JP2004159758A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】保留球が所定数に達した後であっても、遊技者の打ち出し停止等をなくし、遊技者に対して高い興趣を与えることが可能な遊技機を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、抽選実行手段と図柄表示部１１０とを備え、遊技媒体の所定動作に起因して、抽選実行手段における抽選処理を行うべく構成された遊技機であって、図柄表示部１１０が変動表示中のときの抽選実行手段における抽選内容を保留数として保持する第一保持手段３０３１と、第一保持手段３０３１の保留数が所定数を超えているときの抽選実行手段における抽選内容を保持する第二保持手段３０３２とを有し、第二保持手段３０３２に抽選内容が保持されている場合、次回以降の変動表示に際し、第一保持手段３０３１および第二保持手段３０３２の両方に保持された抽選内容に基づいて、大当たり判定が行われることを特徴としている。
【選択図】 図３

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、遊技球が始動口に入球したことに応じて抽選処理を行い、その抽選結果が大当たりであれば、遊技者に有利な特別遊技モードを実行する遊技機が知られている。また、この始動口への入球があった場合には、上記抽選処理と共に、所定数の遊技球の払い出しが行われるのが一般的である。
【０００３】
この種の遊技機には、抽選処理の結果を表示するための図柄表示部が設けられており、この図柄表示部には、それぞれ複数種類の図柄を表示可能な複数の図柄表示位置が設定されている。そして、この遊技機は、抽選処理の結果を、各図柄表示位置に表示された図柄の組み合わせにて表すべく構成されている。
【０００４】
具体的には、遊技球の始動口への入球（入球信号）をトリガとして、上記抽選処理および図柄表示部における各図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後、図柄表示部の各図柄表示位置に、抽選処理の結果に基づいた図柄が停止表示されることとなる。つまり、所定時間だけ図柄を変動表示させた後に、例えば、抽選結果が大当たりであれば、所定の図柄表示位置に同一図柄を表示させ、抽選結果がハズレであれば、所定の図柄表示位置の少なくとも一つに異なる図柄を表示させる等して、抽選処理の結果を図柄の組み合わせで表している。
そして、この停止表示された図柄が、大当たり等の入賞に該当する図柄である場合には、上述したように、遊技者に有利な特別遊技モードが実行される。
【０００５】
上述したような抽選処理の結果を表す図柄の組み合わせは、一般には、遊技球が始動口に入球して、図柄表示部の各図柄の表示状態が変動した後、その変動中の各図柄表示位置の表示が順次停止されていくことにより表示される。
そして、この種の遊技機では大当たりを表す図柄の組み合わせは、残り一つの図柄で大当たりあるいはハズレが決定する、いわゆる「リーチ」の状態を経た後に表示されることとなる。
例えば、三つの図柄表示部を有する遊技機においては、図柄表示部の各図柄が順番に停止される過程で、最後に停止される図柄を除き、残りの二つの図柄が大当たり発生の可能性の高い停止態様になっている（例えば、「７−↓−７」（「↓」は変動表示中であることを表す）、いわゆる「リーチ状態」）と、最後に停止される図柄の停止時間が延長されると共に、かかる図柄が停止するまでの間、所定のリーチ演出が実行されて、遊技者の大当たり発生への期待感が急激に高められるように構成されている。
【０００６】
また、従来技術にかかる遊技機は、遊技球が始動口へ入球して、図柄表示部の各図柄が変動表示を開始すると、上述したように、各図柄が順番に停止したり、またはリーチ演出等が行われることによって、図柄の変動から停止までの間にはある程度の時間を要するので、この間に（図柄表示部の作動中に）、始動口に遊技球が入球した場合には、入球した遊技球の個数（保留球の個数）を記憶すべく構成されている。そして、図柄表示部の図柄変動が終了した後に、かかる保留球に基づき、図柄表示部を引き続き変動表示させるべく構成されている。
【０００７】
すなわち、従来技術にかかる遊技機は、図柄表示部の図柄が変動表示中である場合でも、始動口への入球を無駄にしないように、所定数の保留球（すなわち、この保留球に関する抽選内容情報）の記憶、およびかかる保留球（に関する情報）に基づく変動表示を可能として、遊技者に対して大当たり等の機会をより多く与えて、遊技機の稼働率を高めるべく構成されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にかかる遊技機においては、保留球数が所定数（例えば４個）になった場合には、さらに始動口への入球があったとしても、保留球は所定数を超えては記憶されないように構成されているため、所定数を超えたところから（例えば５個目以上）の入球は図柄の変動に関与せず、遊技者にとっては、入球が無駄になるという問題があった。つまり、保留球数が所定数となった後は、始動口への入球があったとしても、大当たり等となる機会を喪失することとなるため、遊技の興趣が低下するという問題があった。
【０００９】
また、上述したように、保留球が所定数を超えたところからの入球は図柄の変動に関与しないため、保留球が所定数に達した段階で、遊技者が打ち出しを停止する可能性があり、かかる場合には、遊技機の稼働率が低下するという問題があった。
【００１０】
そこで、本発明は、上記従来技術にかかる遊技機の問題を解決するためになされたものであって、保留球が所定数に達した後であっても、遊技者の打ち出し停止等をなくし、遊技者に対して高い興趣を与えることが可能な遊技機を提供することを課題とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる遊技機は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、抽選を行い、抽選内容が大当たりであるか否かの抽選結果を大当たり判定により得る抽選実行手段と、前記抽選実行手段における抽選結果に基づき、図柄の変動表示によって、大当たりであるか否かを遊技者に報知する図柄表示部とを備え、遊技媒体の所定動作に起因して、前記抽選実行手段における抽選処理を行うべく構成された遊技機であって、前記図柄表示部が変動表示中のときに前記所定動作が行われた場合、前記抽選実行手段における抽選内容を保留数として保持する第一保持手段と、前記第一保持手段に保持された保留数が所定数を超えている状態にて前記所定動作が行われた場合、前記抽選実行手段における抽選内容を保持する第二保持手段とを有し、該第二保持手段に抽選内容が保持されている場合、次回以降の変動表示に際し、第一保持手段および第二保持手段の両方に保持された抽選内容に基づいて、大当たり判定が行われることを特徴としている。
【００１２】
遊技機は、遊技媒体の所定動作が行われると、抽選が行われ、その抽選内容に基づいて大当たり判定が行われることにより、大当たりであるか否かの抽選結果が得られ、この抽選結果を受けて図柄の変動表示が図柄表示部で行われ、変動表示の結果を以て抽選結果が大当たりであるか否かを遊技者に報知するものである。このように、図柄の変動表示は抽選結果を報知する演出手段である。
そのため、一回の変動表示が終了するまでは、次回の変動表示を重畳的に行うことができず、従って、変動表示中に新たに遊技媒体の所定動作が行われた場合は、その分の抽選処理の実行権利を破棄するのではなく、第一保持手段に抽選内容を保留数として保持しておいて、その分の抽選処理を保留状態にしておき、変動表示が終了した時点でその保留状態を解除して次回の抽選結果を得るようにしているのであるが、本発明に係る遊技機は、さらに第二保持手段を設けて、第一保持手段で保持し切れなくなった抽選内容を第二保持手段で保持するようにしただけでなく、次回の抽選結果を第二保持手段に保持された抽選内容に基づく大当たり判定の結果をも考慮して得るようにしている。
すなわち、次回の変動表示の結果は、第一保持手段で保持された抽選内容に基づく大当たり判定の結果によるものである場合もあるし、第二保持手段で保持された抽選内容に基づく大当たり判定の結果によるものである場合もある。
このようにすることで、保留数が上限に達している状態から新たに遊技媒体の所定動作が行われても、それは無駄とならず、従って、遊技者が遊技媒体の打ち出し停止等を行う必然性が無くなるのである。
