(実施形態1)
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置(上特別可変入賞装置7A、下特別可変入賞装置7B)が設けられている。上特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、上特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、上特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
下特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉71を備え、その下大入賞口扉71によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、下特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉71が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、下特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉71が下大入賞口を開放状態にする。下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
上特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や下特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉71により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、上特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉71により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
下特別可変入賞球装置7Bの内部には、図3に示すように、下大入賞口扉71により開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、所定の確変領域を通過して、あるいは通過せずに、下特別可変入賞球装置7Bからの排出経路まで誘導する誘導経路が設けられている。下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず入賞した遊技球を検出するための下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過したのち、確変領域への誘導路と、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路と、への分岐点に誘導される。分岐路に誘導された遊技球が確変領域への誘導路を流下すると、この遊技球が確変領域スイッチ24Aによって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、確変領域スイッチ24Aの設置箇所を確変領域とし、この確変領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。確変領域は下特別可変入賞球装置7Bの内部にあるので、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球のみが通過可能である。
確変領域は、確変領域蓋用のソレノイド82Cによって駆動される確変領域蓋72によって、遊技球が通過可能な開放状態と通過不可能な閉鎖状態とに変化する。一例として、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオフ状態であるときに確変領域蓋72が確変領域を塞ぐ(閉鎖する)位置(規制位置)に移動し、確変領域を閉鎖状態にする(図3(A))。その一方で、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオン状態であるときに確変領域蓋72が確変領域を塞がない(閉鎖しない)位置(許容位置)に移動し、確変領域を開放状態にする(図3(B))。確変領域が閉鎖状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導され、下特別可変入賞装置7Bから排出される(図3(A))。この場合、遊技球は共通排出経路74への誘導路に設置された排出スイッチ24Bによって検出される。一方、確変領域が開放状態にある時に分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過し(図3(B))、確変領域に設置された確変領域スイッチ23Bによって検出される。そして、確変領域を通過した遊技球は共通排出経路74に誘導され、下特別可変入賞装置7Bから排出される。下特別可変入賞装置7Bに入賞した遊技球が確変領域を通過することで、確変領域スイッチBが確変領域を通過した遊技球を検出したことにもとづいて、後述する確変状態に制御される。このため、遊技球が下特別可変入賞装置7Bに入賞する割合、および、確変領域蓋73が許容位置にある時間の長さとそのタイミングを調節することで、確変状態に制御する割合を好適に設定することができる。
なお、確変領域から共通排出経路74に至る誘導経路には、遊技球の流下速度を減速して共通排出経路への到達を遅延する遅延部73が設けられている。遅延部73は、例えば減速用の突起であればよい。遅延部73によって、異なるタイミングで第1可変入賞装置に入賞した遊技媒体の一方が確変領域を通過し、他方が通過せず、それぞれ共通排出経路74に到達したとしても、到達のタイミングを異ならせることができる。そのため、共通排出経路74で遊技球が球詰まりを起こすことを防止できる。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、上特別可変入賞球装置7A、下特別可変入賞球装置7B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
本実施の形態では、後述する確変状態とは異なる通常遊技状態では、普通可変表示装置6Bは第2可変状態(閉鎖状態)であるので、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。よって、第2特図を用いた特図ゲームは開始されない(あるいは、開始が困難である。)。そこで、未だ確変状態に制御されない通常遊技状態においては、遊技者は遊技球を左遊技領域2Aへと誘導して、第1始動入賞口への入賞に基づく第1特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。第1特図を用いた特図ゲームの結果「大当り」の可変表示結果が導出された事に基づく大当り遊技状態においては、特定のラウンド(14又は16ラウンド)にて下特別可変入賞装置7Bに遊技球が進入し、さらに確変領域を通過することが可能となる。確変領域を遊技球が通過すると、後述する確変確定フラグがセットされ、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定する。その後大当り遊技状態が終了すると、確変状態に制御され、普通可変表示装置6Bが第1可変状態(開放状態)に変化して、第2始動入賞口を遊技球が通過可能となる。後述するように、本実施形態では第2特図ゲームは第1特図ゲームよりも有利である。そのため、遊技者は遊技球を右遊技領域2Aへと誘導して、第2始動入賞口への入賞に基づく第2特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。このような構成により、遊技状態に応じて変化する多様な遊技体験を遊技者に提供できる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって上特別可変入賞球装置7Aまたは下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば20秒間、約27秒間、又は、57ミリ秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。下大入賞口に遊技球が進入したときには、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、同様に所定個の遊技球が払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。本実施の形態では、下大入賞口から下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の確変領域への通過を、確変領域スイッチ24Aが検出することが確変制御条件となる。この確変状態は、所定回数の可変表示(例えば50回)が実行されるまで継続するように制御される。即ち、所定回数の可変表示の終了が、確変終了条件である。
確変状態では、通常状態では第2可変状態(閉鎖状態)にある普通可変入賞球装置6Bを、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と不可能(又は困難)な第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。このように、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、電チュー開放制御と称される。本実施形態では、後述するように、遊技球が第2始動入賞口を通過したことに基づき開始される第2特図ゲームが、通常状態でも通過可能な第1始動入賞口を通過したことに基づき開始される第1特図ゲームよりも遊技者にとって有利である。そのため、電チュー開放制御が実行される確変状態は通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、電チュー開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」ともいう)であるとも称される。そして、電チュー開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、電チュー開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当りとなった場合により有利な大当り遊技状態(例えば第2大当り遊技状態)が選択される割合が第2割合(例えば1/2)よりも高い第1割合(例えば、1/1)となること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「16」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、後述する大当り種別にかかわらず、特定遊技状態にて16回(16ラウンド)のラウンド遊技が実行される。このうち、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」、及び、「16」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」及び「16」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて上特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。14回目と16回目に実行されるラウンド遊技では、下特別可変入賞球装置7Bが第1状態(開放状態)となり下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過しうるため、これらのラウンド遊技は確変開放ラウンド遊技とも言う。これに対し、ラウンド遊技は、1〜13・15回目の上特別可変入賞球装置7Aが第1状態(開放状態)となるラウンド遊技を、通常開放ラウンド遊技(あるいは上開放ラウンド)とも言う。また、一つのラウンド遊技が実行される期間を1ラウンドとして、一の「大当り」に基づいて実行される大当り遊技状態には複数回のラウンドが含まれる。このうち、第14と第16ラウンド目の、下特別可変入賞装置7Bが開放状態となるラウンドを下開放ラウンド、第1〜第13と第16回目に実行される下特別可変入賞装置7Bが開放状態となるラウンドを上開放ラウンド、とそれぞれ表現する。すなわち、可変表示結果が「大当り」であった場合に、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態において、下大入賞口扉71の作動時間が設けられたラウンド遊技(下開放ラウンドのラウンド遊技)と上大入賞口扉の作動時間が設けられたラウンド遊技(上開放ラウンドのラウンド遊技)とを含む複数回のラウンド遊技を実行する。
本実施の形態では、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」及び「16」であるとき(第14及び16ラウンド)に、下大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある(図11(B)参照)。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が52ミリ秒に設定された「第1大当り遊技状態」に制御される。一方、大当り種別が「第2大当り」又は「第3大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が第1大当りよりも長い時間(「第2大当り」では約27秒、第3大当りでは約2秒間)に設定された大当り遊技状態(第2大当りの場合は「第2大当り遊技状態」、第3大当りの場合には「第3大当り遊技状態」)に制御される。第1大当り遊技状態では、開放状態となる制御時間が52ミリ秒と短いため、遊技球が実際に下大入賞口に入賞して下特別可変入賞装置7Bに進入できる割合は低い。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しにくい。一方、第2大当り遊技状態では約27秒間、第3大当り遊技状態では約2秒間開放されるので、下特別可変入賞装置7Bが設置された右遊技領域2Bに遊技球が誘導されれば高い割合で遊技球が下特別可変入賞装置7Bに進入できる。よって、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
また、この実施形態では、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」〜「13」及び「16」であるときに、上大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。「第3大当り」の可変表示結果が導出された場合は、第1又は第2大当りと比して、その大当りに基づいて実行される大当り遊技状態で払い出される賞球の数が少ないが、その終了後に確変状態に制御される割合は「第2大当り」と同様に「第1大当り」よりも高い。具体的には、第3大当りの上開放ラウンドにおいては、上大入賞口を開放状態とする時間が52ミリ秒と短く、上大入賞口への遊技球が通過(進入)する可能性が低く、賞球の払い出し条件が成立しないからである。一方、下開放ラウンドにおいては、下大入賞口を開放状態とする上限時間が約2秒と第1大当りよりも長いため、第3大当りは第2大当りと同様に確変制御条件が成立しやすい。このように、「第3大当り」は、本実施形態において「突確」に対応する、所謂出玉の少ない大当り種別である。
大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。下特別可変入賞装置7Bに遊技球が進入すると、所定個の遊技球が払い出されにとどまらず、確変領域蓋72の位置によっては、確変領域を遊技球が通過し可変表示結果が「大当り」となる確率が非確変状態よりも高い確変状態に制御される。よって、第2大当り遊技状態は第1大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利である。また、第2大当り遊技状態は、上開放ラウンドにおける賞球の払い出しが多いと言う観点では第3大当り遊技状態より遊技者にとって有利である。第1大当りと第3大当りでは、賞球の払い出しと言う観点では第1大当りが、確変制御条件の成立という観点では第3大当りが有利である。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82Cに伝送する。本実施形態では、ソレノイド回路111が各ソレノイドに駆動信号を伝達するか否かは、後述する遊技制御フラグ設定部152に記憶されたソレノイド出力データテーブル(図15)の値に応じて決定される。具体的には、図16に示すように、ソレノイド出力データテーブルの各ビットがそれぞれ複数のソレノイド(普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82C等)に制御信号を伝達するか否かを示すフラグとして用いられる。フラグがセット(ビットの値が「1」)状態である場合には、対応するソレノイドに駆動用の制御信号が伝達可能である一方、クリア(ビットの値が「0」)状態である場合には駆動用の制御信号は伝達されない。このため、ソレノイド出力データテーブルを更新することにより、普通電動役物や上大入賞口扉、下大入賞口扉71、確変領域蓋等を駆動(開閉)制御するか否かを遊技の進行に応じて好適に切り替えることが出来る。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L、9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDさらには節電中報知LED9L、9Rの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、図4に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、「リーチ」になる。具体的な一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
一例として、RAM102には、図6に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図6に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。例えば、本実施形態では、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のソレノイド(ソレノイド81、82A、82B等)のそれぞれに対応して、ソレノイドの制御フラグを配置したソレノイド出力データテーブル(図16)を記憶するための領域が確保されている。また、遊技制御フラグ設定部152には、遊技球を検出する複数種類のスイッチ(特に下大入賞口スイッチ23A、上大入賞口スイッチ23B)のそれぞれに対応して、検出結果に応じて更新されるスイッチオンバッファや、検出結果が異常であるか否かを検出するために用いられる異常入賞確認テーブル(図17)を記憶するための領域が確保されている。異常入賞確認テーブルについては後述する。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の指示操作(例えば押下操作など)を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
なお、本実施の形態において、演出制御基板12に搭載されたRAM122は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102と異なり、バックアップ電源によってバックアップされていない。従って、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止すると、RAM122が記憶する内容は全く保存されず消滅してしまうことになる。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには節電中報知LED9L、9Rなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、バックアップRAM(RAM102)が記憶する記憶内容にもとづいて、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための復帰処理を実行し、割込みを許可した後、ループ処理に入る。ただし、前回の電力供給停止時において正常に電力供給停止時処理が実行されていなかった場合には(例えば、バックアップフラグがセットされていなかったり、パリティチェックなどのチェックデータが正常に記憶されていなかった場合にh)、RAM102の記憶内容をクリアする初期化処理を実行してから、割込みを許可したのち、ループ処理に入るようにしてもよい。
本実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給開始時にバックアップRAMの記憶内容にもとづいて復帰処理が実行されるので、例えば、大当り遊技のラウンド中に電断が発生して電力復旧した場合であっても、バックアップRAMにバックアップされていた特図プロセスフラグの値などにもとづいて電断発生時に実行していたラウンドから大当り遊技が再開される。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図7のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。S11では、スイッチオンバッファのうち、上大入賞口スイッチがオン状態である場合には対応するビット(B1)が「1」にセットされると共に、下大入賞口スイッチがオン状態である場合には対応するビット(B0)が「1」にセットされる。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。ステップS12で実行される処理には、入賞報知処理(図25)が含まれる。入賞報知処理では、下大入賞口スイッチ23Aと上大入賞口スイッチ23Bとの何れかオン状態となり下又は上大入賞口への遊技球の進入を検出した場合に、該検出が現在の遊技進行上正常であるか否かを判定し、異常な検出であったときには異常のエラー処理が実行される。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、上特別可変入賞球装置7A、下特別可変入賞球装置7Bにおける大入賞口(上大入賞口および下大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、確変領域蓋72の位置と、確変領域の有効・無効と、を制御するための確変領域ソレノイド制御処理を実行する(S16A)。確変領域ソレノイド制御処理実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図8は、特別図柄プロセス処理として、図7のステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図9は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図7に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図8に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否か、あるいは「小当り」とするか否か、をその可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。図5に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。また、この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、小当りフラグをセットする処理がさらに含まれる。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態において大当り種別に応じたラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。本実施の形態では、この大当り開放前処理には、開始されるラウンド遊技が下大入賞口を開放状態とする確変開放ラウンドであるか否かを判定し、確変開放ラウンドである場合には、確変領域蓋72の位置制御の開始と、確変領域の有効・無効の制御の開始と、を指示する共通の制御データとして、確変領域ソレノイド制御コードを1に設定する処理が更に含まれる。また、開放される大入賞口に応じて、ソレノイド出力データテーブルを更新する処理も更に含まれる。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。この大当り開放中処理では、確変開放ラウンドにおいて、図19に示す下大入賞口検出処理が更に実行される。なお、下大入賞口検出処理は下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とに基づいて下特別可変入賞球装置7B内の遊技球を計数する処理、遊技球の確変領域への通過を検出したか否かを判定する処理、確変領域が有効なときに確変領域の通過を検出した場合に確変確定フラグをセットする処理、を含む。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。この実施の形態では、ラウンド遊技を終了する際に、上大入賞口と下大入賞口との何れを閉鎖状態とする場合でも、上大入賞口を閉鎖状態とする処理と、下大入賞口を閉鎖状態とする処理と、を共に実行する。このため、閉鎖する処理の対象となるのが上大入賞口と下大入賞口との何れかであるかを判定する処理が不要となる。また、使用する大入賞口の数を減らす場合でも、増やす場合でも、閉鎖状態とする処理を削除又は追加するだけで良いので、設計変更が容易である。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。本実施の形態では、この大当り開放後処理は、確変開放ラウンドにおいて、図19に示す下大入賞口検出処理が更に実行される。また、大当り開放後処理には大入賞口検出処理によって計数された下特別可変入賞球装置7B内の遊技球の数に基づいて、実行中のラウンド後の制御の実行(実行中のラウンドが最後のラウンドであれば大当り遊技状態の終了、最後のラウンドで無ければ次のラウンド)を許容する処理が更に含まれる。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図8のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図11(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。即ち、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態よりも遊技者に有利である。この実施の形態では、現在の遊技状態が確変制御が行われない通常状態である場合には、所定の割合(図11(A)の例では2/400)で可変表示結果として「小当り」が事前決定される。一方、現在の遊技状態が、確変制御が行われる確変状態である場合には、可変表示結果として「小当り」は決定されない。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図11(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図11(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」と「第3大当り」とのいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第2大当り」にのみ決定される。すなわち、大当り種別が「第1大当り」と「第3大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「第2大当り」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、16ラウンドのラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンド(ラウンド遊技の実行回数が「14」である第14ラウンドと「16」である第16ラウンドと)にて下大入賞口を開放状態とする。通常開放ランド(第1〜13・15ラウンド)では上大入賞口を開放状態とする。ここで、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンドで、大当り種別が「第1大当り」及び「第3大当り」の場合よりも下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。図11(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立しやすい。
