチ20bから入力する。また、タイマ回路534は、第1始動口スイッチ20aから入賞検出信号SSが継続して入力されている時間と、第2始動口スイッチ20bから入賞検出信号が継続して入力されている時間と、をそれぞれ別々に計測する。そして、タイマ回路534は、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bからの入賞検出信号SSに対応した計測時間が所定期間(例えば、3ms)になると、乱数値読取信号出力回路526の乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込む。例えば、タイマ回路534は、ハイレベルの信号が入力されたことに応じて起動するアップカウンタまたはダウンカウンタによって構成される。タイマ回路534は、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bからの入力がハイレベルとなっている間(すなわち、入賞検出信号SSが継続して入力されている間)、クロック回路501から順次入力する基準クロック信号CLKをアップカウントまたはダウンカウントする。そして、タイマ回路534は、アップカウントまたはダウンカウントするカウント値が3msに対応する値になると、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bから入賞検出信号SSが入力されたと判断して、乱数値取込データ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込む。
次に、シリアル通信回路505の構成について説明する。シリアル通信回路505は、全二重方式、非同期方式および標準NRZ(ノンリターンゼロ)符号化を用いたデータフォーマットで、各制御基板(例えば、払出制御基板100や演出制御基板80)とシリアル通信を行う。シリアル通信回路505は、各制御基板に各種データ(例えば、賞球個数コマンドや演出制御コマンド)を送信する送信部662と、各制御基板からの各種データ(例えば、賞球ACKコマンド)を受信する受信部666とを含む。
図22は、シリアル通信回路505の送信部662の構成例を示すブロック図である。また、図23は、シリアル通信回路505の受信部666の構成例を示すブロック図である。シリアル通信回路505は、ボーレートレジスタ702、ボーレート生成回路703、2つのステータスレジスタ705,706、3つの制御レジスタ707,708,709、送信データレジスタ710、受信データレジスタ711、送信用シフトレジスタ712、受信用シフトレジスタ713、割り込み制御回路714、送信フォーマット/パリティ生成回路715および受信フォーマット/パリティチェック回路716を含む。また、図22に示すように、シリアル通信回路505の送信部662は、これらの構成要素のうち、ボーレートレジスタ702、ボーレート生成回路703、ステータスレジスタA705、制御レジスタ707,708,709、送信データレジスタ710、送信用シフトレジスタ712、割り込み制御回路714および送信フォーマット/パリティ生成回路715によって構成される。
また、図23に示すように、シリアル通信回路505の受信部666は、これらの構成要素のうち、ボーレートレジスタ702、ボーレート生成回路703、ステータスレジスタ705,706、制御レジスタ707,708,709、受信データレジスタ711、受信用シフトレジスタ713、割り込み制御回路714および受信フォーマット/パリティチェック回路716によって構成される。
なお、シリアル通信回路505において、送信部662と受信部666とは、実際には、共通の回路を用いて構成される。そして、シリアル通信回路505は、上記に示したように、シリアル通信回路505の各構成要素を使い分けて用いることによって、送信回路又は受信回路として機能する。
まず、シリアル通信回路505が各制御基板と送受信するデータのデータフォーマットを説明する。図24は、シリアル通信回路505が各制御基板と送受信するデータのデータフォーマットの例を示す説明図である。図24に示すように、シリアル通信回路505が送受信するデータのデータフォーマットは、スタートビット、データおよびストップビットを1フレームとして構成される。また、シリアル通信回路505が送受信するデータのデータ長は、後述するシリアル通信回路設定処理において初期設定を行えば、8ビットまたは9ビットのいずれかに設定できる。図24(a)は、データ長を8ビットに設定した場合のデータフォーマットの例である。また、図24(b)は、データ長を9ビットに設定した場合のデータフォーマットの例である。
図24に示すように、シリアル通信回路505が送受信するデータのデータフォーマットは、ハイレベル(論理「1」)のアイドルラインのあとに、1フレームの始まりであることを示すスタートビット(論理「0」)を含む。また、データフォーマットは、スタートビットのあとに、8ビットまたは9ビットの送受信データを含む。そして、データフォーマットは、送受信データのあとに、1フレームの終わりであることを示すストップビット(論理「1」)を含む。
シリアル通信回路505は、図24に示すデータフォーマットに従って、送受信データの最下位ビット(ビット0)から先にデータを送受信する。また、後述するシリアル通信回路設定処理において初期設定を行えば、送受信データにパリティビットを付加するように設定することもできる。パリティビットを付加するように設定した場合、送受信データの最上位ビットがパリティビット(奇数パリティまたは偶数パリティ)として用いられる。例えば、データ長を8ビットに設定した場合、送受信データのビット7がパリティビットとして用いられる。また、例えば、データ長を9ビットに設定した場合、送受信データのビット8がパリティビットとして用いられる。
ボーレート生成回路703は、クロック回路501が出力するクロック信号およびボーレートレジスタ702に設定されている設定値(ボーレート設定値ともいう)にもとづいて、シリアル通信回路505が用いるボーレートを生成する。この場合、ボーレート生成回路703は、クロック信号およびボーレート設定値にもとづいて、所定の計算式を用いてボーレートを求める。例えば、ボーレート生成回路703は、式(1)を用いて、シリアル通信回路505が用いるボーレートを求める。
ボーレート=クロック周波数/(ボーレート設定値×16) 式(1)
図25は、ボーレートレジスタ702は、ボーレート生成回路703が生成するボーレートの値を指定するための所定の設定値を設定するレジスタである。例えば、ボーレートレジスタ702が式(1)を用いてボーレートを求めるものとし、クロック周波数が3MHzであるとする。この場合、所望の目標ボーレートが1200bpsであるとすると、ボーレートレジスタ702に設定値「156」を設定する。すると、ボーレート生成回路703は、クロック周波数「3MHz」およびボーレート設定値「156」にもとづいて、式(1)を用いて、ボーレート「1201.92bps」を生成する。ボーレートレジスタ702は、16ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、ボーレートレジスタ702は、ビット0〜ビット12が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、ボーレートレジスタ702は、ビット13〜ビット15が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、ボーレートレジスタ702のビット13〜ビット15に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット13〜ビット15から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
図26(A)は、制御レジスタA707の例を示す説明図である。制御レジスタA707は、シリアル通信回路505の通信フォーマットを設定するレジスタである。この実施の形態では、制御レジスタA707の各ビットの値が設定されることによって、シリアル通信回路505の通信フォーマットが設定される。制御レジスタA707には、送受信データのデータ形式や各種通信方式等の通信フォーマットを設定するための通信フォーマット設定データが設定される。図26(A)に示すように、制御レジスタA707は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、制御レジスタA707は、ビット0〜ビット4が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、制御レジスタA707は、ビット5〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、制御レジスタA707のビット5〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット5〜ビット7から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
図26(B)は、制御レジスタA707に設定される通信フォーマット設定データの一例の説明図である。図26(B)に示すように、制御レジスタA707のビット4(ビット名「M」)には、送受信するデータのデータ長を設定するための設定データが設定される。図26(B)に示すように、ビット4を「0」に設定することによって、送受信データのデータ長が8ビットに設定される。また、ビット4を「1」に設定することによって、送受信データのデータ長が9ビットに設定される。
制御レジスタA707のビット3(ビット名「WAKE」)には、スタンバイ状態の受信回路(シリアル通信回路505の受信部666)をウエイクアップする(オンライン状態にさせる)ウエイクアップ方式を設定するための設定データが設定される。図26(B)に示すように、ビット3を「0」に設定することによって、アイドルラインを認識したときにウエイクアップするアイドルラインウエイクアップ方式が設定される。また、ビット3を「1」に設定することによって、所定のアドレスマークを認識することによってウエイクアップするアドレスマークウエイクアップ方式が設定される。
制御レジスタA707のビット2(ビット名「ILT」)には、受信データのアイドルラインの検出方式を選択するための設定データが設定される。図26(B)に示すように、ビット2を「0」に設定することによって、受信データに含まれるスタートビットの後からアイドルラインを検出する検出方式が設定される。また、ビット2を「1」に設定することによって、受信データに含まれるストップビットの後からアイドルラインを検出する検出方式が設定される。
制御レジスタA707のビット1(ビット名「PE」)には、パリティ機能を使用するか否かを設定するための設定データが設定される。図26(B)に示すように、ビット1を「0」に設定することによって、パリティ機能を使用しないように設定される。また、ビット1を「1」に設定することによって、パリティ機能を使用するように設定される。
制御レジスタA707のビット0(ビット名「PT」)には、パリティ機能を使用すると設定した場合のパリティの種類を設定するための設定データが設定される。図26(B)に示すように、ビット0を「0」に設定することによって、パリティの種類として偶数パリティが設定される。また、ビット0を「1」に設定することによって、パリティの種類として奇数パリティが設定される。
図27(A)は、制御レジスタB708の例を示す説明図である。制御レジスタB708は、シリアル通信回路505の割り込み要求を許可するか否かを設定するレジスタである。この実施の形態では、制御レジスタB708の各ビットの値が設定されることによって、シリアル通信回路505からの割り込み要求を許可するか禁止するかが設定される。制御レジスタB708には、各種割り込み要求を許可するか否かを示す割り込み要求設定データが主として設定される。なお、制御レジスタB708には、割り込み要求設定データ以外に、シリアル通信回路505の各種設定を行うための設定データも設定される。図27(A)に示すように、制御レジスタB708は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、制御レジスタB708は、ビット0〜ビット7が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。
図27(B)は、制御レジスタB708に設定される割り込み要求設定データの一例を示す説明図である。図27(B)に示すように、制御レジスタB708のビット7(ビット名「TIE」)には、データの送信時に行う割り込み要求である送信割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット7を「0」に設定することによって、送信割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット7を「1」に設定することによって、送信割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタB708のビット6(ビット名「TCIE」)には、データの送信完了時に行う割り込み要求である送信完了割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット6を「0」に設定することによって、送信完了割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット6を「1」に設定することによって、送信完了割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタB708のビット5(ビット名「RIE」)には、データの受信時に行う割り込み要求である受信割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット5を「0」に設定することによって、受信割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット5を「1」に設定することによって、受信割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタB708のビット4(ビット名「ILIE」)には、受信データのアイドルラインを検出したときに行う割り込み要求であるアイドルライン割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット4を「0」に設定することによって、アイドルライン割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット4を「1」に設定することによって、アイドルライン割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタB708のビット3(ビット名「TE」)には、送信回路(シリアル通信回路505の送信部662)を使用するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット3を「0」に設定することによって、送信回路を使用しないように設定される。また、ビット3を「1」に設定することによって、送信回路を使用するように設定される。
制御レジスタB708のビット2(ビット名「RE」)には、受信回路を使用するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット2を「0」に設定することによって、受信回路を使用しないように設定される。また、ビット2を「1」に設定することによって、受信回路を使用するように設定される。
制御レジスタB708のビット1(ビット名「RWU」)には、受信回路のウエイクアップ機能を使用するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット1を「0」に設定することによって、ウエイクアップ機能を使用しないように設定される。また、ビット1を「1」に設定することによって、ウエイクアップ機能を使用するように設定される。
制御レジスタB708のビット0(ビット名「SBK」)には、所定のブレークコード送信機能を使用するか否かを示す設定データが設定される。図27(B)に示すように、ビット1を「0」に設定することによって、ブレークコード送信機能を使用しないように設定される。また、ビット1を「1」に設定することによって、ブレークコード送信機能を使用するように設定される。ビット1を「1」に設定すると、シリアル通信回路505は、ブレークコード(例えば、「0」を連続して含む信号)を制御基板(払出制御基板100や演出制御基板80)に送信する。
図28(A)は、ステータスレジスタA705の例を示す説明図である。ステータスレジスタA705は、シリアル通信回路505の各種ステータスを確認するためのレジスタである。この実施の形態では、ステータスレジスタA705の各ビットの値を確認することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505の各種ステータスを確認することができる。図28(A)に示すように、ステータスレジスタA705は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、ステータスレジスタA705は、ビット0〜ビット7が読出のみ可能な状態に構成されている。したがって、ステータスレジスタA705のビット0〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされる。
図28(B)は、ステータスレジスタA705に格納されるステータス確認データの一例を示す図である。図28(B)に示すように、ステータスレジスタA705のビット7(ビット名「TDRE」)には、送信データレジスタ710に送信データが入っていない状態であること(送信データエンプティ)を示す送信データエンプティフラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット7に「0」が格納されている場合、送信データレジスタ710から送信用シフトレジスタ712に送信データが未だに転送されておらず、送信データレジスタ710に送信データが格納されたままの状態であることを示す。また、ビット7に「1」が格納されている場合、送信データレジスタ710から送信用シフトレジスタ712に送信データが転送されており、送信データレジスタ710に送信データが入っていない状態(送信データエンプティ)であることを示す。
ステータスレジスタA705のビット6(ビット名「TC」)には、シリアル通信回路505からの送信データの送信を完了した旨を示す送信完了フラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット6に「0」が格納されている場合、送信用シフトレジスタ712が格納する送信データの送信中の状態であり、シリアル通信回路505からの送信データの送信が完了していない状態であることを示す。また、ビット6に「1」が格納されている場合、送信用シフトレジスタ712が格納する送信データの転送を完了した状態であり、シリアル通信回路505からの送信データの送信が完了した状態であることを示す。
なお、送信データの送信を完了した状態となり、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、送信先の制御基板からの受信確認信号の待ち状態となる。この実施の形態では、後述する送信時割込の設定が行われると、シリアル通信回路505は、送信データの送信完了を検出すると、ステータスレジスタA705のビット6を「1」にするとともに、受信確認信号の待ち状態になったものとして遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み要求(送信時割り込み要求という)を行う。
ステータスレジスタA705のビット5(ビット名「RDRF」)には、受信データレジスタ711に受信データが格納された状態であること(受信データフル)を示す受信データフルフラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット5に「0」が格納されている場合、受信データレジスタ711に受信データが入っていない状態であることを示す。また、ビット5に「1」が格納されている場合、受信用シフトレジスタ713の値が受信データレジスタ711に転送され、受信データレジスタ711に受信データが格納されている状態であること(受信データフル)を示す。
なお、受信データレジスタ711に受信データが格納された状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信データを受信データレジスタ711から読み込んで受信処理を行える状態となる。この実施の形態では、シリアル通信回路505は、受信データフルを検出すると、ステータスレジスタA705のビット5を「1」にするとともに、受信処理が可能になったものとして遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み要求(受信時割り込み要求という)を行う。
ステータスレジスタA705のビット4(ビット名「IDLE」)には、受信回路がアイドルラインを検出したことを示すアイドルライン検出フラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット4に「0」が格納されている場合、シリアル通信回路505の受信部666がアイドルラインを検出していない状態であることを示す。また、ビット4に「1」が格納されている場合、シリアル通信回路505の受信部666がアイドルラインを検出した状態であることを示す。
ステータスレジスタA705のビット3(ビット名「OR」)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が受信データレジスタ711に格納される受信データを読み込む前に、受信用シフトレジスタ713が次のデータを受信してしまったこと(オーバーラン)を示すオーバーランフラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット3に「0」が格納されている場合、受信回路がオーバーランを検出していない状態であることを示す。また、ビット3に「1」が格納されている場合、受信回路がオーバーランを検出した状態であることを示す。
なお、オーバーランが発生すると、受信データレジスタ711内の受信データが読み込まれる前に受信用シフトレジスタ713に次の受信データが格納されてしまうので、受信データが上書きされてしまい遊技制御用マイクロコンピュータ560が受信データを正しく読み込めなくなってしまう。そのため、各制御基板と正しく通信を行えなくなり、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、シリアル通信回路505は、オーバーランを検出すると、ステータスレジスタA705のビット3を「1」にするとともに、通信時にエラーが発生したものとして遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み要求を行う。
ステータスレジスタA705のビット2(ビット名「NF」)には、受信データにノイズを検出したことを示すノイズエラーフラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット2に「0」が格納されている場合、受信回路が受信データにノイズを検出していない状態であることを示す。また、ビット2に「1」が格納されている場合、受信回路が受信データにノイズを検出した状態であることを示す。
例えば、シリアル通信回路505は、受信データの各ビットを検出する際に、ボーレート生成回路703が生成したボーレートを用いて、所定ビット長の「1」または「0」を検出する。この場合、検出した「1」または「0」の長さが所定ビット長に満たない場合、シリアル通信回路505は、受信データにノイズが発生したものとしてノイズエラーを検出する。ノイズエラーが発生すると、ノイズによって正しい受信データを受信できない可能性が高く、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、シリアル通信回路505は、ノイズエラーを検出すると、ステータスレジスタA705のビット2を「1」にするとともに、通信時にエラーが発生したものとして遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み要求を行う。
ステータスレジスタA705のビット1(ビット名「FE」)には、受信データのストップビットの位置が「0」(本来、ストップビットは「1」)であることを検出したこと(フレーミングエラー)を示すフレーミングエラーフラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット1に「0」が格納されている場合、受信回路が受信データにフレーミングエラーを検出していない状態であることを示す。また、ビット1に「1」が格納されている場合、受信回路がフレーミングエラーを検出した状態であることを示す。
フレーミングエラーが発生すると、受信データのストップビットを正しく受信できなかった状態であるので、正しい受信データを受信できない可能性が高く、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、シリアル通信回路505は、フレーミングエラーを検出すると、ステータスレジスタA705のビット1を「1」にするとともに、通信時にエラーが発生したものとして遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み要求を行う。
ステータスレジスタA705のビット0(ビット名「PF」)には、受信データから求めたパリティの値と、受信データに含まれるパリティの値とが一致しなかったこと(パリティエラー)を示すパリティエラーフラグが格納される。図28(B)に示すように、ビット0に「0」が格納されている場合、受信回路が受信データにパリティエラーを検出していない状態であることを示す。また、ビット0に「1」が格納されている場合、受信回路がパリティエラーを検出した状態であることを示す。
パリティエラーが発生すると、受信データの各データビットまたはパリティビットを正しく受信できなかった状態であるので、正しい受信データを受信できない可能性が高く、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、シリアル通信回路505は、パリティエラーを検出すると、ステータスレジスタA705のビット0を「1」にするとともに、通信時にエラーが発生したものとして遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み要求を行う。
図29(A)は、ステータスレジスタB706の例を示す説明図である。ステータスレジスタB706は、シリアル通信回路505の受信状態(受信ステータス)を確認するためのレジスタである。この実施の形態では、ステータスレジスタB706のビットの値を確認することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505の受信ステータスを確認することができる。図29(B)に示すように、ステータスレジスタB706は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、ステータスレジスタB706は、ビット0が読出のみ可能な状態に構成されている。したがって、ステータスレジスタA705のビット0に値を書き込む制御を行っても無効とされる。また、ステータスレジスタB706は、ビット1〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、ステータスレジスタA705のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット1〜ビット7から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
図29(B)は、ステータスレジスタB706に格納されるステータス確認データの一例を示す図である。図29(B)に示すように、ステータスレジスタB706のビット0(ビット名「RAF」)には、受信回路が受信データを受信中であること(受信アクティブ)を示す受信アクティブフラグが格納される。図29(B)に示すように、ビット0に「0」が格納されている場合、受信回路が受信データを受信中でないことを示す。また、ビット0に「1」が格納されている場合、受信回路が受信データを受信中であることを示す。なお、シリアル通信回路505は、スタートビットを検出すると、受信データの受信が開始されたものとして、ステータスレジスタB706のビット0を「1」にする。
図30(A)は、制御レジスタC709の例を示す説明図である。制御レジスタC709は、シリアル通信回路505の通信エラー時の割り込み要求を許可するか否かを設定するレジスタである。この実施の形態では、制御レジスタC709の各ビットの値が設定されることによって、シリアル通信回路505からの通信時の割り込み要求を許可するか禁止するかが設定される。制御レジスタC709には、通信エラー時の各種割り込み要求を許可するか否かを示すエラー割り込み要求設定データが主として設定される。なお、制御レジスタC709には、エラー割り込み要求設定データ以外に、データ長を9ビットに設定した場合の9ビット目のデータが格納される。シリアル通信回路505の各種設も設定される。図30(A)に示すように、制御レジスタC709は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、制御レジスタC709は、ビット0〜ビット3およびビット6,7が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、制御レジスタC709は、ビット4,5が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。したがって、制御レジスタC709のビット4,5に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット4,5から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
図30(B)は、制御レジスタC709に設定されるエラー割り込み要求設定データの一例を示す説明図である。図30(B)に示すように、制御レジスタC709のビット7(ビット名「R8」)には、データ長を9ビットに設定した場合の受信データの9ビット目のデータが格納される。また、制御レジスタC709のビット6(ビット名「T8」)には、データ長を9ビットに設定した場合の送信データの9ビット目のデータが格納される。
制御レジスタC709のビット3(ビット名「ORIE」)には、オーバーランを検出した場合に行う割り込み要求であるオーバーランフラグ割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図30(B)に示すように、ビット3を「0」に設定することによって、オーバーランフラグ割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット3を「1」に設定することによって、オーバーランフラグ割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタC709のビット2(ビット名「NEIE」)には、ノイズエラーを検出した場合に行う割り込み要求であるノイズエラーフラグ割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図30(B)に示すように、ビット2を「0」に設定することによって、ノイズエラーフラグ割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット2を「1」に設定することによって、ノイズエラーフラグ割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタC709のビット1(ビット名「FEIE」)には、フレーミングエラーを検出した場合に行う割り込み要求であるフレーミングエラーフラグ割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図30(B)に示すように、ビット1を「0」に設定することによって、フレーミングエラーフラグ割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット1を「1」に設定することによって、フレーミングエラーフラグ割り込み要求を許可するように設定される。
制御レジスタC709のビット0(ビット名「PEIE」)には、パリティエラーを検出した場合に行う割り込み要求であるパリティエラーフラグ割り込み要求を許可するか否かを示す設定データが設定される。図30(B)に示すように、ビット0を「0」に設定することによって、パリティエラーフラグ割り込み要求を禁止するように設定される。また、ビット0を「1」に設定することによって、パリティエラーフラグ割り込み要求を許可するように設定される。
図31は、シリアル通信回路505が備えるデータレジスタの例を示す説明図である。データレジスタ701は、シリアル通信回路505が送受信するデータを格納するレジスタである。図31に示すように、データレジスタは、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、データレジスタ701は、ビット0〜ビット7が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。
この実施の形態では、シリアル通信回路505が送信データを送信する場合、データレジスタは、送信データレジスタ710として用いられる。なお、データ長を9ビットに設定した場合、データレジスタおよび制御レジスタC709のビット6が送信データレジスタ710として用いられる。この場合、データレジスタのビット0〜ビット7が送信データレジスタ710のビット0〜ビット7として用いられ、制御レジスタC709のビット6が送信データレジスタ710のビット8として用いられる。
また、シリアル通信回路505が受信データを受信する場合、データレジスタは、受信データレジスタ711として用いられる。なお、データ長を9ビットに設定した場合、データレジスタおよび制御レジスタC709のビット7が受信データレジスタ711として用いられる。この場合、データレジスタのビット0〜ビット7が受信データレジスタ711のビット0〜ビット7として用いられ、制御レジスタC709のビット7が受信データレジスタ711のビット8として用いられる。
割り込み制御回路714は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に各種割り込み要求を行う。この実施の形態では、割り込み制御回路714は、制御レジスタB708のビット6(TCIE)が「1」に設定されている場合、送信データレジスタ710に送信データの送信を完了した状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み信号を出力して割り込み要求を行う。また、割り込み制御回路714は、ステータスレジスタA705のビット6(TC)に「1」を設定する。
また、割り込み制御回路714は、制御レジスタB708のビット5(RIE)が「1」に設定されている場合、受信データレジスタ711に受信データが格納されている状態になると(受信データフルを検出すると)、遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み信号を出力して割り込み要求を行う。また、割り込み制御回路714は、ステータスレジスタA705のビット5(RDRF)に「1」を設定する。
また、割り込み制御回路714は、制御レジスタC709のビット0〜3のいずれかが「1」に設定されている場合、各種通信エラーが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560に割り込み信号を出力して割り込み要求を行う。また、割り込み制御回路714は、通信エラーの種類に応じて、ステータスレジスタA705のビット0〜ビット3に「1」を設定する。例えば、制御レジスタC709のビット3(ORIE)が「1」に設定されている場合、オーバーランを検出して割り込み要求を行うと、ステータスレジスタA705のビット3(OR)に「1」を設定する。また、例えば、制御レジスタC709のビット2(NEIE)が「1」に設定されている場合、ノイズエラーを検出して割り込み要求を行うと、ステータスレジスタA705のビット2(NF)に「1」を設定する。また、例えば、制御レジスタC709のビット1(FEIE)が「1」に設定されている場合、フレーミングエラーを検出して割り込み要求を行うと、ステータスレジスタA705のビット1(FE)に「1」を設定する。また、例えば、制御レジスタC709のビット0(PEIE)が「1」に設定されている場合、パリティエラーを検出して割り込み要求を行うと、ステータスレジスタA705のビット0(PF)に「1」を設定する。なお、複数の通信エラーを検出した場合、割り込み制御回路714は、複数の通信エラーにもとづいて割り込み要求を行うとともに、ステータスレジスタA705の該当するビットをそれぞれ「1」に設定する。
送信フォーマット/パリティ生成回路715は、送信データのデータフォーマットを生成する。この実施の形態では、送信フォーマット/パリティ生成回路715は、送信データレジスタ710に格納される送信データにスタートビットおよびストップビットを付加してデータフォーマットを生成し、送信用シフトレジスタ712に転送する。また、制御レジスタA707のビット1(PE)に「1」が設定され、パリティ機能を使用する旨が設定されている場合、送信フォーマット/パリティ生成回路715は、送信データにパリティビットを付加してデータフォーマットを生成する。
受信フォーマット/パリティチェック回路716は、受信データのデータフォーマットを検出する。この実施の形態では、受信フォーマット/パリティチェック回路716は、受信用シフトレジスタ713に格納される受信データからスタートビットおよびストップビットを検出し、受信データに含まれるデータ部分を検出して受信データレジスタ711に転送する。また、制御レジスタA707のビット1(PE)に「1」が設定され、パリティ機能を使用する旨が設定されている場合、受信フォーマット/パリティチェック回路716は、受信データのパリティを求め、受信データに含まれるパリティと一致するか否かを検出する。また、求めた値が受信データに含まれるパリティと一致しない場合、受信フォーマット/パリティチェック回路716は、パリティエラーを検出する。なお、後述するシリアル通信回路設定処理において通信エラー時割り込み要求を許可する旨が設定されている場合、受信フォーマット/パリティチェック回路716は、パリティエラーを検出すると、通信エラーの発生を割込原因としてCPU56に割り込み要求を行う。
図32は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における記憶領域のアドレスマップの一例を示す説明図である。図32に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560の記憶領域のうち、0000h番地〜1FFFh番地の領域は、ROM54に割り当てられている。また、7E00h番地〜7FFFh番地の領域は、RAM55に割り当てられている。さらに、FD00h番地〜FE00h番地の領域は、乱数最大値設定レジスタ535等の内蔵レジスタに割り当てられている。
また、図32に示すように、ROM54に割り当てられている0000h番地〜1FFFh番地の領域は、ユーザプログラムエリアとユーザプログラム管理エリアとを含む。0000h番地〜1F7Fh番地の領域のユーザプログラムエリアには、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)により予め作成されたプログラム(ユーザプログラム)550が記憶される。また、1F80h番地〜1FFFh番地の領域のユーザプログラム管理エリアには、CPU56がユーザプログラム550を実行するために必要となるデータ(ユーザプログラム実行データ)が記憶される。また、RAM55に割り当てられている7E00h番地〜7FFFh番地の領域のうち、7E00h番地〜7EFFh番地の領域は未使用領域であり、7EFFh番地〜7FFFh番地の領域はワークエリアとして用いられる。
図33は、ユーザプログラム管理エリアにおけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図33に示すように、1F97h番地の領域には、カウンタ521に入力される初期値を変更するための方式である初期値変更方式のうち、ユーザによって選択された初期値変更方式を指定するための初期値変更方式設定データが記憶される。また、1F98h番地および1F99h番地の領域には、RAM55に割り当てられた7EFFh番地〜7FFFh番地のうち、ユーザによって予め指定されたRAM55における番地(指定RAM番地)を特定するためのRAM番地データが記憶される。この場合、指定RAM番地を示す値のうち、指定RAM番地の下位の値が1F98h番地に記憶され、指定RAM番地の上位の値が1F99h番地に記憶される。
図34は、初期値変更方式設定データの一例を示す説明図である。図34に示すように、初期値変更データは、8ビットのデータから構成される。初期値変更データ「00h」は、初期値変更方式として、初期値を変更しないことを指定するデータである。この実施の形態では、初期値変更データ「00h」が設定されている場合、乱数回路503のカウンタ521は、予め定められた初期値「0」から所定の最終値までカウント値を更新することになる。また、初期値変更データ「01h」は、初期値変更方式として、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560を識別するためのIDナンバにもとづく値に変更することを指定するデータである。この実施の形態では、初期値変更データ「01h」が設定されている場合、カウンタ521が更新するカウンタ値の初期値が「0」からIDナンバにもとづく値に変更され、カウンタ521は、変更後の初期値から所定の最終値までカウント値を更新することになる。
ユーザプログラムエリアに記憶されるユーザプログラム550について説明する。図35は、ユーザプログラム550の構成例を示す説明図である。図35に示すように、この実施の形態では、ユーザプログラム550は、複数種類のプログラムモジュールから構成される乱数回路設定プログラム551と、表示結果決定プログラム552と、カウント値順列変更プログラム554と、乱数値更新プログラム555とを含む。
乱数回路設定プログラム551は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための初期設定を行う乱数回路設定処理を実行させるためのプログラムである。すなわち、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に従って処理を実行することにより、乱数回路設定手段として機能する。
図36は、乱数回路設定プログラム551の構成例を示す説明図である。図36に示すように、乱数回路設定プログラム551は、複数種類のプログラムモジュールとして、乱数最大値設定モジュール551aと、乱数更新方式選択モジュール551bと、周期設定モジュール551cと、乱数回路起動モジュール551dと、初期値変更モジュール551eと、乱数回路選択モジュール551fとを含む。
乱数最大値設定モジュール551aは、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって予め設定されたランダムRの最大値を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数最大値設定モジュール551aに従って処理を実行することによって、ユーザによって予め設定されたランダムRの最大値を指定する乱数最大値設定データを、乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって予め設定されたランダムRの最大値を乱数回路503に設定する。例えば、ユーザによってランダムRの最大値として予め「255」が設定された場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値設定データ「00FFh」を書き込んで、ランダムRの最大値「255」を乱数回路503に設定する。
乱数更新方式選択モジュール551bは、ユーザによって選択された乱数更新方式(第1の乱数更新方式または第2の乱数更新方式)を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数更新方式選択モジュール551bに従って処理を実行することによって、ユーザによって選択された乱数更新方式を指定する乱数更新方式選択データ「01b」または「10b」を乱数更新方式選択レジスタ540に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって選択された乱数更新方式を乱数回路503に設定する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の乱数更新方式又は第2の乱数更新方式のうちのいずれかを、乱数回路503が乱数更新に用いる乱数更新方式として選択する機能を備える。
周期設定モジュール551cは、ユーザによって予め設定された内部クロック信号の周期(すなわち、クロック信号出力回路524がセレクタ528および反転回路532にクロック信号を出力する周期)を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、周期設定モジュール551cに従って処理を実行することによって、ユーザによって予め設定された内部クロック信号の周期を指定するための周期設定データを周期設定レジスタ537に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって予め設定された内部クロック信号の周期を乱数回路503に設定する。例えば、ユーザによって内部クロック信号の周期が予め「システムクロック信号の周期×128×16」と設定された場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に周期設定データ「0Fh」を書き込んで、内部クロック信号の周期「システムクロック信号の周期×128×16」を乱数回路503に設定する。
乱数回路起動モジュール551dは、乱数回路503を起動させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数回路起動モジュール551dに従って処理を実行することによって、乱数回路起動データ「80h」を乱数回路起動レジスタ541に書き込むことにより、乱数回路503を起動させる。
初期値変更モジュール551eは、カウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、初期値変更モジュール551eに従って処理を実行することによって、初期値変更手段として機能する。CPU56は、初期値変更モジュール551eを実行して、ユーザによって選択された初期値変更方式によって、カウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させる。そのようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値変更方式を選択する機能を備える。
この実施の形態では、ユーザプログラム管理エリアの1F97h番地の領域に初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、カウント値の初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560毎に付与された固有のIDナンバにもとづいて算出された値に変更させる。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の所定の記憶領域に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと、IDナンバにもとづいて所定の演算を行って求めた演算値とを予め対応付けて記憶している。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバが「100」であるとすると、IDナンバ「100」に所定値「50」を加算して求めた演算値「150」を、予めIDナンバに対応付けて記憶している。また、例えば、IDナンバ「100」に所定値「50」を減算して求めた演算値「50」を、予めIDナンバに対応付けて記憶している。また、例えば、予めIDナンバに対応づけて所定値だけを記憶していてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、予め記憶する所定値(例えば、「50」)にIDナンバ(例えば、「100」を加算して求めた値「150」を、カウント値の初期値としてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、予め記憶する所定値(例えば、「50」)をIDナンバ(例えば、「100」)から減算して求めた値「50」を、カウント値の初期値としてもよい。
そして、初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、予め記憶するIDナンバにもとづく演算値にカウント値の初期値を変更させる。そのようにすれば、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
また、例えば、初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバに所定値を加算して)求めた演算値にカウント値の初期値を変更させる。この場合、例えば、CPU56は、乱数を用いてランダムに変化させた値をIDナンバと演算することによって、演算に用いる値をランダムに更新し初期値を求めてもよい。そのようにすれば、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
乱数回路選択モジュール551fは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する各乱数回路503の中から、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路を設定するためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数回路選択モジュール551fに従って処理を実行することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する2つの乱数回路(12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503b)のうち、いずれの乱数回路をタイマ割込処理の実行時に用いるかを設定する。例えば、CPU56は、RAM55の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値(ユーザによって予め設定された値)に従って、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aまたは16ビット乱数回路503bを設定する。
なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、例えば、12ビット乱数回路503aが発生した乱数にもとづいて大当り判定を行い、16ビット乱数回路503bが発生した乱数にもとづいて確変判定を行うようにしてもよい。この実施の形態では、乱数値記憶回路531は、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとにそれぞれ存在する(すなわち、12ビット用の乱数を記憶する乱数記憶回路と、16ビット用の乱数を記憶する乱数記憶回路とが、別個に存在する)。また、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定した場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、12ビット乱数回路503aから読み出した乱数と、16ビット乱数回路503bから読み出した乱数とを、RAM55に設けられた別々のバッファ領域にそれぞれ格納する。そのため、12ビット乱数回路503aから乱数を読み出すタイミングと、16ビット乱数回路503bから乱数を読み出すタイミングとが同じであっても、2つの異なる乱数を抽出し別々のバッファ領域に格納することができる。
乱数値更新プログラム555は、乱数更新方式として第1の乱数更新方式が選択されているときに、乱数値記憶回路531に格納されているランダムRの値を更新させるためのプログラムである。CPU56は、乱数値更新プログラム555に従って処理を実行することによって、乱数値更新手段として機能する。CPU56は、第1の乱数更新方式が選択されているときに、乱数値更新プログラム555を実行して、カウント値更新データ「01h」をカウント値更新レジスタ538に書き込むことにより、カウンタ521にカウント値を更新させ、乱数値記憶回路531に格納さているランダムRの値を更新させる。なお、乱数更新方式として第2の乱数更新方式が選択されている場合には、クロック信号出力回路524が出力する乱数発生用クロック信号によって、カウンタ521にカウント値を更新させ、乱数値記憶回路531に格納さているランダムRの値を更新させることになる。