なお、本発明における「次回以降の変動表示」時とは、必ずしも第二保持手段に抽選内容が保持された直後の変動表示時のみを示すものではなく、第二保持手段に抽選内容が保持された後であれば、その直後を含み、それ以降のいずれのタイミングの変動表示時も含む概念である。したがって、本発明においては、第一保持手段および第二保持手段の両方に保持された抽選内容に基づく大当たり判定が、第二保持手段に抽選内容が保持された直後の遊技にて実行されてもよく、または、第二保持手段に抽選内容が保持された後の遊技にてｎ回に一回（例えば三回に一回）の割合で実行されてもよく、さらには、第二保持手段に抽選内容が保持された後の遊技にて何等かの抽選結果を経て実行されてもよい。
【００１３】
また、本発明にかかる遊技機においては、前記遊技媒体が遊技球であって、前記所定動作が、前記遊技球が所定箇所への入球および通過の少なくとも一方を行うことである構成を採用することができる。この場合、遊技球が所定箇所へ入球したり、所定箇所を通過することにより、抽選が行われる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【００１５】
〈第一実施形態〉
図１は、本発明の第一実施形態にかかる遊技機（パチンコ機）の概略的な外観構成図を示したものである。図１に示すように、遊技機１００は、略長方形の四辺を成すように枠組みされた四つの枠片から成る外枠（図示省略）と、この外枠に開閉自在に取り付けられた前面扉１０２と、この前面扉１０２に裏面から嵌め込まれた遊技盤１０３とを備えている。
【００１６】
前面扉１０２には、大きな矩形状の開口部が形成され、この開口部には、ガラス板等の透明板１０４が取り付けられており、本実施形態にかかる遊技機１００は、この透明板１０４を介して、内部の遊技盤１０３が視認可能に構成されている。また、前面扉１０２には、遊技盤１０３に向けて遊技球（本発明の「遊技媒体」に相当）を発射させるための発射装置（図示省略）を操作するためのハンドル部１０５と、発射装置に供給すべき遊技球を貯留しておくための上皿１０６と、この上皿１０６に貯留しきれない遊技球を貯留しておくための下皿１０７とが設けられている。
【００１７】
遊技盤１０３には、略円弧状に形成された外側ガイドレール１０８と、これより半径の小さな略円弧状に形成された内側ガイドレール１０９とが設けられている。そして、本実施形態にかかる遊技機１００においては、発射装置から発射された遊技球が、これらのガイドレール１０８，１０９に案内されて遊技盤１０３の上部に導かれ、遊技盤１０３内（遊技領域内）を転動することによって遊技が行われる。なお、この遊技盤１０３には、遊技球と当接することによって、遊技球を様々な方向に転動させるための複数の遊技釘が配設されているが、ここでは、図面の複雑化を避けるために遊技釘の記載を省略している。つまり、この遊技機１００においては、遊技盤１０３の上部に導かれた遊技球は、遊技盤１０３に打ち込まれた複数本の遊技釘に当接し、あるいはこれらの遊技釘間を通って、下方へ落下すべく構成されている。
【００１８】
遊技盤１０３の略中央部には、例えば液晶表示器を組み込んだ図柄表示部１１０が設けられ、この図柄表示部１１０の下方位置には、遊技球を入球可能な始動口１１１および入賞口１１２が配置されている。この始動口１１１および入賞口１１２に遊技球が入球すると、その旨が入球後の遊技球の通過経路に設けられたセンサによって検出され、入球した部位について予め定められた個数の賞球が球払出部（図示省略）から上皿１０６に付与されるように構成されている。なお、始動口１１１は、所定条件が成立することにより、ソレノイドの作動で開放されて入球しやすい状態となり得るように構成されており、開放時間と開放回数とが高められるよう制御される。
【００１９】
図柄表示部１１０の表示画面は、複数（例えば三個）の図柄表示領域１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃに区画されており、各表示領域は、それぞれ文字、数字、記号、図形、キャラクタ等の図柄（この実施形態では、例えば「１」〜「７」の数字）が、単独あるいは複合的に表示可能に構成されている。遊技球が始動口１１１に入球（本発明の「遊技媒体の所定動作」に相当）すると、特別遊技モードを実行するか否か（「大当たり」か「ハズレ」か）を決定するための抽選処理が行われて、図柄表示部１１０の各図柄表示領域の図柄が変動を始め、所定時間経過後に、所定領域に任意の図柄が表示される。この図柄表示部１１０は、一般的には、抽選結果が「大当たり」であれば、図柄表示部１１０において所定の図柄を所定の図柄状態（例えば、同一図柄を同一ライン上）に揃えるべく、制御が行われる。
【００２０】
始動口１１１の下方位置には、大入賞口１１４が設けられており、この大入賞口１１４は、通常は幅広な開閉板１１３によって閉塞されている。そして、抽選処理を行った結果、大当たりに当選すると、ソレノイドの作動によって開閉板１１３が傾動して、大入賞口１１４が開放されるように構成されている。大入賞口１１４内には、特定領域（いわゆるＶゾーン）を経由する第一経路、および特定領域を経由しない第二経路の二つの経路が設けられており、それぞれの経路には、入球した遊技球を計数するカウンタが設けられている。例えば、特別遊技モードでは、大入賞口１１４に所定個数の遊技球が入球するまで大入賞口１１４が開放され、その間、特定領域（第一経路）に遊技球が一つでも入球されれば、継続権が発生して、大入賞口１１４が再度開放され、この一連の動作が所定回数繰り返されることとなる。
そして、この遊技機１００は、大入賞口１１４に入球した遊技球の数（カウンタにて計数された遊技球の数）に応じて、予め定められた個数の賞球が球払出部から上皿１０６に付与されるように構成されている。
【００２１】
遊技盤１０３の下部には、始動口１１１、入賞口１１２、および大入賞口１１４等に入球しなかった遊技球を遊技機１００本体内に回収するための排出口１１５が形成されている。
【００２２】
また、遊技盤１０３の遊技領域の遊技領域の周辺部には、遊技中に点滅表示される飾りランプ、賞球を払い出すときに点灯する賞球ランプ、補給が切れたときに点灯する球切れランプ等の各種ランプ１１７が配置されており、前面扉１０２の左右位置には、効果音を発する二つのスピーカ１１８が配置されている。
【００２３】
また、本実施形態にかかる遊技機１００は、図柄表示部１１０の上方部に、複数の保留ランプ（第一保留ランプ１２１，第二保留ランプ１２２，第三保留ランプ１２３，第四保留ランプ１２４）を有する保留数表示部１２０が設けられている。この遊技機１００においては、図柄表示部１１０の作動中（変動表示中）に始動口１１１に入球した（所定動作を行った）遊技球（遊技媒体）が保留球として記憶され、この保留球の数が、保留数表示部１２０（保留ランプ１２１〜１２４）によって遊技者に報知される。始動口１１１への入球の際には、その都度抽選処理が行われて、その抽選内容（後述する、大当たり決定用乱数発生器３０４１にて得られた乱数値）が各保留球に関連づけて記憶されている。よって、図柄表示部１１０の変動表示が停止すると、次の保留球に関連づけられた抽選内容の大当たり判定結果（抽選結果）に基づいて図柄表示部１１０の変動表示が開始されることとなる。
なお、本実施形態においては、保留数の上限が４個（本発明の「所定数」に相当）とされている。保留数が上限に達した状態で、それ以上始動口１１１への入球があっても、払い出しはされるが、この入球に対する大当たり抽選の結果が図柄表示部１１０に表示されることはない。
【００２４】
図２は、本実施形態にかかる遊技機の概略的な電気的構成のブロック図を示したものである。また、図３は、遊技機内の主制御部および保留数表示部等の概略図を示したものである。なお、この図２等においては、各構成要素たるブロック間は見かけ上「一」の信号線にて接続された状態を示しているが、この各信号線は、物理的に「一本の」信号線を意味するものではなく、必要に応じて、一本または複数本の信号線（あるいは複数本を一に束ねた信号線）を意味するものとする。
【００２５】
本実施形態にかかる遊技機１００は、制御、演算の主体であるＣＰＵ、遊技制御プログラム等が記憶されているＲＯＭ、データの読み書きに用いられるＲＡＭ内に設けられた乱数格納領域３０３、および乱数発生器３０４等を有する主制御部１３３を備えている（図３参照）。
【００２６】
この主制御部１３３を構成する乱数格納領域３０３内には、図３に示すように、例えば、乱数発生器３０４（大当たり決定用乱数発生器３０４１、図柄決定用乱数発生器３０４３、リーチ実行決定用乱数発生器３０４４、リーチ種別決定用乱数発生器３０４５）にて抽選処理が行われた結果得られた、大当たりに関する情報や、リーチ演出を行う際のリーチ演出に関する各種情報（リーチ種別情報等）等が記憶されるべく、大当たり情報記憶部３０３１（本発明の「第一保持手段」に相当）、サブ大当たり情報記憶部３０３２（本発明の「第二保持手段」に相当）、図柄情報記憶部３０３３、リーチ実行情報記憶部３０３４、およびリーチ種別情報記憶部３０３５等が設けられている。
また、この主制御部１３３内には、保留数の個数を記憶する保留数カウンタ３０３６、およびサブ保留数カウンタ３０３７も設けられている。
【００２７】