本実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」の場合は、下大入賞口を開放する上限時間が52ミリ秒と短いため、下大入賞口に遊技球が進入する割合は非常に低い。そのため、確変制御条件が成立する割合も非常に低い。一方、「第2大当り」(及び「第3大当り」)の場合、上限時間が約27秒(27秒+52ミリ秒)であるため、下大入賞口に遊技球が進入する確率は高い。よって、確変制御条件が成立する割合も高い。本実施の形態では、確変状態で「大当り」となる場合には大当り種別は「第2大当り」が決定される割合が高いため、通常遊技状態から確変状態に制御される特別遊技状態となる割合(いわゆる初当りで確変する敷居)を低くする一方、一旦確変状態に制御された場合には高い割合で「大当り」が続く(所謂連チャン状態)、といった設定が可能となる。なお、「第3大当り」については、確変制御条件が成立する割合は「第2大当り」と同様に「第1大当り」よりも高いが、第1〜13、16回目のラウンド遊技で上大入賞口が開放状態となる上限時間が短い(52ミリ秒)ので、その「大当り」に基づいて払い戻される賞球の数は少なくなる。
その仕組みを具体的に説明すると、第1特図を用いた特図ゲームでは、可変表示結果が「大当り」となった場合に、所定の割合(1/2)で第1大当りとなり、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態で確変制御条件(特別条件とも言う)が成立せず、大当り遊技状態が終了した後には、確変状態に制御されない通常遊技状態に移行する。一方、第1特図を用いた特図ゲームで「第2大当り」又は「第3大当り」となると、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態において高い割合で確変制御条件(特別条件とも言う)が成立し、大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に制御される特別遊技状態に制御される。特別遊技状態では、上大入賞口が開放状態に制御され、第2特図を用いた特図ゲームが開始可能となる。第2特図を用いた特図ゲームでは、可変表示結果が「大当り」となった場合には必ず第2大当りとなるため、高確率で大当り遊技状態終了後に再び確変状態に制御される。このため、確変状態において所定回数(例えば50回)の特図ゲームが全て「ハズレ」となり確変終了条件が成立するまでは、「大当り」と確変状態とが連続して続くこととなる。このような構成によれば、通常遊技状態で行われる第1特図ゲームで大当り種別が「第2大当り」の可変表示結果となる割合(所謂、初当りで確変する期待度)を下げる一方、一旦「第2大当り」の可変表示結果が導出された後は連続して確変状態と「大当り」が続く割合が高くなる。そのため、メリハリのある刺激的な遊技体験を提供できる。また、図11(B)の例では、一旦確変状態に制御された場合には大当り種別として払い戻される賞球の数が少ない「第3大当り」は決定されないので、遊技者を興ざめさせることなく確変状態に制御されるか否かについて多様な遊技体験を提供できる。
なお、本実施の形態では、図11(B)に示すように、第2特図を用いた特図ゲームでは100%の割合で「第2大当り」となる場合を示しているが、このような態様にかぎらず、例えば、低い割合(例えば、1%や10%の確率)で「第1大当り」となる場合があるように構成してもよい。また、第1特図を用いた特図ゲームではそれぞれ50%の確率で「第1大当り」と「第2大当り」となる場合を示しているが、このような態様にかぎらず、「第1大当り」となる方が多少割合が高くなるようにしたり、逆に「第2大当り」となる方が割合が多少高くなるようにしたりしてもよい。
また、本実施の形態では、「第1大当り」となる場合、下大入賞口の開放時間が52ミリ秒と極めて短いものの、その短い開放時間中に遊技球が下大入賞口に入賞して確変領域を通過すれば所定の確変制御条件が成立する場合を示しているが、このような態様にかぎらず、「第1大当り」となる場合には、下大入賞口の開放時間を短くするとともに、確変領域蓋72を駆動させず、たとえ下大入賞口に入賞したとしても確変領域を遊技球が通過不可能とすることにより、全く所定の確変制御条件が成立しないように構成してもよい。
また、本実施の形態では、「第1大当り」となる場合と「第2大当り」となる場合とのいずれの場合であっても、第14ラウンドおよび第16ラウンドにおいて下大入賞口が開放する場合を示しているが、「第2大当り」となる場合にのみ下大入賞口が開放するようにし、「第1大当り」となる場合には全てのラウンドにおいて上大入賞口が開放するようにしてもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファといったRAM102の所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、RAM102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS243、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」である場合には「5」又は「9」の記号を、「第2大当り」である場合には「7」の記号を、「第3大当り」である場合には「3」の記号を、それぞれ示す特別図柄を確定図柄に設定する。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図12は、特別図柄停止処理として、図8のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS264)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS270)。また、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「50」)が設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS274)。そして、小当りフラグがオンであるときには(ステップS274;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS275)。例えば、ステップS275の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により小当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS276)。また、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS277)。その後、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS278)。
ステップS291にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS274;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS279)。ステップS278、S279の処理のいずれかを実行した後には、確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS280)。一例として、ステップS280の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS280の処理を終了すればよい。
なお、確変制御を終了させるか否かの判定方法は、本実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、特別図柄の変動表示を終了するごとに、乱数を用いた抽選処理により確変制御を終了させるか否かを判定し、確変制御を終了させると判定した場合に確変フラグをクリアして確変制御を終了させるようにしてもよい。
ステップS280の処理を実行した後には、遊技状態指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS281)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図13は、大当り開放前処理として、図8のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図12に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り遊技状態における最初のラウンド遊技が開始するための処理として、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
なお、ステップS294のラウンドカウンタにカウント初期値を設定する処理を大当り開放前処理で実行するのではなく、図12に示す特別図柄停止処理(例えば、ステップS272の後)で実行するようにしてもよい。そのようにすれば、第2ラウンド以降で大当り開放前処理を実行するときにラウンドカウンタに誤ってラウンド初期値が設定されてしまうおそれはないことから、大当り開始フラグを設ける必要はなくなり、特別図柄停止処理のステップS271の処理や大当り開放前処理のステップS291,S293の処理は不要となる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、大当りとなった可変表示において変動した特別図柄が第1特別図柄と第2特別図柄との何れであるかと、可変表示結果として導出された大当り図柄と、を読み出す(ステップS295)。一例として、RAM102の遊技制御フラグ設定部152又は遊技制御バッファ設定部155を参照して、図10のステップS234又はS238でセットされた変動特図指定バッファの値と、S248で決定された確定特別図柄を示すバッファ値と、を読み出せば良い。
次にCPU103は、ステップS295で読み出したデータに基づき大当り種別が「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」の何れであるかに応じて、大当り開放パターンテーブルをセットする(ステップS297)。一例として、大当り種別は判定すれば良い。まず、変動特図指定バッファの値が「1」である場合には第1特別図柄が、「2」であれば第2特別図柄が、それぞれ変動特別図柄であると決定する。そして、図10のステップS243で選択した大当り種別決定テーブルを参照し、変動特別図柄と確定特別図柄に応じた大当り種別を決定して、大当り種別を判定する。図12(B)の例では、変動特別図柄が第1特別図柄であって大当り図柄が「7」である場合には「第2大当り」、「5」か「9」である場合には「第1大当り」、「3」である場合には「第3大当り」である。一方、変動特別図柄が第1特別図柄である場合には大当り図柄にかかわらず「第2大当り」である。
ステップS297では、CPU103は、大当り種別が「第1大当り」であると判定した場合には例えば遊技制御バッファ設定部155といったRAM102の所定領域に、図14(A)の第1大当り開放パターンテーブルを使用開放パターンテーブルとしてセットする。一方、「第2大当り」であると判定した場合には、図14(B)の第2大当り開放パターンテーブルを使用開放パターンテーブルとしてセットする。また、「第3大当り」であると判定した場合には、図14(C)の第2大当り開放パターンテーブルを使用開放パターンテーブルとしてセットする。例えば、開放パターンテーブルは、図14(A)〜(C)に示すように、大当り遊技状態で実行される各ラウンド遊技の情報として、ラウンド数と、そのラウンドで開放される大入賞口を指定する情報と、ソレノイド(上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B)を制御して大入賞口を好適なタイミングで開閉するための開放パターン(大入賞口開放パターンテーブル)を指定する情報と、そのラウンドにおける大入賞口開放上限時間を示す情報と、そのラウンドの大入賞口作動時間(ラウンド遊技の開始からそのラウンドにおいて最後に大入賞口扉を閉鎖するまでの時間)を示す情報と、を対応付けて記憶するテーブルであれば良い。
図14(A)〜(C)に示すように、この実施の形態では、ラウンドカウント値が「1」〜「13」・「15」のいずれか(通常開放ラウンド)である場合と、「14」又は「16」(確変開放ラウンド)である場合とで、開放する大入賞口と、大入賞口開放上限時間と、を異ならせている。通常開放ラウンド(上開放ラウンド)では、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」の場合には、20秒を上限に上大入賞口を開放する。そのため、第1・第2大当りの何れの場合にも、通常開放ラウンドでは同程度の賞球の払い出しが発生する。一方、大当り種別が「第3大当り」の場合には、52ミリ秒という短い時間を上限に上大入賞口を開放する。そのため、第3大当りの場合には、通常開放ラウンドでの賞球の払い出しは少ない(あるいは実質的に無い)。確変開放ラウンドについては、大当り種別が「第1大当り」であるときに、大入賞口開放上限時間が極めて短い時間(52ミリ秒)に設定され、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が極めて低い。一方、大当り種別が「第2大当り」又は「第3大当り」であるときには、ラウンドカウント値が、大入賞口開放上限時間が約27秒(27秒+52ミリ秒)に設定される。したがって、大当り種別が「第2大当り」又は「第3大当り」である場合には、確変開放ラウンドにおける賞球の払出しが第1大当りよりも多いとともに、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
大入賞口開放パターンテーブルは、図15(A)〜(D)に示すように、1又は複数の行(レコード)として、大入賞口を開放制御する時間と閉鎖制御する時間とか交互に設定されたテーブルである。レコード番号は、各レコードを使用する順番に対応する。レコード名が「開放時間」を含むレコードを使用中には、大入賞口は開放される。一方、「閉鎖時間」を含むレコードの使用中は、大入賞口は閉鎖される。使用時間は、そのレコードを使用する上限時間を示す。
次に、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタから、今から開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すラウンドカウンタ値を読み出す(ステップS299)。そして、ステップS297でセットされた使用開放パターンテーブルと読み出したラウンドカウンタ値とに基づいて、開始されるラウンド遊技においてラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS300)。図14(A)〜(C)に示すように、ラウンドカウント値が「1」〜「13」、「15」のいずれかであるとき(通常開放ラウンドであるとき)に、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技(上開放ラウンドのラウンド遊技)を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「14」または「16」であるとき(確変開放ラウンドであるとき)には、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」または「16」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技(下開放ラウンドのラウンド遊技)が実行され、下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS300の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「1」〜「13」、「15」のいずれかであるときには、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「14」または「16」であるときには、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。
ステップS300の処理に続いて、CPU103はラウンドカウンタ値を参照して、開始されるラウンド遊技がこの大当り遊技状態で1度目に実行される第1ラウンドのラウンド遊技であるか否か決定する(ステップS300A)。ラウンドカウンタの値が「1」である場合には、第1ラウンドのラウンド遊技であると判定して(ステップS300A;Yes)、異常入賞確認テーブルに第1ラウンドの開放大入賞口に応じた値をセットする(ステップS300B)。異常入賞確認テーブルは、RAM102の所定領域に記憶された、各ラウンド遊技で検出した上大入賞口と下大入賞口とへの入賞が異常か否かを判定するために用いられる。異常入賞確認テーブルには少なくとも上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bとに対応するフラグとして使用するビットが設定されている(図17)。この実施の形態では、異常入賞確認テーブルのうち「B0」が下大入賞口スイッチ23Bのためのフラグとして、「B1」が上大入賞口スイッチ23Aのためのフラグとして、それぞれ設定されている。異常入賞確認テーブルは、ステップS300B及び後述する図21のS573にて更新される。上大入賞口が開放状態に変化する上開放ラウンドが開始される場合には、下大入賞口スイッチ23Bのフラグがセットされ「B0」の値が「1」となり、上大入賞口スイッチ23Aのフラグがクリアされ「B1」の値は「0」となる。一方、下大入賞口が開放状態に変化する下開放ラウンドが開始される場合には、下大入賞口スイッチ23Bのフラグがクリアされ「B0」の値は「0」となり、上大入賞口スイッチ23Aのフラグがセットされ「B1」の値が「1」となる。このように、開始されるラウンドで開放される大入賞口に対応するフラグがクリアされ、閉鎖状態のまま保持される大入賞口に対応するフラグがセットされる(逆値)。
ステップS300Aで第1ラウンドで無いと判定するか(S300A;No)、S300Bの処理を終えると、CPU103は、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出して、ラウンドカウンタ値と大当り種別に応じた大入賞口作動時間を決定する(ステップS301)。大入賞口作動時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技にて、ラウンド遊技の開始から上大入賞口または下大入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変化させるためのソレノイドの制御を実行する時間であって、入出力一致待ち状態と入出力エラー状態とを含まないラウンド遊技の最大継続時間と一致する。大入賞口作動時間の開始から終了までが、狭義のラウンド遊技の最大実行時間である。実行中のラウンド遊技は、大入賞口作動時間の終了のほか、特別可変入賞装置に入賞上限数の遊技球が進入した場合に終了する。なお、上開放ラウンドの大入賞口作動時間を上大入賞口作動時間、下開放ラウンドの大入賞口作動時間を下大入賞口作動時間、とそれぞれ表記する。また、大入賞口作動時間は、ソレノイドにより大入賞口扉を駆動して、大入賞口を開放状態にする制御(及び一時的に閉鎖状態とする制御)を実行する上限時間である。
ステップS301の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放制御が行われる(ステップS301A,S302)。このときには、ステップS300の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定(開放制御)が行われる。この実施形態では、開放制御として、図16のソレノイド出力データテーブルの値を、開放する大入賞口が上大入賞口か下大入賞口かに応じた値にセットする(ステップS301A)。ソレノイド出力データテーブルの各ビットは、それぞれ複数のソレノイド(普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82C等)に制御信号を伝達するか否かを示すフラグとして用いられる。図16に示すように、D0のビットは確変領域蓋用のソレノイド82C、D1のビットは上大入賞口扉用のソレノイド82A、D2のビットは下大入賞口扉用のソレノイド82B、D3のビットは普通電動役物用のソレノイド81に対応するフラグである。各フラグがセット(値が「1」)状態であれば、対応するソレノイドに駆動信号が伝達され役物や扉、蓋等が駆動され、開放状態に変化可能となる。一方、フラグがクリア(値が「0」)状態であれば対応するソレノイドに駆動信号が伝達されず役物や扉、蓋等は駆動されず、閉鎖状態に保持される。即ち、D0のビット値は確変領域蓋の開閉状態を示す情報である。また、D1のビット値は上大入賞口の開閉状態を示す情報である。D2のビット値は下大入賞口の開閉状態を示す情報である。D3のビット値は普通電動役物(第2始動入賞口)の開閉状態を示す情報である。S301Aが終わると、CPU103はROM102に記憶された複数の大入賞口開放パターンテーブルのうち、大当り種別と開始されるラウンドのラウンド数に応じた大入賞口開放パターンテーブルを使用パターンとしてセットする(S302)。
一例として、上開放ラウンド(第1〜13、15ラウンド)が開始される場合には、上大入賞口作動時間が開始されることを条件に、上大入賞口を開放状態とするための開放制御として、D1をセット状態(値を「1」)にセットする(S301A)。上開放ラウンド(第1〜13、15ラウンド)においては、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」の場合には大入賞口パターンテーブルA(図15(A))が、第3大当りの場合には大入賞口パターンテーブルC(図15(C))が、それぞれセットされる。これにより、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信することが可能となる。ステップS297でセットした開放パターンテーブルが指定するラウンドカウンタ値に応じた開放パターンを参照するためのアドレス値をRAM103の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)にセットすることで、ラウンド開始からの経過時間に応じてソレノイドをオン又はオフとする制御信号を上大入賞口扉用のソレノイド82Aに送信可能とすればよい。一方、下開放ラウンドが開始される場合には、下大入賞口作動期間が開始されることを条件に、上大入賞口を開放状態とするための開放制御として、D2をセット(値を「1」に更新)する。これにより、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信することが可能となる。そして、同様にステップS298でセットした開放パターンテーブルが指定するラウンドカウンタ値に応じた開放パターンを参照するためのアドレス値をRAM103の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)にセットして、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。また、ステップS302では、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部153)に設定された、ラウンド開始からの経過時間を計時するためのラウンドタイマの更新を開始する。ラウンドタイマの値に応じて、セットされた大入賞口パターンテーブルの使用レコードを切り替えることで、大入賞口扉をソレノイドにより駆動して、大当り種別及びラウンド数に応じたタイミングで大入賞口を開放状態及び閉鎖状態に変化させることができる。
次に、CPU103はステップS300で決定した開放する大入賞口が下大入賞口であるか否かを判定し(ステップS303)、下大入賞口である場合には(ステップS303;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値を1に設定する(ステップS304)。なお、確変領域ソレノイド制御コードは、後述する確変領域ソレノイド制御領域にて確変領域ソレノイドを用いた確変領域蓋72の位置制御と、確変領域の有効・無効の制御と、を開始することを指定する制御コードである。このように、確変領域の位置制御と、確変領域の有効・無効の制御と、の開始を共通の制御コード(確変領域ソレノイド制御コード)を用いて開始するので、確変領域の開閉に加えて確変領域の有効・無効の変更を実行するとしても、必要な記憶容量を低減させることができる。ステップS303で下大入賞口を開放するラウンドでないと判定するか(ステップS303;No)、ステップS304の処理を終了すると、特図プロセスフラグの値を“5”に更新し(ステップS306)、大当り開放前処理を終了する。ステップS305にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図18(A)は、大当り開放中処理として、図8のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18(A)に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、実行中のラウンド遊技が下大入賞口を開放するラウンドであるか否かを判定する(ステップS311)。一例として、ラウンドカウンタ値が確変開放ラウンドを示す「14」又は「16」である場合に、下大入賞口を開放するラウンドであると決定し(ステップS311;Yes)、下大入賞口に進入した遊技球の検出判定のための下大入賞口入賞検出処理を実行する(ステップS316)。
図19は、下大入賞口入賞検出処理として、図18のステップS316にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。下大入賞口入賞検出処理では、まずCPU103は下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となったか否かを判定する(ステップS501)。下大入賞口スイッチ23Bが、下特別可変入賞装置7Bが第1状態(開放状態)となったときに下特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を検出して、オン状態となっていた場合には(ステップS501;Yes)、次に後述する下大入賞口スイッチ無効フラグがオンにセットされているか否か判定する(ステップS502)。なお、下大入賞口スイッチ無効フラグは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられた、後述する図20のステップS549等でオン状態にセットされるフラグであり、入出力エラー状態において、下大入賞口スイッチ23Bが下特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を検出した場合でも、その検出を無効とする制御を実行するために用いられる。
下大入賞口スイッチ無効フラグがオン状態でないと判定すると(ステップS502;No)、CPU103はRAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部153など)に設けられた、下特別可変入賞装置7B内の遊技球の数を示すカウンタである役物遊技中入賞個数カウンタを1加算する(ステップS502A)。役物遊技中入賞個数カウンタの値は、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数から、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを減算した数に制御される。