表示結果決定プログラム552は、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bにおける表示結果を大当り図柄とするか否かを決定するためのプログラムである。CPU56は、表示結果決定プログラム552に従って処理を実行することによって、事前判定手段として機能する。
この実施の形態では、CPU56は、遊技球が普通入賞球装置12Aまたは普通可変入賞球装置12Bに入賞して特別図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したことに応じて、表示結果決定プログラム552に従って処理を実行する。CPU56は、遊技球が普通入賞球装置12Aに入賞して第1可変表示装置8Aにて特別図柄の可変表示を実行するための条件が成立したことにもとづいて乱数値記憶回路531から更新後のランダムR(大当り判定用乱数)の値を読み出して、第1可変表示装置8Aにおける表示結果を大当り図柄とするか否かを決定する。また、CPU56は、遊技球が普通可変入賞球装置12Bに入賞して第2可変表示装置8Bにて特別図柄の可変表示を実行するための条件が成立したことにもとづいて乱数値記憶回路531から更新後のランダムRの値を読み出して第2可変表示装置8Bにおける表示結果を大当り図柄とするか否かを決定する。
図37は、第1の乱数更新方式が選択されている場合に、CPU56がランダムRの値を更新させたりランダムRの値を読出したりする動作を示す説明図である。図37に示すように、第1の乱数更新方式が選択されている場合、CPU56は、カウント値更新データ「01h」をカウント値更新レジスタ538に書き込むことによって、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値(例えば「2」)を更新させる。そして、例えば、遊技球が普通入賞球装置12Aに入賞して特別図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したことに応じて、CPU56は、乱数値記憶回路531からランダムRの値(例えば「2」)を読み出す。
なお、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値をさらに更新させる場合、前回更新時にランダムRの値を更新したときから、クロック回路501が出力するシステムクロック信号の周期以上の間隔を経過したときに、カウント値更新レジスタ538にカウント値更新データ「01h」を書き込まなければならない。なぜなら、更新後のランダムRの値を乱数値記憶回路531から読み出す時間を確保する必要があるからである。
図38は、第2の乱数更新方式が選択されている場合に、CPU56がランダムRの値を更新させたりランダムRの値を読み出したりする動作を示す説明図である。図38に示すように、第2の乱数更新方式が選択されている場合、CPU56は、乱数値取込コマンド「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込むことによって、カウンタ521が出力するカウント値(例えば「2」)を乱数値記憶回路531に取り込ませて、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値を更新させる。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531から更新後のランダムRの値(例えば「2」)を読み出す。
具体的には、第2の乱数更新方式が選択されている場合、カウンタ521は、乱数発生用クロック信号SI1を入力したことをトリガとしてカウント値Cを更新する。その後、乱数値取込コマンド「01h」が乱数値取込レジスタ539に書き込まれると、ラッチ信号生成回路533はラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力する。そして、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号SLを入力したことをトリガとしてカウンタ521が出力するカウント値を読み込んで記憶する。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値を読み出す。
なお、CPU56が乱数値取込コマンド「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込まなければ、カウンタ521がカウント値を更新しても、乱数値記憶回路531は、カウンタ521が更新する乱数値を読み込まない。例えば、CPU56が乱数値取込コマンド「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込み、カウンタ521が出力するカウント値「3」を乱数値記憶回路531に取り込ませて、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値「3」を更新させたとする。この場合、CPU56が乱数値取込コマンド「01h」を再び乱数値取込レジスタ539に書き込まなければ、カウンタ521が出力するカウント値が「3」から「4」や「5」に更新されても、乱数値記憶回路531が記憶する乱数値は更新されず、乱数値記憶回路531から読み出される乱数値は「3」のままである。
カウント値順列変更プログラム554は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込んで、乱数値記憶回路531が記憶するカウント値の順列を変更させるカウント値順列変更処理を実行するためのプログラムである。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554に従って処理を実行することによって、数値データ順列変更手段として機能する。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554を実行して、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込むことによって、カウント値順列変更回路523が出力し乱数値記憶回路531に入力されるカウント値の順列を変更させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図39に示すように、特図保留メモリ570と、大当り判定用テーブルメモリ571と、フラグメモリ572と、第1および第2始動口スイッチタイマメモリ573A,573Bと、第1および第2可変表示時間タイマ122A,122Bと、可変表示回数カウンタ123と、を備える。
特図保留メモリ570は、普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bのいずれかに遊技球が入賞して第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームを開始するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶するためのメモリである。例えば、特図保留メモリ570は、普通入賞球装置12Aあるいは普通可変入賞球装置12Bへの遊技球の入賞による始動条件の成立にもとづいてCPU56により乱数値記憶回路531等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データを、その数値データが抽出された順番に従って、記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで保留番号と対応付けて記憶する。また、特図保留メモリ570は、第1始動入賞口となる普通入賞球装置12Aに遊技球が入賞したことを示す始動入賞口データ「第1」と、第2始動入賞口となる普通可変入賞球装置12Bに遊技球が入賞したことを示す始動入賞口データ「第2」のいずれかを、大当り判定用乱数の値を示す数値データとともに、保留番号と対応付けて記憶する。ここで、特図保留メモリ570は、第1始動入賞口となる普通入賞球装置12Aへの遊技球の入賞にもとづく保留記憶数(第1保留記憶数)をカウントするカウンタと、第2始動入賞口となる普通可変入賞球装置12Bへの遊技球の入賞にもとづく保留記憶数(第2保留記憶数)をカウントするカウンタを備えていてもよい。
大当り判定用テーブルメモリ571は、CPU56が第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いる複数の大当り判定テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ571は、図40(A)に示すように、確変状態以外の遊技状態(通常遊技状態または時間短縮状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル571aを記憶する。また、大当り判定用テーブルメモリ571は、図40(B)に示すように、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル571bを格納する。なお、図40に示す判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、乱数最大値設定レジスタ535に設定された乱数最大値によって大当りと判定する確率が大きく変化することになる。この場合、例えば、設定される乱数最大値が小さすぎると、通常時大当り判定テーブル571aを用いた場合と、確変時大当り判定テーブル571bを用いた場合とで、大当りと判定する確率の差が小さくなってしまい、遊技者の遊技に対する興味を減退させてしまうことになる。そのため、乱数回路503および乱数最大値に対応づけて、複数の判定テーブル(複数の通常時大当り判定テーブル571aおよび複数の確変時大当り判定テーブル571b)を大当り判定用テーブルメモリ571に記憶してもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定用テーブルメモリ571が記憶する判定テーブルのうち、使用する乱数回路503および乱数最大値に対応する判定テーブル571a,571bを用いて、表示結果決定プログラム552に従って、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するようにしてもよい。そのようにすることによって、使用する乱数回路503の種類や乱数最大値が異なっても、大当りと判定する確率がある程度同じになるように制御することができる。
フラグメモリ572には、遊技の進行を制御する遊技制御処理において用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ572には、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグや、大当り状態であることを示す大当りフラグが設定される。
第1および第2始動口スイッチタイマメモリ573A,573Bはそれぞれ、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bのうち対応する始動口スイッチから入力される入賞検出信号SSに応じて加算またはクリアされるタイマ値を記憶する。
第1および第2可変表示時間タイマ122A、122Bはそれぞれ、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのうち対応するものによる特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間を、メイン側で計測するためのものである。例えば、第1および第2可変表示時間タイマ122A、122Bはそれぞれ、特図ゲームにおける特別図柄の残り可変表示時間に対応したタイマ値を記憶し、定期的にタイマ値をカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、第1可変表示時間タイマ122Aには、第1可変表示装置8Aによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して、可変表示パターン決定用乱数などを用いて決定された可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値が設定される。他方、第2可変表示時間タイマ122Bには、第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して、可変表示パターン決定用乱数などを用いて決定された可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値が設定される。なお、第1および第2可変表示時間タイマ122A、122Bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは別に設けたタイマ回路あるいはカウンタ回路などによって構成してもよい。
可変表示回数カウンタ123は、確変制御が行われる確率変動状態や時短制御が行われる時間短縮状態などの特別遊技状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。可変表示回数カウンタ123には、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当り図柄となったことにもとづく大当り遊技状態が終了したときに、確率変動状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「100」)を示すデータが、初期値として設定される。そして、確率変動状態にて可変表示結果がハズレとなる特図ゲームが実行されるごとに、可変表示回数カウンタ123のカウント値が1減算される。
この他、遊技制御用マイクロコンピュータ(RAM55)560には、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ中継基板95を介してゲートスイッチ21、第1カウントスイッチ22a、および第2カウントスイッチ22bから伝送された信号、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bから転動された信号等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリアや、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを格納する遊技制御タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ(RAM55)560の遊技制御フラグ設定エリアは、複数種類のフラグそれぞれに対応して、各フラグがオン状態にセットされているか、あるいは、クリアされてオフ状態となっているかといった、各フラグの状態を示すフラグ状態データを記憶することにより、複数種類のフラグを設定することができる。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれに対応して、特別図柄プロセスフラグ(第1および第2特別図柄プロセスフラグ)、大当りフラグ(第1および第2大当りフラグ)、確変確定フラグ(第1および第2確変確定フラグ)などが設けられている。その他、遊技制御フラグ設定エリアには、確変中フラグや時短中フラグ、可変表示進行停止フラグなどが設けられている。
第1および第2特別図柄プロセスフラグは、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれに対応して実行される第1および第2特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1および第2大当りフラグは、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が大当り図柄となる旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。第1および第2確変確定フラグは、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、確変確定フラグはクリアされてオフ状態になる。
確変中フラグは、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに第1確変確定フラグがオンとなっていることに対応して、オン状態にセットされる。また、確変中フラグは、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに第2確変確定フラグがオンとなっていることに対応して、オン状態にセットされる。他方、確変中フラグは、特図ゲームを開始するときに確率変動状態を終了する旨の判定がなされたとき、可変表示回数カウンタ123におけるカウント値が「0」となったとき等に、クリアされてオフ状態となる。時短中フラグは、確変中フラグがオンである確率変動状態において特図ゲームを開始するときに確率変動状態を終了する旨の判定がなされたことに対応して、オン状態にセットされる。また、時短中フラグは、可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」となったときに、クリアされてオフ状態となる。
ここで、確変中フラグがオンであるかオフであるかを示す状態データと、時短中フラグがオンであるかオフであるかを示す状態データは、例えば確変中フラグと時短中フラグのそれぞれに対応して遊技制御フラグ設定エリアに記憶される1ビットずつのデータであればよい。具体的には、確変中フラグに対応して遊技制御フラグ設定エリアに記憶された確率変動状態データの値が“0”であるときには確変中フラグがオフであるとし、“1”であるときには確変中フラグがオンであるとする。また、時短中フラグに対応して遊技制御フラグ設定エリアに記憶された時間短縮状態データの値が“0”であるときには時短中フラグがオフであるとし、“1”であるときには時短中フラグがオフであるとする。この場合、確変中フラグをセット(オン)するときに時短フラグをセット(オン)するようにしてもよい。つまり、確変状態、時間短縮状態、および通常遊技状態の3つの状態を特定可能にデータがセットされていれば上記の例に限定されるものではない。
あるいは、確変中フラグと時短中フラグで共通の状態データを用意して、確変中フラグと時短中フラグのいずれか一方がオンとなり、他方がオフとなるように設定してもよい。具体的には、確変中フラグと時短中フラグで共通する2ビットの特別遊技状態データを用意して、その特別遊技状態データの値が“01”であるときには時短中フラグがオンである一方で確変中フラグはオフであるとし、“10”であるときには時短中フラグがオフである一方で確変中フラグはオンであるとする。そして、“00”のときには通常遊技状態であるとする。
可変表示進行停止フラグは、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当り図柄となったときに第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合、あるいは第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当り図柄となったときに第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合に、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときに可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となる。
ここで、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bにより行われる特図ゲームについて説明する。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける確定図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、第1特別可変入賞球装置13Aを開閉させることによる特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。この実施の形態では、「3」あるいは「7」を示す特別図柄を大当り図柄とする。
第1可変表示装置8Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことにもとづく大当り遊技状態においては、第1特別可変入賞球装置13Aの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開閉サイクルを所定の上限回数(例えば16回)まで繰り返すことができる。
他方、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第2特別可変入賞球装置13Bを開閉させることによる大当り遊技状態となる。第2可変表示装置8Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことにもとづく大当り遊技状態においては、第2特別可変入賞球装置13Bの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開閉サイクルを所定の上限回数(例えば16回)まで繰り返すことができる。あるいは、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときには、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときとは異なる所定期間(例えば45秒)あるいは所定個数(例えば15個)の入賞球が発生するまでの期間において第2特別可変入賞球装置13Bが開成され、その後に閉成する開閉サイクルを所定の上限回数(例えば20回)まで繰り返すことができるようにしてもよい。
このように、第1可変表示装置8Aと第2可変表示装置8Bでは、互いに異なる始動条件が成立したことにもとづいて特図ゲームが開始される。そして、第1可変表示装置8Aにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたとき、および第2可変表示装置8Bにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第1特別可変入賞球装置13Aおよび第2特別可変入賞球装置13Bにおける開閉動作による大当り遊技状態に制御される。
また、この実施の形態では、「3」を示す特別図柄を通常大当り図柄とし、「7」を示す特別図柄を確変大当り図柄とする。特図ゲームにおける可変表示結果として特別表示結果(確変大当り図柄)が停止表示されたときは、確変大当りとなる。確変大当りとなったときには、その確変大当りにもとづく大当り遊技状態が終了した後、最大で所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確率変動状態となる。この確率変動状態では、特図ゲームにおいて可変表示結果として大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。さらに、確率変動状態では、特図ゲームにおける可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなるように制御される。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されて大当りとなる確率が、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。
ここで、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技状態が終了した後、所定回数の特図ゲームが実行される以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確率変動状態が終了する場合がある。この場合には、確変大当りにもとづく大当り遊技状態が終了してからの特図ゲームの実行回数が所定回数に達するまで、確率変動状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となる。時短制御が行われる時間短縮状態では、各特図ゲームにて大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は通常遊技状態と同一であるが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなるように制御される。
他方、特図ゲームにおける可変表示結果として非特別表示結果(通常大当り図柄)が停止表示されたときには通常大当りとなる。この通常大当りとなったときには、大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われないため、特図ゲームにおける可変表示結果が大当り図柄となって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。
また、確率変動状態と時間短縮状態では、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)における可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が当り図柄となる確率が向上する。このときにはさらに、普通可変入賞球装置12Bにおける可動翼片の傾動時間を、通常遊技状態のときよりも長くするとともに、その傾動回数を通常遊技状態のときよりも増加させてもよい。このように、確率変動状態や時間短縮状態では、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態となる。ここで、時間短縮状態では、確変制御が行われず、大当り遊技状態となる確率は通常遊技状態のときと同じであるので、確率変動状態の方が時間短縮状態よりも遊技者にとって有利である。
また、例えば第1可変表示装置8Aでは「0」〜「9」の数字を示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示する一方、第2可変表示装置8Bでは「A」〜「J」のアルファベットを示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示してもよい。あるいは、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの各々が、互いに異なるモチーフに関連する複数種類のキャラクタ図柄を特別図柄として可変表示してもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560の動作を説明する。図41および図42は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図41に示すように、出力ポート0は払出制御基板100に送信される賞球制御信号(CD0〜CD4)の出力ポートである。また、演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの8ビットのデータ(CD0〜CD7)は出力ポート1から出力される。なお、図41および図42に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続確認信号については、主基板31と払出制御基板100との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ660では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板100との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御用マイクロコンピュータ560における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
また、出力ポート2から、大入賞口を開閉する第1特別可変入賞球装置13Aを開閉するためのソレノイド(第1大入賞口用ソレノイド)24a、大入賞口を開閉する第2特別可変入賞球装置13Bを開閉するためのソレノイド(第2大入賞口用ソレノイド)24b、および普通可変入賞球装置12Bを開閉するためのソレノイド(普通電動役物用ソレノイド)23に対する駆動信号が出力される。さらに、演出制御基板80に送信される演出制御コマンドについての演出制御INT信号(取込信号)も出力される。演出制御INT信号は、演出制御コマンドの8ビットのデータを取り込む(受信する)ことを演出制御手段に指令するための信号である。
また、出力ポート3から始動記憶LED9に対する制御信号が出力される。そして、出力ポート4から普通図柄表示器10に対する制御信号、普通図柄始動記憶LED11に対する駆動信号、および状態表示灯25に対する駆動信号が出力される。そして、出力ポート5,6から、盤用外部端子板104に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。さらに、出力ポート7から第1可変表示装置8Aに対する駆動信号が出力され、出力ポート8から第2可変表示装置8Bに対する駆動信号が出力される。
図43は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図43に示すように、入力ポート0のビット0〜4には、それぞれ、第1カウントスイッチ22a、第2カウントスイッチ22b、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ20a、および、第2始動口スイッチ20bの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0,1,2には、それぞれ、電源基板910からの電源断信号、電源基板910からのクリアスイッチ921の検出信号、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、入力ポート1のビット0,1,2には、それぞれ、電源基板910からの電源断信号、電源基板910からのクリアスイッチ921の検出信号、電源基板910からのリセット信号が入力される。
次に遊技機の動作について説明する。図44および図45は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。電源基板910からのリセット信号の入力レベルがハイレベル(オフ状態)になると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの初期化(内蔵デバイスの入出力割り当てなどの設定)を行なうとともに、内蔵デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行なう(ステップS4)。PIOの初期化とは、例えば、出力ポートの全ビットにオフ状態の値を設定することである。CTCの初期化とは、タイマのモード設定等のことである。
この実施の形態で用いられている遊技制御用マイクロコンピュータ560には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行なった内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)を遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部データバス上に送出する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行なう必要がある。
割込モード1:割込が受付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行なうときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は割込モード2に設定される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する。具体的には、まず、ウェイトカウンタ1に、初期化ウェイト回数指定値1をセットする(ステップS81)。また、ウェイトカウンタ2に、初期化ウェイト回数指定値2をセットする(ステップS82)。なお、ウェイトカウンタ1,2として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)が用いられる。そして、ウェイトカウンタ2の値が0になるまでウェイトカウンタ2の値を1ずつ減算する(ステップS83,ステップS84)。ウェイトカウンタ2の値が0になったらウェイトカウンタ1の値を1減算し(ステップS85)、ウェイトカウンタ1の値が0になっていなければ(ステップS86)、ステップS82に戻る。
ステップS86でウェイトカウンタ1の値が0になっていれば(ステップS86;YES)、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS87)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS87の処理によってすなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することにより遊技制御用マイクロコンピュータ560は電源電圧が安定したことを確認することができる。そして、電源断信号がオフ状態になっている場合には、ステップS5に移行する。
以上のようなソフトウェア遅延処理によって、ほぼ、[(初期化ウェイト回数指定値1)×(初期化ウェイト回数指定値2)×(ステップS83,ステップS84の処理時間)]だけ、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。換言すれば、所望の時間だけ遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができるように、初期化ウェイト回数指定値1,2の値が決定される。なお、初期化ウェイト回数指定値1,2の値は、ROM54に設定されている。また、ここで説明したソフトウェア遅延処理は一例であって、他の方法によってソフトウェア遅延処理を実現してもよい。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)として、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
ステップS87で電源断信号がオフ状態であれば(ステップS87;YES)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出起動指令(払出起動コマンド)を払出制御基板100に送信する払出起動コマンド送信処理を実行した後(ステップS5)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態である場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ921を押下しながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。
保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜ステップS15の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびステップS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す復旧コマンドが送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS14に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびステップS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、各乱数回路503a,503bを初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラム551にしたがって処理を実行することによって、各乱数回路503a,503bにランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS14a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラム556に従って処理を実行することによって、シリアル通信回路505に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路505を初期設定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS14b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。図46は、割込処理優先順位テーブルの例を示す説明図である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図46に示す割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路505において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示すエラー時割込優先実行フラグをセットする。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜ステップS15)が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理(ステップS17)を繰り返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、第1可変表示装置8A,第2可変表示装置8B,普通図柄表示器10に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチ921をオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されたとき、および、電力供給が停止したときのマイクロコンピュータの動作の様子を以下に説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されDC+24V電源の電圧が所定値を越えると、電源断信号がオフ状態になる。また、VCCの値が所定値を越えるとリセット信号がハイレベルになる。なお、上述したように、電源監視回路920は、電源断信号をオフ状態にしてからリセット信号をハイレベルにする。リセット信号は、主基板31,払出制御基板100,および音声枠ランプ基板70に入力される。また、リセット信号は、音声枠ランプ基板70を介して演出制御基板80に入力する。そして、主基板31に搭載されているCPU112,払出制御基板100に搭載されている払出制御用CPU659,および演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU118aに入力される。
主基板31に入力されたリセット信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力すると(入力レベルがハイレベルになると)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が動作可能状態(マイクロコンピュータがリセットされてプログラムを実行する状態になること)になるが、動作可能状態になると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、セキュリティチェックプログラムにもとづいて、ROMの内容が正当であるか否か確認するためのセキュリティチェック処理を実行する。そして、セキュリティチェック処理を終了すると、ソフトウェア遅延処理を実行する。その後、払出起動コマンドの送信処理を実行し、次いで、クリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を行なった後、遊技制御処理を開始する。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態を示していたら、RAMクリア処理等を行なう。
払出制御用CPU659は、リセット信号がハイレベルになると動作可能状態になる。動作可能状態になると、まず、初期設定処理の一部を実行する。その後、主基板31から払出起動コマンドが送信されてくるのを待ち、払出起動コマンドを受信できたら、クリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を行なった後、遊技制御処理を開始する。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態を示していたら、RAMクリア処理等を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なう直前に払出起動コマンドを送信し、払出制御用CPU659は、払出起動コマンドを確認したらクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なう。また、セキュリティチェック処理およびソフトウェア遅延処理の実行によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が払出起動コマンド送信処理を開始する時点では、払出制御用CPU659は、払出起動コマンドが送信されてくるのを待つ状態になっている。
よって、例えば、払出制御用CPU659はクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なったにもかかわらず、遊技制御用マイクロコンピュータ560がクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なわないという状況が生ずることが防止される。逆に、遊技制御用マイクロコンピュータ560はクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なったにもかかわらず、払出制御用CPU659がクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なわないという状況が生ずることが防止される。すなわち、操作手段の操作にもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの双方における各記憶手段の内容を確実に初期化できる。
パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止すると、DC+24V電源の電圧も徐々に低下するのであるが、電源監視回路920は、DC+24V電源の電圧が所定値を下回ると、電源断信号を出力する(ローレベルにする)。電源断信号は、主基板31、払出制御基板100、および、演出制御基板80に入力されている。主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560、払出制御基板100に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、電源断信号が出力されたことに応じて、電力供給停止時処理(電源断時制御処理ともいう。)を実行する。そして、電源監視回路920は、VCCが所定値を下回ると、リセット信号をローレベルにする。主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560、払出制御基板100に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、リセット信号がローレベルになったことに応じてシステムリセットされる。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560、払出制御用CPU659、および、演出制御用マイクロコンピュータ118は、動作しない状態になる。なお、電源監視回路920は、電源電圧が低下していくときに、電源断信号を出力した時点から、所定時間が経過すると、リセット信号をローレベルにする。
次に、メイン処理における乱数回路設定処理(ステップS15)を説明する。図47は、乱数回路設定処理を示すフローチャートである。乱数回路設定処理において、CPU56は、まず、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数回路選択モジュール551fに従って処理を実行し、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する各乱数回路503a,503bの中から、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路を設定する(ステップS151)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定されたタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路503を指定する指定情報を、あらかじめRAM55の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、RAM55の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、12ビット乱数回路503aまたは16ビット乱数回路503bのいずれかを選択し、選択した乱数回路をタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として設定する。なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、例えば、12ビット乱数回路503aが発生した乱数にもとづいて大当り判定を行い、16ビット乱数回路503bが発生した乱数にもとづいて確変判定を行うようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS151で使用する乱数回路503を設定すると、例えば、カウンタ521やクロック信号出力回路524の動作を停止させることで、使用しないように設定した方の乱数回路のカウンタ521がカウント値Cを更新しないようにする。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、使用しないように設定した方の乱数回路のカウンタ521はカウント値Cを更新するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は出力制御信号SCを出力しないようにし、乱数値記憶回路531から乱数を読み出せないように制御してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、使用しないように設定した方の乱数回路の乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込まないようにし、ラッチ信号生成回路533がラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力しないように制御してもよい。
上記のように、使用する乱数回路503を設定するようにすることによって、使用する乱数回路503だけを設定することによって、生成する乱数の値の範囲を適切に設定することができる。また、タイマ割込処理の実行中に不要な乱数を処理することを防止することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。例えば、大当りとする判定値として離れた値(例えば、「1」と「100」を含む判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、所定の大当り確率(例えば、100分の1)で大当りと判定するようにすると、16ビット乱数回路503bによる乱数を用いるよりも、12ビット乱数回路503aによる乱数を用いた方が、処理すべき判定値の種類の数が少なくて済み、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担が軽減される。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数最大値設定モジュール551aに従って処理を実行し、ユーザによって予め設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データを、乱数最大値設定レジスタ535に書き込む(ステップS152)。そのようにすることによって、ユーザによって予め設定されたランダムRの乱数最大値を乱数回路503に設定する。なお、タイマ割込実行時に用いる乱数回路として12ビット乱数回路503aを設定した場合、CPU56は、乱数最大値(「0」〜「4095」のうちのいずれかの値)を指定する乱数最大値設定データを、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。また、タイマ割込実行時に用いる乱数回路として16ビット乱数回路503bを設定した場合、CPU56は、乱数最大値(「0」〜「65535」のうちのいずれかの値)を指定する乱数最大値設定データを、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。
なお、この実施の形態では、乱数最大値として「0」〜「255」が設定された場合には、後述する乱数最大値再設定処理において乱数最大値を所定値に設定しなおすことになる。また、乱数最大値として「256」以上の値を書き込む制御を行った場合であっても、データ化けなどの原因によって「0」〜「255」の値が乱数最大値設定レジスタ535に設定されてしまった場合には、後述する乱数最大値再設定処理において乱数最大値を所定値に設定しなおす。
上記のように、ステップS152において、生成する乱数の最大値をあらかじめ乱数最大値設定レジスタ535に設定するので、タイマ割込処理の実行中に用いる乱数の範囲より大きい値の乱数を生成してしまうことを防止でき、乱数回路503および遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
また、CPU56は、ステップS152で乱数最大値設定レジスタ535に設定した乱数最大値が所定の下限値以下でないかを確認し、乱数最大値が下限値以下である場合には、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値の再設定を行う乱数最大値再設定処理を実行する(ステップS153)。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる初期値変更モジュール551eに従って処理を実行し、乱数回路503のカウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させる初期値変更処理を実行する(ステップS154)。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数更新方式選択モジュール551bに従って処理を実行し、乱数更新方式選択データを乱数更新方式選択レジスタ540に書き込む(ステップS155)。そのようにすることによって、乱数回路503の乱数更新方式を設定する。なお、この実施の形態では、CPU56は、乱数更新方式選択データ「10h」を乱数更新方式選択レジスタ540に書き込むものとする。すなわち、この実施の形態では、乱数回路503の乱数更新方式として第2の乱数更新方式が設定される。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる周期設定モジュール551cに従って処理を実行し、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号SI1の周期を指定する周期設定データ(基準クロック信号を何分周させるかを設定するためのデータ)を、周期設定レジスタ537に書き込む(ステップS156)。そのようにすることによって、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号SI1の周期を乱数回路503に設定する。
また、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを設定する(ステップS157)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを示す設定値を、予めユーザによって設定されRAM55の所定領域に記憶している。そして、CPU56は、RAM55の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値に従って、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを設定する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS157において、カウンタ521に入力する初期値を更新すると判定すると、所定の最終値までカウント値が更新されたとき(カウンタ521から通知信号を入力したとき)に初期値を更新する旨を示す初期値更新フラグをセットする。