主制御部１３３内の各記憶部３０３１〜３０３５および各カウンタ３０３６，３０３７は、それぞれ、遊技球の始動口１１１への入球に起因して、必要な情報を記憶すべく構成されている。そして、かかる記憶情報に基づいて、図柄表示部１１０の作動状態が制御される。
なお、本実施形態において、大当たり情報記憶部３０３１には、保留球用に４つの記憶領域が設けられている。したがって、この大当たり情報記憶部３０３１には、保留球でない分を含めて５つの記憶領域が設けられており、この大当たり情報記憶部３０３１に関連すべく、保留数カウンタ３０３６が構成されている。さらに、図柄表示部１１０が作動中であって、大当たり情報記憶部３０３１の記憶領域が満たされている（作動中（１）と保留球用（４）との合わせて５つの全ての記憶領域に大当たり決定用乱数発生器３０４１にて得られた乱数値（本発明の「抽選内容」に相当）が格納されている）場合には、このような状態から始動口１１１へ遊技球が入球した際に取得される乱数値（本発明の「抽選内容」に相当）が、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶される。そして、後述する条件に基づいて、このサブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶された乱数値が、大当たりであるか否かの判定に利用される。本実施形態には、後述するように、このサブ大当たり情報記憶部３０３２には５つの記憶領域が設けられており、このサブ大当たり情報記憶部３０３２に関連すべく、サブ保留数カウンタ３０３７が構成されている。
【００２８】
遊技機１００を成す主制御部１３３のＣＰＵには、バスを介して各種の入出力部が接続されている。入力部としては、始動口１１１に入球された遊技球を検出する始動口センサ１４５、入賞口１１２に入球された遊技球を検出する入賞口センサ１４６、下皿１０７内に遊技機球が満杯になったことを検出する下皿センサ１４７、大入賞口１１４の一般領域に入球した遊技球を計数するカウンタ１４８、大入賞口１１４の特定領域に入球した遊技球を計数するＶゾーンカウンタ１４９等が接続されている。また、出力部としては、保留数表示制御部１３１、電源制御部１３２、図柄表示制御部１３４、ランプ制御部１３５、音声制御部１３６、および払出制御部１３７等が接続されている。
【００２９】
保留数表示制御部１３１は、主制御部１３３から送られる制御信号（例えば、保留数カウンタ３０３６に記憶された情報）等に基づいて、保留数表示部１２０（の各保留ランプ１２１〜１２４）を制御すべく構成されている。
具体的には、保留数カウンタ３０３６には、大当たり情報記憶部３０３１に記憶された乱数値の個数（変動表示中の図柄に関する乱数値を除く）が記憶されており、保留数カウンタ３０３６が「０」である場合には、保留数表示部１２０の全てのランプは無点灯状態となり、「１」である場合には第一保留ランプ１２１が点灯し、「２」である場合には第一および第二保留ランプ１２１，１２２が点灯し、「３」である場合には第一〜第三保留ランプ１２１〜１２３が点灯し、「４」である場合には全ての保留ランプ１２１〜１２４が点灯する。そして、図柄表示部１１０の一回の作動によって、保留数カウンタ３０３６は一つ減算され、また始動口１１１への入球に伴い保留数カウンタ３０３６は一つ加算されるので、保留数表示制御部１３１は、この保留数カウンタ３０３６の情報に基づいて、保留ランプ１２１〜１２４の点灯状態を制御する。
【００３０】
図柄表示制御部１３４は、主制御部１３３から送られる制御信号（例えば、乱数発生器３０４にて得られ、乱数格納領域３０３内に記憶された各種情報）等に基づいて、図柄表示部１１０で変動表示される各図柄表示領域１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃを制御すべく構成されている。
すなわち、図柄表示制御部１３４は、今回変動に関する情報（抽選処理の結果得られた図柄情報等）に基づいて、図柄表示部１１０中の各図柄表示領域において図柄を制御している。また、この図柄表示制御部１３４の制御に基づき、図柄表示部１１０においては、リーチ成立時までは、各図柄表示領域で通常の表示態様がなされ、リーチ成立後には、表示態様が変化して、リーチ種別等決定演出が行われることとなる。
【００３１】
また、ランプ制御部１３５および音声制御部１３６は、主制御部１３３からの制御信号に基づいて、各種ランプ１１６，１１７の点灯状態およびスピーカ１１８からの音声を制御する。
さらに、主制御部１３３から払出制御部１３７には、賞球個数信号が適宜送信される。そして、払出制御部１３７は、この賞球個数信号に基づいて球払出部２００を制御している。
【００３２】
また、本実施形態においては、「大当たり」となるか否か、「リーチ」演出を行うか否か、あるいはどのようなリーチ種別の「リーチ」演出を行うか否か等が、始動口１１１への入球後、乱数発生器３０４（乱数発生カウンタ）を用いた抽選処理にて決定され、かかる抽選処理を行うため、主制御部１３３には複数の乱数発生器が設けられている。具体的には、大当たり決定用乱数発生器３０４１、図柄決定用乱数発生器３０４３、リーチ実行決定用乱数発生器３０４４、およびリーチ種別決定用乱数発生器３０４５等が設けられている。
【００３３】
各乱数発生器は、「０」からはじまって「所定上限値」となるまで、所定周期（例えば１ｍｓｅｃ）で順次１ずつカウントアップ動作が行われ、このカウント値が「所定上限値」に達した場合には、初期値「０」から再度カウント動作が繰り返されるべく構成されており（いわゆる無限ループカウンタが構成されており）、各種乱数発生器は、主制御部１３３のＣＰＵ３０１がそのカウント動作を制御している。なお、ここでは、初期値が「０」である場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、初期値はランダムに選択されてもよい。
【００３４】
主制御部１３３は、例えば、始動口センサ１４５からの信号入力に応じて、その時点で大当たり決定用乱数発生器３０４１がカウントしている乱数値を読み込み、この乱数値を乱数格納領域３０３内の大当たり情報記憶部３０３１（大当たり情報記憶部３０３１の全ての記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、サブ大当たり情報記憶部３０３２）に記憶させる。つまり、主制御部１３３は、各センサ等からの信号入力に応じて（信号入力をトリガとして）、各乱数発生器でカウントしている乱数値を読み込み、適宜乱数格納領域３０３内の適切な情報記憶部に記憶すべく構成されている。
【００３５】
各種乱数発生器において用いられる「所定上限値」としては、例えば、大当たり決定用乱数発生器３０４１が「２３９」、図柄決定用乱数発生器３０４３が「１０（図柄の数）」、リーチ実行決定用乱数発生器３０４４が「１０」、リーチ種別決定用乱数発生器３０４５が「１０」等の値として定められる。
【００３６】
図４は、本実施形態にかかる遊技機の主制御部における抽選処理等に関する制御動作のフローチャート（メインフロー）を示したものである。
【００３７】
図４によれば、図柄表示部１１０が変動表示中（作動中）であるか否かが判断され（Ｓ４０１）、変動表示中である場合（Ｓ４０１にてＹｅｓ）には、後述するステップＳ４１２以降の処理が行われる。また、図柄表示部１１０が変動表示中でない場合（Ｓ４０１にてＮｏ）には、保留数カウンタ３０３６に記憶されている数（大当たり情報記憶部３０３１に記憶されている保留球に対応する乱数値の数）が「０」であるか否かが判断される（Ｓ４０２）。
【００３８】
保留数カウンタ３０３６が「０」である場合（Ｓ４０２にてＹｅｓ）には、後述するステップＳ４１０以降の処理が行われ、「０」でない場合（Ｓ４０２にてＮｏ）には、記憶されている保留球およびこの保留球に関連付けられた抽選内容に基づき、抽選処理（厳密には、保留球に対応する乱数値（抽選内容）に基づく大当たり判定処理であるが、この判定処理も広く抽選処理の概念に含めるものとする）が行われる（Ｓ４０３）。この抽選処理（Ｓ４０３）においては、大当たり情報記憶部３０３１およびサブ大当たり情報記憶部３０３２の少なくとも一方に記憶されている乱数値が選択され、大当たり当選か否かを判定する際に用いられる。なお、この保留球による抽選処理（Ｓ４０３）については、後に詳細に説明する。
【００３９】
保留球による抽選処理（Ｓ４０３）の後には、図柄決定用乱数発生器３０４３を用いた図柄抽選（Ｓ４０４）およびリーチに関する抽選等が行われて、種々の抽選結果に基づいて、図柄表示部１１０の図柄の変動が開始される（Ｓ４０５）。つまり、ここでは、保留球（大当たり情報記憶部３０３１およびサブ大当たり情報記憶部３０３２の少なくとも一方に記憶された乱数値）に起因して、図柄の変動表示が行われることとなる。なお、本実施形態においては、リーチ実行決定用乱数発生器３０４４およびリーチ種別決定用乱数発生器３０４５等を用いたリーチに関する抽選等、およびこれらの抽選等に基づいて行われるリーチ演出等については省略する。