ステップS502Aを終了するか、ステップS501でNoと判定された場合や、ステップS502でYesと判定された場合、次にCPU103は確変領域スイッチ24Aがオン状態であるか否か判定する(ステップS503)。確変領域スイッチがオン状態である場合には(ステップS503;Yes)、確変領域を通過して特別可変入賞装置7B内から遊技球が排出されたと考えられるので、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS504)。次に、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否か判定する(ステップS505)。0未満である場合には(ステップS505;Yes)、下特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を下大入賞口スイッチ23Bが正しく検出できなかったと考えられるので、過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS512)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。本実施の形態では、過排出検出時エラー処理として役物遊技中入賞個数カウンタを0に設定する。これに加え、ホールの管理コンピュータに対して所定のエラー信号を出力したり、演出制御用マイクロコンピュータにエラーコマンドを送信して画像表示装置5においてエラー報知を行うようにしてもよい。
役物遊技中入賞個数カウンタが0以上であると判定すると(ステップS505;No)、CPU103は次に確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS506)。確変領域検出有効フラグは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられた、後述する図27の確変領域ソレノイド制御処理においてオン状態・オフ状態に切り替えられるフラグであり、大当り遊技状態において確変領域の有効・無効を所定のタイミングで切り替える制御を実行するために用いられる。確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされていると判定すると(ステップS506;Yes)、CPU103はRAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152)に設定された確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS508)。ステップS508において確変確定フラグをオン状態にセットすることにより、実行中の大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な確変状態に制御される。また、CPU103は、確変領域の有効期間中に確変領域を遊技球が通過して確変状態となることが確定したことを指定する確変確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS508A)。
なお、本実施の形態では、ステップS508Aの処理が実行されることによって、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが送信される。
また、本実施の形態では、既に説明したように、RAM102が電源バックアップされ、パチンコ遊技機1への電力供給開始時に復帰処理が実行されるので、大当り遊技のラウンド中に電断が発生して電力復旧した場合であっても、バックアップRAMにバックアップされていた特図プロセスフラグの値などにもとづいて電断発生時に実行していたラウンドから大当り遊技が再開される。そのため、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)の実行中に電断が発生して電力復旧した場合には、その電断発生時に実行していた確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)から大当り遊技が再開される。そして、大当り遊技の再開後の確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、さらに下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するとステップS508Aの処理が実行され、確変確定指定コマンドが送信されることになる。
ステップS503でNoと判定するか、ステップS506でNoと判定するか、ステップS508の処理を終了した場合、次にCPU103は排出スイッチ24Bがオン状態であるか否か判定する(ステップS509)。排出スイッチがオン状態である場合には(ステップS509;Yes)、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS510)。次に、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否か判定する(ステップS511)。0未満である場合には(ステップS511;Yes)、ステップS505でYesと判定した場合と同じく過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS512)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。また、ステップS509でNoと判定したか、ステップS511でNoと判定した場合には、そのまま下大入賞口入賞検出処理を終了する。
図19の下大入賞口検出処理では、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満である場合(下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数より少ない場合)に、過排出検出時エラー処理(ステップS512)によって役物遊技中入賞個数カウンタを0に戻してエラー状態を回復することができる。また、確変領域スイッチ24Aが不正行為によって遊技球を検出した場合でもその検出によっては確変状態に制御しないので、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
図18に戻って、ステップS316を終えるか、ステップS311にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定すると(ステップS311;No)、CPU103は開放パターンに基づいて大入賞口を開放するための大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS317)。一例として、まず、図13のS302でセットされた開放パターンにおいて、現在のラウンドタイマ値が示すタイミングにおいて大入賞口を開放状態とするか、閉鎖状態とするか、いずれに設定されているか特定する。そして、特定結果に応じて、ステップS311でNoと判定した場合(通常開放ラウンドである場合)には上大入賞口扉用のソレノイド82Aに、Yesと判定した場合(確変開放ラウンドである場合)には下大入賞口扉用のソレノイド82Bに、ソレノイドを特定結果に応じてオン又はオフ状態とするための制御信号を伝達すればよい。例えば、CPU103は、ステップS317にて、図13のS302でセットされた使用開放パターンのレコードのうち、現在使用しているレコードの使用時間と、使用中のレコードを使用開始してからの経過時間を比較して、現在使用レコードの使用時間が経過したか否かを判定する。使用時間が経過したと判定すると、使用開放パターンに記憶されているうち、次のレコードを使用レコードとして設定し、その使用レコードが指定する開閉動作に対応する駆動信号を対応するソレノイド(下開放ラウンドではソレノイド82B、上開放ラウンドではソレノイド82A)に伝達する。設定された次の使用レコードのレコード名が「大入賞口開放時間k(kは任意の整数)」であれば、特別可変入賞装置(上特別可変入賞装置7A又は下特別可変入賞装置7B)を開放状態とする制御信号をソレノイドに伝達する。一方、大入賞口開放時間k(kは任意の整数)」であれば、特別可変入賞装置(上特別可変入賞装置7A又は下特別可変入賞装置7B)を閉鎖状態(出力をオフ)とする制御信号を対応するソレノイドに伝達する。ステップS317で大入賞口を閉鎖状態とする場合(即ち、ラウンド遊技の実行中に閉鎖状態に変化させる場合)には、予め指定されたビットをクリアするだけで良いので、複数の大入賞口のうち、開閉制御の対象となる大入賞口を閉鎖する制御のみを実行する。このような構成によれば、設定した大入賞口パターンテーブルを用いて、大当り種別及び実行ラウンド数に応じて予め定められたタイミングで、下大入賞口又は上大入賞口を開閉制御することができる。
次に、CPU103は大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS318;No)、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS319)。
ステップS319にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS319;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS320)。入賞個数カウント値は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS321)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
ステップS319にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS319;No)、ステップS321の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「6」)に達したか否かを判定する(ステップS322)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS322;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS318にて大入賞口作動時間が経過した場合や(ステップS318;Yes)、ステップS322にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には、CPU103は入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS324)。次に、CPU103はラウンドカウンタ値に基づいて、終了するラウンドが下大入賞口を開放する確変開放ラウンドであるか否かを判定する。(ステップS325)。そして、下大入賞口を開放する確変開放ラウンドであると判定すると(ステップS325;Yes)、ラウンド終了後からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部153)に設定された入出力一致待ちタイマに、所定の入出力一致待ち制限時間に対応する値を設定し(例えば2740ミリ秒)、タイムアップするまでのカウントを開始する(ステップS326)。
ステップ325にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定するか(ステップS325;No)、ステップS326の処理を終了すると、CPU103は次に大入賞口の開放制御を終了して実行中のラウンドで開放された特別可変入賞球装置(下開放ラウンドの場合には下特別可変入賞球装置7B、上開放ラウンドの場合には上特別可変入賞球装置7A)を閉鎖する閉鎖制御を実行する(S327,S328)。なお、下特別可変入賞球装置7Bの閉鎖制御は、下大入賞口の作動時間が終了するか、下特別可変入賞球装置7Bに入賞上限数の遊技球が進入したか、何れかを条件として実行される。一方、上特別可変入賞球装置7Aの閉鎖制御は、上大入賞口の作動時間が終了するか、上特別可変入賞球装置7Aに入賞上限数の遊技球が進入したか、何れかを条件として実行される。
この実施の形態では、実行中のラウンド遊技が上開放ラウンドか下開放ラウンドかにかかわらず、CPU103は、下特別可変入賞球装置7Bの閉鎖制御(ステップS327)と上特別可変入賞球装置7Bの閉鎖制御(ステップS328)とをともに実行する。即ち、下特別可変入賞球装置7Bの閉鎖制御として、ソレノイド出力データテーブルのD2をクリア(値を「0」に設定)する処理を実行する(ステップS327)。ソレノイド出力データテーブルの「D2」がクリアされることで、下大入賞口扉用のソレノイド82Bを用いた大入賞口扉の駆動制御が停止し、ソレノイドの出力がオフ状態となる。その結果、下大入賞口扉71は閉じた状態を保持し、下特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態となる。更に、上特別可変入賞球装置7Bの閉鎖制御として、CPU103はソレノイド出力データテーブルのD1をクリア(値を「0」に設定)する処理を実行する(ステップS328)。ソレノイド出力データテーブルの「D1」がクリアされることで、ソレノイド82Aを用いた大入賞口扉の駆動制御が停止し、ソレノイドの出力がオフ状態となる。その結果、上大入賞口扉は閉じた状態を保持し、上特別可変入賞球装置7Aが閉鎖状態となる。ステップS327とステップS328との処理により、下開放ラウンドを実行中でも、下開放ラウンドを実行中でも、ソレノイド出力データテーブルのD1とD2との値は共に0に更新される(図18(B))。一方、ソレノイド出力データテーブルのうち、上大入賞口扉用のソレノイド82A及び上大入賞口扉用のソレノイド82A以外に対応するフラグ(D1及びD2以外)については更新されないため、普通電動役物や確変領域蓋といった、上特別可変入賞球装置7A及び下特別可変入賞球装置7Bとは閉鎖条件の異なる装置の開閉制御には影響を与えない。
上大入賞口と下大入賞口との何れを閉鎖状態にする場合でも、上大入賞口を閉鎖状態とする処理と、下大入賞口を閉鎖状態とする処理と、を共に実行することにより、閉鎖する処理の対象となるのが上大入賞口と下大入賞口との何れかであるかを判定する処理が不要となる。そのため、必要な処理量を減少させることができる。また、使用する大入賞口の数を減らす場合でも、増やす場合でも、閉鎖状態とする処理を削除又は追加するだけで良いので、設計変更が容易である。
ステップS328の処理が終わると、CPU103は特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS329)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図20は、大当り開放後処理として、図8のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、ラウンドカウンタ値に基づいて、実行されたラウンド遊技において下大入賞口を開放したか(確変開放ラウンドであったか)否かを判定する(ステップS541)。下大入賞口を開放した場合には(ステップS541;Yes)、次にCPU103はRAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部153)に設けられた次移行許容フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS542)。次移行許容フラグは、後述するステップS547にて、実行されたラウンドを終了して次の状態へ移行する(実行中のラウンド後の制御を実行する)条件が成立した場合にオン状態にセットされるフラグであり、実行中のラウンド後の制御の実行を好適に許容するために用いられる。ここで、次の状態とは、実行されたラウンドが大当り遊技状態の最後のラウンドでない場合には次のラウンド、又は、最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了及び大当り終了後の遊技状態(確変確定フラグがセットされている場合には確変状態へ制御された特別遊技状態、セットされていない場合には確変状態に制御されない通常遊技状態)を示す。次移行許容フラグがオン状態にセットされていなと判定すると(ステップS542;No)、CPU103はRAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部152)に設けられた入出力エラー中フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS543)。入出力エラー中フラグは、役物遊技中入賞個数カウンターが入出力一致待ち上限時間を過ぎても0にならず、後述する入出力エラー状態(玉詰まり等が発生されたと推測される状態)が開始されたことに基づいて、後述するステップS552にてオン状態にセットされるフラグであり、後述する異常動作等を実行してエラー状態に制御してエラー状態が解消されるまで待ち受けるために用いられる。
入出力エラー中フラグがオン状態でないと判定すると(ステップS543;No)、次にCPU103は図18のステップS326でカウントを開始した入出力一致待ちタイマがアップしたか否か判定する(ステップS544)。図18のステップS326におけるカウント開始から未だ所定の入出力一致待ち上限時間(例えば2740ミリ秒)が経過していない場合には、CPU103はタイマがアップしていないと判定し(ステップS544;No)、図19に示す下大入賞口検出処理を実行する(ステップS545)。ステップS545では、CPU103は図18のステップS316と同様に、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bの状態に応じて確変確定フラグや役物遊技中入賞個数カウンタを更新する。
なお、本実施の形態では、役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0となり、下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とが一致したと判定された場合にのみ、大当り遊技状態を終了または次のラウンドへの移行が許容される場合を示しているが、例えば、役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0とならなくても、所定期間が経過すれば、大当り遊技状態を終了したり次のラウンドに移行したりしてもよい。この場合、例えば、役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0とならなかった場合には、エラーと判定してエラー表示や警告音を出力するなどエラー報知を行う一方で、大当り遊技状態を終了したり次のラウンドに移行したりすることにより遊技を継続するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、下特別可変入賞球装置7Bについてのみ進入した遊技球の数と排出された遊技球の数との差数を確認して大当り遊技状態を終了または次のラウンドへの移行を許可する処理を実行する場合を示したが、上特別可変入賞球装置7Aについても、ステップS546,S547と同様の処理を行って、上特別可変入賞球装置7Aに進入した遊技球の数と上特別可変入賞球装置7Aから排出された遊技球の数とが一致したと判定された場合にのみ、大当り遊技状態を終了または次のラウンドへの移行を許容するように構成してもよい。
ステップS545を終了すると、CPU103はステップS545で更新した役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定する(ステップS546)。役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0であると判定した場合には(ステップS546;Yes)、CPU103は次移行許容フラグをセットする(ステップS547)。即ち、下大入賞口スイッチ23Bが検出した下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数(確変領域を通過して下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数)と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数(確変領域を通過せず下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数)とを和した数と、が一致したことに基づき、実行中のラウンドが大当り遊技状態で実行される最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了を、最後のラウンドでない場合には次のラウンドへの移行を、許容する制御が実行される。
次に、CPU103は入出力エラー中フラグがオン状態であるか否かを、ステップS543と同様に判定する(ステップS548)。入出力エラー中フラグがオン状態で無いと判定した場合(ステップS548;No)、即ち、入出力エラー状態でない場合には、CPU103は大当り開放後処理を終了する。ステップS546にて役物遊技中入賞カウンタが0でなく、実行中のラウンド後の制御の実行(実行中のラウンドが大当り遊技状態で実行される最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了、最後のラウンドでない場合には次のラウンドへの移行)が許容されないと判定した場合(ステップS546;No)も同様に大当り開放後処理を終了する。
ステップS544にて、下大入賞口が開放されるラウンド遊技において、実行中のラウンド後の制御の実行が許容されないまま、下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させる期間が終了した後に所定の入出力一致待ち上限時間(例えば2740ミリ秒)が経過したと判定された場合には(ステップS544;Yes)、CPU103は下大入賞口スイッチ24Aによる遊技球の検出を一時的に無効にするため、下大入賞口スイッチ無効フラグをオン状態にセットする(ステップS549)。この結果、オフ状態に更新されるまで、図19のステップS502にてYesと判定されるようになり、下大入賞口スイッチが遊技球を検出しても役物遊技中入賞カウンタが更新されず、検出は無効となる。また、このとき少なくとも排出スイッチ24Bによる検出は有効であり、排出スイッチ24Bの設置部を遊技球が通過すると、図19の下大入賞口検出処理のステップS510で役物遊技中入賞カウンタが1減算される。
次に、CPU103は画像表示装置5に入出力エラー状態であることを示す画面表示を開始するための処理(エラー表示開始処理)を実行する(ステップS550)。具体的には、RAM102の遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに、エラー表示開始を指示する演出制御コマンドの送信を指定するバッファ値を設定することで、次に実行されるコマンド制御処理(図7のステップS17)においてエラー表示開始を指定する演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信されるようにすれば良い。
次に、ホールの管理コンピュータといった外部装置に対して、下大入賞口スイッチ23Bが検出した下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致せず入出力一致待ち上限時間を経過したこと(入出力エラーが発生したこと)を伝達するエラー信号を出力する(ステップS551)。エラー信号を出力することにより、エラー信号を受信したホールの管理コンピュータといった外部装置においても入出力エラーの発生を知ることが出来るため、ホールの管理者等が迅速にエラーに対処することができる。
ステップS551が終わると、CPU103は入出力エラー中フラグをオン状態にセットして(ステップS552)、大当り開放後処理を終了する。ステップS549〜S552の処理により、下大入賞口スイッチ23Bが検出した下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致せず入出力一致待ち上限時間を経過したことに基づき、入出力エラー状態に制御される。
入出力エラー状態に制御されている場合には、大当り開放後処理のステップS543にて入出力エラー中フラグがオンであると判定され(ステップS543;Yes)、ステップS544はスキップされる。また、入出力エラー状態に制御されている場合に、例えば後述する入出力エラー状態において実行される確変領域蓋72の異常時動作によって球詰まりが解消する場合がある。また、エラー状態解消のためパチンコ遊技機1の管理者が下大入賞口扉71を手で開けて、遊技球を投入する場合がある。このような場合、詰まっていた遊技球や投入された遊技球を排出スイッチ24Bが検出することにより、下大入賞口入賞検出処理(ステップS545)にて役物遊技中入賞個数カウンタが更新される。このときには、ステップS546にて役物遊技中入賞口数カウンタが0と判定され(ステップS546;Yes)、ステップS547にて次移行許容フラグがオン状態にセットされるのみならず、ステップS548にて入出力エラー中フラグがオン状態であると判定され(ステップS548;Yes)、入出力エラー状態を解消するための処理(ステップS553とS555)が実行される。具体的には、CPU103はステップS553にて入出力エラー中フラグをオフ状態にセットし(ステップS553)、その後下大入賞口スイッチ無効フラグをオフ状態にセットし(ステップS555)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS541にて実行されたラウンド遊技が下大入賞口を開放しない通常開放ラウンドであるかと判定されたか(ステップS541;No)、ステップS542にて次移行許容フラグがオン状態であると判定された場合には(ステップS542;Yes)、CPU103は、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS561)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS564の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS561にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS561;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値(例えば「16」)に達したか否かを判定する(ステップS562)。このとき、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS562;No)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間(例えば1秒)を設定する(ステップS563)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS564)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS562にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS562;Yes)、大当り終了前時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS565)。このときには、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS566)。また、大当りフラグと次移行許容フラグとをクリアしてオフ状態にする(ステップS567)。更に、確変領域ソレノイドコードの値を0にセットして(ステップS567A)、後述する確変領域ソレノイド制御処理における確変領域蓋72の位置制御と確変領域の有効無効の切り替え制御とを停止する。また、CPU103は、大当り遊技が終了したことを指定する大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに対して送信する制御を行う(ステップS567B)。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS568)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS561にて次ラウンド待ちフラグがオンである場合には(ステップS561;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS569)。そして、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS569;No)、大当り開放後処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS569にて次ラウンド待ち時間が経過したときには(ステップS569;Yes)、次移行許容フラグと次ラウンド待ちフラグとをクリアしてオフ状態にする(ステップS570)。また、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS571)。更に、確変領域ソレノイドコードの値を0にセットして(ステップS571A)、後述する確変領域ソレノイド制御処理における確変領域蓋72の位置制御と確変領域の有効無効の切り替え制御とを停止する。そして、CPU103は、ラウンドカウンタの値と図13のステップS297でセットした大当り開放パターンテーブルとを参照して、次に実行されるラウンドで開放される大入賞口が、下大入賞口であるか上大入賞口であるかを決定する(ステップS572)。そして、ステップS572の決定結果に基づいて、次に開始されるラウンドで開放される大入賞口に応じて、異常入賞確認テーブルに次に開始されるラウンドの開放大入賞口に応じた値をセットする(ステップS573)。具体的な処理内容は図13のステップS300Bと同様である。