また、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更するか否かを設定する(ステップS158)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更するか否かを示す設定値を、予めユーザによって設定されRAM55の所定領域に記憶している。そして、CPU56は、RAM55の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値に従って、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更するか否かを設定する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS158において、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更すると判定すると、所定の最終値までカウント値が更新されたときにカウント値の順列を変更する旨を示すカウント値順列変更フラグをセットする。この実施の形態では、ステップS158において、所定の設定値に従ってカウント値順列変更フラグをセットする場合を説明する。そして、CPU56は、後述するカウント値順列変更処理において、カウント値順列変更フラグがセットされていることにもとづいて、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更する。
そして、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数回路起動モジュール551dに従って処理を実行し、乱数回路起動データ「80h」を乱数回路起動レジスタ541に書き込む(ステップS159)。そのようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503を起動させる。
次に、乱数回路設定処理における乱数最大値再設定処理(ステップS153)を説明する。図48は、乱数最大値再設定処理を示すフローチャートである。乱数最大値再設定処理において、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む(ステップS153a)。なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として12ビット乱数回路503aを設定した場合、CPU56は、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む。また、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として16ビット乱数回路503bを設定した場合、CPU56は、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、読み込んだ乱数最大値が所定の下限値以下であるか否かを判定する(ステップS153b)。12ビット乱数回路503aを設定した場合、12ビット乱数回路503aにおいて設定可能な乱数最大値が「256」から「4095」までであるので、CPU56は、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であるか否かを判定する。また、16ビット乱数回路503bを設定した場合、16ビット乱数回路503bにおいて設定可能な乱数最大値が「256」から「65535」までであるので、CPU56は、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であるか否かを判定する。
読み込んだ乱数最大値が下限値以下である場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値に設定しなおす(ステップS153c)。12ビット乱数回路503aを設定した場合、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であると判定すると、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値「4095」に設定しなおす。また、16ビット乱数回路503bを設定した場合、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であると判定すると、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値「65535」に設定しなおす。
以上のように、乱数最大値設定レジスタ535に設定した乱数最大値が所定の下限値以下となっている場合には、乱数最大値を所定値に設定しなおす。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の誤動作や、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によって、過度に小さい値が乱数の最大値として設定されてしまうことを防止することができる。従って、最小値から最大値までの値の範囲が過度に小さい乱数を生成する事態が発生することを防止することができる。
次に、乱数回路設定処理における初期値変更処理(ステップS154)を説明する。図49は、初期値変更処理を示すフローチャートである。初期値変更処理において、CPU56は、まず、ユーザプログラム実行データエリアの1F97h番地の領域に記憶されている初期値変更方式設定データを読み出し、ユーザによって選択された初期値変更方式を特定する。この場合、CPU56は、読み出した初期値変更方式設定データの値が「01h」であるか否かを判定することによって(ステップS154a)、ユーザによって選択された初期値変更方式を特定する。
初期値変更方式設定データの値が「01h」である場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバにもとづいて設定された値に変更する(ステップS154b)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の所定の記憶領域に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと、IDナンバにもとづいて所定の演算を行って求めた演算値とを予め対応付けて記憶している。そして、ステップS154bにおいて、CPU56は、予め記憶するIDナンバにもとづく演算値にカウント値の初期値を変更させる。また、例えば、ステップS154bにおいて、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバ(例えば、「100」)に所定値(例えば、「100」)を加算して)求めた演算値(例えば、「200」)にカウント値の初期値を設定する。また、カウンタ521に入力する初期値を変更すると、CPU56は、カウント値の初期値を変更した旨を示す初期値変更フラグをセットする(ステップS154c)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS154bにおいてカウンタ521に入力する初期値を変更する際、乱数回路503の比較器522の乱数最大値設定レジスタ535の値を確認し、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であるか否かを判断する。そして、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であると判断すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521に入力する初期値を変更しない(例えば、初期値を「0」のまま変更しない)。そのようにすることによって、カウント値の初期値が乱数最大値以上の値に設定されてしまう事態を防止することができる。
ステップS154aにおいて、初期値変更方式設定データの値が「01h」でない場合(すなわち、ユーザプログラム実行データエリアの1F97h番地の領域に記憶されている初期値変更方式設定データの値が「00h」である場合)、CPU56は、カウント値の初期値の変更を行わず、そのまま初期値変更処理を終了し、ステップS155に移行する。
乱数回路設定処理が実行されることによって、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に乱数回路503に各種信号が入力され、乱数回路503内で各種信号が生成される。図50は、乱数回路503に各信号が入力されるタイミング、および乱数回路503内で各信号が生成されるタイミングを示すタイミングチャートである。
図50に示すように、クロック回路501は、所定周期ごと(図50に示すタイミングT11,T21,・・・)に、出力端子の信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げることによって、乱数回路503に基準クロック信号CLK(図50(A)参照)を入力する。
クロック信号出力回路524は、クロック回路501から供給された基準クロック信号CLKを分周し、乱数発生用クロック信号SI1(図50(B)参照)を生成する。例えば、クロック信号出力回路524は、タイミングT11,T12,・・・で出力端子の信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げ、タイミングT21,T22,・・・で信号レベルをハイレベルからローレベルに立ち下げることによって、乱数発生用クロック信号SI1を出力する。
なお、図50に示す例では、説明を分かりやすくするために、クロック信号出力回路524が基準クロック信号CLKを2分周して乱数発生用クロック信号SI1を生成する場合を示している。しかし、実際の乱数回路では、周期設定レジスタ537に設定可能な周期は「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」まである。従って、実際の乱数回路では、クロック信号出力回路524は、「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」までの範囲で周期設定レジスタ537に設定される周期設定データ「07h」〜「FFh」に対応した分周比で、基準クロック信号CLKを分周し乱数発生用クロック信号SI1を生成する。クロック信号出力回路524によって生成された乱数発生用クロック信号SI1は、セレクタ528と反転回路532とに出力される。
この実施の形態では、乱数回路設定処理において、第2の乱数更新方式が設定されるので、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号がセレクタ528に入力される。セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力されると、クロック信号出力回路524から入力した乱数発生用クロック信号SI1を選択してカウンタ521に出力する。カウンタ521は、セレクタ528から供給される乱数発生用クロック信号SI1の立ち上がりエッヂが入力されるごとに、カウント値Cを更新してカウント値順列変更回路523に出力する。
反転回路532は、クロック信号出力回路524から入力した乱数発生用クロック信号SI1の信号レベルを反転させることによって、反転クロック信号SI2(図50(C)参照)を生成する。例えば、反転回路532は、タイミングT11,T12,・・・で出力端子の信号レベルをハイレベルからローレベルに立ち下げ、タイミングT21,T22,・・・で信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げることによって、反転クロック信号SI2を出力する。また、反転回路532によって生成された反転クロック信号SI2は、ラッチ信号生成回路533に出力される。
ラッチ信号生成回路533には、入賞検出信号SS(図50(D)参照)がタイマ回路534に入力されてから所定時間(例えば3ミリ秒)が経過すると、乱数値読取信号出力回路526から乱数値読取信号が入力される。例えば、乱数値読取信号出力回路526の出力端子の信号レベルがローレベルからハイレベルに立ち上がることによって、ラッチ信号生成回路533に乱数値読取信号が入力される。ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力されたことに応じて、乱数値読取信号出力回路526から入力する乱数値読取信号を反転回路532から供給される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SL(図50(E)参照)を出力する。
以上のように、乱数回路503は、タイミングT11,T12,T13・・・においてカウント値Cを更新し、タイミングT11,T12,T13とは異なるタイミングT22においてラッチ信号SLを出力させ、乱数値記憶回路531に乱数値を記憶する。
次に、メイン処理におけるシリアル通信回路設定処理(ステップS14a)を説明する。図51は、シリアル通信回路設定処理を示すフローチャートである。シリアル通信回路設定処理において、CPU56は、まず、シリアル通信回路設定プログラム556に従って処理を実行し、シリアル通信回路505のボーレートを設定する(ステップS1511)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路505のボーレートレジスタ702に、設定するボーレートに対応する設定値を書き込む。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された設定値を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、設定値をボーレートレジスタ702に書き込む。例えば、CPU56によってボーレート設定値「156」が設定された場合、ボーレート生成回路703によって、式(1)およびクロック周波数「3MHz」を用いてボーレート「1201.92bps」が生成される。
また、CPU56は、シリアル通信回路505が送受信するデータのデータフォーマットを設定する(ステップS1512)。この場合、CPU56は、制御レジスタA707の各ビットの値を設定することによって、送受信データのデータ長(8ビットまたは9ビット)、パリティ機能の使用の有無を設定する。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された制御レジスタA707の各ビットの値を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、制御レジスタA707の各ビットの値を設定する。
また、CPU56は、シリアル通信回路505が発生する各割込要求を許可するか否かを設定する(ステップS1513)。この場合、CPU56は、制御レジスタB708のビット5,6の値を設定することによって、送信時割り込み要求(送信完了時に行う割り込み要求)および受信時割り込み要求を許可するか否かを設定する。また、CPU56は、制御レジスタC709のビット0〜3の値を設定することによって、各通信エラー時割り込み要求を許可するか否かを設定する。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された制御レジスタB708および制御レジスタC709の各ビットの値を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、制御レジスタB708および制御レジスタC709の各ビットの値を設定する。
次に、遊技制御処理について説明する。図52は、タイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜ステップS19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS21)。
次いで、スイッチ中継基板95を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ20a、第2始動口スイッチ20b、第1カウントスイッチ22a、および第2カウントスイッチ22b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(ステップS22)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を1加算する。
ステップS22aにおいては、表示制御処理が行なわれる。表示制御処理では、第1可変表示装置8A、第2可変表示装置8Bおよび普通図柄表示器10の表示状態を制御するための駆動信号や、始動記憶LED9および普通図柄始動記憶LED11の点灯状態を制御するための駆動信号を出力する処理が行なわれる。また、後述する特別図柄表示制御処理(ステップS33)、普通図柄表示制御処理(ステップS34)、および状態表示灯表示処理(ステップS34a)でセットされた信号を出力する処理も行われる。
ステップS22bにおいては、異常入賞報知処理が行なわれる。異常入賞報知処理では、第1特別可変入賞球装置13Aが開放していないにもかかわらず、第1特別可変入賞球装置13A内に設けられている第1カウントスイッチ22aがオン状態にセットされているとき、および、第2特別可変入賞球装置13Bが開放していないにもかかわらず、第2特別可変入賞球装置13B内に設けられている第2カウントスイッチ22bがオン状態にセットされているとき、に異常入賞していることを報知するための異常入賞報知コマンドをセットする処理が行なわれる。
ステップS23においては、乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされているか(ステップS157参照)を確認し、乱数回路503のカウンタ521に入力する初期値を更新する初期値更新処理が行われる。また、ステップS24においては、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する表示用乱数更新処理を行なう。
初期値更新処理および表示用乱数更新処理を行うと、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値の順列をカウント値順列変更回路523に変更させるカウント値順列変更処理を行う(ステップS25)。この実施の形態では、乱数回路設定処理のステップS158でカウント値順列変更フラグがセットされているか否かによって、カウント値順列変更処理を実行するか否かが決定されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更フラグがセットされていることにもとづいて、カウント値順列変更処理を実行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通入賞球装置12Aや普通可変入賞球装置12Bへの遊技球の入賞が検出されたときに、大当り判定用乱数の値を示す数値データを乱数値記憶回路531等から抽出して、始動入賞口データとともに特図保留メモリ570に記憶させる処理などを実行する。
ステップS26aにおいて、第1特別図柄プロセス処理が行なわれる。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。第1可変表示装置8Aの可変表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かの判定(大当り判定)は、この第1特別図柄プロセス処理において行なわれる。大当り判定においては、前述のようにRAM55の記憶バッファにラッチしている乱数値記憶回路531からのカウント値(乱数値)を読出し、このカウント値が予め定められた大当り判定値と一致したときに、大当りとする旨の判定を行なう。第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。この第1特別図柄プロセス処理においては、第3可変表示装置8Cの表示状態を制御する等、各種の演出の実行を指示するための演出制御コマンドを送信するためのデータがセットされる。また、本実施の形態における第1特別図柄プロセス処理においては、払出制御用マイクロコンピュータ660から遊技機エラー状態信号が入力されたときに、エラー発生により払出禁止状態である旨を示す払出禁止コマンドをセットする処理が行なわれる。
ステップS26bにおいて、第2特別図柄プロセス処理が行なわれる。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。第2可変表示装置8Bの可変表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かの判定(大当り判定)は、この第2特別図柄プロセス処理において行なわれる。大当り判定においては、前述のようにRAM55の記憶バッファにラッチしている乱数値記憶回路531からのカウント値(乱数値)を読出し、このカウント値が予め定められた大当り判定値と一致したときに、大当りとする旨の判定を行なう。第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。この第2特別図柄プロセス処理においては、第4可変表示装置8Dの表示状態を制御する等、各種の演出の実行を指示するための演出制御コマンドを送信するためのデータがセットされる。
ステップS27においては、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。
ステップS28においては、演出図柄コマンド制御処理が行なわれる。演出図柄コマンド制御処理では、ステップS26a、ステップS26b等でセットされた演出制御コマンドを含む各種コマンド(払出禁止コマンドを含む)を演出制御用マイクロコンピュータ118に出力する処理が行なわれる。例えば、演出図柄コマンド制御処理では、飾り図柄の可変表示パターンを指定する可変表示パターンコマンド等の図柄の可変表示を指示する演出制御コマンドが出力される他、所定期間(例えば、60秒)に亘り特別図柄および飾り図柄の可変表示が実行されないときに、デモンストレーション表示(以下、デモ表示と略称する場合もある)を実行することを指示する演出制御コマンド(以下、デモ表示コマンドという)も出力される。
ステップS30においては、情報出力処理が行なわれる。情報出力処理では、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(例えば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り遊技状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り遊技状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、大当り遊技状態終了後の時間短縮状態中である旨を報知する時間短縮情報、第1始動口スイッチ20aをオン状態にした打球の数を報知する第1始動口情報、第2始動口スイッチ20bをオン状態にした打球の数を報知する第2始動口情報、第1可変表示装置8Aの変動動作回数を報知する第1図柄確定回数1情報、第2可変表示装置8Bの変動動作回数を報知する第2図柄確定回数1情報、普通図柄表示器10の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置12Bの開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置されるホール用管理コンピュータに出力するための処理が行なわれる。
ステップS31においては、賞球処理が行なわれる。賞球処理では、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出信号にもとづいて、賞球数の設定等が行なわれる。例えば、入賞検出に応じて払出制御基板100に賞球個数を示す賞球制御信号が出力される。払出制御基板100に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号の受信に応じて玉払出装置154を駆動する。
ステップS31aにおいては、試験端子処理が行なわれる。試験端子処理では、特別図柄変動中の設定、特別図柄当り、第1特別可変入賞球装置13A、第2特別可変入賞球装置13B、作動中の設定、普通可変入賞球装置12B作動中の設定、確率変動状態の設定、普通図柄変動中の設定等の各信号を出力する処理が実行される。
ステップS31bにおいては、出力処理が行なわれる。出力処理では、所定の条件が成立したときに対応するソレノイドを駆動させるための駆動信号を出力する出力処理が行なわれる。出力処理において出力された駆動信号にもとづき、ソレノイドが駆動され、対応する装置が開状態または閉状態等に制御される。出力処理では、例えば、普通可変入賞球装置12Bにおける可動翼片の傾動制御や第1特別可変入賞球装置13Aおよび第2特別可変入賞球装置13Bにおける開閉板の開閉制御等を行う。
ステップS32においては、記憶処理が行なわれる。記憶処理では、始動記憶LED9および普通図柄始動記憶LED11の点灯状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
ステップS33においては、特別図柄表示制御処理が行なわれる。特別図柄表示制御処理では、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。ステップS34においては、普通図柄表示制御処理が行なわれる。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器10の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
ステップS34aにおいては、状態表示灯表示処理が行なわれる。状態表示灯表示処理では、発光部材としてのLEDにより構成される状態表示灯25を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が確率変動状態または変動時間短縮状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯25の点滅設定、および、状態表示灯25の点滅速度等を設定する処理が行なわれ、状態表示灯25を視認することにより遊技状態を把握できる。ステップS35においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。これにより、タイマ割込処理のすべてが実行されるまでは、割込許可状態とはされないので、他の割込または次回のタイマ割込が発生することはなく、タイマ割込処理中のすべての各処理が確実に実行完了することができる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、ステップS1〜ステップS34aの処理が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
図53および図54は、ステップS21の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態(遊技状態データ)を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パリティデータを作成する(ステップS454〜ステップS463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜ステップS460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば(ステップS480)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(ステップS483)、RETI(Returnfrom interrupt)によりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS484)。リセット信号がオン状態になった場合、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560によりリセット信号がオン状態となったことが確認された場合に、当該遊技制御用マイクロコンピュータ560がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動の状態である動作停止状態に戻される。本実施の形態におけるリセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルは、前述したように遊技制御用マイクロコンピュータ560の駆動電圧(例えば4V)よりも高い+4.5Vに設定されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、駆動電圧よりも高い電圧が未だ供給されているときであっても、積極的に動作停止状態となる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜ステップS481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。この例では、ステップS452〜ステップS479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述したステップS91〜ステップS94の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御用マイクロコンピュータ560による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜ステップS12の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実にRAM55の一部の領域に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS91〜ステップS94の遊技状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板100からの電源断信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
なお、払出制御基板100に対して送信される接続確認信号は、出力ポートをクリアする処理によってオフ状態に設定される。また、ステップS92およびステップS12の作業領域の設定では、接続確認信号に対応した出力ポートバッファの内容が、接続確認信号のオン状態に対応した値に設定される。そして、ステップS31の賞球処理が実行されると、出力ポートバッファの内容が出力ポートに出力されるので、払出制御基板100への接続確認信号がオン状態になる。従って、接続確認信号は、主基板31の立ち上がり時に出力される(オン状態になる)ことになる。なお、電源瞬断等から復帰した場合も、接続確認信号が出力される。
次に、タイマ割込処理における初期値更新処理(ステップS22)について説明する。図55は、初期値更新処理を示すフローチャートである。初期値更新処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号の状態を確認する(ステップS220)。通知信号がオン状態になっていることを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値更新フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路設定処理において、所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がなされたか否か(ステップS157参照)を確認する。
初期値更新フラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503のカウンタ521が所定の最終値までカウント値を更新したときに、カウンタ521に入力する初期値を更新すると判断する。また、初期値更新フラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値変更フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS222)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値の初期値が現在変更されているか否か(すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に変更されているか否か)を判断する。
初期値変更フラグがセットされている(すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に初期値が現在変更されている)場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値から元の値(例えば、「1」)にもどす(ステップS223)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値変更フラグをリセットし(ステップS224)、初期値更新処理を終了する。
初期値変更フラグがセットされていない(すなわち、初期値が現在変更されていない)場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に変更する(ステップS225)。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバが「100」であるとすると、カウンタ521に入力する初期値を、IDナンバ「100」に所定値「100」を加算して求めた演算値「200」に変更する。また、例えば、カウンタ521に入力する初期値を、IDナンバ「100」に所定値「50」を減算して求めた演算値「50」に変更する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値変更フラグをセットし(ステップS226)、初期値更新処理を終了する。
なお、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定した場合、ステップS225において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、一方の乱数回路(例えば、12ビット乱数回路503a)から読み込んだ乱数を所定値としてIDナンバに加算して、カウンタ521に入力する初期値を求めてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、他の一方(例えば、16ビット乱数回路503b)から読み込んだ乱数を、大当り判定用の乱数として用いてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS225においてカウンタ521に入力する初期値を更新する際、乱数回路503の比較器522の乱数最大値設定レジスタ535の値を確認し、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であるか否かを判断する。そして、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であると判断すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521に入力する初期値を所定値のまま更新しない(例えば、所定値「0」のまま更新しない)。そのようにすることによって、カウント値の初期値が乱数最大値以上の値に設定されてしまう事態を防止することができる。
なお、ステップS220において通知信号がオフ状態であると判断した場合、およびステップS221において初期値更新フラグがセットされていないと判断した場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521に入力する初期値を更新することなく、そのまま初期値更新処理を終了し、ステップS23に移行する。
次に、タイマ割込処理におけるカウント値順列変更処理(ステップS24)について説明する。図56は、カウント値順列変更処理を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更プログラム554に従って処理を実行することによって、カウント値順列変更処理を行う。カウント値順列変更処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号の状態を確認する(ステップS241)。通知信号がオン状態になっていることを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS242)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路設定処理において、所定の最終値までカウント値が更新されたときにカウンタ521が更新するカウント値の順列を変更する旨の設定がなされたか否か(ステップS158参照)を確認する。
カウント値順列変更フラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503のカウンタ521が所定の最終値までカウント値を更新したときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更すると判断する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込む(ステップS243)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更データ「01h」を書き込むことによって、乱数値記憶回路531に入力されるカウント値Cの順列をカウント値順列変更回路523に変更させる。
以上のように、カウント値順列変更処理において、乱数を所定の最終値まで更新したときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更するので、乱数回路503が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。
次に、主基板31から演出制御基板80に送信する制御コマンドの送出方式について説明する。図57は、演出制御コマンドの構成を示す説明図である。図57に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンド(具体的には、演出制御コマンドを構成する演出制御信号)は2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図58は、演出制御コマンドの送出の仕方を示す説明図である。図58に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御信号は、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御信号の取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ118が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図58に示された極性と逆極性であってもよい。
図59は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図59に示す例において、コマンド80XX(h)は、第1可変表示装置8Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときに送信される第1可変表示パターンコマンドである。なお、以下では、XX(h)が不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であるものとする。コマンド81XX(h)は、第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示が開始されるときに送信される第2可変表示パターンコマンドである。これらの第1および第2可変表示パターンコマンドはそれぞれ、特別図柄の可変表示が開始されてから確定図柄が停止表示されるまでの時間である特別図柄の可変表示時間や、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるかハズレとなるか、可変表示中の飾り図柄をリーチとするか否か、などを示すEXTデータを含んでいる。
ここで、特別図柄の可変表示時間は、1回の特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される時点(可変表示開始時点)から、特別図柄の可変表示結果が導出表示されて確定図柄が停止表示される時点までに要する特図ゲームの実行時間である。また、リーチとは、導出表示した図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている表示態様、あるいは、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた左、中、右の可変表示部のうち左、中の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の可変表示部は未だ可変表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた左、中、右の可変表示部の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の特別図柄が揃っている態様で可変表示が行われている表示態様)である。演出制御基板80の側では、例えば第1可変表示パターンコマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示を開始する一方、第2可変表示パターンコマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示を開始する。
コマンド90XX(h)は、第1可変表示装置8Aにおける特別図柄の可変表示が終了するときに送信される第1可変表示終了コマンドである。コマンド91XX(h)は、第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示が終了するときに送信される第2可変表示終了コマンドである。演出制御基板80の側では、例えば第1可変表示終了コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置8Cにて可変表示されていた飾り図柄を減速・停止表示させることにより確定図柄となる飾り図柄の組合せを導出表示させる一方、第2可変表示終了コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置8Dにて可変表示されていた飾り図柄を減速・停止表示させることにより確定図柄となる飾り図柄の組合せを導出表示させる。なお、第1可変表示終了コマンドおよび第2可変表示終了コマンドを送信しないように構成することも可能である。この場合には、演出制御基板80の側で第1可変表示パターンコマンドによって指示された可変表示時間が経過したときに第3可変表示装置8Cに確定図柄を導出表示させる一方、第2可変表示パターンコマンドによって指示された可変表示時間が経過したときに第4可変表示装置8Dに確定図柄を導出表示するようにすればよい。
コマンドA000(h)は、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなったことにより大当り遊技状態に制御された後、当該大当り遊技状態が終了するときに送信される大当り終了コマンドである。コマンドB000(h)は、第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の可変表示の進行を停止(中断)させるときに送信される可変表示進行停止コマンドである。演出制御基板80の側では、例えば可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の進行を停止(中断)させる。コマンドB100(h)は、可変表示の進行が停止されている特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示の進行を再び開始させるときに送信される可変表示進行再開コマンドである。演出制御基板80の側では、例えば可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置8Dにて停止(中断)されていた飾り図柄の可変表示の進行を再開させる。
なお、第1可変表示装置8Aにおける特別図柄の進行を停止させるときに送信されるコマンド(第1可変表示進行停止コマンド)と、第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の進行を停止させるときに送信されるコマンド(第2可変表示進行停止コマンド)と、を個々に備える構成としてもよい。また、第1可変表示装置8Aにて可変表示の進行が停止されている特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示の進行を再び開始させるときに送信されるコマンド(第1可変表示進行再開コマンド)と、第2可変表示装置8Bにて可変表示の進行が停止されている特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示の進行を再び開始させるときに送信されるコマンド(第2可変表示進行再開コマンド)と、を個々に備える構成としてもよい。
コマンドC000(H)は、確率変動状態が開始されるときに送信される開始コマンドである。コマンドC0001(H)は、特別遊技状態(確率変動状態および時間短縮状態)を終了させるときに送信される終了コマンドである。コマンドC100(H)は、確率変動状態を終了させ、時間短縮状態が開始されるときに送信される時短開始コマンドである。なお、これらのコマンドは、演出図柄コマンド制御処理(ステップS28)で演出制御基板80に送信される。
コマンドD001(H)は、復旧処理を行ったときに送信される復旧コマンドである。コマンドE000(H)は、入賞に応じて4個の払い出しが行なわれるときに送信される第1払出個数コマンドである。コマンドE001(H)は、入賞に応じて7個の払い出しが行なわれるときに送信される第2払出個数コマンドである。コマンドE002(H)は、入賞に応じて15個の払い出しが行なわれるときに送信される第3払出個数コマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ660に賞球制御信号を送信した後に、所定のタイミングで賞球制御信号により指定した払出個数と同じ個数を示すように、第1払出個数コマンド〜第3払出個数コマンドのうちのいずれかのコマンドを演出制御コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ118へ送信する。
コマンドF000(H)は、第3可変表示装置8Cにおいてデモンストレーション表示を実行することを指示する第1デモ表示コマンドである。また、コマンドF001(H)は、第4可変表示装置8Dにおいてデモンストレーション表示を実行することを指示する第2デモ表示コマンドである。第1デモ表示コマンドは、所定期間(例えば、60秒)に亘り第1可変表示装置8Aにおける特別図柄および第3可変表示装置8Cにおける飾り図柄の可変表示が実行されないときに送信され、第2デモ表示コマンドは、所定期間(例えば、60秒)に亘り第2可変表示装置8Bにおける特別図柄および第4可変表示装置8Dにおける飾り図柄の可変表示が実行されないときに送信される。
なお、主基板31に搭載されるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM54は、CPU56が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを記憶する。この判定テーブルには、特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルなどが含まれている。また、決定テーブルには、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれによる特図ゲームや、第3および第4可変表示装置8C、8Dのそれぞれにより飾り図柄の可変表示にて使用される可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブルなどが含まれている。この可変表示パターン決定テーブルには、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示や第3および第4可変表示装置8C、8Dによる飾り図柄の可変表示にて使用可能な複数種類の可変表示パターンを示すデータが記憶されている。例えば、可変表示パターン決定テーブルは、各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用乱数の値とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用乱数の値にもとづいて可変表示パターンの選択を可能にする選択データなどから構成されていればよい。
この実施の形態では、特別遊技状態や特定遊技状態以外の通常遊技状態において飾り図柄がリーチとなることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常時可変表示パターンが複数種類用意されている。また、特別遊技状態において飾り図柄がリーチとなることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンとして、特別時可変表示パターンが複数種類用意されている。また、飾り図柄をリーチとした後に大当り図柄となることなくハズレの確定図柄を導出表示するリーチハズレ用の可変表示パターンとして、リーチ時可変表示パターンが複数種類用意されている。特図ゲームにて大当り図柄を確定図柄として導出表示するとともに大当り組合せの飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとしては、大当り時可変表示パターンが複数種類用意されている。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄の可変表示時間を示すデータや、第1および第2可変表示パターンコマンドにてEXTデータとして設定される制御データなどと、対応付けられている。
可変表示パターン決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図60(A)に示す通常時可変表示パターン決定テーブル150と、図60(B)に示す特別時可変表示パターン決定テーブル151と、図60(C)に示すリーチ時可変表示パターン決定テーブル152と、図60(D)に示す大当り時可変表示パターン決定テーブル153とが、ROM54の所定領域などに格納されている。
図60(A)に示す通常時可変表示パターン決定テーブル150を用いて決定される通常時可変表示パターンである通常A、通常Bの可変表示パターンは、特定遊技状態や特別遊技状態以外の通常遊技状態において、特別図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示態様をリーチとすることなく、特別図柄の可変表示結果として大当り図柄とは異なるハズレ図柄を停止表示させるときに使用される。図60(A)に示すように、通常A、通常Bの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間はそれぞれ、Ti1、Ti2である。
図60(B)に示す特別時可変表示パターン決定テーブル151を用いて決定される特別時可変表示パターンである通常C、通常Dの可変表示パターンは、確率変動状態や時間短縮状態などの特別遊技状態において、特別図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示態様をリーチとすることなく、特別図柄の可変表示結果としてハズレ図柄を停止表示させるときに使用される。図60(B)に示すように、通常C、通常Dの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間はそれぞれ、Ti3、Ti4である。ここで、通常Dの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti4は、通常Aおよび通常Bの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti1、Ti2に比べて短い時間となるように定められている。また、通常Cの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti3は、通常Aの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti1に比べて長い時間であり、かつ、通常Bの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti2に比べて短い時間となるように定められているものとする。
ここで、図60(B)に示す特別時可変表示パターン決定テーブル151を用いて可変表示パターンを決定するときには、通常Dの可変表示パターンの方が、通常Cの可変表示パターンに比べて高い割合で、特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示における可変表示パターンに決定される。また、図60(A)に示す通常時可変表示パターン決定テーブル150を用いて可変表示パターンを決定するときには、通常Bの可変表示パターンの方が、通常Aの可変表示パターンに比べて高い割合で、特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示における可変表示パターンに決定される。これにより、平均的には、確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態のときの方が、通常遊技状態に比べて、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が短くなる。なお、図60(B)に示す特別時可変表示パターン決定テーブル151を用いて決定される可変表示パターンはすべて、図60(A)に示す通常時可変表示パターン決定テーブル150を用いて決定されるいずれの可変表示パターンよりも、特別図柄の可変表示時間が短くなるように予め設定されていてもよい。