【００４０】
なお、このＳ４０４において行われる図柄抽選は、上述したように図柄決定用乱数発生器３０４３にて行われ、ここで得られた抽選結果は、適切な処理を施すことによって、後述する大当たり図柄表示（Ｓ４０７）およびハズレ図柄表示（Ｓ４０９）のいずれにも利用される。
【００４１】
具体的には、図柄表示部１１０の各図柄表示領域についてそれぞれ抽選処理にて停止図柄が定められた後、大当たり抽選に当選することなく、抽選結果の図柄が「ハズレ図柄」（三つが揃っていない状態の図柄）であれば、その図柄をステップＳ４０９における最終的な停止図柄とする。そして、抽選結果が、このような「ハズレ図柄」となった場合であっても、大当たり抽選に当選していた場合には、「ハズレ図柄」を調整して、この大当たりに対応する「大当たり図柄」にする。例えば、左端の図柄を、中央および右端の図柄となるようにそれぞれコピーして、「大当たり図柄」とする。
一方、抽選処理の結果、停止図柄が大当たり状態の図柄（三つが揃っている図柄）となった場合、大当たりに当選していれば、その図柄をステップＳ４０７における最終的な停止図柄とするが、大当たりに当選していない場合には、その「大当たり図柄」を調整して、「ハズレ図柄」にする。例えば、いずれかの図柄に「＋１」等して、三つの図柄が揃わないようにして、「ハズレ図柄」とする。
【００４２】
図柄の変動表示が開始された（Ｓ４０５）後には、ステップＳ４０３の抽選処理の結果、すなわち大当たりに当選しているか否かが判断される（Ｓ４０６）。大当たりに当選している場合（Ｓ４０６にてＹｅｓ）には、図柄表示部１１０にて大当たり図柄を表示させた（Ｓ４０７）後に、遊技機１００において、大当たり遊技（Ｓ４０８）が行われる。そして、この大当たり遊技（Ｓ４０８）が終了することによって、保留球に基づく一連の遊技が終了する。また、大当たりに当選していない場合（Ｓ４０６にてＮｏ）には、図柄表示部１１０にてハズレ図柄を表示させた（Ｓ４０９）後に、保留球に基づく一連の遊技が終了する。
【００４３】
また、保留数カウンタ３０３６が「０」である場合（Ｓ４０２にてＹｅｓ）には、始動口１１１への遊技球の入球があったか否かが判断され（Ｓ４１０）、入球があった場合には、大当たり抽選（Ｓ４１１）が行われた後に、ステップＳ４０４以降の処理が行われることとなる。
この大当たり抽選Ｓ４１１においては、大当たり決定用乱数発生器３０４を用いて取得された乱数値が、大当たり情報記憶部３０３１に記憶され、且つ大当たりであるか否かが判定される。
【００４４】
さらに、図柄表示部１１０が作動中（図柄変動中）の場合（Ｓ４０１にてＹｅｓ）においては、始動口１１１への遊技球の入球があったか否かが判断される（Ｓ４１２）。
そして、始動口１１１への入球があった場合（Ｓ４１２にてＹｅｓ）には、その入球に基づき保留球処理（Ｓ４１３）が行われる。
【００４５】
次に、図５は、図４に示されたメインフロー中における保留球による抽選処理Ｓ４０３に関するフローチャートを示したものである。
【００４６】
図５によれば、まず、保留数カウンタ３０３６を「１」減算し（Ｓ４０３ａ）、大当たり情報記憶部３０３１から乱数値を一つ取得する（Ｓ４０３ｂ）。
【００４７】
次いで、取得した乱数値と大当たり判定値とを比較し（Ｓ４０３ｃ）、取得した乱数値と大当たり判定値とが等しければ（例えば、乱数値が、所定の範囲を有する大当たり判定値内の値であれば）（Ｓ４０３ｃにてＹｅｓ）、保留数カウンタ３０３６の内容を保留数表示部１２０にて表示して（Ｓ４０３ｉ）、保留球による抽選処理が終了し、メインフローに戻る。
すなわち、大当たり情報記憶部３０３１から取得した乱数値が大当たり当選と判定された場合には、先に述べたステップＳ４０４以降の処理が行われることとなる。また、保留球に関連して大当たり情報記憶部３０３１に記憶されていた乱数値が一つ利用されるため、保留数表示部１２０においては、保留ランプの一つが消灯されることとなる（Ｓ４０３ｉ）。
【００４８】
次いで、ステップＳ４０３ｂにて取得した乱数値と大当たり判定値とが等しくない場合（例えば、乱数値が、所定の範囲を有する大当たり判定値内の値でない場合）（Ｓ４０３ｃにてＮｏ）には、サブ保留数カウンタ３０３７に記憶されている数（サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶されている保留球に対応する乱数値の数）が「０」であるか否かが判断される（Ｓ４０３ｄ）。
【００４９】
サブ保留数カウンタ３０３７が「０」である場合（Ｓ４０３ｄにてＹｅｓ）には、ステップＳ４０３ｉ以降の処理が行われる。
また、サブ保留数カウンタ３０３７が「０」でない場合（Ｓ４０３ｄにてＮｏ）には、サブ保留数カウンタ３０３７を「１」減算し（Ｓ４０３ｅ）、サブ大当たり情報記憶部３０３２から乱数値を一つ取得する（Ｓ４０３ｆ）。
【００５０】
次いで、取得した乱数値と大当たり判定値とを比較し（Ｓ４０３ｇ）、取得した乱数値と大当たり判定値とが等しければ（Ｓ４０３ｇにてＹｅｓ）、ここで取得した乱数値を大当たり情報記憶部にコピーし（Ｓ４０３ｈ）た上で、大当たり当選と判定される。また、取得した乱数値と大当たり判定値とが等しくなければ（Ｓ４０３ｇにてＮｏ）、ステップＳ４０３ｉ以降の処理が行われる。
【００５１】
すなわち、大当たり情報記憶部３０３１から取得した乱数値が大当たり判定値と一致せず、サブ大当たり情報記憶部３０３２から取得した乱数値が大当たり判定値と一致する場合、本実施形態においては、このサブ大当たり情報記憶部３０３２から取得した乱数値を大当たり情報記憶部にコピーし（Ｓ４０３ｈ）た上で、大当たりに当選したと判定される。
【００５２】
次に、図６は、図４に示されたメインフロー中における保留球処理Ｓ４１３に関するフローチャートを示したものである。
【００５３】
図６によれば、まず、大当たり用乱数値の取得が行われて（Ｓ４１３ａ）、保留数カウンタ３０３６のカウント数が「４」であるか否かが判断される（Ｓ４１３ｂ）。すなわち、保留数カウンタ３０３６の記憶領域に空きがあるか否かが判断される。
【００５４】
保留数カウンタ３０３６のカウント数が「４」でない場合（Ｓ４１３ｂにてＮｏ）には、保留数カウンタ３０３６にて、まだカウントアップすることが可能である（記憶領域に空きがある）ため、保留数カウンタ３０３６を「１」加算し（Ｓ４１３ｃ）、ステップＳ４１３ａにて取得された大当たり用乱数値が、大当たり情報記憶部３０３１に記憶されて（Ｓ４１３ｄ）、保留球処理が終了する。
【００５５】
一方、保留数カウンタ３０３６のカウント数が「４」である場合（Ｓ４１３ｂにてＹｅｓ）には、保留数カウンタ３０３６の記憶領域に空きがないため、サブ保留数カウンタ３０３７が最大数（例えば「５」等）となっているか否かが判断される（Ｓ４１３ｅ）。つまり、サブ大当たり情報記憶部３０３２への記憶が可能であるか否かが判断される。
サブ保留数カウンタ３０３７のカウント数が「最大」でない場合（Ｓ４１３ｅにてＮｏ）には、サブ保留数カウンタ３０３７にて、まだカウントアップすることが可能である（記憶領域に空きがある）ため、サブ保留数カウンタ３０３７を「１」加算し（Ｓ４１３ｆ）、ステップＳ４１３ａにて取得された大当たり用乱数値が、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶されて（Ｓ４１３ｇ）、保留球処理が終了する。
また、サブ保留数カウンタ３０３７のカウント数が「最大」である場合（Ｓ４１３ｅにてＹｅｓ）には、ステップＳ４１３ａにて取得された大当たり用乱数値が破棄されて、保留球処理が終了する。
【００５６】
なお、カウンタ３０３６，３０３７がカウントアップされて、取得された乱数値が所定の大当たり情報記憶部３０３１，３０３２に記憶される場合には、各乱数値はカウンタのカウント数と関連づけてそれぞれ記憶される。そして、このようにして記憶された乱数値が、先に説明した図４および図５にて利用される。
【００５７】
図７は、上述した図１〜図６にて説明された本発明の第一実施形態にかかる遊技機１００の図柄表示部１１０の概略的な表示状態変化等を示したものである。また、この図７においては、図柄表示部１１０と共に、大当たり情報記憶部３０３１およびサブ大当たり情報記憶部３０３２の記憶領域内における乱数値の記憶状態も示している。
なお、この図７においては、図柄表示部１１０が作動している状態にて、大当たり情報記憶部３０３１の全ての記憶領域に乱数値が記憶されており、この状態からさらに始動口１１１への遊技球の入球があった場合について説明する。
【００５８】