ステップS573を終えると、CPU103は特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS574)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS114の大当り開放前処理が実行され、新たなラウンド遊技を開始させることができる。
このように、図20・図21の大当り開放後処理においては、ラウンド遊技における大入賞口作動時間が終了した後、所定の入出力一致待ち時間を越えて、実行中のラウンド後の制御の実行が許容がされない場合には、下大入賞口スイッチ無効フラグをオン状態にセットして下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を無効にする。また、このとき少なくとも排出スイッチ24Bによる有効であり、排出スイッチ24Bの設置部を遊技球が通過すると、図19の下大入賞口検出処理のステップS510で役物遊技中入賞カウンタが1減算される。そのため、例えば下大入賞口扉71を手で開けて遊技球を下特別可変入賞球装置7Bに進入させると、役物遊技中入賞個数カウンタ値は、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出に基づいては加算されず、排出スイッチ24Bによる検出に基づいて減算される。よって、役物遊技中個数カウンタが0となるまで下大入賞口扉71を手で開けて遊技球を下特別可変入賞球装置7Bに進入させることで、入出力エラー状態を解除することができる。即ち、エラー状態から簡便に復帰することが出来る。
また、ステップS569にて次ラウンド開始待ち時間の経過を待って次のラウンドを開始するため、実行中のラウンドの大入賞口作動時間が終了したことに基づき図18のステップS327とS328とで大入賞口を閉鎖する制御を実行してラウンドを終了した後、次の大当り遊技状態を開始するまでの待機時間を好適に設定することが出来る。
この実施の形態で使用される複数の大入賞開放テーブルには、ラウンド遊技の実行時間に含まれる閉鎖時間がそのラウンド遊技において大入賞口を最後に開放した後に設定されているテーブル(例えば図15の(B)及び(D)に示す大入賞口開放パターンテーブルB及びD)と、設定されていないテーブル(例えば図15(A)及び(C)に示す大入賞口開放パターンテーブルA及びD)と、が含まれる。大入賞口を最後に開放した後に設定されているラウンド遊技の実行時間に含まれる閉鎖時間は、図14(B)及び(C)に示すように、確変制御条件が成立する割合が高い大当り種別(第2大当り)の大当り遊技状態の下開放ラウンドで使用されるす大入賞口開放パターンテーブルに設定されている。大入賞口を最後に開放状態とした後に設定された閉鎖時間は、下大入賞口を「第1大当り」よりも長い時間(約27秒又は2秒)開放した後に、確変領域に遊技球が通過したか否かを判定する時間として用いられる。このため、大入賞口を通過した後に確変領域を通過した遊技球(所謂「遅れ球」)も含め、確実に確変領域を通過した遊技球を検出することが出来る。一方、確変制御条件が成立するか否かに関わる確変領域を含まない上特別可変入賞装置7Aを開放状態とした場合や、下特別可変入賞装置7Bを遊技球が進入する割合が低い短時間(52ミリ秒)だけ開放状態とした場合などでは、遊技球が確変領域を通過することが想定されない。そこで、このような場合には大入賞口を最後に開放状態とした後に閉鎖時間を設定せず直ぐにラウンド遊技を終了することで、不要な待ち時間を含まず、ラウンド遊技の実行スケジュールを好適に設定することが出来る。
図22は、大当り終了処理として、図8のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS361;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS361にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、CPU103は、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として、ステップS364の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「50」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。
ステップS363にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS363;No)、ステップS365の処理を実行した後には、CPU103は異常入賞確認テーブルに初期値をセットする(ステップS366A)。ここでは、下大入賞口スイッチに対応するビット「B0」のみが「1」である値(00000001)を初期値とする。そして、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS368)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図23(A)は、小当り開放前処理として、図8のステップS118にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23(A)に示す小当り開放前処理において、CPU103は、まず、小当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS401)。このとき、小当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS401;No)、小当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに小当り開放前処理が再び実行され、小当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS401にて小当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS401;Yes)、例えば図23(B)に示すような小当り大入賞口開放パターンテーブルをセットし(ステップS402)、下上大入賞口の駆動を開始し下特別可変入賞球装置7Bを開放状態にするための開放制御として、ソレノイド出力データD3の値を「1」にセットする(ステップS403)。なお、小当り遊技状態においては、ステップ確変領域ソレノイド制御コードは大当り遊技状態の終了時に図21のステップS571Aでクリアされたままの状態を保持する。そのため、小当り遊技状態を通して確変領域用蓋は閉鎖状態で保持されるとともに、確変領域は無効となる。上述したとおり、確変領域の周辺は遊技者に視認不能又は困難であり、確変領域を遊技球が通過したか否かを隠蔽することが出来る。そのため、下大入賞口の開閉態様を第3大当り遊技状態と小当り遊技状態とで類似させることと合わせて、確変状態に制御される確変制御条件が成立可能な「大当り遊技状態」と不可能な「小当り遊技状態」との何れであるかの判定が遊技者にとって困難として、確変状態に制御されるか否かの期待感を好適に煽ることができる。
図23(B)は、小当り大入賞口開放パターンテーブルの構成例を示す図である。図23(B)における小当り大入賞口開放パターンテーブルでは、図示するように、下大入賞口を開放状態とする開放時間と閉鎖状態とする閉鎖時間とか交互に設定されている。また、小当りの場合は、大当りとは異なり、ラウンド遊技という概念が存在しないため、ラウンド遊技に応じて異なる開閉パターンに制御されることはなく、一旦開放状態に制御されてから複数回の開閉制御が行われ、最終的に閉鎖状態に制御されるまでの一連の動作が小当り大入賞口開放パターンテーブルに設定されている。本実施の形態では、小当り遊技状態での下大入賞口の開閉動作を、第3大当り遊技状態における下大入賞口の開閉動作を模して実行するために、第3大当り遊技状態の下開放ラウンドに対応する開閉動作を指示するレコード(第14ラウンドに対応するレコード1及び2、第16ラウンドに対応するレコード3〜6)設定されている。
ステップS403の処理に続いて、小当り遊技状態に応じた大入賞口作動時間をRAM102の所定領域に設定された大入賞口作動時間タイマにセットして(ステップS405)、小当り遊技状態における下大入賞口の大入賞口作動期間を開始する。そして、特図プロセスフラグの値を小当り開放中処理に対応した値である“9”に更新してから(ステップS406)、小当り開放前処理を終了する。
図24は、小当り開放中処理として、図8のステップS119にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す小当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口作動時間タイマを参照して、ステップS405でセットした大入賞口作動時間が経過したか否かを判定する(ステップS721)。大入賞口作動時間が経過していない場合(ステップS721;No)、大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS722)。ステップS722では、図18のステップS317と同様に、小当り遊技状態の開始時点からの経過時間に応じて、図23のステップS402でセットされた小当り大入賞口開放パターンテーブルのうち使用するレコードを決定し、使用時間が終了した時点で新たなレコードに応じた駆動信号を下大入賞口扉用のソレノイド82Cに伝達すればよい。小当り遊技状態実行中の下大入賞口の閉鎖制御を行うにあたっては、大当り遊技状態の下開放ラウンドにおけるラウンド遊技中の閉鎖制御と同じく、開閉制御の対象となる下大入賞口とは異なる上大入賞口に対する閉鎖制御は実行されない。
ステップS722の処理を実行した後は、下大入賞口スイッチ23Bから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS723)。下大入賞口スイッチ23Bがオフである場合には(ステップS723;No)、小当り開放中処理を終了する。一方、ステップS723にて下大入賞口スイッチ23Aがオンである場合には(ステップS723;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS724)。続いて、上大入賞口スイッチ23Aにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行ってから(ステップS725)、小当り開放中処理を終了する。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
例えばステップS725の処理において、CPU103は、上大入賞口スイッチ23Aにより遊技球が検出されたことに対応して、所定個数(例えば「14」)の遊技球を払い出すよう指示する所定の払出制御コマンド(例えば賞球個数指定コマンド)が払出制御基板に対して送信されるように、予め用意された払出制御コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレスなど)を指定すればよい。こうして設定された払出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に遊技制御用タイマ割込み処理に含まれるコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から払出制御基板に対して伝送されればよい。
ステップS721で大入賞口作動時間が経過した場合には(ステップS721;Yes)、入賞口数をクリアした後、入賞一致待ち処理を実行する(ステップS727)。入賞一致待ち処理は、図18(A)のステップS326と図20のS544等と同様に、大入賞口作動時間が経過した後、役物遊技中入賞個数カウンタが0となるまで所定時間を限度に待機する処理である。所定時間を越えて役物遊技中入賞個数カウンタが0とならない場合には、図20のステップS549〜552と同様にエラー処理を実行すれば良い。上述したとおり、小当り遊技状態においては、確変領域蓋は閉鎖状態に保持され、かつ確変領域は無効とされる。そのため、入賞一致待ち処理を省略して処理を簡略化することも可能である。しかしながら、小当り遊技状態で下特別可変入賞球装置7Bに進入したまま適切に排出されなかった遊技球や、不正目的で小当り遊技状態にて下特別可変入賞球装置7Bに配置された遊技球が、小当り終了後に実行される大当り遊技状態の下開放ラウンドで確変領域を通過してしまう場合が考えられる。小当り遊技状態でも役物遊技中入賞個数カウンタが0となるまで待機することにより、このような場合に対応してセキュリティを向上させることができる。ステップS727が終わると、小当り遊技状態を終了するにあたって、下大入賞口を閉鎖状態に制御する処理として、ソレノイド出力データテーブルの「D2」をクリアする(ステップS728)。小当り遊技状態では、大当り遊技状態とは異なり、開放される特別可変入賞装置が下特別可変入賞装置7Bであることが確定しているので、上特別可変入賞装置7Aを閉鎖する処理は実行されない。そして、特図プロセスフラグの値を“10”に更新してから(ステップS729)、小当り開放中処理を終了する。
図25は、図7のステップS12におけるメイン側エラー処理内にて行われる入賞報知処理の一例を示すフローチャートである。入賞報知処理では、RAM102の所定領域に設けられた異常入賞確認テーブル(図17)と、下大入賞口スイッチ23B、上大入賞口スイッチ23A、といった各スイッチの状態とを比較することにより不正な入賞があったか否かを判定する。入賞報知処理において、CPU103は、まず上大入賞口スイッチ23A又は下大入賞口スイッチ23Bがオンとなっているか否か判定する(ステップS52)。上大入賞口スイッチ23Aも下大入賞口スイッチ23Bもオフ状態であれば(ステップS52;No)、CPU103は入賞報知処理を終了する。一方、上大入賞口スイッチ23Aも下大入賞口スイッチ23Bのいずれかがオン状態であれば(ステップS52;Yes)、次にCPU103は特別図柄プロセスコードの値が4以下であるか否かを判定する(ステップS53)。遊技の進行上、特別可変入賞装置に遊技球が進入し大入賞口スイッチ(23A又は23B)が検出するタイミングでは、図8のステップS115〜120が実行されているはずである。よって、上大入賞口スイッチ23A又は下大入賞口スイッチ23Bがオン状態である場合であって、特別図柄プロセスコードの値が4以下(特別図柄プロセス処理においてS110〜S114の何れかが実行)のときには(ステップS53;Yes)、異常入賞できると判断して、後述のエラー処理(ステップS57〜S59)を実行する。
一方、特別図柄プロセスコードの値が4より大きい場合には(ステップS53;No)、次にRAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部152)に記憶されている異常入賞確認テーブル値をロードする(ステップS54)。同様に、スイッチオンバッファをロードする。異常入賞確認テーブルは、図13のステップS300Bや図21のステップS573において、上大入賞口スイッチに対応するビット(B1)と下大入賞口スイッチに対応するビット(B0)とのうち、大当り遊技状態のラウンド遊技、あるいは小当り遊技状態で開放される大入賞口に対応するビットの値が「0」に、開放された大入賞口に対応するビットでない(逆の)ビットの値が「1」に、それぞれ設定されている(図26(A)〜(E))。即ち、正常には遊技球を検出しないはずのスイッチに対応するビットがオン状態にセットされる。また、スイッチオンバッファは、上大入賞口スイッチがオン状態である場合に対応するビット(B1)が「1」にセットされると共に、下大入賞口スイッチがオン状態である場合に対応するビット(B0)が「1」にセットされる。
ステップS55の次に、CPU103はS54でロードした異常入賞確認テーブルの値とS55でロードしたスイッチオンバッファの値との論理積(AND)を算出する(ステップS56)。実行中又は前回のラウンド遊技又は小当り遊技で開放されていない大入賞口のスイッチがオンでない場合、即ちエラーが発生しない場合には、図26(A)及び(C)に示すように、論理積した値は0となる。一方、開放されていない大入賞口のスイッチがオンである場合には、図26(B)、(D)及び(E)に示したように論理値は非0(1)となる。そこで、CPU103はS56の次に算出結果が0か否かを判定し(ステップS56A)、0である場合には(ステップS56A;Yes)、ステップS52で検出された遊技球は、実行中又は前回のラウンド遊技又は小当り遊技で開放状態となった大入口に進入した正常な遊技球の検出であると判定して、正常な入賞であることを報知する入賞コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための処理を実行する(ステップS56B)。
一方、ステップS53でYesと判定するか、S56AでNoと判定した場合には、S52で検出した遊技球は不正な入賞であると判断できるため、CPU103はエラー処理(S57〜S59)を実行する。
ここで、異常入賞確認テーブルを図26(A)〜(E)のように開放される大入賞口に対応するビットを「0」とする場合(「逆」)と、「1」とする場合(図26(F)及び(G)、「順」)の場合とを比較する。「逆」の場合には、図26(A)〜(E)のようにエラー発生時には論理積値が非0となり、正常時には「0」となる。この結果は、開放されていない側(異常側)のスイッチのみが遊技球を検出した場合(図26(B),(D))のみならず、正常側と異常側の両方のスイッチが遊技球を検出した場合(図26(E))でも同様である。一方、「順」の場合には、正常時に論理積値が「非0」となる(図26(F))。異常側のスイッチのみが遊技球を検出した場合には論理積が「0」となるので区別が可能だが、正常側と異常側の両方のスイッチが遊技球を検出した場合(図26(G))、論理積値が正常時と同じく非「0」となり、正常か異常かを区別する場合にはさらなる処理(場合分け処理等)が必須となる。このように、本実施形態の構成では、少ない必要処理量で、精度良く異常判定処理を実行できる。
エラー処理(S57〜S59)では、CPU103はまず特図保留記憶数更新禁止フラグをセットするなどにより、第1及び第2特図保留記憶数の更新を禁止する設定を行う(ステップS57)。ステップS57の処理を実行した後に、CPU103は賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS58)。例えば、ステップS58の処理において、CPU103は、I/O105に含まれる出力ポートのうち払出制御基板に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、賞球個数信号の送信を停止させる。また、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた賞球個数設定バッファや、I/O105にて賞球個数信号を送信するための出力ポートにつき、制御データの書込みを禁止することにより、賞球数の設定が行われないようにする。
ステップS58の処理を実行した後、異常報知処理を実行する。ループ処理に入り(ステップS59)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS59の異常報知処理では、所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプや全ランプを点灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、異常を報知するための設定が行われる。一例として、CPU103は、検出された入賞エラーの種類に応じてEXTデータが異なる異常入賞報知指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。例えば、ステップS52にて下大入賞口スイッチ23Bがオンであると判定されたときと、ステップS54にて上大入賞口スイッチ23Aがオンであると判定されたとき、ステップS56にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたときとでは、EXTデータが異なる異常入賞報知指定コマンドを送信することにより、発生した入賞エラーの種類を特定可能とすればよい。
異常入賞報知指定コマンドの送信設定を行うときには、検出された入賞エラーの種類に応じたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(コマンドテーブルアドレス)を、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタが指定するバッファ領域にセットすればよい。こうして設定された異常入賞報知指定コマンドは、例えば図7のステップS17にてコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へと伝送されればよい。以下、各種の制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に送信するための設定を行う処理において、同様の設定が行われればよい。異常入賞報知指定コマンドを受信した演出制御基板12では、例えば演出制御用マイクロコンピュータの演出制御用CPU120が報知制御処理を実行することなどにより、入賞エラーの種類に応じた報知動作が行われるようにすればよい。
図27は、図7の遊技制御用タイマ割り込み処理のステップS16Aで実行される確変領域ソレノイド制御処理の一例を示すフローチャートである。この確変領域ソレノイド制御処理において、CPU103は、まず、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値を読み出す(ステップS601)。そして、読み出された制御コードの値が、前回実行された確変領域ソレノイド制御処理で読み出した制御コードの値と同じか否か判定する(ステップS602)。一例として、前回実行された確変領域ソレノイド制御処理のステップS603(後述)においてRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された比較用の制御コード値格納領域に格納された値と、ステップS601で読み出した値と、が一致した場合には前回と同じであると判定し、異なる場合には同じでないと判定すればよい。
ステップS602にて前回と同じでないと判定された場合には(ステップS610;No)、次の比較のためステップS601で読み出した値をRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された比較用の制御コード値格納領域に格納する(ステップS603)。次に、CPU103は確変ソレノイドパターンテーブルを選択するための使用テーブルリストをステップS601で読み出した値に応じて決定する(ステップS604)。ここで、確変ソレノイドパターンテーブルとは、図28のTBL0〜TBL10のように、テーブル毎に、テーブル使用時において、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力を指定するデータ(ソレノイド出力指定データ)と、確変領域が有効か無効かを指定するデータ(確変領域有効/無効指定値)と、そのテーブルの使用時間と、を関連付けて記憶するテーブルである。また、使用テーブルリストとは、読み出した確変領域ソレノイドコードの値が0か1かに応じて、使用する順に確変ソレノイドパターンテーブルを記憶したリストである。本実施の形態では、大当り種別にかかわらず同じ確変ソレノイドパターンテーブルを用いるため、確変領域蓋72の位置と確変領域の有効・無効とを制御するにあたって必要な記憶容量を少なくすることができる。
図28は、ステップS604における使用テーブルリストの決定例である。この例では、ステップS601で読み出した確変領域ソレノイド制御コードの値が0の場合は、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力をオフ状態のまま、確変領域を無効のまま保持する確変ソレノイドパターンテーブル(TBL0)のみを継続使用する使用テーブルリストを決定する。一方、確変領域ソレノイド制御コードの値が1である場合には、指定する確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力のオン・オフと、確変領域の有効・無効と、テーブル使用時間が異なる複数の確変ソレノイドパターンテーブル(TBL1〜TBL10)を、順に切り替えて使用する使用テーブルリストを決定する。TBL1〜TBL10は図31に示す制御例における期間T1〜T10においてそれぞれ使用される。このうち、TBL1〜TBL5は大入賞口作動時間(T1〜T5)中に、TBL6〜TBL9は入出力一致待ち状態の期間(T6〜T9)に、TBL10は入出力一致待ち状態終了後の入出力エラー状態(T10)に、それぞれ使用される。
ステップS604で使用テーブルリストを決定すると、CPU103は使用テーブルリストの先頭のテーブルを、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとしてセットする(ステップS605)。そして、セットした確変ソレノイドパターンテーブルからソレノイド出力指定データの値と、確変領域有効/無効指定値の値と、を読み取る(ステップS606)。そして、読み取った確変領域有効/無効指定値に応じて、RAM102の所定領域に設定された確変領域検出有効フラグを更新する(ステップS607)。更に、読み取ったソレノイド出力指定データの値に応じて、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部155)に設定された確変領域ソレノイドバッファを更新することで、ソレノイド出力指定データに応じて確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン・オフを制御する(ステップS608)。すなわち、確変領域蓋72の位置を制御する。なお、確変領域ソレノイドバッファは、確変領域蓋用のソレノイド82Cにオン・オフを指定する制御信号を出力するための出力バッファであり、このバッファに格納された値に応じて、図7のコマンド制御処理で確変領域蓋用のソレノイド82Cに制御信号が出力される。