図60(C)に示すリーチ時可変表示パターン決定テーブル152を用いて決定されるリーチ時可変表示パターンであるリーチA(ハズレ)〜D(ハズレ)の可変表示パターンは、特別図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に、特別図柄の可変表示結果として大当り図柄とは異なるハズレ図柄を停止表示させるときに使用される。図60(C)に示すように、リーチA(ハズレ)〜D(ハズレ)の可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間はそれぞれ、Ti11、Ti12、Ti13、Ti14である。
図60(D)に示す大当り時可変表示パターン決定テーブル153を用いて決定される大当り時可変表示パターンであるリーチA(大当り)〜D(大当り)の可変表示パターンは、特別図柄の可変表示中における飾り図柄の表示態様をリーチとした後に、特別図柄の可変表示結果として大当り図柄を停止表示させるときに使用される。図60(D)に示すように、リーチA(大当り)〜D(大当り)の可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間はそれぞれ、Ti21、Ti22、Ti23、Ti24である。
リーチA〜Dの可変表示パターンでは、例えば特別図柄の可変表示中に飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後の表示態様が、各々異なるものとなる。すなわち、特別図柄および飾り図柄の可変表示で使用される可変表示パターンがリーチA〜Dのいずれであるかに応じて、リーチとなった後に異なる可変表示態様で特別図柄の可変表示が行われたり、異なるキャラクタ画像が出現したりする。
図61は、始動入賞処理として、図52に示すステップS25aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU56は、まず、普通入賞球装置12Aに遊技球が入賞したか否かを、普通入賞球装置12Aにて遊技球を検出する第1始動口スイッチ20aからの検出信号をチェックすることなどによって、判定する(ステップS201)。遊技球が普通入賞球装置12Aに入賞して第1始動口スイッチ20aからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS201;Yes)、始動入賞記憶カウンタが示す保留記憶数(または、特図保留メモリ570が記憶している保留記憶数)が上限値(例えば「8」)に達しているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、特図保留メモリ570において保留番号の最大値に対応付けて大当り判定用乱数の値が格納されている場合には、保留記憶数が上限値に達していると判定される。
保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS202;No)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数を示す第1割込回数カウンタの値を1加算する(ステップS202a)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS202aを実行することによって、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す第1割込回数カウンタをカウントアップする。第1割込回数カウンタの値を1加算すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1割込実行回数カウンタに示されるタイマ割込処理の実行回数が所定回数(例えば、3回)に達しているか否かを確認する(ステップS203)。なお、遊技球が普通入賞球装置12Aに入賞したことを検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が普通入賞球装置12Aに入賞した後、第1割込実行回数カウンタが所定回数に達しているか否かを確認する。
ステップS203において所定回数として予め設定される値は、以下のように定められる。前述のように、乱数回路503のタイマ回路534は、第1始動口スイッチ20aから入賞検出信号SSが継続して入力されている時間を計測し、計測時間が所定期間になったことを検出すると、乱数値取り込みデータ「01h」を書き込む。この実施の形態では、タイマ回路534が計測する所定期間(例えば、3ms)が、所定回数のタイマ割込処理が実行される期間(例えば、2msごとのタイマ割込処理を3回実行する場合は6ms)よりも短くなるように、ステップS203において用いる所定回数(例えば、3回)が設定される。そのように設定されることによって、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができ、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止できる。
タイマ割込処理の実行回数が所定回数に達している場合、CPU56は、特定した乱数回路503の乱数値記憶回路531に出力制御信号SCを出力し、乱数値記憶回路531を読出可能(イネイブル)状態に制御する(ステップS204a)。
CPU56は、乱数回路503の乱数値記憶回路531から、乱数値として記憶されているランダムRの値を読み出す(ステップS204b)。また、CPU56は、読み出したランダムRの値を、例えばRAM55に設けられた所定のバッファ領域に格納する(ステップS204c)。また、CPU56は、ランダムRの値をバッファ領域に格納すると、乱数値記憶回路531への出力制御信号SCの出力を停止し、乱数値記憶回路531を読出不能(ディセイブル)状態に制御する(ステップS204d)。また、CPU56は、割込実行回数カウンタをリセットする(ステップS204e)。そして、CPU56は、所定のバッファ領域に格納したランダムRの値を特図保留メモリ570の空エントリの先頭にセットし(ステップS204f)、始動入賞記憶カウンタのカウント数を1加算することで保留記憶数を1増やす(ステップS204g)。なお、ステップS204fにおいて、CPU56は、ランダムRの値を、第1始動入賞口である普通入賞球装置12Aに遊技球が入賞したことを示す始動入賞口データ「第1」とともに、特図保留メモリ570における空エントリの先頭にセットする。この際には、始動記憶LED9にて消灯されているLEDのうちの1つ(例えば消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、始動記憶LED9の点灯制御を行うようにしてもよい。
ステップS201において第1始動口スイッチ20aがオンしていない場合、ステップS202において保留記憶数が最大値である8に達している場合、ステップS203においてタイマ割込処理の実行回数が所定回数に達してない場合、およびステップS204gの処理を終了した場合には、普通可変入賞球装置12Bに遊技球が入賞したか否かを、普通可変入賞球装置12Bにて遊技球を検出する第2始動口スイッチ20bからの検出信号をチェックすることなどによって、判定する(ステップS206)。遊技球が普通可変入賞球装置12Bに入賞して第2始動口スイッチ20bからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS206;Yes)、始動入賞記憶カウンタが示す保留記憶数(または、特図保留メモリ570が記憶している保留記憶数)が上限値(例えば「8」)に達しているか否かを判定する(ステップS207)。
保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS207;No)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数を示す第2割込回数カウンタの値を1加算する(ステップS207a)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS207aを実行することによって、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す第2割込回数カウンタをカウントアップする。第2割込回数カウンタの値を1加算すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2割込実行回数カウンタに示されるタイマ割込処理の実行回数が所定回数(例えば、3回)に達しているか否かを確認する(ステップS208)。なお、遊技球が普通可変入賞球装置12Bに入賞したことを検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が普通可変入賞球装置12Bに入賞した後、第2割込実行回数カウンタが所定回数に達しているか否かを確認する。
ステップS208において所定回数として予め設定される値は、以下のように定められる。前述のように、乱数回路503のタイマ回路534は、第2始動口スイッチ20bから入賞検出信号SSが継続して入力されている時間を計測し、計測時間が所定期間になったことを検出すると、乱数値取り込みデータ「01h」を書き込む。この実施の形態では、タイマ回路534が計測する所定期間(例えば、3ms)が、所定回数のタイマ割込処理が実行される期間(例えば、2msごとのタイマ割込処理を3回実行する場合は6ms)よりも短くなるように、ステップS208において用いる所定回数(例えば、3回)が設定される。そのように設定されることによって、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができ、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止できる。
タイマ割込処理の実行回数が所定回数に達している場合、CPU56は、特定した乱数回路503の乱数値記憶回路531に出力制御信号SCを出力し、乱数値記憶回路531を読出可能(イネイブル)状態に制御する(ステップS209a)。
CPU56は、乱数回路503の乱数値記憶回路531から、乱数値として記憶されているランダムRの値を読み出す(ステップS209b)。また、CPU56は、読み出したランダムRの値を、例えばRAM55に設けられた所定のバッファ領域に格納する(ステップS209c)。また、CPU56は、ランダムRの値をバッファ領域に格納すると、乱数値記憶回路531への出力制御信号SCの出力を停止し、乱数値記憶回路531を読出不能(ディセイブル)状態に制御し(ステップS209d)、割込実行回数カウンタをリセットする(ステップS209e)。そして、CPU56は、所定のバッファ領域に格納したランダムRの値を特図保留メモリ570の空エントリの先頭にセットし(ステップS209f)、始動入賞記憶カウンタのカウント数を1加算することで保留記憶数を1増やす(ステップS209g)。なお、ステップS209fにおいて、CPU56は、ランダムRの値を、第2始動入賞口である普通可変入賞球装置12Bに遊技球が入賞したことを示す始動入賞口データ「第2」とともに、特図保留メモリ570における空エントリの先頭にセットする。この際には、始動記憶LED9にて消灯されているLEDのうちの1つ(例えば消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、始動記憶LED9の点灯制御を行うようにしてもよい。
ステップS206において第2始動口スイッチ20bがオンしていない場合、ステップS207において保留記憶数が最大値である8に達している場合、ステップS208においてタイマ割込処理の実行回数が所定回数に達してない場合、およびステップS209gの処理を終了した場合には、処理を終了する。
以上のように、始動入賞処理において、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すにあたって、タイマ割込処理が所定回数実行されたこと(すなわち、タイマ割込処理が所定回数実行される間継続して入賞検出信号SSが入力されたこと)を条件に、乱数値記憶回路531から乱数を読み出す。そのため、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができる。また、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、ステップS202およびステップS207で第1可変表示装置8Aの保留記憶数と、第2可変表示装置8Bの保留記憶数と、の合計が上限値である8個に達しているか否かを判定するが、第1可変表示装置8Aの保留記憶数と、第2可変表示装置8Bの保留記憶数と、を別々に記憶し、ステップS202では、第1可変表示装置8Aの保留記憶数が第1可変表示装置8Aにおける上限値としての4個に達しているか否かを判定し、ステップS207では、第2可変表示装置8Aの保留記憶数が第2可変表示装置8Bにおける上限値としての4個に達しているか否かを判定するように構成してもよい。
図62は、第1特別図柄プロセス処理として、図52に示すステップS26aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図62に示す第1特別図柄プロセス処理では、第1可変表示装置8Aに対応してRAM55等の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜ステップS116の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留メモリ570に始動入賞口データ「第1」とともに格納された大当り判定用乱数の値を示す数値データにもとづいて第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。ステップS111の可変表示開始時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定図柄を設定する処理や、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。ステップS111にて設定された確定図柄や特別図柄の可変表示時間に対応して、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データがセットされるなどして、主基板31から演出制御基板80に対して第1可変表示パターンコマンドが送信可能に設定される。その後、図52に示すステップS28の演出図柄コマンド制御処理が実行されることにより、第1可変表示パターンコマンドが、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。
ステップS112の可変表示制御処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、第1可変表示装置8Aに対応して第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値にもとづいて、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。ステップS113の可変表示停止時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理は、第1可変表示装置8Aによる特別図柄の可変表示が終了することを示す第1可変表示終了コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行う処理等を含んでいる。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、第1特別可変入賞球装置13Aにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。ステップS115の大入賞口開放中処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、第1特別可変入賞球装置13Aにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第1特別可変入賞球装置13Aにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。ステップS116の大当り終了処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、第1特別可変入賞球装置13Aによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば演出制御基板80に対して大当り遊技状態の終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
図63は、図62のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図63示す特別図柄通常処理を開始すると、CPU56は、まず、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを判定するなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているか否かを判定する(ステップS230)。パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているときには(ステップS230;Yes)、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始するための開始条件(第1開始条件)を成立させないものと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
他方、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていないときには(ステップS230;No)、特図保留メモリ570における第1保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する(ステップS231)。例えば、CPU56は、特図保留メモリ570が第1保留記憶数をカウントするために備えるカウンタにおけるカウント値を読み取ることにより、第1保留記憶数が「0」となっているか否かを判定してもよい。あるいは、特図保留メモリ570に記憶されている始動入賞データを読み取り、始動入賞データ「第1」が含まれているか否かを判定することにより、第1保留記憶数が「0」となっているか否かを判定してもよい。そして、第1保留記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS231;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
これに対して、第1保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留メモリ570の記憶内容をチェックするための変数kに初期値として「1」をセットする(ステップS232)。続いて、特図保留メモリ570にて保留番号「k」と対応付けられて記憶されている始動入賞口データを読み取り、それが始動入賞口データ「第1」であるか否かを判定する(ステップS233)。ステップS233にて読み取った始動入賞口データが第1始動入賞口である普通入賞球装置12Aへの遊技球の入賞を示す始動入賞口データ「第1」ではないときには(ステップS233;No)、変数kの値を1加算した後(ステップS234)、ステップS233の処理にリターンする。
ステップS233にて読み取った始動入賞口データが「第1」を示す始動入賞口データである旨の判定がなされたときには(ステップS233;Yes)、特図保留メモリ570から保留番号「k」と対応付けられている格納データを読み出す(ステップS235)。この際には、特図保留メモリ570における第1保留記憶数を1減算するとともに、保留番号「k」より下位のエントリに記憶された格納データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS236)。なお、ステップS236にて第1保留記憶数を1減算するときには、例えば始動記憶LED9にて点灯されているLEDのうちの1つ(例えば点灯されているLEDのうち右端のLED)を消灯させるなど、始動記憶LED9の消灯制御を行うようにしてもよい。
その後、CPU56は、パチンコ遊技機1が確変制御による確率変動状態となっているときに当該確率変動状態を終了するか否かを判定する確変終了判定処理を実行する(ステップS237)。図64は、ステップS237にて実行される確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図64に示す確変終了判定処理では、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS401)。そして、確変中フラグがオフであるときには、そのまま確変終了判定処理を終了する。これに対して、確変中フラグがオンであるときには(ステップS401;Yes)、例えば乱数回路503等により更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS402)。なお、確変判定用乱数の値は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されるときではなく、普通入賞球装置12Aあるいは普通可変入賞球装置12Bのいずれかにて遊技球が検出されたときに、抽出するようにしてもよい。この場合には、例えば図61のステップS204やステップS209にて大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出するときに、確変終了判定用乱数の値を示す数値データも抽出すればよい。このときに抽出した確変終了判定用乱数の値を示す数値データは、大当り判定用乱数の値を示す数値データや始動入賞データとともに特図保留メモリ570に記憶しておき、図63のステップS235などにて読み出すようにすればよい。
こうして抽出した(あるいは読み出した)確変終了判定用乱数の値にもとづき、例えばROM54等に予め格納されている確変終了判定テーブルを参照するなどして、確変制御による確率変動状態を終了するか否かを判定する(ステップS403)。ここで、確変終了判定テーブルは、確変終了判定用乱数の値と、確率変動状態を終了するか否かの判定結果とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。ステップS403にて確率変動状態を終了しない旨の判定がなされたときには(ステップS403;No)、そのまま確変終了判定処理を終了する。これに対して、ステップS403にて確率変動状態を終了する旨の判定がなされたときには(ステップS403;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短中フラグをオン状態にセットし(ステップS404)、時短開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS405)。例えば、遊技制御フラグ設定エリアに記憶されて“1”を示す確率変動状態データを消去して“0”に設定する一方で、“1”を示す時間短縮状態データを遊技制御フラグ設定エリアに記憶させる。これにより、確率変動状態を終了する旨の判定がなされたときには、当該判定がなされる契機となった特図ゲームが開始されるタイミングにて、“1”を示す確率変動状態データを消去して“0”に更新することができる。
以上のような確変終了判定処理を実行した後、CPU56は、図63のステップS235にて読み出した格納データに含まれる大当り判定用乱数の値を示す数値データにもとづき、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄を停止表示することによる大当りとするか否かの判定と、大当りとする場合に確変大当りとするか通常大当りとするかの判定とを行う大当り・確変判定処理を実行する(ステップS238)。この後、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS239)。
図65は、図63のステップS238にて実行される大当り・確変判定処理の一例を示すフローチャートである。図65に示す大当り・確変判定処理を開始すると、CPU56は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS411)。ここで、確変中フラグは、パチンコ遊技機1が確変制御により確率変動状態とされているときにオン状態となっている。確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS411;Yes)、例えば5個の数値「3」、「7」、「79」、「103」、「107」を示す増加判定値データを、可変表示結果として大当り図柄を停止表示することを示す判定値データに設定する(ステップS412)。他方、ステップS411にて確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS411;No)、例えば1個の数値「3」を示す通常判定値データを、判定値データに設定する(ステップS413)。
この後、図63のステップS235にて特図保留メモリ570から読み出された大当り判定用乱数の値を示す数値データが、ステップS412またはステップS413にて設定された判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS414)。大当り判定用乱数の値を示す数値データが判定値データと合致するときには(ステップS414;Yes)、第1大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS415)。
ステップS415にて第1大当りフラグをオン状態にセットした後には、乱数回路503等によって更新される確変判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS416)。続いて、CPU56は、例えば所定の確変判定テーブルを参照するなどして、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りとするか通常大当りとするかの判定を行う(ステップS417)。ここで、確変判定テーブルは、確変判定用乱数の値と、確変大当りとするか通常大当りとするかの判定結果とを対応付ける設定データから構成されるものであればよい。ステップS417にて確変大当りとする旨の判定がなされたときには(ステップS417;Yes)、第1確変確定フラグをオン状態にセットする一方(ステップS418)、通常大当りとする旨の判定がなされたときには(ステップS417;No)、第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS419)。また、ステップS414にて大当り判定用乱数の値を示す数値データが判定値データとは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS414;No)、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS420)。
図66は、図62のステップS111にて実行される可変表示開始時処理の一例を示すフローチャートである。図66に示す可変表示開始時処理において、CPU56は、まず、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける可変表示結果(確定図柄)として停止表示する特別図柄を決定する(ステップS251)。このとき、CPU56は、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて大当りとするかハズレとするかの判定結果などに応じて、確定図柄として停止表示する特別図柄を決定する。例えば、ステップS251では、第1大当りフラグがオンとなっているかオフとなっているかを判定する。このとき、第1大当りフラグがオンとなっている場合には、さらに第1確変確定フラグがオンとなっているかオフとなっているかを判定し、オンとなっている場合には、確変大当り図柄である「7」を示す特別図柄を確定図柄に決定する一方で、第1確変確定フラグがオフとなっている場合には、通常大当り図柄である「3」を示す特別図柄を確定図柄に決定する。他方、第1大当りフラグがオフとなっているときには、「3」および「7」を示す大当り図柄以外のハズレ図柄のうちから、確定図柄とするものを選択して決定する。確定図柄とする特別図柄を選択して決定する具体的な一例としては、乱数回路503等によって更新される確定図柄決定用乱数の値を示す数値データを抽出し、ROM54等に予め格納されている確定図柄決定テーブルを参照するなどして、複数の特別図柄のいずれかを選択して確定図柄に決定すればよい。
続いて、CPU56は、第1大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS252)。そして、第1大当りフラグがオンであるときには(ステップS252;Yes)、第1可変表示装置8Aによる今回の特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを決定するために用いる可変表示パターン決定テーブルとして、図60(D)に示す大当り時可変表示パターン決定テーブル153を設定する(ステップS253)。
ステップS252にて第1大当りフラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS252;No)、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS254)。ステップS254にて確変中フラグがオフであるときには(ステップS254;No)、時短中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS255)。ステップS255にて時短中フラグがオフであるときには(ステップS255;No)、例えば乱数回路503等から抽出したリーチ判定用乱数の値にもとづき、ROM54等に予め格納されているリーチ判定テーブルを参照するなどして、第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行う(ステップS256)。ここで、リーチ判定テーブルは、リーチ判定用乱数の値と、リーチとするか否かの判定結果とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。
ステップS256にてリーチとする旨の判定がなされたときには(ステップS256;Yes)、第1可変表示装置8Aによる今回の特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを決定するために用いる可変表示パターン決定テーブルとして、図60(C)に示すリーチ時可変表示パターン決定テーブル152を設定する(ステップS257)。他方、ステップS256にてリーチとしない旨の判定がなされたときには(ステップS256;No)、第1可変表示装置8Aによる今回の特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを決定するために用いる可変表示パターン決定テーブルとして、図60(A)に示す通常時可変表示パターン決定テーブル150を設定する(ステップS258)。
ステップS254にて確変中フラグがオンであるときや(ステップS254;Yes)、ステップS255にて時短中フラグがオンであるときには(ステップS255;Yes)、第1可変表示装置8Aによる今回の特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを決定するために用いる可変表示パターン決定テーブルとして、図60(B)に示す特別時可変表示パターン決定テーブル151を設定する(ステップS259)。これに続いて、図67に示すような特別遊技状態終了判定処理を実行することにより、確変制御による確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態を終了するか否かの判定などを行う(ステップS260)。
図67に示す特別遊技状態終了判定処理において、CPU56は、まず、可変表示回数カウンタ123におけるカウント値を1減算する(ステップS431)。なお、可変表示回数カウンタ123のカウント値は、確変大当りにもとづく大当り遊技状態が終了するときに、例えば後述する図69のステップS285にて、特別遊技中可変表示回数初期値にセットされる。ステップS431の処理に続いて、可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS432)。このとき、可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」以外の値であれば(ステップS432;No)、特別遊技状態終了判定処理を終了する。
他方、ステップS432にて可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS432;Yes)、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS433)。そして、確変中フラグがオンであるときには(ステップS433;Yes)、パチンコ遊技機1が確率変動状態に制御されていることから、確変中フラグをクリアしてオフ状態とするとともに終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS434)。例えば、遊技制御フラグ設定エリアに記憶されて“1”を示す確率変動状態データを消去して“0”に更新する。これに対して、確変中フラグがオフであるときには(ステップS433;No)、パチンコ遊技機1が時間短縮状態に制御されていることから、時短中フラグをクリアしてオフ状態とするとともに終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS435)。例えば、遊技制御フラグ設定エリアに記憶されて“1”を示す時間短縮状態データを消去して“0”に更新する。
こうして図66のステップS253、ステップS257およびステップS258のいずれかにて可変表示パターン決定テーブルを設定した後、あるいは、ステップS260にて特別遊技状態終了判定処理を実行した後には、例えば乱数回路503等によって更新される可変表示パターン決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS261)。続いて、CPU56は、抽出した可変表示パターン決定用乱数の値にもとづき、ステップS253、ステップS257、ステップS258およびステップS259のいずれかにて設定した可変表示パターン決定テーブルを参照することにより、第1可変表示装置8Aによる今回の特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを選択して決定する(ステップS262)。
ステップS262にて可変表示パターンを決定した後には、例えば決定した可変表示パターンに対応する制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなど、演出制御基板80に対して第1可変表示パターンコマンドを送信するための設定を行う(ステップS263)。このときには、決定した可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値を第1可変表示時間タイマ122Aに設定する(ステップS264)。また、第1可変表示装置8Aにおける各セグメントの点灯/消灯動作を開始させて第1可変表示装置8Aによる特別図柄の可変表示を開始するための設定を行う(ステップS265)。この後、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示制御処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS266)。
図68は、図62のステップS113にて実行される可変表示停止時処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示停止時処理を開始すると、CPU56は、まず、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、演出制御基板80に対して第1可変表示終了コマンドを送信する設定を行う(ステップS271)。また、このときには第1可変表示装置8Aにおける表示動作を制御することにより、確定図柄を停止表示させる(ステップS272)。
続いて、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS273)。第1大当りフラグがオンとなっているときには(ステップS273;Yes)、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS274)。ステップS274にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」以外となっている場合には、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が実行されている。そこで、ステップS274にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」以外となっている旨の判定がなされたときには(ステップS274;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、演出制御基板80に対して可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行う(ステップS275)。また、可変表示進行停止フラグをオン状態にセットする(ステップS276)。これにより、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの実行中に第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるとき(第1の時点)には、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示および第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の進行を中断するための設定が行われることになる。すなわち、ステップS275にて可変表示進行停止コマンドを送信するための設定がなされた後に図52に示すステップS28の演出図柄コマンド制御処理が実行されることで、主基板31から演出制御基板80に向けて可変表示進行停止コマンドが送信されることにより、演出制御基板80の側では、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の進行を中断するための処理が実行される。また、ステップS276にて可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより、第2可変表示時間タイマ122Bを用いて行われる第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間の計測が、中断されることになる。
なお、可変表示結果として大当り図柄が導出表示される第1の時点としては、飾り図柄の可変表示において大当り組合せとなる飾り図柄が確定図柄として停止表示されるタイミングや、その大当り組合せの飾り図柄が停止表示されたことにもとづいて大当り遊技状態が開始されるタイミングなどであればよい。もっとも、1回の特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が終了する以前に飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されるタイミングは、上記のタイミングには含まれず、再抽選が行われる場合には、再抽選の後に飾り図柄の可変表示が終了して確定図柄となる飾り図柄が完全に停止した状態で表示されるタイミングが、大当り図柄が導出表示されるタイミングとなる。また、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示と、飾り図柄の可変表示とが完全に同一のタイミングで終了して確定図柄が停止表示される場合には、特図ゲームにて特別図柄の可変表示が終了して大当り図柄となる特別図柄が確定図柄として停止表示されるタイミングを、可変表示結果として大当り図柄が導出表示される第1の時点としてもよい。
ステップS274にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS274;No)、ステップS275およびステップS276の処理をスキップする。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS277)。また、ステップS273にて第1大当りフラグがオフである旨の判定がなされときには(ステップS273;No)、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS278)。
図69は、図62のステップS116にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理を開始すると、CPU56は、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなど、演出制御基板80に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS281)。また、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS282)。続いて、第1確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS283)。
ステップS283にて第1確変確定フラグがオンであるときには(ステップS283;Yes)、第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、例えば遊技制御フラグ設定エリアに“1”を示す確率変動状態データを記憶させることなどにより、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS284)。また、可変表示回数カウンタ123に特別遊技中可変表示回数初期値をセットし(ステップS285)、開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS285a)。ここで、特別遊技中可変表示回数初期値は、確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態にて実行可能な特図ゲームの残回数初期値(例えば「100」)である。ステップS283にて第1確変確定フラグがオフであるときには(ステップS283;No)、ステップS284およびステップS285の処理をスキップする。
この後、CPU56は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS286)。ここで、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS286;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、演出制御基板80に可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う(ステップS287)。これに加えて、可変表示進行停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS288)。こうして、大当り遊技状態が終了するとき(第2の時点)には、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が導出表示されることにより大当り遊技状態となる第1の時点にて中断された第2可変表示装置8Bによる特図ゲーム特別図柄の可変表示の進行、および第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の進行が、再開されることになる。ステップS286にて可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS286;No)、第2および第4可変表示装置8Dによる可変表示の進行が中断されてはいないので、ステップS287およびステップS288の処理をスキップすればよい。これに続いて、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS289)。
図52に示すステップS26bの第2特別図柄プロセス処理としては、図62に示した第1特別図柄プロセス処理を第2可変表示装置8Bに適合させた処理を実行すればよい。例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理は、特図保留メモリ570に始動入賞口データ「第2」とともに格納された大当り判定用乱数の値を示す数値データにもとづいて第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。また、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理では、確変制御が行われる確率変動状態に制御されていることにより確変中フラグがオンであるときに、確率変動状態を終了して時間短縮状態に移行するか否かの判定を行う確変終了判定処理が実行される。さらに、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理では、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当り図柄とするかハズレとするかの判定や、大当りとするときには確変大当りとするか通常大当りとするかの判定を行う大当り・確変判定処理が実行される。
第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理は、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定図柄を設定する処理や、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。また、第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理では、確変中フラグおよび時短中フラグがオンであるときに特別遊技状態を終了して通常遊技状態に移行するか否かの判定を行う特別遊技状態終了判定処理が実行される。第2特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理は、第2可変表示装置8Bに対応して設けられた第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値にもとづいて、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。
第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理は、第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示が終了することを示す第2可変表示終了コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行う処理等を含んでいる。また、第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理では、第2大当りフラグがオンであるときに第1可変表示時間タイマが0でない場合には、可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行い、可変表示進行停止フラグをセットする。第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大入賞口開放前処理は、第2特別可変入賞球装置13Bにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理は、第2特別可変入賞球装置13Bにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第2特別可変入賞球装置13Bにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理は、第2特別可変入賞球装置13Bによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば演出制御基板80に対して大当りの終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。また、第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理では、第2確変確定フラグがオンであるときに可変表示回数カウンタに特別遊技中可変表示回数初期値をセットするとともに、可変表示進行停止フラグがオンであるときに可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う。
図70は、第2特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図70に示す可変表示制御処理を開始すると、CPU56は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS331)。そして、可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS331;No)、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS332)。そして、更新された第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値が「0」となったか否かを判定する(ステップS333)。第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS333;Yes)、第2特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS334)。他方、ステップS333にて第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値が「0」以外であると判定されたとき(ステップS333;No)には、処理を終了する。
また、ステップS331にて可変表示進行停止フラグがオンであるときには(ステップS331;Yes)、第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の可変表示を継続させるために表示動作を制御する設定などを行う(ステップS335)。これにより、可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第2可変表示装置8Bにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が中断され、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断される。もっとも、第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の可変表示動作は、停止されずに継続して実行されてもよい。あるいは、ステップS331にて可変表示進行停止フラグがオンであるときには、例えばステップS335の処理とは異なる予め定められた処理を実行するなどして、第2可変表示装置8Bにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、ステップS331にて可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第2可変表示装置8Bにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。
なお、図示しないが、第1特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理においても可変表示進行停止フラグがオンであるときに第1可変表示装置8Aにおける特別図柄の可変表示を継続させるために表示動作を制御する設定(第1可変表示装置特別図柄動作設定)が行われる。これにより可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第1可変表示装置8Aにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が中断され、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断される。もっとも、第1可変表示装置8Aにおける特別図柄の可変表示動作は、停止されずに継続して実行されてもよい。あるいは、可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第1可変表示装置特別図柄動作設定とは異なる予め定められた処理を実行するなどして、第1可変表示装置8Aにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第1可変表示装置8Aにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。