図７（ａ）に示すように、図柄表示部１１０の各図柄１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃが作動している状態において、始動口１１１へ４個の遊技球が入球すると、入球の際の信号をトリガとして、乱数値が取得され、取得された乱数値は、大当たり情報記憶部３０３１に記憶される。つまり、この図７（ａ）においては、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の記憶領域の乱数値「５」が、現在変動中の遊技が大当たりであるか否かを判定（Ｓ４０６、図４参照）するために用いられる乱数値であり、その下の４つの乱数値「３３」，「１９」，「２」，「９５」が、保留数表示部１２０の保留ランプ１２１〜１２４を点灯させている保留球に関連づけられた乱数値である。
【００５９】
さて、この図７（ａ）の状態から、さらに、始動口１１１へ遊技球が入球すると、図７（ｂ）に示すように、入球の際の信号をトリガとして、大当たり決定用乱数発生器３０４１にて取得された乱数値「１７」が、サブ大当たり情報記憶部３０３２の最上段に記憶される（Ｓ４１３ｇ、図６参照）。
【００６０】
この図柄変動の終了の際には、乱数値「５」および図柄抽選にて得られた図柄等に基づいて、図柄の停止表示が行われる。本実施形態においては、乱数値「５」は大当たりに当選する乱数値ではないため、図柄表示部１１０に所定の図柄（ここでは「５・６・０」）が停止表示され、１回の変動表示が終了する。そして、大当たり情報記憶部３０３１においては、この変動に用いられた乱数値「５」が消去され、その他の各乱数値がそれぞれ上段の記憶領域にコピーされる（図７（ｃ））。
【００６１】
このように、１回の変動が終了した後、図柄は変動表示中でないため、本実施形態においては、ステップＳ４０１およびＳ４０２を介して、保留球による抽選処理Ｓ４０３が行われることとなる（図４参照）。
【００６２】
具体的には、まず、保留数カウンタ３０３６を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ａ、図５参照）、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の乱数値「３３」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｂ，Ｓ４０３ｃ）。ここでは、乱数値「３３」は、大当たりに当選する乱数値ではないため、次に、サブ保留数カウンタ３０３７の数を確認して、サブ大当たり情報記憶部３０３２に乱数値が記憶されている場合には（サブ保留数カウンタ３０３７のカウント数が「０」でなければ）（Ｓ４０３ｄ）、保留数カウンタ３０３７を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ｅ）、サブ大当たり情報記憶部３０３２の最上段の乱数値「１７」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｆ，Ｓ４０３ｇ）。ここでは、乱数値「１７」は、大当たりに当選する乱数値である。
【００６３】
したがって、本実施形態においては、図７（ｄ）に示すように、この大当たりである乱数値「１７」が、大当たり情報記憶部３０３１へコピーされ（Ｓ４０３ｈ）、保留数カウンタ３０３６の減算に対応させて、保留数表示部１２０の第四保留ランプを消灯させる（Ｓ４０３ｉ）。
【００６４】
このようにして、今回の大当たり判定に用いられる乱数値が「１７」に決定された後、図柄抽選が行われ（Ｓ４０４）、図柄表示部１１０における図柄の変動表示が開始される（Ｓ４０５）（図７ｅ）。
【００６５】
この図柄変動の終了の際には、図柄の停止表示が行われる。ここでは、上述したように、乱数値「１７」は、大当たりに当選する乱数値であるため、図柄表示部１１０においては、大当たり図柄表示がなされ（Ｓ４０７）、この大当たりに基づいて、遊技機１００では大当たり遊技が行われる（Ｓ４０８）。
例えば、図７（ｆ）に示すように、図柄表示部１１０に同一の図柄が揃った状態（ここでは「７・７・７」）で停止表示されて、この後、大当たり遊技が行われる。
【００６６】
加えて、本実施形態においては、大当たり情報記憶部３０３１とサブ大当たり情報記憶部３０３２との両方の乱数値を用いて抽選処理が行われたこと（すなわち、保留ランプが全て点灯した後の始動口１１１への入球が有効に抽選処理に利用されたこと）を遊技者に報知すべく、図柄表示部１１０に報知記号１１０ｗ（ここでは、「Ｗ」）が表示される。
【００６７】
そして、本実施形態においては、さらに、大当たり情報記憶部３０３１に記憶された乱数値（「１９」，「２」，「９５」）が存在するため、大当たり遊技（Ｓ４０８）終了後、再びステップＳ４０１およびＳ４０２を介して、保留球による抽選処理（Ｓ４０３）が行われることとなる（図４参照）。
【００６８】
以上説明したように、本実施形態においては、保留数表示部１２０に設けられた全ての保留ランプが点灯状態（すなわち、大当たり情報記憶部３０３１の記憶領域に空きがない状態）のときに、始動口１１１への入球が行われた場合であっても、サブ大当たり情報記憶部３０３２が設けられ、保留球処理（Ｓ４１３）および保留球による抽選処理（Ｓ４０３）等が行われるため、従来技術にかかる遊技機の問題を解決することができる。
【００６９】
すなわち、本実施形態においては、保留球が所定数（本実施形態においては、「４」）に達した後に、遊技球が始動口１１１に入球した場合であっても、その入球時に取得された乱数値がサブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶され、後の抽選処理（Ｓ４０３）に適切に利用されるため、保留ランプが全て点灯した後でも、従来のごとく、「始動口への入球があったとしても、大当たり等となる機会を喪失する」等の感情を遊技者に抱かせることがない。
したがって、本実施形態によれば、保留球が所定数に達した後であっても、遊技の興趣を低下させることがなくなる。
【００７０】
また、上述したように、保留数が所定数に達した後の入球であっても、適切に抽選処理に反映されるため、従来のごとく、保留数が所定数に達した段階で、遊技者が打ち出しを停止すること等がなくなり、効果的に遊技機の稼働率低下を防止することができる。
【００７１】
また、本実施形態においては、ステップＳ４０３の処理にて、事実上２回の抽選処理が行われているが、図柄の変動表示は１回であるため、図柄の変動表示の時間短縮を図ることが可能となる。つまり、本実施形態によれば、図柄の変動表示を１回分省略することが可能となる。
【００７２】
なお、この第一実施形態によれば、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶されていた乱数値「１７」が大当たりである場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、もちろんのこと、大当たりでない場合もある。このような場合（Ｓ４０３ｇにてＮｏの場合）には、当然のことながら、図柄表示部１１０にはハズレ図柄が表示されるが、サブ大当たり情報記憶部３０３２の乱数値も利用したことを遊技者に報知すべく、図柄表示部１１０には報知記号１１０ｗを表示することが好ましい。
【００７３】
また、上記実施形態においては、サブ大当たり情報記憶部３０３２に乱数値が記憶されている場合には、常に抽選処理に利用される場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、サブ大当たり情報記憶部３０３２の乱数値が所定条件を満たす場合にのみ、抽選処理に利用可能な構成としてもよい。例えば、大当たりに当選している場合にのみ、利用するような構成としてもよい。
【００７４】
さらに、上記実施形態においては、サブ大当たり情報記憶部３０３２に一つの乱数値が記憶された場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。そこで、二つの乱数値がサブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶された場合について、図８に基づいて説明する。
この図８においても、図７と同様に、図柄表示部１１０が作動している状態にて、大当たり情報記憶部３０３１の全ての記憶領域に乱数値が記憶されており、この状態からさらに始動口１１１への遊技球の入球（２球）があった場合について説明する。
【００７５】
図８（ａ）に示すように、図柄表示部１１０の各図柄１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃが作動している状態において、始動口１１１へ４個の遊技球が入球すると、入球の際の信号をトリガとして、乱数値が取得され、取得された乱数値は、大当たり情報記憶部３０３１に記憶される。つまり、この図８（ａ）においては、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の記憶領域の乱数値「５」が、現在変動中の遊技が大当たりであるか否かを判定（Ｓ４０６、図４参照）するために用いられる乱数値であり、その下の４つの乱数値「３３」，「１９」，「２」，「９５」が、保留数表示部１２０の保留ランプ１２１〜１２４を点灯させている保留球に関連づけられた乱数値である。