なお、本実施の形態では、確変領域の有効/無効を制御する場合に、下特別可変入賞球装置7B内の確変領域蓋72を開放状態または閉鎖状態に制御するとともに、確変領域有効/無効指定値の値を有効または無効に設定する(確変領域検出有効フラグをオン状態またはオフ状態に設定する)場合を示しているが、例えば、大当り遊技中は確変領域有効/無効指定値の値を有効のまま(確変領域検出有効フラグをオン状態のまま)としてもよい。そのように構成しても、例えば、確変領域検出有効フラグがオン状態であっても、確変領域蓋72が閉鎖状態であれば確変領域を遊技球が通過して確変確定となることはできないのであるから、大当り遊技中の確変確定ラウンドや確変確定可能な期間を制御することができる。
次に、ステップS605でセットした使用テーブルのテーブル使用時間をRAM102の所定領域(例えば、遊技制御タイマ設定部153)に設定された確変領域ソレノイドタイマにセットし、計時を開始する。そして、確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
確変領域ソレノイド制御コード値は確変開放ラウンドの開始時と終了時とで更新されるため、連続しては更新されない。そのため、ステップS602にて確変領域ソレノイド制御コードの値が前回と異なると判定され使用テーブルリストを決定すると、実行中のラウンドが終了するまで次回以降のループで実行される確変領域ソレノイド制御では、ステップS602にて読出値が前回と同じと判定される(ステップS602;Yes)。この場合、CPU103は確変領域ソレノイドタイマ値を更新し(ステップS610)、次に使用テーブルの使用時間が終了したか否かを判定する(ステップS611)。具体的には、前回以前のループにおいてステップS609においてセットした確変領域ソレノイドタイマが未だアップしていない場合には、使用テーブルの使用時間が終了していないと判定し(ステップS611;No)、確変領域ソレノイド制御処理を終了する。一方、ステップS609においてセットした確変領域ソレノイドタイマがアップしていた場合には、CPU103は使用テーブルの使用時間が終了したと判定し(ステップS611;Yes)、次に使用テーブル番号が0であるか否か(TBL0を使用中であるか)を判定する(ステップS612)。使用テーブル番号が0である場合は(ステップS612;Yes)、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力のオン・オフを切り替えて確変領域蓋72の位置を変化させる制御と、確変領域の有効・無効を切り替える制御と、が開始されていないため、そのまま確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
一方、使用テーブル番号が0でない場合には(ステップS612;No)、CPU103は使用テーブル番号が10であるか否か(TBL10を使用中であるか)を判定する(ステップS613)。現在の遊技状態が入出力エラー状態であり、TBL10を使用中である場合には(ステップS613;Yes)、確変領域蓋用のソレノイド82をオフ状態(確変領域蓋72は閉鎖状態)で停止するための処理(確変領域ソレノイド停止処理)を実行して(ステップS615)、確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
一方、TBL10を使用中でない場合には(ステップS613;No)、ステップS604で決定した使用テーブルリストにおいて、現在の使用テーブルの次に記録されているテーブルを使用テーブルとしてセットし(ステップS614)、次の使用テーブルのソレノイド出力指定データ・確変領域有効/無効指定データ等についてステップS606〜S609の処理を行って確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
確変領域ソレノイド制御処理では、確変領域ソレノイド制御コードの値が0から1に変更されたときに、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力のオン・オフを切り替えて確変領域蓋72の位置を変化させる制御と、確変領域の有効・無効を切り替える制御と、が共に開始される。そのため、確変領域蓋72の位置制御と、確変領域の有効・無効を切り替える制御と、を開始するにあたってRAM102の容量が少なくてすむ。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立にもとづいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態に変化するラウンド遊技が行われることで、遊技者が多数の賞球(または対応する得点)を得られる有利な状態となる。
ラウンド遊技にて開放状態となる大入賞口としては、図1に示す右遊技領域2Bに設けられた特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口と、上大入賞口の下方に設けられた特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口とがある。大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技にて、いずれの大入賞口を開放状態とするかは、図13に示すステップS297・S298の処理にて、図14(A)・(B)に示すようなラウンドカウント値に応じて決定される。また、図13に示すステップS301の処理では、図14(A)・(B)に示すような大当り種別やラウンドカウント値に応じた大入賞口開放上限時間が決定される。
大当り遊技状態の終了後には、所定の確変制御条件が成立したことにもとづいて、通常状態よりも特図表示結果が「大当り」となりやすい確変状態に制御されることがある。一例として、確変領域スイッチ24Aの設置箇所を遊技球が通過し、その遊技球が確変領域スイッチ24Aにより検出されたときに、確変制御条件が成立する。ここで、例えば図29に示すように、確変開放ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口に進入した遊技球(下大入賞口入賞球)は、下大入賞口スイッチ23Bにより検出された後に、遊技球を確変領域に誘導する誘導路と、確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導する誘導路と、の分岐点に誘導される。このとき、確変領域蓋72が規制位置にある場合には、遊技球は確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導する誘導路により、排出スイッチ24Bの設置箇所へ誘導され、共通排出経路74に至る。この場合に、分岐路から共通排出経路74に至るまでの平均時間をTL1とする。一方、分岐点に誘導されたときに確変領域蓋72が許容位置にある場合、遊技球は確変領域スイッチ24Aの設置箇所(確変領域)へと誘導される。したがって、下大入賞口入賞球は、確変領域スイッチ24Aにより検出することができる。その後、下大入賞口入賞球は、遅延部73の設置箇所を通過した後に共通排出経路74へと誘導される。遅延部73により流下速度が低下するので、こちらの経路を辿った遊技球が分岐路から共通経路に至るまでの平均時間をTL2は、上述したTL1よりも長くなる。このため、後述する初回開放時(図31のT1)に下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球がTL1の時間で確変領域を通過せず共通排出経路74に至るタイミングに対して、2回目の開放時(図31のT5)に下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球がTL2の時間で確変領域を通過して共通排出経路74に至るタイミングを十分にずらすことができる。
図19に示すステップS503の処理にて確変領域スイッチ24Aがオンであるか否かが判定される。そして、確変領域スイッチ24Aがオンであると判定された場合には、ステップS508の処理により確変確定フラグがオン状態にセットされる。大当り遊技状態の終了時には、図19に示すステップS363の処理により確変確定フラグがオンであると判定された場合に、ステップS364の処理により確変制御を開始するための設定が行われる。こうして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行中に確変領域スイッチ24Aにより遊技球が検出されたことにもとづいて、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御することができる。
なお、通常開放ラウンドにおいて上特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口に進入した遊技球(上大入賞口入賞球)は、上大入賞口スイッチ23Aにより検出された後、確変領域を含む図29に示す何れの誘導路とは異なる誘導路を介して、上特別可変入賞球装置7Aから排出される。
図30は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行例を示す説明図である。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれに決定された場合でも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大実行回数は「16」になる(第16ラウンドまで)。そして、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」・「15」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)および第15ラウンド(15R)では、図30(A1)および(B1)に示すように、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される(通常開放ラウンド)。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」・「16」である第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)では、図19(A2)および(B2)に示すように、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される(確変開放ラウンド)。この確変開放ラウンドにて下大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)は、図14(A)・(B)に示すような決定により、大当り種別が「第1大当り」である場合に、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも極めて短い時間(52ミリ秒)となる。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を進入させることが極めて困難または不可能であり、確変制御条件が成立しにくい。
大当り種別は、図10に示すステップS242の処理により、図11(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で決定される。第1特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにもとづいて実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにもとづいて実行される。第2始動入賞口は、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が開放状態または拡大開放状態になることで遊技球が通過(進入)しやすくなり、閉鎖状態または通常開放状態になることで遊技球が通過(進入)不可能あるいは通過(進入)困難になる。普通可変入賞球装置6Bは、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となり、50/100の割合で第2大当りとなり下大入賞口に進入した遊技球が確変領域を通過したことにより確変制御条件が成立し、確変状態に制御されたときに開放状態または拡大開放状態になる。この場合、大当り種別が所定割合(50/100)で「第1大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立しにくい。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(いわゆる「連チャン率」)が抑制される。ただし、第1ラウンド〜第13ラウンド・第15ラウンドでは上大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が十分に長い時間(29.5秒)に設定される。これにより、遊技者には多くの賞球(または対応する得点)を得る機会が与えられ、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が高められる。
通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が所定の割合(50/100)で確変制御条件が成立しにくい「第1大当り」とすることで、連チャン率を抑制する一方、確変状態では特図表示結果が「大当り」となると必ず確変制御条件が成立しやすい「第2大当り」となることで、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制しつつ、一旦確変状態に制御された場合の連チャン率を高め、メリハリのある遊技体験を提供できる。
図31は、下大入賞口を開放するラウンド遊技(ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」・「16」である第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R))における、下大入賞口扉71の開閉制御(開放パターンB)と、確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン・オフ制御と、確変領域の有効/無効の制御と、の実行例を示す図である。大当り遊技状態において、確変開放ラウンド(第14および16ラウンド)のラウンド遊技が開始されると、まず下大入賞口扉が52ミリ秒だけ開放状態に制御される(T1)。このとき、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL1がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T1が終わると、下大入賞口扉は閉鎖状態となる。T1における開放は非常に短いので、このときに遊技球が下大入賞口に進入する割合は低い。そして、T1の次の52ミリ秒(T2)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL2がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は許容位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。このように、T2にて確変領域蓋が許容位置に制御されるので、T1における下大入賞口扉の開放時に下大入賞口に進入した遊技球は、T2で確変領域を通過できる場合もある。
期間T2が終わると、次の1000ミリ秒(T3)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL3がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。このため、T2で確変領域蓋の設置箇所を通過した遊技球が遅れて確変領域スイッチ24Aの設置箇所を通過した場合でも、確実に検出することができる。
期間T3が終わると、次の1600ミリ秒(T4)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL4がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。T4の後には下大入賞口扉がこのラウンドで2回目の開放状態となり、遊技球が進入可能となる。T1にて初回の開放を行い、T2にて確変領域蓋を許容位置に制御した後、次の期間T5にて2度目に下大入賞口扉を開放状態とし、確変領域蓋を許容位置とし確変領域を有効にする前に、T4にて1.6秒間は確変領域蓋を規制位置とし、確変領域を無効状態にしたまま待機する待機期間を設けることにより、T2で進入した遊技球はT5で進入した遊技球が共通排出経路74に誘導されるタイミングでは既に共通排出経路74を通過して下特別入賞球装置7Bより排出される。そのため、二つの経路から同時に共通排出経路74に遊技球が到達することにより発生する、球詰まり等の物理的障害を防ぐことができる。また、期間T4においては、確変領域蓋を規制位置に制御したのち1000ミリ秒が経過しているため、遅れ玉も既に通過ずみであり、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
期間T4が終わると、下大入賞口が27秒間を上限に開放状態に制御される。さらに、次の27356ミリ秒(T5)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL5がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は許容位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。T4の後には下大入賞口扉がこのラウンドで2回目の開放状態となり、遊技球が進入可能となる。大当り種別が「第2大当り」の場合は、T5で下大入賞口が開放されるときに、遊技球が下大入賞口に進入し、確変制御条件が成立する割合が高い。また、下大入賞口が上限の27秒間開放状態に制御された場合でも、その後の1908ミリ秒間は確変領域蓋を許容位置に制御すると共に確変領域を有効とするため、下大入賞口が閉鎖状態に制御される直前に入賞した遊技球についても、確実に確変領域を通過し、該通過にもとづいて確変状態に制御することができる。
期間T5が終わると、次の1000ミリ秒(T6)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL6がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。期間T5の終了間際に確変領域蓋設置箇所を通過した遊技球についても、該通過にもとづいて確実に確変状態に制御することができる。
期間T6が終わると、次の500ミリ秒(T7)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL7がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T7においては、確変領域蓋を規制位置に制御したのち1000ミリ秒が経過しているため、遅れ玉も既に通過ずみであり、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
期間T7が終わると、次の240ミリ秒(T8)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL8がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。第2大当り遊技状態において、ラウンド遊技の開始から大当入賞口扉の作動時間(31612ミリ秒)が経過した後所定時間が経過しても、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数が一致しない場合は、確変領域蓋に遊技球が挟まった等の物理的な要因で遊技球の移動(流下)が阻害されていることが考えられる。期間T8でTBL8を用いて確変領域蓋を制御することにより、確変領域蓋72を開閉する異常時動作を実行して、球詰まりを解消することができる。
期間T8が終わると、次の1000ミリ秒(T9)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL9がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T9においては、下大入賞口が開放されてから1740ミリ秒が経過しているため、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
期間T9が終わると、入出力一致待ち状態の上限時間が経過したことにもとづき、図17のステップS544にてYesと判定され、下大入賞口スイッチ無効フラグと入出力エラー中フラグとがオン状態にセットされることにより入出力エラー状態に制御される。そして、入出力エラー状態が解除されるまで、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL10がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御された状態が保持される。この状態では、下大入賞口スイッチ23Bの検出が無効状態(スイッチがオン状態となっても役物遊技中入賞個数カウンタが更新されない)に制御される一方、確変領域スイッチ24Aと排出スイッチ24Bとのうち少なくとも一方は有効状態(スイッチがオン状態となった場合に役物遊技中入賞個数カウンタが更新される)となる。そのため、下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致するまで手動で下大入賞口に遊技球を投入することで、入出力エラー状態を解除して通常の遊技に復帰することができる。すなわち、入出力エラー状態からの復帰が容易である。
期間T1の開始からT4の途中までが、大当り種別が「第1大当り」における下大入賞口扉の作動時間(1960ミリ秒)であり、この期間が終わると第1大当りにおける入出力一致待ち状態に制御される。第1大当りでは、下大入賞口は期間T1(52ms)においてのみ開放状態となる上、開放されるタイミングと、確変領域蓋72が許容位置となる期間(期間T2)とが異なるため、遊技球が確変領域を通過して確変制御条件が成立する割合はきわめて低い。一方、期間T1の開始からT5の最後までが、大当り種別が「第2大当り」における大当入賞口扉の作動時間(31612ミリ秒)であり、この期間が終わると第2大当りにおける入出力一致待ち状態に制御される。第2大当りでは、期間T1(52ms)のみならず期間T5において最大27秒間にわたって下大入賞口が開放状態となるため、高い割合で遊技球が下大入賞口に進入(入賞)する。さらに、期間T5において下大入賞口が開放状態となる全ての期間において、さらにその後閉鎖状態となったあとも約2秒間(期間T5後半)は確変領域蓋72が許容位置に保持される。そのため、第2大当り遊技状態においては、下大入賞口に進入(入賞)した遊技球は、下大入賞口の閉鎖直前に入賞し閉鎖後に分岐点に到達する遊技球(所謂遅れ球)も含めて余さず確変領域を通過する。また、確変領域蓋72が規制位置に変化させた後も1秒間(期間T6)は確変領域を有効とするので、確変領域の閉鎖直前に通過し閉鎖後に確変領域を通過する遊技球(所謂遅れ球)も含めて、余さず検出し、該検出にもとづいて確変状態に制御される。このように、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とで、確変制御条件が成立する割合を異にしてメリハリのある遊技を実現できる。
ここで、第1大当りと第2大当りとで、下大入賞口扉の開閉を共通の開放パターン(開放パターンB)を用いて実行するため、複数種別の大当り遊技状態にて、下大入賞口を開放する上限時間を異にするとしても、必要な記憶容量を削減することができる。また、第1大当りと第2大当りと、において共通の確変ソレノイドパターンテーブル(TBL1〜TBL10)を用いて確変領域ソレノイドの制御と確変領域の有効/無効の制御とを実行する。そのため、複数種別の大当り遊技状態にて、確変領域蓋の制御と変領域の有効/無効の制御とを実行するとしても、必要な記憶容量を削減することができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示および大当り遊技を行っているときの制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS6001)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS6002)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS6003)。+2するのは、本実施の形態では、演出制御コマンドは2バイトで構成され、演出制御用CPU120は2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが確変確定指定コマンドであれば(ステップS6004)、演出制御用CPU120は、既に確変状態となることが確定した旨の確変確定報知の実行中であることを示す確変確定報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6005)。確変確定報知中フラグがセットされていなければ(ステップS6005のN)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、確変確定報知を行うための確変確定表示を重畳表示する制御を開始する(ステップS6006)。例えば、画像表示装置5において「確変確定!」などの表示を重畳表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをセットする(ステップS6007)。
なお、本実施の形態では、確変確定報知として、画像表示装置5において「確変確定!」などの確変確定表示を行う場合を示しているが、このような態様にかぎられない。例えば、確変状態に移行されることが確定したことを認識可能な態様であれば、画像表示装置5においてキャラクタなどを用いた演出を実行してもよいし、スピーカ8L,8Rから所定の演出音を出力することにより確変確定報知してもよい。また、例えば、遊技効果ランプ9を所定の点灯・点滅パターンで制御することにより確変確定報知してもよい。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS6008)、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6009)。確変確定報知中フラグがセットされていれば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されている確変確定表示を消去し(ステップS6010)、確変確定報知を終了する。そして、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをリセットする(ステップS6011)。
なお、図33では、図示を省略しているが、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、画像表示装置5において、大当り遊技が終了したことを報知する大当り終了報知演出(エンディング演出)を実行する制御も行う。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS6012)。そして、ステップS6001に移行する。