図71は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS161)と賞球制御処理(ステップS162)とを実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS163)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、所定の賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレス、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図43参照)。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(例えば7F(H))である。また、賞球個数テーブルにおいて、7つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。
次に、本発明の特徴部に関し、第3可変表示装置8Cにおいて表示される遊技店用情報画面および遊技者用情報画面について説明する。遊技店用情報画面は、パチンコ遊技機1に電力の供給が開始された後、第3可変表示装置8Cが飾り図柄を可変表示可能となる通常遊技状態になるまでのとき、すなわち、起動時に表示される画像であり、パチンコ遊技機1が設置されている遊技店(遊技場)の店員等の管理者を利用対象者として各種の情報を表示する画像である。また、遊技者用情報画面は、第3可変表示装置8Cが飾り図柄を可変表示可能な通常遊技状態時において表示可能な画像であり、遊技者を利用対象者として各種の情報を表示する画像である。
遊技店用情報画面は、遊技店用メニュー画面、履歴データクリア画面、および、オプション画面を含む。履歴データクリア画面は、パチンコ遊技機1で行なわれた遊技の履歴を示す履歴データを初期化する(データを削除する)操作(初期化操作)が可能となる画面である。ここで、履歴データは、演出制御用マイクロコンピュータ118において収集され、演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMのバックアップ領域に記憶され、後述するような遊技履歴情報を表示するために設けられる。この履歴データは、停電後の復旧時において、引続き使用することが可能となる。また、オプション画面は、遊技者用メニュー画面が表示されたときに、履歴データを用いて表示する複数種類の遊技履歴のそれぞれについて、表示するか否か(表示/非表示)を管理することが可能となる画面である。また、遊技店用メニュー画面は遊技店用情報画面で実行可能となる前述したような事項をメニュー形式で表示する画面である。
遊技店用情報画面としては、まず、遊技店用メニュー画面が表示され、そして、操作キー190による選択操作および決定操作に応じて、遊技店用メニュー画面から履歴データクリア画面とオプション画面とのいずれかの表示に移行する。
図72は、第3可変表示装置8Cで表示される遊技店用メニュー画面を示す表示画面図である。図72の(a)〜(c)に示すように、遊技店用メニュー画面においては、遊技店用メニュー画面に関するメッセージを表示するメッセージ表示部440が表示されるとともに、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、履歴データクリアボタン441、オプションボタン442、および、戻るボタン443が表示される。遊技店用メニュー画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。遊技店用メニュー画面の表示開始段階では、履歴データクリアボタン441を枠で囲む表示が行なわれている。遊技店用メニュー画面では、打球供給皿3に設けられ、図72の(d)に示すような操作キー190において、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
また、メッセージ表示部440においては、選択されているボタンが操作されたときに可能となることを示すメッセージが表示される。例えば、履歴データクリアボタン441が選択されているときには、(a)のように、「大当り回数当の履歴データをクリアします。」というメッセージが表示される。オプションボタン442が選択されているときには、(b)のように、「遊技者に閲覧表示する項目を選択することができます。」というメッセージが表示される。戻るボタン443が選択されているときには、(c)のように、「遊技状態に戻ります。」というメッセージが表示される。これにより、操作者が各ボタンの機能を容易に把握することができるようになる。
図72の(a)のように履歴データクリアボタン441が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が、後述する図73の(a)に示される履歴データクリア画面に移行する。また、図72の(b)のようにオプションボタン442が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が後述する図73の(c)に示されるオプション画面に移行する。また、図72の(c)のように戻るボタン443が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が通常の遊技状態(飾り図柄の可変表示の実行が可能な状態)の表示画面(通常遊技画面)に移行する。
図73は、第3可変表示装置8Cで表示される履歴データクリア画面およびオプション画面を示す表示画面図である。図73においては、(a),(b)に履歴データクリア画面が示され、(c)にオプション画面が示されている。図73の(a)に示すように、履歴データクリア画面においては、履歴データの初期化に関するメッセージを表示するメッセージ表示部444が表示されるとともに、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、はいボタン445、および、いいえボタン446が表示される。
履歴データクリア画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。オプション画面の表示開始段階では、はいボタン445を枠で囲む表示が行なわれている。オプション画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。また、履歴データクリア画面に移行した段階では、メッセージ表示部444において、「履歴データをクリアします」というメッセージが表示される。そして、操作キー190において、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。はいボタン445が選択された状態で、決定キー191が操作されると、RAMにバックアップ記憶されている履歴データの初期化(クリア)が実行され、図73の(b)に示すように、メッセージ表示部444において、「クリアしました」というメッセージが表示されることにより、履歴データが初期化されたことが報知され、その後、図72に示す遊技店用メニュー画面に戻る。このような状況での決定キー191が操作されることを初期化操作と呼ぶ。なお、履歴データが初期化されたことが報知された後は、第3可変表示装置8Cが通常遊技画面に移行するように制御してもよい。
図73の(c)に示すように、オプション画面においては、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、大当り間情報管理ボタン448、演出紹介管理ボタン449、大当り確率管理ボタン450、および、スランプグラフ管理ボタン451が表示されるとともに、戻るボタン452が表示される。大当り間情報とは、大当り遊技状態が発生する間に実行された特別図柄の可変表示の回数等の大当り間の情報である。演出紹介とは、大当り予告およびリーチ等の可変表示の演出を紹介する情報である。ここで、予告とは、大当り遊技状態が発生することを予告することをいい、実際に大当り遊技状態が発生するときの予告と、実際には大当り遊技状態が発生しないときの予告とを含む。また、リーチとは、特別図柄および飾り図柄について、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示が行なわれていること、および、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している状態をいう。大当り確率とは、大当り遊技状態が発生する確率を示す情報である。スランプグラフは、時間推移にしたがった差玉数をグラフ形式で示す情報である。また、差玉数は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球と、打球発射装置93に供給された球との差数をいう。
オプション画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。オプション画面の表示開始段階では、大当り間情報管理ボタン448を枠で囲む表示が行なわれている。オプション画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
大当り間情報管理ボタン448、演出紹介管理ボタン449、大当り確率管理ボタン450、および、スランプグラフ管理ボタン451のそれぞれについては、決定キー191が操作されるごとに、表示することを示す「ON」という文字と、非表示にすることを示す「OFF」という文字とのいずれか一方が表示される。そして、選択されているボタンについては、決定キー191が操作されるごとに、表示することを示す「ON」という文字と、非表示にすることを示す「OFF」という文字とが交互に表示される。各ボタンについては、「ON」という文字が表示されると、ボタンにより示す遊技履歴の情報を表示可能にする設定が行なわれ、「OFF」という文字が表示されると、ボタンにより示す遊技履歴の情報を表示不可能にする設定が行なわれる。また、戻るボタン452が選択された状態で決定キー191が操作されると、図72に示す遊技店用メニュー画面に戻る。
次に、遊技者用情報画面を具体的に説明する。遊技者用情報画面は、遊技者用メニュー画面、大当り間情報画面、演出紹介画面、大当り確率画面、および、スランプグラフ画面を含む。大当り間情報画面は、前述した大当り間情報を表示する画面である。演出紹介画面は、前述した演出紹介を表示する画面である。大当り確率画面は、前述した大当り確率の情報を表示する画面である。スランプグラフ画面は、前述したスランプグラフの情報を表示する画面である。遊技者用情報画面は、第1可変表示装置8Aおよび第3可変表示装置8Cの可変表示が所定期間(例えば、20秒)行なわれなかったという条件が成立し、かつ、遊技者用情報画面を表示するための操作が行なわれたときに表示可能となる。
遊技者用情報画面としては、まず、遊技者用メニュー画面が表示され、そして、操作キー190による選択操作および決定操作に応じて、遊技店用メニュー画面から大当り間情報画面、演出紹介画面、大当り確率、および、スランプグラフのうちのいずれからの表示に移行する。
図74は、第3可変表示装置8Cで表示される遊技者用メニュー画面を示す表示画面図である。第1可変表示装置8Aおよび第3可変表示装置8Cの可変表示が所定期間(20秒)行なわれなかったという条件が成立したときには、図74の(a)に示すように、飾り図柄46を表示した画面において、遊技者用情報画面の表示を有効化することが可能となる有効ボタン453が第3可変表示装置8Cで表示される。有効ボタン453は、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンである。このような有効ボタン453が表示された画面は、操作キー190の操作が有効となる操作用画面に該当する。図74の(a)のように有効ボタン453が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が、図74の(a)のように飾り図柄46を表示した画面から図74の(b)に示される遊技者用メニュー画面に移行する。
遊技者用メニュー画面においては、遊技者用メニュー画面に関するメッセージを表示するメッセージ表示部454が表示されるとともに、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、大当り間情報ボタン455、演出紹介ボタン456、大当り確率ボタン457、スランプグラフボタン458、および、戻るボタン459が表示される。遊技者用メニュー画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。遊技者用メニュー画面の表示開始段階では、大当り間情報ボタン455を枠で囲む表示が行なわれている。遊技者用メニュー画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
また、メッセージ表示部454においては、選択されているボタンが操作されたときに可能となることを示すメッセージが表示される。例えば、大当り間情報ボタン455が選択されているときには、(a)のように、「大当り図柄と変動回数を表示します。」というメッセージが表示される。これにより、操作者が各ボタンの機能を容易に把握することができるようになる。
図74の(a)のように大当り間情報ボタン455が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が、後述する図75の(a)に示される大当り間情報画面に移行する。また、演出紹介ボタン456が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が、後述する図75の(b)に示される演出紹介画面に移行する。また、大当り確率ボタン457が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が、後述する図75の(c)に示される大当り確率画面に移行する。また、スランプグラフボタン458が選択された状態で決定キー191が操作されると、第3可変表示装置8Cの表示が、後述する図76に示されるスランプグラフ画面に移行する。
図75は、第3可変表示装置8Cで表示される大当り間情報画面、演出紹介画面、および、大当り確率画面を示す表示画面図である。図75においては、(a)に大当り間情報画面が示され,(b)に演出紹介画面が示され、(c)に大当り確率画面が示されている。
図75の(a)に示すように、大当り間情報画面においては、大当り遊技状態が発生するごとに、第3可変表示装置8Cまたは第4可変表示装置8Dに可変表示結果として導出表示された大当り図柄と、大当り遊技状態が発生する間(電源投入後の最初の大当り遊技状態のときには、電源投入後、最初の大当り遊技状態が発生するまでの間)において第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの可変表示が行なわれた回数(大当り間可変表示回数)とが対応付けられ、大当り遊技状態の発生順番にしたがって示された大当り間情報表460が表示される。大当り図柄は、さらに、大当り間情報画面においては、戻るボタン461が表示される。大当り間情報画面では、戻るボタン461を常に枠で囲む表示がされており、決定キー191が操作されると、図74の(b)に示す遊技者用メニュー画面に戻る。
図75の(b)に示すように、演出紹介画面においてはボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、予告ボタン462、Aリーチボタン463、Bリーチボタン464、登場キャラクタ465、および、戻るボタン466が表示される。ここで、Aリーチは、予め定められた複数種類のリーチのうち、特定のリーチであり、Bリーチは、Aリーチ以外の所定のリーチである。また、登場キャラクタは、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dでの可変表示において登場(表示)するキャラクタである。この演出表示遊技者用メニュー画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。遊技者用メニュー画面の表示開始段階では、大当り間情報ボタン455を枠で囲む表示が行なわれている。遊技者用メニュー画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
予告ボタン462が選択された状態で決定キー191が操作されると、大当り予告が行なわれるときの演出表示を紹介する画像が第3可変表示装置8Cで表示される。Aリーチボタン463が選択された状態で決定キー191が操作されると、Aリーチでの演出表示を紹介する画像が第3可変表示装置8Cで表示される。Bリーチボタン464が選択された状態で決定キー191が操作されると、Bリーチでの演出表示を紹介する画像が第3可変表示装置8Cで表示される。登場キャラクタ465が選択された状態で決定キー191が操作されると、登場キャラクタを紹介する画像が第3可変表示装置8Cで表示される。戻るボタン461が選択された状態で決定キー191が操作されると、図74の(b)に示す遊技者用メニュー画面に戻る。
図75の(c)に示すように、大当り確率画面においては、パチンコ遊技機1についての大当りの発生確率の設計値と、大当りの発生確率の実測値とを表形式で並べて示す大当り確率表467が表示されるとともに、戻るボタン468が表示される。ここで、大当りの発生確率の実測値は、演出制御用マイクロコンピュータ118が、大当りが発生するまでに実行された可変表示回数を、可変表示パターンコマンドを受信するごとに計数していき、可変表示結果を大当り図柄の組合せとする可変表示パターンコマンドを受信したときに、計数した可変表示回数の逆数を演算により求めることにより算出することにより得られるものであり、RAMに記憶されて大当りの発生確率の実測値のために用いられる。大当り確率画面では、戻るボタン468を常に枠で囲む表示がされており、決定キー191が操作されると、図74の(b)に示す遊技者用メニュー画面に戻る。
図76は、第3可変表示装置8Cで表示されるスランプグラフ画面を示す表示画面図である。図76に示すように、スランプグラフ画面においては、縦軸に差玉数(賞球個数−打球発射装置への供給個数)、横軸に経過時間をとり、時間経過に応じた差玉数の推移を示すスランプグラフ469が表示されるとともに、戻るボタン470が表示される。ここで、スランプグラフ469に用いられる差玉数は、演出制御用マイクロコンピュータ118が、受信した第1〜第3払出個数コマンドにもとづいて賞球個数を計数していくとともに、発射球センサ194からの検出信号にもとづいて打球発射装置93への供給個数を計数していき、所定の時間間隔で賞球個数の計数値から供給個数の計数値を減算して差玉数を算出する演出を実行することにより得られ、RAMに記憶されてスランプグラフを表示するために用いられる。
なお、上述した例では、図72〜図76に示す遊技店用情報画面および遊技者用情報画面を第3可変表示装置8Cにて表示する構成としているがこれに限らず、例えば、第4可変表示装置8Dにて表示する構成としてもよいし、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dに亘って表示するようにしてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118の動作を説明する。図77は、演出制御用マイクロコンピュータ118が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、メイン処理を開始する。演出制御メイン処理では、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(ステップS601)。ただし、前述した履歴データについては、前述したように遊技店用情報画面が表示されたときに初期化することが可能となるので、この段階では初期化が実行されない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からステップS94において送信される復旧コマンドを受信したか否かが判断される(ステップS602)。復旧コマンドを受信していたら、後述するステップS606に進む。一方、復旧コマンドを受信していないときには、コマンド判定カウンタが1だけ減算される(ステップS603)。ここで、コマンド判定カウンタは、パチンコ遊技機1に電力が供給されたとき、すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ118がリセット信号を受信したときからの経過時間を計数するための計時手段であり、前述の初期化処理の実行時において所定時間に相当するカウント値にセットされ、ステップS603が実行されるごとにカウントダウンされる。コマンド判定カウンタの計時時間としてセットされる所定時間は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から復旧コマンドが送信されてくる可能性がある最長の時間に設定される。したがって、コマンド判定カウンタによる計時時間が終了するまでに演出制御用マイクロコンピュータ118が復旧コマンドを受信しないときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560で復旧処理ではなく初期化処理が実行されたものと判断される。
次に、コマンド判定カウンタの値が「0」になっているか否かが判断される(ステップS604)。つまり、ステップS604では、復旧コマンドが送信されてくる可能性がある時間が経過したか否かが判断される。コマンド判定カウンタの値が「0」になっていないときには、ステップS602に戻り、前述した処理が繰返し実行される。このように、ステップS602〜ステップS604により、パチンコ遊技機1に電力が供給されたときから所定時間内に復旧コマンドが入力されたか否かを判定する復旧コマンド入力判定処理が行なわれる。
復旧コマンド入力判定処理が行なわれている間に復旧コマンドが受信されると、前述したようにバックアップ記憶された履歴データにもとづく遊技履歴の表示を可能とする遊技履歴復旧処理が行なわれる(ステップS606)。一方、復旧コマンド入力判定処理が行なわれている間に復旧コマンドが受信されず、コマンド判定カウンタが「0」になったと判断されたときには、前述した遊技店用情報画面を表示し、バックアップ記憶された履歴データを初期化することを可能とする初期化時データ管理処理が実行される(ステップS605)。初期化時データ管理処理の処理内容については、図78を用いて後述する。
なお、この実施の形態では、復旧コマンドを受信していない場合、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560にて初期化処理が実行された場合に初期化時データ管理処理を実行する構成としているが、遊技履歴復旧処理を実行した場合にも初期化時データ管理処理を実行するようにしてもよい。また、所定の操作入力があったとき、例えば、遊技機への電力供給が開始されてから所定期間経過する以前に所定の操作信号(例えば、操作キー190の操作信号)が入力されたときにのみ初期化時データ管理処理を実行するようにしてもよい。
遊技履歴復旧処理または初期化時データ管理処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込フラグの監視を行なう(ステップS607)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。タイマ割込処理において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込フラグの値をクリアし(ステップS608)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、例えば2ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、例えば2ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、タイマ割込フラグをクリアし、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(ステップS609)。電源断処理では、履歴データを、電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータがRAMに保存される。そのため、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、履歴データを電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。次に、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS610)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ118は、第1演出制御プロセス処理(ステップS611)および第2演出制御プロセス処理(ステップS612)を行なう。第1演出制御プロセス処理(ステップS611)および第2演出制御プロセス処理(ステップS612)の内容については、後述する。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第3可変表示装置8Cの表示制御を実行し、第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第4可変表示装置8Dの表示制御を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、入力ポート669を介して決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193を含む操作キー190からの操作信号を入力し、さらに、入出力ポート671を介して前述した音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ70aからの応答信号(ランプ制御応答信号、音声制御応答信号等)を入力するデータ入力処理を実行する(ステップS613)。本実施の形態において、主基板31と演出制御基板80との間の信号経路上に設置されている周辺コマンド中継基板108には、単方向性回路108aが設けられている。従って、演出制御基板80からの信号、演出制御基板80に入力される信号(操作キー190からの操作信号および発射球センサ194からの検出信号)、および演出制御基板80に接続される音声枠ランプ基板70(主基板31に接続されない基板を周辺基板等)からの信号は、周辺コマンド中継基板108の存在によって、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝達されない。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118は、前述したような遊技履歴情報を表示するために必要となる遊技データを収集するとともに、遊技の履歴を示す履歴データを作成してRAMに記憶させる遊技データ収集処理を実行する(ステップS614)。遊技データ収集処理の内容については、図83を用いて後述する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118は、乱数カウンタを更新する乱数更新処理を実行する(ステップS615)。その後、ステップS607のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ118の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ118においてタイマ割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドデータをコマンド受信バッファに格納する。
図78は、図77のステップS605による初期化時データ管理処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ118は、以下のように、初期化時データ管理処理を実行する。
まず、図72の(a)に示すような遊技店用メニュー画面が表示される(ステップS621)。そして、履歴データの初期化操作が有効化、すなわち、履歴データの初期化操作を実行可能な状態にする(ステップS621a)。例えば、ステップS621aにおいて、履歴データの初期化操作が許可されたことを示す初期化操作有効化フラグをONし、この初期化操作有効化フラグがONしていない状態ではRAMの履歴データを初期化するプログラムが起動しないように制御するのである。次に、履歴データクリアボタン441、オプションボタン442、および、戻るボタン443のうちのいずれかの操作ボタンが操作されたか否かが判断される(ステップS622)。このような判断は、操作ボタンが操作されるまで繰返し実行される。ただし、ここでは図示を省略するが、いずれかの操作ボタンが所定期間操作されないときは、初期化時データ管理処理が終了し、リターンする。そして、いずれかの操作ボタンが操作されたと判断されると、操作ボタンの操作に応じたデータ処理および画像表示が実行される(ステップS623)。つまり、操作ボタンの操作に応じて、例えば、履歴データの初期化、遊技履歴の情報の表示/非表示の設定、および、画像表示をするために必要となるデータの設定等のデータ処理が実行されるとともに、図72および図73を用いて説明したような各種画像の表示が行なわれる。ステップS622およびステップS623が実行される状態では、履歴データの初期化操作が有効化されているので、履歴データの初期化操作が行なわれたときには、RAMの履歴データを初期化するプログラムが実行されて、RAMの履歴データが初期化される。
次に、ステップS622で判断された操作ボタンの操作において、遊技店用メニュー画面での戻るボタン443の操作、すなわち、遊技店用メニュー画面の終了操作があったか否かが判断される(ステップS624)。終了操作がなかったと判断されたときには、ステップS622に戻って、前述した処理が繰返し実行される。一方、終了操作があったと判断されたときには、履歴データの初期化操作が無効化、すなわち、履歴データの初期化操作を実行不能な状態にする(ステップS625)。例えば、ステップS625において、初期化操作有効化フラグをOFFし、以後の処理においてRAMの履歴データを初期化するプログラムが起動しないように制御するのである。また、ここでは図示を省略するが、前述したようにいずれかの操作ボタンが所定期間操作されないことにより初期化時データ管理処理が終了するときにも、初期化操作有効化フラグがOFFされる。そして、初期化時データ管理処理が終了し、リターンする。なお、初期化時データ管理処理においては、可変表示パターンコマンド等の入賞があったことを示す演出制御コマンドを受信したか否かを判断できるようにしておき、入賞があったときにも、初期化操作有効化フラグをOFFして初期化時データ管理処理を終了するようにしてもよい。
このような初期化時データ管理処理は、履歴データを初期化することができる処理である。前述したように、初期化時データ管理処理は、予め定められた期間内に復旧コマンドが送信されなかったとき、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560で初期化処理が実行されたときに実行される。さらに言い換えると、初期化時データ管理処理は、電源投入時において遊技店員等の管理者によりクリアスイッチ921が操作されたことに応じて初期化処理が実行されたことを条件として、実行されることとなる。このため、初期化時データ管理処理において可能となる履歴データの初期化の実行は、通常の遊技中において遊技者が簡単に操作できないようなパチンコ遊技機1の後面に存在するクリアスイッチ921が操作されたことが前提条件となる。このため、遊技者が勝手に遊技履歴データを初期化してしまうことが防がれる。
図79は、図77のステップS610によるコマンド解析処理を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてきた演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに保存される。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに保存されているコマンドの内容が確認される。
コマンド解析処理では、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが保存されているか否かが確認される(ステップS631)。コマンド受信バッファに受信コマンドが保存されていると判断されたときは、コマンド受信バッファから受信コマンドが読出される(ステップS632)。
そして、受信した演出制御コマンドが第1可変表示パターンコマンドであるか否かが判断される(ステップS633a)。受信したコマンドが第1可変表示パターンコマンドであると判断されたときは、その第1可変表示パターンコマンドのデータが演出制御基板80に搭載されるRAMにおける第1可変表示パターンデータ保存領域に保存される(ステップS633b)。そして、第1可変表示パターンコマンドを受信したことを示す第1可変表示パターンコマンド受信フラグをONに設定する処理が行なわれる(ステップS633c)。そして、ステップS631に戻る。
一方、受信したコマンドが可変表示パターンコマンドではないと判断されたときは、受信した演出制御コマンドが第2可変表示パターンコマンドであるか否が判断される(ステップS634a)。受信したコマンドが第2可変表示パターンコマンドであると判断されたときは、その第2可変表示パターンコマンドのデータが演出制御基板80に搭載されるRAMにおける第2可変表示パターンデータ保存領域に保存される(ステップS634b)。そして、第2可変表示パターンコマンドを受信したことを示す第2可変表示パターンコマンド受信フラグをONに設定する処理が行なわれる(ステップS634c)。そして、ステップS631に戻る。
また、受信したコマンドが第1可変表示パターンコマンドおよび第2可変表示パターンコマンドではないと判断されたときは、受信したコマンドが第1デモ表示コマンドであるか否が判断される(ステップS636a)。受信したコマンドが第1デモ表示コマンドであると判断されたときは、第1デモ表示コマンドを受信したことを示す第1デモ表示コマンド受信フラグをONにする処理が行なわれる(ステップS636b)。そして、ステップS631に戻る。
一方、受信したコマンドが第1デモ表示コマンドではないと判断されたときは、受信したコマンドが第2デモ表示コマンドであるか否が判断される(ステップS637a)。受信したコマンドが第2デモ表示コマンドであると判断されたときは、第2デモ表示コマンドを受信したことを示す第2デモ表示コマンド受信フラグをONにする処理が行なわれる(ステップS637b)。そして、ステップS631に戻る。
一方、受信したコマンドがデモ表示コマンドではないと判断されたときは、受信したコマンドが払出個数コマンド(第1〜第3払出個数コマンド)であるか否が判断される(ステップS638)。具体的には、第1〜第3払出個数コマンドのそれぞれについて受信したか否かが判断される。個別に受信したコマンドが払出個数コマンドであると判断されたときは、受信した払出個数コマンドの種類(第1〜第3のいずれかの種類)に対応する払出個数コマンド受信コマンドフラグがONにされる(ステップS639)。そして、ステップS631に戻る。例えば、第1払出個数コマンドを受信したときには、第1払出個数コマンド受信フラグがONにされ、第2払出個数コマンドを受信したときには、第2払出個数コマンド受信フラグがONにされ、第3払出個数コマンドを受信したときには、第3払出個数コマンド受信フラグがONにされる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータでは、第1払出個数コマンド受信フラグがONになったときに4個の賞球が払い出されることを認識することができ、第2払出個数コマンド受信フラグがONになったときに7個の賞球が払い出されることを認識することができ、第3払出個数コマンド受信フラグがONになったときに15個の賞球が払い出されることを認識することができる。
一方、受信したコマンドが払出個数コマンド(第1〜第3払出個数コマンド)ではないと判断されたときには、前述したコマンド以外に受信する可能性がある演出制御コマンドのそれぞれについて、受信したか否かが判断され、受信したコマンドに対応したコマンド受信フラグがONにされる(ステップS640)。そして、ステップS631に戻る。
例えば、上述した開始コマンド(確率変動状態を開始することを示すコマンド)を受信したことにもとづいて確率変動状態中フラグをセットし、時短開始コマンド(確率変動状態を終了して時間短縮状態を開始することを示すコマンド)を受信したことにもとづいて確率変動状態中フラグをリセットし、時間短縮状態中フラグをセットする。また、上述した終了コマンド(確率変動状態および時間短縮状態を終了することを示すコマンド)を受信したことにもとづいて確率変動状態中フラグおよび時間短縮状態フラグをリセットし、上述した復旧コマンドを受信したことにもとづいて復旧フラグをセットする。演出制御用マイクロコンピュータ118は、第1演出制御プロセス処理(ステップS611)および第2演出制御プロセス処理(ステップS612)の図柄可変表示開始処理で確率変動状態中フラグがセットされていると判断したときに、確率変動状態に制御している旨(例えば、確変中)を第3,第4可変表示装置8C,8Dに表示することにより遊技者に報知し、第1演出制御プロセス処理(ステップS611)および第2演出制御プロセス処理(ステップS612)の図柄可変表示開始処理で時間短縮状態フラグがセットされていると判断したときに、時間短縮状態に制御している旨(例えば、時短中)を第3,第4可変表示装置8C,8Dに表示することにより遊技者に報知する。そして、第1演出制御プロセス処理(ステップS611)および第2演出制御プロセス処理(ステップS612)の図柄可変表示開始処理で確率変動状態中フラグおよび時間短縮状態フラグがリセットされたと判断したときにこれらの表示を終了する。
なお、確率変動状態または時間短縮状態に制御している旨の表示は第3可変表示装置8C、または第4可変表示装置8Dのいずれか一方でのみ実行するようにしてもよい。また、第1可変表示装置8Aと、第2可変表示装置8Bと、の一方または両方にて確率変動状態または時間短縮状態に制御している旨の表示を行う(例えば、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)および第2特別図柄プロセス処理(ステップS26b)の可変表示開始時処理の一方または両方にて確変フラグまたは時短フラグがセットされていると判断したときに、特別図柄表示制御処理(ステップS33)にて対応する可変表示装置(例えば、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示開始時処理に対応する第1可変表示装置8A、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26b)に対応する第2可変表示装置8B)に駆動信号を出力することにより確変中フラグがセットされているときに確率変動状態に制御している旨(例えば、確変中)、時短中フラグがセットされているときに時間短縮状態に制御している旨(例えば、時短中)、を表示する)ようにしてもよい。すなわち、第1〜第4可変表示装置8A〜8Dのうちいずれか若しくは任意の組み合わせの可変表示装置にて確率変動状態または時間短縮状態に制御している旨の表示を行うようにしてもよい。また、復旧フラグは、上述したステップS602で復旧コマンドを受信したか否かの判定に用いられ、ステップS606若しくはステップS605でリセットされる。また、ここでは、前述したコマンド以外に受信する可能性がある演出制御コマンドのそれぞれについての処理の詳細な説明を省略する。
図80は、図77のステップS611による第1演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS731〜ステップS738のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
可変表示パターンコマンド受信待ち処理(ステップS731):第1可変表示パターンコマンドを受信したか否かを確認し、第1可変表示パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS734に応じた値に更新する。一方、第1可変表示パターンコマンドが受信されたことが確認できなければ、遊技情報表示処理を実行するための条件の成立に応じて第1演出制御プロセスフラグの値をステップS732に応じた値に更新し、また、デモ表示を実行するための条件の成立に応じて第1演出制御プロセスフラグの値をステップS732に応じた値に更新する。可変表示パターンコマンド受信待ち処理の内容については、図81を用いて後述する。
デモ表示処理(ステップS732):第3可変表示装置8Cにおいてデモ表示を実行し、デモ表示を終了するための条件の成立(第1可変表示パターンコマンドを受信したこと等)に応じて、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS734に応じた値に更新する。
遊技情報表示処理(ステップS733):遊技者用メニュー画面を実行し、操作に応じて遊技履歴情報等を表示し、終了操作に応じて、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS731に応じた値に更新する。また、第1可変表示パターンコマンドを受信したことに応じて、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS734に応じた値に更新する。遊技情報表示処理の内容は、図82を用いて後述する。
図柄可変表示開始処理(ステップS734):第1可変表示パターンコマンドに応じて複数定められている飾り図柄の可変表示パターンから、実際に使用する可変表示パターンと飾り図柄の停止図柄の組合せとを決定する。また。第3可変表示装置8Cにおける飾り図柄(左中右の図柄)の変動を開始させる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS735に応じた値に更新する。
図柄可変表示中処理(ステップS735):可変表示パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切換タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS736に応じた値に更新する。
図柄停止待ち処理(ステップS736):第1可変表示パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して飾り図柄の全図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1可変表示終了コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し、停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。その後、停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS737に応じた値に更新し、停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS731に応じた値に更新する。
大当り表示処理(ステップS737):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS738に応じた値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS738):大当り遊技中の制御を行なう。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をステップS731に応じた値に更新する。
図81は、第1演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。可変表示パターンコマンド受信待ち処理では、第1可変表示パターンコマンド受信フラグがONであるか否かが判断される(ステップS741)。第1可変表示パターンコマンド受信フラグがONであると判断されたときは、第1可変表示パターンコマンド受信フラグがOFFにされる(ステップS742)。次に、無変動時間カウンタの値が「0」にクリア(初期化)される(ステップS743)。ここで、無変動時間カウンタとは、第3可変表示装置8Cにおいて飾り図柄の可変表示が行なわれていない時間、すなわち、無変動時間を計時するための計時手段である。そして、第1演出制御プロセスフラグの値が図柄可変表示開始処理に対応した値に更新される(ステップS744)。
一方、ステップS741において、第1可変表示パターンコマンド受信フラグがONでないと判断されたときは、第1デモ表示コマンド受信フラグがONであるか否かが判断される(ステップS745)。第1デモ表示コマンド受信フラグがONではないと判断されたときは、前述した無変動時間カウンタの値が、予め定められた設定値(20秒間に相当する値)となっているか否が判断される(ステップS746)。無変動時間カウンタの値が設定値となっていないと判断されたときは、無変動時間カウンタの値が「1」だけ加算更新され(ステップS747)、リターンする。これにより、無変動時間カウンタの値が設定値となっていない間には、可変表示パターンコマンド受信待ち処理が実行されるごとに無変動時間カウンタの値が更新される。この無変動時間カウンタは、前述したように、第1可変表示パターンコマンドを受信したことに応じてクリアされる。一方、無変動時間カウンタの値が設定値となっていると判断されたときは、図74の(a)に示すような有効ボタン453の画像が表示中であるか否が判断される(ステップS748)。
有効ボタン453の画像が表示中ではないと判断されたときには、有効ボタン453の画像を表示し(ステップS749)、決定キー191が操作されたか否かが判断される(ステップS750)。一方、有効ボタン453の画像が表示中ではないと判断されたときには、有効ボタン453の画像がすでに表示されているので、そのまま決定ボタンが操作されたか否かの判断が行なわれる(ステップS750)。決定ボタンが操作されていないと判断されたときは、リターンする。一方、決定ボタンが操作されたと判断されたときは、第1演出制御プロセスフラグの値がステップS732の遊技情報表示処理に応じた値に更新され(ステップS751)、リターンする。これにより、次回の第1演出制御プロセス処理において、遊技情報表示処理に移行する。このように、無変動時間が所定時間になったときに、すなわち、所定時間に亘り第3可変表示装置8Cにて可変表示が行なわれなかったことを条件に、操作キー190が有効化される。
また、前述のステップS745により第1デモ表示コマンド受信フラグがONではないと判断されたときは、第1デモ表示コマンド受信フラグがOFFにされ(ステップS752)、第1演出制御プロセスフラグの値がステップS732のデモ表示処理に応じた値に更新され(ステップS753)、リターンする。これにより、次回の第1演出制御プロセス処理において、デモ表示に移行する。第1デモ表示コマンドは、無変動時間が設定値になる時間(例えば、20秒)よりも長い時間(例えば、60秒)に亘り第3可変表示装置8Cにて可変表示が実行されないときに送信されるので、デモ表示よりも先に、前述の遊技者用メニュー画面が表示されることとなる。
図82は、第1演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される遊技情報表示処理を示すフローチャートである。遊技情報表示処理では、第1可変表示パターンコマンド受信フラグがONであるか否かが判断される(ステップS761)。第1可変表示パターンコマンド受信フラグがONではないと判断されたときは、遊技情報表示モードフラグがONにセットされているか否が判断される(ステップS762)。ここで、遊技情報表示モードフラグは、第1演出制御プロセスで遊技情報表示処理が選択されており、遊技者用メニュー画面が表示された後の状態であることを示すフラグである。
遊技情報表示モードフラグがONにされていないと判断されたときは、図74の(b)のような遊技者用メニュー画面が表示されるとともに(ステップS764)、遊技情報表示モードフラグがONにセットされ(ステップS765)、リターンする。これにより操作キー190の操作による遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が有効化される。一方、遊技情報表示モードフラグがONにされていると判断されたときは、遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が行なわれたか否が判断される(ステップS763)。具体的には、例えば、図74〜図76に示す各種操作ボタンが操作されたか否かが判断される。
遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が行なわれていないと判断されたときは、リターンする。一方、遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が行なわれたと判断されたときは、操作ボタンの操作に応じたデータ処理および第3可変表示装置8Cにて画像表示が実行される(ステップS766)。つまり、操作ボタンの操作に応じて、画像表示をするために必要となるデータの設定等のデータ処理が実行されるとともに、図74〜図76を用いて説明したような各種画像の表示が第3可変表示装置8Cにて行なわれる。
次に、ステップS766で判断された操作ボタンの操作において、遊技者用メニュー画面での戻るボタン459の操作、すなわち、遊技者用メニュー画面の終了操作があったか否かが判断される(ステップS767)。終了操作がなかったと判断されたときには、リターンする。一方、終了操作があったと判断されたときには、遊技情報表示モードフラグがOFFにされる(ステップS768)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値が可変表示パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に更新される(ステップS769)。
また、前述したステップS761で第1可変表示パターンコマンド受信フラグがONであると判断されたときは、第1可変表示パターンコマンド受信フラグがOFFにされ(ステップS770)、遊技情報表示モードフラグがOFFにされる(ステップS771)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値が図柄可変表示開始処理に対応した値に更新され(ステップS772)、リターンする。これにより、遊技者用メニュー画面が表示された後の操作にもとづいて遊技履歴情報等の情報が表示されている状態で第1可変表示パターンコマンドが受信されたときには、第3可変表示装置8Cにて飾り図柄の可変表示が開始されることとなる。
図83は、図77のステップS614による遊技データ収集処理を示すフローチャートである。遊技データ収集処理では、遊技データ収集用の信号の入力があったか否が判断される(ステップS781)。ここで、遊技データ収集用の信号とは、前述したような履歴データを作成するために収集する遊技データを示す信号をいう。具体的に、遊技データ収集用の信号としては、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの第1〜第2可変表示パターンコマンド、第1〜第3払出個数コマンド、および、発射球センサ194からの検出信号が含まれる。第1〜第2可変表示パターンコマンドは、前述した大当り間情報および大当り確率のそれぞれを表示するための履歴データの作成のために用いられる。また、第1〜第3払出個数コマンドおよび発射球センサ194の検出信号は、前述したスランプグラフを表示するための履歴データの作成のために用いられる。
遊技データ収集用の信号の入力がなかったと判断されたときは、リターンする。一方、遊技データ収集用の信号の入力があったと判断されたときは、入力された信号等の遊技データにもとづく履歴データの作成および更新をする処理が行なわれる(ステップS782)。具体的には、次のように履歴データが作成されるとともに、履歴データが更新される。
第1〜第2可変表示パターンコマンドが入力されたときには、そのコマンドが大当りとすることを示すコマンドであるかどうかが判断される。そして、入力された第1〜第2可変表示パターンコマンドがはずれとすることを示すコマンドであるときには、大当り間情報の表示のために用いるはずれとなる可変表示回数のデータが更新されるとともに、大当り確率の表示における大当り確率の実測値の算出のために用いるはずれの可変表示回数のデータが更新される。