【００７６】
この図８（ａ）の状態から、さらに、始動口１１１へ遊技球が２球入球すると、図８（ｂ）に示すように、その入球の際の信号をトリガとして、大当たり決定用乱数発生器３０４１にて取得された乱数値「１７」および「４４」が、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶される（Ｓ４１３ｇ、図６参照）。
【００７７】
この図柄変動の終了の際には、乱数値「５」および図柄抽選にて得られた図柄等に基づいて、図柄の停止表示が行われる。本実施形態においては、乱数値「５」は大当たりに当選する乱数値ではないため、図柄表示部１１０に所定の図柄（ここでは「５・６・０」）が停止表示され、１回の変動表示が終了する。そして、大当たり情報記憶部３０３１においては、この変動に用いられた乱数値「５」が消去され、その他の各乱数値がそれぞれ上段の記憶領域にコピーされる（図８（ｃ））。
【００７８】
このように、１回の変動が終了した後、図柄は変動表示中でないため、本実施形態においては、ステップＳ４０１およびＳ４０２を介して、保留球による抽選処理Ｓ４０３が行われることとなる（図４参照）。
【００７９】
具体的には、まず、保留数カウンタ３０３６を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ａ、図５参照）、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の乱数値「３３」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｂ，Ｓ４０３ｃ）。ここでは、乱数値「３３」は、大当たりに当選する乱数値ではないため、次に、サブ保留数カウンタ３０３７の数を確認して、サブ大当たり情報記憶部３０３２に乱数値が記憶されている場合には（サブ保留数カウンタ３０３７のカウント数が「０」でなければ）（Ｓ４０３ｄ）、保留数カウンタ３０３７を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ｅ）、サブ大当たり情報記憶部３０３２の最上段の乱数値「１７」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｆ，Ｓ４０３ｇ）。ここでは、乱数値「１７」は、大当たりに当選する乱数値である。
【００８０】
したがって、本実施形態においては、この大当たりである乱数値「１７」が、大当たり情報記憶部３０３１へコピーされ（Ｓ４０３ｈ）、保留数カウンタ３０３６の減算に対応させて、保留数表示部１２０の第四保留ランプを消灯させる（Ｓ４０３ｉ）。そして、このようにして、今回の大当たり判定に用いられる乱数値が「１７」に決定された後、図柄抽選が行われ（Ｓ４０４）、図柄表示部１１０における図柄の変動表示が開始される（Ｓ４０５）（図８ｄ）。
【００８１】
この図柄変動の終了の際には、図柄の停止表示が行われる。ここでは、上述したように、乱数値「１７」は、大当たりに当選する乱数値であるため、図柄表示部１１０においては、大当たり図柄表示がなされ（Ｓ４０７）、この大当たりに基づいて、遊技機１００では大当たり遊技が行われる（Ｓ４０８）。
例えば、図８（ｅ）に示すように、図柄表示部１１０の各図柄表示領域１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃに同一の図柄が揃った状態（ここでは「７・７・７」）で停止表示されて、この後、大当たり遊技が行われる。加えて、本実施形態においては、図７でも説明したように、大当たり情報記憶部３０３１とサブ大当たり情報記憶部３０３２との両方の乱数値を用いて抽選処理が行われたこと（すなわち、保留ランプが全て点灯した後の始動口１１１への入球が有効に抽選処理に利用されたこと）を遊技者に報知すべく、図柄表示部１１０に報知記号１１０ｗ（ここでは、「Ｗ」）が表示される。
【００８２】
図８（ｅ）に示すように、この図８における２回目の変動表示が終了した際には、大当たり情報記憶部３０３１においては、この変動に用いられた乱数値「１７」が消去され、その他の各乱数値がそれぞれ上段の記憶領域にコピーされる。
【００８３】
そして、さらに、本実施形態においては、大当たり情報記憶部３０３１およびサブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶された乱数値が存在するため、大当たり遊技（Ｓ４０８）終了後、再びステップＳ４０１およびＳ４０２を介して、保留球による抽選処理（Ｓ４０３）が行われることとなる（図４参照）。
【００８４】
具体的には、保留数カウンタ３０３６を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ａ、図５参照）、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の乱数値「１９」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｂ，Ｓ４０３ｃ）。ここでは、乱数値「１９」が大当たりに当選する乱数値である場合には、ステップＳ４０３ｃの後にステップＳ４０３ｉ以降の処理がなされ、当選していない場合には、サブ保留数カウンタ３０３７の数を確認（Ｓ４０３ｄ）した後に、保留数カウンタ３０３７を一つ減算させて（Ｓ４０３ｅ）、サブ大当たり情報記憶部３０３２の最上段の乱数値「４４」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｆ，Ｓ４０３ｇ）。
【００８５】
すなわち、この図８においては、乱数値「１９」が大当たりに当選していれば、この乱数値に基づいて、図８（ｆ）の図柄の変動が開始され、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶された乱数値「４４」は、そのままサブ大当たり情報記憶部３０３２に残留することとなる。
また、乱数値「１９」が大当たりに当選しておらず、乱数値「４４」が大当たり判定値と一致すれば、この乱数値「４４」に基づいて、図８（ｆ）の図柄の変動が開始されることとなる。
さらに、いずれの乱数値も大当たりに当選していない場合には、大当たり情報記憶部３０３１に記憶された乱数値「１９」に基づいて、図８（ｆ）の図柄の変動が開始される。この際、乱数値「１９」および「４４」は、いずれも抽選処理に利用されているため、各情報記憶部３０３１，３０３２からは消去されることとなる。図５のフローチャートにおけるステップＳ４０３ａおよびステップＳ４０３ｅに示したとおり、当然のことながら、この乱数値の消去と各カウンタ３０３６，３０３７の減算とは関連して記憶されている。
【００８６】
そして、上記のいずれの場合であっても、大当たり情報記憶部３０３１に関連した保留数カウンタ３０３６は減算されることとなるため、「１９」あるいは「４４」のいずれの乱数値を用いて大当たり判定を行うかに関わらず、保留数表示部１２０の第四保留ランプ１２４に加えてさらに第三保留ランプ１２３を消灯させた状態で、図柄表示部１１０の図柄の変動表示が開始される（図８（ｆ））。この後は、先に説明した図４のステップＳ４０４以降の処理と同様であるため、ここでは省略する。
【００８７】
〈第二実施形態〉
次に、本発明の第二実施形態にかかる遊技機について説明する。この第二実施形態にかかる遊技機は、基本的に、上述した第一実施形態と同様の構成を有しているが、保留球の取り扱い方、具体的には、図４に示されたメインフロー中の保留球による抽選処理の方法が、第一実施形態とは異なる。そこで、以下においては、第一実施形態と異なる部分について、主に説明する。
【００８８】
図９は、図４に示されたメインフロー中における保留球による抽選処理Ｓ４０３に関するフローチャートを示したものである。つまり、第二実施形態にかかる遊技機にて行われる保留球による抽選処理Ｓ４０３のフローチャートを示したものである。
【００８９】
図９によれば、まず、保留数カウンタ３０３６を「１」減算し（Ｓ４０３ａ’）、大当たり情報記憶部３０３１から乱数値を一つ取得する（Ｓ４０３ｂ’）。
【００９０】
次いで、取得した乱数値と大当たり判定値とを比較し（Ｓ４０３ｃ’）、取得した乱数値と大当たり判定値とが等しければ（例えば、乱数値が、所定の範囲を有する大当たり判定値内の値であれば）（Ｓ４０３ｃ’にてＹｅｓ）、保留数カウンタ３０３６の内容を保留数表示部１２０にて表示して（Ｓ４０３ｉ’）、保留球による抽選処理が終了し、メインフローに戻る。