ステップS6004〜S6011の処理が実行されることによって、本実施の形態では、確変確定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が実行される。この場合、ステップS6005の判定処理が行われることによって確変確定報知中フラグがセットされていないことを条件として(既に確変確定報知の実行中でないことを条件として)確変確定報知を開始する処理が実行されるので、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに確変確定報知の実行が開始され、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信しても重ねて確変確定報知を開始する処理を行わないようにしている。そして、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。従って、本実施の形態では、確変確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が1回実行されるように制御している。
なお、本実施の形態では、既に説明したように、演出制御基板12に搭載されたRAM122は電源バックアップされていないので、大当り遊技中に確変確定指定コマンドを1度受信して確変確定報知を開始した後であっても、パチンコ遊技機1への電力供給が停止してしまうと確変確定報知中フラグは保存されない。そのため、電断後に電力復旧した後に、再び確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信した場合には、ステップS6005でNと判定され、再び確変確定報知が開始されることになる。
また、本実施の形態では、仮に大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信された場合に、ノイズやコマンドのデータ化けなどの理由により演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信できなかった場合には、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを認識できていないのであるから、ステップS6006の確変確定報知を開始する処理も行われず、ステップS6007の処理も実行されないことから確変確定報知中フラグもセットされない。そのため、この場合には、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信されたときに、演出制御用CPU120は、ステップS6005でNと判定することから、ステップS6006を実行して確変確定報知を開始するとともに、ステップS6007を実行して確変確定報知中フラグをセットすることになる。
次に、確変領域を遊技球が通過したときの確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図34〜図36は、確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングを説明するための説明図である。
まず、図34を用いて、正常な動作が行われている場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図34に示すように、本実施の形態では、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。また、図34に示すように、演出制御用CPU120は、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示を開始し、確変確定報知の実行を開始する(ステップS6004〜S6007参照)。そして、図34に示すように、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。従って、本実施の形態では、確変確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が1回実行されるように制御している。
なお、本実施の形態では、大当り終了指定コマンドを受信するタイミングまで確変確定報知を継続する場合を示しているが、確変確定報知の継続期間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大当り終了指定コマンドを受信した後、さらに大当り終了報知演出(エンディング演出)を終了するまで確変確定報知を継続するようにしてもよい。また、例えば、最初に確変確定指定コマンドを受信して確変確定報知を開始した後、所定期間(例えば、30秒)を経過したことにもとづいて確変確定報知を終了するようにしてもよい。さらに、確変確定報知を開始したラウンド中のみ確変確定報知を実行するようにしてもよい。例えば、第14ラウンドで確変確定報知を開始した場合には、第14ラウンドが終了するまで確変確定報知を継続し、第14ラウンドを終了すると確変確定報知を終了するようにしてもよい。また、例えば、第16ラウンドで確変確定報知を開始した場合には、第16ラウンドが終了するまで確変確定報知を継続し、第16ラウンドを終了すると確変確定報知を終了するようにしてもよい。
次に、図35を用いて、大当り遊技中に電断が発生した場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図35に示すように、本実施の形態では、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。また、図35に示すように、演出制御用CPU120は、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示を開始し、確変確定報知の実行を開始する(ステップS6004〜S6007参照)。
ここで、図35に示すように、確変確定報知を開始した後に、確変開放ラウンド(本例では、第14ラウンド)中にパチンコ遊技機1への電力供給が停止したものとする。そして、図35に示すように、その後、パチンコ遊技機1への電力供給が復旧し、確変開放ラウンド(本例では、第14ラウンド)で下大入賞口が開放している状態から遊技が再開されたものとする。この場合、図35に示すように、電断後に電力復旧した後に、再び下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過すると再び確変確定報知コマンドの送信が行われる。そして、電断前と同様、確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。一方、本実施の形態では、演出制御基板12に搭載されたRAM122は電源バックアップされていないので、大当り遊技中に確変確定指定コマンドを1度受信して確変確定報知を開始した後であっても、パチンコ遊技機1への電力供給が停止してしまうと確変確定報知中フラグは保存されない。そのため、図35に示すように、電断後に電力復旧した後に、再び確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信した場合には、その確変確定指定コマンドを受信したタイミングで、ステップS6005でNと判定され、再び確変確定報知が開始されることになる(ステップS6004〜S6007参照)。そして、図35に示すように、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。
次に、図36を用いて、演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを取りこぼしてしまった場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図36に示すように、本実施の形態では、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。
ここで、図36に示すように、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信された場合に、ノイズやコマンドのデータ化けなどの理由により演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信できなかったものとする。この場合、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを認識できていないのであるから、ステップS6006の確変確定報知を開始する処理も行われず、ステップS6007の処理も実行されないことから確変確定報知中フラグもセットされない。そのため、図36に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100から確変確定指定コマンドが送信されたにもかかわらず、この1つ目の確変確定指定コマンド送信のタイミングでは確変確定報知は開始されない。
そして、この場合、図36に示すように、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信されたときに、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを正常に受信すれば、ステップS6005でNと判定することから、ステップS6006を実行して確変確定報知を開始するとともに、ステップS6007を実行して確変確定報知中フラグをセットすることになる。そして、図36に示すように、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示を開始し、確変確定報知の実行を開始する(ステップS6004〜S6007参照)。
以下、この実施形態のパチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態に変化するラウンド遊技が行われることで、遊技者が多数の賞球(または対応する得点)を得られる有利な状態となる。
ラウンド遊技にて開放状態となる大入賞口としては、図1に示す右遊技領域2Bに設けられた特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口と、上大入賞口の下方に設けられた特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口とがある。大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技にて、いずれの大入賞口を開放状態とするかは、図13に示すステップS297の処理にて、図14(A)〜(C)に示すようなラウンドカウント値に応じて決定される。また、図13に示すステップS301の処理では、図15(A)〜(C)に示すような大当り種別やラウンドカウント値に応じた大入賞口開放上限時間が決定される。
大当り遊技状態の終了後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、通常状態よりも特図表示結果が「大当り」となりやすい確変状態に制御されることがある。一例として、確変領域スイッチ24Aの設置箇所を遊技球が通過し、その遊技球が確変領域スイッチ24Aにより検出されたときに、確変制御条件が成立する。ここで、例えば図29に示すように、確変開放ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口に進入した遊技球(下大入賞口入賞球)は、下大入賞口スイッチ23Bにより検出された後に、遊技球を確変領域に誘導する誘導路と、確変領域を通過せず排出する経路に誘導する誘導路と、の分岐点に誘導される。このとき、確変領域蓋72が規制位置にある場合には、遊技球は確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導する誘導路により、排出スイッチ24Bの設置箇所へ誘導され、共通排出経路74に至る。この場合に、分岐路から共通排出経路74に至るまでの平均時間をTL1とする。一方、分岐点に誘導されたときに確変領域蓋72が許容位置にある場合、遊技球は確変領域スイッチ24Aの設置箇所(確変領域)へと誘導される。したがって、下大入賞口入賞球は、確変領域スイッチ24Aにより検出することができる。その後、下大入賞口入賞球は、遅延部73の設置箇所を通過した後に共通排出経路74へと誘導される。遅延部73により流下速度が低下するので、こちらの経路を辿った遊技球が分岐路から共通経路に至るまでの平均時間をTL2は、上述したTL1よりも長くなる。このため、後述する初回開放時(図31のT1)に下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球がTL1の時間で確変領域を通過せず共通排出経路74に至るタイミングに対して、2回目の開放時(図31のT5)に下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球がTL2の時間で確変領域を通過して共通排出経路74に至るタイミングを十分にずらすことができる。
図19に示すステップS503の処理にて確変領域スイッチ24Aがオンであるか否かが判定される。そして、確変領域スイッチ24Aがオンであると判定された場合には、ステップS508の処理により確変確定フラグがオン状態にセットされる。大当り遊技状態の終了時には、図19に示すステップS363の処理により確変確定フラグがオンであると判定された場合に、ステップS364の処理により確変制御を開始するための設定が行われる。こうして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行中に確変領域スイッチ24Aによりこの遊技球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御することができる。
なお、通常開放ラウンドにおいて上特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口に進入した遊技球(上大入賞口入賞球)は、上大入賞口スイッチ23Aにより検出された後、確変領域を含む図29に示す何れの誘導路とは異なる誘導路を介して、上特別可変入賞球装置7Aから排出される。
図30は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行例を示す説明図である。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれに決定された場合でも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大実行回数は「16」になる(第16ラウンドまで)。そして、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」・「15」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)および第15ラウンド(15R)では、図30(A1)および(B1)に示すように、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される(通常開放ラウンド)。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」・「16」である第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)では、図30(A2)および(B2)に示すように、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される(確変開放ラウンド)。この確変開放ラウンドにて下大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)は、図14(A)・(B)に示すような決定により、大当り種別が「第1大当り」である場合に、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも極めて短い時間(52ミリ秒)となる。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を進入させることが極めて困難または不可能であり、確変制御条件が成立しにくい。
大当り種別は、図11(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で決定される。第1特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。第2始動入賞口は、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が開放状態または拡大開放状態になることで遊技球が通過(進入)しやすくなり、閉鎖状態または通常開放状態になることで遊技球が通過(進入)不可能あるいは通過(進入)困難になる。普通可変入賞球装置6Bは、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となり、50/100の割合で「第2大当り」又は「第3大当り」となり下大入賞口に進入した遊技球が確変領域を通過したことにより確変制御条件が成立し、確変状態に制御されたときに開放状態または拡大開放状態になる。この場合、大当り種別が所定割合(50/100)で「第1大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立しにくい。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(いわゆる「連チャン率」)が抑制される。ただし、第1ラウンド〜第13ラウンド・第15ラウンドでは上大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が十分に長い時間(20秒)に設定される。これにより、遊技者には多くの賞球(または対応する得点)を得る機会が与えられ、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が高められる。
通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が所定の割合(50/100)で確変制御条件が成立しにくい「第1大当り」とすることで、連チャン率を抑制する一方、確変状態では特図表示結果が「大当り」となると必ず確変制御条件が成立しやすい「第2大当り」又は「第3大当り」となることで、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制しつつ、一旦確変状態に制御された場合の連チャン率を高め、メリハリのある遊技体験を提供できる。
また、確変制御条件が成立しやすい大当り種別として、上開放ラウンドで賞球が払い出される第2大当りと、払いだされる賞球が無い(あるいは第1大当りや第2大当りと比べて少ない)第3大当りとを設定して、大当りのバリエーションを増やしている。さらに、確変制御条件が成立しない(あるいは成立する割合が低い)、大当りとは異なる「小当り」として、下大入賞扉の開閉が「第3大当り」と対応する図23(B)に示したような小当りが実行されることにより、下特別可変入賞球装置7Bが第1大当りより長く開放状態となるとしても、確変制御条件が成立しないリスクを残している。このように、複数の「大当り種別」の大当り遊技状態と、大当り遊技状態とは異なる「小当り」遊技状態とを実施して、遊技が単調になることを防止している。
図31は、下大入賞口を開放するラウンド遊技(ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」・「16」である第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R))における、下大入賞口扉71の開閉制御(開放パターンB)と、確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン・オフ制御と、確変領域の有効/無効の制御と、の実行例を示す図である。大当り遊技状態において、確変開放ラウンド(第14および16ラウンド)のラウンド遊技が開始されると、まず下大入賞口扉が52ミリ秒だけ開放状態に制御される(T1)。このとき、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL1がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T1が終わると、下大入賞口扉は閉鎖状態となる。T1における開放は非常に短いので、このときに遊技球が下大入賞口に進入する割合は低い。そして、T1の次の52ミリ秒(T2)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL2がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は許容位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。このように、T2にて確変領域蓋が許容位置に制御されるので、T1における下大入賞口扉の開放時に下大入賞口に進入した遊技球は、T2で確変領域を通過できる場合もある。
期間T2が終わると、次の1000ミリ秒(T3)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL3がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。このため、T2で確変領域蓋の設置箇所を通過した遊技球が遅れて確変領域スイッチ24Aの設置箇所を通過した場合でも、確実に検出することができる。
期間T3が終わると、次の1600ミリ秒(T4)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL4がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。T4の後には下大入賞口扉がこのラウンドで2回目の開放状態となり、遊技球が進入可能となる。T1にて初回の開放を行い、T2にて確変領域蓋を許容位置に制御した後、次の期間T5にて2度目に下大入賞口扉を開放状態とし、確変領域蓋を許容位置とし確変領域を有効にする前に、T4にて1.6秒間は確変領域蓋を規制位置とし、確変領域を無効状態にしたまま待機する待機期間を設けることにより、T2で進入した遊技球はT5で進入した遊技球が共通排出経路74に誘導されるタイミングでは既に共通排出経路74を通過して下特別入賞球装置7Bより排出される。そのため、二つの経路から同時に共通排出経路74に遊技球が到達することにより発生する、球詰まり等の物理的障害を防ぐことができる。また、期間T4においては、確変領域蓋を規制位置に制御したのち1000ミリ秒が経過しているため、遅れ玉も既に通過ずみであり、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
期間T4が終わると、下大入賞口が27秒間を上限に開放状態に制御される。さらに、次の27356ミリ秒(T5)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL5がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は許容位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。T4の後には下大入賞口扉がこのラウンドで2回目の開放状態となり、遊技球が進入可能となる。大当り種別が「第2大当り」の場合は、T5で下大入賞口が開放されるときに、遊技球が下大入賞口に進入し、確変制御条件が成立する割合が高い。また、下大入賞口が上限の27秒間開放状態に制御された場合でも、その後の1908ミリ秒間は確変領域蓋を許容位置に制御すると共に確変領域を有効とするため、下大入賞口が閉鎖状態に制御される直前に入賞した遊技球についても、確実に確変領域を通過し、該通過にもとづいて確変状態に制御することができる。
期間T5が終わると、次の1000ミリ秒(T6)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL6がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。期間T5の終了間際に確変領域蓋設置箇所を通過した遊技球についても、該通過にもとづいて確実に確変状態に制御することができる。
期間T6が終わると、次の500ミリ秒(T7)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL7がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T7においては、確変領域蓋を規制位置に制御したのち1000ミリ秒が経過しているため、遅れ玉も既に通過ずみであり、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
期間T7が終わると、次の240ミリ秒(T8)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL8がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。第2大当り遊技状態において、ラウンド遊技の開始から大当入賞口扉の作動時間(31612ミリ秒)が経過した後所定時間が経過しても、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数が一致しない場合は、確変領域蓋に遊技球が挟まった等の物理的な要因で遊技球の移動(流下)が阻害されていることが考えられる。期間T8でTBL8を用いて確変領域蓋を制御することにより、確変領域蓋72を開閉する異常時動作を実行して、球詰まりを解消することができる。
期間T8が終わると、次の1000ミリ秒(T9)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL9がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T9においては、下大入賞口が開放されてから1740ミリ秒が経過しているため、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
期間T9が終わると、入出力一致待ち状態の上限時間が経過したことにもとづき、図20のステップS544にてYesと判定され、下大入賞口スイッチ無効フラグと入出力エラー中フラグとがオン状態にセットされることにより入出力エラー状態に制御される。そして、入出力エラー状態が解除されるまで、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図28のTBL10がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御された状態が保持される。この状態では、下大入賞口スイッチ23Bの検出が無効状態(スイッチがオン状態となっても役物遊技中入賞個数カウンタが更新されない)に制御される一方、確変領域スイッチ24Aと排出スイッチ24Bとのうち少なくとも一方は有効状態(スイッチがオン状態となった場合に役物遊技中入賞個数カウンタが更新される)となる。そのため、下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致するまで手動で下大入賞口に遊技球を投入することで、入出力エラー状態を解除して通常の遊技に復帰することができる。すなわち、入出力エラー状態からの復帰が容易である。
期間T1の開始からT4の途中までが、大当り種別が「第1大当り」における下大入賞口扉の作動時間(1960ミリ秒)であり、この期間が終わると第1大当りにおける入出力一致待ち状態に制御される。第1大当りでは、下大入賞口は期間T1(52ms)においてのみ開放状態となる上、開放されるタイミングと、確変領域蓋72が許容位置となる期間(期間T2)とが異なるため、遊技球が確変領域を通過して確変制御条件が成立する割合はきわめて低い。一方、期間T1の開始からT5の最後までが、大当り種別が「第2大当り」における大当入賞口扉の作動時間(31612ミリ秒)であり、この期間が終わると第2大当りにおける入出力一致待ち状態に制御される。第2大当りでは、期間T1(52ms)のみならず期間T5において最大27秒間にわたって下大入賞口が開放状態となるため、高い割合で遊技球が下大入賞口に進入(入賞)する。さらに、期間T5において下大入賞口が開放状態となる全ての期間において、さらにその後閉鎖状態となったあとも約2秒間(期間T5後半)は確変領域蓋72が許容位置に保持される。そのため、第2大当り遊技状態においては、下大入賞口に進入(入賞)した遊技球は、下大入賞口の閉鎖直前に入賞し閉鎖後に分岐点に到達する遊技球(所謂遅れ球)も含めて余さず確変領域を通過する。また、確変領域蓋72が規制位置に変化させた後も1秒間(期間T6)は確変領域を有効とするので、確変領域の閉鎖直前に通過し閉鎖後に確変領域を通過する遊技球(所謂遅れ球)も含めて、余さず検出し、該検出にもとづいて確変状態に制御される。このように、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とで、確変制御条件が成立する割合を異にしてメリハリのある遊技を実現できる。