また、入力された第1〜第2可変表示パターンコマンドが大当りとすることを示すコマンドであるときには、前述の変動開始処理(ステップS734)により決定された飾り図柄の大当り図柄の組合せを示すデータがRAMから読出される。そして、その大当り図柄の組合せを大当り図柄として表示するとともに、前述のように更新されるはずれの可変表示回数のデータを大当り間可変表示回数として表示する大当り間情報を表示するための履歴データが作成される。さらに、入力された第1〜第2可変表示パターンコマンドが大当りとすることを示すコマンドであるときには、大当り確率の表示における大当り確率の実測値を算出するために用いる大当りとなる可変表示回数のデータが更新される。そして、そのデータと、前述のように更新される大当り確率での実測値の算出のために用いるはずれとなる可変表示回数のデータとにもとづいて、大当り確率の実測値(累積値)が算出され、その算出値を大当り確率の実測値として表示するための履歴データが作成される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118では、前述したスランプグラフで表示される差玉数を計数するための差玉数カウンタが設けられる。具体的に、第1〜第3払出個数コマンドが入力されたときには、その入力されたコマンドにより示される賞球払出個数が、差玉数カウンタの値に加算される。また、発射球センサ194からの検出信号が入力されたときには、その検出信号が入力されるごとに、差玉数カウンタの値が減算される。これにより、差玉数カウンタは、賞球の払い出しがあるごと、および、打球が発射されるごとに更新される。このように差玉数カウンタが更新されるごとに、スランプグラフで差玉数を表示するための履歴データ(差玉数と差玉数の計数開始からの経過時間とを関係付けたデータ)が作成される。
次に、ステップS782により作成および更新された履歴データが演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMに記憶される(ステップS783)。そして、リターンする。
なお、この実施の形態では、パチンコ遊技機1全体の履歴データ、すなわち、第3可変表示装置8Cおよび第4可変表示装置8Dの両方を合算した履歴データを作成するが、第3可変表示装置8Cと第4可変表示装置とのそれぞれに対応した履歴データを各々作成する構成としてもよい。この場合には、第1可変表示パターンコマンドを受信したときに第3可変表示装置8Cに対応した履歴データを作成し、第2可変表示パターンコマンドを受信したときに第4可変表示装置8Dに対応した履歴データを作成することにより、第3可変表示装置8Cと第4可変表示装置8Dとのそれぞれに対応した大当り間可変表示回数、大当り確率の実測値(累積値)、の履歴データを各々作成してもよい。また、履歴データとして作成する情報は、これらに限らず、遊技に応じて発生するデータ、および、発生したデータを処理したデータであれば何でもよい。例えば、普通入賞球装置12Aへの入賞数、普通可変入賞球装置12Bへの入賞数、を履歴データとして作成してもよく、この場合には、普通入賞球装置12Aへの入賞数と、普通可変入賞球装置12Bへの入賞数と、の入賞比率や、第1可変表示装置8A(第3可変表示装置8C)における大当り発生回数と、第2可変表示装置8B(第4可変表示装置8D)における大当り発生回数と、の大当り発生比率等を履歴データとして作成してもよい。
図77に示すステップS612の第2演出制御プロセス処理としては、図80に示した第1演出制御プロセス処理を第4可変表示装置8Dに適合させた処理が実行されればよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ118は、図80に示したステップS733を除くステップS731〜S738の各処理を第4可変表示装置8Dに適合させた処理を、第2演出制御プロセスフラグの値に応じて選択して実行する。
例えば、第2演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示パターンコマンド受信待ち処理は、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されたか否かを判定する処理等を含んでいる。なお、この実施の形態では、第2演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示パターンコマンド受信待ち処理では上述したステップS746〜ステップS751の処理を実行しないが、第3可変表示装置8Cにて飾り図柄の可変表示が実行中であるときに第2演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示パターンコマンド受信待ち処理にて上述したステップS746〜ステップS751の処理を実行して遊技情報表示処理を実行するように構成してもよい。また、第2演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示パターンコマンド受信待ち処理でのみステップS746〜ステップS751の処理を実行して遊技情報表示処理を実行するようにしてもよい。この場合には、第4可変表示装置8Dにて飾り図柄の可変表示が実行中であるときに第1演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示パターンコマンド受信待ち処理にてステップS746〜ステップS751の処理を実行して遊技情報表示処理を実行するようにしてもよい。
第2演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される図柄可変表示開始処理は、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されるときに、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROMに格納されている複数種類の表示制御テーブルデータのうちから第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の可変表示時間に対応したものを選択する処理などといった、第3可変表示装置8Cの表示動作を設定するための処理を含んでいる。
図柄可変表示中処理は、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示中における表示動作を制御する処理を含んでいる。図柄停止待ち処理は、主基板31から送信された第2可変表示終了コマンドを受信したことに応答して、第4可変表示装置8Dにおける飾り図柄の可変表示を終了させる処理等を含んでいる。第2大当り中表示処理は、第4可変表示装置8Dにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する処理を含んでいる。第2大当り終了時表示処理は、第4可変表示装置8Dにて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う処理などを含んでいる。
図84は、第2演出制御プロセス処理における図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。図84に示す図柄可変表示中処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、進行停止中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS501)。なお、進行停止中フラグは、主基板31からの可変表示進行停止コマンドに応答して第3及び第4可変表示装置8C、8Dのいずれかにて飾り図柄の可変表示の進行が停止されるときにオン状態にセットされ、主基板31からの可変表示進行再開コマンドに応答して第3,第4可変表示装置8C、8Dのいずれかにて飾り図柄の可変表示の進行が再開されるときにクリアされてオフ状態となる。このとき、進行停止中フラグがオフである場合には(ステップS501;No)、主基板31から送信される可変表示進行停止コマンドを受信したか否かの判定を行う(ステップS502)。そして、可変表示進行停止コマンドを受信したときには(ステップS502;Yes)、進行停止中フラグをオン状態にセットする(ステップS503)。
ステップS501にて進行停止中フラグがオンであるときには(ステップS501;Yes)、主基板31から送信される可変表示進行再開コマンドを受信したか否かの判定を行う(ステップS504)。ステップS503の処理を実行した後や、ステップS504にて可変表示進行再開コマンドを受信していない旨の判定がなされたときには(ステップS504;No)、VDP119に所定の描画命令を送るなどして、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されていることに対応した画像を第4可変表示装置8Dに表示させる制御を行うための設定を行う(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、演出制御用マイクロコンピュータ118がVDP119に対して、所定の画像データにもとづく描画を指示する描画命令を送ることにより、第4可変表示装置8Dに可変表示の進行が中断されている旨を報知するための画像を表示させる制御を行う。あるいは、第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されている旨を報知するための画像は表示させずに、各種の演出表示を実行させる制御を行うようにしてもよい。この場合には、第2可変表示装置8Bにおける特別図柄の可変表示が継続している旨を報知するための画像を第4可変表示装置8Dに表示させる制御を行うようにしてもよい。
また、ステップS505の処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、表示制御データテーブルから同一の表示制御データを繰り返し読み出してVDP119に描画命令を送るなどして、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されているときに、第4可変表示装置8Dにおける飾り図柄の可変表示動作自体は継続して実行させる制御を行ってもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ118がVDP119に対して所定の描画命令を送ることにより、例えばリーチの種類やキャラクタの紹介などといった、パチンコ遊技機1に特有の演出に関連する情報を、第4可変表示装置8Dにおける表示により報知する制御を行ってもよい。あるいは、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示にて大当り図柄となったことにもとづく大当り遊技状態において、例えばラウンド数や第1特別可変入賞球装置13Aへの入賞球のカウント数などといった、大当り遊技状態に関する情報を、第4可変表示装置8Dにおける表示により報知する制御を行ってもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ118がVDP119に対して所定の描画命令を送ることにより、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されているときに、第4可変表示装置8Dにおける飾り図柄の可変表示を停止させて、ハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示させるようにしてもよい。
こうしてステップS505の処理が実行されたときには、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を更新することなく図柄可変表示中処理を終了する。これにより、例えば第2可変表示装置8Bによる特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の実行中に第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける可変表示結果として確定図柄が大当り図柄となるなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態となった場合には、サブ側である演出制御基板80にて、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の進行を中断する旨の判断がなされ、第2可変表示時間タイマ122Bによる経過時間の計測が中断される。
ステップS504にて可変表示進行再開コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS504;Yes)、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS506)。そして、ステップS502にて可変表示進行停止コマンドを受信していないときや(ステップS502;No)、ステップS506の処理を実行した後には、例えば第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を1減算するなどして、第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値を更新する(ステップS507)。これに続いて、第2可変表示時間タイマ122Bがタイムアウトしたか否かを判定し(ステップS508)、タイムアウトした場合には(ステップS508;Yes)、第2演出制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値に更新する(ステップS509)。他方、第2可変表示時間タイマ122Bがタイムアウトしていないときには(ステップS508;No)、例えば表示制御データテーブルから第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP119に送るなど、第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値に応じた表示制御の設定を行う(ステップS510)。
なお、図示しないが第1演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される図柄可変表示中処理においても上述したステップS501〜ステップS506)の処理が行われる。これにより、例えば第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示の実行中に第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける可変表示結果として確定図柄が大当り図柄となるなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態となった場合には、サブ側である演出制御基板80にて、第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示の進行を中断する旨の判断がなされ、第1可変表示時間タイマ122Aによる経過時間の計測が中断される。
次に、主基板31と払出制御基板100との間で送受信される払出制御信号および払出制御コマンドについて説明する。図85は、遊技制御手段から払出制御手段に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板100との間で制御信号として接続確認信号が送受信される。図85に示すように、接続確認信号は、主基板31の立ち上がり時(遊技制御手段が遊技制御処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板100に対して主基板31が立ち上がったことを通知するための信号(主基板31の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、シリアル通信回路375を内蔵する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル通信回路505と、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵するシリアル通信回路375との間で、各種払出制御コマンドが送受信される。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵するシリアル通信回路375の構成及び機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル通信回路505の構成及び機能と同様である。
図86は、遊技制御手段と払出制御手段との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板100との間で各種制御コマンドが送受信される。
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力されるコマンドである。この実施の形態では、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、第1カウントスイッチ22aおよび第2カウントスイッチ22bで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行い、その他の入賞口のいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行う。よって、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bで遊技球が検出された場合、賞球数4個を通知するための賞球個数コマンド「04」が送信され、第1カウントスイッチ22aおよび第2カウントスイッチ22bで遊技球が検出された場合、賞球数15個を通知するための賞球個数コマンド「0F」が送信され、その他の入賞口のいずれかで遊技球が検出された場合、賞球数7個を通知するための賞球個数コマンド「07」が送信される。
賞球ACKコマンド「D2」は、払出制御手段が賞球個数コマンドを受信したことを遊技制御手段に通知するためのコマンドである。賞球ACKコマンドは、賞球個数コマンドを受信したことを示す受信確認信号に相当する。
図87は、図85に示す制御信号および図86に示す制御コマンドの送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。なお、図87には、電源断信号も示されている。図87に示すように、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ660に入力される。また、電源断信号は、出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。また、賞球個数コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル通信回路505から出力され、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵するシリアル通信回路375に入力される。また、賞球ACKコマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵するシリアル通信回路375から出力され、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するシリアル通信回路505に入力される。
接続確認信号および電源断信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。また、主基板31と払出制御基板100との間で、遊技制御用マイクロコンピュータ560への電源断信号の信号線と、払出制御に関わる制御信号(接続確認信号)の信号線とをまとめて配線することができる。よって、遊技機において、遊技制御用マイクロコンピュータ560への電源断信号に関する配線スペースを節減することができる。
図88は、払出制御信号および払出制御コマンドの出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図88に示すように、入賞検出スイッチが遊技球の入賞を検出すると、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた賞球個数コマンドを払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ660)に送信する。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことを入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ660に送信する。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ20aおよび第2始動口スイッチ20bで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、第1カウントスイッチ22aおよび第2カウントスイッチ22bで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行い、その他の入賞口のいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行う。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出される賞球数に応じて、賞球数が4個の場合には賞球数が4個であることを示す賞球個数コマンド「04」を送信し、賞球数が7個の場合には賞球数が7個であることを示す賞球個数コマンド「07」を送信し、賞球数が15個の場合には賞球数が15個であることを示す賞球個数コマンド「0F」を送信する。
賞球個数コマンドの送信を完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のシリアル通信回路505は、図88に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56に対して送信時割り込み要求を行う。送信時割込要求によって、CPU56は、賞球個数コマンドの送信を完了した状態となったことを認識し、払出制御用マイクロコンピュータからの受信確認信号の待ち状態となる。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球個数コマンドの受信を確認すると、受信した賞球個数コマンドに示される賞球数を、払出制御用マイクロコンピュータ660の受信バッファに格納する。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、RAMの所定領域に設けられた賞球未払出個数カウンタに賞球数を加算する。そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球ACKコマンド「D2」を、遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵するシリアル通信回路375からの受信時割り込み要求にもとづく割込処理において賞球数を受信カウンタに格納するようにしてもよい。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵するシリアル通信回路375は、賞球個数コマンドを受信すると、払出制御用マイクロコンピュータ660のCPUに受信時割り込み要求を行う。そして、払出制御用マイクロコンピュータ660のCPUは、シリアル通信回路375からの割り込み要求に応じて割込処理を実行することによって、賞球数を受信バッファに格納する。
賞球ACKコマンドを受信し、受信データレジスタ711に賞球ACKコマンドが格納された状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のシリアル通信回路505は、図88に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56に対して受信時割り込み要求を行う。受信時割込要求による割込処理を実行することによって、CPU56は、シリアル通信回路505がデータを受信したことを認識し、後述する賞球ACK待ち処理において受信データレジスタ711から賞球ACKコマンドを読み込む。
図89は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS1201)と賞球制御処理(ステップS1202)とを実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS1203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、メイン処理におけるステップS16からステップS19までのループ処理において、割り込み許可状態である間にシリアル通信回路505からの割り込み要求があると、シリアル通信回路505が割り込み要求を行った割り込み原因に応じた割り込み処理を実行する。図90は、シリアル通信回路505が割り込み要求に対して行う割り込み処理の一例を示す流れ図である。図90(a)は、シリアル通信回路505が通信エラーを割り込み原因として割り込み要求を行った場合に、CPU56が実行する通信エラー割込処理である。図90(b)は、シリアル通信回路505が受信データを受信したことを割り込み原因として割り込み要求を行った場合に、CPU56が実行する受信時割込処理である。図90(c)は、シリアル通信回路505が送信データの送信を完了したことを割り込み原因として割り込み要求を行った場合に、CPU56が実行する送信完了割込処理である。
CPU56は、いずれの割込処理を優先して実行する旨が初期設定されているか否かを判断する。例えば、CPU56は、いずれの割込処理を優先して実行する旨のフラグがセットされているか否かを判断する。この実施の形態では、CPU56は、エラー時割込優先実行フラグがセットされていることにもとづいて、シリアル通信回路505で通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する。
シリアル通信回路505から割り込み要求があると、CPU56は、シリアル通信回路505のステータスレジスタA705の各ビットを確認し、割り込み原因を特定する。この場合、CPU56は、いずれの割込処理を優先して実行する旨が初期設定されているか否かを判断する。例えば、CPU56は、いずれの割込処理を優先して実行する旨のフラグがセットされているか否かを判断する。この実施の形態では、CPU56は、通信エラー時割込優先実行フラグがセットされていることにもとづいて、シリアル通信回路505で通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する。
CPU56は、通信エラー時割込優先実行フラグがセットされていることにもとづいて、ステータスレジスタA705のビット0〜ビット3を優先的に確認し、割り込み原因を特定する。すなわち、CPU56は、シリアル通信回路505で通信エラー(オーバーラン、ノイズエラー、フレーミングエラーまたはパリティエラー)が発生したことを割り込み原因として割り込み要求したか否かを、他の割り込み原因(受信データの受信または送信データの送信完了)に優先して判断する。ステータスレジスタA705のビット0〜ビット3のうちいずれか1つまたは複数のビットが「1」であると判断すると、CPU56は、割り込み原因がシリアル通信回路505で通信エラーが発生したことであると特定する。
割り込み原因がシリアル通信回路505で通信エラーが発生したことであると特定すると、CPU56は、図90(a)に示す通信エラー割込処理を他の割込処理(図90(b)および図90(c)に示す割込処理)に優先して実行する。この場合、CPU56は、シリアル通信回路505で通信エラーが発生していることを示す通信エラーフラグをセットする(ステップS41)。
なお、通信エラーを検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御手段に、シリアル通信回路505で通信エラーが発生したことを通知するために、通信エラー発生表示指定の演出制御コマンド(通信エラー表示コマンド)を送信する処理を行う。演出制御用CPUは、通信エラー表示コマンドを受信すると、音、表示、発光体などを用いた演出を行い、通信エラーが発生している旨の報知を行う。
割り込み原因がシリアル通信回路505で通信エラーが発生したことでなかった場合、CPU56は、ステータスレジスタAのビット5を確認する。すなわち、CPU56は、シリアル通信回路505が受信データを受信したことが割込原因であるか否かを判断する。ステータスレジスタAのビット5が「1」であると判断すると、CPU56は、割り込み原因が、シリアル通信回路505が受信データを受信したことであると特定する。
割り込み原因が、シリアル通信回路505が受信データを受信したことであると特定すると、CPU56は、図90(b)に示す受信時割込処理を実行する。この場合、CPU56は、シリアル通信回路505が受信データを受信していることを示す受信時割込フラグをセットする(ステップS42)。
また、割り込み原因がシリアル通信回路505で通信エラーが発生したことでなかった場合、CPU56は、ステータスレジスタAのビット6を確認する。すなわち、CPU56は、シリアル通信回路505が送信データの送信を完了したことが割込原因であるか否かを判断する。ステータスレジスタAのビット6が「1」であると判断すると、CPU56は、割り込み原因が、シリアル通信回路505が送信データの送信を完了したことであると特定する。
割り込み原因が、シリアル通信回路505が送信データの送信を完了したことであると特定すると、CPU56は、図90(c)に示す送信完了割込処理を実行する。この場合、CPU56は、シリアル通信回路505が送信データの送信を完了していることを示す送信時割込フラグをセットする(ステップS43)。
上記に示す処理を実行することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、シリアル通信回路505からの割り込み要求があった場合に、割込原因を特定し、特定した割込原因に応じたフラグ(通信エラーフラグ、受信時割込フラグ又は送信時割込フラグ)をセットする。特定した割込原因に応じてフラグがセットされることによって、CPU56によって、シリアル通信回路505で通信エラーが発生した旨や、データを受信した旨、又はデータ送信を完了した旨が認識される。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ660が搭載するCPUも、シリアル通信回路375からの割り込み要求があった場合に、図90に示す処理と同様の処理に従って、割り込み原因を特定し、特定した割込原因に応じたフラグをセットする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ660に、一方向通信で賞球個数コマンドを送信する場合を考える。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560が払出制御用マイクロコンピュータ660に、例えば2ms毎にタイマ割込が発生する構成となっていて、賞球個数コマンドを送信した後、次の割込処理を行って2ms後に再び賞球個数コマンドを送信したとする。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、例えば4ms毎にタイマ割込が発生する構成となっていて、4ms毎に賞球個数コマンドを受信できるものであるとする。すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が最初に送信した賞球個数コマンドを読み込んでいないのに、払出制御用マイクロコンピュータ660が次の賞球個数コマンドを受信してしまう事態が発生してしまうが、払出制御用マイクロコンピュータ660のCPUがシリアル通信回路375からの受信時割り込み要求に応じて賞球個数コマンドを受信するように設定すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの賞球個数コマンドを確実に受信することができる。
賞球個数加算処理では、図91に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「6」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファ(2バイトのスイッチオンバッファのうちの入力ポート0に対応する方)の下位アドレス、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(例えば7F(H))である。また、賞球個数テーブルにおいて、6つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。なお、この実施の形態では、ROM54およびRAM55のアドレスは16ビットで指定される。
図92は、賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS1211)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS1212)。次に、スイッチオンバッファの上位アドレス(8ビット)を2バイトのチェックポインタの上位1バイトにセットする(ステップS1213)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS1214)、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチオンバッファの下位アドレス)をチェックポインタの下位1バイトにセットした後(ステップS1215)、ポインタの値を1増やす(ステップS1216)。次いで、チェックポインタが指すアドレスのデータ、すなわちスイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1217)、ロードした内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS1218)。この結果、スイッチオンバッファの内容がロードされたレジスタには、検査対象としているスイッチの検出信号に対応したビット以外の7ビットが0になる。そして、ポインタの値を1増やす(ステップS1219)。
ステップS1218における演算結果が0でなれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS1220,S1221)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS1222)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS1223,1224)。
ステップS1225では処理数を1減らし、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS1214に戻る(ステップS1226)。また、ステップS1220において、ステップS1218における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS1225に移行する。
図93は、ステップS1202の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1230の賞球異常検出処理を実行した後、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS1231〜S1235のいずれかの処理を実行する。
図94は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球送信待ち処理(ステップS1231)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球送信待ち処理において、通信エラーフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1241)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、シリアル通信回路505で通信エラーが発生しているか否かを確認する。通信エラーフラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、そのまま処理を終了する。すなわち、シリアル通信回路505で通信エラーが発生している状態であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止するように制御する。
通信エラーフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS1242)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS1243)、処理を終了する。
図95は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球個数コマンド送信処理(ステップS1232)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球送信処理において、通信エラーフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1251)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、シリアル通信回路505で通信エラーが発生しているか否かを確認する。通信エラーフラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止し、そのまま処理を終了する。すなわち、シリアル通信回路505で通信エラーが発生している状態であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止するように制御する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、シリアル通信回路505の送信部662の機能を停止させることによって、払出制御基板100へのデータ送信を禁止するように制御する。例えば、CPU56は、シリアル通信回路505の制御レジスタB708のビット3を「0」に設定し、送信回路を使用しないように設定することによって、払出制御基板100へのデータ送信を禁止する。
通信エラーフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS1252)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS1253)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS1254)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数バッファの内容を賞球個数コマンドとしてシリアル通信回路505の送信データレジスタ710に書き込み(ステップS1255)、賞球プロセスコードの値を2にした後(ステップS1256)、処理を終了する。この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数コマンドが送信データレジスタ710に書き込まれる。その後、送信データレジスタ710に書き込まれた賞球個数コマンドは、送信用シフトレジスタ712に転送され、送信用シフトレジスタ712から払出制御用マイクロコンピュータに送信される。
図96は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球送信完了待ち処理(ステップS1233)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球送信完了待ち処理において、通信エラーフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1261)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、シリアル通信回路505で通信エラーが発生しているか否かを確認する。通信エラーフラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、そのまま処理を終了する。すなわち、シリアル通信回路505で通信エラーが発生している状態であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止するように制御する。
通信エラーフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、送信時割込フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1262)。送信時割込フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1263の処理に移行する。また、送信時割込フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、そのまま処理を終了する。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数コマンド送信処理において送信データレジスタ710に書き込んだ賞球個数コマンドの送信をシリアル通信回路505が既に完了したか否かを判断し、賞球個数コマンドの送信を完了したことを確認すると、ステップS1263以降の処理を実行する。
送信時割込フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、送信時割込フラグをリセットする(ステップS1263)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS1264)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球タイマにACK受信完了判定時間値をセットする(ステップS1266)。そして、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS1267)、処理を終了する。なお、ACK受信完了判定時間値は、払出制御手段から賞球ACKコマンドを受信したか否かを監視するための時間値である。
図97は、賞球プロセスコードの値が3の場合に実行される賞球ACK待ち処理(ステップS1234)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球ACK待ち処理において、通信エラーフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1271)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、シリアル通信回路505で通信エラーが発生しているか否かを確認する。通信エラーフラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止し、そのまま処理を終了する。すなわち、シリアル通信回路505で通信エラーが発生している状態であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止するように制御する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、シリアル通信回路505の受信部666の機能を停止させることによって、払出制御基板100からのデータ受信を禁止するように制御する。例えば、CPU56は、シリアル通信回路505の制御レジスタB708のビット2を「0」に設定し、受信回路を使用しないように設定することによって、払出制御基板100からのデータ受信を禁止する。
通信エラーフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信時割込フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1272)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505が受信データを受信し、受信データレジスタ711にデータが格納されている状態になっているか否かを確認する。受信時割込フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1273の処理に移行する。また、受信時割込フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1275の処理に移行する。
受信時割込フラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505の受信データレジスタ711からデータを読み込む(ステップS1273)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、読み込んだデータが賞球ACKコマンドであるか否か(コマンド「D2」であるか否か)を判断する(ステップS1274)。
ステップS1272で受信時割込フラグがセットされていなかった場合、またはステップS1274で読み込んだデータが賞球ACKコマンドでなかった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まだ払出制御用マイクロコンピュータ660から賞球ACKコマンドを受信していない状態であると判断する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球タイマの値を1減らし(ステップS1275)、その値が0でなければ処理を終了する(ステップS1276)。賞球タイマの値が0になったら、払出制御用マイクロコンピュータ660が賞球ACKコマンドを送信しなかったと判断して、再送信フラグをセットし(ステップS1277)、賞球プロセスコードの値を4にして(ステップS1278)、処理を終了する。なお、賞球プロセスコードの値が4になると、賞球再送信処理(ステップS1235)が実行される状態になる。また、再送信フラグがセットされると、賞球異常検出処理(ステップS1230)において、払出異常報知開始コマンドが演出制御基板80に対して送信される。
ステップS1274において、受信データレジスタ711から読み込んだデータが賞球ACKコマンドであることを確認すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信時割込フラグをリセットして(ステップS1279)、賞球プロセスコードの値を0にする(ステップS1280)。また、通信が正常に完了したので、再送信フラグがセットされている場合には、再送信フラグをリセットする(ステップS1281,S1282)。
以上の処理によって、遊技制御手段は、払出条件の成立にもとづいて払い出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。また、遊技制御手段は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数にもとづいて払出制御手段に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令コマンド(賞球個数コマンド)を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、賞球払出を指定する賞球個数コマンドを送信したときに、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から賞球個数コマンドで指定した払出数を減算する減算処理を行う。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球個数コマンドを受信すると直ちに賞球ACKコマンドを送信するので、玉払出装置154からの賞球払出に関わりなく賞球個数コマンドに関する通信を完了でき、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数コマンドで指定した払出数の賞球払出が完了する前に、連続的に次の賞球個数コマンドを送信することができる。
なお、この実施の形態では、払出条件の成立にもとづいて払い出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段として、総数そのものを記憶する総賞球数格納バッファが例示されたが、景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段は、各入賞領域への入賞数を記憶したり、賞球数が同じである入賞領域毎の入賞数(例えば4個の賞球数に対応した第1始動入賞口12Aおよび第2始動入賞口12B、7個の賞球数に対応した入賞口、15個の賞球数に対応した大入賞口への入賞数であって、未だ賞球払出が終了していない入賞数)を記憶したりするものであってもよい。その場合には、入賞領域毎の賞球数に応じた数が設定された賞球個数コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ660に送信される。さらには、賞球個数を示す賞球個数コマンドを送信するのではなく、入賞があったことまたは入賞数を示す払出指令コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ660に送信するようにしてもよい。
図98は、賞球プロセスコードの値が4の場合に実行される賞球再送信処理(ステップS1235)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球再送信処理において、通信エラーフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1291)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、シリアル通信回路505で通信エラーが発生しているか否かを確認する。通信エラーフラグがセットされている場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止し、そのまま処理を終了する。すなわち、シリアル通信回路505で通信エラーが発生している状態であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板100との通信を禁止するように制御する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、シリアル通信回路505の送信部662の機能を停止させることによって、払出制御基板100へのデータ送信を禁止するように制御する。例えば、CPU56は、シリアル通信回路505の制御レジスタB708のビット3を「0」に設定し、送信回路を使用しないように設定することによって、払出制御基板100へのデータ送信を禁止する。
通信エラーフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数バッファの内容を賞球個数コマンドとしてシリアル通信回路505の送信データレジスタ710に再度書き込む(ステップS1292)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球タイマにACK受信完了判定時間値を再びセットする(ステップS1293)。そして、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS1294)、処理を終了する。
賞球プロセスコードの値が3に設定されることから、再度、賞球ACK待ち処理が実行される。再度実行される賞球ACK待ち処理において、再び賞球ACKコマンドを受信したことを検出できなかった場合には、具体的には、ステップS1276において賞球タイマがタイムアウトした場合には、再び賞球再送信処理が実行されることになる。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出数データを受信したことを示す受信確認信号としての賞球ACKコマンドが受信できない場合には、賞球ACKコマンドが受信できるまで、賞球個数コマンドの再送を繰り返す。