すなわち、大当たり情報記憶部３０３１から取得した乱数値が大当たりと判定された場合には、先に述べたステップＳ４０４以降の処理が行われることとなる。また、保留球に関連して大当たり情報記憶部３０３１に記憶されていた乱数値が一つ利用されるため、保留数表示部１２０においては、保留ランプの一つが消灯されることとなる（Ｓ４０３ｉ’）。
【００９１】
次いで、ステップＳ４０３ｂ’にて取得した乱数値と大当たり判定値とが等しくない場合（例えば、乱数値が、所定の範囲を有する大当たり判定値内の値でない場合）（Ｓ４０３ｃ’にてＮｏ）には、サブ保留数カウンタ３０３７に記憶されている数（サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶されている保留球に対応する乱数値の数）が「０」であるか否かが判断される（Ｓ４０３ｄ’）。
【００９２】
サブ保留数カウンタ３０３７が「０」である場合（Ｓ４０３ｄ’にてＹｅｓ）には、ステップＳ４０３ｉ’以降の処理が行われる。
また、サブ保留数カウンタ３０３７が「０」でない場合（Ｓ４０３ｄ’にてＮｏ）には、サブ保留数カウンタ３０３７を「１」減算し（Ｓ４０３ｅ’）、サブ大当たり情報記憶部３０３２から乱数値を一つ取得する（Ｓ４０３ｆ’）。
【００９３】
次いで、取得した乱数値と大当たり判定値とを比較し（Ｓ４０３ｇ’）、取得した乱数値と大当たり判定値とが等しければ（Ｓ４０３ｇ’にてＹｅｓ）、ここで取得した乱数値を大当たり情報記憶部にコピーし（Ｓ４０３ｈ’）た上で、大当たり当選と判定される。
【００９４】
また、取得した乱数値と大当たり判定値とが等しくなければ（Ｓ４０３ｇ’にてＮｏ）、再び、ステップＳ４０３ｄ’以降の処理が行われる。
すなわち、本実施形態においては、大当たり情報記憶部３０３１から取得された乱数値が大当たり判定値と一致しない場合（Ｓ４０３ｃ’にてＮｏ）には、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶されている乱数値がなくなるまで（Ｓ４０３ｄ’にてＹｅｓとなるまで）、サブ大当たり情報記憶部３０３２の乱数値について大当たり判定（Ｓ４０３ｇ’）が行われてから、ステップＳ４０３ｉ’以降の処理が行われることとなる。
【００９５】
大当たりに当選する乱数値が取得された段階で、サブ大当たり情報記憶部３０３２にまだ乱数値が記憶されている場合には、その乱数値は、さらに保留されて、次回の抽選処理Ｓ４０３に利用される。
そして、取得した乱数値が大当たりであれば、上述したように、ここで取得した乱数値を大当たり情報記憶部にコピーし（Ｓ４０３ｈ’）た上で、大当たりに当選したと判定されるが、サブ大当たり情報記憶部３０３２の全ての乱数値が大当たり判定値と一致しない場合には、サブ大当たり情報記憶部３０３２の全ての乱数値が消去された状態で、先の大当たり情報記憶部３０３１の乱数値に基づいて、図柄の変動が開始される。
【００９６】
図１０は、上述した図９にて説明された本発明の第二実施形態にかかる遊技機１００の図柄表示部１１０の概略的な表示状態変化等を示したものである。また、この図１０においては、図７等と同様に、図柄表示部１１０と共に、大当たり情報記憶部３０３１およびサブ大当たり情報記憶部３０３２の記憶領域内における乱数値の記憶状態も示している。
また、この図１０においては、図柄表示部１１０が作動している状態にて、大当たり情報記憶部３０３１の全ての記憶領域に乱数値が記憶されており、この状態からさらに始動口１１１への遊技球の入球（２球）があった場合について説明する。
【００９７】
図１０（ａ）に示すように、図柄表示部１１０の各図柄１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃが作動している状態において、始動口１１１へ４個の遊技球が入球すると、入球の際の信号をトリガとして、乱数値が取得され、取得された乱数値は、大当たり情報記憶部３０３１に記憶される。つまり、この図１０（ａ）においては、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の記憶領域の乱数値「５」が、現在変動中の遊技が大当たりであるか否かを判定（Ｓ４０６、図４参照）するために用いられる乱数値であり、その下の４つの乱数値「３３」，「１９」，「２」，「９５」が、保留数表示部１２０の保留ランプ１２１〜１２４を点灯させている保留球に関連づけられた乱数値である。
【００９８】
この図１０（ａ）の状態から、さらに、始動口１１１へ遊技球が２球入球すると、図１０（ｂ）に示すように、入球の際の信号をトリガとして、大当たり決定用乱数発生器３０４１にて取得された乱数値「４４」および「１７」が、サブ大当たり情報記憶部３０３２に記憶される（Ｓ４１３ｇ、図６参照）。
【００９９】
この図柄変動の終了の際には、図柄の停止表示が行われる。本実施形態においては、乱数値「５」は大当たりに当選する乱数値ではないため、図柄表示部１１０に所定の図柄（ここでは「５・６・０」）が停止表示され、１回の変動表示が終了する。そして、大当たり情報記憶部３０３１においては、この変動に用いられた乱数値「５」が消去され、その他の各乱数値がそれぞれ上段の記憶領域にコピーされる（図１０（ｃ））。
【０１００】
このように、１回の変動が終了した後、図柄は変動表示中でないため、本実施形態においては、ステップＳ４０１およびＳ４０２を介して、保留球による抽選処理Ｓ４０３が行われることとなる（図４参照）。
【０１０１】
具体的には、まず、保留数カウンタ３０３６を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ａ’、図９参照）、大当たり情報記憶部３０３１の最上段の乱数値「３３」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｂ’，Ｓ４０３ｃ’）。ここでは、乱数値「３３」は、大当たりに当選する乱数値ではないため、次に、サブ保留数カウンタ３０３７の数を確認して、サブ大当たり情報記憶部３０３２に乱数値が記憶されている場合には（サブ保留数カウンタ３０３７のカウント数が「０」でなければ）（Ｓ４０３ｄ’）、保留数カウンタ３０３７を一つ減算させた後に（Ｓ４０３ｅ’）、サブ大当たり情報記憶部３０３２の最上段の乱数値「４４」が大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｆ’，Ｓ４０３ｇ’）。
【０１０２】
ここでは、乱数値「４４」も、大当たりに当選する乱数値ではないため（Ｓ４０３ｇ’にてＮｏであるため）、本実施形態においては、再びステップＳ４０３ｄ’以降の処理が行われる。つまり、サブ大当たり情報記憶部３０３２の最上段の乱数値「４４」が消去されて、その下の乱数値「１７」が上方の記憶領域にコピーされてから、かかる乱数値「１７」が、大当たり判定値であるか否かが判定される（Ｓ４０３ｄ’，Ｓ４０３ｅ’，Ｓ４０３ｆ’，Ｓ４０３ｇ’）。ここでは、乱数値「１７」は、大当たりに当選する乱数値である。
【０１０３】
したがって、本実施形態においては、この大当たりである乱数値「１７」が、大当たり情報記憶部３０３１へコピーされ（Ｓ４０３ｈ’）、保留数カウンタ３０３６の減算に対応させて、保留数表示部１２０の第四保留ランプを消灯させる（Ｓ４０３ｉ’）。そして、このようにして、今回の大当たり判定に用いられる乱数値が「１７」に決定された後、図柄抽選が行われ（Ｓ４０４）、図柄表示部１１０における図柄の変動表示が開始される（Ｓ４０５）（図１０ｄ）。
【０１０４】
この図柄変動の終了の際には、図柄の停止表示が行われる。ここでは、上述したように、乱数値「１７」は、大当たりに当選する乱数値であるため、図柄表示部１１０においては、大当たり図柄表示がなされ（Ｓ４０７）、この大当たりに基づいて、遊技機１００では大当たり遊技が行われる（Ｓ４０８）。
例えば、図１０（ｅ）に示すように、図柄表示部１１０の各図柄表示領域１１０ａ，１１０ｂ，１１０ｃに同一の図柄が揃った状態（ここでは「７・７・７」）で停止表示されて、この後、大当たり遊技（Ｓ４０８）が行われる。
【０１０５】
加えて、本実施形態においては、大当たり情報記憶部３０３１とサブ大当たり情報記憶部３０３２との乱数値を、結果的に三つ用いて抽選処理が行われているため、そのこと（すなわち、保留ランプが全て点灯した後の始動口１１１への入球が有効に抽選処理に利用されたこと）を遊技者に報知すべく、図柄表示部１１０に報知記号１１０ｔ（ここでは、「Ｔ」）が表示される。
【０１０６】
また、図１０（ｅ）に示すように、この図１０における２回目の変動表示が終了した際には、大当たり情報記憶部３０３１においては、この変動に用いられた乱数値「１７」が消去されて、その他の各乱数値がそれぞれ上段の記憶領域にコピーされる。
【０１０７】
さらに、本実施形態においては、大当たり情報記憶部３０３１に記憶された乱数値（「１９」，「２」，「９５」）が存在するため、大当たり遊技（Ｓ４０８）終了後、再びステップＳ４０１およびＳ４０２を介して、保留球による抽選処理（Ｓ４０３）が行われることとなる（図４参照）。