ここで、第1大当りと第2大当りとで、下大入賞口扉の開閉を共通の開放パターン(開放パターンB)を用いて実行するため、複数種別の大当り遊技状態にて、下大入賞口を開放する上限時間を異にするとしても、必要な記憶容量を削減することができる。また、第1大当りと第2大当りと、において共通の確変ソレノイドパターンテーブル(TBL1〜TBL10)を用いて確変領域ソレノイドの制御と確変領域の有効/無効の制御とを実行する。そのため、複数種別の大当り遊技状態にて、確変領域蓋の制御と変領域の有効/無効の制御とを実行するとしても、必要な記憶容量を削減することができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示および大当り遊技を行っているときの制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS6001)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS6002)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS6003)。+2するのは、本実施の形態では、演出制御コマンドは2バイトで構成され、演出制御用CPU120は2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが確変確定指定コマンドであれば(ステップS6004)、演出制御用CPU120は、既に確変状態となることが確定した旨の確変確定報知の実行中であることを示す確変確定報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6005)。確変確定報知中フラグがセットされていなければ(ステップS6005のN)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、確変確定報知を行うための確変確定表示を重畳表示する制御を開始する(ステップS6006)。例えば、画像表示装置5において「確変確定!」などの表示を重畳表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをセットする(ステップS6007)。
なお、本実施の形態では、確変確定報知として、画像表示装置5において「確変確定!」などの確変確定表示を行う場合を示しているが、このような態様にかぎられない。例えば、確変状態に移行されることが確定したことを認識可能な態様であれば、画像表示装置5においてキャラクタなどを用いた演出を実行してもよいし、スピーカ8L,8Rから所定の演出音を出力することにより確変確定報知してもよい。また、例えば、遊技効果ランプ9を所定の点灯・点滅パターンで制御することにより確変確定報知してもよい。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS6008)、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6009)。確変確定報知中フラグがセットされていれば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されている確変確定表示を消去し(ステップS6010)、確変確定報知を終了する。そして、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをリセットする(ステップS6011)。
なお、図33では、図示を省略しているが、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、画像表示装置5において、大当り遊技が終了したことを報知する大当り終了報知演出(エンディング演出)を実行する制御も行う。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS6012)。そして、ステップS6001に移行する。
ステップS6004〜S6011の処理が実行されることによって、本実施の形態では、確変確定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が実行される。この場合、ステップS6005の判定処理が行われることによって確変確定報知中フラグがセットされていないことを条件として(既に確変確定報知の実行中でないことを条件として)確変確定報知を開始する処理が実行されるので、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに確変確定報知の実行が開始され、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信しても重ねて確変確定報知を開始する処理を行わないようにしている。そして、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。従って、本実施の形態では、確変確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が1回実行されるように制御している。
なお、本実施の形態では、既に説明したように、演出制御基板12に搭載されたRAM122は電源バックアップされていないので、大当り遊技中に確変確定指定コマンドを1度受信して確変確定報知を開始した後であっても、パチンコ遊技機1への電力供給が停止してしまうと確変確定報知中フラグは保存されない。そのため、電断後に電力復旧した後に、再び確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信した場合には、ステップS6005でNと判定され、再び確変確定報知が開始されることになる。
また、本実施の形態では、仮に大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信された場合に、ノイズやコマンドのデータ化けなどの理由により演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信できなかった場合には、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを認識できていないのであるから、ステップS6006の確変確定報知を開始する処理も行われず、ステップS6007の処理も実行されないことから確変確定報知中フラグもセットされない。そのため、この場合には、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信されたときに、演出制御用CPU120は、ステップS6005でNと判定することから、ステップS6006を実行して確変確定報知を開始するとともに、ステップS6007を実行して確変確定報知中フラグをセットすることになる。
次に、確変領域を遊技球が通過したときの確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図34〜図36は、確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングを説明するための説明図である。
まず、図34を用いて、正常な動作が行われている場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図34に示すように、本実施の形態では、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。また、図34に示すように、演出制御用CPU120は、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示を開始し、確変確定報知の実行を開始する(ステップS6004〜S6007参照)。そして、図34に示すように、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。従って、本実施の形態では、確変確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が1回実行されるように制御している。
なお、本実施の形態では、大当り終了指定コマンドを受信するタイミングまで確変確定報知を継続する場合を示しているが、確変確定報知の継続期間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大当り終了指定コマンドを受信した後、さらに大当り終了報知演出(エンディング演出)を終了するまで確変確定報知を継続するようにしてもよい。また、例えば、最初に確変確定指定コマンドを受信して確変確定報知を開始した後、所定期間(例えば、30秒)を経過したことにもとづいて確変確定報知を終了するようにしてもよい。さらに、確変確定報知を開始したラウンド中のみ確変確定報知を実行するようにしてもよい。例えば、第14ラウンドで確変確定報知を開始した場合には、第14ラウンドが終了するまで確変確定報知を継続し、第14ラウンドを終了すると確変確定報知を終了するようにしてもよい。また、例えば、第16ラウンドで確変確定報知を開始した場合には、第16ラウンドが終了するまで確変確定報知を継続し、第16ラウンドを終了すると確変確定報知を終了するようにしてもよい。
次に、図35を用いて、大当り遊技中に電断が発生した場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図35に示すように、本実施の形態では、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。また、図35に示すように、演出制御用CPU120は、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示を開始し、確変確定報知の実行を開始する(ステップS6004〜S6007参照)。
ここで、図35に示すように、確変確定報知を開始した後に、確変開放ラウンド(本例では、第14ラウンド)中にパチンコ遊技機1への電力供給が停止したものとする。そして、図35に示すように、その後、パチンコ遊技機1への電力供給が復旧し、確変開放ラウンド(本例では、第14ラウンド)で下大入賞口が開放している状態から遊技が再開されたものとする。この場合、図35に示すように、電断後に電力復旧した後に、再び下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過すると再び確変確定報知コマンドの送信が行われる。そして、電断前と同様、確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。一方、本実施の形態では、演出制御基板12に搭載されたRAM122は電源バックアップされていないので、大当り遊技中に確変確定指定コマンドを1度受信して確変確定報知を開始した後であっても、パチンコ遊技機1への電力供給が停止してしまうと確変確定報知中フラグは保存されない。そのため、図35に示すように、電断後に電力復旧した後に、再び確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信した場合には、その確変確定指定コマンドを受信したタイミングで、ステップS6005でNと判定され、再び確変確定報知が開始されることになる(ステップS6004〜S6007参照)。そして、図35に示すように、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。
次に、図36を用いて、演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを取りこぼしてしまった場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて説明する。図36に示すように、本実施の形態では、確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに対して送信される(ステップS508A参照)。
ここで、図36に示すように、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信された場合に、ノイズやコマンドのデータ化けなどの理由により演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信できなかったものとする。この場合、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを認識できていないのであるから、ステップS6006の確変確定報知を開始する処理も行われず、ステップS6007の処理も実行されないことから確変確定報知中フラグもセットされない。そのため、図36に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100から確変確定指定コマンドが送信されたにもかかわらず、この1つ目の確変確定指定コマンド送信のタイミングでは確変確定報知は開始されない。
そして、この場合、図36に示すように、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信されたときに、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを正常に受信すれば、ステップS6005でNと判定することから、ステップS6006を実行して確変確定報知を開始するとともに、ステップS6007を実行して確変確定報知中フラグをセットすることになる。そして、図36に示すように、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示を開始し、確変確定報知の実行を開始する(ステップS6004〜S6007参照)。
以上説明したとおり、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、下大入賞口の大入賞口作動期間が含まれる下開放ラウンド(第14及び16ラウンド)のラウンド遊技と、上大入賞口の大入賞口作動期間が含まれる上開放ラウンド(第1〜13及び15ラウンド)のラウンド遊技と、を含む複数回のラウンド遊技を実行する。更に、一の「大当り」に基づいて実行される特定遊技状態の開始から終了までに下開放ラウンドのラウンド遊技と上開放ラウンドのラウンド遊技とを共に実行する。そして、下開放ラウンドを終了するにあたって下大入賞口の作動時間を終了して下大入賞口を閉鎖状態に保持する制御を実行する場合でも、上開放ラウンドを終了するにあたって上大入賞口を閉鎖状態に保持する制御を実行する場合でも、図18のステップS327とS328の処理によりソレノイド出力データテーブルのD1とD2とを共にクリアしてソレノイド82Aと82Bとによる下大入賞口の開閉制御を終了する。このような構成によれば、ラウンド遊技を終了するに際に、いずれの上大入賞口を閉鎖状態に制御するか判別する処理が不要なので、開放する大入賞口が異なる複数のラウンド遊技を実行するに当たって必要な処理量を少なくすることが出来る。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に、図16のソレノイド出力データテーブルを記憶する。ソレノイド出力データテーブルを記憶する領域は、下特別可変入賞球装置7Bの開閉状態を指定するフラグとして用いられるビット(D2)を記憶する部分と、特別可変入賞球装置7Aの開閉状態を指定するフラグとして用いられるビット(D1)を記憶する部分と、に細分できる。ここで、ラウンド終了時(あるいは、大当り遊技状態の終了時)に、下特別可変入賞球装置7Bと上特別可変入賞球装置7Aとの何れを閉鎖状態とする場合でも、ビット(D2)を下特別可変入賞装置7Bの動作停止(閉鎖状態の保持)を指定する値(「0」)に更新する処理(図18のステップS327)と、ビット(D1)を上特別可変入賞装置7Aの動作停止(閉鎖状態の保持)を指定する値(「0」)に更新する処理(ステップS328)と、を共に実行する。このような構成によれば、記憶手段に閉鎖指定情報を記憶させる処理の数を変更するだけで、特別可変入賞装置の数が異なる遊技機において好適に閉鎖制御を達成できるので、容易に特別可変入賞装置の数を変更することが出来る。また、特別可変入賞装置の数を容易に変更するために、記憶手段の容量を想定される可変入賞装置の数だけ確保する必要が無い。そのため、可変入賞装置の数を容易に変更可能とするとしても、必要な記憶手段の容量を少なくすることができる。
また、本実施の形態によれば、遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、可変入賞装置(本例では、下特別可変入賞球装置7B)に進入した遊技媒体(本例では、遊技球)が該可変入賞装置内に設けられた特定領域(本例では、確変領域)を通過したことにもとづいて、特別条件(本例では、確変制御条件)を成立させる。また、可変入賞装置に進入した遊技媒体が特定領域を通過したことにもとづいて、遊技媒体が特定領域を通過したことを特定可能な特定領域通過信号(本例では、確変確定指定コマンド)を出力する。また、演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ)は、特定領域通過信号が出力されたことにもとづいて、所定の報知(本例では、確変確定報知)を1回実行する。そして、特定領域通過信号を出力した後遊技機への電力供給が停止した場合に、遊技機への電力供給が再開された後に再び可変入賞装置に進入した遊技媒体が特定領域を通過したことにもとづいて、再度特定領域通過信号を出力する(図35参照)。そのため、特別遊技状態(本例では、確変状態)に制御されることを報知することができるとともに、所定の報知を1回だけ実行するので、却って鬱陶しさを与えてしまうことを防止することができる。従って、遊技媒体が可変入賞装置内に設けられた特定領域を通過したことにもとづいて特別遊技状態に制御する遊技機において、鬱陶しさを与えることなく特別遊技状態に制御されることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、電断復旧後であっても遊技媒体が特定領域を通過したことを演出制御手段に通知することができる。
また、本実施の形態によれば、出力された特定領域通過信号を受信できなかった場合には、次に出力された特定領域通過信号にもとづいて所定の報知を実行する(図36参照)。そのため、特定領域通過信号を1度出力した後であっても遊技媒体が特定領域を通過したことを演出制御手段に通知することができる。また、特定領域通過信号を取りこぼしてしまった場合であっても、その後に演出制御手段側で所定の報知を実行することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態に係るパチンコ遊技機1aについて説明する。パチンコ遊技機1aは、実施形態1のパチンコ遊技機1と比べて、主に以下(1)〜(4)の点が相違する。
(1)第2始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Bが、第2始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aの下部に取り付けられている点、
(2)普通図柄の可変表示を実行し、可変表示結果として「普図当り」が導出されたことに基づいて、普通入賞球装置6Bが備える普通電動役物を駆動し、第2始動口を開放状態に変化させる点、
(3)大当り種別として、その大当りに基づいて制御される大当り遊技状態において下大入賞口が開放状態となるラウンド遊技のみを複数回実行する大当り種別と、上大入賞口が開放状態となるラウンド遊技のみを複数回実行する大当り種別と、が設定されている点、
(4)大当り遊技状態のラウンド遊技を終了する際に、上大入賞口扉用のソレノイド82Aと下大入賞口扉用のソレノイド82Bとを閉鎖状態に保持するための処理(ソレノイド出力データテーブルのD1とD2との値を「0」に更新する処理)を更新マスクデータを用いて1ステップで実現する点
図37は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1aの正面図である。パチンコ遊技機1aにおいては、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが画像表示装置5の下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図38に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)可能な開放状態といった可変状態に、変化できるように構成されている。第2始動入賞口は、確変状態に制御された場合に加え、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることにより開放状態となり所定時間経過を経過すると閉鎖状態となる。
遊技盤の所定位置(図37に示す例では、遊技領域2の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。パチンコ遊技機1aでは、図38に示すように、主基板11に普通図柄表示装置20と、普図保留表示機25Bと、が更に接続されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1aでは、特別図柄の可変表示結果として「確変」又は「突確」の大当り表示結果が導出された場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技媒体の確変領域への通過といった格別の条件を要せず確変状態に制御される。そのため、パチンコ遊技機1aでは、図38に示すように、主基板11に確変領域スイッチ24Aや確変領域蓋用のソレノイド82C等が接続されていない。
パチンコ遊技機1aでは、CPU103が、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図39(A)の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図39(A)の遊技制御用タイマ割込処理には、スイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、コマンド制御処理に加え、普通図柄プロセス処理(ステップS16)が実行される。
図39(A)は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。この遊技制御用タイマ割込み処理において、CPU103は、実施形態1のS11(図7)と同様に、図38に示す各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定するスイッチ処理を実行する(ステップS11)。続いてCPU103は、実施形態1のS12(図7)と同様に、入賞報知処理(図25)を含むスイッチ処理(ステップS12)を実行する。さらに、CPU103は、CPU103は、実施形態1のS13(図7)と同様に、情報出力処理を実行する(ステップS13)。
さらに、CPU103は、遊技用乱数更新処理(ステップS14)を実行する。本実施の形態では、遊技用乱数処理として、MR1〜MR3に加えて普図ゲームにおける普通図柄などの可変表示結果を「普図当り」とするか否かの決定に用いられる普図表示結果決定用乱数MR4がさらに更新される(図39(B))。
続いてCPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1aにおける遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通電動役物用のソレノイド81の駆動制御により普通可変入賞球装置6Bに設けられた可動翼片を垂直位置(閉鎖状態)あるいは傾動位置(開放状態)とするための各種設定などが行われる。
続いてCPU103は、実施形態1のS17(図7)と同様に、コマンド制御処理(ステップS17)を実行する。
この実施の形態の特別図柄プロセス処理(S15)は、実施形態1のプロセス処理(図8)と同様に、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、始動入賞判定処理(ステップS101)の後に特図プロセスフラグの値に応じて特別図柄通常処理(ステップS110)〜小当り終了処理(S120)の何れかを実行する。
このうち、始動入賞判定処理(ステップS101)においては、実施形態1と同様に図9のフローチャートで示した処理が実行される。特別図柄通常処理(ステップS110)については、ステップS242における大当り種別決定で用いる決定テーブルの内容が異なる他は、実施形態1と同様に図10のフローチャートで示した処理が実行される。
図40(A)は、本実施の形態における大当り種別の決定例を示す図である。図40(A)の例では、実施形態1とは異なり、大当り種別としてその「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態の終了後に必ず確変状態に制御される「確変」(第1確変及び第2確変)と「突確」の大当り種別が含まれる。また、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変」の大当り種別が更に含まれる。また、図40(A)の例では、大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、下大入賞口が開放状態となるラウンド遊技のみを複数回実行する大当り種別(第1確変)と、上大入賞口が開放状態となるラウンド遊技のみを複数回実行する大当り種別(非確変、第2確変、突確)と、が含まれる。
特別図柄プロセス処理(S15)の変動パターン設定処理(S111)〜特別図柄停止処理(S113)については、実施形態1と同様に実行される。また、大当り開放前処理(ステップS114)については、実施形態1(図13)に対して、ステップS297でセットされる大当り開放パターンが異なる。また、下大入賞口を開放するラウンドを開始する場合であっても、確変領域ソレノイド制御コードをセットする処理(ステップS304)は実行されない。その他の処理については、実施形態1と同様に図13のフローチャートで示した処理が実行される。
図40(B)は、本実施の形態における大当り開放パターンテーブルの決定例を示す図である。図40(B)の例では、大当り種別が「非確変」である場合には1〜14ラウンドまで上大入賞口が20秒を上限に開放されるパターンが決定される。一方、大当り種別が「第1確変」である場合には、1〜14ラウンドまで下大入賞口が20秒を上限に開放されるパターンが決定される。さらに、大当り種別が「第2確変」である場合には、1〜14ラウンドまで上大入賞口が20秒を上限に開放されるパターンが決定される。このため、大入賞口の開放態様だけから、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかを判定することは困難となる。大当り種別が「突確」である場合には、上大入賞口が52ミリ秒だけ開放されるラウンドが2回実行されるパターンが決定される。
図40(C)は、図40(B)で「非確変」、「確変1」(第1確変)、「確変2」(第2確変)の大当り開放パターンテーブルにおける使用パターン(大入賞口開放パターンテーブルD)の例である。「非確変」、「確変1」、「確変2」の大当り遊技状態の各ラウンド遊技では、図40(C)が示す順で大入賞口が開閉される。なお、本実施形態では確変領域を遊技球が通過したか否かを所謂遅れ玉を含めて判定する必要がないため、レコード7で最後に大入賞口を開放した後にラウンド遊技中の大入賞口閉鎖時間は設定されていない。