図99は、ステップS230の賞球異常検出処理を示すフローチャートである。賞球異常検出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、再送信フラグがリセット状態からセット状態になったことを検出すると、払出異常報知開始コマンドを演出制御コマンドとして演出制御基板80に対して(具体的には演出制御用マイクロコンピュータ118に対して)送信する制御を行う(ステップS1301,S1302)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球再送信処理を実行してから払出異常報知開始コマンドを送信するのでなく、払出異常報知開始コマンドを演出制御基板80に送信してから賞球再送信処理を実行するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ118に演出制御コマンドを送信する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドの種類に応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROM54にコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、再送信フラグがセット状態からリセット状態になったことを検出する(従って、セット状態が継続している場合には最初にリセット状態になったときにのみ検出される。)と、払出異常報知終了コマンドを演出制御基板80に対して(具体的には演出制御用マイクロコンピュータ118に対して)送信する制御を行う(ステップS1303,S1304)。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、再送信フラグがリセットされると、ステップS1304で払出異常報知終了コマンドを送信するが、送信しないように構成してもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が軽減される。また、その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ118が、例えば所定時間後に、独自に払出異常報知を終了するように構成される。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660が各種コマンドを送受信する動作を説明する。図87に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ660は、遊技制御用マイクロコンピュータ560と各種コマンドをシリアル通信するシリアル通信回路375を内蔵している。払出制御用マイクロコンピュータ660は、シリアル通信回路375を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図86に示す賞球個数コマンドを受信する。また、賞球個数コマンドを受信すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、シリアル通信回路375を用いて、図86に示す賞球ACKコマンド「D2」を受信確認信号として送信する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660のCPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56と同様に、割り込み許可状態である間にシリアル通信回路375からの割り込み要求があると、シリアル通信回路375が割り込み要求を行った割り込み原因に応じた割り込み処理を実行する。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660のCPUは、割り込み原因が、シリアル通信回路375が受信データを受信したことであると特定すると、図90(b)と同様の処理に従って受信時割込処理を実行する。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ660のCPUは、シリアル通信回路375が受信データを受信していることを示す受信時割込フラグをセットする。
図100は、払出制御用マイクロコンピュータ660が、主基板31の遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と通信を行う主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、接続確認信号がオン状態であるか否かを確認する(ステップS541)。なお、接続確認信号がオン状態であるということは、電力供給がなされ遊技制御手段において遊技の進行を制御可能な状態であることを意味し、接続確認信号がオフ状態であるということは、電力供給停止時処理が開始され遊技制御手段において遊技の進行が不能な状態であることを意味する(接続確認信号は、電力供給停止時処理における出力ポートクリア処理でオフ状態にされる。)。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、受信時割込フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS542)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、シリアル通信回路375が受信データを受信し、シリアル通信回路375の受信データレジスタにデータが格納されている状態になっているか否かを確認する。
受信時割込フラグがセットされていれば、払出制御用マイクロコンピュータ660は、シリアル通信回路375の受信データレジスタからデータを読み込む(ステップS543)。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、読み込んだデータが賞球個数コマンドであるか否か(コマンド「04」、「07」または「0F」のいずれかであるか否か)を判断する(ステップS544)。
シリアル通信回路375の受信データレジスタから読み込んだデータが賞球個数コマンドであることを確認すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、受信時割込フラグをリセットして(ステップS545)、賞球個数コマンドが示す賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS546)。そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球ACKコマンドをシリアル通信回路505の送信データレジスタ710に書き込み(ステップS547)、処理を終了する。その後、送信データレジスタに書き込まれた賞球ACKコマンドは、シリアル通信回路375の送信用シフトレジスタに転送され、シリアル通信回路375の送信用シフトレジスタから遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信される。なお、賞球受信バッファは、RAMに形成されている。
以下、この発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機1の具体的な動作例について説明する。パチンコ遊技機1では、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームの開始条件(第1開始条件)が成立したことに応じて、特図保留メモリ570から始動入賞データ「第1」と対応付けられた大当り判定用乱数の値が読み出され(図63のステップS235)、その乱数値にもとづいて大当り・確変判定処理が実行される(ステップS238)。また、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの開始条件(第2開始条件)が成立したときには、特図保留メモリ570から始動入賞データ「第2」と対応付けられた大当り判定用乱数の値が読み出され、その乱数値にもとづいて大当り・確変判定処理が実行される。
例えば、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始するときに実行される大当り・確変判定処理では、大当り判定用乱数の値が判定値データと一致することにより大当りとする旨の判定がなされると(図65のステップS414;Yes)、第1大当りフラグをオン状態にセットした後(ステップS415)、確変判定用乱数の値にもとづいて確変大当りとするか否かの判定を行う(ステップS417)。そして、確変大当りとする旨の判定がなされたときには(ステップS417;Yes)、第1確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS418)。第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを開始するときには、上記の大当り・確変判定処理を第2可変表示装置8Bに適合させた処理を実行して、大当りとする旨の判定がなされると第2大当りフラグをオン状態にセットし、さらに、確変大当りとする旨の判定がなされたときには第2確変確定フラグをオン状態にセットする。
この後、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始する場合には、図66に示すような可変表示開始時処理を実行することにより、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける確定図柄や、可変表示パターンの決定を行う。このとき、第1大当りフラグがオンである場合には、例えば第2可変表示装置8Bによる特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が実行される期間における第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示にて、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームでの可変表示結果が大当り図柄となる旨を予告する予告演出となる所定の演出表示を実行するための設定が行われてもよい。
例えば、特図保留メモリ570における始動入賞データ「第2」の記憶数(第2保留記憶数)が所定の長期演出実行許容値(例えば「4」)以上となっているか否かを判定し、長期演出実行許容値以上となっているときには、大当り時可変表示パターンのうちから、他の可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間に比べて十分に長い可変表示時間となる可変表示パターンを選択して、第1可変表示装置8Aによる今回の特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンに決定する。その後、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを開始するときには、第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”であることに対応して可変表示開始時処理を実行することにより、第4可変表示装置による飾り図柄の可変表示において予告演出を実行するための可変表示パターンを選択して、第2可変表示装置8Bによる今回の特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンに決定する。このときには、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始してからの第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの実行回数に対応した可変表示パターンを選択することにより、第2可変表示装置8Bによる複数回の特図ゲーム中において、第4可変表示装置8Dにおける表示により、予告演出となる所定の演出表示を実行するようにしてもよい。
また、図66に示すような可変表示開始時処理が実行されるときに第1大当りフラグがオンである場合には、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示中に第3および第4可変表示装置8C、8Dの表示により行われる演出が、互いに所定の関連性を有するものとなるよう制御する演出連動を実行するようにしてもよい。例えば、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始するときに、第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値が所定の演出連動可能範囲内であるか否かを判定する。そして、演出連動可能範囲内であるときに、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示装置において第2予告演出となる所定の予告演出を実行する旨が決定済みになっていると、第2可変表示装置8Bにより実行中の特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンにもとづき、予め定められた可変表示パターンの組合せとなるように、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを決定する。
あるいは、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始するときに第2可変表示時間タイマ122Bのタイマ値が所定の演出連動可能範囲内である場合には、予め定められた可変表示パターンの組合せとなるように、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンと、第2可変表示装置8Bにより実行中の特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示における変更後の可変表示パターンとを決定するようにしてもよい。この場合には、主基板31から演出制御基板80に対して、第4可変表示装置8Dにて実行されている飾り図柄の可変表示における可変表示パターンの変更を指示するパターン変更コマンドを送信する。演出制御基板80の側では、主基板31からのパターン変更コマンドを受信したことにもとづき、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値の調整や、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示にて確定図柄として導出表示する飾り図柄の変更などを行って、変更後の可変表示パターンにもとづく飾り図柄の可変表示を開始させるようにすればよい。
また、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを開始するときに第1および第2大当りフラグの双方がオンである場合には、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特別図柄の可変表示中に第4可変表示装置8Dにおける飾り図柄の可変表示にて、特定の予告演出となる演出表示を実行するための設定が行われてもよい。
例えば、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを開始するときに大当りとする旨の判定がなされたことにもとづいて第1大当りフラグがオン状態にセットされるとともに、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第4可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンが、図60(D)に示す大当り時可変表示パターン決定テーブル153を参照することによって、リーチB(大当り)の可変表示パターンに決定されたものとする。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ118は、主基板31から送信された第1可変表示パターンコマンドにもとづき、リーチB(大当り)の可変表示パターンに従って第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示を開始させる。これにより、例えば図101(A)に示すように停止表示されていた飾り図柄が加速表示され、図101(C)に示すような飾り図柄の可変表示が開始される。
この後、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームとともに図101(B)に例示するような第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が終了し、第4可変表示装置8Dにて例えば図101(D)に示すような通常ハズレとなる飾り図柄の組合せが導出表示されたことに続いて、第2可変表示装置8Bによる次の特図ゲームの開始条件が成立する。このときに第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて可変表示結果を大当り図柄とする旨の判定がなされると第2大当りフラグがオン状態にセットされる。こうして第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを開始するときに第1および第2大当りフラグの双方がオン状態となったことにもとづいて、例えば第2可変表示装置8Bによる今回の特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを、リーチD(大当り)の可変表示パターンに決定する。
このとき、演出制御用マイクロコンピュータ118は、主基板31からの第2可変表示パターンコマンドにもとづき、例えば図101(F)に示すようにリーチD(大当り)の可変表示パターンに従って第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示を開始させる。第3可変表示装置8Cでは、例えば図101(E)に示すように、左の可変表示部に「7」を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)される。続いて、演出制御用マイクロコンピュータ118は、リーチD(大当り)の可変表示パターンに従って第4可変表示装置8Dにおける表示動作を制御することにより、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示において、例えば図101(H)および(J)に示すような画像(例えば動画像やキャラクタ画像など)を表示させる。この期間において、第3可変表示装置8Cでは、例えば図101(G)に示すように右の可変表示部に「7」を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)され、中の可変表示部では飾り図柄の可変表示が継続して行われることにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる。そして、リーチB(大当り)の可変表示パターンに従った演出表示として、例えば図101(I)に示すようなリーチ演出表示が第3可変表示装置8Cにて開始される。
その後、第2および第4可変表示装置8B、8Dによる可変表示が開始されてからリーチD(大当り)の可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti24が経過すると、第2可変表示時間タイマ122Bがタイムアウトしたことに応答して、主基板31から周辺コマンド中継基板108を介し演出制御基板80に対して第2可変表示終了コマンドが送信される。また、第2可変表示装置8Bでは、大当り図柄(「3」または「7」を示す特別図柄)が確定図柄として停止表示される。演出制御用マイクロコンピュータ118は、第4可変表示装置8Dにて飾り図柄を減速表示させ、主基板31からの第2可変表示終了コマンドを受信したことに応答して、例えば図101(L)に示すように、大当り組合せとなる飾り図柄を導出表示させる。このときには、後述するように、第1可変表示装置8Aによる特別図柄の可変表示の進行と、例えば図101(K)に示すような第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示の進行とを、中断させるようにしてもよい。
こうして第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当り図柄となったことにもとづく大当り遊技状態が終了した後に、第1可変表示時間タイマ122Aがタイムアウトしたときには、主基板31から周辺コマンド中継基板108を介し演出制御基板80に対して第1可変表示終了コマンドが送信される。また、第1可変表示装置8Aでは、大当り図柄(「3」または「7」を示す特別図柄)が確定図柄として停止表示される。演出制御用マイクロコンピュータ118は、第3可変表示装置8Cにて中の可変表示部における飾り図柄を減速表示させ、主基板31からの第1可変表示終了コマンドを受信したことに応答して、例えば図101(M)に示すように、中の可変表示部に「7」を示す飾り図柄を導出表示させる。こうして、第3可変表示装置8Cでは、大当り組合せとなる飾り図柄の組合せが導出表示される。
上記のようにして第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるとき(第1の時点)に、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、主基板31から周辺コマンド中継基板108を介し演出制御基板80に対して可変表示進行停止コマンドが送信される(図68のステップS275)。例えば第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されるとともに、図102(A)に示すような大当り組合せの飾り図柄が、第3可変表示装置による飾り図柄の可変表示結果として導出表示されたものとする。
この場合、演出制御用マイクロコンピュータ118は、主基板からの可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答してVDP119に所定の描画命令を送ることなどにより、例えば第4可変表示装置8Dにて図102(B)に示すような報知情報71Aを表示させる。報知情報71Aは、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける経過時間の計測が中断される一方で、特別図柄の可変表示は継続されていることを報知できるものであればよい。この報知情報71Aにより、遊技者は、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける経過時間の計測が中断されたことを認識することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、主基板からの可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答してVDP119に所定の描画命令を送ることなどにより、報知情報71Aのほかに、例えば図102(I)に示すようなキャラクタ画像71Cを、第4可変表示装置8Dに表示させるようにしてもよい。あるいは、報知情報71Aとキャラクタ画像71Cのいずれかのみを表示させるようにしてもよいし、いずれも表示しないようにすることで可変表示が中断されたことを報知しないようにしてもよい。このように可変表示が中断されているときには、ハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示させるようにしてもよい。
こうして大当り遊技状態に制御される第1の時点では、可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより(図68のステップS276)、図70に示すステップS332の処理が実行されないことになり(図70のステップS331;Yes)、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が中断される。また、演出制御基板80の側でも、可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して進行停止中フラグがオン状態にセットされることにより(図84のステップS503)、ステップS507の処理が実行されないことになり、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が中断される。
その後、主基板31に搭載されたCPU56は、図62に示すステップS115の大入賞口開放中処理にて演出制御基板80に対して所定の大当りラウンド数指示コマンドを送信するための設定を行うことなどにより、例えば図102(C)に示すように、大当り遊技状態において実行されるラウンドの実行回数を報知するための情報を、第3可変表示装置8Cの表示領域に表示させる。このとき、第4可変表示装置8Dでは、図102(D)に示すように、図102(B)と同様に、飾り図柄の可変表示が継続して実行されるものの、その可変表示の進行は中断されるようにすればよい。
そして、大当り遊技状態が終了するときには、主基板31から演出制御基板80に対して大当り終了コマンドが送信される(図69のステップS281)。この大当り終了コマンドに応答して、第3可変表示装置8Cの表示領域には、例えば図102(E)に示すように大当り遊技状態が終了することを報知するための情報が表示される。こうして大当り遊技状態が終了するとき(第2の時点)には、可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となることにより(図69のステップS288)、図70に示すステップS332の処理が実行されることになり(図70のステップS331;No)、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が再開される。このときには、主基板31から周辺コマンド中継基板108を介し演出制御基板80に対して可変表示進行再開コマンドが送信される(図69のステップS287)。演出制御基板80の側では、可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して進行停止フラグがクリアされてオフ状態となることにより(図84のステップS506)、ステップS507の処理が実行されることになり、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が再開される。
第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測を再開するときには、例えば演出制御用マイクロコンピュータ118がVDP119に所定の描画命令を送ることなどにより、例えば図102(H)に示すような報知情報71Bを、第4可変表示装置8Dに表示させるようにしてもよい。この報知情報71Bにより、遊技者は、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が再開されたことを認識することができる。
また、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるときに、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、第1可変表示装置8Aにより実行中の特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行と、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示の進行とを、中断させるようにしてもよい。この場合には、第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理として、図68に示す可変表示停止時処理を第2可変表示装置8Bに適合させた処理を実行すればよく、第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理として、図69に示す大当り終了処理を第2可変表示装置8Bに適合させた処理を実行すればよい。加えて、第1特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理(図62のステップS112)では、図70に示す可変表示制御処理を第1可変表示装置8Aに適合させた処理を実行する。さらに、演出制御基板80の側では、演出制御用マイクロコンピュータ118が、第1演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される図柄可変表示中処理(図80のステップS735)では、図84に示す図柄可変表示中処理を第3可変表示装置8Cに適合させた処理を実行する。
第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて可変表示結果が確変大当りになったことにもとづく大当り遊技状態が終了するときには、第1確変確定フラグがオンであることから(図69のステップS283;Yes)、確変中フラグがオン状態にセットされるとともに(ステップS284)、可変表示回数カウンタ123のカウント値が特別遊技中可変表示回数初期値にセットされる(ステップS285)。第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて可変表示結果が確変大当りになったことにもとづく大当り遊技状態が終了するときには、第2確変確定フラグがオンであることから、確変中フラグがオン状態にセットされるとともに、可変表示回数カウンタ123のカウント値が特別遊技中可変表示回数初期値にセットされる。
こうして確変中フラグがオン状態にセットされた後に、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームが開始されるときには、図63に示すステップS237の確変終了判定処理が実行されることにより、確率変動状態から時間短縮状態へと移行させるか否かの判定が行われる(図64のステップS403)。また、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームが開始されるときにも、図63に示すステップS237と同様の確変終了判定処理を実行して、確率変動状態から時間短縮状態へと移行させるか否かを判定するようにしてもよい。そして、確変制御による確率変動状態を終了する旨の判定がなされたときには(図64のステップS403;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態とする一方で、時短中フラグをオン状態にセットする(ステップS404)。確変中フラグがオン状態であるときには、図65に示す大当り・確変判定処理などにて、増加判定値データが判定値データに設定されるので(ステップS412)、特図ゲームにおける可変表示結果を大当り図柄とする旨の判定がなされる確率が、通常遊技状態に比べて高くなる。
また、確変中フラグがオンであるときや(図66のステップS254;Yes)、時短中フラグがオンであるときには(ステップS255;Yes)、図60(B)に示す特別時可変表示パターン決定テーブル151を参照して可変表示パターンを決定することにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が、通常遊技状態のときに比べて短くなるように設定される。そして、図66に示すステップS260の特別遊技状態終了判定処理を実行することで、確率変動状態や時間短縮状態などの特別遊技状態を終了するか否かの判定が行われる。これにより、特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されるときに、確率変動状態や時間短縮状態を終了するか否かの判定がなされ、終了する旨の判定がなされた場合には、確変中フラグのクリア(図67のステップS434)や時短中フラグのクリア(ステップS435)が行われるとともに演出制御基板80に終了コマンドが送信される。
例えば、特別遊技中可変表示回数初期値が「100」である場合に、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当り図柄となったことにもとづく大当り遊技状態が終了した後、図103に示すタイミングT1にて第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示が終了したとする。これに続いて、確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後において100回目となる特図ゲームの開始条件がタイミングT2にて成立したときには、図67に示す特別遊技状態終了判定処理のステップS431にて可変表示回数カウンタ123のカウント値が1減算されることにより、可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」になる(ステップS432;Yes)。このとき、確変中フラグがオンであれば確変中フラグがクリアされてオフ状態となり(ステップS434)、時短中フラグがオンであれば時短中フラグがクリアされてオフ状態となる(ステップS435)。これにより、図103(C)に示すように、確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後において100回目となる特図ゲームが開始されるタイミングT2にて、確変制御による確率変動状態や時間短縮状態における可変表示時間の設定から、確率変動状態や時間短縮状態以外の通常遊技状態における可変表示時間の設定へと切り換えられることになる。また、確変中フラグがクリアされてオフ状態になると、図65に示す大当り・確変判定処理ではステップS413にて通常判定値データが判定値データに設定されることになるので、確率変動状態が終了することに対応した適切なタイミングで大当りとなる確率を通常遊技状態時と同一の確率に戻すことができる。
こうしてタイミングT2にて確変中フラグや時短中フラグがクリアされてオフ状態となることにより、例えばタイミングT3にて確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後において101回目となる特図ゲームが開始されるときには、100回目となる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が終了していなくても、図60(A)に示す通常時可変表示パターン決定テーブル150を参照して可変表示パターンの決定が行われる。このように、この実施の形態では、確率変動状態や時間短縮状態の可変表示が過剰に実行されることを防止でき、遊技者によって不公平が発生しないようにしている。
ここで、盤用外部端子板104からパチンコ遊技機1の外部へ出力される信号は、特別遊技状態中に開始された特図ゲームが終了したときに、その出力レベル(例えば電圧レベル)が切り換えられることにより、特別遊技状態であることを示す信号の出力が停止される。例えば、タイミングT2にて第1可変表示装置8Aによる特図ゲームの開始条件が成立したときに、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンが、通常Cの可変表示パターンに決定されたものとする。そして、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームが開始された後のタイミングT3にて第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの開始条件が成立したときに、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示における可変表示パターンが通常Aの可変表示パターンに決定された場合には、通常Aの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti1が通常Cの可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間Ti3に比べて短くなるように定められていることから、第2可変表示装置8Bによる101回目の特図ゲームは、第1可変表示装置8Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングT5よりも早いタイミングT4にて終了することがある。
この場合、例えば主基板31に搭載されたCPU56が盤用外部端子板104における信号の出力レベルを切換制御することにより、第1可変表示装置8Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングT5にて、例えば特別遊技状態中であることを示すローレベルから、特別遊技状態ではないことを示すハイレベルへと切り換える。確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態に制御されているときには、例えば第3および第4可変表示装置8C、8Dによる飾り図柄の可変表示において、特別遊技状態であることを報知ための画像が表示されることがある。この場合、特別遊技状態であることを報知するための画像が表示されている間は、遊技者がパチンコ遊技機1は特別遊技状態に制御されているものと認識し、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が大当りになることに対する期待感が高められる。この実施の形態では、こうした特別遊技状態にて実行された特図ゲームが終了するタイミングにて遊技情報の出力レベルを切り換えることで、正確な遊技状態を示す遊技情報の出力を可能にする。これにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に接続された計測装置などにて、正確な遊技状態を示す遊技情報を用いて、確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態にて特図ゲームが実行された回数、あるいは、特別遊技状態中に大当りとなったか否かなどを、正確に特定(計測)することができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技機への電源投入が開始されてからタイマ割込設定を行うまでに乱数回路503の初期設定(乱数回路設定処理)を行うとともに、乱数回路設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバにもとづく値を乱数の初期値として設定する。そのため、乱数回路503が生成する乱数のランダム性を向上させることができる。また、乱数のランダム性を向上させることができるので、乱数生成のタイミングを遊技者や遊技店に認識されにくくすることができ、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させることによって、大当り状態などの特定遊技状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、シリアル通信回路505が割り込み要求を行った場合に、通信エラーを割込原因とする場合の割込処理を優先的に実行し、通信を禁止状態に制御する。そのため、通信エラーが発生した状態で遊技機に搭載されている払出制御基板100と通信を行うことを防止できる。よって、通信エラーによる誤動作を防止することができる。
例えば、シリアル通信回路505においてオーバーランが発生すると、受信データレジスタ711内の受信データが読み込まれる前に受信用シフトレジスタ713に次の受信データが格納されてしまうので、受信データレジスタ711の内容が上書きされてしまい遊技制御用マイクロコンピュータ560が受信データを正しく読み込めなくなってしまう。そのため、各制御基板と正しく通信を行えなくなり、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、オーバーランが発生すると、シリアル通信回路505が通信エラー時割込要求を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ560が通信を禁止状態に制御する。そのため、オーバーランの発生によって遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作することを防止することができる。
また、例えば、シリアル通信回路505においてノイズエラーが発生すると、ノイズによって正しい受信データを受信できない可能性が高く、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、ノイズエラーが発生すると、シリアル通信回路505が通信エラー時割込要求を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ560が通信を禁止状態に制御する。そのため、ノイズエラーの発生によって遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作することを防止することができる。
また、例えば、シリアル通信回路505においてフレーミングエラーが発生すると、受信データのストップビットを正しく受信できなかった状態であるので、正しい受信データを受信できない可能性が高く、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、フレーミングエラーが発生すると、シリアル通信回路505が通信エラー時割込要求を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ560が通信を禁止状態に制御する。そのため、フレーミングエラーの発生によって遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作することを防止することができる。
また、例えば、シリアル通信回路505においてパリティエラーが発生すると、受信データの各データビットまたはパリティビットを正しく受信できなかった状態であるので、正しい受信データを受信できない可能性が高く、遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作をする原因となる。この実施の形態では、パリティエラーが発生すると、シリアル通信回路505が通信エラー時割込要求を行い、遊技制御用マイクロコンピュータ560が通信を禁止状態に制御する。そのため、パリティエラーの発生によって遊技制御用マイクロコンピュータ560が誤動作することを防止することができる。
また、この実施の形態では、シリアル通信回路505において通信エラーが発生すると、払出制御基板100への賞球個数コマンドの送信と、払出制御基板100からの賞球ACKコマンドの受信とを禁止するように制御する。例えば、通信エラーの発生時に賞球個数コマンドを払出制御基板100に送信してしまうと、誤った賞球個数コマンドが送信されてしまう可能性がある。そのため、誤った賞球個数コマンドに示される賞球数にもとづいて誤った数の遊技球が払い出されてしまう可能性があり、遊技結果に影響を及ぼす虞がある。この実施の形態では、通信エラーが発生すると、払出制御基板100への賞球個数コマンドの送信を禁止するように制御するので、誤った賞球コマンドにもとづいて誤った数の遊技球の払出が行われ、遊技結果に影響を及ぼしてしまうことを防止することができる。
なお、シリアル通信回路505において通信エラーが発生すると、各制御基板からのデータの受信のみを防止するようにしてもよい。例えば、遊技制御手段と演出制御手段との間でシリアル通信を行う場合を考える。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータとの間で行われる通信は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータへの演出制御コマンドの送信だけであり、演出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータ560へのコマンドの送信はない。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータとの間では、一方向だけの通信が行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御基板80に誤った演出制御コマンドが送信されたとしても、可変表示装置8C,8Dに誤った演出用の表示が行われるだけであり、誤った払出処理を実行してしまう場合と比較して、遊技結果に与える影響が小さい。そのため、遊技制御手段と演出制御手段との間でシリアル通信を行う場合、シリアル通信回路505において通信エラーが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、データの受信のみを禁止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、乱数回路503の反転回路532が極性を反転させた反転クロック信号SI2を生成し、反転クロック信号SI2に同期して乱数の記憶を指示するためのラッチ信号を出力する。そのため、乱数を更新するタイミングと乱数値記憶回路531に乱数を記憶させるタイミングとをずらすことができ、生成した乱数を安定して確実に記憶させることができる。
上述した例では、ラッチ信号生成回路533に入力するクロック信号を反転させて、乱数を更新するタイミングと乱数値記憶回路531に乱数を記憶させるタイミングとをずらすようにしたが、ラッチ信号生成回路533に入力するクロック信号を遅延させるようにしてもよい。以下、ラッチ信号生成回路533に入力するクロック信号を遅延させる例について説明する。
なお、本実施の形態において、上述した実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上述した実施の形態と異なる部分について説明する。
図104は、乱数回路503の他の構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態において、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとの基本的な構成は同じである。図104に示すように、この実施の形態では、乱数回路503が、図9で示した反転回路532に代えて遅延回路532Aを含む点で、第1の実施の形態と異なる。
遅延回路532Aは、クロック信号出力回路524から入力する乱数発生用クロック信号SI1を遅延させることによって、クロック信号を遅延させた遅延クロック信号SI4を生成する。また、遅延回路532Aは、生成した遅延クロック信号SI4をラッチ信号生成回路533に出力する。従って、この実施の形態では、ラッチ信号生成回路533は、乱数発生用クロック信号SI1を遅延させた遅延クロック信号SI4に同期して、乱数値記憶回路531にラッチ信号を出力することになる。
なお、遅延回路532A以外の乱数回路503の各構成要素の基本的な機能は、第1の実施の形態で示したそれらの機能と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態では、乱数回路503の遅延回路532Aが遅延クロック信号SI4を生成し、遅延クロック信号SI4に同期して乱数の記憶を指示するためのラッチ信号を出力する。そのため、乱数を更新するタイミングと乱数値記憶回路531に乱数を記憶させるタイミングとをずらすことができ、生成した乱数を安定して確実に記憶させることができる。
上記に示した各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が通信エラー時の割込処理を他の割込処理に優先して実行する場合を説明したが、通信エラー時の割込処理以外の割込処理(例えば、受信時の割込処理)を優先して実行するようにしてもよい。以下、受信時の割込処理を優先して実行する例について説明する。
なお、本実施の形態において、上述した実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上述した実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図44および図45と同様の処理に従ってメイン処理を実行する。メイン処理において、ステップS1からステップS14aまでの処理(ステップS81からステップS87の処理、ステップS91からステップS94までの処理を含む)は、上述した実施の形態で示したそれらの処理と同様である。また、ステップS15からステップS19までの処理は、上述した実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS14aのシリアル通信回路設定処理を実行し、シリアル通信回路505を初期設定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS14b)。この実施の形態では、あらかじめ指定情報においてシリアル通信回路505が受信データを受信したことを割込原因とする割込処理が指定されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、指定情報にもとづいて、受信データを受信したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。すなわち、この実施の形態では、図46に示す割込処理優先順位テーブルにおいて、シリアル通信回路505において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するようにデフォルトで設定されているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザによって設定された指定情報にもとづいて、受信データを受信したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように割込処理の優先順位を変更する。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信データを受信したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す受信時割込優先実行フラグをセットする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、メイン処理におけるステップS16からステップS19までのループ処理において、割り込み許可状態である間にシリアル通信回路505からの割り込み要求があると、図90に示す処理に従って、シリアル通信回路505が割り込み要求を行った割り込み原因に応じた割り込み処理を実行する。
CPU56は、いずれの割込処理を優先して実行する旨が初期設定されているか否かを判断する。例えば、CPU56は、いずれの割込処理を優先して実行する旨のフラグがセットされているか否かを判断する。この実施の形態では、CPU56は、受信時割込優先実行フラグがセットされていることにもとづいて、受信データを受信したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する。
シリアル通信回路505から割り込み要求があると、CPU56は、シリアル通信回路505のステータスレジスタA705の各ビットを確認し、割り込み原因を特定する。この実施の形態では、CPU56は、ステータスレジスタA705のビット5を優先的に確認し、割り込み原因を特定する。すなわち、CPU56は、シリアル通信回路505が受信データを受信したことを割り込み原因として割り込み要求したか否かを、他の割り込み原因(通信エラーの発生または送信データの送信完了)に優先して判断する。ステータスレジスタAのビット5が「1」であると判断すると、CPU56は、割り込み原因が、シリアル通信回路505が受信データを受信したことであると特定する。
割り込み原因が、シリアル通信回路505が受信データを受信したことであると特定すると、CPU56は、図90(b)に示す受信時割込処理を優先して実行する。この場合、CPU56は、シリアル通信回路505が受信データを受信していることを示す受信時割込フラグをセットする(ステップS42)。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理において、割込許可状態に設定する前に、割込処理の優先順位を初期設定する。そのため、複数種類の割込原因に対応する割込処理のうち、優先して実行させるべき割込処理を確実に実行することができる。また、優先して実行させる割込処理を初期設定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560に実行させるプログラムの自由度を向上させることができる。
例えば、賞球処理における受信処理(例えば、ステップS1234の賞球ACK待ち処理)において、ステータスレジスタA705の各ビットを確認し、シリアル通信回路505で通信エラーが発生しているか否かを判断するようなプログラムを組んでいる場合、通信エラーの発生を割込原因とする割込処理を実行しなくても、通信エラーの発生時にコマンドを受信しないように制御できる。従って、受信処理において通信エラーの発生を確認するようなプログラムを組んでいる場合には、データを受信したことを割込原因とする割込処理を優先して実行することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560に実行させるプログラムの自由度を向上させることができる。
次に、上記に示した各実施の形態における遊技機の他の一例であるスロット機(スロットマシン)の全体の構成について説明する。図105はスロット機を正面からみた正面図である。
図105に示すように、スロット機600は、中央付近に遊技パネル601が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル601の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置602が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置602には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール602a,602b,602cが設けられている。
遊技パネル601の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル620が設けられている。操作テーブル620の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ621、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ622、精算スイッチ623、およびコイン投入口624が設けられている。コイン投入口624に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
操作テーブル620の手前側には、スタートスイッチ625、左リールストップスイッチ626a、中リールストップスイッチ626b、右リールストップスイッチ626cおよびコイン詰まり解消スイッチ627が設けられている。操作テーブル620の手前左右には、それぞれランプ628a,628bが設けられている。操作テーブル620の下部には、効果音等を出力するスピーカ630が設けられている。