【０１０８】
以上説明したように、この第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、保留数表示部１２０に設けられた全ての保留ランプが点灯状態のときに、始動口１１１への入球が行われた場合、サブ大当たり情報記憶部３０３２が設けられ、保留球処理および保留球による抽選処理（Ｓ４０３）（図９参照）等が行われるため、従来技術にかかる遊技機の問題を解決することができる。
【０１０９】
すなわち、この第二実施形態においても、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能で、保留球が所定数に達した後であっても、遊技者の打ち出し停止等をなくし、遊技者に対して高い興趣を与えることが可能な遊技機を得ることができる。
【０１１０】
また、この第二実施形態においては、サブ大当たり情報記憶部３０３２に二つの乱数値が記憶されており、その中の二つ目の乱数値が大当たりであるため、報知記号として「Ｔ」（トリプル）と表示した場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、例えば、サブ大当たり情報記憶部３０３２内の乱数値の一つ目が大当たりである場合には、報知記号として「Ｗ」（あるいは「Ｄ」）（ダブル）と表示し、サブ大当たり情報記憶部３０３２内に三つの乱数値が記憶されており、その三つ目の乱数値が大当たりである場合には、報知記号として「Ｆ」（フォース）と表示してもよい。
【０１１１】
〈その他の実施形態〉
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【０１１２】
例えば、第一実施形態においては、一回の変動表示に際し、サブ大当たり情報記憶部３０３２内の一つの乱数値を用いる場合について説明し、第二実施形態においては、一回の変動表示に際し、大当たりとなるまで、サブ大当たり情報記憶部３０３２内の乱数値を複数個用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、例えば、一回の変動表示に際し、予め定められた個数の乱数値（サブ大当たり情報記憶部３０３２内の乱数値）を用いるべく構成してもよい。
【０１１３】
また、上記各実施形態においては、サブ大当たり情報記憶部３０３２の記憶領域が五つである場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、一つ以上有していれば、その記憶領域の数は特に限定されない。さらに、上記各実施形態においては、大当たり情報記憶部３０３１の記憶領域と、サブ大当たり情報記憶部３０３２の記憶領域との数が等しい場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、サブ大当たり情報記憶部の記憶領域は、大当たり情報記憶部の記憶領域より、少なくてもまたは多くてもよい。
【０１１４】
また、上記各実施形態においては、サブ大当たり情報記憶部３０３２の乱数値が利用されたことを、図柄表示部１１０にアルファベット（「Ｗ」，「Ｔ」，「Ｆ」）を表示することによって、遊技者に報知する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、数字やキャラクタ等を図柄表示部１１０に表示して遊技者に報知を行ってもよい。
さらに、かかる報知は、遊技者に視覚的に（「Ｗ」等にて）訴えることに限定されるものではなく、視覚以外の五感（聴覚、触覚、嗅覚等）に訴えるべく、遊技機を構成してもよい。したがって、例えば、サブ大当たり情報記憶部３０３２の乱数値が二つ用いられた場合に、スピーカから、二種類の音を発することによって、遊技者に報知を行ってもよい。
【０１１５】
また、上記各実施形態においては、遊技媒体が遊技球である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、遊技機の遊技盤全体（前面）が液晶画面等にて構成されている場合においては、遊技媒体は、かかる液晶画面上にて作動する（原則としてランダムに作動する）、電気的情報に基づく所定のデータであってもよい。
【０１１６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る遊技機は、第二保持手段を設けて、第一保持手段で保持し切れなくなった抽選内容を第二保持手段で保持するようにしただけでなく、次回の抽選結果を第二保持手段に保持された抽選内容に基づく大当たり判定の結果をも考慮して得るようにしたため、保留数が上限に達した後の遊技媒体の所定動作が無駄とはならず（すなわち、抽選機会が喪失されることによる遊技者の利益損失が生じ得ず）、また、遊技者の打ち出し停止等をなくし、遊技機の稼働率低下を好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一実施形態にかかる遊技機の概略的な外観構成図を示したものである。
【図２】本発明の第一実施形態にかかる遊技機の概略的な電気的構成のブロック図を示したものである。
【図３】図２に示した遊技機内の主制御部および保留数表示部等の概略図を示したものである。
【図４】本発明の第一実施形態にかかる遊技機の主制御部における抽選処理等に関する制御動作のフローチャート（メインフロー）を示したものである。
【図５】図４に示されたメインフロー中における保留球による抽選処理に関するフローチャートを示したものである。
【図６】図４に示されたメインフロー中における保留球処理に関するフローチャートを示したものである。
【図７】本発明の第一実施形態にかかる遊技機の図柄表示部の概略的な表示状態変化等を示したものである（サブ大当たり情報記憶部に一つの乱数値が記憶されている場合）。
【図８】本発明の第一実施形態にかかる遊技機の図柄表示部の概略的な表示状態変化等を示したものである（サブ大当たり情報記憶部に二つの乱数値が記憶されている場合）。
【図９】本発明の第二実施形態にかかる遊技機にて行われる保留球による抽選処理に関するフローチャートを示したものである。
【図１０】本発明の第二実施形態にかかる遊技機の図柄表示部の概略的な表示状態変化等を示したものである（サブ大当たり情報記憶部に二つの乱数値が記憶されている場合）。
【符号の説明】
１００…遊技機、１０１…外枠、１０２…前面扉、１０３…遊技盤、１０４…透明板、１０５…ハンドル部、１０６…上皿、１０７…下皿、１０８…外側ガイドレール、１０９…内側ガイドレール、１１０…図柄表示部、１１１…始動口、１１２…入賞口、１１３…開閉板、１１４…大入賞口、１１５…排出口、１１７…ランプ、１１８…スピーカ、１２０…保留数表示部、１２１〜１２４…第一〜第四保留ランプ、１３１…保留数表示制御部、１３２…電源制御部、１３３…主制御部、１３４…図柄表示制御部、１３５…ランプ制御部、１３６…音声制御部、１３７…払出制御部、１４５…始動口センサ、１４６…入賞口センサ、１４７…下皿センサ、１４８…カウンタ、１４９…Ｖゾーンカウンタ、２００…球払出部、３０３…乱数格納領域、３０４…乱数発生器、３０３１…大当たり情報記憶部、３０３２…サブ大当たり情報記憶部、３０３３…図柄情報記憶部、３０３４…リーチ実行情報記憶部、３０３５…リーチ種別情報記憶部、３０３６…保留数カウンタ、３０３７…サブ保留数カウンタ、３０４１…大当たり決定用乱数発生器、３０４３…図柄決定用乱数発生器、３０４４…リーチ実行決定用乱数発生器、３０４５…リーチ種別決定用乱数発生器

Claims (2)

1. 抽選を行い、抽選内容が大当たりであるか否かの抽選結果を大当たり判定により得る抽選実行手段と、前記抽選実行手段における抽選結果に基づき、図柄の変動表示によって、大当たりであるか否かを遊技者に報知する図柄表示部とを備え、遊技媒体の所定動作に起因して、前記抽選実行手段における抽選処理を行うべく構成された遊技機であって、
   前記図柄表示部が変動表示中のときに前記所定動作が行われた場合、前記抽選実行手段における抽選内容を保留数として保持する第一保持手段と、
   前記第一保持手段に保持された保留数が所定数を超えている状態にて前記所定動作が行われた場合、前記抽選実行手段における抽選内容を保持する第二保持手段とを有し、
   該第二保持手段に抽選内容が保持されている場合、次回以降の変動表示に際し、第一保持手段および第二保持手段の両方に保持された抽選内容に基づいて、大当たり判定が行われる
   ことを特徴とする遊技機。
2. 前記遊技媒体が遊技球であって、
   前記所定動作が、前記遊技球が所定箇所への入球および通過の少なくとも一方を行うことである
   請求項１に記載の遊技機。

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