図41は、大当り開放中処理として、本実施形態の特別プロセス処理で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図41の処理では、ステップS317〜S326までの処理が実施形態1の大当り開放中処理(図18)と同様に実行される。なお、確変領域を通過したか否かの判定が不要なため、図18のステップS311とステップS316との処理は図41の処理では実行されない。その後、ステップS327に到達すると、CPU103はROM102の所定領域に記憶されたソレノイド出力テーブル更新マスクを取得する(ステップS327)。そして、取得したソレノイド出力テーブル更新マスクを用いてソレノイド出力データテーブルを更新する(ステップS328)。
ソレノイド出力テーブル更新マスクは、パチンコ遊技機1aが備える複数の特別可変入賞球装置(上特別可変入賞球装置7Aと下特別可変入賞球装置7B)の開閉状態を指定する情報(ソレノイド出力テーブル「D1」と「D2」)を、一度に閉鎖を指定する値(「0」)に更新するためのマスクデータである。そのため、ソレノイド出力テーブル更新マスクは、図41(B)に示すように、「D1」と「D2」に対応するビットの値が、閉鎖を指定する「0」の値に設定されている。ステップS328では、ソレノイド出力テーブル更新マスクとの値と、更新前のソレノイド出力テーブル値と、の論理積を算出する。そして、算出した論理積の値でソレノイド出力テーブル更新する。
この実施の形態では、ソレノイド出力テーブル更新マスクにおいて、特別可変入賞球装置(上特別可変入賞球装置7Aと下特別可変入賞球装置7B)の開閉状態を指定する情報(ソレノイド出力テーブル「D1」と「D2」)以外に対応するビットを閉鎖を指定する値とは異なる値(「1」)に設定している。そのため、普通電動役物用のソレノイド81の開閉を指定する情報(ソレノイド出力データテーブルの「D3」)など、異なる閉鎖条件に基づいて閉鎖状態に変化する装置(普通可変入賞球装置6B)の開閉状態を指定する情報についてはステップS328の処理では閉鎖指定値に変更されない。このような構成によれば、大当り遊技状態において複数の特別可変入賞球装置を開閉するパチンコ遊技機において、特別可変入賞装置を閉鎖するために必要な処理量が少なくてすむとともに、複雑な処理の要なく、異なる閉鎖条件に基づいて閉鎖状態に変化する装置(例えば普通可変入賞球装置6B)に対して開閉制御を実現できる。
ステップS328の処理が終わると、特図プロセスフラグの値を「6」に更新し(ステップS329)、大当り開放中処理は終了する。
図42は、普通図柄プロセス処理として、図39のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR4を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR4が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後には、普図プロセスフラグの値に応じて、図42に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普通図柄表示装置20による普図ゲームを開始するか否かの判定や、普図ゲームを開始する場合における各種の決定や設定などが行われる。普図ゲームを開始する場合、乱数値MR4の値と、図43の普図表示結果決定テーブルに記憶された決定と、を比較して普図表示結果が決定される。ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示装置20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通過不利状態から通過有利状態に変化させるための設定などが行われる。
ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を開放状態や閉鎖状態に変化させるための設定などが行われる。
図44は、図42のステップS142にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す普通図柄停止処理において、CPU103は、まず、普図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS621)。ここで、普図確定表示中フラグは、普図ゲームにおける普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS624の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS621にて普図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS621;No)、例えばROM101に記憶されている普通図柄表示制御データのうちで、確定普通図柄に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定普通図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS622)。このときには、普図確定表示時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS623)。そして、普図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS624)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS621にて普図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS621;Yes)、普図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS625)。このとき、普図確定表示時間が経過していなければ(ステップS625;No)、普通図柄停止処理を終了することで、普図確定表示時間が経過するまで待機する。ステップS625にて普図確定表示時間が経過したときには(ステップS625;Yes)、普図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS626)、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS627)。ステップS627にて普図当りフラグがオフであるときには(ステップS627;No)、普図表示結果が「普図ハズレ」であることに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS628)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS627にて普図当りフラグがオンであるときには(ステップS627;Yes)、第2始動入賞口の開閉制御を実行する上限時間である普電作動時間を決定し(ステップS630A)、使用する普図開放テーブルパターンをセットする(ステップS630)。普電開放パターンテーブルは、図45に示すように、第2始動入賞口を開放状態とする時間を示す普電開放時間や閉鎖状態とする時間を示す普電閉鎖時間等が設定されている。普電作動時間は、普電開放パターンデータテーブルに記録された使用時間の総計(ここでは2.7秒)である。第2始動入賞口は、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づいて、この普図開放パターンで定められたスケジュールで開閉制御される。
ステップS630の処理を実行した後は、駆動対象の入賞口として第2始動入賞口を指定するためソレノイド出力データD3を「1」にセットする(ステップS632)。
ステップS633の処理を実行した後は、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS634)、普通図柄停止処理を終了する。
図46は、図42のステップS143にて実行される普通電動役物作動処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す普通電動役物作動処理において、CPU103は、まず、図44でのステップS630Aで決定した普図変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS161)。普図変動時間が終了した場合(ステップS161;Yes)、「普図当り」に対応する第2始動入賞口の開放が終了したと判定し、ソレノイド出力データテーブルの「D3」の値をクリア(「0」に更新)して(ステップS163A)、第2始動入賞口を閉鎖状態とする制御を実行する。このように、第2始動入賞口を閉鎖状態とするステップS163Aの制御は、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通電動役物の作動時間が終了したことを条件に実行される。即ち、第2始動入賞口を閉鎖状態とするステップS163Aの制御を実行する条件は、特別可変入賞装置(上特別可変入賞装置7A又は下特別可変入賞装置7B)を閉鎖状態とする条件とは異なる。そして、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS163)、普通電動役物作動処理を終了する。
ステップS161にて普図変動時間が終了していないと判定した場合(ステップS161;No)、電動役物開放パターン処理を実行し(ステップS162)、普通電動役物作動処理を終了する。電動役物開放パターン処理は、図37のステップS630またはA631の処理で選択された普電開放パターンテーブルにより示される開閉パターンにしたがって、第2始動入賞口を開閉制御する処理である。一例としてCPU103は、ステップS630Aにて、S630でセットされた普電開放パターンテーブルのレコードのうち、現在使用しているレコードの使用時間と、使用中のレコードを使用開始してからの経過時間を比較して、現在使用レコードの使用時間が経過したか否かを判定する。使用時間が経過したと判定すると、普電開放パターンテーブルに記憶されているうち、次のレコードを使用レコードとして設定し、その使用レコードが指定する開閉動作に対応する駆動信号を普通電動役物用のソレノイド81に伝達する。設定された次の使用レコードのレコード名が「普電口開放時間k(kは任意の整数)」であれば、第2始動入賞口を開放状態とする制御信号をソレノイド81に伝達する。一方、「普電口閉鎖時間k(kは任意の整数)」であれば、第2始動入賞口を閉鎖状態(出力をオフ)とする制御信号を対応するソレノイド81に伝達する。ステップS162の処理が終わると、普通電動役物作動処理は終了する。
以上説明したように、実施形態2に係るパチンコ遊技機1aは、RAM102の一部に、下特別可変入賞球装置7Bの開閉状態を指定するビット「D2」と、上特別可変入賞球装置7Aの開閉状態を指定するビット「D1」と、を含むソレノイド出力データテーブルを記憶する。そして、ラウンド遊技を終了する際に、ソレノイド出力データテーブルを、ソレノイド出力テーブル更新マスクを用いて更新することで、下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態に保持する制御と、上特別可変入賞球装置7Aを閉鎖状態に保持する制御と、を共に実行する。このような構成によれば、ソレノイド出力テーブル更新マスクの内容を変更するだけで、特別可変入賞装置の数が異なるパチンコ遊技機において好適に特別可変入賞装置を閉鎖する処理に実現できる。即ち、容易に特別可変入賞装置の数を変更することが出来る。
また、実施形態2に係るパチンコ遊技機1aは、複数の特定遊技状態として、下大入賞口の作動時間を含む「第1確変」の大当り遊技状態と、上大入賞口の作動時間を含む「非確変」、「第2確変」、「突確」の大当り遊技状態と、を実行する。そして、下大入賞口の作動時間を含む大当り遊技状態のラウンド遊技を終了する場合でも、上大入賞口の作動時間を含む大当り遊技状態のラウンド遊技を終了する場合でも、図41のS327とS328において、下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態にする制御と、上特別可変入賞球装置7Aを閉鎖状態にする制御と、を共に実行する。このような構成によれば、下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態にする制御、又は、上特別可変入賞球装置7Aを閉鎖状態にする制御を実行するにあたって、何れを閉鎖状態にする制御を実行するかを判定する必要がないので、必要な処理量を少なくすることが出来る。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1と実施形態2に係るパチンコ遊技機1aとは、開放状態と閉鎖状態とに変化可能な下特別可変入賞球装置7Bと上特別可変入賞球装置7Aとを備える。大当り遊技状態にて、下大入賞口の大入賞口作動期間が開始されたことに基づいて、ソレノイド出力データテーブルのD2をセットして下大入賞口を開放状態とする制御を実行し、上大入賞口の大入賞口作動時間が開始したことに基づいてソレノイド出力データテーブルのD1をセットして上大入賞口を開放状態とする制御を実行する。さらに、大当り遊技状態にて下大入賞口の大入賞口作動時間が終了したことに基づいてソレノイド出力データテーブルのD2をクリアして下大入賞口を閉鎖状態とする制御を実行し、上大入賞口の大入賞口作動時間が終了したことに基づいてソレノイド出力データテーブルのD1をクリアして上大入賞口を閉鎖状態とする制御を実行する。その上で、下大入賞口を閉鎖状態にする場合でも、上大入賞口を閉鎖状態にする場合でもCPU103が、図18又は図41のステップS327とS328の処理によりソレノイド出力データテーブルのD1とD2とを共にクリアしてソレノイド82Aと82Bとによる駆動制御を終了して上大入賞口と下大入賞口とを共に閉鎖する。このような構成によれば、下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態にする制御、又は、上特別可変入賞球装置7Aを閉鎖状態にする制御を実行するにあたって、何れを閉鎖状態にする制御を実行するかを判定する必要がないので、必要な処理量を少なくすることが出来る。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1と実施形態2に係るパチンコ遊技機1aとは、大入賞口作動時間を含むラウンド遊技が開始され、そのラウンド遊技で複数の大入賞口(上大入賞口と下大入賞口)のうち一方を複数回開放状態に変化させた後、大入賞口作動時間が終了して開放した大入賞口を閉鎖状態にする制御を実行する。この際、上開放ラウンドか下開放ラウンドかにかかわらず、ラウンド終了時に図18又は図41のステップS327とS328の処理によりソレノイド出力データテーブルのD1とD2とを共にクリアしてソレノイド82Aと82Bとによる駆動制御を終了する。このような構成によれば、1度のラウンド遊技で複数回大入賞口を開閉させた後にラウンド終了時に特別可変入賞装置を閉鎖状態に制御するために必要な処理量を少なくすることが出来る。一方、図18又は図41のステップS317において、ラウンド遊技中に特別可変入賞装置を閉鎖状態にするにあたっては、複数の大入賞口扉のうち、開放対象となる大入賞口扉用のソレノイドに対してのみ、ソレノイドの出力をオフにする駆動信号を伝達する。即ち、上大入賞口を閉鎖状態に制御する処理と下大入賞口を閉鎖に制御する処理とのうち一方のみを実行する。ラウンド遊技中に何れの大入賞口を閉鎖するかは、ステップS300で決定されており、判定処理の必要が無いところ、このような構成を採用する事により不要な処理を省略して必要な処理量を少なくすることが出来る。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1と実施形態2に係るパチンコ遊技機1aとは、1又は複数の大当り遊技状態に加え、特別図柄の可変表示結果として「小当り」が導出表示されたときに小当り遊技状態に制御する。小当り遊技状態は、下大入賞口の作動時間を含む。ここで、1又は複数の大当り遊技状態では、それぞれ下大入賞口が開放状態に制御されるラウンド遊技(下開放ラウンド)と、上大入賞口が開放状態に制御されるラウンド遊技(上開放ラウンド)と、の少なくとも一方が実行される。更に、下開放ラウンドのラウンド遊技と上開放ラウンドのラウンド遊技とは、それぞれ前記一又は複数の大当り遊技状態の何れかで実行される。例えば、実施形態1のように、2種類のラウンド遊技が一の大当り遊技状態で実行される場合には、そのような大当り遊技状態が少なくとも1つ実行されれば足りる。一方、実施形態2のように、一の大当り遊技状態で一方の大入賞口が開放されるラウンド遊技のみが実行される場合には、下開放ラウンドのラウンド遊技が実行される大当り遊技状態と、上開放ラウンドのラウンド遊技が実行される大当り遊技状態と、を少なくとも含む複数の大当り遊技状態が実行される必要がある。何れの場合でも、下開放ラウンドのラウンド遊技にて下大入賞口の大入賞口作動時間が終了したことに基づいてソレノイド出力データテーブルのD2をクリアして下大入賞口を閉鎖状態とする制御を実行し、上大入賞口の大入賞口作動時間が終了したことに基づいてソレノイド出力データテーブルのD1をクリアして上大入賞口を閉鎖状態とする制御を実行する。一方、小当り遊技状態で下大入賞口の大入賞口作動時間が終了したことに基づいてソレノイド出力データテーブルのD2をクリアする場合には、上大入賞口を閉鎖状態とする制御は実行しない。このような構成によれば、このような構成によれば、大当り遊技状態で下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態にする制御、又は、上特別可変入賞球装置7Aを閉鎖状態にする制御を実行するにあたって、何れを閉鎖状態にする制御を実行するかを判定する必要がないので、必要な処理量を少なくすることが出来る。これとともに、閉鎖する大入賞口が予め決まっている小当り遊技状態では、不要な処理を省略することでさらに必要な処理量を少なくすることが出来る。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1と実施形態2に係るパチンコ遊技機1aとは、閉鎖状態と開放状態とに変化可能な、下特別可変入賞球装置7Bとも下特別可変入賞球装置7Aとも異なる第2始動入賞装置6Bを備える。
第2始動入賞装置6Bは普通当り遊技状態が開始したことに基づいて開放状態に変化させると共に、下特別可変入賞球装置7Bとも下特別可変入賞球装置7Aとも異なる閉鎖条件として普通当り遊技状態における普電変動時間が終了したことに基づいて閉鎖状態に変化させる。ここで、ソレノイド出力データテーブルは普通電動役物用ソレノイド81による第2始動入賞装置6Bの開閉状態を指定するビット「D3」を更に含む。そして、大当り開放中処理のステップS327とS328とにおいて、ビット「D3」を閉鎖状態を指定する値に変化させない。このような構成によれば、複雑な処理の要なく、異なる閉鎖条件に基づいて閉鎖状態に変化する第2始動入賞装置6Bに対して開閉制御を実現できる。
なお、下特別可変入賞球装置7Bとも下特別可変入賞球装置7Aとも異なる開閉可能な装置の例として第2始動入賞装置6Bを挙げたが、ソレノイド82Cによる確変領域蓋の開閉制御についても同様の効果が得られる。即ち、ソレノイド出力データテーブルは確変領域蓋用のソレノイド82Cによる確変領域蓋の開閉状態を指定するビット「D0」を更に含む。そして、大当り開放中処理のステップS327とS328とにおいて、ビット「D0」を閉鎖状態を指定する値に変化させない。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1と実施形態2に係るパチンコ遊技機1aとは、上大入賞口又は下大入賞口に遊技球が入賞した場合に、図25の入賞報知処理にてその入賞が異常入賞か否かを判定する。ここで、図21において次ラウンド待ち時間が経過するまで異常入賞確認テーブルに次のラウンドで開放される大入賞口に応じた値をセットしないため、大入賞口が閉鎖された後所定の期間は、閉鎖された大入賞口の大入賞口スイッチによる遊技球の検出を異常入賞と判定しない。閉鎖状態となる直前に入賞した遊技球など、正常な遊技の結果として入賞した遊技球であっても大入賞口を閉鎖状態とした後に検出される場合があるが、このような構成によれば、好適に異常か否かを判定することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態の相違点のうち、交換可能な構成を任意に入れ替えて別のパチンコ遊技機としてもよい。例えば、実施形態1のパチンコ遊技機1と実施形態2のパチンコ遊技機1aとにおいて、大当り開放中処理のステップS327とS328とを、相互に入れ替えてもよい。
また、上記実施形態1及び2では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を終了するにあたって、ラウンド開始時に図13のステップS301で決定した大入賞口作動時間が経過したか否かを判定し(図18(A)及び図41(A)のステップS318)、経過したと判定した場合に大入賞口を閉鎖する制御(ステップS327及びS328)を実行した。他の方法として、大入賞口開放パターンテーブル末尾のレコードとしてラウンドの終了を指定する情報としての終了コード(例えば“00H”)を記憶する構成も可能である。この構成を採用する場合には、例えば図18(A)及び図41(A)のステップS317にて現在の使用レコードの使用時間が経過したと判定した場合に、大入賞口開放パターンテーブルに記録されている次のレコードが終了コードであったことに基づいてステップS327及びS328を実行して、大入賞口を閉鎖する制御を実行すればよい。
また、上記実施形態1及び2では、ラウンド遊技の実行時間に、大入賞口の閉鎖時間として、最後に大入賞口を開放した後の閉鎖時間(例えば図15(B)に示すレコード番号4の閉鎖時間)が含まれている。さらに、最後に大入賞口を開放した後の、ラウンド遊技の実行時間に含まれない閉鎖時間として、図21のステップS563で設定される次ラウンド待ち時間が含まれる。ここで、実施形態1及び2ではラウンド間の閉鎖時間(次ラウンド待ち時間)としてラウンド数や大当り種別に関わらず一定の時間(例えば1秒)を設定した。しかし、例えば確変領域に遊技球が通過しやすい第2大当りの下開放ラウンドで他のラウンドよりも長い待ち時間を設定しその時間に所定の演出を実行するなど、ラウンド数や大当り種別に応じて異なる待ち時間を設定しても良い。このためには、例えば予めROM101等にラウンド間の閉鎖時間を決定するためのラウンド間閉鎖時間決定テーブルを記憶しておき、図21のステップS563にてこのラウンド間閉鎖時間決定テーブルを参照して、大当り種別及びラウンド実行回数(ラウンドカウンタの値)に応じたラウンド間の大入賞口の閉鎖時間を決定すればよい。ラウンド間閉鎖時間決定テーブルは、大当り種別及びラウンド実行回数(ラウンドカウンタの値)と、閉鎖時間と、が対応づけて記憶されたテーブルであればよい。このような構成によれば、ラウンド実行回数や大当り種別に応じて、ラウンド間の待ち時間を好適に設定することが出来る。
また、上記実施形態1及び2では、第1実施形態で大当り遊技状態にて確変制御条件が成立したか、第2実施形態で大当り種別が「確変」または「突確」であるか、いずれかの場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。これに加え、大当り遊技状態が終了した後に、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがあるとしてもよい。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、第1実施形態で大当り遊技状態にて確変制御条件が成立しなかったか、第2実施形態で大当り種別が「非確変」である場合か、何れかの場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
この変形例の時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利状態として、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。さらに、時短状態(高ベース状態)では、特に特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」である場合に、図4の変動パターンのうち可変表示時間が短い(短縮)変動パターンが選択される割合を通常状態より高めることにより、平均の可変表示時間が通常状態(低ベース状態)よりも短くなるように設定してもよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
この時短状態(高ベース状態)に制御する変形例に係るパチンコ遊技機において、出玉の少ない大当り遊技状態と小当り遊技状態との終了後の遊技状態を類似させることで、遊技者に確変状態に制御されるか否かの期待感を高揚させることができる。例えば、実施形態1の「第3大当り」や実施形態2の「突確」の大当り遊技状態の終了後など、出玉の少ない大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するに当って、高確低ベース状態に制御する一方、小当り遊技状態の終了後に低確低ベース状態に制御する。これに加え、出玉の少ない大当り遊技状態の終了後と小当り遊技状態の終了後とで、画像表示装置5に表示される背景画面を共通させるなど、同じ演出モードで遊技を進行する構成も有効である。
上記変形例に関連して、実施形態2の「突確」の大当り遊技状態など、出玉の少ない大当り遊技状態の終了後に確実に高確高ベース状態に制御する構成では、大当り遊技状態のラウンド遊技にて小当り遊技状態と同様の開放態様(例えば1700ミリ秒間継続して開放状態とする)で大入賞口を開放状態とした後に一旦閉鎖状態とし、その後より長時間(例えば18000ミリ秒)開放状態とするようにしても良い。このような構成によれば、賞球が得られず確変制御が実行されない「小当り」と確変状態に制御される「突確」の大当りとが最初の開放では区別できないため、後の長時間の開放で「突確」となったことが理解できた遊技者に意外感を与えることが出来る。さらに、大当り遊技状態として、賞球が得られる当りと、実質得られない当りと、を実行して遊技にメリハリをつけることが出来る。なお、この場合は可変表示結果として「小当り」が選択されない構成としても、遊技のメリハリを保つことが出来る。
なお、実施形態1のパチンコ遊技機1は出玉の少ない大当り種別の大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するにあたって、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数が一定回数にセットする(あるいは現在の上限回数に一定回数が加算される)所謂ST機に該当する。このようなST機では、第2特図ゲームでは第3大当りのような出玉の少ない大当り種別が可変表示結果として決定されない実施形態1の構成に変えて、第2特図ゲームでも出玉の少ない大当り種別が可変表示結果として決定される構成を採用しても良い。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1や1aといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板、音声出力基板およびランプドライバ基板が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータが他の基板(例えば、図2に示す音声出力基板やランプドライバ基板など、または音声出力基板に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板、ランプドライバ基板、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータから直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板、ランプドライバ基板または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。