遊技パネル601の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)640が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置640に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。また、画像表示装置640の左右には、効果音を発する2つのスピーカ641L,641Rが設けられている。
なお、スロット機600で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機600では、スタートスイッチ625を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機600の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なように図柄表示リール602a〜602cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないように図柄表示リール602a〜602cが制御される。
なお、スロット機600の遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータは、乱数を発生する乱数回路(12ビット乱数回路および16ビット乱数回路)を内蔵する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、スタートスイッチ625を操作したタイミングで、乱数回路が発生した乱数(ランダムR)を抽出する。例えば、スタートスイッチ625が押下されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スタートスイッチ625から検出信号SSを入力する。また、乱数回路のタイマ回路534は、所定時間継続して検出信号SSが入力されたことを検出すると、乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込み、ラッチ信号生成回路533がラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力する。ラッチ信号SLを入力すると、乱数値記憶回路531は、カウンタ521が更新したカウント値を読み込んで記憶する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定回数(例えば、3回)継続して検出信号SSが入力されたことを検出すると、出力制御用信号SCを乱数回路の乱数値記憶回路に出力し、乱数回路から乱数値(ランダムR)を抽出する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータは、抽出したランダムRにもとづいて入賞の発生を許容するか否かを決定する。
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。例えば、コイン投入口624からコインが投入されBETスイッチ621又はMAXBETスイッチ622が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ625の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ625が操作されると、可変表示装置602に設けられている各図柄表示リール602a〜602cが回転を始める。また、スタートスイッチ625を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置640に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
各図柄表示リール602a〜602cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ626a〜626cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ626a〜626cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール602a〜602cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール602a〜602cが自動的に停止する。
すべての図柄表示リール602a〜602cが停止した時点で、可変表示装置602に表示されている各図柄表示リール602a〜602cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置602における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置602における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置602における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置640の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
スロット機600では、スロット機600に搭載されている演出制御手段が、スロット機600に設けられている画像表示装置640の表示制御を行う。画像表示装置640には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。そのような、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報の表示をムービー画像により行い、そのムービー画像の表示制御を画像表示装置640によって行うようにすればよい。
以上説明したように、この発明によれば、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれか一方による特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されたことにより大当り遊技状態に制御されるときに、他方の可変表示装置による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、実行中である特別図柄の可変表示の進行が中断されるとともに、経過時間の計測が中断される。その後、大当り遊技状態が終了するときには、中断されていた特別図柄の可変表示が再開されるとともに、経過時間の計測も再開される。これにより、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とが競合することを防止できるとともに、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける可変表示結果が導出表示される以前において、大当りとなるか否かを予め認識することが困難になり、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、第1特別可変入賞球装置13Aおよび第2特別可変入賞球装置13Bにおける開閉動作による大当り遊技状態が同時に発生可能とした場合には、第1特別可変入賞球装置13Aおよび第2特別可変入賞球装置13Bのいずれか一方に入賞することなく遊技領域7を落下して排出されるべき遊技球が、他方の入賞球装置に入賞することによって、短時間に多くの賞球が払い出されてしまうことがある。これに対して、この発明によれば、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とを競合させないように制御して、第1特別可変入賞球装置13Aおよび第2特別可変入賞球装置13Bが両方同時に開閉動作を行うことによる大当り遊技状態を発生させないことで、パチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められてしまうことを防止でき、遊技者にとって極端に有利になることを防止できる。
また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるときに、可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」になると、確変中フラグや時短中フラグがクリアされてオフ状態となり、確変制御による確率変動状態や時間短縮状態における可変表示時間の設定から、確率変動状態や時間短縮状態以外の通常遊技状態における可変表示時間の設定へと切り換えられる。また、確変中フラグがクリアされてオフ状態となるときには、大当りとなる確率を通常遊技状態時と同一の確率に戻すことができる。これに対して、確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態を終了する旨の決定がなされたにもかかわらず特別遊技状態であることを示す状態データが変更されない場合には、状態データが変更されるまでの間に開始される特図ゲームが、特別遊技状態が継続する場合と同様に遊技者にとって有利なものとなってしまい、遊技の公平性が阻害される。そこで、特図ゲームを開始するときに確率変動状態や時間短縮状態といった特別遊技状態を終了する決定がなされたときには、その特図ゲームが開始される時点で確変中フラグや時短中フラグをクリアするように状態データを変更することで、遊技者に不公平が発生しないようにする。
確変大当りにもとづく大当り遊技状態が終了するときには、図69に示すステップS285にて可変表示回数カウンタ123のカウント値が特別遊技中可変表示回数初期値にセットされて、確変制御による確率変動状態が開始される。その後、特図ゲームを開始するときに図63に示すステップS237などにて確変終了判定処理が実行され、確変制御による確率変動状態を終了する旨の判定がなされた場合には、図64に示すステップS404にて時短中フラグがオン状態にセットされることにより、時間短縮状態に制御される。そして、確率変動状態や時間短縮状態などの特別遊技状態中に特図ゲームが開始されるときに、図66に示すステップS260にて特別遊技状態終了判定処理が実行されることにより、可変表示回数カウンタ123のカウント値が「0」になるまで、特別遊技状態に継続制御する。このため、確変制御による確率変動状態が終了した後の時間短縮状態にて実行可能な特図ゲームの回数は、確変終了判定処理にて確率変動状態を終了する旨の判定がなされた時点での特図ゲームの実行回数に応じて変化することになる。すなわち、確率変動状態と時間短縮状態を含めた特別遊技状態にて実行可能な特図ゲームの回数は特別遊技中可変表示回数初期値に対応した特図ゲームの実行回数に固定される一方で、確率変動状態にて実行できる特図ゲームの回数と、時間短縮状態にて実行できる特図ゲームの回数は、確変終了判定処理における判定結果に応じて変化させることができる。これにより、時間短縮状態よりも有利な確率変動状態にて実行できる特図ゲームの回数に対する遊技者の期待感が高められ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されるときに実行中である特別図柄の可変表示の進行を中断させるときには、例えば図102(B)、(D)、(F)および(I)に示すような報知情報71Aやキャラクタ画像71Cを表示させることで、可変表示の進行が中断している旨を報知することができる。この報知により遊技者は、特別図柄の可変表示が進行しないことを認識することができるので、特別図柄の可変表示が進行せずに確定図柄が停止表示されないことに対する不信感を持つことがない。
また、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されるときに実行中である特別図柄の可変表示の進行を中断させるときには、ハズレ図柄となる特別図柄や、ハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。これにより遊技者は、特別図柄の可変表示が進行せずに確定図柄が停止表示されないことに対する不信感を持つことがない。
第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて可変表示結果を大当り図柄とする旨の決定がなされたときには、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が実行される期間における第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示にて、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームでの可変表示結果が大当り図柄となる旨を予告する予告演出となる所定の演出表示を実行することができる。こうした演出表示により、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームの実行中に第3可変表示装置8Cにて行われる飾り図柄の可変表示と、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームの実行中に第4可変表示装置8Dにて行われる飾り図柄の可変表示のいずれにも、遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確率変動状態や時間短縮状態などの特別遊技状態であることを示す遊技情報をパチンコ遊技機1の外部へ出力する場合には、特別遊技状態中に開始された特図ゲームが終了したときに、その出力レベル(例えば電圧レベル)を切り換える。これにより、遊技状態を正確に反映した遊技情報を出力することができる。
また所定周期のクロック信号を生成し、乱数回路(例えば、乱数回路503)に出力するクロック信号生成手段(例えば、クロック回路501)を備え、数値更新手段(例えば、カウンタ521)は、クロック信号を所定回数入力したことを条件に、数値データ(例えば、カウント値)を更新し(例えば、クロック信号出力回路524が基準クロック信号CLKを16分周した乱数発生用クロック信号SIを入力すると、カウンタ521がカウント値Cを更新する部分)、乱数回路初期設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS14を実行する部分)は、初期設定において、数値更新手段が数値データを更新する条件であるクロック信号の入力回数を設定する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS156を実行する)。このように、数値更新手段が数値データを更新する条件であるクロック信号の入力回数をあらかじめ設定するように構成されているので、乱数回路が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、乱数回路初期設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS14を実行する部分)によって設定される数値データ(例えば、カウント値)の所定の初期値を、マイコン識別情報(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバ)を用いて演算する数値演算手段(例えば、遊技用マイクロコンピュータにおけるステップS154bの処理を実行する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバに所定値を加算して)演算値を求める部分)を含み、乱数回路初期設定手段は、数値演算手段による演算によって算出された値にもとづいて初期値を設定する(例えば、遊技用マイクロコンピュータがステップS154bの処理を実行する際に、求めた演算値をカウント値の初期値として設定する)。このように、マイコン識別情報を用いた演算によって算出された値にもとづいて初期値を設定するように構成されているので、乱数回路が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。そのため、マイコン識別情報を見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができ、セキュリティ性を向上させることができる。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)は、遊技領域(例えば、遊技領域7)における入賞領域(例えば、普通入賞球装置12A、普通可変入賞球装置12B)に遊技媒体が入賞し、所定の始動条件が成立したことを検出して入賞検出信号(例えば、入賞検出信号SS)を出力する入賞検出手段(例えば、第1始動口スイッチ20a、第2始動口スイッチ20b)を備え、乱数回路(例えば、乱数回路503)は、入賞検出手段からの入賞検出信号が入力されたことにもとづいて、数値更新手段(例えば、カウンタ521)が更新する数値データ(例えば、カウント値)を乱数記憶手段(例えば、乱数値記憶回路531)に記憶させる指示をするためのラッチ信号を出力するラッチ信号出力手段(例えば、ラッチ信号生成回路533)を含み、ラッチ信号出力手段は、入賞検出手段から入賞検出信号が所定期間継続して入力されたことを条件(例えば、タイマ回路534が所定期間(例えば、3ms)を計測したときに、乱数値読取信号出力回路526から出力される乱数値読取信号を入力したこと)に、ラッチ信号を出力する(例えば、ラッチ信号生成回路533が、乱数値読取信号出力回路526から出力される乱数値読取信号を、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する部分)。このように、ラッチ信号が出力されたことにもとづいて乱数記憶手段が乱数を記憶するにあたって、所定期間に亘って継続して入賞検出信号が入力されたことを条件にラッチ信号を出力するように構成されているので、ノイズの発生を入力検出信号の入力と誤認識してラッチ信号を出力し、生成した乱数を記憶してしまうことを防止できる。また、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によってラッチ信号が出力され、不正なラッチ信号によって生成された乱数を記憶させられてしまう可能性を低減することができる。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)は、遊技領域(例えば、遊技領域7)における入賞領域(例えば、普通入賞球装置12A、普通可変入賞球装置12B)に遊技媒体が入賞し、所定の始動条件が成立したことを検出して入賞検出信号(例えば、入賞検出信号SS)を出力する入賞検出手段(例えば、第1始動口スイッチ20a、第2始動口スイッチ20b)を備え、乱数回路(例えば、乱数回路503)は、入賞検出手段からの入賞検出信号が入力されたことにもとづいて、数値更新手段(例えば、カウンタ521)が更新する数値データ(例えば、カウント値)を乱数記憶手段(例えば、乱数値記憶回路531)に記憶させる指示をするためのラッチ信号を出力するラッチ信号出力手段(例えば、ラッチ信号生成回路533)を含み、ラッチ信号出力手段は、入賞検出手段から入賞検出信号が所定期間継続して入力されたことを条件に、ラッチ信号を出力し(例えば、ラッチ信号生成回路533が、乱数値読取信号出力回路526から出力される乱数値読取信号を、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する部分)、乱数読出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS204b,S209bを実行する部分)は、割込処理実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS21〜ステップS35を実行する部分)によってタイマ割込処理が所定回数実行される間継続して、入賞検出手段から入賞検出信号が入力されたことを条件(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560によるステップS203の処理の実行の際に、割込回数カウンタに示されるタイマ割込処理の実行回数が所定回数(例えば、3回)に達していること)に、乱数記憶手段が記憶する乱数値を読み出し(例えば、CPU56が、乱数回路503の乱数値記憶回路531から、乱数値として記憶されているランダムRの値を読み出し)、所定期間(例えば、3ms)は所定回数のタイマ割込処理が実行される期間(例えば、6ms)よりも短くなる。このように、乱数記憶手段から乱数を読み出すにあたって、タイマ割込処理が所定回数実行される間継続して入賞検出信号が入力されたことを条件に乱数記憶手段から乱数を読み出すように構成されているので、乱数を読み出してから、乱数記憶手段に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができる。そのため、前回乱数記憶手段から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止することができる。
また、乱数回路初期設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS14を実行する部分)は、初期設定において、数値更新手段(例えば、カウンタ521)が更新する数値データ(例えば、カウント値)の所定の初期値から所定の最終値までの値の並び順(例えば、カウンタ521が更新するカウント値Cの順列)を変更するか否かを設定する数値順設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS158を実行する部分)を含み、乱数回路(例えば、乱数回路503)は、数値更新手段によって所定の最終値まで数値データが更新されたときに、数値データが所定の最終値まで更新された旨を示す通知信号を出力する通知信号出力手段(例えば、カウンタ521の出力端子)と、通知信号が出力されたことにもとづいて、乱数回路初期設定手段によって、数値データの所定の初期値から所定の最終値までの並び順を変更する設定がされているときに、数値更新手段が更新する数値データの所定の初期値から所定の最終値までの並び順を変更する数値順変更手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS25を実行する部分)と、を含む。このように、数値データを所定の最終値まで更新したときに、所定の初期値から所定の最終値までの並び順を更新するように構成されているので、乱数回路が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)への電力供給が開始されたときに、タイマ割込設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS15を実行する部分)によりタイマ割込の設定がされる前に、シリアル通信回路(例えば、シリアル通信回路505)の初期設定を行うシリアル通信回路初期設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップSを実行する部分)を含み、割込要求手段(割り込み制御回路714)が発生させる割込要求は、シリアル通信回路が制御用CPU(例えば、CPU56)以外のCPUを内蔵したマイクロコンピュータ(例えば、払出制御用マイクロコンピュータ660)からデータを受信したときに発生させる受信時割込要求(例えば、シリアル通信回路505が、受信データフルを検出したときに行う受信時割り込み要求)を含み、シリアル通信回路初期設定手段は、優先処理手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップSを実行する部分)が優先して実行する割込処理の優先順位を変更する設定を、タイマ割込設定手段によりタイマ割込の設定がされる前に行う優先順位変更手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、ステップSを実行する際に、受信時割込優先実行フラグを設定する部分)を含み、優先処理手段は、優先順位変更手段によって割込処理の優先順位が、エラー時割込要求(例えば、通信エラー時割込要求)にもとづく割込処理よりも受信時割込要求にもとづく割込処理を、エラー時割込要求にもとづく割込処理に優先して実行する。
また、第1の始動条件が成立(例えば、普通入賞球装置12Aに遊技球が入賞)したことにもとづいて識別情報の可変表示を行う第1表示装置(例えば、第1可変表示装置8A、第3可変表示装置8C)と、第2の始動条件が成立(例えば、普通可変入賞球装置12Bに遊技球が入賞)したことにもとづいて識別情報の可変表示を行う第2表示装置(例えば、第2可変表示装置8B、第4可変表示装置8D)と、を備え、遊技制御用マイクロコンピュータは、第1の始動条件が成立(例えば、普通入賞球装置12Aに遊技球が入賞)したことにもとづいて第1表示装置における識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果(例えば、大当り図柄)とするか否かを当該識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される以前に判定する第1事前判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の特別図柄通常処理(ステップS110)にて大当り・確変判定処理(ステップS238)を実行する部分)と、第2の始動条件が成立(例えば、普通可変入賞球装置12Bに遊技球が入賞)したことにもとづいて第2表示装置における識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果(例えば、大当り図柄)とするか否かを当該識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される以前に判定する第2事前判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26b)の特別図柄通常処理にて大当り・確変判定処理を実行する部分)と、第1事前判定手段の判定結果に応じて第1表示装置において識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を予め定められた複数種類の可変表示時間のうちからいずれか1つの可変表示時間に決定する第1可変表示時間決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示開始時処理(ステップS111)を実行する部分)と、第2事前判定手段の判定結果に応じて第2表示装置において識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を予め定められた複数種類の可変表示時間のうちからいずれか1つの可変表示時間に決定する第2可変表示時間決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26b)の可変表示開始時処理(ステップS111)を実行する部分)と、第1表示装置において識別情報の可変表示が開始されてからの可変表示時間の経過時間を計測する第1時間計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示開始時処理(ステップS111)で第1可変表示時間タイマ122Aを設定し、可変表示制御処理(ステップS112)で第1可変表示時間タイマ122Aを減算する部分)と、第2表示装置において識別情報の可変表示が開始されてからの可変表示時間の経過時間を計測する第2時間計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26b)の可変表示開始時処理で第2可変表示時間タイマ122Bを設定し、可変表示制御処理のステップS332で第2可変表示時間タイマ122Aを減算する部分)と、第1時間計測手段による計測によって第1可変表示時間決定手段により決定された可変表示時間が経過したか否かを判定する第1計測判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示制御処理(ステップS112)で第1可変表示時間タイマ122Aが0となったか判定する部分)と、第2時間計測手段による計測によって第2可変表示時間決定手段により決定された可変表示時間が経過したか否かを判定する第2計測判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26b)の可変表示制御処理のステップS333で第2可変表示時間タイマ122Bが0となったか判定する部分)と、を備え、第1時間計測手段は、第1表示装置にて識別情報の可変表示が実行されているときに、第2表示装置に特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて可変表示時間の経過時間の計測を中断し、第2表示装置に特定表示結果が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態が終了したときに経過時間の計測を再開する第1計測中断再開手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示制御処理(ステップS112)で可変表示進行停止フラグがオンであれば第1可変表示時間タイマ122Aを減算することなく第1可変表示装置特別図柄動作設定を実行する部分)を含む。このように、第2表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに第1表示装置にて識別情報の可変表示が実行されていると、第1時間計測手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測が中断される。その後、当該特定遊技状態が終了したときに経過時間の計測が再開される。これにより、第1表示装置における識別情報の可変表示の表示結果にもとづく特定遊技状態と、第2表示装置における識別情報の可変表示の表示結果にもとづく特定遊技状態とが同時に発生することを防止することができる。また、第2表示装置に特定表示結果が導出表示されるまでは第1表示装置にて識別情報の可変表示が進行するため、第1表示装置に特定表示結果が導出表示されることを遊技者が認識することは困難である。
また、第1計測中断再開手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示制御処理(ステップS112)で可変表示進行停止フラグがオンであれば第1可変表示時間タイマ122Aを減算することなく第1可変表示装置特別図柄動作設定を実行する部分)によって経過時間の計測が中断されているときに、第1表示装置(例えば、第1可変表示装置8A、第3可変表示装置8C)における識別情報の可変表示が継続している旨を報知する制御を行う第1可変表示継続中報知制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示停止時処理(ステップS113)で可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行って、演出図柄コマンド制御処理(ステップS28)で演出制御基板80に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ118により第1演出制御プロセス処理(ステップS611)の図柄可変表示中処理(ステップS735)にて進行停止中報知表示制御設定(ステップS505)を実行することにより例えば、図74(B)、(D)、(F)、(I)に示す報知情報71Aや、図74(I)に示すキャラクタ画像71Cを第4可変表示装置8Dに表示させる部分)をさらに含む。このように、第1計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときに、第1可変表示継続中報知制御手段の制御によって、第1表示装置における識別情報の可変表示が継続している旨の報知が行われる。これにより、第1計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されることにより第1表示装置における識別情報の可変表示が進行しないときでも、遊技者に不信感を与えることがない。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、第1計測中断再開手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示制御処理(ステップS112)で可変表示進行停止フラグがオンであれば第1可変表示時間タイマ122Aを減算することなく第1可変表示装置特別図柄動作設定を実行する部分)によって経過時間の計測が中断されているときに、特定表示結果(例えば、大当り図柄)とは異なる非特定表示結果(例えば、はずれ図柄)を第1表示装置(例えば、第1可変表示装置8A、第3可変表示装置8C)に表示させる制御を行う(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS331にてYESと判定したときに第2可変表示装置8Bにてハズレ図柄を停止表示させる部分、および演出制御用マイクロコンピュータ118がステップS505の処理を実行することにより、第4可変表示装置8Dにてハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示させる部分)。このように、第1計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときに、第1表示装置に特定表示結果とは異なる非特定表示結果が表示される。これにより、第1計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されることにより第1表示装置における識別情報の可変表示が進行しないときでも、遊技者に不信感を与えることがない。
また、第1事前判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の機能であって、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の特別図柄通常処理(ステップS110)にて大当り・確変判定処理(ステップS238)を実行する部分)により特定表示結果(例えば、大当り図柄)とする旨の判定がなされたことにもとづく識別情報の可変表示が実行されるときに、第1表示装置(例えば、第1可変表示装置8A、第3可変表示装置8C)における識別情報の可変表示結果が特定表示結果となることを予告する予告演出を実行する旨の決定を行う予告演出決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄プロセス処理(ステップS26a)の可変表示開始時処理(ステップS111)を実行することにより、第1大当りフラグがオンである場合に予告演出を実行するための設定を行う部分など)と、予告演出決定手段によって予告演出を実行する旨の決定がなされたときに、第2表示装置(例えば、第2可変表示装置8B、第4可変表示装置8D)にて予告演出を実行する制御を行う予告演出制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを開始するときに、第2特別図柄プロセスフラグの値が"1"であることに対応して可変表示開始時処理を実行することにより、第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示において予告演出を実行するための可変表示パターンに決定する部分や、演出制御用マイクロコンピュータ118が主基板31からの第2可変表示パターンコマンドにより指定された可変表示パターンに従って第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示を開始することにより、例えば、図73(H)及び(J)に示すような画像を第4可変表示装置8Dに表示させる部分など)と、を備える。このように、第1事前判定手段によって特定表示結果とする旨の判定がなされたことにもとづく識別情報の可変表示が実行されるときに、予告演出決定手段によって予告演出を実行する旨の決定がなされたことにもとづき、予告演出制御手段の制御によって、第2表示装置にて予告演出が実行される。これにより、第1表示装置に特定表示結果が導出表示されるときに、第2表示装置にて第1表示装置における識別情報の可変表示結果が特定表示結果となることを予告する予告演出が実行されるため、遊技者に第1表示装置および第2表示装置のいずれにも興味を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、上記実施の形態では、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにて可変表示結果を大当り図柄とする旨の決定がなされたときには、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームおよび第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示が実行される期間における第4可変表示装置8Dによる飾り図柄の可変表示にて、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームでの可変表示結果が大当り図柄となる旨を予告する予告演出を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、さらに、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて可変表示結果を大当り図柄とする旨の決定がなされたときに、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームおよび第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示が実行される期間における第3可変表示装置8Cによる飾り図柄の可変表示にて、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームでの可変表示結果が大当り図柄となる旨を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図69のステップS284にて確変中フラグをセットした後、図64のステップS403にて確変制御による確率変動状態を終了する旨の判定がなされたときに、ステップS404にて確変中フラグをクリアするとともに、時短中フラグをオン状態にセットするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図69のステップS284にて確変中フラグとともに時短中フラグをオン状態にセットするようにしてもよい。この場合には、図64のステップS403にて確率変動状態を終了する旨の判定がなされたときに、ステップS404にて確変中フラグをクリアする一方で、時短中フラグはオン状態のままで維持すればよい。すなわち、確変大当りにもとづく大当り遊技状態が終了するときには、遊技制御フラグ設定エリアに“1”を示す確率変動状態データとともに“1”を示す時間短縮状態データを記憶させ、確変終了判定処理にて確率変動状態を終了する旨の判定がなされたときには、当該判定がなされる契機となった特図ゲームが開始されるタイミングにて、遊技制御フラグ設定エリアに記憶された“1”を示す確率変動状態データのみを消去して“0”に更新してもよい。
上記実施の形態では、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにて、「3」を示す特別図柄が確定図柄として導出表示されたときには通常大当りとなり、「7」を示す特別図柄が確定図柄として導出表示されたときには通常大当りとなるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特図ゲームにて可変表示されるいずれの特別図柄が確定図柄として導出表示されたとしても、大当り遊技状態に制御可能とし、その大当り遊技状態が終了した後に、時間短縮状態に制御可能としてもよい。あるいは、特図ゲームにて可変表示されるいずれの特別図柄が確定図柄として導出表示されたとしても、大当り遊技状態に制御可能とし、その大当り遊技状態が終了した後に、確率変動状態に制御可能としてもよい。
また、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの配置は、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。また、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bは、独立した表示装置として構成される必要はなく、例えば1つの表示装置が有する2つの表示領域において、上述の第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bと実質的に同一の表示が行われるものであってもよい。
さらに、2つの表示装置のそれぞれが、上述した第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかとして、入れ替わり可能に動作するものであってもよい。例えば、パチンコ遊技機1が電力の供給を受けて動作している期間を第1の期間と第2の期間とに分割し、第1の期間では、2つの表示装置の一方が第1可変表示装置8Aとして動作するとともに他方が第2可変表示装置8Bとして動作する。これに対して、第2の期間では、2つの表示装置の一方が第2可変表示装置8Bとして動作するとともに他方が第1可変表示装置8Aとして動作する。
あるいは、2つの表示装置のうちで先に特図ゲームを開始する条件が成立して特別図柄の可変表示が開始されたものが、上述した第1可変表示装置8Aとして動作してもよい。そして、その特図ゲームの実行中に特別図柄が停止表示されている他方の表示装置による特図ゲームを開始する条件が成立したときに、当該他方の表示装置を、上述した第2可変表示装置8Bとして動作させるものであってもよい。
また、第3および第4可変表示装置8C、8Dが第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bとしての機能の全部または一部を備え、例えば、飾り図柄の可変表示や第1演出および第2演出となる演出表示を行うとともに、特別図柄の可変表示を行うようにしてもよい。あるいは、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bが第3および第4可変表示装置8C、8Dとしての機能の全部または一部を備え、例えば、特別図柄の可変表示を行うとともに、予告演出となる演出表示などを行うようにしてもよい。さらに、第1および第3可変表示装置8A、4Cの双方における識別情報の可変表示結果が特定表示結果としての大当り図柄となったとき、または、第2および第4可変表示装置8B、8Dの双方における識別情報の可変表示結果が特定表示結果としての大当り図柄となったときに、パチンコ遊技機1が特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御されてもよい。すなわち、第1および第3可変表示装置8A、4Cの双方により第1可変表示手段としての識別情報の可変表示などを行う一方、第2および第4可変表示装置8B、8Dの双方により第2可変表示手段としての識別情報の可変表示などを行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1および第2始動入賞口として普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bが設けられるものとして説明した。すなわち、始動入賞口が、2つの可変表示装置に対応して2つずつ設けられ、第1始動条件と第2始動条件が互いに異なるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの双方に対応する始動入賞口が1つ設けられ、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを実行するための始動条件は同一のものであってもよい。
この場合、1つの始動入賞口に入賞した遊技球が始動口スイッチによって検出されたときには、例えば乱数回路503などによって更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出し、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件と第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件のいずれか一方を成立させる。そして、第1始動条件を成立させるときには始動入賞データ「第1」を特図保留メモリ570に記憶する一方、第2始動条件を成立させるときには始動入賞データ「第2」を特図保留メモリ570に記憶すればよい。このときには、例えば大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出するごとに、第1および第2始動条件を交互に成立させるようにしてもよい。また、大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出するときに、振分判定用乱数の値を示す数値データを抽出し、その振分判定用乱数の値に応じて、第1および第2始動条件のいずれかを成立させるようにしてもよい。
さらに、乱数回路503などから抽出された大当り判定用乱数の値にもとづいて、第1および第2始動条件のいずれを成立させるのかを決定するようにしてもよい。例えば、大当り判定用乱数の値が「0」〜「599」の範囲の値をとるものとする。この場合に、始動入賞口への遊技球の入賞に応じて抽出した大当り判定用乱数の値が「0」〜「299」の範囲内であるときには、第1始動条件を成立させる。他方、抽出した大当り判定用乱数の値が「300」〜「599」の範囲内であるときには、第2始動条件を成立させる。この場合には、例えば大当り判定用乱数の値が「3」であるときに、第1可変表示装置8Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当り図柄とする旨の判定を行い、大当り判定用乱数の値が「303」であるときに、第2可変表示装置8Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当り図柄とする旨の判定を行うようにしてもよい。あるいは、1つの始動入賞口における内部構造を、遊技球の検出時に第1始動条件を成立させる第1検出スイッチの設置位置へと遊技球を誘導する第1経路と、遊技球の検出時に第2始動条件を成立させる第2検出スイッチの設置位置へと遊技球を誘導する第2経路とに分離し、始動入賞口に入賞した遊技球を第1および第2経路のいずれかに振り分けて第1および第2検出スイッチのいずれかに検出させるように誘導するようにしてもよい。
その他にも、1つの始動入賞口に入賞した遊技球が始動口スイッチによって検出されたときに抽出した大当り判定用乱数の値を示す数値データを特図保留メモリ570に記憶して、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームを開始するための開始条件が成立するごとに、特図保留メモリ570の先頭エントリ(保留番号「1」のエントリ)から大当り判定用乱数の値を示す数値データを読み出して、大当り判定処理といった特図ゲームを開始するための各種処理を実行するようにしてもよい。すなわち、先に入賞した遊技球が始動口スイッチによって検出されたことにより抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データから順に読み出して、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームのうちで、先に開始条件が成立した特図ゲームに用いるようにしてもよい。
また、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれに対応して普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bが設けられている場合において、普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bのいずれかに遊技球が入賞したときには、例えば乱数回路503などによって1種類の大当り判定用乱数として更新されている数値データ(例えば1つのカウント値記憶回路に記憶されている数値データ)を抽出し、普通入賞球装置12Aと普通可変入賞球装置12Bのいずれに遊技球が入賞したかに対応して、始動入賞データ「第1」と始動入賞データ「第2」のいずれかを大当り判定用乱数の値を示す数値データと対応付けて特図保留メモリ570に記憶するものであってもよい。
上記実施の形態では、普通入賞球装置12Aに入賞した遊技球が第1始動口スイッチ20aによって検出されたときに第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する一方、普通可変入賞球装置12Bに入賞した遊技球が第2始動口スイッチ20bによって検出されたときに第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば普通入賞球装置12Aに入賞した遊技球が第1始動口スイッチ20aによって検出されたときには第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件を成立させる一方、普通可変入賞球装置12Bに入賞した遊技球が第2始動口スイッチ20bによって検出されたときには第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件を成立させるようにしてもよい。
あるいは、所定の条件が成立したときに、第1および第2始動口スイッチ20a、20bそれぞれにより遊技球を検出したことに応じて第1および第2始動条件のいずれを成立させるかの対応関係を、変更できるようにしてもよい。具体的な一例として、パチンコ遊技機1の電源投入直後などの初期設定状態では、普通入賞球装置12Aに入賞した遊技球が第1始動口スイッチ20aによって検出されたときに第1始動条件を成立させる一方、普通可変入賞球装置12Bに入賞した遊技球が第2始動口スイッチ20bによって検出されたときに第2始動条件を成立させる。この後、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了したときに、所定の条件が成立したとして、普通入賞球装置12Aに入賞した遊技球が第1始動口スイッチ20aによって検出されたときには第1始動条件を成立させる一方、普通可変入賞球装置12Bに入賞した遊技球が第2始動口スイッチ20bによって検出されたときには第2始動条件を成立させるように、設定を変更してもよい。さらに、大当り遊技状態が終了するごとに、第1および第2始動口スイッチ20a、20bそれぞれにより遊技球を検出したことに応じて第1および第2始動条件のいずれを成立させるかの対応関係を、変更するように制御してもよい。
上記実施の形態では、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの双方に共通する特図保留メモリ570に、大当り判定用乱数の値を示す数値データや始動入賞データなどを保留番号と対応付けて記憶するものとして説明した。これに対して、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのそれぞれに対応して別個の特図保留メモリを設けてもよい。例えば、第1可変表示装置8Aに対応して第1特図保留メモリを設けるとともに、第2可変表示装置8Bに対応して第2特図保留メモリを設けてもよい。
また、上記実施の形態では、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの双方に共通する特図保留メモリ570に、大当り判定用乱数の値を示す数値データとともに始動入賞データを記憶することで、普通入賞球装置12Aに入賞した遊技球が第1始動口スイッチ20aによって検出されたときに第1始動条件を成立させて第1可変表示装置8Aによる特図ゲームを実行可能とする一方、普通可変入賞球装置12Bに入賞した遊技球が第2始動口スイッチ20bによって検出されたときに第2始動条件を成立させて第2可変表示装置8Bによる特図ゲームを実行可能とするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bの双方に共通する特図保留メモリ570に大当り判定用乱数の値を示す数値データを記憶して、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームを開始するための開始条件が成立するごとに、特図保留メモリ570の先頭エントリ(保留番号「1」のエントリ)から大当り判定用乱数の値を示す数値データを読み出して、大当り・確変判定処理といった特図ゲームを開始するための各種処理を実行するようにしてもよい。すなわち、遊技球が第1始動入賞口となる普通入賞球装置12Aに入賞したか、第2始動入賞口となる普通可変入賞球装置12Bに入賞したかにかかわらず、先に入賞した遊技球が始動口スイッチ(第1始動口スイッチ20aまたは第2始動口スイッチ20b)によって検出されたことにより抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データから順に読み出して、第1可変表示装置8Aおよび第2可変表示装置8Bのいずれかによる特図ゲームのうちで、先に開始条件が成立した特図ゲームに用いるようにしてもよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であれば、例えば、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。